Azure AI Agent Serviceハンズオン:AIエージェントを実際に作ってみよう

Azure AI Agent Service ハンズオン:AIエージェントを実際に作ってみよう – 包括的ガイド

Azure AI Agent Serviceは、AIエージェントの開発、デプロイ、管理を簡素化する強力なプラットフォームです。自然言語処理(NLP)、機械学習、その他のAI技術を活用して、複雑なタスクを自動化し、ユーザーとのインタラクションを改善するインテリジェントなエージェントを構築できます。本記事では、Azure AI Agent Serviceの概要から、実際のハンズオンを通じてAIエージェントの構築、デプロイ、そして改善までを網羅的に解説します。

目次

  1. Azure AI Agent Serviceとは?

    • 1.1 AIエージェントの定義と種類
    • 1.2 Azure AI Agent Serviceの主要機能
    • 1.3 Azure AI Agent Serviceのメリット
    • 1.4 ターゲットユーザーとユースケース
  2. 前提条件と環境構築

    • 2.1 Azureサブスクリプションの準備
    • 2.2 Azure CLIのインストールと設定
    • 2.3 Python環境の構築と必要なライブラリのインストール
    • 2.4 Azure OpenAI Serviceへのアクセス設定
  3. ハンズオン:シンプルなAIエージェントの作成

    • 3.1 シナリオの定義:天気予報エージェント
    • 3.2 Azure AI Agent Serviceのセットアップ
    • 3.3 モデルの選択と構成
    • 3.4 ツールの定義と実装
    • 3.5 エージェントのオーケストレーションとロジックの実装
    • 3.6 エージェントのテストとデバッグ
    • 3.7 エージェントのデプロイ
  4. AIエージェントの拡張と高度化

    • 4.1 外部APIとの連携
    • 4.2 知識ベースの統合
    • 4.3 状態管理と会話フローの制御
    • 4.4 エージェントのモニタリングと改善
  5. ベストプラクティスと考慮事項

    • 5.1 セキュリティとプライバシー
    • 5.2 スケーラビリティとパフォーマンス
    • 5.3 コスト最適化
    • 5.4 エージェントのガバナンス
  6. トラブルシューティングとFAQ

  7. まとめと今後の展望


1. Azure AI Agent Serviceとは?

1.1 AIエージェントの定義と種類

AIエージェントとは、特定のタスクを実行するために設計されたソフトウェアエンティティです。人間が介在することなく、環境を認識し、学習し、行動することができます。AIエージェントは、その機能、アーキテクチャ、そして目的によって様々な種類が存在します。

  • リフレクティブエージェント: 単純なルールに基づいて行動するエージェント。
  • ゴールベースエージェント: 特定のゴールを達成するために行動するエージェント。
  • ユーティリティベースエージェント: ユーティリティ(価値)を最大化するように行動するエージェント。
  • 学習エージェント: 経験から学習し、パフォーマンスを向上させるエージェント。

Azure AI Agent Serviceは、これらの様々な種類のAIエージェントを開発するためのプラットフォームを提供し、特にゴールベースエージェントやユーティリティベースエージェントの構築に強みを発揮します。

1.2 Azure AI Agent Serviceの主要機能

Azure AI Agent Serviceは、AIエージェントの構築、デプロイ、管理に必要な機能を包括的に提供します。主な機能は以下の通りです。

  • Agent Orchestration: 複雑なタスクを、より小さなステップに分解し、適切なツールやモデルを選択して実行するプロセスを自動化します。
  • Tool Calling: 外部APIやサービスを、エージェントの行動の一部として呼び出す機能を提供します。これにより、天気予報、株価情報、データベース検索など、現実世界のデータや機能にアクセスできます。
  • Memory & State Management: エージェントは、会話履歴やユーザーのコンテキストを記憶し、保持することができます。これにより、よりパーソナライズされた、一貫性のある対話が可能になります。
  • Model Integration: Azure OpenAI Serviceをはじめとする、様々な大規模言語モデル(LLM)を簡単に統合できます。これにより、テキストの生成、理解、翻訳など、高度なNLP機能を利用できます。
  • Evaluation & Monitoring: エージェントのパフォーマンスを評価し、改善するためのツールを提供します。ログの分析、メトリクスの追跡、A/Bテストなどを通じて、エージェントの品質を継続的に向上させることができます。
  • Security & Compliance: Azureのセキュリティ標準に準拠し、データの安全性とプライバシーを保護します。

1.3 Azure AI Agent Serviceのメリット

Azure AI Agent Serviceを利用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 開発の迅速化: AIエージェントの開発に必要なインフラストラクチャとツールが提供されるため、開発者はビジネスロジックに集中できます。
  • スケーラビリティの向上: Azureの強力なインフラストラクチャを活用することで、AIエージェントを大規模にデプロイし、需要に応じて自動的にスケールできます。
  • 運用コストの削減: クラウドベースのサービスであるため、オンプレミスのインフラストラクチャを管理する必要がなく、運用コストを削減できます。
  • 高度なAI機能の活用: Azure OpenAI Serviceをはじめとする、最先端のAIモデルを簡単に利用できます。
  • セキュリティの確保: Azureのセキュリティ標準に準拠し、データの安全性とプライバシーを保護します。

1.4 ターゲットユーザーとユースケース

Azure AI Agent Serviceは、以下のようなユーザーを対象としています。

  • AI開発者: AIエージェントを構築し、デプロイする開発者。
  • データサイエンティスト: AIモデルを開発し、エージェントに統合するデータサイエンティスト。
  • ビジネスアナリスト: AIエージェントのビジネス要件を定義し、パフォーマンスを評価するビジネスアナリスト。

Azure AI Agent Serviceは、以下のようなユースケースに適用できます。

  • カスタマーサービス: 顧客からの問い合わせに自動で対応するチャットボット。
  • タスク自動化: 請求書の処理、在庫管理、データ入力などの繰り返しタスクを自動化するエージェント。
  • パーソナルアシスタント: スケジュール管理、リマインダー設定、情報検索などのタスクを支援するエージェント。
  • コンテンツ作成: ブログ記事、ソーシャルメディア投稿、メールなどのコンテンツを自動で生成するエージェント。

2. 前提条件と環境構築

AIエージェントの開発を始める前に、必要な環境を構築する必要があります。

2.1 Azureサブスクリプションの準備

Azure AI Agent Serviceを利用するには、Azureサブスクリプションが必要です。まだお持ちでない場合は、Azureの公式サイトから無料アカウントを作成できます。無料アカウントでは、一定期間、特定のサービスを無料で利用できます。

2.2 Azure CLIのインストールと設定

Azure CLI(Command-Line Interface)は、コマンドラインからAzureリソースを管理するためのツールです。以下の手順でインストールし、設定します。

  1. Azure CLIのインストール: Azure CLIの公式サイトから、オペレーティングシステムに合ったインストーラーをダウンロードして実行します。
  2. Azureへのログイン: ターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してAzureにログインします。

    bash
    az login

    ブラウザが開き、Azureアカウントへのサインインを求められます。
    3. サブスクリプションの選択: 複数のAzureサブスクリプションをお持ちの場合は、以下のコマンドで対象のサブスクリプションを選択します。

    bash
    az account set --subscription "<サブスクリプションID>"

    <サブスクリプションID>は、Azureポータルのサブスクリプションページで確認できます。

2.3 Python環境の構築と必要なライブラリのインストール

Azure AI Agent Serviceでは、Pythonを使用してエージェントのロジックを実装します。以下の手順でPython環境を構築し、必要なライブラリをインストールします。

  1. Pythonのインストール: Pythonがインストールされていない場合は、Pythonの公式サイトから最新バージョンをダウンロードしてインストールします。
  2. 仮想環境の作成: プロジェクトごとに仮想環境を作成することをお勧めします。以下のコマンドで仮想環境を作成します。

    bash
    python -m venv .venv

  3. 仮想環境のアクティブ化: 以下のコマンドで仮想環境をアクティブ化します。

    • Windows:

      bash
      .venv\Scripts\activate

      * macOS/Linux:

      bash
      source .venv/bin/activate

  4. 必要なライブラリのインストール: 以下のコマンドで必要なライブラリをインストールします。

    bash
    pip install azure-ai-agent azure-identity python-dotenv

    • azure-ai-agent: Azure AI Agent ServiceのPython SDK。
    • azure-identity: Azureリソースへの認証に必要なライブラリ。
    • python-dotenv: 環境変数を.envファイルから読み込むためのライブラリ。

2.4 Azure OpenAI Serviceへのアクセス設定

Azure AI Agent Serviceは、大規模言語モデルを利用するためにAzure OpenAI Serviceと連携します。以下の手順でAzure OpenAI Serviceへのアクセスを設定します。

  1. Azure OpenAI Serviceリソースの作成: AzureポータルからAzure OpenAI Serviceリソースを作成します。リソースの作成時に、価格レベルを選択する必要があります。
  2. APIキーとエンドポイントの取得: Azure OpenAI Serviceリソースの概要ページから、APIキー(またはトークン)とエンドポイントを取得します。
  3. 環境変数の設定: APIキーとエンドポイントを環境変数に設定します。プロジェクトのルートディレクトリに.envファイルを作成し、以下の内容を記述します。

    AZURE_OPENAI_ENDPOINT="<Azure OpenAI Serviceのエンドポイント>"
    AZURE_OPENAI_API_KEY="<Azure OpenAI ServiceのAPIキー>"
    AZURE_OPENAI_MODEL_NAME="<使用するモデルの名前(例:gpt-35-turbo)>"

    <Azure OpenAI Serviceのエンドポイント><Azure OpenAI ServiceのAPIキー><使用するモデルの名前>は、Azureポータルから取得した値に置き換えてください。

    python-dotenvライブラリを使用すると、Pythonコードからこれらの環境変数を簡単に読み込むことができます。


3. ハンズオン:シンプルなAIエージェントの作成

このハンズオンでは、シンプルな天気予報エージェントを作成します。ユーザーが都市名を指定すると、その都市の天気予報を提供するエージェントです。

3.1 シナリオの定義:天気予報エージェント

このエージェントは以下のステップで動作します。

  1. ユーザーからの入力を受け取る: ユーザーは、天気予報を知りたい都市名をテキストで入力します。(例: “東京の天気は?”)
  2. 都市名を抽出する: 入力されたテキストから都市名を抽出します。
  3. 天気予報APIを呼び出す: 抽出した都市名を、天気予報APIに渡して天気予報データを取得します。
  4. 天気予報を整形して応答する: 取得した天気予報データを整形し、ユーザーにわかりやすい形式で応答します。(例: “東京の天気は晴れです。気温は25度です。”)

3.2 Azure AI Agent Serviceのセットアップ

まず、Azure AI Agent Serviceを使用するために必要なリソースをセットアップします。

  1. Azure Resource Groupの作成: AzureポータルまたはAzure CLIを使用して、AIエージェントのリソースを格納するResource Groupを作成します。
  2. Azure AI Servicesリソースの作成: AzureポータルからAzure AI Servicesリソースを作成します。このリソースは、Azure OpenAI Service、Azure AI Searchなど、様々なAIサービスへのアクセスを提供します。
  3. Agent Serviceの有効化: Azure AI Servicesリソース内で、Agent Serviceを有効にします。

3.3 モデルの選択と構成

このエージェントでは、Azure OpenAI ServiceのGPTモデルを使用します。.envファイルで設定したAZURE_OPENAI_MODEL_NAMEが、使用するモデル名になります。モデルの選択は、エージェントのパフォーマンスに大きく影響するため、目的に合わせて適切なモデルを選択することが重要です。例えば、より複雑なタスクにはGPT-4を、シンプルなタスクにはGPT-3.5 Turboを選択することができます。

3.4 ツールの定義と実装

このエージェントでは、天気予報APIを呼び出すためのツールを定義します。

  1. 天気予報APIの選択: 無料または有料の天気予報APIを選択します。今回は例として、OpenWeatherMap APIを使用します。OpenWeatherMap APIを使用するには、APIキーを取得する必要があります。
  2. ツール関数の定義: Pythonで、OpenWeatherMap APIを呼び出すためのツール関数を定義します。

    “`python
    import requests
    import json
    import os
    from dotenv import load_dotenv

    load_dotenv()

    def get_weather(city_name: str) -> str:
    “””
    指定された都市の天気予報を取得します。
    “””
    api_key = os.getenv(“OPENWEATHERMAP_API_KEY”) # 環境変数からAPIキーを取得
    if not api_key:
    return “OpenWeatherMap APIキーが設定されていません。”

    url = f"http://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q={city_name}&appid={api_key}&units=metric"
    try:
        response = requests.get(url)
        response.raise_for_status()  # エラーが発生した場合に例外を発生させる
        data = response.json()
    
        weather_description = data['weather'][0]['description']
        temperature = data['main']['temp']
    
        return f"{city_name}の天気は{weather_description}です。気温は{temperature}度です。"
    except requests.exceptions.RequestException as e:
        return f"天気予報の取得に失敗しました: {e}"
    except (KeyError, IndexError) as e:
        return f"天気予報データの解析に失敗しました: {e}"
    

    “`

    この関数は、都市名を引数として受け取り、OpenWeatherMap APIを呼び出して天気予報データを取得し、整形された文字列を返します。

  3. ツール定義の登録: Azure AI Agent Serviceにツール関数を登録します。

3.5 エージェントのオーケストレーションとロジックの実装

エージェントのオーケストレーションとは、ユーザーからの入力を受け取り、適切なツールを選択して実行し、最終的な応答を生成するプロセスを定義することです。

  1. メイン関数の定義: 以下のPythonコードで、エージェントのメイン関数を定義します。

    “`python
    from azure.ai.agent.tool_definition import ToolDefinition
    from azure.ai.agent.agent_executor import AgentExecutor
    from azure.ai.agent.llm_configuration import LLMConfiguration
    import os
    from dotenv import load_dotenv

    load_dotenv()

    ツールの定義

    tools = [
    ToolDefinition(
    name=”get_weather”,
    description=”指定された都市の天気予報を取得します。”,
    function=get_weather,
    parameters=[
    {“name”: “city_name”, “type”: “string”, “description”: “天気予報を知りたい都市名”}
    ],
    )
    ]

    LLMの設定

    llm_config = LLMConfiguration(
    model_name=os.getenv(“AZURE_OPENAI_MODEL_NAME”),
    api_key=os.getenv(“AZURE_OPENAI_API_KEY”),
    endpoint=os.getenv(“AZURE_OPENAI_ENDPOINT”),
    )

    エージェントの実行関数

    async def run_agent(user_input: str) -> str:
    “””
    ユーザーからの入力を受け取り、天気予報を取得して応答します。
    “””
    agent_executor = AgentExecutor(
    llm_config=llm_config,
    tools=tools,
    )

    response = await agent_executor.execute(user_input)
    return response.value
    

    “`

    このコードでは、以下のことを行っています。

    • ToolDefinitionを使用して、get_weatherツールを定義しています。namedescriptionfunctionparametersを適切に設定することが重要です。
    • LLMConfigurationを使用して、使用するLLMモデル、APIキー、エンドポイントを設定しています。
    • AgentExecutorを使用して、LLMとツールを組み合わせてエージェントを実行しています。
  2. ユーザー入力の処理: ユーザーからの入力を受け取り、run_agent関数に渡してエージェントを実行します。

3.6 エージェントのテストとデバッグ

エージェントが正しく動作するかどうかをテストします。

  1. テストケースの作成: 様々な都市名を入力して、エージェントが正しく天気予報を取得できるかどうかを確認します。
  2. デバッグ: エラーが発生した場合は、ログを分析し、コードを修正します。AgentExecutorは、実行中の詳細なログを提供するため、問題の特定に役立ちます。

3.7 エージェントのデプロイ

エージェントをデプロイして、ユーザーが利用できるようにします。

  1. Azure Functionsへのデプロイ: Azure Functionsにエージェントをデプロイして、HTTPエンドポイント経由でアクセスできるようにします。
  2. API Managementによる公開: Azure API Managementを使用して、エージェントのAPIを公開し、セキュリティと監視を追加します。

4. AIエージェントの拡張と高度化

基本的なAIエージェントが作成できたら、さらに機能を拡張し、高度化することができます。

4.1 外部APIとの連携

天気予報APIだけでなく、様々な外部APIと連携することで、エージェントの機能を大幅に拡張できます。例えば、以下のようなAPIと連携できます。

  • Google Calendar API: スケジュール管理
  • SendGrid API: メール送信
  • Twilio API: SMS送信
  • データベースAPI: データベースからの情報取得

4.2 知識ベースの統合

エージェントに特定の知識を与えるために、知識ベースを統合することができます。例えば、FAQ、製品ドキュメント、社内Wikiなどの情報を知識ベースとして利用できます。

  • Azure AI Search: Azure AI Searchを使用して、知識ベースをインデックス化し、検索することができます。
  • Vector Database: ベクトルデータベースを使用して、情報をベクトル埋め込みとして保存し、類似性検索を行うことができます。

4.3 状態管理と会話フローの制御

エージェントは、会話の状態を管理し、ユーザーとの対話をスムーズに進める必要があります。

  • Session State: ユーザーのセッション情報を保存し、会話のコンテキストを維持します。
  • Conversation History: 会話履歴を保存し、エージェントが過去の発言を参照できるようにします。
  • Conditional Logic: ユーザーの入力や状態に基づいて、異なる応答を生成します。

4.4 エージェントのモニタリングと改善

エージェントのパフォーマンスを継続的にモニタリングし、改善する必要があります。

  • ログ分析: エージェントのログを分析して、エラーや問題点を特定します。
  • メトリクスの追跡: エージェントの成功率、応答時間、ユーザー満足度などのメトリクスを追跡します。
  • A/Bテスト: 異なるエージェントのバージョンをテストし、より効果的なバージョンを特定します。

5. ベストプラクティスと考慮事項

AIエージェントの開発と運用において、以下のベストプラクティスと考慮事項を考慮することが重要です。

5.1 セキュリティとプライバシー

  • データの暗号化: 機密性の高いデータを暗号化して保存します。
  • アクセス制御: データへのアクセスを制限し、必要なユーザーのみに許可します。
  • プライバシーポリシー: ユーザーデータの収集、利用、共有に関する透明性の高いプライバシーポリシーを作成します。

5.2 スケーラビリティとパフォーマンス

  • 負荷分散: 複数のインスタンスでエージェントを稼働させ、負荷を分散します。
  • キャッシュ: 頻繁にアクセスされるデータをキャッシュして、応答時間を短縮します。
  • 非同期処理: 時間のかかる処理を非同期的に実行して、ユーザーエクスペリエンスを向上させます。

5.3 コスト最適化

  • リソースの使用状況の監視: Azureリソースの使用状況を監視し、不要なリソースを削除します。
  • 価格レベルの選択: 必要な機能とパフォーマンスに見合った価格レベルを選択します。
  • コードの最適化: コードを最適化して、リソースの使用量を削減します。

5.4 エージェントのガバナンス

  • バージョン管理: エージェントのコードをバージョン管理システムで管理します。
  • テスト: 変更を加える前に、エージェントをテストします。
  • ドキュメント: エージェントの設計、実装、運用に関するドキュメントを作成します。

6. トラブルシューティングとFAQ

Q: エージェントが期待どおりに動作しない。

A: まず、ログを分析してエラーメッセージを確認します。次に、コードのロジック、ツールの設定、LLMの設定を確認します。

Q: 天気予報APIがエラーを返す。

A: APIキーが正しいことを確認し、APIの使用制限を超えていないことを確認します。

Q: エージェントの応答時間が遅い。

A: コードを最適化し、キャッシュを使用し、非同期処理を検討します。

Q: モデルの選択に迷う。

A: タスクの複雑さ、必要な精度、コストなどを考慮してモデルを選択します。


7. まとめと今後の展望

本記事では、Azure AI Agent Serviceの概要から、実際のハンズオンを通じてAIエージェントの構築、デプロイ、そして改善までを網羅的に解説しました。AIエージェントは、様々な業界やユースケースで革新的なソリューションを提供できる可能性を秘めています。

Azure AI Agent Serviceは、AIエージェントの開発を容易にし、より多くの人々がAIの力を活用できるようにするための強力なプラットフォームです。今後も、Azure AI Agent Serviceは進化を続け、より高度な機能やツールが追加されることが期待されます。AIエージェントの可能性を最大限に引き出すために、継続的な学習と実験を推奨します。

このガイドが、Azure AI Agent Serviceを使ったAIエージェント開発の第一歩となることを願っています。

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