フルサイズ一眼レフ Canon EOS 5D を知る!写真史に残る名機のすべて
はじめに:写真の常識を変えた一台、Canon EOS 5D
デジタルカメラが普及し始めた黎明期から発展期にかけて、キヤノン「EOS 5D」は、写真史において極めて重要な位置を占めるカメラです。2005年9月に登場したこのカメラは、それまでプロ向けの超高価なフラッグシップ機にしか搭載されていなかった「フルサイズCMOSセンサー」を、比較的(当時の基準において)求めやすい価格帯で実現し、多くの写真愛好家やプロフェッショナルのサブ機、あるいはメイン機として熱狂的に迎え入れられました。
EOS 5Dが登場するまで、デジタル一眼レフカメラの主流はAPS-Cサイズのセンサーを搭載したモデルでした。フルサイズセンサーを搭載したモデルは、キヤノンのEOS-1Dsシリーズや、他社ではニコンD3シリーズ(5D登場より後ですが)など、100万円近い価格帯で販売される、まさに選ばれしプロのための機材でした。それが、EOS 5Dは発売当初の実売価格が30万円台半ば。もちろん決して安価ではありませんでしたが、従来のフルサイズ機の価格を知る者にとっては、まさに「価格破壊」とも言える衝撃でした。
この価格帯でフルサイズセンサーが手に入るようになったことで、多くの写真愛好家が念願のフルサイズの世界へ足を踏み入れることになりました。レンズの画角が本来の焦点距離通りになること、APS-C機では得られなかった豊かなボケ味、そして何よりも、当時のAPS-Cセンサーと比較して明らかに優位な高感度性能や階調表現。これらのフルサイズセンサーがもたらす恩恵を、より多くの人々が享受できるようになったのです。
EOS 5Dは、その後のデジタル一眼レフカメラの進化の方向性を決定づけた一台と言えるでしょう。APS-C機で写真の基礎を学び、ステップアップとしてフルサイズ機を目指す、という現在の一般的なカメラ選びのロードマップは、まさにEOS 5Dが切り開いたものです。
本記事では、写真史におけるその革新的な役割を果たしたCanon EOS 5Dについて、その基本的な特徴から、なぜ今なお中古市場で人気があり、多くの写真愛好家におすすめできるのか、その魅力を掘り下げていきます。約5000語というボリュームで、この伝説的なカメラのすべてを詳細に解説します。
Canon EOS 5Dの登場と時代背景:フルサイズ大衆化の狼煙
2005年という年は、デジタルカメラがフィルムカメラから主役の座を完全に奪いつつあった激動の時代です。デジタル一眼レフカメラ市場は拡大の一途をたどり、各社が競って新しい技術を投入していました。しかし、先に述べたように、センサーサイズにおいてはAPS-Cが主流でした。キヤノン自身も、エントリークラスのKiss Digitalシリーズや、中級機のEOS 20D/30D(5Dとほぼ同時期に発表)といったAPS-C機で市場をリードしていました。
一方、キヤノンのフルサイズ機は、プロフェッショナル向けのフラッグシップモデルであるEOS-1Ds Mark IIが君臨していました。約16.7メガピクセルのフルサイズCMOSセンサーを搭載し、最高の画質と堅牢性、信頼性を誇るこのモデルは、報道写真家やスタジオフォトグラファーにとって最高の道具でしたが、その価格は約90万円(ボディのみ)。一般ユーザーには手が出せない存在でした。
このような状況下で、EOS 5Dは突如として姿を現しました。その最大の特徴は、EOS-1Ds Mark IIと同じフルサイズCMOSセンサー(ただし画素数は12.8メガピクセル)を搭載しながら、ボディサイズや操作系は中級機であるEOS 20D/30Dに近いものとし、価格を大幅に抑えた点にありました。これは、キヤノンがフルサイズセンサーの製造コスト削減に成功したこと、そしてプロだけでなく、より広い層に高画質を求めるユーザーがいるという市場のニーズに応えようとした戦略的なモデル投入でした。
キヤノンは、EOS 5Dを「プロのサブ機」や「ハイアマチュアのメイン機」として位置づけました。プロ機のような圧倒的な連写性能やAF性能は持たないものの、最も重要な要素である「画質」、特にフルサイズセンサーならではの描写力を、より多くのユーザーに提供することで、新たな市場を開拓しようとしたのです。
そして、この戦略は大成功を収めます。EOS 5Dは発売と同時に爆発的な人気を博し、一時期は品薄になるほどでした。プロカメラマンの中にも、高価な1Ds Mark IIに加えて、軽量で取り回しのしやすい5Dをサブ機として、あるいは用途によってはメイン機として導入する者が続出しました。また、APS-C機では満足できなくなっていた多くの写真愛好家が、思い切って5Dへとステップアップしました。
EOS 5Dの登場は、文字通り「フルサイズデジタル一眼レフの大衆化」の狼煙となりました。これにより、フルサイズセンサーが特別な存在ではなくなり、その後のカメラ開発競争は、いかにフルサイズセンサーの性能を高め、より多様なニーズに応えるか、という方向へとシフトしていくことになります。ニコンが初のフルサイズデジタル一眼レフであるD3を発表するのも、5Dの成功を意識してのことだったと言えるでしょう。
EOS 5Dの主要な特徴:堅実な基本性能とフルサイズの描写力
EOS 5Dがなぜこれほどまでに高く評価されたのか、その理由を具体的な特徴から見ていきましょう。
1. フルサイズCMOSセンサー(約12.8メガピクセル)
EOS 5Dの最大の、そして最も重要な特徴は、何と言っても35mmフィルムと同じサイズ(約36×24mm)のフルサイズCMOSセンサーを搭載している点です。約12.8メガピクセルという画素数は、現代の基準から見れば控えめですが、当時のデジタルカメラとしては十分な解像度であり、この画素数をフルサイズセンサーで実現している点に大きな意味がありました。
フルサイズセンサーのメリットは多岐にわたります。
* 画角の維持: APS-Cセンサーではレンズの焦点距離が約1.5~1.6倍相当になる「クロップ」が発生しますが、フルサイズセンサーではレンズ本来の画角で使用できます。特に広角レンズを使ったダイナミックな風景撮影や、広い室内での撮影などで、レンズの性能を最大限に活かすことができます。
* 豊かなボケ表現: 同じF値、同じ被写体との距離であれば、センサーサイズが大きいほどボケ量が大きくなります。フルサイズセンサーはAPS-Cセンサーに比べて大きく、より自然で美しい、大きなボケを得やすいため、ポートレートなどで被写体を際立たせる表現に優れています。
* 高感度耐性(当時として): センサーサイズが大きいということは、同じ画素数であれば一つ一つの画素(フォトサイト)が大きくなります。画素が大きいほど、より多くの光を取り込むことができるため、一般的に高感度撮影時のノイズが発生しにくくなります。EOS 5DのISO感度設定は通常100~1600、拡張でISO 50と3200が可能でしたが、当時のAPS-C機と比較して、ISO 800や1600といった感度での実用性は非常に高いものでした。特に薄暗いシーンでの撮影において、手ブレを防ぐためにシャッタースピードを稼ぎたい場合に、高感度性能の高さは大きなアドバンテージとなりました。
* 広いダイナミックレンジと豊かな階調: フルサイズセンサーは、光の情報を受け止める能力が高く、明るい部分から暗い部分までの幅広い階調を捉えることができます。これにより、白飛びや黒つぶれしにくい、粘りのあるデータを得られやすく、特にRAW現像においてその威力を発揮します。夕焼けや朝日など、明暗差の大きなシーンでの撮影において、その階調表現力の豊かさは大きな魅力でした。
約12.8メガピクセルという画素数は、現代のように数千万画素クラスが当たり前の時代から見ると少なく感じますが、A3程度のプリントであれば十分に高精細であり、必要以上にファイルサイズが大きくならないというメリットもあります。また、画素ピッチに余裕があるため、ノイズ性能にも寄与しています。
2. 画像処理エンジン DIGIC II
EOS 5Dに搭載されている画像処理エンジンは「DIGIC II」です。これは当時のキヤノンの最上位エンジンであり、フラッグシップ機のEOS-1D Mark IIやEOS-1Ds Mark IIにも搭載されていました。DIGIC IIは、高速な画像処理能力、優れた色再現性、そして効果的なノイズリダクション能力を兼ね備えていました。
DIGIC IIによる画像処理は、「キヤノンらしい」と評される、自然で美しい色合いを生み出すことで知られています。特に人物の肌色や青空、緑などの再現に優れており、JPEG撮って出しでも満足のいく写真が得られることが多いです。また、ノイズリダクション処理も自然で、当時の技術としては高感度ノイズを効果的に抑制していました。
高速処理能力は、連写性能やAF性能、起動時間、記録速度など、カメラのレスポンス全体に影響します。DIGIC IIの搭載により、EOS 5Dはフルサイズ機としては(当時)比較的スムーズな操作感を実現していました。
3. オートフォーカスシステム(9点測距 + 6アシストAFフレーム)
EOS 5DのAFシステムは、中央に高精度なクロス測距点を含む9点の測距点と、その周囲に合焦の補助を行う6点のアシストAFフレームで構成されていました。これは当時のキヤノン中級機EOS 20D/30Dと同じシステムです。
このAFシステムは、中央の測距点が非常に高精度であり、コントラストの高い被写体であれば薄暗い場所でも比較的スムーズに合焦しました。しかし、測距点そのものは9点と少なく、画面中央付近に集中しています。現代のカメラのように、画面の広い範囲に多数の測距点が配置され、被写体を自動追従するような高度なAF性能はありません。
動体撮影においては、中央1点AFで被写体を捉え続けるか、ある程度予測して置きピンするなどのテクニックが必要になります。これは現代のカメラに慣れているユーザーにとっては物足りなく感じる点かもしれませんが、逆に言えば、フレーミングとAFポイントの選択をより意識して行う必要があり、写真撮影の基本的な技術を磨く上で良い経験となるかもしれません。また、測距点が少ないことは、逆にAFポイントを選ぶ際に迷いが少ないという見方もできます。
4. 連写性能(約3コマ/秒)
EOS 5Dの連写速度は、最高約3コマ/秒でした。これは、当時のプロ向けフラッグシップ機であるEOS-1D Mark II (約8.5コマ/秒) や EOS-1Ds Mark II (約4コマ/秒) と比較すると控えめであり、EOS 20D/30D (約5コマ/秒) よりも遅いものでした。連続撮影可能枚数も、JPEGラージ/ファインで約60枚、RAWで約17枚と、現代のカメラと比較すると少ないです。
この連写性能からわかるように、EOS 5Dは瞬間的な動きを捉えるスポーツ写真や野生動物写真にはあまり向きません。しかし、風景写真、ポートレート、スナップ写真など、一枚一枚をじっくりと撮るスタイルの撮影であれば、約3コマ/秒という速度でも十分実用的です。むしろ、この連写速度は、シャッターチャンスを待つ姿勢や、ここぞという一瞬を捉える集中力を養うのに適しているとも言えます。
5. ファインダー
EOS 5Dは、ペンタプリズムを使用した光学ファインダーを搭載しています。視野率は約96%、倍率は約0.71倍(50mmレンズ、∞)でした。視野率100%ではないため、ファインダーで見える範囲よりも実際に撮影される範囲が若干広くなりますが、これは当時のデジタル一眼レフとしては一般的でした。
特筆すべきは、フルサイズセンサーに対応した広いファインダー視野です。APS-C機と比較して、ファインダーを覗いた時の開放感、像の大きさ、明るさが格段に優れています。これは、特に広角レンズを使用した際に、ファインダー内で広い視野を確認しながら構図をじっくり練ることができるため、撮影体験の向上に大きく貢献します。ピントの山をつかむのも比較的容易で、マニュアルフォーカスでの撮影もしやすいファインダーでした。
6. 液晶モニター
背面液晶モニターは2.5インチ、約23万ドットでした。これは当時のデジタルカメラとしては標準的なスペックであり、現在の高精細な液晶モニターと比較すると、表示される画像の詳細さや色再現性においては見劣りします。撮影した画像の拡大表示でピントの確認をする場合などには、やや心もとないと感じるかもしれません。
また、EOS 5Dにはライブビュー機能はありません。ファインダーを覗いて構図を決め、ピントを合わせる、という、フィルムカメラ時代から続く一眼レフの基本的なスタイルでの撮影になります。
7. ボディと操作系
ボディはマグネシウム合金製で、非常に堅牢な作りをしています。中級機サイズのボディにフルサイズセンサーを搭載したため、グリップはやや浅めですが、ホールド感は悪くありません。防塵防滴性能は、当時のプロ機ほどではありませんが、ある程度の悪条件下でも使用できるよう配慮されていました。
操作系は、キヤノンのEOSシリーズに慣れているユーザーであれば戸惑うことは少ないでしょう。上面に大型の表示パネルがあり、主要な設定(ISO感度、ホワイトバランス、AFモードなど)を素早く確認・変更できます。背面には各種ボタンや十字キーが配置されており、比較的直感的な操作が可能です。ただし、現代のカメラのようなタッチ操作や多機能なカスタムボタンはありません。カスタム機能も限定的ですが、必要十分な設定は変更できます。
ボディサイズは約152 x 113.5 x 75 mm、本体のみの重量は約810gでした。フルサイズ機としては比較的軽量・コンパクトであり、携帯性に優れている点も魅力の一つでした。
8. 記録媒体とバッテリー
記録媒体はCFカード(コンパクトフラッシュ)に対応しています。CFカードは当時主流の記録媒体でしたが、現代ではSDカードが一般的です。高速なUDMA対応ではないため、書き込み速度は現代の基準から見ると遅いです。
バッテリーは、EOS 20D/30Dなどと同じBP-511Aを使用します。当時のデジタル一眼レフとしては、バッテリーの持ちは標準的でした。予備バッテリーは必須となるでしょう。
9. その他の機能
- ピクチャースタイル: 風景、ポートレート、ニュートラル、忠実設定など、撮影シーンに合わせて色合いやコントラストなどを設定できる機能です。JPEG撮って出しの色作りにおいて重要な要素となります。
- カスタムホワイトバランス: 細かい色温度設定や、グレーカードなどを使用した正確なホワイトバランス設定が可能です。
- E-TTL II 調光: キヤノン純正スピードライト使用時のフラッシュ自動調光システムです。当時の最新規格に対応しており、ストロボ撮影の精度を高めています。
これらの特徴を見ると、EOS 5Dは「フルサイズセンサーによる高画質」という一点にフォーカスし、それ以外の部分は当時のキヤノン中級機の技術をベースにすることで、コストダウンと信頼性の確保を図ったモデルであることがわかります。派手な機能はありませんが、写真撮影の基本性能をしっかりと押さえた、堅実な作りが特徴です。
EOS 5Dの「おすすめポイント」:なぜ今なお魅力的なのか
EOS 5Dは2005年発売のカメラであり、そのスペックは現代のデジタルカメラと比較すると多くの点で劣ります。しかし、発売から20年近くが経過した現在でも、このカメラには多くの写真愛好家を引きつける独特の魅力があります。ここでは、EOS 5Dを今あえて使うことのメリット、「おすすめポイント」を掘り下げていきます。
1. 圧倒的なコストパフォーマンス(中古市場)
これはEOS 5Dを今から手に入れる最大の理由の一つと言えるでしょう。発売当時は30万円台半ばでしたが、中古市場ではボディ単体が数万円程度で購入可能です。状態の良いものでも10万円を超えることは滅多にありません。この価格で、フルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラが手に入るというのは、驚異的なコストパフォーマンスです。
もちろん、数万円で手に入るAPS-C機やミラーレス機も存在しますが、「フルサイズ」というセンサーサイズがもたらす描写力や体験は、この価格帯ではEOS 5D以外ではなかなか得られません。フルサイズの世界に興味があるけれど、最新のフルサイズ機は高くて手が出せない、という人にとって、EOS 5Dは最高の入門機となります。
2. フルサイズセンサーによる独特の描写力
約12.8メガピクセルという画素数は現代から見れば少ないですが、この画素数がフルサイズセンサーに配置されていることによるメリットは、スペック以上に大きいです。
- 自然で美しいボケ味: EOS 5Dはフルサイズセンサーならではの、とろけるような、それでいて芯のある自然なボケ表現を得意とします。特にF値の明るい単焦点レンズ(EF 50mm F1.8 II/STM, EF 85mm F1.8 USMなど)と組み合わせた際のボケは、APS-C機ではなかなか真似できない魅力があります。ポートレート撮影などで被写体を背景から分離させたい場合に、その威力を発揮します。
- 豊かな階調表現と「粘り」のあるRAWデータ: DIGIC IIエンジンの特性とも相まって、EOS 5Dは諧調表現が豊かです。特にRAWファイルは、現代のセンサーほどではありませんが、シャドー部やハイライト部にある程度の粘りがあり、現像時に露出や色合いを調整する余地があります。当時としては広いダイナミックレンジを実現しており、風景撮影などで明暗差の大きなシーンを破綻なく描写する能力に優れていました。
- 広角レンズ本来の画角と表現: APS-C機では広角レンズが標準~中望遠相当の画角になってしまいますが、フルサイズである5Dでは、例えばEF 16-35mm Lのような超広角レンズをその焦点距離通りの画角で使うことができます。広大な風景を写し込んだり、パースを効かせた表現をしたりと、広角レンズの表現力をフルに引き出すことができます。また、周辺光量落ちや歪曲収差といったレンズの個性がAPS-C機よりも顕著に出るため、それを「味」として楽しむこともできます。
- オールドレンズとの相性: EOS 5Dはフランジバックが長いEFマウントを採用しているため、様々なメーカーのオールドレンズをアダプターを介して装着しやすいという利点があります。フルサイズセンサーでオールドレンズの独特の描写(周辺の流れ、ぐるぐるボケ、フレア、ゴーストなど)を楽しむことができます。ライブビューがないため、ピント合わせは光学ファインダーまたは背面液晶での拡大確認(撮影後の確認のみ)になりますが、マニュアルフォーカスでの撮影も楽しみの一つとなります。
3. DIGIC II エンジンによる独特の「絵作り」
EOS 5Dが持つ独自の魅力として、DIGIC IIエンジンによる「絵作り」を挙げる人も多いです。特にJPEG撮って出しの色合いは、現代のキヤノン機とはまた少し異なる、独特の暖かみや深みがあると言われます。人物の肌色は健康的に、青空や緑は鮮やかに、それでいて不自然ではない、バランスの取れた発色が特徴です。
現代のカメラは、より正確な色再現を目指したり、ユーザーが細かくカスタマイズできる方向に進化していますが、EOS 5Dの絵作りは、良くも悪くも当時のキヤノンの思想が色濃く反映されています。この「あの時代のキヤノンの色」に魅せられる写真愛好家は今でも少なくありません。特にフィルム時代のキヤノン機の写りに慣れている人にとっては、馴染みやすい色合いかもしれません。
4. 堅牢なボディと優れた操作性
マグネシウム合金製のボディは非常に頑丈で、多少ラフに扱っても大丈夫という安心感があります。ボタンやダイヤルの配置も、基本的な撮影設定に素早くアクセスできるようによく考えられており、物理的な操作感も良好です。現代の多機能なカメラに比べると操作系はシンプルですが、それが逆に「写真を撮る」という行為に集中させてくれます。
5. 写真撮影に集中できるシンプルさ
EOS 5Dには、動画撮影機能はありません。ライブビューもありません。顔認識AFや瞳AF、ボディ内手ブレ補正、Wi-Fi/Bluetooth接続といった、現代のカメラに当たり前のように搭載されている機能の多くがありません。
これは一見するとデメリットに思えますが、逆に言えば、これらの機能がないからこそ、ユーザーは「写真を撮る」という最も基本的な行為に集中できます。構図を考え、露出を決め、ピントを合わせる。これらのアナログ的な(あるいはクラシックな)プロセスを、じっくりと自分の手で行う必要があります。
現代のカメラは非常に高性能になり、カメラ任せでもある程度の写真が撮れてしまいますが、5Dを使うことは、写真の基礎技術や撮影の意図をより深く意識する機会を与えてくれます。フィルムカメラで一枚一枚を大切に撮るような感覚に近いかもしれません。この「シンプルさ」が、写真表現の本質を見つめ直させてくれる、という人もいます。
6. システムとしての完成度(当時のEFレンズラインナップ)
EOS 5Dが登場した2005年当時、キヤノンのEFレンズシステムはすでに非常に成熟しており、広角から望遠、単焦点からズーム、Lレンズから普及レンズまで、あらゆるニーズに応える豊富なラインナップが揃っていました。5Dはフルサイズセンサーに対応したEFレンズを本来の画角で使えるため、これらの名玉たちを活かす最高のボディの一つとなりました。
中古市場においても、EOS 5D本体の価格が手頃になったことで、浮いた予算をLレンズなどの高級レンズに投入し、高品質な写真システムを比較的安価に構築することが可能です。レンズこそが写真の写りを決定づける最も重要な要素であるという考えからすれば、安価なフルサイズボディで優れたレンズを使う、というのは非常に合理的な選択です。
これらの理由から、EOS 5Dは単なる古いカメラではなく、現在でも十分に「使える」、そして「楽しめる」カメラとして、多くの写真愛好家におすすめできる存在なのです。特に、デジタル時代の写真の進化を知る上で、その歴史的な意義も含めて、一度は手にしてみたいカメラと言えるでしょう。
EOS 5Dを使う上での注意点・弱点:現代機との比較で知る限界
EOS 5Dは魅力的なカメラですが、2005年当時の技術で作られているため、現代のデジタルカメラと比較すると、いくつかの弱点や注意すべき点があります。これらを理解した上で使用することで、EOS 5Dの良さを最大限に引き出し、不必要なストレスを感じずに済みます。
1. 高感度性能
フルサイズセンサーはAPS-Cよりも高感度ノイズに強いというメリットがありますが、EOS 5Dの登場はデジタルカメラの高感度性能が飛躍的に向上する前の時代です。常用ISO感度はISO 1600まで、拡張でISO 3200が使用できますが、ISO 800を超えるあたりからノイズが目立ち始め、ISO 1600や3200ではカラーノイズや輝度ノイズがかなり顕著になります。
現代のカメラがISO 12800や25600といった超高感度でも実用的な画質を維持できるのと比較すると、EOS 5Dの高感度性能は限定的と言わざるを得ません。薄暗い室内や夜間など、光量が少ないシーンでの手持ち撮影には限界があります。このような状況で撮影する場合、明るい大口径レンズを使用するか、三脚を使用することが不可欠です。
ただし、JPEG撮って出しのノイズ処理は当時の水準としては優秀であり、RAWデータにしても現代のノイズリダクションソフトを使えば、ある程度のノイズを軽減することは可能です。
2. AF性能
AF測距点が9点と少なく、画面中央付近に集中している点は、現代のカメラと比較した際の大きな弱点です。広範囲をカバーする多数の測距点や、優れた被写体追従AF、人物・動物認識AFといった現代の高度なAF機能は搭載されていません。
動いている被写体、特に不規則な動きをする被写体や、画面の端に配置したい被写体に対しては、AF性能に不満を感じることがあります。中央1点での置きピンや、MFでの対応が必要になる場面も出てきます。暗所でのAF性能も、現代のカメラに比べて劣ります。
しかし、静止している被写体に対して、特に中央のクロス測距点を使用すれば、十分な精度で合焦します。用途を限定すれば、AF性能が致命的な問題となるわけではありません。
3. 連写速度とバッファ
約3コマ/秒という連写速度は、スポーツや動きの速い被写体を連続して捉えるには不十分です。また、バッファ容量も現代のカメラと比較すると少なく、RAWで撮影しているとすぐにバッファフルになり、書き込みが終わるまで次のシャッターが切れない、あるいは連写速度が極端に低下するといったことが起こります。
そのため、決定的瞬間を連続して捉えるような撮影スタイルには向いていません。じっくりと構えて、ここぞという一瞬を狙うような撮影スタイルがEOS 5Dには合っています。
4. 液晶モニターとライブビュー機能の不在
2.5インチ約23万ドットの液晶モニターは、現代の基準からすると小さく、解像度も低いです。撮影後の画像確認、特にピントが合っているかどうかの確認がしづらい場合があります。正確なピント確認は、パソコンに取り込んでから行うのが確実です。
また、ライブビュー機能がないため、ローアングルやハイアングルでの撮影、あるいは三脚に据えた状態でのシビアなピント合わせなどにおいて、現代のカメラに比べて不便を感じることがあります。撮影は基本的にファインダーを覗いて行うことになります。
5. ダスト除去機能なし
EOS 5Dには、センサーに付着したゴミを振動させて落とす「ダスト除去機能」が搭載されていません。レンズ交換時にセンサーにゴミが付着しやすく、それが写真に写り込んでしまう可能性があります。定期的なブロアーによる清掃や、必要であれば無水エタノールなどを使ったクリーニングキットでの手動清掃が不可欠になります。これが苦手な人にとっては、ややハードルが高いかもしれません。
6. 記録媒体(CFカードのみ)
記録媒体はCFカードのみ対応です。SDカードは使用できません。現代ではSDカードの方が一般的で安価に入手しやすい場合が多いですが、EOS 5Dを使うためにはCFカードを用意する必要があります。UDMA非対応のため、高速なCFカードを使ってもカメラ側の書き込み速度には限界があります。
7. 修理対応の終了
発売から年月が経過しているため、メーカー(キヤノン)での修理対応はすでに終了しています。万が一故障した場合、メーカーによる正規修理は受けられません。修理が必要になった場合は、専門の修理業者に依頼するか、中古の同機種を部品取り用として購入するなどの対応が必要になります。この点は、購入を検討する上で最も注意すべきリスクの一つです。
8. バッテリーの持ち
バッテリーの持ちは、現代の省電力化が進んだカメラと比較すると劣ります。予備バッテリーを複数用意しておくと安心です。特に気温の低い場所での撮影ではバッテリーの消耗が早くなる傾向があります。
これらの弱点を踏まえると、EOS 5Dは万能なカメラではありません。特に高速なAFや連写、高感度性能が求められるシーン、あるいは動画撮影や多機能性を求めるユーザーには向きません。しかし、これらの弱点を理解し、カメラの得意な領域(日中の静物、風景、ポートレートなど)で活用すれば、その描写力で十分に満足のいく結果を得ることができます。そして、現代のカメラの便利さに慣れたユーザーにとっては、これらの不便さが逆に写真撮影のプロセスを深く考えるきっかけになることもあります。
EOS 5Dはどんな人におすすめか?
これまでの特徴と弱点を踏まえると、Canon EOS 5Dは以下のような人におすすめできるカメラです。
- フルサイズセンサーの描写を体験したいが、予算を抑えたい人: 最新のフルサイズ機は数十万円しますが、EOS 5Dなら数万円から手に入ります。この価格でフルサイズならではの画角、ボケ、階調表現を体験できるのは大きな魅力です。
- 写真撮影の基本に集中したい人: 余計な機能がなく、ファインダーを覗いてじっくりと構図を考え、ピントを合わせるという、写真撮影の基本動作に集中できます。現代のカメラの多機能さに疲れた人や、初心に帰って写真を学び直したい人にもおすすめです。
- オールドレンズやMFレンズを楽しみたい人: EFマウントは様々なマウントアダプターが豊富に存在するため、多彩なオールドレンズを装着してその描写を楽しむことができます。ただし、ライブビューがないため、光学ファインダーでのピント合わせに慣れが必要になります。
- 「あの時代のキヤノンらしい絵」を求める人: DIGIC IIエンジンによる独特の色作り、特に人物や風景における自然で美しい発色を好む人には最適です。JPEG撮って出しの色合いにこだわりたい人にもおすすめです。
- サブ機としてフルサイズを使いたい人: メイン機として別のカメラを持っていて、サブ機としてフルサイズを持ちたいけれど、あまり予算をかけたくないという場合にも、軽量で取り回しのしやすい5Dは良い選択肢となります。特定の用途(例:ポートレート撮影時のみフルサイズを使いたい)で活躍します。
- フィルムカメラのようなペースでじっくりと撮りたい人: 高速連写はできませんし、液晶での確認も限定的です。一枚一枚を大切に、シャッターチャンスを待つような、フィルムカメラに近い撮影スタイルを楽しむことができます。
- カメラの「味」や「歴史」を楽しめる人: 最新の高性能機にはない、どこかアナログ的で温かみのある操作感や、写真史に残る名機を使っているという満足感を得られます。メンテナンス(センサー清掃など)も含めて、少し手間のかかる「じゃじゃ馬」的な部分も愛せる人に向いています。
逆に、以下のような人にはあまりおすすめできません。
- スポーツや野生動物など、動きの速い被写体を主に撮影する人
- 薄暗い場所や夜間での手持ち撮影が多い人
- 動画撮影機能が必要な人
- 背面液晶でのライブビュー撮影やタッチ操作に慣れている人
- カメラに最新の便利機能(顔認識AF、ボディ内手ブレ補正、Wi-Fi転送など)を求める人
- 修理対応終了のリスクを避けたい人
EOS 5Dは、その価格からは想像できないほどの高品質な写真体験を提供してくれる可能性を秘めたカメラです。自分の撮影スタイルや求めるものと照らし合わせて、EOS 5Dが「合う」カメラかどうかを検討してみてください。
EOS 5Dとともに使いたいレンズ:フルサイズ描写を引き出す名玉たち
EOS 5Dのフルサイズセンサーを最大限に活かすためには、魅力的なレンズを選ぶことが重要です。キヤノンのEFレンズシステムは非常に豊富ですが、中でもEOS 5Dと組み合わせることでその真価を発揮したり、コストパフォーマンスに優れていたりするレンズをいくつかご紹介します。
1. EF 50mm F1.8 II / EF50mm F1.8 STM
通称「撒き餌レンズ」と呼ばれる、非常に入手しやすい価格の標準単焦点レンズです。フルサイズであるEOS 5Dでは、その焦点距離がそのまま標準レンズとして機能します。F1.8という明るい開放F値は、美しいボケ表現や、薄暗い場所での手持ち撮影を可能にします。特にEF50mm F1.8 STMは、旧型のII型に比べてAFが静かでスムーズになり、最短撮影距離も短くなっているためおすすめです。このレンズ一本とEOS 5Dだけで、ポートレートからスナップまで、フルサイズらしい描写を存分に楽しむことができます。コストパフォーマンスは群を抜いています。
2. EF 24-105mm F4L IS USM
EOS 5Dの発売当初のキットレンズとしても用意されていた標準ズームレンズで、Lレンズならではの高い光学性能と、広角24mmから中望遠105mmまでをカバーする使い勝手の良いズームレンジが魅力です。開放F値はF4固定と、単焦点ほどはボケませんが、IS(手ブレ補正機構)を搭載しているため、特に望遠側での手ブレを抑えられます。旅行やスナップなど、幅広いシーンで活躍する万能レンズです。中古市場でも比較的流通量が多く、手頃な価格で見つかることがあります。
3. EF 85mm F1.8 USM / EF 135mm F2L USM
ポートレート撮影において、フルサイズセンサーのボケの美しさを最も引き出しやすいのが中望遠単焦点レンズです。EF 85mm F1.8 USMは、比較的手頃な価格ながら、シャープなピント面と美しいボケ味を両立させた人気のレンズです。一方、EF 135mm F2L USMは「ボケの魔術師」とも呼ばれる、極めて美しいボケと高い解像力を誇るLレンズです。どちらもEOS 5Dとの組み合わせで、被写体を浮き上がらせるような、立体感のあるポートレートを撮影できます。
4. EF 24mm F2.8 / EF 35mm F2
広角側の単焦点レンズも、フルサイズ機ならではの広い画角を活かすのに適しています。EF 24mm F2.8やEF 35mm F2(いずれも非ISモデル)は、コンパクトで描写も良好なレンズです。風景全体を写し込んだり、パースを強調したり、あるいはスナップ撮影で被写体との距離感を活かしたりと、APS-C機とは異なる広角の表現を楽しむことができます。
5. Lレンズ各種 (EF 17-40mm F4L USM, EF 70-200mm F4L USM など)
せっかくフルサイズセンサーを使うのであれば、キヤノンの誇る高性能なLレンズと組み合わせてみたいものです。EOS 5D本体の価格が手頃になった分、レンズに予算をかけやすくなります。
- EF 17-40mm F4L USM: 超広角ズームとして、風景や建築写真でダイナミックな表現が可能です。
- EF 70-200mm F4L USM: 軽量な望遠ズームとして、ポートレートや風景の一部を切り取るのに適しています。シャープな描写が魅力です。
これらのLレンズは、その高い解像力や美しいボケ、優れた逆光耐性などをEOS 5Dのセンサーで余すところなく引き出すことができます。
どのレンズを選ぶかは、どのような写真を撮りたいかによって異なります。しかし、これらのレンズはEOS 5Dの特性を理解した上で選ばれており、組み合わせることでEOS 5Dの魅力を最大限に引き出してくれるでしょう。中古市場でレンズを探す際にも、これらのレンズは良い候補となります。
EOS 5Dの市場評価と後継機への進化
Canon EOS 5Dは、発売と同時に市場で非常に高く評価されました。その革新性は、先に述べた「フルサイズデジタル一眼レフの大衆化」という点に集約されます。これにより、写真の表現の幅が広がり、多くの写真愛好家がステップアップを目指すきっかけとなりました。
EOS 5Dの成功は、キヤノンだけでなく、カメラ業界全体に大きな影響を与えました。他のメーカーもフルサイズ機の開発・投入を加速させ、デジタル一眼レフ市場はさらに活性化しました。そして、EOS 5Dの「高画質を求めるハイアマチュア・プロサブ機」というコンセプトは、その後のデジタルカメラの製品ラインナップにおいて、主要なセグメントの一つとして確立されていきます。
EOS 5Dは、その後キヤノンの「5D」ラインナップの礎を築きました。
- EOS 5D Mark II (2008年): EOS 5Dをさらに進化させたモデルです。約21.1メガピクセルへの高画素化、DIGIC 4エンジンの搭載による高感度性能や処理速度の向上に加え、デジタル一眼レフカメラとして初めて本格的なフルHD動画撮影機能を搭載し、写真だけでなく映像制作の分野にも大きな影響を与えました。背面液晶も大型化・高精細化されました。
- EOS 5D Mark III (2012年): EOS-1D X譲りの61点AFシステムを搭載するなど、AF性能が飛躍的に向上しました。連写速度も向上し、より幅広い撮影シーンに対応できるようになりました。DIGIC 5+エンジンの搭載により、高感度性能や画質もさらに改善されています。
- EOS 5D Mark IV (2016年): 約30.4メガピクセルへの高画素化、常用最高ISO感度の向上、Dual Pixel CMOS AFによるライブビュー・動画AF性能の向上、4K動画撮影対応、Wi-Fi/GPS搭載など、現代のカメラに求められる機能が多数搭載されました。
このように、EOS 5Dから始まった「5D」の系譜は、デジタル一眼レフカメラの技術進化を牽引し、写真表現の可能性を広げてきました。そして、デジタルカメラの潮流がミラーレス一眼へと移り変わる中で、キヤノンのフルサイズミラーレス機であるEOS Rシリーズへとその血統は受け継がれています。
しかし、EOS 5Dの登場時のインパクトや、その後のカメラ市場への影響は、後継機をもってしても色褪せることはありません。写真の歴史を語る上で、間違いなく欠かせない一台です。
まとめ:写真への愛着を呼び起こす名機、EOS 5D
Canon EOS 5Dは、2005年に登場したにもかかわらず、20年近く経った今なお、多くの写真愛好家から愛され続けているカメラです。その最大の功績は、高価なプロ機にしか搭載されていなかったフルサイズCMOSセンサーを、より多くの人々に手の届く存在にしたこと。これにより、写真の表現の幅が大きく広がり、「フルサイズデジタル一眼レフ」という新たな市場が確立されました。
約12.8メガピクセルという画素数、DIGIC IIエンジン、9点AFシステム、約3コマ/秒の連写、ライブビューなし、動画機能なし。これらのスペックは、現代の高性能カメラと比較すると見劣りする点が多いのは事実です。高感度性能には限界があり、動体撮影や暗所でのAFには難しさがあります。修理対応が終了しているというリスクもあります。
しかし、これらの弱点を補って余りある魅力がEOS 5Dにはあります。圧倒的なコストパフォーマンスで手に入るフルサイズセンサーがもたらす、自然で美しいボケ味、豊かな階調表現、広角レンズ本来の画角。そして、DIGIC IIエンジンが生み出す独特の「キヤノンらしい」色合い。マグネシウム合金製の堅牢なボディと、写真撮影の基本に集中できるシンプルな操作系。
EOS 5Dは、最新の技術や多機能性を求めるカメラではありません。写真撮影という行為そのもの、そして写し出される「絵」にこだわりたい人にこそ向いているカメラです。現代のカメラに慣れた人にとっては、その不便さが逆に新鮮であり、写真の基礎技術や撮影の意図を深く考えるきっかけを与えてくれるでしょう。一台のカメラとじっくり向き合い、写真への愛着を再確認させてくれる、そんな魅力を持ったカメラです。
中古市場で手頃な価格で見つけられる今こそ、写真史に残るこの名機に触れてみる良い機会かもしれません。最新のカメラでは得られない、EOS 5Dだけの「味」を、ぜひあなたの写真で感じてみてください。それはきっと、あなたの写真ライフをより豊かなものにしてくれるはずです。
付録:Canon EOS 5D 主な仕様
- 型式: デジタル一眼レフカメラ
- 有効画素数: 約1280万画素
- 撮像素子: 35mmフルサイズ CMOSセンサー(約35.8×23.9mm)
- 画像処理エンジン: DIGIC II
- 記録媒体: CFカード Type I / II(マイクロドライブ対応)
- 記録フォーマット: JPEG, RAW (12bit)
- ISO感度: ISO 100~1600(1/3段ステップ)、拡張 ISO 50, 3200
- オートフォーカス: 9点測距(中央クロス測距)+ 6アシストAFフレーム
- 測光方式: 35分割TTL全開測光(評価、部分、スポット、中央部重点平均)
- 露出補正: 1/3段または1/2段ステップで±2段
- シャッター速度: 1/8000~30秒(1/3または1/2段ステップ)、バルブ
- シンクロ速度: 1/200秒
- 連写速度: 最高約3コマ/秒
- 連続撮影可能枚数: JPEGラージ/ファイン:約60枚、RAW:約17枚
- ホワイトバランス: オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、タングステン、白色蛍光灯、ストロボ)、カスタム、色温度設定
- ファインダー: ペンタプリズム使用、視野率約96%、倍率約0.71倍
- 液晶モニター: 2.5インチTFTカラー液晶、約23万ドット
- 外部インターフェース: USB 2.0 (Hi-Speed), ビデオ出力 (PAL/NTSC)
- 電源: バッテリーパック BP-511A / BP-511 / BP-512 / BP-514
- 大きさ: 約152(幅)×113.5(高さ)×75(奥行)mm
- 質量: 約810g(本体のみ)
- 発売時期: 2005年9月
(注:上記仕様は発売当時のものです。細部は変更されている場合があります。)