はい、承知いたしました。プリンターのIPアドレスを見つける方法について、約5000語の詳細な解説を含む記事を作成します。
プリンターのIPアドレスを見つける方法【徹底解説】ネットワーク印刷のトラブルシューティングから設定まで
はじめに:なぜプリンターのIPアドレスが必要なのか?
ネットワークでプリンターを使っているとき、突然印刷ができなくなったり、新しいパソコンからプリンターを追加しようとしたり、あるいはプリンターの詳細な設定を変更したりする必要に迫られることがあります。そんな時、多くのケースで重要になる情報が「プリンターのIPアドレス」です。
IPアドレスとは、インターネットやローカルネットワーク上でコンピューターやその他のデバイスを識別するために割り当てられる、いわば「ネットワーク上の住所」のようなものです。各デバイスは固有のIPアドレスを持つことで、互いに通信し、データをやり取りすることができます。
ネットワークプリンターも例外ではなく、ネットワーク上で適切に機能するためにはIPアドレスが必要です。パソコンやスマートフォンから印刷指示を出す際、その指示はネットワークを通じてプリンターの特定のIPアドレス宛に送られます。
IPアドレスが必要となる具体的なシーンとしては、以下のようなものがあります。
- 印刷のトラブルシューティング:
- 突然印刷ができなくなった場合、プリンターとパソコンが正しくネットワークに接続されているか、あるいはパソコンがプリンターのIPアドレスを正しく認識しているかを確認する必要があります。IPアドレスが分かれば、Pingコマンドなどを使ってプリンターとの通信状況をテストできます。
- 特定のアプリケーションからだけ印刷できない場合など、プリンタードライバーや設定の問題を切り分けるために、IPアドレスを使ったポート設定を確認することがあります。
- 新しいデバイスからのプリンター追加:
- 新しいパソコンやスマートフォンからネットワークプリンターを追加する際に、ドライバーのインストール後にIPアドレスの入力を求められることがあります。
- プリンターの詳細設定へのアクセス:
- 多くのネットワークプリンターは、IPアドレスを使ってWebブラウザから設定画面(Webインターフェース)にアクセスできます。インク残量の確認、スキャン設定、ネットワーク設定の変更、ファームウェアアップデートなど、プリンター本体の操作パネルよりも詳細な設定を行う際に必要になります。
- スキャン機能の利用:
- 複合機の場合、ネットワークスキャン機能を利用する際に、スキャンしたデータを送るパソコンやサーバーのIPアドレスを設定したり、プリンターからパソコンへのスキャンを開始するためにWebインターフェースを利用したりすることがあります。
- 固定IPアドレスの設定:
- ネットワーク環境によっては、プリンターのIPアドレスを固定しておきたい場合があります。その設定変更のために現在のIPアドレスを確認し、Webインターフェースから設定を行うことがあります。
このように、プリンターのIPアドレスは、ネットワーク印刷を円滑に行う上で非常に重要な情報となります。しかし、「どうやってそのIPアドレスを見つけるの?」と思う方もいるかもしれません。ご安心ください。プリンターの種類や利用している環境によっていくつかの方法があります。
この記事では、プリンターのIPアドレスを見つけるための様々な方法を、初心者の方でも分かりやすいようにステップごとに詳しく解説します。プリンター本体の操作パネルを使う方法から、WindowsやmacOSのパソコン、さらにはルーターの設定画面やコマンドプロンプトを使う方法まで、考えられる限りの手段をご紹介します。
印刷トラブルに直面している方も、新しいプリンターを設定しようとしている方も、ぜひこの記事を参考にして、ご自身の環境に合った方法でプリンターのIPアドレスを見つけてみてください。
プリンターのIPアドレスを見つける前の準備
IPアドレスを調べる作業を始める前に、いくつか確認しておきたいことがあります。これらの準備をしておくことで、スムーズにIPアドレスを見つけやすくなります。
- プリンターの電源が入っているか確認する:
- 当たり前のことですが、プリンターの電源が入っていないとネットワーク上で認識されず、IPアドレスも確認できません。
- プリンターがネットワークに接続されているか確認する:
- 有線LAN(Ethernetケーブル)で接続しているのか、無線LAN(Wi-Fi)で接続しているのかを確認します。ケーブルが正しく挿入されているか、Wi-Fiのランプが点灯しているかなど、物理的な接続状況を確認してください。
- 特に無線LANの場合、正しいSSID(ネットワーク名)とパスワードでネットワークに接続されているか確認が重要です。プリンターが誤ったネットワークに接続されていると、同じネットワークにいるパソコンからは見えません。
- IPアドレスを調べたいパソコンやデバイスが、プリンターと同じネットワークに接続されているか確認する:
- プリンターが接続されているネットワーク(例えば自宅のWi-Fi)と、IPアドレスを調べようとしているパソコンが接続されているネットワークが異なっている場合、パソコンからプリンターを見つけることはできません。同じルーターに接続されているか、同じSSIDのWi-Fiに接続されているかを確認してください。
- ルーターの管理者パスワードを準備する(ルーター設定画面から調べる場合):
- ルーターの設定画面にログインして接続デバイスを確認する場合、ルーターに設定されているログインIDとパスワードが必要です。これはWi-Fiのパスワードとは異なる場合が多いです。
これらの準備が整ったら、いよいよ具体的なIPアドレスの確認方法を見ていきましょう。
方法1:プリンター本体の操作パネルから確認する
最も直接的で確実な方法の一つが、プリンター本体の操作パネルを使ってIPアドレスを確認する方法です。多くのネットワーク対応プリンター、特に液晶画面やタッチパネルを備えた機種では、本体から直接ネットワーク設定情報を確認したり、印刷したりできます。
ただし、操作方法はプリンターのメーカーやモデルによって異なります。以下に一般的な手順と、確認すべきメニュー項目を解説します。ご自身のプリンターのマニュアルも併せて参照するとより確実です。
手順(一般的な流れ):
- プリンターの電源を入れる: 前提となります。
- 操作パネルのメニューを開く:
- 液晶画面がある場合、「メニュー」ボタンや「設定」ボタン、あるいはホーム画面上の設定アイコンをタップします。
- 画面がない場合、本体にある「設定」ボタンや工具マークのボタンなどを探して押します。
- 「ネットワーク設定」または関連する項目を選択する:
- メニューの中から、「ネットワーク設定」「LAN設定」「Wi-Fi設定」「本体設定」「システム設定」「管理者設定」など、ネットワークに関する項目を探して選択します。項目名はメーカーやモデルによって大きく異なります。
- 「ネットワーク情報の表示」または「設定内容の確認/印刷」を選択する:
- ネットワーク設定メニューに進むと、さらに詳細な項目が表示されます。ここで、「ネットワーク情報」「ネットワーク設定の表示」「本体情報」「ステータス確認」「設定リスト印刷」「ネットワーク設定リスト印刷」といった項目を探します。
- 画面に表示される情報を確認する、または設定リストを印刷する:
- 画面上でネットワーク情報が表示されるタイプの場合、「IPv4アドレス」または「IPアドレス」という項目を探します。そこに表示されている数字の羅列がプリンターのIPアドレスです。(例:
192.168.1.100
や10.0.0.5
など) - 設定リストを印刷するタイプの場合、指示に従って印刷を実行します。印刷された用紙の中から、「IPv4アドレス」「IPアドレス」という項目を探します。通常、IPアドレスだけでなく、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス、接続方法(有線/無線)、SSIDなどの情報も記載されています。
- 画面上でネットワーク情報が表示されるタイプの場合、「IPv4アドレス」または「IPアドレス」という項目を探します。そこに表示されている数字の羅列がプリンターのIPアドレスです。(例:
ポイント:
- メーカーごとのメニュー名称の例:
- Canon: 「設定」→「本体設定」→「LAN設定」→「LAN設定情報」→「有線/無線 LAN 情報」など。または「設定」→「各種設定」→「本体設定」→「ネットワーク設定」→「TCP/IP設定」→「IPアドレス」など。
- Epson: 「設定」→「ネットワーク設定」→「ネットワーク状態確認」→「ネットワーク状態シート印刷」など。または「設定」→「本体設定」→「ネットワーク設定」→「有線/無線」→「IPアドレス」など。
- HP: 「設定」→「ネットワーク」→「ネットワークサマリー」→「ネットワーク設定ページの印刷」など。または画面上でIPアドレスが直接表示される場合もあります。
- Brother: 「設定」→「ネットワーク」→「Wi-Fi」または「有線」→「TCP/IP」→「IPアドレス」など。または「設定」→「本体情報」→「ネットワーク」など。
- 画面がない機種: 画面がないシンプル機能のプリンターでも、特定のボタンの組み合わせを押すことでネットワーク設定ページを印刷できる場合があります。これは機種によって操作が大きく異なるため、マニュアルを確認する必要があります。例えば、「中止ボタンを数秒長押しする」などの操作が設定リスト印刷に割り当てられていることがあります。
- IPアドレスの形式: 通常、IPv4アドレスは0から255までの4つの数字がドット(.)で区切られた形式(例:
192.168.1.100
)で表示されます。IPv6アドレスも表示されることがありますが、一般的な家庭や小規模オフィスネットワークではまだIPv4が主流です。
この方法は、パソコンが手元になくても、あるいはネットワーク接続に問題がある場合でも、プリンター自身の状態を確認できるため非常に有用です。
方法2:Windowsパソコンから確認する
多くの人がWindowsパソコンからプリンターを使用しているでしょう。Windowsには、接続されているプリンターの情報を確認するためのいくつかの機能があります。
2-1. Windowsの設定アプリまたはコントロールパネルから確認する
Windowsにプリンターが既にインストールされていて、通常通り印刷できている場合、この方法が最も簡単です。
Windows 10/11 の「設定」アプリの場合:
- Windowsのスタートボタンをクリックし、「設定」(歯車アイコン)を開きます。
- 「デバイス」または「Bluetoothとデバイス」を選択します。
- 左側のメニューまたはリストから「プリンターとスキャナー」を選択します。
- インストールされているプリンターの一覧が表示されるので、対象のプリンターをクリックまたは選択します。
- 表示されたオプションの中から「プリンターのプロパティ」をクリックします。(機種によっては「管理」→「プリンターのプロパティ」となる場合もあります。)
- プリンターのプロパティウィンドウが表示されます。上部のタブから「ポート」タブを選択します。
- ポートの一覧が表示されます。ポート名の列に表示されている
IP_
やWSD-
で始まる項目、または「標準 TCP/IP Port」や「WSD Port」といった種類の項目を探します。ネットワークプリンターの場合、通常このリストの中にIPアドレスが表示されています。- 標準 TCP/IP Port: ポート名や「プリンター名またはIPアドレス」の欄にIPアドレスが直接表示されます。(例:
192.168.1.100
) - WSD Port (Web Services for Devices): Windows 7以降でよく使われる方式で、
WSD-
で始まるポート名になります。この場合、直接IPアドレスが表示されないことがあります。プロパティを開き、「構成」ボタンなどから詳細を確認できる場合や、WSDポートの場合は通常、ネットワーク上で自動的に発見されるためIPアドレスを意識する必要があまりありませんが、トラブルシューティングでIPが必要な場合は別の方法を試すか、WSDポートの詳細設定を確認します。 - Microsoft TCP/IP Port: ごくまれに古い設定で見られます。
- 標準 TCP/IP Port: ポート名や「プリンター名またはIPアドレス」の欄にIPアドレスが直接表示されます。(例:
- 目的のIPアドレスが見つかったらメモしておきます。
Windows 7/8.1 または「コントロールパネル」の場合:
- Windowsのスタートボタンをクリックし、「コントロールパネル」を開きます。
- 「デバイスとプリンターの表示」または「ハードウェアとサウンド」→「デバイスとプリンター」を選択します。
- インストールされているプリンターの一覧が表示されます。対象のプリンターを右クリックし、「プリンターのプロパティ」を選択します。
- プリンターのプロパティウィンドウが表示されます。上部のタブから「ポート」タブを選択します。
- ポートの一覧が表示されます。「ポート」列または「プリンター」列に表示されている項目の中から、目的のIPアドレスまたはWSDポートを探します。(上記Windows 10/11の項目の説明と同様です)
- 目的のIPアドレスが見つかったらメモしておきます。
この方法は、既にWindowsにプリンターが追加されていて、その設定を確認したい場合に有効です。
2-2. コマンドプロンプト(CMD)を使って調べる
コマンドプロンプトを使う方法は、少し専門的ですが、ネットワークの状態を直接確認できるため、トラブルシューティングにも役立ちます。
方法A: デフォルトゲートウェイとarpコマンドを使う
この方法は、同じネットワーク上に目的のプリンターが存在する場合に有効です。まず、ネットワークの「デフォルトゲートウェイ」のアドレスを確認し、次に arp -a
コマンドを使って、そのゲートウェイ経由で通信したデバイスのIPアドレスとMACアドレスの対応表(ARPテーブル)を表示させます。プリンターのMACアドレスが分かれば、IPアドレスを特定できます。
手順:
- コマンドプロンプトを開く: Windowsの検索バーに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を開きます。
- デフォルトゲートウェイのアドレスを確認する: コマンドプロンプトで
ipconfig
と入力してEnterキーを押します。 - 表示された情報の中から、現在パソコンが接続しているネットワークアダプター(Wi-FiやEthernetアダプター)の項目の「Default Gateway」(日本語では「デフォルト ゲートウェイ」)のIPアドレスを確認し、メモします。(例:
192.168.1.1
) - ARPテーブルを表示する: 次に、
arp -a
と入力してEnterキーを押します。 - 表示されたリスト(ARPテーブル)の中から、先ほど確認したデフォルトゲートウェイのIPアドレスと同じインターフェース(Interface)の項目のリストを確認します。
- このリストには、パソコンが最近通信した同じネットワーク上のデバイスのIPアドレスと、それに対応する物理アドレス(MACアドレス)が表示されています。プリンターのMACアドレス(通常、本体のラベルや設定ページに記載されています)が分かっている場合、そのMACアドレスを探し、対応するIPアドレスを確認します。
- MACアドレスが分からない場合でも、このリストに表示されているIPアドレスの中から、プリンターが使用している可能性のあるIPアドレスを推測することができます。一般的に、ルーターのIPアドレス(デフォルトゲートウェイ)はネットワークの最初の方の番号(例:
.1
)になり、パソコンやプリンターなどのデバイスはそれ以降の番号(例:.2
から.254
)を使うことが多いです。 - もし、どのIPアドレスがプリンターか分からない場合、リストに表示されているIPアドレスを一つずつWebブラウザのアドレスバーに入力してみてください。プリンターのIPアドレスであれば、プリンターのWeb設定画面が表示される可能性があります。
- あるいは、
ping [疑わしいIPアドレス]
コマンドで応答があるか確認することもできます。応答があるIPアドレスが、ネットワーク上に存在するデバイスです。
- MACアドレスが分からない場合でも、このリストに表示されているIPアドレスの中から、プリンターが使用している可能性のあるIPアドレスを推測することができます。一般的に、ルーターのIPアドレス(デフォルトゲートウェイ)はネットワークの最初の方の番号(例:
方法B: ネットワーク上のデバイスにPingを打つ
特定のIPアドレスやホスト名(プリンター名)が分かっている場合、Pingコマンドで通信できるか確認し、その応答からIPアドレスを確認する方法です。
手順:
- コマンドプロンプトを開きます。
ping [プリンターのホスト名]
と入力してEnterキーを押します。(例:ping Canon_MF740C
)- Pingの応答が表示されます。応答の中に、そのホスト名に対応するIPアドレスが表示されます。(例:
Canon_MF740C [192.168.1.100] に ping を送信しています...
)- ホスト名が分からない場合は、総当たりで可能性のあるIPアドレスに対してPingを打ってみることも可能ですが、効率は良くありません。
- あるいは、ネットワークアドレスが分かっている場合、そのネットワーク内のブロードキャストアドレスにPingを打つことで、応答したデバイスのARP情報が更新され、
arp -a
で見つけやすくなる場合があります。(例: ネットワークが192.168.1.0/24
の場合、ping 192.168.1.255
)ただし、これはネットワーク設定やデバイスによって動作が異なります。
コマンドプロンプトを使う方法は、GUI操作が難しい場合や、ネットワークの基本情報を確認したい場合に役立ちます。
2-3. プリンターメーカー提供のユーティリティソフトウェアから確認する
多くのプリンターメーカーは、ドライバーのインストール時に、プリンターの設定や管理を行うための独自のユーティリティソフトウェアも合わせてインストールすることを推奨しています。これらのユーティリティソフトウェアには、ネットワーク上のプリンターを検索し、その状態やIPアドレスを表示する機能が含まれていることが多いです。
手順:
- パソコンにプリンターメーカー提供のユーティリティソフトウェアがインストールされているか確認します。(例: Canon IJ Network Tool, EpsonNet Print, HP Smart, Brother iPrint&Scanなど)
- ユーティリティソフトウェアを起動します。
- ソフトウェア内で、ネットワーク上のプリンターを検索する機能や、登録済みのプリンター情報を見る機能を探します。
- 検索結果やプリンターの詳細情報の中に、IPアドレスが表示されている項目があるはずです。
この方法は、メーカー固有のツールを使うため、操作はソフトウェアによって異なりますが、ネットワーク知識があまりなくても視覚的に分かりやすく情報が得られることが多いです。
2-4. ネットワーク上のデバイスをスキャンするツールを使う
Windowsで利用できるネットワークスキャンツールの中には、指定したIPアドレス範囲内にあるデバイスを自動的に探し出し、その情報を表示してくれるものがあります。これらのツールは、IPアドレスだけでなく、デバイス名、MACアドレス、開いているポートなどを表示するため、プリンターを特定しやすい場合があります。
例: Advanced IP Scanner, Nmap (より高度) など。
手順(Advanced IP Scannerの例):
- 信頼できるソースからAdvanced IP Scannerなどのツールをダウンロードし、インストールまたは実行します。
- ツールを起動します。通常、自動的に現在のネットワークのIPアドレス範囲(例:
192.168.1.1-254
)を検出します。 - 「スキャン」または「Scan」ボタンをクリックします。
- スキャンが完了すると、ネットワーク上のデバイス一覧が表示されます。リストの中から、プリンターメーカーの名前や、それらしいデバイス名(ホスト名)の項目を探します。
- 見つかったデバイスの項目にIPアドレスが表示されています。
これらのツールは非常に便利ですが、サードパーティ製のソフトウェアをインストールすることになるため、ツールの信頼性を確認してから使用することが重要です。
方法3:macOSから確認する
Macを使っている場合も、Windowsと同様にいくつかの方法でプリンターのIPアドレスを確認できます。
3-1. システム設定/システム環境設定から確認する
macOSにプリンターが追加されている場合、システム設定(またはシステム環境設定)からIPアドレスを確認できます。
macOS Ventura 以降の「システム設定」の場合:
- 画面左上のAppleメニューをクリックし、「システム設定」を開きます。
- 左側のサイドバーをスクロールし、「プリンタとスキャナ」をクリックします。
- インストールされているプリンターの一覧が表示されます。対象のプリンターをクリックします。
- 表示されたプリンターの情報画面で、プリンターの名前の下などにIPアドレス(場所や種類)が表示されていることがあります。(例:
種類: Canon XXXX シリーズ (IP)
、その下に場所: 192.168.1.100
) - IPアドレスが直接表示されていない場合、「プリンタ設定」または「オプションとサプライ」といったボタンをクリックすると、WebブラウザでプリンターのWebインターフェースが開くことがあります。その際に開いたURLにIPアドレスが含まれています。
macOS Monterey 以前の「システム環境設定」の場合:
- 画面左上のAppleメニューをクリックし、「システム環境設定」を開きます。
- 「プリンタとスキャナ」アイコンをクリックします。
- 左側のリストから対象のプリンターを選択します。
- 右側に表示されるプリンター情報で、「場所」という項目にIPアドレスが表示されている場合があります。
- IPアドレスが表示されていない場合、「オプションとサプライ」ボタンをクリックします。表示されたウィンドウの「一般」タブなどに、プリンターのURLや場所としてIPアドレスが表示されていることがあります。また、「ユーティリティ」タブなどからプリンターのWebページを開くボタンがある場合、それをクリックして開いたページのURLを確認します。
この方法は、Macにプリンターが既に設定されている場合に最も簡単です。
3-2. ターミナルを使って調べる
Macのターミナル(Windowsのコマンドプロンプトに相当)でも、ネットワークコマンドを使ってIPアドレスを調べることができます。
方法A: pingコマンドを使う
プリンターのホスト名(Bonjour名など)が分かっている場合、pingコマンドでIPアドレスを確認できます。
手順:
- Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダを開き、「ターミナル」を起動します。
ping [プリンターのホスト名.local]
と入力してEnterキーを押します。(例:ping Canon_MF740C._ipp._tcp.local.
)- macOSでは、Bonjour(mDNS)という機能でネットワーク上のデバイスが名前解決されることが多いため、
.local
を付けて試すと見つかることがあります。正確なホスト名はシステム設定のプリンター情報などで確認できる場合があります。
- macOSでは、Bonjour(mDNS)という機能でネットワーク上のデバイスが名前解決されることが多いため、
- Pingの応答が表示され、ホスト名に対応するIPアドレスが表示されます。
- Pingを停止するには、Control + Cを押します。
方法B: arpコマンドを使う
Windowsと同様に、arpコマンドを使ってARPテーブルからIPアドレスを探すことも可能です。デフォルトゲートウェイの確認は、netstat -rn | grep default
といったコマンドで行えますが、Windowsほどシンプルではありません。arp -a
コマンド自体はWindowsと同様に使えますが、プリンターのMACアドレスを手がかりにする必要があります。
ターミナルを使う方法は、コマンドに慣れている方向けです。
方法4:ルーターの設定画面から確認する
自宅やオフィスのネットワークを管理しているルーターには、現在ネットワークに接続されているデバイスの一覧を表示する機能があります。この一覧からプリンターを見つけ、そのIPアドレスを確認することができます。
手順(一般的な流れ):
- ルーターの設定画面にアクセスする:
- Webブラウザを開き、アドレスバーにルーターのIPアドレス(デフォルトゲートウェイのアドレス)を入力してEnterキーを押します。ルーターのIPアドレスは、通常
192.168.1.1
や192.168.0.1
、192.168.11.1
、192.168.10.1
などが多いです。分からない場合は、パソコンのコマンドプロンプトやターミナルでipconfig
またはip addr
(Linux) コマンドを実行して「デフォルト ゲートウェイ」の項目を確認してください。 - ログイン画面が表示されたら、ルーターの管理者ユーザー名とパスワードを入力してログインします。初期設定のユーザー名/パスワードはルーター本体のラベルやマニュアルに記載されていますが、セキュリティのため変更している場合が多いです。パスワードが不明な場合は、ルーターを初期化する必要がありますが、その場合はネットワーク全体の設定が消えるので注意が必要です。
- Webブラウザを開き、アドレスバーにルーターのIPアドレス(デフォルトゲートウェイのアドレス)を入力してEnterキーを押します。ルーターのIPアドレスは、通常
- 接続デバイス一覧またはDHCPクライアントリストを探す:
- ルーターの設定画面にログインしたら、「接続中の端末一覧」「接続デバイス」「DHCPクライアントリスト」「クライアント一覧」など、ネットワークに接続している機器を表示する項目を探します。メニューの場所はルーターメーカー(NEC Aterm, Buffalo, I-O DATA, TP-Link, ASUSなど)やモデルによって大きく異なります。
- プリンターを探し、IPアドレスを確認する:
- 表示されたデバイスの一覧の中から、プリンターを探します。一覧には、デバイス名(ホスト名)、IPアドレス、MACアドレスなどが表示されています。デバイス名はプリンターメーカーの名前(Canon, EPSON, Brother, HPなど)や機種名を含んでいることが多いです。
- プリンターが見つかったら、対応するIPアドレスを確認します。
この方法は、ネットワーク上の全てのデバイスを確認できるため、特定のプリンターが見つからない場合のトラブルシューティングにも役立ちます。ただし、ルーターの設定画面の操作に慣れていないと難しく感じるかもしれません。
方法5:ネットワーク構成ページ(設定リスト)を印刷する
「方法1:プリンター本体の操作パネルから確認する」の項目でも触れましたが、多くのネットワークプリンターには、現在のネットワーク設定情報が記載されたページを物理的に印刷する機能があります。これは操作パネルから実行する場合が多いですが、WindowsやMacのドライバー/ユーティリティソフトウェアから実行できる場合もあります。
この「ネットワーク構成ページ」や「設定リスト」と呼ばれる印刷物には、通常以下の情報が記載されています。
- IPアドレス (IPv4/IPv6)
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
- MACアドレス (物理アドレス)
- 接続方法 (有線LAN/無線LAN)
- 無線LANのSSIDや認証方式
- ホスト名、デバイス名
- 通信速度、接続状態
- ファームウェアバージョン
- 総印刷枚数 など
印刷方法:
- プリンター本体の操作パネルから:
- 「設定」「メニュー」などから「ネットワーク設定」「本体設定」といった項目に進み、「ネットワーク状態印刷」「設定リスト印刷」「ステータスページ印刷」といった項目を選択・実行します。具体的な操作は機種によって異なりますが、これが最も一般的な方法です。
- パソコンのプリンタードライバー/ユーティリティから:
- プリンターのプロパティ画面やメーカー提供のユーティリティソフトウェアの中に、「テストページの印刷」や「設定シートの印刷」といった機能が含まれている場合があります。
この印刷物を確認することで、IPアドレスだけでなく、プリンターのネットワークに関する詳細な情報を一度に得ることができます。特に、ルーターの設定画面やコマンドプロンプトの操作が苦手な方にはおすすめの方法です。
方法6:モバイルアプリから確認する
近年、多くのプリンターメーカーがスマートフォンやタブレット向けの公式アプリを提供しています。これらのアプリは、モバイルデバイスからの印刷だけでなく、ネットワーク上のプリンターを検索したり、プリンターの状態を確認したりする機能を持っています。
メーカーの公式アプリをインストールし、アプリ内でプリンターの検索や登録を行うと、プリンターのIPアドレス情報が表示されることがあります。
例: Canon PRINT Inkjet/SELPHY, Epson iPrint, HP Smart, Brother iPrint&Scan など。
手順(一般的な流れ):
- App StoreまたはGoogle Playストアから、お使いのプリンターメーカーの公式アプリをダウンロードしてインストールします。
- アプリを起動し、指示に従って初期設定を行います。
- アプリが自動的にネットワーク上のプリンターを検索するか、手動でプリンター検索機能を開始します。
- 見つかったプリンターをアプリに登録します。
- アプリ内で、登録したプリンターの詳細情報(プリンターのステータス、インク残量など)を表示する画面に進みます。この画面や、アプリ内の設定メニューなどに、プリンターのIPアドレスが表示されていることがあります。
スマートフォンやタブレットをよく使う方にとっては、手軽にプリンター情報にアクセスできる便利な方法です。
IPアドレスが見つからない場合のトラブルシューティング
これまでに紹介した方法を試してもプリンターのIPアドレスが見つからない、あるいは探し出したIPアドレスにアクセスできない場合は、いくつかの原因が考えられます。以下に一般的なトラブルシューティングの手順を解説します。
- プリンターが正しくネットワークに接続されているか再確認する:
- 有線LAN: Ethernetケーブルがプリンターとルーター(またはハブ)にしっかりと接続されているか確認します。ケーブルのランプ(Linkランプなど)が点灯・点滅しているか確認します。
- 無線LAN: プリンター本体の操作パネルやランプで、Wi-Fiに正しく接続されている状態になっているか確認します。Wi-Fiの信号強度が極端に弱くないか、プリンターとルーターの間に障害物が多い、あるいは距離が離れすぎていないか確認します。一度Wi-Fi設定を削除し、再度設定し直してみるのも有効です。この際、SSIDとパスワードが間違っていないか、大文字・小文字含めて正確に入力されているか重ねて確認します。
- パソコンやデバイスがプリンターと同じネットワークに接続されているか確認する:
- パソコンやスマートフォンが、プリンターが接続しているのと同じSSID(Wi-Fiの名前)に接続されているか確認します。自宅に複数のWi-Fiネットワーク(例: 2.4GHzと5GHz、メインゲストネットワーク)がある場合、両方のデバイスが同じネットワークに接続されている必要があります。
- パソコンが有線LAN、プリンターが無線LANという組み合わせでも、両方が同じルーターに接続されていれば通信できるはずですが、ネットワーク設定によってはSegregation(分離)されている場合もあります。
- プリンターやルーターを再起動する:
- 一時的なネットワークの問題である可能性があります。プリンターの電源を一度切り、数分待ってから再度入れます。可能であれば、ルーターやモデムの電源も一度切り、数分待ってから再度入れ、ネットワークが完全に復旧してからプリンターの電源を入れ直します。これは、DHCPサーバーからIPアドレスが正しく再取得されるなど、ネットワークの状態をリフレッシュするのに役立ちます。
- DHCPサーバーが正常に機能しているか確認する:
- 多くの家庭や小規模オフィスネットワークでは、ルーターがDHCPサーバーとして機能し、接続されたデバイスに自動的にIPアドレスを割り当てます。ルーターのDHCP機能が無効になっている、DHCPのIPアドレス範囲が枯渇している、といった問題がないか、ルーターの設定画面で確認します。
- プリンターに固定IPアドレスが設定されていないか確認する:
- 過去に手動でプリンターに固定IPアドレスを設定した場合、現在のネットワーク構成(ルーターの変更など)と合わなくなっている可能性があります。固定IPアドレスを設定している場合は、そのアドレスを確認し、必要であればネットワーク構成に合わせて変更するか、DHCPによる自動取得に戻します。固定IPアドレスを設定した場合は、そのアドレスを覚えておく必要があります。
- ファイアウォールやセキュリティソフトの設定を確認する:
- パソコンやネットワークのファイアウォール設定によって、プリンターとの通信がブロックされている可能性があります。Windowsファイアウォールやインストールしているセキュリティソフトの設定を確認し、プリンターとの通信(特定のポート番号、例えばTCP 9100やUDP 161/162など)が許可されているか確認します。一時的にファイアウォールを無効にして問題が解決するか試すことも有効ですが、完了後は必ず設定を元に戻すか、適切な許可設定を行ってください。
- WSDポートを使用していないか確認する (Windows):
- WindowsでWSD (Web Services for Devices) ポートを使用してプリンターが追加されている場合、IPアドレスではなくデバイスIDで管理されます。この場合、IPアドレスを知らなくても通常は印刷できますが、トラブルシューティングでIPアドレスが必要な場合は、プリンターの操作パネルや設定リスト印刷からIPアドレスを確認する必要があります。WSDポートでの接続が不安定な場合、標準TCP/IPポートでIPアドレスを指定してプリンターを再追加することを検討しても良いでしょう。
- 異なる方法を試す:
- 一つの方法でIPアドレスが見つからなくても、諦めずに他の方法(例:本体操作パネル、設定リスト印刷、ルーター設定画面など)を試してみてください。
これらのトラブルシューティング手順を踏むことで、IPアドレスが見つからない原因を特定し、問題を解決できる可能性が高まります。
付録:IPアドレスとネットワークの基礎知識
プリンターのIPアドレスを見つける方法を理解する上で、IPアドレスやネットワークに関する基本的な知識があると、よりスムーズに進められる場合があります。
IPアドレスとは
IPアドレス(Internet Protocol Address)は、ネットワークに接続されたデバイス(コンピューター、スマートフォン、プリンター、ルーターなど)それぞれに割り当てられる識別番号です。これにより、ネットワーク上でどのデバイスがどこにいるのかを特定し、データを正しく送受信することができます。
- IPv4: 現在最も広く使われている形式です。
XXX.XXX.XXX.XXX
のように、0から255までの4つの数字をドット(.)で区切った形式をしています。(例:192.168.1.100
)。約43億個のアドレスがありますが、インターネットの普及により枯渇が問題視されています。 - IPv6: IPv4の後継として開発された新しい規格です。
XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX:XXXX
のように、16進数とコロン(:)で表記されます。(例:fe80::1234:5678:9abc:def0
)。アドレス数が非常に多いため、枯渇の心配はありません。プリンターもIPv6アドレスを持つことがありますが、家庭や小規模オフィスではまだIPv4で運用されることが多いです。
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス
IPアドレスには、「プライベートIPアドレス」と「グローバルIPアドレス」の2種類があります。
- プライベートIPアドレス: 家庭や企業内のローカルネットワーク(社内LANなど)でのみ有効なIPアドレスです。インターネット上からは直接アクセスできません。ルーターが、このプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する役割(NAT/NAPT)を担っています。プリンターに割り当てられるIPアドレスは、通常このプライベートIPアドレスです。よく使われるプライベートIPアドレスの範囲は以下の通りです。
10.0.0.0
~10.255.255.255
172.16.0.0
~172.31.255.255
192.168.0.0
~192.168.255.255
プリンターのIPアドレスがこれらの範囲内にあれば、それはプライベートIPアドレスと考えて良いでしょう。
- グローバルIPアドレス: インターネット上で一意に識別されるIPアドレスです。インターネット上のWebサイトのサーバーなどに割り当てられています。
DHCPとスタティックIPアドレス
デバイスがネットワークに接続されたときに、IPアドレスをどのように取得するかには主に2つの方法があります。
- DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol): ネットワーク上のDHCPサーバー(通常はルーターがこの機能を持っています)が、接続されたデバイスに自動的にIPアドレスを割り当てる方法です。ほとんどのパソコンやスマートフォン、そしてプリンターの初期設定ではこのDHCPによる自動取得が有効になっています。手動で設定する必要がないため便利ですが、デバイスを再起動したり、DHCPリースの有効期限が切れたりすると、IPアドレスが変わる可能性があります。
- スタティックIP (Static IP Address): デバイスに手動で固定のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどを設定する方法です。IPアドレスが変わることがないため、特定のデバイス(サーバーやネットワークプリンターなど)に常に同じアドレスでアクセスしたい場合に利用されることがあります。ただし、ネットワーク内の他のデバイスとIPアドレスが重複しないように注意して設定する必要があります。重複するとIPアドレスの衝突が発生し、両方のデバイスが正常に通信できなくなります。
多くのプリンターはDHCPでIPアドレスを取得しますが、IPアドレスを固定したい場合は、プリンター本体の操作パネルやWebインターフェースからスタティックIPアドレスを設定できます。その際は、DHCPで自動割り当てされる範囲外のアドレスを選ぶのが一般的です。
サブネットマスクとデフォルトゲートウェイ
IPアドレスとセットで表示されることが多い情報です。
- サブネットマスク: IPアドレスの中で、ネットワーク部とホスト部を区別するためのものです。これにより、同じネットワークに属するデバイスがどれかを判断します。一般的な家庭や小規模オフィスネットワークでは、
255.255.255.0
という値が多く使われます。 - デフォルトゲートウェイ: 異なるネットワークと通信する際に経由する機器(通常はルーター)のIPアドレスです。パソコンやプリンターがインターネットに接続するためには、このデフォルトゲートウェイの情報が必要です。
これらの情報も、プリンターのIPアドレスと一緒にネットワーク構成ページなどに記載されています。
見つけたIPアドレスの活用方法
プリンターのIPアドレスが見つかったら、どのようなことができるのでしょうか?
- Pingによる通信確認:
- コマンドプロンプトやターミナルで
ping [プリンターのIPアドレス]
と入力して実行します。正常に応答があれば、パソコンからプリンターまでのネットワーク経路は確立しており、基本的な通信はできています。応答がない場合は、物理的な接続やファイアウォールなどの問題を疑います。
- コマンドプロンプトやターミナルで
- Webブラウザからの設定画面アクセス:
- Webブラウザ(Chrome, Edge, Safariなど)のアドレスバーに、見つけたプリンターのIPアドレスを入力してEnterキーを押します。
- プリンターのWebインターフェース(リモートUIなどと呼ばれることもあります)が表示されます。機種によってはログインが必要な場合があります。ユーザー名やパスワードは、プリンターの初期設定時に設定したものか、マニュアルに記載されている初期値です。
- このWebインターフェースから、インク/トナー残量の詳細確認、用紙設定、ネットワーク設定(Wi-Fi設定の変更や固定IPアドレスの設定など)、セキュリティ設定、ファームウェアアップデート、スキャン設定(共有フォルダへの保存先など)といった、プリンター本体の操作パネルでは行えないような詳細な設定や状態確認ができます。
- WindowsやmacOSでの手動プリンター追加/ポート変更:
- ネットワーク上でプリンターが自動検出されない場合や、WSDポートからTCP/IPポートに変更したい場合などに、プリンターの追加ウィザードやプロパティ画面で、IPアドレスを指定して手動でプリンターを設定することができます。
このように、IPアドレスは単にプリンターを見つけるだけでなく、その後の管理やトラブルシューティング、高度な設定を行うための「鍵」となります。
まとめ:あなたに合ったIPアドレスの見つけ方
この記事では、プリンターのIPアドレスを見つけるための様々な方法を解説しました。改めて、状況に応じたおすすめの方法をまとめます。
- 一番簡単で確実なことが多い方法:
- プリンター本体の操作パネルから画面で確認する (液晶画面付き機種)
- プリンター本体からネットワーク構成ページを印刷する
- 普段使っているパソコンから手軽に確認したい場合:
- Windowsの設定アプリ/コントロールパネルからプリンターのプロパティを確認する
- macOSのシステム設定/システム環境設定からプリンター情報を確認する
- ネットワーク全体の状況を確認したい、または他の方法でうまくいかない場合:
- ルーターの設定画面から接続デバイス一覧を確認する
- ネットワークスキャンツールを使用する (Windowsなど)
- 少し専門的な知識がある、またはコマンド操作に慣れている場合:
- WindowsのコマンドプロンプトやmacOSのターミナルでコマンドを使う (ipconfig, arp -a, pingなど)
- スマートフォンやタブレットから操作したい場合:
- プリンターメーカーの公式モバイルアプリを使用する
まずはご自身の環境で最も試しやすい方法から始めてみてください。多くの場合は、プリンター本体の操作パネルや設定リストの印刷で簡単に見つかるはずです。
もしIPアドレスが見つからない、あるいは見つけたIPアドレスを使っても通信がうまくいかない場合は、ネットワーク接続自体に問題がある可能性が高いです。その際は、記事中で触れたトラブルシューティングの項目を参考に、プリンターとネットワーク機器(ルーターなど)の状態を一つずつ確認していくことが重要です。
ネットワーク印刷は非常に便利ですが、時にネットワーク特有の問題でトラブルが発生することもあります。プリンターのIPアドレスを正確に把握することは、そうした問題を解決するための第一歩となります。この記事が、皆さんが無事にプリンターのIPアドレスを見つけ、快適なネットワーク印刷環境を維持するための一助となれば幸いです。