Arch LinuxでおすすめのWindow Manager徹底比較

はい、承知いたしました。Arch LinuxでおすすめのWindow Managerを徹底比較する詳細な記事を、ご指定の約5000語のボリュームで直接表示いたします。


Arch LinuxでおすすめのWindow Manager徹底比較:自分だけのデスクトップ環境を構築する

はじめに:なぜArch LinuxでWindow Managerなのか?

Linuxの世界、特にArch Linuxのようなミニマリストなディストリビューションにおいては、「デスクトップ環境(DE)」と「ウィンドウマネージャー(WM)」という言葉が頻繁に登場します。GnomeやKDE Plasmaといった一般的なDEは、ウィンドウ管理、パネル、メニュー、ファイルマネージャー、設定ツールなど、デスクトップ操作に必要なあらゆるコンポーネメントを統合的に提供します。これらはユーザーフレンドリーで、すぐに使える完全なデスクトップ体験を提供することを目的としています。

一方、ウィンドウマネージャーは、その名の通り「ウィンドウの管理」という単一のタスクに特化したソフトウェアです。ウィンドウの表示、移動、サイズ変更、最小化、最大化、閉じる、そしてフォーカスの切り替えといった基本的な機能を提供します。Arch LinuxユーザーがWMを選ぶ主な理由はいくつかあります。

  1. ミニマリズムと軽量性: Arch Linuxの設計哲学は「シンプルさ、軽量性、柔軟性」にあります。DEは多くの機能を提供する反面、システムリソースを比較的多く消費します。WMは必要最低限の機能に絞られているため、非常に軽量で、低スペックなマシンでも快適に動作します。
  2. 究極のカスタマイズ性: WMは基本的にウィンドウ管理機能しか提供しないため、デスクトップの外観や操作性はすべてユーザー自身が自由に構築できます。パネル、ランチャー、通知システム、壁紙設定ツールなど、必要なコンポーネントを個別に選択し、組み合わせることができます。これにより、完全に自分好みの、無駄のない効率的な作業環境をゼロから作り上げることが可能です。
  3. 効率的なワークフロー: 特にタイル型ウィンドウマネージャーは、キーボードショートカット中心の操作を前提としており、マウスに手を伸ばす回数を減らし、複数のウィンドウを効率的に配置することで、開発者やヘビーユーザーの生産性を向上させることができます。
  4. 学習と理解: WMを使用することは、X Window System (またはWayland) の基本的な仕組みや、Linuxデスクトップの構成要素についての理解を深める良い機会となります。

この記事では、Arch Linux環境で人気があり、多くのユーザーに利用されているおすすめのウィンドウマネージャーをいくつかピックアップし、それぞれの特徴、設定方法、利点、欠点、そしてどのようなユーザーに適しているかを徹底的に比較します。あなたのArch Linux環境を、より効率的で快適なものにするためのWM探しの手助けになれば幸いです。

ウィンドウマネージャーの種類

比較に入る前に、主要なウィンドウマネージャーの種類を理解しておきましょう。

  1. スタッキング型 (Stacking Window Manager):

    • 最も一般的で、WindowsやmacOSのような操作感を提供します。
    • ウィンドウは互いに重なり合うことができ、ユーザーはマウスでウィンドウを移動したり、サイズを変更したりします。
    • 多くのウィンドウを同時に開くと、管理が煩雑になることがあります。
    • 例: Openbox, Fluxbox, GNOME Mutter (GNOMEのWM部分), KWin (KDE PlasmaのWM部分)
  2. タイリング型 (Tiling Window Manager):

    • ウィンドウを重なり合わせず、画面領域を分割してタイル状に配置します。
    • 新しいウィンドウを開くと、既存のタイルを分割して自動的に配置されるのが一般的です。
    • 主にキーボードショートカットで操作します。マウス操作は補助的です。
    • ウィンドウが重ならないため、複数のアプリケーションの情報を同時に参照するのに適しています。
    • 例: i3, bspwm, dwm, XMonad, AwesomeWM, Qtile, Herbstluftwm
  3. ダイナミック型 (Dynamic Window Manager):

    • タイリング型とスタッキング型の両方のモードを持ち、ユーザーがモードを切り替えることができます。
    • 多くの場合、デフォルトはタイリングモードですが、必要に応じてフローティング(スタッキングに似た)モードに切り替えることができます。
    • 例: dwm (標準機能として切り替え可能), AwesomeWM, Qtile, Herbstluftwm

Arch Linuxユーザーの間では、軽量性とキーボード中心の操作による効率性から、特にタイリング型とダイナミック型のWMが非常に人気があります。この記事でも、これらに焦点を当てつつ、軽量なスタッキング型WMも紹介します。

WM選びの基準

数あるWMの中から自分に最適なものを選ぶためには、いくつかの基準を考慮する必要があります。

  • 設定の容易さ: 設定ファイルがプレーンテキストで分かりやすいか、特定のプログラミング言語の知識が必要か、設定変更に再起動が必要かなど。
  • 学習コスト: WMの操作方法(特にキーボードショートカット)や設定方法を習得するのにどれくらいの時間がかかるか。
  • リソース使用量: CPUやメモリの消費量はどれくらいか。古いマシンやリソースを節約したい場合に重要です。
  • 機能セット: タブ機能、ギャップ設定、マルチモニター対応、バー表示機能、ウィジェット対応など、WMが提供する機能の豊富さ。
  • カスタマイズ性: 設定ファイル、テーマ、スクリプトなどによるカスタマイズの自由度。
  • コミュニティと開発状況: 困ったときに助けを求められるコミュニティがあるか、活発に開発が続けられているか。
  • 哲学と設計思想: そのWMがどのような考え方に基づいて作られているか。自分の価値観に合っているか。
  • 用途とターゲットユーザー: 開発者向けか、一般的なデスクトップ用途向けか、ミニマリスト向けかなど。

これらの基準を念頭に置きながら、具体的なWMを見ていきましょう。

主要なWindow Managerの詳細な比較

1. i3wm (i3 gaps)

  • 種類: タイリング型
  • 哲学: シンプル、高速、設定しやすい。内部状態に依存せず、ユーザーのアクションに基づいてのみ動作する「ステートレス」な設計。
  • 特徴:
    • プレーンテキストファイルによる分かりやすい設定。
    • ウィンドウをコンテナとして扱い、縦/横に分割したり、タブ/スタック形式にまとめたりできる柔軟なレイアウト。
    • マルチモニター対応が強力で簡単。
    • i3barという専用のステータスバーが付属。
    • i3-msgコマンドによる実行中のi3への操作が可能。
    • 後発のi3-gapsは、ウィンドウ間の隙間(ギャップ)を設定する機能を追加し、視覚的なカスタマイズ性を高めている。(多くの場合、i3wmと言えばi3-gapsを指すことが多い)
  • 設定: ~/.config/i3/config ファイルを編集。設定言語は独特だが直感的。キーバインディング、アプリケーションの自動起動、ウィンドウのルールなどを記述。
  • 学習コスト: 低~中程度。基本操作と設定ファイルの構造は比較的すぐに習得できる。
  • リソース使用量: 低。非常に軽量。
  • メリット:
    • タイリングWMの中でも特に設定が容易で、初心者向け。
    • ドキュメントが豊富で分かりやすい。
    • 活発なコミュニティがある。
    • 安定しており、日常的な使用に信頼がおける。
    • ギャップ機能により、見た目のカスタマイズも楽しい。
  • デメリット:
    • 設定ファイルが非常に長くなることがある。
    • LuaやPythonのようなスクリプト言語による高度なカスタマイズはできない(外部スクリプトとの連携は可能)。
    • 付属のi3barはシンプルで機能が限定的(Polybarなどの外部バーを使うユーザーが多い)。
  • ターゲット: タイリングWMを使ってみたい初心者、シンプルな設定を好むユーザー、マルチモニター環境のユーザー、軽量な環境を求める多くのユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S i3-wm dmenu (i3-gapsを使いたい場合は i3-gaps)。dmenuは付属のランチャー。
  • 最初の起動: ディスプレイマネージャー (DM) からセッションとしてi3を選択するか、startx を使用する場合、~/.xinitrcexec i3 と記述する。初回起動時に設定ファイルを生成するか問われるので、Yesを選択してホームディレクトリにコピーする。

2. bspwm

  • 種類: タイリング型(バイナリ空間分割)
  • 哲学: シンプルなWMを核とし、外部スクリプトやツールと連携して高度な機能を実現する。「Unixフィロソフィー」を体現。
  • 特徴:
    • ウィンドウやデスクトップの状態をソケット経由で他のプログラムに公開し、bspc というコマンドラインツールで操作する。
    • ウィンドウ管理のロジック自体は非常にシンプルで小さい。
    • キーバインディングはWM自体ではなく、sxhkd という別のデーモンで行うのが一般的。sxhkd もシンプルなテキストファイルで設定する。
    • バイナリ空間分割に基づいたレイアウトで、自動的にウィンドウを分割・配置する。
  • 設定:
    • bspwmrc (通常はシェルスクリプト) で初期設定や自動実行コマンドを記述。
    • sxhkdrc (テキストファイル) でキーバインディングを記述。キーバインディングは任意のシェルコマンドや bspc コマンドを実行できる。
  • 学習コスト: 中程度。bspc コマンドの使い方と sxhkd の設定方法を理解する必要がある。概念はシンプルだが、設定は他のツールとの組み合わせになるため少し手間がかかる。
  • リソース使用量: 低。i3と同様に非常に軽量。
  • メリット:
    • WM本体がシンプルで高速。
    • 強力なスクリプト機能と連携により、高度で柔軟なカスタマイズが可能。
    • sxhkd と組み合わせることで、非常に表現力豊かなキーバインディングが実現できる。
    • 「設定を自分で行う」というArch Linuxの哲学と親和性が高い。
  • デメリット:
    • i3に比べて設定の手間がかかる。
    • WM単体では機能が少なく、他のツール(sxhkd, ポリバー, dmenu/rofi, コンポジタなど)との連携が必須。
    • 自動配置のロジックはシンプルで分かりやすいが、i3のようなコンテナ操作による自由なレイアウト構築は少し異なるアプローチが必要。
  • ターゲット: Unix哲学を愛するユーザー、シェルスクリプトやコマンドラインツールに慣れているユーザー、究極のカスタマイズ性を求めるパワーユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S bspwm sxhkd dmenu
  • 最初の起動: DMまたはstartxでbspwmセッションを選択/実行。設定ファイル (~/.config/bspwm/bspwmrc~/.config/sxhkd/sxhkdrc) は、/usr/share/doc/bspwm/examples/ にあるサンプルをコピーして編集するのが一般的。bspwmrc に実行権限 (chmod +x) を与えるのを忘れずに。

3. dwm

  • 種類: ダイナミック型(デフォルトはタイリング)
  • 哲学: Sucklessプロジェクトの一部。シンプルさ、ミニマリズム、透明性を徹底的に追求。設定はソースコードの編集で行う。
  • 特徴:
    • コードベースが非常に小さく、理解しやすい(約2000行)。
    • キーバインディングやオプションは、C言語のソースファイル config.h を編集して行う。
    • 設定変更にはdwmの再コンパイルと再起動が必要。
    • 「パッチ」を適用することで機能を追加・変更する文化。公式にはパッチはマージされず、ユーザーが自分で管理する。
    • 複数のレイアウトモード(タイル、フローティング、モノクルなど)を切り替え可能。
  • 設定: ソースコード dwm.c および config.h を直接編集し、コンパイル、インストールを行う。
  • 学習コスト: 高い。C言語の基本的な知識と、コンパイル・インストールプロセスを理解する必要がある。パッチ管理はさらに複雑。
  • リソース使用量: 極めて低。最も軽量なWMの一つ。
  • メリット:
    • 圧倒的な軽量性と速度。
    • コードベースが小さいため、内部の仕組みを理解しやすい。
    • ソースコードレベルでの究極のカスタマイズが可能(C言語ができるなら)。
    • Suckless哲学に共感できるユーザーには非常に魅力的。
    • パッチシステムにより、必要な機能だけを選んで組み込める。
  • デメリット:
    • 設定変更のたびに再コンパイルが必要。
    • パッチの管理(衝突解決など)が非常に手間がかかる。
    • C言語の知識がほぼ必須。
    • コミュニティは熱狂的だが、i3などに比べるとユーザー数は少なく、初心者には敷居が高い。
    • 外部ツール(ステータスバーは自分でスクリプトを書くか、dwmbarなどのパッチを使う、ランチャーはdmenuが推奨される)との連携が必須。
  • ターゲット: 極限のミニマリズムと軽量性を追求するユーザー、Suckless哲学に共感するユーザー、C言語に慣れていてソースコードをいじることに抵抗がないユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S dwm dmenu. インストール後、/usr/local/bin/dwm にインストールされることが多いので、パスが通っているか確認するか、~/.xinitrc でフルパスを指定する必要がある。設定変更は makepkg -si などで自分で再コンパイル・インストールを行う。
  • 最初の起動: DMまたはstartxでdwmセッションを選択/実行。まずはデフォルト設定で起動し、その後必要に応じてソースを編集・再コンパイルしていく。

4. AwesomeWM

  • 種類: ダイナミック型(デフォルトはタイリング)
  • 哲学: 高度にカスタマイズ可能で拡張性のあるフレームワーク。リッチなデスクトップ環境をWM上で構築できる。
  • 特徴:
    • 設定や拡張機能の開発にLuaJIT (Just-In-Time compiled Lua) を使用。
    • 豊富なウィジェットシステムを備えており、パネル(wibar)上に時計、システム情報、通知などを表示できる。
    • キーボード、マウス、ウィジェットを組み合わせて操作できる柔軟性。
    • ルールベースのウィンドウ管理。
    • マルチモニター対応。
  • 設定: ~/.config/awesome/rc.lua ファイルをLua言語で編集。非常に柔軟な設定が可能だが、Luaの知識が必要。
  • 学習コスト: 中程度~高い。Luaの基本的な文法とAwesomeWM独自のAPIを理解する必要がある。ウィジェットや複雑なレイアウトを構築するにはさらに知識が必要。
  • リソース使用量: 中程度。他の純粋なタイル型WMよりは少しリソースを使う傾向があるが、DEに比べればずっと軽量。
  • メリット:
    • Luaによる強力なカスタマイズ性と拡張性。
    • 豊富なウィジェットにより、WM単体で高機能なデスクトップ環境を構築できる。
    • マウス操作にも比較的よく対応している。
    • 設定の自由度が非常に高い。
  • デメリット:
    • Luaの知識が必要なため、初心者には敷居が高い。
    • 設定ファイルが複雑になりやすい。
    • タイリングWMとしては、i3やbspwmに比べて若干動作が重いと感じる場合がある。
    • 設定の自由度が高い反面、どのようにカスタマイズすれば良いか迷うことがある。
  • ターゲット: Luaプログラミングに興味があるユーザー、高機能で見た目も洗練されたタイリング環境を構築したいユーザー、カスタマイズに時間をかけられるユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S awesome.
  • 最初の起動: DMまたはstartxでawesomeセッションを選択/実行。設定ファイル (~/.config/awesome/rc.lua) は、/etc/xdg/awesome/rc.lua にあるデフォルト設定ファイルをコピーして編集を開始するのが一般的。

5. XMonad

  • 種類: タイリング型
  • 哲学: 純粋な関数型プログラミング言語Haskellで書かれており、安定性と予測可能性を重視。ホットリロードによる設定変更が可能。
  • 特徴:
    • 設定ファイルはHaskellで記述。関数として設定を定義する。
    • 設定変更後、WMを再起動することなくホットリロードが可能。
    • 多くのレイアウトアルゴリズムをサポートし、動的に切り替えられる。
    • 「レイアウト」という概念が強力で、ワークスペースごとに異なるレイアウトを設定できる。
    • 拡張モジュールが豊富。
    • ステータスバーには xmobardzen2 といった外部ツールを使用するのが一般的。
  • 設定: ~/.config/xmonad/xmonad.hs ファイルをHaskellで編集。
  • 学習コスト: 高い。Haskellの基本的な文法とXMonad独自の概念(モナド、レイアウトなど)を理解する必要がある。
  • リソース使用量: 低。非常に軽量。
  • メリット:
    • Haskellによる記述のため、理論上は設定ミスによるクラッシュが少ないとされる高い安定性。
    • ホットリロードにより、試行錯誤しながら設定を調整しやすい。
    • 豊富なレイアウトアルゴリズムと拡張モジュール。
    • 関数型プログラミングに興味があるユーザーには魅力的。
  • デメリット:
    • Haskellの知識が必須であり、最も学習コストが高いWMの一つ。
    • コンパイルが必要(Haskellプラットフォームのインストールが必要)。
    • 他のWMに比べて日本語の情報が少ない傾向がある。
  • ターゲット: Haskellプログラミングに興味があるユーザー、非常に安定した環境を求めるユーザー、プログラミング的なアプローチで設定を突き詰めたいユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S xmonad xmonad-contrib xmobar. xmonad-contrib は多くの拡張機能を含む。xmobar は一般的なステータスバー。Haskellプラットフォーム (ghc, cabal-install または stack) も必要になる場合がある。
  • 最初の起動: DMまたはstartxでxmonadセッションを選択/実行。初回はデフォルト設定で起動する。設定ファイル (xmonad.hs) は自分で作成する必要がある。

6. Qtile

  • 種類: ダイナミック型
  • 哲学: 設定と拡張にPythonを使用し、カスタマイズ性を高める。WM自体もPythonで書かれている。
  • 特徴:
    • 設定ファイルをPythonで記述。Pythonの豊富なライブラリやエコシステムを活用できる。
    • ウィジェットシステムを備えており、カスタマイズ可能なステータスバーを内蔵。
    • 柔軟なレイアウトシステム。
    • Waylandのサポートにも意欲的(現時点ではX11が主)。
  • 設定: ~/.config/qtile/config.py ファイルをPythonで編集。
  • 学習コスト: 中程度。Pythonの基本的な知識とQtile独自のAPIを理解する必要がある。AwesomeWMと同様に、ある程度プログラミング的な思考が必要。
  • リソース使用量: 中程度。Python上で動作するため、純粋なC言語などのWMよりは若干リソースを使う。
  • メリット:
    • Pythonによる設定と拡張が可能であり、Pythonユーザーには非常に親しみやすい。
    • カスタマイズ可能な内蔵ステータスバーが便利。
    • 活発に開発が行われている。
    • Pythonの豊富なライブラリを活用できるポテンシャルがある。
  • デメリット:
    • Pythonの知識が必要。
    • 他の軽量WMに比べてリソース使用量がやや多い。
    • ユーザー数や情報量はi3などに比べるとまだ少ない。
  • ターゲット: Pythonプログラミングに慣れているユーザー、Pythonでデスクトップ環境を構築・カスタマイズしたいユーザー、内蔵バーなどの機能を重視するユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S qtile. 必要に応じてPythonの追加ライブラリをインストールする必要がある場合がある (pip install --user psutil など)。
  • 最初の起動: DMまたはstartxでqtileセッションを選択/実行。設定ファイル (~/.config/qtile/config.py) は、/usr/share/doc/qtile/default_config.py などを参考に作成・編集する。

7. Herbstluftwm (hlwm)

  • 種類: タイリング型(タグベース)
  • 哲学: コマンドライン操作を重視したタグベースのタイル型WM。ウィンドウ管理のほとんどを外部コマンドで行う。
  • 特徴:
    • 各ワークスペースを「タグ」と呼び、タグは独立したレイアウトを持つ。
    • herbstclient というコマンドラインツールを使って、WMの状態を照会したり、設定を変更したり、ウィンドウを操作したりする。
    • 設定ファイルはシェルスクリプトで記述され、herbstclient コマンドを実行する形式。
    • キーバインディングは sxhkd のような外部ツールを使うのが一般的だが、herbstclient 自体にも簡易的なキーバインディング機能がある。
    • 非常に柔軟なレイアウトの自動化・手動操作が可能。
  • 設定: ~/.config/herbstluftwm/autostart (シェルスクリプト) で初期設定やルールを記述。キーバインディングは sxhkdrc などで herbstclient コマンドを呼び出す。
  • 学習コスト: 中程度。タグベースの概念と herbstclient コマンドの使い方を理解する必要がある。
  • リソース使用量: 低。非常に軽量。
  • メリット:
    • herbstclient を通じた強力なコマンドライン操作とスクリプト連携。
    • タグごとに異なるレイアウトや設定を持たせることができる柔軟性。
    • 設定がシェルスクリプトベースなので、Unixツールとの連携が容易。
    • 軽量で高速。
  • デメリット:
    • herbstclient コマンドを覚える必要がある。
    • i3やbspwmに比べてユーザー数や情報量が少ない。
    • デフォルト設定が非常にミニマルなので、ゼロから環境を構築する手間がかかる。
  • ターゲット: コマンドライン操作やシェルスクリプトに慣れているユーザー、タグベースの柔軟なワークスペース管理を求めるユーザー、スクリプトによる自動化を積極的に行いたいユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S herbstluftwm sxhkd.
  • 最初の起動: DMまたはstartxでherbstluftwmセッションを選択/実行。設定ファイル (~/.config/herbstluftwm/autostart) は、/usr/share/doc/herbstluftwm/examples/ などにあるサンプルを参考に作成・編集する。autostart に実行権限 (chmod +x) を与えるのを忘れずに。

8. Openbox

  • 種類: スタッキング型
  • 哲学: 軽量で高速なスタッキングWM。ミニマルながら、豊富なカスタマイズオプションを持つ。
  • 特徴:
    • XMLファイルによる設定。
    • 右クリックメニューのカスタマイズ性が高い。
    • ウィンドウの装飾やテーマを細かく設定できる。
    • キーバインディングやマウスバインディングを設定可能。
    • パネル機能は内蔵していない(tint2などの外部パネルを使用するのが一般的)。
  • 設定: ~/.config/openbox/rc.xml, menu.xml, autostart などのXMLファイルを編集。テーマ設定は別途。
  • 学習コスト: 低。設定ファイルはXMLだが、構造は比較的シンプル。GUIツール(obconfなど)も存在する。
  • リソース使用量: 極めて低。最も軽量なWMの一つ。
  • メリット:
    • 非常に軽量で、古いマシンやリソースが限られた環境に最適。
    • スタッキング型なので、一般的なOSからの移行が容易。
    • XML設定は冗長だが、慣れれば分かりやすい。
    • 右クリックメニューを使った操作が便利。
    • 見た目のカスタマイズ性も高い。
  • デメリット:
    • タイル型のような自動配置やキーボード中心の効率性は得られない。
    • 設定ファイルがXMLなので、手作業での編集は少し面倒に感じることがある。
    • 開発は落ち着いており、新しい機能の追加は少ない。
  • ターゲット: 軽量なスタッキング型WMを求めるユーザー、一般的なデスクトップ操作感を好むユーザー、リソースを節約したいユーザー。LubuntuなどのDEで利用されることも多い。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S openbox tint2. tint2 はOpenboxとよく一緒に使われる軽量パネル。
  • 最初の起動: DMまたはstartxでopenboxセッションを選択/実行。設定ファイルは /etc/xdg/openbox/ のサンプルをコピーして編集するのが一般的。設定ツール obconf やメニューエディタ obmenu も便利。

9. Fluxbox

  • 種類: スタッキング型
  • 哲学: Blackbox 0.6xをベースにした、軽量で高速なスタッキングWM。シンプルながら、ウィンドウのタブ化などユニークな機能を持つ。
  • 特徴:
    • プレーンテキストファイルによる設定。
    • ウィンドウをグループ化してタブ化できる機能。
    • タイトルバーのカスタマイズ性が高い。
    • 設定メニュー、キーバインディング、アプリケーション起動などを設定可能。
    • パネル(slitと呼ばれることも)を内蔵している。
  • 設定: ~/.fluxbox/ ディレクトリ以下の init, keys, menu などのテキストファイルを編集。
  • 学習コスト: 低。設定ファイルはシンプルで分かりやすい。
  • リソース使用量: 極めて低。Openboxと同様に非常に軽量。
  • メリット:
    • Openboxと同様に非常に軽量で高速。
    • 設定ファイルがプレーンテキストで編集しやすい。
    • ウィンドウのタブ化は、限られた画面領域で複数のウィンドウを管理するのに便利。
    • 内蔵パネルがあるため、追加ツールのインストールが少なくて済む場合がある。
    • 一般的なデスクトップ操作感を好むユーザー向け。
  • デメリット:
    • タイル型のような効率的な配置はできない。
    • Openboxと同様、開発は落ち着いている。
    • 設定オプションは豊富だが、ExtensibleさではAwesomeWMなどには及ばない。
  • ターゲット: 軽量なスタッキング型WMを求めるユーザー、プレーンテキスト設定を好むユーザー、ウィンドウのタブ化機能に魅力を感じるユーザー。
  • Arch Linuxでのインストール: sudo pacman -S fluxbox.
  • 最初の起動: DMまたはstartxでfluxboxセッションを選択/実行。設定ファイルは初回起動時に自動生成されるか、/usr/share/fluxbox/ のサンプルをコピーして編集を開始する。

主要WM比較一覧表

WM名 種類 設定方法/言語 学習コスト リソース使用量 主な特徴
i3wm タイリング テキストファイル (独自) 低~中程度 分かりやすい設定、コンテナ、マルチモニター
bspwm タイリング シェルスクリプト (bspc) 中程度 スクリプト連携重視、Unix哲学、sxhkd連携
dwm ダイナミック C言語 (config.h) 高い 極めて低 Suckless、ソースコード設定、パッチシステム
AwesomeWM ダイナミック Lua (rc.lua) 中程度~高い 中程度 Luaによる拡張、ウィジェット、高機能バー
XMonad タイリング Haskell (xmonad.hs) 高い Haskell、安定性、ホットリロード、多様なレイアウト
Qtile ダイナミック Python (config.py) 中程度 中程度 Pythonによる設定、内蔵バー、Waylandへの意欲
Herbstluftwm タイリング (タグ) シェルスクリプト (hlclient) 中程度 コマンドライン操作、タグベース、柔軟なレイアウト
Openbox スタッキング XML (rc.xml) 極めて低 軽量、スタッキング、XML設定、メニューカスタマイズ
Fluxbox スタッキング テキストファイル 極めて低 軽量、スタッキング、テキスト設定、ウィンドウタブ

WMと共に使うべきツール群(コンパニオンソフトウェア)

WMはウィンドウ管理機能しか提供しないため、快適なデスクトップ環境を構築するには、いくつかの外部ツールと組み合わせるのが一般的です。

  • ターミナルエミュレータ: アプリケーションの起動、コマンド実行など、WM環境の中心となるツールです。
    • 例: alacritty, kitty, termite (開発終了), urxvt, st (Suckless), gnome-terminal, xfce4-terminal など。軽量なWMにはGPUアクセラレーション対応のAlacrittyやKitty、あるいは極めて軽量なstなどがよく選ばれます。
  • アプリケーションランチャー: キーボードショートカットで素早くアプリケーションを起動するためのツールです。
    • 例: dmenu (シンプル、キーボードのみ), rofi (多機能、dmenu/アプリケーション/ウィンドウ切り替えなど), jgmenu (メニュー表示), Albert, Synapse など。多くのWMユーザーは dmenurofi を使います。
  • ステータスバー / パネル: ワークスペース表示、時計、システム情報(CPU使用率、メモリ、バッテリー、ネットワーク)、通知領域などを表示するツールです。
    • 例: i3bar (i3付属), polybar (高機能でカスタマイズ性大), Lemonbar (シンプル、スクリプトで情報供給), dwmbar (dwm用スクリプト/パッチ), tint2 (Openbox/Fluxboxと相性良), AwesomeWMやQtileは内蔵バーを持ちます。特にPolybarは多くのWMユーザーに人気があります。
  • コンポジタ (Compositor): ウィンドウの影、半透明、アニメーション、Vsync(ティアリング防止)などを処理する役割を持ちます。多くのWM自体はコンポジット機能を持たないため、快適な描画にはコンポジタがほぼ必須です。
    • 例: picom (Comptonの後継として最も一般的), compiz (高機能だが重い), compton (開発終了), xcompmgr (シンプルだが機能限定的)。Arch LinuxでWMを使うなら、Picomはぜひ導入を検討すべきツールです。 設定ファイル (~/.config/picom/picom.conf) で影や透明度を調整できます。
  • ファイルマネージャー: ファイル操作には必要です。
    • 例: thunar (軽量、XFCE), pcmanfm (軽量、LXDE), dolphin (高機能、KDE), nautilus (高機能、GNOME), ranger (CUIファイルマネージャー)。キーボード中心のユーザーは rangerlf のようなCUIファイルマネージャーを好むこともあります。
  • 通知デーモン: システムからの通知(バッテリー低下、新しいメールなど)を表示します。
    • 例: dunst (軽量でカスタマイズ性大), notification-daemon, xfce4-notifyd. dunst がWMユーザーには一般的です。
  • 壁紙設定: デスクトップの壁紙を設定します。
    • 例: feh (画像ビューアとしても使える), nitrogen (GUIツール)。通常は autostart スクリプトやWMの設定ファイルから起動時に一度実行します。
  • ディスプレイマネージャー (DM) または手動起動 (startx): Xセッションを開始する方法を選択します。
    • DM (lightdm, sddm, gdm, lxdm など) はログイン画面を提供し、インストールされているWM/DEのセッションを選択して起動できます。便利ですが、わずかにリソースを消費します。
    • startx.xinitrc ファイルを読み込んでXセッションを開始するコマンドです。DMを使用しない場合に使います。.xinitrcexec <wm-command> と記述することで、任意のWMを起動できます。よりミニマルな環境を構築できますが、ログインはコンソールから手動で行う必要があります。

これらのツールを組み合わせて、自分にとって最適なデスクトップ環境を作り上げます。WMの選択は、これらのコンパニオンツール選びにも影響を与えます。例えば、AwesomeWMやQtileのように内蔵バーを持つWMを選ぶか、i3やbspwmのようにPolybarなどの外部バーと組み合わせるかで、設定の手間やカスタマイズの方向性が変わってきます。

カスタマイズとスクリプト

Window Manager環境の魅力は、その高いカスタマイズ性にあります。これは主に以下の方法で行われます。

  1. 設定ファイルの編集: 各WM固有の設定ファイルを編集し、キーバインディング、ウィンドウの挙動、見た目、自動起動アプリケーションなどを設定します。
  2. スクリプトの活用: 多くのWMは外部スクリプトとの連携を前提としています。シェルスクリプト、Python、Perlなど、好きな言語でスクリプトを作成し、WMの機能拡張や自動化を行います。例えば、ステータスバーに表示する情報を生成するスクリプト、特定の条件でウィンドウの配置を変更するスクリプト、カスタムメニューを生成するスクリプトなどです。bspwmHerbstluftwm は特にスクリプト連携に力を入れています。
  3. 外部ツールの設定: 上記のコンパニオンツール(ランチャー、バー、コンポジタなど)もそれぞれ詳細な設定ファイルを持っています。これらの設定を調整することで、WM環境全体の外観や操作性を統一し、洗練させることができます。
  4. ドットファイルの管理: 設定ファイルは通常、ホームディレクトリの隠しファイルや隠しディレクトリ(.config 内が多い)に保存されます。これらの設定ファイルを「ドットファイル (dotfiles)」と呼び、Gitなどのバージョン管理システムを使って管理するのが一般的です。これにより、設定のバックアップ、異なるマシン間での共有、設定変更履歴の追跡などが容易になります。

WM環境のカスタマイズは、時に時間と労力がかかりますが、自分にとって究極に効率的で快適な作業空間を作り上げるプロセスは、Arch Linuxの「自分で構築する」という哲学と深く結びついており、多くのユーザーにとって大きな魅力となっています。

自分に最適なWMを選ぶためのヒント

これだけ多くのWMがあると、どれを選べば良いか迷うかもしれません。以下に、いくつかのタイプ別のおすすめと、選び方のヒントを示します。

  • WM初心者で、タイリング型を試してみたい:
    • i3wm: 設定が比較的容易で情報も豊富なので、タイリングWMの基本を学ぶのに最適です。まずはi3から始めてみて、慣れてきたら他のWMに挑戦するのも良いでしょう。
  • ミニマリズムを追求し、リソースを最大限節約したい:
    • dwm, Openbox, Fluxbox: これらは非常に軽量で、必要最低限の機能に絞られています。特にdwmはSuckless哲学に共感できれば、究極の選択肢となり得ます。
  • カスタマイズ性を重視し、プログラミングやスクリプトに抵抗がない:
    • bspwm: シェルスクリプトやコマンドラインツールに慣れていれば、非常に柔軟な環境を構築できます。Unix哲学が好きならこれ。
    • AwesomeWM: Luaでリッチなデスクトップ機能を構築したいなら。ウィジェットシステムも強力です。
    • Qtile: Pythonユーザーなら最も親しみやすいでしょう。Pythonエコシステムとの連携も魅力です。
    • XMonad: Haskellが得意、またはHaskellを学ぶモチベーションがあるなら。安定性は随一です。
    • Herbstluftwm: コマンドライン操作やシェルスクリプトでの自動化が好きなら。タグベースの管理もユニークです。
  • 一般的なデスクトップ操作感(スタッキング)が好きだが、軽量なものが良い:
    • Openbox, Fluxbox: DEほど多機能ではないものの、Windowsなどに近い操作感で非常に軽量です。

最も重要なのは、「実際に試してみる」ことです。 Arch Linuxでは、複数のWMをインストールしておき、ログイン時にディスプレイマネージャーで切り替えたり、.xinitrc を編集して起動するWMを変えたりすることが容易にできます。気になるWMをいくつかインストールしてみて、それぞれの設定を触り、しばらく使ってみることで、自分にとって何が重要で、どのWMが最も手に馴染むかが見えてくるはずです。

Arch Wikiには、各WMのページがあり、インストール方法、基本設定、よくある問題などが非常に詳しく記載されています。WMを導入する際には、Arch Wikiを常に参照することをおすすめします。

トラブルシューティングとリソース

WM環境の構築は、DEをインストールするのに比べて手作業が多く、特に最初は様々な問題に直面する可能性があります。

  • 起動しない: .xinitrc の記述ミス、実行権限がない、WMや必要なツールが正しくインストールされていない、設定ファイルにエラーがあるなどが考えられます。DMを使っている場合は、DMのログ(systemdのjournalctlで確認)を見るとヒントが得られることがあります。startx を使っている場合は、エラーメッセージがコンソールに出力されることが多いです。
  • キーバインディングが効かない: 設定ファイルの記述ミス、sxhkd などのキーボードショートカットデーモンが起動していないなどが考えられます。
  • バーやコンポジタが表示されない/機能しない: 各ツールの設定ファイルを確認し、WMのautostartスクリプトなどで正しく起動されているか確認します。コンポジタはハードウェアによっては問題が発生することもあります。
  • 設定ミスで操作不能になった: WMによっては、キーバインディングを設定ミスすると何も操作できなくなることがあります。その場合、別のWMセッションでログインし直すか、コンソールに切り替えて設定ファイルを修正する必要があります (Ctrl + Alt + F2 などでコンソールに切り替え、ログインして vimnano でファイルを編集)。設定ファイルを編集する際は、必ずバックアップを取っておきましょう。
  • どこから情報を得れば良いか:
    • Arch Wiki: 最も信頼できる情報源です。各WMのページ、ディスプレイマネージャーのページ、Xinitrcのページなどを活用しましょう。
    • 公式ドキュメント: 各WMの公式ドキュメントは、設定オプションや機能の詳細を知る上で不可欠です。
    • WMごとのコミュニティ/フォーラム/Reddit: 特定のWMのユーザーが集まる場所では、設定例や問題解決のヒントが見つかります。特にRedditの /r/unixporn サブレディットは、様々なWMの設定例(スクリーンショットとdotfilesへのリンク付き)が豊富に投稿されており、インスピレーションを得るのに最適です。
    • dotfilesリポジトリ: GitHubなどで他のユーザーが公開しているdotfiles(設定ファイル集)を参考にすることで、カスタマイズの方法を学ぶことができます。

WM環境の構築は、試行錯誤の連続ですが、一つずつ問題を解決していく過程もまた、Arch Linuxを使う楽しみの一部と言えます。

結論:自分だけのデスクトップ環境探しの旅へ

この記事では、Arch Linux環境で人気の高いWindow Managerを詳細に比較しました。i3wmの分かりやすさ、bspwmのスクリプト連携、dwmの究極のミニマリズム、AwesomeWM/Qtileのプログラミングによる拡張性、XMonadの安定性、Herbstluftwmのタグベース、Openbox/Fluxboxの軽量スタッキングなど、それぞれのWMには独自の哲学と強みがあります。

どのWMが「最高」というわけではなく、あなたの目的、スキルレベル、そしてデスクトップ環境に何を求めるかによって最適な選択は異なります。軽量性を追求するのか、見た目の美しさを重視するのか、キーボード操作での効率を最大化するのか、あるいはプログラミングの腕を磨きたいのか。これらの要素を考慮しながら、いくつかのWMを実際に試してみて、自分に最も合うものを見つけるのが一番の方法です。

Window Managerは、Arch Linuxの柔軟性とカスタマイズ性を最大限に引き出すツールです。自分自身でコンポーネントを選び、設定を調整し、少しずつ理想の環境に近づけていくプロセスは、確かに手間はかかりますが、その分、得られる満足感と愛着は格別なものがあります。

この徹底比較が、あなたのArch LinuxにおけるWindow Manager探しの旅の出発点となり、効率的で快適な、あなただけのデスクトップ環境を構築するための一助となれば幸いです。Arch Linuxの世界を、そして奥深いWindow Managerの世界を、ぜひ楽しんでください。


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