Windowsセキュリティ:ネットワーク資格情報の入力とは?(原因と解決策)
Windowsを使用している際に、他のコンピューター上の共有フォルダーやプリンター、ネットワークドライブなどにアクセスしようとしたとき、「Windowsセキュリティ:ネットワーク資格情報の入力」というプロンプトが表示され、アクセスが拒否される経験は多くの人がするものです。このプロンプトは、ネットワークリソースへのアクセスを試みる際に、そのリソースが要求する認証情報(ユーザー名とパスワード)をシステムがユーザーに求めるためのものです。
このダイアログが表示されること自体は、Windowsのセキュリティ機能が正常に動作している証拠でもあります。しかし、適切な資格情報を入力してもアクセスできなかったり、なぜ資格情報を求められるのか分からなかったりすると、非常に困惑します。
この記事では、「Windowsセキュリティ:ネットワーク資格情報の入力」プロンプトが表示されるのはなぜか、その背後にあるメカニズム、主な原因、そしてそれを解決するための具体的な手順とトラブルシューティング方法について、詳細かつ網羅的に解説します。5000語という長文で、この問題を徹底的に掘り下げていきます。
1. 「ネットワーク資格情報の入力」とは何か? なぜ表示されるのか?
1.1. 認証とアクセス制御の基本
コンピューターネットワークにおいて、リソース(ファイル、フォルダー、プリンター、アプリケーションなど)へのアクセスは、セキュリティ上の理由から制限されるのが一般的です。すべてのユーザーがすべてのリソースに自由にアクセスできる状態は、情報漏洩や改ざん、システムの破壊などのリスクを伴います。
このリスクを回避するために導入されているのが「認証」と「アクセス制御」の仕組みです。
* 認証(Authentication): アクセスしようとしているユーザーやデバイスが、本当にその本人(または指定されたエンティティ)であるかを確認するプロセスです。通常、ユーザー名とパスワード、証明書、生体認証などを用いて行われます。
* アクセス制御(Authorization): 認証されたユーザーやデバイスに対して、どのリソースに対してどのような操作(読み取り、書き込み、実行など)を許可するかを決定するプロセスです。これは、リソースごとに設定されたアクセス権限(パーミッション)に基づいて行われます。
「Windowsセキュリティ:ネットワーク資格情報の入力」プロンプトは、この認証プロセスの一部として表示されます。あなたがネットワーク上の共有リソース(例:別のPCの共有フォルダー)にアクセスしようとした際、そのリソースをホストしている側のコンピューターが「あなたは誰ですか?本当にアクセスを許可されたユーザーですか?」と確認を求めているのです。
1.2. プロンプトの目的と表示される場面
このプロンプトの主な目的は、アクセス試行を行っているあなたの身元を確認し、その身元に基づいてアクセス制御を行うための情報(資格情報)を入手することです。具体的には、以下のシナリオで表示されることが多いです。
- 別のWindowsコンピューター上の共有フォルダーへのアクセス: 最も一般的なケースです。エクスプローラーで
\\コンピューター名\共有名
または\\IPアドレス\共有名
の形式でアクセスしようとしたとき。 - 共有プリンターへのアクセス: ネットワーク上で共有されているプリンターを使用しようとしたとき。
- ネットワークドライブのマッピング: 共有フォルダーをローカルドライブのように割り当てようとしたとき。
- NAS (Network Attached Storage) やサーバー上の共有リソースへのアクセス: NASデバイスやWindows Server、Linuxサーバーなどのファイル共有にアクセスしようとしたとき。
- 特定のアプリケーションやサービス: リモート管理ツール、バックアップソフトウェア、データベース接続など、ネットワーク経由で認証が必要なアプリケーションやサービス。
プロンプトには通常、「ユーザー名」と「パスワード」の入力欄があります。場合によっては、「この資格情報を記憶する」というチェックボックスや、アクセスしようとしているリソースの情報(例:コンピューター名や共有名)が表示されます。
1.3. ローカルアカウント、ドメインアカウント、Microsoftアカウント
ここで重要なのは、入力すべき「資格情報」が何を指すのか、という点です。これは、アクセス先のコンピューター(またはNASなどのデバイス)がどのような認証システムを採用しているかによって異なります。
- ワークグループ環境(小規模ネットワーク): 各コンピューターが独立してユーザーアカウントを管理しています。この場合、アクセス先のコンピューターに存在するユーザーアカウントの資格情報が必要になります。多くの場合、アクセス元のコンピューターとアクセス先のコンピューターで同じユーザー名とパスワードを持つローカルアカウントを作成しておくと、認証がスムーズに行われる(資格情報の入力がスキップされる)ことがあります。
- ドメイン環境(企業ネットワークなど): ユーザーアカウントは Active Directory ドメインコントローラーで一元管理されています。この場合、ドメインコントローラーで認証されたドメインユーザーアカウントの資格情報が必要になります。ユーザー名は
ドメイン名\ユーザー名
の形式で入力することが一般的です。 - NASやその他のデバイス: これらのデバイスは独自のユーザー管理システムを持っていることが多いです。そのNASやデバイスに設定されているローカルユーザーアカウントの資格情報を入力する必要があります。
- Microsoftアカウント: ご自身のWindowsにサインインしているMicrosoftアカウントは、基本的にそのPCのローカルリソースへのアクセスや、OneDriveなどのMicrosoftサービスへの認証に使われます。他のPCのローカル共有へのアクセスには、そのアクセス先のPCのローカルアカウント(またはMicrosoftアカウントがそのPC上でどう扱われているかによるが、基本はローカルアカウントの考え方)やドメインアカウントが必要です。Microsoftアカウント自体を直接、別のPCのローカル認証に使うケースは限定的です。
つまり、プロンプトで入力すべき資格情報は、「アクセス先のネットワークリソースをホストしているコンピューター(またはデバイス)上で、そのリソースへのアクセス権を持っているユーザーアカウントの資格情報」である可能性が高い、ということです。
2. 「ネットワーク資格情報の入力」が表示される主な原因
プロンプトが表示される原因は多岐にわたります。単にパスワードが間違っているというだけでなく、ネットワーク設定、セキュリティポリシー、権限設定など、様々な要因が絡み合います。主な原因を詳しく見ていきましょう。
2.1. 認証情報の不一致または不備
これは最も一般的でシンプルな原因です。
- 間違ったユーザー名またはパスワード: 入力したユーザー名やパスワードが、アクセス先のコンピューター上のアカウントと一致しない。CapsLockがオンになっている、全角/半角の間違いなども含む。
- 間違ったアカウント形式: ドメイン環境なのにローカルアカウントの形式で入力している、ワークグループ環境なのにドメインアカウントの形式で入力しているなど。ワークグループ環境では
コンピューター名\ユーザー名
または単にユーザー名
、ドメイン環境ではドメイン名\ユーザー名
またはユーザー名@ドメイン名
の形式が一般的です。 - アクセス先に存在しないアカウント: アクセス元のPCでログインしているアカウントが、アクセス先のPCに存在しない。特にワークグループ環境で問題になりやすい。
- パスワードの期限切れやアカウントのロック: アクセス先のコンピューターまたはドメインコントローラーで、使用しようとしているアカウントのパスワードが期限切れになっているか、ログイン試行の失敗が続きロックされている。
- 空のパスワード: Windowsのセキュリティポリシーでは、ネットワーク経由での空パスワードのアカウントによるアクセスをデフォルトで拒否することが多いです。アクセス先のアカウントにパスワードが設定されていない場合に問題となる可能性があります(非推奨の解決策ですが)。
2.2. アクセス権限(パーミッション)の問題
認証が成功したとしても、そのアカウントが目的のリソースへのアクセス権限を持っていなければ、アクセスは拒否されます。この場合も資格情報の入力を求められるか、あるいは「アクセスが拒否されました」という別のメッセージが表示されることがあります。
アクセス権限には、主に以下の2種類があります。
- 共有(Share)のアクセス許可: フォルダーやプリンターをネットワーク経由で共有する際に設定する権限です。誰がその共有リソースにネットワーク経由でアクセスできるかを大まかに制御します。「Everyone(全員)」、「Authenticated Users(認証されたユーザー)」、「Users(ユーザー)」などのグループや特定のアカウントに対して、「読み取り」「変更」「フルコントロール」などの権限を与えます。
- NTFSアクセス許可(ファイルシステム権限): ファイルやフォルダーそのものに対して設定する権限です。これはネットワーク経由だけでなく、ローカルからのアクセスにも適用されます。Share権限よりも詳細な設定が可能で、継承の概念などもあります。
ネットワーク経由でリソースにアクセスする際、最終的なアクセス権限は「Share権限」と「NTFS権限」の両方のうち、より厳しい(制限的な)方になります。 たとえば、Share権限で「Everyone」に「フルコントロール」を与えていても、NTFS権限で特定のアカウントに「読み取り」しか与えていない場合、そのアカウントからのアクセスは「読み取り」権限のみで行われます。そして、NTFS権限でアクセスを許可されていないアカウントは、Share権限で許可されていてもアクセスできません。
資格情報の入力を求められるのにアクセスできない場合、入力した資格情報に対応するアカウントが、アクセス先のShare権限またはNTFS権限のいずれか(あるいは両方)で許可されていない、という状況が考えられます。
2.3. ネットワーク設定の問題
ネットワーク構成の不備や設定ミスも、資格情報の入力プロンプトの原因となります。
- ネットワーク探索とファイル共有が無効: アクセス先のコンピューターまたはアクセス元のコンピューターで、「ネットワーク探索」または「ファイルとプリンターの共有」機能が無効になっている。これにより、コンピューターがお互いを認識したり、ファイル共有の通信プロトコルが許可されなかったりします。
- ファイアウォールのブロック: Windowsファイアウォールやサードパーティのファイアウォールが、ファイル共有に使用されるポート(特にSMBプロトコルで使用されるTCP 445番ポート、または古いNetBIOSで使用されるUDP 137, 138番、TCP 139番ポート)をブロックしている。これにより、認証のための通信自体が相手に届かない、または応答が返ってこない状態になります。
- ネットワークの種類が「パブリック」: Windowsでは、ネットワークの種類を「パブリック」または「プライベート」に設定できます。「パブリックネットワーク」は通常、セキュリティを高めるためにネットワーク探索やファイル共有をデフォルトで無効にしたり、厳しく制限したりします。家庭や社内ネットワークでは「プライベートネットワーク」に設定するのが適切です。
- DNSまたは名前解決の問題: コンピューター名を正しくIPアドレスに変換できない(名前解決が失敗する)場合、接続自体が確立できず、資格情報の入力を求められることがあります。IPアドレスで直接アクセスできるか試すことで切り分けられます。
- 異なるサブネット: サブネットが異なると、ブロードキャストによるネットワーク探索が機能しません。ルーター/ファイアウォールの設定によっては、異なるサブネット間の通信が制限されている場合もあります。
2.4. SMBプロトコルの問題
ファイル共有にはSMB(Server Message Block)というプロトコルが使われます。このプロトコルに関する設定やバージョンの違いも原因となることがあります。
- SMBバージョンの非互換性: アクセス元のWindowsが新しいSMBバージョン(例:SMB 2.x, 3.x)しか有効になっていないが、アクセス先のデバイス(特に古いNASやWindows XP以前のOS)が古いSMBバージョン(SMB 1.0)しかサポートしていない場合、通信が確立できません。セキュリティ上の理由からSMB 1.0はデフォルトで無効化される傾向にありますが、古いデバイスとの互換性のために一時的に有効化が必要になる場合があります(セキュリティリスクを伴います)。
- SMB署名の要求: セキュリティ強化のために、SMB通信にデジタル署名を要求する設定があります。アクセス元とアクセス先でこの設定が一致しない場合、通信が拒否されることがあります(主にドメイン環境のポリシーなどで設定される)。
2.5. 資格情報マネージャーの問題
Windowsには、ネットワークリソースやWebサイトなどにアクセスする際に使用する資格情報を記憶しておく「資格情報マネージャー」という機能があります。
- 誤った資格情報が保存されている: 過去にアクセスした際に間違ったユーザー名やパスワードを「この資格情報を記憶する」として保存してしまった場合、Windowsは次回以降その誤った情報を自動的に使用しようとします。これが認証失敗の原因となり、プロンプトが繰り返し表示されたり、入力した正しい資格情報が無視されたりします。
- 資格情報マネージャーのエントリの破損: まれに、資格情報マネージャーのデータが破損している場合も問題が発生することがあります。
2.6. グループポリシーまたはローカルセキュリティポリシー
ドメイン環境では、ドメインコントローラーからのグループポリシーによって、様々なセキュリティ設定が一元管理されています。ワークグループ環境でも、ローカルセキュリティポリシーで同様の設定が可能です。
- ネットワークアクセスに関する制限: 「ネットワーク経由での匿名アクセスを許可しない」「ネットワーク経由でアクセスできるアカウントを制限する」といったポリシーが設定されている場合、特定のユーザーやグループからのアクセスが制限されます。
- 空パスワードの使用に関する制限: 前述の通り、空パスワードのアカウントによるネットワークアクセスを拒否するポリシーが有効になっている。
- 認証プロトコルの制限: NTLM認証やKerberos認証に関する設定、またはこれらのプロトコルの特定のバージョンのみを許可/拒否する設定。
- アカウントロックアウトポリシー: 一定回数パスワードを間違えるとアカウントがロックされる設定。
2.7. セキュリティソフトウェアやVPNの影響
アンチウイルスソフト、ファイアウォールソフト、VPNクライアントなどのセキュリティ関連ソフトウェアが、ファイル共有の通信を干渉またはブロックすることがあります。特に、ネットワークトラフィックを監視・制御する機能を持つソフトウェアは、正規のファイル共有通信を誤ってマルウェアや不正アクセスと判断し、ブロックしてしまう可能性があります。
2.8. ターゲットデバイス側の問題
アクセス先のコンピューターやNASデバイス自体に問題がある場合も考えられます。
- サービスが停止している: ファイル共有に関連するサービス(例: Serverサービス、Workstationサービス)が停止している。
- システムエラー: ターゲットデバイスのOSに一時的な不具合が発生している。
- リソースの負荷過多: ターゲットデバイスがネットワークトラフィックや処理負荷によって応答不能になっている。
3. 正しい資格情報の入力方法
プロンプトが表示された場合、どのように資格情報を入力すれば良いのでしょうか。正しい入力形式と考慮事項を理解することが重要です。
3.1. 入力する資格情報は何のアカウントか?
繰り返しになりますが、入力すべき資格情報は、「アクセス先のコンピューター上で、目的の共有リソース(フォルダー、プリンターなど)へのアクセス権限が設定されているユーザーアカウント」のユーザー名とパスワードです。
- ワークグループ環境で、アクセス先のPCにアカウントが存在する場合:
- アクセス先のPCで使っているユーザー名とパスワードを入力します。
- ユーザー名は
コンピューター名\ユーザー名
の形式で入力することもできます。例えば、アクセス先PCの名前がMYPC
で、ユーザー名がTaro
の場合、MYPC\Taro
と入力します。コンピューター名部分を省略してTaro
だけでも認識されることが多いですが、明示的にコンピューター名\
を付ける方が確実です。 - 重要: アクセス元のPCとアクセス先のPCで、ユーザー名とパスワードが完全に一致するアカウントを作成しておくと、資格情報の入力を求められずにアクセスできることがよくあります(Windowsのデフォルト設定による)。これがワークグループ環境でファイル共有を簡単に行うための一般的な方法です。
- ドメイン環境で、ドメインリソースにアクセスする場合:
- ドメインユーザーアカウントのユーザー名とパスワードを入力します。
- ユーザー名は
ドメイン名\ユーザー名
またはユーザー名@ドメイン名
の形式で入力します。例えば、ドメイン名がMYDOMAIN
で、ユーザー名がJiro
の場合、MYDOMAIN\Jiro
またはJiro@MYDOMAIN
と入力します。
- NASや他のデバイスにアクセスする場合:
- そのNASやデバイスの管理画面で作成・設定されているユーザーアカウントのユーザー名とパスワードを入力します。これはWindowsのアカウントとは別物です。
3.2. 入力時の注意点
- ユーザー名: 形式(
ドメイン名\
やコンピューター名\
の要否)を正確に確認します。入力フィールドに例が表示されている場合もあります。 - パスワード: 大文字・小文字、全角・半角、数字、記号を正確に入力します。CapsLockがオンになっていないか確認します。パスワードは入力時に伏字(**)で表示されるため、ミスに気づきにくいです。可能であれば、一度メモ帳などの別の場所で入力してコピー&ペーストすると間違いを防げます。
- 「この資格情報を記憶する」: このチェックボックスをオンにすると、次回以降同じリソースにアクセスする際にこの資格情報が自動的に使用されます。便利な機能ですが、アクセス先でパスワードを変更した場合に、古い情報が記憶されていることで問題が発生することがあります。また、PCを共有している場合や、セキュリティが求められる環境では、安易にチェックを入れない方が安全です。
- アクセス先のリソース: プロンプトによっては、アクセスしようとしているリソースの名前(例:
\\MYPC\SharedDocs
)が表示されていることがあります。これが意図したリソースであるか確認します。
3.3. 入力画面のカスタマイズ
Windowsのバージョンや設定によっては、プロンプトの表示形式が多少異なることがあります。「その他の選択肢」のようなリンクが表示され、別のユーザーとしてサインインするオプションが選択できる場合もあります。ここで「別のアカウントを使用する」などを選択し、適切なユーザー名とパスワードを入力します。
4. 解決策とトラブルシューティングの手順
「ネットワーク資格情報の入力」プロンプトが表示され、アクセスできない場合の具体的な解決策とトラブルシューティングの手順を解説します。原因が多岐にわたるため、段階的に確認を進めることが重要です。
4.1. 基本的な確認事項と簡単な解決策
まず、簡単でよくある原因から潰していきます。
- ユーザー名とパスワードの再確認:
- 入力したユーザー名とパスワードが本当に正しいか、もう一度注意深く確認します。特にパスワードは、アクセス先のコンピューター上でそのアカウントに設定されているものである必要があります。
- CapsLockキーがオンになっていないか確認します。
- ユーザー名の形式(
コンピューター名\
やドメイン名\
が必要か)を再確認します。
- アクセス先のコンピューター(またはデバイス)の状態確認:
- アクセス先のコンピューターの電源が入っており、ネットワークに接続されているか確認します。
- アクセス先のコンピューター上でファイル共有機能が有効になっているか確認します(通常、サービスとして「Server」が実行されている必要があります)。
- ネットワーク接続の確認:
- アクセス元のコンピューターからアクセス先のコンピューターにPingが通るか確認します。(コマンドプロンプトで
ping コンピューター名
またはping IPアドレス
) - Pingが通らない場合は、ネットワークケーブルの接続、Wi-Fi接続、ルーターやスイッチの問題を確認します。
- アクセス元のコンピューターからアクセス先のコンピューターにPingが通るか確認します。(コマンドプロンプトで
- コンピューターの再起動:
- アクセス元とアクセス先の両方のコンピューターを再起動してみます。一時的な不具合やサービスの停止が解消されることがあります。NASなどのデバイスであれば、そのデバイスの再起動も試みます。
4.2. 資格情報マネージャーの確認と編集
誤った資格情報が自動入力されている可能性があるため、資格情報マネージャーを確認します。
- 資格情報マネージャーを開く: Windowsの検索バーに「資格情報マネージャー」と入力して開きます。または、「コントロールパネル」→「ユーザーアカウント」→「資格情報マネージャー」と進みます。
- Windows資格情報の確認: 「Windows資格情報」セクションを展開します。
- 関連する資格情報の特定: アクセスしようとしているコンピューター名やIPアドレスに関連するエントリを探します。例えば
\\コンピューター名
やコンピューター名/IPアドレス
といった形式で登録されています。 - 資格情報の編集または削除:
- もし誤ったユーザー名やパスワードが保存されている場合は、そのエントリを選択して「編集」をクリックし、正しい情報に修正します。
- または、そのエントリを一度「削除」します。削除後、再度ネットワークリソースにアクセスしようとすると、改めて資格情報の入力を求められるので、今度は正しい情報を注意深く入力します。
4.3. ネットワーク設定の確認と変更
ファイル共有に関連するネットワーク設定を確認し、必要に応じて変更します。
- ネットワーク探索とファイル共有の有効化:
- 「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」を開きます。
- 左側の「共有の詳細設定の変更」をクリックします。
- 現在アクティブなネットワークプロファイル(通常は「プライベートネットワーク」または「パブリックネットワーク」)の設定を展開します。
- 「ネットワーク探索を有効にする」と「ファイルとプリンターの共有を有効にする」にチェックが入っていることを確認します。入っていなければ有効にします。
- 「すべてのネットワーク」を展開し、「パブリックフォルダーの共有」や「パスワード保護共有」の設定を確認・調整します。パスワード保護共有を無効にすると、アカウントを持たないユーザーも特定の共有リソースにアクセスできるようになりますが、セキュリティリスクが増大するため推奨されません。
- ネットワークの場所(プロファイル)の確認:
- 「ネットワークと共有センター」で、現在接続しているネットワークの種類(パブリックネットワーク、プライベートネットワーク)を確認します。家庭や社内ネットワークでは「プライベートネットワーク」が適切です。パブリックになっている場合は、プライベートに変更します。(Windows 10/11では、[設定] > [ネットワークとインターネット] > [Wi-Fi] または [イーサネット] を選択し、接続しているネットワークのプロパティでネットワークプロファイルを変更します。)
- ファイアウォールの確認:
- 「Windows Defender ファイアウォール」(またはご使用のサードパーティファイアウォール)の設定を開きます。(Windows検索で「ファイアウォール」と入力)
- 「Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可する」をクリックします。
- リストの中の「ファイルとプリンターの共有」を探し、現在使用しているネットワークの種類(プライベート、パブリック、ドメイン)に対応するチェックボックスがオンになっているか確認します。オンになっていなければ有効にします。
- サードパーティのファイアウォールを使用している場合は、その設定を開き、ファイル共有(SMB、ポート445, 139など)に関連する通信がブロックされていないか確認します。一時的にファイアウォールを無効にしてアクセスできるかテストする(テスト後は必ず有効に戻す)のもトラブルシューティングの一環ですが、セキュリティリスクを伴うため慎重に行います。
- DNS/名前解決の確認:
- コマンドプロンプトで
nslookup コンピューター名
またはnslookup IPアドレス
を実行し、正しく名前解決ができるか確認します。 ping コンピューター名
とping IPアドレス
の両方を試して、名前でのアクセスのみが失敗するか、IPアドレスでのアクセスも失敗するかを確認します。名前解決に問題がある場合は、DNS設定やhostsファイルの確認が必要になる場合があります。
- コマンドプロンプトで
4.4. アクセス権限(Share/NTFS)の確認と設定
アクセス先のコンピューター上で、共有フォルダーやプリンターに設定されているアクセス権限を確認・変更します。
- Share権限の確認:
- アクセス先のコンピューターで、共有しているフォルダーを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「共有」タブを開きます。
- 「ネットワークのファイルとフォルダーの共有」セクションの「共有」ボタン、または「詳細な共有」ボタンをクリックします。(どちらが表示されるかは設定による)
- 「詳細な共有」の場合、「このフォルダーを共有する」にチェックが入っていることを確認し、「アクセス許可」ボタンをクリックします。
- 表示されたリストに、アクセスに使用したいアカウント(またはそのアカウントが所属するグループ、例: Everyone, Authenticated Users, Users)が含まれているか確認します。含まれていない場合は「追加」ボタンで追加します。
- そのアカウント/グループに対して、必要な権限(読み取り、変更、フルコントロール)が付与されているか確認し、必要に応じて変更します。
- NTFS権限の確認:
- 共有しているフォルダーを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「セキュリティ」タブを開きます。
- 「グループ名またはユーザー名」のリストに、アクセスに使用したいアカウント(またはそのアカウントが所属するグループ)が含まれているか確認します。含まれていない場合は「編集」ボタンをクリックし、「追加」で追加します。
- リストでそのアカウント/グループを選択し、下段の「アクセス許可」で必要な権限(フルコントロール、変更、読み取りと実行、フォルダーの内容の一覧表示、読み取り、書き込み)が付与されているか確認します。拒否(Deny)のチェックが付いていると、許可(Allow)の設定よりも優先されるため注意が必要です。
- アクセス権限の付与:
- アクセスに使用したいアカウント(例: ワークグループ環境で、アクセス元のPCと同じユーザー名/パスワードのアカウント)がリストにない場合は、「追加」ボタンから追加します。
- 「選択するオブジェクト名を入力してください」の欄に、ユーザー名またはグループ名を入力し、「名前の確認」をクリックしてアカウント名が正しく認識されるか確認します。
- アクセス元のPCのユーザー名とパスワードがアクセス先のPCのローカルアカウントと一致している場合、そのローカルアカウント名を指定します。ドメイン環境であればドメインユーザー名を指定します。
- 最終的な権限の確認: Share権限とNTFS権限の両方を確認し、より制限的な方が最終的な有効権限になることを理解した上で、目的の操作(読み取り、書き込みなど)に必要な権限が付与されているか再確認します。
4.5. ワークグループ環境特有の対策
ワークグループ環境では、各PCが独立したアカウントデータベースを持つため、認証に問題が起きやすいです。
- アクセス元とアクセス先で同じアカウントを作成: アクセス元のPCでログインしているユーザーと同じユーザー名とパスワードを持つローカルアカウントを、アクセス先のPCにも作成します。このアカウントに、共有リソースへのアクセス権限を付与します。これにより、Windowsが自動的にその一致するアカウント情報を使用して認証を試みるため、資格情報の入力がスキップされる可能性が高まります。
- アカウントへのパスワード設定: アクセス先のPCのローカルアカウントにパスワードが設定されていない場合、ネットワーク経由でのアクセスが拒否されることがあります。セキュリティのためにも、必ずパスワードを設定してください。
4.6. SMBプロトコル設定の確認(注意が必要)
古いデバイスへのアクセスで問題が発生する場合、SMBバージョンの互換性を確認します。SMB 1.0はセキュリティリスクが高いため、安易な有効化は推奨されません。
- SMB 1.0の有効/無効の確認:
- Windowsの検索バーに「Windows の機能の有効化または無効化」と入力して開きます。
- リストの中から「SMB 1.0/CIFS ファイル共有サポート」を探します。
- この項目にチェックが入っているかどうかで、SMB 1.0が有効になっているか確認できます。
- SMB 1.0の有効化(非推奨、最終手段として):
- この操作はセキュリティリスクを高めます。可能な限りSMB 1.0に依存しない構成を検討してください。
- 「SMB 1.0/CIFS ファイル共有サポート」のチェックボックスをオンにし、「OK」をクリックします。Windowsの再起動が必要になる場合があります。
- 問題が解決した場合は、アクセス元のPCまたはアクセス先のデバイスがSMB 1.0にしか対応していないことが原因だと特定できます。恒久的な解決策としては、デバイスのファームウェアアップデートや買い替えを検討します。
- 問題が解決したら、セキュリティのために必ずSMB 1.0を無効に戻すことを検討してください。
- SMB署名(高度な設定):
- これは主にドメイン環境やセキュリティ要件の高い環境で問題になります。ローカルセキュリティポリシーまたはグループポリシーエディターで、「Microsoftネットワーク クライアント:通信にデジタル署名を行う (常に)」や「Microsoftネットワーク サーバー:通信にデジタル署名を行う (常に)」などの設定を確認します。これらの設定の不一致が認証に影響を与える可能性がありますが、変更にはシステムの安定性やセキュリティへの影響を理解しておく必要があります。
4.7. グループポリシー/ローカルセキュリティポリシーの確認
特定のポリシーがアクセスを妨げている可能性があります。
- ローカルセキュリティポリシーエディターを開く: Windows検索で「secpol.msc」と入力して実行します。(Windows Pro/Enterprise/Education版で利用可能。Home版にはこのエディターはありませんが、関連するレジストリ設定は存在します。)
- ネットワークアクセス関連のポリシー: 「ローカル ポリシー」→「セキュリティ オプション」を開きます。以下の項目を確認します。
- ネットワーク アクセス:匿名アクセスを許可する共有: 匿名アクセスを許可したい共有がある場合の設定ですが、通常は空です。
- ネットワーク アクセス:SAM アカウントと共有の匿名列挙を許可しない: 有効(デフォルト)が推奨です。
- ネットワーク アクセス:Everyone アクセス許可を匿名ユーザーに適用する: 無効(デフォルト)が推奨です。これを有効にすると匿名アクセスで Everyone 権限が付与されてしまいセキュリティリスクが高まります。
- ネットワーク アクセス:ローカル アカウントの共有とセキュリティ モデル: ワークグループ環境で重要です。「クラシック – ローカル ユーザーがローカルユーザーとして認証する」または「ゲストのみ – ローカル ユーザーをゲストとして認証する」のいずれかが選択されています。「クラシック」の場合、入力された資格情報がアクセス先のローカルアカウントと一致した場合にその権限でアクセスできます。「ゲストのみ」の場合、すべてのネットワークアクセスがゲスト権限で行われます(ゲストアカウントが有効になっている必要あり)。通常は「クラシック」が選択されています。
- ネットワーク アクセス:リモートからのシャットダウンを許可するアカウント: (直接の原因ではないことが多いですが、関連設定として)
- ネットワーク アクセス:リモート レジストリへのアクセス: (直接の原因ではないことが多いですが、関連設定として)
- アカウントロックアウトポリシー: 「アカウント ポリシー」→「アカウント ロックアウト ポリシー」で、ロックアウトまでの失敗回数などを確認できます。
- グループポリシーの結果(ドメイン環境): ドメイン環境の場合は、
gpresult /r
やgpresult /h report.html
コマンドを使用して、アクセス元とアクセス先のコンピューターに適用されているグループポリシーを確認します。
4.8. セキュリティソフトウェアの確認
一時的にセキュリティソフトウェア(アンチウイルス、ファイアウォールなど)を無効にして、問題が解消されるか確認します。
- セキュリティソフトウェアを無効化: ご使用のセキュリティソフトウェアの設定を開き、リアルタイム保護やファイアウォール機能などを一時的に無効にします。(無効化する際は、ネットワークから切断するなど、他のリスクを低減する対策を同時に行うことを検討してください。)
- アクセス試行: セキュリティソフトウェア無効化中に、ネットワークリソースへのアクセスを試みます。
- 結果の判断: アクセスできた場合、セキュリティソフトウェアが原因である可能性が高いです。ソフトウェアの設定を見直し、ファイル共有に関連する通信を許可するように設定変更します。
- セキュリティソフトウェアの再有効化: 問題の切り分けが終わったら、必ずセキュリティソフトウェアを有効に戻してください。
4.9. イベントビューアーの確認
アクセス先のコンピューターのイベントログを確認すると、認証失敗の原因に関するヒントが得られる場合があります。
- イベントビューアーを開く: Windows検索で「イベントビューアー」と入力して開きます。
- セキュリティログの確認: 「Windowsログ」→「セキュリティ」を開きます。
- 監査失敗イベントを探す: ログの中から「監査失敗」のイベント(特にソースがMicrosoft Windows security auditing.のイベントID 4625)を探します。これはログイン試行の失敗を示します。
- イベント詳細の確認: イベントID 4625の詳細を開くと、失敗したアカウント名、クライアントIPアドレス、失敗の種類(例: 不明なユーザー名またはパスワード、アカウント無効、アカウントロックアウト、ログオンの種類が許可されていないなど)に関する情報が含まれています。この情報が、認証がなぜ失敗したのかを特定する上で非常に役立ちます。
4.10. ネットワークドライブのマッピング
共有フォルダーへのアクセスが頻繁な場合は、ネットワークドライブとしてマッピングすると便利です。マッピング時にも資格情報を入力することになりますが、一度成功すればエクスプローラーから簡単にアクセスできるようになります。
- エクスプローラーを開きます。
- 左側のナビゲーションウィンドウで「PC」を右クリックし、「ネットワーク ドライブの割り当て」を選択します。
- ドライブ文字を選択し、「フォルダー」の欄に共有フォルダーのパス(例:
\\コンピューター名\共有名
)を入力します。 - 「サインイン時に再接続する」は、PC起動時に自動的に接続するかどうかです。毎回資格情報の入力を求められたくない場合はチェックを入れますが、アクセス先のパスワードを変更した際などに問題になることがあります。
- 「別の資格情報を使用して接続する」にチェックを入れます。
- 「完了」をクリックします。
- 資格情報の入力プロンプトが表示されるので、正しいユーザー名とパスワードを入力します。
- この方法で成功した場合、通常の
\\コンピューター名\共有名
でのアクセスがうまくいかなかった原因が、資格情報の自動入力の失敗などにある可能性が考えられます。
4.11. 特定のシナリオに関する補足
- NASデバイスへのアクセス: NASデバイスにアクセスする場合、NAS側のユーザー管理設定、共有フォルダー設定、アクセス権限設定を確認してください。Windowsの資格情報ではなく、NASに設定されているユーザーの資格情報が必要です。
- 古いWindowsバージョンやデバイスへのアクセス: Windows XPやWindows Server 2003など、古いOSやSMB 1.0しかサポートしないデバイスへのアクセスは、セキュリティ上の理由から難しくなっています。SMB 1.0の有効化は最終手段と考え、可能であればより新しいOSやデバイスに移行を検討してください。
5. 資格情報を管理する
「ネットワーク資格情報の入力」プロンプトに適切に対応し、今後の問題を減らすためには、資格情報の管理が重要です。
- 資格情報マネージャーの活用: 頻繁にアクセスするネットワークリソースの資格情報を「この資格情報を記憶する」で保存しておくと便利です。ただし、アクセス先のパスワードを変更した場合は、資格情報マネージャーのエントリを編集または削除して更新する必要があります。
- 不要な資格情報の削除: もうアクセスしないネットワークリソースや、誤って保存してしまった資格情報は、資格情報マネージャーから削除しておきましょう。これにより、Windowsが誤った情報で認証を試みることを防げます。
- ワークグループ環境でのアカウント統一: ワークグループ環境で複数のPC間でファイル共有を頻繁に行う場合は、関係するPCすべてで同じユーザー名とパスワードを持つローカルアカウントを作成・使用するのが、最もスムーズな方法です。
- パスワードの変更: アクセス先のコンピューターやデバイスのパスワードを変更した場合は、アクセス元のPCの資格情報マネージャーに保存されている資格情報も必ず更新してください。
6. セキュリティ上の注意点
ネットワーク資格情報の入力は、ネットワークセキュリティの根幹に関わる部分です。以下の点に注意が必要です。
- 強力なパスワードの使用: アクセス先の共有リソースは、そのアカウントのパスワードによって保護されています。推測されにくい、十分な長さと複雑性を持つパスワードを設定してください。
- 「この資格情報を記憶する」の利用: 自宅のPCなど、信頼できる環境で自分だけが使うPCであれば便利ですが、公共の場にあるPCや、他の人と共有しているPCでは安易にチェックを入れないでください。PCがロックされていない状態であれば、他人があなたの保存された資格情報を使ってネットワークリソースにアクセスできてしまうリスクがあります。
- SMB 1.0の無効化: 前述の通り、SMB 1.0には既知の脆弱性が多く、セキュリティリスクが高いプロトコルです。必要がなければ必ず無効にしておいてください。
- 最小権限の原則: 共有フォルダーなどのアクセス権限を設定する際は、必要最低限の権限のみを付与するようにします。例えば、ファイルの読み取りしか必要ないユーザーに書き込み権限を与えないなどです。
- ゲストアカウントの無効化: Windowsのデフォルトでは無効になっていますが、ゲストアカウントによるネットワークアクセスを許可すると、誰でもパスワードなしでアクセスできてしまうリスクがあります。特別な理由がない限り、ゲストアカウントは無効のままにしておくべきです。
- ネットワークの種類: パブリックネットワークでは、セキュリティリスクを減らすためにファイル共有機能を無効にするのが適切です。家庭や社内ネットワークの場合はプライベートネットワークに設定します。
7. まとめ
「Windowsセキュリティ:ネットワーク資格情報の入力」プロンプトは、ネットワーク上の共有リソースにアクセスする際の認証プロセスが正しく行われなかった場合に表示されます。その原因は多岐にわたり、「入力した資格情報の間違い」「アクセス権限の不足」「ネットワーク設定の不備」「ファイアウォールのブロック」「SMBプロトコルの非互換性」「資格情報マネージャーの誤った情報」などが考えられます。
この問題を解決するためには、以下の点を順に確認し、トラブルシューティングを進めることが効果的です。
- 基本的な確認: ユーザー名とパスワード、アクセス先の電源とネットワーク接続を確認。
- 資格情報マネージャー: 保存されている誤った資格情報を削除または編集する。
- ネットワーク設定: ネットワーク探索、ファイル共有、ネットワークプロファイル、ファイアウォールの設定を確認・修正する。
- アクセス権限: アクセス先のShare権限とNTFS権限を確認し、必要な権限を付与する。
- ワークグループ環境: アクセス元とアクセス先で同じユーザー名・パスワードのアカウントを作成・使用することを検討する。
- SMBプロトコル: 特に古いデバイスへのアクセスで問題がある場合、SMB 1.0の状況を確認する(セキュリティリスクに注意)。
- セキュリティポリシー/グループポリシー: ネットワークアクセスに関するポリシー設定を確認する(特にドメイン環境)。
- イベントビューアー: アクセス先のログで認証失敗の詳細を確認する。
- セキュリティソフトウェア: 一時的に無効にして切り分けを行う(テスト後は戻す)。
これらの手順を一つずつ確認していくことで、多くのケースで「ネットワーク資格情報の入力」プロンプトが表示される原因を特定し、解決することができます。ネットワーク共有はWindowsの便利な機能ですが、セキュリティとのバランスを取りながら適切に設定・利用することが重要です。この記事が、ネットワークアクセスの問題解決の一助となれば幸いです。