MongoDBを始めよう!インストールから接続までの詳細ガイド
はじめに
現代のアプリケーション開発において、データの管理は最も重要な要素の一つです。リレーショナルデータベース(RDBMS)が長らく主流でしたが、Webスケールでのデータ量の増大、アジャイル開発におけるスキーマ変更の頻度、非構造化データや半構造化データの扱いの容易さなどから、NoSQLデータベースが注目を集めるようになりました。その中でもMongoDBは、ドキュメント指向データベースの代表格として、開発者からの人気を博しています。
MongoDBは、データ構造としてJSONライクなドキュメントを使用します。これにより、アプリケーションのコードとデータベースの間のデータのやり取りが直感的になり、開発効率が向上します。また、水平スケーリングや柔軟なスキーマといった特徴から、大規模なアプリケーションや急速に変化する要件を持つプロジェクトに適しています。
この記事では、「MongoDBを始めたい!」と考えている方のために、MongoDBのインストールから基本的な接続、そしてデータベース操作の入り口までを、初心者にも分かりやすいように詳細に解説します。主要なオペレーティングシステム(Windows, macOS, Linux)それぞれのインストール方法から、サーバーの起動、MongoDB Shell (mongosh) やGUIツール (MongoDB Compass) を使った操作、さらにはアプリケーションからの接続方法、そして入門として絶対に押さえておきたいセキュリティの基本までを網羅します。
この記事を読むことで、MongoDBをローカル環境にセットアップし、自分でデータを操作できるようになることを目指します。約5000語にわたる詳細な解説を通じて、MongoDBの世界への第一歩を踏み出しましょう。
1. MongoDBの基本概念
MongoDBのインストールと操作に進む前に、まずはMongoDBがどのような構造でデータを扱っているのか、基本的な概念を理解しておきましょう。RDBMSに慣れている方は、その違いを意識すると理解が深まります。
1.1 ドキュメント、コレクション、データベース
MongoDBのデータの最小単位は「ドキュメント」です。ドキュメントは、キーと値のペアの集合であり、JSON形式と非常によく似ています。実際のMongoDB内部ではBSON(Binary JSON)というバイナリ形式で保存されます。BSONはJSONよりも多くのデータ型(日付、バイナリデータなど)をサポートし、効率的な格納と走査を可能にします。
例:ユーザー情報を表すドキュメント
json
{
"_id": ObjectId("60b8d6c1f2b3c4d5e6f7g8h9"), // ドキュメントの一意なID
"name": "山田 太郎",
"age": 30,
"email": "[email protected]",
"address": {
"street": "東京都港区1-2-3",
"city": "東京都",
"zip": "100-0001"
},
"interests": ["MongoDB", "Node.js", "読書"]
}
上記の例のように、ドキュメントはネストされた構造を持つことができますし、配列を含むことも可能です。これは、RDBMSのようにフラットなテーブルにデータを格納するのではなく、より複雑で柔軟なデータ構造を一つの単位として扱えることを意味します。
次に、「コレクション」です。コレクションは、ドキュメントの集まりです。RDBMSにおける「テーブル」に相当しますが、大きな違いはその柔軟性です。同じコレクション内のドキュメントは、必ずしも同じスキーマ(構造)を持つ必要がありません。これは「スキーマレス(またはスキーマ・オン・リード)」と呼ばれるMongoDBの特徴です。ただし、実際にはアプリケーション側でデータの整合性を保つために、暗黙的にスキーマを設計することが一般的です。
最後に、「データベース」です。データベースは、コレクションの集まりです。RDBMSと同様に、複数の関連するコレクションを一つのデータベースにまとめて管理します。
まとめると、MongoDBのデータ構造は以下の階層構造になります。
- データベース (Database): コレクションの集まり。
- コレクション (Collection): ドキュメントの集まり。RDBMSのテーブルに相当するが、スキーマは柔軟。
- ドキュメント (Document): キーと値のペアの集まり。RDBMSの行に相当するが、構造は柔軟。
1.2 RDBMSとの違い(スキーマレス、JOIN不要など)
RDBMSは厳格なスキーマを持ち、データを行と列からなるテーブルに格納します。テーブル間の関係は、外部キーを使って定義され、複数のテーブルからデータを取得する際にはJOIN操作が必要です。
一方、MongoDBは基本的にスキーマレスです。同じコレクション内のドキュメントは異なるフィールドを持っていても構いません。また、関連するデータをドキュメント内にネストして格納することが推奨されます(エンベデッドデータモデル)。これにより、データの取得時にJOIN操作が不要になり、多くの場合で高速な読み取りが可能になります。JOINが必要なケースや、データの正規化が必要な場合は、参照方式(リファレンス)を用いることも可能ですが、MongoDBの設計思想としては、アプリケーションが必要とするデータを1回の読み取りで取得できるようなドキュメント設計が推奨されます。
1.3 JSON/BSONについて
MongoDBが内部で使用するBSONは、JSONに似ていますが、JSONよりも多くのデータ型(Date
, BinData
, ObjectId
など)をサポートし、エンコーディングとデコーディングがより効率的です。MongoDBのシェルや多くのドライバーは、BSONデータをJSON形式で表示するため、開発者はJSONとしてデータを扱うことができます。特にObjectId
は、MongoDBがドキュメントに自動的に割り当てる一意なプライマリーキーであり、分散環境でのID生成に適しています。
これらの基本概念を理解することで、MongoDBの操作がよりスムーズになるはずです。
2. MongoDBのインストール
それでは、実際にMongoDBをあなたのコンピューターにインストールしてみましょう。主要な3つのOS(Windows, macOS, Linux)それぞれの方法を詳しく解説します。
インストールするソフトウェアは主に以下の2つです。
- MongoDB Server: データベース本体。データを保存し、クエリを処理するバックエンドプロセス (
mongod
) を含みます。 - MongoDB Shell (mongosh): MongoDBと対話するためのコマンドラインツール。コマンドを入力してデータベース操作を行います。以前は
mongo
という名前でしたが、バージョン4.4以降はmongosh
が推奨されています。 - (任意)MongoDB Compass: MongoDBのGUIツール。データベースの内容を視覚的に確認したり、操作したりできます。初心者には非常に便利です。
通常、公式のインストールパッケージにはこれらのツールが含まれていますが、ShellやCompassは単体でインストールすることも可能です。
2.1 Windowsへのインストール
Windowsでは、MSIインストーラーを使用するのが最も簡単な方法です。
ステップ 1: インストーラーのダウンロード
MongoDB公式サイトのダウンロードセンターにアクセスします。
https://www.mongodb.com/try/download/community
Community Serverタブが選択されていることを確認し、お使いのWindowsのバージョン(x64など)とパッケージタイプ(MSI)を選択します。最新バージョンをダウンロードするのが一般的です。
ステップ 2: インストーラーの実行
ダウンロードしたMSIファイルをダブルクリックして実行します。
ステップ 3: セットアップウィザードの進行
- Welcome: 「Next」をクリックします。
- End-User License Agreement: ライセンス条項を読み、「I accept the terms in the License Agreement」にチェックを入れて「Next」をクリックします。
- Choose Setup Type:
Complete
: 標準的なインストール。サーバー、シェル、Compassなどが含まれます。特別な理由がない限り、これを選択します。Custom
: インストールするコンポーネントやインストール先を指定できます。今回はComplete
を選択します。
Complete
を選択して「Next」をクリックします。
- Service Configuration: MongoDBをWindowsサービスとしてインストールし、自動起動するかどうかを設定します。
Install MongoDB as a Service
: チェックを入れることを推奨します。これにより、Windows起動時にMongoDBが自動的に起動するようになります。Run service as Network Service user
またはRun service as a local or domain user
: 通常はデフォルトの「Run service as Network Service user」で問題ありません。特定のユーザーで実行したい場合は後者を選択し、ユーザー名とパスワードを指定します。Service Name
: サービスの識別名。デフォルト(例:MongoDB
)のままで良いでしょう。Data Directory
とLog Directory
: MongoDBがデータを保存する場所とログを出力する場所です。デフォルトのパス(C:\Program Files\MongoDB\Server\<version>\data
とC:\Program Files\MongoDB\Server\<version>\log
)で問題なければそのままにします。権限の問題が発生しにくい、デフォルト以外の場所(例:C:\mongodb\data
,C:\mongodb\log
)を指定することも多いです。これらのディレクトリはインストール後に手動で作成する必要がある場合があります。
設定を確認し、「Next」をクリックします。
- Install MongoDB Compass: MongoDBのGUIツールであるCompassをインストールするかどうかを選択します。Compassは非常に便利なので、チェックを入れてインストールすることを強く推奨します。「Next」をクリックします。
- Ready to Install: インストール設定のサマリーが表示されます。「Install」をクリックしてインストールを開始します。
- ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら、「はい」をクリックして許可します。
- インストールが進行し、完了するまで待ちます。Compassも同時にインストールされる場合、別途Compassのセットアップウィザードが起動することがありますので、その指示に従ってください。
- Completed: インストールが完了したら、「Finish」をクリックします。
ステップ 4: 環境変数の設定(任意だが推奨)
MongoDBの実行ファイル(mongod.exe
, mongosh.exe
など)は、通常 C:\Program Files\MongoDB\Server\<version>\bin
ディレクトリにインストールされます。コマンドプロンプトやPowerShellのどこからでもこれらのコマンドを実行できるようにするために、このディレクトリをシステムの環境変数Path
に追加することをお勧めします。
- Windowsの検索バーに「環境変数」と入力し、「環境変数を編集」を開きます。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されるので、「詳細設定」タブの「環境変数」ボタンをクリックします。
- 「環境変数」ウィンドウの下段にある「システム環境変数」リストから「Path」を選択し、「編集」ボタンをクリックします。
- 「環境変数名の編集」ウィンドウが表示されます。「新規」をクリックし、MongoDBの
bin
ディレクトリへのパス(例:C:\Program Files\MongoDB\Server\6.0\bin
、バージョン番号は適宜読み替えてください)を入力して「OK」をクリックします。 - 開いているすべての「環境変数」および「システムのプロパティ」ウィンドウを「OK」で閉じます。
- 新しいコマンドプロンプトまたはPowerShellウィンドウを開いてください。 環境変数の変更は、新しいウィンドウに反映されます。
ステップ 5: インストールと環境変数の確認
新しいコマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、以下のコマンドを実行します。
bash
mongod --version
mongosh --version
MongoDBのサーバーとシェルのバージョン情報が表示されれば、インストールと環境変数の設定は成功です。
2.2 macOSへのインストール
macOSでは、Homebrewというパッケージマネージャーを使うのが最も簡単で推奨される方法です。
ステップ 1: Homebrewのインストール(まだの場合)
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
bash
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
画面の指示に従ってインストールを完了させます。パスワードの入力が必要になる場合があります。Homebrewのインストール後、指示があればbrew doctor
を実行して問題がないか確認します。
ステップ 2: MongoDBのインストール
Homebrewを使ってMongoDB Community Serverをインストールします。
bash
brew tap mongodb/brew
brew install mongodb-community@<version> # 例: brew install [email protected]
<version>
の部分は、インストールしたいバージョンを指定します。最新バージョンをインストールしたい場合は、brew install mongodb-community
とすることもできますが、特定のバージョンを指定する方が安定している場合もあります。記事執筆時点での最新推奨バージョンなどを指定すると良いでしょう。
Homebrewは、依存関係を解決し、MongoDBサーバー (mongod
)、MongoDB Shell (mongosh
)、およびその他の関連ツールをインストールします。
ステップ 3: インストール後の確認
インストールが完了したら、以下のコマンドを実行してバージョンを確認します。
bash
mongod --version
mongosh --version
バージョン情報が表示されればインストールは成功です。Homebrewは通常、実行ファイルを適切にPATHに追加してくれるため、すぐにコマンドを使えるはずです。
注意点: Homebrewでインストールした場合、MongoDBのデータディレクトリはデフォルトでは/usr/local/var/mongodb
(またはHomebrewのインストールプレフィックス以下のvar/mongodb
)に、ログファイルは/usr/local/var/log/mongodb
(またはHomebrewのインストールプレフィックス以下のvar/log/mongodb
)に作成されます。これらのディレクトリには適切なパーミッションが必要です。
2.3 Linuxへのインストール
Linuxには様々なディストリビューションがありますが、ここでは主要なDebian/Ubuntu系(APTパッケージマネージャー)とRHEL/CentOS系(YUM/DNFパッケージマネージャー)の方法を説明します。
重要な注意点: MongoDBの公式パッケージリポジトリを使用することを強く推奨します。各ディストリビューションの標準リポジトリに含まれるMongoDBは、バージョンが古い場合や機能が制限されている場合があります。
2.3.1 Debian/Ubuntuへのインストール (APT)
ステップ 1: GPGキーのインポート
MongoDBの公式リポジトリの信頼性を確認するために、GPGキーをインポートします。バージョンによってキーが異なる場合があるため、公式ドキュメントで確認することを推奨しますが、例として以下のようになります。
bash
wget -qO - https://www.mongodb.org/static/pgp/server-<version>.asc | sudo apt-key add - # 例: server-6.0.asc
<version>
はインストールしたいMongoDBのバージョンに置き換えます。
ステップ 2: リポジトリの追加
MongoDBリポジトリをAPTソースリストに追加します。使用しているUbuntuのバージョンとMongoDBのバージョンに合わせて適切なコマンドを実行します。例としてUbuntu 20.04 (Focal Fossa) にMongoDB 6.0をインストールする場合:
bash
echo "deb [ arch=amd64,arm64 ] https://repo.mongodb.org/apt/ubuntu focal/mongodb-org/6.0 multiverse" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/mongodb-org-6.0.list
他のUbuntuバージョンやDebianの場合は、上記コマンドのfocal/mongodb-org/6.0
の部分を公式ドキュメントで確認し、適切に置き換えてください。
ステップ 3: パッケージリストの更新
新しいリポジトリを認識させるために、パッケージリストを更新します。
bash
sudo apt-get update
ステップ 4: MongoDBパッケージのインストール
MongoDBパッケージとその関連ツール (mongod
, mongosh
など) をインストールします。
bash
sudo apt-get install -y mongodb-org
mongodb-org
パッケージは、以下のコンポーネントをインストールします。
* mongodb-org-server
: mongod
デーモン、初期化スクリプト、設定ファイル (/etc/mongod.conf
)
* mongodb-org-mongos
: シャードクラスターで使用するmongosデーモン
* mongodb-org-shell
: mongosh
シェル
* mongodb-org-tools
: その他のMongoDBツール
ステップ 5: インストール後の確認
バージョンを確認します。
bash
mongod --version
mongosh --version
2.3.2 RHEL/CentOS/Amazon Linux 2へのインストール (YUM/DNF)
ステップ 1: リポジトリファイルの作成
/etc/yum.repos.d/mongodb-org-<version>.repo
というファイルを作成し、MongoDBリポジトリの詳細を記述します。例としてRHEL 8にMongoDB 6.0をインストールする場合:
bash
sudo nano /etc/yum.repos.d/mongodb-org-6.0.repo
エディタが開いたら、以下の内容を貼り付けて保存します。(baseurl
はOSバージョンに合わせて調整)
ini
[mongodb-org-6.0]
name=MongoDB Repository
baseurl=https://repo.mongodb.org/yum/redhat/$releasever/mongodb-org/6.0/x86_64/
gpgcheck=1
enabled=1
gpgkey=https://www.mongodb.org/static/pgp/server-6.0.asc
$releasever
はYUM/DNFが自動的にOSのメジャーバージョンに置き換えます。Amazon Linux 2の場合は7
を使用します。
ステップ 2: MongoDBパッケージのインストール
bash
sudo yum install -y mongodb-org # または sudo dnf install -y mongodb-org (RHEL 8/CentOS Stream 8以降)
ステップ 3: インストール後の確認
バージョンを確認します。
bash
mongod --version
mongosh --version
2.4 トラブルシューティング(インストール時)
- コマンドが見つからない (
command not found
):- インストールが正しく完了したか確認してください。
- Windowsの場合、MongoDBの
bin
ディレクトリがシステムのPath
環境変数に追加されているか、追加した場合は新しいコマンドプロンプトを開いているか確認してください。 - macOS/Linuxの場合、Homebrewやパッケージマネージャーが実行ファイルを標準のPATHに追加しているか確認してください。手動でPATHに追加する必要がある場合もあります。
- 権限エラー:
- インストール中に管理者権限(WindowsのUAC、Linuxの
sudo
)が必要な操作を正しく実行したか確認してください。 - 特定のディレクトリへの書き込み権限がない場合(特にデータディレクトリやログディレクトリ)、適切なパーミッションを設定する必要があります。
- インストール中に管理者権限(WindowsのUAC、Linuxの
- Homebrewでのエラー:
brew update
を実行してHomebrewを最新の状態にしてみてください。- エラーメッセージをよく読み、指示に従ってください。依存関係の問題などが報告されることがあります。
3. MongoDBサーバーの起動と停止
MongoDBを操作するには、まずMongoDBサーバー(mongod
プロセス)が起動している必要があります。インストール方法によって起動方法が異なります。
3.1 Windowsでサービスとして起動/停止
MSIインストーラーで「Install MongoDB as a Service」を選択した場合、MongoDBはWindowsサービスとして登録されています。デフォルトでは自動起動するように設定されますが、手動で起動/停止することも可能です。
- Windowsの検索バーに「サービス」と入力し、「サービス」デスクトップアプリを開きます。
- サービスの一覧から、インストール時に指定したサービス名(デフォルトでは
MongoDB
)を探します。 - サービスのステータスを確認します。「実行中」であれば起動しています。「停止」になっていれば起動していません。
- サービス名を右クリックし、「開始」「停止」「再起動」を選択して操作できます。
コマンドプロンプトやPowerShellからサービスを操作することもできます(管理者権限が必要です)。
“`cmd
起動
net start MongoDB
停止
net stop MongoDB
``
MongoDB`の部分はサービス名に合わせてください)
(
3.2 macOS/Linuxでサービスとして起動/停止
公式パッケージやHomebrewでインストールした場合、MongoDBは通常、システムサービス(systemdやlaunchctlなど)として管理されます。
Linux (systemdを使用する場合)
多くのモダンなLinuxディストリビューションではsystemdが使用されています。
“`bash
起動
sudo systemctl start mongod
停止
sudo systemctl stop mongod
再起動
sudo systemctl restart mongod
状態確認
sudo systemctl status mongod
OS起動時に自動起動を有効化
sudo systemctl enable mongod
``
/etc/mongod.conf`にあります。起動時にこの設定ファイルが読み込まれます。
設定ファイルは通常
macOS (Homebrewを使用する場合)
Homebrewはlaunchctl
を使ってサービスを管理します。インストール完了時に指示が表示されることがありますが、通常は以下のコマンドで起動/停止します。
“`bash
バックグラウンドで起動し、ログイン時に自動起動を有効化
brew services start mongodb-community@
停止
brew services stop mongodb-community@
状態確認
brew services list
``
/usr/local/etc/mongod.conf`(またはHomebrewプレフィックス以下)などに手動で作成・編集し、その設定ファイルを使って起動するように設定する必要があります。
Homebrewでインストールした場合、設定ファイルはデフォルトでは存在しないか、最小限の設定になっています。必要に応じて
3.3 コマンドラインからの手動起動
サービスの代わりに、直接mongod
コマンドを実行してサーバーを起動することもできます。これは開発目的や一時的なテストに適しています。
bash
mongod --dbpath <データディレクトリのパス> --logpath <ログファイルのパス> --fork
* --dbpath
: 必須ではありませんが、データを保存するディレクトリを指定します。デフォルトはOSによって異なります(例: /data/db
)。指定したディレクトリが存在しない場合はエラーになるため、事前に作成しておく必要があります。 また、実行ユーザーにディレクトリへの書き込み権限が必要です。
* --logpath
: ログファイルのパスを指定します。指定しない場合、ログは標準出力に出力されます。
* --fork
: デーモンとしてバックグラウンドで実行する場合に指定します。指定しない場合は、コマンドを実行したターミナルを占有します。
通常、設定ファイル(mongod.conf
)を使用する方が、多くのオプションをまとめて指定できるため便利です。設定ファイルを指定して起動するには、以下のコマンドを使用します。
bash
mongod --config <設定ファイルのパス>
設定ファイルのデフォルトパスは、Windowsではインストーラーで指定した場所(通常はインストールディレクトリ内)、Linuxでは/etc/mongod.conf
などです。
3.4 設定ファイル (mongod.conf
) について
mongod.conf
ファイルはYAML形式で記述され、MongoDBサーバーの様々な設定を管理します。例えば、以下のような設定が可能です。
“`yaml
systemLog:
destination: file
path: /var/log/mongodb/mongod.log # ログファイルのパス
logAppend: true # 既存のログファイルに追記
storage:
dbPath: /var/lib/mongodb # データディレクトリのパス
journal:
enabled: true # ジャーナリングの有効化 (データの耐久性を高める)
net:
port: 27017 # リッスンするポート番号
bindIp: 127.0.0.1 # 接続を許可するIPアドレス (デフォルトはlocalhostのみ、外部からの接続を許可する場合は 0.0.0.0 または特定のIPを指定)
processManagement:
fork: true # バックグラウンド実行
security:
authorization: enabled # 認証の有効化 (重要!)
“`
開発環境ではbindIp: 127.0.0.1
(localhostのみ許可)としておくのが最も安全です。外部からの接続が必要な場合は、ファイアウォールで制限するなど慎重に行う必要があります。
3.5 トラブルシューティング(サーバー起動時)
- データディレクトリやログディレクトリが存在しない、または権限がない:
--dbpath
や--logpath
で指定したディレクトリが作成されているか確認してください。- MongoDBを実行するユーザーが、それらのディレクトリに対する読み書き権限を持っているか確認してください。
chown
やchmod
コマンド(Linux/macOS)で権限を変更する必要がある場合があります。
- ポート番号が使用されている:
- デフォルトの27017ポートが他のプロセスによって使用されている可能性があります。
netstat -ano
(Windows) やlsof -i :27017
(Linux/macOS) などのコマンドで確認し、競合しているプロセスを停止するか、MongoDBの設定ファイルで別のポート番号(例:net.port: 27018
)を指定してください。
- デフォルトの27017ポートが他のプロセスによって使用されている可能性があります。
- 設定ファイルのパスが間違っている、または記述エラー:
--config
オプションで指定したパスが正しいか確認してください。- YAML形式の設定ファイルはインデントが重要です。記述ミスがないか確認してください。
mongod --config <path> --dryRun
で設定ファイルのパースエラーを確認できる場合があります。
- サービスが起動しない:
- サービスログ(Linuxでは
journalctl -u mongod.service
など、Windowsではイベントビューアー)を確認して、エラーメッセージから原因を特定してください。 - 上記データディレクトリやポート競合などの基本的な問題が原因である可能性があります。
- サービスログ(Linuxでは
4. MongoDB Shell (mongosh) の利用
MongoDBサーバーが起動したら、次はそれに接続して操作してみましょう。最も基本的な方法は、コマンドラインツールであるMongoDB Shell (mongosh
) を使うことです。
4.1 mongoshとは
mongosh
は、MongoDBサーバーと対話するためのJavaScriptベースのインタラクティブシェルです。データベースの管理、データの挿入・検索・更新・削除(CRUD操作)、クエリの実行、スクリプトの実行など、MongoDBのほぼ全ての操作をここから行うことができます。
4.2 mongoshのインストール(単体で必要な場合)
MongoDB Community Serverをインストールした際に、通常mongosh
も一緒にインストールされます。しかし、サーバーとは別にmongosh
だけをインストールしたい場合もあります(例: リモートのMongoDBサーバーに接続したいが、ローカルにサーバーは不要な場合)。
mongosh
は単体でダウンロード可能です。MongoDB公式サイトのダウンロードセンターで「Tools」タブを選択し、「MongoDB Shell」をダウンロードしてください。インストール方法はOSによって異なりますが、ダウンロードした実行ファイルを適切なディレクトリ(環境変数Path
が通っている場所など)に配置するのが一般的です。
4.3 mongoshを使った接続
MongoDBサーバーがデフォルト設定(ポート27017、localhostでリッスン)で起動している場合、ターミナルまたはコマンドプロンプトを開いて単にmongosh
と入力するだけで接続できます。
bash
mongosh
接続が成功すると、以下のようなプロンプトが表示されます。
Current Mongosh version: <version>
...
connecting to: mongodb://127.0.0.1:27017/?directConnection=true&serverSelectionTimeoutMS=2000
...
test>
test>
は、現在選択されているデータベースがtest
であることを示しています。MongoDBに初めて接続した際には、デフォルトでtest
データベースが選択されます。
もしMongoDBサーバーがデフォルト以外のホストやポートで実行されている場合、接続文字列(Connection String URI)を指定して接続します。
bash
mongosh "mongodb://<ホスト名またはIP>:<ポート番号>/<データベース名>"
例: mongosh "mongodb://localhost:27018/mydatabase"
認証が必要な場合は、接続文字列にユーザー名とパスワードを含めるか、別途オプションを指定します。
“`bash
ユーザー名とパスワードを接続文字列に含める (URLエンコードが必要な場合あり)
mongosh “mongodb://<ユーザー名>:<パスワード>@<ホスト>:<ポート>/<データベース名>”
オプションで指定
mongosh –username <ユーザー名> –password <パスワード> –authenticationDatabase <認証データベース>
“`
認証については後述します。
4.4 基本的なコマンド
mongosh
に接続したら、いくつかの基本的なコマンドを試してみましょう。
-
現在のデータベースを確認:
javascript
db
デフォルトではtest
と表示されるはずです。 -
データベースの一覧を表示:
javascript
show dbs
最初はadmin
,config
,local
などのシステムデータベースしか表示されないかもしれません。 -
別のデータベースに切り替え/作成:
javascript
use <データベース名>
例:use myappdb
存在しないデータベース名を指定した場合、その名前のデータベースが「作成される予定」の状態になります。実際にデータベースが作成されるのは、その中に最初のデータ(ドキュメント)を保存したときです。 -
現在のデータベース内のコレクション一覧を表示:
javascript
show collections
選択したデータベース内にコレクションが存在しない場合は、何も表示されません。 -
ヘルプを表示:
javascript
help
利用可能なコマンドのリストが表示されます。 -
シェルを終了:
javascript
exit
4.5 CRUD操作の基本 (Insert, Find, Update, Delete)
mongosh
を使って、選択中のデータベース内のコレクションに対してデータの操作を行います。コレクション名に対してメソッドを呼び出す形式で操作を行います。
use myappdb
でmyappdb
データベースに切り替えたとして、users
というコレクションを操作してみましょう。
挿入 (Insert)
-
一つのドキュメントを挿入:
insertOne()
javascript
db.users.insertOne({ name: "山田 太郎", age: 30, city: "Tokyo" });
成功すると、挿入されたドキュメントの_id
を含む結果オブジェクトが返されます。MongoDBは_id
フィールドが指定されていない場合、自動的に一意なObjectId
を生成して付与します。 -
複数のドキュメントを挿入:
insertMany()
javascript
db.users.insertMany([
{ name: "田中 花子", age: 25, city: "Osaka" },
{ name: "佐藤 健一", age: 35, city: "Nagoya" }
]);
複数のドキュメントを配列として渡します。成功すると、挿入されたドキュメントの_id
を含む結果オブジェクトが返されます。
検索 (Find)
-
コレクション内の全てのドキュメントを検索:
find()
javascript
db.users.find();
カーソルオブジェクトが返されますが、シェルは最初のいくつかのドキュメントを自動的に表示します。 -
条件を指定して検索:
find({ <条件> })
条件はドキュメントの形式で指定します。
javascript
db.users.find({ city: "Tokyo" }); // cityが"Tokyo"のドキュメントを検索
db.users.find({ age: { $gt: 30 } }); // ageが30より大きいドキュメントを検索 ($gtはGreater Than)
db.users.find({ interests: "MongoDB" }); // interests配列に"MongoDB"を含むドキュメントを検索
様々なクエリセレクター($gt
,$lt
,$eq
,$ne
,$in
,$nin
,$and
,$or
など)を使用して複雑な条件を指定できます。 -
条件に一致する最初のドキュメントを検索:
findOne({ <条件> })
javascript
db.users.findOne({ name: "山田 太郎" });
一致するドキュメントが見つかればそのドキュメントを、見つからなければnull
を返します。 -
検索結果の表示を整形:
.pretty()
find()
の結果に見やすく整形して表示したい場合にチェーンして使います。
javascript
db.users.find().pretty();
db.users.find({ city: "Osaka" }).pretty(); -
検索結果から特定のフィールドだけを表示(プロジェクション):
.find({ <条件> }, { <表示フィールド> })
第二引数に表示したいフィールドを1
(またはtrue
)、非表示にしたいフィールドを0
(またはfalse
)で指定します。_id
フィールドはデフォルトで表示されますが、_id: 0
と指定することで非表示にできます。
javascript
db.users.find({}, { name: 1, city: 1, _id: 0 }); // 全てのユーザーの名前とcityのみを表示 (_idは非表示)
更新 (Update)
-
条件に一致する最初のドキュメントを更新:
updateOne({ <条件> }, { <更新オペレーター> })
javascript
db.users.updateOne(
{ name: "山田 太郎" },
{ $set: { age: 31, occupation: "Engineer" } } // $setオペレーターでフィールドを設定/追加
);
$set
以外にも、$inc
(数値フィールドの増減)、$unset
(フィールドの削除)、$push
(配列に要素を追加)などの更新オペレーターがあります。 -
条件に一致する全てのドキュメントを更新:
updateMany({ <条件> }, { <更新オペレーター> })
javascript
db.users.updateMany(
{ city: "Tokyo" },
{ $set: { country: "Japan" } }
); -
条件に一致するドキュメントを置き換える:
replaceOne({ <条件> }, { <新しいドキュメント> })
このメソッドは、一致したドキュメント全体を新しいドキュメントで置き換えます。元のドキュメントのフィールドは全て失われます(_id
フィールドを除く)。
javascript
db.users.replaceOne(
{ name: "佐藤 健一" },
{ name: "佐藤 健一 (更新)", age: 36, email: "[email protected]" }
);
削除 (Delete)
-
条件に一致する最初のドキュメントを削除:
deleteOne({ <条件> })
javascript
db.users.deleteOne({ name: "山田 太郎" }); -
条件に一致する全てのドキュメントを削除:
deleteMany({ <条件> })
javascript
db.users.deleteMany({ city: "Osaka" }); // cityが"Osaka"の全てのユーザーを削除
db.users.deleteMany({}); // WARNING! コレクション内の全てのドキュメントを削除 (deleteAllDocuments()も同様) -
コレクション自体を削除:
drop()
javascript
db.users.drop(); // usersコレクションを完全に削除
これらの基本的なCRUD操作を覚えることで、mongosh
を使ってMongoDBに保存されたデータを自由に操作できるようになります。
5. MongoDB Compassの利用
MongoDB Compassは、MongoDBの公式GUIツールです。データベース、コレクション、ドキュメントを視覚的に管理できるため、特に初心者にとって非常に役立ちます。クエリの実行結果をGUIで確認したり、パフォーマンス分析ツールを使ったりすることも可能です。
5.1 Compassとは
Compassは、MongoDBデータベースを探索、分析、操作するためのリッチなグラフィカルインターフェースを提供します。スキーマのサンプリングと視覚化、CRUD操作、クエリの実行計画(Explain Plan)の表示、パフォーマンス監視など、様々な機能を持っています。
5.2 Compassのインストール
MongoDB ServerのMSIインストーラー(Windows)には、通常Compassのインストールオプションが含まれています。それ以外のOSや、別途Compassだけをインストールしたい場合は、MongoDB公式サイトのダウンロードセンターから「Tools」タブを選択し、「MongoDB Compass」をダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルを実行して、インストールウィザードに従ってインストールを完了させます。
5.3 Compassを使った接続
Compassを起動すると、最初に接続画面が表示されます。
- 新しい接続: 通常は「New Connection」または類似のボタンをクリックします。
- 接続方法の選択:
- Connection String: MongoDB URIを指定して接続するのが最も柔軟な方法です。
mongodb://localhost:27017/
のような形式の文字列を入力します。 - Fill in connection fields individually: ホスト名、ポート番号、認証情報などを個別に入力します。
- Connection String: MongoDB URIを指定して接続するのが最も柔軟な方法です。
- 接続設定:
- Hostname:
localhost
または MongoDBサーバーのIPアドレス/ホスト名。 - Port: デフォルトは
27017
。 - Authentication: 認証が必要な場合は、認証方式(Username/Passwordなど)を選択し、ユーザー名、パスワード、認証データベースを指定します。
- SSL: SSL/TLS接続が必要な場合に設定します。
- Hostname:
- 接続: 設定を入力したら、「Connect」ボタンをクリックします。
接続に成功すると、サーバーの概要画面が表示され、データベースの一覧を確認できます。
5.4 Compassを使ったデータベース操作
CompassのGUIを使って、様々な操作を直感的に行うことができます。
- データベース/コレクションの表示: 左側のナビゲーションペインにデータベース一覧が表示され、各データベースを展開するとコレクション一覧が表示されます。
- コレクションの操作: コレクション名をクリックすると、そのコレクションに含まれるドキュメントの一覧が表示されます。
- ドキュメントの表示/編集/削除: ドキュメント一覧で各ドキュメントをクリックすると詳細が表示され、GUIを使ってフィールドの編集やドキュメント自体の削除が行えます。
- 新しいドキュメントの追加: コレクション画面で「Add Data」ボタンなどをクリックし、「Insert Document」を選択すると、新しいドキュメントを追加するためのエディタが開きます。JSON形式でドキュメントを入力して保存します。
- クエリの実行: コレクション画面の上部にある「Filter」バーに、JSON形式でクエリ条件を入力してEnterキーを押すと、条件に一致するドキュメントだけが表示されます。プロジェクションやソート、スキップ、リミットなどもGUIで設定できます。
- Explain Plan: クエリバーの隣にあるボタンをクリックすると、クエリの実行計画を表示し、パフォーマンスの問題を特定するのに役立ちます。
- インデックス管理: コレクション画面の「Indexes」タブで、コレクションに定義されているインデックスを確認したり、新しいインデックスを作成したりできます。
- スキーマ分析: コレクション画面の「Schema」タブで、コレクション内のドキュメントのスキーマをサンプリングして視覚化し、フィールドのデータ型分布などを確認できます。
Compassは、mongosh
コマンドに慣れていない段階では、データの確認や簡単な操作を行うのに非常に便利です。まずはCompassでデータを視覚的に触ってみることをお勧めします。
6. アプリケーションからの接続
MongoDBは様々なプログラミング言語用の公式ドライバーを提供しています。これにより、あなたのアプリケーションからMongoDBに接続し、データベース操作を行うことができます。ここでは主要な言語での接続方法の概要と簡単なコード例を示します。
アプリケーションからの接続も、基本的にはMongoDB URI (接続文字列) を使用します。
6.1 接続文字列 (Connection String URI)
MongoDB URIは、MongoDBサーバーへの接続に必要な情報(ホスト、ポート、認証情報、接続オプションなど)を一つの文字列にまとめたものです。一般的な形式は以下のようになります。
mongodb://[username:password@]host1[:port1][,...hostN[:portN]]/[databaseName][?options]
mongodb://
: スキーム。レプリカセットの場合はmongodb+srv://
を使うこともあります(SRVレコードを使ってホスト名を解決)。username:password@
: 認証が必要な場合にユーザー名とパスワードを指定します。host1[:port1][,...hostN[:portN]]
: 接続先ホストとポートのリスト。単一のサーバーなら一つだけ指定します。レプリカセットの場合は複数のメンバーを指定します。/databaseName
: 接続後にデフォルトで使用するデータベース名。指定しなくても接続できますが、認証データベースを指定する際などに必要になります。?options
: クエリパラメータ形式で追加の接続オプションを指定します(例:authSource=admin&ssl=true
)。
例:
* mongodb://localhost:27017/
: ローカルホストのデフォルトポートに接続。
* mongodb://user:[email protected]:27017/myappdb
: 認証付きでリモートのmyappdb
データベースに接続。
* mongodb://mongo1:27017,mongo2:27017,mongo3:27017/?replicaSet=myReplicaSet
: レプリカセットに接続。
6.2 主要言語での接続例
Node.js
公式ドライバーmongodb
パッケージを使用します。MongooseのようなODM(Object Data Modeling)ライブラリも人気があります。
bash
npm install mongodb
“`javascript
const { MongoClient } = require(‘mongodb’);
// Connection URI
const uri = “mongodb://localhost:27017”;
// Database Name
const dbName = ‘myappdb’;
// Create a new MongoClient
const client = new MongoClient(uri);
async function run() {
try {
// Connect the client to the server (optional starting in v4.7)
await client.connect();
// Establish and verify connection
const db = client.db(dbName);
console.log("Connected successfully to server");
// Perform database operations here
// const collection = db.collection('documents');
// const insertResult = await collection.insertOne({ a: 1 });
// console.log('Inserted document:', insertResult.insertedId);
} finally {
// Ensures that the client will close when you finish/error
await client.close();
}
}
run().catch(console.error);
“`
Python
公式ドライバーPyMongoを使用します。
bash
pip install pymongo
“`python
from pymongo import MongoClient
Connection URI
uri = “mongodb://localhost:27017/”
Create a new client and connect to the server
client = MongoClient(uri)
try:
# Send a ping to confirm a successful connection
client.admin.command(‘ping’)
print(“Pinged your deployment. You successfully connected to MongoDB!”)
# Specify the database and collection
db = client.myappdb
# collection = db.mycollection
# collection.insert_one({"hello": "world"})
except Exception as e:
print(e)
finally:
# Close the connection
client.close()
“`
Java
公式ドライバーMongoDB Java Driverを使用します。MavenやGradleなどの依存関係管理ツールでプロジェクトに追加します。
Mavenの場合(pom.xml
に追記):
xml
<dependency>
<groupId>org.mongodb</groupId>
<artifactId>mongodb-driver-sync</artifactId>
<version>4.x.x</version> <!-- 使用するバージョンを指定 -->
</dependency>
“`java
import com.mongodb.client.MongoClient;
import com.mongodb.client.MongoClients;
import com.mongodb.client.MongoDatabase;
import com.mongodb.ConnectionString;
public class MongoDBConnection {
public static void main(String[] args) {
// Connection URI
String connectionString = “mongodb://localhost:27017/”;
// Create a new client and connect to the server
try (MongoClient mongoClient = MongoClients.create(connectionString)) {
// Send a ping to confirm a successful connection
mongoClient.getDatabase("admin").runCommand(new org.bson.Document("ping", 1));
System.out.println("Pinged your deployment. You successfully connected to MongoDB!");
// Specify the database
MongoDatabase database = mongoClient.getDatabase("myappdb");
// Perform database operations here
// database.getCollection("mycollection").insertOne(new org.bson.Document("hello", "world"));
} catch (Exception e) {
e.printStackTrace();
}
}
}
“`
Go
公式ドライバーmongo-go-driver
を使用します。
bash
go get go.mongodb.org/mongo-driver/mongo
“`go
package main
import (
“context”
“fmt”
“log”
“time”
"go.mongodb.org/mongo-driver/mongo"
"go.mongodb.org/mongo-driver/mongo/options"
"go.mongodb.org/mongo-driver/bson"
)
func main() {
// Connection URI
uri := “mongodb://localhost:27017/”
// Create a new client and connect to the server
client, err := mongo.Connect(context.TODO(), options.Client().ApplyURI(uri))
if err != nil {
log.Fatal(err)
}
defer func() {
if err = client.Disconnect(context.TODO()); err != nil {
panic(err)
}
}()
// Send a ping to confirm a successful connection
var result bson.M
if err := client.Database("admin").RunCommand(context.TODO(), bson.D{{"ping", 1}}).Decode(&result); err != nil {
log.Fatal(err)
}
fmt.Println("Pinged your deployment. You successfully connected to MongoDB!")
// Specify the database and collection
// database := client.Database("myappdb")
// collection := database.Collection("mycollection")
// Optional: insert a document
// ctx, cancel := context.WithTimeout(context.Background(), 10*time.Second)
// defer cancel()
// res, err := collection.InsertOne(ctx, bson.D{{"hello", "world"}})
// if err != nil {
// log.Fatal(err)
// }
// fmt.Printf("Inserted document with ID %v\n", res.InsertedID)
}
“`
これらの例は基本的な接続を示すもので、実際のアプリケーションでは接続プーリング、エラーハンドリング、認証、SSL、タイムアウト設定など、より堅牢な実装が必要です。各言語の公式ドライバーのドキュメントを参照して、詳細な使い方を確認してください。
7. ユーザー認証とセキュリティ
開発目的でローカル環境にMongoDBをインストールした場合、デフォルト設定では認証が無効になっていることが多いです。これは非常に危険な状態であり、インターネットに公開されている環境や、セキュリティが求められる環境では、必ず認証を有効にする必要があります。
7.1 デフォルト設定の危険性
認証が無効なデフォルト設定では、MongoDBサーバーに接続できる全てのユーザーが、あらゆるデータベースに対して管理者権限を含む全ての操作(データの読み書き、削除、データベースの削除、ユーザー作成など)を行うことができます。もしサーバーが外部からアクセス可能な状態になっていると、不正アクセスによってデータが盗まれたり、破壊されたりするリスクが非常に高まります。
7.2 認証の有効化
認証を有効にするには、MongoDBサーバーの設定ファイル(mongod.conf
)を編集し、security.authorization: enabled
の行を追加または有効化します。
yaml
security:
authorization: enabled
設定ファイルを編集したら、MongoDBサーバーを再起動します。
サーバーが認証有効状態で起動すると、認証情報なしでの接続は制限された操作(例えば、一部の管理コマンドや、認証を必要としないデータベースへのアクセス)しかできなくなります。データベースへのフルアクセスを行うには、有効なユーザーとして認証を受ける必要があります。
7.3 管理者ユーザーの作成
認証を有効にした直後は、データベースにアクセスできるユーザーが一人もいません。この状態では認証が必要な操作ができないため、まずは管理権限を持つユーザーを作成する必要があります。
認証を有効にしたばかりのMongoDBサーバーに、一時的にlocalhostからの接続に限り認証なしでフルアクセスを許可するモード(--bind_ip localhost --auth
と起動した状態など)や、管理者ユーザーがまだ存在しない状態で認証を有効にした場合の特別なプロセス(最初に認証なしで接続し、管理者ユーザーを作成するなど)がある場合があります。公式ドキュメントで正確な手順を確認することを強く推奨します。
一般的な手順としては、認証有効後、localhostから認証なしで(または認証済みユーザーとして)mongosh
に接続し、admin
データベースで管理者ユーザーを作成します。
bash
mongosh --nodb # どのデータベースにも接続せずに起動
シェルが起動したら、admin
データベースに切り替えます。
javascript
use admin
管理者ユーザーを作成します。例としてmongoAdmin
というユーザー名とpassword123
というパスワード、root
ロールを付与します。
javascript
db.createUser(
{
user: "mongoAdmin",
pwd: passwordPrompt(), // パスワードはプロンプトで安全に入力
roles: [ { role: "root", db: "admin" } ] // rootロールは全てのデータベースに対する全ての権限を持つ
}
)
passwordPrompt()
を使うと、パスワード入力時にエコーバックされません。プロンプトが表示されたらパスワードを入力してください。
ユーザー作成が成功したら、一旦シェルを終了します。
7.4 認証を有効にした状態での接続
管理者ユーザーを作成したら、次回からは認証情報を提供して接続する必要があります。
mongoshでの接続:
bash
mongosh "mongodb://mongoAdmin@localhost:27017/admin" --password
または
bash
mongosh --host localhost --port 27017 --authenticationDatabase admin --username mongoAdmin --password
パスワードはコマンドライン引数で直接指定するよりも、--password
オプションを使ってプロンプトで入力する方が安全です。--authenticationDatabase admin
は、ユーザーがどのデータベースで認証されたかを指定します(多くの場合admin
データベース)。
Compassでの接続:
接続設定時に「Authentication」オプションを選択し、「Username / Password」を選びます。
* Username
: mongoAdmin
* Password
: 作成したパスワードを入力
* Authentication Database
: admin
アプリケーションからの接続:
接続文字列やドライバーのオプションで認証情報を指定します。
javascript
// Node.js
const uri = "mongodb://mongoAdmin:password123@localhost:27017/?authSource=admin";
const client = new MongoClient(uri);
“`python
Python
uri = “mongodb://mongoAdmin:password123@localhost:27017/?authSource=admin”
client = MongoClient(uri)
``
authSource=admin`オプションは、認証に使用するデータベースを指定します。
7.5 その他のセキュリティ対策
- IPバインディング:
mongod.conf
のnet.bindIp
設定で、MongoDBサーバーがリッスンするIPアドレスを制限します。デフォルトは127.0.0.1
(localhostのみ)ですが、もし外部からのアクセスが必要な場合でも、信頼できるIPアドレスのみに限定し、0.0.0.0
のように全てのインターフェースでリッスンするのは避けるべきです。 - ファイアウォール設定: サーバーが稼働しているOSやネットワークのファイアウォールで、MongoDBが使用するポート(デフォルト27017)へのアクセスを、必要なIPアドレスまたはネットワークからのみに制限します。
- 最小権限の原則: アプリケーションや各ユーザーには、そのタスクを遂行するために必要最小限の権限のみを持つユーザーアカウントを割り当てます。
root
ロールのような広範な権限を持つユーザーは、管理目的以外で使用すべきではありません。 - SSL/TLS: 可能であれば、クライアントとサーバー間の通信を暗号化するためにSSL/TLSを有効にします。
- ログの監視: ログファイル(
mongod.log
)を定期的に監視し、不正な接続試行やエラーがないか確認します。
セキュリティはデータベース運用において非常に重要です。特に本番環境にデプロイする前に、これらの基本的なセキュリティ対策を必ず実施してください。
8. 高度なトピック(概要)
ここまでで、MongoDBのインストールから接続、基本的な操作、そしてセキュリティの基礎を学びました。MongoDBにはさらに多くの強力な機能がありますが、ここでは入門として、次に学ぶべき高度なトピックをいくつか紹介します。
- レプリカセット (Replica Sets): データの冗長性を提供し、高可用性を実現するための機能です。複数のMongoDBサーバーのインスタンス(メンバー)が連携し、データの複製を維持します。プライマリメンバーで書き込みが行われ、セカンダリメンバーに複製されます。プライマリが利用できなくなった場合、セカンダリメンバーの中から新しいプライマリが自動的に選出されます。
- シャーディング (Sharding): 大規模なデータセットや高スループットのワークロードを扱うために、データを複数のサーバー(シャード)に分散させる機能です。これにより、単一サーバーの容量や性能の限界を超えてスケーリングできます。
- インデックス (Indexes): クエリのパフォーマンスを劇的に向上させるために使用されます。RDBMSと同様に、特定のフィールドにインデックスを作成することで、ドキュメント全体をスキャンすることなく高速に検索できるようになります。様々なインデックスタイプ(単一フィールド、複合、マルチキー、テキスト、ジオ空間など)があります。
- 集約フレームワーク (Aggregation Framework): 複雑なデータ変換や集計処理を行うための強力な機能です。複数の「ステージ」(例:
$match
でフィルタリング、$group
でグループ化、$project
でフィールド整形)をパイプラインとして繋ぎ、データの変換や分析を行います。SQLのGROUP BY
や集計関数に相当する機能や、それ以上の柔軟なデータ処理が可能です。 - MongoDB Atlas (クラウドサービス): MongoDBが提供するフルマネージドなクラウドデータベースサービスです。AWS, Azure, Google Cloud Platform上で利用でき、インストールや運用の手間なく、スケーラブルで高可用性なMongoDBクラスターを簡単に構築・運用できます。本番環境での利用を検討する際には、有力な選択肢となります。
これらのトピックは、より本格的にMongoDBを利用する際に不可欠な知識となります。まずは基本をしっかり押さえた上で、必要に応じてこれらの機能を学んでいくと良いでしょう。
9. まとめと次のステップ
この記事では、MongoDBを始めるための最初のステップとして、インストールから接続、そして基本的な操作方法までを詳細に解説しました。主要なOSでのインストール手順、MongoDBサーバーの起動方法、コマンドラインツールmongosh
とGUIツールCompassの使い方、アプリケーションからの基本的な接続方法、そして入門として絶対に知っておくべきセキュリティ(認証の有効化とユーザー作成)について学びました。
これで、あなたのローカル環境にMongoDBをセットアップし、簡単なデータの読み書きができるようになったはずです。MongoDBの柔軟なドキュメントモデルと、mongosh
やCompassを使った直感的な操作感を体験できたのではないでしょうか。
MongoDBの世界は広く、この記事で触れたのはそのほんの一部に過ぎません。次に学ぶべきことは、あなたの目的や興味によって異なりますが、以下のようなステップを検討すると良いでしょう。
- より複雑なクエリ:
find()
メソッドの多様なクエリセレクター、集約フレームワークを使ったデータ分析など。 - インデックスの最適化: クエリパフォーマンスを改善するためのインデックスの設計と利用。
- データモデリング: MongoDBのドキュメント指向の特性を活かした効果的なデータモデル設計(エンベデッドとリファレンスの使い分けなど)。
- レプリケーションとシャーディング: 高可用性とスケーラビリティを実現するための仕組み。
- MongoDBドライバーの詳細: あなたが使うプログラミング言語の公式ドライバーの機能を深く理解し、アプリケーションに組み込む方法。
- 運用の基礎: バックアップとリストア、監視、パフォーマンスチューニングなど。
MongoDBの公式ドキュメントは非常に充実しており、学習リソースとして最適です。また、MongoDB Universityでは無料のオンラインコースが提供されており、体系的に学ぶことができます。
NoSQLデータベース、特にドキュメント指向のMongoDBは、現代の多くのアプリケーション開発において強力なツールとなり得ます。この記事が、あなたがMongoDBを使いこなし、素晴らしいアプリケーションを開発するための一助となれば幸いです。
MongoDBの学習は始まったばかりです。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう!