iMovieの使い方【初心者向け】動画編集の基本をマスター!
動画編集と聞くと、「難しそう」「特別なソフトが必要なんでしょ?」と感じる方も多いかもしれません。しかし、もしあなたがMacやiPhone、iPadユーザーなら、無料で使える非常に強力で直感的な動画編集ソフト「iMovie」がすでに手元にあるかもしれません。
iMovieは、Apple製品にプリインストールされているか、App Storeから無料でダウンロードできるアプリケーションです。その最大の特徴は、初心者でも迷わず使えるシンプルで洗練されたインターフェースと、プロ顔負けの編集が可能な機能を両立している点にあります。家族の思い出ビデオ、旅行のvlog、趣味の記録、プレゼンテーション資料など、どんな目的であっても、iMovieを使えばあなたの伝えたいことを魅力的な動画として表現できます。
この記事では、iMovieを全く使ったことがない初心者の方に向けて、動画編集の基本の「き」から、プロジェクト作成、素材の取り込み、カット編集、音声調整、テロップ追加、書き出しまで、一連の流れを網羅的に詳しく解説します。約5000語というボリュームで、各ステップでの具体的な操作方法や、編集をより効率的・効果的に行うためのヒントを惜しみなく紹介していきます。この記事を読めば、あなたもiMovieを使った動画編集の基本をマスターし、自分だけの素敵な動画を作り始められるはずです。
さあ、iMovieの世界へ一緒に踏み出しましょう!
1. iMovieを始める前に:準備と心構え
動画編集を始める前に、いくつかの準備と基本的な考え方を理解しておくと、その後の作業がスムーズに進みます。
1.1. 必要なもの
- Apple製デバイス: Mac、iPhone、またはiPadのいずれかが必要です。iMovieはこれらのデバイスでのみ利用できます。この記事では主にMac版をベースに解説しますが、基本的な操作や考え方はiPhone/iPad版でも共通する部分が多いです。
- iMovieアプリケーション: デバイスにiMovieがインストールされていることを確認してください。通常、Apple製品にはプリインストールされていますが、もし見当たらない場合はApp Storeから無料でダウンロードできます。
- 編集したい動画素材: 撮影済みの動画ファイル、写真、BGMとして使いたい音楽ファイルなどを用意しましょう。
1.2. 動画編集の基本的な流れ
動画編集は、大きく分けて以下の4つのステップで進行します。この流れを理解しておくと、作業全体を見通しやすくなります。
- 素材を集める: 編集に必要なすべての動画、写真、音楽、音声などを準備し、パソコンに取り込みます。
- プロジェクトを作る: iMovie上で新しい編集作業スペース(プロジェクト)を作成し、集めた素材を読み込みます。
- 編集する: 読み込んだ素材を時間軸に沿って並べ、不要部分のカット、順番の入れ替え、テロップ、BGM、効果音、画面切り替え(トランジション)などを追加・調整します。
- 書き出す: 完成した動画を一つのファイルとして保存したり、YouTubeなどにアップロードできる形式に変換したりします。
1.3. なぜiMovieが初心者におすすめなのか
- 無料: 追加の費用がかかりません。
- 直感的で分かりやすい操作: 洗練されたインターフェースは、初めて動画編集をする人でも操作に迷いにくいように設計されています。アイコンの意味が分かりやすく、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で編集を進められます。
- 十分な機能: カット、テロップ、BGM、トランジション、エフェクトなど、基本的な動画編集に必要な機能は一通り揃っています。ホームビデオやYouTube投稿用の動画など、様々な用途に対応できます。
- Apple製品との連携: iPhoneやiPadで撮影した動画をMacのiMovieで編集したり、その逆を行ったりといった連携がスムーズです。また、写真ライブラリやiTunesライブラリとも連携します。
- 高パフォーマンス: Apple製品に最適化されているため、比較的軽快に動作し、高画質な動画の編集もスムーズに行えます。
2. iMovieの基本画面と用語解説
iMovieを起動すると表示されるメイン画面には、動画編集に必要な様々な要素が配置されています。まずは、画面の構成と基本的な用語を理解しましょう。
iMovieを起動すると、通常は「プロジェクト」画面が表示されます。ここでは過去に作成したプロジェクトの一覧が表示されます。新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開いて編集を開始します。
プロジェクトを開くと、以下のような画面が表示されます。(Mac版iMovieの場合)
- 画面上部: メニューバー(ファイル、編集、表示など)。その下にツールバーがあります。
- 画面左側(ライブラリ領域):
- イベントライブラリ: 読み込んだ動画や写真などの素材(クリップ)が「イベント」という単位で整理されて表示されます。撮影日ごとに自動的にイベントが作成されたり、自分でイベントを作成して整理したりできます。
- オーディオ、タイトル、トランジション、背景、マイメディア: 動画編集でよく使う素材や機能がカテゴリ分けされて表示されます。
- 画面中央上部(プレビュー領域):
- プレビュー画面: 編集中の動画を確認できる画面です。再生/一時停止ボタン、早送り/巻き戻し、音量調整などの再生コントロールがあります。
- ツールバー: プレビュー画面のすぐ下や横に、編集に役立つツール(カット、音量、速度、ノイズ除去、色調補正など)のアイコンが並んでいます。
- 画面下部(タイムライン領域):
- タイムライン: 編集の中心となるエリアです。イベントライブラリから素材(クリップ)をドラッグ&ドロップしてここに並べ、時間軸に沿って動画を構成していきます。クリップの順番変更、不要部分のカット、テロップやBGMの追加などは、このタイムライン上で行います。
- スキマー: タイムライン上をマウスカーソルで移動させると表示される縦線です。このスキマーがある位置の映像がプレビュー画面に表示されます。
2.1. 主要な用語解説
- イベント: iMovieで素材を管理するための単位です。通常、撮影日ごとに自動で作成されますが、自分で特定のプロジェクトに使う素材だけを集めたイベントを作ることもできます。
- プロジェクト: 実際に動画編集を行う作業スペースです。タイムライン上にクリップを並べたり、テロップやBGMを追加したりといった編集内容が保存されます。
- クリップ: 読み込んだ動画ファイルや写真などの個々の素材のことです。タイムラインに配置する最小単位になります。
- タイムライン: 動画の時間軸を表す帯状のエリアです。クリップをここに並べることで、動画全体の構成を作ります。
- トランジション: クリップとクリップの間の画面切り替え効果のことです。クロスディゾルブ、ワイプ、フェードなど様々な種類があります。
- タイトル: 動画の冒頭や途中に挿入するテキスト情報(テロップ)のことです。動画のタイトル、場面説明、話者の名前などを表示するために使います。
- エフェクト/フィルター: 動画の見た目(色合い、質感など)を変更するための効果です。白黒、セピア、ノイズなど様々な種類があります。
- BGM: バックグラウンドミュージックのことです。動画の雰囲気を演出するために使用します。
これらの画面構成と用語を頭に入れておくと、これからの説明がより分かりやすくなります。
3. 新しいプロジェクトを作成する
いよいよ動画編集を始めるために、新しいプロジェクトを作成しましょう。プロジェクトは、あなたの編集内容を保存しておくための「箱」のようなものです。
- iMovieを起動します。
- 「プロジェクト」画面が表示されたら、「新規作成」ボタンをクリックします。 (通常、画面左上または中央にあります)
- 作成したいプロジェクトの種類を選択します。「ムービー」または「予告編」の選択肢が表示されます。
- ムービー: 自由な構成で動画を作成できます。一般的な動画編集はこちらを選択します。
- 予告編: 映画の予告編のような、特定のテンプレートに沿った動画を作成できます。BGMやテロップのスタイルがあらかじめ決まっています。
今回は一般的な動画を作成するため、「ムービー」を選択します。
- 新しいプロジェクト画面が表示されます。 これで編集作業の準備が整いました。プロジェクトは自動的に保存されますが、念のため定期的に「ファイル」メニューから「プロジェクトを保存」を選ぶと安心です。プロジェクト名は、後で分かりやすいように編集内容に即したものに変更しておきましょう(画面上部のプロジェクト名をクリックして編集)。
3.1. プロジェクト設定の確認
プロジェクト作成時や編集中に、プロジェクトの解像度(画質)やフレームレートを確認することができます。
- プロジェクトを開いた状態で、プレビュー画面の右上あたりにある歯車アイコンまたは設定ボタンをクリックします。
- 表示される設定ウィンドウで、「プロジェクト設定」を確認できます。解像度(例: 1080p HD)やフレームレート(例: 30fps)が表示されます。通常、読み込んだ最初のクリップに合わせて設定されます。特別な理由がなければ、このまま変更する必要はありません。
- また、この設定画面では、BGMの自動フェードイン/アウトや、写真の表示時間などを設定することも可能です。
4. 動画素材(クリップ)の読み込み
編集を始めるには、まず編集したい動画や写真などの素材をiMovieに取り込む必要があります。素材は「イベント」として管理されます。
4.1. 素材の読み込み方法
- iMovieの画面左側にある「マイメディア」タブを選択します。
- 画面上部にある「メディアを読み込む」ボタンをクリックします。 または、「ファイル」メニューから「メディアを読み込む」を選択します。
- 読み込みたいファイルを選択します。
- ファイルの場合: パソコンに保存されている動画ファイル(mp4, movなど)、写真ファイル(jpg, pngなど)、音声ファイル(mp3, aacなど)を選択します。複数のファイルを選択することも可能です。
- カメラやSDカードの場合: カメラやSDカードをMacに接続すると、iMovieが自動的に検知し、読み込みウィンドウが表示される場合があります。表示されない場合は、「メディアを読み込む」からデバイスを選択します。
- 読み込み設定を確認します。
- 読み込み先: 読み込んだ素材をどのイベントに保存するかを選択します。既存のイベントを選択するか、「新規作成」で新しいイベントを作成できます。
- ファイル名: 読み込むファイルの名前が表示されます。
- オプション: 場合によっては、特定の形式への変換オプションなどが表示されます。通常はデフォルトのままで問題ありません。
- 「選択した項目を読み込む」または「すべて読み込む」ボタンをクリックします。
これで、選択した素材が指定したイベントに読み込まれ、画面左側のイベントライブラリに表示されます。
4.2. 読み込んだ素材の管理
イベントライブラリでは、読み込んだ素材(クリップ)がイベントごとに整理されて表示されます。
- イベント名の変更: イベント名を右クリック(またはControl+クリック)し、「イベント名を変更」を選択すると名前を変更できます。
- クリップの表示: イベントを選択すると、そのイベントに含まれるクリップが画面上部のライブラリ領域にサムネイル表示されます。
- クリップのプレビュー: ライブラリ領域でクリップの上にマウスカーソルを移動させると、そのクリップの内容がプレビュー画面に表示されます。クリックすると、クリップ全体がプレビューされます。
- 部分的に読み込む: クリップ全体ではなく、特定の部分だけを読み込みたい場合は、ライブラリ領域でクリップ上でドラッグして範囲を選択し、その選択範囲をタイムラインにドラッグ&ドロップします。
5. タイムラインへのクリップ配置と基本編集
読み込んだ素材を使って、いよいよ動画を組み立てていきます。編集の中心となるのはタイムラインです。
5.1. タイムラインの役割
タイムラインは、あなたの動画が時間軸に沿ってどのように流れていくかを視覚的に表したものです。ここにクリップを並べることで、動画のストーリーや構成を作ります。
- クリップの配置: タイムラインには、動画クリップ、静止画クリップ、オーディオクリップ、テロップなどが配置されます。
- 時間軸: 左から右に向かって時間が進みます。タイムライン上でのクリップの長さが、動画での再生時間に対応します。
- 複数のトラック: タイムラインは複数の「トラック」のように分かれています。一番下のメインのトラックに動画クリップを配置し、その上にBGMや効果音、テロップなどを重ねて配置します。
5.2. クリップをタイムラインに配置する
イベントライブラリにある素材をタイムラインにドラッグ&ドロップすることで、動画に組み込むことができます。
- 画面左側のイベントライブラリで、タイムラインに配置したいクリップを見つけます。
- そのクリップ全体をタイムライン領域にドラッグ&ドロップします。 タイムラインのどこにドロップするかによって、クリップが配置される位置が決まります。既存のクリップの後ろにドロップすると、そのクリップの次に配置されます。
- クリップの一部だけを使いたい場合: ライブラリ領域で、クリップ上でドラッグして使いたい部分だけを選択します(黄色い枠が表示されます)。その選択範囲をタイムラインにドラッグ&ドロップします。
5.3. タイムライン上のクリップの操作
タイムラインに配置したクリップに対して、様々な基本的な編集を行うことができます。
- 並べ替え: タイムライン上のクリップをクリックしたまま左右にドラッグすると、クリップの順番を自由に変更できます。
- 削除: 不要なクリップを選択(クリックして黄色い枠で囲む)し、キーボードの「Delete」キーを押すと削除できます。
- トリミング(不要部分のカット):
- クリップの最初または最後の不要部分をカットする場合: タイムライン上のクリップの端(左端または右端)にマウスカーソルを合わせると、ポインターの形が変わります。そのまま内側にドラッグすると、その部分がカットされます。これは「トリム編集」と呼ばれます。
- クリップの途中の不要部分をカットする場合:
- カットしたい部分の開始位置にスキマー(縦線)を移動させます。
- 「編集」メニューから「クリップを分割」を選択するか、キーボードショートカット「Command + B」を押します。これにより、クリップがその位置で二つに分割されます。
- 同様に、カットしたい部分の終了位置にスキマーを移動させ、「Command + B」でクリップを分割します。
- 分割によってできた不要なクリップを選択し、「Delete」キーで削除します。
- 分割(スプリット): クリップを途中で分割したい位置にスキマーを移動させ、「編集」メニューから「クリップを分割」または「Command + B」を押します。これにより、一つのクリップが二つの独立したクリップになります。これは、トランジションを追加したい場所や、特定のクリップにだけエフェクトをかけたい場合などに使用します。
- 複製: クリップを選択し、「編集」メニューから「コピー」(Command + C)を選択します。その後、タイムライン上の任意の場所にスキマーを移動させ、「編集」メニューから「ペースト」(Command + V)を選択すると、クリップが複製されます。
5.4. 再生ヘッドとスキマー
タイムライン上には「再生ヘッド」と呼ばれる赤い縦線があります。これは、プレビュー画面に表示されているタイムライン上の現在位置を示します。
- 再生ヘッドの位置は、タイムラインをクリックするか、タイムラインの下にある再生コントロール(再生/一時停止ボタンなど)を操作することで移動できます。
- スキマーは、マウスカーソルをタイムライン上に移動させたときに表示される白い縦線です。マウスカーソルを移動させるだけで、その位置の映像がプレビュー画面に表示されます(スクラブ再生)。これは、編集中の動画の内容を素早く確認するのに便利です。再生ヘッドとは異なり、スキマーを移動させても再生位置は変わりません。
6. オーディオ(音声)の編集
動画の品質は、映像だけでなく音声によっても大きく左右されます。iMovieでは、動画クリップに含まれる音声の調整や、BGM、効果音、ナレーションの追加・編集が簡単に行えます。
6.5. オーディオの基本操作
タイムラインに配置された動画クリップの下には、通常、そのクリップに含まれる音声の波形が表示されます。オーディオクリップ(BGMや効果音)は、メインの動画トラックとは別のトラックに配置されます。
- 音量調整:
- クリップ全体の音量: タイムライン上のクリップを選択すると、クリップの上中央に音量を調整するための横線が表示されます。この線を上下にドラッグすることで、クリップ全体の音量を簡単に調整できます。また、クリップを選択した状態で、プレビュー画面の下にあるツールバーの「音量」アイコン(スピーカーマーク)をクリックし、スライダーを操作することでも調整できます。
- 部分的な音量調整: クリップの途中で音量を変更したい場合は、まず「Command + B」でクリップを分割し、分割された部分ごとに音量を調整します。
- ミュート(消音): クリップを選択し、プレビュー画面下のツールバーにある「音量」アイコンをクリックし、音量スライダーを一番左に移動させるか、「消音」チェックボックスにチェックを入れます。または、タイムライン上のクリップの音量線が緑色(通常の音量)になっている場合、線を一番下までドラッグすると線がグレーになり、消音されます。
- 波形の表示/非表示: タイムライン下部にある設定ボタン(歯車アイコン)をクリックし、「オーディオ波形を表示」のチェックボックスで表示/非表示を切り替えられます。波形を表示しておくと、音声の大小が一目で分かり、編集しやすくなります。
6.6. BGMや効果音の追加
iMovieには、著作権フリーの音楽や効果音が多数内蔵されています。また、ご自身のiTunesライブラリやパソコン内のオーディオファイルをBGMとして使用することも可能です。
- 画面左側の「オーディオ」タブを選択します。
- 使用したい音楽や効果音を見つけます。
- 内蔵BGM/効果音: 「サウンドエフェクト」または「ミュージック」からカテゴリを選択し、一覧から選びます。クリップの上にマウスカーソルを置くとプレビュー再生できます。
- iTunes: 「iTunes」からプレイリストやアーティストごとにライブラリが表示されます。
- ガレージバンド: ガレージバンドで作成した曲が表示されます。
- ファイルから読み込む: 自分で用意したオーディオファイルを使いたい場合は、先述の「メディアを読み込む」手順でファイルを読み込み、「マイメディア」から探すか、直接「オーディオ」タブに表示される場所から探します。
- 使用したいオーディオクリップをタイムラインにドラッグ&ドロップします。
- BGMや効果音は、通常、メインの動画クリップの下にあるオーディオトラックに配置します。
- 動画クリップの上にドロップすると、そのオーディオは「クリップアタッチ式」となり、その動画クリップと一緒に移動するようになります。BGMのように動画全体にかけたい場合は、下のオーディオトラックに配置するのが一般的です。
6.7. オーディオクリップの編集
タイムラインに配置したオーディオクリップも、動画クリップと同様に様々な編集が可能です。
- トリミング/分割: 動画クリップと同じ手順で、オーディオクリップの最初、最後、または途中の不要部分をカットしたり、クリップを分割したりできます。
- 音量調整: オーディオクリップを選択し、表示される音量線またはツールバーの音量アイコンで調整できます。
- フェードイン/フェードアウト: オーディオクリップの端に表示される小さい丸(ハンドル)を内側にドラッグすると、徐々に音量が大きくなったり(フェードイン)、小さくなったり(フェードアウト)する効果をつけられます。これはBGMの開始や終了を自然にしたい場合に便利です。
- ノイズ除去/イコライザ: オーディオクリップを選択し、ツールバーの「ノイズ除去とイコライザ」アイコン(グラフのようなマーク)をクリックすると、背景ノイズの除去や、音質の調整(イコライザプリセットの適用)が可能です。
6.8. ナレーションの録音
作成中の動画に合わせて、自分の声でナレーションを録音し、動画に追加することもできます。
- ナレーションを挿入したい位置に再生ヘッドを移動させます。
- プレビュー画面の下にあるツールバーの「ナレーションを録音」アイコン(マイクのマーク)をクリックします。
- 入力デバイス(マイク)や音量を確認します。
- 準備ができたら、赤丸の「録音」ボタンをクリックします。 3秒のカウントダウン後、録音が開始されます。
- 録音が終わったら、「停止」ボタンをクリックします。
- 録音されたナレーションは、タイムラインのオーディオトラックに新しいクリップとして自動的に追加されます。
ナレーションクリップも他のオーディオクリップと同様に、音量調整やトリミングなどの編集が可能です。
7. トランジション(画面切り替え)
トランジションは、クリップとクリップの間をスムーズに、あるいは印象的に繋ぐための効果です。iMovieには様々なトランジションが用意されています。
7.1. トランジションとは?
トランジションは、前のシーンから次のシーンへ切り替わる際の視覚的な効果です。何もしないと、シーンは瞬時に切り替わりますが、トランジションを加えることで、時間の経過や場所の移動、雰囲気の変化などを視覚的に表現できます。
例:
* クロスディゾルブ: 前のシーンが徐々に消えながら、次のシーンが徐々に現れる最も一般的なトランジション。
* ワイプ: ある方向から新しいシーンが拭うように現れる効果。
* フェード: 画面が一度黒や白になってから次のシーンが現れる効果。
トランジションを使いすぎると、かえって動画が見づらくなったり、幼稚な印象になったりすることがあります。必要最低限に、効果的な場面で使うのがおすすめです。特にこだわりがなければ、クロスディゾルブやフェードなどが自然で使いやすいでしょう。
7.2. トランジションの追加方法
- 画面左側の「トランジション」タブを選択します。
- 様々な種類のトランジションが表示されます。 トランジションの上にマウスカーソルを置くと、プレビュー画面でその効果を確認できます。
- 追加したいトランジションを、タイムライン上のクリップとクリップの間にドラッグ&ドロップします。 トランジションをドロップできる場所には、緑色の枠が表示されます。
トランジションを追加すると、タイムライン上のクリップ間にトランジションのアイコンが表示されます。
7.3. トランジションの長さの調整
追加したトランジションの表示時間(長さ)を変更することができます。
- タイムライン上で、長さを変更したいトランジションをダブルクリックします。
- トランジションの設定ウィンドウが表示されます。
- 「期間」の欄に表示されている時間を編集します。 例えば、0.5秒から1.5秒に変更すると、ゆっくりと切り替わるようになります。
- 「適用」ボタンをクリックします。
8. タイトル(テロップ)の追加
タイトルは、動画の情報を視聴者に伝えるためのテキスト要素です。動画のタイトル、サブタイトル、話者の名前、場所、時間、場面の説明などを表示するために使用します。
8.1. タイトルとは?
iMovieでは、動画の上に重ねて表示されるテキストを「タイトル」と呼びます。様々なデザインやアニメーションのタイトルテンプレートが用意されています。
- オープニング/エンディング: 動画の冒頭や最後に表示されるタイトル。
- 下部三分の一: 画面の下部に表示される、人物名や場所などの情報を示すタイトル。
- 中央: 画面の中央に大きく表示されるタイトル。
- スクロール: 画面を流れるように表示されるタイトル(エンドロールなど)。
8.2. タイトルの追加方法
- 画面左側の「タイトル」タブを選択します。
- 様々なタイトルテンプレートが表示されます。 テンプレートの上にマウスカーソルを置くと、プレビュー画面でそのデザインやアニメーションを確認できます。
- 追加したいタイトルテンプレートを、タイムラインにドラッグ&ドロップします。
- 動画の冒頭にタイトルを置きたい場合は、最初のクリップの前のタイムラインにドロップします。
- 動画の上に重ねて表示したい場合は、タイトルを表示したい位置の動画クリップの上にドロップします。これにより、緑色の線で動画クリップに紐付けられたタイトルクリップが作成されます。
- 単独でタイトル画面を作りたい場合は、まず「背景」タブから単色の背景などをタイムラインに配置し、その上にタイトルを重ねてドロップします。
8.3. タイトルの編集
タイムラインに配置したタイトルクリップを選択すると、プレビュー画面にテキスト入力欄や設定が表示されます。
- タイムライン上のタイトルクリップを選択します。
- プレビュー画面に表示されるテキスト入力欄に、表示したいテキストを入力します。
- プレビュー画面の下または横にあるツールバーで、テキストのスタイルを調整します。
- フォント: テキストの書体を変更できます。
- サイズ: テキストの大きさを変更できます。
- カラー: テキストの色を変更できます。
- 配置: テキストの表示位置(左寄せ、中央揃え、右寄せ)を変更できます。
- スタイル: 太字、斜体、下線などの装飾を付けられます。
- アウトライン/シャドウ: テキストに輪郭線や影を付けることで、背景とのコントラストを高め、見やすくすることができます。
- タイトルクリップの表示時間: タイムライン上のタイトルクリップの端をドラッグすることで、タイトルが表示される長さを調整できます。
9. エフェクトとフィルター
動画の見た目を変えたり、特定の雰囲気を演出したりするために、エフェクトやフィルターを適用できます。
9.1. ビデオエフェクト
ビデオエフェクトは、動画クリップ全体に適用される特殊な効果です。
- エフェクトを適用したい動画クリップをタイムライン上で選択します。
- プレビュー画面の下にあるツールバーの「ビデオエフェクト」アイコン(三つの丸が重なったマーク)をクリックします。
- 表示されるエフェクトの一覧から、適用したいエフェクトを選択します。 カーソルを合わせるとプレビューが表示されます。
- 例: 白黒、セピア、フラッシュ、ノイズ、古いフィルム調など。
- 選択したエフェクトがクリップに適用されます。エフェクトを解除したい場合は、同じアイコンをクリックし、「なし」を選択します。
9.2. クリップフィルター
クリップフィルターは、主に動画の色調や明るさ、コントラストなどを調整する効果です。
- フィルターを適用したい動画クリップをタイムライン上で選択します。
- プレビュー画面の下にあるツールバーの「クリップフィルター」アイコン(パレットのようなマーク)をクリックします。
- 表示されるフィルターの一覧から、適用したいフィルターを選択します。
- 例: クール、ウォーム、モノクロ、ビンテージなど。
- 選択したフィルターがクリップに適用されます。フィルターを解除したい場合は、同じアイコンをクリックし、「なし」を選択します。
9.3. クリップの調整(色調補正、手ブレ補正など)
より細かい調整をしたい場合は、ツールバーの様々なアイコンを使います。
- クリップの調整アイコン(ダイヤルのマーク):
- カラーバランス: 自動または手動で色合いを調整できます。
- カラーコレクション: スライダーを使って、露出、明るさ、コントラスト、彩度などを細かく調整できます。
- 手ブレ補正アイコン(揺れている四角形): 手ブレの大きい動画クリップに適用すると、ある程度揺れを軽減できます。効果を強くすると映像がトリミングされる場合があります。
- ノイズ除去アイコン(二重丸のマーク): 映像のノイズ(ザラつき)を軽減できます。
- 速度調整アイコン(時計のマーク): クリップの再生速度を変更できます。スローモーションや早送りが可能です。
9.4. Ken Burnsエフェクト(写真や静止画用)
Ken Burnsエフェクトは、写真や静止画にズームインまたはズームアウト、そしてパン(画面移動)のアニメーションを自動的に適用する効果です。写真に動きをつけたい場合に非常に有効です。
- タイムラインに写真を配置します。
- 写真クリップを選択します。
- プレビュー画面の下にあるツールバーの「クロップ」アイコン(四角形に線が入ったマーク)をクリックします。
- 表示されるオプションで「Ken Burns」を選択します。
- プレビュー画面に「開始」と「終了」というラベルの付いた二つの枠が表示されます。
- 開始: 再生開始時に表示される画面の範囲とズーム率を設定します。
- 終了: 再生終了時に表示される画面の範囲とズーム率を設定します。
- それぞれの枠をドラッグして位置やサイズを調整することで、写真がどのように動き、最終的にどこを表示するかを決められます。
- 右側のプレビューボタン(再生マーク)をクリックすると、適用されるアニメーションを確認できます。
- 設定が終わったら、ウィンドウの外側をクリックするか、別のツールを選択して確定します。
9.5. スピード変更
動画クリップの再生速度を変更することで、スローモーションや早送りの効果を作り出せます。
- 速度を変更したい動画クリップをタイムライン上で選択します。
- プレビュー画面の下にあるツールバーの「速度調整」アイコン(時計のマーク)をクリックします。
- 表示されるオプションから、速度の種類を選択します。
- 標準: 通常の速度(1x)。
- スロー: 再生速度を遅くします(0.5x, 0.25xなど)。
- ファスト: 再生速度を速くします(2x, 4xなど)。
- フリーズフレーム: 特定の瞬間で映像を静止させます。
- カスタム: スライダーを使って、速度を自由に設定できます。
- 速度を変更すると、タイムライン上のクリップの長さが変わります。速くすると短く、遅くすると長くなります。
- 速度を変更したクリップには、速度調整アイコンが表示されます。アイコンをクリックすると、速度設定を変更したり、リセットしたりできます。
10. 写真や静止画の利用
iMovieでは、動画だけでなく写真やイラストなどの静止画も動画の一部として組み込むことができます。
10.1. 写真や静止画の読み込みと配置
写真や静止画ファイルも、動画ファイルと同様に「メディアを読み込む」からiMovieに取り込みます。読み込んだ写真は、イベントライブラリに表示されます。
- タイムラインへの配置: タイムライン上の任意の場所に、写真クリップをドラッグ&ドロップします。動画クリップの間に挟んだり、単独で配置したりできます。
- 表示時間: タイムライン上の写真クリップの端をドラッグすることで、その写真が表示される時間を調整できます。デフォルトでは、写真クリップの長さはプロジェクト設定で指定した時間(通常は4秒)になりますが、自由に長くしたり短くしたりできます。
10.2. 写真クリップへのKen Burnsエフェクト適用
先述の通り、写真クリップにはKen Burnsエフェクトを適用して動きをつけることができます。これにより、静止画だけの表示よりも視覚的に魅力的な動画にすることができます。
10.3. 写真クリップへのエフェクト/フィルター適用
写真クリップにも、動画クリップと同様にビデオエフェクトやクリップフィルターを適用できます。色合いを変えたり、特定の雰囲気を加えたりすることができます。
11. 編集した動画の確認と調整
動画編集は、カットやテロップの追加だけでなく、全体の流れやタイミング、音量バランスなどを細かく確認しながら調整していく作業が非常に重要です。
11.1. プレビュー画面での再生
編集中の動画を確認するには、プレビュー画面を利用します。
- 再生ヘッドの移動: タイムライン上の見たい位置に再生ヘッド(赤い縦線)を移動させます。タイムラインをクリックするか、スキマーを移動させてからクリックすると、再生ヘッドがその位置に移動します。
- 再生/一時停止: プレビュー画面の下にある再生ボタン(右向きの三角形)をクリックすると、再生ヘッドの位置から動画が再生されます。再生中に同じボタンをクリックすると一時停止します(一時停止ボタンに変わります)。キーボードのスペースキーでも再生/一時停止を操作できます。
- 巻き戻し/早送り: 再生/一時停止ボタンの横にある巻き戻し/早送りボタンをクリックすると、数秒ずつ移動します。
- フルスクリーン再生: プレビュー画面の右下にあるフルスクリーンボタンをクリックすると、画面全体を使って動画を再生できます。編集内容を大画面でじっくり確認したい場合に便利です。フルスクリーン再生中にEscキーを押すと元の画面に戻ります。
11.2. 細部の調整
プレビューで確認しながら、タイムライン上で様々な調整を行います。
- タイミングの調整: クリップの長さや配置場所を微調整し、映像と音声、テロップなどが意図したタイミングで表示されるようにします。
- 音量バランス: BGMが大きすぎて話し声が聞こえない、効果音が小さすぎるなど、音量に問題がないか確認し、各オーディオクリップの音量を調整します。
- トランジション/タイトル: トランジションやタイトルが表示される長さ、タイミング、デザインなどが適切か確認し、必要に応じて修正します。
- エフェクト/フィルター: 適用したエフェクトやフィルターの効果が意図通りか確認し、強さなどを調整できる場合は調整します。
11.3. 元に戻す/やり直し
編集作業中に間違えてしまった場合や、前の状態に戻したい場合は、「編集」メニューの「元に戻す」または「やり直し」を利用します。キーボードショートカットはそれぞれ「Command + Z」と「Shift + Command + Z」です。これらの機能は、編集履歴を遡って作業を修正できるため、非常に重要です。
12. 完成した動画の書き出し(共有)
編集が全て終わったら、いよいよ完成した動画をファイルとして保存したり、オンラインで公開したりする作業です。この作業を「書き出し」または「共有」と呼びます。
12.1. 書き出しとは?
iMovieで編集した内容は、あくまでiMovieのプロジェクトファイルとして保存されています。これを、一般的な動画ファイル形式(例: MP4)に変換し、他の機器で見たり、インターネットにアップロードしたりできるようにする作業が書き出しです。
12.2. 書き出し方法
iMovieで完成したプロジェクトを書き出すには、画面右上の「共有」ボタン(上向きの矢印がついた四角形のアイコン)をクリックします。表示されるメニューから、共有方法を選択します。
- ファイル: 最も一般的な書き出し方法です。動画をパソコン上のファイルとして保存します。
- YouTube & Facebook: 完成した動画を直接YouTubeやFacebookにアップロードできます。初回はアカウント連携が必要になります。
- Vimeo: Vimeoに直接アップロードできます。
- Theater: iCloudを通じて、Appleデバイス間で動画を共有できます。
- メール: メールで送信できるサイズに最適化して書き出します。長い動画には向きません。
今回は、ファイルとして保存する「ファイル」を選択して詳しく解説します。
- 画面右上の「共有」ボタンをクリックし、「ファイル」を選択します。
- 書き出し設定ウィンドウが表示されます。
- タイトル: 書き出すファイルの名前を設定します。プロジェクト名がデフォルトで入りますが、任意に変更できます。
- 説明: 動画の説明文を入力できます(任意)。
- タグ: タグを追加できます(任意)。
- 形式: 通常は「ビデオとオーディオ」を選択します。音声だけ、または静止画として書き出すことも可能です。
- 解像度: 動画の解像度(画質)を選択します。プロジェクト設定で選択した解像度(HD 1080pなど)がデフォルトで表示されます。高い解像度を選ぶほど画質は良くなりますが、ファイルサイズは大きくなります。
- 720p (HD): 標準的なHD画質。ファイルサイズを抑えたい場合に。
- 1080p (フルHD): 一般的なフルHD画質。多くの用途で推奨されます。
- 4K (Ultra HD): 高画質ですが、ファイルサイズは非常に大きくなります。デバイスが4K表示に対応している場合に選択します。
- 品質: 動画の圧縮率と画質を設定します。
- 低: ファイルサイズは小さくなりますが、画質は劣化します。
- 中: 標準的な品質。ファイルサイズとのバランスが良いです。
- 高: 高画質ですが、ファイルサイズは大きくなります。
- 最高 (ProRes): 最高画質ですが、ファイルサイズは非常に大きくなります。プロフェッショナル用途や、Final Cut Proでの再編集などに向いています。一般的な用途では「高」で十分でしょう。
- 圧縮: 動画の用途に応じて圧縮方法を選択します。
- 高圧縮(小ファイル): ファイルサイズを優先する場合に。
- 速く(大ファイル): 書き出し速度を優先する場合に。
通常は「高」「高圧縮(小ファイル)」の組み合わせで問題ありません。
- これらの設定を変更すると、「ファイルサイズ」の見積もりが表示されます。 これを参考に、書き出し設定を調整しましょう。
- 設定が完了したら、「次へ」ボタンをクリックします。
- ファイルを保存する場所を選択し、「保存」ボタンをクリックします。
これで、動画の書き出しが開始されます。書き出しには時間がかかる場合があります。進行状況は、iMovieの画面右上にある進捗インジケーターで確認できます。書き出しが完了すると通知が表示されます。
13. その他の便利機能・応用テクニック
iMovieには、さらに動画編集を楽しく、あるいは効率的にするための機能がいくつかあります。
13.1. テーマの利用
テーマは、動画全体の雰囲気を手軽に統一するための機能です。あらかじめ用意されたデザイン(タイトル、トランジション、BGMなど)がセットになっています。
- プロジェクト作成時、またはプロジェクト設定から「テーマ」を選択できます。
- 好きなテーマを選ぶと、そのテーマに沿ったタイトルやトランジションなどが自動的に利用できるようになります。
- テーマを適用した後でも、個々のクリップやタイトル、トランジションは個別に編集できます。
13.2. グリーンバック(クロマキー合成)
グリーンバック(またはブルーバック)で撮影した被写体を、別の背景映像と合成する機能です。
- グリーンバックで撮影した映像クリップを、背景にしたい映像クリップの上にドラッグ&ドロップします。 必ず、グリーンバックのクリップが上にくるように重ねてください。
- 上に重ねたグリーンバックのクリップを選択します。
- プレビュー画面の上または下にあるツールバーで、「ビデオオーバーレイ設定」アイコン(四角形が重なったマーク)をクリックします。
- 表示されるプルダウンメニューから「グリーン/ブルースクリーン」を選択します。
- 自動的に緑色(または青色)の部分が透過され、下の背景映像と合成されます。必要に応じて、「ソフトネス」などの設定で透過の具合を調整できます。
13.3. ピクチャ・イン・ピクチャ
動画の中に別の動画や写真を小窓のように表示する機能です。例えば、ゲーム実況でプレイ画面の隅にワイプで自分の顔を表示したり、説明動画で補足資料を小さく表示したりするのに使います。
- 小窓として表示したいクリップ(動画または写真)を、メインの動画クリップの上にドラッグ&ドロップします。
- 上に重ねたクリップを選択します。
- プレビュー画面の上または下にあるツールバーで、「ビデオオーバーレイ設定」アイコン(四角形が重なったマーク)をクリックします。
- 表示されるプルダウンメニューから「ピクチャ・イン・ピクチャ」を選択します。
- 上に重ねたクリップが小窓として表示されます。小窓のサイズや位置は、プレビュー画面上で直接ドラッグして調整できます。
- ツールバーの設定で、小窓の表示方法(フェードイン/アウトなど)や枠線の有無なども調整できます。
13.4. サイド・バイ・サイド
二つの動画や写真を画面を左右に分けて同時に表示する機能です。比較映像などを作る際に便利です。
- 左側に表示したいクリップをタイムラインに配置します。
- 右側に表示したいクリップを、左側のクリップの上にドラッグ&ドロップします。
- 上に重ねたクリップを選択します。
- プレビュー画面の上または下にあるツールバーで、「ビデオオーバーレイ設定」アイコン(四角形が重なったマーク)をクリックします。
- 表示されるプルダウンメニューから「サイド・バイ・サイド」を選択します。
- 二つのクリップが画面を左右に分けて表示されます。ツールバーの設定で、区切り線の有無などを調整できます。
13.5. プロジェクトの管理
プロジェクトが増えてきたら、整理も重要です。
- プロジェクトの複製: プロジェクト画面で、複製したいプロジェクトにマウスカーソルを合わせると表示される「…」アイコンをクリックし、「プロジェクトを複製」を選択します。元のプロジェクトを残したまま、内容を少し変えたい場合などに便利です。
- プロジェクトの削除: プロジェクト画面で、削除したいプロジェクトにマウスカーソルを合わせると表示される「…」アイコンをクリックし、「プロジェクトを削除」を選択します。一度削除すると元に戻せないので注意してください。
- プロジェクトの移動/コピー: プロジェクトを別のMacに移動したり、バックアップを取ったりしたい場合は、「ファイル」メニューから「ムービーライブラリを開く」を選択し、表示されるiMovie LibraryファイルをFinderで操作します。または、「ファイル」メニューの「プロジェクトを書き出す」でプロジェクトファイルを書き出し、別のMacのiMovieで読み込むことも可能です。
14. よくある質問(FAQ)
初心者の方がiMovieを使う上でよく疑問に思うことや、困った時の対処法について解説します。
Q1. 読み込みたい動画ファイルが表示されません。
A1. iMovieが対応していないファイル形式かもしれません。iMovieはMP4、MOV、M4Vなどの一般的な形式に対応していますが、特殊な形式の動画や音声ファイルは読み込めない場合があります。その場合は、対応形式に変換できるフリーソフトなどを使って変換してから読み込んでみてください。また、ファイルが破損している可能性もあります。
Q2. タイムライン上でクリップがうまく操作できません。
A2.
* 選択できていますか? 編集したいクリップを一度クリックして、黄色い枠で囲まれているか確認してください。
* ドラッグの開始位置は正しいですか? トリミングの場合はクリップの端、移動の場合はクリップの中央あたりからドラッグします。
* 重ねて配置したい場合: 上に重ねたいクリップは、メインの動画トラックではなく、その上のトラックにドラッグ&ドロップします。緑色の線が表示される場所(接続点)でドロップすると、下のクリップに紐付けられます。
* 分割したい場合: スキマー(白い縦線)を分割したい正確な位置に合わせ、キーボードのCommand + B を押します。
Q3. BGMの音量が大きすぎたり小さすぎたりします。
A3. タイムライン上のオーディオクリップを選択し、オーディオ波形の上に表示される横線またはツールバーの音量アイコンで音量を調整してください。動画クリップに含まれる音声の音量も同様に調整できます。話し声が聞き取りやすいように、BGMの音量は話し声よりもかなり小さめに設定するのが一般的です。
Q4. 完成した動画のファイルサイズが大きすぎます。
A4. 書き出し設定の「解像度」や「品質」を下げてみてください。
* 解像度を1080pから720pにする。
* 品質を「高」から「中」にする。
* 圧縮を「速く(大ファイル)」から「高圧縮(小ファイル)」にする。
これらの設定を変更するとファイルサイズの見積もりが変わるので、確認しながら調整してください。ただし、設定を下げすぎると画質が著しく劣化する場合があるので注意が必要です。動画の長さが長いほどファイルサイズは大きくなります。
Q5. iMovieの動作が重いです。
A5. 動画編集はパソコンに大きな負荷をかけます。以下の点を試してみてください。
* iMovie以外の不要なアプリケーションを終了させる。
* Macのストレージ容量に十分な空きがあるか確認する。iMovieは編集作業のために一時ファイルを作成するため、ある程度の空き容量が必要です(目安として編集する動画ファイルサイズの数倍)。
* Macを再起動する。
* iMovieやmacOSのバージョンが最新か確認する。
* 編集する素材が多い場合や、4Kなどの高解像度な動画を扱っている場合は、より高性能なMacが必要になる可能性があります。
Q6. もっと高度な編集をしたい場合は?
A6. iMovieは初心者には十分な機能を備えていますが、さらに複雑な編集や高度なカラーグレーディング、VFXなどを追求したい場合は、Appleのプロ向け動画編集ソフト「Final Cut Pro」を検討してみてください。Final Cut Proは有料ですが、iMovieと多くの点で操作性が似ており、iMovieのプロジェクトをFinal Cut Proで開いて引き継いで編集することも可能です。
Q7. iPhone/iPad版iMovieと連携できますか?
A7. はい、できます。iPhoneやiPadのiMovieで作成したプロジェクトをAirDropやiCloud Driveを使ってMacに転送し、Mac版iMovieで編集を続けることができます。また、Mac版で編集したプロジェクトをiPhone/iPad版に戻すことも可能です(ただし、一部Mac版固有の機能は反映されない場合があります)。外出先でラフ編集を行い、自宅でMacでじっくり仕上げるといった使い方が可能です。
15. まとめ
この記事では、iMovieを使った動画編集の基本的な使い方について、プロジェクト作成から書き出しまで、一連の流れを詳細に解説してきました。
- iMovieはApple製品ユーザーであれば無料で利用でき、直感的な操作で本格的な動画編集が可能です。
- まずは素材を準備し、新しいプロジェクトを作成することから始めます。
- 読み込んだクリップをタイムラインに配置し、不要部分のカットや並べ替えといった基本的な編集を行います。
- 映像だけでなく、BGM、効果音、ナレーションといったオーディオの編集も重要です。
- トランジションやタイトル、エフェクトなどを追加することで、動画をより魅力的で分かりやすいものに仕上げられます。
- 編集が終わったら、プレビューで全体を確認し、細部を調整します。
- 最後に、完成した動画をファイルとして書き出すか、YouTubeなどに直接共有します。
動画編集は、始めは戸惑うこともあるかもしれませんが、実際に手を動かし、様々な機能を試してみることが習得への一番の近道です。iMovieはシンプルな操作性なので、いじっているうちに「これは何だろう?」「こうやるとどうなるんだろう?」といった好奇心を持って触ってみることをお勧めします。
家族との思い出、旅行の記録、趣味の活動報告、学習成果の発表など、動画で表現したいことはきっとたくさんあるはずです。ぜひこの機会にiMovieを活用して、あなただけの素敵な動画を作成してみてください。
iMovieの基本操作をマスターすれば、動画を通じてあなたのメッセージや感動を、より多くの人に届けることができるようになります。さあ、今日からあなたの動画編集ライフをスタートさせましょう!