【初心者向け】PyCharmダウンロード・インストール手順を解説

【初心者向け】PyCharmダウンロード・インストール手順を徹底解説!Python開発環境を整えよう

Pythonプログラミング学習を進める上で、開発環境を整えることは非常に重要です。特に、効率的にコードを書き、エラーを見つけやすくするためには、高機能な統合開発環境 (IDE) を使うのがおすすめです。その中でも、Python開発に特化し、世界中の開発者に愛用されているIDEが「PyCharm」です。

しかし、プログラミング初心者の方にとって、「IDEって何?」「ダウンロードとかインストールって難しそう…」と感じるかもしれませんね。ご安心ください!この記事では、Python学習を始めたばかりの初心者の方でも迷うことなく、PyCharmをダウンロードし、ご自身のパソコンにインストールして、最初の設定を完了させるまでの手順を、約5000語という圧倒的なボリュームで、ひとつずつ丁寧に、そして詳細に解説していきます。

この記事を読めば、PyCharmを手に入れて、快適なPython開発の第一歩を踏み出すことができるでしょう。さあ、一緒にPyCharmの世界へ飛び込みましょう!

記事の構成

この記事では、以下の流れでPyCharmのダウンロードとインストール、そして最初の起動と設定について解説します。

  1. PyCharmとは?なぜ使うの? (IDEとしての魅力、Python開発へのメリット)
  2. PyCharmの種類を知ろう (無料版と有料版の違い、初心者におすすめは?)
  3. ダウンロードを始める前に確認すること (必要なもの、動作環境、Pythonのインストール)
  4. PyCharm Community Editionのダウンロード (公式サイトへのアクセス、ダウンロード方法を画像で解説)
  5. PyCharm Community Editionのインストール – Windows編 (インストール手順を画像で解説)
  6. PyCharm Community Editionのインストール – macOS編 (インストール手順を画像で解説)
  7. PyCharm Community Editionのインストール – Linux編 (インストール手順を画像で解説)
  8. PyCharmの初期設定 (初回起動時の設定、テーマ選択など)
  9. 初めてのプロジェクト作成と起動 (プロジェクト作成、最初のコード実行)
  10. PyCharmの基本的な使い方ガイド (コード補完、エラー表示など、最初のステップ)
  11. よくある疑問とトラブルシューティング (Q&A形式で解決策を紹介)
  12. まとめ (PyCharmを使った学習の進め方)

それでは、早速始めていきましょう!

1. PyCharmとは?なぜ使うの?

まずは、そもそもPyCharmとは何なのか、そしてなぜPython開発においてPyCharmのようなIDEを使うのがおすすめなのかについて解説します。

PyCharmはPythonのための強力なIDE

IDEとは「統合開発環境 (Integrated Development Environment)」の略称です。プログラムを書く(コーディング)、間違いを探す(デバッグ)、プログラムを実行する、といった開発に必要な様々な作業を、一つのソフト内でまとめて行えるようにしたものです。

エディタ(コードを書くソフト)単体でもプログラミングは可能ですが、IDEはそれに加えて以下のような便利な機能を多数備えています。

  • コード補完 (IntelliSense):入力途中のコードに合わせて、候補となる関数名や変数名などを自動的に表示してくれます。これにより、入力ミスを減らし、タイピングの手間を大幅に省けます。
  • シンタックスハイライト:コードの種類(キーワード、文字列、コメントなど)によって色分けして表示してくれます。コードの構造が視覚的に分かりやすくなり、読みやすさが向上します。
  • エラー検出・警告:コードに間違いがある場合や、改善の余地がある場合に、リアルタイムで教えてくれます。実行する前に間違いに気づけるので、デバッグ作業が楽になります。
  • デバッグ機能:プログラムを一行ずつ実行したり、特定の場所で処理を一時停止させたりして、変数の値などを確認しながら間違いの原因を探せます。
  • コード整形:コードのインデント(字下げ)などを自動で綺麗に整えてくれます。複数人で開発する場合でも、統一されたコーディングスタイルを保つのに役立ちます。
  • バージョン管理システム連携:Gitなどのバージョン管理システムと連携し、コードの変更履歴管理やチームでの開発を効率的に行えます。

PyCharmは、これらのIDEとしての基本的な機能に加え、Python開発に特化したさらに強力な機能を多数備えています。例えば、Pythonのライブラリやフレームワーク(Django, Flask, NumPyなど)との連携が非常にスムーズだったり、Python特有のコードの書き方に対する強力なサポートがあったりします。

Python開発にPyCharmを使うメリット

Python学習を始めたばかりの頃は、テキストエディタとコマンドプロンプト(またはターミナル)を使ってコードを書いて実行するだけでも学習は進められます。しかし、学習が進み、少し複雑なプログラムを作るようになってくると、PyCharmのようなIDEを使うメリットを強く感じるようになります。

  • 開発効率が格段に上がる:コード補完やエラー検出機能のおかげで、コードを書くスピードが上がり、エラー修正にかかる時間が減ります。
  • デバッグが容易になる:デバッガーを使うことで、プログラムの内部で何が起こっているのかを詳細に調べられます。これは、複雑なバグの原因を探る際に非常に強力です。
  • コードの品質が向上する:警告機能が、より良いコードを書くためのヒントを与えてくれます。
  • プロジェクト管理が楽になる:複数のファイルからなるプログラムや、外部ライブラリを使う場合でも、PyCharmがプロジェクト全体を管理してくれるため、ファイル間の移動やライブラリの管理が容易になります。
  • 学習の助けになる:コード補完機能は、Pythonの標準ライブラリや使っているライブラリにどんな関数やメソッドがあるのかを知る手助けにもなります。また、コードの構造が色分けされることで、Pythonの文法を理解しやすくなります。

もちろん、学習の最初の段階では、Pythonの基本的な文法を理解することが最も重要です。しかし、ある程度基本が身についたら、ぜひPyCharmを使ってみることをおすすめします。あなたのPython学習がよりスムーズに、そして楽しくなるはずです!

2. PyCharmの種類を知ろう

PyCharmには、大きく分けて二つのエディションがあります。

  1. PyCharm Professional Edition (有料版)
  2. PyCharm Community Edition (無料版)

どちらを選ぶべきか、初心者の方は迷うかもしれません。それぞれの特徴を簡単に説明します。

PyCharm Professional Edition

Professional Editionは有料版で、PyCharmのすべての機能を利用できます。

  • Web開発フレームワークのサポート: Django, Flask, FastAPIなどの人気フレームワークに特化した強力なサポートがあります。HTML, CSS, JavaScriptなどのWeb関連技術の開発機能も充実しています。
  • データサイエンスツール: Jupyter Notebookとの連携、データ可視化ツール、データベースツールなどが強化されています。
  • データベースツール: 様々なデータベースに接続し、データの閲覧や編集、クエリ実行などがPyCharm内で行えます。
  • リモート開発: 遠隔地のサーバーでコードを実行したり、デバッグしたりできます。
  • プロファイラ: プログラムの実行速度のボトルネックを解析できます。
  • 追加のバージョン管理システムサポート: Mercurialなど、Git以外のバージョン管理システムもサポートします。

主に、仕事でPythonを使ってWebアプリケーション開発やデータ分析を行う方、あるいはより高度な開発に挑戦したい方向けのエディションです。個人利用であれば比較的安価な年間ライセンスがありますが、それでも費用はかかります。

PyCharm Community Edition

Community Editionは無料版で、基本的なPython開発に必要な機能はすべて揃っています。

  • 基本的なPython開発機能: コード補完、シンタックスハイライト、エラー検出、デバッグ機能、コード整形など、IDEの必須機能はProfessional版と同等レベルで使えます。
  • バージョン管理システム: Gitとの連携は強力にサポートされています。
  • 仮想環境の管理: Pythonプロジェクトごとに独立した環境を作るための仮想環境(Virtualenv, venv)の作成・管理機能があります。
  • ユニットテストの実行: doctest, unittest, pytestなどのテストフレームワークをサポートします。

無料版ではありますが、Pythonの基本的な文法学習、ちょっとしたスクリプト作成、基本的なWebアプリケーション開発(Django/Flaskの簡単なもの)、データ分析の入門など、Python学習の最初の段階から、ある程度の規模のプロジェクト開発まで、十分に活用できる機能を備えています。

初心者におすすめはCommunity Edition

これからPython学習を始める方、あるいはPyCharmを初めて使う方には、無料のCommunity Editionから始めるのが断然おすすめです。

  • 費用がかからない: まずはお金をかけずにIDEを試すことができます。
  • 基本的な機能は十分: Python学習に必要な機能はすべて網羅されています。Professional版にしかない高度な機能は、Python開発に慣れてきてから必要になった時点で検討すれば十分です。
  • 操作感は同じ: Community版でPyCharmの基本的な操作方法をマスターすれば、将来Professional版に移行した際もスムーズに使い始められます。

まずはCommunity Editionを使ってみて、PyCharmの便利さを実感し、もし「もっとこんな機能が欲しいな」と感じるようになったら、Professional Editionへの移行を検討しましょう。この記事では、無料のCommunity Editionのダウンロードとインストール手順に絞って解説を進めます。

3. ダウンロードを始める前に確認すること

PyCharmのダウンロードとインストールを始める前に、いくつか確認しておきたいことがあります。スムーズにインストールを進めるために、以下の点を確認しておきましょう。

必要なもの

  • インターネットに接続されたパソコン: PyCharmのインストーラーをダウンロードするために必要です。
  • パソコンの管理者権限: ソフトウェアをインストールする際に必要になる場合があります。ご自身のパソコンであれば通常は問題ありませんが、会社のパソコンなどを使用する場合は情報システム部門などに確認してください。

動作環境の確認

PyCharmを快適に使うためには、お使いのパソコンがPyCharmの動作環境を満たしている必要があります。PyCharmはWindows、macOS、Linuxに対応していますが、それぞれ必要なスペックが異なります。

最新の正確な動作環境は、常にJetBrains公式サイトのPyCharm動作環境ページで確認することをおすすめします。この記事執筆時点(2024年xx月)での一般的な目安は以下の通りです。

  • オペレーティングシステム (OS):
    • Windows 10以降 (64-bit)
    • macOS 10.15 (Catalina) 以降
    • Linux (主要なディストリビューション、GLIBC 2.27以降)
  • メモリ (RAM):
    • 最低限: 2 GB
    • 推奨: 8 GB以上 (大規模なプロジェクトや複数のアプリケーションを同時に実行する場合)
  • ディスク容量:
    • 最低限: 2.5 GB (IDE本体 + 最小限のキャッシュ)
    • 推奨: 8 GB以上 (IDE本体 + キャッシュ + プラグイン + プロジェクトファイルなど)
  • 画面解像度:
    • 最低限: 1024×768
    • 推奨: 1920×1080以上
  • プロセッサ: 最近のマルチコアプロセッサが推奨されます。

特に、メモリはPyCharmの動作速度に大きく影響します。もしお使いのパソコンのメモリが少ないと感じる場合は、増設を検討する価値があります。ただし、Python学習の初期段階であれば、推奨環境を満たしていなくてもある程度は動作する可能性がありますので、まずはインストールしてみるのも良いでしょう。

Pythonがインストールされているか確認

PyCharmはIDEであり、Pythonコードを実行するためには、別途Python本体(Pythonインタープリター)がパソコンにインストールされている必要があります。

PyCharmはインストーラーの中にPython本体を含んでいません。そのため、PyCharmをインストールする前に、またはインストールした後に、別途Pythonをインストールしておく必要があります。

多くのOSにはデフォルトでPythonがインストールされていることがありますが、古いバージョンだったり、PATHが通っていなかったりする場合があります。最新版のPythonを公式ウェブサイトからダウンロードしてインストールしておくのが最も確実です。

Pythonのインストール方法については、ここでは詳細を割愛しますが、以下の公式サイトからダウンロードできます。

PyCharmのインストール後、初回設定時にどのPythonインタープリターを使うか指定することになります。Pythonが正しくインストールされていることを確認しておきましょう。コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(macOS/Linux)を開いて、python --versionまたはpython3 --versionと入力し、Pythonのバージョン情報が表示されるか確認してみてください。

これらの確認が済んだら、いよいよPyCharmのダウンロードに進みましょう!

4. PyCharm Community Editionのダウンロード

それでは、PyCharm Community Editionのインストーラーをダウンロードする手順を解説します。

4.1. JetBrains公式サイトにアクセス

まずは、ウェブブラウザを開き、JetBrains社のPyCharm公式ダウンロードページにアクセスします。

検索エンジンで「PyCharm ダウンロード」と検索しても良いですし、以下のURLを直接入力しても構いません。

PyCharm公式ダウンロードページ: https://www.jetbrains.com/pycharm/download/

【画像:PyCharm公式ダウンロードページのトップ部分】
(画面上部にPyCharmのロゴ、「Download PyCharm」といった見出し、OS選択タブが表示されている様子を想像してください)

サイトにアクセスすると、PyCharmのダウンロードページが表示されます。

4.2. OSの選択

ダウンロードページでは、まずお使いのパソコンのOSを選択します。ページ上部に「Windows」「macOS」「Linux」といったタブが表示されているはずです。

【画像:OS選択タブの部分】
(「Windows」「macOS」「Linux」のタブが並んで表示されており、現在選択されているタブが強調されている様子を想像してください)

ご自身のOS(例えばWindows)のタブをクリックして選択してください。ページの内容が選択したOS向けに切り替わります。

4.3. Editionの選択 (Communityを選択)

次に、ダウンロードしたいPyCharmのエディションを選択します。Professional EditionとCommunity Editionのダウンロードボタンが並んで表示されています。

【画像:Edition選択部分】
(「Professional」と「Community」という大きな見出しの下に、それぞれの説明とダウンロードボタンが表示されている様子を想像してください。Community版のダウンロードボタンが緑色などで目立つように表示されていることが多いです。)

この記事では無料のCommunity Editionをダウンロードするので、「Community」の項目にあるダウンロードボタンを探してください。「Download」または「ダウンロード」と書かれているボタンをクリックします。

4.4. ダウンロードの開始

ダウンロードボタンをクリックすると、インストーラーファイルのダウンロードが開始されます。

【画像:ダウンロード開始のダイアログまたは画面下部のダウンロード進行表示】
(ブラウザの種類によって異なりますが、「このファイルを実行または保存しますか?」といったダイアログが表示されたり、画面下部にダウンロードの進行状況が表示されたりする様子を想像してください)

通常は、ファイルの保存先を尋ねるダイアログが表示されます。ダウンロードフォルダなど、ご自身が分かりやすい場所にファイルを保存してください。「保存」または「OK」をクリックします。

ダウンロードが完了するまで、しばらく待ちます。ファイルサイズは比較的小さいですが、インターネットの接続速度によっては数分かかる場合があります。

【画像:ダウンロード完了後の画面】
(ダウンロードが完了し、ダウンロードしたファイル名(例: pycharm-community-XXXX.exepycharm-community-XXXX.dmg)が表示されている様子を想像してください)

ダウンロードが完了したら、これでインストーラーファイルが手元に用意できました。次のステップは、このファイルを使ってPyCharmをパソコンにインストールすることです。

ファイルの保存場所を確認しておきましょう。デフォルト設定であれば、「ダウンロード」フォルダに保存されていることが多いです。

5. PyCharm Community Editionのインストール – Windows編

ダウンロードしたインストーラーファイルを使って、WindowsにPyCharm Community Editionをインストールする手順を解説します。

5.1. インストーラーの実行

ダウンロードしたインストーラーファイル(例: pycharm-community-XXXX.exe という名前のファイル)をダブルクリックして実行します。

【画像:ダウンロードフォルダでインストーラーファイルをダブルクリックしている様子】

5.2. ユーザーアカウント制御の許可

インストーラーを実行すると、「ユーザーアカウント制御」のダイアログが表示される場合があります。これは、パソコンに変更を加えるプログラムを実行しようとしていることに対する確認です。「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というメッセージが表示されたら、「はい」をクリックして許可してください。

【画像:ユーザーアカウント制御ダイアログ】
(「ユーザーアカウント制御」というウィンドウが表示され、「発行元: JetBrains s.r.o.」などと表示され、「はい」「いいえ」のボタンがある様子を想像してください)

5.3. セットアップウィザードの開始

ユーザーアカウント制御を許可すると、PyCharm Community Editionのセットアップウィザードが開始されます。

【画像:セットアップウィザードの「Welcome」画面】
(「Welcome to PyCharm Community Edition Setup」といったタイトルが表示され、「Next >」ボタンがある画面を想像してください)

「Welcome」画面が表示されたら、「Next >」ボタンをクリックして次に進みます。

5.4. インストール先フォルダの選択

次に、PyCharmをどこにインストールするかを決めます。通常はデフォルトで表示されているフォルダ(例: C:\Program Files\JetBrains\PyCharm Community Edition XXXX.X)で問題ありません。

【画像:インストール先フォルダ選択画面】
(「Choose Install Location」といったタイトルが表示され、インストール先のパスが表示されたテキストボックスと、「Browse…」ボタン、「Space required」「Space available」などの情報、そして「Next >」ボタンがある画面を想像してください)

もしインストール先を変更したい場合は、「Browse…」ボタンをクリックして別のフォルダを指定できます。ただし、特に理由がなければデフォルトのままで良いでしょう。

必要なディスク容量と利用可能なディスク容量が表示されているので、十分な容量があるか確認してください。

インストール先を確認したら、「Next >」ボタンをクリックします。

5.5. インストールオプションの選択

この画面では、追加のインストールオプションを選択できます。初心者の方は、いくつかチェックを入れておくと便利です。

【画像:インストールオプション選択画面】
(「Installation Options」といったタイトルが表示され、いくつかのチェックボックスが並んでいる画面を想像してください)

推奨するチェックボックスは以下の通りです。

  • Create Desktop Shortcut:
    • 32-bit launcher または 64-bit launcher:お使いのWindowsが64-bit版であれば「64-bit launcher」にチェックを入れます。デスクトップにPyCharmを起動するためのショートカットアイコンが作成されます。起動が楽になるのでチェックを推奨します。
  • Add “Open Folder as Project”:
    • このオプションにチェックを入れると、Windowsのエクスプローラー上でフォルダを右クリックした際に「Open Folder as PyCharm Project」といった項目が追加されます。これにより、エクスプローラーから直接そのフォルダをPyCharmのプロジェクトとして開けるようになり、非常に便利です。チェックを推奨します。
  • Add Launchers dir to the PATH:
    • このオプションにチェックを入れると、PyCharmの実行ファイルがあるディレクトリがWindowsの環境変数「PATH」に追加されます。PATHに追加すると、コマンドプロンプトからPyCharmを起動したり、PyCharmに関連するコマンドを実行したりできるようになります。初心者の方にとってはこの機能を使う機会は少ないかもしれませんが、将来的にコマンドライン操作も行うようになった場合に便利なので、チェックを推奨します(ただし、設定が反映されるにはWindowsの再起動やサインアウトが必要な場合があります)。
  • Associate .py files with PyCharm:
    • このオプションにチェックを入れると、.py という拡張子を持つファイル(Pythonファイル)をダブルクリックした際に、PyCharmで開くようになります。Pythonファイルを直接PyCharmで編集したい場合に便利です。チェックを推奨します。

【画像:推奨するオプションにチェックを入れた状態の画面】
(上記の推奨オプションにチェックが入っている状態の画面を想像してください)

必要なオプションにチェックを入れたら、「Next >」ボタンをクリックします。

5.6. スタートメニューフォルダの選択

PyCharmをWindowsのスタートメニューのどこに追加するかを選択します。デフォルトで「JetBrains」というフォルダが作成され、その中にPyCharmが追加されます。

【画像:スタートメニューフォルダ選択画面】
(「Choose Start Menu Folder」といったタイトルが表示され、フォルダ名を入力するテキストボックスと「Install」ボタンがある画面を想像してください)

通常はデフォルトのままで問題ありません。そのまま「Install」ボタンをクリックします。

5.7. インストールの実行

「Install」ボタンをクリックすると、PyCharmのインストールが開始されます。進捗バーが表示され、ファイルのコピーや設定が行われます。

【画像:インストール中の画面】
(進捗バーが表示され、「Installing…」といったメッセージが出ている画面を想像してください)

インストールには数分かかる場合があります。完了するまでしばらく待ちましょう。

5.8. インストール完了

インストールが完了すると、完了画面が表示されます。

【画像:インストール完了画面】
(「Completing PyCharm Community Edition Setup」といったタイトルが表示され、「Run PyCharm Community Edition」というチェックボックスと「Finish」ボタンがある画面を想像してください)

この画面で、「Run PyCharm Community Edition」というチェックボックスにチェックを入れると、セットアップウィザードを閉じた直後にPyCharmが自動で起動します。すぐにPyCharmを起動したい場合はチェックを入れておきましょう。

最後に「Finish」ボタンをクリックして、セットアップウィザードを閉じます。

これで、WindowsへのPyCharm Community Editionのインストールは完了です!デスクトップにショートカットを作成した場合や、スタートメニューからPyCharmを起動できるようになっているはずです。

6. PyCharm Community Editionのインストール – macOS編

ダウンロードしたインストーラーファイルを使って、macOSにPyCharm Community Editionをインストールする手順を解説します。

6.1. ダウンロードした.dmgファイルの実行

ダウンロードしたインストーラーファイル(例: pycharm-community-XXXX.dmg という名前のファイル)をダブルクリックして実行します。

【画像:ダウンロードフォルダで.dmgファイルをダブルクリックしている様子】

6.2. ディスクイメージのマウント

.dmgファイルをダブルクリックすると、ディスクイメージがマウントされ、新しいFinderウィンドウが開きます。このウィンドウには、通常、PyCharmのアイコンと「Applications」フォルダのエイリアスが表示されています。

【画像:マウントされたディスクイメージのFinderウィンドウ】
(PyCharmのアプリケーションアイコンと「Applications」フォルダのアイコンが表示されているウィンドウを想像してください)

6.3. Applicationsフォルダへのドラッグ&ドロップ

PyCharmのアイコンを、表示されている「Applications」フォルダのエイリアスにドラッグ&ドロップします。これにより、PyCharmアプリケーション本体がMacのアプリケーションフォルダにコピーされます。

【画像:PyCharmアイコンをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップしている様子】

コピーが完了するまでしばらく待ちます。

6.4. ディスクイメージの取り出し

アプリケーションフォルダへのコピーが完了したら、マウントされたディスクイメージ(Finderのサイドバーなどに表示されている「PyCharm Community Edition」など)を右クリックして「取り出す」を選択するか、ゴミ箱アイコンにドラッグして取り出します。これは、インストール元の仮想的なディスクを解除する作業です。

【画像:Finderサイドバーでディスクイメージを取り出す操作】

6.5. PyCharmの起動

アプリケーションフォルダにコピーされたPyCharmを起動します。

  • Launchpadから起動: DockにあるLaunchpadアイコンをクリックし、アプリケーション一覧からPyCharmのアイコンを探してクリックします。
  • Finderから起動: Finderを開き、「アプリケーション」フォルダに進み、PyCharmのアイコンをダブルクリックします。
  • Spotlight検索から起動: Command + Space キーを押してSpotlight検索を開き、「PyCharm」と入力して表示されるPyCharmアプリケーションを選択してEnterキーを押します。

【画像:アプリケーションフォルダにあるPyCharmアイコン】
【画像:LaunchpadやSpotlight検索でPyCharmを検索・起動している様子】

6.6. セキュリティ設定の許可 (初回起動時)

初めてApp Store以外からダウンロードしたアプリケーションを起動する際に、macOSのセキュリティ機能により警告が表示されることがあります。

【画像:「開発元を検証できません」といった警告ダイアログ】
(「”PyCharm CE”は、開発元を確認できないため開けません。」といったメッセージと、「ゴミ箱に入れる」「キャンセル」ボタンがあるダイアログを想像してください)

この警告が表示された場合は、以下の手順で開くことを許可します。

  1. 一度ダイアログの「キャンセル」をクリックして閉じます。
  2. アップルメニューから「システム設定」(または「システム環境設定」)を開きます。
  3. サイドバーから「プライバシーとセキュリティ」(または「セキュリティとプライバシー」)を選択します。
  4. 「セキュリティ」または「一般」タブを開き、下の方にある「ダウンロードしたアプリケーションの実行を許可」の項目を探します。
  5. そこに「”PyCharm CE”は開発元を確認できないため、開けませんでした。」といったメッセージと、「このまま開く」または「許可」といったボタンが表示されているはずです。「このまま開く」または「許可」をクリックします。
  6. 【画像:システム設定のプライバシーとセキュリティ画面で「このまま開く」ボタンをクリックしている様子】
  7. 再度PyCharmを起動します。今度は「開く」かどうかを確認するダイアログが表示されます。
  8. 【画像:再度表示される「開いてもよろしいですか?」ダイアログ】
  9. 開く」をクリックして、PyCharmの起動を許可します。

一度許可すれば、次回以降はこの警告は表示されなくなります。

6.7. Dockへの追加 (任意)

PyCharmを頻繁に使う場合は、Dockに追加しておくと便利です。PyCharmが起動中にDockに表示されているアイコンを右クリック(またはControl+クリック)し、「オプション」>「Dockに追加」を選択します。

【画像:DockのPyCharmアイコンを右クリックして「Dockに追加」を選択している様子】

これで、macOSへのPyCharm Community Editionのインストールと初回起動準備は完了です!

7. PyCharm Community Editionのインストール – Linux編

LinuxにPyCharm Community Editionをインストールする方法はいくつかありますが、公式サイトからダウンロードした.tar.gzアーカイブを使用する方法が一般的です。ここではその手順を解説します。SnapやJetBrains Toolbox Appを使用する方法もありますが、初心者向けには.tar.gzからの手動インストールが分かりやすいでしょう。

7.1. ダウンロードした.tar.gzファイルの解凍

ダウンロードしたインストーラーファイル(例: pycharm-community-XXXX.tar.gz という名前のファイル)は、圧縮されています。これを解凍する必要があります。

ファイルマネージャーを使うか、ターミナルを使って解凍します。ここではターミナルでの方法を解説します。

  1. ターミナルを開きます。
  2. ダウンロードしたファイルがあるディレクトリに移動します。例えば、ダウンロードフォルダに保存した場合は、以下のコマンドを実行します。
    bash
    cd ~/Downloads
  3. ダウンロードしたファイルを解凍します。ファイル名はダウンロードしたバージョンによって異なりますので、適宜読み替えてください。
    bash
    tar -xzf pycharm-community-XXXX.tar.gz

    【画像:ターミナルでtarコマンドを実行している様子】

解凍が完了すると、同じディレクトリに pycharm-community-XXXX.X のような名前の新しいディレクトリが作成されます。これがPyCharm本体のディレクトリです。

7.2. 解凍したディレクトリへの移動

作成されたPyCharmのディレクトリに移動します。

bash
cd pycharm-community-XXXX.X

XXXX.X は解凍してできたディレクトリの名前に置き換えてください)

7.3. PyCharmの実行スクリプトの実行

PyCharmのディレクトリの中に、bin というサブディレクトリがあります。その中にPyCharmを起動するための実行スクリプトがあります。

bash
cd bin
./pycharm.sh

【画像:ターミナルで./pycharm.shコマンドを実行している様子】

./pycharm.sh コマンドを実行すると、PyCharmが起動します。

7.4. デスクトップエントリの作成 (任意)

毎回ターミナルからスクリプトを実行するのは面倒です。インストール完了後に、デスクトップ環境のアプリケーションメニューからPyCharmを起動できるように設定することをおすすめします。

PyCharmが起動し、初回設定が完了した後の「Welcome to PyCharm」画面で、以下の操作を行います。

  1. メニューバーから「Tools」を選択します。
  2. ドロップダウンメニューから「Create Desktop Entry…」を選択します。
    【画像:PyCharmメニューバーのTools > Create Desktop Entry…】
  3. ダイアログが表示されるので、「Create entry for all users」にチェックを入れるか選択し、「OK」をクリックします。管理者パスワードを求められる場合があります。
    【画像:Create Desktop Entryダイアログ】

これにより、デスクトップ環境のアプリケーションメニュー(GNOMEであればアクティビティ、KDEであればアプリケーションメニューなど)にPyCharmが追加され、簡単に起動できるようになります。

7.5. インストールディレクトリの移動 (推奨)

ダウンロードディレクトリにPyCharm本体を置いたままでは、誤って削除してしまう可能性があります。通常は、/opt//usr/local/ のようなシステム全体で利用可能な場所に移動させることが推奨されます。

ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します(XXXX.X は解凍してできたディレクトリ名に置き換えてください)。管理者権限が必要になります(sudoコマンドを使用)。

bash
sudo mv ~/Downloads/pycharm-community-XXXX.X /opt/

【画像:ターミナルでsudo mvコマンドを実行している様子】

移動後、実行スクリプトのパスも変わります。例えば、/opt/pycharm-community-XXXX.X/bin/pycharm.sh となります。デスクトップエントリを作成していれば、手動でスクリプトを実行する必要はほとんどありません。

7.6. SnapまたはJetBrains Toolbox Appからのインストール (代替手段)

より手軽にインストールしたい場合、Linuxのパッケージ管理システムであるSnapを使うか、JetBrainsが提供する「JetBrains Toolbox App」を使う方法もあります。

  • Snap: 対応するLinuxディストリビューションであれば、以下のコマンドでインストールできます。
    bash
    sudo snap install pycharm-community --classic

    Snap版は自動アップデートなどの管理が容易です。
  • JetBrains Toolbox App: JetBrainsのすべてのIDEを一元管理できるツールです。Toolbox Appをインストールし、そこからPyCharmを選択してインストールできます。複数のJetBrains IDEを使う場合や、バージョン管理を楽にしたい場合に便利です。

これらの方法も初心者にとって手軽ですが、本記事では公式サイトからの.tar.gzによる手動インストールをメインに解説しました。

これで、LinuxへのPyCharm Community Editionのインストールは完了です!

8. PyCharmの初期設定

PyCharmを初めて起動した際に表示される、いくつかの初期設定画面について解説します。これらの設定は後からいつでも変更できますが、最初の設定で自分好みに設定しておくと、その後の作業が快適になります。

PyCharmを起動すると、以下のようなステップで設定が進みます(表示される画面はバージョンによって若干異なる場合があります)。

8.1. 利用規約の同意

【画像:利用規約の同意画面】
(「End-User License Agreement」といったタイトルが表示され、利用規約の文章と同意を求めるチェックボックス、そして「Continue」ボタンがある画面を想像してください)

PyCharmを使用するためには、JetBrainsの利用規約に同意する必要があります。利用規約の全文を確認し、同意する場合は「I accept the terms of this license agreement」(またはそれに類する文章)のチェックボックスにチェックを入れて、「Continue」ボタンをクリックします。

8.2. データ共有の設定 (任意)

【画像:データ共有設定画面】
(「Data Sharing」といったタイトルが表示され、匿名利用統計情報をJetBrainsに送信するかどうかを選択する画面を想像してください)

PyCharmの改善のために、匿名化された利用統計情報をJetBrainsに送信することに同意するかどうかを選択できます。これは必須ではありません。

  • Send Usage Statistics: 利用統計情報を送信する
  • Don't Send: 利用統計情報を送信しない

どちらを選択してもPyCharmの機能に影響はありません。気になる場合は「Don’t Send」を選択しても良いでしょう。選択したら、「Continue」ボタンをクリックします。

8.3. UIテーマの選択

【画像:UIテーマ選択画面】
(「UI Themes」といったタイトルが表示され、画面全体のテーマを選択できる画面を想像してください。「Darcula」と「Light」などのプレビューが表示されているはずです)

PyCharmの画面全体の見た目(テーマ)を選択できます。代表的なテーマは以下の2つです。

  • Darcula: 暗い背景のテーマです。目に優しいと感じる人も多く、プログラマーに人気のテーマです。
  • Light: 明るい背景のテーマです。一般的なWindowsアプリケーションなどに近い見た目です。

お好みでどちらかを選択してください。後から設定画面でいつでも変更できます。

テーマを選択したら、「Next: Default Plugins」または「Skip Remaining and Set Defaults」のようなボタンをクリックして次に進みます。

8.4. プラグインのインストール (初心者向けにはスキップ推奨)

【画像:Default PluginsまたはFeatured Plugins画面】
(インストール可能なプラグインの一覧や、「Skip Remaining and Set Defaults」ボタンが表示されている画面を想像してください)

PyCharmには様々な追加機能を導入できるプラグインの仕組みがあります。初回設定時におすすめのプラグインなどが表示されることがありますが、初心者の方はここでは特に何もせず、デフォルトの状態で始めるのがおすすめです。

画面下部にある「Skip Remaining and Set Defaults」のようなボタンをクリックして、プラグインの設定をスキップし、残りの設定をデフォルトで完了させます。

8.5. Welcome画面

【画像:Welcome to PyCharm画面】
(「Welcome to PyCharm」という大きなタイトルが表示され、「New Project」「Open」「Get from VCS」といったボタンが並んでいる画面を想像してください)

ここまでの設定が完了すると、「Welcome to PyCharm」画面が表示されます。これがPyCharmのスタート画面です。

  • New Project: 新しいPythonプロジェクトを作成する場合にクリックします。
  • Open: 既存のプロジェクトフォルダを開く場合にクリックします。
  • Get from VCS: Gitなどのバージョン管理システムからプロジェクトをクローンする場合にクリックします。

これで、PyCharmの初期設定は完了です!次は、いよいよ初めてのプロジェクトを作成してみましょう。

9. 初めてのプロジェクト作成と実行

PyCharmのインストールと初期設定が完了しました。ここからは、PyCharmを使って初めてのPythonプロジェクトを作成し、簡単なコードを書いて実行する手順を解説します。

9.1. Welcome画面から「New Project」を選択

PyCharmのWelcome画面が表示されている状態で、「New Project」ボタンをクリックします。

【画像:Welcome to PyCharm画面でNew Projectボタンをクリックしている様子】

9.2. New Projectダイアログの設定

「New Project」ダイアログが表示されます。ここで新しいプロジェクトの様々な設定を行います。

【画像:New Projectダイアログ】
(プロジェクト名、場所、新規環境作成/既存インタープリター選択、Base interpreterなどの設定項目があるダイアログを想像してください)

設定項目を一つずつ見ていきましょう。

  • Location:
    • プロジェクトを保存する場所を指定します。デフォルトでは、ユーザーフォルダの中に PycharmProjects といったフォルダが作成され、その中にプロジェクト名のフォルダが作られるようになっています。
    • 例: /Users/あなたのユーザー名/PycharmProjects/MyFirstProject (macOS/Linux) または C:\Users\あなたのユーザー名\PycharmProjects\MyFirstProject (Windows)
    • 特に理由がなければデフォルトの場所で問題ありません。プロジェクト名を入力すると、その名前のフォルダが自動的に作成され、パスに追加されます。
  • Virtual environment:
    • Pythonプロジェクト開発において、「仮想環境 (Virtual Environment)」を使用することは強く推奨されています。仮想環境とは、プロジェクトごとに独立したPython実行環境を作成する仕組みです。これにより、プロジェクトごとに異なるバージョンのライブラリを使ったり、プロジェクト間でライブラリの依存関係が衝突するのを防いだりできます。
    • 初心者の方にとっては最初は難しく感じるかもしれませんが、PyCharmを使えば簡単に仮想環境を作成・管理できます。特別な理由がない限り、「New environment using」を選択し、新しい仮想環境を作成するのが良いでしょう。
    • デフォルトで「Virtualenv」が選択されています。これはPythonの標準的な仮想環境ツールの一つです。そのまま「Virtualenv」を選択しておきます。
    • Location: 作成される仮想環境の場所です。通常はプロジェクトフォルダの中に自動的に作成されるパスで問題ありません。
    • Base interpreter: どのバージョンのPythonをベースにして仮想環境を作成するかを指定します。ここで、事前にインストールしておいたPythonインタープリターを選択します。ドロップダウンリストを開くと、PyCharmが検出したPythonインタープリターが表示されるはずです。最新のPythonバージョン(例: Python 3.9, 3.10, 3.11など)を選択してください。もしリストに表示されない場合は、Pythonが正しくインストールされているか、または手動でPython実行ファイル(python または python.exe)の場所を指定する必要があります(「…」ボタンをクリックして参照)。
    • Inherit global site-packages: チェックを入れると、システムのグローバルなPython環境にインストールされているライブラリが、新しく作る仮想環境でも使えるようになります。通常はチェックを外しておき、プロジェクトに必要なライブラリだけを仮想環境にインストールする方が、環境がクリーンに保たれるため推奨されます。初心者の方も、特に理由がなければチェックは外しておきましょう
    • Make available to all projects: チェックを入れると、作成した仮想環境を他のプロジェクトでも選択できるようになります。通常はプロジェクトごとに独立した環境を作るため、チェックは外しておきましょう
  • Create a main.py welcome script:
    • このオプションにチェックを入れると、プロジェクト作成時に main.py という名前のサンプルPythonファイルが自動的に作成されます。このファイルには簡単なサンプルコードが書かれています。初めてのプロジェクトで何かコードを書いて実行する練習をするのに便利なので、チェックを入れておくことを推奨します

【画像:推奨する設定にチェックを入れたNew Projectダイアログの状態】
(プロジェクト名を入力し、New environment using: Virtualenvを選択し、Base interpreterにPython 3.xを選択、Create a main.py welcome scriptにチェックが入っている状態の画面を想像してください)

すべての設定を確認したら、「Create」ボタンをクリックします。

9.3. プロジェクトウィンドウの表示

「Create」をクリックすると、PyCharmが新しいプロジェクトを作成し、プロジェクトウィンドウが表示されます。

【画像:PyCharmのメインプロジェクトウィンドウ(初回表示)】
(左側にプロジェクトビュー、中央にエディタ、下部にRunやTerminalなどのツールウィンドウが表示されている画面を想像してください。main.pyファイルが開いているはずです。)

初めてプロジェクトを開いた際は、画面の右下などに「Indexing…」や「Scanning files to index…」といったメッセージが表示されることがあります。これはPyCharmがプロジェクト内のファイルを読み込み、コード補完などの機能のためにインデックスを作成している処理です。この処理が終わるまで少し時間がかかる場合がありますが、完了するまで待ちましょう。

また、画面上部に「Tip of the Day」(今日のヒント)が表示されることがあります。これはPyCharmの便利な機能を紹介してくれるものです。読んでみるのも良いですし、閉じてしまっても構いません。

9.4. サンプルコードの確認

Create a main.py welcome script にチェックを入れてプロジェクトを作成した場合、中央のエディタ領域に main.py というファイルが開かれ、以下のようなサンプルコードが書かれているはずです。

“`python

This is a sample Python script.

Press ⇧+F10 to execute it or replace it with your code.

Press Double Shift to search everywhere for classes, files, tool windows, actions, and settings.

def print_hi(name):
# Use a breakpoint in the code line below to debug your script.
print(f’Hi, {name}’) # Press ⌘F8 to toggle the breakpoint.

Press the green button in the gutter to run the script.

if name == ‘main‘:
print_hi(‘PyCharm’)

See PyCharm help at https://www.jetbrains.com/help/pycharm/

“`

このコードは、print_hi という関数を定義し、その関数を使って「Hi, PyCharm」と表示する簡単なプログラムです。

9.5. コードの実行

このサンプルコードを実行してみましょう。実行方法はいくつかあります。

方法1: エディタのガターにある実行ボタンをクリック

エディタの一番左端には「ガター」と呼ばれる領域があり、行番号やブレークポイントなどが表示されます。実行可能なスクリプトの場合、そこに緑色の小さな実行アイコン(プレイボタンのような形)が表示されます。

【画像:main.pyエディタのガターにある実行アイコン】
(main.pyのdef print_hi(name): の行番号の左側、または if name == ‘main‘: の行番号の左側に表示されている緑色の実行アイコンを想像してください)

if __name__ == '__main__': の行の左側にある緑色の実行アイコンをクリックします。ドロップダウンメニューが表示されるので、「Run ‘main’」を選択します。

【画像:ガターの実行アイコンをクリックして表示されるメニュー】
(「Run ‘main’」「Debug ‘main’」「Run ‘pytest in main.py’」などの項目があるドロップダウンメニューを想像してください)

方法2: メニューバーから実行

メニューバーの「Run」メニューから「Run…」を選択し、表示されるサブメニューから「main」を選択します。

【画像:メニューバーのRunメニュー】

方法3: ショートカットキー

Windows/Linuxでは Shift + F10、macOSでは Control + R または ^R がデフォルトの実行ショートカットキーです。エディタ上でファイルが開かれている状態でこのショートカットキーを押すと、そのファイルが実行されます(実行構成が設定されている場合)。

どの方法でも構いませんので、PyCharmを使って main.py スクリプトを実行してみてください。

9.6. 実行結果の確認

コードを実行すると、PyCharmの下部にある「Run」ツールウィンドウが開かれ、そこにプログラムの出力が表示されます。

【画像:PyCharm下部のRunツールウィンドウ】
(「Run」というタブのウィンドウが表示され、ターミナルのような黒い背景に「Hi, PyCharm」という出力と、プログラムの終了を示すメッセージ(例: Process finished with exit code 0)が表示されている様子を想像してください)

Runウィンドウに「Hi, PyCharm」と表示されていれば成功です!これでPyCharmを使ってPythonコードを実行できる状態になりました。

10. PyCharmの基本的な使い方ガイド

PyCharmのインストールと最初のプロジェクト作成・実行が完了しました。ここでは、Python学習を始めたばかりの方が知っておくと便利な、PyCharmの基本的な使い方をいくつか紹介します。

10.1. コード補完 (IntelliSense)

PyCharmの最も便利な機能の一つがコード補完です。コードを書いている途中で、入力候補や関連情報を自動的に表示してくれます。

例えば、文字列変数 name があるとして、その文字列操作メソッドを使いたい場合、変数名の後に . を入力すると、利用可能なメソッドや属性のリストが表示されます。

【画像:変数名の後に.を入力した際のコード補完リスト】
(変数 name の後ろに . を入力すると、upper(), lower(), replace() などのメソッド名を含むドロップダウンリストが表示されている様子を想像してください)

矢印キーで候補を選択し、Enter キーを押すとコードが自動入力されます。また、関数名などを入力している途中でも候補が表示されます。

この機能により、スペルミスを減らし、利用可能な関数やメソッドを効率的に見つけることができます。

10.2. エラーや警告の表示

PyCharmは、コードに文法エラーがある場合や、Pythonの規約(PEP 8など)に沿っていない箇所がある場合に、リアルタイムで教えてくれます。

  • エラー: コードがPythonの文法として正しくない場合、その行に赤い波線が表示されます。例えば、括弧の閉じ忘れなどです。
  • 警告: コードは文法的には正しいものの、改善の余地がある場合や、PEP 8などのコーディングスタイルに違反している場合、黄色や緑色の波線が表示されます。例えば、変数名の付け方が一般的でない場合や、インデントがおかしい場合などです。

【画像:エディタに赤い波線(エラー)と黄色い波線(警告)が表示されている様子】

波線の上にマウスカーソルを合わせると、どのようなエラーや警告なのか詳しい説明が表示されます。これにより、問題を素早く特定し、修正することができます。

10.3. コードの整形 (Reformat Code)

コードのインデントやスペースの使い方がバラバラで読みにくくなってしまった場合、PyCharmのコード整形機能を使うと、Pythonの標準的なスタイル(PEP 8)に従ってコードを自動的に綺麗に整えてくれます。

  • メニューバーの「Code」から「Reformat Code」を選択します。
  • Windows/Linuxでは Ctrl + Alt + L、macOSでは Option + Command + L がデフォルトのショートカットキーです。

【画像:コード整形を実行するメニュー】
【画像:コード整形を実行する前と後のコードの比較(インデントやスペースが修正されている様子)】

複数人で開発する場合だけでなく、自分自身が後からコードを見返す際にも、整形されたコードは非常に読みやすくなります。

10.4. ターミナルウィンドウの使い方

PyCharmの下部には様々なツールウィンドウがあり、「Terminal」タブをクリックすると、PyCharm内でターミナル(コマンドプロンプト)を開くことができます。

【画像:PyCharm下部のTerminalツールウィンドウ】
(Terminalタブをクリックして、コマンドを入力できる黒い画面が表示されている様子を想像してください)

このターミナルは、PyCharmが認識しているプロジェクトの仮想環境がアクティベートされた状態で開かれます。これにより、プロジェクトに必要なライブラリ(例えば requestsnumpy など)をインストールしたり(pip install ライブラリ名)、Pythonスクリプトをコマンドラインから実行したりといった作業が、PyCharmを閉じずにそのまま行えます。

PyCharmでプロジェクトを作成する際に仮想環境を構築していれば、ここで pip list コマンドなどを実行して、その仮想環境にインストールされているライブラリを確認してみると良いでしょう。

10.5. 設定画面 (Settings / Preferences)

PyCharmの様々な設定は、「Settings」(Windows/Linux)または「Preferences」(macOS)画面で行います。

  • Windows/Linux: メニューバーの「File」から「Settings」を選択します。
  • macOS: メニューバーの「PyCharm」から「Preferences」を選択します。

【画像:設定画面のトップページ】
(左側に設定項目の一覧、右側に選択した項目の設定内容が表示されているウィンドウを想像してください)

ここでは、UIテーマの変更、フォントの種類やサイズの変更、コードスタイルの設定、Pythonインタープリターの追加/変更、プラグインの管理など、非常に多くの設定が可能です。最初は全てを理解する必要はありませんが、例えば文字が小さくて見にくいと感じたら、「Editor」>「Font」でフォントサイズを変更してみるなど、必要に応じて設定画面を触ってみるのが良いでしょう。

10.6. プロジェクトを閉じる/開く

  • プロジェクトを閉じる: メニューバーの「File」から「Close Project」を選択します。PyCharmのプロジェクトウィンドウが閉じられ、Welcome画面に戻ります。
  • プロジェクトを開く: Welcome画面が表示されている状態で、「Open」ボタンをクリックし、開きたいプロジェクトのフォルダを選択します。または、最近開いたプロジェクトの一覧がWelcome画面の左側に表示されているので、そこから選択することもできます。

10.7. 複数のファイルを開く/切り替える

プロジェクト内に複数のPythonファイルやその他のファイルがある場合、左側のプロジェクトビューでファイル名をダブルクリックすると、そのファイルがエディタ領域に開かれます。複数のファイルを開いている場合、エディタ領域の上部にタブが表示され、タブをクリックすることでファイル間を簡単に切り替えることができます。

【画像:複数のファイルタブがエディタ上部に表示されている様子】

これらの基本的な機能だけでも、テキストエディタだけで開発するよりも格段に効率が上がり、快適にコードを書けるようになるはずです。まずはこれらの機能を実際に使ってみながら、PyCharmの操作に慣れていきましょう。

11. よくある疑問とトラブルシューティング

PyCharmのインストールや初回起動時によく遭遇する疑問や問題、そしてその対処法について解説します。

Q1: Pythonインタープリターが見つからないと表示される

A1: PyCharmが、コードを実行するためのPython本体(インタープリター)を見つけられない場合に表示されるエラーです。以下の原因が考えられます。

  • Python自体がインストールされていない: PyCharmはIDEであり、Python本体を含んでいません。まずPythonを公式サイトなどからダウンロードしてインストールしてください。
  • Pythonがインストールされているが、PyCharmがその場所を検出できない: Pythonがデフォルトとは異なる場所にインストールされた場合などに起こります。PyCharmの「Settings」(または「Preferences」)>「Project: [プロジェクト名]」>「Python Interpreter」を開き、「Add Interpreter」から「System Interpreter」または「Conda Environment」などを選択し、Python実行ファイル(python または python.exe)の場所を手動で指定してみてください。
    【画像:PyCharm設定画面のPython Interpreter設定箇所】
  • 仮想環境の作成に失敗した: プロジェクト作成時に仮想環境を作成しようとして失敗した場合、インタープリターが正しく設定されません。一度プロジェクトを閉じて(Close Project)、再度新規プロジェクトを作成する際に、仮想環境の設定を再度確認してみてください。または、既存のPython環境をインタープリターとして指定してみてください。

Q2: プロジェクト作成時にエラーが出る

A2: 特に仮想環境を作成しようとした際などにエラーが発生することがあります。

  • Pythonのインストールに問題がある: ベースとなるPythonインタープリターが正しくインストールされていないか、壊れている可能性があります。Pythonを再インストールしてみることを検討してください。
  • ディスク容量が不足している: 仮想環境の作成やIDEの動作にはある程度のディスク容量が必要です。パソコンの空き容量を確認してください。
  • 環境変数PATHの設定がおかしい: 稀に、環境変数PATHの設定によって問題が起こることがあります。特にWindowsでPyCharmのPATH追加オプションにチェックを入れた後に問題が発生する場合は、一度そのオプションを外して再インストールを試したり、システムの設定を確認したりする必要があるかもしれません。

Q3: PyCharmが起動しない、または途中で落ちる

A3:

  • 動作環境を満たしていない: 特にメモリ不足はPyCharmの動作不安定の原因となります。公式の動作環境推奨スペックを確認し、可能であればメモリ増設などを検討してください。
  • 設定ファイルが壊れている: ごく稀に、PyCharmの設定ファイルが壊れて正常に起動できなくなることがあります。以下のディレクトリにある設定ファイルをバックアップまたは削除してからPyCharmを再起動してみてください(PyCharmのバージョンによってパスが異なります)。設定は初期化されます。
    • Windows: %APPDATA%\JetBrains\PyCharmCEXXXX.X
    • macOS: ~/Library/Application Support/JetBrains/PyCharmCEXXXX.X および ~/Library/Preferences/PyCharmCEXXXX.X
    • Linux: ~/.config/JetBrains/PyCharmCEXXXX.X および ~/.local/share/JetBrains/PyCharmCEXXXX.X
  • インストールに失敗した: インストールが途中で中断されたり、エラーが発生したりした場合、正しくインストールされていません。一度PyCharmを完全にアンインストールし、再度ダウンロードしたインストーラーでクリーンインストールしてみてください。

Q4: Community EditionでWeb開発(Django/Flask)をしたいが、機能が足りない?

A4: Community EditionでもDjangoやFlaskを使った基本的なWebアプリケーション開発は可能です。コード補完やデバッグといったIDEの基本機能は利用できます。ただし、Professional Editionにあるような、フレームワークに特化した強力な機能(例: Djangoテンプレート言語の補完、ORM(Object-Relational Mapper)のサポート、データベースツールとの連携強化など)は利用できません。

学習目的であれば、Community Editionでも十分にフレームワークの基本を学ぶことは可能です。物足りなさを感じるようになったり、より大規模な開発に取り組むようになった際に、Professional Editionを検討するのが良いでしょう。

Q5: インストールオプションの意味がよく分からなかった

A5: 特にWindowsのインストールオプションは初心者には分かりにくいかもしれません。

  • Create Desktop Shortcut: デスクトップにPyCharmのアイコンを作るかどうか。チェックすると、すぐに起動できて便利です。
  • Add “Open Folder as Project”: エクスプローラーでフォルダを右クリックしたときに、「PyCharmプロジェクトとして開く」というメニューを追加するかどうか。チェックすると、既存のコードフォルダをPyCharmで開くのが楽になります。
  • Add Launchers dir to the PATH: コマンドプロンプト(ターミナル)から pycharm コマンドなどでPyCharmを起動できるようにするかどうか。チェックすると、コマンドライン操作をする際に便利ですが、初心者の方は必須ではありません。
  • Associate .py files with PyCharm: .pyファイルをダブルクリックしたときに、PyCharmで開くように関連付けするかどうか。チェックすると、Pythonファイルを直接PyCharmで編集できて便利です。

これらのオプションはインストール後でも手動で設定したり、ショートカットを作成したりすることも可能ですが、インストール時に設定してしまうのが最も手軽です。特に迷ったら、本記事で推奨したオプションにチェックを入れておけば、一般的な用途で便利に使えるようになります。

もし上記以外にも問題が発生した場合は、表示されるエラーメッセージやPyCharmのバージョン、OSのバージョンなどの情報を集めて、JetBrainsの公式ドキュメントを参照したり、PythonやPyCharmに関するコミュニティやフォーラムで質問したりすることをおすすめします。

12. まとめ

この記事では、Python開発に非常に役立つ統合開発環境であるPyCharmの、無料版であるCommunity Editionに焦点を当てて、ダウンロード、インストール、そして最初のプロジェクト作成と実行までの手順を、初心者向けに徹底的に詳しく解説しました。

PyCharmはなぜ便利なの?
* コード補完、エラー検出、デバッグなど、開発効率を大幅に向上させる機能が満載。
* Python開発に特化しており、Pythonの機能を最大限に引き出せる。
* 無料のCommunity Editionでも、Python学習や基本的な開発には十分すぎるほどの機能がある。

ダウンロード・インストール手順の要点
* 公式サイトからお使いのOSに合ったCommunity Editionをダウンロードする。
* Windows版はインストーラーを実行し、インストール先やオプションを選択していく。特にデスクトップショートカット、右クリックメニュー、.pyファイル関連付けは便利。
* macOS版は.dmgファイルを開き、アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップする。初回起動時はセキュリティ許可が必要な場合がある。
* Linux版は.tar.gzファイルを解凍し、binディレクトリのスクリプトを実行して起動する。デスクトップエントリを作成しておくと便利。
* 初回起動時には利用規約に同意し、UIテーマなどを設定する。

最初のプロジェクト作成と実行
* Welcome画面から「New Project」を選択する。
* プロジェクトの場所、仮想環境(Virtualenv)の作成、ベースとなるPythonインタープリターを指定する。仮想環境はプロジェクトごとに独立した環境を作るために推奨される。
* main.pyのサンプルスクリプトを自動生成すると、最初のコード実行の練習に使える。
* コードは、エディタのガターの実行アイコン、メニュー、ショートカットキーなどで実行できる。
* 実行結果は下部のRunツールウィンドウに表示される。

PyCharmの基本的な機能
* コード補完、エラー・警告表示、コード整形などの機能が、コードを書くのを助けてくれる。
* ターミナル機能で、IDE内でコマンドライン操作ができる。
* Settings/Preferencesで、自分好みにPyCharmの外観や動作をカスタマイズできる。

約5000語という長い記事になりましたが、これはPyCharmのダウンロードから最初のコード実行まで、初心者の方が迷う可能性のあるステップや用語について、できる限り丁寧にかつ詳細に解説しようとした結果です。

もちろん、PyCharmには今回紹介した以外にも、デバッグ機能、バージョン管理システムとの連携、テストツールのサポートなど、非常に多くの便利な機能が搭載されています。しかし、最初からすべての機能を使いこなす必要はありません。まずはこの記事を参考にPyCharmをインストールし、簡単なコードを書いて実行するところから始めてみてください。

PyCharmを使うことで、Python学習がより効率的に、そしてより楽しくなるはずです。ぜひ、あなたのPython学習にPyCharmを取り入れてみてください!

これで、PyCharmのダウンロード・インストール手順に関する詳細な解説記事は完了です。あなたのPython学習の成功を応援しています!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール