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目次
- はじめに:macOS Sonomaとは?
- 新しい体験の始まり
- Sonomaの主要テーマ
- なぜSonomaにアップグレードすべきか?
- デスクトップ体験の刷新:ウィジェットの進化
- デスクトップにウィジェットが登場!
- ウィジェットの追加方法とカスタマイズ
- インタラクティブなウィジェット
- 「連係ウィジェット」:iPhone/iPadウィジェットをMacで
- ウィジェットの見た目の変化:集中を妨げない工夫
- ウィジェット体験のまとめ
- ゲーム体験の劇的な向上:ゲームモード
- Macでのゲームが本格化
- ゲームモードとは?
- ゲームモードの効果:パフォーマンスと遅延
- 自動有効化と対応ゲーム
- Metal 3とSonomaの連携
- ゲームモードの活用方法
- Safariの進化:ウェブ体験をより快適に
- プロフィール機能:目的別のブラウジング
- Webアプリ機能:ウェブサイトをアプリのように
- プライベートブラウジングの強化
- 検索機能の改善
- Safariの進化がもたらすもの
- コミュニケーション機能の強化:メッセージとFaceTime
- メッセージアプリの刷新
- ステッカー体験の向上
- 検索フィルターとキャッチアップ機能
- その他のメッセージ機能改善
- FaceTimeの新機能
- リアクション機能
- 「発表者オーバーレイ」:画面共有をより自然に
- ビデオ品質の向上とサードパーティアプリ対応
- コミュニケーション機能のまとめ
- メッセージアプリの刷新
- 生産性向上ツール:メモ、リマインダー、フリーフォーム
- メモアプリの進化
- ノート間のリンク機能
- 新しい書式設定オプション
- リマインダーアプリの改善
- 買い物リストの自動整理
- カラム表示
- フリーフォームの機能強化
- キーボード入力と音声入力の進化
- メモアプリの進化
- デスクトップとロック画面:新しい表現力
- 新しいスクリーンセーバーと壁紙
- ログイン体験の変化
- システム設定とその他のUI変更
- システム設定の微調整
- 通知と集中モードの改善
- プライバシーとセキュリティの強化
- リンク追跡保護
- ロックダウンモードの拡張
- センシティブコンテンツ警告
- セキュリティアップデートの迅速化
- その他の注目すべき機能
- 写真アプリの進化
- アクセシビリティ機能の拡充
- Finderとファイル管理
- バッテリーとパフォーマンス
- macOS Sonomaの互換性:あなたのMacで使える?
- 対応モデルの確認方法
- アップグレード前の注意点
- macOS Sonomaへのアップグレード方法
- 準備段階:バックアップは必須!
- 互換性の確認
- ソフトウェアアップデートからの手順
- クリーンインストールの検討
- Sonomaを使いこなすためのヒント
- まずはウィジェットを試す
- よく使うウェブサイトをWebアプリに
- Safariプロフィールを使い分ける
- ゲームモードの効果を体験する
- まとめ:Sonomaはどんなユーザーにおすすめか
1. はじめに:macOS Sonomaとは?
毎年恒例となっている秋の大型アップデートとして、AppleはmacOSの新しいバージョン「macOS Sonoma」(バージョン14)を発表しました。カリフォルニア州北部のワイン産地としても知られる「ソノマ」から名付けられたこのOSは、前バージョンのVenturaに続くもので、Macでの体験をさらに豊かに、そして効率的にするための多くの新機能と改善点を含んでいます。
Sonomaは単なるマイナーアップデートではなく、Macの使い方そのものに大きな変化をもたらす可能性を秘めたOSです。特に、デスクトップ体験、ゲームパフォーマンス、そしてウェブブラウジングにおいて、ユーザーが直感的にその恩恵を感じられるような進化を遂げています。
新しい体験の始まり
Sonomaの最も視覚的な変化の一つは、デスクトップにウィジェットを配置できるようになったことです。これまで通知センター内に閉じ込められていたウィジェットが、Windowsのようにデスクトップ上に自由に配置可能となり、一目で情報にアクセスできるようになりました。しかも、iPhoneやiPadのウィジェットをMac上で利用できる「連係ウィジェット」機能も搭載されており、エコシステム全体での連携がさらに強化されています。
Sonomaの主要テーマ
Sonomaはいくつかの主要なテーマに沿って開発されています。
- パーソナライゼーションの強化: デスクトップウィジェットや新しいスクリーンセーバー、壁紙によって、Macをより自分好みにカスタマイズできるようになりました。
- ゲーム体験の向上: 「ゲームモード」の導入により、Macがこれまで以上に強力なゲーミングプラットフォームとして認識され始めています。Metal 3などのテクノロジーと連携し、よりスムーズで没入感のあるゲームプレイを提供します。
- ウェブ体験の刷新: Safariに「プロフィール」機能と「Webアプリ」機能が追加され、ウェブブラウジングの整理と効率化が進みました。
- コミュニケーションの進化: メッセージとFaceTimeアプリが機能強化され、より表現力豊かで便利なコミュニケーションが可能になっています。
- 生産性の向上: メモ、リマインダー、フリーフォームなどの内蔵アプリにも改善が加えられ、日々のタスク管理やアイデア整理がよりスムーズに行えるようになっています。
これらの新機能は、仕事、プライベート、エンターテイメントなど、あらゆる面でMacをより強力なツールへと進化させています。
なぜSonomaにアップグレードすべきか?
互換性のあるMacを使用しているのであれば、Sonomaへのアップグレードは非常に推奨されます。主な理由は以下の通りです。
- 新機能による利便性の向上: デスクトップウィジェットやWebアプリなど、日々の作業効率や情報アクセスを向上させる機能が満載です。
- パフォーマンスとセキュリティの改善: OSレベルでの最適化やセキュリティ機能の強化により、Macをより快適かつ安全に利用できます。
- 最新の体験: Appleのエコシステム内での連携機能や最新のテクノロジー(Metal 3など)を最大限に活用できます。
もちろん、新しいOSへのアップグレードには互換性の問題や未知のバグのリスクも伴います。しかし、Sonomaはすでに数ヶ月にわたるパブリックベータテストを経ており、多くのユーザーにとって安定した動作が期待できます。
この記事では、macOS Sonomaの主要な新機能から、知られざる改善点、そして互換性やアップグレード方法まで、Sonomaに関する全てを網羅的に解説していきます。これを読めば、Sonomaの魅力とその活用方法が完璧に理解できるはずです。さあ、新しいmacOSの世界を探索しに行きましょう。
2. デスクトップ体験の刷新:ウィジェットの進化
macOS Sonomaにおける最も目立つ、そして日々のMacの使い方に大きな変化をもたらす機能の一つが、デスクトップへのウィジェット配置です。これは、長らく通知センター内に限定されていたウィジェット機能が、ついにMacの主役であるデスクトップに進出したことを意味します。
デスクトップにウィジェットが登場!
これまでのmacOSでは、ウィジェットは「通知センター」と呼ばれる画面の右側に表示されるパネル内にのみ存在していました。しかしSonomaでは、iPhoneやiPadのように、デスクトップの好きな場所に自由にウィジェットをドラッグ&ドロップして配置できます。天気予報、カレンダーの予定、リマインダー、株価、写真、バッテリー残量など、必要な情報を常にデスクトップ上で確認できるようになります。
デスクトップに情報を常時表示できるようになったことで、いちいち通知センターを開く手間が省け、より迅速に情報にアクセスできるようになりました。これは、作業効率の向上に直結する変更点です。
ウィジェットの追加方法とカスタマイズ
ウィジェットをデスクトップに追加する方法は非常に直感的です。
- デスクトップ上で副ボタンクリック(Control+クリックまたは右クリック)し、表示されるメニューから「ウィジェットを編集」を選択します。
- 「ウィジェットギャラリー」が表示されます。これは、利用可能な全てのウィジェットが一覧表示される場所です。
- 追加したいウィジェットを見つけたら、そのままデスクトップの好きな場所にドラッグ&ドロップします。
- または、ウィジェットギャラリー内でウィジェットを選択し、「追加」ボタンをクリックすることでもデスクトップに追加できます。
追加したウィジェットは、デスクトップ上で自由に移動させたり、サイズを変更したりできます。小さなウィジェットは情報の一覧性を重視し、大きなウィジェットはより詳細な情報や写真を大きく表示するのに適しています。デスクトップのレイアウトに合わせて、最適なサイズと配置を調整しましょう。
また、一部のウィジェットはカスタマイズ可能です。例えば、天気ウィジェットでは表示する地域を選択したり、株価ウィジェットでは追跡したい銘柄を設定したりできます。ウィジェットを追加した後、ウィジェット上で副ボタンクリックして「[ウィジェット名]を編集」を選択することで、これらの設定を行うことができます。
インタラクティブなウィジェット
Sonomaのウィジェットは単に情報を表示するだけでなく、一部のウィジェットはデスクトップ上で直接操作できるようになりました。例えば:
- リマインダーウィジェットで、完了したタスクのチェックボックスをクリックしてタスクを完了させる。
- ホームアプリのウィジェットで、照明のオン/オフを切り替える。
- ポッドキャストウィジェットで再生/一時停止を操作する。
これにより、アプリを開くことなく、デスクトップから直接簡単なアクションを実行できるようになり、さらに利便性が向上しました。全てのウィジェットがインタラクティブなわけではありませんが、今後対応するウィジェットは増えていくと予想されます。
「連係ウィジェット」:iPhone/iPadウィジェットをMacで
Sonomaのウィジェット機能のもう一つの画期的な点が、「連係ウィジェット」です。これは、Macにインストールされていないアプリのウィジェットでも、同じApple IDでサインインしているiPhoneやiPadが近くにあれば、そのデバイスを経由してMacのデスクトップにウィジェットを表示できる機能です。
例えば、iPhoneにしか入れていない特定のスポーツアプリのウィジェットを、Macのデスクトップに表示して最新の試合結果をチェックするといった使い方ができます。これは「Continuity(連係)」機能の一部であり、Appleエコシステムの強みを最大限に活かした機能と言えます。
連係ウィジェットを利用するためには、iPhoneまたはiPadが近くにあり、Wi-FiとBluetoothがオンになっている必要があります。設定は特に必要なく、ウィジェットギャラリーを開くと、iPhoneやiPadで利用可能なウィジェットが自動的にMac上に表示されるようになります。
ウィジェットの見た目の変化:集中を妨げない工夫
デスクトップに常にウィジェットが表示されていると、作業中に気が散ってしまうのではないかと心配するかもしれません。Appleはこの点も考慮しており、Sonomaではユーザーがアプリケーションウィンドウを操作している際に、デスクトップのウィジェットがフェードアウトし、背景に溶け込むような表示になります。これにより、作業中のアプリケーションに集中できるよう配慮されています。
アプリケーションウィンドウを閉じたり移動させたりしてデスクトップが見えるようになると、ウィジェットは再び鮮明に表示されます。この賢い挙動は、デスクトップウィジェットの利便性を保ちつつ、邪魔にならないように設計されています。また、壁紙に合わせてウィジェットがモノクロ表示になったりもします。
ウィジェット体験のまとめ
macOS Sonomaにおけるウィジェットの進化は、Macのデスクトップを単なるファイルの置き場所から、より動的でパーソナルな情報ハブへと変貌させました。デスクトップへの直接配置、インタラクティブな操作、そして連係ウィジェットによるエコシステム連携は、日々の情報アクセスとタスク管理を劇的に効率化します。自分の作業スタイルや必要な情報に合わせてウィジェットをカスタマイズし、Sonomaの新しいデスクトップ体験を最大限に活用しましょう。
3. ゲーム体験の劇的な向上:ゲームモード
macOSはクリエイティブな作業や一般的な用途では非常に強力なプラットフォームですが、Windowsに比べるとゲームの分野では遅れをとっていると見られてきました。Appleは近年、Apple Siliconの高性能化とMetalグラフィックスAPIの進化により、Macをより魅力的なゲーミングプラットフォームにしようと積極的に取り組んでいます。macOS Sonomaに導入された「ゲームモード」は、この取り組みにおける重要な一歩です。
Macでのゲームが本格化
Apple Siliconチップは、CPU性能とGPU性能の両面で目覚ましい進化を遂げています。特にMシリーズチップのGPUは、統合型グラフィックスとしては非常に高い性能を誇ります。これにより、以前はMacでは動作が難しかったようなAAAタイトルも、設定次第では快適にプレイできるようになってきました。
しかし、OSレベルでのゲームへの最適化はまだ課題が残されていました。ゲームはCPUやGPUのリソースを大量に消費するため、OSがバックグラウンドで実行している処理や他のアプリケーションがこれらのリソースを奪うと、ゲームのパフォーマンスが低下し、フレームレートが不安定になったり、遅延が発生したりします。
ゲームモードとは?
ゲームモードは、このような問題を解決するためにmacOS Sonomaで導入された新機能です。ゲームモードは、Macでゲームがフルスクリーンで起動されると自動的に有効化され、システムリソース(CPUとGPU)をそのゲームに優先的に割り当てます。
具体的には、ゲームモードが有効になると、OSはバックグラウンドで実行されている他のアプリケーションやシステムプロセスによるCPU/GPUへのアクセスを制限または最小化します。これにより、ゲームがより多くのリソースを利用できるようになり、パフォーマンスの安定化やフレームレートの向上が期待できます。
ゲームモードの効果:パフォーマンスと遅延
ゲームモードの主な効果は以下の通りです。
- 安定したフレームレート: ゲームにCPUとGPUリソースが優先的に割り当てられることで、他の処理による干渉が減り、フレームレートが安定しやすくなります。特に、負荷の高いシーンでフレームレートが急激に落ち込むことを抑制する効果が期待できます。
- 入力遅延の低減: ゲームモードは、Bluetoothのサンプリングレートを2倍にします。これは、ワイヤレスコントローラー(PlayStation DualSenseやXboxワイヤレスコントローラーなど)やAirPodsのようなBluetoothオーディオデバイスを使用する際に、入力や音声の遅延を大幅に減らすことを意味します。これにより、より応答性の高い、没入感のあるゲームプレイが可能になります。特に、リズムゲームやアクションゲームのように反応速度が重要なジャンルでその効果を発揮します。
自動有効化と対応ゲーム
ゲームモードの便利な点は、ユーザーが特別な設定をすることなく、自動的に有効化されることです。対応するゲームをフルスクリーンで起動するだけで、macOSがそれを検知し、自動的にゲームモードをオンにします。ゲームを終了するか、フルスクリーンを解除すると、ゲームモードは自動的にオフになります。
さらに、ゲームモードは特定のゲームに限定されません。macOS上で動作するすべてのゲームで利用可能です。App Storeで購入したゲームはもちろん、SteamやEpic Games Storeなどのプラットフォームからダウンロードしたゲーム、Rosetta 2経由で動作するゲームなど、種類を問わず効果を発揮します。開発者がゲームモードに対応するための特別な対応をする必要はありません(ただし、Metal 3のような最新技術を活用しているゲームではさらに高いパフォーマンスが期待できます)。
Metal 3とSonomaの連携
Sonomaのゲームモードは、Appleがここ数年力を入れているグラフィックスAPI「Metal」の最新バージョンであるMetal 3と密接に連携しています。Metal 3は、GPUの能力を最大限に引き出し、ゲーム開発者がより高度なグラフィックス技術(例えば、MetalFX Upscalingによる高性能なアップスケーリングや、高速なリソースローディング)をMac上で実現できるように設計されています。
ゲームモードは、Metal 3の機能と組み合わされることで、Macのゲームパフォーマンスをハードウェアとソフトウェアの両面からブーストします。これにより、Macは単にゲームが「動く」だけでなく、より快適に、そして高画質でゲームを楽しめるプラットフォームへと進化しています。
ゲームモードの活用方法
ユーザー側でゲームモードをオン/オフしたり、細かく設定したりするオプションはありません。ゲームをフルスクリーンで起動するだけで自動的に有効化されます。
もしあなたがMacでゲームをプレイする習慣があるなら、Sonomaへのアップグレードは、そのゲーム体験を大きく向上させる可能性を秘めています。特にワイヤレスコントローラーやAirPodsを使用している場合は、入力遅延の低減効果を体感できるでしょう。
Macを主なゲーム機として考えているユーザーにとっては、ゲームモードはSonomaへアップグレードする強力な動機の一つとなるはずです。
4. Safariの進化:ウェブ体験をより快適に
SafariはmacOSの標準ブラウザであり、その速度、電力効率、そしてプライバシー保護機能は多くのユーザーに評価されています。macOS Sonomaでは、このSafariがさらに進化し、日々のウェブブラウジングをより整理し、効率的に行うための新しい機能が追加されました。特に注目すべきは「プロフィール機能」と「Webアプリ機能」です。
プロフィール機能:目的別のブラウジング
現代の私たちは、仕事、プライベート、学習、趣味など、様々な目的でインターネットを利用します。これらの活動で開くウェブサイト、ログイン情報、履歴、さらにはブックマークや拡張機能はそれぞれ異なります。これらが混在していると、情報が散乱し、目的の情報にたどり着くまでに時間がかかったり、気が散ってしまったりすることがあります。
Safariの「プロフィール機能」は、この問題を解決するために導入されました。プロフィール機能を使うと、目的別にブラウジング環境を完全に分離できます。例えば:
- 「仕事」プロフィール: 仕事関連のウェブサイト、業務用アカウントでログインした状態、仕事専用のブックマーク、生産性向上のための拡張機能など。
- 「個人」プロフィール: プライベートなウェブサイト、ソーシャルメディアアカウント、個人的なブックマーク、趣味関連の拡張機能など。
- 「学習」プロフィール: オンラインコースのサイト、研究用の資料サイト、学習関連のブックマークなど。
各プロフィールは独立した履歴、Cookie、サイトデータ、タブグループ、お気に入り、そして拡張機能の設定を持ちます。あるプロフィールでのブラウジング活動が、別のプロフィールに影響を与えることはありません。
プロフィールの使い方
プロフィールの作成は簡単です。
- Safariを開き、メニューバーの「Safari」>「設定」(または環境設定)を選択します。
- 「プロフィール」タブを選択し、「プロフィールを作成…」ボタンをクリックします。
- プロフィールの名前、アイコンの色、アイコン(絵文字など)を設定し、作成します。
- 作成したプロフィールごとに、開始ページ、新規タブの設定、タブグループ、お気に入りの設定をカスタマイズできます。
プロフィールの切り替えは、メニューバーの「ファイル」>「新しいタブ」または「新しいウィンドウ」の下に表示されるプロフィールのリストから簡単に行えます。また、現在のウィンドウを別のプロフィールに移動させることも可能です。
プロフィール機能を活用することで、情報が整理され、目的の作業に集中しやすくなります。特に、仕事とプライベートでMacを共有しているユーザーや、複数のプロジェクトを並行して進めているユーザーにとっては、非常に便利な機能となるでしょう。
Webアプリ機能:ウェブサイトをアプリのように
頻繁に訪れる特定のウェブサイトを、まるでMacのネイティブアプリのように利用したいと思ったことはありませんか?macOS Sonomaの「Webアプリ機能」は、これを可能にします。
Webアプリとして作成したウェブサイトは、Dockにアイコンとしてピン留めでき、クリック一つで起動できます。起動すると、Safariの通常のタブやツールバーが表示されない、シンプルで独立したウィンドウで開きます。これにより、特定のウェブサイトに集中してアクセスできる、よりアプリに近い体験が得られます。
Webアプリの利点
- 迅速なアクセス: Dockから直接起動できるため、Safariを開いてブックマークや履歴から探す手間が省けます。
- 集中できる環境: シンプルなウィンドウ表示により、他のウェブサイトのタブやSafariのUIに気を取られず、そのサイトのコンテンツに集中できます。
- 通知の受信(一部サイト): 一部のウェブサイトは、Webアプリとして起動している場合に通知を送信できます。これにより、新しいメッセージや更新情報をデスクトップ上で受け取ることができます。
- アプリスイッチャーからのアクセス: Command+Tabキーで表示されるアプリスイッチャーに、Safariとは別の独立したアイコンとして表示されるため、他のアプリケーションと同様に切り替えが容易です。
Webアプリの作成方法
Webアプリを作成したいウェブサイトをSafariで開きます。
- メニューバーの「ファイル」>「Dockに追加」を選択します。
- 表示されるプレビューを確認し、必要であれば名前を編集して「追加」をクリックします。
これで、そのウェブサイトがDockにアイコンとして追加され、Webアプリとして利用できるようになります。Gmail、Outlook Web版、Slack Web版、特定のニュースサイト、プロジェクト管理ツールなど、毎日使うようなウェブサイトをWebアプリ化すると便利でしょう。
プライベートブラウジングの強化
Safariのプライベートブラウジング機能もSonomaで強化されました。プライベートウィンドウには、閉じたり非アクティブになったりするとロックがかかるオプションが追加されました。これにより、Macを離れた際に他の人があなたのプライベートな閲覧履歴を簡単に見られないようになります。Touch ID、Face ID (対応デバイス)、またはパスワードでロックを解除できます。
また、トラッキング防止機能も強化され、URLに含まれる追跡用のパラメーターを自動的に削除する「リンク追跡保護」機能が、プライベートブラウジングだけでなく、メッセージやメールアプリで開くリンクにも適用されるようになりました。これにより、オンラインでの行動が追跡されるのをさらに防ぐことができます。
検索機能の改善
Safariの検索機能もより賢く、応答性が高まりました。入力中に表示されるサジェストがより関連性の高いものになり、目的のウェブサイトや情報に素早くたどり着けるようになりました。
Safariの進化がもたらすもの
Safariの進化は、Macでのウェブブラウジング体験を単なる情報の取得から、より整理され、目的に集中できる作業へと変革させます。プロフィール機能は情報過多な現代において、デジタルワークスペースを整理するための強力なツールとなり、Webアプリ機能は特定のタスクや情報源へのアクセスを効率化します。これらの機能は、Macユーザーの生産性向上に大きく貢献するでしょう。
5. コミュニケーション機能の強化:メッセージとFaceTime
現代において、コミュニケーションツールは仕事でもプライベートでも不可欠です。macOS Sonomaでは、Macに標準搭載されているメッセージアプリとFaceTimeアプリが機能強化され、より表現豊かで、より便利なコミュニケーションが可能になりました。
メッセージアプリの刷新
メッセージアプリは、特にiOSやiPadOSのアップデートと連動して多くの改善が行われています。Sonomaでの主な変更点は以下の通りです。
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ステッカー体験の向上:
- ユニバーサルステッカー抽き出し: これまでiMessageアプリの中に散らばっていたステッカー(絵文字ステッカー、ミー文字ステッカー、サードパーティ製ステッカー、Live Stickerなど)が、新しいステッカー抽き出しに一元化されました。これにより、利用可能なステッカーを簡単に探し、管理し、アクセスできるようになりました。
- Live Stickerの作成: iOS 17で可能になった機能ですが、Macでもその効果を受けられます。写真やビデオから被写体を長押しして切り抜き、「Live Sticker」として保存できるようになりました。これらのLive Stickerには、アニメーション(写真がLive Photosの場合など)やエフェクト(キラキラ、コミックなど)を追加できます。作成したLive Stickerは、Macだけでなく、iCloud経由でiPhoneやiPadとも同期され、どこからでも利用できます。
- 絵文字キッチンとの統合: 絵文字を組み合わせて新しいステッカーを作成する「絵文字キッチン」機能とも統合され、より多様なステッカー表現が可能になりました。
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検索フィルターとキャッチアップ機能:
- 検索の絞り込み: メッセージアプリ内の検索機能が強化され、キーワードだけでなく、連絡先、キーワード、メッセージの種類(写真、リンクなど)を組み合わせて検索結果を絞り込めるようになりました。これにより、過去の会話から特定の情報を見つけ出すのが容易になります。
- キャッチアップ機能: グループチャットなどで見逃した未読メッセージが多い場合、チャット画面の右上隅に新しい「キャッチアップ」矢印が表示されます。これをクリックするだけで、未読の最初のメッセージに素早くジャンプできます。これにより、長い会話の流れに追いつくのが楽になります。
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その他のメッセージ機能改善:
- スワイプで返信: 特定のメッセージに対してインラインで返信したい場合、そのメッセージを右にスワイプするだけで返信モードに入ることができます。これはiPhoneやiPadでおなじみの操作ですが、Macでも可能になりました。
- 位置情報の共有の改善: メッセージ内で位置情報を共有する際に、リアルタイムの位置情報共有がより分かりやすくなりました。
- オーディオメッセージの文字起こし: 受信したオーディオメッセージの文字起こしが自動的に行われ、音声を聞かなくても内容を把握できるようになりました(一部言語のみ)。
FaceTimeの新機能
FaceTimeは、Macでのビデオ通話や音声通話に欠かせないアプリです。Sonomaでは、FaceTime通話がよりインタラクティブで、よりプロフェッショナルな体験になるような機能が追加されました。
- リアクション機能: FaceTime通話中に、ハート、風船、花火、雨、レーザービームといった視覚効果を画面に表示させることができます。これらのエフェクトは、特定のハンドジェスチャーを行うことで自動的にトリガーされます(例:両手でピースサインをすると紙吹雪が舞う)。これにより、通話をより楽しく、表現力豊かにすることができます。これらのエフェクトは、MacのカメラやContinuity Cameraとして使用しているiPhone/iPadのカメラを通して認識されます。
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「発表者オーバーレイ」:画面共有をより自然に: 画面を共有する際に、自分の姿を画面の上に重ねて表示できる「発表者オーバーレイ」機能が導入されました。これにより、画面共有中も自分の表情やジェスチャーを通話相手に伝えられ、より自然で人間らしいプレゼンテーションやコミュニケーションが可能になります。
- 「スモール」オーバーレイ: 自分の姿を画面の小さな円の中に表示し、画面の大部分はコンテンツとして共有されます。コンテンツを主に見てほしい場合に適しています。
- 「ラージ」オーバーレイ: 自分の姿を画面の大部分に大きく表示し、共有するコンテンツは小さなフレーム内に表示されます。自分自身に注目してほしい場合や、コンテンツを補助的に見せる場合に適しています。
発表者オーバーレイは、FaceTimeだけでなく、ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなどのサードパーティ製ビデオ会議アプリでも利用可能です。これは、Macユーザーがどのプラットフォームを使っていても、より効果的な画面共有ができることを意味します。
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ビデオ品質の向上とサードパーティアプリ対応: FaceTime自体のビデオ品質も向上しており、特にContinuity Cameraを使用している場合に、iPhone/iPadの高性能カメラを最大限に活用できるようになりました。また、上述のリアクションや発表者オーバーレイがサードパーティアプリでも利用できるようになったことは、ビデオ会議プラットフォームを問わずSonomaの新しいコミュニケーション機能を活用できる大きなメリットです。
コミュニケーション機能のまとめ
macOS SonomaのメッセージとFaceTimeの機能強化は、日々のデジタルコミュニケーションをより楽しく、効率的に、そして効果的にすることを目指しています。ステッカーの進化はメッセージをより感情豊かにし、FaceTimeのリアクションや発表者オーバーレイはビデオ通話をより魅力的でプロフェッショナルなものにします。これらの機能は、仕事でのオンライン会議から友人や家族とのカジュアルな会話まで、幅広いシーンで役立つでしょう。
6. 生産性向上ツール:メモ、リマインダー、フリーフォーム
macOSには、日々のタスク管理、アイデア整理、情報収集に役立つ様々な内蔵アプリが搭載されています。macOS Sonomaでは、これらの生産性向上ツールにも細かな改善が加えられ、より使いやすく、連携が強化されています。
メモアプリの進化
メモアプリは、アイデアを書き留めたり、情報を整理したりするのに非常に便利なツールです。Sonomaでは、メモ同士を関連付けたり、書式設定を細かく行えるようになりました。
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ノート間のリンク機能: これまで、メモアプリ内で特定の情報を参照したい場合、別のメモを検索するか、手動でリンクを貼り付ける必要がありました。Sonomaでは、まるでWikiのように、メモの中から別のメモに簡単にリンクを作成できるようになりました。
- 別のメモへのリンクを作成したい場所で「>>」と入力すると、最近のメモや提案が表示されます。そこからリンクしたいメモを選択するだけで、自動的にリンクが挿入されます。
- リンク元のメモには、そのメモにリンクしている他のメモ(バックリンク)の一覧が表示されるようになり、関連情報をたどるのが容易になりました。
この機能は、プロジェクトに関する複数のメモを連携させたり、特定のトピックに関する情報を体系的に整理したりするのに非常に役立ちます。個人の知識ベースを構築するような使い方も可能です。
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新しい書式設定オプション: メモアプリに、ブロック引用(Block Quote)と等幅フォント(Monospaced)の書式設定オプションが追加されました。
- ブロック引用: 他の文章から引用した部分を視覚的に区別するのに使います。インデントがつき、引用符のような表示になります。
- 等幅フォント: プログラミングコードや特定の技術情報を記述する際に便利なフォントです。すべての文字幅が同じになるため、コードなどが読みやすくなります。
これらの新しい書式設定は、メモの内容をより構造化し、視覚的に分かりやすくするのに役立ちます。
リマインダーアプリの改善
リマインダーアプリは、日々のタスクや期限を管理するためのツールです。Sonomaでは、特に買い物リストの管理が大幅に改善されました。
- 買い物リストの自動整理: リマインダーリストを作成する際に、リストの種類を「買い物リスト」に設定できるようになりました。買い物リストとして設定すると、入力したアイテムが「食料品」「日用品」「家電」などのカテゴリーに自動的に分類されます。これにより、スーパーマーケットなどの店舗内を効率的に回れるように、関連商品をまとめて表示することができます。もちろん、手動でカテゴリーを編集したり、新しいカテゴリーを追加したりすることも可能です。
- カラム表示: リマインダーリストを、セクションごとにカラム表示できるようになりました。例えば、「今日」「明日」「今週後半」といったセクションを、画面上で横並びのカラムとして表示することで、タスクの全体像をより分かりやすく把握できます。
フリーフォームの機能強化
フリーフォームは、アイデア出し、ブレインストーミング、プロジェクト計画などに使える、自由形式のデジタルキャンバスアプリです。Sonomaでは、このアプリもいくつかの改善が行われています。
- 新しい描画ツール: フリーフォームの描画ツールが拡充され、水彩ブラシやカリグラフィーペンなどの新しいツールが追加されました。これにより、より表現力豊かなボードを作成できます。
- フォローアロング(Follow Along): 共同作業をしている際に、他のユーザーがボード上のどこを見ているかを追いかけることができる「フォローアロング」機能が追加されました。これにより、プレゼンテーションを行う際などに、自分の視点を他の参加者と共有し、ボード上を案内するのが容易になります。
- 図形描画の改善: フリーフォームで図形を作成する際に、より正確な描画や調整が可能になりました。
キーボード入力と音声入力の進化
macOS Sonomaでは、テキスト入力に関連する機能も進化しています。
- 改善された自動修正: 自動修正機能がより賢くなり、入力中の単語や文脈をより正確に予測して修正するようになりました。修正箇所には下線が表示され、元の入力に戻したい場合はクリック一つで簡単に元に戻せます。
- インライン予測変換: 入力中に、次に続く単語やフレーズがグレーアウトした状態で候補として表示されるようになりました。Tabキーを押すだけで、その予測変換を確定できます。これにより、長い文章の入力速度が向上します。
- 音声入力の精度向上: 音声入力機能の精度が向上し、より自然な言葉でタイピングすることなくテキストを入力できるようになりました。Apple Silicon Macでは、音声認識処理がデバイス上で行われるため、プライバシーが保護されます。
- 音声入力とタイピングのシームレスな切り替え: 音声入力中にキーボードで入力しても、音声入力セッションが中断されなくなりました。音声とタイピングを混ぜながら、より柔軟にテキストを作成できます。
これらの生産性向上機能の改善は、日々の作業、情報整理、コミュニケーションをより効率的に行うためのものです。特にメモアプリのノート間リンクは、アイデアや情報の体系化に大きな可能性をもたらします。
7. デスクトップとロック画面:新しい表現力
macOS Sonomaでは、Macを起動した時やスリープから復帰した時に最初に目にする画面、すなわちスクリーンセーバー、ログイン画面、そしてデスクトップの壁紙に、新しい魅力的でダイナミックな要素が追加されました。これにより、Macのパーソナライゼーションと視覚的な魅力が向上しています。
新しいスクリーンセーバーと壁紙
Sonomaの最も目を引く新機能の一つが、世界中の美しい場所を収めた新しいスローモーションビデオのスクリーンセーバーです。これらのスクリーンセーバーは、ニューヨークのスカイライン、アリゾナ砂漠、カリフォルニアの海岸線など、様々なロケーションで撮影された高品質な空撮映像や風景映像です。
これらのスクリーンセーバーは、Macが一定時間操作されないと自動的に再生されます。しかし、Sonomaの素晴らしい点は、このビデオスクリーンセーバーが、ログイン画面やロック画面を経て、デスクトップの壁紙にシームレスに移行することです。
- Macがスリープ状態から解除されると、設定したスローモーションビデオのスクリーンセーバーが再生されます。
- ログイン画面が表示されると、そのビデオは一時停止または減速した状態で背景として表示されます。
- ログインパスワードを入力してデスクトップが表示されると、スクリーンセーバーとして再生されていたビデオの最後のフレームが、静止画の壁紙として設定されます。
このスムーズな移行は、Macの視覚的な統一感を高め、ユーザー体験をより洗練されたものにしています。まるでログインする過程自体が、美しい風景の中へと誘われるような感覚です。
新しいスクリーンセーバーは、「地球」「風景」「水中」「都市景観」といったカテゴリーに分類されており、システム設定の「壁紙」セクションから選択・ダウンロードできます。ダウンロードにはインターネット接続が必要です。また、従来の静止画壁紙や、写真ライブラリから選択した画像も引き続き壁紙として設定可能です。
ログイン体験の変化
前述のスクリーンセーバーとの連携に加えて、ログイン画面自体も少し変更されています。ユーザーアイコンやパスワード入力フィールドが画面下部に移動し、背景のスクリーンセーバーや壁紙がより広く表示されるようになりました。これにより、ロック画面/ログイン画面がより視覚的に魅力的になっています。
また、システム設定の「ロック画面」セクションで、非アクティブ時にスクリーンセーバーを開始するまでの時間や、ロック画面の表示形式などを細かく設定できるようになりました。
新しいスクリーンセーバーと壁紙は、Macの起動やスリープ解除といった日常的な操作に、新鮮で美しい視覚的要素をもたらします。デスクトップウィジェットと組み合わせることで、Macのデスクトップは機能的でありながら、視覚的にもより豊かでパーソナルな空間となります。
8. システム設定とその他のUI変更
macOS Venturaで大幅に刷新された「システム設定」(旧システム環境設定)は、Sonomaでも引き続き使われています。Sonomaでは、Venturaほどの劇的な変更はありませんが、使いやすさを向上させるためのいくつかの微調整と、OS全体のユーザーインターフェースにおける細かな改善が行われています。
システム設定の微調整
VenturaでiOS/iPadOSライクな左サイドバー形式に変更されたシステム設定は、多くの項目が再編成され、ユーザーによっては慣れが必要でした。Sonomaでは、この新しいレイアウトを維持しつつ、一部の項目の配置が見直されたり、説明がより分かりやすくなったりしています。
例えば、壁紙とスクリーンセーバーの設定が「壁紙」という一つの項目に統合され、新しいビデオスクリーンセーバーの選択やカスタマイズがそこで行えるようになりました。また、「デスクトップとDock」の設定項目も、デスクトップウィジェットの設定が追加されるなど、Sonomaの新機能に合わせて更新されています。
全体として、Sonomaのシステム設定はVenturaのものを引き継ぎつつ、より洗練され、安定した体験を提供することを目指しています。
通知と集中モードの改善
通知機能や集中モードに関しては、macOS Sonoma自体で大きな新機能の追加はありませんが、iOS 17やiPadOS 17で追加された機能(例えば、より詳細な集中モードのフィルタリングオプションや、通知のグループ化に関する改善)がmacOSでも連携して利用可能になる場合があります。
例えば、特定の集中モード(仕事用、睡眠用など)を設定している際に、どのアプリからの通知を許可し、どのアプリの通知をミュートするかをより細かく設定できます。これらの設定はiCloud経由で同期されるため、iPhone、iPad、Mac間で一貫した集中環境を維持できます。
また、通知センター自体のUIにも微細な変更が加えられている可能性がありますが、コア機能はVenturaから大きく変わっていません。デスクトップウィジェットの導入により、通知センターを開かなくても一部の情報にアクセスできるようになったことが、通知へのアプローチに間接的な影響を与えるかもしれません。
その他のUI変更としては、Finderのウィンドウやメニューバーの見た目にも、Appleの最新のUIデザイン言語に沿った微細な調整が見られる場合がありますが、全体的なルック&フィールはVenturaから大きく離れていません。Sonomaは、Venturaで確立された基盤の上に、新機能を追加し、既存のUIを洗練させることに重点を置いていると言えます。
9. プライバシーとセキュリティの強化
Appleは常にユーザーのプライバシーとセキュリティを重視しており、macOS Sonomaでも様々な機能が強化されています。これらの機能は、ユーザーがオンラインで安全に過ごし、個人情報が保護されることを目的としています。
リンク追跡保護
インターネット上の多くのウェブサイトやサービスは、ユーザーの行動を追跡するために、共有されるURLに特別なパラメーターを追加します。これらのパラメーターが含まれたリンクをクリックすると、あなたが誰から、どこでそのリンクを受け取ったかなどの情報が追跡される可能性があります。
SonomaのSafariでは、プライベートブラウジングモードで開かれたリンクから、これらの追跡用パラメーターを自動的に削除する「リンク追跡保護」機能が強化されました。さらに、この機能はSafariのプライベートブラウジングだけでなく、メッセージアプリやメールアプリで受け取ったリンクを開く際にも適用されるようになりました。これにより、メッセージやメール経由で共有されたリンクをクリックした場合でも、オンラインでの追跡をより強力に防ぐことができます。この機能はデフォルトで有効になっています。
ロックダウンモードの拡張
「ロックダウンモード」は、ジャーナリスト、政治家、活動家など、高度なサイバー攻撃(国家主導のマルウェアなど)の標的になりうる可能性のあるユーザーのために設計された、非常に強力な保護機能です。このモードを有効にすると、特定の機能が厳しく制限され、攻撃ベクターを最小限に抑えます。
macOS Sonomaでは、このロックダウンモードがさらに拡張されました。例えば、ワイヤード接続(USBなど)のセキュリティが強化され、ロックされたMacにアクセサリを接続する際のセキュリティチェックが厳格化されました。また、特定のネットワーク接続機能もさらに制限されます。ロックダウンモードは、ほとんどのユーザーにとっては必要ありませんが、特定の危険に晒されているユーザーにとっては、セキュリティを劇的に向上させる選択肢となります。
センシティブコンテンツ警告
メッセージアプリやAirDropで受信するコンテンツ(写真やビデオなど)に、暴力的な内容や露骨な性的描写が含まれている可能性がある場合、それを開く前に警告を表示する「センシティブコンテンツ警告」機能が導入されました。これは、特に子供や若年ユーザーを不適切なコンテンツから保護するための機能ですが、設定で大人ユーザーも有効にできます。
この機能はデバイス上で処理されるため、Appleがメッセージの内容にアクセスすることはありません。警告が表示された場合、ユーザーはそのコンテンツを表示するかどうかを選択できます。
セキュリティアップデートの迅速化
macOS Sonomaでは、重要なセキュリティアップデートをOS全体のアップデートとは別に、より迅速に提供するための基盤が強化されています。これにより、新たなセキュリティ上の脅威が発見された際に、Appleは迅速にパッチを提供し、ユーザーのMacを保護できるようになります。これは「レスポンスセキュリティ対応(Rapid Security Responses)」と呼ばれる機能の一部であり、Sonomaではその仕組みがさらに洗練されています。
プライバシーとセキュリティの強化は、目立つ新機能ではないかもしれませんが、すべてのユーザーにとって非常に重要な側面です。Sonomaは、ユーザーが安心してMacを利用できるように、これらの基盤となる機能を着実に進化させています。
10. その他の注目すべき機能
macOS Sonomaには、ここまで詳しく解説してきた主要機能の他にも、ユーザー体験を向上させるための様々な細かな改善や新機能が含まれています。
写真アプリの進化
写真アプリでは、iOSやiPadOSとの連携により、人物認識機能が強化され、ペット(犬や猫など)も人物と同様に認識され、アルバムとして自動的に整理されるようになりました。これにより、大切なペットの写真を見つけたり、共有したりするのがより簡単になります。また、メモリー機能で表示されるスライドショーに音楽を追加する際のオプションが増えるなど、細かな改善が施されています。
アクセシビリティ機能の拡充
Appleはアクセシビリティに力を入れており、Sonomaでも多くの新機能が追加されています。
- パーソナルボイス(Personal Voice): ALS(筋萎縮性側索硬化症)のような、次第に発話能力を失っていく可能性のあるユーザーが、自分の声を録音して、将来的にはテキストを読み上げさせる合成音声を作成できる機能です。MacやiPhoneで数分間の音声プロンプトを読み上げることで、デバイス上で安全にパーソナルボイスが生成されます。
- ライブスピーチ(Live Speech): テキストを入力して、Macの音声合成機能を使ってリアルタイムで読み上げさせることができる機能です。電話やFaceTime通話中、または対面での会話中に、キーボードで入力した内容を声に出して伝えることができます。パーソナルボイスと組み合わせることで、自分の声に近い合成音声で話すことが可能になります。
- 「Made for iPhone」補聴器のMac対応: これまでiPhoneやiPadでしか利用できなかった「Made for iPhone」認定の補聴器を、Macでもペアリングして利用できるようになりました。これにより、Macでのオーディオ(FaceTime通話、音楽、ビデオなど)を補聴器を通して直接聞くことができます。
- アプリケーションごとの設定: 特定のアプリケーションに対してのみ、テキストサイズ、拡大表示、コントラスト調整などのアクセシビリティ設定を個別に調整できるようになりました。例えば、特定のアプリではテキストを大きく、別のアプリでは標準サイズで表示するといった使い分けが可能です。
- スイッチコントロールのゲームコントローラー対応: スイッチコントロールを使ってMacを操作する際に、仮想ゲームコントローラーとして機能するオプションが追加されました。
これらのアクセシビリティ機能は、より多くの人々がMacを快適に利用できるよう、様々なニーズに対応しています。
Finderとファイル管理
Finderやファイル管理に関しては、Sonomaで劇的な新機能は追加されていませんが、パフォーマンスの最適化や安定性の向上は継続的に行われています。ファイルのコピー、移動、検索などの操作が、特に大量のファイルを扱う際に、よりスムーズに行われることが期待できます。
バッテリーとパフォーマンス
Sonomaは、OSレベルでのエネルギー効率の最適化にも取り組んでいます。特にApple Silicon Macでは、OSの処理がチップの高性能コアと高効率コアを適切に使い分けることで、パフォーマンスを維持しながらバッテリー消費を抑える努力がなされています。
また、ゲームモードのような特定の機能はパフォーマンスを向上させることを目的としていますが、OS全体の応答性やアプリケーションの起動速度なども、継続的なチューニングによって改善されている可能性があります。ただし、これらの効果は使用しているMacのモデルや用途によって大きく異なる場合があります。
これらの「その他の機能」は、Sonoma全体の体験を豊かにする重要な要素です。アクセシビリティ機能の拡充は、Appleが多様なユーザーへの配慮を続けていることを示しており、プライバシーやセキュリティの強化は、デジタルライフにおける安心感を高めます。
11. macOS Sonomaの互換性:あなたのMacで使える?
新しいOSにアップグレードする際に最も重要な情報の一つは、自分の使っているMacがそのOSに対応しているかどうかです。macOS Sonomaは、比較的新しいモデルのMacをサポートしており、以前のバージョン(Venturaなど)と比較すると、互換性リストから外れたモデルがいくつかあります。
対応モデルの確認方法
macOS Sonomaに対応しているMacのモデルは以下の通りです。
- MacBook Air: 2018年以降に発売されたモデル
- MacBook Pro: 2018年以降に発売されたモデル
- Mac mini: 2018年以降に発売されたモデル
- iMac: 2019年以降に発売されたモデル
- iMac Pro: 2017年に発売されたモデル(全モデル)
- Mac Pro: 2019年以降に発売されたモデル
- Mac Studio: 2022年以降に発売されたモデル(全モデル)
リストを見るとわかるように、SonomaはIntel Macも引き続きサポートしていますが、対象は2017年以降(一部2018年、2019年以降)のモデルに限定されています。特に、iMac Pro 2017以外の2017年以前のiMac、2017年以前のMacBook Pro、2017年以前のMacBook Air、2017年以前のMac miniなどの古いモデルはSonomaへのアップグレード対象外となります。
あなたのMacが対応しているかを確認するには:
- 画面の左上隅にあるAppleメニュー()をクリックします。
- 表示されるメニューから「このMacについて」を選択します。
- 開いたウィンドウに、お使いのMacのモデル名と年式が表示されます。この年式が上記の対応リストに含まれているかどうかを確認してください。
アップグレード前の注意点
もしお使いのMacがSonomaに対応している場合でも、アップグレードを行う前にいくつか注意すべき点があります。
- 互換性の確認: お使いのMacが対応モデルであっても、使用している特定のアプリケーションや周辺機器(プリンター、スキャナーなど)がSonomaに対応しているかを確認することが重要です。特に業務で使用しているソフトウェアや、古いバージョンのアプリは、新しいOSで正常に動作しない可能性があります。各ソフトウェア/ハードウェアメーカーのウェブサイトで互換性情報を確認してください。
- 十分なストレージ容量: macOS Sonomaのインストールには、ある程度の空きストレージ容量が必要です。通常、インストーラーのダウンロードや展開、インストールプロセス全体で数十GBの空き容量が必要となります。事前にMacのストレージを確認し、必要であれば不要なファイルを削除したり、外部ストレージに移動させたりして、十分な空き容量を確保しておきましょう。
- 重要なデータのバックアップ: これは最も重要なステップです。 OSのアップグレードは通常スムーズに行われますが、予期せぬ問題が発生しないとは限りません。万が一に備え、Time Machineやその他のバックアップ方法を使用して、Mac上の全ての重要なデータをバックアップしておいてください。これにより、問題が発生した場合でもデータを復旧できます。
これらの準備をしっかり行うことで、Sonomaへのアップグレードを安全かつスムーズに進めることができます。
12. macOS Sonomaへのアップグレード方法
お使いのMacがmacOS Sonomaに対応しており、事前の準備(バックアップ、互換性確認、空き容量確保)が完了したら、いよいよアップグレードです。macOSのアップグレードは通常、システム設定から簡単に行えます。
準備段階:バックアップは必須!
繰り返しになりますが、アップグレード前に必ずTime Machineやその他の方法でMacの完全なバックアップを作成してください。Time Machineを使用するのが最も簡単で推奨される方法です。
- 外部ストレージ(十分な容量があるHDDまたはSSD)をMacに接続します。
- システム設定を開き、「一般」>「Time Machine」を選択します。
- バックアップディスクを選択し、バックアップを開始します。最初のバックアップには時間がかかる場合があります。
互換性の確認
お使いのMacがSonomaに対応していることを再確認してください(前のセクション参照)。
ソフトウェアアップデートからの手順
ほとんどのユーザーにとって、macOS Sonomaへのアップグレードはシステム設定内のソフトウェアアップデート機能を通じて行います。
- Macが安定したインターネット接続(Wi-Fiまたは有線LAN)に接続されていることを確認します。電源アダプタを接続しておくことを強く推奨します。
- 画面の左上隅にあるAppleメニュー()をクリックし、「システム設定」を選択します。
- サイドバーから「一般」を選択し、「ソフトウェアアップデート」をクリックします。
- macOS Sonomaへのアップデートが利用可能であれば、ここに表示されます。「今すぐアップグレード」ボタンをクリックします。
- インストーラーのダウンロードが開始されます。ダウンロードサイズは通常12GB程度ですが、使用しているOSやMacのモデルによって異なる場合があります。ダウンロードには時間が必要です。
- ダウンロードが完了すると、インストーラーが自動的に起動します。画面の指示に従って進みます。
- インストールプロセス中、Macは数回再起動します。インストールには30分から1時間、あるいはそれ以上の時間がかかる場合があります。インストール中はMacの操作はできませんので、時間のある時に実行してください。
- インストールが完了すると、MacはSonomaで起動します。初期設定の画面が表示される場合があるため、指示に従って設定を完了します。
これで、あなたのMacはmacOS Sonomaで動作するようになります。
クリーンインストールの検討
ほとんどのユーザーは通常のアップグレードで問題ありませんが、もしMacの動作が遅い、以前からOSの不具合に悩まされている、あるいは完全にまっさらな状態で始めたいという場合は、macOSのクリーンインストール(新規インストール)を検討するのも良いでしょう。
クリーンインストールを行うと、Macのストレージが完全に消去され、macOS Sonomaがまっさらな状態からインストールされます。これにより、過去のシステムファイルや設定による潜在的な問題を排除できます。ただし、クリーンインストールを行う場合は、全てのデータが消去されるため、事前に必要なデータを手動でバックアップ(Time Machineだけでなく、重要なファイルや設定などを別途コピーしておく)しておく必要があります。クリーンインストールの手順は、通常のアップグレードよりも複雑で、Macをリカバリーモードで起動したり、ディスクユーティリティでストレージを消去したりする作業が必要です。具体的な手順はAppleのサポートドキュメントなどを参照してください。
通常のアップグレードでほとんどのユーザーはSonomaの新機能を問題なく利用できます。特別な理由がない限り、まずはソフトウェアアップデートからの通常のアップグレードをお勧めします。
13. Sonomaを使いこなすためのヒント
macOS Sonomaへのアップグレードが完了したら、ぜひ新しい機能や改善点を探索してみましょう。ここでは、Sonomaの体験を最大限に活用するためのいくつかのヒントを紹介します。
まずはウィジェットを試す
Sonomaの最も分かりやすい新機能であるデスクトップウィジェットから始めてみましょう。
- デスクトップで右クリック(またはControl+クリック)し、「ウィジェットを編集」を選択します。
- ウィジェットギャラリーをスクロールして、興味のあるウィジェットを探します。
- 天気、カレンダー、リマインダー、株価など、よく見る情報をデスクトップにドラッグ&ドロップしてみましょう。
- ウィジェットのサイズを変更したり、配置を調整したりして、自分にとって最も使いやすいレイアウトを見つけてください。
- iPhoneやiPadのウィジェットがMacに表示される「連係ウィジェット」も試してみてください。Macでは使えないアプリのウィジェットが利用できるかもしれません。
- インタラクティブなウィジェット(リマインダーなど)を操作して、デスクトップから直接タスクを完了させる便利さを体験してみましょう。
よく使うウェブサイトをWebアプリに
毎日アクセスする特定のウェブサイトがあるなら、Webアプリ機能を使ってDockに追加してみましょう。
- Safariでそのウェブサイトを開きます。
- メニューバーの「ファイル」>「Dockに追加」を選択します。
- Dockのアイコンをクリックして起動し、独立したウィンドウでウェブサイトが表示されるか確認します。
- Gmail、Slack、Trello、お気に入りのニュースサイトなどを追加して、迅速なアクセスを試してみてください。
Safariプロフィールを使い分ける
仕事用とプライベート用など、複数の目的でMacを使用しているなら、Safariのプロフィール機能を設定してみましょう。
- Safariの設定を開き、「プロフィール」タブで新しいプロフィールを作成します。
- それぞれのプロフィールで、タブグループ、お気に入り、拡張機能などを個別に設定します。
- 新しいウィンドウやタブを開く際に、適切なプロフィールを選択する習慣をつけましょう。これにより、情報の混在を防ぎ、集中力を維持できます。
ゲームモードの効果を体験する
もしMacでゲームをプレイする習慣があるなら、Sonomaでゲームモードを試してみてください。
- 対応しているMacモデルであることを確認します。
- プレイしたいゲームをフルスクリーンモードで起動します。
- ゲームモードは自動的に有効になります。特に設定する必要はありません。
- ゲームプレイ中に、フレームレートの安定性やワイヤレスコントローラーの応答性が向上しているか感じてみてください。
これらのヒントは、macOS Sonomaの新しい機能を体験し、日々のMacの使用をより効率的で楽しいものにするための出発点です。他にも、新しいスクリーンセーバーを試したり、FaceTimeの発表者オーバーレイを使ってみたりと、Sonomaには探索すべき多くの機能があります。
14. まとめ:Sonomaはどんなユーザーにおすすめか
macOS Sonoma (macOS 14)は、Macの体験をパーソナライゼーション、ゲームパフォーマンス、そしてウェブの利便性という点で大きく進化させたアップデートです。デスクトップウィジェットによる情報への常時アクセス、ゲームモードによる快適なゲームプレイ、SafariのプロフィールやWebアプリによる整理されたブラウジングなど、日々のMacの使用感に直接影響を与える機能が満載です。
Sonomaはこんなユーザーにおすすめです:
- Macをパーソナライズしたいユーザー: デスクトップウィジェットや新しいスクリーンセーバーによって、Macをより自分好みの環境にしたい人。
- Macでゲームをプレイするユーザー: ゲームモードによって、よりスムーズで応答性の高いゲーム体験を求めている人。
- ウェブブラウジングを効率化したいユーザー: Safariのプロフィール機能で情報整理をしたい人や、Webアプリ機能で特定のサイトへのアクセスを速くしたい人。
- 最新のコミュニケーション機能を活用したいユーザー: メッセージやFaceTimeの新しい表現力豊かな機能や、ビデオ会議での発表者オーバーレイを使いたい人。
- 対応しているMacユーザー: お使いのMacがSonomaに対応しており、最新のパフォーマンス最適化やセキュリティ強化の恩恵を受けたいと考えている人。
もちろん、新しいOSへのアップグレードには互換性の確認や事前のバックアップが不可欠ですが、Sonomaがもたらす多くの改善点は、多くのユーザーにとってアップグレードする価値があると言えるでしょう。
macOS Sonomaは、Macというプラットフォームが引き続き進化し、ユーザーの多様なニーズに応えようとしていることを示しています。この記事が、Sonomaの全ての機能を理解し、あなたのMacでの体験を最大限に活用するための手助けとなれば幸いです。新しいmacOS Sonomaの世界を、ぜひお楽しみください。