ハガキのサイズは?寸法と郵便規定を徹底解説

はい、承知いたしました。「ハガキのサイズは?寸法と郵便規定を徹底解説」と題した、約5000語の詳細な記事を作成します。


ハガキのサイズは?寸法と郵便規定を徹底解説

はじめに:ハガキの基本的な役割とその重要性

私たちの日常生活やビジネスにおいて、ハガキは依然として重要なコミュニケーションツールです。年賀状、暑中見舞い、各種通知、ダイレクトメール(DM)、懸賞応募など、様々な目的で利用されています。手軽に送れて、相手に直接情報を届けられるという特性は、デジタル化が進んだ現代でも色褪せません。

しかし、この身近なハガキにも、郵便として適切に扱われ、滞りなく相手に届けるためには、厳格なサイズ、重量、そしてデザインに関する規定が存在します。これらの規定を知らずにハガキを作成・送付してしまうと、追加料金が発生したり、最悪の場合、配達が遅延したり、差出人に返送されたりする可能性があります。特に、自分でデザインした私製ハガキを使用する場合や、ビジネスで大量のDMを送付する場合には、これらの規定を正確に理解しておくことが不可欠です。

本記事では、「ハガキ」として郵便で送ることができるサイズや重量の規定、さらには宛名やデザインに関する細かなルール、そしてそれらの規定がなぜ必要なのかについて、日本郵便の公式情報を基に徹底的に解説します。官製はがきから私製はがき、特殊なハガキに至るまで、幅広くカバーし、あなたのハガキ利用がよりスムーズで確実なものとなるよう、詳細な情報を提供することを目指します。約5000語にわたり、ハガキに関するあらゆる疑問にお答えする網羅的なガイドとしてご活用ください。

1. ハガキの基本サイズと規格:第一種郵便物としての位置づけ

日本の郵便制度において、ハガキは「第一種郵便物」という区分に含まれます。第一種郵便物には、手紙(定形郵便物、定形外郵便物)や通常ハガキなどが含まれます。ハガキは、この第一種郵便物の中でも特に「ハガキ」という独自の規格が定められています。この規格に合致しないものは、原則としてハガキとしてではなく、定形外郵便物として扱われ、料金が変わる可能性があります。

1.1. 通常ハガキ(第一種郵便物)のサイズ規定

ハガキとして郵便で送るためには、以下のサイズ規定を満たす必要があります。これらの規定は、郵便物の自動処理システム(区分機)によって効率的に仕分け・配達を行うために非常に重要です。

  • 最小寸法:

    • 長さ(長辺):140 mm
    • 幅(短辺):90 mm
    • これより小さいサイズのものは、ハガキとして送ることができません。小さすぎると、自動仕分け機がうまく扱えなかったり、ポストの隙間から落ちてしまったりする可能性があります。
  • 最大寸法:

    • 長さ(長辺):154 mm
    • 幅(短辺):107 mm
    • これより大きいサイズのものは、ハガキとして送ることができません。大きすぎると、自動仕分け機に詰まったり、規格外として手作業での処理が必要になったりします。
  • 厚さ:

    • 通常、ハガキの厚さに関する明確な「最大厚さ」のミリ単位での規定は、日本郵便のウェブサイトでは明記されていません。しかし、「紙質の厚さ」という観点から、適切な強度とコシが求められます。あまりに薄すぎると、自動処理中に折れ曲がったり、破損したりする可能性があります。また、厚すぎたり、硬すぎたり(例:木片や金属板など)するものも、機械処理に適さず、ハガキとして扱われない場合があります。一般的には、官製はがきと同等かそれに近い紙質(後述の重量/坪量の項目で詳しく説明します)が推奨されます。
    • ただし、全体としての「厚み」については、飾りや添付物がある場合に規定があります。これについては後述の重量・厚さの項目で詳しく解説します。

1.2. 一般的なハガキの標準サイズ:100mm x 148mm

上記の最小・最大寸法の範囲内で、最も一般的で広く利用されているハガキのサイズは、幅100mm × 長さ148mm です。これは、官製はがき(郵便局で販売されているはがき)のサイズであり、事実上の標準サイズとなっています。

このサイズは、長年郵便局の機械処理に適したサイズとして運用されてきた歴史があり、多くの印刷会社や文具メーカーがこのサイズに合わせてハガキ用紙や関連製品を製造しています。私製はがきを作成する際も、この「100mm × 148mm」を基準にすると、特に問題なく郵便として扱われる可能性が高いです。もちろん、規定の最小~最大寸法の範囲内であれば、多少サイズが異なっていてもハガキとして送ることは可能です。例えば、若干縦長や横長のハガキでも、上記の範囲内であれば問題ありません。

1.3. サイズ規定がある理由:郵便処理の効率化

なぜ、このようにハガキのサイズに細かい規定があるのでしょうか?その主な理由は、郵便物の自動仕分けシステムの効率的な運用にあります。

日本全国で毎日膨大な数の郵便物が扱われています。これらの郵便物を、手作業だけで宛先ごとに仕分けるのは現実的ではありません。そのため、多くの郵便物は「郵便区分機」という高性能な機械によって自動的に仕分けられています。この機械は、郵便物のサイズ、形、バーコードなどの情報を読み取り、高速で目的地別に振り分けることができます。

ハガキは、この区分機で処理される代表的な郵便物の一つです。区分機は、特定のサイズ範囲の郵便物を扱うように設計されています。規定のサイズから外れた郵便物は、機械がうまく認識できなかったり、搬送中に引っかかったり詰まったりする原因となります。その結果、機械処理ができず、手作業での処理が必要となり、時間とコストがかさみます。

また、サイズ規定は、ポストへの投函や、郵便局内での保管・輸送にも影響します。標準的なポストの投函口にスムーズに入るサイズであること、郵便局の集配バッグや保管棚に効率よく収まるサイズであることなども考慮されています。

このように、ハガキのサイズ規定は、郵便システム全体が効率的に機能するための基盤となっているのです。

1.4. 往復ハガキのサイズ規定

往復ハガキは、一枚の紙を二つ折りにし、片道分のハガキと返信用のハガキが一体となったものです。結婚式の招待状の返信や、各種イベントの出欠確認などで利用されます。往復ハガキにも、通常ハガキと同様にサイズ規定があります。

  • 折った状態(送付時):

    • 長さ(長辺):140 mm ~ 154 mm
    • 幅(短辺):90 mm ~ 107 mm
    • これは、通常ハガキを折った状態ですので、そのサイズ規定に合致している必要があります。つまり、通常ハガキと同じサイズ(100mm × 148mmなど)のものを二つ折りにした状態が、この範囲に収まる必要があります。一般的な官製往復はがきは、二つ折りにした状態で 100mm × 148mm です。
  • 広げた状態(展開時):

    • 広げた状態のサイズは、折った状態の幅(短辺)が二つ分になるため、通常のハガキの長辺サイズ(148mmなど)の倍になります。
    • 一般的な官製往復はがきを広げると、幅100mm × 長さ296mm となります(これは100mm × 148mmのハガキを二つ折りにした場合)。
    • 広げた状態の最大寸法は、長さ(長辺)が308 mm以下、幅(短辺)が107 mm以下と定められています。これは、折った状態の最大寸法(長辺154mm x 短辺107mm)を広げた場合に、幅が107mm以下、長さが154mm x 2 = 308mm以下である必要があるためです。
    • 往復ハガキは、必ず折り曲げて送付する必要があります。折らずに広げたまま送ると、規定外サイズとなり、定形外郵便物として扱われる可能性があります。

1.5. その他のハガキ形状:圧着ハガキなど

近年、ダイレクトメール(DM)などでよく見かけるのが「圧着ハガキ」です。これは、複数ページの情報が記載された用紙を特殊なのりで貼り合わせ、めくって内容を読む形式のハガキです。情報量を多く掲載できるというメリットがあります。

圧着ハガキも、郵便として送るためにはハガキの規定を満たす必要があります。

  • 封かん(圧着)した状態:
    • サイズ:通常ハガキのサイズ規定(最小140×90mm ~ 最大154×107mm)に合致している必要があります。官製はがきのサイズ(100mm × 148mm)で作成されることが多いです。
    • 厚さ:圧着されているため、通常のハガキより厚みが出やすいですが、郵便物の厚みとして全体の厚さが1cmを超えるものや、硬すぎて機械処理が困難なものは、ハガキとしてではなく定形外郵便物として扱われる場合があります(後述の厚さ・重量の項目でさらに詳しく解説)。
    • 重量:圧着により紙の枚数が増えるため、重量も増えます。ハガキの重量制限(後述)を超えないように注意が必要です。
    • 圧着の強度:輸送中に剥がれてしまわないような適切な強度で圧着されている必要があります。また、逆に受信者が簡単に剥がせるようになっている必要もあります。
    • めくる部分の加工:圧着を剥がすための切り込み(ノッチ)などが施されていることが多いですが、これが郵便物の搬送に支障をきたさない形状である必要があります。

圧着ハガキは、情報量が多い反面、サイズ、厚さ、重量、そして圧着加工の質など、通常ハガキ以上に注意すべき点が多くなります。作成を検討する際は、印刷会社と日本郵便の規定を十分に確認することが重要です。

2. 郵便規定:重量と料金

ハガキを郵便として送る際には、サイズだけでなく「重量」に関する規定も重要です。重量によって料金が変わることはありませんが、重量オーバーの場合はハガキとして送れなくなる可能性があります。また、ハガキの種類によって定められた郵便料金を支払う必要があります。

2.1. ハガキの重量制限

ハガキは、第一種郵便物の中でも「ハガキ」という区分で扱われるため、定形郵便物のような詳細な重量区分(25gまで、50gまでなど)はありません。しかし、ハガキとして定められた郵便料金で送付できる重量には、事実上の上限があります。

日本郵便の規定では、ハガキとして送ることができるものの最大重量は6gとされています(2017年6月1日以降)。

  • 最大重量:6g
  • 最小重量:2g (これは、ハガキとして適切に機能するための最低限の紙の厚さ・重さの目安であり、あまりに軽すぎるものもハガキとして不適切とみなされる可能性があります。)

一般的な官製はがきは、1枚あたり約3g程度です。私製はがきを作成する場合、使用する紙の厚さ(坪量)によって重量が変わってきます。

  • 坪量(つぼりょう):紙の重さを示す単位で、1平方メートルあたりの紙1枚の重さをグラム(g/m²またはgsm)で表します。坪量が高いほど、紙は厚く重くなります。
    • 官製はがきの坪量は、おおよそ 180gsm~220gsm 程度と言われています。この坪量の紙で 100mm x 148mm のサイズにカットすると、約3gになります。
    • 私製はがきを作成する際は、坪量180gsm以上の紙を選ぶのが一般的です。これより薄いと、強度が不足し、機械処理に適さない可能性があります。

重量オーバーの場合の対応:

もしハガキの重量が6gを超えてしまった場合、それはハガキとしてではなく、定形外郵便物として扱われます。定形外郵便物には重量に応じた料金体系があります。例えば、50gまでの定形外郵便物(規格内)の料金が適用されることになります。したがって、ハガキの料金(通常ハガキ63円)ではなく、定形外郵便物の料金が請求されることになります。これは、予期せぬ追加料金となるため、特に大量のハガキを送る場合は注意が必要です。

重量オーバーになりやすいケースとしては、以下のような場合があります。

  • 厚手の紙を使用した場合
  • 写真やシール、飾りなどをたくさん貼り付けた場合
  • 圧着ハガキなど、紙を複数枚重ねた構造の場合

私製はがきを作成する際や、装飾を施す際には、事前にハガキ1枚あたりの重量を測ってみることをお勧めします。

2.2. ハガキの郵便料金

ハガキを送る際には、定められた郵便料金を支払う必要があります。料金は、ハガキの種類(通常ハガキ、往復ハガキ)や送付先(国内、海外)によって異なります。

  • 国内郵便:

    • 通常ハガキ(第一種郵便物):63円
      • これは、日本国内に送る場合の基本的な料金です。
      • この料金は、ハガキのサイズ規定(最小140×90mm ~ 最大154×107mm)と重量規定(6gまで)を満たしている場合に適用されます。
      • 料金表示は、切手を貼るか、料金別納/料金後納/メータースタンプなどで表示します。官製はがきには、あらかじめ料額印面(切手部分)が印刷されています。
    • 往復ハガキ(第一種郵便物):126円
      • 往信分(63円)と返信分(63円)の合計額です。
      • 折った状態で送付する場合に適用されます。
  • 料金改定の歴史:

    • 郵便料金は、消費税率の変更や物価変動、事業コストなどを理由に過去に何度か改定されています。
    • 例えば、2014年4月1日には消費税率引き上げに伴い50円から52円に、2017年6月1日には事業運営コストの増加等を理由に52円から62円に、そして2019年10月1日には消費税率引き上げに伴い62円から現行の63円に改定されています。
    • 古い料金の官製はがきや切手を使用する場合、現行料金との差額分の切手を貼り足す必要があります(例:52円の官製はがきを使用する場合、差額の11円分の切手を貼る必要があります)。
  • オプションサービス利用時の料金加算:

    • ハガキにオプションサービス(速達、書留、特定記録、配達証明など)を付加することも可能です。
    • これらのサービスを利用する場合、上記のハガキ基本料金に加えて、各サービスの料金が加算されます。料金は、利用するサービスの種類や内容によって異なります。
  • 海外へのハガキ(国際郵便):

    • 海外へハガキを送る場合、サイズ規定は国内郵便とは異なりますが、ほぼ同等です(最小140×90mm、最大235×120mm)。ただし、厚さや重量の規定、そして料金体系は国内郵便とは全く異なります。
    • 国際郵便の料金は、送付先の国・地域(ゾーン)によって細かく定められています。ハガキの料金も国・地域によって異なりますので、日本郵便のウェブサイトなどで確認が必要です。

2.3. 紙の厚さと重量の関係:坪量・連量

私製はがきを作成する上で、紙の「厚さ」と「重量」は密接に関連しており、規定を満たす上で重要な要素です。

  • 坪量(gsm): 前述の通り、紙1平方メートルあたりの重さ。紙の基本的な厚さや密度を示す指標となります。ハガキ用紙としては、180gsm~220gsm程度の厚さが一般的です。
  • 連量(kg): 原紙を一定枚数(多くは1000枚、これを1連という)積み上げたときの重さを示す単位。四六判(788mm × 1091mm)や菊判(636mm × 939mm)など、原紙のサイズによって同じ坪量でも連量は異なります。印刷業界でよく使われる指標ですが、坪量と合わせて紙の厚さや重さの目安となります。例えば、四六判で180kgといった表記を見ることがあります。

私製はがき用の紙を選ぶ際には、坪量を目安にすると良いでしょう。あまりに薄い紙(例えば、コピー用紙の70gsmなど)では、機械処理中に折れ曲がりやすく、また透けて中の文字が見えてしまう可能性もあります。一方で、厚すぎたり硬すぎたりする紙は、機械に詰まる原因となります。官製はがきに近い坪量の紙(180gsm~220gsm程度)を選ぶのが最も無難です。

また、デザインとしてエンボス加工を施したり、厚手のインクで印刷したりする場合も、全体の厚みや重量が増える可能性があります。

3. 郵便規定:デザインと印字

ハガキの表面(宛名面)と裏面(通信面)には、郵便物を正しく配達するために守るべきデザインや印字に関する規定があります。特に私製ハガキを作成する際は、これらの規定に注意が必要です。

3.1. 表面(宛名面)の規定

ハガキの表面は、郵便局が郵便物を仕分け・配達するために重要な情報が記載される面です。以下の規定があります。

  • 郵便番号枠:

    • 位置: 表面の上部、宛名を書くスペースよりも上に、赤枠で表示するのが一般的です。横書きの場合は右上に配置されます。
    • サイズ: 郵便番号枠の標準サイズは、JIS規格によって定められています。枠の大きさや配置、間隔が決まっており、自動読み取り機が認識しやすいようになっています。私製ハガキで郵便番号枠を印刷する場合、このJIS規格に準拠したデザインにするのが望ましいです。
    • 色: 基本的に赤色で印刷されますが、視覚的に郵便番号枠であることが明確に分かる色であれば赤色以外でも問題ありません。ただし、背景とのコントラストがはっきりしている必要があります。
    • 表示義務: 私製ハガキの場合、郵便番号枠の表示義務はありません。郵便番号枠がなくても、郵便番号を手書きまたは印刷で正確に記載すれば問題なく配達されます。ただし、郵便番号枠があった方が自動読み取りの精度が高まり、配達がスムーズになる可能性があります。
  • 宛名、住所の記載方法:

    • 記載エリア: 表面の左側(縦書きの場合)または中央下寄り(横書きの場合)に、住所と宛名(氏名)を記載します。郵便番号枠や切手貼り付け位置との兼ね合いで、記載できるエリアが自然と決まります。
    • 文字の向き: 縦書き、横書きいずれも可能です。ただし、縦書きの場合は郵便番号枠は上部に横並び、住所・氏名は縦書きとなります。横書きの場合は郵便番号枠は右上に縦並び、住所・氏名は横書きとなります。
    • 正確性: 郵便番号、住所、氏名は正確かつ読みやすく記載する必要があります。番地や建物名、部屋番号などが省略されていると、配達できない可能性があります。
    • 差出人情報: 表面の左下(縦書きの場合)または左上(横書きの場合)に、差出人の郵便番号、住所、氏名を記載するのが一般的です。これは、万が一配達できなかった場合に返送するために必要な情報です。記載エリアが限定されているわけではありませんが、宛名情報との混乱を避けるために所定の場所に記載することが推奨されます。
  • 切手の貼付位置:

    • 表面の左上(縦書きの場合)または右上(横書きの場合)に切手を貼ります。
    • この位置は、郵便局の機械が切手を自動的に認識(消印を押すなど)するために定められています。私製ハガキの場合、切手を貼るスペースを空けておく必要があります。
    • 切手の代わりに、料金別納、料金後納、メータースタンプなどを表示することも可能です(後述)。
  • 広告、デザインの配置可能なエリアと制限:

    • ハガキの表面(宛名面)は、基本的に宛名情報の記載が最優先される面ですが、一部のエリアに広告やデザインを配置することが認められています。
    • ただし、宛名情報の読み取りや郵便番号枠、切手の自動認識を妨げないことが条件です。
    • 具体的な規制としては、表面の左半分より内側であれば、比較的自由にデザインを配置できます(縦書きハガキの場合)。ただし、住所や氏名の記載スペースと重ならないようにする必要があります。
    • また、全面に薄く背景デザインを入れる場合も、宛名情報が読み取れる十分なコントラストを確保する必要があります。反射しやすい素材や、極端に濃い色は避けるべきです。
    • 特に、カスタマーバーコードを印字する場合、特定のエリアに正確なフォーマットで印字する必要があります(後述)。このエリアに他のデザインが重ならないように注意が必要です。
    • 私製ハガキに広告を掲載して料金割引(広告郵便)を受けたい場合、表面のデザインに関するより詳細な規定があります。広告エリアの割合や記載内容に関する制限が設けられています。
  • バーコード(カスタマーバーコード)について:

    • ハガキの表面に、宛先住所をバーコード化した「カスタマーバーコード」を印字することで、郵便料金の割引を受けることができます(一定通数以上の場合)。
    • カスタマーバーコードは、郵便番号と住所情報を基に生成され、機械処理の精度を飛躍的に向上させます。
    • このバーコードは、表面の所定のエリアに正確なサイズと濃度で印字する必要があります。印字位置や規格に関する詳細なガイドラインが日本郵便から提供されています。
    • 割引を受けるためには、これらの規定を正確に守ってバーコードを印字する必要があります。自社で印刷する場合や印刷会社に依頼する場合は、日本郵便のカスタマーバーコードに関する情報を確認し、対応可能か確認することが重要です。
  • 「郵便はがき」または「POST CARD」の表示義務(私製はがきの場合):

    • 自分で作成した「私製はがき」を郵便として送る場合、その郵便物がハガキであることを示すために、表面に「郵便はがき」またはこれに相当する「POST CARD」の文字を明瞭に表示する必要があります。
    • 表示位置は、表面の上部(縦書きの場合は右上、横書きの場合は中央上部など)が一般的ですが、特に厳密な規定があるわけではありません。他の記載事項と混同しないように表示することが重要です。
    • この表示がない場合、サイズや重量がハガキの規定内であっても、手紙(定形郵便物)と誤認され、定形郵便物の最低料金(25gまで84円)が請求される可能性があります。

3.2. 裏面(通信面)の規定

ハガキの裏面は、メッセージやデザイン、広告などを自由に記載できる面です。表面ほど厳格なルールはありませんが、以下の一般的な注意点があります。

  • 内容に関する規定:

    • 公序良俗に反する内容、他人の名誉や信用を傷つける内容など、法律や社会通念に照らして不適切な内容は避ける必要があります。郵便法や信書便法に基づき、これらの郵便物は差出人に返送されたり、引き受けを拒否されたりする可能性があります。
    • 犯罪行為を示唆する内容や、危険物・爆発物などに関する記載も厳しく制限されます。
    • 広告の場合、誤解を招くような不当表示や、景品表示法に違反するような内容は禁止されています。
  • 印刷や加工に関する規定:

    • 光沢が強すぎて機械が読み取りにくいインクや加工(鏡面加工など)は、避けるのが無難です。
    • あまりに厚みのある装飾(立体的な貼り付け物など)は、郵便物の厚みや重量が増加し、機械処理に支障をきたす可能性があります。特に全体の厚みが1cmを超える場合は、ハガキとして扱われず、定形外郵便物となる可能性が高くなります。
    • 香りの強いインクや、粉っぽい素材(ラメなど)は、他の郵便物に移ったり、機械に付着したりする可能性があるため、使用には注意が必要です。
    • めくれやすいシールや、剥がれやすい装飾も、輸送中に他の郵便物に付着したり、機械に巻き込まれたりする原因となるため避けるべきです。

基本的に、裏面は通信内容やデザインを自由に表現できるスペースですが、「郵便物として安全かつ効率的に輸送できる状態であること」という前提条件を満たす必要があります。

3.3. 私製はがきを作成する場合の注意点:まとめ

自分でデザインした私製ハガキを使用する場合、官製はがきにはない特別な注意が必要です。

  1. サイズと重量: 規定の範囲内(サイズ:最小140×90mm~最大154×107mm、重量:2g~6g)であることを確認します。使用する紙の坪量や、貼付物の有無で重量が変わるため注意が必要です。
  2. 紙質と厚さ: 郵便局の機械処理に適した、適切な強度とコシのある紙を選びます。官製はがきと同等かそれ以上の厚さ(180gsm以上)が推奨されます。あまりに薄すぎたり、厚すぎたり硬すぎたりする紙は避けます。全体の厚みが1cmを超えないように注意します。
  3. 「郵便はがき」または「POST CARD」の表示: 表面に必ず明瞭に表示します。
  4. 切手、料金表示: 表面の所定の位置に切手を貼るか、料金別納/後納/メータースタンプなどの表示を行います。料金は、現行のハガキ料金(63円)が必要です。
  5. 郵便番号枠: 表示義務はありませんが、正確な位置に印刷することで自動読み取りの精度が向上する可能性があります(任意)。
  6. 宛名情報スペース: 宛名、住所、氏名、差出人情報などを読みやすく記載できる十分なスペースを確保します。
  7. デザインの制限: 表面のデザインは、宛名情報の読み取りや郵便番号枠、切手位置の自動認識を妨げないように配置します。裏面は比較的自由ですが、公序良俗に反しない内容、安全な材質・加工であることが条件です。
  8. カスタマーバーコード: 割引適用を受けたい場合は、日本郵便の規定に沿って正確に印字します。

これらの点に注意して作成すれば、私製ハガキも官製はがきと同様に、スムーズに郵便として扱うことができます。大量に作成する場合は、事前に数枚作成して郵便局の窓口で確認してもらうと安心です。

4. なぜサイズや規定を守る必要があるのか:郵便システムの円滑な運用

ハガキのサイズや規定が細かく定められているのは、単にルールだからというだけでなく、郵便システム全体が効率的かつ正確に機能するために不可欠だからです。その主な理由を掘り下げてみましょう。

4.1. 郵便物の仕分け、輸送の効率化(機械処理)

最も大きな理由は、前述の通り郵便区分機による自動仕分けです。毎日何百万、何千万通という郵便物が扱われますが、その大部分は機械によって高速に処理されます。

  • 高速処理: 最新の区分機は、1時間に数万通もの郵便物を処理できます。これは手作業では到底不可能なスピードです。
  • 正確な識別: 機械は、ハガキのサイズ、重さ、表面のパターン(郵便番号、カスタマーバーコード、切手位置など)を瞬時に読み取り、宛先を識別します。
  • 最適な搬送: 区分機内では、郵便物がローラーやベルトコンベアによって搬送されます。規格に合ったサイズの郵便物は、これらの機構でスムーズに流れます。サイズが大きすぎたり小さすぎたり、厚すぎたり薄すぎたりする郵便物は、搬送中に引っかかったり、詰まったり、破損したりするリスクが高まります。
  • 仕分け先への振り分け: 読み取った情報に基づいて、郵便物を目的地別の投函口に正確に振り分けます。

もし、規格外のハガキが大量に混ざっていると、区分機はエラーを起こし、その都度機械を停止して手作業で対応する必要があります。これは、全体の処理速度を著しく低下させ、コスト増に繋がります。規定を守ることは、この自動処理システムを円滑に動かすための「協力」なのです。

4.2. 郵便局員の作業負担軽減

規定外の郵便物は、機械処理ができないため、すべて郵便局員による手作業での処理が必要になります。

  • 手作業での仕分け: サイズや形状が不揃いな郵便物は、区分機にかけられず、郵便局員が一つ一つ宛先を確認して手作業で仕分けることになります。これは非常に時間と労力がかかる作業です。
  • トラブル対応: 機械に詰まった郵便物の取り出し、破損した郵便物の修復、規定外のため返送が必要な郵便物の処理など、規定外の郵便物は様々なトラブルの原因となり、その対応に郵便局員の貴重な時間が割かれます。
  • 料金不足の確認: 規定外のサイズや重量の場合、料金が不足している可能性があります。料金不足の郵便物については、受取人に追加料金を請求するなどの手続きが必要となり、これも郵便局員の作業負担となります。

規定を守ることは、郵便局員の作業負担を軽減し、彼らが他の重要な業務(集配、窓口対応など)に集中できるようにすることにも繋がります。

4.3. 正確な配達の確保

規定に沿ったハガキは、機械処理の精度が高いため、誤って他の場所に送られたり、配達が遅延したりするリスクが低減されます。

  • 誤配の防止: 自動区分機は、カスタマーバーコードなども含め、正確な宛先情報を読み取ります。これにより、人為的なミスによる誤配を防ぐことができます。
  • 遅延の防止: スムーズな機械処理により、郵便物は迅速に仕分けられ、次の輸送段階へスムーズに進むことができます。規定外の郵便物は手作業での処理が必要になるため、その分配達が遅れる可能性が高くなります。
  • 破損の防止: 規定のサイズや紙質であれば、機械処理や輸送中に破損するリスクが低減されます。薄すぎたり、もろい紙質のハガキは、機械に巻き込まれて破れたり、折れたりする可能性があります。

規定を守ることは、差出人が意図した通りに、迅速かつ正確に受取人のもとへハガキを届けるために非常に重要です。

4.4. 利用者側のメリット(適正料金、確実な送付)

規定を守ることは、利用者自身にもメリットがあります。

  • 適正料金での送付: ハガキの規定(サイズ、重量)を守ることで、ハガキとして定められた料金(63円)で送付できます。規定外となる場合、定形外郵便物としてより高額な料金が請求される可能性があります。予期せぬ追加料金を防ぐことができます。
  • 確実な送付: 規定に沿っていれば、郵便物が返送されるリスクが極めて低くなります。特にビジネスでのDM送付など、確実に情報を届けたい場合には、規定遵守が不可欠です。
  • 配達スピード: 規定に沿った郵便物は機械処理により迅速に仕分けられるため、配達が遅れる可能性が低く、予定通りのタイミングで相手に届けることができます。

4.5. 規定外の場合のペナルティ

ハガキの規定(サイズ、重量、デザイン、表示など)を守らなかった場合、以下のような対応が取られる可能性があります。

  • 追加料金の請求: サイズオーバー、重量オーバー、または「郵便はがき」の表示がないなどの理由で、ハガキとしてではなく定形外郵便物(または定形郵便物)として扱われる場合、不足分の郵便料金が請求されます。この場合、受取人が不足料金を支払わなければならないか、差出人に返送されることになります。
  • 返送: 住所不明、受取拒否に加え、規定外であること(例:「郵便はがき」の表示がない私製ハガキが手紙と誤認され、切手不足で返送されるなど)を理由に、差出人に返送されることがあります。この場合、目的が達成できないだけでなく、返送にかかる時間や費用が無駄になります。
  • 配達遅延: 手作業での処理が必要になるため、他の規定に沿った郵便物よりも配達が遅れる可能性が高くなります。
  • 引き受け拒否: 極端に規定から外れている場合や、危険物などが含まれている場合など、郵便局が郵便物として引き受けを拒否することもあります。

これらのペナルティを避けるためにも、ハガキの規定を正しく理解し、遵守することが非常に重要なのです。

5. 特殊なハガキとその規定

通常ハガキや往復ハガキ以外にも、特定の目的で利用されるハガキがあり、それぞれに特別な規定が適用される場合があります。

5.1. 選挙ハガキ

選挙期間中に候補者や政党から有権者に送られる選挙運動用ハガキには、公職選挙法に基づいた特別な規定があります。

  • サイズ・重量: 通常ハガキの規定(サイズ:最小140×90mm ~ 最大154×107mm、重量:6gまで)に準じます。
  • 無料差出: 最大の特徴は、公職選挙法によって定められた枚数の範囲内であれば、郵便料金が無料となる点です。差出人は郵便局の窓口で手続きを行い、定められた条件を満たす必要があります。
  • デザイン・内容: 選挙運動用であること、候補者名などが明記されている必要があります。また、広告郵便のような料金割引制度の適用はありません。
  • 差出期間: 選挙の種類(衆議院選挙、参議院選挙、地方選挙など)によって、ハガキを差出できる期間が厳密に定められています。この期間外に送られたものは、選挙運動用ハガキとしては扱われず、通常の郵便物として料金が必要になります。

選挙ハガキは、その性質上、特定の法律に基づく特別な扱いとなりますが、物理的なサイズや重量の規定は通常ハガキに準拠しています。

5.2. 年賀ハガキ

毎年年末に販売され、年始に配達される年賀ハガキは、国民的な慣習として広く利用されています。

  • サイズ・重量: 通常ハガキと全く同じ規定(サイズ:最小140×90mm ~ 最大154×107mm、重量:6gまで)です。
  • 特別料金: 基本的に通常ハガキと同じ料金(63円)で送付できます。
  • 年賀特別郵便: 年賀ハガキとして販売されているものには、あらかじめ料額印面部分に「年賀」と表示されており、年賀特別郵便物として扱われます。これにより、受付期間内に差し出されたものは、指定された配達期間(通常は1月1日)にまとめて配達されます。
  • 受付期間と配達期間: 年賀ハガキには、通常、12月15日から12月25日頃までの受付期間が設けられており、この期間内に差し出されたものが1月1日に配達されることを目指して仕分け・保管されます。期間外に差し出されたものは、通常郵便物として扱われる可能性があります。
  • くじ付き: 多くの年賀ハガキには、お年玉くじが付いています。これは、年賀郵便を促進するための一つの取り組みです。
  • 私製はがきの場合: 私製ハガキを年賀状として送ることも可能です。この場合、通常ハガキの規定を満たし、表面の見やすい場所に「年賀」と朱記する必要があります。これにより、年賀特別郵便物として扱われ、受付期間内に差し出せばお正月期間に配達されるようになります。「年賀」の表示がない場合、通常のハガキとして扱われ、年末年始に関係なく通常通りの配達日数で配達されてしまいます。

5.3. 暑中見舞い/残暑見舞いハガキ

夏の挨拶として送られる暑中見舞いや残暑見舞いのハガキも、通常ハガキの規定に準じます。

  • サイズ・重量: 通常ハガキと同じ規定(サイズ:最小140×90mm ~ 最大154×107mm、重量:6gまで)です。
  • 料金: 通常ハガキと同じ料金(63円)です。
  • 送る時期: 暑中見舞いは梅雨明けから立秋まで、残暑見舞いは立秋から8月末頃までに送るのが一般的なマナーとされています。ただし、これはあくまで慣習であり、郵便の規定によるものではありません。
  • かもめ~る: 以前は夏用の「かもめ~る」というくじ付きハガキが販売されていましたが、現在は販売を終了し、通常ハガキがその役割を担っています。

5.4. 懸賞ハガキ

雑誌の読者プレゼントや商品のキャンペーン応募などで使われる懸賞ハガキも、基本的に通常ハガキの規定に準じます。

  • サイズ・重量: 通常ハガキと同じ規定(サイズ:最小140×90mm ~ 最大154×107mm、重量:6gまで)です。
  • 料金: 通常ハガキと同じ料金(63円)が必要です。官製はがきを使用する場合も、私製はがきに切手を貼る場合も同様です。
  • 記載内容: 応募要項に従って、必要な情報を正確に記載する必要があります。バーコードや応募券を貼り付ける場合、ハガキの重量が6gを超えないように注意が必要です。また、全体の厚みが1cmを超えたり、剥がれやすいものを貼り付けたりすると、機械処理に支障をきたす可能性があります。
  • 応募締切: 懸賞には必ず応募締切があります。郵便で応募する場合、「当日消印有効」なのか「必着」なのかによって、いつまでに郵便ポストに投函(または郵便局窓口に差し出し)すれば間に合うかが変わってきます。

5.5. ビジネスハガキ(DM、挨拶状など)

ビジネスで利用されるダイレクトメール(DM)、転勤・移転の挨拶状、案内状などもハガキ形式で送られることがあります。これらのハガキも、通常ハガキや圧着ハガキの規定に準じます。

  • サイズ・重量: 通常ハガキの規定または圧着ハガキの規定(封かん時)に合致している必要があります。ビジネスユースでは、圧着ハガキで情報量を増やすことも多いです。
  • 料金: 通常ハガキ料金(63円)または往復ハガキ料金(126円)が基本ですが、大量に送る場合、料金別納、料金後納、メータースタンプを利用したり、特定の条件を満たすことで広告郵便割引カスタマーバーコード割引などの適用を受けることが可能です。
    • 料金別納郵便/料金後納郵便: 大量の郵便物をまとめて差し出す場合に、切手を貼る代わりに郵便局の承認を得て所定の表示を行い、料金を一括して支払う制度です。
    • メータースタンプ: 専用の機械(メータースタンプ)で料金額と日付を印字することで、切手と同様に料金を表示する方法です。
    • 広告郵便割引: 広告を内容とする定形郵便物またはハガキを一定通数以上差し出す場合に、郵便料金の割引を受けることができる制度です。割引率は、通数や差し出し方法(バーコードの有無など)によって異なります。表面のデザインに関する厳しい規定があります。
    • カスタマーバーコード割引: 前述の通り、宛先住所をバーコード化したカスタマーバーコードを正確に印字することで受けられる割引です。こちらも一定通数以上の差し出しが必要です。

ビジネスハガキは、コスト効率や効果測定が重要となるため、これらの割引制度や、デザインに関する規定を正確に理解し、活用することが一般的です。

6. サイズや規定に関するよくある質問(FAQ)

ハガキのサイズや規定に関して、利用者からよく寄せられる疑問について解説します。

6.1. 手作りハガキの場合、どんな紙を使えばいい?(厚さ、質感)

手作りハガキの場合、郵便として送れる最も重要な点は、前述の「サイズ(最小140×90mm ~ 最大154×107mm)と重量(2g~6g)」の規定を満たすことです。

加えて、「紙質の厚さ(コシ)」も重要です。あまりに薄い紙(コピー用紙など)は、機械処理中に折れたり破れたりしやすく、透けて中の文字が見える可能性もあります。目安としては、官製はがきと同等かそれ以上の厚さ(坪量180gsm以上)の紙を選ぶのが良いでしょう。

また、表面が極端に滑りやすかったり、逆にザラザラしすぎたり、反射が強すぎる質感の紙は、機械の読み取りや搬送に影響を与える可能性があります。一般的な筆記性や印刷性のある、適度な質感の紙を選ぶのが無難です。

デコレーションとして、シールやリボンなどを貼り付ける場合は、全体の重量が6gを超えないか、厚みが1cmを超えないか、剥がれやすくないかなどに十分注意してください。

6.2. 写真やシールをたくさん貼るとどうなる?(重量超過、厚さ超過)

写真やシール、その他装飾品をハガキにたくさん貼り付けると、重量が6gを超えたり、全体の厚みが1cmを超えたりする可能性があります。

  • 重量超過(6g超): ハガキとしてではなく、定形外郵便物(規格内、50gまで)として扱われ、料金が追加される可能性が高いです。
  • 厚さ超過(1cm超): ハガキとしてではなく、定形外郵便物(規格内または規格外)として扱われます。1cmを超える場合は、機械処理が困難になり、手作業での処理が必要になるため、追加料金が発生したり、配達が遅延したりする可能性があります。
  • 剥がれやすいもの: 輸送中に剥がれて他の郵便物に付着したり、機械に巻き込まれたりする原因となります。この場合、配達が遅延したり、郵便物が破損したり、最悪の場合、郵便事故に繋がる可能性もあります。

写真やシールなどを貼り付ける場合は、できるだけ薄く、しっかりと貼り付けられるものを選び、全体の重量と厚みが規定内に収まるように調整することが重要です。

6.3. 定形外郵便になるハガキの例は?

ハガキのサイズや規定から外れた場合、定形外郵便物として扱われます。具体的な例としては以下の通りです。

  • サイズが規定の範囲外(小さすぎる、大きすぎる): 最小140×90mmより小さい、または最大154×107mmより大きいもの。
  • 重量が規定より重い(6g超): 紙が厚すぎる、装飾品をたくさん貼ったなど。
  • 厚みが規定を超える(おおよそ1cm超): 立体的な装飾を施したなど。
  • 形状が特殊すぎる: 極端に硬い素材、容易に破損する素材など、機械処理に全く適さない形状のもの。
  • 私製はがきで「郵便はがき」または「POST CARD」の表示がないもの: サイズ・重量が規定内であっても、手紙(定形郵便物)と誤認され、定形郵便物の最低料金(84円)が必要と判断されることがあります。この場合、料金不足として扱われる可能性があります。
  • 往復ハガキを折らずに広げたまま差し出した場合: 広げた状態ではサイズ規定(最大154×107mm)を超えているため、定形外郵便物となります。

これらの場合、ハガキ料金(63円)ではなく、定形外郵便物(規格内または規格外)の料金が適用されます。

6.4. 国際郵便でハガキを送る場合のサイズと料金は?

海外へハガキを送る場合の規定は、国内郵便とは異なりますが、国内ハガキのサイズに近いものが推奨されます。

  • サイズ:
    • 最小寸法: 140mm x 90mm
    • 最大寸法: 235mm x 120mm
    • 厚さに関する明確なミリ単位の規定はありませんが、国内ハガキと同様に適切な紙厚が必要です。また、全体の厚みが数mmを超えるものや、硬すぎるものは、国際郵便の機械処理に適さない場合があります。
  • 重量:
    • 国際郵便のハガキには、国内のような6gという明確な上限はありませんが、あまりに重いものは通常ハガキとは別の扱いになる可能性があります。一般的なハガキ用紙(180gsm~220gsm)で作られたハガキの重量であれば問題なく送れます。
  • 料金:
    • 国際郵便のハガキ料金は、送付先の国・地域(アジア、オセアニア、北米・中央アメリカ・ヨーロッパ、南米・アフリカなど、郵便局が定める区分)によって異なります。
    • 料金は国内郵便より高くなります。例えば、アジア宛ての場合は70円、アメリカ宛ての場合は100円程度(2023年12月現在、料金改定の可能性あり)です。最新の正確な料金は、必ず日本郵便のウェブサイトで確認してください。
    • 国際郵便用の官製ハガキは販売されていません。私製ハガキに、送付先の国・地域に応じた料金分の切手を貼るか、料金別納/後納表示をします。
    • 「POST CARD」または「Carte Postale」と表示する必要があります。
    • 宛名は、受取国の言語または英語で記載するのが一般的です。

6.5. 昔の料金のハガキは使える?

はい、使えます。ただし、現行のハガキ料金との差額分の切手を貼り足す必要があります。

例えば、料金が52円の官製はがきを持っている場合、現行料金は63円なので、差額の11円分の切手をハガキに貼り足す必要があります。切手を貼る位置は、既存の料額印面(切手部分)の周囲など、表面の切手を貼るエリアであれば問題ありません。

差額分の切手が貼り足されていない場合、料金不足として扱われ、受取人に不足分の料金が請求されるか、差出人に返送されることになります。

7. まとめ:正しい知識でスムーズな郵便利用を

本記事では、ハガキのサイズ、重量、デザインに関する郵便規定、そしてそれらの規定がなぜ重要なのかについて、詳細に解説してきました。

  • ハガキの基本サイズは、郵便局の機械処理に最適な最小140×90mmから最大154×107mmの範囲に定められています。特に、100mm × 148mmが官製はがきを含めた標準サイズです。
  • 重量制限は、ハガキ1枚あたり6gまでです。これを超えると定形外郵便物として扱われる可能性があります。
  • 表面(宛名面)には、郵便番号枠、宛名・住所、切手貼付位置に関するルールがあり、特に私製ハガキの場合は「郵便はがき」または「POST CARD」の表示が必須です。広告やデザインの配置には制限があります。
  • 裏面(通信面)は比較的自由ですが、公序良俗に反しない内容であること、安全な材質・加工であることが求められます。全体の厚みが1cmを超えないように注意が必要です。
  • これらの規定は、郵便システムの自動仕分け・輸送を効率化し、郵便局員の負担を軽減し、最終的に郵便物を迅速かつ正確に配達するために不可欠です。規定を守ることは、利用者自身が適正料金で確実な送付を行う上でもメリットがあります。
  • 規定外の場合、追加料金の請求、返送、配達遅延といったペナルティを受ける可能性があります。

年賀ハガキ、選挙ハガキ、暑中見舞い、懸賞ハガキ、ビジネスハガキなど、特殊な用途のハガキも基本的なサイズ・重量規定は共通していることが多いですが、それぞれに特有のルール(無料差出、特別期間、表示義務、割引制度など)が存在します。

デジタルツールが普及した現代においても、ハガキは手軽さや手書きの温かさ、高い視認性など、独自の価値を持つコミュニケーション手段です。本記事で解説したサイズや規定に関する知識を活かして、あなたのハガキ利用がさらにスムーズで、目的に沿った効果的なものとなることを願っています。私製ハガキの作成や、大量のビジネスハガキの送付を検討されている場合は、必ず最新の日本郵便の規定を確認し、必要であれば事前に郵便局の窓口や専門の印刷会社に相談することをお勧めします。


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