TFLite Microで組込み機器を知的に!基礎から学ぶ
はじめに:なぜ今、組み込みAIなのか?
近年、私たちの身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続され、データ収集と分析が行われるIoT(Internet of Things)の時代が本格的に到来しました。しかし、収集された全てのデータをクラウドに送信し、そこで処理するという中央集権的なモデルには限界があります。特に、リアルタイム性が求められるアプリケーション、データ量が膨大になるケース、あるいはネットワーク接続が不安定または不可能な環境では、データの発生源である「エッジ」側で、つまり組み込み機器上で直接データを処理し、判断を下す必要性が高まっています。
ここで重要になるのが、組み込みAI (Embedded AI)、あるいはTinyML (Tiny Machine Learning) と呼ばれる分野です。これは、極めてリソースが限られたマイクロコントローラーや小型組み込み機器上で、機械学習モデルを実行し、センサーデータの解析、音声認識、画像認識などのタスクをこなすことを目指します。
しかし、一般的な機械学習モデル、特に深層学習モデルは、数百万から数億ものパラメータを持ち、実行には高性能なCPU、大容量のメモリ、そして大量の計算リソースを必要とします。これらは、数ドルで購入できるような小型のマイクロコントローラーには到底搭載されていません。フラッシュメモリは数百KBから数MB、RAMは数十KBから数百KB、動作周波数は数十MHzといった制約の中で、いかにして「知的な」処理を実現するのか。これが、組み込みAIにおける最大の課題でした。
この課題に対する強力なソリューションの一つが、Googleが開発したTensorFlow Lite Micro (TFLite Micro) です。TensorFlow Lite Microは、TensorFlowという巨大な機械学習フレームワークの一部でありながら、その名前が示す通り、極めて小さなフットプリントで動作するように設計されています。これにより、数KBのRAMと数十KBのフラッシュメモリしかないような超小型デバイス上でも、訓練済みの機械学習モデルを動かし、エッジでのインテリジェントな処理を可能にする道が開かれました。
本記事では、このTFLite Microに焦点を当て、その基本的な概念、アーキテクチャ、開発ワークフロー、そして実際の組み込み機器への適用方法について、初心者にも分かりやすいように詳細に解説します。これを読めば、あなたも手元の小さなマイクロコントローラーを、驚くほど賢いデバイスに変身させる一歩を踏み出せるでしょう。
組み込み機器におけるMLの課題
TFLite Microの詳細に入る前に、なぜ組み込み機器上で機械学習を実行することが難しいのか、その課題を具体的に見ていきましょう。
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リソースの極端な制約:
- CPU: 一般的なPCやスマートフォンに比べて、処理能力が桁違いに低い。数GHzではなく、数十~数百MHz程度の周波数で動作する。浮動小数点演算ユニット (FPU) がなかったり、あっても性能が低かったりする場合が多い。
- RAM (Random Access Memory): 実行時にデータを保持するためのメモリが非常に少ない。数十KBから数百KBが一般的。これに対して、大規模なニューラルネットワークは、中間層の計算結果(アクティベーション)やパラメータを保持するために、数百MB、時には数GBのRAMを必要とすることがある。
- Flash Memory (ROM): プログラムコードとモデルのパラメータを格納するための不揮発性メモリも限られている。数百KBから数MBが一般的。これも、大規模なモデルでは数MBから数百MBになるため、そのままでは格納できない。
- 消費電力: バッテリー駆動のデバイスの場合、消費電力を極力抑える必要がある。CPUが活発に動作すると消費電力が増大するため、効率的な計算が求められる。
- ストレージ: SDカードのような外部ストレージを持たないデバイスも多い。
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リアルタイム性能の要求:
- センサーデータの監視やアクチュエーターの制御など、多くの組み込みシステムはリアルタイムでの応答が求められます。推論処理に時間がかかりすぎると、システム全体の応答性が損なわれ、要求仕様を満たせなくなる可能性があります。
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開発環境とデバッグの複雑さ:
- 組み込み開発は、PC上での開発に比べて環境構築やデバッグが複雑です。クロスコンパイル、JTAG/SWDデバッガーの使用、限られたデバッグ情報などが課題となります。
- 機械学習モデルの開発(訓練)は通常高性能な環境で行い、それを組み込み向けに最適化してデプロイする必要があります。このワークフローの管理も課題となります。
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限られたソフトウェアスタック:
- 組み込み機器、特にマイクロコントローラーでは、LinuxのようなリッチなOSではなく、ベアメタル(OSなし)やRTOS(リアルタイムOS)上で動作することが多いです。これにより、PC上で利用できる多くのライブラリやツールが利用できません。ファイルシステムがない場合も多く、モデルファイル自体をプログラムコードの一部としてROMに焼き込む必要があります。
これらの課題を克服するために、組み込みAIの分野では、モデルの小型化・軽量化、計算の効率化、そして組み込み環境に適したフレームワークの開発が進められてきました。TFLite Microは、まさにこの最後の要素、すなわち組み込み環境に適したフレームワークとして登場したのです。
TensorFlow LiteとTFLite Micro
TFLite Microは、TensorFlowエコシステムの一部です。まずは、親プロジェクトであるTensorFlow Lite (TFLite) について触れておきましょう。
TensorFlow Lite (TFLite)
TensorFlow Liteは、モバイルデバイス(スマートフォンやタブレット)やその他のエッジデバイス上でのオンデバイス推論のために設計されたフレームワークです。TensorFlowで訓練されたモデルを、これらのデバイスで効率的に実行することを目的としています。TFLiteは以下の特徴を持ちます。
- モデルの軽量化: 訓練済みのTensorFlowモデルを、
.tfliteという軽量なファイル形式に変換します。この変換プロセスでは、モデルの最適化(オペレーション融合、不要なノードの削除など)が行われます。 - 推論エンジンの最適化: 各プラットフォーム(Android, iOS, Linuxなど)向けに最適化された推論エンジンを提供します。ハードウェアアクセラレーション(GPU, DSP, NPUなど)を利用することも可能です。
- 多様なデバイスサポート: スマートフォンだけでなく、Raspberry Piなどのシングルボードコンピューターや、より高性能な組み込みLinuxデバイスなど、ある程度の計算リソースを持つデバイスをターゲットとしています。
TensorFlow Lite Micro (TFLite Micro)
TFLiteはモバイルやエッジデバイス向けですが、さらにリソースが限られたマイクロコントローラー向けのサブセットとして開発されたのがTFLite Microです。TFLite Microは、TFLiteが持つモデル変換ツールを利用しつつ、推論エンジン部分はマイクロコントローラーの厳しい制約に合わせてゼロから設計されています。その主な特徴は以下の通りです。
- 極めて小さなフットプリント: 数十KBのRAMと数十KB〜数百KBのフラッシュメモリで動作することを目指して設計されています。これは、数MBのRAMや数MBのフラッシュメモリを必要とする通常のTFLiteと比較しても大幅に小さいです。
- OS非依存: 標準C++で記述されており、特定のOSやファイルシステムに依存しません。RTOS上はもちろん、ベアメタル環境でも容易にポーティング(移植)できます。
- 静的なメモリ割り当て: 実行時の動的なメモリ割り当て(
malloc/freeなど)を極力避けるように設計されています。代わりに、推論に必要な全てのテンソルデータや中間バッファのために、固定サイズのメモリ領域(アリーナと呼ばれる)を事前に確保し、それを再利用します。これにより、メモリフラグメンテーションを防ぎ、予測可能なメモリ使用量とリアルタイム性能を実現します。 - 限定されたオペレーションサポート: サポートするオペレーション(畳み込み、プーリング、活性化関数など)の種類を厳選しています。これは、コードサイズを削減し、各オペレーションの実装をマイクロコントローラー上で効率的に動作するように最適化するためです。主要なオペレーションはサポートされていますが、より複雑なオペレーションやカスタムオペレーションは利用できない場合があります。
- C++ API: 推論を実行するためのAPIは、シンプルかつ低レベルなC++インターフェースとして提供されます。
このように、TFLite Microは、通常のTFLiteでは動作させることが困難な、極めてリソースが限られた環境で機械学習推論を実行するための、徹底的に最適化されたフレームワークと言えます。
組み込みMLの核となる技術:モデルの軽量化と量子化
TFLite Microフレームワークが優れているだけでは、組み込み機器でMLを実行することはできません。そもそも、推論させる「モデル」自体が、組み込み環境に適した形に軽量化されている必要があります。ここでは、組み込みMLにおいてモデルを軽量化するための主要な技術である「量子化」に焦点を当てて説明します。
モデルの軽量化の必要性
前述の通り、大規模なニューラルネットワークはパラメータ数が多く、計算量も膨大です。これをそのままマイクロコントローラーで動かそうとしても、メモリに収まらない、あるいは推論に数秒、数分とかかってしまい、全く実用的ではありません。
そのため、組み込み機器でMLを実行するには、以下のような手法を用いてモデルを小さく、かつ高速に実行できるように最適化する必要があります。
- 小さなモデルアーキテクチャの選択: 最初からパラメータ数が少なく、計算効率の良いネットワーク構造を選択します。例えば、畳み込み層において、チャンネル数を減らしたり、Depthwise Separable Convolutionのような効率的な演算を用いるアーキテクチャ(MobileNet, EfficientNet Liteなど)がよく利用されます。
- 枝刈り (Pruning): モデルの訓練後に、重要度の低いパラメータ(例えば重みがゼロに近いもの)を削除し、ネットワークを疎にすることで、パラメータ数を削減します。
- 量子化 (Quantization): モデルのパラメータや中間計算結果(アクティベーション)のデータ型を、通常使用される32ビット浮動小数点数(float32)から、よりビット幅の小さい整数型(例えば8ビット整数 int8)に変換します。これが、組み込みML、特にTFLite Microにおいて最も強力かつ一般的に使用される手法です。
量子化の詳細
量子化は、モデルのサイズ削減と計算効率化の両方に大きく貢献します。
- メモリ使用量の削減: float32は1つの数値を表現するのに4バイト必要ですが、int8なら1バイトで済みます。モデル全体のパラメータをint8に量子化すれば、モデルサイズを理論上1/4に削減できます。アクティベーションも同様に削減されます。
- 計算速度の向上: 多くのマイクロコントローラーは、浮動小数点演算ユニットを持たなかったり、持っていたとしても整数演算に比べて遅かったりします。int8などの整数演算は、多くのプロセッサで高速に実行できます。特に、アームのCortex-Mシリーズなど、特定のDSP拡張を持つCPUでは、SIMD命令などを使ってint8の演算を非常に効率的に行うことが可能です。
量子化にはいくつかの手法がありますが、TFLite Microでよく利用されるのは以下の2つです。
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学習後量子化 (Post-Training Quantization):
- モデルの訓練が完了した後に行われる量子化手法です。元のモデルはfloat32で訓練されています。
- ダイナミックレンジ量子化 (Post-Training Dynamic Range Quantization): 重みのみをfloat32からint8に変換し、アクティベーションは実行時に動的に量子化/逆量子化を行います。これは最も手軽な手法ですが、実行時に量子化/逆量子化のオーバーヘッドが発生します。
- フル整数量子化 (Post-Training Full Integer Quantization): 重みとアクティベーションの両方をint8に変換します。完全に整数演算のみで推論を実行できるため、最も高速化とメモリ削減効果が期待できます。ただし、この手法を用いるには、校正データセット(少量だが代表的な入力データ)を用いて、各層のアクティベーションの分布(最小値と最大値)を事前に測定し、適切なスケーリングパラメータを決定する必要があります。この校正プロセスが精度に影響を与える可能性があります。
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量子化対応学習 (Quantization-Aware Training – QAT):
- モデルの訓練中に量子化の影響をシミュレートしながら学習を行う手法です。これにより、量子化による精度低下を最小限に抑えることができます。
- QATでは、モデルのフォワードパスにおいて、浮動小数点演算を量子化/逆量子化演算のペアで置き換えます。バックワードパスでは、勾配はそのまま伝播させますが、重みの更新は浮動小数点で行われます。
- この手法は、最も高い精度を維持しながら量子化を行うことができますが、学習プロセスに手を加える必要があり、学習時間も長くなる傾向があります。
TFLite Microでモデルを実行する場合、通常は学習後フル整数量子化 (int8)、あるいは精度が重要な場合は量子化対応学習 (int8) で得られたモデルが最も適しています。これにより、モデルファイルサイズが小さくなり、TFLite Microによる推論が整数演算のみで高速に実行できるようになります。
TFLite Converter
TensorFlowまたはKerasで訓練・量子化されたモデルは、そのままではTFLite Microで実行できません。.pb(SavedModel)形式や.h5形式のモデルファイルを、TFLite Microが解釈できる.tflite形式に変換する必要があります。この役割を担うのが、TFLite Converterです。
TFLite Converterは、Python API (tf.lite.TFLiteConverter) として提供されており、以下の機能を持っています。
- 様々な形式のTensorFlowモデルを読み込み
- モデルグラフの最適化(不要ノードの削除、オペレーション融合など)
- 量子化処理(学習後量子化)の適用
- 結果を
.tflite形式で出力
量子化済みの.tfliteファイルは、モデルの構造、パラメータ(重み)、そして量子化のためのスケーリング情報などが格納された軽量な形式です。このファイルは、バイナリデータとしてマイクロコントローラーのフラッシュメモリに格納され、TFLite Microランタイムによって読み込まれて推論に使用されます。ファイルシステムがない場合は、.tfliteファイルをC言語のバイト配列に変換して、ソースコードに含めるのが一般的なアプローチです。
TFLite Microのアーキテクチャ
TFLite Microは、マイクロコントローラー上で効率的に動作するために、独自のアーキテクチャを採用しています。その中心となるコンポーネントは以下の通りです。
- モデルデータ: TFLite Converterによって生成された
.tflite形式のモデルデータです。これは、マイクロコントローラーのフラッシュメモリ(ROM)にバイト配列として格納されます。モデルの構造、オペレーションの種類と順序、重みなどのパラメータ、そして量子化情報が含まれています。 - オペレーションリゾルバー (OpResolver): モデルデータに含まれる各オペレーション(Conv2D, Pool2D, Add, ReLUなど)に対応する、実際の計算を行う関数の実装を提供します。TFLite Microは、サポートするオペレーションの実装コードを全て含めるのではなく、モデルで使用されるオペレーションに必要な実装だけをリンクすることで、コードサイズを削減できます。
AllOpsResolver: サポートされている全てのオペレーション実装を含みます。コードサイズは大きくなりますが、どのオペレーションが使われるか事前に分からない場合に便利です。MicroMutableOpResolver: モデルで使用される特定のオペレーション実装だけを明示的に追加していくタイプのリゾルバーです。使用するオペレーションの数だけコードサイズが増えますが、AllOpsResolverよりも小さくできます。ほとんどの場合、こちらを使用します。
- マイクロインタープリター (MicroInterpreter): TFLite Microランタイムの中核をなす部分です。モデルデータとOpResolverを受け取り、実際の推論処理を実行します。
- モデルデータを解析し、オペレーションの実行順序を決定します。
- OpResolverを使用して、各オペレーションに対応する計算関数を取得します。
- 入力データを受け取り、アリーナメモリ領域を管理しながら、各オペレーションを順番に実行します。
- 最終的な出力データを生成します。
- アリーナメモリ (Arena Memory): TFLite Microが推論実行中に必要とする全ての一時的なメモリ領域(中間テンソルデータ、アクティベーションなど)を、事前に確保された単一のバッファ(配列)として管理します。Interpreterは、このアリーナ内でテンソルに必要なメモリを割り当てて使用します。推論の開始前に必要なアリーナサイズを計算し、そのサイズでバッファを確保しておく必要があります。アリーナサイズが不足すると、メモリ割り当てに失敗し、推論を実行できません。
- カーネル (Kernels): OpResolverから提供される、各オペレーション(Conv2D, Pool2Dなど)の実際の計算を行う関数群です。これらのカーネルは、マイクロコントローラー上で効率的に動作するように、多くの場合手作業で最適化されています(例: 整数演算の活用、SIMD命令の利用など)。
推論実行のフロー
TFLite Microを用いた組み込み機器での推論実行は、一般的に以下のステップで構成されます。
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初期化:
.tfliteモデルデータをROMから取得します(Cバイト配列として)。MicroMutableOpResolverのインスタンスを作成し、モデルで使用される必要なオペレーション(Conv2D, Pool2Dなど)を全て追加します。- 推論に必要なアリーナメモリのサイズを計算または推定し、そのサイズのバイト配列(バッファ)をRAM上に確保します。
MicroInterpreterのインスタンスを作成します。この際、モデルデータ、OpResolver、そしてアリーナメモリのポインタをInterpreterに渡します。- Interpreterの
AllocateTensors()メソッドを呼び出します。これにより、Interpreterはアリーナメモリ内に各テンソルに必要な領域を割り当て、推論実行の準備が完了します。このステップでアリーナサイズが不足しているとエラーが発生します。
-
推論実行 (Inference):
- センサーなどから取得した入力データを、Interpreterの入力テンソルにコピーまたは設定します。入力データの形式(データ型、形状)はモデルの入力層と一致している必要があります。
- Interpreterの
Invoke()メソッドを呼び出します。これにより、モデル定義に従って、入力データに対して一連のオペレーションが順次実行されます。中間結果はアリーナメモリに一時的に格納されます。 Invoke()が完了すると、推論結果がInterpreterの出力テンソルに格納されます。
-
結果処理:
- Interpreterの出力テンソルから推論結果を取得します。
- 取得した結果に基づいて、何らかのアクションを実行します(例: 特定の音声を認識したらLEDを点灯させる、特定のジェスチャーを認識したらモーターを動かすなど)。
-
(オプション)次の推論へ:
- 新たな入力データがある場合は、ステップ2に戻って次の推論を実行します。Interpreterは状態を保持しており、アリーナメモリも再利用されるため、初期化を再度行う必要はありません。
このフローは、組み込みシステムの一般的なループ構造(setup()とloop()など)に容易に組み込むことができます。初期化はsetup()で行い、推論実行と結果処理はloop()の中で繰り返し行います。
TFLite Microを用いた開発ワークフロー
TFLite Microを使用して組み込み機器を知的にする開発ワークフローは、大まかに以下のステップで進行します。
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問題定義とデータセット準備:
- どのような問題を解決したいのかを明確にします(例: 特定の単語を認識する、異常な振動を検出する、手書き数字を認識するなど)。
- その問題に対する機械学習モデルを訓練するために必要なデータセットを収集・準備します。組み込み機器の実際のセンサーからデータを収集することが重要です。
-
モデル設計と訓練:
- 収集したデータセットを用いて、機械学習モデルを設計し、訓練します。この際、組み込み機器のリソース制約を考慮し、最初から比較的コンパクトなモデルアーキテクチャを選択することが重要です。例えば、キーワード認識ならCNNベースの小型モデル、画像認識ならMobileNetV2やEfficientNet Liteのようなモバイル向けモデルなどが候補になります。
- 訓練は、通常、高性能なPCやクラウド上のGPUを用いて行います。TensorFlowやKerasといったフレームワークを使用します。
-
モデルの軽量化と量子化:
- 訓練済みのfloat32モデルを、TFLite Converterを使用して
.tflite形式に変換します。 - 組み込み機器向けに、学習後フル整数量子化 (int8) を適用します。必要であれば、精度と軽量化のバランスを取りながら量子化対応学習も検討します。
- 量子化後のモデルの精度を評価し、必要に応じてモデルアーキテクチャの調整、訓練のやり直し、あるいは異なる量子化手法の試行を行います。
- 訓練済みのfloat32モデルを、TFLite Converterを使用して
-
モデルの組み込み機器向け変換:
- 生成された
.tfliteファイルを、マイクロコントローラーのプログラムに含めるために、C言語のバイト配列形式に変換します。これは、xxdコマンド(Linux/macOS)やその他のツールを使って行います。
- 生成された
-
組み込みプロジェクトへの統合:
- マイクロコントローラー向けの新しいプロジェクトを作成するか、既存のプロジェクトを開きます。
- TFLite Microのソースコードをプロジェクトに追加します。通常は、TFLite Microのリポジトリをサブモジュールとして追加したり、必要なソースファイルをコピーしたりします。多くの開発ボード向けには、プラットフォーム固有のポーティングレイヤーが既に提供されています。
- モデルのバイト配列をプロジェクトのソースコードファイル(例:
model.hやmodel.cc)として追加します。 - センサーからデータを取得し、モデルの入力テンソルに合う形式に前処理するコードを記述します。
- TFLite MicroのAPIを使用して、Interpreterの初期化、アリーナメモリの確保、入力データの設定、
Invoke()による推論実行、出力結果の取得といったコードを記述します。 - 推論結果に応じて、LEDを点灯させる、ブザーを鳴らす、ネットワーク経由で情報を送信するといった、アプリケーション固有の処理を実装します。
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ビルド、書き込み、デバッグ:
- 組み込み開発環境(IDEやmake/CMakeベースのビルドシステム)を使用してプロジェクトをビルドします。この際、TFLite Microのソースコードも一緒にコンパイルされ、リンクされます。
- 生成されたバイナリイメージをターゲットのマイクロコントローラーに書き込みます。
- 実際にデバイスを動作させ、期待通りに動作するかテストします。デバッガーやシリアル通信などを用いて、推論の各ステップ(入力データ、中間テンソル、出力結果、メモリ使用量、実行時間など)を確認しながらデバッグを行います。特に、アリーナサイズ不足やオペレーションの未サポートといった問題が発生しやすいです。
-
最適化と評価:
- デバッグが完了したら、パフォーマンス(推論時間、メモリ使用量、消費電力)を測定・評価します。
- 必要に応じて、モデルの再訓練/量子化、TFLite Microのビルド設定の調整(オペレーションの取捨選択など)、センサーデータ前処理の最適化、あるいはハードウェアの検討などを行い、性能要求を満たすように最適化を繰り返します。
このワークフローは反復的であり、特にステップ3からステップ7の間を何度も行き来しながら、性能と精度のバランスを取っていくことになります。
実際の開発におけるTFLite Micro APIの利用
TFLite MicroのC++ APIはシンプルで、組み込み機器での利用に特化しています。ここでは、前述の推論実行フローに沿って、主要なAPI要素を見ていきましょう。
例として、Arduino Nano 33 BLE Senseのようなボードで、簡単なキーワードスポッティング(例: “Yes”/ “No”を認識する)を行うシナリオを想定します。
“`cpp
include // またはmicro_mutable_op_resolver.h
include
include
include // システム依存の初期化用 (オプション)
include
include “model_data.h” // xxd で生成したモデルのバイト配列が含まれるヘッダーファイル
// モデルデータのバイト配列を定義
const unsigned char model_data[] = { / … モデルデータのバイト列 … / }; // model_data.h で定義される場合が多い
// 推論に必要なメモリ領域(アリーナ)のサイズを定義
// このサイズはモデルによって異なり、試行錯誤やツールで推定が必要
const int kTensorArenaSize = 60 * 1024; // 例: 60 KB
// アリーナメモリ領域の実体となるバイト配列を定義
uint8_t tensor_arena[kTensorArenaSize];
tflite::MicroInterpreter interpreter = nullptr;
TfLiteTensor input = nullptr;
TfLiteTensor* output = nullptr;
// Setup 関数 (Arduinoの場合)
void setup() {
// TFLite Micro システムの初期設定 (オプションだが推奨)
tflite::InitializeTarget();
// モデルの取得
const tflite::Model* model = tflite::GetModel(model_data);
if (model->version() != TFLITE_SCHEMA_VERSION) {
// エラー処理
return;
}
// オペレーションリゾルバーの作成
// 使用するオペレーションだけを追加する場合(推奨)
static tflite::MicroMutableOpResolver<5> op_resolver; // 使用するオペレーション数を指定
op_resolver.AddConv2D();
op_resolver.AddDepthwiseConv2D();
op_resolver.AddFullyConnected();
op_resolver.AddMaxPool2D();
op_resolver.AddReshape();
op_resolver.AddSoftmax();
// モデルで使用される他のオペレーションもここに追加
// 全オペレーションを含める場合 (コードサイズ大)
// static tflite::AllOpsResolver op_resolver;
// MicroInterpreter の作成
// 静的に確保したメモリを使うため、new は使わない
static tflite::MicroInterpreter static_interpreter(
model, op_resolver, tensor_arena, kTensorArenaSize);
interpreter = &static_interpreter;
// アリーナメモリの割り当て
TfLiteStatus allocate_status = interpreter->AllocateTensors();
if (allocate_status != kTfLiteOk) {
// メモリ割り当て失敗のエラー処理
// kTensorArenaSize が小さすぎる可能性が高い
return;
}
// 入力テンソルと出力テンソルへのポインタを取得
input = interpreter->input(0); // モデルが複数の入力を持つ場合はインデックスを変える
output = interpreter->output(0); // モデルが複数の出力を持つ場合はインデックスを変える
// 入力テンソルの形状や型を確認 (デバッグ用)
// Serial.printf(“Input shape: %d\n”, input->dims->size);
// Serial.printf(“Input type: %d\n”, input->type); // 1はFLOAT32, 9はINT8
}
// Loop 関数 (Arduinoの場合)
void loop() {
// 1. センサーデータ(音声データなど)の取得と前処理
// (この部分はアプリケーション固有の実装)
// 前処理済みのデータを input テンソルにコピーまたは設定する
// 例:
// if (get_new_audio_data(&audio_buffer)) { // 新しいデータがあるか確認
// // audio_buffer をモデル入力形式に変換し、input->data.int8 にコピー
// // 量子化モデルの場合、スケーリングを考慮してコピーする
// preprocess_audio(audio_buffer, input->data.int8);
// // 2. 推論の実行
// TfLiteStatus invoke_status = interpreter->Invoke();
// if (invoke_status != kTfLiteOk) {
// // 推論実行失敗のエラー処理
// return;
// }
// // 3. 推論結果の取得と処理
// // output テンソルから結果を取得する
// // 量子化モデルの場合、逆量子化して解釈する
// int8_t* output_data = output->data.int8;
// // 例: ソフトマックス出力のインデックスを取得
// int max_score_index = 0;
// int8_t max_score = output_data[0];
// for (int i = 1; i < output->dims->data[1]; ++i) {
// if (output_data[i] > max_score) {
// max_score = output_data[i];
// max_score_index = i;
// }
// }
// // インデックスに基づいて認識されたキーワードなどを判定
// if (max_score_index == 0) { // “Yes”に対応するインデックスとする
// // “Yes”が認識された時の処理(例: LED点灯)
// } else if (max_score_index == 1) { // “No”に対応するインデックスとする
// // “No”が認識された時の処理
// }
// }
// 短時間待機など (オプション)
// delay(100);
}
“`
上記のコードは、TFLite Microを使った基本的な組み込みアプリケーションの構造を示しています。重要なのは、setup()関数で行われる初期化(モデルロード、リゾルバー設定、Interpreter作成、メモリ割り当て)と、loop()関数内で繰り返し行われる推論実行 (Invoke()) です。
特にメモリ管理においては、kTensorArenaSize の値を適切に設定することが非常に重要です。小さすぎると AllocateTensors() で失敗し、大きすぎると貴重なRAMを無駄に消費します。この値は、使用するモデルやオペレーションの種類・数によって大きく変動するため、一般的には、TFLite Microの提供するツールやデバッグ出力 (GetTfLiteUsedBytes()) を参考に、実際にモデルをロードして試行錯誤しながら最適な値を決定します。
サポートされるハードウェア
TFLite Microは移植性が高く、多くのマイクロコントローラー上で動作可能です。特に以下の種類のハードウェアが主要なターゲットとなっています。
- ARM Cortex-Mシリーズ: 組み込みシステムで最も広く使用されているプロセッサアーキテクチャです。Cortex-M0/M0+, M3, M4/M4F, M7/M7F, M33/M33F/M33Pといった様々なグレードがあります。特に、M4F, M7F, M33F/M33Pのように浮動小数点ユニット (FPU) やDSP拡張命令セットを持つものは、ML演算の高速化に貢献します。多くの開発ボード(STM32シリーズ、NXP Kinetis/LPCシリーズ、Cypress PSoCなど)で利用可能です。
- ESP32シリーズ (Espressif Systems): Wi-Fi/Bluetooth機能を内蔵した人気の高いマイクロコントローラーです。特に、ESP32-S3やESP32-C3/C6など、AIアクセラレーターを搭載したり、Cortex-M系コアを採用したりしているモデルは、TFLite Microとの相性が良いです。
- RISC-Vベースのマイクロコントローラー: オープンソースISAであるRISC-Vを採用したMCUも増えています。TFLite MicroはRISC-Vへのポーティングも進んでいます。
- その他: Ambiq Apolloシリーズのような超低消費電力MCUや、独自のDSP/AIアクセラレーターを搭載したカスタムチップなどもTFLite Microをサポートしています。
代表的な開発ボード:
TFLite Microの評価や学習に特化した開発ボードも多く存在します。
- Arduino Nano 33 BLE Sense / Lite: ARM Cortex-M4Fを搭載し、マイク、IMU、ジェスチャーセンサーなどを備えた、TFLite Micro公式が推奨するボードの一つです。多くのサンプルコードが提供されています。
- SparkFun Edge Development Board: Ambiq Apollo3 Blue MCUを搭載した超低消費電力ボードです。キーワード認識などのユースケースに適しています。
- Adafruit Huzzah32 AI Thinker / ESP32-S3 Development Board: ESP32-S3を搭載したボードで、カメラコネクタやLCDコネクタなどを備え、画像や音声系のTinyMLに適しています。
- Raspberry Pi Pico: 低コストなARM Cortex-M0+ベースのボードですが、PIO機能などユニークな特徴を持ちます。TFLite Microもポーティングされています。
これらのボードは、必要なセンサーを搭載していたり、TFLite Microのサンプルコードが豊富に提供されていたりするため、学習の最初のステップとして利用するのに非常に適しています。
応用例とユースケース
TFLite Microによって、これまでクラウドやより高性能なエッジデバイスでしか実現できなかった「知的」な機能が、小型で安価、かつ低消費電力な組み込み機器で実現できるようになりました。具体的な応用例は多岐にわたります。
-
音声認識:
- キーワードスポッティング: “Hey Google”や”Alexa”のようなウェイクワード検出。常にマイクロコントローラーで待機し、低消費電力でキーワードを検出したらメインシステムを起動するといった使い方が可能。
- 音声コマンド認識: 特定の短い音声コマンド(例: “オン”, “オフ”, “スタート”, “ストップ”)を認識し、機器を制御する。
- 異常音検出: 機械の異音、ガラスの割れる音、赤ん坊の泣き声などを検出する。
-
画像認識:
- 簡易物体検出/分類: 特定の物体(例: 人、動物、車両)が存在するかどうかの検出や、数種類の物体分類。防犯カメラ、ペット見守り、在庫管理など。
- ジェスチャー認識: カメラ映像から手の動きや特定のポーズを認識し、機器の操作に利用する。非接触インターフェースとして。
- 視覚センサー: 農業における作物の生育状態の簡易判定、工業における製品の外観検査など。
-
モーション認識:
- 活動量モニター: 加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、歩行、走行、静止などの活動を識別する。
- 異常動作検出: 機器の振動パターンから異常(例: 軸ずれ、ベアリングの摩耗)を検出する。予知保全に利用可能。
- ジェスチャー認識: 加速度センサーなどを用いた、デバイスを振る、傾けるといった動作の認識。
-
センサーデータ解析:
- 予知保全: モーターやポンプなどの機器に搭載されたセンサー(温度、圧力、電流、振動など)のデータをリアルタイムで監視し、異常の兆候を早期に検出する。
- 環境モニタリング: 温度、湿度、CO2濃度などのセンサーデータから、快適性や健康状態に関わる異常パターンを検出する。
- スマートアグリカルチャー: 土壌センサーや気象センサーのデータから、最適な水やりや施肥のタイミングを判断する。
-
その他:
- 生体認証: 指紋認証(センサーデータ解析)、顔認証(超低解像度画像認識)。
- パーソナルデバイス: ウェアラブル端末での生体情報分析、ユーザー行動予測。
これらのアプリケーションは、データがデバイス内で処理されるため、プライバシーの保護、ネットワーク遅延の削減、消費電力の削減、そしてオフライン環境での動作といったメリットを享受できます。
課題と考慮事項
TFLite MicroとTinyMLは非常に有望な分野ですが、開発にはいくつかの課題と考慮事項があります。
- モデルの制約: サポートされるオペレーションの種類が限られているため、PC上で開発した複雑なモデルをそのまま利用できない場合があります。モデル設計段階からTFLite Microでサポートされるオペレーションを考慮する必要があります。
- メモリ管理: 最適なアリーナサイズを決定するのが難しい場合があります。モデルの構造や入力サイズ、使用するオペレーションによって大きく変動するため、試行錯誤やプロファイリングが不可欠です。また、RAMが非常に少ないデバイスでは、そもそもモデルを実行するために必要なメモリが確保できない可能性もあります。
- デバッグの難しさ: 組み込み環境でのデバッグは、PC上に比べて情報が限られます。特に、モデルの推論途中の状態を確認したり、メモリ使用量の詳細を分析したりするには、専用のツールや手法が必要になります。
- 性能最適化: 推論速度や消費電力の最適化は、ハードウェアの特性(FPUの有無、キャッシュサイズ、特定のアクセラレーター)や、TFLite Microのビルド設定(オペレーションの選択、コンパイラフラグ)に大きく依存します。高い性能を求める場合は、低レベルでの最適化やポーティングが必要になることがあります。
- 訓練データ: 組み込み機器が置かれる実際の環境でデータを収集し、モデルを訓練することが重要です。しかし、エッジデバイスからのデータ収集やラベリングは、クラウドベースのシステムに比べて手間がかかる場合があります。
- 精度のトレードオフ: 量子化などの軽量化手法は、モデルの精度をわずかに低下させる可能性があります。アプリケーションによっては、この精度低下が許容できない場合もあり得ます。精度とリソース制約のバランスを取ることが常に課題となります。
これらの課題に対処するためには、組み込み開発の知識、機械学習の知識、そしてTFLite Microのフレームワークに関する理解を組み合わせることが求められます。
TinyMLとTFLite Microの未来
TinyMLは、エッジAIの中でも特に成長が著しい分野の一つです。TFLite Microはその中核を担うフレームワークとして、今後も進化していくと考えられます。
- ハードウェアアクセラレーションの活用: より多くのマイクロコントローラーがAIアクセラレーター(DSP拡張、専用NPUなど)を搭載するようになるでしょう。TFLite Microはこれらのハードウェアを効率的に利用するためのインターフェースを提供する方向に進化すると思われます。
- より多くのモデルとオペレーションのサポート: 組み込み機器で実行可能なモデルアーキテクチャが増え、TFLite Microがサポートするオペレーションの種類も拡充される可能性があります。
- 開発ツールの進化: モデルの量子化、アリーナサイズの見積もり、組み込み環境でのデバッグなどを支援するツールがより使いやすくなることが期待されます。TensorFlow Lite Model Makerのような、特定のタスク(キーワード認識、画像分類など)向けに簡単にモデルを訓練・量子化できるツールもTinyML向け機能を追加していくでしょう。
- 標準化とエコシステムの拡大: TinyML分野における標準化の動きや、TFLite Microを中心とした開発コミュニティ、関連ツールのエコシステムがさらに拡大していくと考えられます。
TinyMLはまだ発展途上の分野ですが、その潜在能力は非常に大きく、今後様々な産業や私たちの日常生活に深く浸透していく可能性を秘めています。
まとめ
本記事では、TFLite Microを用いて組み込み機器を知的にする方法について、その基礎から詳細までを解説しました。
TFLite Microは、マイクロコントローラーのような極めてリソースが限られた環境で機械学習推論を実行するために、Googleによって開発された軽量なフレームワークです。その小さなフットプリント、OS非依存性、静的なメモリ管理といった特徴により、これまでAIの適用が難しかったデバイスへの道を開きました。
組み込み機器でMLを実行するには、TFLite Microのようなフレームワークだけでなく、モデル自体の軽量化、特に量子化技術が不可欠です。TensorFlow/Kerasで訓練したモデルを、TFLite Converterを用いて量子化済み.tflite形式に変換し、それを組み込みコードに含めるのが一般的なワークフローです。
TFLite Microのアーキテクチャは、モデルデータ、OpResolver、MicroInterpreter、そしてアリーナメモリといった要素で構成され、効率的な推論実行を実現しています。開発においては、これらの要素を理解し、特にアリーナメモリの管理に注意を払う必要があります。
ARM Cortex-MシリーズやESP32シリーズなど、多くのマイクロコントローラーがTFLite Microをサポートしており、Arduino Nano 33 BLE Senseのような開発ボードを使えば、比較的容易にTinyMLを体験することができます。キーワードスポッティング、画像認識、センサーデータ解析など、様々な応用例が考えられます。
もちろん、リソース制約やデバッグの難しさなど、組み込みML特有の課題は存在しますが、TFLite Microを始めとする技術の進化や、活発なコミュニティによって、これらの課題は徐々に克服されつつあります。
TFLite Microは、数KBのメモリと数セントのプロセッサでも「賢さ」をもたらす可能性を秘めており、組み込みシステムの設計に新たな自由度と価値をもたらします。ぜひ、この記事を参考に、TFLite Microの世界に足を踏み入れ、あなたのアイデアを具現化してみてください。小さなデバイスが、驚くほど賢く振る舞う姿は、きっとあなたの創造性を刺激するはずです。