はい、承知いたしました。Photoshopで画像を丸く切り抜く方法について、約5000語の詳細な記事を作成します。
簡単!Photoshopで丸いカタチに切り抜く方法まとめ
写真や画像を円形に切り抜きたいと思ったことはありませんか? プロフィール写真やWebサイトのデザイン、SNS投稿など、様々な場面で丸いカタチの画像は活躍します。
Photoshopを使えば、この「丸く切り抜く」という作業が非常に簡単かつ高精度に行えます。しかし、「Photoshopは難しそう…」と感じる方もいるかもしれません。
ご安心ください! この記事では、Photoshopを使って画像を丸いカタチに切り抜くための、最もポピュラーで簡単な方法を、初心者の方でも迷わないように、ステップごとに、そしてとことん詳細に解説していきます。約5000語という大ボリュームで、それぞれのツールの役割や操作のコツ、そして応用方法まで網羅します。
この記事を最後まで読めば、あなたはPhotoshopで思い通りの丸い画像を作成できるようになるはずです。さあ、一緒にPhotoshopの世界に飛び込みましょう!
はじめに:なぜ画像を丸くするの?
デジタルデザインの世界では、四角い画像が最も一般的ですが、丸い画像も非常に重要な役割を果たします。
- 親しみやすさ: 丸いカタチは視覚的に優しく、親しみやすい印象を与えます。人の顔(プロフィール写真など)を表示する際にも、角がない丸いフレームは柔らかさを演出し、被写体への注目を集めやすくなります。
- デザイン性: レイアウトに丸い要素を取り入れることで、単調になりがちなデザインにリズムやアクセントを加えることができます。四角と丸を組み合わせることで、モダンで洗練された印象を与えることも可能です。
- 用途の広がり: SNSのプロフィールアイコン、Webサイトのアバター画像、ブログ記事の挿絵、プレゼンテーションのスライドなど、様々な場面で円形画像が使用されます。
この記事では、これらの美しい円形画像をPhotoshopでいかに簡単に作るかに焦点を当てていきます。
Photoshopで丸く切り抜くための3つの主要な方法
Photoshopには、目的や画像の扱い方に応じていくつかの「丸く切り抜く」方法があります。主なものは以下の3つです。
- 選択ツール(楕円形選択ツール)を使う方法: 最も基本的で直感的な方法です。選択範囲を作成し、その範囲を使って画像を切り抜きます。
- シェイプツール(楕円形ツール)を使う方法: 図形(シェイプ)を使ってマスクを作成する方法です。ベクターデータとして扱えるため、拡大・縮小しても画質が劣化しないという利点があります。
- レイヤーマスクを徹底活用する方法: 選択範囲やシェイプを使って「見せる部分」「隠す部分」を指定する方法です。元の画像を保持したまま編集できる(非破壊編集)ため、後から修正しやすいという最大のメリットがあります。
この記事では、これらの方法をそれぞれ詳しく見ていきます。まずは、どの方法でも共通して行う「事前準備」から始めましょう。
事前準備:Photoshopを起動し、画像を開く
Photoshopで作業を始める前に、いくつかの準備が必要です。
- Photoshopの起動: PCにインストールされているPhotoshopアプリケーションを起動します。
- 画像を開く:
- メニューバーの「ファイル(File)」>「開く(Open)」を選択し、丸く切り抜きたい画像ファイルを選んで「開く」をクリックします。
- または、画像ファイルをPhotoshopのアイコンやウィンドウ上にドラッグ&ドロップしても開けます。
画像が開かれると、Photoshopのウィンドウの中央にタブとして表示されます。これがあなたの編集したい画像です。
レイヤーの確認と準備
画像を開くと、通常「レイヤーパネル」には「背景(Background)」という名前のレイヤーが一つだけ表示されます。この「背景」レイヤーは特殊で、透明部分を持つことができません。丸く切り抜いて、周囲を透明にしたい場合は、この「背景」レイヤーを通常のレイヤーに変換する必要があります。
- 背景レイヤーを変換する方法:
- レイヤーパネルで「背景」レイヤーをダブルクリックします。
- 「新規レイヤー(New Layer)」ダイアログが表示されます。名前を任意のものに変更できますが、デフォルトの「レイヤー 0(Layer 0)」のままでも構いません。「OK」をクリックします。
- レイヤーの名前が「レイヤー 0」などに変わり、背景レイヤーの鍵アイコン🔒が消えたことを確認してください。これで、このレイヤーは透明部分を持つことができる通常のレイヤーになりました。
ポイント: もし開いた画像がすでに複数のレイヤーを持っていたり、背景レイヤーになっていない(最初からレイヤー 0 などになっている)場合は、この変換作業は不要です。
これで、Photoshopで画像を丸く切り抜くための準備が整いました。次に、具体的な方法を一つずつ見ていきましょう。
方法1:選択ツール(楕円形選択ツール)を使う基本的な方法
この方法は、Photoshopの最も基本的な機能の一つである「選択範囲」を利用します。直感的で分かりやすいため、初心者の方にもおすすめです。
ステップ 1: 楕円形選択ツールを選ぶ
Photoshopのツールパネル(通常、ウィンドウの左側にあります)から「楕円形選択ツール(Elliptical Marquee Tool)」を選択します。
- もしツールパネルに「長方形選択ツール(Rectangular Marquee Tool)」が表示されている場合は、そのツールのアイコンを長押し(または右クリック)すると、隠れているツールが表示されます。そこから「楕円形選択ツール」を選んでください。
- ツールのアイコンは、点線の四角の中に円や楕円が描かれた形をしています。
ステップ 2: 丸く切り抜きたい範囲を選択する
選択ツールを選んだら、キャンバス上の画像をドラッグして、丸く切り抜きたい範囲を指定します。
- ドラッグで選択範囲を作成: 画像上でマウスをクリックし、対角線上にドラッグします。すると、クリックした位置を開始点、ドラッグを終えた位置を終了点とする長方形に内接する形で、楕円形の選択範囲が作成されます。
- 真円を作成する(重要!): きれいな「丸」(正円)を作成したい場合は、ドラッグを開始する際に Shiftキーを押しながら ドラッグしてください。Shiftキーを押している間は、横縦比が固定され、真円の選択範囲になります。
- 中心から選択範囲を作成する: ドラッグを開始する際に Altキー(Macの場合はOptionキー)を押しながら ドラッグすると、クリックした位置を中心として選択範囲が作成されます。ShiftキーとAltキー(Optionキー)を同時に押しながらドラッグすれば、クリックした位置を中心とした真円を作成できます。これが最もコントロールしやすい方法です。
- 選択範囲の確認: 選択範囲は、点線が波のように動く「パス」または「マーキー」として表示されます(通称「 marching ants / 行進するアリ」)。この点線の内側が、現在選択されている範囲です。
ステップ 3: 選択範囲を調整する(必要な場合)
一度作成した選択範囲の位置やサイズを調整したい場合があります。
- 選択範囲を移動する: 楕円形選択ツールを選んだまま、選択範囲の内側にマウスカーソルを合わせます。 すると、カーソルが矢印の形に変わります。この状態でドラッグすると、作成した選択範囲全体を移動させることができます。
- 選択範囲を変形する(Photoshop CC以降の機能): 選択範囲をアクティブにした状態で、メニューバーの「選択範囲(Select)」>「選択範囲を変形(Transform Selection)」を選択します。すると、選択範囲の周りにバウンディングボックス(変形ハンドル付きの枠)が表示されます。これをドラッグしたり、ShiftキーやAltキー(Optionキー)を押しながら操作することで、選択範囲のサイズや形、位置を自由に変形できます。変形が終わったら、Enterキーを押すか、オプションバーのチェックマーク✔をクリックして確定します。
ステップ 4: 選択範囲の境界線を滑らかにする(フェザー)
丸く切り抜いた境界線がギザギザしたり、あまりにクッキリしすぎるのを避けたい場合は、「フェザー(Feather)」という設定を使用します。フェザーを適用すると、選択範囲の境界線がぼかされ、滑らかな切り抜きになります。
- フェザーを設定する方法: 楕円形選択ツールを選んだ状態で、Photoshopウィンドウの上部に表示されるオプションバーを確認してください。「ぼかし(Feather)」という項目があります。ここにピクセル単位で数値を入力します。例えば「5 px」と入力すると、境界線から内側と外側にそれぞれ5ピクセルずつ(合計10ピクセル幅で)ぼかしがかかります。
- いつ設定する? フェザーは、選択範囲を作成する前 にオプションバーで設定するのが一般的です。一度選択範囲を作成した後でフェザーを適用したい場合は、メニューバーの「選択範囲(Select)」>「選択範囲を変更(Modify)」>「境界をぼかす(Feather…)」から行うこともできますが、事前の設定がおすすめです。
- プレビュー: フェザーの量は、実際に切り抜いたりマスクを適用したりするまで視覚的に確認しにくいことがあります。最初は小さめの数値(1px~5px程度)で試してみて、必要に応じて調整しましょう。
ステップ 5: 選択範囲を使って画像を「切り抜く」
選択範囲ができたら、いよいよこの丸い形を使って画像を抽出します。これにはいくつか方法があります。
方法 5-A: 選択範囲をコピー&ペーストする(新しいレイヤーに抽出)
これが最もシンプルで、元の画像をそのまま残しつつ丸い部分だけを取り出す方法です。
- 丸い選択範囲がアクティブになっていることを確認します。
- メニューバーの「編集(Edit)」>「コピー(Copy)」を選択します(ショートカットキー:Ctrl+C / Cmd+C)。これにより、選択範囲内の画像データがクリップボードにコピーされます。
- メニューバーの「編集(Edit)」>「ペースト(Paste)」を選択します(ショートカットキー:Ctrl+V / Cmd+V)。
- すると、新しいレイヤー(通常「レイヤー 1(Layer 1)」など)が作成され、そのレイヤーに先ほどコピーした丸い画像がペーストされます。元の画像があるレイヤーの下にこの新しいレイヤーが配置されます。
- 元の画像レイヤー(背景を変換した「レイヤー 0」など)の目のアイコン👁をクリックして非表示にすると、丸く切り抜かれた画像だけが表示されます。選択範囲の外側は透明になっています。
方法 5-B: 選択範囲の外側を削除する(元のレイヤーを編集 – 非破壊ではない)
この方法は元の画像の不要な部分(選択範囲の外側)を直接削除します。元の画像に戻せなくなる可能性があるため、作業前にレイヤーを複製しておくと安全です。
- 丸い選択範囲がアクティブになっていることを確認します。
- 選択範囲を反転します。 メニューバーの「選択範囲(Select)」>「選択範囲を反転(Inverse)」を選択します(ショートカットキー:Shift+Ctrl+I / Shift+Cmd+I)。これにより、先ほどの丸い選択範囲の外側全体が新しく選択されます。
- Deleteキーを押します。選択範囲(丸の外側)にある画像データが削除され、透明になります。
- 選択範囲を解除します。メニューバーの「選択範囲(Select)」>「選択を解除(Deselect)」を選択します(ショートカットキー:Ctrl+D / Cmd+D)。
この方法では、元のレイヤーのピクセル情報が直接編集されます。一度削除した部分は基本的に元に戻せません(ヒストリーである程度は戻れますが)。「非破壊編集」ではないため、あまり推奨されません。次にご紹介するレイヤーマスクを使う方法が、より柔軟で安全です。
方法 5-C: 選択範囲を使ってレイヤーマスクを作成する(非破壊編集 – 推奨!)
Photoshopで最も強力な機能の一つが「レイヤーマスク」です。これはレイヤーの一部を「見せる(白)」「隠す(黒)」「半透明にする(グレー)」ことで、画像の表示範囲をコントロールするものです。この方法を使えば、いつでもマスクを編集して表示範囲を変えたり、マスクを無効/削除して元の画像に戻したりできます。
- 丸い選択範囲がアクティブになっていることを確認します。
- 丸くしたい画像が含まれているレイヤー(通常「レイヤー 0」など)を選択していることを確認します。
- レイヤーパネルの下部にある 「レイヤーマスクを追加(Add layer mask)」アイコン (長方形の中に丸が描かれたアイコン、日本の国旗のようなアイコンです)をクリックします。
- すると、選択していたレイヤーのサムネイルの右側に、白黒のサムネイル(レイヤーマスク)が追加されます。選択範囲の内側が白く(=表示される)、選択範囲の外側が黒く(=隠される)なっているはずです。
- これにより、画像の丸い部分だけが表示され、外側は透明になります。選択範囲は自動的に解除されます。
この方法の最大のメリットは、元の画像データがそのまま残っていることです。 レイヤーパネルでレイヤーマスクのサムネイルを選択し、ブラシツールなどで黒や白で塗ることで、後から表示範囲を細かく調整することも可能です。また、Shiftキーを押しながらレイヤーマスクのサムネイルをクリックすると、マスクを一時的に無効にして元の画像全体を表示できます。
ステップ 6: 結果を保存する(透明部分を保持するにはPNG形式!)
丸く切り抜いた画像を、周囲の透明部分を保持したまま保存するには、保存形式に注意が必要です。JPEG形式は透明部分をサポートしていないため、透明な部分は白く塗りつぶされてしまいます。
-
透明部分を保持して保存する方法:
- メニューバーの「ファイル(File)」>「書き出し(Export)」>「書き出し形式(Export As…)」を選択します。
- 表示されるダイアログで、形式(Format)を「PNG」に設定します。
- 「透明(Transparency)」のチェックボックスにチェックが入っていることを確認します。
- 必要に応じてサイズなどを調整し、「すべて書き出し(Export All)」または「書き出し(Export)」をクリックします。
- 保存場所を指定し、ファイル名を入力して「保存」をクリックします。
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(旧バージョンや他の保存方法) 「ファイル(File)」>「別名で保存(Save As…)」を選択し、形式(Format)を「PNG (*.PNG)」として保存する方法もあります。この場合も「透明」は自動的に保持されます。
方法1(選択ツール)のまとめとメリット・デメリット
メリット:
- 操作が直感的で分かりやすい。
- 最も基本的なツールを使うため、初心者でも取り組みやすい。
- コピー&ペーストを使えば、元の画像をそのままに新しい丸い画像を作成できる。
- レイヤーマスクと組み合わせることで、非破壊編集も可能。
デメリット:
- 正確な真円や中心合わせは、ドラッグ操作だけでは少し難しい場合がある(Shift+Alt/Optionや選択範囲を変形を使う必要がある)。
- 選択範囲自体はピクセルベースのため、作成後に拡大・縮小すると境界線が劣化する可能性がある(レイヤーマスクと組み合わせれば回避可能)。
- 境界線のぼかし(フェザー)は、選択範囲作成時またはマスク適用時に設定する必要がある。
この方法1は、手軽にサッと丸くしたい場合に非常に便利です。次に、よりデザイン的なコントロールがしやすい方法を見ていきましょう。
方法2:シェイプツール(楕円形ツール)を使う方法
この方法は、Photoshopの「シェイプ」機能を利用します。シェイプはパス(ベクターデータ)として扱われるため、拡大・縮小しても画質が劣化しません。これにより、高解像度で出力する場合などにもきれいに丸い形を保つことができます。
ステップ 1: 楕円形ツールを選ぶ
Photoshopのツールパネルから「楕円形ツール(Ellipse Tool)」を選択します。
- シェイプツールは、ツールパネルで長方形ツールなどが表示されているグループの中にあります。長押し(または右クリック)して「楕円形ツール」を選んでください。
- ツールのアイコンは、塗りつぶされた楕円形のような形をしています。
ステップ 2: オプションバーの設定を確認する
楕円形ツールを選んだら、Photoshopウィンドウの上部に表示されるオプションバーが非常に重要です。
- モード(Mode): ドロップダウンメニューで「シェイプ(Shape)」が選択されていることを確認してください。「パス(Path)」や「ピクセル(Pixels)」になっていると、意図した結果になりません。
- 塗り(Fill): シェイプの塗りつぶし色を設定します。何色でも構いませんが、後で画像を見やすくするために明るい色にしておくと良いでしょう。
- 線(Stroke): シェイプの境界線(線)を設定します。なし(斜線が入った四角)にしておくのが一般的ですが、ここで線の太さや色を設定することも可能です。
- その他: 歯車アイコン⚙をクリックすると、シェイプの作成方法に関する設定(中心から、縦横比を固定など)が表示されます。ここで「中心から(From Center)」や「正方形/正円(Square/Circle)」にチェックを入れておくと、ステップ3での描画が楽になります。
ステップ 3: 丸いシェイプを作成する
設定を確認したら、キャンバス上でドラッグして丸いシェイプを作成します。
- ドラッグで作成: 画像上でクリックし、ドラッグします。塗りつぶされた楕円形のシェイプが描画されます。新しいシェイプレイヤーがレイヤーパネルに自動的に作成されます。
- 真円を作成する(重要!): 方法1と同様に、Shiftキーを押しながら ドラッグすると真円になります。
- 中心から作成する: 方法1と同様に、Altキー(Macの場合はOptionキー)を押しながら ドラッグすると、クリックした位置を中心としたシェイプになります。
- 中心から真円を作成: ShiftキーとAltキー(Optionキー)を同時に押しながら ドラッグすると、クリックした位置を中心とした真円のシェイプを作成できます。これが最もおすすめです。
- 作成後の調整: シェイプを描画した後でも、ツールパネルの「移動ツール(Move Tool)」(ショートカットキー:V)を使ってシェイプを移動させたり、Ctrl+T (Cmd+T)のフリー変形を使ってサイズや形を変形させたりできます。フリー変形中もShiftキーで縦横比固定、Alt/Optionキーで中心からの変形が可能です。
作成したシェイプを、切り抜きたい画像の「丸いフレーム」として利用します。シェイプは、丸く表示させたい画像の範囲を覆うように配置・調整してください。
ステップ 4: シェイプを使って画像を「切り抜く」(マスクとして利用)
作成したシェイプをマスクとして利用することで、そのシェイプの形に沿って画像を切り抜いたように見せることができます。これには主に2つの方法があります。
方法 4-A: クリッピングマスクとして利用する(最も簡単!)
この方法は、作成したシェイプレイヤーの上に、丸く切り抜きたい画像レイヤーを配置し、画像レイヤーをシェイプレイヤーの形に「クリップ」させる方法です。
- レイヤーパネルで、丸く切り抜きたい画像レイヤー(通常「レイヤー 0」など)が、作成した楕円形のシェイプレイヤーの すぐ上に 配置されていることを確認します。もし違う場合は、ドラッグして順番を入れ替えてください。
- 画像レイヤーを選択します。
- 画像レイヤーとシェイプレイヤーの間の境界線にマウスカーソルを合わせます。
- Altキー(Macの場合はOptionキー)を押しながら、 この境界線をクリックします。
- すると、画像レイヤーのサムネイルの左側に下向きの矢印が表示され、シェイプレイヤーが少しインデント(字下げ)されます。これでクリッピングマスクが適用されました。
- 画像が下のシェイプの形(丸)に沿って表示され、シェイプの外側は自動的に透明になります。
クリッピングマスクのメリット:
- 非常に簡単に適用できる。
- 元の画像レイヤーもシェイプレイヤーも、それぞれ独立して移動や変形ができる。丸い範囲を後から簡単に変更したり、画像の表示位置を調整したりするのが非常に楽。
- 完全に非破壊な方法。いつでもAltキー(Optionキー)を押しながら境界線を再度クリックすれば、クリッピングマスクを解除して元に戻せます。
- シェイプの線(Stroke)機能を使えば、簡単に丸い境界線(フチ)を付けることができる(応用編で詳しく解説)。
方法 4-B: シェイプをパス/選択範囲に変換してレイヤーマスクにする
方法1のステップ5-Cで解説したレイヤーマスク作成と組み合わせる方法です。シェイプのパス情報を使って正確な選択範囲を作成し、それをマスクとして適用します。
- 作成した楕円形のシェイプレイヤーを選択します。
- Ctrlキー(Macの場合はCmdキー)を押しながら、レイヤーパネルにあるそのシェイプレイヤーのサムネイル(レイヤーの名前の左側にある、丸のアイコンが表示されている部分)をクリックします。
- すると、そのシェイプの形に沿った正確な選択範囲が作成されます。
- 丸く切り抜きたい画像レイヤー(通常「レイヤー 0」など)を選択します。
- レイヤーパネルの下部にある「レイヤーマスクを追加(Add layer mask)」アイコンをクリックします。
- 選択範囲の内側が白く塗られたレイヤーマスクが適用され、画像が丸く表示されます。
- 用済みになったシェイプレイヤーは非表示にするか削除しても構いません(シェイプ自体はもう不要)。
この方法のメリット:
- シェイプの正確なパス情報に基づいた、ピクセルずれのない選択範囲を作成できる。
- 作成されるのは通常のレイヤーマスクなので、方法1で解説したマスク編集のテクニックがそのまま使える。
デメリット:
- 一度マスクを作成すると、シェイプ自体との直接的な関連はなくなります。後から丸のサイズや位置を正確に変更したい場合は、マスクを編集するか、再度シェイプから選択範囲を作成し直す必要があります(クリッピングマスクよりは柔軟性が低い)。
ステップ 5: 結果を保存する(透明部分を保持するにはPNG形式!)
方法1と同様に、透明部分を保持したい場合はPNG形式で保存してください。
方法2(シェイプツール)のまとめとメリット・デメリット
メリット:
- ベクターベースのシェイプを使うため、拡大・縮小しても境界線が劣化しない。
- 正確な真円やサイズ、位置の調整が、フリー変形などで容易に行える。
- 特にクリッピングマスクを利用すると、元の画像もシェイプも独立して編集でき、後からの修正が非常に簡単(非破壊編集の代表的な方法)。
- シェイプの線機能やレイヤースタイルを使えば、フチの追加が簡単。
デメリット:
- 方法1の選択ツールよりは、ツールの設定(モードなど)に気を配る必要がある。
- ピクセルのぼかし(フェザー)を適用するには、シェイプ自体ではなく、画像レイヤーやそのマスクに対して行う必要がある。
デザインの柔軟性や編集のしやすさを重視するなら、方法2のシェイプツール(特にクリッピングマスク)が非常に強力でおすすめです。
方法3:レイヤーマスクを徹底活用する方法
ここまででもレイヤーマスクは何度か登場しましたが、レイヤーマスクそのものに焦点を当てて、そのパワーを最大限に引き出す方法を改めて解説します。レイヤーマスクは、非破壊編集の核となる機能であり、最もプロフェッショナルなワークフローで利用されます。
レイヤーマスクとは? なぜ使うの?
- レイヤーマスク: レイヤーに付属させる白黒(およびグレー)の画像のことです。レイヤーマスクの白い部分は、対応するレイヤーのピクセルを「表示」し、黒い部分は「隠し」、グレーの部分は「半透明」にします。
- 非破壊編集: マスクは、元のレイヤーのピクセル情報を物理的に削除するわけではありません。単に表示・非表示をコントロールしているだけです。そのため、いつでもマスクを編集したり無効にしたりして、元の画像データを取り戻すことができます。これは、試行錯誤しながら編集を進めたい場合に非常に重要です。
- 柔軟性: マスクはブラシツールやグラデーションツールなどを使って直接編集できます。これにより、選択範囲では難しい複雑な形状や、滑らかな境界線の調整が可能になります。
画像を丸く切り抜くという点では、方法1や方法2で紹介した「選択範囲からマスクを作成する」「シェイプからマスクを作成する」が主なアプローチになりますが、ここではマスクをより意識した使い方や、応用的なマスク編集について補足します。
レイヤーマスクを作成する基本的な流れ(おさらい)
- 丸く切り抜きたい画像レイヤーを選択します。
- レイヤーパネル下部の「レイヤーマスクを追加」アイコンをクリックします。
- 何も選択範囲が作られていない場合: 全面が白いマスクが追加され、画像全体が表示されたままになります。
- 選択範囲が作られている場合: 選択範囲の内側が白、外側が黒のマスクが追加され、選択範囲の部分だけが表示されます。
- マスクが追加されたら、そのサムネイル(レイヤーサムネイルの右側)をクリックして選択します。これで、これから行う編集(ブラシツールなど)は画像本体ではなくマスクに対して行われます。
- ツールパネルで描画色を「黒」に設定し、ブラシツールなどでマスクを塗ると、塗った部分の画像が隠されます(透明になります)。
- 描画色を「白」に設定し、マスクを塗ると、隠されていた部分の画像が表示されます。
- 描画色を「グレー」に設定し、塗ると、塗った部分が半透明になります。
丸いレイヤーマスクを作成する具体的な方法(マスクの編集)
もし最初に全面白いマスクを作成してしまった場合でも、後から丸いマスクに編集できます。
- 画像レイヤーを選択し、レイヤーマスクを追加します(全面白のマスク)。
- ツールパネルから「楕円形選択ツール」を選びます。
- 丸く表示させたい範囲を、Shift+Alt/Optionキーなどを使いながら正確に選択します。
- レイヤーパネルで、追加したレイヤーマスクのサムネイルをクリックして選択状態にします(これが重要です! 画像本体のサムネイルを選択したままにしないこと)。マスクサムネイルの周りに枠が表示されます。
- 描画色を「黒」に設定します。
- メニューバーの「編集(Edit)」>「塗りつぶし(Fill…)」を選択します。
- 「内容(Contents)」を「描画色(Foreground Color)」(黒)に設定し、「OK」をクリックします。
- 選択範囲の内側が黒く塗りつぶされます。
- 選択範囲を反転します(Shift+Ctrl+I / Shift+Cmd+I)。
- 再度「編集(Edit)」>「塗りつぶし(Fill…)」を開き、「内容(Contents)」を「白」に設定し、「OK」をクリックします。
- 選択範囲の内側(最初の丸の外側)が白く塗りつぶされます。
- 選択を解除します(Ctrl+D / Cmd+D)。
これで、丸い部分が白く(表示)、外側が黒く(隠す)塗られたマスクが完成し、画像が丸く切り抜かれたように見えます。
より簡単な手順:
全面白いマスクを作成した後、丸い選択範囲を作成し、その選択範囲がアクティブな状態で、描画色を黒にしてDeleteキーを押す方が直感的かもしれません。選択範囲の内側が黒く塗られて隠されます。丸の外側を表示させたいのであれば、選択範囲を作成した後に反転してから黒で塗りつぶすか、選択範囲の内側を白で塗りつぶし、外側を黒で塗りつぶす必要があります。
結局のところ、レイヤーマスクの白い部分が表示され、黒い部分が隠れるというルールを理解すれば、どのような方法でマスクの白黒を描画しても構いません。
レイヤーマスクの応用:境界線のぼかし(フェザー)の調整
方法1では選択範囲作成時にフェザーを設定しましたが、レイヤーマスクの場合は後からいつでも調整できます。
- 丸いレイヤーマスクが適用されているレイヤーを選択します。
- レイヤーパネルで、レイヤーマスクのサムネイルをクリックして選択状態にします。
- 「プロパティ(Properties)」パネルを開きます。ウィンドウメニューから「ウィンドウ(Window)」>「プロパティ(Properties)」を選択してください。
- プロパティパネルに、マスクに関する設定が表示されます。ここに「ぼかし(Feather)」というスライダーまたは数値入力欄があります。
- この「ぼかし」の数値を調整することで、マスクの境界線を滑らかにしたり、よりシャープにしたりできます。スライダーを動かすたびに結果がリアルタイムで反映されるので、プレビューを見ながら最適な数値を見つけやすいです。
方法3(レイヤーマスク)のまとめとメリット・デメリット
メリット:
- 究極の非破壊編集。いつでも元に戻したり、表示範囲を調整したりできる。
- 選択範囲やシェイプだけでなく、ブラシツールなどで手動でマスクを編集できるため、最も複雑な切り抜き形状にも対応可能。
- マスクのぼかし(フェザー)を後からいつでも調整できる。
- プロフェッショナルなワークフローの基本。
デメリット:
- マスクの概念を理解する必要があるため、初心者には少し難しく感じられるかもしれない。
- 作業ステップが、単純なコピー&ペーストに比べて多くなる場合がある。
レイヤーマスクは、Photoshopの機能を深く理解し、柔軟な編集を行いたい場合に不可欠な技術です。丸く切り抜くというシンプルな作業であっても、マスクを活用することで後からの修正が容易になります。
応用編:さらにステップアップ!
基本的な丸く切り抜く方法をマスターしたら、さらに一歩進んだテクニックを覚えましょう。
円形の周りに境界線(フチ)を付ける
丸く切り抜いた画像の周りに、線やフチを付けて飾りたいことがあります。これは「レイヤースタイル(Layer Style)」の「境界線(Stroke)」機能を使うのが最も簡単です。
- 丸く切り抜かれた画像があるレイヤー(レイヤーマスクが適用されているレイヤーや、クリッピングマスクを使っている場合は画像レイヤー)を選択します。
- レイヤーパネルの下部にある「fx」アイコン(レイヤースタイルの追加)をクリックし、メニューから「境界線(Stroke…)」を選択します。
- 「レイヤースタイル」ダイアログが表示されるので、「境界線」の項目を選択します(左のリストでクリック)。
- 設定項目:
- サイズ(Size): 線の太さをピクセル単位で設定します。
- 位置(Position): 線の位置を「外側(Outside)」「内側(Inside)」「中央(Center)」から選びます。通常、丸いフチをきれいに見せるには「外側」か「中央」が良いでしょう。
- 描画モード(Blend Mode): 通常は「標準(Normal)」で構いません。
- 不透明度(Opacity): 線の透明度を調整します。
- 塗りつぶしタイプ(Fill Type): 線の色を「カラー(Color)」「グラデーション(Gradient)」「パターン(Pattern)」から選べます。単色にする場合は「カラー」を選択します。
- カラー(Color): 「塗りつぶしタイプ」で「カラー」を選んだ場合に、線の色を設定します。カラーボックスをクリックして、好きな色を選んでください。
- 設定が終わったら「OK」をクリックします。
これにより、画像の丸い境界線の外側(または内側や中央)に、指定した色と太さの線が追加されます。レイヤースタイルは非破壊であり、いつでもダブルクリックして設定を変更したり、目のアイコンで表示/非表示を切り替えたりできます。
シェイプツール(クリッピングマスク)の場合の補足:
方法2でクリッピングマスクを使用した場合、画像レイヤーではなく、下のシェイプレイヤーにこの「境界線」のレイヤースタイルを適用することもできます。この場合、シェイプそのものに線がつく形になりますが、画像がシェイプにクリップされているため、画像の外側に線がついているように見えます。シェイプツールでシェイプ作成時にオプションバーで設定した「線」とは異なり、レイヤースタイルの境界線はパスに沿って正確に描画されるため、こちらの方がコントロールしやすいことが多いです。どちらの方法を使うかは、管理のしやすさで選ぶと良いでしょう。
切り抜く位置を正確に合わせる(中央揃えなど)
画像を丸く切り抜く際、特定の被写体や顔を円の中心に正確に配置したい場合があります。
- 方法A: 移動ツールとスマートガイドを使う:
- 丸い選択範囲を作成するか、丸いシェイプを作成し、画像をその範囲内に配置します。
- ツールパネルで「移動ツール(Move Tool)」を選択します。
- レイヤーパネルで、移動させたいレイヤー(画像レイヤーまたはシェイプレイヤー)を選択します。
- レイヤーをドラッグして移動させます。このとき、Photoshopの「スマートガイド(Smart Guides)」(メニューバーの「表示(View)」>「表示・非表示(Show)」>「スマートガイド(Smart Guides)」にチェックが入っている必要があります)が有効になっていると、他のオブジェクトやキャンバスの中央に近づいたときにピンクや緑色のガイドラインが表示され、中心を合わせやすくなります。
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方法B: 整列機能を使う:
- 丸い選択範囲を作成した場合は、その選択範囲をアクティブにしておきます。シェイプを使う場合は、シェイプレイヤーと画像レイヤーの両方を選択しておきます(Ctrl/Cmdを押しながらレイヤーパネルでクリック)。
- ツールパネルで「移動ツール」を選択します。
- オプションバーに「整列(Align)」のアイコンが表示されます。整列の基準を「選択範囲に整列(Align To: Selection)」または「カンバスに整列(Align To: Canvas)」から選びます。
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「水平方向中央に整列(Align Horizontal Centers)」アイコン(上下に並んだ縦の線)と「垂直方向中央に整列(Align Vertical Centers)」アイコン(左右に並んだ横の線)をクリックします。
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選択範囲を基準にする場合: 丸い選択範囲の中心に、選択したレイヤー(画像)の中心が来るように整列されます。
- カンバスを基準にする場合: 画像全体のカンバスの中心に、選択したレイヤー(画像またはシェイプ)の中心が来るように整列されます。
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方法C: ガイドを引く:
- メニューバーの「表示(View)」>「定規(Rulers)」を選択して定規を表示させます(ショートカットキー:Ctrl+R / Cmd+R)。
- 水平方向の定規(上部)から垂直方向にドラッグすると、青いガイド線が引けます。垂直方向の定規(左側)から水平方向にドラッグすると、青いガイド線が引けます。
- ガイドを引く際、画像や選択範囲、シェイプの中心などに近づけると吸着させることができます(メニューバーの「表示(View)」>「スナップ(Snap)」にチェックが入っている必要があります)。
- 円の中心となる位置に垂直・水平のガイドを交差させて引き、それを目印に選択範囲やシェイプ、画像を配置します。
これらの方法を組み合わせることで、より正確に狙った位置で画像を丸く切り抜くことができます。
フチをぼかす(境界線を滑らかにする)応用
方法1のフェザー設定と、方法3のマスクプロパティでのフェザー調整はすでに解説しましたが、マスクを使った場合にさらに細かく境界線を調整する方法があります。
- マスク自体にぼかしフィルターを適用する: レイヤーマスクのサムネイルを選択した状態で、メニューバーの「フィルター(Filter)」>「ぼかし(Blur)」>「ぼかし(ガウス)(Gaussian Blur…)」を選択します。半径の値を調整することで、マスクの白黒の境界線をぼかすことができます。これにより、非常に滑らかな透明度の変化を作り出すことが可能です。ただし、これはマスクのピクセルを直接編集するため、適用後の数値変更はガウスぼかしフィルターをスマートフィルターとして適用しない限りできません(レイヤーをスマートオブジェクトに変換してからマスクを追加するなど工夫が必要)。マスクプロパティのフェザー機能の方が、後からの調整はしやすいです。
- マスクの密度とぼかし: レイヤーマスクのプロパティパネルには「密度(Density)」という項目もあります。これを調整すると、マスク全体の透明度を変更できます。例えば密度を50%にすると、白く塗られた部分もグレーになり、画像が全体的に半透明になります。丸く切り抜くという目的ではあまり使いませんが、マスク機能の一部として覚えておくと役立ちます。
複数の画像を円形に配置する
複数の画像を丸く切り抜いて並べたい場合も、ここまでに解説した方法を繰り返すだけです。それぞれの画像に対して、独立したレイヤーで丸く切り抜く作業(特にレイヤーマスクやクリッピングマスクを使う方法)を行います。
- 各画像を別のレイヤーとして開くか、同じドキュメントに配置します。
- それぞれの画像レイヤーに対して、独立したレイヤーマスクを作成するか、その下に個別のシェイプレイヤーを配置してクリッピングマスクを適用します。
- それぞれの丸い画像レイヤーを、移動ツールで好きな位置に配置します。
非破壊編集の方法(マスクやクリッピングマスク)を使っていれば、後から個々の丸い画像のサイズや位置、フチの有無などを簡単に調整できます。
各方法の比較と使い分け
ここまで3つの主要な方法を見てきました。それぞれの方法には得意・不得意があります。状況に応じて最適な方法を選べるように、特徴を比較してみましょう。
| 方法 | 簡単さ | 柔軟性(後からの編集) | 非破壊性 | ベクター/ピクセル | 主な利用シーン |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.選択ツール(コピー&P) | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ (元の画像は残る) | ピクセル | とにかく早く丸い部分だけを取り出したい場合 |
| 1.選択ツール(マスク) | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ピクセル(マスク) | 選択範囲で位置を決めたいが、後からの調整も考慮したい |
| 2.シェイプツール(Cマスク) | ★★★★☆ (簡単) | ★★★★★ | ★★★★★ | ベクター(シェイプ) | 拡大縮小する可能性があり、デザインの柔軟性を重視する場合。フチを付けたい場合。 |
| 2.シェイプツール(マスク) | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ベクター→ピクセル | シェイプで正確な範囲を決め、通常のマスクとして扱いたい場合 |
| 3.レイヤーマスク(編集) | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ピクセル(マスク) | 複雑な形状のマスクや、マスク自体を徹底的に編集したい場合 |
簡単な使い分けの目安:
- 手軽さ最優先、元の画像は別に残す: 選択ツールでコピー&ペースト。
- 後から位置やサイズを自由に変えたい、フチも付けたい: シェイプツール+クリッピングマスク。
- 選択範囲で大まかに決めたいが、後からぼかしや微調整をしたい: 選択ツール+レイヤーマスク。
- ベクターの正確さで丸を決め、後からマスクとして編集したい: シェイプツールで選択範囲作成+レイヤーマスク。
- マスクの概念を理解しており、徹底的にマスクを制御したい: レイヤーマスクの白黒描画。
ほとんどの場合、「方法2:シェイプツール(特にクリッピングマスク)」または「方法1または2で選択範囲/シェイプを作り、レイヤーマスクを適用する」のが、非破壊で柔軟性が高く、おすすめです。
よくある質問とトラブルシューティング
Q1: 丸く切り抜いたのに、周りが透明にならず白や黒になります。
A1: これは透明部分をサポートしていないファイル形式(JPEGなど)で保存したためです。透明部分を保持するには、PNG形式で保存してください。「ファイル」>「書き出し」>「書き出し形式」を選び、形式をPNGに設定します。
Q2: きれいな真円になりません。
A2: 楕円形選択ツールや楕円形ツールで選択範囲やシェイプを作成する際に、Shiftキーを押しながらドラッグしていますか? Shiftキーを押すと、縦横比が固定され真円を描けます。また、クリックした位置を中心にして真円を描くには、ShiftキーとAltキー(MacはOptionキー)を同時に押しながらドラッグします。
Q3: 作成した選択範囲やシェイプが意図した位置にありません。
A3:
* 選択範囲の場合: 楕円形選択ツールを選んだまま、選択範囲の内側をドラッグすれば移動できます。より正確に移動・変形するには、「選択範囲」>「選択範囲を変形」を使います。
* シェイプの場合: 移動ツールを選び、シェイプレイヤーを選択してドラッグすれば移動できます。Ctrl+T (Cmd+T)でフリー変形も可能です。
Q4: 選択範囲やシェイプはできたのに、画像が切り抜かれません。
A4: 選択範囲やシェイプは「切り抜くための指示」や「マスクの元」であって、それ自体が画像を切り抜くわけではありません。選択範囲を作成した後にコピー&ペースト、選択範囲外の削除、またはレイヤーマスクの適用を行う必要があります。シェイプの場合は、クリッピングマスクとして利用するか、シェイプから選択範囲を作成してマスクにする必要があります。
Q5: 周りのフチがギザギザして滑らかではありません。
A5: これは境界線に「フェザー」が適用されていないか、適用量が不足しているためです。
* 選択ツールの場合: 選択範囲を作成する前に、オプションバーの「ぼかし(フェザー)」の値を設定します。
* レイヤーマスクの場合: マスクを選択し、プロパティパネルの「ぼかし」スライダーで調整します。
* シェイプ(クリッピングマスク)の場合: シェイプ自体はベクターなのでギザギザしません。フチを付ける場合はレイヤースタイルの境界線を使いますが、画像の境界線そのものをぼかしたい場合は、画像レイヤーにマスクを適用し、マスクのプロパティでフェザーをかけるのが良いでしょう。
Q6: レイヤーマスクを編集しようとしても、画像本体が編集されてしまいます。
A6: レイヤーパネルで、編集したいレイヤーのサムネイルと、その右にあるレイヤーマスクのサムネイルのどちらが選択されているか確認してください。マスクを編集するには、レイヤーマスクのサムネイルをクリックして選択状態にする必要があります。選択されているサムネイルの周りには枠が表示されます。
Q7: レイヤーパネルの「背景」レイヤーに鍵がかかっていて、レイヤーマスクが追加できません。
A7: 「背景」レイヤーは特殊なレイヤーで、透明部分を持つことができません。このレイヤーをダブルクリックして「新規レイヤー」に変換してください。鍵が外れ、レイヤーマスクなどが使えるようになります。
まとめと次のステップ
この記事では、Photoshopを使って画像を丸いカタチに切り抜く3つの主要な方法を、約5000語の詳細な解説とともにお届けしました。
- 選択ツール(楕円形選択ツール): 手軽に丸い選択範囲を作成し、コピー&ペーストやマスクで切り抜く基本的な方法。
- シェイプツール(楕円形ツール): ベクターの丸いシェイプを作成し、クリッピングマスクやマスクとして利用する、柔軟性の高い方法。
- レイヤーマスク: 切り抜きを非破壊で行い、後から編集できるプロフェッショナルな方法。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、どの方法を選ぶかは、作業の目的や必要な柔軟性によって異なります。
最もおすすめのワークフローは、シェイプツールで正確な丸い形を作成し、それをクリッピングマスクとして画像に適用する方法です。 これにより、いつでも丸のサイズや位置を調整でき、画像自体の位置も自由に動かせます。さらにレイヤースタイルで簡単にフチを付けることも可能です。
しかし、レイヤーマスクの概念はPhotoshopで非常に重要なので、選択ツールやシェイプからマスクを作成する方法、そしてマスク自体を編集する方法もしっかり理解しておくことを強くお勧めします。
さあ、これであなたはPhotoshopで画像を丸く切り抜くための知識を十分に身につけました。実際にPhotoshopを開いて、色々な画像を丸く切り抜いてみてください。最初はうまくいかなくても、何度か練習すればすぐに慣れるはずです。
丸い画像はデザインの可能性を広げます。この記事が、あなたのクリエイティブな活動の一助となれば幸いです。
Photoshopには、他にも様々な切り抜き方法やマスクの活用法があります。この「丸く切り抜く」という簡単な作業を通して、Photoshopのレイヤー、選択範囲、シェイプ、マスク、レイヤースタイルといった基本的ながらも強力な機能の使い方を学びました。ぜひ、これらを基礎として、Photoshopでの画像編集をさらに楽しんでいってください!
Happy Photoshopping!