WPS Excel関数活用:知っておくと便利な関数まとめ

WPS Excel関数活用:知っておくと便利な関数まとめ

WPS Office Suiteに含まれるWPS Spreadsheets(WPS Excel)は、Microsoft Excelと互換性のある表計算ソフトであり、データ分析、帳票作成、グラフ作成など、様々な用途で利用されています。WPS Excelを使いこなす上で、関数は非常に重要な役割を果たします。関数を用いることで、複雑な計算やデータ処理を効率的に行うことができ、作業時間の大幅な短縮や、より高度な分析が可能になります。

本記事では、WPS Excelで使用頻度の高い関数や、知っておくと便利な関数をカテゴリ別に紹介し、それぞれの関数の詳細な説明、具体的な使用例、注意点などを解説します。WPS Excelの関数を活用することで、業務効率を向上させ、データ分析スキルを向上させるための情報を提供することを目的としています。

目次

  1. 基本的な関数
    • SUM:合計を求める
    • AVERAGE:平均を求める
    • MAX:最大値を求める
    • MIN:最小値を求める
    • COUNT:数値の個数を数える
    • COUNTA:空白ではないセルの個数を数える
  2. 日付と時刻に関する関数
    • TODAY:今日の日付を表示する
    • NOW:現在の日付と時刻を表示する
    • DATE:日付を生成する
    • YEAR:日付から年を抽出する
    • MONTH:日付から月を抽出する
    • DAY:日付から日を抽出する
    • WEEKDAY:曜日を数値で返す
    • TIME:時刻を生成する
    • HOUR:時刻から時間を抽出する
    • MINUTE:時刻から分を抽出する
    • SECOND:時刻から秒を抽出する
  3. 文字列操作に関する関数
    • LEFT:文字列の左側から指定文字数分を抽出する
    • RIGHT:文字列の右側から指定文字数分を抽出する
    • MID:文字列の中央から指定文字数分を抽出する
    • LEN:文字列の長さを返す
    • FIND:指定した文字列を検索し、その位置を返す
    • SEARCH:FIND関数と同様だが、大文字小文字を区別しない
    • REPLACE:文字列の一部を別の文字列に置き換える
    • SUBSTITUTE:文字列の一部を別の文字列に置き換える(REPLACE関数と異なり、文字列を指定できる)
    • UPPER:文字列を大文字に変換する
    • LOWER:文字列を小文字に変換する
    • PROPER:文字列の各単語の先頭文字を大文字に変換する
    • TRIM:文字列の前後の空白を削除する
    • CONCATENATE:複数の文字列を連結する
    • TEXT:数値を指定した書式設定で文字列に変換する
  4. 論理関数
    • IF:条件分岐を行う
    • AND:すべての条件が真の場合にTRUEを返す
    • OR:いずれかの条件が真の場合にTRUEを返す
    • NOT:条件の真偽を反転させる
  5. 検索/行列関数
    • VLOOKUP:垂直方向に検索する
    • HLOOKUP:水平方向に検索する
    • INDEX:指定した行と列の交差するセルの値を返す
    • MATCH:指定した値が範囲内で何番目に位置するかを返す
    • OFFSET:指定したセルから指定した行数と列数だけ移動したセルを参照する
    • CHOOSE:引数リストからインデックス番号に基づいて値を選択する
  6. 統計関数
    • COUNTIF:条件に一致するセルの個数を数える
    • SUMIF:条件に一致するセルの合計を求める
    • AVERAGEIF:条件に一致するセルの平均を求める
    • COUNTIFS:複数の条件に一致するセルの個数を数える
    • SUMIFS:複数の条件に一致するセルの合計を求める
    • AVERAGEIFS:複数の条件に一致するセルの平均を求める
  7. その他の便利な関数
    • IFERROR:エラーが発生した場合に指定した値を返す
    • RAND:0から1までの乱数を生成する
    • ROUND:数値を指定した桁数で四捨五入する
    • INT:数値の整数部分を取り出す

1. 基本的な関数

これらの関数は、Excelを使う上で最も基本的なものであり、日常的に頻繁に使用されます。

  • SUM:合計を求める

    • 書式: SUM(数値1, [数値2], ...)
    • 説明: 指定された数値の合計を計算します。数値はセル参照、数値、または範囲を指定できます。
    • 例: SUM(A1:A10) は、セルA1からA10までの数値の合計を計算します。SUM(1, 2, 3, A1) は、1, 2, 3とセルA1の値の合計を計算します。
    • 注意点: 空白セルまたは文字列が含まれるセルは無視されます。
  • AVERAGE:平均を求める

    • 書式: AVERAGE(数値1, [数値2], ...)
    • 説明: 指定された数値の平均値を計算します。数値はセル参照、数値、または範囲を指定できます。
    • 例: AVERAGE(B1:B5) は、セルB1からB5までの数値の平均値を計算します。AVERAGE(10, 20, 30) は、10, 20, 30の平均値を計算します。
    • 注意点: 空白セルまたは文字列が含まれるセルは無視されます。
  • MAX:最大値を求める

    • 書式: MAX(数値1, [数値2], ...)
    • 説明: 指定された数値の中で最大の値を返します。数値はセル参照、数値、または範囲を指定できます。
    • 例: MAX(C1:C8) は、セルC1からC8までの数値の中で最大の値を返します。MAX(5, 12, 8, 20) は、5, 12, 8, 20の中で最大の値を返します。
    • 注意点: 空白セルまたは文字列が含まれるセルは無視されます。
  • MIN:最小値を求める

    • 書式: MIN(数値1, [数値2], ...)
    • 説明: 指定された数値の中で最小の値を返します。数値はセル参照、数値、または範囲を指定できます。
    • 例: MIN(D1:D12) は、セルD1からD12までの数値の中で最小の値を返します。MIN(3, 9, 1, 7) は、3, 9, 1, 7の中で最小の値を返します。
    • 注意点: 空白セルまたは文字列が含まれるセルは無視されます。
  • COUNT:数値の個数を数える

    • 書式: COUNT(値1, [値2], ...)
    • 説明: 指定された範囲に含まれる数値の個数を数えます。
    • 例: COUNT(E1:E20) は、セルE1からE20までの範囲に含まれる数値の個数を数えます。COUNT(1, "A", 2, 3) は、1, 2, 3の個数(3)を返します。”A”は無視されます。
    • 注意点: 文字列、空白セルはカウントされません。
  • COUNTA:空白ではないセルの個数を数える

    • 書式: COUNTA(値1, [値2], ...)
    • 説明: 指定された範囲に含まれる空白ではないセルの個数を数えます。
    • 例: COUNTA(F1:F15) は、セルF1からF15までの範囲に含まれる空白ではないセルの個数を数えます。COUNTA(1, "A", , 3) は、1, “A”, 3の個数(3)を返します。空白セルは無視されます。
    • 注意点: 数値、文字列、数式など、何らかの値が入力されているセルがカウントされます。空白セルはカウントされません。

2. 日付と時刻に関する関数

これらの関数は、日付や時刻の情報を操作し、様々な形式で表示したり、必要な情報を抽出したりするために使用されます。

  • TODAY:今日の日付を表示する

    • 書式: TODAY()
    • 説明: コンピュータのシステム日付を返します。引数は不要です。
    • 例: =TODAY() は、今日の日付(例:2023/10/27)を表示します。
    • 注意点: この関数は揮発性関数であり、シートを開くたびに更新されます。
  • NOW:現在の日付と時刻を表示する

    • 書式: NOW()
    • 説明: コンピュータのシステム日付と時刻を返します。引数は不要です。
    • 例: =NOW() は、現在の日付と時刻(例:2023/10/27 14:30)を表示します。
    • 注意点: この関数は揮発性関数であり、シートを開くたびに、またはシートが再計算されるたびに更新されます。
  • DATE:日付を生成する

    • 書式: DATE(年, 月, 日)
    • 説明: 年、月、日を引数として指定し、日付データを生成します。
    • 例: DATE(2023, 10, 27) は、2023年10月27日の日付データを生成します。
    • 注意点: 引数は数値で指定する必要があります。無効な日付を指定するとエラーが発生します。
  • YEAR:日付から年を抽出する

    • 書式: YEAR(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(日付データ)から年を抽出します。
    • 例: YEAR(A1) は、セルA1に格納されている日付データから年を抽出します。セルA1に2023/10/27が入力されている場合、YEAR(A1) は2023を返します。
    • 注意点: 引数は日付データである必要があります。
  • MONTH:日付から月を抽出する

    • 書式: MONTH(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(日付データ)から月を抽出します。
    • 例: MONTH(A1) は、セルA1に格納されている日付データから月を抽出します。セルA1に2023/10/27が入力されている場合、MONTH(A1) は10を返します。
    • 注意点: 引数は日付データである必要があります。
  • DAY:日付から日を抽出する

    • 書式: DAY(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(日付データ)から日を抽出します。
    • 例: DAY(A1) は、セルA1に格納されている日付データから日を抽出します。セルA1に2023/10/27が入力されている場合、DAY(A1) は27を返します。
    • 注意点: 引数は日付データである必要があります。
  • WEEKDAY:曜日を数値で返す

    • 書式: WEEKDAY(シリアル値, [種類])
    • 説明: シリアル値(日付データ)に対応する曜日を数値で返します。
      • 種類: 返り値の規則を指定します(省略可能)。
        • 1: 1(日)から7(土)
        • 2: 1(月)から7(日)
        • 3: 0(月)から6(日)
    • 例: WEEKDAY(A1, 1) は、セルA1に格納されている日付データに対応する曜日を数値で返します。セルA1に2023/10/27(金)が入力されている場合、WEEKDAY(A1, 1) は6を返します。
    • 注意点: 引数は日付データである必要があります。
  • TIME:時刻を生成する

    • 書式: TIME(時, 分, 秒)
    • 説明: 時、分、秒を引数として指定し、時刻データを生成します。
    • 例: TIME(14, 30, 0) は、14時30分の時刻データを生成します。
    • 注意点: 引数は数値で指定する必要があります。無効な時刻を指定するとエラーが発生します。
  • HOUR:時刻から時間を抽出する

    • 書式: HOUR(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(時刻データ)から時間を抽出します。
    • 例: HOUR(A1) は、セルA1に格納されている時刻データから時間を抽出します。セルA1に14:30が入力されている場合、HOUR(A1) は14を返します。
    • 注意点: 引数は時刻データである必要があります。
  • MINUTE:時刻から分を抽出する

    • 書式: MINUTE(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(時刻データ)から分を抽出します。
    • 例: MINUTE(A1) は、セルA1に格納されている時刻データから分を抽出します。セルA1に14:30が入力されている場合、MINUTE(A1) は30を返します。
    • 注意点: 引数は時刻データである必要があります。
  • SECOND:時刻から秒を抽出する

    • 書式: SECOND(シリアル値)
    • 説明: シリアル値(時刻データ)から秒を抽出します。
    • 例: SECOND(A1) は、セルA1に格納されている時刻データから秒を抽出します。セルA1に14:30:45が入力されている場合、SECOND(A1) は45を返します。
    • 注意点: 引数は時刻データである必要があります。

3. 文字列操作に関する関数

これらの関数は、文字列の操作、加工、検索などを行うために使用されます。データの抽出、整形、検証など、様々な用途で活用できます。

  • LEFT:文字列の左側から指定文字数分を抽出する

    • 書式: LEFT(文字列, [文字数])
    • 説明: 文字列の左側から指定された文字数分の文字を抽出します。文字数を省略した場合は、1文字が抽出されます。
    • 例: LEFT("WPS Office", 3) は “WPS” を返します。
    • 注意点: 文字数が文字列の長さより大きい場合、文字列全体が返されます。
  • RIGHT:文字列の右側から指定文字数分を抽出する

    • 書式: RIGHT(文字列, [文字数])
    • 説明: 文字列の右側から指定された文字数分の文字を抽出します。文字数を省略した場合は、1文字が抽出されます。
    • 例: RIGHT("WPS Office", 6) は “Office” を返します。
    • 注意点: 文字数が文字列の長さより大きい場合、文字列全体が返されます。
  • MID:文字列の中央から指定文字数分を抽出する

    • 書式: MID(文字列, 開始位置, 文字数)
    • 説明: 文字列の指定された開始位置から、指定された文字数分の文字を抽出します。
    • 例: MID("WPS Office", 5, 3) は “Off” を返します。
    • 注意点: 開始位置が文字列の長さより大きい場合、空の文字列が返されます。文字数を省略した場合は、開始位置から文字列の末尾までが抽出されます。
  • LEN:文字列の長さを返す

    • 書式: LEN(文字列)
    • 説明: 文字列の文字数を返します。
    • 例: LEN("WPS Office") は 10 を返します(スペースも1文字としてカウントされます)。
  • FIND:指定した文字列を検索し、その位置を返す

    • 書式: FIND(検索文字列, 対象文字列, [開始位置])
    • 説明: 対象文字列の中で検索文字列が最初に見つかる位置を返します。開始位置を省略した場合は、1から検索を開始します。大文字と小文字を区別します。
    • 例: FIND("f", "WPS Office") は 5 を返します。
    • 注意点: 検索文字列が見つからない場合、エラー値(#VALUE!)が返されます。
  • SEARCH:FIND関数と同様だが、大文字小文字を区別しない

    • 書式: SEARCH(検索文字列, 対象文字列, [開始位置])
    • 説明: FIND関数と同様ですが、大文字と小文字を区別しません。
    • 例: SEARCH("F", "WPS Office") は 5 を返します。
  • REPLACE:文字列の一部を別の文字列に置き換える

    • 書式: REPLACE(文字列, 開始位置, 文字数, 新しい文字列)
    • 説明: 文字列の指定された開始位置から指定された文字数分の文字を、新しい文字列に置き換えます。
    • 例: REPLACE("WPS Office", 5, 3, "Work") は “WPS Workforce” を返します。
  • SUBSTITUTE:文字列の一部を別の文字列に置き換える(REPLACE関数と異なり、文字列を指定できる)

    • 書式: SUBSTITUTE(文字列, 検索文字列, 置換文字列, [出現回数])
    • 説明: 文字列の中で検索文字列を置換文字列に置き換えます。出現回数を省略した場合は、すべての検索文字列が置き換えられます。
    • 例: SUBSTITUTE("WPS Office", "Office", "Workforce") は “WPS Workforce” を返します。SUBSTITUTE("WPS Office Office", "Office", "Workforce", 1) は “WPS Workforce Office” を返します(最初の “Office” のみを置き換える)。
  • UPPER:文字列を大文字に変換する

    • 書式: UPPER(文字列)
    • 説明: 文字列をすべて大文字に変換します。
    • 例: UPPER("wps office") は “WPS OFFICE” を返します。
  • LOWER:文字列を小文字に変換する

    • 書式: LOWER(文字列)
    • 説明: 文字列をすべて小文字に変換します。
    • 例: LOWER("WPS OFFICE") は “wps office” を返します。
  • PROPER:文字列の各単語の先頭文字を大文字に変換する

    • 書式: PROPER(文字列)
    • 説明: 文字列の各単語の先頭文字を大文字に、残りの文字を小文字に変換します。
    • 例: PROPER("wps office suite") は “Wps Office Suite” を返します。
  • TRIM:文字列の前後の空白を削除する

    • 書式: TRIM(文字列)
    • 説明: 文字列の前後の空白を削除します。文字列中の空白は削除されません。
    • 例: TRIM(" WPS Office ") は “WPS Office” を返します。
  • CONCATENATE:複数の文字列を連結する

    • 書式: CONCATENATE(文字列1, [文字列2], ...)
    • 説明: 複数の文字列を連結して、1つの文字列にします。
    • 例: CONCATENATE("WPS", " ", "Office") は “WPS Office” を返します。(“&”演算子でも同様の処理が可能です。 "WPS" & " " & "Office" )
  • TEXT:数値を指定した書式設定で文字列に変換する

    • 書式: TEXT(値, 書式文字列)
    • 説明: 数値を指定された書式設定で文字列に変換します。
    • 例: TEXT(1234.56, "#,##0.00") は “1,234.56” を返します。TEXT(TODAY(), "yyyy/mm/dd") は今日の年月日を “2023/10/27” のように返します。
    • 注意点: 書式文字列は、Excelで利用できる書式コードを使用します。

4. 論理関数

これらの関数は、条件に基づいて異なる結果を返すために使用されます。条件分岐、データのフィルタリング、エラー処理など、様々な場面で活用できます。

  • IF:条件分岐を行う

    • 書式: IF(条件式, 真の場合の値, 偽の場合の値)
    • 説明: 条件式がTRUEの場合には「真の場合の値」を、FALSEの場合には「偽の場合の値」を返します。
    • 例: IF(A1>10, "合格", "不合格") は、セルA1の値が10より大きい場合は “合格” を、そうでない場合は “不合格” を返します。
  • AND:すべての条件が真の場合にTRUEを返す

    • 書式: AND(条件式1, [条件式2], ...)
    • 説明: 指定されたすべての条件式がTRUEの場合にTRUEを、1つでもFALSEの条件式がある場合はFALSEを返します。
    • 例: AND(A1>0, A1<100) は、セルA1の値が0より大きく、かつ100より小さい場合にTRUEを返します。
  • OR:いずれかの条件が真の場合にTRUEを返す

    • 書式: OR(条件式1, [条件式2], ...)
    • 説明: 指定された条件式のいずれかがTRUEの場合にTRUEを、すべての条件式がFALSEの場合はFALSEを返します。
    • 例: OR(A1<0, A1>100) は、セルA1の値が0より小さいか、または100より大きい場合にTRUEを返します。
  • NOT:条件の真偽を反転させる

    • 書式: NOT(条件式)
    • 説明: 条件式の真偽を反転させます。条件式がTRUEの場合はFALSEを、FALSEの場合はTRUEを返します。
    • 例: NOT(A1>10) は、セルA1の値が10より大きい場合FALSEを、そうでない場合TRUEを返します。

5. 検索/行列関数

これらの関数は、テーブルやリストから特定のデータを検索したり、行列の操作を行ったりするために使用されます。データ分析、レポート作成、データベース処理など、様々な場面で活用できます。

  • VLOOKUP:垂直方向に検索する

    • 書式: VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])
    • 説明: 範囲の左端の列で検索値を検索し、同じ行の指定された列番号にある値を返します。検索方法は、TRUE(近似一致)またはFALSE(完全一致)を指定します。省略した場合はTRUEとなります。
    • 例: VLOOKUP("商品A", A1:C10, 3, FALSE) は、セルA1からC10の範囲の左端の列(A列)で “商品A” を検索し、見つかった行の3列目(C列)の値を返します。
    • 注意点: 検索値が見つからない場合、エラー値(#N/A)が返されます。 範囲の左端の列は昇順にソートされている必要があります(検索方法がTRUEの場合)。
  • HLOOKUP:水平方向に検索する

    • 書式: HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索方法])
    • 説明: 範囲の一番上の行で検索値を検索し、同じ列の指定された行番号にある値を返します。検索方法は、TRUE(近似一致)またはFALSE(完全一致)を指定します。省略した場合はTRUEとなります。
    • 例: HLOOKUP("商品A", A1:C10, 2, FALSE) は、セルA1からC10の範囲の一番上の行(1行目)で “商品A” を検索し、見つかった列の2行目の値を返します。
    • 注意点: 検索値が見つからない場合、エラー値(#N/A)が返されます。 範囲の一番上の行は昇順にソートされている必要があります(検索方法がTRUEの場合)。
  • INDEX:指定した行と列の交差するセルの値を返す

    • 書式: INDEX(範囲, 行番号, [列番号])
    • 説明: 範囲内の指定された行番号と列番号の交差するセルの値を返します。
    • 例: INDEX(A1:C10, 5, 2) は、セルA1からC10の範囲の5行目と2列目(B列)の交差するセルの値を返します。
  • MATCH:指定した値が範囲内で何番目に位置するかを返す

    • 書式: MATCH(検索値, 範囲, [照合の種類])
    • 説明: 範囲内で検索値と一致する値を探し、その位置を返します。照合の種類は、1(検索値以下で最大の値)、0(完全一致)、-1(検索値以上で最小の値)を指定します。省略した場合は1となります。
    • 例: MATCH("商品A", A1:A10, 0) は、セルA1からA10の範囲で “商品A” を検索し、最初に見つかった位置を返します。
  • OFFSET:指定したセルから指定した行数と列数だけ移動したセルを参照する

    • 書式: OFFSET(基準セル, 行数, 列数, [高さ], [幅])
    • 説明: 基準セルから指定された行数と列数だけ移動したセルを参照します。高さと幅を指定すると、指定された範囲を参照できます。
    • 例: OFFSET(A1, 2, 3) は、セルA1から2行下、3列右(D3)のセルを参照します。
  • CHOOSE:引数リストからインデックス番号に基づいて値を選択する

    • 書式: CHOOSE(インデックス番号, 値1, [値2], ...)
    • 説明: インデックス番号に基づいて、引数リストから値を選択します。
    • 例: CHOOSE(2, "A", "B", "C") は “B” を返します(2番目の値を返す)。

6. 統計関数

これらの関数は、データの統計的な分析を行うために使用されます。データの集計、要約、傾向分析など、様々な用途で活用できます。

  • COUNTIF:条件に一致するセルの個数を数える

    • 書式: COUNTIF(範囲, 検索条件)
    • 説明: 指定された範囲の中で、検索条件に一致するセルの個数を数えます。
    • 例: COUNTIF(A1:A10, ">10") は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルの個数を数えます。
  • SUMIF:条件に一致するセルの合計を求める

    • 書式: SUMIF(範囲, 検索条件, [合計範囲])
    • 説明: 指定された範囲の中で、検索条件に一致するセルの合計を求めます。合計範囲を省略した場合は、範囲が合計範囲として使用されます。
    • 例: SUMIF(A1:A10, ">10", B1:B10) は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルに対応するB1からB10のセルの合計を求めます。
  • AVERAGEIF:条件に一致するセルの平均を求める

    • 書式: AVERAGEIF(範囲, 検索条件, [平均範囲])
    • 説明: 指定された範囲の中で、検索条件に一致するセルの平均を求めます。平均範囲を省略した場合は、範囲が平均範囲として使用されます。
    • 例: AVERAGEIF(A1:A10, ">10", B1:B10) は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルに対応するB1からB10のセルの平均を求めます。
  • COUNTIFS:複数の条件に一致するセルの個数を数える

    • 書式: COUNTIFS(範囲1, 検索条件1, [範囲2, 検索条件2], ...)
    • 説明: 指定された複数の範囲の中で、対応する検索条件に一致するセルの個数を数えます。
    • 例: COUNTIFS(A1:A10, ">10", B1:B10, "<20") は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルに対応し、かつB1からB10の範囲で20より小さい値を持つセルの個数を数えます。
  • SUMIFS:複数の条件に一致するセルの合計を求める

    • 書式: SUMIFS(合計範囲, 範囲1, 検索条件1, [範囲2, 検索条件2], ...)
    • 説明: 指定された複数の範囲の中で、対応する検索条件に一致するセルに対応する合計範囲のセルの合計を求めます。
    • 例: SUMIFS(C1:C10, A1:A10, ">10", B1:B10, "<20") は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルに対応し、かつB1からB10の範囲で20より小さい値を持つセルに対応するC1からC10のセルの合計を求めます。
  • AVERAGEIFS:複数の条件に一致するセルの平均を求める

    • 書式: AVERAGEIFS(平均範囲, 範囲1, 検索条件1, [範囲2, 検索条件2], ...)
    • 説明: 指定された複数の範囲の中で、対応する検索条件に一致するセルに対応する平均範囲のセルの平均を求めます。
    • 例: AVERAGEIFS(C1:C10, A1:A10, ">10", B1:B10, "<20") は、セルA1からA10の範囲で、10より大きい値を持つセルに対応し、かつB1からB10の範囲で20より小さい値を持つセルに対応するC1からC10のセルの平均を求めます。

7. その他の便利な関数

これらの関数は、特定の目的のために設計されており、特定の状況で非常に役立ちます。

  • IFERROR:エラーが発生した場合に指定した値を返す

    • 書式: IFERROR(数式, エラーの場合の値)
    • 説明: 数式がエラーを返した場合に、指定された値を返します。エラーが発生しない場合は、数式の結果を返します。
    • 例: IFERROR(A1/B1, 0) は、セルA1をB1で割った結果を返します。B1が0の場合、エラーが発生するため、0を返します。
  • RAND:0から1までの乱数を生成する

    • 書式: RAND()
    • 説明: 0以上1未満の乱数を生成します。この関数は揮発性関数であり、シートが再計算されるたびに新しい乱数が生成されます。
    • 例: RAND()*100 は、0から100未満の乱数を生成します。
  • ROUND:数値を指定した桁数で四捨五入する

    • 書式: ROUND(数値, 桁数)
    • 説明: 数値を指定された桁数で四捨五入します。桁数が正の数の場合は小数点以下を、負の数の場合は整数部分を四捨五入します。
    • 例: ROUND(3.14159, 2) は 3.14 を返します。ROUND(1234.56, -2) は 1200 を返します。
  • INT:数値の整数部分を取り出す

    • 書式: INT(数値)
    • 説明: 数値の整数部分を取り出します。
    • 例: INT(3.14159) は 3 を返します。INT(-3.14159) は -4 を返します。

まとめ

WPS Excelには、ここで紹介した以外にも数多くの関数が用意されています。それぞれの関数を理解し、適切な場面で活用することで、データ分析、帳票作成、グラフ作成など、様々な作業を効率的に行うことができます。WPS Excelのヘルプ機能やオンラインドキュメントを活用して、さらに多くの関数を学び、WPS Excelのスキルを向上させましょう。 積極的に関数を活用することで、日々の業務効率を大幅に改善することが期待できます。

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