Novel AIの使い方を分かりやすく紹介!画像生成イラスト作成の始め方


Novel AIの使い方を分かりやすく紹介!画像生成イラスト作成の始め方

はじめに:無限の創造力を解き放つ「Novel AI Diffusion」の世界へようこそ

近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、私たちの想像を超える速度で様々な分野に浸透しています。中でも「画像生成AI」は、テキストで指示するだけで高品質なイラストや画像を瞬時に生み出す技術として、クリエイターや趣味を持つ人々の間で大きな注目を集めています。

数ある画像生成AIサービスの中でも、「Novel AI Diffusion」は特にアニメやイラスト風の画像を生成する能力に優れており、その独特のタッチや細部の表現力から、多くのユーザーに支持されています。プロのイラストレーターのような絵を描けなくても、頭の中のイメージを言葉にするだけで、魅力的なキャラクターや美しい風景、思い描いたシチュエーションを形にできるのがNovel AIの最大の魅力です。

「絵は描けないけど、自分の考えたキャラクターのイラストが見たい」「小説やブログの挿絵が欲しい」「オリジナルの世界観をビジュアル化したい」――そんな願いを叶える強力なツール、それがNovel AIです。しかし、「AIって難しそう」「どうやって始めればいいの?」と感じている方もいるかもしれません。

この記事では、Novel AIを使って画像生成を始めるための準備から、基本的な使い方、そしてさらに表現力を高めるためのテクニックまで、初心者の方でも理解できるよう、約5000語というボリュームで徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたもすぐにNovel AIで素晴らしいイラストを生み出す第一歩を踏み出せるはずです。さあ、AIと共に、あなたの創造力を解き放ちましょう。

第1章:Novel AIを始めるための準備

Novel AIで画像生成を始めるために必要なものや、サービスを利用するためのアカウント作成手順について解説します。

1.1 必要なものと推奨環境

Novel AIの画像生成機能「Novel AI Diffusion」は、ウェブブラウザ上で動作するクラウドサービスです。そのため、特別な高性能グラフィックカードを搭載したPCは必須ではありません。

  • インターネットに接続されたPCまたはスマートフォン: 基本的にはPCでの操作を推奨します。スマートフォンでも利用可能ですが、画面が小さいため操作が煩雑になることがあります。デスクトップPCまたはノートPCがあると快適に作業できます。
  • ウェブブラウザ: Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeなど、主要なブラウザであれば利用可能です。常に最新バージョンにアップデートしておくことを推奨します。
  • 安定したインターネット接続: 画像の生成やダウンロードに時間がかかる場合があるため、安定した通信環境が必要です。
  • メールアドレス: アカウント作成に必要です。
  • 支払い方法: 有料サービスのため、クレジットカード、PayPal、または一部の仮想通貨など、利用可能な支払い方法が必要です。

推奨環境:
公式には具体的な推奨スペックは明記されていませんが、快適に利用するためには、以下の点を満たしていると良いでしょう。
* ある程度の処理能力を持つCPU(最近のIntel Core i5/i7、AMD Ryzen 5/7など)
* 十分なメモリ容量(8GB以上推奨、16GB以上あればより快適)
* 十分なストレージ空き容量(生成した画像を保存するため)
* 高解像度のディスプレイ(多くの情報が表示されるため)

スマートフォンやタブレットでも利用できますが、細かい設定やプロンプトの入力にはPCが断然有利です。

1.2 アカウント作成とプラン選択

Novel AIは有料サービスです。画像生成機能を利用するには、いずれかの有料プランに加入する必要があります。無料での画像生成はできません(テキスト生成機能の無料トライアルはありますが、画像生成は有料プランのみ)。

  1. 公式サイトへアクセス: Novel AIの公式サイト(https://novelai.net/)にアクセスします。
  2. 「Sign Up」または「Try Now」をクリック: トップページにあるアカウント作成ボタンをクリックします。
  3. 必要情報の入力: メールアドレス、ユーザー名、パスワードを設定します。利用規約とプライバシーポリシーに同意する必要があります。
  4. メール認証: 登録したメールアドレスに認証メールが届きますので、メール内のリンクをクリックして認証を完了させます。
  5. ログイン: 認証完了後、設定したユーザー名とパスワードでログインします。
  6. プランの選択と購読: ログイン後、プラン選択画面またはアカウント設定画面から、利用したいプランを選択し、購読手続きを行います。

Novel AIの主なプラン(2023年11月現在):

  • Tablet (月額 $10):

    • 画像生成に使用できるAnlas(アンラス、Novel AI内の仮想通貨)が毎月1000Anlas付与されます。
    • 画像生成の回数はAnlasを消費して行います。生成設定によって消費Anlasは変動します。
    • 他の機能(テキスト生成など)にも制限があります。
    • 初めて画像生成を試すのに適したエントリープランです。
  • Scroll (月額 $15):

    • 画像生成に使用できるAnlasが毎月1000Anlas付与されます。
    • Unlimited Text Generation(無制限のテキスト生成)機能が含まれます。
    • Tabletプランよりテキスト生成機能が充実しています。
    • 画像生成とテキスト生成の両方にある程度興味がある方向けです。
  • Opus (月額 $25):

    • 画像生成に使用できるAnlasが毎月1000Anlas付与されます。
    • Unlimited Image Generation(特定の条件を満たす場合に画像生成が無制限になる)機能が付属します。
      • 無制限生成には条件があります。通常、低~中程度の解像度での生成が対象となり、高解像度生成や一部の高度な設定(例えば、非常に大きな画像サイズや高いステップ数など)はAnlasを消費する場合があります。詳細はNovel AIの公式サイトで確認してください。
    • Unlimited Text Generationも含まれ、テキスト生成機能も最も高度なものが利用できます。
    • 画像生成をメインに、無制限に近い形でたくさん使いたい方、またはテキスト生成も本格的に利用したい方向けのプランです。

Anlasについて:
AnlasはNovel AI内で画像生成や一部の高度な機能を利用する際に消費されるポイントのようなものです。毎月付与されるAnlasを使い切った場合でも、追加で購入することが可能です。生成する画像のサイズ、ステップ数、サンプリング方法などの設定によって、1回の生成で消費されるAnlas量は変動します。一般的に、高解像度で複雑な生成ほど多くのAnlasを消費します。Opusプランの無制限生成は、Anlas消費を気にせず使える点が大きなメリットです。

支払い方法:
クレジットカード(Visa, Mastercard, American Express, Discoverなど)、PayPal、一部の仮想通貨(Bitcoin, Ethereum, Litecoinなど)が利用可能です。購読は月単位で自動更新されますが、いつでもキャンセルできます。

プランを選択し、支払い情報を入力して購読手続きを完了すれば、Novel AIの全機能(選択したプランによる)が利用可能になります。

1.3 UI言語の設定

Novel AIのインターフェースは基本的に英語ですが、有志による日本語化パッチや、ブラウザの翻訳機能を利用することで日本語で表示させることも可能です。

  • ブラウザの翻訳機能: Google Chromeなどのブラウザには、ウェブページ全体を翻訳する機能があります。これを利用すると、Novel AIの画面全体を日本語で表示できます。ただし、翻訳精度は完璧ではなく、一部不自然な訳になる場合があります。
  • 有志による日本語化: 一部のコミュニティでは、Novel AIのインターフェースを日本語化するためのツールやスクリプトが提供されています。これを利用する場合は、信頼できる情報源から入手し、自己責任で行ってください。公式サイトが正式に提供している機能ではありません。

この記事では、基本的な操作や設定項目の名称は英語表記を併記しながら解説を進めますが、概念としては日本語で説明しますので、英語が苦手な方でも安心して読み進められます。まずはブラウザの翻訳機能を使ってみるのが手軽でおすすめです。

第2章:画像生成インターフェースの基本操作

Novel AIにログインし、画像生成画面を開くと、様々な要素が配置されています。ここでは、それぞれの要素の役割と基本的な操作方法を解説します。

2.1 画面レイアウトの概要

Novel AIの画像生成画面は、主に以下のエリアに分かれています。

  • 左側のパネル: 設定項目(モデル、サイズ、ステップ数など)が表示されています。ここで生成に関する様々なパラメータを調整します。
  • 中央上部の入力欄: プロンプト(生成したい画像を説明するテキスト)を入力する欄です。
  • 中央下部の入力欄: ネガティブプロンプト(生成したくない画像を説明するテキスト)を入力する欄です。
  • 中央の広いエリア: 生成された画像が表示されるギャラリーエリアです。
  • 右側のパネル: 履歴や参照画像、その他機能などが配置されています。

これらの要素を組み合わせて操作することで、画像を生成します。

2.2 プロンプト入力欄(Prompt)

最も重要で、かつ創造性を発揮する部分です。ここに生成したい画像の内容をテキストで記述します。

  • 入力方法: 画面中央上部の大きなテキストボックスに、英語でキーワードやフレーズを入力します。
  • 記述内容: 生成したい画像に含まれる要素(キャラクター、物体、背景、状況、雰囲気、画風、色、構図、表情など)を具体的に記述します。
  • 言語: Novel AIは英語での入力に最適化されています。日本語で入力することも可能ですが、英語の方がより意図通りの結果が得られやすい傾向があります。英語が苦手な場合は、DeepLやGoogle翻訳などの翻訳ツールを活用しましょう。ただし、固有名詞やスラングなどは翻訳ツールではうまくいかない場合があります。
  • キーワードの区切り: 基本的には、カンマ(,)でキーワードを区切って羅列します。例えば、「1girl, long hair, blue eyes, school uniform, cherry blossoms」のように記述します。

2.3 ネガティブプロンプト入力欄(Negative Prompt / Undesired Content)

生成された画像から除外したい要素を記述する欄です。例えば、「崩れた手(broken hands)」「不自然な体(bad anatomy)」「透かし(watermark)」など、AIが誤って生成しやすい、あるいは望ましくない要素を指定します。

  • 入力方法: 画面中央下部のテキストボックスに入力します。こちらも英語で記述します。
  • 効果: 指定した要素が生成されにくくなります。高品質な画像を生成するためには、ポジティブプロンプトと同様にネガティブプロンプトも非常に重要です。
  • Undesired Content: Novel AIには、あらかじめ典型的な不要要素(不自然な描写など)をまとめて指定できる「Undesired Content」という設定項目があります。これを利用すると、基本的なネガティブプロンプトを手軽に設定できます。この項目は後述の詳細設定で解説します。

2.4 主要な設定項目(左側パネル)

左側のパネルには、画像生成の品質や特徴をコントロールするための様々な設定項目があります。

  • Model: 使用する画像生成モデルを選択します。
  • Image Size: 生成する画像の解像度やアスペクト比を設定します。
  • Steps: 生成プロセスにおける計算ステップ数です。
  • Scale (CFG Scale): プロンプトへの忠実度を調整します。
  • Seed: 生成される画像の初期ノイズパターンを決定する数値です。
  • Sampling Method: 画像生成に使用されるアルゴリズムを選択します。
  • Noise: 生成プロセスに加えるノイズの量を調整します。
  • その他、Reference Image(参照画像)、Advanced Settingsなどがあります。

これらの設定項目については、次章で詳しく解説します。

2.5 生成ボタン(Generate)

プロンプトと設定を入力したら、このボタンをクリックして画像生成を開始します。

  • 位置: 画面の下部中央、または右下などに配置されています。
  • 消費Anlas: クリックすると、現在の設定に基づいた消費Anlas量が表示され、確認後に生成が開始されます(Opusプランの無制限生成条件を満たす場合はAnlasは消費されません)。
  • 生成時間: 設定やサーバーの負荷によって異なりますが、通常は数秒から数十秒で生成されます。

2.6 ギャラリーと履歴

生成された画像は、画面中央のギャラリーエリアに表示されます。過去に生成した画像は履歴として右側パネルに保存されており、後から見返したり、ダウンロードしたりできます。

  • ギャラリー: 生成が完了した画像が表示されます。複数枚生成するように設定している場合は、ここに並んで表示されます。
  • 履歴: 右側パネルの「History」タブなどで、過去の生成履歴を確認できます。使用したプロンプトや設定も一緒に保存されています。
  • ダウンロード: 生成された画像は、クリックして拡大表示し、右クリックや専用のダウンロードボタンから保存できます。

2.7 その他の機能

  • Image to Image (Img2Img): 既存の画像を基にして、新しい画像を生成する機能です。
  • Inpaint/Outpaint: 生成された画像の一部分を修正したり、画像の周囲を拡張したりする機能です。
  • Prompt Improver: 入力した簡単なプロンプトを、より詳細で効果的なプロンプトに拡張してくれる支援機能です。
  • Upload Image: Image to Imageなどで使用する画像をアップロードします。

これらの応用機能についても、後の章で解説します。

まずは、これらの基本的な画面構成と機能の役割を理解しておきましょう。

第3章:主要な設定項目の詳細解説

Novel AIで生成される画像の品質や特徴は、様々な設定項目によって大きく変化します。ここでは、特に重要な設定項目について詳しく解説し、それぞれが画像生成にどのような影響を与えるのかを理解を深めます。

3.1 モデル選択 (Model)

Novel AI Diffusionの核となる部分であり、生成される画像の画風や特徴を決定づけます。Novel AIでは、用途に応じて複数のモデルが提供されています。

  • NovelAI Diffusion Anime (V3):
    • 特徴: 現在のメインモデルであり、最も高品質なアニメ・イラスト風の画像を生成できます。人物、背景、服装など、細部の表現力が高く、Stable DiffusionのAnimeモデルなどと比較しても独自性の高いタッチを持っています。幅広い画風に対応可能ですが、特に美少女イラストやファンタジー系のイラスト生成に強みがあります。
    • 推奨: 特に理由がなければ、まずはこのモデルを選択するのがおすすめです。
  • NovelAI Diffusion Anime (V2):
    • 特徴: 以前の主力モデルです。V3に比べると解像度や表現力で劣る部分がありますが、V2独特の画風を好むユーザーもいます。
    • 推奨: V3でうまくいかない特定の表現を試したい場合や、V2のタッチを好む場合に選択します。
  • NovelAI Diffusion Furry:
    • 特徴: 動物の擬人化キャラクター(ケモナー、獣人)の生成に特化したモデルです。Furry関連のプロンプトに強く、高品質なFurryアートを生成できます。
    • 推奨: Furryアートを生成したい場合に選択します。
  • Safe Diffusion:
    • 特徴: NSFW(Not Safe For Work、成人向けコンテンツ)や露骨な暴力表現などが生成されにくいように調整されたモデルです。
    • 推奨: 安全なコンテンツのみを生成したい場合や、教育目的などで利用する場合に選択します。OpusプランのUnlimited Image Generationは、通常このSafe Diffusionモデルにのみ適用されます。

モデルの選択のヒント:
基本的には「NovelAI Diffusion Anime (V3)」を使いましょう。生成したいテーマがFurryの場合は「NovelAI Diffusion Furry」を選びます。Opusプランで無制限生成を利用したい場合は、「Safe Diffusion」が主になりますが、Anlasを消費すれば他のモデルも利用できます。

3.2 画像サイズ (Image Size)

生成する画像の解像度(ピクセル数)とアスペクト比を設定します。

  • 設定項目:
    • Preset Sizes: あらかじめ用意されたサイズ(例: Portrait 512×768, Landscape 768×512, Square 640×640など)。
    • Custom Size: 任意の幅(Width)と高さ(Height)をピクセル単位で指定できます。
  • 解像度と品質: 一般的に、解像度が高いほど画像のディテールは向上しますが、生成にかかる時間や消費Anlas量が増加します。また、あまりに極端なアスペクト比(例えば、非常に横長い画像や縦長い画像)は、キャラクターが不自然に変形したり、複数のキャラクターが意図せず生成されたりする原因になることがあります。
  • 消費Anlasへの影響: 同じモデル、同じ設定の場合、画像サイズが大きくなるほど消費Anlas量は比例して増加します。Opusプランの無制限生成の対象となるサイズは、通常「Medium」「Large」程度までです。それ以上のサイズ(「Wallpaper」など)はAnlasを消費します。
  • 推奨: まずはPresetsの中から「Medium」程度のサイズ(例: Portrait 512×768)で試してみるのがおすすめです。生成のコツを掴んだら、徐々にサイズを上げてみたり、Custom Sizeで目的のアスペクト比に調整したりすると良いでしょう。

3.3 ステップ数 (Steps)

画像生成プロセスにおける、ノイズから画像を復元していく計算の繰り返し回数を指します。

  • 設定項目: 数値を指定します(例: 28, 50, 150など)。
  • 影響:
    • 数値が小さい(例: 20以下): 生成が速いですが、細部の描写が不十分になったり、ノイズが残ったりする可能性があります。
    • 数値が大きい(例: 50以上): 生成に時間がかかり、消費Anlasも増加しますが、細部の描写がより精緻になり、品質が向上する傾向があります。ただし、あまりに大きくしても品質がそれほど向上しなかったり、逆に不自然になったりすることもあります。
  • 推奨: 一般的には28~50程度の範囲で十分な品質が得られることが多いです。まずは28~35程度で試してみて、細部が甘いと感じたら徐々に増やしてみるのが良いでしょう。非常に高い数値(100以上)は、特別な理由がない限りは避けましょう。

3.4 スケール (Scale / CFG Scale)

Classifier-Free Guidance Scaleの略で、生成される画像が入力されたプロンプトにどれだけ忠実に従うかを調整するパラメータです。

  • 設定項目: 数値を指定します(例: 7, 11, 18など)。
  • 影響:
    • 数値が小さい(例: 5以下): AIの「自由な発想」が反映されやすく、プロンプトから離れた画像が生成されることがあります。意図しない要素が含まれたり、抽象的な画像になったりすることもありますが、思わぬ面白い結果が得られる可能性もあります。
    • 数値が大きい(例: 10以上): プロンプトの内容を強く反映しようとします。意図した要素がしっかりと描かれやすくなりますが、プロンプトにない要素は排除されやすくなり、画一的になったり、不自然に強調されたりすることもあります。
    • 適切な範囲: あまりに小さすぎると制御不能になり、大きすぎると絵が破綻したり歪んだりすることがあります。
  • 推奨: 一般的には7~14程度の範囲が推奨されています。まずは11あたりから試してみて、プロンプトがうまく反映されない場合は数値を上げ、逆に絵が不自然になったり硬い表現になったりする場合は数値を下げてみましょう。

3.5 シード値 (Seed)

生成される画像の初期ノイズパターンを決定する数値です。この数値が同じであれば、同じプロンプトと設定で常に同じ画像が生成されます。

  • 設定項目: 数値を指定します。何も指定しない場合や-1を指定した場合は、毎回ランダムなシード値が使用されます。
  • 影響:
    • 同じシード値: 全く同じ画像(または非常に類似した画像)を何度でも再現できます。
    • 異なるシード値: 同じプロンプトと設定でも、全く異なる画像が生成されます。
  • 活用法:
    • 気に入った画像の再現: 気に入った画像が生成されたら、その画像のシード値をメモしておきましょう。後で同じ画像や、その画像を基にしたバリエーションを生成する際に役立ちます。
    • バリエーション生成: あるシード値で生成した画像から、プロンプトや他の設定を少し変更して、元の画像と似ているけれど少し違うバリエーションを簡単に生成できます。
    • 探索: プロンプトや設定は固定したまま、シード値だけをランダム(-1)にして複数回生成することで、多様な画像を試すことができます。

3.6 サンプリング方法 (Sampling Method)

画像生成プロセスにおいて、ノイズから画像を復元していく計算アルゴリズムの種類です。 Novel AIではいくつかの方法が選択できます。

  • 代表的な方法:
    • Euler Ancestral: 比較的古いですが、自然で安定した結果が得られやすい方法です。アニメ調のイラスト生成によく使われます。生成ごとに微妙に結果が変動するのが特徴です。
    • DPM++ SDE Karras: 最近のモデルでよく使用される、高品質で安定した結果が得られやすい方法です。シャープな画像になりやすい傾向があります。Euler Ancestralより生成時間は少し長くなることがあります。
    • その他にも、DPM2, DDPM, PLMSなど様々な方法がありますが、Novel AI Diffusionでは上記の二つがよく使われます。
  • 影響: 選択した方法によって、生成される画像のテクスチャ、ノイズの乗り方、細部の表現などが微妙に変化します。
  • 推奨: まずは「Euler Ancestral」または「DPM++ SDE Karras」を試してみるのがおすすめです。同じプロンプトと設定でいくつかのサンプリング方法を比較してみて、好みのタッチになるものを選んでみましょう。ステップ数と組み合わせて調整することが多いです。

3.7 ノイズ (Noise / Add Noise)

生成プロセスに加えるノイズの量を調整します。

  • 設定項目: スライダーなどで0から1まで(またはそれ以上)の範囲で設定します。
  • 影響:
    • 0に近い: 生成される画像はより安定し、元のプロンプトやシード値に忠実になります。
    • 1に近い: 生成される画像にランダム性が加わり、より多様で予測不能な結果が得られやすくなります。Image to Imageで元の画像からの変化量を調整する際にも使用されます。
  • 推奨: 通常は0のままで問題ありません。Image to Imageで元の画像から大きく変化させたい場合などに数値を上げることがあります。

3.8 その他の設定 (Advanced Settingsなど)

  • Undesired Content: あらかじめ用意されたネガティブプロンプトのプリセットです。「Light」「Heavy」などの選択肢があり、「Heavy」にするほど、より多くの不要要素(崩れた手、不自然なポーズ、透かし、検閲など)が除外されやすくなります。手動でネガティブプロンプトを入力する手間を省けます。
  • Add Quality Tags: プロンプトの末尾に、高品質な画像を生成するための推奨タグ(例: masterpiece, best quality, official artなど)を自動的に追加する機能です。チェックを入れておくと、手入力なしで品質向上に役立つタグを含めることができます。
  • Upscale: 生成された画像を、後からより高解像度にする機能です。元の生成とは別にAnlasを消費します。
  • Number of Images: 1回の生成で作成する画像の枚数を指定できます。まとめて複数枚生成したい場合に便利ですが、その枚数分だけ消費Anlasや生成時間が増えます。

これらの設定項目を理解し、プロンプトと組み合わせることで、Novel AIはあなたのイメージにぴたりと合った画像を生成してくれるようになります。最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ色々な設定を試しながら、それぞれの効果を体感していくのが習得の近道です。

第4章:実践!初めての画像生成と調整

さて、アカウント作成と基本的な設定項目の理解ができたら、実際に画像生成を試してみましょう。簡単な例から始めて、生成結果を見ながらどのようにプロンプトや設定を調整していくか、具体的な手順を追って解説します。

4.1 ステップ1:簡単なプロンプトで生成してみる

まずは、最も基本的な要素だけでプロンプトを作成し、デフォルトに近い設定で生成してみます。

  1. Novel AIにログインし、画像生成画面を開く。
  2. モデルを選択: 「NovelAI Diffusion Anime (V3)」を選択します。
  3. 画像サイズを選択: Presetsから「Portrait (512×768)」を選択します。
  4. プロンプトを入力: 中央上部のプロンプト入力欄に、以下のように入力してみましょう。
    1girl, school uniform, long hair, smile
    (意味: 1人の女の子、学校の制服、長い髪、笑顔)
  5. ネガティブプロンプトを設定: 中央下部のネガティブプロンプト欄に、以下のように入力してみましょう(またはUndesired ContentをHeavyに設定)。
    low quality, bad anatomy, worst quality, deformed
    (意味: 低品質、不自然な体、最低品質、歪んでいる)
  6. その他の設定: Stepsは28、Scaleは11、Seedは-1(ランダム)のまま、Sampling MethodはEuler Ancestralを選択します。Number of Imagesは1で構いません。Add Quality Tagsはチェックを入れておくと良いでしょう。
  7. 「Generate」ボタンをクリック: 生成にかかるAnlas消費量が表示されます。確認して問題なければ「Yes」または「OK」をクリックして生成を開始します。

数秒待つと、画像が生成されてギャラリーに表示されるはずです。

4.2 ステップ2:生成結果を確認し、改善点を考える

生成された画像を見てみましょう。どうでしょうか? プロンプトで指定した要素(女の子、制服、長い髪、笑顔)は表現されていますか?

  • 意図通りに生成された点: 「女の子が制服を着ている」「髪が長い」「笑っている」など、基本的な要素が描かれているか確認します。
  • 意図通りに生成されなかった点:
    • 服装が制服っぽくない
    • 髪型や髪の色がイメージと違う
    • 笑顔が不自然
    • 背景が気に入らない、または何も描かれていない
    • 手の形がおかしい、指が多い/少ない
    • 画像全体がぼやけている、ノイズが多い
    • その他、不自然な部分がないか

初めての生成では、完璧な画像ができることは稀です。必ず何かしらの改善点が見つかるはずです。重要なのは、どこが意図通りでなかったのか、どうすれば改善できそうかを考えることです。

4.3 ステップ3:プロンプトを修正・追加する

改善点を踏まえて、プロンプトをより具体的にしたり、新しい要素を追加したりします。

例えば、「長い髪」をもっと具体的に「茶色のロングヘア」にしたい場合は、long hairbrown long hairに変更します。
制服をもっと日本の学校の制服っぽくしたい場合は、school uniformjapanese school uniform, seifukuのように変更したり、具体的な要素(例: pleated skirt, sailor collarなど)を追加したりします。
背景に教室を描きたい場合は、プロンプトの末尾などに, classroomを追加します。

以下のようにプロンプトを修正してみましょう。
1girl, japanese school uniform, seifuku, brown long hair, smile, looking at viewer, classroom
(意味: 1人の女の子、日本の学校の制服、セーラー服、茶色のロングヘア、笑顔、こちらを見ている、教室)

このプロンプトで再度生成してみましょう。シード値をランダム(-1)のままにしておけば、全く新しい画像が生成されます。

4.4 ステップ4:ネガティブプロンプトを活用する

ステップ2で「手の形がおかしい」などの不自然な描写が気になった場合は、ネガティブプロンプトを強化します。

一般的なネガティブプロンプトとして、以下のようなものは品質向上に非常に有効です。
low quality, bad anatomy, worst quality, deformed, extra limbs, extra fingers, fewer fingers, mutated hands, jpeg artifacts, blurry, kitsch, ugly, gross, distorted, censored
(意味: 低品質、不自然な体、最低品質、歪んでいる、余分な手足、余分な指、少ない指、変異した手、jpegノイズ、ぼやけている、悪趣味な、醜い、不快な、歪んだ、検閲された)

これらのタグを追加したり、Undesired Contentの設定をHeavyにしたりすることで、不自然な描写が生成される可能性を減らすことができます。

4.5 ステップ5:設定値を調整する

プロンプトの修正だけでは意図通りの結果が得られない場合や、もっと画質を向上させたい、プロンプトへの忠実度を変えたいといった場合は、設定値を調整します。

  • 細部が甘い、ノイズが気になる: Stepsの値を28から35、40と増やしてみます。
  • プロンプトの内容が反映されにくい、要素が抜ける: CFG Scaleの値を11から12、13と増やしてみます。
  • 絵が硬すぎる、プロンプトに縛られすぎている: CFG Scaleの値を11から10、9と減らしてみます。
  • 画像の雰囲気を変えたい: Sampling MethodをEuler AncestralからDPM++ SDE Karrasに変えてみます。
  • 画像サイズを大きくしたい: Image SizeをPortrait (512×768)からMedium (640×960)やLarge (768×1152)に変更してみます。ただし、消費Anlasが増える点に注意してください。

これらの設定値を少しずつ変更して、生成結果の変化を確認しながら、最適な値を探っていきます。

4.6 ステップ6:シード値を活用したバリエーション生成

気に入った画像が生成されたとします。その画像を基に、少しだけバリエーションを生成したい場合は、その画像のシード値を固定して、プロンプトや他の設定を少し変更して生成してみましょう。

  1. 気に入った画像のシード値を確認: 生成された画像をクリックして詳細を表示すると、使用されたプロンプトや設定、そしてシード値が確認できます。そのシード値をコピーします。
  2. シード値を入力: 画像生成画面に戻り、Seedの入力欄にコピーしたシード値を貼り付けます。
  3. プロンプトや設定を少し変更: 例えば、髪の色を変えたいならbrown long hairblonde long hairに変えます。服装の一部を変えたい、表情を変えたい、背景に少し要素を追加したい、といった修正を加えます。CFG Scaleを少し変えて、プロンプトへの忠実度を微調整するのも有効です。
  4. 生成ボタンをクリック: 同じシード値で生成することで、元の画像と似た構図や雰囲気を保ちつつ、変更した要素が反映された画像が生成されるはずです。

このように、プロンプトの修正、ネガティブプロンプトの活用、設定値の調整、そしてシード値の固定・変更を繰り返しながら、理想の画像に近づけていきます。この試行錯誤のプロセスこそが、Novel AIを使った画像生成の醍醐味です。

第5章:より高度な画像生成テクニック

基本的な画像生成ができるようになったら、さらに表現の幅を広げるための高度なテクニックに挑戦してみましょう。

5.1 効果的なプロンプト記述法

プロンプトはAIとの対話です。より具体的に、より効果的に指示を出すことで、意図通りの画像を生成できる可能性が高まります。

  • 要素の順序と重要度: プロンプトは、基本的に左側にあるキーワードほどAIが強く意識する傾向があります。最も強調したい要素(例: masterpiece, best qualityや主被写体)をプロンプトの最初の方に置くと効果的です。
  • 強調構文(Parentheses () と Brackets []:
    • () で囲むと、そのキーワードを強調できます。(例: (red hair) で赤い髪をより強く意識させる)
    • [] で囲むと、そのキーワードを抑制できます。(例: [blue eyes] で青い目をあまり強調しない、あるいは少し避ける)
    • これらの記号は複数重ねることで、さらに強調・抑制の度合いを調整できます。(例: ((very long hair)) で非常に長い髪を強く強調)
  • 重み付け構文(Weighting :数値: キーワードの後に :数値 を付けることで、そのキーワードの重要度を数値で指定できます。1.0が基準で、1.0より大きいと強調、1.0より小さいと抑制になります。(例: red hair:1.2 で赤い髪を少し強調、blue eyes:0.8 で青い目を少し抑制)強調構文と重み付けは似た効果がありますが、数値で細かく調整できるのが重み付けの利点です。
  • 画風指定: 特定の画風で描かせたい場合は、その画風を説明するキーワード(例: watercolor, oil painting, pixel artなど)や、有名な画家やイラストレーター、アニメスタジオの名前をプロンプトに含めることが有効です。(例: by Studio Ghibli, in the style of loish, by Alphonse Muchaなど)ただし、著作権に配慮が必要です。
  • アングルと構図: カメラのアングルや構図を指定するキーワードは、画像の印象を大きく変えます。(例: close-up, medium shot, full body shot, wide shot, eye level shot, low angle, high angle, dutch angle, bird's eye view, from behindなど)
  • 表情とポーズ: キャラクターの表情やポーズを指定することで、より生き生きとしたイラストになります。(例: smile, sad, angry, surprised, shy, standing, sitting, walking, jumping, hands on hips, arms crossed, victory poseなど)
  • 服装と小物: 服装やアクセサリー、小物を具体的に指定することで、キャラクターの個性を際立たせることができます。(例: white dress, black boots, red ribbon, holding a book, carrying a backpack, wearing glassesなど)細かい装飾品(例: lace trim, gold embroidery, frills)なども効果的です。
  • 背景とシチュエーション: キャラクターだけでなく、背景や全体のシチュエーションを詳しく記述することで、物語性のあるイラストになります。(例: in a forest, on a rooftop, under the starry sky, raining, sunset light, foggy dayなど)
  • 複雑なシーン: 複数のキャラクターや特定の関係性、複雑なアクションなどを表現したい場合は、プロンプトの記述が難しくなります。主となる要素から順番に記述し、カンマで適切に区切ることが重要です。必要に応じて強調構文や重み付けを活用します。

プロンプト作成のコツ:
* 最初は簡単な単語から始め、徐々に詳細を追加していく。
* 生成結果を見ながら、どのキーワードがどう影響するかを観察する。
* 他の人が公開している優れたプロンプトを参考に学ぶ(Novel AIのギャラリー機能や、Novel AI専門の画像投稿サイトなどで公開されているプロンプトを参考にできます)。
* 完璧を目指さず、AIの解釈を楽しむ余裕を持つ。

5.2 応用機能の活用

Novel AIには、通常のテキストからの画像生成以外にも、便利な応用機能が搭載されています。

  • Image to Image (Img2Img):
    • 機能: 既存の画像をアップロードし、それを基にして新しい画像を生成します。元の画像の構図や色合い、雰囲気を引き継ぎつつ、プロンプトの内容を反映させることができます。
    • 使い方: 「Upload Image」で元画像をアップロードし、Image to Imageの機能を有効にします。プロンプトを入力し、設定(特にNoiseの値)を調整して生成します。Noiseの値が高いほど元の画像からの変化が大きくなり、低いほど元の画像に忠実な結果になります。
    • 活用例: ラフスケッチを清書する、写真からイラスト調の画像を生成する、既存のイラストに新しい要素を追加する、画風を変えるなど。
  • Inpaint / Outpaint:
    • 機能: Inpaintは生成された画像の一部分を選択し、プロンプトで指定した内容に描き直す機能です。Outpaintは画像の周囲を拡張し、空白部分をプロンプトの内容で埋める機能です。
    • 使い方: 生成された画像を拡大表示し、「Inpaint」または「Outpaint」機能を選択します。Inpaintの場合は描き直したい範囲をマスクで指定し、プロンプトと設定を入力して生成します。Outpaintの場合は拡張したい方向(上下左右)を指定し、プロンプトと設定を入力して生成します。
    • 活用例: キャラクターの顔や服装の一部を修正する、背景にオブジェクトを追加・削除する、縦長の画像を横長に拡張して背景を付け足すなど。
  • Reference Image:
    • 機能: 別の画像を「参照画像」としてアップロードし、その画像の構図、ポーズ、色合い、または画風などを参考にしながら画像を生成する機能です。Image to Imageとは異なり、参照画像そのものを加工するのではなく、あくまで「参考にする」点が特徴です。
    • 使い方: Reference Imageのエリアに参照画像をアップロードし、参考にしたい度合い(Strength)を設定します。プロンプトを入力して生成します。
    • 活用例: 特定のポーズや構図で描きたい、別のイラストの配色や雰囲気を真似したい、特定のキャラクターデザインを参照したい(権利に注意が必要)など。
  • Prompt Improver:
    • 機能: 入力した短いプロンプト(例: a girl in a forest)に対して、Novel AIが関連性の高いキーワードや詳細な描写を提案し、よりリッチなプロンプトに拡張してくれる機能です。
    • 使い方: プロンプト入力欄の近くにある「Prompt Improver」ボタンなどをクリックして利用します。
    • 活用例: どんなキーワードを使えば良いか分からない場合、より詳細な描写を追加したい場合、新しい表現のヒントを得たい場合など。

これらの応用機能を使いこなすことで、あなたのイメージをより忠実に、あるいは全く新しい形で具現化することが可能になります。

5.3 より高度な設定の調整

  • Sampling Methodの実験: Euler AncestralやDPM++ SDE Karrasだけでなく、他のSampling Methodも試してみる価値があります。特に新しいモデルがリリースされた場合や、特定の画風を目指す場合に、他のサンプリング方法がより良い結果をもたらすことがあります。
  • Noiseの設定: 通常は0で使われますが、Image to Imageで元の画像からの変化量を細かく調整したい場合や、完全にランダムではないけれど少し変化を加えたい場合に、わずかにノイズを加えることで、生成されるバリエーションの幅を広げることができます。
  • Anomalous Noise: Stable Diffusionなど他のAIで言うところの”Eta”に相当する設定項目が、Novel AIにも含まれている場合があります(Advanced Settings内など)。これはサンプリングプロセスにおける確率的な要素を調整するもので、生成される画像の多様性やノイズの質に影響を与えます。通常はデフォルト値で構いませんが、より実験的な生成を行いたい場合に調整することがあります。

これらの高度なテクニックや設定は、すぐにマスターできるものではありません。繰り返し試行錯誤を行い、Novel AIの特性を理解していくことが重要です。

第6章:生成された画像の活用と利用上の注意点

Novel AIで素晴らしいイラストが生成できたら、それをどのように活用し、またどのような点に注意すべきかを理解しておきましょう。

6.1 生成画像のダウンロードと保存

生成された画像は、Novel AIのウェブインターフェース上で閲覧できるだけでなく、ローカル環境にダウンロードして保存できます。

  • ダウンロード方法:
    1. 生成された画像をギャラリーでクリックし、拡大表示します。
    2. 画像の下部や右クリックメニューに表示される「Download」ボタンまたはダウンロードアイコンをクリックします。
    3. お使いのブラウザの設定に従って、画像ファイルがダウンロードフォルダに保存されます。

ダウンロードした画像は、一般的な画像ファイル形式(通常はPNGまたはJPEG)で保存されます。お使いの画像編集ソフトなどで自由に開いて閲覧、編集できます。

6.2 生成AIと著作権について

画像生成AIで生成された画像の著作権については、現在、世界的に議論が進んでいる非常に複雑な問題です。 Novel AIを含む多くの画像生成AIは、インターネット上の膨大な画像データを学習して画像を生成しています。この学習データには、著作権で保護されている画像が含まれている可能性があります。

  • 現状の解釈(日本): 日本においては、AIが自律的に生成した著作物について、誰に著作権が帰属するか明確な法律はありません。AI開発者、AI利用者、学習データの提供者など、様々な考え方がありますが、現在の文化庁の見解では、AIが「創作意図を持って」「自律的に」生成した著作物については、人間のような著作権は認められない可能性があるとされています。ただし、利用者がプロンプトや設定で「創作意図」を持ってAIを「道具として」利用し、生成された画像に利用者の「思想又は感情」が創作的に表現されていると認められる場合は、その利用者に著作権が認められる可能性も示唆されています。この判断は個別ケースによって異なり、非常に難しい問題です。
  • Novel AIの規約: Novel AIの利用規約では、通常、ユーザーが生成した画像はユーザーに帰属すると定めていることが多いです。しかし、これはあくまでNovel AIとユーザー間の契約上の取り決めに過ぎず、第三者との著作権トラブル(特に、学習データに含まれる元画像の著作権者とのトラブル)を回避できるものではありません。
  • 重要な注意点:
    • 特定の画風やキャラクターの模倣: 特定のイラストレーターやアニメスタジオの画風、あるいは既存のキャラクターデザインを意図的に模倣するようなプロンプトを使用すると、著作権や商標権の侵害にあたる可能性があります。
    • 学習データの著作権: AIが学習した元の画像の著作権が侵害されている可能性はゼロではありません。生成された画像が、偶然または意図せず、特定の既存の画像と酷似してしまうリスクも存在します。
  • 推奨される対応:
    • 生成された画像が、特定の既存の作品に酷似していないか確認する。
    • 他者の著作権や商標権を侵害するようなプロンプトは避ける。
    • グレーゾーンであることを理解し、特に商用利用する際は慎重に行う。不安な場合は専門家(弁護士など)に相談する。
    • Novel AIの最新の利用規約を確認する。

著作権問題は常に変動しており、新しい判例や法整備が行われる可能性があります。利用者は常に最新の情報を確認し、慎重に行動することが求められます。

6.3 商用利用について

Novel AIで生成した画像を商用利用できるかどうかも、上記の著作権問題と密接に関連しています。

  • Novel AIの規約: Novel AIの利用規約では、通常、ユーザーが生成した画像の商用利用を許可しています。しかし、これもあくまでサービスプロバイダとしてのNovel AIが許可しているだけであり、第三者の著作権を侵害していないことを保証するものではありません。
  • リスク: 生成された画像が、学習データの元となった著作物と酷似している場合、その元著作物の権利者から著作権侵害を主張されるリスクがあります。特に、収益を伴う商用利用の場合、権利者からの追及を受ける可能性が高まります。
  • 安全性を高めるために:
    • 完全にオリジナルなプロンプトで生成する。
    • 特定のアーティスト名や既存のキャラクター名をプロンプトに含めない。
    • 生成された画像が、既存の有名作品に似ていないか十分に確認する。
    • 完全に安全であるとは言い切れないことを理解し、リスクを許容できる範囲で利用する。
    • 生成AIによって生成された画像であることを明記する(必須ではありませんが、トラブル回避に役立つ場合があります)。

ブログの挿絵、SNSでの公開、個人で楽しむ範囲であれば、リスクは比較的低いと考えられますが、商品デザインや広告など、大規模な商用利用を検討する場合は、より一層の注意が必要です。

6.4 倫理的な考慮事項

画像生成AIは強力なツールであると同時に、倫理的に配慮すべき点も存在します。

  • 成人向けコンテンツ (NSFW): Novel AIは、適切に設定すれば成人向けコンテンツを生成することも可能ですが、これを公共の場で公開したり、不特定多数が閲覧できる場所にアップロードしたりすることは、法律やプラットフォームの規約に違反する可能性があります。また、未成年者の描写を含むコンテンツの生成は、絶対に行ってはなりません。Novel AIの利用規約や、画像を投稿・公開するプラットフォームの規約を遵守することが重要です。OpusプランのUnlimited Image Generationは、通常Safe Diffusionモデルにのみ適用されるなど、Novel AI側も配慮を行っています。
  • 他者のプライバシーや肖像権の侵害: 個人の特定につながる画像や、本人の許可なく他者の肖像を生成することは、プライバシーや肖像権の侵害にあたる可能性があります。
  • 誤情報の拡散: 実写風の画像を生成できるAIも存在するため、意図的に事実と異なる画像を生成し、誤情報やフェイクニュースとして拡散することは、倫理的に許容されません。Novel AIはアニメ・イラスト特化ですが、悪意を持って利用される可能性はゼロではありません。
  • 生成AIに対する偏見や差別の反映: AIは学習データに含まれる偏見や差別を反映してしまう可能性があります。生成された画像に不適切な表現が含まれていないか、注意深く確認することが重要です。

生成AIを利用する際は、技術的な側面だけでなく、社会的な影響や倫理的な側面にも十分配慮し、責任ある利用を心がけましょう。

6.5 生成画像の保存・整理

たくさん画像を生成していくと、すぐに数百、数千枚と溜まっていきます。後から見返したり、再利用したりするために、画像を適切に保存・整理することをおすすめします。

  • フォルダ分け: テーマ別、プロジェクト別、お気に入りなど、分かりやすい基準でフォルダ分けして保存します。
  • ファイル名: ファイル名に簡単な内容や生成日などを付けておくと、検索しやすくなります。
  • 情報管理: 生成に使用したプロンプトや設定(特にシード値)を画像と一緒に保存しておくと、後から再現したり、バリエーションを作ったりする際に非常に役立ちます。Novel AIの履歴機能も便利ですが、ローカルにも保存しておくと安心です。テキストファイルやスプレッドシート、あるいはNovel AIのプロンプト管理ツールなどを活用するのも良いでしょう。

第7章:よくある質問(FAQ)

Novel AIを使う上で、多くの人が疑問に思うであろう点や、遭遇しやすい問題について解説します。

7.1 課金やAnlasについて

  • Q: 無料で画像生成できますか?
    • A: いいえ、Novel AIで画像生成機能を利用するには、有料プランへの加入が必要です。無料トライアル(テキスト生成のみ)はありますが、画像生成はAnlasを消費するか、Opusプランの無制限生成機能を利用する必要があります。
  • Q: Anlasは毎月付与される1000Anlasだけで足りますか?
    • A: どのプランで、どの程度の頻度・設定で生成するかによります。TabletやScrollプランで、高解像度の画像を頻繁に生成する場合、1000Anlasはすぐに使い切ってしまう可能性があります。Opusプランで、無制限生成の対象となる設定(通常は中程度のサイズまで)を中心に使うのであれば、Anlas消費を気にせず大量に生成できます。Anlasは追加で購入することも可能です。
  • Q: プランはいつでも変更・キャンセルできますか?
    • A: はい、月額購読はいつでもアカウント設定画面から変更またはキャンセルできます。ただし、月の途中でキャンセルしても、その月分の料金は返金されません。

7.2 生成時間やエラーについて

  • Q: 画像生成に時間がかかります。なぜですか?
    • A: 生成にかかる時間は、主に以下の要因に影響されます。
      • 画像サイズ: 大きいほど時間がかかります。
      • ステップ数: 大きいほど時間がかかります。
      • サーバーの負荷: 利用者が多い時間帯などは、処理に時間がかかることがあります。
      • ネットワーク環境: 通信が不安定だと時間がかかることがあります。
    • すぐに結果を見たい場合は、まず小さめのサイズ、少なめのステップ数(例: 512×768, Steps 28)で試してみましょう。
  • Q: 生成中にエラーが表示されました。どうすればいいですか?
    • A: エラーの原因は様々ですが、以下の点を試してみてください。
      • プロンプトを確認: 長すぎたり、特殊な記号が含まれていたりしないか確認します。
      • 設定を確認: 極端な設定値になっていないか確認します(例: Stepsが異常に多いなど)。
      • ブラウザを再読み込み: 一時的な問題かもしれません。
      • ログアウト/ログイン: アカウントの状態に問題がある可能性もあります。
      • 異なるモデルや設定で試す: 特定の設定やプロンプトとの相性の問題かもしれません。
      • Novel AIの公式サイトやSNSを確認: サービス全体の障害が発生している可能性もあります。
      • 問題が解決しない場合は、Novel AIのサポートに問い合わせてください。

7.3 生成できない画像について

  • Q: 特定の要素(例: 帽子、手、特定の動物など)がうまく生成されません。
    • A: AIは得意な描写と苦手な描写があります。手や指、複雑な装飾品などは、現在のAIでも崩れやすい傾向があります。
      • プロンプトを具体的に: 描写してほしい要素をより詳しく、複数の単語で指定してみます。(例: detailed hands, five fingers, holding a bookなど)
      • ネガティブプロンプトを強化: 苦手な要素に関連するネガティブプロンプトを追加します。(例: bad hands, extra fingersなど)
      • CFG Scaleを調整: プロンプトへの忠実度を変えてみます。
      • Sampling MethodやStepsを変更: アルゴリズムや計算回数を変えることで結果が変わることがあります。
      • Reference Imageを使う: 描いてほしい要素を含む画像を参考に生成してみます。
      • Inpaintで修正: 生成後に、うまく描けていない部分をInpaint機能で修正します。
    • あらゆるプロンプトで完璧な結果が得られるわけではないことを理解し、試行錯誤を楽しむ姿勢が重要です。
  • Q: 成人向けコンテンツを生成しようとしましたが、うまくいきません。
    • A: Novel AIは意図的に成人向けコンテンツを生成しにくくするフィルター(Safe Diffusionモデルなど)や規約上の制限を設けています。特にOpusプランの無制限生成はSafe Diffusionが主です。Anlasを消費する生成(他のモデルや特定の設定)であれば可能性はありますが、Novel AIの規約に違反しない範囲での利用を推奨します。また、前述の倫理的な問題にも十分に配慮してください。

7.4 他の画像生成AIとの比較

  • Q: Novel AIとMidjourney、Stable Diffusionなどは何が違いますか?
    • A: それぞれに特徴があります。
      • Novel AI: 特にアニメ・イラスト風の画像生成に特化しており、その分野では非常に高品質な画像を安定して生成できます。独自のモデルを持っており、特定のプロンプトや設定に対する反応に特徴があります。初心者でも比較的扱いやすいインターフェースです。
      • Midjourney: フォトリアルな画像、幻想的で芸術的な画像、独特のタッチを持つ画像を生成するのが得意です。Discord上で操作するのが特徴です。操作にある程度の慣れが必要な場合があります。
      • Stable Diffusion: オープンソースのモデルであり、様々な派生モデル(Checkpoint)や拡張機能(LoRA, ControlNetなど)が豊富に存在するのが最大の強みです。ローカル環境で動作させることも可能で、カスタマイズ性が非常に高いです。ただし、環境構築や操作にはある程度の知識が必要です。
    • どのAIが良いかは、生成したい画像のスタイルや、利用者の目的、PC環境などによって異なります。アニメ・イラストを中心に生成したいならNovel AIは有力な選択肢の一つです。

第8章:まとめ:Novel AIであなたの創造力を解き放とう

Novel AIを使った画像生成・イラスト作成の始め方から、基本的な操作、詳細な設定、応用テクニック、そして利用上の注意点まで、約5000語にわたって詳細に解説してきました。

Novel AI Diffusionは、アニメやイラストに特化した強力な画像生成AIです。プロンプトと呼ばれるテキストで指示を出すだけで、あなたの頭の中のイメージを素晴らしいビジュアルとして具現化してくれます。絵を描くスキルがなくても、豊かな想像力と、少しの試行錯誤の根気さえあれば、誰でもオリジナルのイラストを生み出すことが可能です。

初めての画像生成では、なかなか意図通りの結果が得られないこともあるでしょう。しかし、それは決して失敗ではありません。どのプロンプトや設定が、どのような結果をもたらすのかを学ぶ貴重な経験です。プロンプトを修正し、ネガティブプロンプトを追加し、設定値を調整し、そしてシード値を活用しながら、理想の画像に一歩ずつ近づいていくプロセスこそが、Novel AIを使った画像生成の楽しさであり、創造性を刺激する体験です。

Image to Image、Inpaint/Outpaint、Reference Imageといった応用機能を使いこなせば、さらに表現の幅は広がります。ラフスケッチを清書したり、生成された画像の一部を修正したり、特定の画風を真似てみたりと、様々なニーズに応じた使い方が可能です。

ただし、生成AIの利用には、著作権や倫理といった考慮すべき重要な側面があることも忘れてはなりません。他者の権利を尊重し、責任ある利用を心がけることが、健全な創作活動を行う上で不可欠です。

Novel AIは日々進化しています。新しいモデルがリリースされたり、機能が追加されたりする可能性もあります。常に最新の情報をチェックし、積極的に新しい機能やテクニックを試してみましょう。

さあ、この記事で学んだ知識を手に、Novel AIの世界へ飛び込んでみてください。あなたの言葉が、美しいイラストとなって目の前に現れる感動を、ぜひ体験してください。無限の創造力が、AIと共に、あなたを待っています。

この記事が、あなたのNovel AIを使った画像生成ライフの素晴らしいスタートの一助となれば幸いです。


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