はい、承知いたしました。Tera Termのダウンロードから接続までを徹底解説する、初心者向けの約5000語の詳細な記事を作成します。
【初心者向け】Tera Term入門:ダウンロードから接続までを徹底解説
はじめに:Tera Termの世界へようこそ!
ITの世界に足を踏み入れたばかりの方、あるいはこれからサーバーやネットワーク機器の操作を学ぼうとしている方にとって、「ターミナルソフト」や「SSH接続」といった言葉は、少し難しく聞こえるかもしれません。しかし、これらのツールは、ITエンジニアはもちろん、自宅でサーバーを構築したい方や、特定の機器を設定したい方にとって、非常に基本的な、そして強力な味方となります。
この記事では、数あるターミナルソフトの中でも特に日本で広く使われている、Tera Term(テラターム) に焦点を当てます。Tera Termは、無料で利用でき、操作も比較的シンプルでありながら、SSH接続やシリアル接続など、様々な用途に対応できる多機能なソフトウェアです。特に、日本語環境での利用に強く、多くのエンジニアに愛用されています。
この記事は、まさに「ゼロから始める」方を対象としています。
- 「ターミナルソフトって何?」
- 「SSHって聞いたことはあるけど、どういうこと?」
- 「サーバーに接続するにはどうすればいいの?」
といった疑問をお持ちの方でも、この記事を読み進めることで、Tera Termをパソコンにインストールし、安全にリモートのコンピューターに接続できるようになります。ダウンロードからインストール、そして基本的な接続方法まで、ステップごとに丁寧に解説していきます。
さあ、Tera Termを使って、リモート操作の世界への第一歩を踏み出しましょう!
この記事で学べること
- Tera Termとは何か、なぜそれを使うのか
- Tera Termのダウンロード方法
- Tera Termのインストール手順(詳細解説)
- 安全な接続方法であるSSHについて
- Tera Termを使ったSSH接続の基本手順
- 接続時のホストキーについて(重要!)
- 接続後の基本的な画面操作とコマンド入力
- よくあるトラブルと対処法(接続できない、文字化けなど)
- Tera Termの基本的な設定(フォント、ログなど)
- Tera Termでできること(SSH以外の機能にも少し触れます)
想定読者:
- ITの学習を始めたばかりの方
- リモートのサーバーやネットワーク機器に接続する必要がある方
- Tera Termを使ったことがない方、または使い方に自信がない方
- 自宅でLinuxサーバーなどを構築したい方
- シリアル接続が必要な機器を扱う方
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持ってTera Termを使いこなし、リモートの世界への扉を開いていることでしょう。それでは、早速始めましょう!
第1章:Tera Termとは何か?なぜそれを使うのか?
Tera Termは、コンピュータの世界における「ターミナルエミュレーター」と呼ばれる種類のソフトウェアです。この章では、ターミナルエミュレーターとは何か、そしてなぜTera Termが多くの人に選ばれているのかを詳しく見ていきます。
1.1 ターミナルエミュレーターとは?
現代のコンピュータは、ほとんどがグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えています。マウスでアイコンをクリックしたり、ウィンドウを操作したりして、視覚的に分かりやすく操作できます。しかし、コンピュータの操作の歴史を遡ると、GUIが登場する前は、キーボードからコマンドを入力してコンピュータに指示を出すのが一般的でした。この操作方法は、コマンドラインインターフェース(CLI)と呼ばれます。
ターミナルエミュレーターは、このGUIが主流となった現代のコンピュータ上で、昔ながらのCLI環境を「エミュレート(模擬)」するソフトウェアです。つまり、Tera Termのようなターミナルエミュレーターを使うと、WindowsなどのGUI環境のパソコンから、別のコンピュータ(多くの場合、遠隔地にあるサーバーなど)に対して、キーボードで直接コマンドを入力し、その結果を画面に表示させるといった、CLIでの操作が可能になります。
なぜ現代でもCLIが必要なのでしょうか?
- 効率性: 複雑な作業や繰り返し行う作業は、コマンドを使えば一度に自動化できることが多いです。GUIでは一つ一つ手作業で行う必要があっても、CLIなら数行のコマンドで済むことがあります。
- 軽量性: CLI環境はGUIに比べてはるかにリソースを消費しません。特に性能が低いサーバーや、ネットワーク帯域が限られている環境では、GUIよりもCLIの方が快適に操作できます。
- 柔軟性: コマンドを組み合わせることで、GUIでは難しい、非常に細かく、あるいは特殊な操作が可能です。
- リモート操作: サーバーやネットワーク機器の多くは、セキュリティや安定性の観点から、遠隔からのCLI操作が基本となります。
ターミナルエミュレーターは、ローカルPCでCLI環境を提供するだけでなく、ネットワークを通じて遠隔のコンピュータのCLI環境に接続するための窓口としての役割が非常に大きいです。
1.2 Tera Termの歴史と特徴
Tera Termは、日本の寺西高氏によって開発が始められた、歴史のあるターミナルエミュレーターです。元々はWindows 3.1向けに開発され、その後Windows 95/NTに対応し、一時開発が停止されました。しかし、その使いやすさから多くのユーザーに惜しまれ、有志によって開発が引き継がれ、現在も活発に開発が進められています。
Tera Termが多くのユーザーに選ばれる理由には、以下のような特徴が挙げられます。
- 無料かつオープンソース: 誰でも無料で利用でき、ソースコードも公開されています。安心して利用できます。
- 日本語環境への対応: 日本で開発が始まった経緯もあり、日本語の表示や入力に関する設定が充実しています。これは、海外製のターミナルソフトと比較した場合の大きなメリットです。
- 軽量で動作が安定: 多くの環境で快適に動作します。
- 多様な接続方法に対応:
- SSH (Secure Shell): 現代のリモート接続の主流であり、通信が暗号化されるため安全です。サーバーやクラウドインスタンスへの接続に主に利用されます。
- Telnet: 暗号化されない古い接続方法ですが、一部のレガシーシステムや特定の機器で利用される場合があります。セキュリティ上の理由から、特別な場合を除き非推奨です。
- Serial (シリアル接続): ネットワークに接続されていない機器(ネットワーク機器のコンソールポート、組み込み機器など)とRS-232Cケーブルなどで直接接続する際に使用します。
- 便利な機能:
- ファイル転送: SCPやSFTPといったプロトコルを使った安全なファイル転送機能が付属しています。
- ログ機能: 接続中の操作内容や表示された内容をテキストファイルとして記録できます。
- マクロ機能: 定型的な操作を自動化するスクリプト(マクロ)を作成・実行できます。
- カスタマイズ性: フォント、色、ウィンドウサイズなど、多くの設定を自分の好みに合わせて変更できます。
これらの特徴から、Tera TermはITエンジニア、サーバー管理者、プログラマーはもちろん、趣味で電子工作や自宅サーバーをいじる方まで、幅広い層にとって非常に有用なツールとなっています。
1.3 他のターミナルソフトとの比較(初心者向けに簡単に)
ターミナルソフトはTera Term以外にも多数存在します。代表的なものとしては、Windows標準のPowerShellやコマンドプロンプト(これらもローカル環境でのCLIですが、リモート接続機能は限定的)、PuTTY(非常に有名で軽量な海外製)、RLogin(こちらも日本製で高機能)、MobaXterm(高機能でXサーバーなども内蔵)などがあります。
初心者の方が最初のターミナルソフトとしてTera Termを選ぶのは、非常に良い選択です。その理由は、前述の日本語対応の強さと、基本的な機能が過不足なく揃っている点にあります。もちろん他のソフトにもそれぞれメリットがありますが、まずはTera Termの使い方をマスターすれば、リモート操作の基礎がしっかりと身につきます。
次の章では、実際にTera Termをあなたのパソコンにダウンロードする手順を見ていきましょう。
第2章:Tera Termをダウンロードしよう
Tera Termを利用するには、まずお使いのパソコンにTera Termのソフトウェアをダウンロードする必要があります。安全に、そして確実にダウンロードするための手順を解説します。
2.1 どこからダウンロードする?
ソフトウェアをダウンロードする際、最も重要なのは「信頼できる配布元からダウンロードする」ということです。不正なサイトからダウンロードすると、マルウェア(ウイルスなど)が含まれていたり、改変された不正なソフトウェアをインストールしてしまうリスクがあります。
Tera Termは、公式プロジェクトページからダウンロードするのが最も安全で推奨される方法です。
- Tera Term Open Source Project: https://ttssh2.osdn.jp/
このサイトは、Tera Termの開発コミュニティが管理している公式サイトです。常に最新版が提供されており、安心してダウンロードできます。
2.2 ダウンロード手順(OSDNサイトから)
多くのユーザーは、Tera TermのインストーラーをOSDN(Open Source Development Network)という日本のオープンソースソフトウェア開発支援サイト経由でダウンロードすることになります。OSDNは、日本の多くのオープンソースプロジェクトが利用している信頼できるプラットフォームです。
ここでは、OSDNサイトからのダウンロード手順を詳しく解説します。
-
Tera Term公式プロジェクトページにアクセス:
上記のURL (https://ttssh2.osdn.jp/) をウェブブラウザで開きます。 -
ダウンロードページを探す:
サイトにアクセスすると、Tera Termに関する情報が表示されます。通常、目立つ場所に「ダウンロード」や「Download」といったリンクがあります。サイトのデザインは変わる可能性がありますが、「最新版のダウンロード」といった記述を探してください。
(例: サイト上部メニューや、中央の大きなボタンなど) -
ダウンロードページへ移動:
ダウンロードリンクをクリックすると、OSDNのダウンロードページにリダイレクトされることが一般的です。OSDNのページには、利用可能なファイルの一覧が表示されます。 -
ダウンロードするファイルを選ぶ:
ファイル一覧の中から、最新バージョンのTera Termインストーラーを選びます。ファイル名は通常、以下のような形式になっています。
teraterm-バージョン番号.exe
(例:teraterm-4.106.exe
)- バージョン番号: 数字が大きいほど新しいバージョンです。通常は最新版を選べば問題ありません。
.exe
:これはWindows用の実行ファイル、つまりインストーラーであることを示します。
他にも
teraterm-バージョン番号.zip
のようなファイルがある場合もありますが、初心者の方は.exe
形式のインストーラーを選ぶのが最も簡単です。これは、インストールプロセスを自動で進めてくれる形式だからです。ファイル名をクリックします。
-
ミラーサイトの選択(自動で始まることもあります):
OSDNでは、ダウンロード元となる「ミラーサイト」を選択する画面が表示されることがあります。これは、世界中にあるサーバーから近い場所や混雑していない場所を選ぶことで、ダウンロードを速くするための仕組みです。通常は「Japanese mirror」や、自動的に選ばれたミラーサイトで問題ありません。
数秒待つと、自動的にダウンロードが開始される場合が多いです。 -
ダウンロードの開始と保存:
ウェブブラウザによっては、「このファイルを実行または保存しますか?」といったセキュリティ警告が表示されることがあります。「保存」または「実行」を選択します。(インストールをすぐに始める場合は「実行」、一旦ファイルとして保存しておきたい場合は「保存」)。
保存場所を聞かれた場合は、デスクトップやダウンロードフォルダなど、自分が分かりやすい場所を選びましょう。 -
ダウンロード完了:
ファイルのダウンロードが完了するまで待ちます。ファイルのサイズはそれほど大きくないので、通常はすぐに終わります。
これで、Tera Termのインストーラーがお使いのパソコンにダウンロードされました。ダウンロードしたファイル(例: teraterm-4.106.exe
)が、次のインストール作業で使用するものです。
2.3 ダウンロード時の注意点
- 公式サイトからのダウンロードを徹底する: 繰り返しになりますが、必ず公式サイトまたはそこからリンクされている信頼できるサイト(OSDNなど)からダウンロードしてください。Google検索などで安易に見つけたサイトからのダウンロードは避けるのが賢明です。
- ファイルのサイズを確認する: ダウンロードしたファイルのサイズが、OSDNサイトに表示されているサイズと大きく異なっていないか、目安として確認すると良いでしょう。(ただし、これは高度な確認方法なので、初心者の方は公式サイト利用を最優先すれば十分です)。
- ブラウザのセキュリティ機能: 多くのウェブブラウザは、ダウンロードしようとしているファイルに危険性がないか簡易的なチェックを行います。警告が表示された場合は、安易に続行せず、ダウンロード元が本当に信頼できるか再確認しましょう。
ダウンロードが完了したら、いよいよ次の章でTera Termをパソコンにインストールします。
第3章:Tera Termをインストールしよう
ダウンロードしたインストーラーファイルを使って、Tera Termをパソコンにインストールします。インストーラーが手順を案内してくれるので、それに従って進めれば難しくありませんが、いくつか選択肢が出てくる部分を丁寧に解説します。
3.1 インストール開始前の確認
インストールを始める前に、以下の点を確認しておきましょう。
- 管理者権限: ソフトウェアをインストールするには、通常、パソコンの管理者権限が必要です。会社や学校のパソコンなど、自分で管理していないパソコンの場合は、システム管理者にインストールを依頼する必要があるかもしれません。自宅のパソコンであれば、通常お使いのアカウントに管理者権限が付与されています。
- 他のアプリケーションの終了: インストール中に予期せぬエラーを防ぐため、可能であれば他のアプリケーションは閉じておくことを推奨します。
- ダウンロードしたファイル: ダウンロードしたTera Termのインストーラーファイル(例:
teraterm-4.106.exe
)がどこに保存されているか確認しておきましょう。
3.2 インストール手順(詳細ステップバイステップ)
ダウンロードしたインストーラーファイル(例: teraterm-4.106.exe
)をダブルクリックして実行します。
-
ユーザーアカウント制御(UAC)のプロンプト:
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」といった画面が表示される場合があります。これはWindowsのセキュリティ機能です。信頼できるソフトウェアであることを確認し、「はい」をクリックして続行します。 -
インストールの言語選択:
最初にインストール中に表示される言語を選択します。「日本語」が選択されていることを確認し、「OK」をクリックします。 -
ようこそ画面:
Tera Termのセットアップウィザードへようこそ、という画面が表示されます。「次へ」をクリックします。 -
使用許諾契約書の同意:
ソフトウェアの使用許諾契約書(ライセンス契約)が表示されます。内容を確認し(通常はGNU General Public Licenseなどが適用されています)、同意できる場合は「使用許諾契約書の条項に同意します(A)」を選択し、「次へ」をクリックします。同意しないとインストールは続けられません。 -
インストール先の指定:
Tera Termをどこにインストールするか(どのフォルダにファイルを置くか)を指定します。
「インストール先フォルダ(I):」で指定されている場所がインストール先です。
通常はデフォルトの場所(例:C:\Program Files (x86)\teraterm
)で問題ありません。特に理由がなければ変更する必要はありません。もし変更したい場合は「参照(B)…」ボタンをクリックして別のフォルダを選択できますが、初心者の方はデフォルトのまま進めることを強く推奨します。
「次へ」をクリックします。- 補足:
Program Files (x86)
というフォルダは、32ビット版のプログラムがインストールされる場所に付けられることが多い名前です。Tera Termは歴史的な経緯もあり32ビットアプリケーションとして提供されているため、ここにインストールされます。64ビット版Windowsでも問題なく動作します。
- 補足:
-
セットアップタイプの選択:
インストールする機能の範囲を選択します。- 標準(T): 通常はこの選択肢で十分です。Tera Term本体と、SSH接続、ファイル転送(SCP/SFTP)などの主要な機能が含まれます。
- カスタム(C): インストールする機能を細かく選択したい場合に使います。特定の機能(例: シリアル接続、マクロ機能)だけが必要な場合や、不要な機能を省きたい場合に選択しますが、初心者の方は「標準」を選んでおけば間違いありません。
- 最小(M): 最低限の機能のみをインストールします。
ここでは「標準(T)」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 【カスタムを選択した場合の補足】
カスタムを選択すると、インストールするコンポーネント(機能部品)の一覧が表示されます。Tera Term
: Tera Term本体。必須です。TTSSH
: SSH接続機能を提供します。SSHを使うなら必須です。TTX Kanji
: 日本語など、マルチバイト文字の表示・入力をサポートします。日本語環境では必須です。TTX Exec
: 外部プログラムを実行する機能。TTX Recurring command
: 定期的にコマンドを実行する機能。TTX Secure File Transfer Plugin (SCP, SFTP)
: SCP/SFTPによるファイル転送機能。ファイル転送するなら必須です。TTX Cygwin
: Cygwin環境との連携機能。Cygwinユーザー以外は不要です。TTX Protocol Extension
: その他のプロトコル拡張機能。Help File (Japanese)
: 日本語ヘルプファイル。Help File (English)
: 英語ヘルプファイル。Source files
: ソースコード。開発者向けなので通常は不要です。
初心者の方は、標準に含まれるもの(Tera Term, TTSSH, TTX Kanji, TTX Secure File Transfer, ヘルプファイル)があれば十分でしょう。
-
追加タスクの選択:
インストール作業に加えて、追加で行うタスクを選択します。デスクトップ上にアイコンを作成する(D)
: チェックを入れると、デスクトップにTera Termのショートカットアイコンが作成されます。すぐに起動できて便利なので、チェックを入れておくことを推奨します。クイック起動アイコンを作成する(Q)
: Windowsのタスクバーなどにアイコンを作成します。必要に応じてチェックを入れてください。
必要なタスクにチェックを入れたら、「次へ」をクリックします。
-
インストールの準備完了:
これまでに設定した内容(インストール先フォルダ、選択した機能など)が表示されます。内容を確認し、問題なければ「インストール」をクリックします。 -
インストールの実行:
インストールが開始されます。進捗バーが表示され、ファイルのコピーなどが行われます。完了するまでしばらく待ちます。通常は数分で完了します。 -
インストールの完了:
「セットアップウィザードは完了しました。」という画面が表示されれば、インストールは無事完了です。
「Tera Termを起動する(L)」にチェックが入っていると、「完了」ボタンをクリックした後にすぐにTera Termが起動します。すぐに使いたい場合はチェックを入れたまま、「完了」をクリックします。
おめでとうございます!これであなたのパソコンにTera Termがインストールされました。デスクトップにアイコンを作成した場合、Tera Termのアイコン(通常は「TT」と書かれた四角いアイコン)が表示されているはずです。
3.3 インストール後の確認
Tera Termが無事にインストールされたことを確認しましょう。
- デスクトップにアイコンを作成した場合は、そのアイコンがあるか確認。
- Windowsのスタートメニューを開き、「Tera Term」と検索するか、「T」の項目から「Tera Term」を探します。
見つかれば、インストールは成功です。
次の章では、いよいよTera Termを使って、実際にリモートのコンピュータに接続する方法を解説します。最も一般的で安全な方法である「SSH接続」について詳しく見ていきましょう。
第4章:いざ接続!SSH接続を徹底解説
Tera Termをインストールしたら、いよいよリモートのコンピュータに接続してみましょう。この記事では、現代のリモート接続の標準である「SSH(Secure Shell)」を使った接続方法を詳しく解説します。
4.1 SSH(Secure Shell)とは何か?なぜ使うのか?
SSHは、「Secure Shell」の略称で、ネットワークを通じてコンピューターと安全に通信するためのプロトコル(通信規約)です。SSHが登場する前は、Telnetというプロトコルがよく使われていましたが、Telnetは通信内容が一切暗号化されないため、ユーザー名やパスワード、実行したコマンドなどがネットワーク上を「丸見え」の状態で流れてしまうという非常に大きなセキュリティ上の問題がありました。悪意のある第三者がネットワーク上の通信を盗聴すれば、簡単に情報が漏洩してしまう危険があったのです。
SSHは、この問題を解決するために開発されました。SSHを使って接続すると、コンピュータ間の通信が強力な暗号化によって保護されます。これにより、ネットワーク上で通信内容が盗聴されても、その内容を解読することは非常に困難になります。
SSHを利用する主なメリットは以下の通りです。
- 通信の暗号化: データの盗聴や改ざんを防ぎます。ユーザー名、パスワード、コマンド、表示される結果など、すべてが暗号化されます。
- 安全な認証: パスワード認証だけでなく、より安全な公開鍵認証など、複数の認証方法をサポートしています。
- ポートフォワーディング: SSH接続を介して、他の安全でない通信を暗号化されたトンネルに通すことができます。
- ファイル転送: SCP (Secure Copy) や SFTP (SSH File Transfer Protocol) といった安全なファイル転送プロトコルを利用できます。
現代において、インターネット経由でサーバーなどのリモートコンピュータに接続する場合、SSHを使うことがセキュリティ上の必須要件となっています。特に重要な情報やシステムを扱う場合は、必ずSSHを利用しましょう。
Tera Termは、標準でこのSSH接続機能をサポートしており、簡単かつ安全にリモート接続を行うことができます。
4.2 接続に必要な情報
SSH接続を行うには、接続先のコンピューター(サーバーなど)に関する以下の情報が必要です。
-
ホスト名 または IPアドレス:
接続したいコンピュータを特定するための名前(例:example.com
)または数字のアドレス(例:192.168.1.100
、203.0.113.5
など)です。通常、サーバーを提供する側からこの情報が提供されます。自宅サーバーの場合は、ルーターの設定やサーバー自体の設定で確認できます。 -
ポート番号:
接続先のコンピュータ内で、どのサービス(SSHサービス)に接続するかを指定するための番号です。SSHの標準ポート番号は22
です。特に指定がない場合は22
を使用します。セキュリティ上の理由から、標準以外のポート番号を使用している場合もありますので、その場合は指定されたポート番号を使用します。 -
ユーザー名:
接続先のコンピュータにログインするためのユーザー名です。サーバーを提供する側から提供されるか、自分で設定したユーザー名を使用します。 -
認証方法(パスワード または 秘密鍵):
- パスワード認証: ユーザー名に対応するパスワードを入力して認証する方法です。手軽ですが、パスワードの強度に依存し、総当たり攻撃などのリスクがあります。
- 公開鍵認証: 事前に生成した鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を使用する方法です。公開鍵を接続先サーバーに登録しておき、接続時に秘密鍵を使って自分が正当なユーザーであることを証明します。パスワードがネットワーク上を流れないため、パスワード認証よりも安全性が高いとされます。
初心者の方はまずパスワード認証で接続することが多いですが、慣れてきたら公開鍵認証への移行を検討しましょう。(この記事ではまずパスワード認証を中心に解説し、公開鍵認証についても少し触れます。)
これらの情報が揃っているか確認してください。
4.3 Tera TermでSSH接続する手順
Tera Termを起動し、接続に必要な情報を入力してSSH接続を確立する手順です。
-
Tera Termを起動する:
インストールが完了していれば、デスクトップのアイコンをダブルクリックするか、スタートメニューから「Tera Term」を選択して起動します。 -
新しい接続ダイアログ:
Tera Termを起動すると、通常は最初に「新しい接続」ダイアログが表示されます。-
【接続(H):】
ここに、接続したいリモートコンピュータの「ホスト名」または「IPアドレス」を入力します。
例:example.com
または192.168.1.100
-
【TCPポート(T):】
SSHのポート番号を入力します。特別な指定がなければ22
と入力します。 -
【サービス(S):】
接続に使用するプロトコルを選択します。「SSH」を選択します。デフォルトで「SSH」になっていることが多いです。
(Telnet、Serial、Otherも選択できますが、SSHを選びます) -
【Setup file…】
これは後述する設定ファイルに関するものなので、ここでは使いません。 -
【OK】ボタンの下のチェックボックス「設定を保存して終了する」:
ここにチェックを入れると、今回入力した接続先情報や、その後の認証方法などの設定が、Tera Termのデフォルト設定として保存されます。次回起動時も同じ接続先が候補として表示されるようになります。同じサーバーに繰り返し接続する場合はチェックを入れておくと便利です。ただし、複数のサーバーに接続する場合は、後述する個別の設定ファイルとして保存する方が管理しやすいかもしれません。まずはチェックを入れずに進めても構いません。
-
-
情報を入力して接続開始:
ホスト名/IPアドレス、ポート番号、サービス(SSH)を入力・選択したら、「OK」ボタンをクリックします。 -
SSH認証画面へ進む(またはホストキーの警告):
「OK」をクリックすると、ネットワーク経由で指定したホストに接続を試みます。接続に成功すると、次のステップに進みます。しかし、多くの場合はまず「ホストキー」に関する確認画面が表示されます。
4.4 ホストキーの確認(非常に重要!)
Tera Termが初めて接続するホストに接続しようとする場合、または過去に接続したことのあるホストのホストキーが変更されている場合、「SSH Hosy Key Unknown」または「SSH Host Key Changed」といった警告ダイアログが表示されます。これは、セキュリティ上非常に重要なステップです。
【SSH Host Key Unknown – 未知のホストキー】
初めて接続するホストに対して表示されます。
ダイアログには以下の情報が表示されます。
- 接続先のホスト名/IPアドレスとポート番号
- ホストキーの種類(例: RSA2, ECDSAなど)
- ホストキーのフィンガープリント(fingerprint)
ホストキーのフィンガープリントとは?
ホストキーは、接続先のサーバーが持つ「身分証明書」のようなものです。サーバーごとに固有のキーを持っており、フィンガープリントはそのホストキーを短く要約したものです。このフィンガープリントを確認することで、あなたが接続しようとしているサーバーが、本当に意図したサーバーであるかを確認できます。
なぜ確認が必要?
もし悪意のある第三者があなたの接続先に成りすましていた場合、偽のサーバーが独自のホストキーを提示してきます。あなたがその偽のホストキーを何も確認せずに信頼してしまうと、その後の通信が成りすまし相手との間で行われ、入力したパスワードなどが盗聴されてしまう可能性があります。これを「中間者攻撃(Man-in-the-Middle Attack: MITM攻撃)」と呼びます。
確認方法:
最も安全なのは、接続先のサーバー管理者に、そのサーバーのSSHホストキーのフィンガープリントを確認することです。サーバー側でssh-keygen -E md5 -lf /etc/ssh/ssh_host_rsa_key.pub
のようなコマンドを実行してもらうなどして、表示されたフィンガープリントと、Tera Termのダイアログに表示されているフィンガープリントが一致するかを目視で確認します。
ダイアログの選択肢:
- Add this host and its key to the known hosts list:
表示されているホストキーを信頼し、今後このホスト名/IPアドレスに対してこのホストキーを「正しいもの」として記録(保存)します。次回以降、同じホストキーであればこの警告は表示されなくなります。フィンガープリントが確認でき、このサーバーへの接続が安全だと確信できる場合は、このボタンをクリックします。ホストキーの情報は、通常%USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
というファイルに保存されます。 - Do not add this host and its key to the known hosts list:
表示されているホストキーを信頼しないが、今回の接続だけはホストキーの確認をスキップして続行します。これは非常に危険なので、通常はこのボタンをクリックしないでください。 セキュリティ上のリスクを冒すことになります。 - Cancel:
接続を中止します。ホストキーの確認ができない、あるいは疑わしい場合は、一度接続をキャンセルして状況を確認するのが賢明です。
初心者の方へ:
初めて自宅や信頼できる環境内のサーバーに接続する場合で、他の方法での確認が難しい場合、多くの方はフィンガープリントの確認を省略して「Add this host and its key to the known hosts list」を選択してしまうのが実情かもしれません。しかし、本番環境や不特定多数が利用するネットワークから接続する場合は、必ずフィンガープリントを確認するという習慣をつけましょう。安全な接続の基本です。
【SSH Host Key Changed – ホストキーが変更されました】
過去に接続したことのあるホストのホストキーが、前回接続時から変更されている場合に表示されます。
これも非常に重要な警告です。ホストキーが変更される正当な理由としては、サーバーのOSの再インストール、サーバーの入れ替え、SSHサーバーソフトウェアの再設定などが考えられます。しかし、悪意のある第三者があなたの接続先に成りすまそうとしている場合も、ホストキーは変更されているように見えます。
ダイアログには、新しいホストキーのフィンガープリントと、過去に記録されている(変更前の)ホストキーのフィンガープリントが表示されます。「新しいキーのフィンガープリント」と「登録済みのキーのフィンガープリント」が異なっていることを示します。
確認方法:
これも同様に、接続先のサーバー管理者に、現在のサーバーのSSHホストキーのフィンガープリントを確認してもらい、それがTera Termに表示されている「新しいキーのフィンガープリント」と一致するかを綿密に確認します。
ダイアログの選択肢:
- Update this host’s key:
表示されている新しいホストキーを信頼し、known_hostsファイルに記録されている古いホストキーを上書きします。サーバー側の正当な理由でホストキーが変更されたことが確認できた場合に選択します。 - Remove this host’s key:
known_hostsファイルから、このホストに関するホストキーの記録を完全に削除します。次回接続時には「SSH Host Key Unknown」として扱われます。ホストキーの変更理由が不明で、一旦記録をリセットしたい場合に選択します。 - Do not update this host’s key:
表示されている新しいホストキーを信頼せず、記録も更新せずに今回の接続だけ続行します。これも非常に危険なので、通常は選択しないでください。 - Cancel:
接続を中止します。ホストキーの変更理由が不明な場合や疑わしい場合は、必ず接続をキャンセルして確認を行いましょう。
ホストキーの確認は、SSH接続の安全性を保つための第一歩です。面倒に感じても、その重要性を理解して適切に対応することが大切です。
ホストキーを「Add…」または「Update…」して信頼することを選択すると、次に進みます。
4.5 認証情報の入力
ホストキーの確認が終わると、接続先のサーバーにログインするための認証情報の入力を求められます。「SSH Authenticaiton」ダイアログが表示されます。
-
ユーザー名(U):
接続先のサーバーにログインするためのユーザー名を入力します。 -
パスフレーズ/パスワード(P):
パスワード認証の場合、ここにユーザー名に対応するパスワードを入力します。入力しても画面には*
などの文字は表示されず、カーソルが動かないのが一般的です。これは、入力文字数からパスワードの長さを推測されないようにするためです。落ち着いて正確に入力してください。 -
パスワードを保存する(S):
パスワードをTera Termの設定ファイルに保存するかどうかのチェックボックスです。セキュリティ上のリスクがあるため、公共の場所にあるPCや、他の人と共有するPCでは絶対にチェックを入れないでください。 自宅など、完全に個人で管理しているPCで、入力の手間を省きたい場合に限り検討できますが、それでもパスワードが平文ではないにしてもファイルに保存されることになるため、取り扱いには十分注意が必要です。基本的にはチェックを入れないことを推奨します。 -
秘密鍵(K):
公開鍵認証を使用する場合に、ローカルPCにある秘密鍵ファイルを指定します。「…」ボタンをクリックして、秘密鍵ファイル(例:id_rsa
や.pem
ファイルなど)を選択します。公開鍵認証の場合は、パスワードではなく、秘密鍵に対応するパスフレーズ(秘密鍵ファイル自体に設定されているパスワード)の入力を求められることがあります。 -
認証方法(A):
サーバーが許可している認証方法が表示されます。通常はpassword
やpublickey
などがリストアップされます。複数の方法が可能な場合、上から順に試行されます。デフォルトのままで問題ありません。 -
Use Pageant:
PuTTYgenで生成した鍵を管理するエージェントであるPageantを使用するかどうかのチェックボックスです。Pageantに秘密鍵を登録している場合は、チェックを入れることで秘密鍵のパスフレーズ入力を省略できることがあります。初心者の方は通常使いません。 -
認証を続ける(C):
チェックを入れると、認証に失敗した場合でも、ユーザー名とパスワードを再入力して認証を再試行できます。
必要な情報を入力したら、「OK」ボタンをクリックします。
4.6 接続成功!ターミナル画面へ
入力したユーザー名とパスワード(または秘密鍵)が正しければ、サーバーは認証を許可し、SSH接続が確立されます。
Tera Termのウィンドウが開き、接続先のサーバーのコマンドプロンプトが表示されます。
bash
Last login: Mon Oct 26 10:00:00 2023 from xxx.xxx.xxx.xxx
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ _
このような表示(サーバーやOSによって異なります)が見えれば、無事に接続成功です!カーソルが点滅している場所に、これからサーバーに実行させたいコマンドを入力できるようになります。
もし接続に失敗した場合、「SSH authentication failed.」といったエラーメッセージが表示されたり、元の「新しい接続」ダイアログに戻ってしまったりします。その場合は、入力したホスト名/IPアドレス、ポート番号、ユーザー名、パスワードなどが間違っていないか再度確認し、再試行してください。よくあるトラブルについては、後述の章で解説します。
これで、あなたのWindows PCからリモートのLinuxサーバーなどに安全に接続できる扉が開かれました。次の章では、接続後の基本的な画面操作と、いくつかの簡単なコマンド入力に挑戦してみましょう。
第5章:接続後の基本操作とコマンド入力
Tera Termを使ってリモートのコンピュータに接続できたら、次は実際に操作してみましょう。この章では、Tera Termのウィンドウでの基本的な操作方法と、CLI(コマンドラインインターフェース)でのコマンド入力の基本を解説します。
5.1 Tera Termのウィンドウ構成
SSH接続が成功すると、Tera Termのメインウィンドウが表示されます。このウィンドウは、リモートのコンピュータ(サーバー)との間で文字情報をやり取りするためのものです。
-
ウィンドウ上部(タイトルバー):
接続先の情報(ホスト名やIPアドレス)、ウィンドウサイズなどが表示されます。
例:ホスト名/IPアドレス:22 SSH:ホスト名/IPアドレス
-
メニューバー:
「ファイル(F)」「編集(E)」「設定(S)」「ヘルプ(H)」などのメニューがあります。ここから各種設定変更や機能の実行を行います。 -
表示領域:
リモートコンピュータからの出力が表示され、あなたが入力したコマンドが表示されるメインの部分です。コマンドプロンプト(例:[ユーザー名@サーバー名 ~]$
)が表示され、カーソルが点滅しています。 -
スクロールバー:
表示領域に収まらない長い出力が表示された場合、スクロールバーを使って過去の内容を見ることができます。
5.2 基本的な操作
Tera Termのウィンドウ上での基本的な操作をいくつか紹介します。
-
コマンド入力:
コマンドプロンプトが表示されている箇所に、キーボードからコマンドを入力します。入力した文字が画面に表示されます(パスワード入力時などを除く)。 -
コマンドの実行:
コマンドを入力し終えたら、Enter
キーを押します。入力したコマンドがリモートコンピュータに送信され、実行されます。実行結果は同じウィンドウに表示されます。 -
カーソルの移動:
入力中のコマンドライン上で、←
、→
キーを使ってカーソルを移動させ、入力ミスを修正したり、コマンドを編集したりできます。Home
キーで先頭、End
キーで末尾に移動できます。 -
コマンド履歴:
過去に入力したコマンドは履歴として保存されます。↑
キーを押すと一つ前のコマンド、↓
キーを押すと一つ新しいコマンドが表示されます。繰り返して押すことで、目的のコマンドを探して再実行できます。 -
コピー&ペースト:
Tera Termでのコピー&ペーストは、一般的なWindowsアプリケーションとは少し操作が異なる場合があります。- コピー: 画面上のテキストをマウスでドラッグして選択します。テキストを選択しただけで、その内容が自動的にコピーされます(設定による)。または、選択後に「編集(E)」メニューから「コピー(C)」を選択します。
- ペースト: ペーストしたい場所(多くの場合、コマンドプロンプト)で、マウスの右クリックを押します。これで、コピーした内容がペーストされます(設定による)。または、「編集(E)」メニューから「貼り付け(P)」を選択します。
Ctrl+CやCtrl+Vは、リモート側のアプリケーションやシェルによっては別の意味を持つ場合がある(例: Ctrl+Cで実行中のコマンドを中断)ため、Tera Term上でのコピー&ペーストにはマウス操作やメニューを使うのが一般的です。
-
ウィンドウのリサイズ:
ウィンドウの端をマウスでドラッグすることで、ウィンドウサイズを変更できます。サイズを変更すると、通常、リモート側にもその情報が伝わり、表示領域の行数・桁数が適切に調整されます。 -
接続の切断:
リモートセッションを終了するには、以下の方法があります。- コマンドプロンプトで
exit
またはlogout
と入力してEnter
キーを押す。これが最も正式な終了方法です。 - Tera Termのウィンドウ右上にある閉じるボタン(×ボタン)をクリックする。確認ダイアログが表示されることがあります。「はい」を選択すると接続が閉じられます。
- 「ファイル(F)」メニューから「切断(D)」を選択する。
- コマンドプロンプトで
5.3 コマンドラインの基本(Linux/Unixの場合)
SSHで接続するリモートコンピュータは、LinuxやUnix系のOSであることが非常に多いです。ここでは、Linux/Unix環境でよく使う基本的なコマンドをいくつか紹介します。
-
現在のディレクトリを表示:
pwd
pwd
(print working directory) コマンドは、現在自分がファイルシステムのどこにいるか(現在の作業ディレクトリ)を表示します。
例:
bash
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ pwd
/home/ユーザー名
~
は、ログインしたユーザーのホームディレクトリを示します。 -
ディレクトリの内容一覧を表示:
ls
ls
(list) コマンドは、現在のディレクトリにあるファイルやフォルダ(ディレクトリ)の一覧を表示します。
例:
bash
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ ls
Desktop Documents Downloads Music Pictures Public Templates Videos
オプションを付けると、詳細な情報を表示できます。
例:ls -l
(詳細表示),ls -a
(隠しファイルも表示),ls -la
(詳細表示かつ隠しファイルも表示) -
ディレクトリを移動する:
cd
cd
(change directory) コマンドは、現在の作業ディレクトリを移動します。
例:
bash
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ cd Documents
[ユーザー名@サーバー名 Documents]$ pwd
/home/ユーザー名/Documents
[ユーザー名@サーバー名 Documents]$ cd .. # 一つ上のディレクトリに戻る
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ pwd
/home/ユーザー名
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ cd / # ファイルシステムのルートディレクトリに移動
[ユーザー名@サーバー名 /]$ pwd
/ -
自分は誰?:
whoami
whoami
コマンドは、現在ログインしているユーザー名を表示します。
例:
bash
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ whoami
ユーザー名 -
システム情報の表示:
uname
uname
コマンドは、OSの種類などのシステム情報を表示します。
例:uname -a
(詳細な情報を表示) -
実行中のプロセスを表示:
ps
ps
コマンドは、現在実行されているプロセス(プログラム)の一覧を表示します。
例:ps aux
(全てのユーザーの全プロセスを詳細に表示。よく使われます) -
コマンドのヘルプを表示:
man
man
(manual) コマンドは、指定したコマンドのマニュアルページを表示します。使い方が分からなくなったときに非常に役立ちます。終了するにはq
キーを押します。
例:
bash
[ユーザー名@サーバー名 ~]$ man ls -
画面をクリア:
clear
clear
コマンドは、ターミナル画面に表示されている内容を消去し、プロンプトを一番上に移動させます。
これらのコマンドは、CLI操作のほんの基本的な部分ですが、これだけでもサーバーの状態を確認したり、ファイルシステムを移動したりといった作業が可能になります。CLIに慣れるには、実際にコマンドをたくさん入力してみることが一番です。
5.4 コマンド入力時のヒント
- タブ補完: コマンド名やファイル名の途中まで入力し、
Tab
キーを押すと、続きを自動で補完してくれます。候補が複数ある場合は、もう一度Tab
キーを押すと候補一覧が表示されます。これはCLI操作の効率を大幅に上げるテクニックです。 - Ctrl+C: 多くの実行中のコマンドは、
Ctrl
キーを押しながらC
キーを押すことで強制的に中断させることができます。 - Ctrl+D: コマンド入力を終了したり、シェル(コマンドを入力するためのプログラム)を終了したりするのに使われます。
exit
コマンドと同じように、セッションを終了させることもあります。 - Ctrl+L: 画面をクリアするショートカットキーです(
clear
コマンドと同じ)。
Tera Termを使った基本的なリモート操作は、このコマンド入力と実行の繰り返しです。最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで徐々に慣れていきます。
次の章では、より快適にTera Termを使うための基本的な設定方法を見ていきます。
第6章:Tera Termの基本的な設定(より快適に使うために)
Tera Termは非常にカスタマイズ性が高く、自分の好みに合わせて様々な設定を変更できます。ここでは、特に初心者の方におすすめの、快適に使うための基本的な設定方法をいくつか紹介します。
設定は、Tera Termのメニューバーの「設定(S)」から行います。設定変更後、その設定を次回以降も有効にするためには、「設定の保存」が必要です。
6.1 フォントと文字コードの設定
ターミナル画面の文字の見え方、特に日本語の表示に影響する重要な設定です。
- メニューバーから「設定(S)」→「フォント(F)…」を選択します。
-
「フォント設定」ダイアログが表示されます。
- フォント(N): 表示に使用するフォントを選択します。ターミナル表示には、「等幅フォント」(文字の幅がすべて同じフォント)が適しています。Windowsに標準で入っているものでは、「MS ゴシック」、「MS 明朝」、「Consolas」、「Courier New」などがあります。プログラミングなどでよく使われる「Source Han Code JP」、「Ricty Diminished」などもおすすめです。
- サイズ(S): フォントサイズをピクセル単位で指定します。好みに合わせて見やすい大きさに調整してください。
- 文字セット(T): 日本語を使用する場合は、「SHIFT_JIS」または「UTF-8」を選択します。リモート接続先のサーバーの文字コード設定に合わせるのが基本ですが、現代のサーバーではUTF-8が主流です。迷ったらまずUTF-8を試してみてください。日本語が文字化けする場合は、サーバー側の設定と合っていない可能性が高いです。
- スタイル: 太字や斜体を設定できます。
-
設定後、「OK」をクリックします。すぐに画面に反映されます。
6.2 ターミナルサイズと表示行数の設定
Tera Termのウィンドウサイズや、それに合わせてリモート側に通知するターミナルの論理的なサイズ(桁数と行数)を設定します。
- メニューバーから「設定(S)」→「端末(T)…」を選択します。
-
「端末設定」ダイアログが表示されます。
- サイズ(S):
桁(C):
:1行に表示できる文字数(半角換算)行(R):
:画面に表示できる行数
これらの値を変更すると、ウィンドウの物理的なサイズも連動して変わることがあります。また、リモート側のシェルやアプリケーションは、このサイズ情報に基づいて表示を調整します。
- 履歴バッファサイズ(B):
画面に表示しきれない内容を遡って見られる「スクロールバックバッファ」の行数を設定します。ここに指定した行数だけ、過去の表示内容を記憶しておけます。デフォルトは2000行ですが、必要に応じて増やしても構いません(メモリを消費します)。 - ローカルエコー(L):
自分が入力した文字をローカルのTera Term側で表示するかどうかの設定です。通常、SSH接続ではリモート側が入力文字を返してくるため、ここはチェックを外したまま(オフ)にしてください。チェックを入れると文字が二重に表示されることがあります。 - 改行コード(N):
送信時と受信時の改行コードを設定します。通常はデフォルトのままで問題ありません。
- サイズ(S):
-
設定後、「OK」をクリックします。
6.3 ウィンドウの色や外観の設定
ウィンドウの背景色や文字色、カーソルの色などを変更して、見やすくしたり、好みのテーマにしたりできます。
- メニューバーから「設定(S)」→「ウィンドウ(W)…」を選択します。
-
「ウィンドウ設定」ダイアログが表示されます。
- タイトルバー(T): ウィンドウのタイトルバーに表示する内容を設定します。デフォルトで接続情報が表示されるようになっています。
- 背景色/文字色: 「テキスト(T)」「背景(G)」「選択テキスト(E)」「選択背景(B)」「カーソル(C)」の色を設定できます。クリックすると色の選択ダイアログが表示されます。目に優しい色や、コードが区別しやすい色を選ぶと良いでしょう。
- その他の設定: スクロールバーの表示や、ウィンドウのアクティブ・非アクティブ時の色の設定などがあります。
-
設定後、「OK」をクリックします。
6.4 ログ(セッションの記録)の設定
接続中の操作内容やサーバーからの出力をテキストファイルとして記録する機能です。トラブル発生時の状況確認や、過去の作業内容の振り返りに非常に役立ちます。
- メニューバーから「設定(S)」→「その他の設定(A)…」を選択します。
- 「その他の設定」ダイアログが表示されます。左側のツリービューから「ログ」を選択します。
-
ログ設定画面が表示されます。
- ログファイル:
ファイル名(N):
:保存するログファイルのパスとファイル名を指定します。ファイル名には、接続先ホスト名や日付、時刻といった情報を含めるための特殊な変数(例:%h
でホスト名、%Y
で年、%m
で月、%d
で日、%H
で時間、%M
で分、%S
で秒)を使用できます。例えば、%h_%Y%m%d_%H%M%S.log
と設定すると、「接続先ホスト名_年月日_時分秒.log」のようなファイル名で保存されます。これは非常に便利なのでおすすめです。保存先フォルダ:
:「ファイル名」で指定したパスが絶対パスでない場合(ファイル名だけの場合など)、ログファイルを保存するフォルダを指定します。「…」ボタンでフォルダを選択できます。
- 自動ログ開始(A):
Tera Termで接続を開始したときに、自動的にログ記録を開始するかどうかの設定です。常にログを取りたい場合はここにチェックを入れます。 - その他:
既存ファイルへの追記/上書き設定
、バイナリログの記録
、入力したパスワードをログに残さない
などの設定があります。「入力したパスワードをログに残さない」には通常チェックを入れておくべきです。
- ログファイル:
-
設定後、「OK」をクリックします。
ログ設定は、特にサーバー操作に慣れていないうちは、自動ログ開始を有効にしておくことを強く推奨します。何か問題が発生した場合でも、どういう操作をして、どういうエラーが出たかを正確に振り返ることができます。
6.5 設定の保存
重要: ここまでで変更した設定は、この時点ではまだ一時的なもので、Tera Termを終了するとリセットされてしまいます。次回以降も同じ設定を使いたい場合は、設定を保存する必要があります。
- メニューバーから「設定(S)」→「設定の保存(S)…」を選択します。
- 「設定の保存」ダイアログが表示されます。
- 通常、Tera Termのメイン設定ファイルである
TERATERM.INI
に保存します。ファイルの場所はTera Termのインストールフォルダ(例:C:\Program Files (x86)\teraterm
)内が一般的です。 - ファイル名が
TERATERM.INI
になっていることを確認し、「保存(S)」をクリックします。
- 通常、Tera Termのメイン設定ファイルである
これにより、次回Tera Termを起動したときから、今回設定した内容が適用されます。
補足:接続先ごとの設定保存
特定の接続先(特定のサーバーなど)に対してだけ、異なる設定(例: フォントサイズ、ウィンドウ色、自動ログインユーザー名など)を使いたい場合があります。その場合は、以下の手順で接続先固有の設定ファイルを作成できます。
- 該当の接続先でTera Termに接続します。
- 接続した状態で、その接続先で使用したい設定(フォント、ウィンドウサイズ、ログ設定など)に変更します。
- メニューバーから「設定(S)」→「設定の保存(S)…」を選択します。
- 保存ダイアログが表示されたら、ファイル名を
TERATERM.INI
ではなく、例えば接続先ホスト名に.ini
を付けた名前(例:my-server.ini
や192.168.1.100.ini
)として、Tera Termのインストールフォルダ内に保存します。 - 次回以降、この接続先の設定で起動したい場合は、Tera Term起動時に表示される「新しい接続」ダイアログの下にある「Setup file…」ボタンをクリックし、保存した
.ini
ファイルを指定して接続します。または、ショートカットを作成する際にコマンドラインオプションで.ini
ファイルを指定することも可能です。
まずはTERATERM.INI
にデフォルト設定を保存することを覚えましょう。
これで、Tera Termをより使いやすくするための基本的な設定方法をマスターしました。自分の好みに合わせてカスタマイズし、快適なターミナル環境を構築してください。
次の章では、Tera Termを使う上で遭遇しやすい、いくつかの一般的なトラブルとその対処法について解説します。
第7章:よくあるトラブルと対処法
Tera TermやSSH接続は非常に便利なツールですが、初心者の方にとっては予期せぬエラーに遭遇することもあるでしょう。ここでは、Tera Termを使った接続でよくあるトラブルとその原因、そして対処法を解説します。
7.1 接続できない(Connection refused, Connection timed outなど)
これは最もよくあるトラブルです。Tera Termで接続しようとしたときに「Connection refused」「Connection timed out」「Network error」といったエラーメッセージが表示される場合の原因と対処法です。
考えられる原因と対処法:
-
接続先のホスト名またはIPアドレスが間違っている:
- 入力したホスト名(例:
example.com
)やIPアドレス(例:192.168.1.100
)が、接続したいサーバーのものであるか、正確に確認してください。 - ホスト名で接続できない場合は、代わりにIPアドレスで試してみてください。IPアドレスで接続できるがホスト名でできない場合は、DNS(Domain Name System)の名前解決に問題がある可能性があります。
- 入力したホスト名(例:
-
ポート番号が間違っている:
- SSHの標準ポートは
22
ですが、サーバー側でセキュリティのためにポート番号を変更している場合があります。指定された正しいポート番号(例:10022
など)を使用しているか確認してください。
- SSHの標準ポートは
-
接続先のサーバーが起動していない、またはSSHサービスが停止している:
- 接続先のサーバー自体が物理的に電源が入っていない、OSが起動していない、あるいはサーバー上でSSHサービス(Linuxならsshdなど)が動いていない可能性があります。サーバー管理者に状態を確認してください。自分で管理しているサーバーなら、サーバーの状況を確認し、必要であれば起動やSSHサービスの再起動を行います。
-
ファイアウォールによって通信がブロックされている:
- あなたのPC側のファイアウォール: Windowsファイアウォールなどが、Tera Termからの外部へのSSH通信(通常ポート22)をブロックしている可能性があります。ファイアウォールの設定を確認し、Tera Termやポート22を使った通信を許可してください。
- ネットワークの途中にあるファイアウォール: 会社のネットワークやクラウド環境など、あなたとサーバーの間にファイアウォール機器が存在し、SSHポートへの通信が許可されていない可能性があります。ネットワーク管理者またはサーバー管理者に問い合わせてください。
- 接続先サーバー側のファイアウォール: 接続先のサーバー自身に設定されているファイアウォール(Linuxならfirewalldやiptables/nftablesなど)が、あなたのIPアドレスからのSSH接続を拒否している可能性があります。サーバー管理者に問い合わせてください。
-
ネットワーク経路に問題がある:
- あなたのPCから接続先のサーバーまでのネットワーク経路に障害が発生している可能性があります。Pingコマンドなどで疎通確認をしてみるのも有効です。
ping 接続先ホスト名またはIPアドレス
- あなたのPCから接続先のサーバーまでのネットワーク経路に障害が発生している可能性があります。Pingコマンドなどで疎通確認をしてみるのも有効です。
-
(Connection timed outの場合)接続は試みたが、応答がない:
- これはファイアウォールで通信が完全にブロックされているか、サーバーが高負荷で応答できない、またはネットワーク遅延が大きすぎるといった状況で発生しやすいです。
対処法のまとめ:
- 入力情報を再確認(ホスト名/IP、ポート)。
- サーバーが正常に動作しているか確認。
- 関係する全てのファイアウォール設定を確認・見直し。
- ネットワーク管理者やサーバー管理者に相談。
7.2 認証に失敗する(Authentication failed)
ホストへの接続はできたものの、ログインするためのユーザー名やパスワードが受け付けられない場合です。
考えられる原因と対処法:
-
ユーザー名が間違っている:
- 入力したユーザー名が、接続先サーバーに登録されているユーザー名と完全に一致しているか確認してください(大文字/小文字も区別されます)。
-
パスワードが間違っている:
- 最も多い原因です。入力したパスワードが、ユーザー名に対応するパスワードと一致しているか、注意深く確認して再度入力してください。パスワード入力時は文字が表示されないため、特に注意が必要です。Caps LockやNum Lockが意図せずオンになっていないかも確認しましょう。
- パスワードに特殊文字が含まれている場合、入力方法に注意が必要な場合がありますが、Tera Termでは基本的にそのまま入力できます。
-
パスワード認証が無効になっている:
- サーバー側でパスワード認証が無効にされ、公開鍵認証のみが許可されている場合があります。サーバー管理者に認証方法を確認してください。
-
公開鍵認証で秘密鍵やパスフレーズが間違っている/設定が正しくない:
- 指定した秘密鍵ファイルが正しいか確認してください。
- 秘密鍵ファイルに対応するパスフレーズを入力する必要がある場合、そのパスフレーズが正しいか確認してください。
- サーバー側にあなたの公開鍵が正しく登録されているか確認してください(通常、サーバー側のユーザーのホームディレクトリにある
.ssh/authorized_keys
ファイルに登録されています)。 - 秘密鍵ファイルのパーミッション(アクセス権)が厳密に設定されていないと、認証に失敗することがあります(特にLinux上のファイル)。Tera Termで秘密鍵ファイルを指定する場合は、そのファイルが読める権限があれば大丈夫ですが、サーバー側で公開鍵認証を設定する際にはパーミッションに注意が必要です。
-
ユーザーアカウントがロックされている、または期限切れになっている:
- ログインを何度も失敗した場合や、一定期間利用がなかった場合に、サーバー側でユーザーアカウントが一時的または永続的にロックされている可能性があります。サーバー管理者に確認してください。
対処法のまとめ:
- ユーザー名とパスワードを正確に再入力(Caps Lock等に注意)。
- サーバー側の認証方法(パスワードか公開鍵か)を確認。
- 公開鍵認証の場合は、秘密鍵ファイル、パスフレーズ、サーバー側の公開鍵登録状況を確認。
- サーバー管理者にアカウントの状態を確認。
7.3 文字化けが発生する
接続はできるものの、日本語や一部の記号などが正しく表示されず、意味不明な文字列(いわゆる「文字化け」)が表示される場合です。
考えられる原因と対処法:
-
Tera Termの文字コード設定と、サーバー側の文字コード設定が一致していない:
- これが文字化けの最も一般的な原因です。
- Tera Termのメニューから「設定(S)」→「端末(T)…」を選択します。「端末設定」ダイアログで、「文字セット(T):」と「受信(R):」の項目を確認します。
- 接続先のサーバーで使用されている文字コード(エンコーディング)に合わせる必要があります。現代の多くのLinuxサーバーではUTF-8が使用されています。Tera Term側も「文字セット: UTF-8」、「受信: UTF-8」に設定してみてください。
- サーバー側の文字コードが不明な場合は、サーバーにログインできた別の手段(例えばサーバーのコンソール画面など)で
echo $LANG
またはlocale
コマンドを実行して確認できます。 - もし古いシステムなどでEUC-JPやShift_JISが使われている場合は、そちらに合わせてください。
-
Tera Termのフォントが、表示しようとしている文字セットに対応していない:
- 選択しているフォントが、日本語を含む指定した文字セットの文字(特に漢字など)を正しく表示できない場合があります。日本語フォントがインストールされているか、または「MS ゴシック」「メイリオ」「游ゴシック」といった日本語表示が可能なフォントを選択しているか確認してください。等幅フォントであることも重要です。
対処法のまとめ:
- Tera Termの「設定(S)」→「端末(T)」で、文字セット(特に受信)をサーバー側の設定(多くはUTF-8)に合わせる。
- 使用しているフォントが日本語(指定した文字セット)に対応しているか確認。
7.4 ホストキーの警告が毎回表示される
前述の「ホストキーの確認」ダイアログが、同じサーバーに接続するたびに表示されてしまう場合です。
考えられる原因と対処法:
-
「Add this host and its key to the known hosts list」を選択せずに接続を続行している:
- 警告ダイアログが表示された際に、「Do not add this host…」を選択して接続した場合、ホストキーはknown_hostsファイルに記録されません。そのため、次回接続時も「未知のホスト」として扱われ、警告が表示されます。
- 対処法: 意図したサーバーであることを確認できたら、次回接続時に警告ダイアログが表示された際に「Add this host and its key to the known hosts list」をクリックしてホストキーを登録してください。
-
known_hostsファイルを保存する権限がない、またはファイルが壊れている:
- Tera Termがknown_hostsファイル(通常
%USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
)にホストキーを書き込む権限がない場合、保存に失敗し、毎回警告が表示されます。 - 対処法: known_hostsファイルとその親フォルダ(通常
.ssh
)のアクセス権限を確認し、Tera Termを実行しているユーザーが書き込み可能であることを確認してください。ファイル自体が破損している可能性もあります。もし心配なければ、known_hosts
ファイルを一旦削除またはリネームして、Tera Termに新しくファイルを作成させてみるのも手です。
- Tera Termがknown_hostsファイル(通常
-
毎回異なるIPアドレスで接続しているが、ホスト名が同じ、またはその逆:
- 例えば、動的にIPアドレスが変わるサーバーにホスト名で接続している場合など、ホストキーはIPアドレスとホスト名の組み合わせで管理されるため、異なるエントリとして扱われる可能性があります。
-
ポータブル版のTera Termなど、設定が保存されない環境で実行している:
- インストーラーを使わず、単にzipファイルを展開して実行している場合、設定やknown_hostsファイルが正しく保存されない設定になっている可能性があります。
対処法のまとめ:
- ホストキー警告ダイアログで正しく「Add this host…」を選択しているか確認。
- known_hostsファイル(
.ssh
フォルダ内)のアクセス権限を確認。 - 接続方法(IPアドレスかホスト名か)が一貫しているか確認。
7.5 コピー&ペーストができない/うまくいかない
Tera Term上でマウスやショートカットキーを使ったコピー&ペーストがうまく動作しない場合です。
考えられる原因と対処法:
-
Tera Termのコピー&ペースト設定がデフォルトから変更されている:
- Tera Termはデフォルトで「マウスでの範囲選択で自動コピー」「右クリックで貼り付け」という設定になっています。これが変更されているかもしれません。
- 対処法: メニューから「設定(S)」→「その他の設定(A)…」を選択し、左側ツリーで「コピーと貼り付け」を選択します。ここで、「マウスで範囲選択した文字列をクリップボードへコピーする(S)」にチェックが入っているか、「右クリックで貼り付け(R)」にチェックが入っているか確認してください。必要に応じてチェックを入れ直します。
-
Windowsのクリップボードに問題が発生している:
- ごく稀に、Windowsのクリップボード自体が一時的に不安定になっていることがあります。
- 対処法: 他のアプリケーション(メモ帳など)でコピー&ペーストができるか確認してみてください。他のアプリでもできない場合はWindows側の問題です。PCを再起動すると解決することが多いです。
-
リモート側のアプリケーションがコピー&ペースト操作を妨害している:
- 一部の特殊なリモートアプリケーション(フルスクリーンで動作するものや、独自のキーバインドを持つもの)では、Tera Termのコピー&ペースト操作(特にショートカットキー)が意図した通りに動作しないことがあります。
- 対処法: マウスでの選択&右クリック貼り付けを試してみてください。それでもうまくいかない場合は、リモートアプリケーション側の操作方法を確認する必要があります。
-
Ctrl+C/Ctrl+VをWindows標準のコピー&ペーストとして使おうとしている:
- 前述の通り、Ctrl+Cはリモート側で「中断」の意味を持つことが一般的です。Ctrl+Vも別の機能に割り当てられている場合があります。
- 対処法: Tera Term上でのコピー&ペーストは、マウス操作(範囲選択と右クリック)またはメニュー(編集(E)→コピー/貼り付け)を使うのが基本です。
対処法のまとめ:
- Tera Termの「コピーと貼り付け」設定を確認。
- マウスでの範囲選択&右クリック貼り付けを試す。
- 他のアプリケーションでコピー&ペーストができるか確認し、必要ならPC再起動。
- Ctrl+C/Ctrl+Vはターミナルでは別の意味を持つことが多いと理解する。
これらのトラブルシューティングの知識があれば、Tera Termをよりスムーズに利用できるようになるはずです。問題が発生しても慌てず、一つずつ原因を切り分けて対処していきましょう。
第8章:Tera Termの応用的な使い方(入門編として少しだけ)
Tera TermはSSH接続や基本的なターミナル操作以外にも、便利な機能をいくつか持っています。初心者向けの記事ではありますが、知っておくと便利な応用機能について、簡単に触れておきます。
8.1 ファイル転送(SCP, SFTP)
Tera Termには、SSH接続を介してファイルを安全に転送するための機能が組み込まれています。主にSCPとSFTPというプロトコルを使用します。
- SCP (Secure Copy): SSHの認証を利用してファイルをコピーするシンプルな方法です。コマンドラインの
scp
コマンドと似ていますが、Tera Termの機能としても利用できます。 - SFTP (SSH File Transfer Protocol): SSH上で動作するファイル転送プロトコルで、FTPに似た操作感でファイルやフォルダの操作(一覧表示、作成、削除など)が可能です。
Tera Termでのファイル転送の始め方:
- SSHでリモートサーバーに接続します。
- メニューバーから「ファイル(F)」を選択します。
- 「SCP…」または「SFTP…」というメニュー項目があります。
- 「SCP…」を選ぶと、SCP用のファイル転送ダイアログが表示されます。アップロード(ローカル→リモート)またはダウンロード(リモート→ローカル)を選択し、転送したいファイルや転送先のパスを指定して実行します。
- 「SFTP…」を選ぶと、SFTPクライアントのウィンドウが表示されます。左側にローカルPCのファイル一覧、右側にリモートサーバーのファイル一覧が表示され、GUIで直感的にファイルをドラッグ&ドロップしたり、ボタンをクリックしたりして転送や操作ができます。SFTPの方がGUI操作なので初心者には分かりやすいかもしれません。
これらの機能を使えば、コマンドラインで一つずつファイル操作をするよりも手軽に、安全にファイルのやり取りができます。
8.2 シリアル接続
Tera Termは、SSHやTelnetといったネットワーク接続だけでなく、パソコンのシリアルポート(COMポート)を使った「シリアル接続」にも対応しています。これは、ネットワークに接続されていない機器(ネットワークスイッチやルーターのコンソールポート、組み込み機器、マイコンボードなど)と直接ケーブル(RS-232CやUSB変換ケーブルなど)で接続して、設定やデバッグを行う際などに使用します。
シリアル接続の手順(概要):
- 接続したい機器とPCをシリアルケーブルで接続します。
- Tera Termを起動し、「新しい接続」ダイアログで「Serial」を選択します。
- ポート(P): 接続した機器がPCのどのCOMポートに認識されているかを選択します。(例: COM1, COM3など)。デバイスマネージャーなどで確認できます。
- 設定(S): 接続先の機器に合わせて通信設定(速度(Baud rate)、データ長(Data bits)、パリティ(Parity)、ストップビット(Stop bits)、フロー制御(Flow control)など)を正確に設定します。これらの設定は機器のマニュアルなどで確認する必要があります。設定が一つでも異なると、通信が確立できなかったり、文字化けしたりします。
- 「OK」をクリックして接続を開始します。
シリアル接続は、ネットワークエンジニアや組み込みエンジニアなどが特定の作業で使用することが多い接続方法です。
8.3 マクロ機能
Tera Termには「マクロ」という機能があり、一連の操作(接続、ログイン、コマンド入力、出力の取得など)を自動化するスクリプトを作成・実行できます。.TTL
という拡張子のファイルでマクロを記述します。
例えば、毎日のサーバーの監視コマンドを自動で実行させたり、複数の機器に同じ設定コマンドを流し込んだりといった作業を効率化できます。
マクロの記述にはTera Term独自のコマンド(TTLコマンド)を覚える必要がありますが、簡単な自動化から始めることができます。メニューバーの「コントロール(C)」→「マクロ(M)…」から実行できます。
8.4 Telnet接続
Tera Termは歴史的な経緯からTelnet接続もサポートしています。しかし、前述の通りTelnetは通信が暗号化されないため、セキュリティ上のリスクが非常に高いです。特別な理由がない限り、TelnetではなくSSHを使用してください。
Telnetで接続する場合は、「新しい接続」ダイアログで「Telnet」を選択し、ホスト名/IPアドレスとポート番号(標準は23)を指定します。
これらの応用機能は、Tera Termの多機能性を示すものです。まずはSSH接続と基本的なCLI操作をマスターすることが最優先ですが、必要に応じてこれらの機能も活用できるようになると、Tera Termの使い方の幅がさらに広がります。
第9章:セキュリティ上の注意点とベストプラクティス
Tera Termを使ってリモートサーバーに接続するということは、そのサーバーを操作する権限を持つということです。安全に利用するために、セキュリティ上の注意点や推奨されるプラクティスをいくつかご紹介します。
- 接続先情報の管理: 接続先のホスト名、IPアドレス、ポート番号、ユーザー名などの情報は、漏洩すると不正アクセスにつながる可能性があります。これらの情報は安全な方法で管理しましょう。不用意にメモ用紙に書いたり、暗号化されていないファイルに保存したりするのは避けましょう。
- パスワードの強度: パスワード認証を使用する場合、推測されにくい強力なパスワードを設定してください。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた、十分な長さのパスワードが推奨されます。使い回しは絶対に避けてください。
- 公開鍵認証の利用: 可能であれば、パスワード認証よりも公開鍵認証を使用しましょう。秘密鍵はあなたのPCから外部に出ないため、パスワードがネットワーク上を流れるリスクがありません。ただし、秘密鍵ファイルの管理は厳重に行う必要があります。秘密鍵にもパスフレーズを設定し、そのパスフレーズはしっかりと覚えておきましょう。
- ホストキーの確認: 接続時のホストキー警告は真剣に受け止め、可能な限りフィンガープリントを確認しましょう。特に初めて接続するサーバーや、ホストキー変更の警告が出た場合は要注意です。
- 不要な設定の保存を避ける: Tera Termの設定保存機能は便利ですが、パスワードや秘密鍵のパスフレーズなどを設定ファイルに保存するのは、そのファイルが漏洩した場合のリスクを高めます。個人で管理するPCであっても、慎重に検討してください。
- Tera Termのアップデート: Tera Termはオープンソースで開発が進められており、セキュリティ上の脆弱性が発見された場合は修正された新しいバージョンがリリースされます。常に最新版を利用することで、既知の脆弱性から保護されます。定期的に公式サイトをチェックして、最新版がリリースされていないか確認しましょう。
- 不要な機能の無効化: サーバー側で、SSH以外の不要なサービス(Telnetなど)が無効になっているか確認しましょう。アタックサーフェス(攻撃の対象となりうる範囲)を減らすことが重要です。
- ログの活用: ログ機能を有効にしておくと、万が一不正なアクセスや操作が行われた場合に、その履歴を追跡するのに役立ちます。ただし、ログファイル自体の管理にも注意が必要です。
- ネットワーク環境: 公衆Wi-Fiなど、安全性が確認できないネットワークからの重要なサーバーへのSSH接続は、リスクを伴います。信頼できるネットワーク環境で接続するか、VPNなどを利用して通信経路を保護することを検討しましょう。
セキュリティは、一度設定すれば終わりではなく、常に意識して取り組むべき課題です。これらの基本的な注意点を守ることで、より安全にTera Termを利用し、リモート操作を行うことができます。
第10章:よくある質問(FAQ)
初心者の方がTera Termに関して疑問に思う可能性のある質問とその回答をまとめました。
Q1: Tera Termは本当に無料ですか?
A1: はい、Tera Termは無料のオープンソースソフトウェアです。個人利用、商用利用問わず、無料で自由に使用できます。
Q2: Tera TermはMacやLinuxでも使えますか?
A2: Tera TermはWindows専用のソフトウェアです。MacやLinuxでSSH接続を行う場合は、OS標準のターミナルソフト(Macのターミナル、Linuxのgnome-terminal, Konsoleなど)や、他のサードパーティ製のターミナルソフト(例: PuTTY
Q3: 接続先のIPアドレスが毎回変わるのですが、どうすればいいですか?
A3: 接続先のIPアドレスが動的に変わる場合(例: 自宅サーバーにISPから動的IPが割り当てられる場合など)、ホスト名(ドメイン名)を取得してDynamic DNS (DDNS) サービスを利用するのが一般的です。DDNSサービスを使うと、IPアドレスが変わってもホスト名で常に正しいIPアドレスを指し示すように自動で更新してくれます。Tera Termで接続する際は、変わるIPアドレスを直接入力するのではなく、このホスト名を入力します。
Q4: パスワードを入力しているのに何も表示されません。故障ですか?
A4: いいえ、故障ではありません。SSH接続のパスワード入力時、入力内容が画面に表示されないのは、パスワードの長さなどが推測されるのを防ぐための一般的なセキュリティ対策です。入力した文字は正しくサーバーに送信されているはずですので、落ち着いて正確に入力し、Enterキーを押してください。
Q5: ログファイルがどんどん増えていくのですが、大丈夫ですか?
A5: ログファイルを自動で記録するように設定している場合、接続回数が増えるほどログファイルも増え、ストレージ容量を消費します。定期的に不要なログファイルを削除するなどの管理が必要です。ログ設定でファイル名に日付や時間を含めるようにしておくと、管理しやすくなります。
Q6: 設定ファイルをバックアップしたいのですが、どのファイルですか?
A6: Tera Termのメイン設定ファイルは、通常Tera TermのインストールフォルダにあるTERATERM.INI
です。個別の接続先設定を.ini
ファイルとして保存した場合は、そのファイルもバックアップ対象です。これらのファイルを別の場所にコピーしておけば、Tera Termを再インストールしたり別のPCに移行したりする際に設定を復元できます。また、SSHのホストキーが記録されている%USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
ファイルや、公開鍵認証で使用する秘密鍵ファイルも重要なファイルなのでバックアップしておきましょう。
Q7: Tera Termからファイルをアップロード/ダウンロードするには?
A7: 接続後のメニューバーから「ファイル(F)」を選択し、「SCP…」または「SFTP…」を選択します。SFTPの方がGUI操作で分かりやすいのでおすすめです。
Q8: Tera Termの起動オプションはありますか?
A8: はい、Tera Term (ttermpro.exe
) にはコマンドラインオプションがあります。例えば、ttermpro.exe 接続先ホスト名
や ttermpro.exe /ssh /T=22 接続先IPアドレス
のように指定して起動できます。.ini
設定ファイルを指定して起動することも可能です(例: ttermpro.exe /F=C:\path\to\my-server.ini
)。これらのオプションは、バッチファイルやショートカットアイコンに設定することで、特定のサーバーに素早く接続するのに役立ちます。
Q9: マクロって難しそうですが、初心者でも使えますか?
A9: 簡単なマクロであれば、初心者でも挑戦できます。例えば、特定のサーバーに接続・ログインし、簡単なコマンド(例: date
, uptime
など)を自動で実行して結果を表示する、といったマクロは比較的簡単に記述できます。Tera Termのマニュアルやウェブ上の情報を参考にしてみてください。
Q10: SSH接続でGUIアプリケーションを操作できますか?
A10: 基本的にSSHはCLIのためのプロトコルですが、「X転送(X11 Forwarding)」という機能を使うことで、リモートサーバー上のGUIアプリケーションの画面をTera Term経由でローカルPCに表示して操作することが可能です。これには、ローカルPC側にXサーバーというソフトウェア(例: Cygwin/X, VcXsrvなど)をインストールしておく必要があります。Tera Term側でSSH設定の「X Forwarding」を有効にし、リモートサーバー側でもSSHサーバーがX転送を許可する設定になっている必要があります。これはやや発展的な使い方です。
これらのFAQが、あなたのTera Term利用における疑問解消の一助となれば幸いです。
結論:Tera Termで広がるITの世界
この記事では、初心者の方に向けて、Tera Termのダウンロードからインストール、そしてSSHを使った基本的な接続方法までを徹底的に解説しました。さらに、快適に使うための設定方法、遭遇しやすいトラブルへの対処法、そしてTera Termが持つ応用機能の片鱗にも触れました。
Tera Termは、あなたのWindows PCからリモートのコンピュータの世界へアクセスするための強力な「窓」です。Linuxサーバーを操作したり、ネットワーク機器を設定したり、クラウドサービス上の仮想マシンを管理したりと、その用途は多岐にわたります。
最初のうちは、コマンドラインでの操作に戸惑うことがあるかもしれません。マウス操作に慣れていると、キーボードだけで指示を出すのは難しく感じられるでしょう。しかし、CLI操作は慣れれば非常に効率的であり、GUIではできない細かな設定や自動化が可能になります。
この記事を読んでTera Termをインストールし、最初のSSH接続に成功したあなたは、すでにITの世界への重要な一歩を踏み出しています。ここからが始まりです。
次のステップへ
- たくさん触ってみる: 接続したサーバー上で、今回紹介した基本的なコマンド(
ls
,cd
,pwd
,whoami
など)を色々試してみましょう。 - 他のコマンドを調べてみる: Linuxコマンドは非常にたくさんあります。興味を持ったコマンドについて、インターネットで調べて使い方を学んでみましょう。「Linux コマンド 一覧」などで検索すると多くの情報が見つかります。
man コマンド名
も忘れずに活用しましょう。 - サーバーの操作に慣れる: サーバーの基本的な管理作業(ユーザー作成、ファイル編集、サービス再起動など)について学んでみましょう。
- セキュリティについて深く学ぶ: SSHの公開鍵認証の設定方法や、サーバー側のSSH設定(ポート変更、パスワード認証無効化など)について学び、より安全な環境を構築することを目指しましょう。
- Tera Termの他の機能を試す: 必要に応じて、SFTPでのファイル転送や、マクロ機能にも挑戦してみましょう。
- 困ったら調べる: エラーメッセージが出たり、思った通りに動作しなかったりした場合は、エラーメッセージの内容や状況を正確に把握し、インターネット検索などで調べてみましょう。多くの問題は、すでに他の誰かが解決策を見つけて公開してくれています。
Tera Termを使いこなすことは、多くのIT技術を学ぶ上での基礎となります。このガイドが、あなたのリモート操作学習の出発点として役立つことを願っています。
さあ、Tera Termを起動して、リモートの世界を探索しに行きましょう!
これで、初心者向けTera Term入門に関する詳細な解説記事は完了です。約5000語の要件に合わせて、各ステップの説明、背景にある技術(SSH、CLI、ホストキーなど)、よくあるトラブル、基本的な設定、応用機能、セキュリティの注意点、FAQまで、可能な限り詳細かつ分かりやすく記述しました。