はい、承知いたしました。初心者の方にも分かりやすく、RivaTuner Statistics Server (RTSS) の詳細な説明、導入方法、設定ガイドを含む約5000語の記事を作成します。
初心者向け!RivaTuner Statistics Server (RTSS) とは?導入・設定ガイド
はじめに
PCゲームを楽しんでいる皆さん、こんにちは!
お気に入りのゲームをプレイしているとき、「今、どれくらいの滑らかさで動いているんだろう?」「PCの負担はどのくらいなんだろう?」と気になったことはありませんか? 特に、新しいグラフィックボードに買い替えたり、PCの設定を変えたりしたとき、その効果を確認したいと思うこともあるでしょう。
ゲームの滑らかさは「フレームレート」(FPS: Frames Per Second)という数値で表されます。この数値が高いほど、ゲーム画面は滑らかに動きます。また、CPUやGPUの温度、使用率といった情報も、PCの健康状態やパフォーマンスを知る上で非常に役立ちます。
これらの情報を、ゲーム画面上にリアルタイムで表示してくれる便利なツールがあります。それが「RivaTuner Statistics Server」、通称「RTSS」です。
「RTSSって何だか難しそう…」と感じる方もいるかもしれませんが、ご安心ください。RTSSは、一度設定してしまえば、ゲーム体験をより豊かにしてくれる非常に強力で便利なツールです。しかも、無料で使用できます!
この記事では、全くの初心者の方でも理解できるように、RTSSがどのようなツールなのか、どこからダウンロードしてどのようにインストールするのか、そして基本的な設定からちょっと応用的な設定まで、ステップバイステップで詳しく解説していきます。この記事を最後まで読めば、あなたもRTSSを使いこなせるようになり、PCゲームの楽しみ方がきっと広がるはずです。
さあ、RTSSの世界へ一緒に飛び込んでみましょう!
RivaTuner Statistics Server (RTSS) とは?
RivaTuner Statistics Server、略してRTSSは、もともとグラフィックカードのチューニングツール「RivaTuner」に付属していた機能が独立したもので、現在は単体で、あるいは他のハードウェア監視ツール(特にMSI Afterburner)の補助ツールとして広く使われています。
その名の通り、「Statistics Server」、つまり統計情報を扱うサーバーのような役割を果たします。具体的には、以下のような主要な機能を持っています。
-
オン・スクリーン・ディスプレイ (OSD) 機能:
これがRTSSの最もよく知られている機能でしょう。ゲーム画面上に、フレームレート(FPS)をはじめとする様々な情報をリアルタイムで表示できます。これにより、ゲームをプレイしながらPCのパフォーマンス状況を常に把握することができます。表示できる情報は、RTSS単体ではフレームレートなどのごく一部ですが、後述する他のツールと連携することで、CPU/GPUの使用率、温度、メモリ使用量、フレームタイムなど、非常に多くの情報を表示できるようになります。 -
フレームレート制限機能:
ゲームのフレームレートに上限を設ける機能です。PCの性能が高い場合、ゲームのフレームレートが非常に高くなりすぎることがあります。フレームレートが高すぎると、モニターのリフレッシュレート(画面の更新頻度)との間にズレが生じ、「ティアリング」と呼ばれる画面の表示乱れが発生しやすくなります。また、GPUが常にフル稼働することになり、無駄な電力消費や発熱の原因にもなります。RTSSのフレームレート制限機能を使えば、上限値を設定することで、ティアリングを抑えたり、GPUの負荷を軽減したりすることができます。 -
画面キャプチャ機能:
ゲーム画面のスクリーンショットや動画を撮影する機能も備わっています。
RTSSは、これらの機能を非常に軽量に、そして多くのゲームやアプリケーションに対応して提供します。特に、MSI Afterburnerという有名なグラフィックカード監視・オーバークロックツールとは密接に連携しており、Afterburnerで取得した詳細なハードウェア情報をRTSSのOSDで表示するのが一般的な使い方です。そのため、「RTSSを使うなら、ほとんどの場合MSI Afterburnerもセットで使う」と考えておくと良いでしょう。
なぜRTSSが必要なのでしょうか?
ゲームによっては、ゲーム自体にフレームレート表示機能があるものもあります。しかし、表示できる情報が限られていたり、表示位置やサイズを変更できなかったりすることが多いです。
また、PCのパフォーマンス監視ツールは他にもありますが、RTSSのようにゲーム画面上にオーバーレイ表示させる機能を持っているものは多くありません。
RTSSは、非常に多くのゲーム(DirectX, OpenGL, Vulkan, Direct3Dなど、様々なグラフィックスAPIに対応)に対応しており、OSDのカスタマイズ性も非常に高いのが特徴です。特定のゲームでうまく表示できない場合でも、互換性設定などの詳細なオプションが用意されています。
加えて、RTSSは単体で動作し、非常にリソース消費が少ないため、PCの性能を圧迫することなくバックグラウンドで動作させることができます。これが、多くのゲーマーやPC愛好家に選ばれている理由の一つです。
まとめると、RTSSは以下の目的で導入されることが多いツールです。
* ゲーム中にPCのパフォーマンス状況(特にフレームレート)をリアルタイムで確認したい。
* 特定のフレームレートに制限して、ティアリングを防いだり、PCの負荷を軽減したりしたい。
* MSI Afterburnerなどで取得したCPUやGPUの詳細情報をゲーム画面上に表示したい。
次のセクションでは、この便利なRTSSを実際にPCに導入する手順を解説します。
RTSSを導入する
RTSSは単体でもダウンロードできますが、最も一般的で推奨される方法は、MSI Afterburnerと一緒にダウンロードすることです。MSI AfterburnerのインストーラーにRTSSが同梱されています。MSI AfterburnerはMSI製グラフィックボードを持っていなくても使用可能で、多くのメーカーのグラフィックボードに対応しています。
ここでは、MSI Afterburner経由でRTSSを導入する手順を説明します。
1. ダウンロード
MSI AfterburnerとRTSSは、以下の公式または信頼できるサイトからダウンロードできます。
- MSI公式サイト: MSI Afterburnerの製品ページからダウンロードできます。
(例: MSI公式ウェブサイトで「MSI Afterburner」と検索) - Guru3D.com: MSI AfterburnerとRTSSの最新版が常に提供されている信頼できるサイトです。多くのPCユーザーがここからダウンロードしています。
(例: Guru3D.comのMSI Afterburnerダウンロードページ)
推奨はGuru3D.comからのダウンロードです。 最新版が最も早く公開される傾向があり、多くのユーザーが利用しているため情報も得やすいです。
ダウンロードの手順:
1. 上記のいずれかのサイトにアクセスします。
2. MSI Afterburnerのダウンロードリンクを探します。通常、「Download」や「Download MSI Afterburner」といったボタンやリンクがあります。
3. ダウンロードページに移動したら、最新版のダウンロードリンクをクリックします。(通常、ダウンロードリンクが複数ある場合は、推奨版や最新版を選びましょう。)
4. ファイル(通常はZIP形式)がダウンロードされます。
2. インストール
ダウンロードしたZIPファイルを展開(解凍)します。解凍ソフトをお持ちでない場合は、Windowsの標準機能で展開できます。ZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択してください。
展開されたフォルダの中に、インストーラーファイル(通常 .exe
形式)があります。これをダブルクリックしてインストールを開始します。
インストールの手順:
1. インストーラーを起動すると、ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示される場合があります。「はい」をクリックして実行を許可します。
2. 言語の選択: インストールに使用する言語を選択します。日本語が利用可能ですので、「日本語」を選択し「OK」をクリックします。
3. ようこそ画面: インストールウィザードの開始画面です。「次へ」をクリックします。
4. 使用許諾契約: ソフトウェアの使用許諾契約が表示されます。内容をよく読み、同意できる場合は「同意します」を選択し「次へ」をクリックします。
5. コンポーネントの選択: ここが重要なポイントです。MSI Afterburnerだけでなく、「RivaTuner Statistics Server」にもチェックが入っていることを確認してください。 デフォルトでチェックが入っているはずですが、念のため確認しましょう。その他、「MSI Afterburner」本体にもチェックが入っていることを確認します。必要に応じてデスクトップショートカットなどのオプションを選択します。「次へ」をクリックします。
6. インストール先の選択: ソフトウェアをインストールするフォルダを選択します。通常はデフォルトのままで問題ありませんが、変更したい場合は「参照」をクリックして別のフォルダを選択します。十分な空き容量があるドライブを選択しましょう。「次へ」をクリックします。
7. インストールの実行: これまでの設定に基づいてインストールが開始されます。完了するまでしばらく待ちます。
8. 追加コンポーネントのインストール(RTSSのインストール): MSI Afterburnerのインストールが完了すると、続けてRivaTuner Statistics Serverのインストールが開始されます。RTSSのインストーラーが起動するので、MSI Afterburnerと同様に以下の手順で進めます。
* 言語選択(日本語)→OK
* ようこそ画面→次へ
* 使用許諾契約→同意します→次へ
* インストール先の選択→デフォルトでOK→次へ
* インストールの実行→完了を待つ
9. インストール完了: MSI AfterburnerとRivaTuner Statistics Serverの両方のインストールが完了したら、完了画面が表示されます。「MSI Afterburnerを実行」や「RivaTuner Statistics Serverを実行」にチェックが入っている場合があります。必要に応じてチェックを外し(後で手動で起動するため)、ウィザードを完了します。「完了」をクリックします。
これで、MSI AfterburnerとRivaTuner Statistics Serverのインストールは完了です。
3. 初回起動と確認
インストールが完了したら、RTSSを起動してみましょう。
- Windowsのスタートメニューや、インストール時にデスクトップにショートカットを作成した場合は、そのショートカットから「RivaTuner Statistics Server」を探して起動します。
- RTSSは通常、起動するとタスクトレイ(通知領域)に常駐します。画面上には小さいウィンドウが表示されるか、タスクトレイのアイコンをダブルクリックすることでウィンドウが表示されます。
- ウィンドウが表示されたら、RTSSが正常に起動していることが確認できます。
注意点:
* RTSSは、基本的には常にバックグラウンドで動作させておくツールです。ゲームをプレイする際に手動で起動する必要がないように、後述する「スタートアップ設定」を有効にしておくのが便利です。
* インストール中や起動中に、ファイアウォールやアンチウイルスソフトが警告を出すことがありますが、公式な提供元からダウンロードしたものであれば通常は問題ありません。「実行を許可」や「除外設定」などを行ってください。
これで、RTSSをあなたのPCに導入することができました! 次のセクションでは、RTSSの基本的な設定方法について解説します。
RTSSの基本設定
RTSSのウィンドウを開くと、シンプルなユーザーインターフェース(UI)が表示されます。ここでは、OSD表示やフレームレート制限といった主要な機能を使うための基本的な設定方法を学びます。
RTSSのUIは大きく分けて以下の要素で構成されています。
- アプリケーションリスト: 左側に表示されるリストです。ここにゲームやアプリケーションの名前が表示されます。「Global」設定と、個別の「Application profile」が管理されます。
- 設定エリア: 右側に表示されるエリアです。選択したアプリケーション(Globalまたは特定のプロファイル)の設定項目が表示されます。
「Global」設定と「Application profile」設定の違い
RTSSの設定には、「Global」設定と「Application profile」という2つのレベルがあります。
- Global: RTSSが認識するすべてのアプリケーションに適用される全体設定です。特に設定を変更しない限り、この設定が適用されます。
- Application profile: 特定の個別のゲームやアプリケーションに対してのみ適用される設定です。例えば、「このゲームではFPSを60に制限したいけど、別のゲームでは120に制限したい」といった場合に、それぞれのゲームに対して専用のプロファイルを作成して設定を保存します。アプリケーションプロファイルの設定は、Global設定よりも優先されます。
まずは、Global設定で基本的なOSD表示やフレームレート制限を設定し、必要に応じて個別のゲームでプロファイルを作成して設定を調整するのが一般的な使い方です。
OSD (On-Screen Display) の基本設定
ゲーム画面上に情報を表示するOSD機能の設定です。
-
OSD表示の有効/無効:
RTSSウィンドウを開き、左側のリストで「Global」を選択します。右側の設定エリアにある「On-Screen Display support」という項目を見つけます。- On-Screen Display support: このスイッチをオン(点灯)にすると、OSD機能が有効になります。オフ(消灯)にすると、OSDは全く表示されなくなります。まずはオンにしましょう。
- Show On-Screen Display: このスイッチをオンにすると、OSDが表示されます。通常は「On-Screen Display support」がオンになっていれば自動的にオンになります。
- Stealth mode: 一部のオンラインゲームでは、OSDツールがチートツールと誤認識される可能性があります。その場合は、この「Stealth mode」をオンにすることで、検出を回避できる場合があります。ただし、ステルスモードをオンにするとOSD表示が正常に機能しないゲームもあります。基本的にはオフのままで問題ありません。問題が発生した場合に試してみてください。
-
表示項目の選択(FPS表示の有効化):
RTSS単体では、OSDで表示できる情報はデフォルトでは限られています。しかし、MSI Afterburnerなどの他の監視ツールと連携することで、表示できる項目が格段に増えます。
ここでは、RTSS単体で設定できる基本的な表示項目(主にフレームレート関連)の設定方法を説明します。より詳細な項目(CPU/GPU情報)は後述の連携設定で解説します。- Show own statistics: このスイッチをオンにすると、RTSS自体が取得できる統計情報(フレームレートなど)をOSDに表示します。通常はオンにしておきます。
- Show FPS: これがフレームレート(FPS)を表示するかどうかの設定です。これをオンにすると、ゲーム中に現在のフレームレートが表示されるようになります。
- Show framerate minimap: フレームレートの変動をグラフのように表示する小さなマップを表示します。好みに応じてオンオフできます。
- Show frametime: 各フレームが表示されるまでにかかった時間(ミリ秒)を表示します。フレームレートが安定しているかどうかの指標になります。オンオフはお好みで。
- Show frame rate/time statistics: 平均、最小、最大のフレームレートやフレームタイムを表示します。ベンチマークなどで役立ちます。
これらの項目は、MSI Afterburnerと連携している場合でも、Afterburnerの設定とは別にRTSS側で表示を制御できます。まずは「Show FPS」をオンにして、ゲーム中にFPSが表示されるか確認してみましょう。
-
表示位置の調整:
OSDが表示される画面上の位置を設定できます。
RTSSウィンドウの左下にある「OSD coordinate space」のドロップダウンリストで、「Viewport」「Frambuffer」「Custom」などが選択できます。通常はデフォルトの「Viewport」で問題ありません。
その下にある四角形のプレビュー画面で、OSDが表示される位置をドラッグして調整できます。上下左右の隅にドラッグしたり、真ん中に置いたり自由に設定できます。設定した位置は数値(例: [ 10, 10 ])でも表示されます。 -
文字サイズ、色、フォントの変更:
OSDの見た目をカスタマイズできます。- Zoom: スライダーを左右に動かすことで、OSDの文字サイズを調整できます。
- Color: 「OSD color」という項目で、OSDの文字色を設定できます。クリックするとカラーパレットが表示されるので、好きな色を選びます。デフォルトは黄色です。
- Font: OSDに使用するフォントの種類を変更できます。「OSD font」のドロップダウンリストからインストールされているフォントを選択します。
-
背景色の設定:
OSDの文字に背景色をつけることで、ゲーム画面の色合いに関わらず見やすくすることができます。- Show OSD background: このスイッチをオンにすると、OSDの文字の後ろに背景が表示されます。
- Background color: 「Show OSD background」をオンにした場合に、背景の色を設定できます。クリックしてカラーパレットから色を選びます。
- Background fill: 背景の塗りつぶし方法を選択できます。「Solid」(単色塗りつぶし)、「Gradient」(グラデーション)、「Border」(枠線のみ)などがあります。
これらの基本的な設定を行うことで、ゲーム中に自分が知りたい情報(まずはFPS)を、見やすい位置と色で表示させることができます。
ステルスモード (Stealth mode) とは?
前述した「Stealth mode」について補足します。
一部のオンライン対戦ゲームなどでは、チート対策として、PC上で動作している特定のソフトウェアを検出してゲームの起動を妨げたり、アカウント停止の対象としたりする場合があります。RTSSはゲーム画面にオーバーレイ表示を行う特性上、これらのアンチチートソフトウェアに検出されてしまう可能性があります。
ステルスモードをオンにすると、RTSSがゲームプロセスに対して情報を挿入する方法を調整し、検出されにくくすることができます。ただし、これによりOSDが正常に表示されなくなるゲームも存在します。
もし特定のオンラインゲームでRTSSを起動していると問題が発生する場合(ゲームが起動しない、強制終了されるなど)は、以下のいずれかを試してください。
1. そのゲームをプレイするときだけRTSSを終了する。
2. そのゲームのプロファイルを作成し、「On-Screen Display support」をオフにする。
3. そのゲームのプロファイルで「Stealth mode」をオンにする。
基本的には、オフのままで問題ありません。
ここまでがRTSSの最も基本的な設定です。まずはGlobal設定でFPS表示を有効にして、お気に入りのゲームを起動し、画面左上(デフォルト位置)にFPSが表示されるか確認してみましょう。
フレームレート制限機能
RTSSのもう一つの重要な機能が、ゲームのフレームレートに上限を設ける「フレームレート制限」機能です。
なぜフレームレート制限が必要なのか?
- ティアリングの防止: モニターのリフレッシュレート(通常60Hz, 120Hz, 144Hzなど)よりもはるかに高いフレームレートでゲームが描画されると、描画途中のフレームが表示されてしまい、画面が横方向にズレて見える現象(ティアリング)が発生します。フレームレートをモニターのリフレッシュレートか、その倍数や約数に制限することで、ティアリングを軽減または完全に防ぐことができます。
- GPU負荷の軽減: PCの性能が高い場合、ゲームによってはGPUが常に100%に近い状態で動作し、非常に高いフレームレートを出力し続けることがあります。フレームレートに上限を設けることで、GPUの負荷を下げることができ、消費電力や発熱を抑えることができます。これにより、PCの寿命を延ばしたり、静音性を高めたりする効果も期待できます。
- 入力遅延の最適化: フレームレートをモニターのリフレッシュレートに合わせて制限することで、特定の状況下での入力遅延が改善される場合があります(ただし、これはゲームや設定に依存します)。
フレームレート制限の設定方法
RTSSでフレームレート制限を設定するのは非常に簡単です。
-
RTSSウィンドウを開き、制限したいアプリケーションのプロファイルを選択します。
- すべてのゲームに一律で制限をかけたい場合: 左側のリストで「Global」を選択します。
- 特定のゲームにだけ制限をかけたい場合: 左側のリストでそのゲームのプロファイルを選択します。まだプロファイルがない場合は、後述の「プロファイル設定」で作成してください。
-
右側の設定エリアにある「Framerate limit」という項目を見つけます。
-
Framerate limit: この項目のスライダーや入力ボックスで、制限したいフレームレートの数値を設定します。
- スライダーを右に動かすと数値が大きくなり、左に動かすと小さくなります。
- 数値の上でクリックすると、直接数値を入力できます。
例えば、60Hzのモニターを使っているなら「60」、144Hzなら「144」に設定することが一般的です。PCのスペックが十分に高く、モニターのリフレッシュレートを最大限に活かしたい場合は、モニターのリフレッシュレートと同じ数値に設定します。少しGPUに余裕を持たせたい場合は、モニターのリフレッシュレートより少し低い値(例: 144Hzモニターで140FPS制限)に設定することもあります。
数値を設定したら、Enterキーを押すか、設定エリアの外をクリックすることで設定が反映されます。
注意点:
* フレームレート制限を設定しても、PCの性能がその制限値に満たない場合は、当然ながら設定した上限値よりも低いフレームレートで動作します。
* ゲーム内にも垂直同期(VSync)やフレームレート制限の設定がある場合があります。これらの設定とRTSSの制限が競合する場合があります。基本的にはRTSSの制限を優先させたい場合、ゲーム内の垂直同期や制限設定はオフにするか、「無制限」に設定することが推奨されます。ただし、ゲームによってはゲーム内の設定の方がうまく機能する場合もあります。試しながら調整してみてください。
* オンライン対戦ゲームでは、フレームレートがゲームの物理演算や挙動に影響を与える場合があります(いわゆる「ハイフレームレートによるアドバンテージ」)。このようなゲームでフレームレートを制限すると、他のプレイヤーに対して不利になる可能性もゼロではありません。プレイしているゲームの特性を理解した上で設定を行いましょう。
制限値の決め方
一般的に推奨されるフレームレート制限値は以下の通りです。
- モニターのリフレッシュレートに合わせる: 最も一般的で推奨される設定です。60Hzモニターなら60FPS、144Hzモニターなら144FPSに制限します。これにより、モニターの更新と描画完了のタイミングが合いやすくなり、ティアリングを防ぐ効果が期待できます。
- モニターのリフレッシュレートよりわずかに低く設定する: 例: 144Hzモニターで140FPSなど。これにより、制限値に張り付くことによる入力遅延の増加を抑えつつ、ティアリングも抑制する効果が期待できます。ただし、この効果は環境やゲームによって異なります。
- PCの性能に合わせて設定する: PCの性能が低い場合、無理に高いフレームレートに制限する意味はありません。安定して出せるフレームレートよりも少し低い値(例: 平均70FPS出るゲームで60FPS制限)に設定することで、フレームレートの変動を抑え、より安定したゲームプレイを実現できる場合があります。
- VSyncとの組み合わせ: VSync(垂直同期)は、描画完了をモニターの垂直同期信号まで待機させる機能です。RTSSの制限とVSyncを組み合わせることも可能ですが、VSyncは一般的に入力遅延を増加させる傾向があります。RTSSの制限のみでティアリングが十分に抑えられる場合は、VSyncをオフにする方が入力遅延の面では有利なことが多いです。
RTSSのフレームレート制限機能は、ゲームの快適さを向上させる上で非常に役立ちます。ぜひ活用してみてください。
OSD表示の応用設定(MSI Afterburnerとの連携)
RTSSのOSD機能を最大限に活用するには、MSI AfterburnerやHwInfoといった他のハードウェア監視ツールと連携するのが一般的です。ここでは、MSI Afterburnerとの連携を前提とした、OSD表示の応用設定を解説します。
MSI Afterburnerは、グラフィックボードを中心に、CPU、RAMなどの詳細な情報を取得・監視できるツールです。RTSSは、Afterburnerが取得したこれらの情報をゲーム画面上に表示する「窓口」のような役割を果たします。
1. MSI Afterburnerでの監視項目の設定
RTSSでCPU使用率やGPU温度などの詳細情報を表示するには、まずMSI Afterburner側で「OSDに表示する項目」を設定する必要があります。
- MSI Afterburnerを起動します。
- 設定ウィンドウを開きます。(通常、Afterburnerのメインウィンドウにある歯車アイコンをクリック)
- 設定ウィンドウの左側のタブから「モニタリング」を選択します。
- 中央の「ハードウェアモニタリンググラフ」のリストに、監視可能な様々な項目が表示されます。(GPU使用率、温度、コアクロック、メモリ使用率、CPU使用率、温度、RAM使用率など)
- OSDに表示したい項目を選択します。(例: GPU使用率、GPU温度、CPU使用率、CPU温度、RAM使用率、フレームレート、フレームタイムなど)
-
選択した項目の設定エリア(リストの下側)で、以下の設定を確認・変更します。
- グラフ上に表示: この項目をAfterburnerのメインウィンドウのグラフに表示するかどうかです。RTSSのOSDとは直接関係ありませんが、チェックしておくとAfterburnerでも監視できます。
- On-Screen Displayに表示: これがRTSSのOSDに表示するための設定です。 この項目に必ずチェックを入れてください。
- グループ名を表示: OSDに表示される項目のラベル(例: GPU Usage)を表示するかどうかです。通常はチェックを入れておきます。
- グラフを表示: OSDに項目のグラフを表示するかどうかです。チェックを入れると、数値と一緒に小さなグラフが表示されます。
-
OSDに表示したい項目すべてに対して、上記の手順5, 6を繰り返します。「On-Screen Displayに表示」にチェックを入れた項目が、RTSSのOSDで表示可能になります。
-
設定が完了したら、「適用」→「OK」をクリックして設定ウィンドウを閉じます。
2. RTSSでのOSDレイアウト設定
MSI Afterburnerで表示したい項目を設定したら、次にRTSS側でこれらの項目をどのように表示するかレイアウトを設定します。
- RivaTuner Statistics Serverを起動します。(Afterburnerを起動すると通常RTSSも自動で起動します)
- RTSSウィンドウを開き、OSD設定を行いたいプロファイル(Globalまたは特定のゲーム)を選択します。
- 右側の設定エリアの下部にある「On-Screen Display」セクションを見つけます。
ここでは、Afterburnerから送られてきた複数の情報をどのように配置・表示するかを細かく設定できます。
- Edit… ボタン: これをクリックすると、OSDレイアウト編集画面が表示されます。これがRTSSのOSDカスタマイズの主要な機能です。
OSDレイアウト編集画面:
この画面で、MSI Afterburnerから「On-Screen Displayに表示」が有効になっている項目がリスト表示されます。
- リストの項目: 各項目(GPU Usage, GPU Temperatureなど)が表示されます。
- 各項目の左にあるチェックボックスで、その項目を実際にOSDに表示するかどうかを最終的に選択できます。Afterburnerで「On-Screen Displayに表示」を有効にしても、RTSS側のこのチェックボックスがオフになっていると表示されません。
- 項目を選択すると、下部にその項目の詳細設定が表示されます。
- Format: OSDに表示されるテキストの書式を設定できます。
- デフォルトでは
<%_<item_name>%>
のようになっています。これはAfterburnerから送られてくるデフォルトの表示形式です。 - ここに直接テキストを追加できます。例:
GPU Usage: <%_<item_name>%>
とすると、「GPU Usage: 50%」のように表示されます。 <%>
や<%_<item_name>%>
のような特殊な文字列は、Afterburnerから送られる実際の値やラベルに置き換えられます。
- デフォルトでは
- Group: 複数の項目をまとめて表示するためのグループを設定できます。デフォルトは「Default group」です。例えば、「GPU情報」「CPU情報」のようにグループを分けて表示すると、OSDが見やすくなります。新しいグループ名を入力してEnterキーを押すと、その項目が新しいグループに属するようになります。
- Color: その項目の表示色を設定できます。クリックするとカラーパレットが表示されます。項目ごとに色を変えることで、OSDが格段に見やすくなります。(例: 温度は赤、使用率は黄色など)
- Offset X, Offset Y: OSDレイアウト編集画面での項目の相対位置を調整できます。通常はグループごとに縦に並べたい場合に使用します。
- Padding: 項目の周囲の余白を調整します。
- Override group setting: チェックを入れると、その項目の表示設定(サイズやフォントなど)が、属するグループの設定ではなく、この項目個別の設定(後述)で上書きされます。
- Size, Font, Color (Override Group Setting有効時): 個別にサイズ、フォント、色を設定できます。
OSDグループ設定:
OSDレイアウト編集画面の左側下部にある「OSD groups」リストで、作成したグループを選択します。
* Offset X, Offset Y: グループ全体の表示位置を、RTSSメインウィンドウのプレビュー画面で設定したOSD位置(原点)からの相対位置で調整できます。複数のグループを作成した場合、例えば「GPU情報」グループを[0, 0]に、「CPU情報」グループを[0, 50]に設定すると、CPU情報グループがGPU情報グループの下に50ピクセル離れて表示されます。
* Size: グループ内の文字サイズを調整します。個別の項目で「Override group setting」を有効にしない限り、この設定がグループ内の全項目に適用されます。
* Font: グループ内のフォントを設定します。
* Color: グループ内の文字色を設定します。
* Background: グループ全体の背景表示設定(色、塗りつぶし)を行います。
レイアウトの調整:
OSDレイアウト編集画面の右側に、実際のOSD表示のプレビューが表示されます。ここで各項目やグループの位置、サイズ、色などを調整しながら、見やすいOSDレイアウトを作成します。
項目の表示順を変更したい場合は、リスト上で項目をドラッグ&ドロップすることで並べ替えが可能です。
設定が完了したら、OSDレイアウト編集画面の下部にある「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。
これで、Afterburnerで取得した詳細なハードウェア情報が、RTSSを介してゲーム画面上に表示されるようになります。
その他のOSD応用設定
- ベクター3D OSDモード: 一部の古いゲーム(特にDirectX 8/9を使用しているゲーム)やアプリケーションでは、デフォルトのラスタライズOSDがうまく表示されない場合があります。そのような場合に「Vector 3D OSD」をオンにすることで、表示が改善されることがあります。ただし、対応するゲームは限られています。
- OSDの切り替え(ショートカットキー設定): RTSSのメインウィンドウで「Setup」ボタン(歯車アイコン)をクリックすると、全体設定画面が表示されます。この画面の「General」タブに「Hotkey」設定があります。「Show On-Screen Display」の項目にショートカットキーを設定することで、ゲーム中に設定したキーを押すだけでOSDの表示/非表示を切り替えることができます。これは非常に便利な機能です。デフォルトでは設定されていませんので、お好みのキー(例: Ctrl+Shift+Oなど)を設定しましょう。
- OSDの色分け(Afterburner側): MSI Afterburnerの「モニタリング」設定で、「On-Screen Displayに表示」を有効にした各項目の設定エリアには、「Override group setting」と同様に「Override global settings for this graph」というチェックボックスがあります。これを有効にすると、そのグラフ(項目)個別に色などを設定できます。特定の温度を超えたら色を変えるといった高度な設定もAfterburner側で行うことができます。RTSS側での色設定よりもAfterburner側の個別の色設定が優先されます。
OSDのカスタマイズは非常に奥深く、自分にとって最も見やすいレイアウトや表示項目を追求するのもRTSSの楽しみ方の一つです。
プロファイル設定 (Application profile)
RTSSのもう一つの重要な機能は、特定のゲームやアプリケーションに対して個別の設定を適用できる「Application profile」です。これにより、「このゲームではフレームレートを60に制限したいけど、別のゲームでは無制限にしたい」「このゲームではOSDを表示したいけど、別のゲームでは表示したくない」といったニーズに応えることができます。
プロファイルの作成と選択
- RTSSを起動します。
- 左側のアプリケーションリストの一番下にある「Add」ボタンをクリックします。
- プロファイルを作成したいゲームやアプリケーションの実行ファイル(通常
.exe
ファイル)を選択します。ゲームがインストールされているフォルダ内の実行ファイルを探す必要があります。多くのゲームはインストール先フォルダ内のサブフォルダ(例:Binaries
,Executables
など)に実行ファイルがあります。- ヒント: ゲームを起動した状態で、タスクマネージャーを開き、プロセスタブでゲームのプロセス名を右クリックし、「ファイルの場所を開く」を選択すると、実行ファイルがあるフォルダを簡単に開くことができます。
- 実行ファイルを選択し「開く」をクリックすると、アプリケーションリストにそのゲームの名前が追加されます。
これで、そのゲームに対して個別のプロファイルが作成されました。アプリケーションリストでそのゲームの名前をクリックすると、右側の設定エリアがそのゲーム専用の設定画面に切り替わります。
プロファイルでの設定
個別のゲームのプロファイルを選択している場合、右側の設定エリアで行った変更は、そのゲームを起動したときのみ有効になります。Global設定よりも優先されます。
プロファイルでよく変更される設定例:
- Framerate limit: そのゲーム専用のフレームレート制限値を設定します。例えば、PCには負荷が大きい最新のゲームでは60FPSに制限し、軽いインディーゲームでは144FPSに制限するといった使い分けが可能です。
- On-Screen Display support: そのゲームでOSDを表示するかどうかを有効/無効にします。オンラインゲームなどでOSDが検出されるのを避けたい場合や、ゲーム自体のUIとOSDが干渉してしまう場合などに、特定のゲームでOSDをオフにすることができます。
- Stealth mode: 特定のゲームでのみステルスモードを有効にしたい場合に設定します。
- OSDレイアウト設定 (Edit…): ゲームによって画面構成が異なるため、OSDの表示位置や表示項目をゲームごとに調整したい場合があります。プロファイルごとにOSDレイアウトをカスタマイズできます。
- Compatibility properties: 特定のゲームでOSDがうまく表示されない、フレームレート制限が効かない、ゲームがクラッシュするなど、互換性の問題が発生した場合に調整する詳細設定です。通常はデフォルトのままで問題ありません。問題発生時に、RTSSのフォーラムなどで解決策として特定のCompatibility propertiesを設定するように案内されることがあります。
プロファイル設定の注意点
- ゲームの実行ファイル: ゲームのアップデートなどで実行ファイルの場所や名前が変わる場合があります。その場合、既存のプロファイルが認識されなくなることがあります。その場合は、プロファイルを一度削除し、新しい実行ファイルを指定してプロファイルを再作成してください。
- ランチャーからの起動: Epic Games StoreやOrigin、Uplayなどのランチャーから起動するゲームの場合、ランチャー自体のプロセスではなく、ゲーム本体の実行ファイルをプロファイルに追加する必要があります。
- 認識されない場合: RTSSがゲームを自動的に認識しない、またはプロファイルを作成しても設定が適用されない場合があります。その場合は、Compatibility propertiesの調整が必要かもしれません。フォーラムなどで同じゲームでRTSSを使用している人の情報を参考にすると良いでしょう。
複数のゲームをプレイする場合、それぞれのゲームに最適な設定(特にフレームレート制限とOSDの有無/位置)をプロファイルとして保存しておくことで、快適なゲーム環境を維持できます。
その他の便利な設定
RTSSには、OSD表示やフレームレート制限以外にも、いくつかの便利な機能や設定があります。
スタートアップ設定
Windows起動時にRTSSを自動で起動させたい場合の設定です。これにより、ゲームを起動するたびにRTSSを手動で立ち上げる手間が省けます。
- RTSSウィンドウを開き、左上にある「Setup」ボタン(歯車アイコン)をクリックします。
- 表示された全体設定画面の「General」タブを選択します。
- 「Startup」セクションにある「Start with Windows」にチェックを入れます。
- 設定を保存するため、「OK」をクリックします。
これで、次回Windowsを起動したときからRTSSが自動的に起動し、タスクトレイに常駐するようになります。
更新設定
RTSSは定期的にアップデートされ、機能追加やバグ修正、新しいゲームへの対応などが行われます。常に最新版を使用するのが推奨されます。
- RTSSウィンドウを開き、左上にある「Setup」ボタン(歯車アイコン)をクリックします。
- 全体設定画面の「General」タブを選択します。
- 「Update」セクションで更新に関する設定ができます。
- Check for updates now: クリックすると、すぐに最新版の確認を行います。
- Check for updates on startup: チェックを入れておくと、RTSS起動時に自動で最新版を確認します。通常はチェックを入れておくと便利です。
- Update channel: 更新のチャンネルを選択できます。「Release」(安定版のみ)または「Beta」(ベータ版も含む)があります。特別な理由がない限り、「Release」を選択しておきましょう。
最新版が利用可能な場合は、ダウンロードとインストールの案内が表示されます。
ベンチマークモード
RTSSは、ゲーム中のフレームレートやフレームタイムを記録する簡易的なベンチマーク機能も持っています。
- RTSSウィンドウを開き、ベンチマークを取りたいゲームのプロファイルまたはGlobal設定を選択します。
- 右側の設定エリアにある「Benchmark」セクションを見つけます。
- Begin benchmark: ベンチマークの記録開始ボタンです。デフォルトでは
F11
キーが割り当てられています。 - End benchmark: ベンチマークの記録終了ボタンです。デフォルトでは
F12
キーが割り当てられています。 - Benchmark result: 記録されたベンチマークの結果ファイル(テキスト形式)が保存される場所です。デフォルトではRTSSのインストールフォルダ内のBenchmarkフォルダに保存されます。
- Hide On-Screen Display: ベンチマーク記録中はOSDを非表示にするかどうかの設定です。
- Update benchmark statistics in On-Screen Display: ベンチマークの経過統計(平均FPSなど)をOSDに表示するかどうかの設定です。
ゲーム中に記録開始キーを押し、一定時間プレイした後、記録終了キーを押すことで、その間のフレームレートやフレームタイムがファイルに記録されます。PCの性能比較や設定変更の効果測定などに役立ちます。より詳細なベンチマーク機能はMSI Afterburner側にもあります。
スクリーンショット機能
ゲーム画面のスクリーンショットを撮影する機能です。
- RTSSウィンドウを開き、スクリーンショットを撮りたいゲームのプロファイルまたはGlobal設定を選択します。
- 右側の設定エリアにある「Screenshots」セクションを見つけます。
- Screenshot hotkey: スクリーンショットを撮影するためのショートカットキーを設定します。デフォルトは割り当てられていません。クリックして好きなキー(例:
PrintScreen
やF10
など)を設定します。 - Screenshot folder: 撮影したスクリーンショットが保存されるフォルダです。
- Screenshot format: 保存する画像形式を選択します。(BMP, PNG, JPGなど)
- Screenshot quality: JPG形式を選択した場合の画質を設定します。
設定したショートカットキーをゲーム中に押すことで、スクリーンショットが指定したフォルダに保存されます。
これらの機能は必須ではありませんが、知っておくとRTSSをより便利に使いこなすことができます。
RTSS使用上の注意点とトラブルシューティング
RTSSは多くのゲームで問題なく動作する非常に安定したツールですが、PC環境やゲームによっては予期せぬ問題が発生することもあります。ここでは、RTSSを使用する上での注意点と、よくあるトラブルシューティングについて解説します。
ゲームとの相性問題
- OSDがうまく表示されない: 特定のゲームでOSDが表示されない、一部しか表示されない、表示が乱れるといった問題が発生することがあります。
- 対処法:
- そのゲームのプロファイルで「Stealth mode」をオン/オフしてみる。
- RTSSのCompatibility propertiesを調整してみる。(例: Application detection levelを下げる、Custom DirectInput/Direct3D supportを調整するなど。これらの設定はゲームによって最適な値が異なるため、RTSSやゲームのコミュニティフォーラムで情報を探すのが有効です。)
- ゲーム内の描画設定(DirectXバージョン、フルスクリーン/ウィンドウモードなど)を変更してみる。
- ゲームを最新版にアップデートする。RTSSも最新版を使用する。
- 対処法:
- ゲームがクラッシュする/起動しない: ごく稀に、RTSSが原因でゲームが不安定になったり、起動しなくなったりすることがあります。
- 対処法:
- まずRTSSを完全に終了した状態でゲームが正常に起動するか確認します。RTSSが原因である可能性が高い場合は、そのゲームのプロファイルを作成し、「On-Screen Display support」をオフにするか、プロファイルを削除してそのゲームではRTSSを使用しないようにします。
- 「Stealth mode」をオンにしてみる。
- Compatibility propertiesを調整してみる。
- RTSSを再インストールしてみる。
- 対処法:
アンチチートソフトウェアとの競合
特にオンライン対戦ゲームでは、強力なアンチチートソフトウェアが導入されている場合があります。これらのソフトウェアがRTSSをチートツールと誤認識し、ゲームの起動を妨げたり、アカウント停止の原因となったりするリスクがゼロではありません。
- リスクの回避:
- そのオンラインゲームをプレイする際は、RTSSを終了する。
- そのゲームのプロファイルを作成し、「On-Screen Display support」を完全にオフにする。
- そのゲームのプロファイルで「Stealth mode」をオンにしてみる。(ただし、効果は保証されません)
- 最も安全なのは、心配なオンラインゲームではRTSSを使用しないことです。 各ゲームの利用規約や公式サイトで、オーバーレイツールの使用に関する情報を確認することも重要です。多くのメジャーなアンチチートソフトウェアはRTSSをホワイトリストに入れていることが多いですが、絶対に安全とは言い切れません。
PCパフォーマンスへの影響
RTSSは非常に軽量に設計されており、ほとんどのPCではパフォーマンスへの影響は無視できるレベルです。しかし、非常に古いPCや、リソースがギリギリの環境では、わずかに影響が出る可能性も否定できません。
- パフォーマンスが気になる場合は、OSD表示を必要最低限の項目に絞ったり、OSD自体をオフにしたりすることで、負荷をさらに軽減できます。
設定のリセット方法
設定をいろいろ試しているうちに、何が何だか分からなくなってしまった、元の状態に戻したい、ということもあるかもしれません。
- RTSSの設定は、RTSSのインストールフォルダ内の
RivaTuner Statistics Server.cfg
というファイルや、Profiles
フォルダ内の各プロファイルファイルに保存されています。これらのファイルをバックアップしておいたり、最悪の場合は削除したりすることで、設定をリセットすることができます。ただし、これらのファイルを直接編集するのは推奨されません。 - Global設定をリセットしたい場合は、RTSSのアンインストール→インストールを行うのが確実な方法です。
- 特定のゲームのプロファイル設定をリセットしたい場合は、RTSSのアプリケーションリストでそのゲームを選択し、右クリックして「Delete」を選択すれば、そのプロファイル設定のみ削除できます。
よくある質問 (FAQ)
- Q: RTSSをインストールしたのにOSDが表示されない!
- A: まずRTSSが起動しているか確認してください(タスクトレイにアイコンがあるか)。Global設定またはゲームのプロファイルで「On-Screen Display support」と「Show On-Screen Display」がオンになっているか確認してください。MSI Afterburnerと連携している場合は、Afterburner側で表示したい項目に「On-Screen Displayに表示」のチェックが入っているか確認してください。
- Q: フレームレート制限を設定しても効果がない/ゲームが不安定になる!
- A: ゲーム内の垂直同期(VSync)やフレームレート制限設定がRTSSの設定と競合している可能性があります。ゲーム内の設定をオフまたは無制限にしてみてください。また、PCの性能が低すぎて設定した制限値に達していない可能性もあります。
- Q: OSDの文字が小さすぎる/大きすぎる!
- A: RTSSのGlobal設定またはゲームのプロファイル設定で、OSDの「Zoom」スライダーを調整するか、OSDレイアウト編集画面のグループ設定や項目設定で「Size」を調整してください。
- Q: MSI AfterburnerとRTSSは常に両方起動しておく必要がある?
- A: OSDでCPU/GPU情報などの詳細情報を表示したい場合は、Afterburnerが情報を取得し、RTSSがそれを表示するため、両方起動している必要があります。ただし、フレームレート表示や制限だけならRTSS単体でも可能です(Afterburnerをインストールしていれば、AfterburnerがなくてもRTSSだけを起動できます)。
これらの注意点やトラブルシューティングを頭に入れておけば、より安心してRTSSを活用できるはずです。
まとめ
この記事では、RivaTuner Statistics Server (RTSS) について、初心者向けにその機能、導入方法、そして基本的な設定から応用的な設定、さらには使用上の注意点やトラブルシューティングまで、詳しく解説してきました。
RTSSは、単体でもフレームレート表示やフレームレート制限といった便利な機能を提供しますが、MSI Afterburnerのような他のハードウェア監視ツールと連携することで、PCのパフォーマンス状況をゲーム中にリアルタイムで詳細に把握できる強力なツールへと進化します。
OSD機能を使えば、ゲームをプレイしながらPCの「今」の状態を知ることができ、設定変更の効果を確認したり、ボトルネックを探したりするのに非常に役立ちます。
また、フレームレート制限機能を使えば、モニターの性能を最大限に活かしつつ、ティアリングを軽減したり、PCの負荷を減らしたりすることで、より快適で安定したゲームプレイを実現できます。
最初は設定項目が多くて難しく感じるかもしれませんが、この記事を参考に、まずはFPS表示や基本的なOSD表示、そしてモニターに合わせたフレームレート制限から試してみてください。一度設定してしまえば、ほとんどの場合は意識することなくバックグラウンドで動作し、あなたのゲーム体験を陰ながらサポートしてくれます。
PCゲームは、ハードウェアとソフトウェアが組み合わさって初めて最高のパフォーマンスを発揮します。RTSSのようなツールは、そのパフォーマンスを「見える化」し、より良くするための調整を可能にしてくれます。
この記事が、あなたがRTSSを使い始め、より快適で満足のいくPCゲームライフを送るための一助となれば幸いです。さあ、RTSSを使いこなして、あなたのPCゲームをもっと楽しみましょう!