【徹底解説】バッファロー LS220D 機能・特徴・使い方

はい、承知いたしました。バッファロー製NAS「LS220D」の機能、特徴、使い方について、約5000語の詳細な解説記事を作成します。


【徹底解説】バッファロー LS220D 機能・特徴・使い方の全て – あなたのデータを守り、快適に共有する最強ガイド

はじめに:なぜ今、家庭にNASが必要なのか? そしてLS220Dが選ばれる理由

デジタルデバイスが溢れる現代において、私たちのデータは加速度的に増え続けています。写真、動画、音楽、仕事のファイル…これらをスマートフォン、PC、タブレットなど複数のデバイスで管理し、安全に保管し、必要に応じて共有するのは、一昔前と比べて格段に複雑になりました。

そんなデータ管理の悩みを解決する切り札となるのが、「NAS(Network Attached Storage)」です。NASは、ネットワークに接続して複数のデバイスからアクセスできるストレージデバイスであり、「家庭内のデータサーバー」とも言えます。

しかし、一口にNASと言っても様々な種類があります。高性能で多機能な高価なモデルから、手軽に導入できるシンプルなモデルまで、選択肢は豊富です。その中でも、バッファロー製のNAS「LinkStation LS220Dシリーズ」は、家庭での利用やSOHO環境に最適な、手頃な価格でありながら必要十分な機能を備えたモデルとして、多くのユーザーに選ばれています。

本記事では、このバッファロー LS220Dシリーズに焦点を当て、その機能特徴、そして使い方について、初心者の方でも理解できるよう徹底的に解説します。約5000語に及ぶ詳細な解説を通して、LS220Dがあなたのデジタルライフをどのように豊かにするか、具体的なイメージを持っていただけるでしょう。データの安全な保管、家族とのファイル共有、外出先からのアクセス、そしてメディアファイルの快適なストリーミング再生など、LS220Dが実現する可能性を余すところなくご紹介します。

「NASって難しそう…」「LS220Dで何ができるの?」といった疑問をお持ちの方から、すでにLS220Dをお持ちでさらに活用したいと考えている方まで、すべての方にとって有益な情報を提供できることを目指します。さあ、あなたのデータ管理の未来を変えるLS220Dの世界へ、一緒に深く潜り込んでいきましょう。

1. バッファロー LinkStation LS220Dシリーズとは? NASの基本とLS220Dの立ち位置

1-1. NAS(Network Attached Storage)とは何か?

NAS(Network Attached Storage)は、その名の通り「ネットワークに接続されたストレージ」です。従来のUSB接続の外付けHDDとは異なり、ルーターなどのネットワーク機器に直接接続することで、同じネットワーク内にある複数のパソコン、スマートフォン、タブレット、さらにはテレビやゲーム機といったデバイスから、同時にアクセスしたりデータを共有したりすることができます。

NASの主なメリットは以下の通りです。

  • 複数デバイスからのアクセス: 家中のどの部屋、どのデバイスからでもデータにアクセスできます。
  • データ共有: 家族や職場の同僚と簡単にファイルを共有できます。
  • 一元管理: バラバラになりがちなデータを一箇所に集約して管理できます。
  • 常時稼働: 電源を入れておけば、いつでもネットワーク経由でアクセス可能です。
  • データ保護: RAID機能などにより、HDDの故障によるデータ損失リスクを軽減できます。
  • 多様な機能: バックアップ、メディアサーバー、外出先からのアクセスなど、NASの種類によって様々な便利機能が利用できます。

NASは、デジタルデータの「保管庫」「図書館」「共有スペース」を家庭内ネットワーク上に構築するようなイメージです。

1-2. バッファロー LinkStation LS220Dシリーズの概要とターゲットユーザー

バッファローは、日本のPC周辺機器メーカーとして長年の実績があり、特にネットワーク製品やストレージ製品に強みを持っています。LinkStationシリーズは、バッファローが展開する家庭・SOHO向けNASの主要ブランドです。

その中でも、LS220DシリーズはLinkStationのエントリーモデルとして位置づけられています。2ベイ(HDDを2台搭載できる)モデルであり、価格と機能のバランスに優れています。

LS220Dシリーズの主な特徴:

  • 2ベイモデル: HDDを2台搭載可能で、RAID 1によるデータ保護が可能です。
  • 手頃な価格: NAS初心者でも導入しやすい価格帯です。
  • シンプルなセットアップ: 比較的簡単にネットワークに接続し、基本的な設定が行えます。
  • ホーム・SOHO向け機能: 家庭でのデータ共有、メディア再生、簡単なバックアップ、外出先からのアクセスといった、一般的な利用シーンで役立つ機能を備えています。
  • 豊富なラインナップ: HDDが搭載されたモデル(例: LS220D0402G – 4TBモデル)と、HDDが付属しない筐体のみのモデル(例: LS220D0002G – HDDなし)があります。

LS220Dシリーズのターゲットユーザー:

  • NASを初めて導入する初心者: 設定が比較的容易なため、最初のNASとして適しています。
  • 家庭でのデータ共有・一元管理をしたい人: 家族の写真、動画、音楽などを一箇所にまとめ、家中のデバイスからアクセスしたい場合に便利です。
  • スマートテレビやネットワークメディアプレイヤーで動画や音楽を楽しみたい人: DLNAメディアサーバー機能を使って、PCを起動していなくてもNASから直接メディアファイルをストリーミングできます。
  • スマートフォンやタブレットの容量不足を解消したい人: スマホで撮った写真や動画をNASに移動させることで、端末の空き容量を確保できます。
  • 外出先から自宅のデータにアクセスしたい人: Webアクセス機能を利用して、インターネット経由でNASのファイルにアクセスできます。
  • 重要なデータをHDD故障から守りたい人: RAID 1機能により、HDDが1台故障してもデータを失うリスクを低減できます。

逆に、エンタープライズレベルの堅牢性やパフォーマンス、多数の同時アクセス、高度な仮想化機能やクラウド連携などを求める場合は、LinkStationの上位モデルやTeraStationシリーズといったビジネス向けNASを検討する必要があります。LS220Dは、あくまで家庭や小規模オフィスでの利用を想定した、バランスの取れたエントリーモデルです。

2. LS220Dの機能・特徴 詳細解説

LS220Dシリーズは、その手頃な価格からは想像できないほど、家庭やSOHOで役立つ多くの機能を搭載しています。ここでは、それらの機能を一つずつ詳しく見ていきましょう。

2-1. ストレージ機能:容量、ベイ数、そしてRAID

NASの最も基本的な機能は、もちろんデータの保管です。LS220Dは2つのHDDベイを備えており、ここに最大対応容量のHDDを2台搭載することで、NASとしてのストレージ容量が決定します。

対応HDD容量とベイ数:

  • 2ベイ: HDDを2台内蔵できます。
  • 最大対応容量: バッファローの公式ウェブサイトで最新の対応HDDリストを確認することが重要です。モデルによって対応する最大容量が異なりますが、一般的には発売時期に応じて大容量HDDに対応していきます。HDDなしモデルを購入する場合は、事前に対応HDDリストで利用したいHDDがリストに載っているか確認しましょう。

RAID機能:データ保護の要

LS220Dの2ベイという構成の最大の利点は、RAID機能を活用できる点です。RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のHDDを組み合わせて仮想的な一つのドライブとして認識させ、データの冗長性を持たせたり、アクセス速度を向上させたりする技術です。

LS220DがサポートするRAIDモードは以下の3つです。

  1. RAID 1(ミラーリング):

    • 仕組み: 2台のHDDに全く同じデータを同時に書き込みます。一方のHDDの内容が、もう一方のHDDに鏡のように「ミラーリング」されます。
    • 容量: 利用できる容量は搭載しているHDDの1台分になります(例えば、4TBのHDDを2台搭載した場合、使える容量は4TBです)。
    • メリット: データ保護に最も優れています。 2台のうちどちらか1台のHDDが故障しても、もう1台のHDDには全く同じデータが残っているため、データが失われることを防ぐことができます。故障したHDDを新しいものと交換すれば、自動的にリビルド(ミラーリングの復旧)が行われ、データ保護状態が回復します。家庭やSOHOでの利用において、最も推奨されるモードです。
    • デメリット: 利用できる容量が半分になります。書き込み速度は通常モードと同等かやや遅くなることがあります。
  2. RAID 0(ストライピング):

    • 仕組み: データを複数のブロックに分割し、2台のHDDに分散して同時に書き込み・読み込みを行います。
    • 容量: 搭載しているHDDの容量の合計が利用できます(例えば、4TBのHDDを2台搭載した場合、使える容量は8TBです)。
    • メリット: 読み書き速度が向上します。 特に大容量ファイルの転送において高速化が期待できます。
    • デメリット: データ保護機能はありません。 2台のうちどちらか1台でもHDDが故障すると、データ全体が失われます。スピードを最優先し、データの損失を許容できる(あるいは別途確実にバックアップを取っている)場合にのみ選択すべきモードです。
  3. 通常モード(JBOD / Independent Disks):

    • 仕組み: 2台のHDDをそれぞれ独立したドライブとして利用します。NAS上では2つの異なるドライブ(共有フォルダー)として認識されるか、あるいは両方のHDDを結合して1つの大きなボリュームとして見せかける場合があります(LS220Dは独立したドライブとして認識させる設定が一般的です)。
    • 容量: 搭載しているHDDの容量の合計が利用できます(例えば、4TBのHDDを2台搭載した場合、使える容量は8TBです)。
    • メリット: 2台のHDDの容量を最大限に活用できます。設定がシンプルです。
    • デメリット: データ保護機能はありません。 どちらか1台のHDDが故障した場合、そのHDDに保存されていたデータは失われます。

結論として、家庭での利用で最も推奨されるのはRAID 1です。 確かに利用できる容量は半分になりますが、写真や動画といった大切なデータをHDD故障のリスクから守ることは、容量の倍化よりもはるかに重要であることが多いです。RAID 0や通常モードは、あくまで自己責任において、別途確実なバックアップ体制が構築されている場合に限定して検討すべきでしょう。

HDDの換装可能性と注意点:

LS220Dは、ユーザー自身でHDDを交換(換装)することができます。これにより、将来的に容量を増やしたり、故障したHDDを交換したりすることが可能です。

  • 換装手順: 一般的には、NASの電源を切り、前面または背面カバーを開けて既存のHDDを取り外し、新しいHDDを取り付けます。
  • 注意点:
    • 必ずバッファローの公式ウェブサイトでLS220Dシリーズに対応しているHDDリストを確認してください。非対応のHDDを使用すると、正しく動作しない、性能が出ない、故障するなどの問題が発生する可能性があります。
    • RAID 1構成の場合、故障したHDDを交換した後に「リビルド」という処理が必要です。これは自動的に行われるか、管理画面から手動で指示しますが、完了するまで時間がかかります。リビルド中はNASのパフォーマンスが低下することがあります。
    • HDDなしモデルに初めてHDDを搭載する場合は、初期設定時にHDDのフォーマットとRAID設定が必要です。

2-2. ネットワーク機能:高速通信を実現する有線LANポート

LS220Dは、有線LANポートを1つ搭載しています。このポートを、ご家庭で使用しているルーターやスイッチングハブにLANケーブルで接続することで、ネットワークに参加させます。

  • Gigabit Ethernet (1000BASE-T) 対応: LS220DのLANポートは、最大1Gbps(ギガビット)の通信速度に対応しています。これは、現在の家庭用ネットワークにおいて最も一般的な高速規格です。NASとPCの間での大容量ファイル転送を快適に行うためには、ルーターやPCのLANポートもギガビットに対応している必要があります。また、使用するLANケーブルもカテゴリー5e以上のものを選ぶと良いでしょう。
  • 無線LANについて: LS220D自体には無線LAN機能は搭載されていません。無線LANでNASにアクセスする場合は、無線LANルーターを介して接続することになります。無線でのアクセス速度は、有線接続よりも遅くなるのが一般的です。

ネットワークに正しく接続されていれば、同じネットワーク上のPCやスマートフォンから、NASに割り当てられたIPアドレスやホスト名を使ってアクセスできるようになります。初期設定ではDHCPによりIPアドレスが自動で割り当てられますが、必要に応じて固定IPアドレスを設定することも可能です。

2-3. データアクセス機能:様々なデバイスからのアクセス方法

LS220Dに保存されたデータには、様々な方法でアクセスできます。

  • PCからのアクセス (Samba/CIFS):

    • Windows PCからアクセスする場合、NASはネットワーク上の共有フォルダーとして表示されます。Windowsのエクスプローラーの「ネットワーク」や「PC」からNASを見つけ、共有フォルダーにアクセスできます。アクセスにはユーザー名とパスワードが必要な場合があります。
    • これは、Windows標準のファイル共有プロトコルであるSamba/CIFS(Common Internet File System)を利用しています。
    • ネットワークドライブとして割り当てれば、PCのローカルドライブのように扱うことも可能です。
  • Macからのアクセス (AFP):

    • Macからアクセスする場合も、Finderのネットワーク共有としてNASが表示されます。「サーバーへ接続」からNASのIPアドレスやホスト名を指定して接続することも可能です。
    • Mac標準のファイル共有プロトコルであるAFP(Apple Filing Protocol)に対応しているため、Macからも快適にアクセスできます。最近のmacOSはSambaでの接続も一般的ですが、AFPはMacとの親和性が高いプロトコルです。
  • FTPサーバー機能:

    • FTP(File Transfer Protocol)は、インターネット上でファイルを送受信するための古典的なプロトコルです。
    • LS220DをFTPサーバーとして設定することで、FTPクライアントソフト(FileZillaなど)を使ってNASに接続し、ファイルのアップロードやダウンロードを行うことができます。
    • ただし、FTPは通常、データが暗号化されないため、セキュリティ上のリスクがあります。特別な理由がない限り、Samba/CIFSやAFPでのアクセス、あるいは後述のWebアクセス機能を利用するのが一般的です。
  • Webアクセス機能 (Remote Access):外出先からアクセス

    • これはLS220Dの非常に便利な機能の一つです。インターネット経由で、自宅のネットワークの外からでもNASにアクセスできるようになります。
    • バッファローが提供する「BuffaloNAS.com」という無料サービスを利用することで、複雑なネットワーク設定(ダイナミックDNSやポートフォワーディングなど)を自分で行うことなく、比較的簡単に外部からのアクセス環境を構築できます。
    • 利用方法:
      • LS220DのWeb設定画面でWebアクセス機能を有効にし、BuffaloNAS.comサービスに登録します。NASに固有の「BuffaloNAS.comネーム」が割り当てられます。
      • スマートフォンやタブレットからは、バッファロー公式の専用アプリ「スマートアクセス」を使用します。このアプリにBuffaloNAS.comネームとNASのユーザー名・パスワードを入力することで、NASに接続し、ファイルの一覧表示、ダウンロード、アップロードなどが行えます。
      • PCからは、Webブラウザ経由でアクセスできます。バッファローの提供するWebアクセス用サイトにアクセスし、BuffaloNAS.comネームとユーザー名・パスワードを入力することで、Webブラウザ上でファイル操作が可能です。
    • セキュリティ: Webアクセスを有効にする際は、推測されにくい強固なパスワードを設定することが非常に重要です。また、HTTPSによる暗号化通信に対応しているか確認し、可能であれば設定しましょう。
  • DLNA/メディアサーバー機能:

    • DLNA(Digital Living Network Alliance)は、家庭内でデジタルコンテンツ(写真、動画、音楽)を共有するためのガイドラインです。
    • LS220DをDLNAメディアサーバーとして有効にすることで、同じネットワーク上にあるDLNAクライアント対応機器(スマートテレビ、Blu-rayレコーダー、ゲーム機(PS3/PS4, Xbox)、ネットワークメディアプレイヤー、一部のスマートフォンアプリなど)から、NASに保存した動画、音楽、写真を直接再生できるようになります。
    • PCを起動していなくても、テレビのリモコン操作だけでNAS内の動画を視聴したり、オーディオ機器から音楽を再生したりできるため、リビングでのエンターテイメント体験が向上します。
    • 設定は、NASのWeb設定画面でメディアサーバー機能を有効にし、メディアファイルが保存されている共有フォルダーを指定するだけです。
  • iTunesサーバー機能:

    • AppleのiTunes/ミュージックアプリに対応したサーバー機能です。
    • LS220DをiTunesサーバーとして有効にすると、同じネットワーク上のiTunes/ミュージックアプリから、NASに保存された音楽ファイルを認識し、再生リストに追加したり再生したりできるようになります。
    • 複数のPCで同じ音楽ライブラリを共有したい場合に便利です。
  • USBポートの利用:

    • LS220DにはUSBポートが1つ搭載されています。このポートにUSB接続のデバイスを接続することで、機能を拡張できます。
    • 外付けHDDの接続: USB接続の外付けHDDを接続し、NASの容量を一時的に拡張したり、NASのデータを外付けHDDにバックアップしたりすることができます。ただし、接続した外付けHDDをNASの内蔵ストレージと一体化させて容量を増やす機能(ボリューム拡張)は、通常エンタープライズ向けNASの機能であり、LS220Dには対応していない可能性が高いです。主にバックアップ用途になります。
    • プリンター共有: 一部のUSBプリンターを接続し、ネットワークプリンターとして共有できる機能に対応している場合があります。ただし、全てのUSBプリンターに対応しているわけではないため、事前に対応リストを確認する必要があります。

2-4. バックアップ機能:大切なデータを二重に守る

データは、失われてしまってからでは取り戻せません。NASにデータを保存するだけでなく、さらにバックアップを取ることは非常に重要です。特にRAID 1はHDD故障からのデータ保護機能ですが、誤操作によるファイル削除、ウイルス感染、火災・盗難などからはデータを守れません。そのため、別途バックアップが必要になります。

LS220Dは、いくつかのバックアップ機能を搭載しています。

  • 内蔵HDD間バックアップ: RAID 1構成以外の場合(RAID 0や通常モードなど)、内蔵HDD間でデータをコピーするバックアップを設定できます。例えば、HDD1の内容を定期的にHDD2にコピーするといった設定です。ただし、これはあくまでNAS内部でのコピーであり、NAS自体が故障したり災害に遭ったりした場合には効果がありません。あくまで限定的なバックアップ方法です。
  • 外付けHDDへのバックアップ: USBポートに接続した外付けHDDへ、NASのデータを定期的にバックアップする設定が可能です。設定したスケジュール(毎日、毎週など)で、指定した共有フォルダーの内容を外付けHDDにコピーします。外付けHDDを物理的にNASから離れた場所に保管することで、NAS本体のトラブルや災害からのデータ損失リスクを軽減できます。
  • ネットワーク経由でのバックアップ (rsync):
    • 他のLSシリーズ/TSシリーズなどのバッファロー製NASや、rsyncプロトコルに対応した他のNAS/サーバーに対して、ネットワーク経由でバックアップを行う機能です。
    • 自宅にNASが複数台ある場合や、実家・友人宅などに設置したNASと連携して遠隔バックアップを行う(もちろん回線速度などの制約はあります)といった使い方が考えられます。
    • rsyncは差分バックアップに強く、効率的なバックアップが可能です。
  • Time Machine対応 (Macユーザー向け):
    • Macの標準バックアップ機能であるTime Machineの保存先としてLS220Dを指定できます。
    • Macのシステム全体やデータを自動的にNASにバックアップできるため、Macユーザーにとっては非常に便利な機能です。設定もMac側からNASをTime Machineディスクとして選択するだけで簡単に行えます。
  • バンドルソフトについて:
    • LS220DシリーズのHDD搭載モデルには、Windows向けのバックアップソフトウェアがバンドルされている場合があります。例えば、NovaBACKUPなどのソフトウェアです。これらのソフトを利用することで、PCのデータをNASに自動的にバックアップする環境を構築できます。バンドルソフトの種類や有無は、購入するモデルや時期によって異なる可能性があるため、製品パッケージや仕様を確認してください。

これらのバックアップ機能を組み合わせることで、より強固なデータ保護体制を構築できます。例えば、「大切なデータはRAID 1で冗長化しつつ、さらにUSB外付けHDDにも定期的にバックアップを取る」といった運用が推奨されます。

2-5. その他の機能

LS220Dは、上記の主要機能以外にも、快適な利用をサポートする様々な機能を搭載しています。

  • ユーザー/グループ管理とアクセス権設定:
    • NAS上に複数のユーザーアカウントを作成し、それぞれのユーザーに対して、特定の共有フォルダーへのアクセス権限(読み取り専用、読み書き可能、アクセス不可)を設定できます。
    • これにより、家族それぞれにプライベートな領域を用意したり、特定のフォルダーを特定のユーザーだけがアクセスできるように制限したりすることができます。
    • グループ機能を使えば、複数のユーザーをまとめて同じアクセス権を設定することも可能です。
  • 省電力機能:
    • 電気代の節約やHDDの長寿命化に役立つ機能です。
    • タイマーON/OFF機能: 特定の時間帯だけNASを起動させ、それ以外の時間はシャットダウンしておく設定が可能です。例えば、夜間や外出中は自動的に電源をオフにするといった使い方ができます。
    • アイドル時HDDスピンダウン: 一定時間アクセスがない場合に、HDDの回転を停止させることで消費電力を抑え、騒音を減らす機能です。アクセスがあった際にHDDが回転を再開するため、若干の待ち時間が発生しますが、通常利用ではほとんど気になりません。
  • 静音性について:
    • ファンレス設計や、低騒音HDDの採用、振動を抑える筐体設計などにより、静音性が考慮されています。リビングなど生活空間に設置する場合でも、耳障りな騒音は少ないように設計されています。
  • ファームウェアアップデート:
    • NASの機能を改善したり、セキュリティ上の脆弱性を修正したりするために、バッファローから新しいファームウェアが提供されることがあります。
    • LS220DのWeb設定画面から簡単にファームウェアのアップデートを行うことができます。最新のファームウェアを使用することは、NASを安全かつ快適に利用するために非常に重要です。
  • Active Directory連携 (非対応):
    • 主にビジネス向けNASに搭載される機能で、企業のWindows ServerのActive Directoryドメインに参加し、ドメインユーザーアカウントでNASにアクセスできるようになる機能です。LS220Dはエントリーモデルのため、この機能には対応していません。ユーザー管理はNAS単体で行います。
  • クラウド連携 (限定的または非対応):
    • 一部の上位NASモデルでは、OneDrive, Dropbox, Amazon Driveなどのクラウドストレージと連携し、NASとクラウド間でデータを同期したりバックアップしたりする機能があります。LS220Dはこれらの主要なクラウドサービスとの直接連携機能は持っていない可能性が高いです(公式仕様で確認が必要ですが、エントリーモデルには通常搭載されません)。

3. LS220Dの使い方:セットアップから日常利用まで

ここでは、LS220Dを実際に購入してから、ネットワークに接続し、基本的な設定を行い、日常的に活用するためのステップを詳しく解説します。

3-1. 購入前の準備

LS220Dを購入する前に、いくつか準備しておくとスムーズです。

  • 設置場所の決定:
    • ネットワーク機器(ルーターやスイッチングハブ)の近く。
    • 通気性が良く、直射日光の当たらない場所。
    • 安定した場所。
    • 電源コンセントが近くにある場所。
  • 必要なケーブル:
    • LANケーブル(ルーターとNASを接続するため)。カテゴリー5e以上のもの推奨。製品に付属している場合もあります。
    • 電源ケーブル(製品に付属)。
  • 対応機器の確認:
    • LS220DにアクセスしたいPC、スマートフォン、タブレットなどが、同じネットワークに接続できる状態にあるか確認します。
    • メディアサーバー機能を利用したい場合、テレビやゲーム機などがDLNAクライアントに対応しているか確認します。
    • HDDなしモデルを購入する場合、バッファロー公式サイトで対応HDDリストを確認し、適切なHDDを別途購入します。

3-2. 開封と物理的なセットアップ

製品が届いたら、開封して物理的な接続を行います。

  1. 内容物の確認: NAS本体、電源ケーブル、LANケーブル(付属している場合)、取扱説明書、保証書などを確認します。
  2. HDDの取り付け(HDDなしモデルの場合):
    • 取扱説明書に従い、NAS本体のカバーを開けます。
    • HDDベイに購入したHDDを取り付けます。HDDの向きやネジ止めが必要かどうかはモデルによって異なります。
    • カバーを元に戻します。
  3. ケーブル接続:
    • 付属のLANケーブルを使って、LS220D本体のLANポートと、ご家庭のルーターまたはスイッチングハブのLANポートを接続します。
    • 付属の電源ケーブルをLS220D本体とコンセントに接続します。
  4. 電源を入れる: LS220D本体の電源ボタンを押して電源を入れます。起動には数分かかることがあります。

3-3. 初期設定

物理的な接続が完了したら、ネットワークからの初期設定を行います。

  1. NAS Navigator2のインストールと起動:
    • バッファローのウェブサイトから、LS220D用の「NAS Navigator2」というソフトウェアをPCにダウンロードしてインストールします。
    • NAS Navigator2を起動すると、同じネットワーク上に接続されているバッファロー製NASが自動的に検出され、一覧表示されます。
    • 検出されたLS220Dを選択します。初期設定が完了していない場合、設定画面へのリンクなどが表示されます。
  2. Web設定画面へのアクセス:
    • NAS Navigator2から、またはWebブラウザのアドレスバーにLS220DのIPアドレス(NAS Navigator2で確認できます)を直接入力して、NASのWeb設定画面にアクセスします。
    • 初回アクセス時や初期設定後は、管理者ユーザー名とパスワードの入力を求められます。工場出荷時のユーザー名とパスワードは取扱説明書に記載されています(例: ユーザー名 admin、パスワード password や記載された特定の文字列)。ログイン後、必ずすぐに管理者パスワードを変更してください。
  3. 基本的なネットワーク設定:
    • 通常はDHCPクライアントとして動作し、ルーターから自動的にIPアドレスを取得します。特別な理由がなければこのままで問題ありません。
    • 必要であれば、この画面で固定IPアドレスやホスト名などを設定できます。
  4. RAID設定(重要!):
    • 初期設定ウィザードや、システム設定のストレージ項目などでRAID構成を設定します。
    • 2台のHDDを搭載している場合、RAID 1、RAID 0、または通常モードから選択します。前述の通り、データ保護の観点からRAID 1を強く推奨します。
    • RAIDモードを選択すると、HDDのフォーマットが実行されます。この処理を実行すると、HDDに保存されているデータは全て消去されます。 初めて使用するHDDで行うようにしてください。
    • RAID 1を選択した場合、フォーマットと同時にデータのミラーリング領域が作成されます。
  5. 管理者パスワードの変更:
    • セキュリティのため、工場出荷時のパスワードから、推測されにくい複雑なパスワードに必ず変更します。英数字記号を組み合わせた8文字以上のパスワードが推奨されます。
  6. 共有フォルダーの作成とアクセス権設定:
    • 初期設定完了後、Web設定画面でデータを保存するための「共有フォルダー」を作成します。最初から「share」「music」「video」「photo」などのデフォルト共有フォルダーが作成されている場合もあります。
    • 必要に応じて、ユーザーアカウントを作成します。家族一人ひとり、あるいは用途別にユーザーを作成すると便利です。
    • 作成したユーザーやグループに対して、各共有フォルダーへのアクセス権限を設定します(例: ユーザーAは共有フォルダー「Aのデータ」に読み書き可能、共有フォルダー「家族写真」に読み取り専用、共有フォルダー「Bのデータ」にはアクセス不可など)。

これで、基本的なNASとしてネットワークからアクセスできる状態になります。

3-4. データ転送

LS220Dがネットワーク上に共有フォルダーとして表示されたら、PCからファイルをコピー&ペーストするのと同じ感覚でデータを転送できます。

  • Windows: エクスプローラーでネットワーク上のLS220Dを開き、共有フォルダーにアクセスしてファイルをコピーします。ネットワークドライブとして割り当てると、より便利にアクセスできます。
  • Mac: Finderのネットワーク共有からLS220Dを開き、共有フォルダーにアクセスしてファイルをコピーします。
  • 速度: 転送速度は、NASの性能、HDDの種類、ネットワーク環境(有線か無線か、ギガビット対応か、ルーターの性能など)、ファイルサイズや数によって変動します。大容量の動画ファイルなどを多数転送する場合、時間がかかることがあります。安定した高速転送には、NASとPC間の有線ギガビット接続が最も効果的です。

3-5. Webアクセス(Remote Access)の設定と利用

外出先からNASにアクセスしたい場合は、Webアクセス機能(Remote Access)を設定します。

  1. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  2. Webアクセス機能を有効にする: 機能設定メニューなどから「Webアクセス」または「Remote Access」の項目を探し、機能を有効にします。
  3. BuffaloNAS.comサービスに登録: 画面の指示に従い、BuffaloNAS.comサービスにLS220Dを登録します。ここでNASに固有のBuffaloNAS.comネームが割り当てられます(例: mynas1234.buffalonas.com)。このネームは、外出先からアクセスする際にNASを特定するために使用します。
  4. ルーター設定:
    • LS220Dが接続されているルーターがUPnP(Universal Plug and Play)に対応している場合、NASが自動的に必要なポート開放設定を行うことがあります。多くの家庭用ルーターはUPnPに対応しています。
    • UPnPが有効にならない場合や、手動で設定したい場合は、ルーターのポートフォワーディング設定で、LS220DのIPアドレスに対して特定のポート(通常はHTTP/HTTPSポート、例えば80や443、あるいはバッファローが指定するポート)を開放する必要があります。ルーターの設定方法は機種によって異なるため、ルーターの取扱説明書を確認してください。
  5. スマートフォン/タブレットからの利用(スマートアクセスアプリ):
    • 各アプリストアからバッファロー公式の「スマートアクセス」アプリをダウンロードし、インストールします。
    • アプリを起動し、「NASの追加」などで設定を行います。
    • 設定時に入力を求められる情報:
      • 接続方法: BuffaloNAS.com
      • BuffaloNAS.comネーム: 設定時に取得したNASのネーム
      • ユーザー名: NASのユーザー名(管理者ユーザーまたはWebアクセスを許可された一般ユーザー)
      • パスワード: そのユーザーのパスワード
    • 設定が完了すれば、アプリからNASに接続し、ファイル操作や写真・動画の閲覧などが可能になります。
  6. PCからの利用(Webブラウザ):
    • Webブラウザを開き、バッファローが提供するWebアクセス用サイト(URLは取扱説明書やWeb設定画面で確認できます)にアクセスします。
    • アクセス画面で、BuffaloNAS.comネーム、ユーザー名、パスワードを入力してログインします。
    • ログイン後、Webブラウザ上でNASの共有フォルダーが表示され、ファイルのダウンロードやアップロードなどが可能です。

Webアクセス利用上の注意点:

  • セキュリティ: 外出先からのアクセスは、自宅ネットワーク外部にNASを公開する行為です。必ず強固なパスワードを設定し、不要なユーザーにはアクセス権限を与えないようにしましょう。HTTPSに対応している場合は、HTTPSでの接続を強く推奨します。
  • 通信速度: 外出先からのアクセス速度は、自宅のインターネット回線の上り速度と、アクセス元のインターネット回線の下り速度に依存します。自宅の上り速度が遅い場合、ファイルのダウンロードやストリーミング再生が遅くなることがあります。
  • 安定性: BuffaloNAS.comサービスはバッファローが提供するサービスであり、メンテナンスや障害により一時的に利用できなくなる可能性もゼロではありません。

3-6. メディアサーバー機能の利用

DLNA対応テレビなどでNASのメディアファイルを再生したい場合は、メディアサーバー機能を設定します。

  1. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  2. メディアサーバー機能を有効にする: 機能設定メニューなどから「メディアサーバー」または「DLNAサーバー」の項目を探し、機能を有効にします。
  3. 共有フォルダーの指定: メディアファイル(動画、音楽、写真)が保存されている共有フォルダーを指定します。通常はデフォルトの「video」「music」「photo」フォルダーを指定します。
  4. データベースの作成(インデックス作成): メディアサーバー機能を有効にすると、NASが指定されたフォルダー内のメディアファイルをスキャンし、再生に必要なデータベース(インデックス)を作成します。ファイルの数が多い場合、この処理には時間がかかることがあります。処理中はNASのパフォーマンスが一時的に低下することがあります。
  5. DLNAクライアント機器からのアクセス:
    • 同じネットワークに接続されているスマートテレビやゲーム機などのDLNAクライアント機器を操作します。
    • 機器のメニューで「メディアサーバー」「ネットワークメディア」「DLNA」などの項目を選択すると、ネットワーク上で検出されたメディアサーバー(LS220D)が表示されるはずです。
    • LS220Dを選択すると、NASに保存された動画、音楽、写真がジャンル別などに整理されて表示され、再生が可能になります。

注意点:

  • 対応フォーマット: LS220Dのメディアサーバー機能が対応している動画、音楽、写真のファイルフォーマットには限りがあります。対応していない形式のファイルは再生できないか、トランスコード(リアルタイム変換)機能がないためスムーズに再生できない場合があります。LS220Dはエントリーモデルのため、高度なトランスコード機能は期待できません。
  • 再生機器側の対応: 再生する側の機器(テレビなど)も、そのファイル形式に対応している必要があります。

3-7. バックアップの設定と実行

大切なデータを守るために、バックアップを設定しましょう。ここでは、USB外付けHDDへのバックアップを例に説明します。

  1. USB外付けHDDの接続: LS220DのUSBポートに、フォーマット済みのUSB外付けHDDを接続します。
  2. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  3. バックアップ機能の設定: 機能設定メニューなどから「バックアップ」の項目を探します。
  4. バックアップタスクの作成:
    • バックアップ元として、NASの共有フォルダーを指定します。
    • バックアップ先として、接続したUSB外付けHDD上のフォルダーを指定します。
    • バックアップの種類(例: 全てコピー、差分コピーなど)を選択します。通常は差分コピーが効率的です。
    • バックアップのスケジュール(例: 毎日〇時に実行、毎週〇曜日△時に実行など)を設定します。
    • タスク名などを設定して保存します。
  5. バックアップの実行: 設定したスケジュールに従って自動的にバックアップが実行されます。手動で即時実行することも可能です。
  6. バックアップデータの確認: バックアップ完了後、PCなどから外付けHDDの中身を確認し、データが正しくコピーされているか確認するとより安心です。

Time Machineの設定 (Macユーザー向け):

  1. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  2. Time Machine機能を有効にする: 機能設定メニューなどから「Time Machine」の項目を探し、有効にします。必要に応じて、Time Machine用の共有フォルダー容量制限などを設定します。
  3. Mac側での設定: Macのシステム環境設定から「Time Machine」を開きます。
  4. バックアップディスクを選択: 「バックアップディスクを選択」をクリックすると、ネットワーク上にLS220Dが表示されるので、これを選択します。
  5. 設定完了: これで、Macが設定されたスケジュールに従って自動的にLS220Dにバックアップを開始します。

3-8. ファームウェアアップデートの実行

NASを安全かつ快適に利用するために、定期的にファームウェアのアップデートを確認し、適用することが推奨されます。

  1. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  2. ファームウェアアップデートの確認: システム設定メニューなどから「ファームウェア」または「アップデート」の項目を探します。
  3. アップデートの実行: 新しいファームウェアが利用可能な場合、画面に表示されます。ダウンロードして適用するオプションを選択し、画面の指示に従ってアップデートを実行します。アップデート中はNASの電源を切らないでください。アップデート完了後、NASが再起動します。
  4. 自動アップデート設定: 自動的に新しいファームウェアをチェックし、適用する設定も可能です。安全のため、適用前に通知を受け取る設定などにしておくと良いでしょう。

3-9. 電源管理(省電力)の設定

電気代やHDDの寿命を考慮して、省電力機能を活用しましょう。

  1. LS220DのWeb設定画面にログイン: 管理者権限でログインします。
  2. 省電力設定: システム設定メニューなどから「省電力」または「電源」の項目を探します。
  3. タイマーON/OFF設定: 特定の時間に自動的に起動/終了するスケジュールを設定します。例えば、平日の朝7時に起動し、夜中の0時にシャットダウンするといった設定が可能です。
  4. アイドル時HDDスピンダウン設定: NASに一定時間アクセスがない場合にHDDの回転を停止させるまでの時間を設定します(例: 10分、30分、1時間など)。

3-10. 日常のメンテナンス

特別に難しいメンテナンスは必要ありませんが、時々NASの状態を確認しておくと安心です。

  • 状態確認: Web設定画面やNAS Navigator2で、NASの稼働状態、HDDの状態(エラーがないか)、RAIDの状態などを確認します。
  • ログ確認: システムログを確認することで、発生したエラーや警告、各種操作履歴などを把握できます。
  • ディスクチェック: 問題が発生した場合や、定期的にHDDの健康状態を確認するためにディスクチェックを実行することができます。これは時間がかかる場合があります。
  • 清掃: 本体にホコリが溜まると放熱が悪化し、故障の原因となることがあります。定期的に柔らかい布でホコリを拭き取りましょう。

4. トラブルシューティング:よくある問題と解決策

NASは比較的安定したデバイスですが、時として予期せぬ問題が発生することもあります。ここでは、LS220Dでよくあるトラブルとその解決策を紹介します。

  • NAS Navigator2でNASが見つからない:
    • NAS本体の電源が入っているか確認します。
    • NASとルーター/スイッチングハブ、そしてPCが正しくLANケーブルで接続されているか確認します。
    • ルーターやスイッチングハブの電源が入っているか確認します。
    • PCとNASが同じネットワークセグメントに接続されているか確認します(ルーターを介しているかなど)。
    • PCのファイアウォール設定で、NAS Navigator2の通信がブロックされていないか確認します。
    • NAS本体を再起動してみます。
    • ルーター/スイッチングハブを再起動してみます。
    • NAS Navigator2を再インストールしてみます。
  • NASにアクセスできない(共有フォルダーが開けない、パスワードが通らないなど):
    • PCがNASと同じネットワークに接続されているか確認します。
    • 入力しているユーザー名とパスワードが正しいか確認します。大文字・小文字、半角・全角、Caps Lockなどが有効になっていないか注意します。
    • そのユーザーに、アクセスしたい共有フォルダーへのアクセス権限があるか確認します(NASのWeb設定画面で確認)。
    • NAS本体を再起動してみます。
    • PCを再起動してみます。
    • NAS Navigator2からアクセスを試みます。
  • 転送速度が非常に遅い:
    • NAS、ルーター/スイッチングハブ、PCのLANポートが全てギガビット(1000BASE-T)に対応しているか、接続を示すランプの色などで確認します。どこか一つでも100Mbpsなどの低速ポートがあると、全体の速度は遅くなります。
    • 使用しているLANケーブルがカテゴリー5e以上であるか確認します。古いケーブルや損傷したケーブルは速度低下の原因になります。
    • 無線LAN経由でアクセスしている場合、無線環境(電波強度、他の無線機器との干渉など)が原因で速度が遅くなっている可能性があります。有線接続で速度を確認してみます。
    • 同時に複数のデバイスがNASにアクセスしていないか確認します。
    • バックアップ処理やメディアサーバーのインデックス作成など、NAS内部で重い処理が実行されていないか確認します。
    • NAS本体、ルーター/スイッチングハブを再起動してみます。
  • Webアクセスできない(外出先からアクセスできない):
    • 自宅のインターネット回線が正常か確認します。
    • LS220DのWeb設定画面で、Webアクセス機能が有効になっているか確認します。
    • BuffaloNAS.comサービスの登録が正しく完了しているか、BuffaloNAS.comネームが間違っていないか確認します。
    • ルーターのUPnP設定が有効になっているか、または手動でポートフォワーディング設定が正しく行われているか確認します。ルーターの再起動も有効な場合があります。
    • 入力しているBuffaloNAS.comネーム、ユーザー名、パスワードが正しいか確認します。
    • アクセス元の環境(会社のネットワークなど)で特定の通信が制限されていないか確認します。
  • NAS本体のランプが点滅している(エラー表示):
    • 取扱説明書やバッファローのサポートウェブサイトで、ランプの状態(点滅パターンや色)が示す意味を確認します。
    • 多くの場合、HDDのエラーや故障を示しています。Web設定画面のシステムログやストレージ情報で、HDDの状態を確認します。
    • RAID 1構成でHDDが故障した場合、データ保護状態が損なわれている可能性があります。速やかに故障したHDDを交換し、リビルドを実行する必要があります。
  • ファームウェアアップデートができない:
    • NASがインターネットに接続されているか確認します。
    • ファームウェアファイルが破損していないか、ダウンロードし直してみます。
    • 手動でアップデートする場合は、正しいモデル・バージョンのファームウェアファイルをダウンロードしているか確認します。
    • NAS本体を再起動してから再度試みます。

上記で解決しない場合は、バッファローのサポートセンターに問い合わせることを検討しましょう。問い合わせる際は、NASの正確なモデル名、シリアル番号、ファームウェアバージョン、発生している問題の詳細、試した解決策などを伝えるように準備しておくとスムーズです。

5. LS220Dのメリット・デメリット

LS220Dは優れたNASですが、全てのユーザーに最適なわけではありません。メリットとデメリットを理解することで、自身の用途に合っているか判断できます。

メリット:

  • 手頃な価格: エントリーモデルとして非常に導入しやすい価格帯です。特に初めてNASを導入する方にとって、コスト的な敷居が低いのは大きな魅力です。
  • 簡単なセットアップ: NAS Navigator2などの専用ツールや、分かりやすいWeb設定画面により、比較的簡単に初期設定から利用開始まで行えます。NAS初心者でも挫折しにくい設計です。
  • RAID 1によるデータ保護: 2ベイモデルであることの最大の利点であり、HDD故障によるデータ損失リスクを大幅に低減できます。家庭の大切な写真や動画を守る上で非常に有効です。
  • 豊富なホーム向け機能: メディアサーバー(DLNA)、iTunesサーバー、Webアクセス(Remote Access)など、家庭内での利用で役立つ機能が充実しています。リビングのエンターテイメントの中心として活用できます。
  • 省電力機能: タイマーON/OFFやアイドル時HDDスピンダウンなど、電気代の節約やHDDの長寿命化に貢献する機能が搭載されています。
  • 静音設計: 生活空間に設置しても気になりにくいよう、静音性が考慮されています。

デメリット:

  • プロセッサー性能: エントリーモデルのため、搭載されているCPUはそれほど高性能ではありません。多数のユーザーからの同時アクセスや、大量のファイルのサムネイル生成、リアルタイムでの動画トランスコード(非対応の場合が多い)といった処理は苦手です。大規模なファイル操作や、多人数での頻繁なアクセスが多い環境には向きません。
  • エンタープライズ向け機能の欠如: Active Directory連携、iSCSIターゲット、高度な仮想化機能、多岐にわたるクラウドサービス連携など、ビジネス向けNASや上位モデルに搭載されている高度な機能は利用できません。
  • 拡張性: 2ベイモデルのため、搭載できるHDDは最大2台までです。将来的に大幅な容量増加が必要になった場合、NAS自体を買い替えるか、別のストレージを増設するなどの対応が必要になります。
  • USBポートが1つ: 利用できるUSBポートが1つだけなので、外付けHDDでのバックアップとUSBプリンターの共有などを同時に行うことはできません(USBハブを使っても、プリンター共有は対応しない場合があります)。
  • 搭載アプリの種類: QNAPやSynologyといった海外メーカーの多機能NASに比べると、利用できる追加アプリ(パッケージ)の種類は少ない傾向があります。

6. LS220Dを選ぶべき人・選ぶべきでない人

上記のメリット・デメリットを踏まえ、LS220Dがどんな人に適しているか、逆にどんな人には別のNASを検討すべきかまとめます。

LS220Dを選ぶべき人:

  • NASを初めて購入する方: 設定が比較的簡単で、導入しやすい価格帯のため、NAS入門機として最適です。
  • 家庭内でデータの共有・一元管理をしたい方: 家族写真、動画、音楽、書類などを一箇所に集め、PC、スマホ、タブレットなどからアクセス・共有したい場合にぴったりです。
  • メディアサーバー機能を活用したい方: スマートテレビやゲーム機でNAS内の動画や音楽を再生したいと考えている方にとって、手軽にメディアサーバー環境を構築できます。
  • 簡単な外出先からのファイルアクセスを求めている方: スマートアクセスアプリやWebブラウザ経由で、自宅外からファイルにアクセスしたい場合に便利です。
  • HDD故障によるデータ損失リスクを減らしたい方: RAID 1によるデータ保護機能は、家庭の大切なデータを守る上で非常に有効です。
  • コストパフォーマンスを重視する方: 高価な多機能NASは必要なく、必要十分な機能をリーズナブルな価格で手に入れたい方に適しています。
  • 静音性を重視する方: リビングなど生活空間に設置する場合でも、比較的静かに動作するモデルを選びたい方におすすめです。

LS220Dを選ぶべきでない人:

  • ビジネスでの重要データ集約・共有を考えている方: エントリーモデルであり、ビジネス環境に求められる堅牢性、パフォーマンス、多数のユーザー管理機能、高度なセキュリティ機能などは限定的です。ビジネス用途であれば、LinkStationの上位モデルやTeraStationシリーズといったビジネス向けNASを検討すべきです。
  • 同時に多くのユーザーが頻繁にアクセスする環境で利用したい方: プロセッサー性能が限定的なため、多人数での同時アクセスが多い環境ではパフォーマンスが低下する可能性があります。
  • 高度な機能(仮想化ストレージ、iSCSI、Active Directory連携、多種のクラウド連携など)が必要な方: LS220Dはこれらの高度な機能には対応していません。
  • 将来的に大幅な容量増加や拡張性を強く求める方: 2ベイ構成のため、最大容量には限界があります。4ベイ以上のモデルや、より高性能で拡張性の高いモデルを検討する必要があります。
  • リアルタイムでの複雑な動画トランスコード機能を求める方: スマートテレビなどが対応していない動画形式を再生する場合、強力なトランスコード機能を持つNASが必要になることがありますが、LS220Dはそのような機能は搭載していません。
  • とにかく最高の転送速度やパフォーマンスを求める方: エントリーモデルのため、上位モデルや自作NASなどに比べると、ファイル転送速度などで限界があります。

7. まとめ:LS220Dで始める、安心・快適なデジタルライフ

バッファロー LinkStation LS220Dシリーズは、家庭やSOHO環境におけるデータ管理の強力な味方となるNASです。手頃な価格ながら、2ベイ構成によるRAID 1でのデータ保護、PC/Macからのファイル共有、DLNAメディアサーバー、iTunesサーバー、そして外出先からのWebアクセスといった、現代のデジタルライフに求められる多くの基本機能をしっかりと搭載しています。

大切な写真や動画、書類などのデータを一箇所に集約し、家族や友人との共有を容易にするだけでなく、HDD故障のリスクからデータを守り、さらにはリビングのエンターテイメント環境を向上させるなど、LS220Dは多岐にわたるメリットをもたらします。

もちろん、ビジネス用途や高度な機能を求める場合には力不足な側面もありますが、NASを初めて導入する方や、家庭でのデータ管理・共有・バックアップをシンプルに実現したい方にとっては、非常にコストパフォーマンスが高く、扱いやすい魅力的な選択肢となります。

本記事で解説した機能や使い方を参考に、ぜひLS220Dをあなたのネットワーク環境に導入してみてください。設定は思ったよりも難しくなく、一度環境を構築してしまえば、日々のデータ管理が格段に快適になることを実感できるはずです。

LS220Dを賢く活用し、増え続けるデジタルデータを安全に守りながら、より豊かなデジタルライフを実現しましょう。あなたの写真や動画が、いつでもどこでも、家族みんなで楽しめる。そんな当たり前が、LS220Dによって可能になります。


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