チャプター4 Aルートを選ぶ前に知るべきこと

ルビコンの未来、託すは誰に? チャプター4 Aルートを選ぶ前に知るべき全て

『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』は、惑星「ルビコン3」を舞台に、新時代のエネルギー資源「コーラル」を巡る巨大な闘争を描くメカアクションゲームです。プレイヤーは独立傭兵「C4-621」として、ハンドラー・ウォルターの指示の下、この惑星に降り立ち、様々な勢力――惑星封鎖機構、アーキバス、ベイラム、そしてルビコン解放戦線――の思惑が複雑に絡み合う戦いに身を投じます。

物語が中盤に差し掛かるチャプター4は、プレイヤーにとって非常に重要な局面を迎えます。これまでの戦いで培ってきた経験と、断片的に得られた情報、そして共に戦ってきた仲間や敵対してきた相手との関係性によって、プレイヤー(C4-621)はルビコンの未来を左右する大きな選択を迫られることになるからです。

この記事では、特にチャプター4の終盤で提示されるルート分岐のうち、「Aルート」(一般的に「忠誠ルート」や「封鎖機構ルート」と呼ばれることが多い)を選択する前に、プレイヤーが知っておくべき全ての情報について、詳細かつ網羅的に解説していきます。この選択が、その後の物語展開、登場するキャラクター、ミッション内容、入手できる装備、そしてたどり着くエンディングにどのような影響を与えるのかを深く理解することで、プレイヤーは自身の意思に基づいた後悔のない選択ができるようになるでしょう。

1. チャプター4におけるルート分岐のメカニズム

『ARMORED CORE VI』の物語は一本道ではありませんが、プレイヤーの選択によって大きく流れが変わる「ルート分岐」が存在します。特に顕著なのが、このチャプター4の終盤です。

チャプター4では、いくつかの選択式ミッションが登場しますが、物語の核心に関わる決定的な分岐点は、チャプター4の最終盤に発生します。プレイヤーはここで、明確に異なる二つのミッションのどちらか一方を選択することになります。具体的には、以下の二つのミッションが提示されます。

  • ミッションA: 執行部隊殲滅
  • ミッションB: 揚羽

この二つのミッションのどちらを選択するかが、チャプター5以降の物語、特に1周目および2周目におけるエンディングの方向性を決定づける最も重要な要素となります(3周目以降はさらに新たな分岐が登場しますが、それはまた別の話です)。

  • 「執行部隊殲滅」を選択Aルート(忠誠ルート/封鎖機構ルート)へ進む
  • 「揚羽」を選択Bルート(解放ルート/エア協力ルート)へ進む

この記事で扱う「Aルート」は、「執行部隊殲滅」を選択した場合に進むルートです。このミッションのタイトルからも示唆されるように、このルートは惑星封鎖機構やハンドラー・ウォルターといった、プレイヤーがこれまで関わってきた勢力や人物への「忠誠」や、彼らの目的達成に協力する道を選び取るものです。

チャプター4以前にも、選択式ミッションはいくつか存在しました。例えば、ベイラムとアーキバスのどちらに協力するかを選ぶミッションなどです。これらの過去の選択も、その時点での特定の人物や勢力との関係性、入手できるパーツなどに影響を与えましたが、チャプター4終盤のこの二者択一ほど、物語の大きな流れや最終的な結末に直結するものではありません。 したがって、チャプター4終盤の選択こそが、ルビコンにおけるC4-621の立ち位置を決定づける、最も重みのある選択と言えるでしょう。

Aルートを選ぶ、ということは、プレイヤーが「執行部隊殲滅」のミッションを選択し、これをクリアすることで確定します。一度このミッションを選んでクリアすると、その周回においては「揚羽」のミッションをプレイすることはできず、物語はAルートのチャプター5へと進んでいきます。他のルートを体験したい場合は、ゲームを周回するか、チャプターセレクト機能でチャプター4終盤に戻って別のミッションを選択し直す必要があります。

2. Aルート(忠誠ルート)の物語:その真意と展開

Aルートを選択した場合、物語はハンドラー・ウォルターや惑星封鎖機構、そしてその他のプレイヤーが従うべき組織の意向に沿った形で進行していきます。このルートは、既存の秩序や権威に寄り添い、ウォルターの指示を遂行することを最優先とするC4-621の姿を描きます。

2.1. 物語の概要:忠誠と秩序の維持

Aルートの根幹にあるのは、ハンドラー・ウォルターが持つ「コーラル焼却」という目的の達成です。ウォルターは、過去の「アイビスの火」のような大災害を二度と起こさないため、そしてコーラルが宇宙に拡散するのを防ぐため、ルビコンに存在する全てのコーラルを焼き尽くすという、過酷な計画を推進しています。

このルートでは、C4-621はウォルターの忠実な道具として、この「コーラル焼却計画」を支援することになります。惑星封鎖機構は、ルビコンからコーラルを排除することを目的とする組織であり、ウォルターの計画と利害が一致する部分があります。したがって、Aルートでは、プレイヤーは封鎖機構と一時的に協力関係を結び、ウォルターの計画を妨害しようとする勢力――特にコーラルとの共生を目指すルビコン解放戦線や、コーラルを利用しようとする一部企業――と敵対することになります。

物語は、ウォルターの計画を阻止しようとする様々な思惑を排除しながら、惑星全土に仕掛けられたコーラル焼却システムを起動させる、という方向へ進んでいきます。そこには、ルビコンに生きる人々や、コーラルとの新たな可能性を見出そうとする者たちの犠牲が伴いますが、ウォルターはそれを未来のための必要悪と見なしています。C4-621もまた、自身の存在理由であるウォルターの指示に従い、その道を進むことになります。

2.2. 主要人物との関係性の変化

Aルートを選択することで、これまで関わってきた主要人物たちとの関係性は大きく変化します。

  • ハンドラー・ウォルター: Aルートは、ウォルターへの「忠誠」を体現するルートです。プレイヤーはウォルターの指示に一貫して従い、彼の計画完遂のために戦います。ウォルターはC4-621を「唯一のACパイロット」「私の道具」として信頼し、より深く個人的な思いや過去の出来事について語る機会も増える可能性があります。二人の間には、指示する側とされる側という関係性を超えた、ある種の絆や信頼が描かれることになります。C4-621にとって、ウォルターはまさに世界の全てであり、その指示こそが絶対の真理となります。
  • 惑星封鎖機構: チャプター1でプレイヤーが最初に敵対した組織ですが、Aルートでは一時的な協力関係を結ぶことになります。これは、ウォルターの「コーラル焼却」という目的が、封鎖機構の「コーラル封鎖・排除」という目的と一致するためです。封鎖機構の戦力は強大であり、彼らと協力することで、より大規模で苛烈な戦いに身を投じることになります。ただし、協力関係はあくまで一時的なものであり、封鎖機構の真の目的や、ウォルターとの間に存在する潜在的な対立についても示唆される場合があります。封鎖機構の精鋭部隊や最新鋭ACとの戦闘は、このルートの大きな特徴の一つです。
  • ルビコン解放戦線(エア、カーラ、ラスティなど): Bルートで協力関係を築くことになる彼らとは、Aルートでは完全に敵対することになります。ルビコン解放戦線は、コーラルとの共生やルビコンの独立を目指しており、ウォルターのコーラル焼却計画とは真っ向から対立します。特に、プレイヤーに語りかけてくる謎めいた存在である「エア」は、コーラルの意識そのものであり、Aルートではその存在を否定し、排除しようとすることになります。カーラやラスティといった、これまで共闘したり、あるいは協力の可能性が示唆されたキャラクターとも、敵として対峙し、避けられない戦いを強いられることになります。彼らとの戦いは、Aルートの物語的なクライマックスの一つと言えるでしょう。
  • オールマインド: 独立傭兵を支援する組織ですが、その真の目的は謎に包まれています。Aルートにおけるオールマインドの立ち位置は、他のルートとは異なってくる可能性があります。オールマインドがウォルターの計画にどう関わるのか、あるいは独自の思惑を持っているのかは、Aルートの進行によって明らかになっていきます。プレイヤーはオールマインドからの依頼も引き続き受ける可能性がありますが、その依頼の背景にある真意を見抜くことが重要になるかもしれません。

Aルートの物語は、これらの人物や組織との関係性の変化を通して、C4-621がルビコンの未来に対し、既存の秩序維持やウォルターの意思遂行という道を選び取る過程を描きます。それは必ずしも「正義」とは限らない、むしろ「非情」とも取れる選択の連続となるかもしれません。

2.3. Aルートで発生する主要ミッション(チャプター5含む)

Aルートを選択した場合、チャプター4終盤の「執行部隊殲滅」ミッションクリア後、物語はチャプター5に進み、Aルート固有のミッション群が展開されます。これらのミッションは、ウォルターの「コーラル焼却計画」を推進し、それを阻止しようとする勢力を排除することが主な目的となります。具体的なミッション名はネタバレになるため避けますが、内容は以下のような傾向があります。

  • 「執行部隊殲滅」: ルート分岐を決定するミッション。惑星封鎖機構の精鋭部隊と戦闘になり、Aルートへの扉を開きます。
  • チャプター5序盤: コーラル焼却システム起動のための準備を進めるミッションが中心となります。封鎖機構と協力して特定の目標を制圧したり、システムを稼働させるためのキーとなる人物や施設を守る戦いが発生します。この過程で、解放戦線や、ウォルターの計画を邪魔する企業戦力と交戦することになります。
  • 大規模戦闘ミッション: 焼却計画の要となる施設やエリアを巡って、複数の勢力が入り乱れる大規模な戦闘が発生します。プレイヤーは封鎖機構側として参戦し、圧倒的な物量や強力な兵器を相手に戦うことになります。
  • Aルート固有の強敵との交戦: コーラル焼却計画の最終段階では、これを阻止しようとする、Aルートでしか戦えない強力なACパイロットや大型兵器と対峙することになります。これらの敵は、物語上重要な意味を持ち、プレイヤーのAC操縦技術と機体構築の力量が試される手強い相手となります。特に、解放戦線の主要メンバーとの最終的な対決は、Aルートのクライマックスの一つです。
  • Aルートの最終ミッション: ウォルターの計画を最終的に完遂させるためのミッション。全てを賭けた最後の戦いが待ち受け、Aルートのエンディングへと繋がります。このミッションのボスも、他のルートとは異なる、Aルート固有の存在となります。

これらのミッションを通して、プレイヤーはウォルターの計画の全貌を知り、その犠牲と目的の重さを体験することになります。戦闘は激化し、プレイヤーは自身の「道具」としての能力を最大限に発揮することが求められます。

2.4. Aルートで語られるテーマ

Aルートは、以下のようないくつかの重要なテーマを掘り下げます。

  • 忠誠と従属: プレイヤーはハンドラー・ウォルターに絶対的な忠誠を誓い、その指示に盲目的に従います。これは、個人の自由意志よりも、与えられた役割や命令を優先するという生き方を描いています。C4-621にとって、ウォルターこそが世界の全てであり、その指示こそが彼の存在意義そのものです。
  • 既存秩序の維持 vs 新たな可能性: Aルートは、惑星封鎖機構やウォルターが代表する「コーラルは危険であり、排除すべきもの」という既存の価値観に沿って進行します。これは、コーラルとの共生や新たな未来の可能性を模索する解放戦線やエアといった勢力との対立を通して、より鮮明に描かれます。プレイヤーは、保守的で安全(と思われる)な道を選び取る立場となります。
  • 目的達成のための犠牲: コーラル焼却計画は、ルビコンの生態系や、コーラルと共に生きる人々(コーラルと感応できる者たち)に甚大な被害をもたらします。Aルートでは、この犠牲を厭わず、目的のためなら非情な手段も辞さないという、ウォルターや封鎖機構側の姿勢が描かれます。プレイヤーは、その犠牲を目の当たりにしながらも、与えられた任務を遂行することになります。
  • ウォルターの真意: ウォルターがなぜそこまでしてコーラル焼却にこだわるのか、その過去や動機が、Aルートを進むことでより深く理解できるようになります。彼の目的は単なる破壊ではなく、彼の視点から見た「救済」や「責任」に基づいていることが示唆されます。

これらのテーマは、プレイヤー自身の倫理観や、ゲームの世界観に対する見方を問うものとなります。Aルートを選択することは、これらのテーマを、ウォルターや封鎖機構といった「既存勢力側」の視点から深く掘り下げて体験することを意味します。

3. Aルート選択がゲームプレイに与える影響

Aルートを選択することは、物語だけでなく、実際のゲームプレイにも様々な影響を及ぼします。

3.1. 登場する敵と戦闘の傾向

Aルートのミッションでは、惑星封鎖機構の精鋭部隊、アーキバスの主力部隊(ウォルターの計画を妨害する立場として)、そしてルビコン解放戦線のACパイロットや大型兵器が主な敵として登場します。

  • 封鎖機構: 頑強なMTやAC、大型兵器など、質量ともに優れた戦力を有しています。特にチャプター5では、封鎖機構の切り札ともいえる強力なACパイロットや、プレイヤーを追い詰めるような特殊なギミックを持つ敵が登場する可能性があります。彼らは組織的な連携や、予測困難な攻撃パターンを持つことが多く、高い戦闘能力が求められます。
  • 解放戦線: 数は多くありませんが、練度の高いACパイロットが多く登場します。特にラスティや他の解放戦線メンバーとの戦闘は、1対1の緊迫したAC戦となり、プレイヤーの機体構築と操縦スキルが試されます。彼らは特定の戦術や機体コンセプトを持っており、それらを理解することが攻略の鍵となります。Aルートでは、彼らと避けられない対決を強いられることになります。
  • 大型兵器/ボス: Aルート固有のミッションでは、そのルートでしか戦えない大型兵器や強力なボスACが登場します。これらのボスは、物語の節目に登場し、非常に高いHPや強力な攻撃、ユニークな攻撃パターンを持っています。これらのボスを倒すためには、特定の機体構築や戦術が必要となり、プレイヤーは試行錯誤を楽しむことになるでしょう。特にチャプター5のAルート終盤に登場するボスは、このルートを象徴する存在であり、非常に高い壁となる可能性があります。

総じて、Aルートはストーリーの展開上、強力なAC戦や、プレイヤーを追い詰めるようなギミックを持つ敵、あるいは大規模な戦場でのミッションが多くなる傾向にあるかもしれません。敵の攻撃は苛烈になり、より洗練された機体構築と、正確な操作が求められるようになります。

3.2. 入手できるパーツ/装備

Aルート固有のミッションをクリアすることで、そのルートでしか入手できない限定パーツが存在する可能性があります。これらは特定のボスの撃破報酬として手に入ったり、特定のミッション中に隠されたコンテナから発見されたりします。

  • Aルート限定パーツ: AルートのボスACが使用している特徴的な武器やフレームパーツなどが、撃破後にショップに追加されたり、直接入手できたりする可能性があります。これらのパーツは、他のルートでは入手できないため、全てのパーツをコンプリートしたいプレイヤーにとっては、Aルートをプレイすることが必須となります。
  • ショップの品揃え: Aルートの進行によって、ショップに追加されるパーツのラインナップが他のルートと異なる場合があります。特定の勢力(例:封鎖機構やそれに協力する企業)の開発したパーツなどが優先的に追加される可能性があります。
  • バトルログ: Aルート固有のミッション中に登場する特定の敵(特にACパイロット)は、倒すことでバトルログをドロップします。これらのバトルログは、アリーナのランクを上げるために必要であり、全てのバトルログを集めるためには全ルートをプレイする必要があります。Aルート限定のバトルログが存在するため、コンプリートを目指すならこのルートのプレイは不可欠です。

これらの限定要素は、プレイヤーの機体構築の幅を広げ、更なるミッション攻略やアリーナ、周回プレイを有利に進めるための助けとなります。

3.3. 収集要素への影響

前述したバトルログに加え、情報ログなどの収集要素もAルートをプレイすることで影響を受けます。

  • 情報ログ: ミッション中に特定の場所で発見できる情報ログは、ゲームの世界観や背景設定を深く理解するための重要な要素です。Aルート固有のミッションには、そのルートの物語や登場人物に関連する情報ログが隠されている可能性があります。これらのログは、ウォルターの過去や封鎖機構の思惑、コーラル焼却計画の詳細などについて、他のルートでは得られない視点からの情報を提供してくれるでしょう。
  • 隠しパーツ: 特定のミッションの難易度Sランククリアや、隠された場所に到達することで入手できる隠しパーツは、全ルート共通のものもありますが、Aルート固有のミッションにのみ存在する隠しパーツも考えられます。これらのパーツは非常に強力であったり、ユニークな性能を持っていたりするため、やり込み要素として重要です。

全ての収集要素をコンプリートし、ゲームの物語と世界観を完全に理解するためには、Aルートを含めた全てのルートをプレイすることが求められます。

3.4. 難易度傾向

Aルートの難易度は、チャプター4終盤の「執行部隊殲滅」から既に高い傾向にあります。チャプター5以降、Aルート固有のミッションでは、さらに難易度が上昇する可能性があります。

  • 強力なボス戦: Aルートのボスは、他のルートのボスと比較して、特に攻撃力や耐久力が高く設定されている場合があります。また、プレイヤーの戦術を読んだり、効果的な対策を講じてくるようなAIを持つ敵が登場する可能性も考えられます。
  • 大規模戦闘: 複数の勢力が入り乱れる大規模な戦場では、常に複数の敵から攻撃を受ける状況になりやすく、状況判断能力と広範囲を攻撃できる武器や機動力が重要になります。
  • 長期ミッション: 一部のミッションは非常に長く、補給が限られている中で多数の敵と戦い続ける必要があるかもしれません。エネルギー管理や弾薬管理、そして継続的な集中力が求められます。

もちろん、難易度はプレイヤーのスキルレベルや機体構築によって大きく変わりますが、Aルートは物語的な展開としてもプレイヤーに困難な選択と戦いを強いるため、ゲームプレイにおいても高い壁となる可能性が高いです。しかし、その困難を乗り越えた時の達成感は非常に大きいでしょう。

4. Aルートを選択するメリット/デメリット

Aルートを選択する前に、プレイヤーは自身のプレイスタイルや物語への関心、そしてゲームの楽しみ方と照らし合わせて、そのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

4.1. メリット

  • ハンドラー・ウォルターの物語を深く体験できる: Aルートは、ウォルターへの忠誠を軸に進むため、彼の目的、過去、そして人間性(あるいはそういったものをかつて持っていた側面)について、他のルートよりも深く掘り下げて描かれます。ウォルターというキャラクターに魅力を感じているプレイヤーにとって、彼の視点からルビコンの闘争を見ることは非常に興味深い体験となるでしょう。
  • 惑星封鎖機構側の視点を理解できる: 封鎖機構は初期の敵でしたが、Aルートでは彼らと協力し、その目的や行動原理を内部から(協力者として)知ることができます。彼らがなぜそこまでしてコーラルを排除しようとするのか、その背景にある事情が明らかになることで、世界観の理解が深まります。
  • Aルート固有の物語展開とクライマックス: Aルートには、このルートでしか発生しないイベント、ミッション、そしてボス戦があります。他のルートでは体験できない独自の物語の結末を迎えることができるのは大きな魅力です。特に、特定のキャラクターとのAルートならではの対決は、プレイヤーにとって強い印象を残すでしょう。
  • Aルート限定のパーツや収集要素の入手: 全てのパーツやバトルログ、情報ログをコンプリートしたいプレイヤーにとっては、Aルートをプレイすることが必須です。これらの限定アイテムは、周回プレイややり込み要素において非常に価値があります。
  • エンディングの一つ「The Fires of Rubicon」に到達できる: Aルートを最後まで進めることで、ゲームのエンディングの一つである「The Fires of Rubicon」に到達できます。このエンディングは、ウォルターの計画が完遂された後のルビコンの姿を描いており、プレイヤーの選択の結果を目の当たりにすることができます。

4.2. デメリット

  • ルビコン解放戦線との関係が敵対的になる: 特にコーラルとの共生を目指すエアや、主人公に友好的な姿勢を見せるラスティ、そして協力者であるカーラといった、解放戦線のメンバーとは完全に敵対することになります。彼らに感情移入しているプレイヤーにとっては、彼らと戦うことは辛い選択となるかもしれません。彼らの視点や物語は、Aルートでは深く描かれないため、彼らに興味がある場合は他のルートをプレイする必要があります。
  • 他のルートの物語やキャラクター体験を逃す(その周回では): Aルートを選択すると、当然ながらBルートやCルートで展開される物語や、そこで深まる特定のキャラクターとの関係性、そこでしか発生しないミッションなどを、その周回では体験できません。例えば、エアとの協力関係や、ルビコンの独立を目指す戦いといったBルートの要素は、Aルートでは一切体験できません。
  • 他のルート限定のパーツや収集要素を入手できない(その周回では): Aルート限定パーツがあるように、BルートやCルートにもそれぞれ限定のパーツや収集要素が存在します。特定のパーツが欲しい場合、そのパーツが入手できるルートをプレイする必要があります。
  • 物語展開によってはプレイヤーの感情と乖離する可能性: Aルートはウォルターの指示に従う「道具」としての側面が強調されるため、プレイヤー自身の倫理観や共感と、ゲーム内でのC4-621の行動が乖離し、物語への没入感が損なわれる可能性があります。特に、非情とも取れる行動を選択せざるを得ない場面があるかもしれません。

5. Aルートを選択する前に考慮すべき点

これらのメリット・デメリットを踏まえ、Aルートを選ぶ前にプレイヤーが自問自答すべき点、考慮すべき点があります。

5.1. 周回プレイの予定があるか?

最も重要な点かもしれません。『ARMORED CORE VI』は、複数周回プレイすることを前提に設計されています。1周目で特定のルートを選んだとしても、2周目、3周目と進むことで、チャプター4終盤の選択を変えたり、あるいは3周目以降に登場する新たなルート(Cルート)を体験したりすることができます。

もし「どうせ何周かするつもりだし、最終的には全部のエンディングを見たいし、全部のパーツを集めたい」と考えているのであれば、1周目にAルートを選んでも全く問題ありません。それは物語の一側面を体験する最初のステップに過ぎません。

しかし、「とりあえず1周で満足するかもしれない」「時間がないからサクッとエンディングを見たい」と考えている場合は、どのルートを最初に選ぶかで、最初に体験する物語やエンディングが大きく変わることを理解しておく必要があります。最初にどの物語を見たいか、どのキャラクターとの関係性を優先したいかを考えてみましょう。

5.2. どのような物語に興味があるか?

あなたはウォルターの抱える目的や過去に強く惹かれますか? 既存の秩序や権威に従うことに興味がありますか? それとも、ルビコンに新たな未来を築こうとする解放戦線の理念に共感しますか? コーラルという資源の可能性に魅力を感じますか?

Aルートは、ウォルターの忠誠と封鎖機構側の視点から物語を進めます。もし、ウォルターのキャラクターや彼の目的の真意、そして既存勢力側の思惑に強い興味があるなら、Aルートは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。一方、もしあなたがエアやラスティ、カーラといった解放戦線のキャラクターに感情移入しており、彼らと共にルビコンの独立やコーラルとの共生を目指す物語を見たいのであれば、Aルートは彼らと敵対するルートであることを覚悟する必要があります。

5.3. 特定のキャラクターへの思い入れは?

あなたはゲームを進める中で、特定のキャラクターに特別な感情を抱くようになりましたか? 例えば、プレイヤーに寄り添い、未知の可能性を示唆するエア、あるいはプレイヤーと戦場で何度も邂逅し、ライバルでありながらもどこか通じ合うものを感じさせるラスティ、あるいは飄々としていながらも重要な情報や助けを提供してくれるカーラ。彼らに好意的な感情や敬意を抱いている場合、Aルートでは彼らと避けられない敵対関係になり、戦闘で彼らを倒すことになります。これは、物語上非常に重い展開となり、プレイヤーの心に大きな影響を与える可能性があります。彼らとの共闘や相互理解の道を体験したいのであれば、Aルートは向いていないかもしれません。

逆に、あなたはウォルターの厳しくも信頼できる指示に絶対的な安心感を覚えますか? 彼の言うことこそが真理だと感じますか? もしそうであれば、Aルートはウォルターとの関係性を最も深く体験できるルートです。

5.4. どのようなゲームプレイが好きか?

Aルートは、前述のように強力なACとの戦闘や、大規模な乱戦が多くなる傾向があります。これらの厳しい戦闘を乗り越えることにやりがいを感じますか? 強敵相手に機体構築や戦術を練り直すのが好きですか?

もし、そのようなハードな戦闘よりも、探索や特定のミッションギミックを解くことに重点を置きたい、あるいは特定の武器種や戦術(例:遠距離からの狙撃、ステルス戦法など、Aルートのミッション傾向にはあまり合わない可能性のあるスタイル)を追求したい、といった希望がある場合、Aルートのミッション構成は少しストレスになるかもしれません。ただし、これは機体構築とプレイヤースキルである程度カバーできる範囲でもあります。

5.5. 全てをコンプリートしたいか?

もし、ゲーム内の全てのパーツ、全てのバトルログ、全ての情報ログ、そして全てのエンディングをコレクションしたいと考えているのであれば、Aルートは必須の通過点となります。Aルートでしか手に入らないアイテムや見られないイベントがあるからです。コンプリートを目指すのであれば、いつかはこのルートをプレイすることになります。それが1周目なのか、2周目以降なのか、というだけの違いになります。

6. 他のルートとの比較(簡潔に)

Aルートを選択するにあたり、他のルートがどのようなものかを簡単に知っておくことも役立ちます。

  • Bルート(解放ルート/エア協力ルート): チャプター4終盤で「揚羽」を選択した場合に進むルートです。Aルートとは対照的に、ルビコン解放戦線や、コーラルとの共生を目指す勢力と協力し、惑星封鎖機構やウォルターの計画を阻止しようとします。プレイヤーはエアとの関係を深め、ルビコンの独立とコーラルの新たな未来のために戦います。このルートでは、解放戦線側の視点から物語が描かれ、Aルートとは全く異なる展開とエンディングを迎えます。
  • Cルート(真の解放ルート/オールマインド協力ルート): 3周目以降の特定の条件下でチャプター4終盤の新たな選択肢が出現した場合に進むルートです。このルートは、AルートやBルートで語られなかった、より深い物語の核心に迫ります。オールマインドの真の目的や、コーラルの可能性について、新たな視点から描かれます。AルートやBルートを体験した上でプレイすることで、物語全体の理解が格段に深まります。

チャプター4の選択は、基本的に1周目や2周目ではAルートまたはBルートのエンディングに繋がります(正確にはチャプター5以降のミッション選択によって、最終的なエンディングが確定しますが、チャプター4終盤の選択が最も影響力が大きい)。3周目以降は、チャプター4以降のミッション選択に加えて、プレイヤーのそれまでの行動や収集要素の進捗によってCルートに進む可能性が出てきます。

7. Aルート選択後の注意点

「執行部隊殲滅」ミッションを選択し、クリアすることでAルートへの道が開かれます。一度このミッションをクリアしてチャプター5に進むと、その周回中は原則としてチャプターセレクト機能を使用しない限り、他のルートのミッションをプレイすることはできません。

  • 後戻りは基本的にできない: その周回でチャプター4終盤の選択を変えることはできません。チャプターセレクト機能を使えば、チャプター4終盤に戻って別のミッションを選ぶことは可能ですが、それはあくまで「その時点から別のルートをやり直す」ことになります。物語は先に進みません。
  • チャプター5の展開: Aルートのチャプター5は、Aルート固有のミッションで構成されます。物語はウォルターの計画完遂に向けて突き進み、後戻りはできません。
  • 周回プレイで他のルートへ: Aルートのエンディングを見た後、ゲームは自動的に次の周回へと移行します。次の周回では、チャプター4終盤で別の選択肢(「揚羽」)を選ぶことで、Bルートの物語を体験することができます。

8. まとめ

チャプター4終盤の「執行部隊殲滅」ミッションを選択することで進むAルートは、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の物語における重要な分岐点の一つです。このルートは、ハンドラー・ウォルターへの忠誠と、惑星封鎖機構側の視点から、コーラル焼却という過酷な計画を遂行する物語を描きます。

Aルートを選択することで、プレイヤーはウォルターとの関係性を深く掘り下げ、ルビコン解放戦線といったコーラルとの共生を目指す勢力と敵対し、封鎖機構と一時的に協力関係を結びます。物語は、既存の秩序や権威に従い、非情な手段を用いてでも目的を達成するという、C4-621の「道具」としての側面を強調しながら進んでいきます。チャプター5では、Aルート固有のミッション群が展開され、強力な敵やボスACとの激しい戦闘がプレイヤーを待ち受けます。これらのミッションやボスからは、Aルート限定のパーツや収集要素を入手できる可能性があります。

Aルートを選択するメリットは、ウォルターや封鎖機構側の視点から物語を楽しめること、Aルート固有の物語展開やボス戦を体験できること、そしてAルート限定のアイテムを入手できることです。これにより、ゲームの世界観をより深く理解し、コンプリート要素を埋めることができます。

一方、デメリットとしては、ルビコン解放戦線のキャラクターたち(特にエアやラスティ、カーラなど)と敵対することになる点、他のルートでしか体験できない物語やキャラクターとの関係性をその周回では逃す点、そしてルート限定のアイテムがあるため全要素コンプリートには複数周回が必要になる点が挙げられます。

Aルートを選ぶ前に考慮すべき最も重要な点は、「周回プレイをする予定があるか」ということです。『ARMORED CORE VI』は周回前提のゲームであり、最終的には全てのルート、全てのエンディング、全てのアイテムを体験・収集することができます。そのため、1周目にどのルートを選んでも、最終的な到達点に違いはありません。

しかし、最初にどのような物語を体験したいか、どのキャラクターとの関係性を優先したいか、あるいはどのようなゲームプレイ(戦闘傾向)を楽しみたいかによって、1周目のルート選択を決めることは、そのプレイヤーにとって最良の体験に繋がるでしょう。ウォルターへの忠誠、既存秩序の維持、目的達成のための犠牲といったテーマに興味があり、厳しい戦闘にやりがいを感じるなら、Aルートは素晴らしい選択肢となるでしょう。逆に、解放戦線の理念やキャラクターに共感するなら、他のルートを検討するのも良いかもしれません。

最終的な選択は、プレイヤーであるあなた(そしてC4-621)に委ねられています。この記事で提供された情報が、ルビコンの未来を決める重要な一歩を踏み出す助けとなれば幸いです。どのような道を選んだとしても、その先にはあなただけの戦いと物語が待っています。ルビコンでの健闘を祈ります、独立傭兵C4-621。

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