NovelAIで何ができる?初心者向け機能紹介と活用法

はい、NovelAIの詳細な機能紹介と活用法について、初心者向けに約5000語で記述した記事を作成します。


NovelAIで何ができる?初心者向け機能紹介と活用法

はじめに:無限の創作可能性への扉を開く「NovelAI」

小説、詩、脚本、あるいはTRPGのシナリオやゲームのプロット。頭の中にある壮大な物語やユニークなキャラクターを形にしたいと思ったとき、どこから手を付けて良いか分からず立ち止まってしまった経験はありませんか? あるいは、執筆中にアイデアが行き詰まってしまい、次の一文がどうしても思いつかない、なんてこともあるかもしれません。

そんな創作活動における様々な壁を打ち破り、あなたの想像力を力強く後押ししてくれる可能性を秘めたツールが、AIによるテキスト生成サービス「NovelAI」です。

NovelAIは、高度な人工知能(AI)を活用して、ユーザーが入力したテキスト(プロンプト)に基づいて、自然で創造的な文章を生成するウェブベースのサービスです。特に、物語やフィクションの創作に特化しており、AIがまるで共同執筆者のように、あなたのアイデアを膨らませ、予期せぬ展開や魅力的な表現を提供してくれます。

なぜNovelAIが多くの創作者から注目を集めているのでしょうか? その理由はいくつかあります。

  1. 高い文章生成能力: 特に長文の物語において、高い一貫性と自然な文章を生成する能力に長けています。特定の文体や雰囲気を模倣するのも得意です。
  2. カスタマイズ性の高さ: AIの振る舞いを細かく調整できる多様な設定項目が用意されています。これにより、ユーザーの意図をより反映させたり、AIを特定の方向に誘導したりすることが可能です。
  3. 物語創作特化の機能: キャラクター設定や世界観をAIに記憶させる「Lorebook」や、常にAIに意識させたい情報を登録する「Memory」、一時的な指示を与える「A/N (Author’s Note)」など、物語創作に役立つ独自の機能が豊富です。
  4. 画像生成機能: テキスト生成だけでなく、美しいイラストやキャラクター画像を生成する機能も備わっています。生成した物語に挿絵をつけたり、キャラクターのビジュアルを具体化したりと、創作の幅がさらに広がります。
  5. 自由度の高さ: ガイドラインはありますが、比較的自由に様々なジャンルや内容のテキスト、画像を生成できます。

この記事は、NovelAIを初めて使う方に向けて、その基本的な仕組みから、主要な機能の使い方、そしてそれらを活用してあなたの創作活動をどのように加速させるかについて、詳細かつ網羅的に解説することを目的としています。約5000語のボリュームで、各機能のニュアンスや設定項目の意味するところまで掘り下げて説明しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

さあ、NovelAIの世界へ飛び込み、あなたの物語を紡ぎ始めましょう。

NovelAIの基本概念:AIとの協創の始まり

NovelAIは「AIによるテキスト生成」を核としていますが、これは一体どのように行われているのでしょうか? そして、NovelAIは具体的に何が得意で、逆に苦手なことは何なのでしょうか? この章では、NovelAIを理解するための基本的な概念を解説します。

AIによるテキスト生成の仕組み(超簡易版)

NovelAIで使われているAIは、大規模言語モデル(Large Language Model: LLM)と呼ばれるものです。これは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習することで、人間が使う言葉のパターンや文脈、さらには世界に関する知識(常識や事実、物語の構造など)を獲得しています。

ユーザーがテキストを入力(プロンプト)すると、AIはそのプロンプトを分析し、次にどのような単語が来る確率が高いかを予測します。そして、その予測に基づいて単語を一つずつ生成していくことで、文章を完成させていきます。

例:「むかしむかしあるところに、」と入力すると、AIは学習データから「おじいさんとおばあさんがいました。」といった続きが来る確率が高いと予測し、それを出力候補として提示します。

NovelAIが搭載しているモデルは、特に物語の生成に最適化されており、単語の繋がりだけでなく、キャラクターの行動、情景描写、物語の展開などを、より自然で創造的な形で生成できるように設計されています。また、「Transformer」という技術をベースにしており、入力された文脈全体を考慮して次の単語を予測するため、より長い文章でも一貫性を保ちやすいという特徴があります。

NovelAIの得意なこと

  • 物語の生成: ファンタジー、SF、ホラー、恋愛、ミステリーなど、様々なジャンルの物語を生成できます。キャラクターのセリフ、情景描写、内面描写などが得意です。
  • 特定の文体・雰囲気の模倣: 入力されたテキストや設定に基づき、ハードボイルド調、詩的、ユーモラスなど、特定の文体や雰囲気を再現しようとします。
  • アイデアの拡張: ユーザーが考えた断片的なアイデアや設定から、物語の続きや予期せぬ展開を提案してくれます。
  • キャラクターや世界の肉付け: 設定したキャラクターの性格に基づいたセリフや行動、世界観に合った描写などを生成できます。
  • ブレインストーミング: 一つのプロンプトに対して複数の異なる続きを提示させ、アイデアの選択肢を広げることができます。
  • 画像生成: テキストから、物語の登場人物やシーンをイメージした画像を生成できます。

NovelAIの苦手なこと

  • 正確な情報生成: AIは学習データに基づいて文章を生成するため、事実とは異なる情報(ハルシネーション)を生成することがあります。固有名詞の正確性や歴史的事実などには注意が必要です。
  • 複雑な論理や推論: 複雑な因果関係や込み入ったミステリーのトリックなどを、完璧に構築・維持することは苦手です。
  • 最新情報の反映: 学習データが過去のものであるため、最新の出来事や流行に関する知識は持っていません。
  • 完璧な計画性: AIは基本的に直前の文脈から次の単語を予測していくため、物語全体の伏線回収や複雑なプロットを、人間の作家のように計画的に進めることはできません。ユーザーが全体の構成を管理し、AIを誘導する必要があります。
  • ユーザーの意図を100%理解: AIはあくまで統計的なパターンに基づいて文章を生成するため、常にユーザーの細かいニュアンスや意図を正確に汲み取れるわけではありません。

NovelAIを使う上で重要なのは、「AIは完璧な作家ではない」ということを理解し、AIの得意なこと(アイデア出し、文章生成)を最大限に活用しつつ、苦手なこと(論理構築、事実確認、全体の構成管理)は人間が補う、というスタンスで共同作業を行うことです。

NovelAIの利用開始ガイド:アカウント作成とプラン選択

NovelAIを始めるためには、まずアカウントを作成し、利用プランを選択する必要があります。

アカウント作成とプラン選択

NovelAIはサブスクリプション(月額課金)サービスです。利用するためには、公式サイト (https://novelai.net/) にアクセスし、アカウントを作成してプランを選択する必要があります。

アカウント作成はメールアドレスとパスワードを設定するだけです。

次に、利用プランを選択します。NovelAIには主に以下のプランがあります(プラン名や内容は変更される可能性がありますので、公式サイトで最新情報をご確認ください)。

  • Tablet: 最も安価なプランです。テキスト生成がメインで、使えるAIモデルや機能に一部制限があります。画像生成はクレジットを消費して利用できます。
  • Krake: Tabletよりも強力なAIモデル(Krake、Euterpeなど)が利用できます。テキスト生成に関する機能の制限が緩和されます。画像生成もクレジット消費で利用できます。
  • Opus: 最上位プランです。NovelAIの全ての機能と最も強力なAIモデル(Kayra, Clioなど)を利用できます。テキスト生成に関する機能制限はほぼなくなり、画像生成が無制限で利用できるのが大きな特徴です。

料金体系の説明

NovelAIの料金体系は、基本的には月額固定ですが、画像生成に関してはプランによって扱いが異なります。

  • Tablet / Krake: 月額料金でテキスト生成の機能を利用できます。画像生成は、別途購入できる「Anlas」というクレジットを消費して行います。Anlasは月額課金とは別に購入が必要です。
  • Opus: 月額料金に画像生成の無制限利用が含まれています(ただし、短時間での大量生成などには制限がある場合があります)。テキスト生成も最も高性能なモデルと機能をフルに利用できます。

初心者におすすめのプラン:
まずはNovelAIの感触を試したい、という場合は、Tabletプランから始めるのが良いでしょう。テキスト生成の基本的な機能は利用できます。
画像生成も試したい、より高性能なAIモデルでテキストを生成したい、ということであればKrakeプラン。
テキストも画像も、NovelAIの全ての機能を存分に活用したい、という場合はOpusプランが最適です。特に画像生成を頻繁に行いたい場合は、Opusプランのコストパフォーマンスが高いと言えます。

プランはいつでも変更可能ですので、まずは試してみて、必要に応じてアップグレード/ダウングレードを検討すると良いでしょう。

推奨環境

NovelAIはウェブブラウザ上で動作します。特別なソフトウェアのインストールは不要です。推奨される環境としては、以下の点が挙げられます。

  • ブラウザ: Google Chrome、Firefox、Microsoft Edgeなどのモダンなブラウザの最新版を推奨します。
  • デバイス: PC(Windows, macOS, Linux)での利用が最も快適です。スマートフォンやタブレットでも利用可能ですが、画面が小さいため操作性に制限がある場合があります。
  • インターネット接続: 安定した高速なインターネット接続が必要です。

特に画像生成を行う場合は、ある程度のPCスペックがあった方が、生成された画像をスムーズに表示したり、設定を調整したりする際に快適です。

主要機能の詳細解説(テキスト生成関連)

NovelAIの核となる機能は、テキスト生成です。この章では、テキスト生成を行うためのエディタ画面の基本操作から、プロンプトの書き方、そしてAIの挙動をコントロールするための主要な設定項目について詳しく解説します。

エディタ画面の基本操作

NovelAIにログインし、「Create Story」などを選択すると、テキストエディタ画面が表示されます。画面は主に以下のエリアに分かれています。

  1. テキスト入力エリア: 実際に物語のテキストを記述したり、AIが生成したテキストが表示されるメインの領域です。ここで文章を編集したり、AIに続きを生成させたりします。
  2. 設定パネル(右サイドバー): AIのモデル選択や、テキスト生成に関する詳細な設定を行うためのパネルです。最初は折りたたまれていることが多いので、クリックして展開します。
  3. ツールバー(上部): ファイル操作(保存、読み込み、エクスポート)、Undo/Redo、画像生成ボタン、ブレインストーミングボタンなど、様々な機能にアクセスするためのアイコンが並んでいます。

テキスト生成の基本的な流れ

NovelAIでテキストを生成する最も基本的な流れは以下のようになります。

  1. 初期プロンプトの入力: テキスト入力エリアに、物語の冒頭や続きを生成してほしいテキストを入力します。これが「プロンプト(Prompt)」となります。プロンプトは、AIがどのような続きを生成するかを決定する非常に重要な要素です。
    • 例:「暗く湿った森の中、一人の冒険者が立ち尽くしていた。」
  2. 生成ボタンのクリック: テキスト入力エリアの下やツールバーにある「Generate」ボタンをクリックします。
  3. AIによる生成: AIが入力されたプロンプトに基づいて、続きのテキストを生成し、テキスト入力エリアの末尾に追加します。
    • 例:「暗く湿った森の中、一人の冒険者が立ち尽くしていた。彼の名はカイル。背中には大きな剣を背負い、目は鋭く周囲を見渡している。この森は危険に満ちており、油断は禁物だ。」
  4. 編集と再生成: 生成されたテキストが気に入らない場合は、その部分を編集したり、削除して再度生成ボタンを押したり、あるいはUndo機能で元に戻してから別のプロンプトで生成を試みたりします。気に入った場合は、そのまま続きを書き進めたり、さらに続きを生成させたりします。

この「入力 → 生成 → 編集」のサイクルを繰り返すことで、AIと協力しながら物語を紡いでいきます。

プロンプト(Prompt)とは? プロンプトの書き方(初心者向け)

プロンプトは、AIに対する指示や文脈を提供するものです。AIは入力されたプロンプトを「読み込み」、それに続く可能性の高いテキストを生成します。プロンプトの質が、生成されるテキストの質に大きく影響します。

良いプロンプトのポイント:

  • 明確な始まり: 何から物語が始まるのか、具体的な情景や行動を示す。
  • 文脈の提供: キャラクターの名前、場所、時間、状況など、AIが物語を理解するために必要な情報を含める。
  • 意図の提示: どのような続きを生成してほしいのか、示唆を与える(例:「しかし、そこで予期せぬ事態が起こった。」)。
  • 文体の指定: 冒頭の文体や雰囲気が、AIが生成する続きの文体にも影響します。
  • (任意)フォーマットの指定: 会話形式にしたい場合はセリフから始める、詩にしたい場合は詩の形式で始めるなど。

プロンプトの具体例:

  • シンプル: 「城の地下深く、封印されし魔物が目覚めようとしていた。」
    • → AIが魔物の描写や目覚めの兆候などを生成する可能性。
  • キャラクターと状況: 「雨の降る夜、探偵のジョンは薄暗いオフィスで一人、古いファイルを見つめていた。この事件は、どうにも奇妙な点が多い。」
    • → AIがジョンの思考、オフィスの様子、事件の手がかりなどを生成する可能性。
  • 会話:
    「ねえ、この先にある洞窟には本当に宝物があるのかな?」リナが不安そうに言った。
    「さあな。だが、試してみる価値はあるだろう?」横で騎士のライルが答える。

    • → AIが二人の続きの会話や、洞窟へ向かう描写などを生成する可能性。

最初は何から書けば良いか分からないかもしれませんが、まずは書きたい物語の最初の数行や、思いついた印象的なシーンの描写から始めてみましょう。AIが生成したテキストを見て、それに反応するように次のプロンプトを書いたり、修正したりしていくのが効果的です。

主要設定項目とその影響

右サイドバーの設定パネルには、AIの挙動を細かく調整するための様々な設定項目があります。これらを理解し、適切に設定することで、より意図に沿ったテキストを生成できるようになります。

1. モデル (Model)

NovelAIは複数のAIモデルを提供しており、利用できるモデルはプランによって異なります。各モデルには得意なことや特徴があります。

  • Kayra / Clio (NAI Diffusion V3): Opusプランで利用できる、最も新しく高性能なモデル群です。特に物語生成において、長い文脈を理解し、より自然で創造的な文章を生成する能力に優れています。画像生成(NAI Diffusion V3)もこれらのモデルと連携しています。長い物語や複雑な設定の維持に強いです。
  • Krake: 高い性能を持つモデルの一つで、長文生成や物語の展開に強いです。OpusまたはKrakeプランで利用できます。
  • Euterpe: Krakeより前の世代のモデルですが、優れた生成能力を持っています。特定の文体や雰囲気を再現するのに長けているという評価もあります。OpusまたはKrakeプランで利用できます。
  • Anthropic: 最も古い世代のモデルの一つです。他のモデルに比べて性能は劣りますが、軽量で利用できる場合があります。Tabletプランでも利用可能です。

初心者の方は、利用できる中で最も新しい(OpusならKayra/Clio、KrakeならKrake)モデルを選ぶのがおすすめです。 各モデルを試してみて、自分の好みや生成したい内容に合ったものを見つけるのも良いでしょう。

2. 生成設定 (Generation Settings)

テキスト生成時の詳細な挙動を制御する項目です。

  • Sampling Order: AIが次に生成する単語を選択する際の戦略です。複数の選択肢があります(Ancestral, Sommelier, Proportional, etc.)。
    • 一般的に、AncestralやSommelierは創造的でランダム性が高く、Proportionalはより安定した予測可能な生成になりやすい傾向があります。特に理由がなければ、デフォルト設定で問題ありません。
  • Temperature: 生成されるテキストの「ランダム性」や「創造性」を調整します。0.1から2.0以上の範囲で設定できます。
    • 値を高くする: より予測不能で、斬新な、あるいは奇妙な文章が生成されやすくなります。新しいアイデアや意外な展開が欲しい場合に有効ですが、文脈から外れたり、意味不明な文章になったりするリスクも高まります。
    • 値を低くする: より予測可能で、定型的、あるいは保守的な文章が生成されやすくなります。既存の文脈に沿った安定した文章が欲しい場合に有効ですが、退屈になったり、同じような表現が繰り返されたりする可能性があります。
    • 物語の導入やアイデア出しでは高め、特定の展開に収束させたい場面や、会話など自然な流れを重視する場面では低め、のように使い分けると良いでしょう。最初は0.8~1.0あたりで試すのがおすすめです。
  • Top K: AIが次に生成する単語の候補を、確率の高い方から「K個」に絞り込みます。例えばK=50なら、確率の高い上位50個の単語から次の単語が選ばれます。
    • Kを小さくするほど、選択肢が狭まり、より予測可能な(確率の高い)単語が選ばれやすくなります。安定した生成には有効ですが、単調になりやすいです。
    • Kを大きくするほど、選択肢が広がり、低確率の単語も選ばれる可能性が増えます。多様な表現や意外性が出やすくなりますが、文脈から外れるリスクも高まります。
    • Temperatureと組み合わせて使われることが多く、デフォルト設定(多くの場合K=0、つまり無制限に近い状態)でも問題ありません。Temperatureだけでも十分にランダム性を調整できます。
  • Top P (Nucleus Sampling): AIが次に生成する単語の候補を、確率の合計が「P」を超えるまで選択します。例えばP=0.9なら、確率の高い方から順に単語を選んでいき、その合計確率が0.9を超えた時点で候補リストを打ち切ります。
    • Top Kよりも、確率分布の形状に合わせて柔軟に候補数を調整できるため、より自然な多様性が得られやすいと言われています。
    • Pを小さくするほど、候補数が絞られ、安定した生成になります。
    • Pを大きくするほど、候補数が増え、多様な生成になります。
    • Top KとTop Pは排他的に設定されることが多く、どちらか一方を使うのが一般的です。NovelAIではTop P(多くの場合P=0.9~0.95あたりがデフォルト)が推奨されることが多いようです。
  • Tail Free Sampling (TFS): 確率分布の「尻尾」(確率が非常に低い単語)をカットすることで、奇妙な単語が選ばれるのを防ぎつつ、ある程度の多様性を維持しようとする手法です。
    • パラメータ(通常0.95~0.99あたり)を設定します。1.0に近いほど元の確率分布に近い生成になり、値を小さくするほど低確率の単語が抑制されます。
    • TemperatureやTop Pと併用することで、より洗練された生成が可能になります。デフォルト値で試してみましょう。
  • Repetition Penalty: 同じ単語が連続して出現するのを抑制します。値を高くするほど、単語の繰り返しが起こりにくくなります。
    • 小説では意図的に同じ単語を繰り返す表現もありますが、AIは無意識に単語を繰り返しやすい傾向があるため、適切な値を設定することでより自然な文章になります。1.1~1.2あたりが一般的です。
  • Phrase Repetition Penalty: Repetition Penaltyよりも長いフレーズや文が繰り返されるのを抑制します。こちらも適切な値を設定することで、文章の単調さを軽減できます。
  • Generation Length: AIが一回の生成で出力する最大のトークン(単語や記号などの単位)数を指定します。長く設定するほど一度に多くの文章を生成しますが、その分AIが文脈を見失ったり、意味不明な文章になったりするリスクも高まります。通常、50~100トークン程度でこまめに生成を繰り返す方が、ユーザーが介入して調整しやすいためおすすめです。

3. Advanced Settings

より高度な設定項目です。

  • Bias: 特定の単語やフレーズが生成されやすくなるように、AIに「バイアス」をかける機能です。逆に生成されにくくすることも可能です。
    • 特定のキーワード(例:「魔法」「ドラゴン」)を頻繁に登場させたい場合や、逆に登場させたくない単語がある場合に利用できます。単語と重み(正の値で出現しやすく、負の値で出現しにくくする)を指定します。
  • Context Size: AIがテキストを生成する際に、どのくらいの過去のテキストを「文脈」として考慮するかを設定します。値が大きいほど、より長いスパンでの一貫性を保ちやすくなりますが、多くのメモリを消費し、生成速度が遅くなる可能性があります。モデルによって最大値が異なります。
  • Lorebook Size: Lorebook(後述)に登録された情報のうち、AIが文脈として考慮する最大トークン数を設定します。Context Sizeと同様、値を大きくすると情報量が増えますが、生成速度に影響する場合があります。

これらの設定項目は多岐にわたりますが、最初はTemperatureとRepetition Penaltyあたりを調整してみることから始め、慣れてきたら他の設定も試していくのが良いでしょう。デフォルト設定でも十分高品質なテキストを生成できます。

メモリ機能 (Memory)

Memory機能は、常にAIに意識させておきたい情報を登録しておく場所です。Lorebook(後述)とは異なり、特定のキーワードに紐づけられることなく、常にAIの文脈の一部として参照される点が特徴です。

  • 登録する情報: 主人公の名前、基本的な設定(例:「彼は常に冷静沈着な性格である」「舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界」)、物語の目的、重要な制約事項など、物語全体を通してAIに覚えておいてほしい情報を記述します。
  • 使い方: 右サイドバーの「Memory」タブに情報を記述します。箇条書きや短い文章で簡潔に記述するのがおすすめです。あまりに長すぎると、Memoryの情報がAIの文脈から押し出されてしまう可能性があります。
  • 記述例:
    [物語の基本設定]
    主人公:アレン、18歳の魔法使い。
    目的:失われた古代魔法を求めている。
    世界観:魔法が存在するファンタジー世界。
    [アレンの性格]
    クールで寡黙だが、仲間思い。甘いものが好き。
  • 活用法:
    • 主人公の名前をAIが忘れがち、といった場合に名前をMemoryに登録しておく。
    • 物語の舞台設定を常に意識させたい場合。
    • AIが設定を勝手に変えてしまうのを防ぎたい場合(ただし完全に防げるわけではありません)。

Memoryは、物語の根幹に関わるブレない情報をAIに提供するのに役立ちます。

世界設定 (Lorebook)

Lorebookは、特定の「キーワード」に関連付けられた詳細な情報をAIに記憶させておくための非常に強力な機能です。キャラクター、場所、アイテム、概念など、物語に登場する様々な要素に関する設定を登録し、そのキーワードがテキスト中に出現した際に、関連情報がAIの文脈に「挿入」されることで、設定の一貫性を保ちます。

  • Lorebookエントリーの作成方法:
    1. 右サイドバーの「Lorebook」タブを開きます。
    2. 「Create New Entry」ボタンをクリックします。
    3. 新しいエントリーが作成されます。
  • Lorebookエントリーの設定項目:
    • Name: エントリーの名前(例:「主人公アレン」「古森」「炎魔法」)。これはAIには影響しません。管理用の名前です。
    • Text (Information): このエントリーに関連付けられた具体的な情報や設定を記述します。これがキーワード出現時にAIの文脈に挿入される内容です。詳細かつ具体的に記述するほど、AIはそれを反映しやすくなります。
      • 例(主人公アレンの場合):「アレンは18歳の男性で、黒髪と青い瞳を持つ。冷静沈着な性格だが、困っている人を見過ごせない優しさも秘めている。得意な魔法は火属性。過去に両親を失っており、古代魔法を探す旅に出ている。」
    • Key (Trigger words): このエントリーをAIの文脈に挿入するための「トリガー」となるキーワードを設定します。テキスト入力エリアのテキスト中にこれらのキーワードが出現すると、AIがLorebookのエントリーを読み込み、考慮します。複数のキーワードを設定できます。
      • 例(主人公アレンの場合):「アレン」「主人公」「彼」
      • キーワードは短い単語やフレーズが良いでしょう。テキスト中に頻繁に出現する可能性のある単語を設定します。
    • Insertion Settings: エントリーがAIの文脈に挿入される際の詳細な設定を行います。
      • Insertion Order: 複数のLorebookエントリーが同時にトリガーされた場合、どの順番でAIの文脈に挿入するかを指定します。数値が小さいほど優先度が高くなります。
      • Maximum Tokens: このエントリーがAIの文脈に挿入される際に、どれくらいの長さまで挿入を許容するかをトークン数で指定します。Lorebookのテキストが非常に長い場合に、全てを挿入するとAIの文脈(Context Size)を圧迫してしまうのを防ぎます。
      • Insertion Type:
        • Always Insert: 設定されたキーが出現するたびに、常に情報を挿入します。
        • Once per Story: ストーリー全体で一度だけ情報を挿入します(物語の冒頭で主要キャラクターの紹介などに使う)。
        • Phase In/Out: キーの出現頻度や物語の進行度に応じて、情報の挿入量を徐々に増減させます。
      • Search Range: キーワードを検出するテキストの範囲を、現在のカーソル位置からどれくらい遡るかで指定します。物語が長くなるにつれて、古い情報がAIの文脈から押し出されるのを防ぐために、広めの範囲を設定することがあります。
      • Enabled: このエントリーを有効にするかどうかを切り替えます。
  • 活用例:
    • キャラクター設定の維持: キャラクターの性格、外見、背景などを詳細に記述し、名前をキーに設定することで、AIがそのキャラクターらしい言動や描写を生成するように促せます。
    • 特定の場所やアイテムの詳細描写: 都市の雰囲気、ダンジョンの構造、伝説の剣の特徴などを記述し、その名前をキーに設定することで、AIがそれらに関する描写を生成する際に登録情報を参照します。
    • 魔法システムや特殊な概念の説明: 独自の魔法のルールや、その世界特有の概念などを記述し、関連キーワードをキーに設定することで、AIがそのルールに沿った展開や説明を生成するように促せます。

Lorebookは、NovelAIを使って長い物語や複雑な世界観を構築する上で、最も重要な機能の一つと言えます。設定をしっかり作り込み、適切なキーワードを設定することで、AIがより一貫性のある、あなたの意図に沿った物語を生成してくれるようになります。

A/N (Author’s Note)

A/N (Author’s Note) は、テキスト入力エリアの特定の場所に挿入する、一時的な指示や補足情報です。AIはA/Nに記述された内容を読み込み、その後の生成に影響を与えます。MemoryやLorebookのように永続的な設定ではなく、その場の文脈に合わせてAIの挙動を調整したい場合に利用します。

  • 使い方: テキスト入力エリアの任意の場所に、特別なタグを使って記述します。一般的な形式は以下の通りです。
    [ A/N: ここに指示や補足情報を記述 ]
    あるいは、より古い形式の[Author's Note: ...]や、単に括弧で囲む形式(...)なども使われますが、[ A/N: ... ]が推奨されています。
  • 記述する情報:
    • 文体や雰囲気の指定: 「このシーンはサスペンスフルに。」「次の段落はコミカルに。」「詩的な表現を使って。」
    • 描写の焦点: 「周囲の環境を詳細に描写してください。」「キャラクターの感情に焦点を当ててください。」
    • 強制したい要素: 「必ずドラゴンを登場させてください。」「この会話の結論はAであるように。」(ただしAIが必ず従うとは限りません)
    • 禁止したい要素: 「暴力的な描写は避けてください。」「このキャラクターを死なせないでください。」
  • 記述場所: A/Nは、AIが次にテキストを生成する直前の文脈に置くのが最も効果的です。通常、物語のテキストの数行前、あるいはセクションの冒頭などに挿入します。
  • 活用例:
    • 物語の重要な転換点で、場の雰囲気やキャラクターの心境の変化をAIに伝えたい場合。
    • 特定の描写スタイルで生成してほしい場合。
    • AIが意図しない方向に進みそうになった際に、軌道修正を試みる場合。
  • 注意点: A/Nはあくまで一時的な影響を与えるものです。繰り返し同じ指示を与えたい場合は、MemoryやLorebookの利用を検討しましょう。また、A/Nがあまりに長すぎると、AIが重要な文脈を見失う可能性があるため、簡潔に記述することが推奨されます。また、AIはA/Nに書かれた内容を必ずしも100%理解し、従うわけではありません。

ブレインストーミング (Brainstorm)

ブレインストーミング機能は、一つのプロンプトに対して、AIに複数の異なる続きを生成させる機能です。アイデアが行き詰まったときや、思いもよらない展開を見てみたいときに役立ちます。

  • 使い方: テキストを入力し、生成ボタンではなく、ブレインストーミング用のボタン(通常、生成ボタンの近くにあります)をクリックします。設定で生成候補数を指定できます。
  • 結果: AIが指定された数の異なるテキスト候補を生成し、リスト形式で表示します。
  • 選択: 生成された候補の中から、気に入ったものを一つ選択してテキスト入力エリアに挿入できます。
  • 活用法:
    • 物語の次にどう進むべきか迷ったときに、AIに複数の選択肢を提示してもらう。
    • 特定のシーンの描写について、複数の異なる表現を見て比較したい場合。
    • AIの予期せぬ発想から、新しいアイデアを得たい場合。

インライン生成 (Inline Generation)

インライン生成は、テキストの途中の特定の場所に、AIによるテキストを挿入させる機能です。文章の隙間を埋めたり、特定の箇所の描写をAIに任せたりするのに便利です。

  • 使い方: テキスト入力エリア内で、AIにテキストを挿入してほしい場所にカーソルを置き、インライン生成用のボタン(通常、ツールバーにあります)をクリックします。
  • 結果: AIがカーソル位置の前後数行の文脈を考慮して、その場所に続きのテキストを生成・挿入します。
  • 活用法:
    • 書いている文章の途中に、より詳細な描写やキャラクターの反応などを加えたい場合。
    • 会話の間に、地の文や行動描写を挿入したい場合。
    • 全体の流れは決まっているが、特定の箇所の文章が思いつかない場合。

その他のツール

  • Undo / Redo: 直前の操作を取り消したり、やり直したりできます。AIによる生成結果が気に入らなかった場合にすぐに元に戻せるため、積極的に活用しましょう。
  • Save / Load Story: 作成中の物語を保存したり、以前保存した物語を読み込んだりできます。定期的に保存することをおすすめします。
  • Export: 作成したテキストを、.txtや.docxなどのファイル形式でエクスポートできます。NovelAIで生成・編集したテキストを他のツールで編集したり、バックアップとして保存したりするのに利用します。

主要機能の詳細解説(画像生成関連)

NovelAIは、テキスト生成だけでなく、高品質なイラストやキャラクター画像を生成する機能も備えています。特にアニメ調のイラスト生成に強いと言われており、生成した物語にビジュアルを加えたり、キャラクターデザインのインスピレーションを得たりするのに非常に役立ちます。

NovelAI Diffusion (Image Generation)

NovelAIの画像生成機能は「NovelAI Diffusion」と呼ばれています。これは、ユーザーが入力したテキスト(プロンプト)に基づいて、全く新しい画像を生成するText-to-Image AIの一つです。

  • 利用方法: 画像生成は、テキスト生成とは異なり、多くの場合「Anlas」というクレジットを消費して行われます。Opusプランの場合は無制限で利用できます(特定の条件下を除く)。画像生成を行うには、エディタ画面上部のツールバーにある画像生成ボタンをクリックします。

画像生成画面の基本操作

画像生成画面は、テキスト生成画面とは別のインターフェースになります。主な要素は以下の通りです。

  1. プロンプト入力エリア (Positive Prompt): 生成したい画像の内容を記述するテキストを入力します。この内容をAIが解釈して画像を生成します。
  2. 除外プロンプト入力エリア (Negative Prompt): 生成したくない要素や、避けてほしい表現などを記述します。これらを指定することで、より意図に沿った画像を生成しやすくなります。
  3. 設定パネル: モデル選択、画像サイズ、ステップ数、スケールなど、画像生成に関する詳細な設定を行います。
  4. 生成ボタン: 設定したプロンプトとパラメータで画像を生成します。必要なAnlas消費量が表示されます。
  5. 生成画像表示エリア: 生成された画像が表示されます。

主要設定項目とその影響

画像生成においても、テキスト生成と同様に様々な設定項目があります。これらを調整することで、生成される画像のスタイルや質を大きく変化させることができます。

  • モデル (Model): 画像生成に使用するAIモデルを選択します。
    • NAI Diffusion V3 (Kayra/Clio): 最新の高性能モデルで、特に美しいイラスト生成に優れています。Opusプランで利用可能です。テキスト生成モデルと連動しています。
    • NAI Diffusion V2 (Krake): V3以前のモデルですが、依然として高い性能を持ちます。Krakeプラン以上で利用可能です。
    • NAI Diffusion V1 (Euterpe/Anthropic): より古いモデルで、生成結果や制御性に限界があります。
      初心者の方は、利用できる中で最も新しいモデル(V3)を選択するのがおすすめです。
  • Style: あらかじめ用意された特定の画像スタイルを選択できます(例:Anime, Furry, Digital Art, etc.)。プロンプトと組み合わせて、特定の画風で画像を生成したい場合に利用します。
  • Sampler: 画像ノイズを除去して画像を生成するアルゴリズムを選択します。様々な種類があり、それぞれ生成される画像の雰囲気や品質に影響を与えます。
    • Euler, Euler Ancestral, DDIM, PLMS, DPM2, DPM++ 2S a, DPM++ 2M, DPM++ SDEなど。
    • 一般的に、Euler AncestralDPM++ 2Mなどがよく利用されます。Samplerによって生成される画像のテイストが結構変わるため、色々試してみるのが良いでしょう。
  • Steps: ノイズ除去のステップ数を指定します。ステップ数が多いほど、より詳細で高品質な画像になる傾向がありますが、生成時間も長くなり、消費Anlas(または処理負荷)も増えます。
    • 通常、20~30ステップ程度で十分な品質が得られますが、より高精細な画像が必要な場合は40~50ステップに増やすこともあります。ただし、増やしすぎても品質が向上しなかったり、逆に不自然になったりすることもあります。
  • Scale (CFG Scale): プロンプトへの忠実度(Conditioning Factor Guidance Scale)を調整します。
    • 値を高くする: プロンプトに書かれた内容をより忠実に反映しようとします。ただし、高すぎると画像が歪んだり不自然になったりすることがあります。
    • 値を低くする: プロンプトへの忠実度は下がりますが、AIの創造性によって予期せぬ面白い画像が生成されることがあります。
    • 通常、5~10程度の値が推奨されます。アニメ調のイラストでは7~12程度がよく使われます。
  • Width / Height: 生成する画像のサイズをピクセル単位で指定します。いくつかのプリセットサイズ(例:Portrait (832×1216), Landscape (1216×832), Square (1024×1024))や、カスタムサイズを選択できます。
    • サイズが大きいほど、消費Anlas(または処理負荷)が増えます。
  • Number of Images: 一度の生成で何枚の画像を生成するかを指定します。複数のバリエーションを見たい場合に便利ですが、枚数に応じて消費Anlas(または処理負荷)が増えます。
  • Seed: 画像生成の初期状態を決定する数値です。同じプロンプト、同じ設定、同じシード値であれば、基本的に全く同じ画像が生成されます。気に入った画像が生成されたら、その画像のシード値を控えておくと、後で同じ画像を再現したり、その画像を元に他の設定を試したりする際に便利です。0に設定すると毎回異なるシード値が使用され、異なる画像が生成されます。
  • Noise: 生成プロセスにどれくらいのノイズを最初に乗せるかを調整します。SMEAというオプションなどがあります。通常はデフォルト設定で問題ありません。
  • Undesired Content (Negative Prompt): 生成したくない要素を記述します。非常に重要な設定です。
    • 例:「low quality, bad anatomy, deformed, extra limbs, watermark」など、一般的な低品質や不自然さを防ぐキーワード。
    • 特定の要素を除外したい場合:「hat」(帽子を除外)、「sunglasses」(サングラスを除外)。
    • 絵柄の崩れを防ぎたい場合:「text, watermark, signature, simple background, blurry, out of frame」など。
    • NovelAIの画像生成では、特定のネガティブプロンプトの組み合わせが推奨されることが多いです。

プロンプトの書き方(画像生成向け)

画像生成におけるプロンプトも、テキスト生成と同様に非常に重要です。どのような画像を生成したいかを具体的に、かつAIが理解しやすい形で記述する必要があります。

基本的な構造:
画像生成プロンプトは、一般的に以下のような要素を組み合わせて記述します。

[Quality Tags], [Subject], [Action], [Environment], [Style], [Emotion], [Composition]

  • Quality Tags: 画像の品質や詳細度を指定するキーワード。
    • 例:「masterpiece, best quality, highly detailed, ultra detailed」
  • Subject: 画像の主題。何が描かれているか。
    • 例:「1girl」(若い女性一人)、「cat on a roof」(屋根の上の猫)、「a group of adventurers」(冒険者のグループ)
  • Action: 主題が何をしているか。
    • 例:「reading a book」(本を読んでいる)、「fighting with a sword」(剣で戦っている)、「smiling」(微笑んでいる)
  • Environment: 舞台や背景。
    • 例:「forest」(森)、「cityscape at night」(夜の街並み)、「fantasy castle」(ファンタジーの城)
  • Style: 絵のスタイルや雰囲気。
    • 例:「anime, digital art, watercolor, oil painting, realistic, gothic architecture, cyberpunk」
  • Emotion: キャラクターの感情など。
    • 例:「happy」(幸せそう)、「sad」(悲しそう)、「determined」(決意を秘めた)
  • Composition: 構図やカメラアングル。
    • 例:「close-up」(クローズアップ)、「full body shot」(全身)、「from below」(下からのアングル)

これらの要素をカンマ区切りで並べて記述します。順序も多少影響すると言われていますが、まずは重要な要素から並べるのが基本です。

プロンプトのテクニック:

  • 強調と弱化: 特定のキーワードを強調したい場合は、括弧で囲みます。複数重ねるほど強調されます。
    • 例:(masterpiece), ((beautiful eyes))
    • 弱化したい場合は角括弧で囲みます。
    • 例:[[simple background]]
  • 結合: 複数の要素を組み合わせて一つの概念として扱わせたい場合などに、パイプ記号 | を使うことがあります。
    • 例:「black hair|long hair」(黒くて長い髪)
  • 重み付け: 特定のキーワードに数値で重みを与えることで、その影響力を調整できます。
    • 例:「blue eyes:1.2」(青い瞳を少し強調)、「red hair:0.8」(赤い髪を少し弱化)
  • マスターウェイト: プロンプト全体の各キーワードの影響度を均一化・調整する機能です。詳細な調整が可能ですが、最初はデフォルトで良いでしょう。

ネガティブプロンプト: 生成したくない要素を記述します。一般的に、以下のキーワードをネガティブプロンプトに入れると、生成品質が向上しやすいと言われています。

low quality, worst quality, bad anatomy, bad hands, missing fingers, extra digit, fewer digits, extra limbs, blurry, mutated hands, mutated limbs, disfigured, out of frame, long body, signature, watermark, username, text, error, missing body

これらのキーワードは、AIが生成しがちな不自然さや、描画崩れを防ぐのに役立ちます。

画像生成は、テキスト生成以上にプロンプトや設定の影響が大きいため、色々なプロンプトや設定を試して、思い通りの画像が生成されるようになるまで試行錯誤が必要です。NovelAIのコミュニティなどで、他のユーザーがどのようなプロンプトや設定で画像を生成しているかを参考にすることも非常に有効です。

活用法

  • 物語の挿絵: 作成した物語の特定のシーンやキャラクターをイメージして画像を生成し、挿絵として利用する。
  • キャラクターデザイン: 物語のキャラクターの外見や雰囲気を具体的にイメージするために画像を生成する。色々なバリエーションを生成して、デザインのインスピレーションを得る。
  • 世界観のビジュアル化: 物語の舞台となる場所や、登場するアイテムなどを画像で表現し、世界観をより具体的にイメージする。
  • オリジナルのアート作品: NovelAI Diffusion単体で、テキストから高品質なアート作品を生成するツールとして利用する。

NovelAIの活用法・応用テクニック

NovelAIの基本的な機能を紹介してきましたが、ここからはそれらを組み合わせて、より高度な創作活動に活用する方法や応用テクニックについて解説します。

物語創作における活用

NovelAIの最も得意とする分野の一つが物語創作です。AIを共同執筆者として最大限に活かすためのテクニックを紹介します。

  • ジャンルごとのプロンプトの工夫:
    • ファンタジー: 「魔法」「ドラゴン」「エルフ」「ダンジョン」「古代遺跡」などのキーワードを積極的にプロンプトやLorebookに含める。壮大な景色の描写や、神秘的な雰囲気を出すためのA/Nも有効。
    • SF: 「宇宙船」「未来都市」「ロボット」「異星人」「テクノロジー」などのキーワードを使用。科学的な設定や、未来社会の描写を具体的に記述すると、AIがそれを反映しやすくなる。
    • ホラー: 「暗闇」「静寂」「不気味な音」「血」「怪奇現象」などのキーワードや、不安、恐怖といった感情に関する描写をプロンプトに含める。A/Nで「このシーンは緊迫感を出す」「読者に恐怖を感じさせるように描写する」といった指示を与える。
    • ミステリー: 事件の発生、謎、手がかり、容疑者といった要素をプロンプトに含める。ただし、AIは論理的なトリック構築が苦手なため、複雑な推理部分は人間が主導する必要がある。AIには状況描写やキャラクターの反応、会話の生成を任せるのが良い。
    • 恋愛: キャラクター間の感情の機微、心情描写、会話、ロマンチックなシチュエーションなどをプロンプトに含める。キャラクターの性格設定(Lorebook)が重要。
  • キャラクター、プロット、世界観の構築と維持(Lorebook, Memoryの活用):
    • 主要キャラクターの容姿、性格、過去、人間関係などをLorebookに詳細に登録し、名前をキーに設定する。これにより、AIがキャラクターの一貫した行動や言動を生成しやすくなる。
    • 物語の主要な舞台となる場所や、特別なアイテム、独自の魔法システムなどをLorebookに登録する。関連キーワード(場所の名前、アイテムの名前など)をキーに設定することで、AIがそれらを正確に描写したり、設定に沿った展開を生成したりするのを助ける。
    • 物語の核となる目的、主要なルール、絶対にブレてほしくない設定などはMemoryに登録しておく。
    • 物語が進むにつれて新しい設定やキャラクターが登場したら、随時Lorebookに追加していく。
  • 行き詰まった時の対処法(Brainstorm, A/N, プロンプトの変更):
    • 次にどう書けば良いか分からなくなったら、現在の状況を記述した上でブレインストーミング機能を使ってみる。AIが提示する複数の展開候補からヒントを得る。
    • AIが意図しない方向に進んでしまったら、Undoで戻り、A/Nで「ここでは〜という展開には進まないでください」といった指示を与えたり、より具体的なプロンプトを入力して軌道修正を試みる。
    • 現在のプロンプトでは良い結果が得られない場合、プロンプトの内容を変えたり、Temperatureなどの生成設定を調整してみる。
  • 文体、雰囲気の調整:
    • プロンプトの冒頭で希望する文体を意識して記述する。「古めかしい文体で物語を始めてください。」「現代風の軽快な文章で。」など。
    • A/Nで「このシーンは悲壮感を漂わせて。」「全体的に明るく希望に満ちた雰囲気で。」といった指示を与える。
    • Temperatureを調整する(高くすると予測不能で創造的、低くすると安定して保守的)。
  • 会話シーンの生成:
    • 登場人物の名前とセリフを交互に記述することで、AIが会話の続きを生成しやすくなる。
    • Lorebookにキャラクターの性格や話し方を登録しておくと、AIがよりそのキャラクターらしいセリフを生成しやすくなる。
    • セリフの間に、キャラクターの行動や心理描写を挟むことで、会話シーンに深みが増す。

詩、歌詞、脚本などの生成

NovelAIは物語だけでなく、様々な形式のテキスト生成にも応用できます。

  • : 行頭を揃える、特定の韻律やリズムを意識した単語を選ぶ、感情や比喩的な表現をプロンプトに含めることで、詩的なテキストを生成できます。
  • 歌詞: 楽曲のテーマや雰囲気をプロンプトに記述し、AIに歌詞の続きを生成させる。Aメロ、Bメロ、サビといった構成を意識してプロンプトを調整する必要がある場合があります。
  • 脚本: 登場人物名とセリフ、ト書き(行動や状況の説明)といった脚本の形式を意識してプロンプトを記述する。AIはト書きもセリフも区別なくテキストとして扱うため、人間がフォーマットを整える必要があります。

TRPGのセッションアシスタント

テーブルトークRPG(TRPG)において、NovelAIを以下のような形で活用できます。

  • シナリオ生成: 大まかな設定やプロットをプロンプトに入力し、AIにシナリオの導入部分や、次の展開のアイデアを生成させる。
  • NPCのセリフ生成: ゲームマスター(GM)がNPCの性格や状況をプロンプトに入力し、AIにNPCのセリフやプレイヤーへの応答を考えさせる。
  • 描写の生成: 探索中の場所の情景描写、遭遇したクリーチャーの姿、キャラクターの感情表現など、詳細な描写をAIに任せる。
  • アイデア出し: 行き詰まった際に、ブレインストーミング機能を使って予期せぬイベントや遭遇のアイデアを得る。

GMがAIをツールとして活用することで、セッション準備の効率化や、より豊かで予測不能なセッションの実現につながります。

学習・アイデア出し

  • 特定の文体を模倣する練習: 好きな作家の文章の一部をプロンプトに入力し、AIに続きを生成させることで、その文体の特徴を掴む手助けとなります。
  • 未知のテーマに関するアイデア出し: あまり詳しくない分野について物語を書きたい場合、その分野に関するキーワードをプロンプトやLorebookに登録し、AIに描写やアイデアを生成させることで、知識の整理や発想の助けとすることができます。
  • 言葉の言い換えや表現の幅を広げる: 同じ意味でも様々な表現方法があることをAIの生成結果から学ぶことができます。

NovelAIの限界と向き合う

AIは非常に便利なツールですが、万能ではありません。NovelAIを使う上で、その限界を理解し、適切に対応することが重要です。

  • AIの出力が常に意図通りではないこと: AIは確率に基づいて単語を選択するため、時には全く意図しない、あるいは不自然な文章を生成することがあります。これはAIの性質上の問題であり、ある程度は許容し、編集や再生成で対応する必要があります。
  • ファクトチェックの重要性(特に非フィクションの場合): NovelAIは物語創作に特化しており、事実の正確性を保証するものではありません。もし歴史上の出来事や科学的な知識など、正確な情報に基づいて文章を書きたい場合は、AIが生成した内容を鵜呑みにせず、必ず人間自身で確認する必要があります。
  • 著作権に関する考慮: AIが生成した文章や画像が、学習データに含まれる既存の著作物に酷似してしまう可能性はゼロではありません。特にAIが生成したものを公開・商用利用する際は、著作権侵害のリスクを理解し、生成物を十分に確認・編集することが重要です。NovelAIの利用規約や、AI生成物に関する最新の著作権の議論についても把握しておくことをお勧めします。
  • 倫理的な問題: AIは学習データに含まれる偏見や差別的な表現を学習してしまう可能性があります。意図せず不適切な内容を生成する可能性もあるため、生成されたテキストや画像を公開する前に、必ず内容を確認し、倫理的な観点から問題がないかを判断する必要があります。また、露骨な性的描写やヘイトスピーチなど、特定の不適切な内容の生成はNovelAIの利用規約で禁止されています。

NovelAIは強力なツールですが、最終的な責任はユーザー自身にあります。AIを「思考停止ツール」として使うのではなく、「創造性を刺激する共同作業者」として使いこなす意識が重要です。

コミュニティとリソース

NovelAIを使いこなすためには、公式ドキュメントだけでなく、他のユーザーとの交流も非常に役立ちます。

  • 公式Discordサーバー: NovelAIの公式Discordサーバーには、世界中のユーザーが集まっています。情報交換、質問、生成結果の共有など、活発なコミュニティです。最新情報やTipsを得るのに最適です。
  • フォーラム、Reddit: NovelAIに関する様々な情報が、フォーラムやRedditなどのプラットフォームで共有されています。他のユーザーのプロンプト例や、Lorebookの設定例などが公開されていることもあります。
  • ユーザーが共有するLorebookやプロンプト例: NovelAIのLorebookエントリーや、画像生成のプロンプトは、ユーザーが作成・公開しているものも多数あります。これらを参考にしたり、自分でカスタマイズして利用したりすることで、より効果的な生成が可能になります。
  • 公式ドキュメント、チュートリアル: NovelAIの公式サイトには、各機能の詳細な説明が記載されたドキュメントや、使い方のチュートリアルが用意されています。まずは公式のリソースを確認することをおすすめします。

まとめ:NovelAIであなたの創作世界を広げよう

NovelAIは、AIの力を活用してあなたの創作活動を支援する強力なツールです。テキスト生成機能を使えば、物語の続きを生成させたり、アイデアの壁を打ち破ったり、多様な表現方法を探求したりできます。LorebookやMemoryといった独自の機能は、物語の設定をAIに正確に理解させ、一貫性を保つ上で非常に強力な助けとなります。

また、NovelAI Diffusionによる画像生成機能は、あなたの物語にビジュアル要素を加え、キャラクターや世界観を具体的にイメージするのに役立ちます。

NovelAIは、単に文章や画像を自動生成するツールではありません。AIはあくまで「あなたの共同作業者」です。AIの生成結果を鵜呑みにするのではなく、それをインスピレーションとして受け取り、編集し、自分のアイデアと組み合わせていくことで、あなた一人では到達できなかったであろう新しい表現や物語の可能性が開かれます。

最初は多機能さに戸惑うかもしれませんが、まずは基本的なテキスト生成から始め、プロンプトの書き方を工夫したり、Temperatureなどの設定を少しずつ調整したりしてみてください。次にLorebookやMemoryを使って、キャラクターや世界観を設定してみましょう。画像生成も、簡単なプロンプトから始めて、少しずつ設定を調整していくと良いでしょう。

NovelAIを使いこなすには、試行錯誤と慣れが必要です。AIの予測不能な挙動も、時には面白い展開やアイデアにつながることがあります。AIとの対話を楽しむ気持ちで、気楽に創作を続けてみてください。

この記事が、NovelAIを始めるあなたにとって、創作への第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。無限の可能性を秘めたNovelAIの世界で、あなただけの物語を紡ぎ、想像力の翼を広げてください!

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