AWS Elasticsearch Service(Amazon OpenSearch Service)の料金体系とコスト最適化:徹底解説
AWS Elasticsearch Service(現在はAmazon OpenSearch Serviceとして提供)は、強力なフルマネージドな検索および分析エンジンであり、ログ分析、リアルタイムアプリケーションモニタリング、Webサイト検索など、幅広いユースケースに対応できます。その柔軟性とスケーラビリティは非常に魅力的ですが、適切な料金体系を理解し、コスト最適化戦略を講じないと、予想以上に費用がかさむ可能性があります。
本記事では、Amazon OpenSearch Service(以下、OpenSearch Serviceと記載)の料金体系を詳細に解説し、具体的なコスト最適化のポイントを網羅的に紹介します。OpenSearch Serviceの導入を検討している方、あるいは既に利用しているもののコスト削減を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- Amazon OpenSearch Serviceとは?
- 1.1 OpenSearch Serviceの概要と主な機能
- 1.2 OpenSearch Serviceのユースケース
- Amazon OpenSearch Serviceの料金体系
- 2.1 インスタンス料金(オンデマンド vs リザーブド)
- 2.1.1 オンデマンドインスタンスの料金
- 2.1.2 リザーブドインスタンスの料金
- 2.1.3 インスタンスタイプの選択:メモリ最適化、コンピューティング最適化、ストレージ最適化
- 2.2 ストレージ料金
- 2.2.1 ストレージタイプ(EBS vs インスタンスストレージ)
- 2.2.2 ストレージ容量のプロビジョニングと管理
- 2.3 データ転送料金
- 2.3.1 リージョン内データ転送
- 2.3.2 リージョン間データ転送
- 2.3.3 インターネットへのデータ転送
- 2.4 その他の料金
- 2.4.1 OpenSearch Serviceドメインの作成および管理料金
- 2.4.2 Blue/Greenデプロイ料金
- 2.4.3 Cross-Cluster Search料金
- 2.4.4 UltraWarmストレージ料金
- 2.4.5 料金計算ツールと料金例
- 2.1 インスタンス料金(オンデマンド vs リザーブド)
- OpenSearch Serviceのコスト最適化戦略
- 3.1 インスタンスサイズの最適化
- 3.1.1 適切なインスタンスタイプの選択
- 3.1.2 CPU使用率とメモリ使用率の監視
- 3.1.3 インスタンスのサイジングとリサイジング
- 3.2 ストレージ効率の向上
- 3.2.1 不要なデータの削除とアーカイブ
- 3.2.2 インデックスライフサイクル管理(ILM)の活用
- 3.2.3 データ圧縮の有効化
- 3.2.4 ストレージタイプの最適化(EBS vs UltraWarm)
- 3.3 データ転送量の削減
- 3.3.1 不要なデータ転送の抑制
- 3.3.2 リージョン内のデータ転送を優先
- 3.3.3 データ転送量の監視と最適化
- 3.4 リザーブドインスタンスの活用
- 3.4.1 リザーブドインスタンスのタイプと期間
- 3.4.2 利用状況の分析とリザーブドインスタンスの購入計画
- 3.4.3 リザーブドインスタンスの活用率の監視
- 3.5 その他のコスト削減テクニック
- 3.5.1 OpenSearch Serviceのバージョンアップ
- 3.5.2 シャード数の最適化
- 3.5.3 クエリの最適化
- 3.5.4 自動スケーリングの設定
- 3.5.5 Open Distro for Elasticsearchの検討(OpenSearchへの移行)
- 3.5.6 AWS Cost ExplorerとAWS Budgetsの活用
- 3.1 インスタンスサイズの最適化
- OpenSearch Serviceのコスト最適化のための監視と分析
- 4.1 CloudWatchメトリクスの活用
- 4.2 OpenSearch Dashboardsの活用
- 4.3 JVMメトリクスの監視
- 4.4 ログ分析によるボトルネックの特定
- まとめ:OpenSearch Serviceのコスト最適化は継続的な取り組み
1. Amazon OpenSearch Serviceとは?
1.1 OpenSearch Serviceの概要と主な機能
Amazon OpenSearch Serviceは、AWSが提供するフルマネージドな検索および分析エンジンです。オープンソースのElasticsearchをベースとしており、ログ分析、アプリケーションモニタリング、セキュリティ情報とイベント管理 (SIEM)、Webサイト検索など、幅広いユースケースに対応できます。
OpenSearch Serviceは、データインジェスト、変換、検索、集計、可視化といった機能を提供し、複雑なインフラストラクチャ管理をAWSに任せることで、ユーザーはデータ分析とアプリケーション開発に集中できます。
主な機能は以下の通りです。
- フルマネージド: インフラストラクチャのプロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、復旧などをAWSが自動的に管理します。
- スケーラビリティ: データ量とクエリ負荷に応じて、クラスタを簡単にスケールアップ/スケールダウンできます。
- 高可用性: 複数のアベイラビリティゾーンにまたがるクラスタ構成により、可用性を向上させることができます。
- セキュリティ: AWS Identity and Access Management (IAM) との統合、ネットワークアクセス制御、保存時および転送時の暗号化など、セキュリティ機能が充実しています。
- OpenSearch Dashboards: ElasticsearchのKibanaに相当する、データの可視化と探索のための強力なツールが提供されます。
- 豊富なプラグイン: さまざまなプラグインを利用することで、機能を拡張できます(例:セキュリティ、アラート、SQL)。
- UltraWarmストレージ: コールドデータを低コストで保存し、検索できるストレージオプションを提供します。
1.2 OpenSearch Serviceのユースケース
OpenSearch Serviceは、様々な業界や分野で利用されています。以下に代表的なユースケースを挙げます。
- ログ分析: アプリケーションログ、システムログ、セキュリティログなどを集約し、リアルタイムに分析することで、問題の早期発見やセキュリティインシデントの検知に役立てます。
- アプリケーションモニタリング: アプリケーションのパフォーマンスデータを収集し、可視化することで、ボトルネックの特定やパフォーマンス改善に役立てます。
- Webサイト検索: Webサイトのコンテンツをインデックス化し、高速で正確な検索機能を提供します。
- セキュリティ情報とイベント管理 (SIEM): セキュリティログを分析し、異常なアクティビティや攻撃を検知します。
- ビジネスインテリジェンス (BI): 大量のデータを分析し、ビジネス上の洞察を得るために活用します。
- リアルタイム分析: ストリーミングデータをリアルタイムに処理し、分析することで、即時の意思決定を支援します。
2. Amazon OpenSearch Serviceの料金体系
OpenSearch Serviceの料金は、主に以下の要素によって決定されます。
- インスタンス料金: ドメインで使用するインスタンスの種類と数、および利用時間に基づいて課金されます。
- ストレージ料金: 使用するストレージの容量と種類に基づいて課金されます。
- データ転送料金: データ転送量に基づいて課金されます。
- その他の料金: ドメインの作成および管理、Blue/Greenデプロイ、Cross-Cluster Search、UltraWarmストレージなどの機能の使用状況に基づいて課金されます。
2.1 インスタンス料金(オンデマンド vs リザーブド)
OpenSearch Serviceでは、インスタンス料金として、オンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスの2つのオプションが提供されています。
2.1.1 オンデマンドインスタンスの料金
オンデマンドインスタンスは、必要な時に必要なだけインスタンスを利用できるため、柔軟性が高いオプションです。時間単位で課金され、最低利用時間はありません。
オンデマンドインスタンスの料金は、インスタンスの種類(例:m5.large.search
、r5.xlarge.search
など)とリージョンによって異なります。AWSの公式サイトで最新の料金を確認できます。
オンデマンドインスタンスは、以下のような場合に適しています。
- 予測できないワークロード
- 短期的なプロジェクト
- 長期的なコミットメントが不要な場合
2.1.2 リザーブドインスタンスの料金
リザーブドインスタンスは、1年間または3年間の期間でインスタンスを予約することで、オンデマンドインスタンスよりも大幅に割引された料金で利用できるオプションです。
リザーブドインスタンスには、以下の2つの支払いオプションがあります。
- 全額前払い (All Upfront): 期間全体の料金を前払いすることで、最も割引率が高くなります。
- 一部前払い (Partial Upfront): 一部の料金を前払いし、残りの料金を期間中に時間単位で支払います。
- 前払いなし (No Upfront): 前払いは不要で、期間中に時間単位で支払います。割引率は最も低くなります。
リザーブドインスタンスは、以下のような場合に適しています。
- 長期的なワークロード
- 予測可能なトラフィックパターン
- コスト削減を優先する場合
リザーブドインスタンスの購入を検討する際は、過去の利用状況を分析し、必要なインスタンスの種類と数を正確に予測することが重要です。
2.1.3 インスタンスタイプの選択:メモリ最適化、コンピューティング最適化、ストレージ最適化
OpenSearch Serviceでは、様々なインスタンスタイプが提供されており、それぞれ異なる特性を持っています。適切なインスタンスタイプを選択することで、コストを最適化し、パフォーマンスを向上させることができます。
主なインスタンスタイプは以下の通りです。
- メモリ最適化インスタンス(例:R5, R6g): 大量のデータをインメモリにキャッシュする必要があるワークロードに適しています。ログ分析やリアルタイム分析など、高速なクエリ処理が求められる場合に有効です。
- コンピューティング最適化インスタンス(例:C5, C6g): CPU集約的な処理が多いワークロードに適しています。複雑な検索クエリや集計処理を行う場合に有効です。
- ストレージ最適化インスタンス(例:I3, D2): 大量のデータを保存する必要があるワークロードに適しています。アーカイブデータやログデータを長期的に保存する場合に有効です。
インスタンスタイプを選択する際は、ワークロードの特性を理解し、CPU使用率、メモリ使用率、ディスクI/Oなどを監視しながら、最適なインスタンスタイプを決定することが重要です。
2.2 ストレージ料金
OpenSearch Serviceでは、使用するストレージの容量と種類に基づいて料金が課金されます。
2.2.1 ストレージタイプ(EBS vs インスタンスストレージ)
OpenSearch Serviceでは、主に以下の2つのストレージタイプが利用可能です。
- EBS (Elastic Block Storage): ネットワーク経由でアタッチされるブロックストレージです。耐久性が高く、データの可用性を確保できます。
- 汎用SSD (gp2/gp3): バランスの取れたパフォーマンスとコストを提供します。ほとんどのワークロードに適しています。
- プロビジョンドIOPS SSD (io1/io2): 高いIOPS性能が必要なワークロードに適しています。大規模なログ分析やリアルタイム分析など、I/O負荷が高い場合に有効です。
- スループット最適化HDD (st1): シーケンシャルな読み書きが多いワークロードに適しています。ログアーカイブなど、低頻度でアクセスされるデータに適しています。
- Cold HDD (sc1): 最も低コストなストレージタイプです。ほとんどアクセスされないデータのアーカイブに適しています。
- インスタンスストレージ: インスタンスに直接接続されたストレージです。高速なI/O性能を提供しますが、インスタンスが停止するとデータが失われるため、データの永続性には注意が必要です。
ストレージタイプを選択する際は、パフォーマンス要件、コスト、データの永続性などを考慮する必要があります。
2.2.2 ストレージ容量のプロビジョニングと管理
OpenSearch Serviceでは、必要なストレージ容量を事前にプロビジョニングする必要があります。プロビジョニングされたストレージ容量に対して料金が課金されるため、ストレージ容量を適切に管理することが重要です。
ストレージ容量を過剰にプロビジョニングすると、無駄なコストが発生します。一方、ストレージ容量が不足すると、パフォーマンスが低下したり、データが書き込めなくなったりする可能性があります。
ストレージ容量を適切に管理するためには、以下の点に注意する必要があります。
- データ量の予測: 将来のデータ量を予測し、適切なストレージ容量をプロビジョニングします。
- ストレージ使用率の監視: ストレージ使用率を定期的に監視し、必要に応じてストレージ容量を増減します。
- 不要なデータの削除: 不要なデータを定期的に削除し、ストレージ容量を解放します。
- インデックスライフサイクル管理 (ILM) の活用: ILMを活用して、古いデータを低コストなストレージに移行したり、削除したりします。
2.3 データ転送料金
OpenSearch Serviceでは、データ転送量に基づいて料金が課金されます。データ転送料金は、転送元のリージョンと転送先のリージョン、および転送量によって異なります。
2.3.1 リージョン内データ転送
同一リージョン内のデータ転送は無料です。例えば、同じリージョン内のOpenSearch ServiceクラスタとEC2インスタンス間でデータを転送する場合は、データ転送料金は発生しません。
2.3.2 リージョン間データ転送
異なるリージョン間でデータを転送する場合は、データ転送料金が発生します。料金は、転送元のリージョンと転送先のリージョンによって異なります。
2.3.3 インターネットへのデータ転送
インターネット経由でデータを転送する場合は、データ転送料金が発生します。料金は、転送元のリージョンと転送量によって異なります。
データ転送料金を削減するためには、以下の点に注意する必要があります。
- 不要なデータ転送の抑制: 不要なデータ転送を最小限に抑えます。
- リージョン内のデータ転送を優先: 可能な限り、同一リージョン内でデータを転送します。
- データ転送量の監視: データ転送量を定期的に監視し、異常なデータ転送がないか確認します。
- データ圧縮の活用: データ転送量を削減するために、データを圧縮します。
2.4 その他の料金
OpenSearch Serviceでは、上記以外にも、いくつかの料金が発生する可能性があります。
2.4.1 OpenSearch Serviceドメインの作成および管理料金
OpenSearch Serviceドメインの作成および管理には、追加の料金は発生しません。
2.4.2 Blue/Greenデプロイ料金
Blue/Greenデプロイを利用する場合、新しい環境のインスタンス料金とストレージ料金が発生します。
2.4.3 Cross-Cluster Search料金
Cross-Cluster Searchを利用する場合、検索元のクラスタと検索先のクラスタ間のデータ転送料金が発生します。
2.4.4 UltraWarmストレージ料金
UltraWarmストレージを利用する場合、UltraWarmストレージの容量と、UltraWarmストレージからのデータ転送量に基づいて料金が課金されます。
2.4.5 料金計算ツールと料金例
AWSでは、OpenSearch Serviceの料金を見積もるための料金計算ツールを提供しています。料金計算ツールを使用することで、インスタンスの種類、ストレージ容量、データ転送量などを入力し、予想される料金を算出できます。
また、AWSの公式サイトには、OpenSearch Serviceの料金例が掲載されています。料金例を参考にすることで、OpenSearch Serviceの料金体系をより理解しやすくなります。
3. OpenSearch Serviceのコスト最適化戦略
OpenSearch Serviceのコストを最適化するためには、様々な戦略を組み合わせることが重要です。以下に、主なコスト最適化戦略を紹介します。
3.1 インスタンスサイズの最適化
インスタンスサイズは、OpenSearch Serviceのコストに大きく影響します。適切なインスタンスサイズを選択することで、コストを削減し、パフォーマンスを向上させることができます。
3.1.1 適切なインスタンスタイプの選択
前述の通り、OpenSearch Serviceでは、様々なインスタンスタイプが提供されており、それぞれ異なる特性を持っています。ワークロードの特性に合わせて、最適なインスタンスタイプを選択することが重要です。
例えば、ログ分析など、高速なクエリ処理が求められる場合は、メモリ最適化インスタンスを選択します。一方、複雑な検索クエリや集計処理を行う場合は、コンピューティング最適化インスタンスを選択します。
3.1.2 CPU使用率とメモリ使用率の監視
インスタンスのCPU使用率とメモリ使用率を定期的に監視し、リソースが過剰にプロビジョニングされていないか確認します。CPU使用率とメモリ使用率が低い場合は、より小さいインスタンスタイプに切り替えることを検討します。
3.1.3 インスタンスのサイジングとリサイジング
ワークロードの変化に合わせて、インスタンスサイズを適切に調整します。ピーク時にはインスタンスサイズを大きくし、オフピーク時にはインスタンスサイズを小さくすることで、コストを削減できます。
AWS Auto Scalingを利用することで、インスタンスサイズを自動的に調整することができます。
3.2 ストレージ効率の向上
ストレージ料金も、OpenSearch Serviceのコストに大きく影響します。ストレージ効率を向上させることで、コストを削減することができます。
3.2.1 不要なデータの削除とアーカイブ
不要なデータを定期的に削除し、ストレージ容量を解放します。古いデータで、あまりアクセスされないデータは、低コストなストレージにアーカイブすることを検討します。
3.2.2 インデックスライフサイクル管理(ILM)の活用
ILMを活用して、古いデータを自動的に低コストなストレージに移行したり、削除したりします。ILMを設定することで、ストレージ管理の自動化とコスト削減を実現できます。
3.2.3 データ圧縮の有効化
データ圧縮を有効にすることで、ストレージ容量を削減し、ストレージコストを削減できます。OpenSearch Serviceでは、gzip圧縮などのデータ圧縮機能が提供されています。
3.2.4 ストレージタイプの最適化(EBS vs UltraWarm)
アクセス頻度やパフォーマンス要件に合わせて、適切なストレージタイプを選択します。頻繁にアクセスするデータはEBSに保存し、あまりアクセスしないデータはUltraWarmストレージに保存することで、コストを最適化できます。
3.3 データ転送量の削減
データ転送量も、OpenSearch Serviceのコストに影響します。データ転送量を削減することで、コストを削減することができます。
3.3.1 不要なデータ転送の抑制
不要なデータ転送を最小限に抑えます。例えば、OpenSearch Serviceクラスタとアプリケーションを同じリージョンに配置することで、リージョン間データ転送を回避できます。
3.3.2 リージョン内のデータ転送を優先
可能な限り、同一リージョン内でデータを転送します。リージョン間データ転送は、リージョン内データ転送よりも高額なため、リージョン間データ転送を削減することで、コストを削減できます。
3.3.3 データ転送量の監視と最適化
データ転送量を定期的に監視し、異常なデータ転送がないか確認します。データ転送量が多い場合は、アプリケーションの設計を見直したり、データ転送方法を最適化したりすることを検討します。
3.4 リザーブドインスタンスの活用
長期的なワークロードの場合は、リザーブドインスタンスを活用することで、オンデマンドインスタンスよりも大幅に割引された料金で利用できます。
3.4.1 リザーブドインスタンスのタイプと期間
リザーブドインスタンスには、全額前払い、一部前払い、前払いなしの3つの支払いオプションがあります。また、1年間または3年間の期間を選択できます。
支払いオプションと期間によって割引率が異なります。長期的なワークロードの場合は、全額前払いで3年間のリザーブドインスタンスを購入することで、最も割引率が高くなります。
3.4.2 利用状況の分析とリザーブドインスタンスの購入計画
過去の利用状況を分析し、必要なインスタンスの種類と数を正確に予測します。予測に基づいて、リザーブドインスタンスの購入計画を立てます。
3.4.3 リザーブドインスタンスの活用率の監視
リザーブドインスタンスの活用率を定期的に監視し、リザーブドインスタンスが十分に活用されているか確認します。リザーブドインスタンスの活用率が低い場合は、リザーブドインスタンスのタイプや数を調整することを検討します。
3.5 その他のコスト削減テクニック
上記以外にも、OpenSearch Serviceのコストを削減するためのテクニックは多数存在します。
3.5.1 OpenSearch Serviceのバージョンアップ
OpenSearch Serviceの新しいバージョンでは、パフォーマンスが向上したり、新しい機能が追加されたりすることがあります。バージョンアップすることで、コストを削減できる場合があります。
3.5.2 シャード数の最適化
シャード数は、OpenSearch Serviceのパフォーマンスに影響します。適切なシャード数を設定することで、パフォーマンスを向上させ、コストを削減できます。
3.5.3 クエリの最適化
クエリを最適化することで、クエリの実行時間を短縮し、リソースの使用量を削減できます。
3.5.4 自動スケーリングの設定
AWS Auto Scalingを利用して、ワークロードの変化に合わせて、インスタンスサイズを自動的に調整します。自動スケーリングを設定することで、リソースの無駄をなくし、コストを削減できます。
3.5.5 Open Distro for Elasticsearchの検討(OpenSearchへの移行)
Open Distro for Elasticsearch(現在はOpenSearch)は、Elasticsearchのオープンソースディストリビューションです。Open Distro for Elasticsearchを利用することで、ライセンス料金を削減できる可能性があります。
3.5.6 AWS Cost ExplorerとAWS Budgetsの活用
AWS Cost ExplorerとAWS Budgetsを活用して、OpenSearch Serviceのコストを可視化し、予算を設定します。AWS Cost ExplorerとAWS Budgetsを利用することで、コストの管理と最適化を効率的に行うことができます。
4. OpenSearch Serviceのコスト最適化のための監視と分析
OpenSearch Serviceのコストを最適化するためには、継続的な監視と分析が不可欠です。以下に、主な監視と分析の方法を紹介します。
4.1 CloudWatchメトリクスの活用
CloudWatchメトリクスを活用して、CPU使用率、メモリ使用率、ディスクI/O、ネットワークI/Oなどのパフォーマンスデータを監視します。CloudWatchメトリクスを監視することで、ボトルネックの特定やリソースの過剰プロビジョニングの検出に役立ちます。
4.2 OpenSearch Dashboardsの活用
OpenSearch Dashboardsを活用して、データの可視化と探索を行います。OpenSearch Dashboardsを利用することで、データの傾向を把握し、コスト削減のための洞察を得ることができます。
4.3 JVMメトリクスの監視
JVMメトリクスを監視して、ヒープ使用量、ガベージコレクションの頻度などを監視します。JVMメトリクスを監視することで、メモリリークの検出やガベージコレクションの最適化に役立ちます。
4.4 ログ分析によるボトルネックの特定
OpenSearch Serviceのログを分析して、パフォーマンスのボトルネックを特定します。ログ分析によって、クエリの実行時間が長い、エラーが発生しているなどの問題を発見し、改善することができます。
5. まとめ:OpenSearch Serviceのコスト最適化は継続的な取り組み
Amazon OpenSearch Service(旧AWS Elasticsearch Service)は、強力な検索および分析エンジンですが、そのコストは利用状況や設定によって大きく変動します。本記事では、OpenSearch Serviceの料金体系の詳細な解説と、具体的なコスト最適化戦略について網羅的に紹介しました。
OpenSearch Serviceのコスト最適化は、一度行えば終わりというものではありません。ワークロードの変化や新しい機能の追加など、状況は常に変化します。そのため、継続的な監視と分析を行い、常にコスト最適化の機会を探ることが重要です。
本記事で紹介した戦略を参考に、OpenSearch Serviceのコストを最適化し、より効率的にOpenSearch Serviceを活用してください。