Vue.jsを始めるならコレ!初心者向けチュートリアル完全版

Vue.jsを始めるならコレ!初心者向けチュートリアル完全版

Vue.js は、ユーザーインターフェースを構築するためのプログレッシブなJavaScriptフレームワークです。シンプルで学習曲線が緩やかなため、初心者でも比較的簡単に習得でき、大規模なシングルページアプリケーション(SPA)から、既存のウェブサイトへのインタラクティブな要素の追加まで、幅広い用途に対応できます。

このチュートリアルでは、Vue.jsの基礎から応用までを網羅し、実際に手を動かしながら理解を深めることができます。Vue.jsを始める上で必要な知識をステップバイステップで解説していくので、ぜひ最後までお読みください。

1. Vue.jsとは? なぜVue.jsを選ぶのか?

1.1 Vue.jsの概要

Vue.jsは、データのバインディング、コンポーネントベースのアーキテクチャ、リアクティブな更新など、現代的なウェブ開発に必要な機能を備えています。特徴的なのは、そのプログレッシブな性質です。既存のプロジェクトに少しずつ導入することも、完全に新しいアプリケーションを構築することも可能です。

1.2 Vue.jsを選ぶメリット

  • 学習コストの低さ: 他のJavaScriptフレームワークと比較して、Vue.jsは学習曲線が緩やかです。基本的なHTML、CSS、JavaScriptの知識があれば、すぐにVue.jsの開発を始めることができます。
  • 柔軟性: Vue.jsは、様々な規模のプロジェクトに対応できます。小さなウェブサイトのインタラクティブな要素から、大規模なシングルページアプリケーションまで、幅広い用途に適用できます。
  • ドキュメントの充実度: Vue.jsの公式ドキュメントは非常に分かりやすく、丁寧に書かれています。様々な情報が網羅されており、開発中に困ったことがあっても、ドキュメントを参照することで解決できることが多いです。
  • 豊富なエコシステム: Vue.jsは、活発なコミュニティと豊富なエコシステムを持っています。Vuex (状態管理)、Vue Router (ルーティング)、Vue CLI (プロジェクトの作成)など、様々なライブラリやツールが利用可能です。
  • パフォーマンスの高さ: Vue.jsは、仮想DOMを使用しており、効率的なレンダリングを実現しています。パフォーマンスが高く、スムーズなユーザーエクスペリエンスを提供できます。
  • SEO対策の容易さ: Vue.jsは、サーバーサイドレンダリング(SSR)に対応しています。SEO対策が必要なウェブサイトでも、Vue.jsを安心して利用できます。

1.3 Vue.jsのデメリット

  • 大規模プロジェクトでの複雑さ: Vue.js自体はシンプルですが、大規模なプロジェクトになると、状態管理やコンポーネント間の連携などが複雑になることがあります。Vuexなどのライブラリを利用することで、複雑さを軽減できます。
  • 日本語情報の少なさ: 英語のドキュメントや情報と比較すると、日本語のドキュメントや情報はまだ少ないです。しかし、コミュニティの活動が活発化しており、日本語の情報も徐々に増えています。

2. 開発環境の準備

Vue.jsの開発を始める前に、いくつかの準備が必要です。

2.1 Node.jsとnpm (または yarn) のインストール

Vue.jsの開発には、Node.jsとnpm (Node Package Manager)が必要です。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するための環境であり、npmは、JavaScriptのパッケージを管理するためのツールです。

  • Node.jsのインストール: Node.jsの公式サイト (https://nodejs.org/ja/) から、最新の推奨版 (LTS) をダウンロードしてインストールしてください。
  • npmの確認: Node.jsをインストールすると、npmも自動的にインストールされます。ターミナルで npm -v コマンドを実行し、npmのバージョンが表示されれば、インストールは成功です。

yarnもnpmと同様にパッケージマネージャーとして利用できます。npmに比べて高速なインストールやキャッシュの効率化などのメリットがあります。

  • yarnのインストール: ターミナルで npm install -g yarn コマンドを実行してyarnをグローバルにインストールします。
  • yarnの確認: ターミナルで yarn -v コマンドを実行し、yarnのバージョンが表示されれば、インストールは成功です。

2.2 Visual Studio Code (または任意のテキストエディタ) のインストール

コードを書くためのテキストエディタが必要です。Visual Studio Code (VSCode) は、拡張機能が豊富で、Vue.jsの開発に適したエディタです。

  • VSCodeのインストール: VSCodeの公式サイト (https://code.visualstudio.com/) からダウンロードしてインストールしてください。
  • Vue.jsの拡張機能のインストール: VSCodeでVue.jsの開発をより快適にするために、以下の拡張機能をインストールすることをおすすめします。
    • Vetur: Vue.jsの構文ハイライト、コード補完、エラーチェックなど、開発をサポートする機能を提供します。
    • ESLint: コードの品質を保つためのリンターです。Vue.jsのコーディング規約に沿ったコードを書くことができます。
    • Prettier: コードを自動的に整形するツールです。コードの可読性を高めることができます。

2.3 Vue CLIのインストール (推奨)

Vue CLI (Command Line Interface) は、Vue.jsのプロジェクトを簡単に作成するためのツールです。Vue CLIを使うことで、開発環境の構築やビルドの設定などを自動化できます。

  • Vue CLIのインストール: ターミナルで npm install -g @vue/cli コマンドを実行してVue CLIをグローバルにインストールします。または、yarnを使用する場合は、yarn global add @vue/cli コマンドを実行します。
  • Vue CLIの確認: ターミナルで vue --version コマンドを実行し、Vue CLIのバージョンが表示されれば、インストールは成功です。

3. Vue CLIを使ったプロジェクトの作成

Vue CLIを使って、新しいVue.jsプロジェクトを作成してみましょう。

3.1 プロジェクトの作成

ターミナルで、プロジェクトを作成したいディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

bash
vue create my-vue-project

my-vue-project は、プロジェクト名です。任意のプロジェクト名に変更してください。

コマンドを実行すると、いくつかの質問が表示されます。

  • Please pick a preset: プリセットを選択します。default ([Vue 2] babel, eslint) または default ([Vue 3] babel, eslint) を選択すると、基本的な設定でプロジェクトが作成されます。Manually select features を選択すると、必要な機能を自分で選択できます。
  • Choose Vue version: Vue 2 または Vue 3 を選択します。Vue 3 は最新バージョンであり、多くの改善が加えられています。

プリセットを選択すると、プロジェクトの作成が開始されます。

3.2 プロジェクトの起動

プロジェクトの作成が完了したら、ターミナルでプロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

bash
cd my-vue-project
npm run serve

または、yarnを使用する場合は、以下のコマンドを実行します。

bash
cd my-vue-project
yarn serve

コマンドを実行すると、開発サーバーが起動し、ブラウザでプロジェクトにアクセスできます。通常は、http://localhost:8080/ でアクセスできます。

4. Vue.jsの基本的な構文

Vue.jsの基本的な構文を理解することで、Vue.jsの機能を最大限に活用できます。

4.1 インスタンスの作成

Vue.jsのアプリケーションは、Vueインスタンスから始まります。Vueインスタンスは、HTML要素にマウントされ、その要素をVue.jsの管理下に置きます。

javascript
new Vue({
el: '#app',
data: {
message: 'Hello Vue!'
}
})

  • el: VueインスタンスをマウントするHTML要素のIDを指定します。上記の例では、#app というIDを持つ要素にマウントされます。
  • data: Vueインスタンス内で使用するデータを定義します。上記の例では、message という名前の変数に、Hello Vue! という文字列が格納されています。

4.2 データバインディング

データバインディングは、Vue.jsの最も重要な機能の一つです。データバインディングを使用することで、HTML要素とVueインスタンスのデータを連携させることができます。

  • テキストのバインディング: {{ message }} のように、二重中括弧 ({{ }}) を使用して、VueインスタンスのデータをHTML要素に表示できます。

“`html

{{ message }}

“`

上記の例では、message 変数の値が、<p> 要素の中に表示されます。

  • 属性のバインディング: v-bind: ディレクティブを使用すると、HTML要素の属性にVueインスタンスのデータをバインドできます。

“`html

“`

上記の例では、imageUrl 変数の値が、<img> 要素の src 属性にバインドされます。v-bind: は、省略して : と書くこともできます。

“`html

“`

4.3 ディレクティブ

ディレクティブは、HTML要素に特別な動作を追加するための属性です。Vue.jsには、様々なディレクティブが用意されています。

  • v-if / v-else / v-else-if: 条件付きで要素を表示/非表示にするために使用します。

“`html

表示されます

非表示です

“`

上記の例では、isVisible 変数が true の場合は、最初の <p> 要素が表示され、false の場合は、2番目の <p> 要素が表示されます。

  • v-for: 配列やオブジェクトをループ処理し、要素を繰り返し表示するために使用します。

“`html

  • {{ item.name }}

“`

上記の例では、items 配列の要素をループ処理し、各要素の name プロパティを <li> 要素の中に表示します。:key 属性は、Vue.jsが効率的にリストを更新するために必要な属性です。

  • v-on: イベントをリッスンし、Vueインスタンスのメソッドを呼び出すために使用します。

“`html

“`

上記の例では、<button> 要素がクリックされたときに、handleClick メソッドが呼び出されます。v-on: は、省略して @ と書くこともできます。

“`html

“`

4.4 メソッド

メソッドは、Vueインスタンス内で定義された関数です。メソッドは、イベントハンドラーや、データの加工など、様々な処理を実行するために使用されます。

javascript
new Vue({
el: '#app',
data: {
message: 'Hello Vue!'
},
methods: {
handleClick: function() {
alert('クリックされました!');
}
}
})

上記の例では、handleClick という名前のメソッドが定義されています。このメソッドは、アラートを表示します。

4.5 コンポーネント

コンポーネントは、Vue.jsのアプリケーションを構築するための基本的な構成要素です。コンポーネントは、再利用可能なUI要素をカプセル化し、複雑なアプリケーションをより管理しやすい小さな部品に分割することができます。

“`javascript
// コンポーネントの定義
Vue.component(‘my-component’, {
template: ‘

これはコンポーネントです!


})

// Vueインスタンスの作成
new Vue({
el: ‘#app’
})
“`

“`html

“`

上記の例では、my-component という名前のコンポーネントが定義されています。このコンポーネントは、<div>これはコンポーネントです!</div> というHTMLをレンダリングします。<my-component> タグをHTMLに記述することで、コンポーネントを使用できます。

5. Vue Routerを使ったルーティング

Vue Routerは、Vue.jsのシングルページアプリケーション(SPA)でルーティングを管理するための公式ライブラリです。Vue Routerを使用することで、URLに応じて異なるコンポーネントを表示することができます。

5.1 Vue Routerのインストール

ターミナルで、プロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

bash
npm install vue-router

または、yarnを使用する場合は、以下のコマンドを実行します。

bash
yarn add vue-router

5.2 ルーティングの設定

src ディレクトリに router というディレクトリを作成し、index.js というファイルを作成します。index.js ファイルに、ルーティングの設定を記述します。

“`javascript
// router/index.js
import Vue from ‘vue’
import VueRouter from ‘vue-router’
import Home from ‘../components/Home.vue’
import About from ‘../components/About.vue’

Vue.use(VueRouter)

const routes = [
{
path: ‘/’,
name: ‘Home’,
component: Home
},
{
path: ‘/about’,
name: ‘About’,
component: About
}
]

const router = new VueRouter({
mode: ‘history’,
base: process.env.BASE_URL,
routes
})

export default router
“`

  • import Vue from 'vue'import VueRouter from 'vue-router' で、Vue.jsとVue Routerをインポートします。
  • Vue.use(VueRouter) で、Vue RouterをVue.jsに登録します。
  • routes 配列に、ルーティングの定義を記述します。
    • path: URLのパスを指定します。
    • name: ルートの名前を指定します。
    • component: パスに対応するコンポーネントを指定します。
  • new VueRouter({ ... }) で、Vue Routerインスタンスを作成します。
    • mode: ルーティングのモードを指定します。history モードは、URLにハッシュ (#) が含まれない、より自然なURLを使用します。
    • base: アプリケーションのベースURLを指定します。
    • routes: ルーティングの定義を指定します。
  • export default router で、Vue Routerインスタンスをエクスポートします。

5.3 ルーティングの使用

src/main.js ファイルを編集し、Vue Routerをインポートして、Vueインスタンスに登録します。

“`javascript
// src/main.js
import Vue from ‘vue’
import App from ‘./App.vue’
import router from ‘./router’

Vue.config.productionTip = false

new Vue({
router,
render: h => h(App)
}).$mount(‘#app’)
“`

  • import router from './router' で、Vue Routerインスタンスをインポートします。
  • new Vue({ router, ... }) で、Vue RouterインスタンスをVueインスタンスに登録します。

src/App.vue ファイルを編集し、<router-view> コンポーネントを追加します。

“`vue

“`

<router-view> コンポーネントは、現在のアクティブなルートに対応するコンポーネントを表示します。

リンクを作成するには、<router-link> コンポーネントを使用します。

“`vue

“`

<router-link to="/path">Link Text</router-link> は、<a> タグに変換されます。

6. Vuexを使った状態管理

Vuexは、Vue.jsのアプリケーションの状態管理パターン + ライブラリです。Vuexを使用することで、アプリケーションの状態を一元的に管理し、コンポーネント間で状態を共有することができます。

6.1 Vuexのインストール

ターミナルで、プロジェクトのディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します。

bash
npm install vuex

または、yarnを使用する場合は、以下のコマンドを実行します。

bash
yarn add vuex

6.2 Vuexストアの作成

src ディレクトリに store というディレクトリを作成し、index.js というファイルを作成します。index.js ファイルに、Vuexストアの設定を記述します。

“`javascript
// store/index.js
import Vue from ‘vue’
import Vuex from ‘vuex’

Vue.use(Vuex)

export default new Vuex.Store({
state: {
count: 0
},
mutations: {
increment (state) {
state.count++
},
decrement (state) {
state.count–
}
},
actions: {
increment (context) {
context.commit(‘increment’)
},
decrement (context) {
context.commit(‘decrement’)
}
},
getters: {
doubleCount: state => state.count * 2
}
})
“`

  • import Vue from 'vue'import Vuex from 'vuex' で、Vue.jsとVuexをインポートします。
  • Vue.use(Vuex) で、VuexをVue.jsに登録します。
  • new Vuex.Store({ ... }) で、Vuexストアを作成します。
    • state: アプリケーションの状態を定義します。上記の例では、count という名前の変数に、0 が格納されています。
    • mutations: 状態を更新するための関数を定義します。mutations は、同期的に 状態を更新する必要があります。
    • actions: mutations をコミットするための関数を定義します。actions は、非同期的な 処理を実行できます。
    • getters: 状態から派生した値を計算するための関数を定義します。

6.3 Vuexストアの使用

src/main.js ファイルを編集し、Vuexストアをインポートして、Vueインスタンスに登録します。

“`javascript
// src/main.js
import Vue from ‘vue’
import App from ‘./App.vue’
import store from ‘./store’

Vue.config.productionTip = false

new Vue({
store,
render: h => h(App)
}).$mount(‘#app’)
“`

コンポーネントでVuexストアを使用するには、this.$store を使用します。

“`vue

“`

  • mapState: Vuexストアの state をコンポーネントの computed プロパティにマップします。
  • mapGetters: Vuexストアの getters をコンポーネントの computed プロパティにマップします。
  • mapActions: Vuexストアの actions をコンポーネントの methods プロパティにマップします。

7. その他の便利な機能

Vue.jsには、他にも便利な機能がたくさんあります。

  • Computed プロパティ: 依存関係に基づいて値を動的に計算します。データの変更に応じて自動的に更新されるため、複雑なロジックをテンプレートに記述する必要がなくなります。
  • Watch プロパティ: 特定のデータの変更を監視し、変更があった場合に特定の処理を実行します。データの変更に応じて非同期処理を実行する場合などに便利です。
  • ライフサイクル: コンポーネントの作成、マウント、更新、破棄などのライフサイクルイベントに応じて処理を実行できます。コンポーネントの初期化やデータの取得などに使用します。

8. まとめと今後の学習

このチュートリアルでは、Vue.jsの基礎から応用までを学びました。Vue.jsは、シンプルで強力なフレームワークであり、様々なウェブアプリケーションを構築できます。

今後の学習としては、以下のことをおすすめします。

  • 公式ドキュメント: Vue.jsの公式ドキュメントは非常に充実しています。より深く理解するために、公式ドキュメントを読み込むことをおすすめします。
  • チュートリアル: Vue.jsに関するチュートリアルはたくさんあります。様々なチュートリアルを試してみることで、Vue.jsの理解を深めることができます。
  • コミュニティ: Vue.jsのコミュニティは活発です。コミュニティに参加して、他の開発者と交流することで、Vue.jsの知識を深めることができます。
  • 実践: 実際にウェブアプリケーションを構築することで、Vue.jsのスキルを向上させることができます。

Vue.jsは、継続的に進化しているフレームワークです。常に新しい情報を収集し、学習を続けることで、より高度なウェブアプリケーションを構築できるようになります。

このチュートリアルが、あなたのVue.js学習の助けになれば幸いです。頑張ってください!

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