【初心者向け】「attribute a to b」を分かりやすく解説


【初心者向け】英語「attribute a to b」を徹底解説!原因、理由、特徴を語る重要フレーズ

英語学習者の皆さん、こんにちは!

英語を学んでいると、新しい単語やフレーズに出会うたびに「どういう意味だろう?」「どんなときに使えばいいんだろう?」と迷うことがありますよね。今日ご紹介するのは、そんな皆さんにとって少し難しく感じるかもしれないけれど、実はとても便利で、使いこなせると表現力がぐっと広がる重要なフレーズです。

それは、

“attribute a to b”

という形です。

このフレーズは、ニュース記事やビジネスの場面、学術的な文章、そして意外と日常会話の中でも耳にすることがあります。「a を b に帰する」「a は b のせい(おかげ)だと考える」「a は b の特徴(性質)だと考える」といった意味で使われます。

なんだか難しそう…と思った方もいるかもしれませんね。でも安心してください!この記事では、この「attribute a to b」というフレーズの基本的な意味から、様々な使い方、似た表現との違い、そしてよくある間違いまで、初心者の方にも一つ一つ丁寧に、豊富な例文を交えながら解説していきます。

この記事を最後まで読めば、きっと「attribute a to b」の使い方がマスターでき、英語での表現の幅が広がるはずです。さあ、一緒に学んでいきましょう!

この記事で学ぶこと

  • 「attribute a to b」の基本的な意味とは?
  • 「attribute」「a」「to」「b」は何を指すのか?
  • このフレーズが持つ二つの主要な意味(原因・理由/特徴・性質)
  • 様々な状況での具体的な使い方と例文
  • 「attribute a to b」の関連表現や似た意味のフレーズ(credit, blame, ascribeなど)との違い
  • よくある間違いとその対策
  • 受動態「A is attributed to B」の使い方
  • 練習問題で理解を深める

1. 「attribute a to b」とは? 基本的な意味と構造

まずは、このフレーズの核となる部分を見ていきましょう。

“attribute a to b”

この形をよく見てください。動詞の “attribute” に続いて、目的語となる “a” があり、そして前置詞 “to” の後に “b” が来ています。

それぞれの要素が何を表しているのかを理解するのが最初のステップです。

  • attribute (動詞): 「~のおかげだと考える」「~のせいだと考える」「~に原因があるとする」「~の特徴だと考える」といった、「何かを別の何かに結びつける、関連付ける」という動作を表します。
  • a: これが 結びつけられる「何か」 です。結果、成果、出来事、性質、特徴などがここに来ます。
  • to: これは 「a」と「b」を結びつけるための前置詞 です。「~に」「~へ」といった方向や関連性を示します。
  • b: これが 「a」が結びつけられる相手 です。原因、理由、起源、人物、場所、組織などがここに来ます。

つまり、ざっくりと言うと、

「attribute a to b」 = 「a を b に結びつけて考える」

ということです。もう少し具体的に言うと、「a が存在したり、起こったりする原因や理由を b だと考える」、または 「a という特徴や性質は b が持っているものだと考える」 という意味になります。

重要なのは、「a」が結果や特徴で、「b」が原因や持ち主 であるということです。この順番を間違えると、全く意味が通じなくなってしまいます(これについては後ほど詳しく解説します)。

2. 「attribute a to b」の二つの主要な意味

「attribute a to b」というフレーズは、主に以下の二つの異なる状況で使われます。

意味 1: 原因・理由・起源を「b」に求める

これが最もよく使われる意味です。何か特定の出来事、結果、状況、発見などが起こった際に、その原因、理由、または起源が何であるかを「b」だと考える場合に使います。

「A の原因は B にあると考える」「A は B のおかげ(せい)だ」「A は B から生まれた」といったニュアンスです。

ここで、「a」に来るのは、結果、出来事、状況、発見、症状などです。「b」に来るのは、その原因となった人物、要素、状況、歴史的な出来事、組織、場所などです。

例文を見てみましょう。

例文 1:
* She attributes her success **to** hard work.
* a: her success (彼女の成功)
* b: hard work (懸命な努力)
* 意味: 彼女は自分の成功は懸命な努力のおかげだと考えている。
* 解説: 「成功」という結果の原因を「努力」という理由に結びつけています。

例文 2:
* Experts attribute the decline in sales **to** the economic slowdown.
* a: the decline in sales (売上の減少)
* b: the economic slowdown (経済の減速)
* 意味: 専門家たちは、売上減少の原因を経済の減速にあると考えている。
* 解説: 「売上減少」という状況の原因を「経済の減速」に求めています。

例文 3:
* The discovery of penicillin is attributed **to** Alexander Fleming. (※これは受動態ですが、意味は同じです)
* a: The discovery of penicillin (ペニシリンの発見)
* b: Alexander Fleming (アレクサンダー・フレミング)
* 意味: ペニシリンの発見はアレクサンダー・フレミングによるものだとされている。
* 解説: 「発見」という出来事の起源を「人物」に結びつけています。

例文 4:
* He attributed his illness **to** stress.
* a: his illness (彼の病気)
* b: stress (ストレス)
* 意味: 彼は自分の病気の原因をストレスにあるとした。
* 解説: 「病気」という症状の原因を「ストレス」という状況に求めています。

例文 5:
* Many problems can be attributed **to** poor communication. (※受動態)
* a: Many problems (多くの問題)
* b: poor communication (不十分なコミュニケーション)
* 意味: 多くの問題は不十分なコミュニケーションに起因すると考えられる。
* 解説: 「多くの問題」という結果の原因を「コミュニケーション不足」という要素に求めています。

このように、「原因・理由・起源をbに求める」という意味では、「a」は主に「結果」や「出来事」であり、「b」はその「原因」や「理由」、「起源」となります。

意味 2: 特徴・性質を「b」に属するものだと考える

この意味では、「attribute」は「ある特定の性質や特徴が、誰か(または何か)に備わっているものだと考える」というニュアンスで使われます。これは、人や物事の性質や特徴について述べるときに使われます。

「A という特徴は B が持っているものだ」「A は B の特性だ」といったニュアンスです。

ここで、「a」に来るのは、性質、特徴、品質、属性などです。「b」に来るのは、その性質や特徴を持っている人物、物、概念などです。

例文を見てみましょう。

例文 6:
* People often attribute kindness **to** nurses.
* a: kindness (親切さ)
* b: nurses (看護師たち)
* 意味: 人々はしばしば、親切さという特徴を看護師に備わっているものだと考える。
* 解説: 「親切さ」という性質を「看護師」という人々に結びつけています。

例文 7:
* He attributed supernatural powers **to** the ancient artifact.
* a: supernatural powers (超自然的な力)
* b: the ancient artifact (その古代の工芸品)
* 意味: 彼はその古代の工芸品に超自然的な力が備わっていると考えた。
* 解説: 「超自然的な力」という特徴を「古代の工芸品」という物に結びつけています。

例文 8:
* Generosity is a quality we attribute **to** good leaders.
* a: Generosity (寛大さ)
* b: good leaders (良いリーダーたち)
* 意味: 寛大さとは、私たちが良いリーダーに備わっていると考える特質です。
* 解説: 「寛大さ」という性質を「良いリーダー」という人々に結びつけています。

例文 9:
* She attributes a certain elegance **to** French design.
* a: a certain elegance (ある種の優雅さ)
* b: French design (フランスのデザイン)
* 意味: 彼女はフランスのデザインにある種の優雅さが備わっていると考えている。
* 解説: 「優雅さ」という特徴を「フランスのデザイン」という概念に結びつけています。

この「特徴・性質をbに属するものだと考える」という意味では、「a」は主に「性質」や「特徴」であり、「b」はその「持ち主」や「対象」となります。

どちらの意味で使われているかは、文脈によって判断する必要がありますが、基本的な構造「a を b に結びつけて考える」は共通しています。

3. 文脈で使い分ける attribute a to b (より多くの例文と解説)

上記で二つの主要な意味を説明しましたが、実際のコミュニケーションでは様々な文脈で使われます。それぞれの文脈で「a」と「b」に何が来るのか、さらに詳しく見ていきましょう。

3.1. 成功や失敗の原因を語る

ビジネス、スポーツ、学習など、様々な分野での成功や失敗の原因について述べる際に頻繁に登場します。

  • Many people attribute his rapid rise in the company **to** his excellent networking skills.

    • (多くの人は、彼の社内での急速な昇進は彼の優れた人脈作りスキルの賜物だと考えている。)
    • a: his rapid rise (彼の急速な昇進)
    • b: his excellent networking skills (彼の優れた人脈作りスキル)
    • 解説: 「昇進」という良い結果の原因を「スキル」に求めています。
  • The team attributed their loss in the final game **to** poor teamwork.

    • (チームは決勝戦での敗北の原因を不十分なチームワークにあるとした。)
    • a: their loss (彼らの敗北)
    • b: poor teamwork (不十分なチームワーク)
    • 解説: 「敗北」という悪い結果の原因を「問題点」に求めています。
  • She attributes her fluency in English **to** living abroad for several years.

    • (彼女は自分の英語の流暢さは、数年間海外に住んでいたことによるものだと考えている。)
    • a: her fluency in English (彼女の英語の流暢さ)
    • b: living abroad for several years (数年間海外に住んでいたこと)
    • 解説: 「流暢さ」という習得した能力の原因を「経験」に求めています。

3.2. 物事の起源や発生源を語る

アイデア、病気、現象、習慣などがどこから来たのか、何が原因で発生したのかを述べる場合に使われます。

  • Historians attribute the custom of exchanging rings **to** ancient Roman traditions.

    • (歴史家たちは、指輪を交換する習慣は古代ローマの伝統に由来すると考えている。)
    • a: the custom of exchanging rings (指輪を交換する習慣)
    • b: ancient Roman traditions (古代ローマの伝統)
    • 解説: 「習慣」という文化的なものの起源を「伝統」に求めています。
  • Scientists attribute the increase in global temperature **to** human activities.

    • (科学者たちは、地球の温度上昇の原因を人間の活動にあるとしている。)
    • a: the increase in global temperature (地球の温度上昇)
    • b: human activities (人間の活動)
    • 解説: 「気候変動」という現象の原因を「人間の活動」に求めています。
  • The sudden outbreak of the disease was attributed **to** a new type of virus. (受動態)

    • (その病気の突然の発生は、新しい種類のウイルスに起因するとされた。)
    • a: The sudden outbreak of the disease (その病気の突然の発生)
    • b: a new type of virus (新しい種類のウイルス)
    • 解説: 「病気の発生」という出来事の原因を「ウイルス」に求めています。

3.3. 特徴、品質、スタイルなどを語る

人、物、芸術作品、文化などが持つ特定の性質やスタイルについて述べる場合に使われます。

  • Critics attribute the unique style of the painting **to** the artist's unusual background.

    • (批評家たちは、その絵画のユニークなスタイルは画家の異例な経歴に由来すると考えている。)
    • a: the unique style of the painting (その絵画のユニークなスタイル)
    • b: the artist’s unusual background (その画家の異例な経歴)
    • 解説: 「絵画のスタイル」という特徴の原因(由来)を「画家の経歴」に求めています。これは「起源」の意味合いも兼ねています。
  • People often attribute wisdom **to** elderly people.

    • (人々はしばしば、知恵という性質を高齢者に備わっているものだと考える。)
    • a: wisdom (知恵)
    • b: elderly people (高齢者たち)
    • 解説: 「知恵」という性質を「高齢者」に結びつけています。
  • He attributed the strange markings on the wall **to** some kind of ritual.

    • (彼は壁の奇妙な模様を何らかの儀式によるものだと考えた。)
    • a: the strange markings on the wall (壁の奇妙な模様)
    • b: some kind of ritual (何らかの儀式)
    • 解説: 「模様」という特徴の起源や原因を「儀式」に求めています。

3.4. 発言や引用元を語る(少し異なる使い方)

これは少し応用的な使い方ですが、ある発言や文章が誰(または何)に由来するかを示す際にも使われることがあります。この場合、「a」が発言の内容、「b」がその発言者や文献などになります。ただし、この使い方は「attribute a to b」よりも「attribute a/b with c」や「attribute c to a/b」(cが発言内容、a/bが発言者)の形が使われることが多いです。「attribute a to b」で使う場合は、「a という発言は b がしたとされている/考えられている」というニュアンスになります。

  • This famous quote is often attributed **to** Abraham Lincoln, but its true origin is debated. (受動態)

    • (この有名な引用句はしばしばエイブラハム・リンカーンのものだとされているが、その真の起源は議論されている。)
    • a: This famous quote (この有名な引用句)
    • b: Abraham Lincoln (エイブラハム・リンカーン)
    • 解説: 「引用句」というものの出所を「リンカーン」に結びつけています。
  • The journalist attributed the controversial statement **to** an anonymous source.

    • (そのジャーナリストは、その物議を醸す発言の出典を匿名情報源にあるとした。)
    • a: the controversial statement (その物議を醸す発言)
    • b: an anonymous source (匿名情報源)
    • 解説: 「発言」の出所を「情報源」に結びつけています。

この使い方は、特に情報源の正確性や信頼性を示す文脈で役立ちます。

4. 「attribute」の様々な形と「attribute a to b」の文法的注意点

「attribute」は動詞なので、主語や時制によって形が変わります。また、「attribute a to b」は受動態で使われることも非常に多いです。

4.1. 動詞の形

  • 現在形: attribute (主語が I, you, we, they, 複数名詞の場合) / attributes (主語が he, she, it, 単数名詞の場合)
    • I attribute my success **to** luck.
    • He attributes his success **to** hard work.
  • 過去形: attributed (規則動詞なので -ed をつけます)
    • She attributed her victory **to** her coach.
  • 現在分詞 (-ing 形): attributing
    • They are attributing the issue **to** system failure. (進行形)
    • Attributing problems **to** others is not helpful. (動名詞/主語)
  • 過去分詞: attributed (過去形と同じ形です)
    • これは主に受動態や完了形で使われます。

4.2. 受動態: 「A is attributed to B」

「attribute a to b」は能動態の形ですが、受動態「A is attributed to B」 の形でも非常によく使われます。

能動態: (Someone) attributes A to B. (誰かが A の原因を B だと考える)
受動態: A is attributed to B. (A の原因は B だと考えられている / A は B に起因するとされている)

受動態を使うのは、以下のような場合です。

  • A (結果や特徴) に焦点を当てたいとき: 「何が原因か」よりも「その結果や特徴自体」に注目させたい場合に受動態が便利です。
  • B (原因や持ち主) が誰(何)であるかが不明確、または重要でないとき: 「誰がそう考えているか」を明確にする必要がない場合に受動態が使われます。
  • 一般的な見解や客観的な事実として述べたいとき: 特定の「誰か」ではなく、「一般的にそう考えられている」というニュアンスを出したい場合に受動態が適しています。

受動態の例文:

  • The company's growth is attributed **to** its innovative marketing strategy.

    • (その会社の成長は、その革新的なマーケティング戦略によるものだとされている。)
    • 解説: 「成長」という結果に焦点があり、「誰がそう考えているか」は重要ではありません。一般的な見方として述べられています。
  • This painting is attributed **to** Van Gogh, but some experts disagree.

    • (この絵画はゴッホの作だとされているが、一部の専門家は異論を唱えている。)
    • 解説: 「絵画」という作品に焦点があり、「誰がそう考えているか」よりも「一般的にそう見なされている」という状況を示しています。これは「起源/作者」の意味ですね。
  • Many health problems are attributed **to** lack of sleep.

    • (多くの健康問題は睡眠不足に起因するとされている。)
    • 解説: 「健康問題」に焦点があり、「誰がそう考えているか」は重要ではありません。一般的な原因として述べられています。

受動態の形もマスターすると、「attribute a to b」をより柔軟に使いこなせるようになります。特にニュースやレポートなどでは、受動態の形が頻繁に登場します。

5. 「attribute a to b」と似た意味・関連表現との違い

「attribute a to b」と似たような意味で使われる他の英語のフレーズがあります。これらの違いを理解することで、「attribute a to b」のニュアンスがより明確になります。

5.1. attribute a to b と ascribe a to b

ascribe a to battribute a to b と非常に似ており、多くの場合置き換え可能です。特に「原因を求める」「起源を求める」という意味で使われます。

  • They attribute the invention **to** a brilliant scientist.
  • They ascribe the invention **to** a brilliant scientist.
    • (彼らはその発明をある優秀な科学者によるものだと考えている。)

違いとしては、ascribeattribute よりもやや堅い、あるいは文学的な響きを持つことがあります。また、ascribe は特に性質や特性を抽象的なものに結びつける際に使われることが多い傾向があります。

  • People often ascribe evil **to** the devil. (人々はしばしば悪魔に悪を帰する) – こちらの方が natural に聞こえる場合が多いです。

ただし、日常会話や一般的な文脈では、両者は非常に近く、初心者の方はまず attribute を覚えて使いこなせるようになれば十分です。

5.2. attribute a to b と credit a with b / credit b for a / credit a to b

credit も「~のおかげだと考える」という意味で使われますが、attribute とはいくつかの違いがあります。

  • credit a with b: A (人) に B (功績/良いこと) があると考える、A に B の功績を帰する。

    • We credit her **with** the success of the project.
    • (私たちはプロジェクトの成功は彼女の功績だと考えている。)
    • 解説: この形では、credit の目的語は「人」になることが多いです。
  • credit b for a: B (功績/良いこと) のことで A (人) を褒める/功績を認める。

    • We credit her **for** the success of the project.
    • (私たちはプロジェクトの成功に関して彼女の功績を認める。)
    • 解説: for の後に「功績や理由」が来ます。
  • credit a to b: A (功績/結果) を B (人/要因) のおかげだと考える。

    • She credited her achievement **to** her mentor's guidance.
    • (彼女は自分の達成は指導者の導きのおかげだとした。)
    • 解説: この credit a to b の形は、attribute a to b の「原因・理由をbに求める」という意味、特にポジティブな結果の原因を述べる際によく似ています。

attribute原因や起源をより広く指すのに対し、credit は特にポジティブな結果や功績について使われる傾向が強いです。「~のおかげ」というニュアンスが強いのが credit です。失敗の原因を述べる際に credit を使うことは通常ありません。

  • She attributes her failure **to** lack of preparation. (失敗の原因を準備不足とした) – attribute はOK。
  • She credits her failure **to** lack of preparation. – これは不自然です。

5.3. attribute a to b と blame a on b / blame b for a

blame は「~のせいにする」「非難する」という意味で、主にネガティブな結果や失敗の原因を特定する際に使われます。

  • blame a on b: A (ネガティブな結果) の責任を B (人/要因) に負わせる/A の原因は B にあるとする。

    • He blamed the accident **on** the driver.
    • (彼は事故の原因を運転手にあるとした。)
  • blame b for a: A (ネガティブな結果) のことで B (人/要因) を非難する。

    • They blamed the government **for** the economic crisis.
    • (彼らは経済危機のことで政府を非難した。)

attribute a to b は、原因がポジティブでもネガティブでも、あるいは単に事実の起源を示す場合でも使えます。一方、blame はほぼ常にネガティブな文脈で使われ、「非難する」「責任を負わせる」というニュアンスが伴います。

  • She attributes her success **to** hard work. (成功の原因を努力とした – ポジティブ) – attribute OK。
  • She blames her success **on** hard work. – 不自然(「努力のせいだ」という意味になってしまう)。

  • He attributes his failure **to** bad luck. (失敗の原因を不運とした – ネガティブ) – attribute OK。

  • He blames his failure **on** bad luck. (失敗を不運のせいだとした – ネガティブ) – blame もOK。しかし、blame の方が「不運を非難する」というニュアンスが少し強まる可能性があります。

5.4. attribute a to b と trace a back to b

trace back to は「~までさかのぼる」「~に由来する」という意味で、特に歴史的な起源や時間の経過をたどって原因や発生源を見つける際に使われます。

  • The tradition can be traced back **to** ancient times.

    • (その伝統は古代までさかのぼることができる。)
  • The problem traces back **to** a decision made last year.

    • (その問題は昨年なされた決定に端を発している。)

attribute a to b は、原因や起源が歴史的なものである場合にも使われますが、trace back to は「時間をさかのぼる」というプロセスをより強調します。attribute は単に「Aの原因はBだと考えられている」という現在の見解を示すのに対し、trace back to は「AはBから歴史的に発生した/つながっている」という事実や推測を示すニュアンスが強いです。

まとめると:

  • attribute a to b: 原因・理由・起源、または特徴・性質をbに結びつけて考える。幅広い意味で使える。
  • ascribe a to b: attributeに非常に似ているが、やや堅く、抽象的な性質に使う傾向。
  • credit a to b: ポジティブな結果や功績の原因をbに求める場合に使う。「~のおかげ」のニュアンス。
  • blame a on b: ネガティブな結果や失敗の原因をbに求める場合に使う。「~のせい」のニュアンス、非難が伴うことも。
  • trace a back to b: 時間をさかのぼって歴史的な起源や発生源を示す。

これらの違いを意識すると、より正確な表現を選ぶことができます。

6. 「attribute a to b」を使う上での注意点とよくある間違い

初心者の方が「attribute a to b」を使う際に間違えやすいポイントがあります。特に重要なのは、「a」と「b」の順番です。

6.1. 「a」と「b」の順番を間違えない!

これが最も多い間違いです。「a」は結果や特徴、「b」は原因や持ち主でしたね。この順番を逆にしてしまうと、全く違う意味になったり、意味不明になったりします。

間違った例:
* ~~He attributes hard work **to** his success.~~ (これは間違い)
* 直訳: 彼は懸命な努力を彼の成功に帰している。
* 意図: 彼の成功は懸命な努力のおかげだと考えている。
* 正しい言い方: He attributes his success **to** hard work.

なぜ間違っているのか? 間違った例では、「a」が hard work (原因)、「b」が his success (結果) になっています。「原因を結果に帰する」となってしまい、「成功という原因が努力という結果を生んだ」というような、意図と逆の意味になってしまいます。

常に 「結果・特徴 (a)」 → 「原因・持ち主 (b)」 の順です。

  • 原因 → 結果
  • 持ち主 → 特徴

ではなく、

  • 結果 → 原因
  • 特徴 → 持ち主

です。この点は徹底的に意識してください。

6.2. 「to」の意味を正しく理解する

前置詞 to は様々な意味を持ちますが、ここでは「原因・起源を示す」「関連性を示す」という役割をしています。「~へ与える」というような物理的な移動や授与の意味ではありません。

  • ~~He attributes money **to** his employees.~~ (これは間違い)
    • 意図: 彼は従業員にお金を分配している。
    • 正しい言い方: He distributes money to his employees. または He gives money to his employees.
    • 解説: この文脈で attribute を使うと、「彼はお金という性質を従業員に備わっていると考えている」という意味になってしまい、不自然です。

「attribute a to b」の to は、あくまで「aとbを結びつけて、aの原因や特徴がbにあると考える」ための繋がりを示すものです。

6.3. 「attribute」が動詞であることを意識する

これも基本的なことですが、「attribute」が動詞であることを忘れずに、主語に合わせた活用(現在形、過去形など)を使う必要があります。

  • ~~She attribute her talent **to** her parents.~~ (主語が she なのに attribute)

    • 正しい言い方: She attributes her talent **to** her parents.
  • ~~They attributing the problem **to** mismanagement.~~ (ing形だけ)

    • 正しい言い方: They are attributing the problem **to** mismanagement. (進行形)

また、名詞の “attribute” (属性、特徴) と混同しないように注意しましょう。名詞の attribute は可算名詞で、通常は “an important attribute” や “key attributes” のように使われます。動詞の “attribute” とは意味も使い方も全く異なります。

7. さらに深く理解するために:様々な「a」と「b」の例

「attribute a to b」の「a」と「b」には、具体的な名詞だけでなく、様々な種類の語句が入ることがあります。これを知っておくと、さらに表現の幅が広がります。

7.1. 「a」に来るもの(結果・特徴など)

  • 抽象名詞: success, failure, growth, decline, popularity, decline, problem, achievement, quality, characteristic, feature, wisdom, kindness, beauty, power, style, origin, cause, symptom, effect, difference など
    • attribute the popularity **to** advertising (人気を広告によるものだとする)
    • attribute the difference **to** cultural factors (違いを文化的要因によるものだとする)
  • 具体的な名詞: event, discovery, invention, custom, tradition, saying, quote, painting, building, symptom, illness, marking, sound など
    • attribute the sound **to** the wind (その音を風によるものだとする)
    • attribute the invention **to** a specific year (その発明を特定の年に由来するものとする)
  • 名詞句: a sudden change, a mysterious disappearance, the rapid development, a unique design など
    • attribute the rapid development **to** government policies (急速な発展を政府の政策によるものだとする)
  • 代名詞: it, this, that, what he said など
    • He attributed **it** **to** bad luck. (彼はそれを不運のせいだとした。)
    • They attributed **what he said** **to** his frustration. (彼らは彼の言ったことを彼の不満によるものだとした。)

7.2. 「b」に来るもの(原因・持ち主など)

  • 人物・人物名: a person, the manager, Dr. Smith, him, her など
    • attribute the quote **to** Mark Twain (その引用句をマーク・トウェインのものとする)
  • 組織・集団: the company, the team, the government, the committee, the experts, scientists など
    • attribute the decision **to** the committee (その決定を委員会によるものだとする)
  • 抽象名詞: hard work, luck, effort, talent, strategy, policy, factor, cause, reason, influence, education, experience, training, stress, illness, age など
    • attribute her resilience **to** her upbringing (彼女の立ち直りの早さを彼女の育ちによるものだとする)
  • 具体的な物: a virus, a chemical, a building fault など
    • attribute the fire **to** an electrical fault (火事を電気的な故障によるものだとする)
  • 場所: the region, the environment, here, there など
    • attribute the unique flavor **to** the local soil (その独特の風味を地元の土壌によるものだとする)
  • 時間・時代: the 19th century, ancient times, that period など
    • attribute the style **to** the 1920s (そのスタイルを1920年代のものとする)
  • 出来事・状況: an accident, a change in the law, the economic crisis, the weather, the circumstances など
    • attribute the delay **to** the bad weather (遅延を悪天候のせいだとする)
  • 句・節: living abroad, what happened yesterday, the fact that… など
    • attribute their success **to** the fact that they started early (彼らの成功は早く始めたという事実によるものだとする)

このように、「a」と「b」には非常に様々なものが入り得ます。重要なのは、その文脈において「a」が「結果や特徴」、「b」が「原因や持ち主」の関係性になっているかどうかを理解することです。

8. 練習問題で理解を定着させよう!

さて、ここまで「attribute a to b」について詳しく見てきました。最後に、いくつかの簡単な練習問題で理解度をチェックしてみましょう。

以下の文を完成させてください。「a」と「b」に適切な語句を入れて、「attribute a to b」の形で文を作りましょう。意味を考えて、原因や特徴が何か、それを何に結びつけるかを考えます。

問題 1:
彼は成功の原因を運だと考えている。
He attributes his _ to _.

問題 2:
専門家たちは、その古代の遺跡の建設を高度な文明によるものだとしている。(受動態で)
The construction of the ancient ruins is attributed to _.

問題 3:
彼女は自分の絵の独特のスタイルは、旅行中に見た景色によるものだとしている。
She attributes the unique style of her paintings to the _ she saw during her travels.

問題 4:
人々はしばしば、勇気という性質を消防士に備わっているものだと考える。
People often attribute _ to firefighters.

問題 5:
この論文は、その経済問題の原因を政府の政策にあるとしている。
This paper attributes the economic problem to _.


解答例: (あくまで例です。文脈によって他の答えも考えられます。)

問題 1:
He attributes his success to luck.
(他の例: He attributes his achievement to hard work.)

問題 2:
The construction of the ancient ruins is attributed to an advanced civilization.
(他の例: The construction of the ancient ruins is attributed to aliens (冗談ですが文法的には可能です).)

問題 3:
She attributes the unique style of her paintings to the scenery she saw during her travels.
(他の例: She attributes the unique style of her paintings to her emotions at the time.)

問題 4:
People often attribute courage to firefighters.
(他の例: People often attribute selflessness to firefighters.)

問題 5:
This paper attributes the economic problem to government policy.
(他の例: This paper attributes the economic problem to global factors.)

いかがでしたか? もし間違えてしまっても大丈夫です。繰り返し例文を見たり、実際に自分で文を作ってみたりすることで、徐々に慣れていきます。特に「a」と「b」の順番を意識する練習をしてみてください。

9. まとめ:attribute a to b の 핵심ポイント

最後に、これまでの内容をまとめて、重要なポイントを振り返りましょう。

  1. 基本的な意味: 「attribute a to b」は、「a を b に結びつけて考える」 という意味。
  2. 二つの主要な使い方:
    • 意味 1 (原因・理由・起源): A (結果・出来事) の原因や理由、起源は B だと考える。
      • 例: attribute success to hard work (成功を努力によるものとする)
    • 意味 2 (特徴・性質): A (特徴・性質) は B が持っているものだと考える。
      • 例: attribute kindness to nurses (看護師に親切さという特徴があるとする)
  3. 構造: attribute + a (結果・特徴) + to + b (原因・持ち主) の形を必ず守る。aとbの順番を間違えない!
  4. 文脈: 成功/失敗の原因、物事の起源、人/物の特徴など、様々な文脈で使われる。
  5. 受動態: 「A is attributed to B」の形も非常によく使われる。「AはBに起因するとされている」「AはBのものだと考えられている」という意味。特にAに焦点を当てたい場合や、原因/持ち主が不明確/一般的である場合に使う。
  6. 似た表現との違い:
    • ascribe: attributeに似ているが、やや堅く、抽象的な性質に使う傾向。
    • credit a to b: ポジティブな結果の原因に使う。「~のおかげ」のニュアンス。
    • blame a on b: ネガティブな結果の原因に使う。「~のせい」のニュアンス、非難が伴うことも。
    • trace a back to b: 歴史的な起源や時間をさかのぼるニュアンス。

10. 最後に:練習あるのみ!

「attribute a to b」は、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、使いこなせるようになると、原因と結果、特徴とその対象を明確に述べることができるようになり、あなたの英語表現はより豊かになります。

ニュース記事を読んだり、映画やドラマを見たりする際に、このフレーズが出てこないか注意して聞いてみてください。実際の使われ方を知ることが、理解を深める一番の近道です。

そして、ぜひ自分で例文を作ってみる練習をしましょう。あなたの身の回りで起こった出来事の原因や、あなたが知っている人や物の特徴について、「attribute a to b」を使って英語で説明してみるのです。

例えば、

  • 「今日の疲れの原因は昨日の寝不足だ。」→ I attribute my tiredness today **to** not getting enough sleep yesterday.
  • 「このレストランの人気の秘密は、きっとフレンドリーなサービスだ。」→ I attribute this restaurant's popularity **to** its friendly service.

最初は時間がかかるかもしれませんが、繰り返すうちに自然と口から出てくるようになります。

この記事が、「attribute a to b」をマスターするための一助となれば幸いです。英語学習の旅は長く続きますが、一つ一つのフレーズを丁寧に学び、着実にステップアップしていきましょう!

応援しています!頑張ってください!


付録:attribute の名詞形について

補足として、動詞の “attribute” とは別に、名詞の “attribute” もあります。こちらは「属性」「特質」「特徴」という意味で、全く異なる単語として扱われます。可算名詞で、通常は複数形 attributes で使われることが多いです。

  • Kindness is a valuable attribute. (親切さは価値のある特質だ。)
  • Leadership requires many positive attributes. (リーダーシップには多くの肯定的な特質が必要とされる。)
  • System attributes include speed and reliability. (システムの属性には速度と信頼性が含まれる。)

文脈で動詞か名詞かを判断する必要があり、これらも英語学習者が混同しやすいポイントの一つです。今回の記事で解説した「attribute a to b」は、あくまで動詞の “attribute” の使い方です。

これで、「attribute a to b」に関する詳細な解説は終わりです。約5000語というボリュームで、初心者の方にも網羅的に理解していただけるよう、様々な角度から解説、例文、注意点などを盛り込みました。この知識が、皆さんの今後の英語学習に役立つことを願っています。

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