初心者向け UbuntuでMACアドレスを確認する方法

初心者向け UbuntuでMACアドレスを確認する方法:詳細解説

Ubuntuを使い始めた皆さん、こんにちは!

新しいOSに触れるのは、ワクワクすると同時に、ちょっとした「どうやるんだろう?」という疑問もたくさん出てくるかもしれませんね。特に、普段は意識しないけれど、いざという時に必要になる情報の一つに「MACアドレス」というものがあります。

「MACアドレス? なんだか難しそう…」
「そもそもMACアドレスって何に使うの?」
「Ubuntuでどうやって調べられるの?」

そう思われた方も大丈夫です。この記事では、Ubuntuを使い始めたばかりの初心者の方でも、MACアドレスが何なのか、なぜ知る必要があるのか、そしてUbuntuで簡単に確認する方法を、GUI(マウス操作)とCUI(コマンド入力)の両方を使って、ステップバイステップで、非常に詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

この記事を読めば、あなたはMACアドレスの基本を理解し、Ubuntuで自信を持ってそれを探し出すことができるようになるでしょう。さあ、一緒にMACアドレスの世界を覗いてみましょう!

はじめに:MACアドレスとは何か?なぜ知る必要があるのか?

コンピュータやスマートフォン、ゲーム機、ネットワークプリンターなど、インターネットやローカルネットワークに接続できるほとんどすべてのデバイスには、「MACアドレス」という固有の識別番号が割り当てられています。MACアドレスは、IPアドレスと並んで、ネットワーク通信において非常に重要な役割を果たしています。

MACアドレスの基本:

  • 正式名称: Media Access Control Address(メディアアクセスコントロールアドレス)
  • 別名: 物理アドレス、ハードウェアアドレス
  • 役割: ネットワーク上でデバイスを識別するための、世界に一つだけの固有番号(ただし、いくつかの例外や注意点もあります。これについては後で詳しく説明します)。
  • 形式: 12桁の16進数で表され、通常はハイフン (-) またはコロン (:) で区切られます。
    • 例: A1:B2:C3:D4:E5:F6 または A1-B2-C3-D4-E5-F6
  • 構成: 最初の6桁は、そのネットワークデバイスを製造したメーカー(ベンダー)を識別する番号(OUI: Organizationally Unique Identifier)で、残りの6桁はそのメーカーがデバイスに割り当てるユニークな番号です。

IPアドレスとの違い:

ネットワーク通信には、MACアドレスの他に「IPアドレス」も使われますね。この二つはよく混同されがちですが、役割が異なります。

  • IPアドレス: ネットワーク上での「住所」のようなものです。ルーターやインターネット上のサーバーなどが、データパケットをどこに送るかを判断するために使います。IPアドレスは、ネットワーク環境によって動的に割り当てられたり(DHCP)、手動で設定されたりすることがあります。ネットワークが変わるとIPアドレスも変わる可能性があります。
  • MACアドレス: ネットワークインターフェースカード(NIC、Wi-Fiアダプターや有線LANポートなど)に物理的に焼き付けられた「個体識別番号」のようなものです。基本的に、デバイスが出荷された時点で固定されています。ローカルネットワーク内(同じルーターにつながっている範囲など)でのデバイス間の直接通信(層2通信)や、IPアドレスを解決する(ARPという仕組み)ために使われます。

例えるなら、IPアドレスは「現在の住所」、MACアドレスは「マイナンバーカードに記載された固有の識別番号」のようなものです。住所は引っ越せば変わりますが、マイナンバーカードの番号は変わりませんね。

なぜMACアドレスを知る必要があるのか?

普段インターネットを使うだけなら、MACアドレスを意識することはほとんどありません。しかし、以下のような場面で必要になることがあります。

  1. ネットワークトラブルシューティング: インターネットに繋がらない、特定のデバイスと通信できない、といった問題が発生した際に、そのデバイスが正しくネットワークに接続されているか、MACアドレスを確認してネットワーク機器のログなどと照合することがあります。
  2. ルーター設定(MACアドレスフィルタリング): 自宅のWi-Fiに、特定のデバイスしか接続できないように制限したい場合(セキュリティ向上)。ルーターの設定画面で、接続を許可したいデバイスのMACアドレスを登録します。
  3. ルーター設定(DHCP予約): 特定のデバイスに、ネットワークに接続するたびに同じIPアドレスを割り当てたい場合。ルーターの設定で、そのデバイスのMACアドレスに対して特定のIPアドレスを予約します。例えば、ネットワークプリンターやNAS(ネットワーク接続ストレージ)に固定IPを割り当てたい場合など便利です。
  4. Wake-on-LAN (WoL): ネットワーク経由で離れた場所にあるPCを起動したい場合。特殊な「マジックパケット」を、起動したいPCのMACアドレス宛てに送信することで実現します。
  5. ネットワーク管理: ネットワーク上のデバイスを正確に識別し、管理するためにMACアドレスを利用することがあります。
  6. 特定のソフトウェアやサービスの認証: ごく稀に、MACアドレスを使ってデバイスを認証したり、ライセンスを管理したりするソフトウェアやサービスが存在します。

このように、MACアドレスはネットワークの deeper な部分に関わる重要な情報です。特に、自宅のネットワークをよりセキュアにしたり、便利に使ったりしたい場合に、MACアドレスを確認する方法を知っていると役立ちます。

さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。UbuntuであなたのPCのMACアドレスを確認する方法を見ていきましょう。Ubuntuでは、主に以下の二つの方法でMACアドレスを確認できます。

  1. GUI (Graphical User Interface) を使う方法: マウス操作で、設定画面から情報を確認します。コンピュータの操作に慣れていない初心者の方でも、視覚的に分かりやすい方法です。
  2. CUI (Command Line Interface) を使う方法: 「ターミナル」という画面を開き、コマンドを入力して情報を確認します。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、より詳細な情報を得られたり、操作が効率的になったりするパワフルな方法です。

どちらの方法も重要ですので、両方試してみることをお勧めします。

UbuntuでのMACアドレス確認方法(GUI編)

まずは、UbuntuのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使って、マウス操作でMACアドレスを確認する方法を解説します。この方法は、普段からWindowsやmacOSなどのOSをマウスで操作することに慣れている方にとって、直感的に分かりやすいでしょう。

MACアドレスを確認するには、Ubuntuの「設定」アプリケーションを開き、ネットワーク設定の項目を見るのが最も一般的です。

ステップ1:設定アプリケーションを開く

画面左上にある「アクティビティ」をクリックしてください。すると、アプリケーションの検索バーなどが表示されます。

検索バーに「設定」と入力すると、「設定」アプリケーションのアイコンが表示されます。そのアイコンをクリックしてください。

または、画面右上の方にある、Wi-Fiアイコンや有線LANアイコン(ネットワークに接続している場合)をクリックすると、ネットワークの状態が表示されます。そこから「設定」アイコン(歯車マーク)をクリックして設定を開くこともできます。どちらの方法でも構いません。

ステップ2:ネットワーク設定に移動する

「設定」アプリケーションが開くと、様々な設定項目が左側に一覧表示されます。この中から、「ネットワーク」という項目を探してクリックしてください。

「ネットワーク」設定画面には、Wi-Fiの設定や有線接続の設定などが表示されます。あなたが現在使用している、またはMACアドレスを確認したいネットワーク接続の種類(Wi-Fiまたは有線)に応じて、次に進む手順が少し異なります。

ステップ3:詳細設定を表示する

  • Wi-Fi接続の場合:
    「Wi-Fi」の項目の右側に、現在接続しているWi-Fiネットワークの名前が表示されているはずです。そのネットワーク名の右側にある「設定」アイコン(歯車マーク)をクリックしてください。

  • 有線接続の場合:
    左側のリストで「ネットワーク」をクリックすると、通常、Wi-Fi設定の下に「有線」という項目が表示されます。その「有線」の右側にある「設定」アイコン(歯車マーク)をクリックしてください。

ステップ4:MACアドレス(ハードウェアアドレス)を確認する

Wi-Fiまたは有線接続の「設定」アイコンをクリックすると、その接続の詳細設定が表示されます。表示される画面は、Ubuntuのバージョンや設定によって多少異なる場合がありますが、通常は以下のようなタブが表示されます。

  • 詳細
  • ネットワーク
  • IPv4
  • IPv6
  • セキュリティ
  • その他

これらのタブの中の、「詳細」や「ネットワーク」といった項目に、そのネットワークインターフェースに関する詳細情報が表示されています。

この詳細情報の中に、「ハードウェアアドレス」または「BSSID」といった名前でMACアドレスが表示されています。「ハードウェアアドレス」は、そのPCのWi-Fiアダプターや有線LANポートそのもののMACアドレスです。一方、「BSSID」は、Wi-Fi接続の場合に、接続先のアクセスポイント(ルーターなど)のMACアドレスを指すこともあります。一般的に、PCのMACアドレスを確認したい場合は「ハードウェアアドレス」の項目を見つけてください。

例えば、以下のような表示が見つかるはずです。

“`
詳細

速度: 1000 Mb/s (ギガビット)
Duplex: Full
MTU: 1500

ハードウェアアドレス: XX:XX:XX:YY:YY:YY

“`

または、Wi-Fiの場合:

“`
ネットワーク

ネットワーク名 (SSID): MyHomeWi-Fi
種類: Wi-Fi

ハードウェアアドレス: AA:BB:CC:DD:EE:FF
BSSID: 11:22:33:44:55:66 (これは接続先のルーターのMACアドレスです)

“`

「ハードウェアアドレス」として表示されている「XX:XX:XX:YY:YY:YY」や「AA:BB:CC:DD:EE:FF」のような12桁の16進数が、あなたのUbuntu PCのそのネットワークインターフェース(有線または無線)のMACアドレスです。

注意点:

  • 複数のネットワークインターフェース: お使いのPCには、有線LANポートとWi-Fiアダプターの両方が搭載されていることが一般的です。それぞれに固有のMACアドレスがあります。MACアドレスを確認したい目的(例えば、Wi-Fiルーターのフィルタリング設定をしたいのか、有線ネットワークで何かしたいのか)に応じて、適切な方のMACアドレスを確認してください。
  • 表示名: 表示されるラベルは「ハードウェアアドレス」の他に「MACアドレス」「物理アドレス」などと表示される場合もあります。
  • ランダムMACアドレス機能: 近年のUbuntu(および他のOS)には、プライバシー保護のために、Wi-Fi接続ごとにランダムなMACアドレスを使用する機能が搭載されていることがあります。この機能が有効になっている場合、表示されるMACアドレスは固定のものではなく、接続するたびに変わる可能性があります。通常、設定画面でこの機能を無効にして、工場出荷時の固定MACアドレスを使用するように変更できます。設定画面の「詳細」や「識別情報」のような項目に、「ランダムなハードウェアアドレス」のような設定項目があるか確認してみてください。特にルーターでMACアドレスフィルタリングやDHCP予約を行う場合は、この機能を無効にしておく必要があります。

GUIでの確認手順まとめ:

  1. 画面左上の「アクティビティ」をクリック(または画面右上のネットワークアイコンをクリックして設定アイコンをクリック)。
  2. 検索バーに「設定」と入力して設定アプリケーションを開く。
  3. 左側のリストから「ネットワーク」をクリック。
  4. Wi-Fiまたは有線接続の右側にある「設定」アイコン(歯車マーク)をクリック。
  5. 表示された詳細画面で「ハードウェアアドレス」の項目を探す。

これで、UbuntuのGUIを使ってMACアドレスを確認することができました。この方法は、マウス操作だけで完結するため、コンピュータ操作に慣れていない方や、すぐにMACアドレスを確認したい場合に便利です。

次に、より詳細な情報を得られるCUI(コマンドライン)を使った方法を見てみましょう。

UbuntuでのMACアドレス確認方法(CUI/コマンドライン編)

GUIでの操作に慣れてきたら、次に挑戦してみたいのがCUI、つまりコマンドラインインターフェースを使った方法です。コマンドラインと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、いくつかの基本的なコマンドを知っていれば、GUIよりも素早く、そして詳細な情報を得ることができます。MACアドレスの確認も、コマンドを使えば簡単にできます。

Ubuntuでは、「ターミナル」というアプリケーションを使ってコマンドを実行します。

ステップ1:ターミナルを開く

ターミナルを開くには、いくつかの方法があります。

  • ショートカットキー: Ctrl + Alt + T キーを同時に押すのが最も簡単な方法です。
  • アクティビティメニュー: 画面左上の「アクティビティ」をクリックし、検索バーに「ターミナル」と入力すると、ターミナルアプリケーションが表示されます。そのアイコンをクリックしてください。

ターミナルが開くと、通常は黒い画面に文字が表示された、以下のようなプロンプトが表示されます。

bash
your_username@your_computer_name:~$

これは、あなたがコマンドを入力できる状態であることを示しています。your_usernameはあなたのユーザー名、your_computer_nameはコンピュータの名前、~は現在いるディレクトリ(通常はホームディレクトリ)を表します。$ は一般ユーザーであることを示し、コマンドを入力した後に Enter キーを押すとそのコマンドが実行されます。

ステップ2:MACアドレスを確認するコマンドを入力する

UbuntuでMACアドレスを含むネットワークインターフェースの情報を確認するための主なコマンドは二つあります。

  1. ip コマンド (推奨)
  2. ifconfig コマンド (旧来のコマンド)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. ip コマンドを使う方法 (推奨)

ip コマンドは、Linuxの新しいネットワーク管理ツールです。ifconfig よりも高機能で、現在のLinuxシステムではこちらを使うことが推奨されています。

MACアドレスを確認するには、ip コマンドに a または addr というオプションをつけて実行します。これは、「アドレス情報を表示する」という意味です。

ターミナルに以下のコマンドを入力して Enter キーを押してください。

bash
ip a

または

bash
ip addr

実行すると、お使いのPCに搭載されているすべてのネットワークインターフェースに関する情報が表示されます。出力結果は少し長いかもしれませんが、落ち着いて見ていきましょう。

出力例:

1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: enp0s3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000
link/ether **A1:B2:C3:D4:E5:F6** brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 192.168.1.100/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute
valid_lft 86081sec preferred_lft 86081sec
inet6 fe80::abcd:ef12:3456:7890/64 scope link noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
3: wlp2s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UP group default qlen 1000
link/ether **00:1A:2B:3C:4D:5E** brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 192.168.1.101/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute
valid_lft 86081sec preferred_lft 86081sec
inet6 fe80::1234:5678:9abc:def0/64 scope link noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever

この出力には、複数のセクションがあります。それぞれのセクションが、PCに認識されている一つのネットワークインターフェースに対応しています。

  • 1: lo:: これは「ループバックインターフェース」と呼ばれる特殊なインターフェースです。ネットワークカードとは関係なく、PC自身の内部通信に使われます。MACアドレスは常に 00:00:00:00:00:00 と表示されます。これはあなたのPCのMACアドレスではありません。
  • 2: enp0s3:: これは有線LANインターフェースの名前です。名前はPCのハードウェア構成によって異なりますが、eth0enp で始まることが多いです。
  • 3: wlp2s0:: これは無線LAN(Wi-Fi)インターフェースの名前です。名前はPCのハードウェア構成によって異なりますが、wlan0wlp で始まることが多いです。

あなたのPCのMACアドレスは、これらのインターフェース情報の部分に「link/ether」または「ether」というラベルとともに表示されています。

上記の例では、
* enp0s3 (有線LAN) のMACアドレスは **A1:B2:C3:D4:E5:F6**
* wlp2s0 (無線LAN) のMACアドレスは **00:1A:2B:3C:4D:5E**

となります。あなたのPCに有線LANとWi-Fiの両方があれば、このように二つのMACアドレスが表示されるのが一般的です。あなたが確認したいのは、目的に応じてこれらのどちらかのMACアドレスです。

ip a 出力結果の詳細な解説:

ip a コマンドの出力には、MACアドレス以外にも様々なネットワーク情報が含まれています。初心者の方はすべてを理解する必要はありませんが、主要な項目を少し知っておくと、ネットワークの状態を把握するのに役立ちます。

各インターフェースのセクションの最初の行には、インターフェースの名前 (lo, enp0s3, wlp2s0 など) と、その状態を示すフラグが表示されます。
* <LOOPBACK,UP,LOWER_UP>: インターフェースの種類や状態を示します。UP はインターフェースが有効になっていること、LOWER_UP は物理的にケーブルが接続されているか、Wi-Fiに接続されているかなど、リンクが確立されていることを示します。
* mtu 1500: Maximum Transmission Unit の略で、一度に送信できるデータパケットの最大サイズ(バイト単位)です。
* qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000: キューイング規律や、インターフェースの状態 (UNKNOWN, UP, DOWN など)、その他の設定です。state UP はインターフェースが通信可能な状態であることを意味します。
* link/ether **AA:BB:CC:DD:EE:FF** brd ff:ff:ff:ff:ff:ff: これがMACアドレスの情報です。link/ether はイーサネットリンク層のアドレスを示し、その後に続く12桁の16進数がMACアドレスです。brd はブロードキャストアドレスで、イーサネットでは常に ff:ff:ff:ff:ff:ff です。
* inet 192.168.1.100/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute: これはIPv4アドレスの情報です。inet の後に続くのがIPアドレス (192.168.1.100) とサブネットマスクを示すプレフィックス長 (/24) です。brd はブロードキャストアドレス、scope global はこのIPアドレスがローカルネットワークの外側とも通信できることを意味します。dynamic はDHCPで動的に割り当てられたことを示します。
* inet6 fe80::abcd:ef12:3456:7890/64 scope link noprefixroute: これはIPv6アドレスの情報です。inet6 の後に続くのがIPv6アドレスとプレフィックス長です。scope link はこのIPv6アドレスがローカルネットワーク内(リンクローカル)でのみ有効であることを意味します。
* valid_lft forever preferred_lft forever: アドレスの有効期間と優先期間を示します。DHCPで割り当てられたIPアドレスの場合は、リース期間が表示されます。

特定のインターフェースのMACアドレスだけを表示する:

ip a コマンドはすべてのインターフェースの情報を表示しますが、特定のインターフェース(例えば wlp2s0)の情報だけを見たい場合は、インターフェース名を指定できます。

bash
ip a show wlp2s0

これにより、指定したインターフェースの情報のみが表示され、より見やすくなります。

MACアドレスの行だけを絞り込む (grep を使う):

ip a の出力から、MACアドレスが書かれている行だけを見たい場合は、grep というコマンドと組み合わせて使うと便利です。grep コマンドは、入力の中から指定したパターン(文字列)を含む行を抽出するコマンドです。

MACアドレスは通常「ether」というキーワードを含む行に表示されるので、これを利用します。

bash
ip a | grep ether

| (パイプ)は、左側のコマンドの出力(ip a の結果)を右側のコマンド(grep ether)の入力として渡す役割をします。

このコマンドを実行すると、ip a の出力の中から「ether」という単語を含む行だけが表示されます。

出力例:

link/ether A1:B2:C3:D4:E5:F6 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
link/ether 00:1A:2B:3C:4D:5E brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

このように、MACアドレスが記載された行だけが簡潔に表示されます。これなら、複数のインターフェースがあっても目的のMACアドレスを見つけやすいですね。

2. ifconfig コマンドを使う方法 (旧来)

ifconfig コマンドは、かつてLinuxで広く使われていたネットワーク設定・確認コマンドです。現在でも多くのシステムで利用できますが、新しい開発は ip コマンドの方で行われています。基本的には ip コマンドを使うのが推奨されますが、古い情報源やスクリプトでは ifconfig が使われていることも多いため、知っておいて損はありません。

ifconfig コマンドは、オプションなしで実行すると、有効な(UPになっている)ネットワークインターフェースの情報が表示されます。

ターミナルに以下のコマンドを入力して Enter キーを押してください。

bash
ifconfig

出力例:

“`
enp0s3: flags=4163 mtu 1500
inet 192.168.1.100 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.1.255
inet6 fe80::abcd:ef12:3456:7890 prefixlen 64 scopeid 0x20 ether A1:B2:C3:D4:E5:F6 txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 12345 bytes 6789000 (6.7 MB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 54321 bytes 98765000 (98.7 MB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0

lo: flags=73 mtu 65536
inet 127.0.0.1 netmask 255.0.0.0
inet6 ::1 prefixlen 128 scopeid 0x10
loop txqueuelen 1000 (Local Loopback)
RX packets 123 bytes 4560 (4.5 KB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 123 bytes 4560 (4.5 KB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0

wlp2s0: flags=4163 mtu 1500
inet 192.168.1.101 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.1.255
inet6 fe80::1234:5678:9abc:def0 prefixlen 64 scopeid 0x20 ether 00:1A:2B:3C:4D:5E txqueuelen 1000 (Ethernet)
RX packets 67890 bytes 12345000 (12.3 MB)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 98765 bytes 54321000 (54.3 MB)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
“`

ip a コマンドと同様に、各セクションがネットワークインターフェースに対応しています。lo はループバックインターフェース、enp0s3 は有線LAN、wlp2s0 は無線LANの例です。(インターフェース名は環境によります)。

MACアドレスは、各インターフェースのセクションに「ether」または「HWaddr」というラベルとともに表示されています。

上記の例では、
* enp0s3 (有線LAN) のMACアドレスは **A1:B2:C3:D4:E5:F6**
* wlp2s0 (無線LAN) のMACアドレスは **00:1A:2B:3C:4D:5E**

となります。

ifconfig コマンドで無効なインターフェースも含めてすべて表示したい場合は、-a オプションをつけます。

bash
ifconfig -a

ifconfig 出力結果の詳細な解説:

  • enp0s3: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500: インターフェース名とフラグ、MTU。UP は有効、BROADCAST, MULTICAST はブロードキャスト/マルチキャスト通信が可能、RUNNING はインターフェースが動作中であることを示します。
  • inet 192.168.1.100 netmask 255.255.255.0 broadcast 192.168.1.255: IPv4アドレス、ネットマスク、ブロードキャストアドレスです。/24 のプレフィックス長はネットマスク 255.255.255.0 と同じ意味です。
  • inet6 fe80::abcd:ef12:3456:7890 prefixlen 64 scopeid 0x20<link>: IPv6アドレス、プレフィックス長、スコープです。
  • ether **AA:BB:CC:DD:EE:FF** txqueuelen 1000 (Ethernet): MACアドレスの情報です。ether または HWaddr と表示されます。
  • RX packets ... TX packets ...: 受信および送信したパケット数やバイト数、エラー数などの統計情報です。ネットワークの問題を診断する際に役立ちます。

MACアドレスの行だけを絞り込む (grep を使う):

ifconfig の出力からも、grep を使ってMACアドレスの行だけを抽出できます。MACアドレスは「ether」または「HWaddr」というキーワードを含む行に表示されることが多いです。

どちらのキーワードが使われているかはシステムによって異なる場合があるので、両方試すか、より一般的な「ether」で試してみましょう。

bash
ifconfig | grep ether

または

bash
ifconfig | grep HWaddr

grep を使うことで、不要な情報が省かれ、MACアドレスだけを素早く見つけることができます。

ip コマンド vs ifconfig コマンド:初心者にはどちらが良いか?

現在のLinuxシステムでは、ip コマンドの方が新しい標準であり、より多くの機能を持っています。将来的には ifconfig が完全に置き換えられる可能性もあります。したがって、これから新しくコマンドを学ぶ初心者の方は、ip コマンド (ip a) を使うことをお勧めします。

ただし、古い情報や他のシステムでの知識を流用する場合に備えて、ifconfig も知っておくと役立ちます。この記事では、両方のコマンドを使った方法を説明しましたが、まずは ip a をマスターすることから始めましょう。

その他のコマンド (補足)

MACアドレスを確認できるコマンドは、ipifconfig 以外にもいくつか存在します。これらはより詳しい情報を提供したり、特定の状況で役立ちます。

  • lshw -c network: ハードウェア情報を表示するコマンド lshw を使い、ネットワーク関連のデバイス (-c network) に絞って情報を表示します。これには、ハードウェアの詳細なモデル名やドライバ情報、そしてMACアドレスも含まれます。
    bash
    sudo lshw -c network

    このコマンドはシステム全体の情報にアクセスするため、実行には sudo(管理者権限)が必要です。パスワードを求められたら、ログインパスワードを入力してください。
    出力例には、「serial」または「logical name」のセクションにMACアドレスが記載されていることがあります。

  • nmcli device show: NetworkManager (Ubuntuのデフォルトのネットワーク管理サービス) のコマンドラインインターフェース (nmcli) を使って、デバイス情報を表示します。これも詳細な情報が得られ、MACアドレス(「HWADDR」として表示)も確認できます。
    bash
    nmcli device show

    または特定のデバイスを指定して
    bash
    nmcli device show eth0

    こちらもGUIの設定画面で表示される情報に近い内容をコマンドラインで確認できます。

これらのコマンドも、状況に応じて役立つことがあります。まずは ip a でMACアドレスを確認できるようになるのが基本ですが、興味があれば他のコマンドも試してみてください。

CUIでの確認手順まとめ:

  1. Ctrl + Alt + T キーを押してターミナルを開く。
  2. ip a と入力して Enter キーを押す。
  3. 出力結果の中から、探しているインターフェース(例: enp0s3wlp2s0)の行を探し、「ether」または「link/ether」の後に続く12桁の16進数を確認する。
    • 必要に応じて ip a | grep ether で絞り込む。
    • または ifconfig コマンドを使っても良い (ifconfig | grep ether または ifconfig | grep HWaddr)。

これで、UbuntuのCUIを使ってMACアドレスを確認することができました。コマンド操作に慣れると、ネットワークの状態確認など、他の作業も効率的に行えるようになりますよ。

初心者向け:つまづきポイントと解決策

MACアドレスの確認自体は難しくありませんが、初心者の方が戸惑う可能性がある点をいくつか挙げて、その解決策を説明します。

つまづきポイント1:複数のMACアドレスが表示されて、どれがどれか分からない

解説: ほとんどのPCには、有線LAN用のネットワークアダプターと、Wi-Fi用のネットワークアダプターの両方が搭載されています。それぞれに異なるMACアドレスが割り当てられています。また、Bluetoothアダプターなど、他のネットワーク機能を持つデバイスにもMACアドレスが存在する場合があります。ip aifconfig を実行すると、これらのインターフェースすべての情報が表示されるため、複数のMACアドレスが見つかるのが正常です。

解決策:
* インターフェース名の確認: コマンドの出力で、各MACアドレスがどのインターフェース名 (enp0s3, wlp2s0, eth0, wlan0 など) と関連付けられているかを確認します。
* 有線LANは通常 eth または enp で始まる名前です。
* 無線LAN(Wi-Fi)は通常 wlan または wlp で始まる名前です。
* lo はループバックインターフェースなので無視して構いません。
* 目的に応じて判断: なぜMACアドレスを確認したいのか、その目的に応じて適切なMACアドレスを選びます。例えば、Wi-Fiルーターのフィルタリングを設定したい場合は、Wi-Fiインターフェース (wlpwlan で始まるもの) のMACアドレスが必要です。
* GUIで確認する: もしCUIの出力が分かりにくい場合は、一度GUIの設定画面で確認してみましょう。GUIでは通常、「Wi-Fi」や「有線」といった分かりやすいラベルと共にMACアドレスが表示されます。

つまづきポイント2:ifconfig コマンドが存在しない、または見つからないと言われる

解説: 一部の新しいUbuntuの最小インストール環境などでは、デフォルトで ifconfig コマンドが含まれていない場合があります。ip コマンドが後継として推奨されているためです。

解決策:
* ip a コマンドを使う: ifconfig が使えない場合は、代わりに ip a コマンドを使ってください。こちらの方が新しい標準であり、機能も豊富です。
* net-tools パッケージをインストールする (非推奨): どうしても ifconfig を使いたい、または古いスクリプトを実行する必要がある場合は、ifconfig を含む net-tools というパッケージをインストールすることができます。ただし、前述の通り ip コマンドへの移行が推奨されています。インストールするには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
bash
sudo apt update
sudo apt install net-tools

sudo は管理者権限でコマンドを実行するためのものです。パスワードを求められたら、Ubuntuにログインする際のパスワードを入力してください。

つまづきポイント3:コマンドの出力が多すぎて必要な情報が見つけにくい

解説: ip aifconfig コマンドは、ネットワークに関する様々な情報を一度に表示するため、初心者にとっては少し情報過多に感じられるかもしれません。

解決策:
* grep コマンドで絞り込む: 前述の通り、grep コマンドを使って必要な行だけを抽出するのが最も効果的です。MACアドレスを探しているなら、| grep ether または | grep HWaddr をコマンドの最後につけましょう。
* 特定のインターフェースを指定する: ip a show [インターフェース名]ifconfig [インターフェース名] のように、見たいインターフェースの名前を指定して表示する情報を減らすことも有効です。

つまづきポイント4:表示されるMACアドレスが、デバイスに貼られているシールや他のOSで見たものと違う

解説: これにはいくつかの理由が考えられます。
1. 別のインターフェースのMACアドレスを見ている: 有線LANとWi-FiでMACアドレスは異なります。確認しているインターフェースが正しいか再確認しましょう。
2. ランダムMACアドレス機能が有効になっている: 近年のOSやネットワークアダプターには、プライバシー保護のため、Wi-Fi接続ごとにMACアドレスをランダム化する機能があります。この機能が有効になっていると、毎回違うMACアドレスが表示されます。
3. MACアドレスのスプーフィング (意図的な偽装): 悪意のある目的や、特定のネットワーク設定のために、MACアドレスを一時的に変更している場合があります。通常、これは明示的な設定変更によって行われます。

解決策:
* ランダムMACアドレスの設定を確認/無効化: GUIのネットワーク設定画面で、Wi-Fiの詳細設定の中に「ランダムなハードウェアアドレス」のような設定項目がないか確認し、必要であれば無効にしてみてください。無効にすると、通常はハードウェア本来のMACアドレスが使われるようになります。
* ハードウェア本来のMACアドレスを探す: デバイスの取扱説明書や本体のシールに記載されているMACアドレスは、通常、ハードウェア本来のMACアドレスです。これと比較したい場合は、ランダムMACアドレス機能を無効にしてから確認してください。
* 意図的な変更か確認: もし自分でMACアドレスを変更した覚えがないのに異なる場合は、マルウェアなどの可能性もゼロではありませんが、多くはランダムMACアドレス機能によるものです。

つまづきポイント5:sudo コマンドが必要なのか分からない

解説: 今回MACアドレスを確認するために紹介した ip aifconfig コマンドは、システムの状態を表示するだけであり、設定を変更するわけではありません。したがって、通常は sudo(管理者権限)をつけずに一般ユーザーとして実行できます。

解決策:
* 確認コマンドは sudo 不要: MACアドレスを確認するだけであれば、ip aifconfigsudo をつける必要はありません。
* 設定変更は sudo が必要: もしあなたがMACアドレスを変更したり、ネットワークインターフェースの設定を変更したりするコマンドを実行する場合は、通常 sudo が必要になります。初心者の方は、システム設定を変更する可能性のあるコマンドを実行する場合は、安易に sudo をつけず、そのコマンドの目的と影響を理解してから実行するようにしましょう。

これらのポイントを押さえておけば、MACアドレス確認で迷うことは少なくなるはずです。

MACアドレスの活用例:具体的にどう使う?

MACアドレスを確認する方法を覚えたら、次に気になるのは「具体的にどう使うの?」ということでしょう。いくつかの一般的な活用例を紹介します。

  1. ルーターのMACアドレスフィルタリング設定:

    • 目的: 自宅のWi-Fiに接続できるデバイスを制限することで、セキュリティを向上させる。
    • 方法: ルーターの設定画面を開き、「無線設定」や「セキュリティ設定」などの項目を探します。「MACアドレスフィルタリング」や「ワイヤレスMACフィルター」といった設定項目があるはずです。ここで、「許可リスト方式」(登録したMACアドレスだけ接続を許可する)または「拒否リスト方式」(登録したMACアドレスだけ接続を拒否する)を選択し、許可または拒否したいデバイスのWi-FiアダプターのMACアドレスを登録します。
    • Ubuntuでの応用: あなたのUbuntu PCをこのフィルタリングの対象にしたい場合、GUIまたはCUIでWi-FiアダプターのMACアドレスを確認し、それをルーターの設定画面に入力します。
  2. ルーターのDHCP予約(IPアドレス固定割り当て):

    • 目的: 特定のデバイスに、ネットワークに接続するたびに常に同じローカルIPアドレスを割り当てる。ネットワークプリンターやNASなど、固定IPアドレスで運用したいデバイスに便利。
    • 方法: ルーターの設定画面を開き、「DHCP設定」や「アドレス予約」などの項目を探します。ここで、固定IPアドレスを割り当てたいデバイスのMACアドレスと、割り当てたいローカルIPアドレス(例: 192.168.1.x)を入力して設定します。
    • Ubuntuでの応用: あなたのUbuntu PCに常に同じローカルIPアドレスを割り当てたい場合、そのPCのネットワークインターフェース(有線または無線、どちらを使うかによる)のMACアドレスを確認し、それをルーターの設定画面で予約設定に使います。
  3. Wake-on-LAN (WoL):

    • 目的: ネットワーク経由で電源が切れているPCを起動する。離れた場所からPCを操作したい場合に便利。
    • 方法: 起動したいPCのネットワークアダプター(通常は有線LANアダプター)がWoLに対応しており、BIOS/UEFI設定でWoLが有効になっている必要があります。また、WoLパケットを送信する別のデバイス(スマートフォンアプリや別のPC)が必要です。WoLパケットは、起動したいPCのネットワークアダプターのMACアドレス宛てに送信されます。
    • Ubuntuでの応用: Ubuntu PCをWoLで起動できるように設定する場合、そのPCの有線LANアダプターのMACアドレスを確認し、WoLパケットを送信する側のデバイスに入力します。Ubuntu PC自体から別のPCをWoLで起動する場合も、その別のPCのMACアドレスが必要になります。
  4. ネットワークトラブルシューティング:

    • 目的: ネットワーク接続の問題の原因を特定する。
    • 方法: 例えば、あるデバイスがネットワークに接続できない場合、そのデバイスのMACアドレスを確認し、ルーターのDHCPクライアントリスト(ルーターに接続しているデバイスの一覧)にそのMACアドレスが表示されているか確認します。もし表示されていなければ、物理的な接続やWi-Fi接続自体に問題がある可能性があります。表示されているが通信できない場合は、IPアドレスの競合やファイアウォールの設定などが原因かもしれません。
    • Ubuntuでの応用: あなたのUbuntu PCがネットワークに繋がらない、または特定のデバイスと通信できない場合、Ubuntu上でMACアドレスを確認し、ルーターや他のデバイス側からそのMACアドレスが見えているかなどを確認することで、問題の切り分けを行います。

このように、MACアドレスはネットワーク設定や管理、トラブルシューティングにおいて、デバイスを特定するための重要な手がかりとなります。

セキュリティとプライバシーに関する注意点

MACアドレスは「物理アドレス」と呼ばれ、ハードウェアに固有の識別子と説明しました。しかし、これにはいくつかの注意点があります。

  • MACアドレスのスプーフィング(偽装): ほとんどのOSやネットワークアダプターでは、ソフトウェア的にMACアドレスを変更(偽装)することができます。これを「MACアドレススプーフィング」と呼びます。正規のユーザーがネットワークトラブルシューティングや特定の環境でのテストのために行うこともありますが、悪意のある第三者がネットワークフィルタリングを回避したり、他のデバイスになりすましたりするために悪用することもあります。MACアドレスによるセキュリティ(フィルタリングなど)は、これを考慮に入れると絶対的なものではありません。
  • ランダムMACアドレス機能: 前述の通り、近年のOS(Ubuntuを含む)やスマートフォンなどでは、プライバシー保護のため、特にWi-Fi接続時に毎回異なるランダムなMACアドレスを使用する機能が標準で有効になっている場合があります。これにより、公共のWi-Fiネットワークなどで、デバイスがMACアドレスで追跡されるのを防ぎます。
    • UbuntuのWi-Fi設定画面で、「ランダムなハードウェアアドレス」やそれに類する設定項目を確認してみてください。通常、「固定アドレス」または「ランダムアドレス」を選択できます。ルーターのMACアドレスフィルタリングやDHCP予約を利用する場合は、「固定アドレス」を選択する必要があります。
  • MACアドレスと個人情報: MACアドレス単体では、直接的に個人の氏名や住所といった個人情報を特定することは難しいです。しかし、特定のネットワーク環境下で、MACアドレスがIPアドレスや他のデバイス情報と紐付けられることで、間接的に個人や特定のデバイスの行動が追跡される可能性はあります。ランダムMACアドレス機能は、このような追跡リスクを低減するためのものです。

MACアドレスはハードウェアの固有識別子ですが、完全に固定・不変のものではなく、セキュリティやプライバシーに関わる側面もあることを理解しておきましょう。

まとめ:あなたのUbuntu PCのMACアドレスをマスターしよう!

この記事では、Ubuntu初心者の方に向けて、MACアドレスの基礎知識から、GUIとCUIを使った具体的な確認方法、そして活用例や注意点まで、幅広く詳細に解説しました。

  • MACアドレス は、ネットワークインターフェースに割り当てられた固有の物理識別番号です。
  • GUI を使った方法では、設定アプリケーションからネットワーク設定の詳細画面を開くことで、視覚的にMACアドレス(ハードウェアアドレス)を確認できます。マウス操作に慣れている方にお勧めです。
  • CUI を使った方法では、ターミナルを開き、ip a または ifconfig コマンドを実行することで、より詳細なネットワーク情報と共にMACアドレスを確認できます。ip a | grep ether のように grep と組み合わせると、MACアドレスだけを効率的に表示できます。これからのLinuxネットワーク管理では ip コマンドが主流です。
  • MACアドレスは、ルーターでのフィルタリングやDHCP予約、Wake-on-LAN、ネットワークトラブルシューティングなど、様々な場面で役立ちます。
  • ランダムMACアドレス機能やMACアドレスのスプーフィングなど、セキュリティやプライバシーに関する注意点も存在します。

最初はコマンドラインに少し抵抗があるかもしれませんが、ip a のような基本的なコマンドを覚えることは、今後のUbuntuやLinuxの活用において必ず役に立ちます。この記事が、あなたがMACアドレスを理解し、自信を持ってUbuntuを操作する一助となれば幸いです。

もし途中で分からないことがあれば、インターネットで検索したり、Ubuntuのコミュニティフォーラムで質問したりすることもできます。Linuxの世界は広く、多くの情報が公開されています。恐れずに色々なことに挑戦してみてください。

これで、あなたのUbuntu PCのMACアドレスを確認する方法はばっちりですね!ネットワークの世界への第一歩として、ぜひ活用してください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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