【初心者向け】Isn’t She Lovely ギターコードと弾き方

【初心者向け】スティーヴィー・ワンダー「Isn’t She Lovely」を弾こう!ギターコードと演奏完全ガイド

はじめに:愛の歌をギターで奏でよう

ギターを始めたばかりの皆さんの練習は順調に進んでいますか?最初はFコードでつまずいたり、コードチェンジがうまくいかなかったり、いろいろな壁にぶつかることがあると思います。でも大丈夫、誰もが通る道です。そして、そんな練習のモチベーションを上げてくれるのが、「この曲を弾けるようになりたい!」という強い気持ちです。

世の中には数えきれないほどの素晴らしい曲がありますが、ギター初心者の方にもぜひ挑戦していただきたい、そして弾けるようになった時の喜びがひとしおの曲があります。それが、今回ご紹介するスティーヴィー・ワンダーの不朽の名曲、「Isn’t She Lovely」です。

この曲は、スティーヴィー・ワンダーが生まれたばかりの娘さんに捧げた、まさに愛に満ち溢れた一曲です。その温かいメロディーと歌詞は、聴く人の心を優しく包み込みます。そして、何よりもギターで弾くと、とても気持ちが良い!あの印象的なイントロから始まるこの曲は、弾き語りでも、インストゥルメンタルとしても楽しめる魅力を持っています。

「でも、難しそう…」そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、原曲のギター演奏にはハーモニクスという少し特殊な奏法が使われていますし、コードチェンジもいくつか出てきます。しかし、安心してください!この記事では、ギター初心者の皆さんでも「Isn’t She Lovely」を演奏できるようになるために、必要な情報を網羅的に、そして非常に丁寧に解説していきます。

  • 使われているコードの種類と押さえ方
  • 曲全体のコード進行
  • 初心者向けの簡単なストロークパターン
  • 少し慣れてきたら挑戦したいアルペジオ(指弾き)のパターン
  • コードチェンジをスムーズにする練習法
  • 曲全体の構成と各セクションの演奏ポイント
  • 練習を続けるためのヒント

この記事を最後まで読んで、実際にギターを手に取り、解説通りに練習を進めていけば、きっとあなたも「Isn’t She Lovely」を自信を持って演奏できるようになるはずです。さあ、愛娘への素晴らしいプレゼントとなったこの名曲を、あなたのギターで奏でてみましょう!

「Isn’t She Lovely」を知ろう:曲の基本情報

練習を始める前に、この曲についてもう少し詳しく知っておきましょう。曲の背景を知ることで、より感情を込めて演奏できるようになるかもしれません。

  • アーティスト: スティーヴィー・ワンダー (Stevie Wonder)
  • アルバム: 『キー・オブ・ライフ』 (Songs in the Key of Life)
  • 発表年: 1976年
  • ジャンル: ソウル、ファンク、R&B
  • 曲の背景: スティーヴィー・ワンダーが、1975年に生まれた娘のアイシャ(Aisha Morris)に捧げた曲です。曲の冒頭で聴こえる赤ちゃんの泣き声や産声は、実際にアイシャのものです。この個人的な、しかし普遍的な「愛」を歌った曲は、世界中で多くの人々に感動を与えました。
  • キー: Eメジャー
  • 特徴的なサウンド: イントロの印象的なハーモニクスを使ったギターリフ、スティーヴィーの伸びやかなボーカル、ハーモニカソロなど。

原曲はEメジャーキーで演奏されます。ギターでEメジャーキーの曲を弾くのは、比較的オープンコードが多く出てくるため、初心者の方にも取り組みやすいと言えます。ただし、セブンスコードやマイナーコードも登場するので、基本的なコードは一通り押さえられるようにしておくとスムーズです。

ギターコードをマスターしよう:登場するコードの種類と押さえ方

「Isn’t She Lovely」を演奏するために必要なコードは、いくつかありますが、初心者の方がまず覚えるべきは主要なコードです。この曲で頻繁に使われるコードを中心に、一つずつ丁寧にご説明します。

ギターコードの押さえ方を説明する際は、以下のルールで記載します。
* 弦は、6弦(最も太い弦)から1弦(最も細い弦)の順に並べます。
* 数字は、フレット番号を表します。
* 「x」は、その弦をミュートするか、弾かないことを意味します。
* 「0」は、解放弦(何も押さえないで弾く弦)を意味します。
* 括弧内の数字は、人差し指(1)、中指(2)、薬指(3)、小指(4)で押さえるフレット番号を示します。ただし、この運指はあくまで一例であり、押さえやすい方法で構いません。

1. Eメジャー (E)

この曲のキーとなるコードです。非常に基本的なコードで、解放弦を多く使います。

  • コードダイアグラム表記: 022100
  • 押さえ方:
    • 6弦: 解放 (0)
    • 5弦: 2フレットを薬指(3)で押さえる
    • 4弦: 2フレットを中指(2)で押さえる
    • 3弦: 1フレットを人差し指(1)で押さえる
    • 2弦: 解放 (0)
    • 1弦: 解放 (0)
  • 鳴らすコツ: 全ての弦をしっかりと鳴らしましょう。特に2弦、3弦、4弦の指が他の弦に触れてミュートしてしまわないように注意が必要です。指は立てて、フレットの真後ろあたりを押さえるのがポイントです。

2. Aメジャー (A)

これも基本的なコードです。Eコードの次に頻繁に出てくるコードの一つです。

  • コードダイアグラム表記: x02220 または x0222x (5弦ルート)
  • 押さえ方 (一般的な形):
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 解放 (0)
    • 4弦: 2フレットを中指(2)で押さえる
    • 3弦: 2フレットを薬指(3)で押さえる
    • 2弦: 2フレットを小指(4)で押さえる(または人差し指(1)で3本まとめてセーハ気味に押さえる人もいます)
    • 1弦: 解放 (0)
  • 鳴らすコツ: 6弦を間違って弾かないように気をつけましょう。2、3、4弦の2フレットを指が他の弦に触れないように押さえるのが少し難しいかもしれません。人差し指で3本まとめて押さえる「セーハ気味」の押さえ方も、指が太めの方などは試してみる価値があります。ただし、最初は中指、薬指、小指で分けて押さえるのが基本です。

3. Bセブンス (B7)

ブルースやファンク、ソウルでよく使われる、響きに特徴のあるコードです。この曲でも重要な役割を果たします。

  • コードダイアグラム表記: x21202
  • 押さえ方:
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 2フレットを中指(2)で押さえる
    • 4弦: 1フレットを人差し指(1)で押さえる
    • 3弦: 2フレットを薬指(3)で押さえる
    • 2弦: 解放 (0)
    • 1弦: 2フレットを小指(4)で押さえる
  • 鳴らすコツ: 指をかなり立てる必要があり、最初は少し窮屈に感じるかもしれません。特に1弦の2フレットを小指でしっかり押さえるのがポイントです。2弦の解放弦がきれいになるように、3弦を押さえている薬指が触れないように注意しましょう。

4. シー・シャープ・マイナー (C#m)

Eメジャーの平行短調にあたる、少し悲しい響きのコードです。セーハコードですが、この曲では避けて通れません。

  • コードダイアグラム表記: x46654
  • 押さえ方:
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 4フレットを人差し指(1)でセーハ(5弦から1弦まで全て押さえる)
    • 4弦: 6フレットを薬指(3)で押さえる
    • 3弦: 6フレットを小指(4)で押さえる
    • 2弦: 5フレットを中指(2)で押さえる
    • 1弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: セーハコードの最初の壁となるかもしれません。人差し指で5弦から1弦までをしっかりと押さえるのがポイントです。親指をネックの裏の中央あたりに置いて、挟み込むように力を入れるとセーハしやすくなります。薬指と小指は隣り合ったフレットですが、指を立てて押さえましょう。音がうまく鳴らない場合は、人差し指のどの部分で弦を押さえているか、他の指が弦に触れていないか確認しましょう。

5. エフ・シャープ・マイナー (F#m)

これもセーハコードです。C#mと似た形のセーハコードですが、位置が異なります。

  • コードダイアグラム表記: 244222 または x44222 (6弦ルート or 4弦ルート)
  • 押さえ方 (6弦ルートの形):
    • 6弦: 2フレットを人差し指(1)でセーハ(6弦から1弦まで全て押さえる)
    • 5弦: 4フレットを薬指(3)で押さえる
    • 4弦: 4フレットを小指(4)で押さえる
    • 3弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 2弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 1弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: C#mと同様、人差し指でのセーハが重要です。特に6弦から1弦まで全てを均等に押さえるのが難しいかもしれません。ネックを握り込むというよりは、指板に対して垂直に力を加えるイメージで押さえましょう。薬指と小指をしっかり立てることも重要です。

6. ジー・シャープ・マイナー (G#m)

再びセーハコードです。F#mの形をそのまま2フレット右(ネックエンド側)に移動した形です。

  • コードダイアグラム表記: 466444
  • 押さえ方 (6弦ルートの形):
    • 6弦: 4フレットを人差し指(1)でセーハ(6弦から1弦まで全て押さえる)
    • 5弦: 6フレットを薬指(3)で押さえる
    • 4弦: 6フレットを小指(4)で押さえる
    • 3弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 2弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 1弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: F#mと同じ形のまま位置が変わるだけです。セーハの練習として、F#mとG#mを行ったり来たりする練習も効果的です。

7. エフ・シャープ・セブンス (F#7)

F#mと同じルート(F#)を持つセブンスコードです。少し浮遊感のある響きです。

  • コードダイアグラム表記: 242322
  • 押さえ方:
    • 6弦: 2フレットを人差し指(1)でセーハ(6弦から1弦まで全て押さえる)
    • 5弦: 4フレットを薬指(3)で押さえる
    • 4弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 3弦: 3フレットを中指(2)で押さえる
    • 2弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 1弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: F#mの形から、中指を3弦の3フレットに移動させるだけです。セーハをしっかり保ちつつ、中指を正確な位置に持ってくる練習をしましょう。

8. ディー・メジャー (D)

基本的なオープンコードの一つです。明るい響きです。

  • コードダイアグラム表記: xx0232
  • 押さえ方:
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 弾かない (x)
    • 4弦: 解放 (0)
    • 3弦: 2フレットを人差し指(1)で押さえる
    • 2弦: 3フレットを薬指(3)で押さえる
    • 1弦: 2フレットを中指(2)で押さえる
  • 鳴らすコツ: 6弦と5弦を弾かないように気をつけましょう。右手でミュートするか、最初から4弦より下だけを弾くように意識します。指の形が三角形になるように押さえると安定しやすいです。

9. シー・シャープ・セブンス (C#7)

C#mと同じルート(C#)を持つセブンスコードです。これもセーハコードです。

  • コードダイアグラム表記: x46464
  • 押さえ方:
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 4フレットを人差し指(1)でセーハ(5弦から1弦まで全て押さえる)
    • 4弦: 6フレットを薬指(3)で押さえる
    • 3弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
    • 2弦: 6フレットを小指(4)で押さえる
    • 1弦: 4フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: C#mの形から、薬指を4弦の6フレット、小指を2弦の6フレットに移動させます。人差し指のセーハを保ちつつ、他の指を動かす練習が必要です。これは少し難易度が高めのコードかもしれません。

10. ビー・メジャー (B)

セーハコードの一つです。B7とは形が異なります。この曲ではB7の方が頻繁に出てくるかもしれませんが、Bも使う場合があります。

  • コードダイアグラム表記: x24442
  • 押さえ方:
    • 6弦: 弾かない (x)
    • 5弦: 2フレットを人差し指(1)でセーハ(5弦から1弦まで全て押さえる)
    • 4弦: 4フレットを薬指(3)で押さえる
    • 3弦: 4フレットを小指(4)で押さえる
    • 2弦: 4フレットを中指(2)で押さえる
    • 1弦: 2フレット(人差し指のセーハに含まれる)
  • 鳴らすコツ: Aコードの形をそのまま2フレット右に移動して、人差し指でセーハする形です。5弦からのセーハですが、人差し指の根元の方で5弦をしっかり押さえ、指先側で1弦まで均等に押さえるように意識します。

これらのコードが「Isn’t She Lovely」を演奏する上での主要なコードとなります。特にセーハコード(C#m, F#m, G#m, F#7, C#7, B)は、初心者の方にとっては最初の壁になることが多いですが、諦めずに練習を続ければ必ず克服できます。まずは一つ一つのコードをきれいに鳴らせるように、根気強く練習しましょう。

コード練習のヒント:

  • 焦らない: 最初は音がきれいに鳴らなくても大丈夫。少しずつ力を加減したり、指の位置を微調整したりして、一番きれいに鳴るポイントを探しましょう。
  • 一本ずつ確認: コードを押さえたら、全ての弦を一本ずつ弾いてみて、全ての音がクリアに鳴っているか確認しましょう。ビビリやミュートされている弦がないかチェックします。
  • 時間を決めて毎日練習: 一度に長時間練習するよりも、短時間でも毎日ギターに触れる方が効果的です。
  • コードチェンジの練習: 一つのコードをきれいに鳴らせるようになったら、次にコードとコードの間をスムーズに移動する練習に進みましょう。

曲の構成とコード進行:セクションごとの解説

「Isn’t She Lovely」は、いくつかのセクションに分けることができます。それぞれのセクションで使われるコード進行を理解することで、曲全体を把握しやすくなります。ここでは、一般的なギターアレンジで使われるコード進行を基に解説します。

1. イントロ

原曲のイントロは非常に特徴的なハーモニクスを使ったギターリフですが、これは初心者には難易度が高いです。まずはコードストロークや簡単なアルペジオでイントロの雰囲気を出す練習から始めましょう。

一般的なコードイントロとしては、以下のような進行が考えられます。
E | A | B7 | E |
E | A | B7 | E |

または、サビのような進行を使うアレンジもあります。
E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |

どちらのパターンを使うかは、演奏したい雰囲気や難易度によって選べます。まずは、オープンコード中心の「E | A | B7 | E」のパターンで練習してみましょう。それぞれのコードを1小節ずつ(または2拍ずつなど、アレンジによって調整)弾いて、滑らかなコードチェンジを目指します。

2. Aメロ (Isn’t she lovely…)

歌い出しの部分です。比較的ゆっくりとしたコードチェンジで、メロディーを支えるようなコード進行が使われます。

E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |
E | A | B7 | E |

このAメロのコード進行は、この曲の基本的なパターンの一つです。特に「E -> C#m -> F#m -> B7」という流れは頻繁に登場します。
* EからC#mへのチェンジ:オープンコードからセーハコードへの移行です。C#mのセーハをいかに素早く行うかがポイントです。
* C#mからF#mへのチェンジ:どちらもセーハコードですが、形が変わります。人差し指の位置を4フレットから2フレットへ、他の指も素早く移動させる練習が必要です。
* F#mからB7へのチェンジ:セーハコードからオープンコードとセーハが混じったコードへの移行です。人差し指のセーハを解除して、B7の形にスムーズに移行します。
* B7からEへのチェンジ:B7の形から、Eの形に戻ります。これも比較的スムーズに移行しやすいコードチェンジです。

この4つのコードチェンジを繰り返し練習しましょう。最初は一拍ごとにコードを変える練習から始めて、慣れてきたら曲のリズムに合わせてコードチェンジのタイミングを掴んでいきます。

最後の行は「E | A | B7 | E」と、イントロで使ったようなコード進行に戻ります。これにより、次のセクションへの準備ができます。

3. Bメロ (Less than one minute old…)

少しメロディーが変化する部分です。コード進行もAメロとは異なります。

G#m | C#7 | F#m | B7 |
G#m | C#7 | F#m | B7 |

このBメロでは、G#mとC#7という、これもセーハコードが登場します。
* G#mからC#7へのチェンジ:これもセーハコード間の移行です。G#m(6弦ルートの4フレットセーハ)からC#7(5弦ルートの4フレットセーハ)への移動は、人差し指の位置は同じ4フレットですが、押さえる弦と他の指の形が大きく変わります。特にC#7の小指の動きがポイントです。
* C#7からF#mへのチェンジ:これもセーハコード間の移行。C#7(5弦ルート)からF#m(6弦ルート)への移行です。これも人差し指のセーハを移動させつつ、他の指の形を変える練習が必要です。
* F#mからB7へのチェンジ:Aメロの最後でも出てきたパターンです。

Bメロのコード進行は、Aメロよりも少し難易度が上がります。特にG#mとC#7のチェンジは、セーハコードが続くため、根気強い練習が必要です。それぞれのコードを単体でしっかり鳴らせるようにした上で、ゆっくりなテンポからコードチェンジの練習を始めましょう。

4. サビ (Isn’t she lovely…)

再び「Isn’t she lovely…」に戻る部分で、曲の中で最も盛り上がるセクションです。Aメロと同じコード進行が使われることが多いです。

E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |
E | A | B7 | E |

Aメロと同じコード進行なので、Aメロの練習がそのまま活かせます。サビでは、より力強く、感情を込めて演奏することを意識すると、曲の雰囲気が増します。ストロークの強弱などを工夫してみましょう。

5. 間奏(ハーモニカソロなど)

原曲ではハーモニカソロなどが入る部分です。コード進行は、Aメロやサビと同じパターンが繰り返されることが多いです。

E | C#m | F#m | B7 |
E | C#m | F#m | B7 |
(このパターンを繰り返す)

歌がない部分なので、ギター演奏に集中できるセクションです。練習したストロークやアルペジオパターンを試したり、少しアレンジを加えてみるのも良いでしょう。

6. アウトロ

曲の終わりに向かう部分です。Eコードで終わることが多いですが、最後に少し変化したコード進行が使われることもあります。例えば、

E | A | B7 | E |
E | A | B7 | E |
(フェードアウト、またはEコードで終わる)

といったように、イントロやAメロの終わりのパターンが使われることが多いです。

コード進行練習のヒント:

  • セクションごとに区切って練習: 最初から曲全体を通して弾こうとせず、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビと、セクションごとに区切って練習しましょう。
  • ゆっくりなテンポで正確に: 最初はメトロノームを普段よりかなり遅く設定して、コードチェンジのタイミングとコードの正確さを重視して練習しましょう。
  • 苦手なコードチェンジを重点的に: E <-> C#m, C#m <-> F#m, F#m <-> B7, G#m <-> C#7 など、自分が苦手だと感じるコードチェンジの組み合わせを集中的に練習しましょう。2つのコード間をひたすら往復する練習は効果的です。
  • コードを先取りする意識: コードチェンジの拍の少し前に、次のコードの形を作る準備を始めるように意識すると、スムーズな移行につながります。

演奏方法:ストロークとアルペジオ

コードを押さえられるようになったら、次は右手の演奏方法です。「Isn’t She Lovely」を弾くには、主にストローク(かき鳴らし)とアルペジオ(指弾き)の2つの方法が考えられます。初心者の方はまず簡単なストロークパターンから始めるのがおすすめです。

1. ストローク(コードかき鳴らし)

コードチェンジに慣れてきたら、リズムに合わせてコードを鳴らしてみましょう。原曲のリズムは少し複雑ですが、まずはシンプルな4分音符や8分音符のストロークから始めます。

基本的なストロークパターン例 (4/4拍子の場合):

  • パターン1 (4分音符):
    ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
    (1拍ごとにダウンストローク)
    最もシンプルなパターンです。まずはこのパターンで、コードチェンジのタイミングを掴みましょう。

  • パターン2 (8分音符):
    ↓ ↑ ↓ ↑ | ↓ ↑ ↓ ↑ |
    (1拍の中にダウンとアップを1回ずつ)
    少しリズムに動きが出ます。↓がダウンストローク(上から下に弾く)、↑がアップストローク(下から上に弾く)です。手首のスナップを使ってリラックスして弾くのがコツです。

  • パターン3 (シンプルなリズムパターン):
    ↓ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑ |
    (ワンエン、ツーエン、スリーエンフォーエン)
    これもよく使われる基本的なパターンです。手首のスナップを使ってリラックスして弾くのがコツです。特にアップストロークを意識してみましょう。

「Isn’t She Lovely」に合わせたストロークのヒント:

  • リズムを聴く: 原曲や他の人のカバー演奏をよく聴いて、曲の持つ独特のリズムやノリ(グルーヴ)を感じ取ることが重要です。
  • 強弱をつける: 全てのストロークを同じ強さで弾くのではなく、拍の頭を少し強くしたり、アップストロークを優しく弾いたりと、強弱をつけてみると音楽的な表現力が生まれます。
  • ミュート(ブラッシング)を取り入れる (慣れてきたら): ストロークの合間に、左手で弦の振動を止めて「チャッ」というパーカッシブな音を入れると、より原曲らしいリズム感が生まれます。これは少し練習が必要ですが、挑戦してみる価値はあります。例えば、パターン3の「↓ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑」の「↑」の一部をブラッシングにしたりとアレンジできます。

ストロークの練習では、メトロノームを使って正確なテンポで弾くことが非常に重要です。最初はゆっくりなテンポから始めて、徐々に原曲のテンポに近づけていきましょう。

2. アルペジオ(指弾き)

コードを一度に全て鳴らすストロークに対し、アルペジオはコードを構成する音を一つずつ、またはいくつかの音を同時に弾く奏法です。より繊細で美しい響きが得られます。イントロやAメロの静かな部分などで使うと雰囲気が増します。

基本的なアルペジオパターン例 (4/4拍子、1小節Eコードの場合):

  • パターン1 (簡単な分散和音):
    6弦-3弦-2弦-1弦-2弦-3弦 | (これを繰り返す)
    親指で6弦(ルート音)、人差し指で3弦、中指で2弦、薬指で1弦を弾くのが一般的です。指の腹ではなく、指の先で弦を弾くように意識すると、クリアな音が出やすいです。

  • パターン2 (少し複雑に):
    6弦-3弦-2弦-3弦-1弦-3弦-2弦-3弦 | (これを繰り返す)
    パターン1よりも音数が多くなり、より流れるような印象になります。

  • パターン3 (ルート音を強調):
    6弦-(2,3,4弦同時)-3弦-(2,3,4弦同時)… など
    親指でルート音(Eコードなら6弦)を弾いた後、人差し指、中指、薬指で他の弦を同時に弾くパターンです。ルート音を強調したい場合に効果的です。

「Isn’t She Lovely」に合わせたアルペジオのヒント:

  • イントロへの挑戦: 原曲のイントロはハーモニクスという特殊奏法ですが、これをアルペジオで表現することも可能です。例えば、Eadd9のようなテンションコードを使って、イントロのメロディーラインを意識したアルペジオパターンを自分で作ってみるのも面白いでしょう。ただし、これは少し応用的な内容なので、まずは基本的なコードアルペジオに慣れてから挑戦しましょう。
  • 歌とのバランス: 弾き語りの場合、歌のメロディーを邪魔しないように、アルペジオは控えめに演奏することも大切です。
  • 指の使い分け: 親指で低音弦(4~6弦)、人差し指で3弦、中指で2弦、薬指で1弦を弾くのが基本ですが、曲の雰囲気や自分の弾きやすいようにアレンジしても構いません。

アルペジオも、最初はゆっくりなテンポで、それぞれの音がクリアに、そしてリズムに乗って鳴るように練習することが重要です。

ストロークとアルペジオ、どちらで弾くか?

「Isn’t She Lovely」は、ストロークでもアルペジオでも、あるいは両方を組み合わせて演奏しても魅力的な曲です。

  • 初心者の方: まずは簡単なストロークパターンで、コードチェンジとリズムに慣れるのがおすすめです。
  • 少し慣れてきたら: アルペジオにも挑戦してみましょう。Aメロなど、静かな部分をアルペジオで弾き、サビをストロークで力強く弾く、といった組み合わせも効果的です。
  • 原曲の雰囲気に近づけたい場合: イントロのアルペジオ(ハーモニクス以外での表現)、歌のバックでの細かいカッティング(これも少し難しい技術です)などを練習してみるのも良いでしょう。

ご自身のレベルと目標に合わせて、演奏方法を選んで練習してください。

練習のステップと挫折しないためのコツ

ギター練習は、いかに楽しく、継続して行うかが成功の鍵です。「Isn’t She Lovely」をマスターするための具体的な練習ステップと、モチベーションを維持するためのコツをご紹介します。

ステップ1:コードを一つずつ確実に押さえる

まずは、この曲で使う全てのコード(特にE, A, B7, C#m, F#m, G#m, F#7, D, C#7, B)を、単体でクリアな音で鳴らせるように練習します。
* コードダイアグラムを見て、正しい指の位置で押さえられているか確認。
* 全ての弦を一本ずつ弾いてみて、音がきれいに鳴っているかチェック。
* 音が鳴らない場合は、指が他の弦に触れていないか、しっかりと押さえられているか確認。
* 鏡を見て、自分の手の形や指の角度が正しいか確認するのも効果的です。

ステップ2:コードチェンジの練習(ゆっくりなテンポから)

一つ一つのコードが押さえられるようになったら、セクションごとのコード進行を使って、コードとコードの間をスムーズに移動する練習を始めます。
* メトロノームを普段よりかなり遅いテンポ(例えばBPM 60や70など)に設定します。
* 最初のコードを鳴らし、メトロノームのクリックに合わせて次のコードにチェンジします。
* 最初はコードチェンジに時間がかかっても気にしない。まずは正確な形を作ることを意識します。
* 苦手なコード間のチェンジ(例:E → C#m)をピックアップし、その2つのコード間をひたすら往復する練習を繰り返します。
* コードチェンジの拍の少し前に、次のコードの形を作る準備を始めるように意識しましょう(予備動作)。

ステップ3:リズムに合わせてストロークまたはアルペジオの練習

コードチェンジがある程度スムーズになったら、リズムパターンに合わせてコードを鳴らしてみましょう。
* ステップ2と同じく、メトロノームを遅いテンポに設定します。
* シンプルなストロークパターン(4分音符や8分音符)から始めます。
* リズムに合わせて正確なタイミングでコードを鳴らすことを意識します。
* アルペジオに挑戦する場合は、指の動きとコードチェンジを同時に行う練習が必要です。最初はゆっくりなテンポで、一音一音を丁寧に弾きましょう。

ステップ4:セクションごとに練習

曲をいくつかのセクションに分けて、それぞれのセクション(イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ)を最初から最後まで通して弾けるように練習します。
* 例えば、Aメロのコード進行を最初から最後まで、ストロークまたはアルペジオで通して弾いてみます。
* 詰まってしまっても大丈夫。止まらずに最後まで弾ききることを目指します。
* 繰り返し練習することで、そのセクションのコード進行とリズムが体に染み付いていきます。

ステップ5:セクションを繋げて練習

それぞれのセクションが単独で弾けるようになったら、セクションとセクションを繋げて練習します。
* 例えば、イントロからAメロ、AメロからBメロ、Bメロからサビ、といったように、繋ぎ目を意識して練習します。
* セクションの変わり目でコードチェンジがスムーズにいくか、リズムが崩れないかを確認します。

ステップ6:曲全体を通して弾く練習

全てのセクションが繋がるようになったら、いよいよ曲全体を通して弾く練習です。
* 最初は完璧を目指さなくて大丈夫。多少ミスがあっても、曲の流れを止めずに弾ききることが目標です。
* 原曲やカラオケ音源に合わせて弾いてみるのも良い練習になります。

ステップ7:表現力を加えて仕上げる

曲全体を通して弾けるようになったら、さらに演奏に磨きをかけましょう。
* ストロークの強弱、アクセント、ミュートなどを加えて、より表情豊かな演奏を目指します。
* アルペジオの場合は、音の長さや強弱を工夫して、メロディーを引き立てるように弾いてみます。
* 歌いながら弾く練習も始めましょう。コードと歌のタイミングを合わせる練習は、弾き語りには必須です。

挫折しないためのコツ:

  • 目標を小さく区切る: 「曲全体を完璧に弾けるようになる」という大きな目標だけでなく、「今週中にAメロのコードチェンジをスムーズにする」「今日はこのコードを10回きれいに鳴らす」といった具体的な小さな目標を設定しましょう。
  • 練習時間を決める: 毎日短時間でも良いので、練習する時間を習慣にしましょう。
  • 楽しむことを忘れない: 練習は辛いことばかりではありません。弾けるようになった時の喜び、好きな曲を自分で奏でられる楽しさを感じながら練習しましょう。
  • 完璧を目指さない: 最初から完璧な演奏はできません。ミスは当たり前です。一つずつ課題をクリアしていく過程を楽しみましょう。
  • 記録をつける: 練習した時間、できるようになったこと、苦労していることなどを簡単に記録しておくと、自分の成長を実感できますし、課題が明確になります。
  • 原曲を聴く: 練習の合間に原曲を聴くことで、曲のイメージやノリを再確認できます。
  • 誰かに聴いてもらう: 家族や友人など、誰かに自分の演奏を聴いてもらうことは、モチベーションアップに繋がりますし、新たな発見があるかもしれません。

さらなるステップアップ:少し応用的な挑戦

「Isn’t She Lovely」の基本的なコード弾きやストローク、簡単なアルペジオができるようになったら、さらにレベルアップを目指して以下のことに挑戦してみるのも良いでしょう。

1. 原曲のイントロ(ハーモニクス)への挑戦

原曲の冒頭を飾る印象的なギターリフは、ハーモニクスという奏法で演奏されています。これはギターの弦を軽く触れた状態で弾くことで、倍音成分を強調した透き通るような音を出す技術です。特に12フレット、7フレット、5フレットなどで綺麗なハーモニクスが出やすいです。

原曲のイントロのハーモニクスは、特定のフレット(例えば12フレットや7フレットなど)の真上の金属部分(フレットバー)のすぐ上を、左手で弦に軽く触れて(押さえつけずに)、右手で弦を弾くという高度なテクニックが必要です。Eメジャーキーのイントロでは、Eコードに関連する音(E, G#, B)のハーモニクスが使われます。

これは初心者には難しいテクニックですので、すぐにできなくても落ち込む必要はありません。まずは基本的なコードとストローク・アルペジオをマスターすることに集中し、将来的に挑戦してみる目標として頭の片隅に置いておきましょう。

2. カポを使った演奏

原曲キー(Eメジャー)でセーハコードが難しいと感じる場合は、カポタストという器具を使ってキーを変えて演奏することも可能です。カポを使うと、同じコードフォームでもキーが上がります。

例えば、カポを2フレットに装着した場合、ギターのフレットは全体が2フレット分ずれたことになります。この状態で、Dメジャーのコードフォームで弾くと、実際にはEメジャーの音が出ます。つまり、以下のコードフォームで演奏すれば、原曲と同じキーで、より簡単なコードで演奏できる可能性があります。

  • カポ2フレット装着時:
    • E (原曲) → D (カポ有りで弾くコードフォーム)
    • A (原曲) → G (カポ有りで弾くコードフォーム)
    • B7 (原曲) → A7 (カポ有りで弾くコードフォーム)
    • C#m (原曲) → Bm (カポ有りで弾くコードフォーム) ※Bmはセーハですが、C#mよりは低いフレットでのセーハになります。
    • F#m (原曲) → Em (カポ有りで弾くコードフォーム) ※Emはオープンコードです!
    • G#m (原曲) → F#m (カポ有りで弾くコードフォーム)
    • C#7 (原曲) → B7 (カポ有りで弾くコードフォーム)
    • B (原曲) → A (カポ有りで弾くコードフォーム)

このように、カポを使うことでオープンコードを増やしたり、セーハコードのフレット位置を下げて押さえやすくしたりすることができます。特にF#mがEmになるのは大きなメリットです。

ただし、カポを使うとコードフォームは簡単になりますが、コード進行を元のキーから移調して考える必要があります。また、全てのセーハコードが簡単になるわけではありません(BmやF#mのように、別のセーハコードになる場合もあります)。

カポを使って簡単なフォームで曲を弾いてみて、耳で聞いて原曲のキーと同じになっているか確認してみましょう。

3. リズムカッティングやミュートテクニック

原曲のギターは、コードをただ鳴らすだけでなく、ミュートやカッティング(短い音でリズミカルにコードを鳴らす)といったテクニックも使われています。これらのテクニックを取り入れることで、よりファンキーでグルーヴィーな演奏になります。

  • ミュート: 左手で弦を軽く触れ、音を伸びなくする奏法です。ストロークの合間にミュート音を入れることで、リズムを際立たせることができます。
  • カッティング: ミュートした状態でストロークを行い、「チャッ」というパーカッシブな音を出すテクニックです。

これらのテクニックは、正確なリズム感と右手のコントロールが必要となるため、これも少し応用的な内容です。基本的なコードストロークに慣れてから、少しずつ取り入れていくのが良いでしょう。

4. アドリブやソロに挑戦 (将来的に)

ギター演奏に慣れてきたら、間奏などで簡単なメロディーを弾いてみたり、アドリブソロに挑戦してみるのも面白いでしょう。「Isn’t She Lovely」はEメジャーキーなので、Eメジャーペンタトニックスケールなどを使って簡単なフレーズを弾く練習から始めることができます。

これはかなり先のステップになりますが、目標として持つことは大切です。スケール練習やブルースフィーリングを養う練習は、アドリブにつながります。

まとめ:愛のメロディーを奏でる喜び

この記事では、スティーヴィー・ワンダーの名曲「Isn’t She Lovely」をギター初心者の方が演奏できるようになるための、コード、弾き方、練習法について、詳細に解説してきました。

改めて、この記事で学んだ内容を振り返ってみましょう。

  • 「Isn’t She Lovely」はスティーヴィー・ワンダーの愛娘に捧げた温かい名曲であること。
  • 曲は主にEメジャーキーで、E, A, B7, C#m, F#m, G#m, F#7, D, C#7, Bといったコードが使われること。
  • 特にC#m, F#m, G#mといったセーハコードが重要なコードであること。
  • 曲はイントロ、Aメロ、Bメロ、サビといったセクションに分かれており、それぞれに特徴的なコード進行があること。
  • 演奏方法としては、ストロークとアルペジオがあり、初心者にはまず簡単なストロークがおすすめであること。
  • 正確なコードの押さえ方、スムーズなコードチェンジ、メトロノームを使ったリズム練習が上達の鍵となること。
  • 焦らず、少しずつ、そして何よりも楽しむことが練習を継続する上で非常に重要であること。

ギターは、まさに「継続は力なり」の楽器です。特に始めたばかりの頃は、指が痛くなったり、音がうまく出なかったりと、壁にぶつかることも多いでしょう。しかし、その壁を一つずつ乗り越えるたびに、確実に演奏できる曲が増え、ギターを弾くことがどんどん楽しくなっていきます。

「Isn’t She Lovely」は、その美しいメロディーと温かい雰囲気から、弾いていても聴いていても幸せな気持ちになれる素晴らしい曲です。あなたがこの曲をギターで奏でられるようになった時、きっと大きな達成感と喜びを感じるはずです。そして、その演奏を大切な人に聴かせてあげることができたら、これ以上素晴らしいことはないでしょう。

この記事が、あなたが「Isn’t She Lovely」をマスターするための手助けとなり、あなたのギターライフをより豊かなものにする一歩となることを願っています。

さあ、もう一度ギターを手に取って、練習を始めましょう。愛の歌を、あなたの手で奏でてください!

応援しています!

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