Clash for Windows GitHub版の徹底解説:ダウンロードから設定まで詳細ガイド
はじめに
インターネット上の情報へのアクセスをより自由かつ安全に行うために、プロキシツールは重要な役割を果たします。中でも「Clash」はその高機能さと柔軟性から、多くのユーザーに支持されているプロキシクライアントです。特にWindows環境で広く利用されているのが「Clash for Windows (CfW)」ですが、公式のウェブサイトからの配布が終了した現在、その開発はGitHub上のコミュニティによって継続されています。
本記事では、このClash for WindowsのGitHub版に焦点を当て、その機能、GitHub版が存在する理由、そして何よりも重要な「どこから、どのようにダウンロードし、設定を行うのか」について、約5000語の詳細な解説を行います。Clash for Windowsの利用を検討している方、または既に利用しているがGitHub版への移行や更新方法を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
本記事は、以下の内容を網羅的に説明します。
- Clash for Windows (CfW) とは何か、その主な機能と利点
- なぜGitHub版が存在するのか、公式サイト版との違い
- GitHub版のClash for Windowsを安全に入手するためのダウンロード手順(インストーラー版とポータブル版)
- ダウンロード時やインストール時の注意点と、よく表示される警告への対処法
- Clash for Windowsの基本的な初期設定と使い方(プロファイルのインポート、プロキシモードの選択など)
- 利用にあたってのセキュリティ上の注意点
- よくある問題とその解決策
これらの情報を得ることで、Clash for Windows GitHub版を自信を持って、そして安全に利用開始できるようになるでしょう。
Clash for Windows (CfW) とは?
Clash for Windows、しばしば「CfW」と略されるこのアプリケーションは、パワフルなネットワークプロキシである「Clash」をWindows上で快適に利用するためのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)クライアントです。Clash自体はもともとGo言語で開発された、ルールベースのネットワークプロキシコアであり、さまざまなプロトコルをサポートし、柔軟なルーティング設定が可能です。CfWはこのClashコアを内蔵し、視覚的に分かりやすいインターフェースを通じて、その複雑な設定や操作を容易に行えるようにしたものです。
CfWが多くのユーザーに選ばれる主な理由としては、以下の点が挙げられます。
- ルールベースルーティング: これがClashの最大の特長の一つです。単に全ての通信をプロキシ経由にするのではなく、アクセス先のドメイン、IPアドレス、プロセス、地理情報など、様々な条件に基づいて通信経路を自動的に振り分けることができます。これにより、特定のウェブサイトへのアクセスだけをプロキシ経由にし、その他の通信は直接接続するなど、きめ細やかな制御が可能です。
- 多様なプロトコルのサポート: Shadowsocks (SS)、VMess、Trojan、Snellなど、複数のプロキシプロトコルに対応しています。これにより、様々なプロバイダが提供するサービスを利用できます。
- プロファイル管理: プロキシサーバー情報、ルーティングルールなどがまとめられた「プロファイル」を簡単に切り替えることができます。複数のプロバイダを利用したり、異なる設定を使い分けたりする際に便利です。プロファイルはURLから簡単にダウンロード・更新できます。
- GUIの使いやすさ: コマンドラインベースのClashコアとは異なり、CfWは直感的で分かりやすいユーザーインターフェースを提供します。プロキシノードの選択、ルールの確認、通信ログの監視、設定変更などが容易に行えます。
- システムプロキシ連携: Windowsのシステムプロキシ設定と連携することで、多くのアプリケーションの通信をClash経由にできます。また、TUNモードを利用すれば、システム全体の通信を透過的にClashで処理することも可能です。
- 高機能ながら軽量: 比較的リソース消費が少なく、安定して動作します。
これらの機能により、CfWは検閲回避、プライバシー保護、地域制限解除など、様々な目的で広く活用されています。特に、複雑なルーティング設定をGUIで手軽に行える点は、他の多くのプロキシクライアントと比較しても優位性があると言えるでしょう。OpenVPNのようなVPNとは異なり、ネットワーク層ではなくアプリケーション層に近いレイヤーで動作するため、より柔軟な制御が可能です。ShadowsocksやV2Rayのような他のプロキシツールも存在しますが、CfWはそれらを内蔵しつつ、ルールベースのルーティングという強力な機能をGUIで提供する点が特筆されます。
GitHub版のClash for Windowsとは? なぜGitHub版なのか?
Clash for Windowsはかつて公式のウェブサイト(clash.win
など)から配布されていました。しかし、2021年頃に開発者の意向により、公式サイトからの配布は終了し、主要なGitHubリポジトリもアーカイブされました。これは、開発者自身のプライベートな理由や、プロジェクトを取り巻く外部環境の変化などが影響したとされています。
しかし、Clash for Windowsは多くのユーザーに利用されており、その需要は非常に高い状態でした。そこで、オリジナルの開発者がプロジェクトを離れた後も、そのソースコードを引き継ぎ、開発を継続しようとする動きがコミュニティ内で起こりました。GitHub版のClash for Windowsは、このような背景から誕生し、現在もコミュニティによって開発・メンテナンスが続けられているバージョンです。
GitHub版が存在する主な理由は以下の通りです。
- 開発の継続: 公式配布終了後も、バグ修正、機能追加、Clashコアのアップデート、新しいプロトコルへの対応など、プロジェクトの継続的な発展が必要です。GitHubをプラットフォームとして、コミュニティメンバーが協力して開発を進めています。
- 最新版の提供: 公式サイトがなくなった今、最新のClash for Windowsを入手する主な手段がGitHubのリリースページとなります。コミュニティによる改善が随時反映されたバージョンがここで公開されます。
- 透明性: GitHubはオープンソース開発プラットフォームであり、ソースコードが公開されています。これにより、ユーザーはどのようなコードでアプリケーションが構成されているかを確認でき、信頼性が向上します(ただし、全てのユーザーがコードをレビューできるわけではありません)。開発の進捗や変更履歴も公開されています。
- コミュニティサポート: GitHubのリポジトリには、Issue(問題報告)やPull Request(改善提案)の機能があります。ユーザーはバグを報告したり、質問したり、改善に貢献したりすることができます。
公式サイト版とGitHub版の違い
基本的に、GitHub版は公式サイトで最後に配布されていたバージョンから派生し、開発が続けられているものです。機能面では、GitHub版の方が新しいClashコアを内蔵していたり、コミュニティによって追加された機能や修正が含まれていたりするため、より最新かつ安定している可能性があります。
決定的な違いは「入手経路」と「サポート体制」です。
- 公式サイト版: 公式の開発者によって提供され、通常は公式ウェブサイトからダウンロードします。サポートも開発者が提供します(ただし現在は配布終了)。
- GitHub版: コミュニティメンバーによって開発・メンテナンスされ、GitHubのリリースページからダウンロードします。公式のサポートはなく、コミュニティによるサポートが中心となります。
GitHub版利用上の注意点
GitHub版はコミュニティによって開発されているため、利用にあたってはいくつかの注意点があります。
- 自己責任: 公式の開発者によるサポートがないため、利用は完全に自己責任となります。問題が発生した場合でも、公式な問い合わせ先はありません。
- なりすましリスク: GitHub上には、オリジナルのリポジトリを模倣した「なりすまし」のリポジトリが存在する可能性があります。悪意のあるコードが含まれた偽物をダウンロードしてしまうリスクがあるため、後述するダウンロード手順で示すように、必ず信頼できる正規のリポジトリからダウンロードすることが極めて重要です。
- 不安定なバージョンの可能性: リリースにはStable版とPre-release版があります。Pre-release版はテスト目的のバージョンであり、不安定な要素を含む可能性があります。通常利用ではStable版を選択するのが安全です。
これらの注意点を理解した上で、Clash for WindowsのGitHub版は現在、最も現実的で推奨される入手方法となっています。
GitHub版のClash for Windows ダウンロード方法
ここからが本記事の最も重要な部分です。GitHub版のClash for Windowsを安全かつ正確にダウンロードするためのステップを詳細に説明します。前述の通り、なりすましリポジトリからのダウンロードは非常に危険なため、以下の手順に沿って正規のリポジトリを見つけてください。
ステップ1:GitHubのClash for Windowsリポジトリへのアクセス
まず、ウェブブラウザを開き、GitHubのウェブサイト https://github.com/
にアクセスします。
次に、正しいClash for Windowsのリポジトリを探します。公式サイトが閉鎖された後、いくつかのコミュニティが開発を引き継ぎましたが、現在最も活発で広く認知されているのは、Fndroid/clash_for_windows_pkg
というリポジトリです。
- 注意: GitHubの検索機能で「Clash for Windows」と検索すると、多くの類似リポジトリが表示される可能性があります。中には開発が停止しているものや、悪意のある偽物も含まれているかもしれません。必ずリポジトリのオーナー名(
Fndroid
)とリポジトリ名(clash_for_windows_pkg
)を確認してください。
ブラウザのアドレスバーに直接以下のURLを入力してアクセスするのが最も確実です。
https://github.com/Fndroid/clash_for_windows_pkg
このURLが、現在コミュニティによって開発が進められている主要なClash for Windowsの配布リポジトリです。
リポジトリページにアクセスすると、プロジェクトの説明、コード、Issue、Pull Requestなどのタブが表示されます。
ステップ2:リリースページの見つけ方
Clash for Windowsの実行ファイルは、リポジトリのトップページに直接置かれているわけではなく、「Releases」(リリース)ページに公開されています。
リポジトリのトップページを下にスクロールしていくと、通常、右側または中央付近に「Releases」というセクションが表示されます。または、ページ上部のタブの中に「Code」や「Issues」と並んで「Releases」または「Tags」といった項目がある場合もあります(GitHubのUIは時々変更されます)。
「Releases」というリンクまたはセクションをクリックしてください。これにより、このプロジェクトで公開されている全てのバージョンの一覧が表示されるページに移動します。
ステップ3:最新リリースの確認と適切なファイルの選択
リリースページに移動すると、最新のリリースが一番上に表示されます。リリースのタイトルにはバージョン番号(例: 0.20.39
)が含まれており、その下にリリースされた日付や、そのバージョンでの変更内容(Changelog)が記載されています。
- Stable Release vs. Pre-release: リリースによっては、「Latest release」(最新リリース)と表示されているものと、「Pre-release」(プレリリース)と表示されているものがあります。「Latest release」は安定版であり、通常の利用にはこちらを選択するのが推奨されます。「Pre-release」は開発中の機能をテストするためのものであり、予期しないバグが含まれている可能性があります。特に理由がなければ、「Latest release」とマークされているものを選択してください。
最新のStable Releaseが見つかったら、そのリリースの項目を展開します。通常、リリースの説明文の下に「Assets」(資産)というセクションがあります。この「Assets」を展開すると、そのリリースで配布されているファイルの一覧が表示されます。
Windows版のClash for Windowsをダウンロードする場合、いくつかのファイル形式が提供されています。適切なファイルを選択する必要があります。主なファイルは以下の通りです。
Clash.for.Windows.Setup.<バージョン>.exe
:これはインストーラー版です。Windowsに通常インストールする形式で、スタートメニューへの登録や関連付けが行われます。多くのユーザーにとってはこちらが便利です。Clash.for.Windows.Win.x64.<バージョン>.zip
:これはポータブル版です。zipファイルを解凍するだけで実行でき、インストールは不要です。設定ファイルなどは実行ファイルと同じフォルダに保存されます。USBメモリなどに入れて持ち運びたい場合や、システムを汚したくない場合に適しています。64bit版Windows用です。Clash.for.Windows.Win.ia32.<バージョン>.zip
:これもポータブル版ですが、32bit版Windows用です。現在のほとんどのWindowsは64bit版ですが、古いOSや特定の環境では32bit版が必要な場合があります。ご自身のWindowsが32bitか64bitか不明な場合は、通常はx64版を試してみてください。多くの場合はx64版が動作します。
ご自身の環境と用途に合わせて、上記のいずれかのファイルを選択してください。通常は Clash.for.Windows.Setup.<バージョン>.exe
(インストーラー版)が最も一般的で推奨されます。
ステップ4:ファイルのダウンロード
選択したファイルのファイル名(例: Clash.for.Windows.Setup.0.20.39.exe
)をクリックしてください。すると、ブラウザがファイルのダウンロードを開始します。
ダウンロードにかかる時間は、インターネット接続速度によって異なります。ファイルサイズは数十MB程度です。
ステップ5:ダウンロード時のブラウザ/OSの警告について
Clash for Windowsの実行ファイルをダウンロードする際、ブラウザやWindowsのセキュリティ機能から警告が表示される可能性が非常に高いです。これは、Clash for Windowsが広く配布されている一般的なソフトウェアではないこと、そしてインターネット通信を傍受・変更する性質を持つプログラムであることが主な理由です。
表示される警告の例:
- 「この種類のファイルはコンピュータに損害を与える可能性があります。」
- 「[ファイル名]は一般的にダウンロードされていません。ダウンロードを継続しますか?」 (Google Chromeなど)
- 「WindowsによってPCが保護されました」 (Windows SmartScreen)
- 「発行元不明」
これらの警告は、必ずしもファイルが悪意のあるものであることを意味するわけではありません。 GitHub版のClash for Windowsは、公式な認証局によるデジタル署名がない場合が多く(コミュニティプロジェクトのため)、またその機能からセキュリティソフトが潜在的なリスクとして検出することがあります。
警告への対処法:
- ソースの信頼性確認: 最も重要なのは、ダウンロードしたファイルが本当に正規のGitHubリポジトリ(
Fndroid/clash_for_windows_pkg
)から取得したものであることを再度確認することです。 上記のステップ1~4を正確に実行していれば、偽物である可能性は低いですが、不安な場合は再度URLを確認してください。 - 自己責任の理解: コミュニティ版ソフトウェアの利用は自己責任です。警告が表示される理由を理解し、リスクを承知の上で続行してください。
- ブラウザ/OSの操作:
- ブラウザの警告の場合:「保存」「ダウンロードを継続」などのオプションを選択してダウンロードを完了させます。
- Windows SmartScreenの場合:「詳細情報」をクリックし、「実行」または「とにかく実行」などのオプションを選択します。この際、「発行元」が「不明」と表示されることが多いですが、正規のリポジトリからダウンロードしていれば通常は問題ありません。
- ウイルススキャン: ダウンロードしたファイルは、信頼できるウイルス対策ソフトでスキャンすることを強く推奨します。これにより、万が一、ダウンロード元が偽物であったり、ファイルが改ざんされていたりした場合のリスクを低減できます。
これらの警告はClash for Windowsに限らず、多くのOSSや特定の機能を持つソフトウェアで表示されうるものです。正規のソースからダウンロードしたファイルであれば、通常は安全に実行できますが、常に慎重な判断が必要です。
これで、Clash for Windows GitHub版の実行ファイル(インストーラーまたはzipファイル)がコンピュータにダウンロードされました。
インストーラー版 (.exe) のインストール手順
Clash.for.Windows.Setup.<バージョン>.exe
ファイルをダウンロードした場合のインストール手順です。
- インストーラーの実行: ダウンロードした
Clash.for.Windows.Setup.<バージョン>.exe
ファイルをダブルクリックして実行します。 - ユーザーアカウント制御 (UAC): Windowsのユーザーアカウント制御ダイアログが表示される場合があります。「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」という内容が表示されたら、「はい」をクリックして許可してください。ここでも「発行元:不明」と表示されることがありますが、正規のソースからのものであれば通常は問題ありません。
- インストーラーの言語選択: インストーラーの言語を選択する画面が表示される場合は、適切な言語(通常は英語またはシステム言語)を選択します。インストール後のClash for WindowsのUI言語は別途設定できます。
- インストールオプション: インストールに関するオプションを選択します。
- Installation Type: 通常は「For all users (requires admin privileges)」または「Install for anyone using this computer」を選択します。これにより、そのコンピュータのどのユーザーアカウントからでもClash for Windowsを利用できるようになります(管理者権限が必要です)。もし現在のユーザーアカウントのみで利用したい場合は、「For current user only」を選択します。
- Installation Location: インストール先のフォルダを指定します。特別な理由がなければ、表示されているデフォルトのフォルダ(通常は
C:\Program Files\Clash for Windows
またはC:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\clash-for-windows
)のまま進めて問題ありません。変更する場合は、「Browse…」ボタンをクリックして任意のフォルダを指定します。 - Create desktop shortcut: デスクトップにショートカットアイコンを作成するかどうかを選択します。
- Create Start Menu folder: スタートメニューにエントリを作成するかどうかを選択します。
これらのオプションを選択したら、「Next」または「Install」をクリックします。
- インストールの実行: インストールが開始されます。プログレスバーが表示され、ファイルのコピーなどが実行されます。これには数秒から数分かかります。
- インストール完了: インストールが完了すると、「Installation Complete」などのメッセージが表示されます。「Run Clash for Windows」や「Launch」のようなチェックボックスが表示されている場合は、チェックを入れて「Finish」をクリックすると、インストール完了後にそのままClash for Windowsが起動します。チェックを外した場合は、手動でスタートメニューやデスクトップのショートカットから起動してください。
- ファイアウォールの許可: 初回起動時、Windowsファイアウォールが「Clash for Windows」または関連コンポーネント(例: Clash Core, Tap Driverなど)に対して通信を許可するかどうかを尋ねるダイアログを表示することがあります。Clash for Windowsがインターネットにアクセスし、プロキシとして機能するためには、これらの許可が必要不可欠です。 通常は「プライベートネットワーク」と「パブリックネットワーク」の両方にチェックを入れて「アクセスを許可する」をクリックしてください。
これで、Clash for WindowsがWindowsにインストールされ、利用できる状態になりました。スタートメニューやデスクトップのショートカットから起動してください。
ポータブル版 (.zip) のセットアップ手順
Clash.for.Windows.Win.x64.<バージョン>.zip
または Clash.for.Windows.Win.ia32.<バージョン>.zip
ファイルをダウンロードした場合のセットアップ手順です。インストーラー版とは異なり、レジストリへの書き込みなどは行われず、解凍するだけで実行できます。
- zipファイルの解凍: ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開…」を選択するか、お好みの解凍ツール(7-Zip, WinRARなど)を使用して解凍します。
- 解凍先フォルダの選択: 解凍先のフォルダを指定します。重要な注意点として、WindowsのProgram Filesフォルダ (
C:\Program Files
やC:\Program Files (x86)
) や、システムファイルが置かれているような場所への解凍は避けることを強く推奨します。 これらのフォルダはセキュリティが強化されており、設定ファイルなどを保存する際に権限の問題が発生しやすいです。- 推奨される解凍先例:
- ユーザーフォルダ内の任意の場所 (
C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Clash for Windows Portable
など) - ドライブのルートディレクトリ直下の新しいフォルダ (
D:\Clash for Windows Portable
など)
任意の場所に、Clash for Windows
のような分かりやすい名前の新しいフォルダを作成し、そこにzipファイルの内容を解凍してください。解凍後のフォルダ構造は、実行ファイル(Clash.for.Windows.exe
)、resources
フォルダ、logs
フォルダなどが含まれる形になります。
- ユーザーフォルダ内の任意の場所 (
- 推奨される解凍先例:
- 実行ファイルの場所: 解凍したフォルダの中に、
Clash.for.Windows.exe
という実行ファイルがあります。これがClash for Windowsの本体です。 - Clash for Windowsの起動: 解凍したフォルダを開き、
Clash.for.Windows.exe
をダブルクリックして実行します。 - ユーザーアカウント制御 (UAC): インストーラー版と同様に、ユーザーアカウント制御ダイアログが表示される場合があります。「はい」をクリックして許可してください。
- ファイアウォールの許可: 初回起動時、Windowsファイアウォールが通信許可を求めるダイアログを表示します。インストーラー版と同様に、「プライベートネットワーク」と「パブリックネットワーク」の両方にチェックを入れて「アクセスを許可する」をクリックしてください。
- ショートカットの作成 (任意): 頻繁に利用する場合は、
Clash.for.Windows.exe
ファイルを右クリックし、「ショートカットの作成」を選択してデスクトップなどにショートカットを作成しておくと便利です。
ポータブル版のメリットとデメリット:
- メリット:
- インストール不要で手軽に実行できる。
- 設定ファイルなどが実行ファイルと同じフォルダに保存されるため、フォルダごとコピーすれば別のPCでもそのまま利用できる(USBメモリでの持ち運びなど)。
- システムレジストリを汚さない。
- アンインストールはフォルダごと削除するだけで完了する。
- デメリット:
- インストーラー版のように、自動的にスタートメニューに登録されたり、ファイル関連付けが行われたりしない。
- 実行ファイルや設定ファイルの場所を自分で管理する必要がある。
- システムの起動時に自動的に起動する設定などが、インストーラー版と比べて手間がかかる場合がある。
どちらのバージョンを選択するかは、個人の好みや利用目的によって異なります。特にこだわりがなければ、インストールが簡単なインストーラー版をおすすめします。
基本的な初期設定と使い方
Clash for Windowsを起動すると、メインウィンドウが表示されます。初めて起動した際は、まだプロキシ設定(プロファイル)が読み込まれていないため、そのままではプロキシとして機能しません。ここでは、最も基本的な「プロファイルのインポート」と、プロキシモードの選択について説明します。
Clash for WindowsのUIは、通常、左側にナビゲーションメニューがあり、クリックすることで右側の表示内容が切り替わります。主要なタブは以下の通りです。
- Overview: Clashコアの状態、通信速度、システムプロキシの状態などが表示されるダッシュボード。
- Proxies: 利用可能なプロキシノードやプロキシグループ(複数のノードをまとめたもの)の一覧が表示され、ノードを選択・切り替えることができる。
- Rules: 設定されているルーティングルールのリストを表示・確認できる(編集はプロファイルファイルで行う)。
- Profiles: プロファイル(設定ファイル)を管理する。新しいプロファイルのダウンロードやインポート、既存プロファイルの切り替えなどを行う。
- Logs: Clashコアのログを確認できる。トラブルシューティング時に重要。
- Settings: Clash for Windowsのクライアント設定を行う。システムプロキシの設定、HTTP/SOCKSポート、UI言語、テーマ、TUNモードの設定など。
ステップ1:プロファイル(設定ファイル)のインポート
Clash for Windowsを利用するには、まずプロキシサーバー情報やルーティングルールなどが記述された「プロファイル」ファイルが必要です。このファイルは通常、利用しているプロキシサービスプロバイダから提供されます。プロファイルは通常、YAML形式のテキストファイルです。
プロファイルをインポートする方法は主に2つあります。
方法1:URLからダウンロードする (推奨)
プロバイダからプロファイルのダウンロードURLが提供されている場合、この方法が最も簡単で、プロファイルを最新の状態に保つのに便利です。
- Clash for WindowsのUIで、左側のナビゲーションメニューから「Profiles」タブをクリックします。
- 上部に「Download from URL」という入力欄が表示されます。ここに、プロバイダから提供されたプロファイルのダウンロードURLを貼り付けます。
- URLの右側にある「Download」ボタンをクリックします。
- Clash for Windowsが指定されたURLからプロファイルをダウンロードし、リストに追加します。ダウンロードが成功すると、リストに新しいプロファイルが表示され、そのプロファイルが自動的に有効化されます(有効なプロファイルにはチェックマークなどが付きます)。
プロファイルが追加されると、そのプロファイルに含まれるプロキシノードやルールがClash for Windowsに読み込まれ、「Proxies」や「Rules」タブで確認できるようになります。
方法2:ローカルファイルからインポートする
プロファイルファイルが手元にローカルファイルとしてある場合(例: config.yaml
)、この方法でインポートできます。
- Clash for WindowsのUIで、左側のナビゲーションメニューから「Profiles」タブをクリックします。
- 上部に「Import local profile」というボタンが表示されています。これをクリックします。
- Windowsのファイル選択ダイアログが表示されるので、インポートしたいプロファイルファイル(通常は
.yaml
または.yml
拡張子)を選択し、「開く」をクリックします。 - Clash for Windowsが選択されたファイルを読み込み、プロファイルリストに追加します。
ローカルファイルからインポートした場合、プロファイルはClash for Windowsのデータフォルダ内にコピーされます。元のファイルを変更しても、Clash for Windows内のプロファイルは更新されません。プロファイルを更新するには、再度インポートし直すか、プロファイル編集機能(もしあれば)を利用する必要があります。URLからのダウンロードの方が、プロバイダ側での変更が自動的に反映されるため、一般的に便利です。
プロファイルのダウンロード/インポートに成功すると、画面下部に「Profile loaded successfully」のようなメッセージが表示されます。もしエラーが表示された場合は、URLが間違っている、ファイルの内容に誤りがある、ネットワークに問題がある、などが考えられます。ログ(Logsタブ)を確認して原因を探ることができます。
プロファイルの更新:
URLからダウンロードしたプロファイルは、プロバイダ側で内容が変更されることがあります。プロファイルを最新の状態に保つには、「Profiles」タブで目的のプロファイルを選択し、更新ボタン(通常は円形の矢印アイコン)をクリックします。
ステップ2:プロキシモードの選択
プロファイルを読み込んだら、次にClash for Windowsがどのように通信を処理するかを示す「プロキシモード」を選択します。Clash for Windowsは通常、システムトレイ(通知領域)のアイコンを右クリックしたメニューや、「Overview」タブでプロキシモードを選択できます。
主なプロキシモードは以下の3つです。
- Rule (ルールモード): これがClashの最も基本的なモードであり、通常推奨されます。 読み込まれたプロファイルに記述されている「Rule」(ルール)に基づいて、通信を「Proxy」(プロキシ経由にする)、「Direct」(直接接続する)、「Reject」(拒否する)のいずれかに自動的に振り分けます。例えば、「特定の国のIPアドレス宛ての通信はProxy」「国内サイトへの通信はDirect」「広告サイトへの通信はReject」といったルールを設定できます。
- Global (グローバルモード): 全てのインターネット通信を、現在「Proxies」タブで選択されているプロキシノード経由にします。ルールは無視されます。シンプルですが、国内サイトへのアクセスもプロキシ経由になるため、速度が遅くなったり、意図しない挙動になったりする可能性があります。デバッグ目的や、全ての通信を確実にプロキシしたい場合に利用します。
- Direct (ダイレクトモード): 全てのインターネット通信を直接接続します。Clashはプロキシとして機能しません。インターネット接続のテストや、一時的にClashを無効にしたい場合に利用します。
通常は「Rule」モードを選択しておけば間違いありません。
ステップ3:システムプロキシの設定
Clash for Windowsをプロキシとして機能させるためには、Windowsのシステムプロキシ設定を変更し、アプリケーションの通信がClashfor Windowsを経由するようにする必要があります。
- Clash for WindowsのUIで、左側のナビゲーションメニューから「Settings」タブをクリックします。
- 「General」(または設定の全般項目)セクションを探します。ここに「System Proxy」というトグルスイッチまたはチェックボックスがあります。
- この「System Proxy」をON(有効)にします。
これをONにすると、Clash for WindowsがWindowsのシステムプロキシ設定を自動的に変更し、ローカルホストの特定のポート(デフォルトではHTTPプロキシが7890、SOCKSプロキシが7891)で待機するClash for Windowsをプロキシとして利用するように設定します。これにより、Internet Explorer, Edge, Chrome, Firefox(システム設定を利用するよう設定されている場合)など、Windowsのシステムプロキシ設定を参照するアプリケーションの通信がClash経由になります。
注意: 一部のアプリケーションはシステムプロキシ設定を参照せず、独自のプロキシ設定を持っている場合があります(例: 一部のダウンロードマネージャー、別のプロキシツールなど)。それらのアプリケーションの通信をClash経由にしたい場合は、それぞれのアプリケーションの設定で、手動でプロキシとして 127.0.0.1
と ClahsのHTTP/SOCKSポート番号(デフォルトは7890/7891)を指定する必要があります。
TUNモードの設定 (Optional)
より高度な設定として、「TUNモード」があります。これは、Clash for Windowsが仮想ネットワークアダプター(TAPアダプターなど)を作成し、システム全体のほぼ全てのトラフィックをネットワーク層で捕捉し、強制的にClash経由で処理するモードです。システムプロキシ設定を参照しないアプリケーションの通信もClash経由にできる点が大きな利点です。
TUNモードを有効にするには:
- 「Settings」タブを開き、「General」セクションにある「Service Mode」のトグルスイッチをONにします。
- 初めてService Modeを有効にする場合、Windowsのユーザーアカウント制御(UAC)が表示され、Clash for Windows Helper Serviceのインストールや、ネットワークアダプター(TAPアダプターなど)のインストール許可を求められます。「はい」をクリックして許可してください。必要なドライバが自動的にインストールされます。
- Service ModeをONにした後、通常は自動的にTUNモードが有効になります。システムプロキシ設定はOFFでもTUNモードは機能します。
TUNモードは非常に強力ですが、ネットワーク構成によっては互換性の問題が発生したり、特定のアプリケーションで問題が生じたりする可能性があります。特別な理由がなければ、まずはSystem ProxyをONにする通常の方法で十分です。TUNモードを無効にしたい場合は、「Service Mode」をOFFにします。
これで、Clash for Windowsがプロキシとして機能するようになりました。 ブラウザを開いて、プロキシ経由でアクセスしたいウェブサイトにアクセスしてみてください。「Overview」タブで通信速度が表示されたり、「Logs」タブで通信ログが流れたりしていれば、正常に動作しています。
プロキシノードの選択:
複数のプロキシノードがプロファイルに含まれている場合、「Proxies」タブで利用するノードを選択できます。プロキシグループが表示されている場合は、グループ名をクリックすると、そのグループに含まれるノードリストが表示され、そこから個別のノードを選択できます。通常、プロキシノード名の横に現在の遅延時間(ping)が表示されるので、これを参考にして応答速度の良いノードを選ぶことができます。ノードをクリックするだけで切り替わります。
よくある問題とトラブルシューティング
Clash for Windowsの利用中や設定中に発生しうる、よくある問題とその解決策について説明します。
-
ダウンロード時の警告を無視できない/ファイルが削除される
- 問題: ブラウザやウイルス対策ソフトがダウンロードしたファイルを危険と判断し、ダウンロードをブロックしたり、ファイルを隔離・削除したりする。
- 原因: Clash for Windowsの性質上、セキュリティソフトが誤検知しやすい。ダウンロード元が正規でない可能性もある。
- 解決策:
- ダウンロード元を再確認: 必ず正規のGitHubリポジトリ(
Fndroid/clash_for_windows_pkg
)からダウンロードしたファイルであることを確認する。 - 一時的なセキュリティ設定の変更: ダウンロード時のみ、ブラウザやウイルス対策ソフトのリアルタイムスキャン機能を一時的に無効にする(ただし、これはリスクを伴う行為なので、自己責任で、短時間のみ行い、作業完了後はすぐに元に戻すこと)。
- 除外設定: ダウンロードしたファイルまたはインストール先のフォルダを、ウイルス対策ソフトのスキャンの除外対象に設定する。
- 別のブラウザを試す: ブラウザによっては警告の強さが異なる場合がある。
- ダウンロード元を再確認: 必ず正規のGitHubリポジトリ(
-
インストールできない/起動してもすぐに終了する
- 問題: インストーラーが起動しない、またはClash for Windowsを起動してもウィンドウが表示されずにすぐ終了する。
- 原因: 必要なシステムコンポーネントが不足している(特にVC++ランタイムなど)、権限不足、ファイルが破損している、他のソフトウェアとの競合。
- 解決策:
- Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージのインストール: Clash for Windowsの実行には、Visual C++ ランタイムが必要な場合があります。Microsoftの公式サイトから最新版の「Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ (x64版またはx86版)」をダウンロードしてインストールしてみてください。
- 管理者として実行: インストーラーや
Clash.for.Windows.exe
を右クリックし、「管理者として実行」を選択して起動してみる。 - 再ダウンロード: ダウンロードしたファイルが破損している可能性。再度GitHubからファイルをダウンロードし直す。
- セキュリティソフトの一時停止: ウイルス対策ソフトやファイアウォールがClash for Windowsの実行を妨害している可能性。一時的に無効にして試す(リスクを理解した上で)。
- ログの確認: ポータブル版の場合、実行ファイルと同じフォルダに
logs
フォルダがある。logs\app.log
ファイルにエラーメッセージが出力されていないか確認する。
-
プロファイルが読み込めない/エラーが出る
- 問題: プロファイルURLを貼り付けてもダウンロードできない、またはインポートできても「Profile loaded with error」のようなメッセージが表示される。
- 原因: URLが間違っている、プロファイルファイルの内容(YAML構文)に誤りがある、プロバイダ側のサーバーに問題がある、ネットワーク接続がClashとは別の原因で不安定。
- 解決策:
- URLの確認: プロバイダから提供されたURLが正確であることを一文字ずつ確認する。
- プロファイル内容の確認: 可能であれば、プロファイルファイルをテキストエディタで開き、YAMLの構文に明らかなエラーがないか確認する(初心者には難しい場合も)。プロバイダに問い合わせて、プロファイルが最新か確認する。
- ネットワーク接続の確認: Clash for Windowsを介さずに、通常のインターネット接続が正常か確認する。
- Logsタブの確認: 「Logs」タブを開き、プロファイル読み込みに関するエラーメッセージの詳細を確認する。YAMLパースエラーなどが表示されることが多い。
- プロバイダへの問い合わせ: 問題が解決しない場合、利用しているプロバイダにプロファイルに関する問題を問い合わせるのが最も確実。
-
インターネットに接続できない
- 問題: Clash for Windowsを起動し、プロファイルを読み込み、システムプロキシもONにしたのに、ブラウザなどでインターネットにアクセスできない。
- 原因: プロキシモードが正しくない、システムプロキシが有効になっていない、ファイアウォールでブロックされている、プロファイル内のプロキシノードが機能していない/有効期限切れ、ルーティングルールが間違っている。
- 解決策:
- プロキシモードの確認: 「Overview」タブやシステムトレイアイコンのメニューで、プロキシモードが「Rule」または「Global」になっているか確認する。
- システムプロキシの確認: 「Settings」タブの「System Proxy」がONになっているか確認する。
- ファイアウォールの確認: Windowsファイアウォールや他のセキュリティソフトがClash for Windows (またはそのプロセス、ポート) の通信をブロックしていないか確認する。必要であれば許可設定を行う。
- プロキシノードの確認: 「Proxies」タブで、利用しようとしているプロキシノードが有効か、遅延時間(ping)が表示されるか確認する。pingが表示されない、または非常に長い場合は、そのノードが利用できない可能性が高い。別のノードを選択してみる。
- ルーティングルールの確認 (Ruleモードの場合): 「Rules」タブで、アクセスしようとしているサイトに対するルールがどうなっているか確認する。意図せず「Direct」や「Reject」に振り分けられていないか? プロファイルのルールが間違っている可能性。
- プロファイル自体の問題: プロファイル内のプロキシノード情報が古い、または全体的に設定に問題がある可能性。プロファイルを最新のものに更新するか、プロバイダに確認する。
- TUNモードの場合: TUNモードをONにしている場合は、ネットワークアダプターのドライバが正しくインストールされているか、アダプターが有効になっているか確認する。
-
特定のサイトにアクセスできない/速度が遅い
- 問題: インターネット自体には接続できるが、特定のサイトだけアクセスできない、または速度が極端に遅い。
- 原因: ルールモードでアクセスがブロックされている/直接接続になっている、特定のプロキシノードがそのサイトに対応していない/混雑している、そのサイト側でプロキシからのアクセスを制限している。
- 解決策:
- Logsタブの確認: 「Logs」タブで、そのサイトへのアクセスがどのルールによってどのように処理されているか確認する。「match」行で確認できる。意図しないルールにマッチしている場合は、プロファイルのルールを修正する必要がある。
- プロキシノードの変更: 別のプロキシノードに切り替えて試す。「Proxies」タブでpingを確認し、応答速度の良いノードを選ぶ。
- Globalモードでのテスト: 一時的に「Global」モードに切り替えて、全ての通信をプロキシ経由にしてみてアクセスできるか確認する。GlobalモードでアクセスできるがRuleモードでできない場合、ルールに問題がある可能性が高い。
- ブラウザキャッシュのクリア: ブラウザのキャッシュやCookieが影響している可能性。クリアして試す。
これらのトラブルシューティング手順は、問題を切り分けるのに役立ちます。まずは最も基本的な設定(プロファイル、モード、システムプロキシ、ファイアウォール)から確認し、次にログを参照して詳細な原因を探るのが効果的です。
GitHub版利用上の注意点とセキュリティ
Clash for Windows GitHub版を利用する上で、セキュリティとプライバシーに関する重要な注意点がいくつかあります。
- 信頼できるソースからのダウンロード: 最も繰り返しますが、Clash for Windowsの実行ファイルは必ず正規のリポジトリ(
https://github.com/Fndroid/clash_for_windows_pkg
)のReleasesページからダウンロードしてください。 不審なウェブサイトやフォーラム、ファイル共有サイトからダウンロードしたファイルは、マルウェアや改ざんされたコードが含まれている可能性が高く、極めて危険です。 - プロファイルファイルの信頼性: 利用するプロファイルファイル(
.yaml
)は、信頼できるプロバイダから入手してください。悪意のあるプロファイルには、通信を傍受・リダイレクトしたり、不要な接続を確立したりするような危険なルールが仕込まれている可能性があります。見知らぬ提供元から入手したプロファイルを利用するのは避けてください。 - 定期的なウイルススキャン: ダウンロードしたファイルやインストール先のフォルダを含め、コンピュータ全体を定期的に信頼できるウイルス対策ソフトでスキャンすることをお勧めします。これにより、気づかないうちにダウンロードしてしまったマルウェアなどを検出できる可能性があります。
- 警告の意味を理解する: ダウンロード時や実行時に表示されるセキュリティ警告は、そのソフトウェアが持つ機能(ネットワーク通信の傍受・変更など)に起因するものです。警告を単なる誤報と決めつけず、その意味を理解した上で、ダウンロード元の信頼性を確認するなど、適切な対処をしてください。
- アップデートの確認: GitHub版はコミュニティによって開発が続けられています。セキュリティ上の脆弱性が発見されたり、バグが修正されたりすることがあります。定期的にGitHubのReleasesページを確認し、最新の安定版が公開されていないかチェックし、必要に応じてアップデートを行うことを推奨します。
- プライバシー: Clash for Windows自体はユーザーの通信内容を収集・送信するような機能は持っていませんが、利用するプロキシプロバイダはユーザーの通信を中継します。プロバイダがどのようなログを記録し、どのようなプライバシーポリシーを持っているかは、そのプロバイダに依存します。信頼できるプロバイダを選択することが重要です。
これらの注意点を守ることで、Clash for Windows GitHub版をより安全に利用することができます。
まとめと今後の展望
Clash for Windows GitHub版は、公式サイトからの配布が終了した後も、コミュニティの努力によって開発が続けられている、非常に強力で柔軟なプロキシクライアントです。ルールベースのルーティング機能や多様なプロトコルへの対応は、インターネットをより自由に、そして賢く利用したいユーザーにとって大きな魅力です。
本記事では、Clash for Windows GitHub版の概要から、そのダウンロード方法、インストーラー版とポータブル版のセットアップ手順、基本的な初期設定(プロファイルインポート、モード選択、システムプロキシ設定)、そして発生しやすい問題とその解決策、さらに利用上のセキュリティに関する重要な注意点まで、詳細に解説しました。
GitHub版の利用は、自己責任とソースの信頼性確認が不可欠です。必ず正規のリポジトリからダウンロードし、信頼できるプロファイルを使用してください。また、ダウンロード時や実行時のセキュリティ警告には注意を払い、その意味を理解することが大切です。
Clash for Windowsはオープンソースプロジェクトであり、今後もコミュニティによってメンテナンスや改良が続けられていくことが期待されます。新しい機能の追加やセキュリティの強化が行われる可能性があるため、定期的にGitHubのリポジトリを確認し、最新の情報を得ることをお勧めします。
この記事が、Clash for Windows GitHub版の利用を始める、またはより深く理解するための助けとなれば幸いです。安全なインターネットライフのために、Clash for Windowsを正しく活用してください。