【使い方ガイド】Videoproc Converter で動画変換・編集をマスター:包括的な詳細解説
インターネットの普及により、私たちは様々な形式や解像度の動画コンテンツに触れる機会が増えました。高画質な4K動画、スマートフォンで撮影した縦長動画、古いカメラで撮ったAVIファイル、オンライン動画、DVDなど、その種類は多岐にわたります。これらの動画をスムーズに再生したり、特定のデバイスに合わせて最適化したり、あるいは不要な部分をカットしたり、複数の動画を繋ぎ合わせたりといった編集作業を行うためには、高性能で使いやすい動画処理ツールが不可欠です。
そこで登場するのが「Videoproc Converter」(旧名: VideoProc)です。このソフトウェアは、単なる動画変換ツールに留まらず、動画編集、DVDリッピング、オンライン動画ダウンロード、画面録画といった多様な機能を一つのパッケージに統合した、まさにオールインワンの動画処理ソリューションです。特に、Intel、NVIDIA、AMDのハードウェアアクセラレーション技術を最大限に活用することで、処理速度と安定性に優れている点が大きな特長です。
本記事では、Videoproc Converter の基本的な使い方から、各機能の詳細、応用テクニックに至るまで、網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたも Videoproc Converter を使いこなし、動画処理の達人となることができるでしょう。
この記事で学べること:
- Videoproc Converter とは何か? その特徴と他のツールとの違い。
- インストールと初期設定: ソフトウェアを使い始めるまでの準備。
- 基本インターフェースの理解: 各モジュールの役割と操作画面の概要。
- 動画変換機能の詳細: あらゆる形式の動画を目的の形式へ変換する方法、設定オプション(解像度、フレームレート、ビットレート、コーデックなど)。
- 編集機能の活用:
- カット: 不要な部分を正確にトリミングする方法。
- クロップ: 画面のサイズやアスペクト比を調整する方法。
- 結合: 複数の動画ファイルを一つにまとめる方法。
- 回転・反転: 動画の向きを修正する方法。
- エフェクト: フィルターや色調補正で動画の雰囲気を変える方法。
- 透かし: テキストや画像を動画に追加する方法。
- 字幕: 字幕ファイルを追加または検索して動画に組み込む方法。
- DVD機能: DVDをリッピングし、様々な形式でPCやデバイスに保存する方法。
- ダウンロード機能: オンライン動画サイトから動画や音楽をダウンロードする方法。
- 録画機能: PC画面、Webカメラ、またはその両方を録画する方法。
- 応用設定と最適化: ハードウェアアクセラレーションの設定、品質とファイルサイズのバランス調整、バッチ処理。
- トラブルシューティングとヒント集: よくある問題とその解決策、効率的な使い方。
さあ、Videoproc Converter の世界へ飛び込み、あなたの動画コンテンツを思い通りに操りましょう。
1. Videoproc Converter とは何か? その特徴と他のツールとの違い
Videoproc Converter は、Digiarty Software, Inc. によって開発された高機能な動画処理ソフトウェアです。その最大の特徴は、動画変換、編集、ダウンロード、録画、DVDリッピングといった主要な機能を一つに統合している点です。これにより、ユーザーは複数の異なるソフトウェアを使い分ける必要がなくなり、効率的に動画関連の作業を進めることができます。
主な特徴:
- 多様な機能: 動画変換、編集、ダウンロード、録画、DVDリッピングのすべてをカバー。
- 広範なフォーマット対応: MP4、MOV、MKV、AVI、WMV、HEVC (H.265)、H.264、VP9、AV1など、ほぼすべての主要な動画・音声フォーマットに対応。
- ハードウェアアクセラレーション: Intel QSV (Quick Sync Video)、NVIDIA NVENC/CUDA、AMD VCE/VCN といったハードウェアアクセラレーション技術にフル対応。これにより、CPUへの負荷を大幅に軽減し、変換・編集速度を劇的に向上させます。特に4Kや高フレームレート動画の処理においてその威力を発揮します。
- 4K/HEVC 対応: 高解像度である4K動画や、圧縮効率の高いHEVC (H.265) コーデックに完全対応しており、高品質な動画を扱うことが可能です。
- 直感的で使いやすいインターフェース: 初心者でも迷うことなく操作できるよう設計されています。
- 高品質な出力: 高速処理でありながら、画質劣化を最小限に抑えた高品質な出力を実現します。
他のツールとの違い:
市場には多くの動画変換ソフトや編集ソフトが存在しますが、Videoproc Converter が優位性を持つ点として以下のものが挙げられます。
- オールインワン性: 通常、変換、編集、ダウンロード、録画はそれぞれ別の専門ソフトが必要ですが、Videoproc はこれらを統合しています。
- ハードウェアアクセラレーションの強力な実装: 他のソフトでもハードウェアアクセラレーションを謳っているものはありますが、Videoproc は主要なGPUメーカーの技術に幅広く対応し、その活用度が高いと評価されています。これにより、特に大規模な処理や高負荷な処理において、処理時間で大きな差が出ます。
- 安定性: 高速処理と同時に、処理中のクラッシュやエラーが少なく、安定した動作を提供します。
- 対応フォーマットの幅広さ: 最新のコーデックからニッチなフォーマットまで、非常に多くの種類に対応しています。
これらの特徴から、Videoproc Converter は、動画変換や簡単な編集を頻繁に行うユーザー、大量の動画を扱うユーザー、そして処理速度と安定性を重視するユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となります。
2. インストールと初期設定
Videoproc Converter を使い始めるための最初のステップは、ソフトウェアのダウンロードとインストールです。
ダウンロード手順:
- 公式サイトへのアクセス: ウェブブラウザを開き、「Videoproc Converter」または「VideoProc」で検索し、公式サイト (www.videoproc.com またはその地域のドメイン) にアクセスします。
- ダウンロードページの確認: トップページや製品ページに「無料ダウンロード」や「Download」といったボタンがあるはずです。それをクリックします。
- OS の選択: Windows版とMac版がありますので、ご自身のOSに合ったバージョンを選択してダウンロードします。通常は自動的にOSを判別して適切なバージョンが提示されます。
- インストーラーの保存: ダウンロードしたファイル(Windowsの場合は
.exe
、Macの場合は.dmg
)を指定した場所に保存します。
インストール手順 (Windows版を例に):
- インストーラーの実行: ダウンロードした
.exe
ファイルをダブルクリックして実行します。 - ユーザーアカウント制御 (UAC): 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」という UAC のダイアログが表示されたら、「はい」をクリックします。
- 使用許諾契約の確認: 使用許諾契約が表示されます。内容を確認し、同意できる場合は「同意する」またはチェックボックスにチェックを入れて次に進みます。
- インストール先フォルダの指定 (任意): 通常はデフォルトのインストール先で問題ありませんが、変更したい場合は「カスタマイズ」や「オプション」のような項目から指定できます。
- インストール開始: 「インストール」ボタンをクリックすると、インストールが開始されます。
- インストール完了: インストールが完了すると、「Videoproc Converter を起動する」といったチェックボックスと「完了」ボタンが表示されます。チェックを入れたまま「完了」をクリックすると、そのままソフトウェアが起動します。
初期設定:
インストール後、初めてソフトウェアを起動すると、試用版として起動するか、ライセンスコードを入力してアクティベートするかを選択する画面が表示される場合があります。
- 試用版: 一部の機能に制限がありますが、無料で基本的な機能を試すことができます。(例: 5分以上の動画は変換できない、一部機能が利用できないなど)。機能を試したい場合は試用版を選択します。
- ライセンスコードによるアクティベート: 製品版ライセンスを購入済みの場合は、購入時に提供されたライセンスコードを入力してソフトウェアをアクティベートします。これにより、すべての機能制限が解除されます。
ソフトウェアが起動したら、必要に応じて言語設定を確認します。通常はOSの言語に合わせて日本語で表示されますが、異なる場合はメニューから言語設定を変更できます。(例: メニューバーの Help
> Language
> 日本語
)。
これで Videoproc Converter を使う準備が整いました。
3. 基本インターフェースの理解
Videoproc Converter を起動すると、シンプルで分かりやすいメインインターフェースが表示されます。画面中央には、Videoproc の主要な4つの機能を示す大きなアイコンが表示されています。
- ビデオ (Video): 動画ファイルや音楽ファイルの変換、編集を行うためのモジュールです。最も頻繁に使用される機能でしょう。
- DVD: DVDディスク、DVDフォルダ、またはISOイメージファイルを読み込み、動画ファイルとしてリッピングするためのモジュールです。
- ダウンロード (Downloader): YouTubeなどのオンライン動画共有サイトから動画や音楽をダウンロードするためのモジュールです。
- 録画 (Recorder): PCの画面、Webカメラ、またはその両方を録画するためのモジュールです。
画面上部には、メニューバーがあります。「ヘルプ」「オプション」「登録」などの項目が含まれます。画面下部には、バージョン情報や著作権表示などがあります。
操作の基本的な流れ:
どのモジュールを使用する場合でも、基本的な操作の流れは似ています。
- ソースの読み込み: 処理したいファイル(動画ファイル、DVD、URLなど)をソフトウェアに読み込ませます。ドラッグ&ドロップに対応している場合が多いです。
- 出力設定: 目的の形式(ファイル形式、解像度、品質など)を選択または設定します。
- 追加設定・編集 (任意): 必要に応じて、動画のカット、クロップ、エフェクト適用などの編集を行います。
- 出力先フォルダの指定: 変換・ダウンロード・録画したファイルの保存先を指定します。
- 処理開始: 設定が完了したら、「RUN」ボタンなどをクリックして処理を開始します。
次からは、各モジュールの使い方を詳細に見ていきましょう。まずは最も中心的な機能である「ビデオ」モジュール、つまり動画変換・編集機能から解説します。
4. 動画変換機能の詳細
「ビデオ」モジュールは、様々な形式の動画や音楽ファイルを目的の形式に変換するための中心機能です。あらゆるデバイスで再生できるようにしたり、ファイルサイズを小さくしたり、特定の編集ソフトに対応する形式に変換したりする際に使用します。
メイン画面で「ビデオ」アイコンをクリックすると、動画変換・編集画面が開きます。
4.1. ファイルの読み込み
変換したい動画ファイルや音楽ファイルを Videoproc Converter に読み込ませます。
- 「+ 動画」ボタン: 画面上部にある「
+
動画」ボタンをクリックすると、ファイル選択ダイアログが開きます。変換したいファイルを選択し、「開く」をクリックします。複数のファイルを選択することも可能です。 - 「+ 音楽」ボタン: 音声ファイル(MP3、AAC、FLACなど)を変換したい場合は、「
+
音楽」ボタンを使用します。 - ドラッグ&ドロップ: エクスプローラー(Windows)や Finder(Mac)から、変換したいファイルを直接 Videoproc Converter のウィンドウ内にドラッグ&ドロップするのが最も手軽な方法です。複数のファイルを一度にドラッグ&ドロップすることもできます。
読み込んだファイルは、ウィンドウ中央のリストに表示されます。ファイル名、時間、形式などの情報が確認できます。
4.2. 出力プロファイルの選択
ファイルを読み込んだら、次に変換後の形式(出力プロファイル)を選択します。Videoproc Converter は非常に多くの出力プロファイルをプリセットとして用意しており、初心者でも簡単に目的の形式を見つけることができます。
リストの下部にある「出力プロファイル」エリアをクリックします。様々なカテゴリが表示されます。
- 一般動画: MP4 (H.264)、MP4 (HEVC)、MKV (H.264)、MKV (HEVC)、AVI、WMV、MOVなど、汎用性の高い主要な動画フォーマット。
- 一般音声: MP3、AAC、FLAC、WAVなど、音声フォーマット。
- ウェブ動画: YouTube、Vimeo、Facebookなど、ウェブサイトへのアップロードに適した形式(通常はMP4)。
- デバイス: iPhone、iPad、Android (Samsung, Huaweiなど)、ゲーム機 (PS4, Xbox)、テレビといった特定のデバイス向けに最適化されたプロファイル。
- Apple デバイス: iPhone/iPad/Apple TVなど、Apple製品向けの細かいプロファイル。
- Android パッド モバイル: 様々なAndroidデバイス向けのプロファイル。
- SD カード動画: GoProなど、SDカードを使用するカメラのファイル形式。
- DVD バックアップ プロファイル: 動画ファイルからDVDを作成するための形式。
- HD 動画: 720p、1080pといった高画質動画向けのプロファイル。
- 4K Ultra HD 動画: 2160pなどの超高画質動画向けのプロファイル。
- その他: その他の特殊なプロファイル。
目的や使用するデバイスに合わせて、適切なカテゴリからプロファイルを選択します。例えば、iPhoneで再生したい場合は「デバイス」>「Apple デバイス」からお使いのiPhoneモデルに合ったプロファイルを選択します。ウェブにアップロードしたい場合は「ウェブ動画」>「YouTube動画」などが便利です。
選択したプロファイルは、ファイルリストの下部に表示されます。
4.3. 出力設定の詳細調整 (任意)
選択したプロファイルは多くのユーザーにとって最適な設定になっていますが、さらに細かい設定を調整したい場合は、ファイルリストにある該当ファイルの右端にある「設定」(歯車アイコン)ボタンをクリックします。
設定ウィンドウが表示され、以下の項目を調整できます。
- ビデオコーデック: H.264、HEVC、MPEG4、VP9、AV1など、動画の圧縮方式を選択します。HEVCはファイルサイズを小さくできますが、古いデバイスでは再生できない場合があります。H.264は最も互換性が高いです。
- フレームレート (FPS): 1秒あたりのフレーム数。24fps(映画)、30fps(テレビ、標準)、60fps(滑らか)などが一般的です。元の動画のフレームレートに合わせるのが基本ですが、変更することも可能です。
- 解像度: 動画のサイズ(例: 1920×1080, 1280×720)。元動画より大きくはできませんが、小さくしてファイルサイズを削減したり、特定のサイズに合わせたりできます。ドロップダウンリストから選択するか、手動で入力できます。「元の解像度を保持」を選択することも可能です。
- アスペクト比: 画面の縦横比(例: 16:9, 4:3)。通常は「オリジナルと同じ」で問題ありませんが、特定の比率に固定したい場合に調整します。
- ビットレート: 動画の品質とファイルサイズに直接関わる値。値が大きいほど高画質になりますが、ファイルサイズも大きくなります。「VBR (Variable Bitrate)」または「CBR (Constant Bitrate)」を選択し、数値を調整します。「オリジナルと同じ」を選ぶこともできます。画質スライダーで大まかに調整することも可能です。
- オーディオコーデック: 音声の圧縮方式(AAC、MP3、AC3、WAVなど)。AACは互換性が高く一般的です。
- サンプルレート: 音質の高さを表す値(44.1kHz, 48kHzなど)。
- チャンネル: 音声のチャンネル数(モノラル、ステレオ、5.1chなど)。
- オーディオビットレート: 音声の品質に関わる値。
- その他: ボリューム調整、A/V同期修正、デインターレースなどのオプションもあります。
これらの設定を調整したら「完了」をクリックして設定を閉じます。複数のファイルがある場合、個別に設定できます。
4.4. ハードウェアアクセラレーションの活用
Videoproc Converter の最大の利点の一つがハードウェアアクセラレーションです。これにより、CPUだけでなくGPU(グラフィックボード)の処理能力も利用して、動画変換を高速化します。
メインウィンドウの右下、RUNボタンの上に、Intel、NVIDIA、AMDのアイコンが表示されているエリアがあります。ここにチェックが入っているか確認しましょう。
- 「Intel」, 「NVIDIA」, 「AMD」にチェック: お使いのPCに搭載されているGPUの種類に応じて、該当する項目にチェックが入っていることを確認してください。通常は自動的に検出されてチェックが入ります。
- 「ハードウェア アクセラレーション エンジン」: このチェックボックスにチェックが入っていると、ハードウェアアクセラレーションが有効になります。高速変換のためには必ずチェックを入れておきましょう。
もしチェックが入らない場合や、正常に動作しない場合は、グラフィックドライバーが最新版であるか確認してください。グラフィックドライバーを更新することで問題が解決することが多いです。
4.5. 出力先フォルダの指定
変換後のファイルがどこに保存されるかを指定します。
メインウィンドウの下部にある「出力フォルダ」の横に表示されている現在のフォルダ名をクリックするか、「参照」ボタンをクリックします。ファイル選択ダイアログが表示されるので、保存したいフォルダを選択します。
4.6. 変換の開始
すべての設定が完了したら、メインウィンドウ右下にある大きな「RUN」ボタンをクリックします。
変換処理が開始され、進捗状況が表示されます。変換が完了すると、指定した出力フォルダが自動的に開かれる設定になっています。
複数のファイルをリストに追加している場合、すべてが順番に、または設定によっては同時に変換されます(バッチ処理)。
5. 編集機能の活用
Videoproc Converter は、変換だけでなく、簡単な動画編集機能も備えています。カット、クロップ、結合、回転、エフェクト、透かし、字幕といった、動画を整えるために頻繁に使用する機能が揃っています。
ファイルリストにある動画の右端にある「編集」ボタン(ハサミのようなアイコン)をクリックすると、編集ウィンドウが開きます。編集機能は、変換処理と同時に適用されます。
5.1. カット (Trim)
動画の不要な最初や最後の部分を削除したり、動画の中から必要な特定のシーンだけを切り出したりする機能です。
編集ウィンドウの左側メニューで「カット」を選択します。
- プレビューウィンドウ: 動画のプレビューが表示されます。
- タイムラインと再生ヘッド: 動画全体の時間を示し、現在の再生位置を示す縦線(再生ヘッド)があります。
- スライダーとハンドル: タイムラインの下には動画の開始と終了を示すスライダーがあり、両端のハンドルをドラッグすることで切り取り範囲を指定できます。
- 「開始時間」と「終了時間」: より正確に時間を指定したい場合は、これらの入力ボックスに秒単位またはフレーム単位で直接数値を入力します。
- 「切り取り開始」ボタン (緑の角括弧): 再生ヘッドを希望の開始位置に移動し、このボタンをクリックすると、その位置が切り取り開始点となります。
- 「切り取り終了」ボタン (赤の角括弧): 再生ヘッドを希望の終了位置に移動し、このボタンをクリックすると、その位置が切り取り終了点となります。
- セグメントリスト: 切り取った範囲(セグメント)は下のリストに表示されます。
- 「
+
」ボタン (新しいセグメント追加): 動画の中から複数の異なるシーンを切り出したい場合は、一つのセグメントを設定した後、「+
」ボタンをクリックして新しいセグメントを追加し、同様に範囲を指定します。これにより、複数のシーンを結合して一つの動画として出力できます。 - 「
-
」ボタン (セグメント削除): 不要なセグメントを選択して削除します。 - 「全てクリア」: 設定したすべてのセグメントをリセットします。
必要な範囲の指定、または必要なセグメントの追加が終わったら、「完了」をクリックして編集ウィンドウを閉じます。
5.2. クロップ (Crop)
動画の画面サイズを変更したり、不要な外枠(黒帯など)を削除したりする機能です。アスペクト比を調整したい場合にも使用します。
編集ウィンドウの左側メニューで「クロップ」を選択し、「クロップを有効にする」にチェックを入れます。
- プレビューウィンドウ: 元動画のプレビューが表示され、その上にクロップ範囲を示す点線の枠が表示されます。
- 枠線のドラッグ: 点線の枠の各辺や角をドラッグして、手動でクロップ範囲を調整できます。
- 「選択したエリア」: クロップ範囲のピクセルサイズ(例: 1280×720)が表示されます。
- 「位置とサイズ」: クロップ範囲の左上隅の座標と、クロップ後の幅・高さを手動で入力できます。
- 「アスペクト比」: ドロップダウンリストから、16:9, 4:3, 1:1など、一般的なアスペクト比を選択してクロップ枠を固定できます。これにより、特定のデバイスやプラットフォームに合わせたアスペクト比に簡単に調整できます。
- 「元の画像」: クロップを無効に戻します。
- 「出力アスペクト比」: クロップ後の動画のアスペクト比が表示されます。必要に応じて「強制出力アスペクト比」にチェックを入れ、ドロップダウンから選択することで、クロップ範囲に関わらず特定のアスペクト比で出力することも可能です(この場合、動画が引き延ばされたり圧縮されたりする可能性があります)。通常は「オリジナル」のままで問題ありません。
クロップ範囲と設定が終わったら、「完了」をクリックします。
5.3. 結合 (Merge)
複数の動画ファイルを一つに結合するための機能です。この機能は編集ウィンドウ内ではなく、メインウィンドウのファイルリストで行います。
- メインウィンドウに結合したい複数の動画ファイルを読み込みます。
- ファイルリストの右側にある「結合」チェックボックスにチェックを入れます。結合したいすべてのファイルにチェックを入れます。
- ファイルリストの上にある「結合」チェックボックス(またはボタン)をクリックします。
- リスト内のファイルが結合され、一つのエントリになります。ファイル名が「Merge-元のファイル名…」のようになります。
注意点: 結合されたファイルは、結合後のエントリを選択して編集や変換を行います。結合されたファイルの並び順は、リストに読み込んだ順になります。異なる形式や設定のファイルを結合する場合、変換処理中にすべてのファイルが選択した出力プロファイルに合わせて再エンコードされます。
5.4. 回転・反転 (Rotate)
動画の向きがおかしい場合に、回転させたり左右・上下に反転させたりする機能です。スマートフォンで縦向きに撮ってしまった動画を横向きに直したい場合などに便利です。
編集ウィンドウの左側メニューで「回転」を選択します。
- 「左へ回転」: 時計回りに90度回転させます。
- 「右へ回転」: 反時計回りに90度回転させます。
- 「横に反転」: 左右に反転させます。
- 「縦に反転」: 上下に反転させます。
これらのボタンをクリックするたびに、プレビューウィンドウで動画の向きが変化します。希望の向きになるまでクリックします。
設定が終わったら、「完了」をクリックします。
5.5. エフェクト (Effect)
動画に視覚的なフィルターを適用したり、明るさやコントラストといった色調を調整したりする機能です。動画の雰囲気や見た目を簡単に変更できます。
編集ウィンドウの左側メニューで「エフェクト」を選択します。
- フィルターリスト: 画面左側に、「グレースケール」「シャープ」「エンボス」「オールドフィルム」など、様々なプリセットフィルターのサムネイルが表示されます。適用したいフィルターのサムネイルをクリックすると、プレビューウィンドウにその効果が反映されます。複数のフィルターを同時に適用することはできません。
- 色調調整スライダー: 画面右側に、「明るさ」「コントラスト」「彩度」「色相」のスライダーが表示されます。これらのスライダーを左右にドラッグして、動画の色調を細かく調整できます。フィルターと同時に色調調整を行うことも可能です。
- 「全てリセット」: 適用したフィルターと色調調整をすべて元に戻します。
効果を確認しながら調整し、「完了」をクリックします。
5.6. 透かし (Watermark)
動画にテキストや画像形式の透かし(ウォーターマーク)を追加する機能です。著作権表示やブランディング目的で使用します。
編集ウィンドウの左側メニューで「透かし」を選択し、「透かしを有効にする」にチェックを入れます。
- 「テキスト透かし」: テキストを入力して透かしとして追加します。
- テキスト入力欄: 表示したいテキストを入力します。
- フォント設定: フォントの種類、サイズ、色、スタイル(太字、斜体など)、角度を調整できます。
- 透明度: スライダーで透かしの透明度を調整します。
- 位置: 四隅、中央などのプリセット位置を選択するか、画面上の透かしをドラッグして任意の位置に配置します。
- 「画像透かし」: 画像ファイル(PNG, JPGなど)を透かしとして追加します。
- 「参照」ボタン: 透かしとして使用したい画像ファイルを選択します。PNG形式は背景透過に対応しています。
- サイズ調整: スライダーで画像のサイズを調整します。
- 透明度: スライダーで画像の透明度を調整します。
- 位置: テキスト透かしと同様に、プリセット位置選択またはドラッグで配置します。
テキストと画像の両方を同時に透かしとして追加することも可能です。
設定が終わったら、「完了」をクリックします。
5.7. 字幕 (Subtitle)
動画に字幕を追加する機能です。外部の字幕ファイル(.srt, .ass, .ssaなど)を読み込んだり、オンラインで字幕を検索したり、字幕を無効にしたりできます。
編集ウィンドウの左側メニューで「字幕」を選択します。
- 「字幕なし」: 字幕を表示しない設定です。
- 「内蔵字幕」: 元動画に既に埋め込まれている字幕(あれば)を選択して表示できます。
- 「外部字幕」: 外部の字幕ファイルを追加します。
- 「
+
」ボタン: 字幕ファイル(.srt, .ass, .ssaなど)を選択して読み込みます。複数の字幕ファイルを読み込んで切り替えることも可能です。 - 言語: 字幕ファイルの言語情報が表示されます。
- 「検索」ボタン: 動画のタイトルなどからオンラインで字幕ファイルを検索できます。
- 位置: 字幕の表示位置(上、中央、下)を選択できます。
- エンコード: 字幕ファイルの文字化けを防ぐため、適切なエンコード方式(Shift-JIS, UTF-8など)を選択します。
- 「
- 「埋め込み字幕に変換」: 外部字幕を選択している場合、このオプションにチェックを入れると、字幕が動画自体に焼き付けられます(ハードサブ)。チェックを外すと、動画ファイル内に字幕データが含まれますが、再生時に表示/非表示を切り替えられます(ソフトサブ、対応プレイヤーが必要)。通常は「埋め込み字幕に変換」にチェックを入れておけば、どんな環境でも字幕が表示されます。
字幕の設定が終わったら、「完了」をクリックします。
6. DVD機能
Videoproc Converter の「DVD」モジュールは、市販やレンタル、あるいは自作のDVDディスクを読み込み、PCや様々なデバイスで再生できる動画ファイルに変換(リッピング)するための機能です。DVDの内容をバックアップしたり、スマートフォンで視聴できるようにしたりする際に非常に便利です。
メイン画面で「DVD」アイコンをクリックすると、DVDリッピング画面が開きます。
6.1. DVDソースの読み込み
リッピングしたいDVDをPCのDVDドライブに挿入します。
- 「DVDディスク」ボタン: DVDドライブにディスクが入っている場合、このボタンをクリックすると自動的にディスクの内容を読み込みます。
- 「DVDフォルダ」ボタン: PCのハードディスクに保存されているVIDEO_TSフォルダ(DVDの内容をコピーしたもの)を選択して読み込みます。
- 「ISOイメージ」ボタン: PCに保存されているDVDのISOイメージファイルを選択して読み込みます。
読み込みが成功すると、DVDのタイトルリストが表示されます。通常、最も長い時間のエントリが本編であることが多いです。不要なチャプターやタイトルがある場合は、チェックボックスを外してリッピング対象から除外できます。
6.2. 出力プロファイルの選択
動画変換モジュールと同様に、「出力プロファイル」エリアからリッピング後の動画形式を選択します。DVDリッピングに特化したプロファイルも用意されています。
- DVD バックアップ プロファイル:
Main Title Content Copy
: 本編動画のみを、品質劣化なく高速にコピーします(元の形式による)。Title Copy
: 選択したタイトル全体をそのままコピーします。Full Title Copy
: DVD全体のタイトルをそのままコピーします。DVD Backup (ISO Image)
: DVD全体をISOイメージファイルとしてバックアップします。DVD Backup (DVD Folder)
: DVD全体をVIDEO_TSフォルダとしてバックアップします。
- 一般動画: MP4 (H.264, HEVC), MKVなど、汎用的な動画形式。
- デバイス: iPhone, Androidなどのデバイス向けプロファイル。
目的やリッピング後の用途に合わせて適切なプロファイルを選択します。例えば、PCで本編を視聴したい場合は「一般動画」からMP4 (H.264) を、スマートフォンで見たい場合は「デバイス」から該当するプロファイルを選択します。ディスクを丸ごとバックアップしたい場合は「DVD バックアップ プロファイル」からISOイメージやDVDフォルダを選択します。
6.3. 出力設定の詳細調整 (任意)
選択したプロファイルの細かい設定は、動画変換モジュールと同様に「設定」(歯車アイコン)ボタンから調整可能です。コーデック、解像度、ビットレートなどを必要に応じて変更します。ただし、バックアップ系のプロファイル(Content Copy, ISO, Folder)を選択した場合、元ファイルをそのままコピーするため、設定変更はできません。
6.4. チャプター、音声トラック、字幕の選択
読み込んだタイトルの横にあるドロップダウンメニューやチェックボックスから、リッピングに含めるチャプター、音声トラック(日本語、英語など)、字幕トラックを選択できます。通常はデフォルトで本編、主音声、主字幕が選択されています。
6.5. ハードウェアアクセラレーション
DVDリッピングにおいてもハードウェアアクセラレーションが有効です。変換モジュールと同様に、画面右下でハードウェアアクセラレーションが有効になっていることを確認しましょう。これにより、リッピング速度が大幅に向上します。
6.6. 出力先フォルダの指定
変換後のファイルまたはフォルダの保存先を指定します。「出力フォルダ」の横にある「参照」ボタンから設定します。
6.7. リッピングの開始
すべての設定が完了したら、「RUN」ボタンをクリックします。
リッピング処理が開始され、進捗状況が表示されます。コピー系プロファイルは非常に高速に完了します。変換系プロファイルは、選択した品質設定によって時間が異なります。
免責事項: DVDリッピングは、著作権法に触れる可能性がある行為です。個人的な鑑賞目的であっても、日本の法律では技術的保護手段が施された市販・レンタルのDVDをコピーすることは禁止されています。本機能を使用する際は、法律を遵守し、自己責任で行ってください。
7. ダウンロード機能
Videoproc Converter の「ダウンロード」モジュールは、YouTube、Vimeo、ニコニコ動画、Facebookなどのオンライン動画共有サイトから、動画や音楽をPCにダウンロードするための機能です。オフラインでの視聴や、素材としての利用(利用規約に準拠)などに役立ちます。
メイン画面で「ダウンロード」アイコンをクリックすると、ダウンロード画面が開きます。
7.1. ダウンロードしたい動画のURLを貼り付け
ダウンロードしたい動画が掲載されているページのURLをコピーします。
- ウェブブラウザで目的の動画ページを開きます。
- ブラウザのアドレスバーに表示されているURLをコピーします(右クリック > コピー、または Ctrl+C / Cmd+C)。
- Videoproc Converter のダウンロード画面に戻ります。
- 画面左上にある「
+
動画追加」ボタンをクリックします。 - URL入力ウィンドウが開きますので、コピーしたURLを貼り付けます(右クリック > 貼り付け、または Ctrl+V / Cmd+V)。
- 「分析」ボタンをクリックします。
Videoproc Converter が指定されたURLの動画情報を分析し、利用可能な形式、解像度、品質のリストを表示します。
7.2. ダウンロードオプションの選択
分析結果が表示されたら、ダウンロードしたい動画のバージョンを選択します。
- 動画リスト: 分析された動画のリストが表示されます。複数の解像度やフォーマットが利用可能な場合は、それぞれの詳細(形式、解像度、サイズ)が表示されます。
- 音声リスト: 動画だけでなく、音声のみ(MP3など)でダウンロードできる場合も表示されます。
- 「選択したオプションをダウンロード」: ダウンロードしたい解像度や形式の横にあるチェックボックスにチェックを入れます。通常は最も高画質なものがデフォルトで選択されています。
- 「全てクリア」: 選択をリセットします。
7.3. バッチダウンロード (複数動画のダウンロード)
複数の動画をダウンロードしたい場合、分析ウィンドウを閉じずに、引き続き「+
動画追加」ボタンをクリックして別の動画URLを貼り付け、分析・選択を繰り返します。追加された動画はリストに並んで表示されます。
7.4. 出力先フォルダの指定
ダウンロードしたファイルの保存先を指定します。ダウンロード画面の下部にある「保存先」の横にある「参照」ボタンから設定します。
7.5. ダウンロードの開始
ダウンロードしたい動画とオプションの選択が終わったら、画面右下にある「選択されたオプションをダウンロード」ボタンをクリックします。
ダウンロードが開始され、進捗状況が表示されます。複数の動画を選択した場合は、順番にダウンロードされます。
7.6. YouTubeプレイリスト/チャンネルのダウンロード
Videoproc Converter は、YouTubeのプレイリストやチャンネルに含まれる複数の動画を一括でダウンロードする機能もサポートしています。
- ダウンロード画面で「
+
動画追加」ボタンをクリックします。 - プレイリストまたはチャンネルのURLを貼り付け、「分析」をクリックします。
- 分析に成功すると、プレイリスト/チャンネルに含まれる動画のリストが表示されます。
- ダウンロードしたい動画にチェックを入れ、解像度やオプションを選択します。
- 「選択されたオプションをダウンロード」をクリックします。
注意点: オンライン動画のダウンロードは、サイトの利用規約や著作権法によって制限されている場合があります。ダウンロードした動画の取り扱いには十分注意し、法律や規約を遵守してください。特に、著作権者の許可なく再配布や公開することは違法となる可能性があります。
8. 録画機能
Videoproc Converter の「録画」モジュールは、PCの画面全体または特定領域、Webカメラの映像、あるいはその両方を同時に録画するための機能です。チュートリアル動画の作成、ゲームプレイの実況、オンライン会議やセミナーの記録などに使用できます。
メイン画面で「録画」アイコンをクリックすると、録画画面が開きます。
8.1. 録画モードの選択
録画画面の上部にあるタブで、録画したいモードを選択します。
- 画面録画 (Screen Recorder): PC画面を録画します。
- カメラ録画 (Webcam Recorder): 接続されているWebカメラの映像を録画します。
- 画面 + カメラ録画 (Screen & Webcam Recorder): PC画面とWebカメラ映像を同時に録画します。
8.2. 各録画モードの詳細設定
A. 画面録画 (Screen Recorder)
- 録画領域の指定:
- フルスクリーン: 画面全体を録画します。
- 領域をクロップ: 画面の一部を指定して録画します。「クロップ」ボタンをクリックし、表示される枠をドラッグして録画したい領域を囲みます。正確なサイズや位置を指定したい場合は、「領域を固定」にチェックを入れ、サイズを入力することも可能です。
- 音声設定:
- システムサウンド: PCから出力される音(動画の音声、ゲーム音など)を録音します。
- マイク: 接続されているマイクからの音声を録音します。
- 両方、片方のみ、または両方ともオフを選択できます。
- 品質と形式: 録画品質(高、中、低)を選択し、出力形式(MP4, FLV, MOV, TS, MKV)を選択します。MP4が一般的で互換性が高いです。
- その他オプション:
マウスのクリック効果
: マウスクリック時に視覚効果(円など)を表示するか設定します。ショートカットキー
: 録画の開始/停止、一時停止/再開、スクリーンショット撮影に使用するショートカットキーを設定します。デフォルトのショートカットキーは覚えておくと便利です。時間制限
: 録画時間の最大を設定します。出力フォルダ
: 録画ファイルの保存先を指定します。
B. カメラ録画 (Webcam Recorder)
- カメラデバイスの選択: 接続されているWebカメラが複数ある場合、使用するカメラを選択します。
- 解像度と形式: 録画解像度と出力形式を選択します。
- 音声設定: マイクからの音声を録音するか選択します。
- その他オプション: ショートカットキー、時間制限、出力フォルダなどを設定します。
C. 画面 + カメラ録画 (Screen & Webcam Recorder)
このモードでは、画面録画とカメラ録画の設定を組み合わせます。
- 画面録画の領域、音声設定などを上記 A と同様に設定します。
- カメラ映像のサイズと画面上の表示位置を調整します。カメラ映像のプレビューをドラッグしたり、サイズ変更ハンドルを操作したりして、希望の場所に配置します。
- 出力形式と品質を設定します。
- その他オプションを設定します。
8.3. 録画中の描画ツール
画面録画または画面+カメラ録画モードでは、録画中に画面上に線や図形、文字を描画できるツールを使用できます。チュートリアルなどで特定の箇所を強調したい場合に便利です。
録画開始後、画面の端(通常は左側)に小さなツールバーが表示されます。
- ペンツール、長方形、楕円、矢印、テキストなどの描画ツールを選択できます。
- 描画の色や線の太さを変更できます。
- 消しゴムツールですべての描画を消去できます。
8.4. 録画の開始と停止
すべての設定が完了したら、画面右下にある赤い「REC」ボタンをクリックします。
録画が開始されるまでのカウントダウンが表示されます。録画中は画面上のツールバーまたは設定したショートカットキーで操作を行います。
録画を停止したい場合は、設定した停止用ショートカットキーを押すか、画面上のツールバーにある停止ボタンをクリックします。
録画が完了すると、指定した出力フォルダにファイルが保存されます。
9. 応用設定と最適化
Videoproc Converter をさらに効果的に活用するための応用設定や最適化について解説します。
9.1. オプション設定 (詳細設定)
メインウィンドウ上部のメニューバーにある「オプション」をクリックすると、ソフトウェア全体の詳細設定を行うことができます。
- 一般: 言語、出力フォルダのデフォルト設定、変換後のアクション(フォルダを開く、PCシャットダウンなど)を設定します。
- 変換:
ビデオ
: デフォルトのビデオコーデック、フレームレート、アスペクト比、ビットレート制御方法(VBR/CBR)などを設定できます。オーディオ
: デフォルトのオーディオコーデック、チャンネル、サンプルレート、ビットレートなどを設定できます。サブタイトル
: デフォルトの字幕エンコード方式を設定できます。カーネル
: ハードウェアアクセラレーションに関する非常に重要な設定です。 ここで Intel、NVIDIA、AMD のハードウェアエンコーダー/デコーダーを有効/無効にしたり、優先順位を設定したりできます。通常はデフォルトのままで問題ありませんが、特定の環境で問題が発生する場合(例: ハードウェアアクセラレーションを有効にするとクラッシュする)に、一時的に無効にするなどのトラブルシューティングに使用します。
- ダウンロード: 同時ダウンロード数、ダウンロード品質のデフォルト設定、保存先、プロキシ設定などを設定します。
- 録画: 録画時のデフォルト品質、フレームレート、形式、録画領域、ショートカットキーなどを設定します。
- DVD: DVD読み込み時の設定などを調整します。
- その他: アップデートチェックの設定など。
特に「変換」>「カーネル」セクションは、ハードウェアアクセラレーションの挙動に影響します。問題がなければ触る必要はありませんが、性能が出ない、不安定などの場合は確認してみてください。
9.2. 品質とファイルサイズのバランス調整
動画変換において、画質とファイルサイズはトレードオフの関係にあります。Videoproc Converter では、以下の設定でこのバランスを調整できます。
- 出力プロファイル: 同じ動画でも、異なるプロファイルを選択することでファイルサイズが大きく変わります。例えば、HEVC (H.265) はH.264よりも圧縮効率が高く、同じ画質でもファイルサイズを小さくできますが、処理に時間がかかったり、古いデバイスで再生できなかったりする場合があります。
- 設定 (歯車アイコン):
- ビットレート: 最も直接的に品質とファイルサイズに影響します。ビットレートが高いほど高画質・高ファイルサイズ、低いほど低画質・低ファイルサイズになります。「VBR (Variable Bitrate)」を選択すると、動画の内容に応じてビットレートを自動調整するため、CBR (Constant Bitrate) よりも効率的に圧縮できることが多いです。画質スライダーを調整することでもビットレートが変わります。
- 解像度: 解像度を小さくすると、ファイルサイズも小さくなります。ただし、元の解像度より大きくしても画質は向上しません。
- フレームレート: フレームレートを下げるとファイルサイズは小さくなりますが、動きが滑らかでなくなる可能性があります。
最適な設定は目的によって異なります。デバイスのストレージ容量が限られている場合はファイルサイズを重視し、画質を最大限に保ちたい場合はビットレートを高く設定します。プレビュー機能で仕上がりを確認しながら調整すると良いでしょう。
9.3. バッチ処理による効率化
複数の動画やDVDをまとめて処理したい場合は、バッチ処理が非常に便利です。
- 動画変換: 複数のファイルをまとめて「ビデオ」モジュールに読み込みます。それぞれのファイルに個別の出力プロファイルや編集設定を行うことも可能です。設定が終わったら「RUN」をクリックすれば、リストのファイルを順番に処理してくれます。
- DVDリッピング: 複数のタイトルを読み込んだ場合、それぞれのタイトルに異なる出力プロファイルや設定を適用して、一括でリッピングできます。
- ダウンロード: 複数の動画URLをリストに追加すれば、順番にダウンロードされます。
バッチ処理中は他の作業も可能ですが、ハードウェアアクセラレーションがフル稼働する場合はPCが重くなることがあります。
10. トラブルシューティングとヒント集
Videoproc Converter を使用中に発生しうる一般的な問題と、その解決策や効率的な使い方に関するヒントをまとめました。
10.1. よくある問題とその解決策
- 変換/リッピング速度が遅い:
- ハードウェアアクセラレーションを確認: 最も多い原因です。メインウィンドウ右下でIntel/NVIDIA/AMDにチェックが入り、「ハードウェア アクセラレーション エンジン」が有効になっているか確認してください。
- グラフィックドライバーの更新: ハードウェアアクセラレーションが有効にならない、または不安定な場合は、お使いのGPUメーカー(Intel, NVIDIA, AMD)の公式サイトから最新のグラフィックドライバーをダウンロードしてインストールしてください。
- 元ファイルの形式: 一部の特殊な形式や非常に高解像度・高フレームレートのファイルは、ハードウェアアクセラレーションが効きにくい場合があります。
- PCのスペック: 古いPCやスペックの低いPCでは、処理に時間がかかります。
- 他のソフトウェアとの競合: 変換中に他の重いソフトウェアを起動していると、リソースが不足して遅くなることがあります。
- 変換後のファイルが再生できない/音が出ない/画質が悪い:
- 出力プロファイルの選択: 目的のデバイスやプレイヤーに合った出力プロファイルが正しく選択されているか確認してください。
- 設定の詳細: ビデオ/オーディオコーデック、解像度、フレームレート、ビットレートなどの設定が適切か確認してください。元の動画から大きくかけ離れた設定にすると問題が発生することがあります。特にビットレートを低くしすぎると画質が著しく劣化します。
- プレイヤーの問題: 変換されたファイル形式に対応していないプレイヤーを使用している可能性があります。VLC Media Playerなど、多様な形式に対応したプレイヤーで試してみてください。
- ハードウェアアクセラレーションの問題: まれに、ハードウェアアクセラレーションが原因で問題が発生することがあります。一時的に無効にして変換を試みてください。(オプション > 変換 > カーネル)
- DVDリッピングができない/エラーが出る:
- ディスクの状態: ディスクに傷や汚れがないか確認してください。
- DVDドライブの問題: DVDドライブが正常に動作しているか確認してください。
- インターネット接続: 一部のプロテクトがかかったDVDの場合、読み込みにインターネット接続が必要な場合があります。
- ソフトウェアのアップデート: ソフトウェアが最新版であるか確認してください。古いバージョンでは対応できないプロテクトがあります。
- ダウンロードができない:
- URLの確認: 正しい動画ページのURLを貼り付けているか確認してください。プレイリストやチャンネルの場合は、それに対応したURLである必要があります。
- インターネット接続: インターネットに接続されているか確認してください。
- サイトの変更: ダウンロードしたいサイト側で仕様変更があった場合、一時的にダウンロードできなくなることがあります。ソフトウェアのアップデートで対応されるのを待つ必要があります。
- 地域の制限: 一部の動画は地域制限がかかっており、ダウンロードできない場合があります。
- 録画がうまくいかない(画面が真っ黒、音が入らないなど):
- グラフィックドライバーの更新: 画面の問題はグラフィックドライバーに関連していることが多いです。
- 音声入力デバイスの確認: マイクやシステムサウンドの設定が正しく選択されているか確認してください。PCのサウンド設定も確認してください。
- 他の録画ソフトとの競合: 他の画面録画ソフトや仮想カメラソフトなどが起動していると競合する可能性があります。
- 権限: Windowsの場合、録画機能に特定の権限が必要な場合があります。管理者として実行するなど試してみてください。
10.2. 効率的な使い方とヒント
- ハードウェアアクセラレーションを常に有効に: 対応するGPUを搭載している場合は、必ずハードウェアアクセラレーションを有効にして使用してください。これにより、特に高画質動画の処理速度が劇的に向上します。
- 出力プロファイルを活用: デバイス名や用途別の出力プロファイルを積極的に活用しましょう。自分で細かい設定をする手間が省け、最適な設定で変換できます。
- バッチ処理をマスター: 複数のファイルを一度に処理することで、作業時間を大幅に短縮できます。
- 編集機能は変換前に行う: カットやクロップなどの編集は、変換設定を行う前に編集ウィンドウで行います。編集後の結果を確認してから変換を実行しましょう。
- プレビュー機能を活用: 設定変更や編集を行った際は、プレビューウィンドウで結果を確認しましょう。特にクロップやエフェクト、透かしなどは、意図した通りになっているか変換前に確認することが重要です。
- 出力フォルダを整理: 変換後のファイルが増えても管理しやすいように、用途別にフォルダを分けて保存することをおすすめします。
- ソフトウェアを最新に保つ: 定期的にソフトウェアのアップデートを確認し、常に最新版を使用しましょう。新しいフォーマットやプロテクトへの対応、バグ修正、機能改善などが含まれています。
- 不明な点はサポートに問い合わせ: 上記の解決策を試しても問題が解決しない場合は、Videoproc Converter の公式サイトからサポートに問い合わせてみましょう。問題の詳細(OSバージョン、Videoprocバージョン、元ファイルの情報、エラーメッセージなど)を正確に伝えると、より迅速な解決につながります。
結論
Videoproc Converter は、その名の通り、動画変換を核としながらも、編集、DVDリッピング、ダウンロード、録画といった多岐にわたる動画処理ニーズに応える強力なツールです。特に、ハードウェアアクセラレーションによる高速かつ安定した処理は、時間のかかる動画処理作業において大きなアドバンテージとなります。
本記事で解説したように、Videoproc Converter は初心者でも直感的に操作できるインターフェースを備えながらも、詳細な設定オプションにより上級者の要求にも応える柔軟性を持っています。カット、クロップ、結合といった基本的な編集から、エフェクトや透かし、字幕の追加といった応用的な編集まで、変換と同時にシームレスに行える点も魅力です。
オンライン動画のダウンロード機能や、PC画面・Webカメラ録画機能も、動画コンテンツを扱う上で非常に便利な機能です。DVDリッピング機能は、物理メディアをデジタル化して手軽に楽しむための強力な手段となります(ただし、著作権法には十分ご注意ください)。
もしあなたが、様々な形式の動画ファイルを扱ったり、簡単な編集や加工を頻繁に行ったり、オンライン動画を保存したり、画面録画を行ったりする必要があるなら、Videoproc Converter は非常に頼りになるパートナーとなるでしょう。
この記事が、あなたが Videoproc Converter の機能を最大限に活用し、動画処理作業をより快適かつ効率的に行うための一助となれば幸いです。ぜひ、ご自身の動画コンテンツで Videoproc Converter の強力な機能を試してみてください。