はい、承知いたしました。B’zの入門ガイドとして、歴史、代表曲、そして魅力を初心者向けに徹底的に掘り下げた記事を作成します。約5000語を目指します。
B’z入門ガイド:歴史、代表曲、魅力を初心者向けに徹底紹介
はじめに:日本のロックシーンに君臨する「絶対王者」
あなたは「B’z」という名前を聞いたことがありますか? もしかしたら、彼らの曲をテレビや街角で耳にしたことがあるかもしれません。彼らは1988年のデビュー以来、日本の音楽シーンの最前線を走り続け、「最もCDを売り上げたアーティスト」としてギネス世界記録にも認定されている、まさに「生ける伝説」です。
しかし、彼らのキャリアは30年以上にも及び、発表した楽曲は数知れず、その活動は多岐にわたります。あまりにも偉大すぎて、「どこから聴けばいいの?」「どんな人たちなの?」と、かえって近づきがたく感じている初心者の方もいるかもしれません。
この記事は、そんな「B’zを知りたい!」というあなたのために書かれた、徹底的な入門ガイドです。彼らの結成の物語から、国民的アーティストへと駆け上がるまでの歴史、彼らの音楽を形作る二人の人物像、時代と共に変化してきた音楽性、そして数ある名曲・代表曲の中から「まずはこれだけ聴いてほしい」という必聴リスト、さらには多くの人々を魅了してやまない彼らの「ライブ」を含むその魅力の秘密まで、初心者の方にも分かりやすく、丁寧に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、きっとあなたもB’zの音楽の世界に足を踏み入れたくなっているはずです。さあ、日本のロックシーンの頂点に立つ「絶対王者」B’zの魅力的な世界への扉を開きましょう。
第1章:B’zとは? その偉大な軌跡 – 出会いから伝説へ
B’zは、ギターの松本孝弘とボーカルの稲葉浩志からなるロックユニットです。日本の音楽シーンでは珍しく、固定されたバンドメンバーを持たず、この二人を核として活動しています。まずは彼らがどのようにして出会い、日本の音楽史にその名を刻む存在となったのか、その軌跡を辿ってみましょう。
1.1 B’zを形作る二人:松本孝弘と稲葉浩志
B’zは、リーダーであるギタリストの松本孝弘(まつもと たかひろ)と、圧倒的な歌唱力を持つボーカリストの稲葉浩志(いなば こうし)、この二人のみで構成されるユニットです。楽曲の作曲は主に松本が、作詞とボーカルは稲葉が担当しています。彼らの強固な信頼関係と、それぞれの突出した才能が組み合わさることで、唯一無二の「B’zサウンド」が生まれています。
1.2 結成前夜:運命的な出会い
全ては、ギタリストとして既に高い評価を得ていた松本孝弘の構想から始まりました。当時、TM NETWORKなどのサポートギタリストとして活動し、自身のソロアルバムもリリースしていた松本は、「自分の音楽性を表現する、自分が主導権を握るユニットを組みたい」と考えていました。特に、ハイトーンボイスでダイナミックに歌い上げるボーカリストを探していました。
様々な候補を探す中で、彼の目に留まったのが、稲葉浩志でした。当時、大学院生だった稲葉は、友人とのバンド活動や、スタジオミュージシャンとして仮歌(デモテープに入れるボーカル)のアルバイトをしていました。松本は、とあるデモテープで歌っていた稲葉の声に衝撃を受けます。その伸びやかで力強い高音、そして他にはない独特の響きを持った声に、「これだ!」と直感したのです。
1988年、松本は稲葉に接触し、オーディションという形で歌声を聴きます。この時、松本のスタジオで初めて顔を合わせた二人は、互いの才能に強く惹かれ合います。特に稲葉は、松本の卓越したギタープレイと音楽的センスに圧倒されました。こうして、運命的な出会いを果たした二人は、「B’z」としての活動を開始することを決めます。ユニット名である「B’z」は、「Blues」のB、「Jazz」の’z、あるいは単にインパクトのある名前として考えられたなど諸説ありますが、松本と稲葉のイニシャル(MとI)に続くアルファベット(NからZ)から取られたという説が有力です。
1.3 衝撃のデビュー (1988年)
結成後、二人はすぐに楽曲制作に取りかかります。そして、1988年9月21日、シングル「だからその手を離して」とアルバム『B’z』で同時にデビューを果たします。
当時の日本の音楽シーンは、アイドルやニューミュージック、バンドブームなどが混在する時代でした。B’zのデビューアルバムは、デジタルサウンドを取り入れた打ち込み系のサウンドに、稲葉のハイトーンボーカルと松本のギターソロが乗るという、当時としては比較的新しい、洗練されたポップロック路線でした。すぐに爆発的なヒットとなったわけではありませんでしたが、じわじわと注目を集めていきます。
1.4 ブレイク、そして国民的アーティストへ (1990年代)
B’zが一般層に広く認知され、ブレイクするきっかけとなったのは、1990年にリリースされた5thシングル「太陽のKomachi Angel」のヒットでした。それまでのデジタルサウンドから、より生音を重視した、ロック色の強いサウンドへと変化したこの楽曲が、オリコンチャートで初の1位を獲得します。
このヒットを皮切りに、彼らは日本の音楽シーンを席巻していきます。続くシングルも次々と大ヒットを記録。特に、テレビドラマ主題歌やCMソングに多数起用されたことで、彼らの楽曲は広くお茶の間に浸透していきました。
- 「LADY NAVIGATION」
- 「ALONE」
- 「BLOWIN’」
- 「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」
- 「裸足の女神」
- 「Don’t Leave Me」
- 「ZERO」
- 「LOVE PHANTOM」
- 「Calling」
これらの楽曲は、ミリオンセラーを連発し、彼らは瞬く間に日本のトップアーティストの仲間入りを果たします。この時期の彼らは、洗練されたポップさと骨太なロックサウンドを融合させ、キャッチーなメロディと稲葉のハイトーンボイス、そして松本のテクニカルかつ印象的なギターリフという強力な武器を確立しました。ライブ活動も精力的に行い、大規模な会場でのコンサートも行うようになります。
1.5 揺るぎない地位の確立 (1990年代後半~2000年代)
90年代後半に入っても、彼らの勢いは止まりません。むしろ、音楽性にはさらなる深みが増していきます。『SURVIVE』『Brotherhood』といったアルバムでは、よりバンドサウンドを意識した、ヘヴィーでブルージーなロックサウンドを追求。特に、ファンからの支持も厚いアルバム『Brotherhood』は、彼らの「ライブバンド」としての側面や、リスナーとの一体感を強く意識した作品となりました。
この頃には、スタジアムクラスの会場を満員にするアーティストとなり、そのライブパフォーマンスは常に最高の評価を得ていました。「Pleasure」と題されたベスト選曲のライブツアーは、ファンへの感謝を示す特別なものとして定着しました。
2000年代に入っても、「今夜月の見える丘に」「ultra soul」「熱き鼓動の果て」といった大ヒット曲を連発し、その揺るぎない地位を不動のものとします。「ultra soul」は、テレビ朝日系「世界水泳」のテーマソングとして国民的な認知度を誇り、その後の「世界水泳」でも何度もテーマソングを担当することになる、B’zの代表曲の一つとなりました。
1.6 止まらない進化:現在進行形のレジェンド (2000年代以降)
驚くべきは、彼らがそこで満足せず、常に新しい挑戦を続けていることです。2000年代後半以降も、コンスタントにアルバムリリースやライブツアーを行いながら、音楽性も多様化させていきます。ブルース、ファンク、デジタルロックなど、様々な要素を取り入れ、マンネリとは無縁の活動を続けています。
特筆すべきは、彼らの海外での活動です。英語詞による楽曲を発表したり、海外の著名なミュージシャンとのコラボレーションを行ったり、アメリカでのライブツアーも成功させています。松本孝弘は、2011年にはグラミー賞において、ラリー・カールトンとの共作アルバム『TAKE YOUR PICK』で「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」を受賞するという快挙を成し遂げました。これは、日本のアーティストとしては初の快挙であり、彼の世界的なギタリストとしての評価を決定づける出来事でした。
結成から30年以上が経過した現在も、B’zは立ち止まることなく活動を続けています。アリーナツアー、ドームツアー、そしてスタジアムツアーを成功させ、常に最高の音楽とライブパフォーマンスをファンに届け続けています。彼らはもはや単なる人気アーティストではなく、日本の音楽史そのものの一部であり、多くの後続アーティストに影響を与え続ける、現在進行形のレジェンドなのです。
第2章:B’zを形作る二人 – 魂のギタリストと孤高のヴォーカリスト
B’zの最大の魅力は、何と言っても松本孝弘と稲葉浩志、この二人の個性と才能が織りなすケミストリーにあります。彼らそれぞれが持つ音楽性、プレイスタイル、ボーカルスタイル、そして作詞作曲における役割を見ていきましょう。
2.1 魂のギタリスト:松本孝弘
松本孝弘は、B’zのリーダーであり、ほぼ全ての楽曲の作曲を手がけるコンポーザー、サウンドプロデューサーです。そして何よりも、世界的に認められている卓越したギタリストです。
彼のギタープレイは、ヘヴィーなリフから泣きのメロディソロ、ブルージーなフレーズ、流麗な速弾きまで、非常に幅広いスタイルをこなします。特に、楽曲の顔となるキャッチーで印象的なギターリフを生み出す能力は群外れており、多くのB’zのヒット曲は、松本のリフを聞いただけで「あっ、B’zだ」とわかるほど強烈な個性を放っています。
音楽的なルーツは、ジェフ・ベック、レッド・ツェッペリン、エアロスミスといった海外のロックバンドや、ブルース、フュージョンなど多岐にわたります。これらのルーツを消化しつつ、日本人好みのメロディセンスと融合させることで、B’z独自のサウンドを築き上げました。
彼はまた、サウンドプロデューサーとしても非常に優れており、楽曲の全体像を構築し、レコーディングにおけるサウンドメイクの主導権を握っています。彼のこだわり抜いたギターサウンドと楽曲アレンジが、B’zの音楽性の基盤となっています。ライブでは、時に激しく、時に感情豊かにギターをプレイし、オーディエンスを魅了します。派手なアクションは控えめながら、その一音一音に魂が込められているのが感じられます。
2.2 孤高のヴォーカリスト:稲葉浩志
稲葉浩志は、B’zのフロントマンであり、全ての楽曲の作詞を手がけるリリシスト、そして日本のロックシーンを代表するボーカリストの一人です。
彼の最大の武器は、その圧倒的な歌唱力です。特に高音域における声量と伸びは驚異的で、どんなに難しいメロディやハイトーンも力強く、かつ感情豊かに歌い上げます。デビュー当初はハイトーンボイスが際立っていましたが、キャリアを重ねるにつれて、中低音域の響きや、ブルース、ソウルといったルーツに根差した歌唱表現も深まり、表現の幅を広げています。
作詞家としての才能も非常に高く評価されています。日常的な風景や感情を描写しつつ、哲学的な問いかけや社会へのメッセージを織り交ぜるなど、その詞の世界は非常に奥深く、文学的です。情熱的、時には退廃的、あるいは優しく寄り添うような詞など、楽曲の雰囲気に合わせて様々な表情を見せます。特に、逆境に立ち向かう強い意志や、人生における葛藤を描いた詞は、多くのリスナーの共感を呼び、彼らの「応援歌」としての側面を強くしています。
ライブにおける稲葉のパフォーマンスは圧巻です。ステージを縦横無尽に駆け回り、観客を煽り、時にはアクロバティックなアクションも披露するなど、そのエネルギッシュな姿は唯一無二です。MCでは、楽曲の世界観とは打って変わって、親しみやすくユーモアのある一面を見せることもあり、そのギャップもまた多くのファンを惹きつけています。ボーカリストとして、フロントマンとして、稲葉浩志はカリスマ的な存在感を放っています。
2.3 二人の絶妙な化学反応
松本孝弘と稲葉浩志は、それぞれが突出した才能を持つプロフェッショナルですが、彼らがB’zとして活動する最大の強みは、その二人が組み合わさった時に生まれる「化学反応」にあります。
音楽的に異なるルーツを持ちながらも、最高のロックミュージックを創り上げたいという共通の目標のもと、互いの才能を最大限に引き出し合っています。松本が創り出すソリッドでメロディアスな楽曲に、稲葉のパワフルかつ表現力豊かなボーカルと深遠な歌詞が乗ることで、単なるハードロックでも、単なるポップスでもない、「B’z」というジャンルとも言える独自の音楽が生まれています。
レコーディングやライブの場では、常に互いをリスペクトし、高め合っているのが見て取れます。松本のギターソロ中に稲葉がギターを弾く松本を見つめたり、稲葉がMCをしている時に松本が優しく微笑んでいたりする姿は、長年の信頼関係と絆の強さを物語っています。
ユニットという形態だからこそ、この二人の個性が際立ち、その関係性が音楽にも反映されていると言えるでしょう。B’zの魅力を語る上で、この松本と稲葉という二人の存在、そして彼らの間に流れる特別な空気は、決して欠かすことのできない要素です。
第3章:B’zサウンドの核心 – 多彩な音楽性と進化
B’zの音楽性は「ハードロック」というイメージが強いかもしれませんが、実際には非常に多様で、時代と共に変化・進化を遂げてきました。彼らのサウンドの核心に迫り、その多様性と変遷を見ていきましょう。
3.1 ハードロックを基盤とした多様性
B’zサウンドの核にあるのは、紛れもないロック、特にハードロックやブルースロックの影響です。松本のギターリフやソロ、骨太なバンドサウンドは、常に彼らの音楽の背骨となっています。
しかし、彼らの音楽はそれだけにとどまりません。デビュー当初はデジタルサウンドを取り入れたポップロック、その後はアメリカンハードロックに接近しつつ、AOR(Adult Oriented Rock)のような洗練されたアダルトなテイスト、ファンクやブルース、カントリーの要素、さらにはデジタルやヘヴィネスを取り入れたミクスチャー的なサウンドまで、非常に幅広い音楽性を横断しています。
こうした多様性は、松本孝弘の幅広い音楽的趣味と、稲葉浩志の持つボーカリストとしての表現力の幅広さによって実現されています。単なる「うるさいロック」ではなく、時に都会的でスタイリッシュ、時に叙情的で切ないバラード、時に実験的なアプローチと、楽曲ごとに様々な表情を見せるのがB’zサウンドの大きな特徴です。
3.2 松本サウンドの特徴:リフ、メロディ、プロダクション
松本孝弘が創り出すサウンドには、いくつかの明確な特徴があります。
まず、前述したように、記憶に残るギターリフの宝庫であること。「ultra soul」「ギリギリchop」「愛のバクダン」など、イントロのギターリフだけで聴く者を惹きつける楽曲が非常に多いです。これらのリフは、シンプルながらもグルーヴ感があり、楽曲の骨子を形成しています。
次に、キャッチーで日本人好みのメロディメイキングです。松本はハードロックギタリストとしてのイメージが強いですが、実は非常にメロディアスな楽曲を作るのが得意です。歌メロだけでなく、ギターソロも単なる速弾きに終わらず、歌うような、あるいは感情を乗せたメロディとして構築されています。これは、彼が日本の歌謡曲やポップスにも精通していることに由来するかもしれません。
そして、サウンドプロダクションへの強いこだわりです。レコーディングにおいては、ギターの音作りはもちろん、ドラム、ベース、キーボード、コーラスといった全ての楽器のバランスを緻密に設計し、B’zらしい分厚く、かつクリアなサウンドを作り上げています。彼のプロデュースワークが、B’zのサウンドクオリティを高いレベルに保ち続けている要因です。
3.3 稲葉ヴォーカルと歌詞の世界:声とメッセージ
稲葉浩志のボーカルと歌詞も、B’zサウンドの核を成す要素です。
彼のボーカルは、その突き抜けるようなハイトーンとパワフルな声量が最大の魅力ですが、それだけでなく、表現力の幅広さも見逃せません。ロックチューンでの叫び声のようなシャウトから、バラードでの繊細なささやき、ブルージーなフィーリングを込めた歌唱まで、楽曲の世界観を見事に表現します。ライブでは、CD音源以上の迫力と感情がこもった歌声を披露し、観客を圧倒します。
歌詞の世界観は、非常に多様です。
- 日常と非日常の融合: 身近な風景や感情を描写しつつ、その中に非現実的な、あるいは哲学的な要素を織り交ぜることで、リスナーを独特の世界に引き込みます。
- 応援歌/メッセージソング: 困難に立ち向かう勇気、夢を追いかける情熱、人生における葛藤や希望などをストレート、あるいは比喩的に歌う楽曲が多く、多くのリスナーに勇気と感動を与えています。「ultra soul」の「そして輝くウルトラソウル!」や「ギリギリchop」の「だだっ広いだけのこの世で」といったフレーズは、多くの人々の心に響いています。
- ラブソング: 甘いだけの恋愛ではなく、時に切なく、時に激しく、大人の恋愛模様を描いた楽曲も多いです。
- 皮肉や社会風刺: 一部の楽曲では、社会の矛盾や人間の愚かさに対する皮肉や風刺を込めた歌詞も見られます。
稲葉の歌詞は、単に韻を踏んだり、メロディに乗せやすい言葉を選んだりするだけでなく、言葉そのものが持つ力や意味を深く追求しているのが特徴です。彼の言葉選びと表現力は、B’zの楽曲に深みと普遍性を与えています。
3.4 時代と共に変化する音楽性:飽くなき探求
B’zのキャリアを振り返ると、彼らの音楽性が常に変化・進化してきたことがわかります。これは、彼らが特定のスタイルに安住せず、常に新しい音楽的要素を取り入れ、探求し続けてきた証拠です。
- デビュー~初期 (1988-1990): デジタルサウンドとポップなメロディを融合させた、洗練されたAOR/ポップロック路線。
- ブレイク期 (1990-1994): よりロック色を強め、印象的なギターリフとキャッチーなメロディで大衆的な人気を獲得した時期。アメリカンハードロックからの影響が色濃く出始める。
- ハードロック深化期 (1995-2000): さらにハードロック、ブルースロックの要素を追求し、より生々しく骨太なバンドサウンドを目指した時期。『The 7th Blues』『SURVIVE』『Brotherhood』などがこの時期にあたる。
- 多様化/円熟期 (2000年以降): 確立されたB’zサウンドを基盤としつつ、デジタル、ヘヴィネス、ブルース、ファンク、ジャズなど、より幅広い音楽性を実験的に取り入れ、表現の幅を広げている時期。深みと遊び心が増している。
このような変遷は、彼らが特定の音楽ジャンルに閉じこもらず、自分たちの「B’zらしさ」を保ちつつ、常に新しい刺激を求めていることの現れです。この飽くなき探求心こそが、彼らが長年にわたってトップアーティストであり続けている理由の一つと言えるでしょう。
第4章:これを聴けば間違いない! B’z代表曲徹底解説
さて、いよいよ具体的な楽曲の紹介です。B’zは200曲以上のオリジナル曲を発表しており、どれから聴けば良いか迷ってしまうかもしれません。ここでは、彼らの長いキャリアの中から、特に知名度が高く、彼らの音楽性を理解する上で重要な代表曲を厳選して紹介します。まずはこれらの楽曲から聴いてみましょう。
入門にあたってのヒント:
* サブスクリプションサービスで聴くのが最も手軽です。「B’z」で検索して、まずは公式プレイリストやベストアルバムから聴いてみるのがおすすめです。
* ここで紹介する曲は、必ずしも年代順ではありません。彼らの多様性を感じられるように選んでいます。
1. ultra soul (2001年)
* 概要: 言わずと知れた、B’zの代名詞とも言えるアンセム。テレビ朝日系「世界水泳」のテーマソングとして大ヒットし、現在もスポーツイベントなどで頻繁に使用される国民的な応援歌です。
* 聴きどころ: イントロのシンセサウンドから一気にギアが上がる、疾走感溢れるギターリフ、そして「そして輝くウルトラソウル!」というサビの突き抜けるような高音ボーカル。シンプルながらも力強いメッセージの歌詞も魅力です。ライブでは大合唱が巻き起こる、最も盛り上がる曲の一つ。彼らの「勢い」と「ポジティブさ」を感じるにはうってつけの一曲です。
2. 裸足の女神 (1993年)
* 概要: 90年代前半のB’zの勢いを象徴する、ポップでキャッチーな大ヒット曲。明るく開放的なサウンドが特徴です。
* 聴きどころ: 耳馴染みの良いキラキラしたキーボードサウンドと、それに絡む松本のメロディアスなギター。稲葉の少し甘さを帯びた高音ボーカルと、夏を感じさせるような爽やかな歌詞も相まって、聴いていると心が浮き立つような感覚になります。当時のJ-POPシーンの頂点に立った彼らの、大衆的な魅力が詰まった一曲。
3. Don’t Leave Me (1994年)
* 概要: B’zのイメージを大きく変えた、ヘヴィーでブルージーなロックバラード。失恋の痛みを歌った、感情豊かな楽曲です。
* 聴きどころ: 重厚なギターリフと、悲哀を帯びた松本のギターソロ。そして何と言っても、感情の起伏を激しく表現する稲葉のボーカルが圧巻です。サビでの魂の叫びのような歌声は、聴く者の胸を締め付けます。彼らが単なるポップバンドではなく、骨太なロックを鳴らすバンドであることを示した重要な一曲です。彼らの「泣き」の側面を知る上で必聴。
4. ZERO (1992年)
* 概要: ファン人気が非常に高い、ライブ定番曲の一つ。ラップを取り入れたり、セリフが入ったりと、当時の彼らとしては実験的な要素も含まれた楽曲です。
* 聴きどころ: 強烈なギターリフと、稲葉の畳み掛けるようなラップ(?)パートが特徴。サビの突き抜けるようなメロディとの対比が印象的です。ライブでは稲葉のセリフパート(通称「ZEROの掛け合い」)で観客とのコール&レスポンスが繰り広げられ、会場の一体感を生み出します。彼らのライブの楽しさを垣間見ることができる楽曲です。
5. love me, I love you (1995年)
* 概要: ポップでファンキーなサウンドが特徴のシングル曲。遊び心と大人の余裕が感じられる一曲です。
* 聴きどころ: 跳ねるようなリズムギターと、都会的なホーンセクションが絡み合うグルーヴィーなサウンド。稲葉の色気のあるボーカルと、少し斜に構えたような歌詞も魅力的です。ハードロック一辺倒ではない、彼らの音楽性の幅広さを示す楽曲です。
6. LOVE PHANTOM (1995年)
* 概要: ドラマティックで、オペラのような構成を持つ代表曲。約4分半という当時のシングルとしては長い楽曲ながら、大ヒットを記録しました。
* 聴きどころ: 荘厳なストリングスから始まり、ヘヴィーなギターサウンドへと展開する予測不能な構成。性急なAメロ、オペラティックなサビ、そして途中のセリフパートなど、劇的な展開が魅力です。松本のギターソロも非常にエモーショナル。一度聴いたら忘れられない、強烈なインパクトを持つ楽曲です。
7. Calling (1997年)
* 概要: テレビドラマ主題歌として大ヒットした、スケール感のあるバラード。90年代後半の彼らの音楽性の深まりを感じさせる一曲です。
* 聴きどころ: 美しいアコースティックギターとストリングス、そして力強いバンドサウンドが融合した、感動的なサウンド。稲葉の、切実でありながらも包み込むような温かさを持つボーカルが心に響きます。「さまよえる蒼い弾丸」と同時期にリリースされた、B’zの多様性を示す楽曲。
8. さまよえる蒼い弾丸 (1998年)
* 概要: アグレッシブでスピード感溢れるハードロックチューン。ライブでの定番曲の一つです。
* 聴きどころ: 畳み掛けるようなツーバスドラムと、速弾きを交えた松本のギターリフが牽引する、ノンストップの疾走感。稲葉の挑発的とも言えるようなボーカルと、未来への不安や期待を歌った歌詞も印象的です。ライブでは火花が散るような演出と共に披露されることも多く、彼らのライブバンドとしての真髄を感じられる楽曲です。
9. HOME (1998年)
* 概要: 温かく、どこか切ないミディアムバラード。多くの人々に「故郷」や「大切な場所」を想起させた名曲です。
* 聴きどころ: アコースティックギターを主体とした、シンプルながらも温かみのあるサウンド。日常の風景を切り取ったような稲葉の優しい歌詞と、語りかけるようなボーカルが心に染み渡ります。派手さはないけれど、B’zの楽曲の中でも特に多くの人々の心に寄り添ってきた一曲です。
10. 今夜月の見える丘に (2000年)
* 概要: テレビドラマ「Beautiful Life 〜ふたりでいた日々〜」の主題歌として記録的な大ヒットとなった、切なく美しいラブバラード。
* 聴きどころ: アコースティックギターのアルペジオと絡み合う、叙情的で壮大なサウンド。稲葉の抑制された、しかし感情豊かなボーカルが、叶わない恋の切なさを歌い上げます。松本の泣きのギターソロも楽曲の世界観を深めています。B’zのバラードの代表曲として、外すことはできません。
11. 熱き鼓動の果て (2002年)
* 概要: スポーツ番組のテーマソングにも起用された、力強いミディアムロックチューン。
* 聴きどころ: タイトでグルーヴィーなリズム隊と、安定感のあるギターリフ。困難に立ち向かう強い意志を歌った、稲葉の力強いボーカルとストレートな歌詞が胸に響きます。地味ながらも、何度聴いても飽きない、B’zの楽曲の層の厚さを感じさせる一曲。
12. BANZAI (2004年)
* 概要: タイトル通り、聴く者を鼓舞するようなポジティブなロックナンバー。ライブでも盛り上がります。
* 聴きどころ: アメリカンロックのような、大らかで明るいサウンド。困難な状況でも「BANZAI!」と叫んで前に進もう、というシンプルながらも力強いメッセージが込められています。稲葉の伸びやかなボーカルと、松本の乾いたギターサウンドが印象的です。
13. 愛のバクダン (2005年)
* 概要: ファンキーなギターリフが特徴の、アップテンポなロックチューン。B’zらしい遊び心と勢いが同居した楽曲です。
* 聴きどころ: 印象的なギターリフが楽曲全体を引っ張る、ノリの良いファンクロックサウンド。皮肉を交えながらも、愛を求める人間の本質を歌った歌詞も面白いです。ライブでも定番となっており、観客を踊らせる力を持った楽曲です。
14. OCEAN (2005年)
* 概要: 人気ドラマ「海猿」の主題歌として大ヒットした、壮大でエモーショナルなミディアムバラード。
* 聴きどころ: 海を思わせるような、広がりを感じさせるサウンドスケープ。困難な状況でも信じ合う心を歌った、稲葉の包容力のあるボーカルと歌詞が感動を呼びます。松本のギターソロも、波のように押し寄せる感情を表現しています。B’zのバラードの中でも、特にスケール感が大きい一曲。
15. イチブトゼンブ (2009年)
* 概要: 月9ドラマ「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」の主題歌として大ヒット。相手の全てを愛することの難しさと尊さを歌った、普遍的なラブソングです。
* 聴きどころ: ストレートで耳馴染みの良いロックサウンド。特に「君の全てが欲しい僕だけど」「イチブとゼンブを持っている」というサビのフレーズがキャッチーで、多くの人々の共感を呼びました。派手さはありませんが、楽曲としての完成度が高く、多くの層に受け入れられた名曲です。
16. C’mon (2011年)
* 概要: 東日本大震災後の日本に寄り添うようにリリースされた、希望に満ちたメッセージソング。アルバムタイトル曲でもあります。
* 聴きどころ: 力強くも優しい、温かさのあるサウンド。困難な時でも、一人じゃない、共に乗り越えよう、と語りかけるような稲葉の歌詞と歌声が、多くの人々の心を勇気づけました。松本のギターソロも、悲しみを乗り越え、光を見出すような希望を感じさせます。B’zの持つ「応援歌」としての側面が最も強く出た楽曲の一つです。
17. いつかのメリークリスマス (1992年)
* 概要: シングル曲ではなく、ミニアルバム『FRIENDS』に収録された隠れた名曲でしたが、後にベストアルバムに収録され、クリスマスの定番ソングとして絶大な人気を誇るようになりました。
* 聴きどころ: 雪景色が目に浮かぶような、繊細で美しいバラード。かつての恋人とのクリスマスの思い出を回想する、切なくも温かい歌詞が多くの人々の共感を呼びます。稲葉の優しい歌声と、松本の叙情的なギターソロが、聴く者の心に静かに染み渡ります。冬になると必ず聴きたくなる、B’zのバラードの最高傑作の一つです。
18. Brotherhood (1999年)
* 概要: アルバムタイトル曲であり、ファンとの絆、そして人間同士の「兄弟愛」を歌った、ライブで最も重要な意味を持つ楽曲の一つ。
* 聴きどころ: アルバム全体を貫く、ヘヴィーでブルージーなサウンドの中、この曲は特にメッセージ性が強いです。「Brotherhood」と繰り返されるサビは、ライブで観客が大合唱するパート。B’zとファンとの強い繋がりを象徴する、エモーショナルな楽曲です。
19. ギリギリchop (1999年)
* 概要: アニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとして有名。疾走感とユーモアが同居した、B’zらしいロックチューンです。
* 聴きどころ: タイトル通り、ギリギリの状況を切り開いていくようなスリリングで高速なサウンド。稲葉の早口なボーカルと、「だだっ広いだけのこの世で」という印象的なフレーズが耳に残ります。ライブでは稲葉のシャウトと共に、ボルテージが最高潮に達する定番曲です。
20. Pleasure (1991年~)
* 概要: 厳密には一つの楽曲ではなく、歴代のベストツアーや記念ライブのタイトルに冠されてきた、ファンにとって最も大切なテーマ曲の一つです。ライブのクライマックスで演奏されることが多く、何度か歌詞やアレンジを変えて発表されています。
* 聴きどころ: 「新しい日々へ胸を開け」という、未来への希望と、ファンへの感謝の気持ちが込められたポジティブな歌詞。ライブでは、この曲に合わせて「Pleasure」と書かれたフラッグが掲げられたり、銀テープが舞ったりと、感動的な演出と共に披露されます。B’zとファンが共に歩んできた歴史と、これからへの希望を分かち合う、特別な楽曲です。
これらの楽曲は、B’zの長い歴史と多様な音楽性のほんの一例に過ぎません。しかし、ここにある20曲を聴けば、彼らがなぜこれほどまでに多くの人々から愛され、支持され続けているのか、その理由の一端を感じ取ることができるはずです。
第5章:名盤から紐解くB’zの世界 – アルバムの旅
B’zは、シングル曲だけでなく、アルバム作品においても非常に質の高い音楽を発表し続けています。アルバムは、その時期の彼らの音楽性やメッセージがより色濃く反映されるもの。ここでは、入門者におすすめの代表的なオリジナルアルバムと、手軽に聴けるベストアルバムを紹介します。
5.1 代表的なオリジナルアルバム
B’zのオリジナルアルバムは、その時期の音楽的探求やコンセプトが反映されており、アルバムを通して聴くことで、より深く彼らの世界観に入り込むことができます。
- 『RISKY』(1990年): 「太陽のKomachi Angel」を収録。初期のデジタルポップ路線から、よりロックサウンドへと移行し始めた頃の作品。洗練されたサウンドが特徴。
- 『In the LIFE』(1991年): 「LADY NAVIGATION」「ALONE」などを収録。ポップなメロディとロックサウンドが高次元で融合した、90年代前半の彼らの代表作の一つ。この頃から国民的な人気を獲得。
- 『The 7th Blues』(1994年): 「Don’t Leave Me」などを収録。2枚組の大作で、ブルースやヘヴィーなロックサウンドを追求した、当時の彼らとしては非常に実験的で挑戦的な作品。音楽的な評価も高く、コアなファンからの人気も厚い。
- 『LOOSE』(1995年): 「ねがい」「love me, I love you」「LOVE PHANTOM」などを収録。ハードロックとポップのバランスが絶妙で、ミリオンヒットを連発した時期の勢いと、音楽的な深みが両立したアルバム。最も売れたオリジナルアルバムの一つ。
- 『SURVIVE』(1997年): 「Calling」「さまよえる蒼い弾丸」などを収録。より骨太で生々しいバンドサウンドを追求し、メッセージ性の強い楽曲が増えた時期の作品。ライブを意識した楽曲が多い。
- 『Brotherhood』(1999年): 「ギリギリchop」「Brotherhood」などを収録。ファンとの「絆」をテーマにした、ライブバンドとしての彼らの側面が強く出たアルバム。ヘヴィーさとエモーションが同居する名盤。
- 『ELEVEN』(2000年): 「今夜月の見える丘に」を収録。2000年代に入り、さらにサウンドが多様化。ヘヴィネスとポップ、ブルースなどが混在し、新たな方向性を示したアルバム。
- 『BIG MACHINE』(2003年): 「熱き鼓動の果て」などを収録。デジタルとバンドサウンドを融合させ、より現代的なロックサウンドに接近。タイトでパワフルな楽曲が多い。
- 『MAGIC』(2009年): 「イチブトゼンブ」「DIVE!!」などを収録。円熟期に入り、ハードロックを基盤としながらも、様々な音楽的アイデアを自由に取り入れた、遊び心と深みのあるアルバム。
- 『C’mon』(2011年): 「C’mon」「さよなら傷だらけの日々よ」などを収録。東日本大震災を経て制作された、リスナーに寄り添い、希望を届けるメッセージ性の強いアルバム。普遍的なテーマを歌った楽曲が多い。
5.2 入門に最適なベストアルバム
オリジナルアルバムも魅力的ですが、まずは彼らのヒット曲や代表曲を手っ取り早く聴きたいという方には、ベストアルバムが最適です。B’zは数多くのベストアルバムをリリースしており、それぞれに特徴があります。
- 『B’z The Best “Pleasure”』(1997年): B’z初のベストアルバム。デビューから1997年までの代表的なヒットシングルを中心に収録。まさに「入門用」として最高のアルバムであり、日本のアーティストのベストアルバムとしては異例の売り上げを記録しました。ここから聴き始めるのが、最もおすすめです。
- 『B’z The Best “Treasure”』(1998年): ファン投票によって選ばれた楽曲を中心に構成されたベストアルバム。シングル曲だけでなく、アルバムの人気曲や隠れた名曲も収録されており、「Pleasure」とはまた違った、よりコアなB’zの魅力に触れることができます。「いつかのメリークリスマス」が初収録されたのもこのアルバム。
- 『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』(2008年): デビュー20周年を記念してリリースされたベストアルバム。30曲を収録した大ボリュームで、デビューから2008年までの幅広い年代の代表曲を網羅しています。最新のデジタルリマスタリングが施されており、高音質で楽しめます。
- 『B’z The Best “ULTRA Treasure”』(2008年): 「ULTRA Pleasure」と同様に20周年を記念してリリースされた、ファン投票によるベストアルバム。さらにマニアックな選曲も含まれており、B’zをさらに深掘りしたい人におすすめです。
- 『B’z The Best XXV 1988-1998』 / 『B’z The Best XXV 1999-2012』(2013年): デビュー25周年を記念したベストアルバム。キャリアを前半と後半に分け、それぞれ25曲ずつ、計50曲を収録。新曲も収録されており、最新のB’zも楽しめる、こちらもボリューム満点のベストです。
まずは『B’z The Best “Pleasure”』か『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』を聴いて、気に入った曲があれば、その曲が収録されているオリジナルアルバムや、他のベストアルバム、ここで紹介した代表曲を掘り下げていくのが良いでしょう。
第6章:B’zが「キング」たる所以:その魅力の深淵
B’zが30年以上にわたって日本の音楽シーンの頂点に君臨し続けられるのはなぜでしょうか?単に曲が売れたり、ライブが成功したりするだけでは、これほどの長期間、第一線で活躍することはできません。彼らが多くの人々を惹きつけ、離さない「魅力」の深淵に迫ります。
6.1 圧倒的なライブパフォーマンス
B’zの魅力を語る上で、ライブは絶対に欠かせません。彼らは「ライブバンド」としての評価が非常に高く、そのパフォーマンスは常に観客を熱狂させます。
- エネルギーと迫力: 松本のギタープレイと稲葉のボーカルは、レコーディング音源を凌駕するほどの生々しいエネルギーと迫力に満ちています。特に稲葉のステージングは圧巻で、広大なステージを駆け回り、シャウトし、観客を煽るその姿は、見る者を鼓舞します。
- 高い演奏力と安定感: 二人だけでなく、彼らをサポートするバンドメンバーも超一流のミュージシャンばかりです。タイトでグルーヴィーな演奏は、彼らのハードな楽曲を支える強固な土台となっています。長年のキャリアに裏打ちされた演奏は、常に安定しており、安心して音楽に没入できます。
- 緻密な演出: 大規模なステージセット、炎や水を使った特効、ド派手な照明、そして計算され尽くしたカメラワークなど、彼らのライブはエンターテイメントとしても最高レベルです。楽曲の世界観を視覚的にも表現し、観客を飽きさせません。
- MCの魅力: 激しいパフォーマンスの合間に見せる稲葉のMCは、親しみやすくユーモアがあり、ファンとの距離を縮めます。松本が時折見せる笑顔もまた、ファンを和ませます。このオンとオフのギャップも、彼らの魅力の一つです。
B’zのライブは、単に楽曲を聴くだけでは得られない、音楽を全身で浴びるような体験です。「LIVE-GYM」と呼ばれる彼らのライブツアーは、彼らがファンと直接繋がり、音楽の力を分かち合う最も大切な場であり、ファンにとっても一年で最も待ち遠しいイベントとなっています。
6.2 揺るぎないプロフェッショナリズム
30年以上トップでい続けるためには、計り知れない努力とプロ意識が必要です。B’zの二人は、その点において非常にストイックで、音楽に対して常に真摯な姿勢を貫いています。
- 音楽への情熱と向上心: 常に最高の音楽を追求し、新しい表現方法を模索することを決してやめません。それは、時代と共に変化する音楽性や、海外での活動にも表れています。現状に満足せず、常に音楽家として成長しようとするその姿勢は、多くの人々に尊敬されています。
- 体調管理とトレーニング: 特にボーカリストの稲葉は、あの圧倒的な歌唱力を維持するために、日々のトレーニングや体調管理を徹底しています。ライブ中の驚異的な運動量も、弛まぬ努力によって支えられています。
- ファンへの感謝: ライブやファンクラブ会報などで、常にファンへの感謝の気持ちを伝えています。「Pleasure」というテーマ自体が、ファンへの感謝から生まれたものです。ファンを大切にする姿勢が、長年の強固なファンベースを築き上げています。
彼らのプロフェッショナリズムは、時に近寄りがたいオーラとして映ることもありますが、それは彼らが自分たちの音楽とライブに全力を注いでいる証です。その妥協なき姿勢が、ファンからの厚い信頼に繋がっています。
6.3 進化し続ける音楽性
前述したように、B’zの音楽性は常に変化しています。これは、彼らがマンネリに陥ることなく、リスナーを飽きさせない大きな要因です。新しいアルバムをリリースするたびに、何かしらの新しい音楽的要素やアプローチが試みられており、それが彼らの音楽に常に新鮮さを与えています。
6.4 歌詞に込められたメッセージ
稲葉浩志の歌詞は、多くのリスナーにとって心の支えとなっています。特に、人生の困難や葛藤に立ち向かう勇気、夢を追いかける情熱、そして決して諦めない強い意志を歌った楽曲は、多くの人々の背中を押してきました。
「ultra soul」の「そして輝く」や、「Calling」の「大丈夫だよ 見てごらん そこに愛があるから」、「C’mon」の「一人じゃないぜ 怖がるものは何もない」といったフレーズは、単なる歌詞の断片を超え、多くの人々の心に深く刻み込まれています。彼の言葉は、飾らないストレートさと、詩的な美しさを兼ね備えており、聴く者の状況によって様々な解釈を生み、寄り添ってくれます。
6.5 ファンとの強い絆
B’zとファンの関係は、非常に特別なものです。彼らは「LIVE-GYM」と呼ぶライブを通じて、ファンとの直接的なコミュニケーションを重視してきました。毎年のように全国ツアーを行い、ファンクラブイベントも開催するなど、ファンとの物理的・精神的な距離を縮める努力を惜しみません。
特に、5周年、10周年、15周年…といった節目の年に開催される「Pleasure」と題されたライブツアーは、ファンへの感謝を表す集大成のようなライブであり、その歴史をファンと共に祝う場となっています。これらのライブは、ファンにとって特別な意味を持ち、B’zとファンとの強い絆を象徴しています。
6.6 ギネス記録に認定された「記録」とそれを超える「記憶」
B’zは「日本で最も多くのCDを売り上げたアーティスト」としてギネス世界記録に認定されています。これは彼らの圧倒的な商業的成功を示す「記録」です。しかし、ファンにとってそれ以上に大切なのは、彼らの音楽を聴いて感動したり、ライブで熱狂したり、彼らの言葉に勇気づけられたりした、一つ一つの「記憶」です。
B’zの魅力は、この「記録」と「記憶」、その両方を持ち合わせている点にあります。彼らの偉大さは数字だけでは測れません。多くの人々の人生に寄り添い、勇気や感動を与えてきた、その存在自体が彼らの最大の魅力と言えるでしょう。
第7章:さあ、あなたもB’zの扉を開こう – 入門の手引き
この記事を読んで、「B’zを聴いてみたい!」「ライブに行ってみたい!」と思ってくれたあなたのために、具体的に何から始めれば良いか、いくつかステップを紹介します。
7.1 まずは何から聴くべきか?
- 定番中の定番:ベストアルバムから! 前述した『B’z The Best “Pleasure”』や『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』を聴くのが、最も手っ取り早くB’zの代表曲を知る方法です。まずはこれらのアルバムを気軽に聴いてみてください。サブスクリプションサービスでも配信されています。
- 気になる曲からピンポイントで! この記事で紹介した代表曲の中から、タイトルや説明を読んで「聴いてみたい」と思った曲を個別に聴いてみるのも良いでしょう。「ultra soul」「裸足の女神」「Don’t Leave Me」「LOVE PHANTOM」「今夜月の見える丘に」「イチブトゼンブ」「いつかのメリークリスマス」あたりは、多くの人が知っている可能性が高く、入りやすいかもしれません。
- 好きなジャンルからアプローチ! もしあなたが普段からハードロックが好きなら『Brotherhood』や『The 7th Blues』、ポップな曲が好きなら『In the LIFE』や『LOOSE』、ブルースやファンクが好きなら『ELEVEN』や最近のアルバム…といったように、ご自身の音楽的趣味に合わせてオリジナルアルバムを選んでみるのも面白いかもしれません。
7.2 ライブ映像を見てみよう!
B’zの魅力は、楽曲と同じくらい、あるいはそれ以上に「ライブ」にあります。彼らのライブの熱狂や迫力を体感するには、映像作品を見るのが一番です。
- ライブDVD/Blu-ray: B’zは数多くのライブ映像作品をリリースしています。過去のツアーの模様が収められており、そのスケール感やパフォーマンスの凄さを自宅で追体験できます。どの作品もクオリティが高いですが、比較的新しいツアーの映像は、より高画質で楽しめます。
- 音楽配信サービスやYouTube: 一部の音楽配信サービスやYouTubeの公式チャンネルでも、ライブ映像の一部や過去の映像が公開されていることがあります。まずは短い映像から彼らのライブの雰囲気を掴んでみるのも良いでしょう。
- 実際にライブに行ってみる! もし機会があれば、実際に「B’z LIVE-GYM」に足を運んでみてください。会場全体が一体となるあの空気感は、何物にも代えがたい体験です。チケットは入手困難な場合もありますが、ぜひ一度挑戦してほしいです。
7.3 最新情報をチェック!
B’zは現在も精力的に活動を続けています。公式サイトや公式SNS、ファンクラブなどで最新のリリース情報やライブ情報をチェックしましょう。
- B’z Official Website: リリース情報、ライブ情報、メディア出演情報などが掲載されています。
- B’z Official YouTube Channel: ミュージックビデオやライブ映像の一部が公開されています。
- B’z Official Facebook / Twitter: 最新情報が発信されています。
- B’z Party (ファンクラブ): 入会すると、チケットの優先予約や会報誌の購読、会員限定コンテンツの閲覧などができます。さらにB’zの世界を深く楽しみたい方におすすめです。
まずは気軽に音楽を聴くことから始めて、少しずつ彼らの世界に触れてみてください。焦る必要はありません。あなたのペースで、B’zの音楽との出会いをゆっくりと楽しんでください。
おわりに:B’zの音楽は、あなたの人生に寄り添う
この記事では、B’zの歴史、二人を形作る人物像、音楽性、代表曲、そして彼らの魅力について、初心者向けに徹底的に解説してきました。
30年以上の長きにわたり、日本の音楽シーンの最前線を走り続けてきたB’z。彼らの音楽は、時代と共に変化しながらも、常に「ロック」という揺るぎない核を持ち続けています。松本孝弘の卓越したギターと作曲能力、稲葉浩志の圧倒的なボーカルと深遠な作詞能力、この二人の天才が織りなす化学反応こそが、B’zの音楽を唯一無二のものとしています。
彼らの楽曲には、聴く者の背中を押してくれる力強いメッセージや、人生の様々な瞬間に寄り添ってくれるメロディが詰まっています。嬉しい時、悲しい時、頑張りたい時、立ち止まってしまった時…どんな時でも、きっとあなたの心に響く一曲が見つかるはずです。そして、彼らのライブに触れれば、音楽が持つエネルギーと、観客との一体感が生み出す感動を全身で体感できるでしょう。
B’zは、これからも日本の音楽シーンに新たな歴史を刻み続けていくでしょう。彼らの音楽は、単なる流行り廃りとは無縁の、普遍的な力を持っています。
さあ、この記事をきっかけに、あなたもぜひB’zの世界に飛び込んでみてください。きっと、あなたの人生を豊かにする、素晴らしい音楽との出会いが待っているはずです。
Enjoy B’z!