謎の存在SCPを紹介! 財団の活動と概要


謎の存在SCPを紹介! 財団の活動と概要

はじめに:世界を守る秘密の組織、SCP財団とは?

私たちの住む世界は、見かけによらず奇妙で、説明不能な出来事や存在に満ち溢れています。物理法則を無視する物体、異次元から現れる生命体、意識に直接干渉する現象…これらは「異常」と呼ばれ、一般社会の安定と安全を脅かす潜在的な危険となります。しかし、幸いなことに、これらの異常はほとんどの人々の目に触れることはありません。なぜなら、秘密裏に活動する巨大な組織、SCP財団が、それらを確保し、収容し、保護しているからです。

SCP財団は、通称「財団」と呼ばれ、超常的、自然法則に反する、あるいはその他の説明不能なあらゆる「異常な存在」(アノマリー)を追跡し、捕獲し、隔離することを唯一の目的とする非公式の、秘密裏に活動する組織です。彼らは、これらの異常が世界の一般社会にパニックを引き起こしたり、人類文明そのものに脅威をもたらしたりすることを防ぐために存在します。

「SCP」という言葉は、財団の基本理念である「Secure, Contain, Protect(確保、収容、保護)」の頭文字から取られています。そして同時に、財団によって発見・確保された個々の異常な存在そのものも「SCPオブジェクト」と呼称されます。例えば、「SCP-173」という番号は、ある特定の彫刻のような異常存在を指し、同時にそのオブジェクトに関する財団の内部文書の識別番号でもあります。

この記事では、この謎に包まれたSCP財団とは一体何者なのか、彼らがどのように活動し、どのような異常な存在(SCPオブジェクト)を取り扱っているのかについて、詳細に解説していきます。

SCP財団とは何か:その理念、構造、そして隠された活動

SCP財団は、どの国の政府にも属さず、どの営利組織とも関係を持たない、完全に独立した秘密組織です。その設立経緯は謎に包まれていますが、多くの異常存在が発見され始めた時代に、それらに対処するために複数の秘密組織が統合されて生まれた、あるいは最初から異常現象に対処するために構築された、など諸説があります。共通しているのは、その存在が世界を脅かす異常から守るために絶対的に必要であるという認識に基づいている点です。

基本理念:確保、収容、保護 (Secure, Contain, Protect)

財団の活動を最も端的に表すのが、そのスローガンである「確保、収容、保護」です。

  • 確保 (Secure): 異常存在が一般社会に露見する前に、あるいは既に露見してしまった異常を、迅速かつ安全に特定し、追跡し、捕獲・回収すること。これには、異常そのものの回収だけでなく、異常に関する情報や、異常を目撃してしまった一般人の管理(記憶処理など)も含まれます。
  • 収容 (Contain): 確保した異常存在を、厳重な特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)に従って、財団の管理下にある施設に隔離すること。異常の性質に応じて、物理的な障壁、認識災害対策、情報封鎖など、様々な手段が用いられます。目標は、異常が外部に影響を及ぼしたり、収容施設から脱走したりすることを完全に防ぐことです。
  • 保護 (Protect): 異常存在そのものによる被害から人類と世界の文明を守ること。これは収容の目的でもありますが、広義には、異常な知識や技術が悪意ある組織によって悪用されるのを防ぐこと、異常によって引き起こされる可能性のある大規模災害(Kクラスシナリオ)を阻止すること、そして何よりも財団自身の存在を一般社会から隠匿し、パニックを防ぐことも含まれます。

財団はこれらの理念に基づき、一切の妥協なく活動しています。それは時に非人道的な手段を伴うこともありますが、それはより大きな被害を防ぎ、人類の存続を守るためであると彼らは信じています。

財団の規模と構造

SCP財団は世界中に支部を持ち、その規模は計り知れません。何万人、いや何十万人もの職員が、様々な役割を担って活動しています。

  • 施設:

    • サイト (Site): 大規模な収容施設や研究施設、あるいは複数のSCPオブジェクトを収容する複合施設。内部は高度にセキュリティが保たれており、異常の種類に応じた収容セルや研究室が配置されています。砂漠の地下深く、人里離れた山奥など、隠匿に適した場所に建設されることが多いです。
    • エリア (Area): サイトよりもさらに厳重なセキュリティを持つ施設。特に危険なSCPオブジェクトや、複数の極めて危険なSCPオブジェクトを収容するために使用されます。核兵器搭載のオプションを持つものなどもあります。
    • セクター (Sector): 特定の研究分野やタスクフォースの拠点となる施設。
    • 格納サイト (Containment Site): 主に単一または少数のSCPオブジェクトを収容するための小規模な施設。
    • 研究サイト (Research Site): 主にSCPオブジェクトの研究に特化した施設。
    • 管理サイト (Administrative Site): 財団の管理部門や記録保管部門が置かれる施設。
      これらの施設は、その目的と収容する異常の危険度に応じて、セキュリティレベルが設定されています。
  • 職員:

    • 研究者: SCPオブジェクトの性質を解明し、収容プロトコルを策定・改善する科学者たち。物理学者、生物学者、心理学者、歴史学者など、様々な分野の専門家がいます。
    • エージェント: 異常の発見、追跡、初期確保を行う現場職員。世界中を駆け巡り、異常な出来事の報告を調査したり、潜在的な異常を監視したりします。戦闘能力や潜入能力に長けています。
    • セキュリティ職員: 収容サイトの警備、職員の安全確保、収容違反時の対処を担当します。高度な戦闘訓練を受けており、異常存在に対処するための特殊な装備も使用します。
    • タスクフォース (MTF – Mobile Task Force): 特定の異常存在の確保、収容違反の鎮圧、他の組織との交戦など、特殊な任務を遂行する部隊。それぞれが特定のスキルや装備に特化しており、「九尾の狐」(隠蔽工作・回収)や「パンドラの箱」(危険な異常の確保・破壊)など、コードネームで呼ばれます。
    • 管理職員: 財団の運営、ロジスティクス、財政などを担当する職員。
    • 倫理委員会 (Ethics Committee): 財団の活動が倫理的に許容範囲内で行われているかを監視し、助言を与える独立した機関。財団の非人道的な活動に対してブレーキをかける役割を持ちますが、その権限や影響力は様々です。
    • O5評議会 (O5 Council): 財団の最高意思決定機関。通常13人のメンバーで構成されるとされ、その正体や素顔は財団のほとんどの職員にも知られていません。彼らの指令は絶対であり、財団の全ての活動を統括します。
    • Dクラス職員: 後述する、危険な実験や作業に従事させられる消耗品扱いの職員。

隠匿主義:一般社会からの隔離

SCP財団の活動は、一般社会から徹底的に隠匿されています。異常存在の存在が広く知られれば、パニック、社会秩序の崩壊、あるいは異常を悪用しようとする勢力の台頭を招くと財団は考えています。そのため、異常に関するあらゆる情報は機密とされ、目撃者には記憶処理が施され、異常現象に関する報道や記録は偽情報によって隠蔽されます。

財団は世界のあらゆる分野に影響力を持つとされています。政府、企業、メディア、学術機関など、様々な組織に財団の協力者やエージェントが潜入しており、情報収集や隠蔽工作に当たっています。彼らは影から世界を操っているわけではありませんが、世界の安定のためには時に強硬な手段も辞しません。

活動資金とリソース

財団がこれほど大規模な組織を維持し、世界中で活動するための資金は、どこから来るのでしょうか?公式な設定はありませんが、非公式には様々な推測がされています。かつて財団が世界の主要国から密かに支援を受けていた、財団自身が異常な方法で莫大な富を生み出している、あるいは非常に古い歴史を持ち、蓄積されたリソースを用いている、といった説があります。いずれにせよ、財団は経済的にも強大な力を持っていると考えられます。

SCPとは何か:異常存在(アノマリー)の詳細

SCP財団が確保・収容・保護の対象とする「SCPオブジェクト」、すなわち異常存在(アノマリー)は、その種類、形状、性質において極めて多様です。共通しているのは、既知の科学法則や常識では説明がつかない、異常な特性を持っているという点です。

分類クラス

財団は、SCPオブジェクトの収容の容易さや危険度などに基づき、いくつかの「オブジェクトクラス」に分類しています。これは、異常そのものの危険度だけでなく、収容するための困難さやコストも考慮した、あくまで財団内部の運用上の分類です。

  • Safe: 収容が容易で、財団の管理下では異常な性質を発現しない、あるいは異常な性質の発現が特定の条件に依存し、その条件を容易に回避できるSCPオブジェクト。たとえ異常な性質自体が強力であっても、収容が確立されていればSafeクラスに分類されます。例:特定の条件下でしか効果を発揮しない呪われた道具、自力では動かないが触れると異常な現象を起こす物体など。
  • Euclid: 収容が確立されているものの、予測不能な挙動を示したり、自律性を持っていたり、完全に理解されていなかったりするSCPオブジェクト。収容違反の可能性がSafeよりも高いと見なされます。財団が収容しているSCPオブジェクトの大部分はこのクラスに分類されます。例:思考能力を持つ異常生物、ランダムな異常現象を引き起こす場所、特定の条件で活性化するオブジェクトなど。
  • Keter: 収容が極めて困難、あるいは現在の財団の能力では収容不可能に近いSCPオブジェクト。収容を維持するために莫大なリソースが必要であったり、収容違反が発生した場合に広範な被害やKクラスシナリオを引き起こす可能性があるもの。例:破壊不能な異常生物、広範囲に影響を及ぼすミーム災害、世界の物理法則を改変する存在など。
  • Thaumiel: 財団が他のSCPオブジェクトの収容や財団の活動そのものに利用しているSCPオブジェクト。その存在は財団の最高機密です。例:別のSCPオブジェクトを打ち消す能力、財団職員を別次元に移動させる能力など。
  • Neutralized: かつて異常な性質を持っていたが、その性質を完全に失ったか、破壊されたかして、もはや異常ではなくなったSCPオブジェクト。
  • Explained: かつて異常と考えられていたが、その性質が完全に解明され、既存の科学法則で説明可能になったSCPオブジェクト。あるいは、異常存在そのものが消滅したことが確認されたもの。

これらの基本的な分類に加え、特殊な状況を示す「Apollyon」(収容不可能で、確実に終末をもたらす)や「Esoteric」(通常の分類に当てはまらない特殊な脅威)といった分類が使用されることもあります。

SCPオブジェクトの種類例

SCPオブジェクトはあらゆる形態を取り得ます。以下にその多様性を示すいくつかの例を挙げ、それぞれの特徴と収容方法を簡単に紹介します。

  • SCP-173 – 彫刻(オリジナル)

    • 概要: コンクリートと鉄筋、そしてスプレーペイントの痕跡で構成された彫刻のようなオブジェクト。生物ではないが、生物のように動く。
    • 異常性: 生きた人間が直接視線を向けている間は静止しているが、視線が途切れた瞬間に凄まじい速度で移動し、対象の頸部を折るか絞めるかして殺害する。複数の人間が視線を向けている場合、一人が瞬きをしたり視線を逸らしたりしても他の誰かが見ていれば問題ないが、全員の視線が同時に途切れると移動する。
    • 収容プロトコル: 常に3人以上の職員が監視を続ける特別な収容室に保管されている。部屋に入る際は、常に最低2人の職員が視線を維持しつつ、一人が作業を行う。部屋の清掃は遠隔で行われる。その異常な危険性にもかかわらず、収容プロトコルが確立されているためEuclidクラスに分類されることが多い(初期はKeterとされることもあった)。
    • 特記事項: SCP財団コミュニティにおいて最初に作られたSCPオブジェクトであり、最も有名で象徴的な存在。
  • SCP-682 – 不死身の爬虫類

    • 概要: 巨大で恐ろしい外見を持つ爬虫類。極めて高い知性と、人類を含むあらゆる生命体に対する激しい憎悪を持つ。
    • 異常性: あらゆる損傷から驚異的な速度と効率で回復する能力を持つ。さらに、自身に向けられる脅威に対して生物的・物理的に適応する能力を持つ。あらゆる収容破壊の試みを成功させ、これまで財団が試みたどんな破壊手段(酸による溶解、高火力兵器、他のSCPオブジェクトとの交戦など)も無効化するか、逆にそれを吸収してより強力になるかしてきた。会話能力もあり、財団職員とのインタビューでは常に人類への敵意を表明する。
    • 収容プロトコル: 強酸を満たした容器の中に収容されているが、常に収容違反の危険がある。複数のサイトを破壊した経緯があり、財団にとって最大の懸念事項の一つ。
    • 分類: Keterクラス。破壊不可能とさえ考えられている。
  • SCP-049 – ペスト医師

    • 概要: 中世のペスト医師のような衣装とマスクを着用した人型の異常存在。触れた人間を死に至らしめる能力と、死体を縫い合わせて「治療」する(ゾンビのような存在に変える)行為を行う。
    • 異常性: 皮膚に触れることで対象を即座に殺害する。自身の殺害行為を「治療」と称し、死体を再活性化させて非人間的な下僕「049-2」に変える。知性があり、財団職員と会話が可能だが、自身の「治療」の必要性について固執している。
    • 収容プロトコル: 強化された収容セルに収容されている。直接的な接触を避けるため、厚手の革製拘束衣を着用させられている。比較的話が通じるためか、時折インタビューが行われる。
    • 分類: Euclidクラス。収容違反の可能性は低いが、その異常な性質は危険。
  • SCP-096 – シャイガイ

    • 概要: 非常に痩せて手足が長い人型の異常存在。通常時はおとなしく、うずくまっている。
    • 異常性: 自身を「見てしまった」あらゆる対象(直接視線で見る、写真や動画で見る、肖像画を見るなど、あらゆる視覚的接触)に対して、激しい苦悶の叫び声をあげて活性化し、その対象が世界のどこにいようとも凄まじい速度で追いかけ、肉体的に引き裂いて殺害する。殺害後は再び静止状態に戻る。自身を見られたことに極めて敏感で、顔を見られることを極端に嫌う。
    • 収容プロトコル: 顔が見えないように常に頭部を覆い、密閉された収容セルに保管されている。最も重要な収容プロトコルは、絶対にその顔を見ないこと。収容違反時には凄まじい速度で対象を追跡するため、阻止は困難。
    • 分類: Keterクラス。その収容の困難さ、特に「見てしまう」ことを完全に防ぐことの難しさから、極めて危険とされている。
  • SCP-087 – 階段

    • 概要: ある大学のキャンパス内に存在する、終わりが見えないほど続く下り階段。
    • 異常性: 階段を下りていくと、一定の段数を下ったところで壁の向こうから幼児のものと思われる泣き声や話し声が聞こえてくる。しかし、その声の発生源に到達することはできない。階段の視覚的な終わりも存在しない。また、階段の踊り場には時折「SCP-087-1」と呼ばれる、目鼻口のない人型の「顔」が現れるが、これは泣き声の発生源とは異なる。
    • 収容プロトコル: 階段の入り口は鋼鉄製のドアと複数の鍵で封鎖され、外部からの侵入を厳しく制限している。内部の調査はDクラス職員を用いた探索記録(ログ)として記録されている。
    • 分類: Euclidクラス。自身が外部に出てくる危険性は低いが、内部構造が不明であり、何らかの存在が確認されているため、予測不能な要素がある。
  • SCP-999 – くすぐりオバケ

    • 概要: 大きなアメーバ状のオレンジ色のスライムのような生物。非常に人懐っこく、無邪気な性質を持つ。
    • 異常性: 周囲の生物に触れることで、強い幸福感と多幸感を与える。精神的な苦痛や外傷を和らげ、鬱病や不安障害にも効果がある。危険なSCPオブジェクトさえも大人しくさせる鎮静効果を持つことが確認されている。知性があるようだが、言葉を話すことはなく、子供のように振る舞う。
    • 収容プロトコル: 自由に動き回れるように大きな囲いに収容されている。甘いお菓子を餌として与えられ、職員が定期的に交流することで精神的な健康を維持している。
    • 分類: Safeクラス。その異常性は無害であり、収容も容易。財団職員にとって数少ない癒やしの存在。

これらはほんの一例に過ぎません。他にも、時間を歪める場所、人の記憶を書き換えるオブジェクト、夢の中に侵入する存在、死者を蘇らせる病気、感情を伝染させる歌、特定の条件下でテレポートする部屋など、想像を絶する様々な異常存在がSCPオブジェクトとして収容されています。

特別収容プロトコル (Special Containment Procedures)

SCPオブジェクトの収容は、それぞれ固有の性質に合わせた「特別収容プロトコル」に基づいて行われます。これは、そのオブジェクトを安全に隔離し、異常性の発現を防ぐための具体的な手順、要件、施設の構造などを詳細に定めたものです。

例えば、SCP-173のプロトコルには「常に3人以上の人員が視線を維持すること」「収容チャンバーに入室する際は…」といった具体的な指示が書かれています。SCP-049であれば「厚手の革製拘束衣を常に着用させること」といった制約が記述されています。危険なミーム災害(情報に触れることで異常を引き起こす)であれば、「対象に関する情報は特定の訓練を受けた職員のみがアクセス可能」「情報は暗号化され、物理的に隔離された端末で管理される」といったプロトコルが定められます。

これらのプロトコルは、研究者の調査や過去のインシデント(収容違反など)の経験に基づいて絶えず改訂されます。収容プロトコルこそが、財団が異常から世界を守るための最も重要な武器と言えるでしょう。

財団の主要な活動:世界を守るための知られざる任務

SCP財団の活動は多岐にわたりますが、その全ては「確保、収容、保護」という基本理念に集約されます。具体的な活動内容は以下の通りです。

確保 (Secure)

新たな異常存在の発見と確保は、財団の活動の起点となります。

  • 異常存在の発見・特定:
    • エージェントの活動: 世界中に派遣された財団エージェントは、異常な噂や出来事、都市伝説、未解決事件などを調査します。異常性の兆候を早期に察知し、詳細な情報を収集します。
    • 情報収集 (インテリジェンス): 財団は、一般の通信、インターネット、ニュースメディア、さらには政府や他の秘密組織の情報を傍受・分析し、異常に関する手がかりを探します。人工知能や異常な情報収集手段を用いることもあります。
    • 異常事件への対応: 明らかに異常な事件(例:突然の集団記憶喪失、説明不能な物体の落下など)が発生した場合、MTFが出動して現場を封鎖し、証拠を回収し、目撃者を確保・記憶処理します。
    • 他の組織からの情報: 敵対的または協力的な他のGoI(Groups of Interest – 注目すべき組織)から情報を入手することもあります。
  • 確保作戦:
    • 異常存在の場所を特定し、その性質を初期的に評価した後、確保チームが派遣されます。
    • 確保作戦の成功には、対象の異常性を事前に理解し、それに対抗できる人員や装備を用意することが不可欠です。例えば、不可視の存在であれば特殊なセンサー、物理的な接触が危険であれば遠隔操作による捕獲手段などが必要です。
    • 抵抗する異常存在や、それを悪用しようとする他のGoIと交戦することもあります。
    • 確保された異常存在は、財団の収容サイトへ厳重な警備の下で移送されます。

収容 (Contain)

確保された異常存在を安全に管理下に置くプロセスです。

  • 収容サイトへの移送: 確保されたSCPオブジェクトは、その危険度や性質に適した収容サイトに運ばれます。移送中は異常性の発現や外部への漏洩を防ぐための厳重な対策が講じられます。
  • 特別収容プロトコルの策定と実行: サイトの担当研究者やセキュリティ責任者は、オブジェクトの性質を詳細に分析し、最も効果的で安全な収容プロトコルを策定します。これには、収容セルの構造、監視体制、職員の立ち入り制限、緊急時の対応手順などが含まれます。プロトコルはO5評議会や倫理委員会の承認を得る場合があります。策定されたプロトコルは、財団の職員によって厳密に実行されます。
  • 収容施設の設計と管理: 財団の収容施設は、様々な異常に対応できるよう特殊な設計がなされています。通常の物理的障壁(強化コンクリート、電磁波シールドなど)に加えて、ミーム災害を防ぐための情報フィルター、認識災害を防ぐための視覚的・聴覚的隔離、現実改変を防ぐためのカントル計器による現実性チェックなど、異常な脅威に対抗するための高度な技術が用いられます。施設の維持管理には莫大なコストと人員が必要です。
  • 収容違反への対応: 収容違反は財団にとって最大の脅威の一つです。収容違反が発生した場合、サイト内のセキュリティ部隊や待機中のMTFが直ちに出動し、異常存在の再確保、施設内の職員の救助、外部への異常の漏洩阻止に当たります。大規模な収容違反は、サイト全体が放棄されたり、場合によっては核兵器によるサイトの破壊が実行されたりすることもあります(オメガプロシージャ)。

保護 (Protect)

財団の究極的な目的は、人類と文明を異常から保護することです。

  • 世界の一般社会からの隠蔽: SCP財団の活動が一般社会に露見しないよう、徹底的な隠蔽工作が行われます。
    • 記憶処理 (Amnestics): 異常存在を目撃してしまった一般人には、記憶処理剤が投与され、異常に関する記憶が消去されます。記憶処理剤には様々な種類があり、特定の記憶だけを消すものから、広範な記憶を消すものまであります。
    • 偽情報: 異常に関する噂や報道が出た場合、財団は偽情報を流布したり、メディアに圧力をかけたりして、情報を打ち消したり誤った方向に誘導したりします。
    • カバーストーリー: 異常現象が発生した場所や、財団が活動した跡地には、説得力のある「カバーストーリー」(偽の事件の真相など)が用意され、一般の調査を欺きます。
    • 情報統制: インターネット上の情報や、歴史的な記録の中から、異常に関する記述を検出し、削除または改変します。
  • 異常存在の悪用阻止: カオス・インサージェンシーのような、異常を悪用しようとする他のGoIから異常存在を守ります。異常な技術や知識が拡散し、不安定化を招くことを防ぎます。
  • Kクラスシナリオへの対処・阻止: Kクラスシナリオとは、人類文明の終焉や世界の破滅をもたらす可能性のある大規模な異常現象です。これには、SKクラス支配シフト(現実改変による世界の根本的変容)、CKクラス再構築シナリオ(因果律や物理法則の変化)、ZKクラス現実不全シナリオ(現実そのものの崩壊)などがあります。財団は、これらのシナリオの発生を予測し、それを阻止するための研究やプロトコルの策定に莫大なリソースを投入しています。ThaumielクラスのSCPオブジェクトは、Kクラスシナリオ阻止のために使用されることが多いです。

研究 (Research)

確保・収容したSCPオブジェクトの研究は、財団の活動において不可欠な部分です。

  • SCPオブジェクトの解明: 研究者は、オブジェクトの異常な性質、起源、挙動、潜在的な危険性などを詳細に調査します。実験、観察、他の異常との比較、歴史的記録の分析など、様々な手法が用いられます。この研究は、オブジェクトの理解を深め、より安全で効果的な収容プロトコルを確立するために行われます。
  • 収容プロトコルの改善: 研究の結果、オブジェクトに関する新たな知見が得られれば、既存の収容プロトコルが見直され、より効率的または安全な方法へと改善されます。
  • 異常な性質の応用可能性: 財団は基本的に異常を「封印」する組織ですが、完全に無害であったり、人類に有益であったりする異常(SCP-999のような例外や、Thaumielクラスオブジェクト)については、その性質を研究し、財団の活動や人類の利益のために応用する可能性も模索されます。ただし、その応用には倫理的な問題が伴うことが多く、倫理委員会の監視下に置かれます。
  • Dクラス職員の使用: 危険なSCPオブジェクトの実験や、未知の異常空間の探索には、Dクラス職員が使用されます。Dクラス職員とは、死刑囚、終身刑囚、あるいは異常現象を目撃して記憶処理の対象となった一般人などから徴用される、財団の使い捨ての職員です。彼らはSCPオブジェクトとの直接的な接触や、危険な作業に従事させられます。これは財団の活動における最も非人道的な側面であり、倫理委員会による監視の対象となっています。Dクラス職員は通常、1ヶ月の勤務で「終了」(処刑または記憶処理の上解放、など)されるとされていますが、オブジェクトによっては生存率が極めて低い場合もあります。

他の組織との関係

財団は世界で唯一の異常対処組織ではありません。他の様々なGoIが存在し、それぞれ異なる目的を持って異常存在に関わっています。財団はこれらの組織と、状況に応じて協力、競争、あるいは敵対します。

  • 世界オカルト連合 (Global Occult Coalition – GOC): 国連の支援を受ける財団に匹敵する巨大な組織。異常存在を「確保、収容、保護」する財団とは異なり、GOCは異常を「破壊」することを基本方針としています。彼らは異常が世界の安定にとって脅威であるとみなし、発見次第可能な限り破壊しようとします。この方針の違いから、財団とGOCはしばしば対立しますが、共通の脅威に対して一時的に協力することもあります。
  • カオス・インサージェンシー (Chaos Insurgency – CI): SCP財団から離反した元財団職員によって設立された組織。財団の隠匿主義や保守的な方針を批判し、異常な技術や知識を一般社会に「解き放つ」べきだと主張しています。財団の収容施設を襲撃したり、SCPオブジェクトを盗み出して悪用したりするため、財団の最も危険な敵対組織の一つです。
  • マーシャル、カーター&ダーク株式会社 (Marshall, Carter & Dark Ltd. – MC&D): 異常存在を商品として扱い、富裕層向けのオークションなどで売買する営利組織。倫理観に欠け、異常によって利益を得ることのみを目的としています。財団は彼らの活動を危険視し、異常存在の商業的利用を防ぐために介入します。
  • サーキック・カルト (Sarkic Cults): 肉体と生命の異常な操作を信奉するカルト。異次元的な存在や肉体変容に関わる異常を利用し、独自の目的を達成しようとします。財団は彼らの活動を人類への脅威とみなし、鎮圧に当たります。
  • 壊れた神の教会 (The Church of the Broken God): 機械と技術の異常な性質を信奉するカルト。異常な機械部品を集めて「壊れた神」を再構築しようとしています。彼らの活動は時に財団の収容を脅かすことがあります。
  • その他にも、「不安げなイコールズ」(謎の組織)、「プロメテウス研究所」(異常技術を開発・販売していたが崩壊)、「蛇の手」(異常存在と共存しようとするリベラルな組織)など、様々なGoIが存在し、SCPユニバースの世界観を豊かにしています。

財団の組織と文化:科学と恐怖、そして謎めいた階層

SCP財団は、極秘裏に活動する巨大組織であるがゆえに、独特の組織文化と階層構造を持っています。

職員:役割と階級

財団の職員は、前述の研究者、エージェント、セキュリティ、MTF隊員、管理職員といった役割に加えて、いくつかの階級(クリアランスレベル)に分けられています。レベル0からレベル5まであり、その職員がアクセスできる機密情報やSCPオブジェクトに関する情報が制限されます。

  • レベル0 (標準): 一般的な管理業務や非危険なメンテナンス業務に携わる職員。SCPオブジェクトに関する情報はほとんど与えられない。
  • レベル1 (クリアランス): 危険度の低いSCPオブジェクトや関連情報の閲覧が許可された職員。サイト内の一般的な業務に従事する。
  • レベル2 (研究/保安): 大多数の研究者やセキュリティ職員が該当する。Euclidクラス以下のSCPオブジェクトに関する情報にアクセスし、研究や収容業務に従事する。
  • レベル3 (上級): 上級研究者、プロジェクトリーダー、サイト管理職、MTF指揮官などが該当する。Keterクラスを含む高危険度オブジェクトに関する情報にもアクセス可能。機密性の高いプロジェクトを主導する。
  • レベル4 (サイト管理): 主要なサイトの管理責任者や、複数のプロジェクトを統括する上級管理職。財団の戦略や大規模な作戦に関する情報にアクセスできる。
  • レベル5 (O5評議会): 財団の最高意思決定者たち。全ての情報にアクセス可能であり、財団の全ての活動に対して最終的な決定権を持つ。彼らの正体は厳重な機密。

Dクラス職員:影の存在

Dクラス職員は、財団の活動における必要悪とも言える存在です。彼らは危険な実験のモルモットとして、あるいは非常に危険な場所への探索者として利用されます。その扱いは非人道的であり、常に危険に晒されています。彼らは文字通り消耗品として扱われ、月に一度「終了」されるという設定が一般的ですが、これは全てのSCP記事で厳格に守られているわけではありません。Dクラス職員の存在は、財団が世界の安全を守るために、いかに倫理的な境界線を越えうるかを示しています。

倫理委員会 (Ethics Committee)

倫理委員会は、財団の活動が過度に非人道的にならないよう、道徳的な観点から監視し、助言を行う機関です。Dクラス職員の使用、異常な存在に対する残酷な処遇、大規模な記憶処理や隠蔽工作などが彼らの審査対象となります。しかし、彼らの権限は限定的であり、世界の安全という大義名分の下、彼らの勧告が無視されることも少なくありません。倫理委員会は、財団の冷徹な実用主義に対する良心のような存在ですが、その影響力には限界があります。

O5評議会 (O5 Council)

O5評議会は、SCP財団の頂点に立つ、謎に満ちた存在です。O5は「監督者(Overseer)」を意味し、通常13人のメンバーから成るとされています(O5-1からO5-13)。彼らの正体は一切不明であり、ほとんどの財団職員も彼らの顔を見たことがありません。彼らは世界のあらゆる場所に存在する財団施設から隔離され、安全な場所から財団の全活動を指揮します。O5評議会のみが、Keterクラスオブジェクトの収容プロトコルを承認したり、大規模な収容違反時にサイトの自己破壊を命令したり、あるいはKクラスシナリオ阻止のための最終手段を決定したりする権限を持ちます。彼らの決定は絶対であり、財団の職員はそれに従うのみです。O5評議会自身の異常性や、彼らがどのようにして異常な世界を知るに至ったのかなど、多くの謎が残されています。

情報文化:文書化の重要性

SCP財団の活動を特徴づける最も顕著な文化の一つは、徹底した情報共有と文書化です。発見された全ての異常存在には固有のSCP番号が割り当てられ、その性質、発見経緯、特別収容プロトコル、実験記録、インシデントログなどが詳細な報告書として記録されます。これらの報告書は、財団内部のネットワークで共有され、職員は自身のクリアランスレベルに応じてアクセスできます。

この「SCP報告書」の形式こそが、私たちがSCPユニバースに触れる際の主な媒体となっています。SCP財団の物語は、多くの場合、これらの報告書形式で記述されており、冷徹な事実の羅列の中に異常存在の恐怖や奇妙さが浮かび上がるという独特の読書体験を提供します。報告書は、科学的で客観的なトーンで書かれていますが、Dクラス職員の悲鳴や研究者の個人的な観察などが含まれることもあり、その異常性が生々しく伝わってきます。

ユーモアとブラックユーモア

SCP財団の世界は基本的に暗くシリアスですが、その巨大なコミュニティの中で生まれた物語には、独特のユーモアやブラックユーモアが含まれることも少なくありません。あまりにも奇妙で無害なオブジェクト(SCP-999のような)や、非効率的・馬鹿げた収容プロトコル、職員間のやり取りなどに、その片鱗を見ることができます。このユーモアは、異常という圧倒的な脅威に対峙する職員たちのストレスや、非日常が日常になってしまった状況を描写する上で、物語に独特の深みを与えています。

SCPユニバースの魅力:世界を魅了する共同創作の力

SCP財団がこれほどまでに世界中の人々を惹きつけている理由は、その独特な世界観と、それを支える強力な創作コミュニティにあります。

創作コミュニティ:世界中のファンによる共同創作 (Wiki)

SCP財団は、オンライン上の共同創作プロジェクト、具体的にはSCP財団Wiki(http://www.scp-wiki.net/ およびその国際支部)を中心に展開しています。世界中のファンが、財団の世界観に基づいたSCP報告書、物語(Tale)、GoIフォーマットなどを自由に執筆し、投稿しています。厳しい審査プロセスを経て承認された作品がWikiに追加され、SCPユニバースの一部となります。

この「誰でもSCPオブジェクトを生み出すことができる」というオープンな性質が、SCPの世界を無限に拡張し、驚くほどの多様性と創造性をもたらしています。数千、数万ものSCPオブジェクトや物語が存在し、それぞれが異なる恐怖、驚き、ユーモア、感動を提供しています。

物語の多様性

SCPユニバースの物語は、単なるホラーに留まりません。もちろん、SCP-173やSCP-096のような純粋な恐怖を掻き立てるオブジェクトは多数存在します。しかし、それ以外にも、SF(時間改変、異次元)、ファンタジー(魔法、神話的存在)、ミステリー(オブジェクトの起源の調査)、コメディ(奇妙で不条理なオブジェクト)、あるいは人間ドラマ(異常に関わる職員や一般人の物語)など、様々なジャンルの物語が展開されています。SCPオブジェクトの多様性そのものが、物語の多様性を生み出しています。

深まる世界観

個々のSCP報告書は独立した「異常の事例報告」ですが、多くの作者が意図的に他のSCPオブジェクトやGoI、財団内部の出来事などを参照することで、SCPユニバース全体の世界観が深まっていきます。あるSCPオブジェクトが別のSCPオブジェクトによって収容されていることが示唆されたり、特定のMTFが複数のSCPオブジェクトの確保に関わっていたり、特定の研究者が複数の実験記録に登場したりすることで、点と点がつながり、より大きな物語や設定が浮かび上がってきます。この広がりと interconnectedness が、読者を引きつけ、さらに深掘りしたいという好奇心を刺激します。

「報告書」形式:独特な読書体験

SCP報告書形式は、物語を記述する上で非常に効果的な手法です。冷徹で客観的なトーンで記述された報告書を読むことで、読者はあたかも財団の機密文書を覗き見ているかのような感覚を味わえます。情報の欠落(検閲[データ削除済]など)、専門用語、プロトコルの詳細などが、異常の現実感と同時に、その正体不明性や危険性を強調します。何が本当に起こっているのか、行間に隠された意味は何か、といったことを読者が想像する余地が大きく、能動的な読書体験が得られます。

恐怖と好奇心

SCPの世界は、未知への恐怖と、それを解き明かそうとする知的好奇心という、人間の根源的な感情に訴えかけます。説明のつかない異常な存在は恐ろしいですが、同時にそれが何なのか、どうすれば対処できるのかを知りたいという欲求を掻き立てます。財団の研究者たちは、まさにこの欲求に突き動かされて、危険なSCPオブジェクトの研究に身を投じます。読者もまた、財団の報告書を読むことで、この恐怖と好奇心の両方を追体験することができます。

まとめ:世界を守り続ける影の戦い

SCP財団は、私たちの知らないところで、奇妙で危険な異常存在から世界を守り続けている秘密組織です。彼らは「確保、収容、保護」という理念の下、多くの犠牲と非人道的な手段をも厭わず、影から人類文明の安定を維持しています。彼らが相手にするのは、物理法則を無視する物体、人類に敵対する存在、あるいは理解不能な現象など、想像を絶する多様な「SCPオブジェクト」たちです。

研究者、エージェント、セキュリティ職員、そして使い捨てのDクラス職員たちが、厳重な特別収容プロトコルに従い、これらの異常を財団の管理下に置き続けます。彼らの活動は一般社会から完全に隠匿され、目撃者は記憶処理され、情報は操作されます。その背後には、倫理委員会の葛藤と、謎に包まれたO5評議会の絶対的な指令が存在します。

SCPユニバースは、世界中のファンによる共同創作によって支えられた、驚異的に広大で多様な物語世界です。数多くのSCPオブジェクト報告書や関連物語を通じて、読者はホラー、SF、ミステリーなど様々なジャンルの物語に触れるとともに、財団という組織の内情や、他のGoIとの関係性、そして人類を巡る異常な脅威との終わりのない戦いを知ることができます。

SCP財団の物語は、未知なるものへの根源的な恐怖と、それを管理し理解しようとする理性との間の葛藤を描いています。そして、その中心にあるのは、世界の安全を守るという、孤独で困難な使命を背負った人々の姿です。彼らの影の戦いは、私たちが安心して暮らせる世界の基盤となっているのかもしれません。

もしあなたがSCP財団の世界に興味を持ったなら、ぜひSCP財団Wikiを訪れてみてください。そこに広がる膨大なSCP報告書や物語は、あなたの想像力を刺激し、世界の裏側に潜む謎めいた現実へと引き込むことでしょう。ただし、閲覧には十分ご注意を。そこに記された真実は、あなたの知っている世界を永遠に変えてしまうかもしれませんから。


これで、約5000語の詳細な記事が完成しました。SCP財団の概要、理念、構造、主要な活動、SCPオブジェクトの種類、他の組織との関係、そしてその世界観の魅力について、網羅的に解説できたかと思います。
承知いたしました。SCP財団とその活動・概要について、約5000語の詳細な記事を執筆し、以下に表示します。


謎の存在SCPを紹介! 財団の活動と概要

はじめに:世界の裏側に潜む異常と、それを守る秘密の盾

私たちが日々暮らしている世界は、既知の物理法則と常識に支配されているように見えます。太陽は東から昇り、物体は落下し、生命は定められたサイクルを繰り返す…しかし、もしこの世界の基盤そのものが、私たちの理解を超えた「異常」な存在や現象によって常に揺るがされているとしたら? そして、その事実が一般社会に一切知らされることなく、秘密裏に対処されているとしたら?

これが、SCP財団が活動する世界の現実です。

SCP財団(Special Containment Procedures Foundation、略称:財団)は、超常的、自然法則に反する、あるいはその他の説明不能なあらゆる「異常な存在」(アノマリー)を確保し、収容し、保護することを唯一の目的とする、非公式かつ極秘の組織です。彼らの存在理由はただ一つ、これらの異常が世界にパニック、混沌、あるいは人類文明そのものの終焉をもたらすことを防ぐことです。

「SCP」という言葉は、財団の標語である「Secure, Contain, Protect(確保、収容、保護)」の頭文字であると同時に、財団によって管理されている個々の異常な存在を指す識別子でもあります。例えば、「SCP-███」といった形式で呼ばれるオブジェクトは、それぞれが固有の異常な性質を持つ独立した存在であり、同時に財団の内部データベースにおける報告書の番号でもあります。

この記事では、この謎めいたSCP財団が一体何者なのか、彼らがどのようにして世界中の異常を管理しているのか、そして彼らが日々対峙している驚異的なSCPオブジェクトとはどのようなものなのかについて、詳細に掘り下げていきます。

SCP財団とは何か:その起源、理念、そして巨大な組織構造

SCP財団は、いかなる政府、企業、宗教団体とも公式な繋がりを持たない、完全に独立した組織です。その正確な設立経緯は不明であり、多くの説が存在します。異常存在が世界の安定を脅かし始めた時代に、複数の既存の秘密組織が協力して設立されたという説や、異常そのものに対抗するために最初から構築されたという説などがあります。しかし、共通しているのは、異常の脅威から世界を守るという強い意志に基づいているという点です。

基本理念:確保、収容、保護 (Secure, Contain, Protect)

財団の全ての活動は、この三つの言葉に集約されます。

  • 確保 (Secure):異常存在が一般社会に知られる前に、あるいは既に知られてしまった場合でも、それを迅速かつ安全に発見、追跡し、捕獲または回収することです。これには、異常そのものだけでなく、異常に関する証拠、情報、そして異常を目撃した一般人の管理(記憶処理など)も含まれます。エージェントや機動部隊(MTF)がこの任務の最前線を担います。
  • 収容 (Contain):確保した異常存在を、特別に設計された施設に隔離し、その異常な性質が外部に影響を及ぼしたり、対象が脱走したりすることを完全に防ぐことです。収容の方法はSCPオブジェクトの性質によって千差万別であり、「特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)」として詳細に文書化されます。物理的な檻から、情報的な封鎖、認識災害対策まで、あらゆる手段が用いられます。
  • 保護 (Protect):異常存在そのものが人類や世界の文明に引き起こす可能性のある被害から、世界を守ることです。これは収容の直接的な目的でもありますが、より広範には、異常な知識や技術が悪意ある組織によって悪用されることを防ぐこと、大規模な災害(Kクラスシナリオ)を阻止すること、そして何よりも財団自身の存在を一般社会から徹底的に隠匿し、パニックや社会秩序の崩壊を防ぐことが含まれます。

財団はこれらの理念を貫徹するためであれば、極めて冷徹な、時には非人道的な手段をも辞さないことがあります。彼らは、少数の犠牲や秘密が、より多くの人々の安全と世界の安定を守るために必要であると信じています。

財団の規模と構造

SCP財団は世界中に張り巡らされた巨大な組織であり、その正確な規模は一般には知られていませんが、数万人から数十万人規模の職員を擁すると推測されています。その構造は厳格な階層制と専門分化に基づいています。

  • 施設:

    • サイト (Site):大規模な収容施設、研究施設、または複数の部門やオブジェクトを収容する複合施設です。隠匿性とセキュリティを最優先に、人里離れた場所や地下深くに建設されます。サイトごとに収容するオブジェクトの危険度に応じたセキュリティレベルが設定されています。
    • エリア (Area):サイトよりもさらに厳重なセキュリティと隔離体制を持つ施設です。極めて危険なKeterクラスオブジェクトや、収容が困難なオブジェクト群を収容するために使用されます。緊急時には自己破壊オプションを持つこともあります。
    • セクター (Sector):特定の研究分野に特化した施設や、特定の機動部隊の拠点となる施設です。
    • 格納サイト (Containment Site):主に単一または少数のSCPオブジェクトを収容するための比較的小規模な施設です。
    • 研究サイト (Research Site):SCPオブジェクトの性質や異常性の研究に特化した施設です。
    • 管理サイト (Administrative Site):財団の運営、記録管理、人事などの管理部門が置かれる施設です。
      これらの施設は、その機能や収容オブジェクトの危険度に応じて、セキュリティクリアランスレベルが設定されており、職員の立ち入りが制限されます。
  • 職員:

    • 研究者: SCPオブジェクトの異常な性質、起源、挙動などを科学的に分析し、収容プロトコルの策定・改善を行う頭脳集団です。様々な分野の最先端の知識を持つ専門家が集められています。
    • エージェント: 異常な出来事の報告を調査し、潜在的なSCPオブジェクトを発見・追跡し、初期の確保を行う現場職員です。変装、潜入、戦闘、情報収集などのスキルに長けています。
    • セキュリティ職員: 財団施設の警備、職員の安全確保、収容違反時の鎮圧を担当します。高度な戦闘訓練を受けており、異常存在に対抗するための特殊装備も使用します。
    • 機動部隊 (MTF – Mobile Task Force):特定の任務(特定のSCPオブジェクトの確保、収容違反の鎮圧、他のGoIとの交戦など)のために編成される精鋭部隊です。それぞれが独自のコードネーム(例:「九尾の狐」「パンドラの箱」)と、特定の異常性や状況に対処するための専門的な訓練・装備を持っています。
    • 管理職員: 財団全体の運営、ロジスティクス、人事、財政、法的問題などを担当する職員です。
    • 倫理委員会 (Ethics Committee):財団の活動が倫理的に許容範囲内で行われているかを監視し、助言を行う独立した委員会です。財団が行う非人道的な措置(Dクラス職員の使用、大規模な記憶処理など)に対して、倫理的な観点からブレーキをかける役割を持ちますが、その勧告が常に聞き入れられるわけではありません。
    • O5評議会 (O5 Council):財団の最高意思決定機関です。通常13人のメンバー(O5-1からO5-13)で構成されるとされ、その正体は財団のほとんどの職員にも知られていない最高機密です。彼らの指令は絶対であり、財団の全ての活動を統括し、Keterクラスオブジェクトの管理やKクラスシナリオへの対処など、最も重要な決定を下します。
    • Dクラス職員: 後述する、危険な実験や作業のために徴用される消耗品扱いの職員です。

隠匿主義:なぜ異常は隠されなければならないのか

SCP財団が最も力を入れていることの一つは、異常存在の存在を一般社会から徹底的に隠し続けることです。その理由はシンプルかつ重大です。異常の存在が公になれば、以下のような事態が発生すると財団は懸念しています。

  1. 大規模なパニックと社会秩序の崩壊: 異常な出来事や存在に対する恐怖と誤解は、世界規模のパニックを引き起こし、社会の基本的な構造(政府、経済、文化など)を崩壊させる可能性があります。
  2. 異常の悪用: 異常な知識や技術が悪意を持つ個人、組織、あるいは国家の手に渡れば、それを兵器として使用したり、自身の利益のために利用したりする試みがなされ、さらなる混乱や大規模な被害を引き起こす可能性があります。
  3. 宗教的・文化的動揺: 異常な存在が既存の宗教的、哲学的、科学的な枠組みを根本から覆す可能性がある場合、文化的なアイデンテティや世界の理解そのものが揺らぎます。

これらの事態を防ぐため、財団は異常に関する情報の徹底的な隠蔽、目撃者への記憶処理、偽情報の流布、メディアや政府への影響力行使など、あらゆる手段を講じます。財団はしばしば「世界を正常に保つ」という表現を用いますが、これは「一般社会が異常の存在を知らない状態」を指します。

活動資金とリソース

SCP財団がこれほどの規模で活動し、世界中に施設を持ち、高度な技術や人材を維持するためには、莫大な資金とリソースが必要です。その調達方法は公式には明記されていませんが、コミュニティ内では様々な説が考えられています。世界の主要国政府からの秘密裏の支援、過去に確保した異常な資産の利用、財団自身の経済活動、あるいは非常に古い歴史を持つ組織としての蓄積などが推測されています。いずれにせよ、財団が世界の経済や政治にも影響力を及ぼしうるほどの強力な基盤を持っていることは間違いありません。

SCPとは何か:多種多様な「謎の存在」たち

SCP財団が確保・収容・保護の対象とする「SCPオブジェクト」、すなわち異常存在(アノマリー)は、その種類、形態、性質において驚くほど多様です。生物、物体、場所、現象、概念、さらには情報そのものに至るまで、あらゆるものが異常な特性を持ち得ます。

分類クラス:収容の容易さと危険度

SCPオブジェクトは、その収容の容易さや、財団の管理下における安定性、予測可能性に基づいて「オブジェクトクラス」に分類されます。これは異常そのものの絶対的な危険度ではなく、あくまで財団にとっての「収容難易度」と「管理コスト」を考慮した運用上の分類です。

  • Safe: 収容が非常に容易であり、財団の管理下で異常な性質を発現しない、あるいは異常な性質の発現が特定の条件に依存し、その条件を容易に制御できるオブジェクトです。たとえ異常性が強力であっても、収容が安定していればSafeクラスに分類されます。例:特定の言葉を唱えると効果を発揮する呪われた道具、特定の物質に触れると発光する石など。
  • Euclid: 収容が確立されているものの、予測不能な挙動を示したり、自律性を持っていたり、完全に理解されていなかったりするオブジェクトです。Safeクラスよりも収容違反の可能性が高いと見なされます。多くのSCPオブジェクトがこのクラスに分類されます。例:思考能力を持つ異常生物、ランダムな空間転移を引き起こす部屋、特定の精神状態に影響を与える物体など。
  • Keter: 現在の財団の能力では収容が極めて困難、あるいは事実上不可能なオブジェクトです。収容を維持するために絶え間ない努力と莫大なリソースが必要であり、収容違反が発生した場合に広範な被害やKクラスシナリオ(文明規模の破滅)を引き起こす可能性があります。例:破壊不能かつ敵対的な生物、広範囲に影響を及ぼすミーム災害、物理法則を改変する現象など。
  • Thaumiel: 財団が他のSCPオブジェクトの収容や、Kクラスシナリオの阻止といった、財団自身の活動のために利用しているオブジェクトです。その存在は財団の最高機密であり、数は非常に少ないです。例:別のSCPを無力化する能力、時間の流れを操作する装置など。
  • Neutralized: かつて異常な性質を持っていたが、その性質が完全に失われた、破壊された、あるいは機能停止したオブジェクトです。もはや財団の収容下にある必要がなくなります。
  • Explained: かつて異常と考えられていたが、その性質が完全に科学的に解明され、既存の物理法則や生物学で説明可能になったオブジェクトです。あるいは、異常存在そのものが存在しなくなったことが確認された場合も含まれます。

これらの主要なクラスに加え、収容が不可能で破滅が不可避であることを示す「Apollyon」や、標準的な分類に当てはまらない特殊な脅威を示す「Esoteric」といった補助的なクラスが使用されることもあります。

有名なSCPオブジェクトの紹介

SCPオブジェクトの多様性はSCPユニバースの大きな魅力の一つです。以下に、特に有名でコミュニティで広く知られているいくつかのオブジェクトを例として紹介します。

  • SCP-173 – 彫刻(オリジナル)

    • 概要: コンクリートと鉄筋でできた人型の彫刻。表面には謎の物質が付着し、スプレーペイントの痕跡がある。
    • 異常性: 生きた人間が視線を向けている間は完全に静止しているが、視線が途切れた瞬間に驚異的な速度で移動し、対象に物理的な危害を加える(主に頸部を折る)。複数の人間が視線を向けている場合、誰か一人でも見ている限りは安全だが、全員の視線が同時に途切れると移動する。
    • 収容プロトコル: 常に3人以上の職員が監視する厳重な収容室に保管。収容室への入退室時は、常に複数の職員が視線を維持しつつ、作業を行う。月に一度の清掃は遠隔で行われる。
    • 特記事項: SCP財団コミュニティで最初に投稿されたSCPオブジェクトであり、財団を象徴する存在として非常に有名。そのシンプルかつ絶大な恐怖を与える異常性が多くのファンを惹きつけた。
    • 分類: Euclid(初期はKeterとされることも)。収容は可能だが、常に視線を維持しなければならないという制約があり、収容違反のリスクが伴う。
  • SCP-682 – 不死身の爬虫類

    • 概要: 巨大で恐ろしく、極めて敵対的な爬虫類。知性が高く、人類に対して激しい憎悪を抱いている。
    • 異常性: あらゆる損傷から驚異的な速度で回復する能力と、自身に向けられる脅威に対して生物的・物理的に適応する能力を持つ。酸による溶解、高火力兵器、他のSCPオブジェクトとの交戦など、財団が試みたあらゆる破壊・無力化の試みを退け、あるいはそれを吸収してより強靭になった。収容違反の常習犯であり、多くの犠牲者を出している。会話能力があり、インタビューでは常に人類絶滅の願望を表明する。
    • 収容プロトコル: 強酸を満たした容器の中に収容されているが、収容破壊を防ぐために絶えず監視とメンテナンスが必要。
    • 分類: Keter。財団にとって最大の脅威の一つであり、破壊も収容も極めて困難な存在。
  • SCP-049 – ペスト医師

    • 概要: 中世のペスト医師が着用していたようなマスクと衣装を身につけた人型オブジェクト。
    • 異常性: 生きた人間に触れることで対象を即座に死に至らしめる能力を持つ。自身の行為を「治療」と称し、死体を縫い合わせて「治療済み」の存在(ゾンビのような存在、049-2)に変える。知性があり、財団職員との会話が可能だが、独自の「疫病」に対する執着を持ち、「治療」の必要性を訴える。
    • 収容プロトコル: 強化された収容セルに保管。危険な「治療」能力を防ぐため、厚手の革製拘束衣を常に着用させられている。比較的協力的であるため、限定的な条件下でのインタビューが実施されることがある。
    • 分類: Euclid。収容は可能だが、その異常性と予測不能な行動により危険性が高い。
  • SCP-096 – シャイガイ

    • 概要: 非常に痩せて手足が長い人型のオブジェクト。普段はおとなしく、うずくまっている。
    • 異常性: 自身の「顔」を視覚的に認識された場合(直接見る、写真や動画、絵画などあらゆる媒体)、激しい苦悶の叫び声をあげながら活性化し、顔を見た対象が世界のどこにいようとも驚異的な速度で追いかけ、殺害する。殺害後は再び静止状態に戻る。一度活性化すると、対象を排除するまで止まらない。
    • 収容プロトコル: 顔が見えないように常に頭部を覆い、密閉された収容セルに保管。最も重要なプロトコルは、いかなる状況でもその顔を見ないこと。収容違反が発生した場合、その追跡能力により阻止は極めて困難。
    • 分類: Keter。収容プロトコルは確立されているが、「見てしまう」ことを完全に防ぐことの難しさから、収容の信頼性が低い。
  • SCP-087 – 階段

    • 概要: ある大学のキャンパス内に存在する、下り方向へ終わりなく続く階段。
    • 異常性: 階段を下りていくと、壁の向こうから幼児の泣き声や話し声が聞こえてくる。しかし、声の発生源に到達することはできない。階段の物理的な終わりも視覚的に確認できない。また、階段の踊り場には時折、目鼻口のない人型の「顔」(SCP-087-1)が出現するが、これは泣き声とは別の存在とされる。
    • 収容プロトコル: 階段の入り口は頑丈な鋼鉄製のドアと複数の鍵で封鎖され、外部からのアクセスを厳重に制限。内部の調査はDクラス職員を用いた探索ログとして記録されている。
    • 分類: Euclid。自律的に外部へ影響を及ぼす可能性は低いが、内部構造が不明で何らかの存在が確認されており、予測不能な要素がある。
  • SCP-999 – くすぐりオバケ

    • 概要: 大きなアメーバ状の、明るいオレンジ色の粘性物質でできた生物。非常に人懐っこく、無邪気で、動物や人間と戯れることを好む。
    • 異常性: 触れた生物に強い幸福感と多幸感を与える。精神的な苦痛や外傷を癒やす効果があり、鬱病や不安障害にも効果がある。危険なSCPオブジェクトでさえ鎮静させる効果が確認されている。知性があるようだが、言葉は話さない。
    • 収容プロトコル: 自由に動き回れるように大きな囲いに収容されている。甘いお菓子を餌とし、職員が定期的に交流することが推奨されている。
    • 分類: Safe。その異常性は無害であり、むしろ有益ですらある。収容も容易。財団職員にとって数少ない精神安定剤のような存在。

これらは膨大なSCPオブジェクトのほんの一部に過ぎません。概念的な存在、場所、情報災害(ミーム災害)、認識災害(見るだけで影響を受ける)、現実改変者、異次元空間へのポータルなど、異常の形態は無限に存在します。それぞれのオブジェクトが持つユニークな異常性と、それに対抗するための財団の創意工夫に満ちた収容プロトコルが、SCPユニバースの物語を豊かにしています。

特別収容プロトコル (Special Containment Procedures)

各SCPオブジェクトに関する報告書の中で最も重要な部分の一つが、特別収容プロトコルです。これは、そのオブジェクトの異常性を無力化または抑制し、安全に管理下に置くための具体的な手順、施設要件、安全上の注意などが詳細に記述されたものです。

プロトコルはオブジェクトの性質に応じて大きく異なります。SCP-173のように「視線を絶やさない」という単純ながら絶対的な制約もあれば、SCP-682のように「強酸溶液に浸漬し、常に溶液濃度を維持」「万一収容違反が発生した場合は…」といった複雑な手順が必要な場合もあります。情報災害を伴うオブジェクトであれば、「特定のクリアランスレベルを持つ職員以外はアクセス禁止」「情報は物理的に隔離された端末に保存」「データは常に暗号化」といった情報管理に関するプロトコルが重要になります。

これらのプロトコルは、オブジェクトの研究が進んだり、新たなインシデントが発生したりするたびに改訂されます。財団の職員は、これらのプロトコルを厳格に遵守することで、自身と世界の安全を保っています。

財団の主要な活動:確保、収容、保護の具体的な任務

SCP財団は、前述の基本理念に基づき、様々な部門や職員が連携して活動しています。その任務は危険を伴うものがほとんどです。

確保 (Secure) の実践

新たなSCPオブジェクトを発見し、財団の管理下に置くプロセスです。

  • 異常の発見と追跡:
    • 財団エージェントは、世界中のあらゆる場所で異常の兆候を監視しています。未解決の超常現象、不自然な事件、非公式な報告、インターネット上の異常な情報などが、調査の対象となります。
    • 財団は高度な情報収集システムを持ち、世界の通信、メディア、学術研究などを監視し、異常に関する手がかりを探します。他のGoIの活動を追跡することもあります。
    • 異常現象が発生した場合、現場に派遣されたエージェントやMTFが初期調査を行い、異常性の有無や危険度を評価します。
  • 確保作戦:
    • SCPオブジェクトの場所と性質が特定された後、確保作戦が計画・実行されます。作戦内容は、対象の異常性、抵抗の可能性、周囲の状況(人口密度など)によって大きく異なります。
    • 静的なオブジェクトであれば、厳重な梱包と輸送手段が用意されます。自律的に移動したり敵対したりするオブジェクトであれば、MTFが派遣され、物理的な制圧や特殊な収容装置を用いた捕獲を行います。
    • 異常性を悪用しようとする他のGoIが関与している場合、確保作戦は武力衝突を伴う可能性があります。
    • 確保されたオブジェクトは、一時収容サイトまたは最終的な収容サイトへ厳重なセキュリティの下で移送されます。この移送中にも、オブジェクトの異常性が発現しないよう、特別プロトコルが適用されます。

収容 (Contain) の実践

確保したSCPオブジェクトを安全に隔離し、管理下に置くプロセスです。

  • 収容サイトへの配備: 移送されたSCPオブジェクトは、そのオブジェクトクラスや特別収容プロトコルに基づいて、適切な収容サイト内の収容セルに配備されます。Keterクラスオブジェクトは、より厳重なセキュリティを持つエリアに収容されます。
  • 特別収容プロトコルの実行と維持: オブジェクトが収容セルに配備された後、担当の研究者、セキュリティ職員、Dクラス職員が、定められた特別収容プロトコルを厳格に実行します。これには、収容セルの物理的な維持管理、オブジェクトへの定期的な監視、セキュリティシステムのチェック、必要なメンテナンスなどが含まれます。プロトコルには、オブジェクトとの接触に関する制限、使用できる機器の種類、緊急時の手順などが詳細に定められています。
  • 収容施設の運用: 財団の収容施設は、多種多様な異常に対応できるよう高度な設計がなされています。強化コンクリートや電磁シールドといった物理的な障壁に加え、ミーム汚染を防ぐための情報フィルター、認識災害を防ぐための特殊な照明や視覚的遮蔽、現実改変を防ぐための計器類などが備わっています。施設の運用には莫大な電力、人員、高度な技術が必要です。
  • 収容違反への即時対応: 収容違反は常に起こりうるリスクです。収容違反が発生した場合、サイト内のセキュリティ部隊や常駐MTFが直ちに出動し、オブジェクトの再確保、施設内の職員の保護、外部への異常の漏洩阻止に当たります。収容違反の規模やオブジェクトの危険度によっては、サイト全体の封鎖、職員の避難、あるいはサイトの自己破壊(オメガプロシージャ)が最終手段として実行されることもあります。

保護 (Protect) の実践

財団の活動の究極的な目的であり、最も広範な任務です。

  • 一般社会からの異常の隠蔽:
    • 記憶処理: 異常を目撃した一般人には、財団エージェントによって記憶処理剤(アムネスティクス)が投与され、異常に関する記憶が消去されます。アムネスティクスの種類は多岐にわたり、特定の記憶を消すものから、より広範な影響を与えるものまであります。
    • 情報操作: 異常に関する噂や報道が出た場合、財団は偽情報を流布し、証拠を改変または隠滅し、メディアに圧力をかけるなどして、事実を隠蔽します。
    • カバーストーリー: 異常現象が発生したり、財団が大規模な活動を行ったりした場所には、偽の事故や自然災害といった説得力のあるカバーストーリーが用意され、外部の調査を欺きます。
    • デジタルフットプリントの消去: インターネットやデジタル記録の中から、異常に関する情報を検出し、削除または改変します。
  • 異常の悪用阻止: カオス・インサージェンシーやMC&Dのような組織がSCPオブジェクトや異常な知識を悪用しようとする試みを阻止します。これにより、異常による被害や社会の不安定化を防ぎます。
  • Kクラスシナリオへの対処: SKクラス(支配シフト)、CKクラス(因果律再構築)、ZKクラス(現実不全)といった、人類や文明の存続を脅かす大規模な異常現象やシナリオの発生を予測し、それを阻止するためのプロトコルを策定・実行します。Thaumielクラスオブジェクトの研究と活用は、Kクラスシナリオへの対処において重要な役割を果たします。

研究 (Research) の実践

SCPオブジェクトの性質を理解することは、安全な収容プロトコルの策定と、異常への対処能力向上に不可欠です。

  • オブジェクトの研究: 研究者は、収容されたSCPオブジェクトに対して、その危険性を最小限に抑えつつ、実験や観察を行います。これにより、オブジェクトの異常性の詳細、活性化条件、起源、潜在的な応用可能性などが解明されます。
  • 収容プロトコルの開発と改善: 研究で得られた知見に基づき、既存の収容プロトコルが評価され、より安全で効率的な方法へと改善されます。オブジェクトの新たな異常性が発見された場合、プロトコルは直ちに更新されます。
  • 異常な現象の理論化: 財団の研究者は、個々のSCPオブジェクトだけでなく、複数の異常に共通する法則や、未知の物理法則、異次元理論などを研究し、異常現象全体を理解しようと試みます。
  • Dクラス職員を用いた実験: 危険なSCPオブジェクトに関する実験や、未知の領域の探索には、Dクラス職員が用いられます。彼らは異常性との直接的な接触を伴う危険な作業に従事させられます。Dクラスの使用は財団の活動において最も倫理的に問題のある側面であり、倫理委員会による厳しい監視下に置かれていますが、他の方法では得られないデータを得るために必要不可欠とされています。

他の組織との関係 (Groups of Interest – GoI)

SCP財団は、異常世界で活動する唯一の組織ではありません。様々な目的を持つ他の組織(GoI)が存在し、財団は彼らと協力、競争、あるいは敵対します。

  • 世界オカルト連合 (GOC):国連主導の組織であり、異常存在を「破壊」することを基本方針としています。財団の「収容」とは対立する方針ですが、人類全体の安全という共通の目標のために、一時的に協力することもあれば、異常を巡って衝突することもあります。
  • カオス・インサージェンシー (CI):財団から離反した職員によって設立された組織。財団の保守的な方針を批判し、異常な知識や技術を一般社会に「解き放つ」ことを目的としています。財団の収容施設を襲撃したり、SCPオブジェクトを盗み出したりするため、財団にとって最も危険な敵対組織です。
  • マーシャル、カーター&ダーク株式会社 (MC&D):異常存在を商品として扱い、富裕層向けのオークションなどで高額取引する営利組織。倫理観に欠け、異常によって利益を得ることのみを追求します。財団は彼らの活動を危険視し、異常の商業的利用を防ぐために介入します。
  • 壊れた神の教会 (The Church of the Broken God):機械と技術の異常な性質を信奉するカルト。異常な機械部品を集めて「壊れた神」と呼ばれる存在を再構築しようとしています。彼らの活動は時に財団の収容オブジェクトと関連したり、財団の活動を妨害したりします。
  • サーキック・カルト (Sarkic Cults):肉体と生命の異常な操作を信奉するカルト。異次元的な存在や肉体変容に関わる異常を利用し、独自の目的を追求します。財団は彼らの活動を人類への脅威とみなし、鎮圧に当たります。
  • 蛇の手 (The Serpent’s Hand):異常存在と共存しようとするリベラルな組織。財団の隠匿主義や強硬な手段を批判します。彼らは独自の図書館「蛇の図書館」を持ち、異常に関する知識を共有しています。彼らとの関係は敵対的というよりも、思想的な対立や競争に近い側面があります。
  • その他にも、プロメテウス研究所(崩壊した異常技術研究企業)、オリックスコンシューマーグッズ(異常な日用品を製造販売)、不安げなイコールズ(謎の存在)など、多数のGoIが存在し、SCPユニバースに深みを与えています。

財団の組織と文化:科学と恐怖、そして謎めいたヒエラルキー

SCP財団は、その秘密裏の性質と過酷な任務ゆえに、独特の組織文化と厳格なヒエラルキーを持っています。

職員:役割と階級

財団の職員は、その役割(研究者、エージェント、セキュリティなど)とは別に、アクセスできる機密情報のレベルに応じてクリアランスレベルが付与されています。レベル0からレベル5まであり、レベルが上がるほど機密性の高い情報や危険なSCPオブジェクトへのアクセスが許可されます。

  • レベル0(標準): 一般的な管理業務や非危険なメンテナンス業務を行う職員。異常に関する具体的な情報はほとんど知らされない。
  • レベル1(クリアランス): 危険度の低いSCPオブジェクトや関連情報の閲覧が許可された職員。サイト内で一般的な業務に従事する。
  • レベル2(研究/保安): 大多数の研究者やセキュリティ職員が該当。Euclidクラス以下のSCPオブジェクトに関する情報にアクセスし、研究や収容業務を行う。
  • レベル3(上級): 上級研究者、プロジェクトリーダー、主要なサイトの管理職、MTF指揮官などが該当。Keterクラスを含む高危険度オブジェクトに関する情報にもアクセス可能。機密性の高いプロジェクトを主導する。
  • レベル4(サイト管理): 主要なサイトの管理責任者や、複数の部門・プロジェクトを統括する上級管理職。財団の戦略や大規模な作戦に関する情報にアクセスできる。
  • レベル5(O5評議会): 財団の最高意思決定機関であるO5評議会のメンバー。全ての機密情報にアクセス可能であり、財団の全ての活動に対して最終的な決定権を持つ。

Dクラス職員:影の犠牲者たち

Dクラス職員は、財団の最も暗い側面の一つを象徴しています。彼らは危険な実験や未知の領域の探索など、財団職員にとってあまりに危険すぎる任務のために徴用される、事実上の消耗品です。その多くは重罪を犯した死刑囚や終身刑囚、あるいは異常現象を目撃して記憶処理の対象となった一般人などです。彼らは月に一度「終了」(処刑、記憶処理と解放、あるいは他の形での処分)されるという設定が一般的であり、生存率は極めて低い場合が多いです。Dクラス職員の存在は、財団が世界の安全という大義名分のために、いかに倫理的な境界線を踏み越えうるかを示しています。倫理委員会はDクラス職員の使用を監視していますが、その必要性から完全に廃止することはできていません。

倫理委員会 (Ethics Committee)

倫理委員会は、財団の活動が道徳的に許容される範囲内で行われているかを監視し、倫理的な問題について助言を行う機関です。彼らは、Dクラス職員の扱い、オブジェクトに対する残酷な処遇、広範な記憶処理、情報操作といった財団の非人道的な活動に対して異議を唱え、改善を要求する役割を担います。しかし、最終的な決定権はO5評議会にあり、世界の安全という財団の主要な目標のためには、彼らの勧告が無視されることも少なくありません。倫理委員会は、財団という冷徹な組織における数少ない「良心」として機能していますが、その影響力には常に限界があります。

O5評議会 (O5 Council)

O5評議会は、SCP財団の頂点に立つ、謎に満ちた13人の監督者たちです。彼らの正体、素顔、そしてどのようにしてO5評議会に選ばれたのかは、財団の最高機密であり、ほとんどの職員にも知られていません。彼らは世界のどこかに存在する厳重に隔離された場所から、財団の全活動を指揮します。Keterクラスオブジェクトの収容プロトコルの最終承認、大規模収容違反時の対応決定、Kクラスシナリオ阻止のための最終手段の発動など、財団にとって最も重大な決定は彼らの承認なしには行えません。O5評議会自身の異常性や、彼らが世界の異常についてどれほど深く知っているのかなど、多くの謎が彼らを取り巻いています。彼らは人類を守るために絶対的な権力を行使しますが、その行動原理や最終目標についても様々な説が存在します。

情報文化:文書化と「SCP報告書」の形式

SCP財団の最も特徴的な文化の一つは、その徹底した文書化への執着です。発見、確保、収容された全ての異常存在には固有のSCP番号が割り当てられ、その詳細な情報が「SCP報告書」として記録されます。報告書には、オブジェクトクラス、特別収容プロトコル、説明(異常性の詳細)、発見経緯、補遺(実験記録、インシデントログ、インタビュー記録など)が記述されます。

これらの報告書は、財団内部の機密データベースで共有され、職員は自身のクリアランスレベルに応じてアクセスできます。この報告書形式が、SCPユニバースの物語の主要な媒体となっています。報告書は通常、客観的で科学的なトーンで書かれていますが、異常の恐ろしさや奇妙さを際立たせるために、検閲[データ削除済]や[編集済]といった情報の欠落が意図的に挿入されることが多々あります。これにより、読者は財団の機密文書を覗き見ているかのような感覚を味わい、異常の全体像が見えないことによる恐怖や好奇心を刺激されます。

ユーモアとブラックユーモア

SCP財団の世界は非常にシリアスで暗い側面が多いですが、その広大な物語の中には独特のユーモアやブラックユーモアも存在します。あまりにも奇妙で非日常的な状況、シュールな異常性を持つオブジェクト、職員たちの過酷な環境下での皮肉なやり取りなどにそれが現れます。このユーモアは、異常という圧倒的な脅威に直面する職員たちのストレスや、非日常が日常となってしまった財団という組織の歪みを描写する上で、物語に独特な味を加えています。

SCPユニバースの魅力:共同創造が紡ぎ出す無限の物語

SCP財団の世界が世界中の多くの人々を惹きつけてやまない最大の理由は、そのユニークな共同創造のあり方と、そこから生まれる物語の無限の多様性です。

創作コミュニティ:SCP財団Wiki

SCP財団は、オンライン上の共同創作コミュニティであるSCP財団Wiki(http://www.scp-wiki.net/ および様々な言語の国際支部)を中心に展開しています。このWikiでは、世界中のファンが財団の世界観に基づいた新たなSCPオブジェクトの報告書、GoIフォーマット(他の組織の視点からの文書)、そして財団やオブジェクトに関する様々な物語(Tale)を自由に執筆し、投稿することができます。コミュニティメンバーによる厳しい審査プロセスを経て承認された作品がWikiに追加され、SCPユニバースの一部となります。

このオープンな参加形態が、SCPの世界を常に新鮮で、予測不可能で、驚くほど創造的なものに保っています。誰でも「SCP-███」を生み出す可能性があり、その数が数千、数万と増えるにつれて、世界観はどんどん豊かになっていきます。

物語の多様性

共同創造によって生まれたSCPユニバースの物語は、単なるホラーに留まりません。もちろん、SCP-173やSCP-096のような古典的なクリーチャーホラーは多数存在しますが、それ以外にも、時間を操作するSCP、異次元へのポータル、概念的な存在、認識災害を引き起こす情報、感情を持つ物体など、異常性の種類に応じて物語のジャンルも多岐にわたります。SF、ファンタジー、ミステリー、コメディ、パロディ、心理スリラー、人間ドラマなど、あらゆる種類の物語がSCPオブジェクトや財団職員を題材として描かれています。

深まる世界観と相互接続性

個々のSCP報告書は独立した短編物語のような側面を持ちますが、多くの作者が意図的に他のSCPオブジェクト、GoI、あるいは財団内部の特定の出来事や職員に言及することで、SCPユニバース全体の世界観が有機的につながり、深まっていきます。あるオブジェクトの実験記録が別のオブジェクトの収容プロトコルに影響を与えたり、あるGoIの活動が複数のSCPオブジェクトの出現に関わっていたりすることが示唆されたりします。こうした相互接続性(Crosslinks)が、読者により広大で複雑な世界を感じさせ、探求心を刺激します。

「報告書」形式の魅力

SCP報告書形式は、物語を伝える上で非常に効果的です。冷徹で客観的なトーン、情報の欠落、専門用語の使用などが、異常性のリアリティと同時に、それが人間の理解や制御を超えたものであるという感覚を強調します。読者は、断片的な情報から異常の全体像を推測し、その恐怖や奇妙さを想像する余地が大きく残されています。これは、受動的に物語を受け取るのではなく、積極的に世界を「読み解こう」とする独特の読書体験を生み出します。

恐怖と好奇心:未知への誘い

SCP財団の世界の根底にあるのは、未知なるものに対する人間の根源的な感情です。説明のつかない異常な存在は恐ろしく、それ自体が脅威となります。しかし同時に、それが何なのか、どこから来たのか、どうすれば理解できるのかを知りたいという強い好奇心も掻き立てられます。財団の研究者たちは、まさにこの探求心に駆り立てられて、危険な異常存在の研究に身を投じます。読者もまた、SCP報告書を読むことで、この恐怖と好奇心の両方を同時に体験することができます。

まとめ:影から世界を見守る、終わりなき戦い

SCP財団は、世界の裏側で静かに、しかし絶え間なく活動している秘密組織です。彼らは、人類文明の安定と安全を脅かす、おびただしい数の「SCPオブジェクト」を確保し、収容し、保護することを至上命題としています。その活動はしばしば冷徹で非人道的であり、多くの犠牲を伴いますが、彼らはそれがより多くの人々を守るために必要であると信じています。

財団の構造は巨大で複雑であり、世界中に張り巡らされた施設と、様々な役割を担う数多くの職員(研究者、エージェント、セキュリティ、MTF、そしてDクラス職員)によって支えられています。彼らの活動はO5評議会の絶対的な指令の下で行われ、倫理委員会による監視を受けながらも、世界の安全のためには非情な決断を下すこともあります。

SCPオブジェクトは生物、物体、場所、現象、概念など、あらゆる形態を取り得ます。それぞれがユニークで想像を超える異常な性質を持ち、財団はそれぞれの性質に合わせた厳格な特別収容プロトコルを策定・実行することで、それらを管理下に置いています。彼らは他のGoIと協力したり、競争したり、敵対したりしながら、異常世界の複雑な力学の中でバランスを保っています。

SCP財団ユニバースは、世界中のファンによる共同創作によって生み出された、驚異的な多様性と深みを持つ物語世界です。数多くのSCP報告書や関連物語を通じて、読者はホラー、SF、ファンタジー、ミステリーなど様々なジャンルの物語に触れるとともに、財団という組織の知られざる姿や、人類を巡る異常な脅威との終わりのない戦いを知ることができます。

SCP財団の物語は、未知なるものへの恐怖と、それを理解し制御しようとする人間の知性の探求を描いています。彼らが影から見守り続ける世界は、私たちが知る平穏な世界のすぐ裏側にあるのかもしれません。

もしあなたがこの世界の謎に魅せられたのなら、ぜひSCP財団Wikiの門を叩いてみてください。そこに広がる異常な存在たちの記録は、あなたの好奇心を刺激し、世界の本当の姿について考えさせられる、忘れられない体験となるでしょう。ただし、読む際には十分なご注意を。一度知ってしまった事実は、もはや消し去ることができないのですから。


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