はい、承知いたしました。neofetch入門ガイド:インストールから使い方まで徹底解説
と題した、詳細な説明を含む約5000語の記事を作成します。
neofetch入門ガイド:インストールから使い方まで徹底解説
ターミナルを開くたびに、あなたのシステム情報がスタイリッシュに表示されたら、どう感じるでしょうか?ただのコマンドプロンプトではなく、まるで自分のOSが挨拶してくれているかのような、クールな体験です。それを可能にするのが、今回ご紹介する素晴らしいツール「neofetch」です。
neofetchは、コマンドラインからシステム情報を取得し、それをオペレーティングシステムのアスキーアートロゴと共に、色鮮やかに表示するカスタマイズ可能なCLI(コマンドラインインターフェース)情報ツールです。開発者、システム管理者、そして何よりもターミナルを愛するユーザーたちの間で、その機能性と見た目の魅力から絶大な人気を誇っています。
このガイドでは、neofetchを初めて使う方から、さらに深くカスタマイズしたい方まで、幅広く役立つ情報を提供します。インストール方法から、基本的な使い方、表示される情報の詳細、そして自分好みに徹底的にカスタマイズする方法まで、約5000語にわたって徹底的に解説していきます。
さあ、あなたのターミナルを、もっとパーソナルで、もっとクールな空間に変えましょう。
1. neofetchとは何か?なぜ使うのか?
1.1 neofetchの正体
neofetchは、オープンソースのコマンドラインツールです。その主な目的は、ユーザーのシステムに関するさまざまな情報を集め、視覚的に魅力的な形でターミナルに表示することです。OSの種類、カーネルバージョン、使用中のシェル、デスクトップ環境、ウィンドウマネージャー、CPUやGPUの情報、メモリ使用量、さらにはインストールされているパッケージ数や現在のテーマ設定に至るまで、多岐にわたる情報を一目で把握できるように整形してくれます。
この情報の表示スタイルは非常に特徴的です。通常、左側にOSのアスキーアートロゴが大きく表示され、その右側にシステム情報がリスト形式で並びます。このレイアウトと、情報カテゴリごとに色分けされた表示が、neofetchを一見してそれとわかるものにしています。
neofetchは主にBashスクリプトとして書かれていますが、情報収集のために様々な外部コマンド(uptime
、df
、lspci
、lsusb
、dpkg
、rpm
、brew
など)を利用します。そのため、特定の情報が表示されるかどうかは、実行環境にこれらのコマンドが存在するかどうかに依存する場合もあります。
1.2 なぜneofetchを使うのか?
neofetchを使う理由はいくつかあります。
- システム情報の素早い確認: 自分のPCがどのような構成になっているか、現在どのバージョンのOSやカーネルを使っているかなど、基本的なシステム情報をターミナルを開いた瞬間に把握できます。これは、特に複数の環境を扱っている場合や、システムの状態を頻繁に確認したい場合に非常に便利です。
- 視覚的な魅力: 何よりも、その見た目のクールさです。色鮮やかなシステム情報とOSロゴは、ターミナル画面を華やかに彩ります。スクリーンショットを共有する際にも、自分の環境をアピールするのに最適です。
- カスタマイズの楽しさ: neofetchは非常に高度なカスタマイズが可能です。表示する情報の種類や順序、色、アスキーアート、さらには情報のフォーマットまで、自分の好みに合わせて細かく調整できます。これにより、自分だけのオリジナルなシステム情報表示を作成する楽しさがあります。
- 技術的な興味: 自分が使っているOSやハードウェアについて、より詳しく知るきっかけになります。また、neofetchがどのようにしてシステム情報を取得しているのか、その仕組みに興味を持つユーザーもいるでしょう。
これらの理由から、neofetchは多くのLinuxユーザーやmacOSユーザー、そしてWSL(Windows Subsystem for Linux)ユーザーにとって、なくてはならないツールの一つとなっています。
2. neofetchの魅力をもっと知る
neofetchの基本的な役割はシステム情報の表示ですが、その魅力は単に情報を羅列するだけにとどまりません。
2.1 多様なシステム情報の表示
neofetchが表示できる情報は非常に豊富です。デフォルト設定でも、以下のような項目が表示されます(環境によって表示される項目は異なります)。
- ユーザー名とホスト名: 現在ログインしているユーザー名と、そのコンピューターのホスト名。
- OS: オペレーティングシステムの種類とバージョン。
- Host: コンピューターのモデル名(例: Dell Inc. XPS 13 9300, MacBookPro16,1)。
- Kernel: 使用中のカーネルのバージョン。
- Uptime: システムが起動してからの経過時間。
- Packages: システムにインストールされているパッケージの数(ディストリビューションのパッケージマネージャー別)。
- Shell: 現在使用しているシェルの種類とバージョン(例: bash, zsh)。
- Resolution: ディスプレイの解像度。
- DE: デスクトップ環境(例: GNOME, KDE Plasma, XFCE)。
- WM: ウィンドウマネージャー(例: Mutter, KWin, Xfwm4)。
- WM Theme: 使用中のウィンドウマネージャーのテーマ。
- Theme: 使用中のGTK/Qtテーマ。
- Icons: 使用中のアイコンテーマ。
- Terminal: 現在使用しているターミナルエミュレーター。
- Terminal Font: ターミナルで使用しているフォント。
- CPU: CPUの種類とコア/スレッド数(例: Intel i7-10710U (12) @ 4.7GHz)。
- GPU: グラフィックカードの種類(例: NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Mobile, Intel CometLake-U GT2)。
- Memory: メモリの総容量と現在の使用量。
- Disk: ディスクの総容量と使用量。
- Battery: バッテリーの状態と残量(ノートPCの場合)。
- Font: システムで使用されているデフォルトフォント。
- Song: 現在再生中の音楽情報(対応する音楽プレイヤーを使用している場合)。
これらの情報が整理されて表示されるため、システムの状態を素早く、かつ包括的に把握できます。
2.2 美しいアスキーアートとカラー表示
neofetchの最も特徴的な要素は、オペレーティングシステムのアスキーアートロゴです。多くの主要なLinuxディストリビューション(Ubuntu, Fedora, Arch Linux, Debianなど)、BSD派生OS、macOS、そしてWSL上のLinuxに対応したロゴが内蔵されています。これらのロゴは、ターミナルのカラーパレットに合わせて色付けされ、非常に見栄えが良いです。
さらに、システム情報の各行も、カテゴリを示すラベル(例: “OS:”, “CPU:”, “Memory:”)と、その情報自体の部分で異なる色を使用できます。これにより、情報がより見やすく、ターミナル全体がカラフルになります。
2.3 高いカスタマイズ性
前述のとおり、neofetchのカスタマイズ性は非常に高いです。
- 表示項目の取捨選択: 不要な情報は非表示にし、必要な情報だけを表示させることができます。また、表示される順序も自由に変更できます。
- 色の変更: アスキーアートやテキスト情報の配色を、ターミナルのカラーパレットや任意の色指定で変更できます。
- アスキーアートの変更: 内蔵のアスキーアートだけでなく、自分で作成した、あるいはインターネットで公開されているカスタムアスキーアートを使用することも可能です。画像ファイルを指定して、その画像をターミナル上でアスキーアートとして表示させる機能もあります。
- 情報フォーマットの調整: CPUのクロック周波数を表示するかしないか、メモリ使用量をパーセント表示するかバイト表示するかなど、情報の表示形式を調整できます。
- カスタム情報の追加: スクリプトを記述することで、neofetchがデフォルトでサポートしていない独自の情報を表示させることも理論上は可能です。
これらのカスタマイズ機能により、「自分だけのneofetch表示」を作り上げることができます。これは、特に見た目にこだわるユーザーや、ターミナル環境を徹底的にパーソナライズしたいユーザーにとって、大きな魅力となります。
3. neofetchのインストール方法
neofetchのインストールは非常に簡単で、多くのオペレーティングシステムやディストリビューションでは、標準的なパッケージマネージャーを使ってインストールできます。ここでは、主要な環境でのインストール方法を解説します。
3.1 Linuxディストリビューション
ほとんどの主要なLinuxディストリビューションのリポジトリにはneofetchが含まれています。お使いのディストリビューションに応じたコマンドを実行してください。
Debian/Ubuntu およびその派生 (Linux Mint, elementary OSなど)
bash
sudo apt update
sudo apt install neofetch
まず sudo apt update
でパッケージリストを最新の状態にし、その後に sudo apt install neofetch
でneofetchをインストールします。管理者権限(sudo)が必要です。
Fedora
bash
sudo dnf install neofetch
Fedoraではパッケージマネージャーにdnf
を使用します。
Arch Linux およびその派生 (Manjaroなど)
bash
sudo pacman -S neofetch
Arch Linuxではパッケージマネージャーにpacman
を使用します。
openSUSE
bash
sudo zypper install neofetch
openSUSEではパッケージマネージャーにzypper
を使用します。
CentOS/RHEL
CentOS/RHELの公式リポジトリにはデフォルトでneofetchが含まれていない場合があります。EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) リポジトリを追加する必要があります。
まずEPELリポジトリをインストールします(環境によってコマンドが若干異なる場合があります)。
- RHEL 8 / CentOS 8 / Rocky Linux 8 / AlmaLinux 8:
bash
sudo dnf install epel-release - CentOS 7 / RHEL 7:
bash
sudo yum install epel-release
EPELリポジトリが有効になったら、neofetchをインストールします。
“`bash
sudo dnf install neofetch # CentOS/RHEL 8+
または
sudo yum install neofetch # CentOS/RHEL 7
“`
その他のディストリビューション
お使いのディストリビューションのパッケージマネージャー(例: NixOSのnix-env
、Gentooのemerge
など)でneofetch
を検索し、インストールしてください。多くの場合、パッケージ名はそのままneofetch
です。
3.2 macOS (Homebrewを使用)
macOSでは、サードパーティのパッケージマネージャーであるHomebrewを使うのが最も簡単です。Homebrewがインストールされていない場合は、Homebrewの公式サイト(https://brew.sh/index_ja)の手順に従ってインストールしてください。
Homebrewがインストールされていれば、以下のコマンドでneofetchをインストールできます。
bash
brew install neofetch
3.3 Windows (WSLを使用)
Windows Subsystem for Linux (WSL) を使用している場合、WSL上で動作しているLinuxディストリビューションのパッケージマネージャーを使ってneofetchをインストールできます。例えば、WSL2でUbuntuを使っている場合は、LinuxのUbuntuのインストール方法(sudo apt install neofetch
)に従ってください。
3.4 ソースコードからビルドする (上級者向け)
ほとんどのユーザーにとってはパッケージマネージャーからのインストールで十分ですが、最新バージョンを使いたい場合や、特定の環境でパッケージが提供されていない場合は、GitHubからソースコードをダウンロードして手動でインストールすることも可能です。
- 必要な依存関係をインストールします。neofetchはBashスクリプトですが、システム情報の取得に様々な外部コマンドを使用するため、多くのツール(
git
,make
, 各種情報取得コマンドなど)が必要です。ディストリビューションによって異なりますが、file
,grep
,sed
,awk
,wc
,tput
,tr
,cut
,paste
,pr
,head
,tail
,fmt
,uname
,lsb_release
(または代替コマンド),lspci
,lsusb
,dmidecode
,ip
,df
,free
,findmnt
,xrandr
,xdg-open
,wmctrl
,xprop
,kreadconfig
,gsettings
,upower
,acpi
,dpkg
,rpm
,pacman
,brew
など、非常に多くのツールに依存しています。 - GitHubリポジトリをクローンします。
bash
git clone https://github.com/dylanaraps/neofetch.git
cd neofetch - インストールスクリプトを実行します。
bash
sudo make install
これにより、neofetchスクリプトや関連ファイルがシステムの適切なパス(通常は/usr/local/bin
など)にコピーされます。
ソースからのビルドは、依存関係の管理やトラブルシューティングが難しくなる場合があるため、特別な理由がない限りパッケージマネージャーからのインストールを推奨します。
4. neofetchの基本的な使い方
neofetchのインストールが完了したら、使い方は非常にシンプルです。
ターミナルを開いて、以下のコマンドを入力してEnterキーを押すだけです。
bash
neofetch
これで、あなたのシステムの基本的な情報が、アスキーアートロゴと共に表示されます。
4.1 簡単なオプション
neofetchは多くのオプションを持っていますが、まずはいくつか基本的なものを紹介します。
- ヘルプを表示する:
bash
neofetch -h
これにより、neofetchがサポートしている全てのコマンドラインオプションのリストと簡単な説明が表示されます。オプションが非常に多いため、最初は圧倒されるかもしれませんが、必要に応じて参照すると良いでしょう。 - バージョン情報を表示する:
bash
neofetch --version
インストールされているneofetchのバージョンが表示されます。 - ロゴを非表示にする:
bash
neofetch -L
アスキーアートロゴを表示せず、システム情報だけを表示したい場合に便利です。 - 特定のディストリビューションのロゴを表示する:
neofetchは通常、実行中のOSを自動的に検出してそのロゴを表示しますが、-a
または--ascii_distro
オプションを使って、意図的に別のディストリビューションのロゴを表示させることができます。例えば、Ubuntu上でArch Linuxのロゴを表示したい場合:
bash
neofetch --ascii_distro arch
サポートされているディストリビューション名は、ヘルプ (neofetch -h
) の--ascii_distro
の項目や、neofetchのドキュメントで確認できます。--ascii_distro auto
で自動検出に戻ります。 - 画像を表示する:
アスキーアートの代わりに、指定した画像ファイルをターミナルに表示させることもできます。これには、画像を表示できるターミナルエミュレーター(例: Kitty, iTerm2, GNOME Terminal (対応拡張機能が必要な場合あり)など)と、w3mimgdisplay
やit2img
などの画像表示ツールが必要です。
bash
neofetch --source /path/to/your/image.png
または、特定のディレクトリ内のランダムな画像を表示することもできます。
bash
neofetch --source /path/to/image/directory/ --image wall
--image wall
は、ディレクトリ内の画像を壁紙のように(左右いっぱいに)表示しようと試みます。--image auto
は、最適な方法(アスキーアート、Sixel、iTerm2、Kittyなど)を自動で選択して画像を表示します。 - 設定ファイルを指定する:
通常、neofetchはデフォルトの設定ファイル(~/.config/neofetch/config.conf
)を読み込みますが、-c
または--config
オプションを使って別の設定ファイルを指定できます。
bash
neofetch -c /path/to/another/config.conf
これらの基本的なオプションを使うだけでも、neofetchの表示を少し変えることができます。しかし、neofetchの真髄は、設定ファイルによる高度なカスタマイズにあります。その前に、デフォルトで表示されるシステム情報の各項目について詳しく見ていきましょう。
5. neofetchの表示項目詳細解説
デフォルトでneofetchを実行した際に表示される主要なシステム情報について、それぞれの意味するところを詳しく解説します。環境によって表示されない項目や、表示形式が異なる場合があります。
- User@Host:
- 例:
user@hostname
- 現在ログインしているユーザー名と、そのコンピューターのホスト名を表示します。これはLinux/Unix系システムで一般的なプロンプトの表示形式でもあります。
- 例:
- OS:
- 例:
Ubuntu 22.04 LTS
- 使用中のオペレーティングシステムの種類とバージョンを表示します。Linuxディストリビューションの場合、その名称とバージョン番号が表示されます。macOSの場合は
macOS [バージョン名]
、WSLの場合は基盤となるWindowsのバージョンも表示されることがあります。
- 例:
- Host:
- 例:
Dell Inc. XPS 13 9300
- コンピューターのハードウェアモデル名を表示します。デスクトップPCの場合はマザーボードのモデル名やメーカー名、ノートPCの場合は製品名が表示されることが多いです。仮想マシンの場合は仮想化ソフトウェア名が表示されます。
- 例:
- Kernel:
- 例:
Linux 5.15.0-56-generic
- 使用中のカーネルのバージョンを表示します。Linuxの場合はLinuxカーネルのバージョン、macOSの場合はDarwinカーネルのバージョンが表示されます。カーネルバージョンはシステム安定性やハードウェアサポートに大きく関わる重要な情報です。
- 例:
- Uptime:
- 例:
3 days, 5 hours, 30 minutes
- システムが最後に起動されてからの経過時間を表示します。システムの稼働時間を知るのに役立ちます。
- 例:
- Packages:
- 例:
1874 (dpkg), 14 (snap)
- システムにインストールされているソフトウェアパッケージの総数を、使用中のパッケージマネージャー別に表示します。上記の例では、dpkg(Debian/Ubuntu系)で1874個、snapで14個のパッケージがインストールされていることを示しています。複数のパッケージマネージャーを使用している場合、それぞれでカウントされます(apt, dnf, pacman, yum, brew, snap, flatpakなど)。
- 例:
- Shell:
- 例:
bash 5.1.16
- 現在使用しているコマンドラインシェルの種類とバージョンを表示します。
bash
,zsh
,fish
,ksh
など、さまざまなシェルがあります。
- 例:
- Resolution:
- 例:
1920x1080 @ 60Hz
- 接続されているディスプレイの解像度とリフレッシュレートを表示します。マルチディスプレイ環境の場合、すべてのディスプレイの解像度が表示されることがあります。
- 例:
- DE:
- 例:
GNOME 42
- 使用中のデスクトップ環境を表示します。GNOME, KDE Plasma, XFCE, Cinnamon, MATEなど、グラフィカルなユーザーインターフェースを提供するソフトウェアスイートです。デスクトップ環境を使用していない(CLIのみの)環境では表示されません。
- 例:
- WM:
- 例:
Mutter
- 使用中のウィンドウマネージャーを表示します。ウィンドウの配置、サイズ変更、装飾などを管理するソフトウェアです。デスクトップ環境の一部として提供されることが多いですが(例: GNOMEのMutter、KDE PlasmaのKWin)、独立したウィンドウマネージャー(例: i3, bspwm, AwesomeWM)を使用している場合もあります。
- 例:
- WM Theme:
- 例:
Adwaita
- 使用中のウィンドウマネージャーのテーマ名を表示します。ウィンドウの見た目(タイトルバーの色やボタンのデザインなど)を定義します。
- 例:
- Theme:
- 例:
Adwaita [GTK2/3]
- 使用中のUIテーマ名と、それが対応するツールキット(GTK, Qtなど)を表示します。アプリケーション全体の見た目を定義します。
- 例:
- Icons:
- 例:
Adwaita [GTK2/3]
- 使用中のアイコンテーマ名を表示します。ファイルマネージャーやアプリケーションランチャーなどで使用されるアイコンのデザインを定義します。
- 例:
- Terminal:
- 例:
gnome-terminal
- 現在neofetchを実行しているターミナルエミュレーターの種類を表示します。GNOME Terminal, Konsole, xterm, Alacritty, Kittyなど、さまざまなターミナルエミュレーターがあります。
- 例:
- Terminal Font:
- 例:
Ubuntu Mono 14
- ターミナルで使用されているフォントの種類とサイズを表示します。アスキーアートが正しく表示されるためには、等幅フォントの使用が推奨されます。
- 例:
- CPU:
- 例:
Intel i7-10710U (12) @ 4.7GHz
- CPUの種類、搭載されている物理コアや論理コア(スレッド)の数、そして現在の動作周波数を表示します。CPUの性能を把握する上で重要な情報です。
- 例:
- GPU:
- 例:
Intel CometLake-U GT2
- 搭載されているグラフィックカード(または統合グラフィックス)の種類を表示します。複数のGPUがある場合はリストされることがあります。
- 例:
- Memory:
- 例:
15820MiB / 16016MiB (99%)
- システムに搭載されている総メモリ量と、現在使用中のメモリ量を表示します。使用量はバイト単位(KiB, MiB, GiBなど)とパーセントで表示されます。
- 例:
- Disk:
- 例:
/ (ext4) @ 236GiB / 454GiB (52%)
- ルートファイルシステム(
/
)など、特定のパーティションの総容量、使用量、使用率、およびファイルシステムの種類を表示します。設定により、他のパーティションの情報も表示できます。
- 例:
- Battery:
- 例:
78% [Charging]
- ノートPCなどでバッテリーが搭載されている場合、その残量と状態(充電中か、放電中かなど)を表示します。
- 例:
- Font:
- 例:
Cantarell
- システム全体で使用されているデフォルトのフォント名を表示します。
- 例:
- Song:
- 例:
Artist - Track Title
- mpdやSpotifyなどの対応する音楽プレイヤーで現在再生されている曲のアーティストとタイトルを表示します。この機能を使用するには、対応プレイヤーと連携するための設定が必要な場合があります。
- 例:
これらの情報は、neofetchのデフォルト設定で表示される典型的なものです。次のセクションで説明するように、設定ファイルを編集することで、これらの表示・非表示を切り替えたり、順序を変更したり、さらには全く別の情報を表示させたりすることが可能になります。
6. neofetchのカスタマイズ方法
neofetchの最大の魅力の一つは、その高いカスタマイズ性です。設定ファイルを編集することで、表示項目、色、アスキーアートなど、ほとんどすべての要素を自由に変更できます。
6.1 設定ファイルの場所と生成
neofetchの設定ファイルは、通常以下の場所にあります。
~/.config/neofetch/config.conf
~
はユーザーのホームディレクトリ (/home/your_username
または /Users/your_username
) を指します。
初めてneofetchをインストールした場合、このファイルは存在しないかもしれません。設定ファイルを作成するには、以下のいずれかの方法を使います。
- neofetchコマンドを使う:
最も簡単な方法は、neofetch自身にデフォルト設定ファイルを生成させることです。
bash
neofetch config
このコマンドを実行すると、~/.config/neofetch/
ディレクトリが作成され、その中にconfig.conf
という名前のデフォルト設定ファイルがコピーされます。 - 手動でコピーする:
neofetchのシステムワイドな設定ファイル(通常/usr/share/neofetch/config
または/usr/local/share/neofetch/config
)をユーザーの設定ディレクトリにコピーします。
bash
mkdir -p ~/.config/neofetch/
cp /usr/share/neofetch/config ~/.config/neofetch/config.conf
# または /usr/local/share/neofetch の場合
# cp /usr/local/share/neofetch/config ~/.config/neofetch/config.conf
システムワイドな設定ファイルの正確な場所は、ディストリビューションやインストール方法によって異なる場合があります。neofetch -h
の出力や、システムファイルを確認してください。
設定ファイル ~/.config/neofetch/config.conf
が作成されたら、これをテキストエディターで開いて編集します。このファイルは、Lua言語のシンタックスに似たシンプルな形式で記述されています。
6.2 設定ファイルの基本的な構造と編集
config.conf
ファイルは、様々な設定項目が並んだ構造になっています。各設定項目は、変数名とそれに割り当てられた値で構成されます。
“`lua
Example config.conf snippet
Info Options
See the wiki for more options: https://github.com/dylanaraps/neofetch/wiki/Variable-Options
print_info() {
info “OS”
info “Host”
info “Kernel”
info “Uptime”
info “Packages”
info “Shell”
info “Resolution”
info “DE”
info “WM”
info “WM Theme”
info “Theme”
info “Icons”
info “Terminal”
info “Terminal Font”
info “CPU”
info “GPU”
info “Memory”
info “Disk”
info “Battery”
info “Font”
info “Song”
}
Color Options
See the wiki for more options: https://github.com/dylanaraps/neofetch/wiki/Colors
The lines get their colors from the colors array below.
Each number in the array is the index of a color.
colors=(4 6 7 3 2 1) # Example: Magenta Cyan White Yellow Green Red
colors=(distro) # Default: Use your distro’s colors
Image Options
See the wiki for more options: https://github.com/dylanaraps/neofetch/wiki/Images
image_source=”auto” # auto, ascii, /path/to/img, wall, random, folder
ascii_distro=”auto” # auto, arch, ubuntu, windows, etc.
… (他の設定項目が続く)
“`
コメント: #
で始まる行はコメントとして扱われ、neofetchに無視されます。設定項目の説明などが書かれています。
主要なセクション: 設定ファイルは大きくいくつかのセクションに分かれていますが、特に重要なのは以下の部分です。
-
print_info()
関数:
この関数の中に記述されているinfo "項目名"
の行が、neofetchが情報を表示する順序と種類を定義しています。- 表示項目の取捨選択: 特定の情報を表示したくない場合は、その行を削除するか、行頭に
#
を付けてコメントアウトします。
lua
print_info() {
info "OS"
info "Host"
# info "Kernel" # カーネル情報を非表示にする
info "Uptime"
info "Packages"
info "Shell"
info "Resolution"
# ...
} - 表示順序の変更:
info "項目名"
の行の並び順を変更することで、表示されるシステム情報のリストの順序を変更できます。
lua
print_info() {
# CPU情報を一番上に移動
info "CPU"
info "Memory"
info "GPU"
info "OS"
info "Host"
# ...
} - 表示名の変更: 各情報の表示名を変更したい場合、例えば “OS” を “Operating System” にしたい場合は、
info "OS"
の行をinfo "Operating System" OS
のように変更します。最初の文字列が表示名、次の文字列が実際に情報を取得するキーとなります。
lua
print_info() {
info "Operating System" OS
info "Computer Name" Host
info "Kernel Version" Kernel
# ...
}
- 表示項目の取捨選択: 特定の情報を表示したくない場合は、その行を削除するか、行頭に
-
colors
配列:
この配列は、システム情報が表示される際のテキストの色を定義します。特に、アスキーアートの右側に表示される情報の各行(ラベルと値)の色を指定します。colors=(distro)
: これがデフォルト設定です。実行中のOSやディストリビューションに関連付けられたデフォルトの配色を使用します。これが最も一般的で、アスキーアートの色とも調和しやすい設定です。- カスタム配色: 自分で色を指定したい場合は、ターミナルのカラーパレットのインデックス(通常0から15までの数値)または16進数の色コードを指定できます。色は、上から順に
colors
配列に指定されたものが使われます。
lua
colors=(4 6 7 3 2 1) # 例: Magenta Cyan White Yellow Green Red
# 各要素の色は、アスキーアートの右の情報の1行目、2行目、3行目... に対応します。
# colors=(4 6 7) の場合、1行目はカラー4、2行目はカラー6、3行目はカラー7、4行目以降はカラー1が使われます。
ターミナルカラーパレットのインデックスは通常以下のようになっています。
0: Black, 1: Red, 2: Green, 3: Yellow, 4: Blue, 5: Magenta, 6: Cyan, 7: White (明るい白)
8: Bright Black (Gray), 9: Bright Red, 10: Bright Green, 11: Bright Yellow, 12: Bright Blue, 13: Bright Magenta, 14: Bright Cyan, 15: Bright White
色番号ではなく、16進数のRGB値(例:#ff0000
)や色名(red
)を指定することも可能ですが、これはターミナルエミュレーターのサポートに依存します。
通常、ラベル(”OS:”, “CPU:” など)の色はcolors
配列の最初の要素、値(”Ubuntu 22.04″, “Intel i7-…” など)の色はcolors
配列の2番目以降の要素が使われます。より細かく色を制御するオプションもあります。
-
image_source
およびascii_distro
:
これらは、左側に表示される画像やアスキーアートに関する設定です。image_source="auto"
: neofetchが自動で最適な画像表示方法を選択します。通常はアスキーアートになりますが、対応する環境であれば画像ファイルを表示します。image_source="ascii"
: 強制的にアスキーアートを表示します。image_source="/path/to/your/image.png"
: 指定した画像ファイルをアスキーアートの代わりに表示します。image_source="wall"
: 現在の壁紙画像を検出して表示しようと試みます。image_source="folder"
:ascii_distro
で指定されたディレクトリ内の画像をランダムに表示します。ascii_distro="auto"
: 実行中のOS/ディストリビューションを自動検出して、対応するアスキーアートを表示します。ascii_distro="arch"
: 強制的にArch Linuxのアスキーアートを表示します。サポートされているディストリビューション名はneofetch -h
で確認できます。ascii_distro="custom"
: 後述するカスタムアスキーアートを使用する場合に指定します。ascii_distro="/path/to/custom/ascii"
: 指定したファイルをアスキーアートとして使用する場合に指定します。
6.3 より詳細なカスタマイズオプション
config.conf
には、他にも非常に多くのカスタマイズオプションがあります。主なものをいくつか紹介します。
show_logo="on"
/"off"
: アスキーアートや画像の表示を完全にオン/オフします。これは-L
オプションと同じ効果です。logo_width=40
: アスキーアート/画像の表示幅を文字数で指定します。gap=3
: アスキーアート/画像とシステム情報の間のスペースを文字数で指定します。yoffset=0
,xoffset=0
: アスキーアート/画像の表示位置を上下左右にオフセットします。separator=":"
: 情報のラベルと値の間の区切り文字を指定します。デフォルトは:
です。- 特定の情報の詳細設定: 各情報項目(CPU, Memory, Diskなど)に対して、表示形式をさらに細かく制御するオプションがあります。例えば:
cpu_display="model"
: CPUの表示をモデル名のみにする (short
やfull
なども選択可)。memory_display="percent"
: メモリ使用量をパーセント表示にする (infobar
,bar
なども選択可)。disk_display="on"
: Disk情報を表示する(off
も指定可)。複数パーティションを表示する場合の設定もここで行います。
- 色関連の詳細設定:
underline_enabled="on"
/"off"
: ヘッダー行(User@Host
)の下線表示をオン/オフします。underline_char="-"
: ヘッダー行の下線に使用する文字を指定します。color_blocks="on"
/"off"
: アスキーアートの下にカラーブロックを表示するかどうか。block_range=(0 15)
: カラーブロックとして表示するターミナルカラーパレットのインデックス範囲を指定します。bold="on"
/"off"
: 情報のラベル部分を太字にするかどうか。
これらのオプションは、config.conf
ファイル内にコメントアウトされた状態で含まれていることが多いです。編集したい項目の #
を外し、値を変更してください。各オプションの詳細な説明は、設定ファイル自体のコメント、またはneofetchの公式GitHubリポジトリのWiki(特にVariable Optionsのページ)を参照するのが最も正確です。
6.4 カスタムアスキーアートの使用
内蔵のアスキーアートだけでなく、自分で作成したり、インターネットで公開されているカスタムアスキーアートを使用することも可能です。
-
カスタムアスキーアートファイルの準備:
表示したいアスキーアートをテキストファイルとして保存します。ファイル名は任意です(例:my_ascii.txt
)。
このファイルには、アスキーアート本体と、色の指定を含めることができます。色は、ターミナルのカラーコードを使って記述します。例えば、Bashの場合\033[0;31m
は赤色、\033[0m
は色をリセットします。neofetchはこれらのエスケープコードを解釈して色付けします。
ファイルの内容例 (my_ascii.txt
):
\033[0;34m _ __ ___ ___ _ __\033[0m
\033[0;36m| '_ \/ __| / __| '__|\033[0m
\033[0;32m| | | \__ \ \__ \ | \033[0m
\033[0;33m|_| |_|___/ |___/_|\033[0m
(これは”neofetch”という単語を異なる色で表示する簡単な例です) -
設定ファイルの変更:
~/.config/neofetch/config.conf
を開き、image_source
とascii_distro
を以下のように変更します。
lua
image_source="ascii" # または "auto" でも可(asci_distroが指定されている場合)
ascii_distro="/path/to/my_ascii.txt" # 作成したアスキーアートファイルへのフルパスを指定
ascii_distro
にファイルのフルパスを指定することで、そのファイルの内容がアスキーアートとして使用されます。もし、複数のカスタムアスキーアートを切り替えたい場合は、それらを特定のディレクトリにまとめて置き、
ascii_distro
にそのディレクトリを指定し、image_source="folder"
を使う方法もあります。
6.5 コマンドラインオプションでの一時的なカスタマイズ
設定ファイルを編集するのは永続的な変更ですが、特定のコマンド実行時だけ設定を変更したい場合は、コマンドラインオプションを使用します。多くの設定ファイルオプションには、対応するコマンドラインオプションがあります。
例:
* neofetch --os ubuntu
: Ubuntuのロゴで表示する
* neofetch --cpu_display full
: CPU情報を詳細に表示する
* neofetch --memory_display bar
: メモリ使用量をバー形式で表示する
* neofetch --colors 1 2 3 4 5 6
: 色を赤、緑、黄… の順で表示する
* neofetch --gay
: LGBTQA+コミュニティのフラッグカラーで表示する(特別なオプション!)
これらのオプションは neofetch -h
でリストされます。設定ファイルとコマンドラインオプションの両方で同じ設定がされている場合、コマンドラインオプションの設定が優先されます。
設定ファイルによるカスタマイズは、neofetchを自分の環境や好みに完璧に合わせるための強力な手段です。時間をかけて設定ファイルをいじってみることで、さらにneofetchの魅力を引き出すことができるでしょう。
7. 実践的な使い方・応用例
neofetchは単にシステム情報を表示するだけでなく、様々な応用が可能です。ここでは、いくつかの実践的な使い方を紹介します。
7.1 ターミナル起動時に自動表示する
多くのneofetchユーザーが最もよく行う設定の一つは、ターミナルエミュレーターを起動するたびにneofetchを自動的に実行するようにすることです。これにより、毎回コマンドを入力する手間なく、自分のシステム情報を確認できます。
これは、使用しているシェルの設定ファイルにneofetchコマンドを追記することで実現できます。一般的なシェルとその設定ファイルは以下の通りです。
- Bash:
~/.bashrc
- Zsh:
~/.zshrc
- Fish:
~/.config/fish/config.fish
設定ファイルの末尾に、以下の行を追加します。
bash
neofetch
または、必要に応じてオプションを付けても良いでしょう。
bash
neofetch --gpu --memory
ファイルを保存して、新しいターミナルウィンドウを開いてみてください。起動時にneofetchの出力が表示されるはずです。
注意点:
- SSH接続時: リモートサーバーにSSHで接続した場合も、リモート側のシェルの設定ファイルにneofetchが記述されていれば実行されます。サーバー側の情報を表示するのは便利ですが、毎回表示されるのが煩わしい場合や、ログインが遅くなる場合は、SSH接続時には実行されないように条件分岐を追加することも検討できます。
.bashrc
の例 (インタラクティブシェルでのみ実行):
bash
if [ -n "$PS1" ]; then
neofetch
fi
$PS1
環境変数は、プロンプトが表示されるインタラクティブシェルでのみ設定されるのが一般的です。この条件を使うことで、スクリプト実行時などにはneofetchが実行されないようにできます。 - Fishシェルの場合: Fishシェルの場合は構文が異なります。
fish
neofetch
オプションも通常とは異なります。
fish
neofetch -- -L # オプションの前に -- が必要
詳しくはFishシェルのドキュメントを確認してください。
7.2 特定の情報だけを簡単に表示する
設定ファイルを編集しなくても、コマンドラインオプションを使って一時的に特定の情報だけを表示させることができます。
例えば、CPUとメモリの情報だけを知りたい場合:
bash
neofetch --cpu --memory --os off --host off --kernel off --uptime off --packages off --shell off --resolution off --de off --wm off --wm_theme off --theme off --icons off --terminal off --terminal_font off --gpu off --disk off --battery off --font off --song off
このように、表示したい項目名のオプションを付けて、それ以外の項目を --項目名 off
と指定するのは少し面倒です。
より簡単な方法は、設定ファイルで必要な項目だけを残すか、必要な情報だけを出力するスクリプトを別途作成することです。あるいは、neofetch --print-info key
コマンドを使って特定のキーに対応する情報のみを出力させることができます。
“`bash
neofetch –print-info cpu
CPU: Intel i7-10710U (12) @ 4.7GHz
neofetch –print-info memory
Memory: 15820MiB / 16016MiB (99%)
“`
--print-info
オプションは、指定されたキーに対応する情報だけを、ラベル付きで一行で出力します。これは他のスクリプトからneofetchの情報を取得する際に便利です。複数の情報を指定することも可能です。
“`bash
neofetch –print-info os kernel shell
OS: Ubuntu 22.04 LTS
Kernel: Linux 5.15.0-56-generic
Shell: bash 5.1.16
“`
7.3 他のコマンドやスクリプトと組み合わせる
neofetchの出力は標準出力に行われるため、他のコマンドと組み合わせて使用できます。
- 特定の行を抽出する (grep): 例えば、CPU情報だけを抽出したい場合。
bash
neofetch | grep "CPU:"
# CPU: Intel i7-10710U (12) @ 4.7GHz - 情報をファイルに保存する (tee): neofetchの出力を画面に表示しつつ、ファイルにも保存したい場合。
bash
neofetch | tee system_info.txt - 情報を加工する:
awk
,sed
などのテキスト処理ツールと組み合わせて、表示形式を変更したり、特定の部分だけを取り出したりすることも可能です。例えば、メモリの使用量(バイト単位)だけを取り出したい場合。
bash
neofetch --memory_display infobar | grep "Memory:" | awk '{print $3}'
# 15820MiB
--memory_display infobar
オプションを使うと、メモリ使用量がMemory: [===-------] 15820MiB / 16016MiB (99%)
のように表示されるため、awkで3番目のフィールドを取り出すことで使用量が得られます。
7.4 スクリーンショットを共有する
neofetchの魅力的な表示は、自分の環境を他の人に見せたいときにも役立ちます。ターミナル画面のスクリーンショットを撮って、フォーラムやSNSなどで共有するユーザーは多いです。
スクリーンショットツールはOSやデスクトップ環境によって異なります。
- Linux (GNOME): Print Screenキー、または
gnome-screenshot
コマンド。 - Linux (KDE Plasma): Print Screenキー、または Spectacleツール。
- Linux (XFCE): Print Screenキー、または Xfce4-screenshooterツール。
- macOS: Command+Shift+3 (全画面)、Command+Shift+4 (範囲指定)。
- Windows: Print Screenキー、Snipping Tool, Snipping & Sketchなど。
コマンドラインからスクリーンショットを撮れるツールもあります。例えば、scrot
や flameshot
などです。これらのツールをシェルスクリプトに組み合わせて、neofetchを実行した直後にスクリーンショットを撮るように設定することも可能です。
例 (scrot
を使用する場合):
“`bash
!/bin/bash
neofetch
sleep 1 # neofetchの表示が終わるまで少し待つ
scrot -u neofetch_$(date +%Y%m%d_%H%M%S).png # アクティブウィンドウ(ターミナル)のスクショを撮る
“`
このスクリプトを実行すると、neofetchが表示されたターミナルのスクリーンショットが、タイムスタンプ付きでファイルとして保存されます。
8. トラブルシューティング
neofetchを使っている際に遭遇する可能性のある一般的な問題と、その解決策をいくつか紹介します。
8.1 neofetch: command not found
原因: neofetchが正しくインストールされていないか、インストールされているがシステムのPATH環境変数に含まれていない場所にインストールされている可能性があります。
解決策:
- インストールを確認: 使用しているパッケージマネージャーでneofetchがインストールされているか確認してください。
- Debian/Ubuntu:
dpkg -l neofetch
- Fedora:
rpm -q neofetch
- Arch Linux:
pacman -Qs neofetch
- macOS (brew):
brew list neofetch
インストールされていない場合は、本ガイドの「3. neofetchのインストール方法」を参考に再インストールしてください。
- Debian/Ubuntu:
- PATHの確認: インストールされている場合は、その場所がPATHに含まれているか確認します。neofetchの実行ファイルの場所を特定し(例:
which neofetch
)、そのディレクトリが$PATH
環境変数に含まれているか確認します。
bash
which neofetch
echo $PATH
もし含まれていない場合は、シェルの設定ファイル(~/.bashrc
,~/.zshrc
など)にexport文を追加してPATHに含めるか、インストール時の設定を見直してください。通常、パッケージマネージャーでインストールした場合は自動的にPATHが通ります。
8.2 特定の情報が表示されない、または間違っている
原因: neofetchはシステム情報を取得するために様々な外部コマンドに依存しています。特定の情報が表示されない場合、その情報を取得するために必要なコマンドがシステムにインストールされていないか、正しく機能していない可能性があります。また、設定ファイルでその情報が非表示になっている可能性もあります。
解決策:
- 設定ファイルを確認:
~/.config/neofetch/config.conf
を開き、print_info()
関数の中で表示されない項目(例:info "GPU"
)がコメントアウトされていないか確認します。コメントアウトされている場合は#
を削除して保存してください。 - 依存コマンドの確認: neofetchが情報を取得するために使用するコマンドを個別に実行してみます。例えば、GPU情報が表示されない場合は
lspci | grep -i vga
やglxinfo
などを試してみてください。もしこれらのコマンド自体が存在しない、またはエラーになる場合は、それらのツールをインストールする必要があります。neofetchのWikiには、各情報取得に必要なコマンドのリストが記載されています。 - 環境の特殊性: 仮想マシン、コンテナ、特定のハードウェア構成など、環境が特殊な場合、neofetchが正しく情報を取得できないことがあります。これはneofetchの制限によるものかもしれません。
8.3 アスキーアートや表示が崩れる
原因: アスキーアートが正しく表示されない、情報の列がずれるなどの表示崩れは、使用しているフォントやターミナルエミュレーターの設定、または環境変数によって発生することが多いです。
解決策:
- 等幅フォントの使用: neofetchのアスキーアートや整列されたテキストは、等幅フォント(モノスペースフォント)を使用することを前提としています。ターミナルエミュレーターの設定で、Source Code Pro, Fira Code, Hack, DejaVu Sans Monoなどの等幅フォントが選択されているか確認してください。
- ターミナルエミュレーターの互換性: 一部の古いターミナルエミュレーターや、標準から大きく外れた設定のターミナルでは、表示が乱れることがあります。別のターミナルエミュレーター(GNOME Terminal, Konsole, iTerm2, Alacritty, Kittyなど)で試してみてください。
- LANG/LC_CTYPE 環境変数: 環境変数
LANG
やLC_CTYPE
が正しく設定されていない(特にUTF-8以外のエンコーディングになっている)と、アスキーアートの表示が崩れることがあります。これらの環境変数がen_US.UTF-8
やそれに類するUTF-8エンコーディングに設定されているか確認してください。
bash
echo $LANG
echo $LC_CTYPE
もし正しくない場合は、シェルの設定ファイルで export 文を追加して設定してください。 - ターミナルサイズ: ターミナルウィンドウの幅が狭すぎると、表示が折り返されて崩れることがあります。ウィンドウサイズを広くしてみてください。また、
config.conf
のlogo_width
やgap
の設定値が、現在のターミナルサイズに対して大きすぎる場合も崩れる原因になります。 - 古い端末タイプ: 環境変数
TERM
が正しく設定されていない場合、ターミナルの機能(色表示など)が制限されて表示が崩れることがあります。通常はxterm-256color
などが適切です。
bash
echo $TERM
8.4 neofetchの実行が遅い
原因: neofetchは多くの外部コマンドを実行してシステム情報を収集します。これらのコマンドの実行に時間がかかる場合、neofetch全体の起動が遅くなることがあります。特に、ディスク情報やネットワーク情報の取得、パッケージ数のカウントなどは時間がかかる傾向があります。
解決策:
- 不要な情報の非表示:
~/.config/neofetch/config.conf
を編集し、表示に時間がかかると思われる情報(例: 大容量ディスクのDisk情報、多数のパッケージがあるシステムのPackages情報、ネットワーク情報など)をコメントアウトして非表示にすることで、速度が改善される場合があります。 - 特定の情報取得方法の最適化: 一部の情報については、情報取得方法を変更するオプションが用意されている場合があります。neofetchのWikiや設定ファイルのコメントを確認してください。
- 代替ツールの検討: neofetchよりも高速な情報表示ツールとして、
fastfetch
などが登場しています。もし速度が最優先であれば、これらの代替ツールを検討するのも良いでしょう。
9. neofetchの代替となるツール
neofetchと同様の機能を提供するツールはいくつか存在します。もしneofetchがあなたの環境に合わない、あるいは別の機能が必要な場合は、これらのツールを検討してみる価値があります。
- screenfetch:
neofetchより以前から存在する、システム情報をアスキーアートと共に表示するツールです。neofetchの先駆者と言えます。Bashスクリプトで書かれており、多くのディストリビューションに対応しています。ただし、近年はneofetchほど活発に開発されておらず、情報の取得やカスタマイズ性においてneofetchに劣る部分があります。シンプルさを求めるユーザーには良いかもしれません。 - fastfetch:
neofetchの現代的な代替を目指して開発されているツールです。C言語で書かれており、neofetchよりもはるかに高速に動作することを特徴としています。表示できる情報量やカスタマイズ性もneofetchに匹敵するか、一部では上回っています。新しいツールなので、対応OSや環境がneofetchほど広くない場合もありますが、今後の発展が期待されています。速度を重視する場合に有力な選択肢となります。 - pfetch:
非常に軽量なシステム情報表示ツールです。純粋なBashスクリプトで、依存関係がほとんどありません。表示される情報はneofetchやscreenfetchに比べて少ないですが、非常にシンプルで高速です。リソースの限られた環境や、必要最低限の情報だけを表示したい場合に適しています。アスキーアートも含まれています。 - อื่นๆ (その他):
archfetch
(Arch Linux特化),linuxlogo
(よりシンプルなロゴ表示ツール) など、特定のディストリビューションに特化したものや、よりニッチなツールも存在します。
これらのツールは、それぞれに特徴があります。インストール方法や設定方法も異なりますので、興味があればぜひ試してみてください。しかし、機能性、カスタマイズ性、対応環境の広さ、開発の活発さという点では、現在のところneofetchが最もバランスの取れた選択肢の一つと言えるでしょう。
10. まとめ:neofetchと共にターミナルを彩る
このガイドでは、neofetchのインストールから基本的な使い方、表示される情報の詳細、そして設定ファイルを使った高度なカスタマイズ方法までを徹底的に解説しました。
neofetchは単なるシステム情報表示ツールではありません。それは、あなたのターミナル環境をパーソナライズし、システムへの愛着を深めるためのツールです。カラフルなアスキーアートと整理されたシステム情報は、ターミナルを開くたびにあなたを迎えてくれるでしょう。
インストールは多くの環境でパッケージマネージャーから簡単に行えます。基本的な使い方は neofetch
コマンド一つだけです。そして、その真価は ~/.config/neofetch/config.conf
ファイルを使ったカスタマイズにあります。表示項目のオン/オフ、順序変更、色、アスキーアートの変更など、あなたの好みに合わせて無限の可能性が広がっています。
ターミナル起動時の自動表示設定は、neofetchの便利さを最大限に引き出すための定番カスタマイズです。また、--print-info
オプションや他のコマンドとの組み合わせは、情報活用の幅を広げます。もし問題に遭遇しても、本ガイドのトラブルシューティングセクションや公式ドキュメントを参照すれば、多くの場合解決できるでしょう。
neofetchは常に開発が進められており、新しい機能や対応環境が追加されています。もしあなたがまだneofetchを使ったことがないなら、ぜひこの機会に試してみてください。すでに使っている方も、本ガイドを参考にさらに深いカスタマイズに挑戦し、自分だけの究極のneofetch表示を追求してみてはいかがでしょうか。
あなたのターミナルライフが、neofetchによってさらに豊かで、そしてもっと楽しくなることを願っています。
これで、約5000語の「neofetch入門ガイド:インストールから使い方まで徹底解説」の記事は完成です。