SONY FE PZ 16-35mm F4 G (SELP1635G) 作例付き徹底レビュー:新時代の広角ズームレンズは静止画・動画クリエイターの夢を叶えるか?
近年、ミラーレス一眼カメラの進化は目覚ましく、静止画だけでなく動画撮影のクオリティも飛躍的に向上しています。Vlog、ショートフィルム、ドキュメンタリーなど、様々な映像表現が可能となり、それに合わせてレンズにも新たなニーズが生まれてきました。特に広角ズームレンズは、風景、建築物、ストリートスナップから、Vlogでの自分撮り、狭い空間での撮影まで、幅広いシーンで活躍する中心的な存在です。
そんな中で、SONYから登場した一本のレンズが大きな注目を集めています。それが、FE PZ 16-35mm F4 G (SELP1635G) です。PZとは「Power Zoom(電動ズーム)」の略。このレンズは、ソニーEマウントレンズとしては初めて、広角域で電動ズーム機構を搭載したモデルです。単なるズームレンズではなく、静止画と動画、そして機動性の高い撮影スタイルが求められる現代において、これまでの広角ズームレンズとは一線を画す、全く新しいアプローチで作られたレンズと言えるでしょう。
本記事では、このSELP1635Gの魅力を、光学性能、操作性、動画性能など、多角的な視点から徹底的に掘り下げていきます。静止画作例はもちろん、電動ズームがもたらす動画表現の可能性についても詳しく解説し、このレンズがあなたのクリエイティブな活動にどのような変化をもたらすのかを探っていきます。約5000語のボリュームで、SELP1635Gのすべてを余すことなくお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
1. はじめに:SELP1635Gが登場した背景と立ち位置
かつて、レンズのズームは手動で行うのが当たり前でした。しかし、ビデオカメラの世界では、滑らかなズームイン・ズームアウトを可能にする電動ズームが早くから普及していました。一眼カメラやミラーレスカメラで動画撮影を行うユーザーが増加するにつれ、レンズ交換式カメラにおいても、よりシネマライクなズーム表現へのニーズが高まってきたのです。
SONYは、プロフェッショナル向けビデオカメラで培った電動ズーム技術を、ミラーレス一眼の交換レンズに持ち込むことにしました。特に、SEL28135GやSEL18110Gといったスーパー35mm/APS-Cフォーマット向けのGレンズでその技術を磨き、満を持してフルサイズEマウントの広角ズームレンズに搭載したのが、このSELP1635Gです。
既存のEマウント広角ズームレンズには、開放F値がF2.8と明るく最高の描写性能を誇るフラッグシップ「FE 16-35mm F2.8 GM (SEL1635GM)」と、軽量コンパクトでコストパフォーマンスに優れた初期の広角ズーム「FE 16-35mm F4 ZA OSS (SEL1635Z)」が存在します。SELP1635Gは、これらのレンズとは異なるコンセプトで開発されています。
ターゲットは、高画質を求めつつも、レンズの軽量・コンパクトさを重視し、かつ静止画と動画の両方で高いパフォーマンスを発揮したいと考えるクリエイターです。特に、ジンバルに載せて運用するVloggerや映像作家、あるいは旅先で機材をコンパクトにまとめたい写真家などにとって、SELP1635Gは強力な選択肢となり得ます。
このレンズは単に「電動ズームになった16-35mm F4」ではありません。電動ズーム機構を搭載するために、光学系、メカ構造、電子制御がゼロから見直され、静止画・動画双方で妥協のない描写性能と使い勝手を実現しようという、ソニーの意欲が詰まった一本なのです。
2. レンズの概要・基本スペック:進化の結晶を知る
まずはSELP1635Gの基本的な情報を見ていきましょう。
- 製品名: SONY FE PZ 16-35mm F4 G
- 型番: SELP1635G
- マウント: ソニーEマウント
- 対応センサーサイズ: 35mmフルサイズ
- 焦点距離: 16-35mm (フルサイズ)
- 開放絞り: F4
- 最小絞り: F22
- レンズ構成: 12群13枚 (非球面レンズ2枚、EDガラス1枚、ED非球面レンズ1枚、高度非球面レンズ1枚)
- 最短撮影距離: 広角端 0.28m / 望遠端 0.24m
- 最大撮影倍率: 広角端 0.18倍 / 望遠端 0.23倍
- フィルター径: φ72mm
- 絞り羽根: 7枚 (円形絞り)
- 防塵・防滴: 配慮された設計
- 外形寸法: 最大径約φ80.5mm × 長さ約88.1mm
- 質量: 約353g
このスペックを見て、まず驚くのがその「質量」です。わずか353gという軽さは、フルサイズ対応の広角ズームレンズとしては驚異的です。比較として、SEL1635Zは約518g、SEL1635GMは約680gですから、いかにSELP1635Gが軽量化されているかが分かります。長さも88.1mmとコンパクトで、携行性が非常に高いことが伺えます。
また、最短撮影距離が広角端で0.28m、望遠端で0.24mと、かなり被写体に寄れるのも特徴です。特に望遠端35mmで0.24mまで寄れることで、最大撮影倍率0.23倍を実現しており、テーブルフォトや小物をクローズアップする際にも、背景を広く取り込みつつ被写体を大きく写すといった、広角レンズならではの近接撮影を楽しむことができます。
光学系には、高度非球面レンズ(XAレンズ)1枚、ED非球面レンズ1枚を含む、合計5枚の特殊レンズが贅沢に使用されています。これにより、ズーム全域で画面中心から周辺まで高い解像力を実現しつつ、諸収差を効果的に抑制していると推測できます。さらに、ソニー独自のナノARコーティングIIが施されており、逆光耐性も期待できます。
そして、何よりもこのレンズの最大の特徴である「Power Zoom(電動ズーム)」です。後ほど詳しく掘り下げますが、これにより動画撮影時などに滑らかで安定したズーミングが可能となります。
3. 外観・操作性:コンパクトボディに凝縮された機能美
手に取ってみると、まずその軽量さとコンパクトさに驚かされます。フルサイズ対応の広角ズームレンズとは思えないほどのサイズ感で、特にSEL1635ZやSEL1635GMを使ったことがある人なら、その差を歴然と感じるでしょう。同じF4通しのSEL1635Zよりもさらに軽く、短くなっています。
- デザイン・質感: SONYのGレンズらしい、マットな質感のブラックボディです。金属とエンジニアリングプラスチックを組み合わせることで、強度を保ちつつ軽量化を実現しています。ビルドクオリティは高く、安っぽさは感じられません。
- 電動ズームリングの操作感: このレンズの操作で最も特徴的なのが、電動ズームリングです。ズームリングを回すと、レンズ内部のモーターが作動してズームが動きます。手動ズームのようにメカニカルな抵抗感はなく、非常に滑らかに回転します。回転速度に応じてズーム速度がリニアに変化する設計になっており、微妙な調整も可能です。手動ズームに慣れていると最初は少し違和感があるかもしれませんが、慣れると非常に快適です。ズーム速度はカメラ側の設定で3段階に調整することもできます。
- 作例 (ダミー画像): ズームリング部分をクローズアップした写真。滑らかな表面と控えめな刻印が見える。
[ダミー画像挿入:SELP1635G ズームリング部]
- 作例 (ダミー画像): ズームリング部分をクローズアップした写真。滑らかな表面と控えめな刻印が見える。
- マニュアルフォーカスリング・絞りリング: MFリングは電子式で、回転角に対してリニアにピントが動く仕様(リニアレスポンスMF)を採用しています。これにより、動画撮影時などでも意図した速度で正確なピント合わせが可能です。絞りリングも搭載しており、クリックの有無を切り替えられます。動画撮影ではクリックをOFFにすることで、滑らかな絞り調整が可能です。
- ボタン類: レンズ鏡胴には、フォーカスホールドボタンとAF/MF切り替えスイッチが配置されています。フォーカスホールドボタンには、カメラ側から様々な機能を割り当てることができます。
- 内蔵式レンズフード: このレンズには、花形フードが固定式(内蔵式)で取り付けられています。取り外しの手間がなく、常にフードがレンズを保護してくれるというメリットがあります。一方で、大型の角形フードなど、サードパーティー製の特殊なフードを取り付けることはできません。フィルター径はφ72mmで、一般的なフィルターが使用可能です。
- 防塵・防滴構造: Gレンズとして、防塵・防滴に配慮した設計がなされています。悪天候下での撮影でも、ある程度の安心感があります。ただし、完全防水ではありませんので、過信は禁物です。
全体として、SELP1635Gは操作性が非常に洗練されています。特に電動ズームリングとリニアレスポンスMFリング、クリック切り替え式の絞りリングは、動画撮影を強く意識した設計と言えるでしょう。その一方で、手動ズームに慣れたユーザーにとっては、電動ズームの操作感に慣れるまで少し時間が必要かもしれません。また、電源OFF時はズーム位置が保持されず、再び電源を入れると初期位置(広角端付近)に戻るという点も、一部の撮影シーンでは注意が必要です。
4. 技術的特徴の詳細解説:新技術が描写と使い勝手をどう変えるか
SELP1635Gは、単に焦点距離16-35mm、F4通しの広角ズームというだけでなく、その内部に様々な先進技術が凝縮されています。これらの技術が、このレンズ独自の魅力を作り出しています。
4.1. Power Zoom (PZ) 機構:滑らかなズーム体験
SELP1635Gの最も象徴的な機能がPower Zoomです。レンズ内部に搭載されたモーターがズーム群を駆動させることで、電動でのズーミングが可能になります。
- 仕組みとメリット: ズームリングを回す、あるいは対応するカメラボディのカスタムボタンやリモートコマンダー、スマートフォンアプリ(Imaging Edge Mobile)から操作することで、滑らかに焦点距離を変化させることができます。手動ズームでは難しい、一定速度でのズームイン・ズームアウトが容易に行えるため、特に動画撮影においては表現の幅が大きく広がります。ドラマチックなズームや、被写体への自然な引き寄せなどが、安定した速度で実現できます。また、ズーム時のメカノイズが非常に少ないため、動画撮影時の音声への影響も抑制されています。
- ズーム速度の調整: レンズ鏡胴のズームリング操作だけでなく、カメラ側のメニュー設定でズーム速度を低速/中速/高速の3段階に切り替え可能です。これにより、撮影シーンや意図に合わせて最適なズーム速度を選択できます。低速ズームは非常にゆっくりとした、静かで落ち着いた映像表現に適しています。
- マニュアルズームとの違い: 手動ズームは瞬時に焦点距離を大きく変えることが得意ですが、滑らかさや一定速度でのズームは熟練した技が必要です。電動ズームは、速いズームは苦手な場合がありますが(本レンズの高速モードは比較的速いですが)、何よりも「滑らかさ」と「安定した速度」が最大の強みです。また、手動ズームレンズはズーム時に鏡筒が伸び縮みしたり、重心位置が大きく変化したりすることがありますが、SELP1635Gは内蔵ズーム構造により、ズーム全域でレンズの全長がほぼ変化せず、重心移動も最小限に抑えられています。これはジンバル運用時などに非常に有利です。
- 作例 (ダミー画像): カメラに装着し、ジンバルに乗せたSELP1635Gの側面からの写真。コンパクトさが際立つ。
[ダミー画像挿入:SELP1635G カメラ装着 ジンバル]
- 作例 (ダミー画像): カメラに装着し、ジンバルに乗せたSELP1635Gの側面からの写真。コンパクトさが際立つ。
- デメリット: 電動ズームは電源が必要なため、カメラのバッテリーを消費します。また、電源OFF時はズーム位置を保持できないため、次に使う際は再度ズーム位置を合わせる必要があります。手動ズームのような直感的な操作感とは異なるため、好みが分かれる点でもあります。
4.2. Gレンズの光学設計:妥協なき描写性能
SELP1635Gは、ソニーのレンズラインナップの中でも上位に位置する「Gレンズ」です。これは、高度な光学設計と厳しい品質基準を満たしていることを意味します。
- レンズ構成: 12群13枚という構成の中で、XAレンズ1枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ2枚、EDガラス1枚という、合計5枚もの特殊レンズが投入されています。
- 高度非球面レンズ (XAレンズ): 一般的な非球面レンズよりも表面精度が極めて高く、画面中心から周辺まで高い解像力を実現し、特に広角レンズで問題となりやすいサジタルコマ収差(夜景撮影などで点光源が鳥が翼を広げたような形になる収差)や歪曲収差を効果的に抑制します。
- ED非球面レンズ: 非球面レンズとEDガラスの特性を併せ持つ特殊レンズで、色収差と非球面収差を同時に補正し、色にじみを抑えつつ高い解像力に貢献します。
- 非球面レンズ: 歪曲収差や球面収差を補正し、レンズ全体の小型化にも寄与します。
- EDガラス: 特殊低分散ガラスで、色収差(特に倍率色収差)を効果的に抑制し、解像感の高い、色にじみのない描写を実現します。
- 諸収差の補正: これらの特殊レンズを最適に配置することで、広角ズームレンズで発生しやすい歪曲収差、色収差、周辺減光、コマ収差といった様々な収差を高いレベルで補正しています。特に歪曲収差は、光学的にある程度補正しつつ、デジタル補正との連携も考慮した設計になっていると思われます。
- ナノARコーティングII: ソニー独自の反射防止コーティングで、レンズ表面での光の反射を抑え、フレアやゴーストの発生を大幅に低減します。これにより、強い光源が画面内に入る逆光シーンでも、クリアで抜けの良い描写が得られます。
これらの高度な光学設計により、SELP1635Gは軽量・コンパクトながらも、ズーム全域で非常にシャープでクリアな描写性能を実現しています。
4.3. AF性能:XDリニアモーターによる高速・高精度AF
SELP1635GのAF駆動には、ソニーが誇る最新のリニアモーター「XDリニアモーター」が2基搭載されています。
- XDリニアモーターの役割: このモーターは、従来のモーターよりも高推力・高効率で、フォーカス群を高速かつ精密に駆動させることができます。静止画撮影においては、一瞬のシャッターチャンスを捉えるための高速AFを実現します。
- 動画におけるAF性能: 動画撮影においては、被写体へのスムーズなピント合わせや、動き回る被写体への粘り強い追従が可能です。XDリニアモーターは駆動音が非常に静かであるため、AF動作音を気にせず動画撮影に集中できます。
- ブリージング抑制: 広角レンズで動画撮影を行う際に特に問題となりやすいのが、フォーカスブリージング(ピント合わせの際に画角が変化する現象)です。SELP1635Gは、光学設計段階からブリージングを抑制するように配慮されています。さらに、対応するカメラボディ(例:α7 IV, α7S IIIなど)と組み合わせることで、カメラ側の電子補正によってブリージングをさらに効果的に抑制することが可能です。これにより、よりプロフェッショナルな動画表現が容易になります。
- 作例 (ダミー画像): 動画からの切り出しで、手前から奥にスムーズにピントが移動し、その際に画角の変化がほとんどない様子を示す。
[ダミー画像挿入:SELP1635G 動画 ブリージング抑制例]
4.4. フローティングフォーカス機構:近距離から遠景まで高い解像力
SELP1635Gは、複数のレンズ群をそれぞれ独立して動かす「フローティングフォーカス機構」を採用しています。
- 仕組みと効果: レンズを構成する複数の群を、ピント位置に合わせて最適に配置することで、近距離から遠景まで、どの撮影距離でも高い解像力を維持することができます。特に最短撮影距離付近での撮影では、この機構がなければ画質が著しく劣化することがありますが、フローティングフォーカスにより、近接撮影時でもシャープな描写が得られます。
- 近距離性能: 前述の通り、SELP1635Gは最短撮影距離が比較的短く、最大撮影倍率も0.23倍(望遠端35mm時)と広角ズームとしては優秀です。フローティングフォーカス機構は、この優れた近距離性能を支える重要な技術であり、近接撮影時でも遠景撮影時と同等の高い解像力が得られることを保証します。これにより、被写体に大胆に寄って、背景を広く取り込みつつ主題を強調する、といった広角レンズならではの表現の幅が広がります。
5. 実写レビュー:SELP1635Gの描写を体感する
ここからは、実際にSELP1635Gで撮影した作例を交えながら、その描写性能を詳しく見ていきます。(作例はダミー画像として表示し、それぞれの描写の特徴についてコメントで解説します。)
5.1. 解像性能:画面隅々までシャープに
広角ズームレンズにおいて最も重要視される性能の一つが解像力です。特に画面周辺部や開放絞りでの描写が気になるところです。SELP1635Gは、高度な光学設計とXAレンズ、ED非球面レンズなどの特殊レンズにより、ズーム全域、画面全体で非常に高い解像力を実現しています。
- 作例1:風景写真(広角端16mm、F8)
[ダミー画像挿入:広大な風景写真 16mm F8]- コメント:広大な山並みと空を捉えた一枚です。画面中央の山肌の岩や木の葉はもちろん、画面隅に写り込んだ遠景の建物や電線まで、ディテールが非常に細かく再現されています。F8に絞ることで、パンフォーカスで画面全体にピントが合い、隅々までシャープな描写となっています。広角端16mm特有の遠近感を強調した迫力ある構図ですが、周辺部の描写も中央と遜色なく良好です。
- 作例2:建築物(望遠端35mm、F5.6)
[ダミー画像挿入:近代建築物のディテール 35mm F5.6]- コメント:直線的な要素が多い建築物を、望遠端35mmで捉えました。建物の壁面の質感や窓枠のラインが非常にシャープに描写されています。F5.6と少し絞ることで、解像感はピークに達している印象です。35mmという焦点距離は、広すぎず狭すぎず、標準レンズに近い感覚で建物の全体像や部分を切り取るのに適しています。画面の歪みも少なく、構造物のディテールを正確に捉えられます。
- 作例3:等倍クロップ(中心部 vs 周辺部)
[ダミー画像挿入:作例1の中心部を等倍クロップ]
[ダミー画像挿入:作例1の左上隅を等倍クロップ]- コメント:作例1の同じ被写体を、中心部と画面左上隅でそれぞれ等倍表示したものです。中心部は細部まで鮮明に描写されているのはもちろんですが、画面隅の描写も驚くほど良好です。葉っぱの一枚一枚や、遠くの木の枝のディテールまでしっかりと解像しており、広角レンズにありがちな周辺部の描写流れや甘さがほとんど見られません。XAレンズやED非球面レンズの効果が顕著に表れています。
開放絞りF4でも十分実用的な解像力を持っていますが、F5.6やF8まで絞ると、さらにシャープネスが増し、特に風景撮影などでは最高の描写が得られます。ズーム全域で安定した高い解像性能は、このレンズの大きな魅力です。
5.2. 歪曲収差:広角端の歪みと補正
広角ズームレンズは、その特性上、どうしても歪曲収差が発生します。SELP1635Gは光学的にある程度の補正がされていますが、特に広角端16mmでは樽型歪曲が見られます。
- 作例4:直線的な壁面(広角端16mm、補正OFF)
[ダミー画像挿入:直線的な壁面 16mm 補正OFF]- コメント:直線的な壁面を真横から捉えました。写真の端に向かって線が外側に膨らむ、典型的な樽型歪曲が見られます。これは広角レンズの宿命とも言える収差ですが、SELP1635Gのそれは比較的良好に補正されている方です。
- 作例5:直線的な壁面(広角端16mm、補正ON)
[ダミー画像挿入:直線的な壁面 16mm 補正ON]- コメント:同じ壁面を、カメラ内または現像ソフトでレンズ補正を適用したものです。歪曲が完全に補正され、壁面が真っ直ぐになりました。現在ではほとんどのカメラや現像ソフトが優れたレンズプロファイル補正に対応しているため、実写においては歪曲収差を気にする必要はほとんどありません。このレンズは、光学設計で収差を抑えつつ、デジタル補正を前提とした設計思想が感じられます。
望遠端35mmでは、歪曲収差はほとんど気になりません。直線的な被写体が多い建築写真などでは、カメラまたは現像ソフトでのレンズプロファイル適用を前提として使用するのがおすすめです。
5.3. 色収差:気になる色にじみは?
色収差は、特に高コントラストな被写体や画面周辺部で、色の境界線にフリンジ(色にじみ)として現れる収差です。SELP1635Gは、EDガラスやED非球面レンズにより、色収差が効果的に抑制されています。
- 作例6:枝と青空(広角端16mm、F4)
[ダミー画像挿入:枝の輪郭に色にじみがない写真 16mm F4]- コメント:青空を背景にした木の枝のような、高コントラストな被写体を撮影しました。通常、このようなシーンでは枝の輪郭に紫や緑の色フリンジが発生しやすいのですが、この作例ではほとんど色にじみが見られません。開放F4から非常に良好に補正されていることが分かります。これにより、後処理での色収差補正の手間が省け、クリアな描写が得られます。
5.4. 周辺減光(光量落ち):広角レンズの宿命
広角レンズは、特に開放絞りで撮影すると、画面の四隅が暗くなる周辺減光が発生しやすい傾向にあります。
- 作例7:青空(広角端16mm、F4)
[ダミー画像挿入:青空 16mm F4 周辺減光が見える]- コメント:均一な青空を広角端16mm、開放F4で撮影しました。画面の四隅がわずかに暗くなっているのが分かります。広角レンズとしては比較的少ない方ですが、開放では多少の周辺減光は発生します。
- 作例8:青空(広角端16mm、F8)
[ダミー画像挿入:青空 16mm F8 周辺減光が軽減]- コメント:同じ条件でF8まで絞って撮影しました。周辺減光はほとんど目立たなくなりました。F5.6程度に絞ることで十分に軽減されるため、気になる場合は少し絞るか、カメラ内または現像ソフトで補正すれば問題ありません。
5.5. フレア・ゴースト:優れた逆光耐性
ナノARコーティングIIの効果は、逆光耐性に現れます。太陽や強い光源が画面内に入るような過酷な条件でも、フレアやゴーストの発生が抑えられ、クリアな描写が得られます。
- 作例9:太陽を画面内に入れて(望遠端35mm、F11)
[ダミー画像挿入:太陽を画面内に入れた逆光写真 フレア・ゴーストが少ない]- コメント:日中の強い太陽を画面内に入れて撮影しました。通常であれば画面全体が白っぽくなったり、光の玉(ゴースト)が多数発生したりするところですが、この作例では画面の抜けが良く、フレアやゴーストも非常に少ないことが分かります。太陽の光芒も美しく出ており、逆光を活かしたダイナミックな表現が可能です。ナノARコーティングIIの効果を実感できるシーンです。
5.6. ボケ味:広角レンズでも楽しめる?
広角レンズは被写界深度が深いため、背景を大きくぼかすのは苦手とされます。しかし、開放F4と比較的明るく、最短撮影距離が短いSELP1635Gであれば、工夫次第で魅力的なボケを得ることも可能です。
- 作例10:花をクローズアップ(望遠端35mm、F4)
[ダミー画像挿入:花に大きく寄って撮影した写真 背景がボケている 35mm F4]- コメント:望遠端35mm、開放F4で、花に最短撮影距離近くまで寄って撮影しました。背景の景色が適度にボケて、主役の花を引き立てています。広角レンズらしい、背景を広く取り込みながらも主題を際立たせる描写です。ボケは硬すぎず、比較的自然な描写です。
- 作例11:点光源のボケ(夜景、望遠端35mm、F4)
[ダミー画像挿入:夜景の点光源のボケ 35mm F4 円形ボケ]- コメント:夜景を背景に、前景に光源を置いて撮影しました。ボケた点光源は、絞り羽根が7枚ながらも比較的円形に近い美しい玉ボケとなっています。広角レンズでここまで寄ってボケを活かす機会は少ないかもしれませんが、表現の幅として知っておくと良いでしょう。
5.7. 最短撮影距離・近接撮影:広角マクロ的な表現
前述の通り、SELP1635Gは最短撮影距離が優秀です。特に望遠端35mmで0.24mまで寄れることで、テーブルフォトや小さな被写体の撮影にも柔軟に対応できます。
- 作例12:テーブルフォト(望遠端35mm、最短付近)
[ダミー画像挿入:テーブルの上の小物に寄った写真 35mm 最短付近]- コメント:カフェなどでテーブルの上の小物にぐっと寄って撮影しました。背景を広く取り込みつつ、主役の小物を大きく捉える、広角レンズならではの近接表現が可能です。小物だけでなく、料理やアクセサリーなどを撮影する際にも、この最短撮影距離の短さは大きなメリットとなります。
5.8. 動画性能:Power Zoomの真髄
SELP1635Gの最大のセールスポイントであるPower Zoomは、動画撮影においてその威力を最大限に発揮します。
- 作例13:Power Zoomによるズームイン(動画からの切り出し)
[ダミー画像挿入:ゆっくりとズームインしている動画のワンシーン]- コメント:被写体に対して、電動ズームでゆっくりとズームインしているシーンです。手動ズームでは難しい、非常に滑らかで一定速度のズームワークが実現できています。ズーム速度はカメラ側の設定やズームリング操作で自由に変えられるため、表現の意図に合わせて様々な速度でのズームが可能です。
- 作例14:歩きながらの撮影(Vlogスタイル、広角端16mm、ジンバル使用)
[ダミー画像挿入:ジンバルに乗せたカメラで撮影したVlog風の動画のワンシーン]- コメント:軽量コンパクトなボディは、ジンバルとの相性が抜群です。SELP1635Gをジンバルに乗せて歩きながら撮影した映像です。レンズの全長がズームで変化しないため、ジンバルのバランスを取り直す必要がありません。また、電動ズームにより、歩きながらでも滑らかなズームイン・アウトが可能で、一人でVlog撮影を行う際にも非常に便利です。ブリージング抑制も効果を発揮し、より見やすい映像になります。
- 作例15:AF追従性(被写体が動くシーン)
[ダミー画像挿入:動く被写体にSELP1635Gがスムーズにピントを合わせ続ける動画のワンシーン]- コメント:SELP1635GのXDリニアモーターによるAFは、動画撮影においても非常に高速かつ正確です。動き回る人物や動物にも粘り強く追従し、重要なシーンでピントを外すリスクを低減してくれます。AF時の駆動音も非常に静かなため、動画の音声への影響も最小限です。
Power Zoom、ブリージング抑制、静音かつ高速なAF、そして軽量コンパクトさ。これらすべてが組み合わさることで、SELP1635Gは動画クリエイターにとって非常に強力なツールとなっています。手持ち撮影からジンバル運用、リモート撮影まで、幅広い動画制作シーンで活躍できるポテンシャルを秘めています。
5.9. 夜景撮影:星景にも使える?
広角レンズのもう一つの重要な用途は、夜景や星景撮影です。
- 作例16:夜景(広角端16mm、F4)
[ダミー画像挿入:夜景写真 16mm F4]- コメント:夜景を広角端16mm、開放F4で撮影しました。街灯などの点光源は、画面中心部では良好な点像として結像しています。画面周辺部では、わずかにコマ収差が見られますが、XAレンズの効果により広角レンズとしては非常に良好に抑えられている方です。開放F4でも十分実用的な描写が得られます。
- 作例17:星景(広角端16mm、F4)
[ダミー画像挿入:星空写真 16mm F4]- コメント:広角端16mm、開放F4で星空を撮影しました。画面中心部では星がシャープな点として写っています。周辺部では、わずかに星が歪むコマ収差が見られますが、これもXAレンズやED非球面レンズの効果により、同クラスのレンズとしては優れた補正レベルです。F4という明るさは、星景撮影において十分な光量を取り込むことができ、高感度ノイズを抑えながら撮影できます。本気の星景撮影にはより明るいF2.8レンズや単焦点レンズが有利ですが、SELP1635Gでも十分に美しい星空を捉えることが可能です。
6. 他のレンズとの比較:ユーザーにとって最適な選択肢は?
SONYのフルサイズEマウント広角ズームレンズには、SELP1635G以外にもSEL1635GM (F2.8 GM) とSEL1635Z (F4 ZA OSS) が存在します。それぞれのレンズには明確な個性があり、ユーザーの用途や予算、重視する点によって最適な選択肢が異なります。
レンズ | 焦点距離 | 開放F値 | 特徴 | サイズ/重量 | AFモーター | 手ブレ補正 | Power Zoom | 価格帯 | 主なターゲット層 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SELP1635G | 16-35mm | F4 | 軽量・コンパクト、Power Zoom、高画質 | φ80.5×88.1mm / 353g | XDリニアx2 | なし | あり | やや高価 | 動画クリエイター、Vlogger、旅写真家、機動力重視の写真家 |
SEL1635GM | 16-35mm | F2.8 | 最高クラスの光学性能、美しいボケ、明るいF値 | φ88×121.6mm / 680g | DDSSM | なし | なし | 高価 | プロ写真家、最高画質追求者、ポートレート、星景撮影 |
SEL1635Z | 16-35mm | F4 | 軽量・コンパクト、OSS搭載、バランス型 | φ78×98.5mm / 518g | DDSSM | あり | なし | 標準的 | 手ブレ補正が必要なシーン、コスト重視、バランス型 |
- SEL1635GM (F2.8 GM):
- メリット: F2.8という明るさが最大の強みです。暗所での撮影や、大きく美しいボケを得たい場合に有利です。光学性能もSELP1635G以上に優れており、特に画面周辺部の描写やコマ収差補正は最高レベルです。
- デメリット: 重量が680gと重く、サイズも大きいです。価格も最も高価です。Power Zoomはありません。
- SELP1635Gとの違い: 明るさ、サイズ、重量、価格、光学性能の絶対的な高さ、Power Zoomの有無が異なります。GMは静止画の最高画質やボケ、明るさを追求するユーザー向けです。
- SEL1635Z (F4 ZA OSS):
- メリット: 軽量・コンパクトで、光学式手ブレ補正(OSS)を搭載しています。ボディ内手ブレ補正と協調することで、さらに強力な手ブレ補正効果が得られます。ZEISSブランドらしいクリアな描写も魅力です。
- デメリット: 設計がやや古く、特に近距離での描写や周辺部の描写はSELP1635Gに一歩譲ります。Power Zoomはありません。
- SELP1635Gとの違い: 大きな違いはPower Zoomの有無と、手ブレ補正の有無、そして設計の新しさです。SELP1635Gは手ブレ補正がありませんが、ボディ内手ブレ補正の性能向上や、動画でのジンバル運用を前提としていると考えられます。SELP1635Gの方が光学設計が新しく、全体的な描写性能はSEL1635Zを上回ります。
ユーザーにとっての選択肢:
- 最高画質と明るさ、ボケを最優先し、サイズ・重量・価格は気にしない: SEL1635GM
- 動画撮影を重視し、滑らかなズームやジンバル運用を頻繁に行う。静止画でも高画質と軽量・コンパクトさを両立したい: SELP1635G
- 光学式手ブレ補正が必要で、軽量・コンパクトさを重視しつつ、価格も抑えたい: SEL1635Z
このように、SELP1635Gは「Power Zoom」という明確な差別化ポイントを持ちつつ、GMクラスに迫る高い光学性能と、SEL1635Zを凌駕する軽量・コンパクトさを実現しています。動画撮影を重視する現代のクリエイターにとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
7. メリット・デメリット:良い点も気になる点も正直に
SELP1635Gのメリットとデメリットを改めて整理してみましょう。
メリット:
- 圧倒的な軽量・コンパクトさ: フルサイズ対応広角ズームとして驚異的な353gという軽さ。携行性が非常に高く、長時間の手持ち撮影や旅、登山などでの負担を大幅に軽減します。ジンバル運用時も負担が少なく、バランス調整も容易です。
- 滑らかなPower Zoom機構: 動画撮影におけるズーム表現の幅を大きく広げます。手動ズームでは不可能な、一定速度でのズームイン・アウトが容易に行えます。リモート操作やジンバル操作との連携もスムーズです。
- ズーム全域で高い光学性能: Gレンズらしいシャープネス、色収差・フレア・ゴーストの少なさなど、描写性能はSEL1635Zを上回り、GMクラスに迫るレベルです。広角端から望遠端まで、画面中央から周辺部まで安定した高画質が得られます。
- 高速・高精度・静音AF: XDリニアモーターにより、静止画・動画問わず快適なAFを実現します。特に動画撮影時の静音性は大きなメリットです。
- ブリージング抑制効果: 動画撮影時のフォーカスブリージングが光学的に抑えられており、対応ボディとの組み合わせでさらに効果的な補正が可能です。
- 優れた最短撮影距離と近接性能: 望遠端35mmで0.24mまで寄れるため、広角レンズながらも被写体にクローズアップした表現が可能です。フローティングフォーカス機構により、近距離でも画質が劣化しません。
- 防塵・防滴に配慮した設計: 屋外での様々な撮影環境に対応できます。
デメリット:
- 開放F値がF4: より明るいF2.8レンズ(SEL1635GMなど)と比較すると、暗所での撮影や大きく背景をぼかしたいシーンでは不利になります。ただし、手ブレ補正が強力な最新ボディと組み合わせれば、静止画の暗所性能はある程度カバーできます。
- Power Zoomの操作感: 手動ズームに慣れているユーザーにとっては、電動ズーム特有の操作感に慣れが必要です。タイムラグが全くゼロというわけではなく、微妙なズーム位置の調整は手動ズームほど直感的ではないと感じるかもしれません。
- 電源OFF時のズーム位置非保持: 電源を切るとズーム位置が初期位置に戻るため、電源のオン・オフが多い撮影スタイルでは少し不便を感じる場合があります。
- 手ブレ補正機構なし: SEL1635Zは光学式手ブレ補正(OSS)を搭載していますが、SELP1635Gにはありません。最新ボディの強力なボディ内手ブレ補正が前提となります。ボディ内手ブレ補正を持たない古いボディで使用する場合は注意が必要です。
- 内蔵式レンズフード: 便利である反面、交換や、特殊なフィルター・マットボックスの装着などに制限があります。
8. こんな人におすすめ:SELP1635Gが輝くシーン
SELP1635Gは、その特徴から以下のようなユーザーに特におすすめできます。
- 動画クリエイター、Vlogger: Power Zoomによる滑らかなズーム、ブリージング抑制、静音AF、軽量コンパクトさ(ジンバル運用に有利)といった特徴は、動画撮影において非常に大きなアドバンテージとなります。特に一人で撮影するVloggerや、機動性を重視する映像作家に最適です。
- 旅や登山の写真家: 353gという軽さは、長時間の移動や携行において大きな負担軽減になります。広角16mmで雄大な風景を捉えつつ、35mmでスナップやポートレート、テーブルフォトなどもこなせる汎用性の高さは、旅先でのレンズ交換の手間を省き、より撮影に集中させてくれます。
- 高画質と携帯性を両立したい写真家: 最高の画質を求めるならGMレンズですが、日常的に持ち運びたい、あるいは常にカメラバッグに入れておきたいという場合には、SELP1635Gの軽量・コンパクトさと高い描写性能のバランスが非常に優れています。
- ジンバルやドローン(対応機種限定)での運用を頻繁に行うユーザー: ズーム時に全長が変化しない内蔵ズーム構造は、ジンバルのバランス調整の手間を省き、ドローン搭載時にも重心変化を最小限に抑えます。Power Zoomによるリモート操作も可能です。
- 静止画・動画の両方を高いレベルでこなしたいハイブリッドシューター: SE LP1635Gは、静止画でもGレンズらしい高画質を発揮し、動画ではPower Zoomやブリージング抑制といった動画向け機能が充実しています。一台のカメラで両方のクリエイトを行うユーザーにとって、非常に合理的な選択肢となります。
一方で、絶対的な明るさ(F2.8)や最高の描写性能、大きなボケが必要なプロ写真家、あるいはボディ内手ブレ補正を持たないカメラを使用しており、光学式手ブレ補正が必須であるユーザーには、SEL1635GMやSEL1635Zの方が適している場合があります。
9. 総評:新時代の撮影スタイルに応える革新的広角ズーム
SONY FE PZ 16-35mm F4 G (SELP1635G) は、単なる広角ズームレンズのアップデートではなく、現代の撮影スタイル、特に動画撮影の進化に積極的に対応した、まさに「新時代の広角ズームレンズ」と言える一本です。
その最大の魅力は、フルサイズ対応レンズとは思えない驚異的な軽量・コンパクトさと、Power Zoom機構による滑らかな動画表現の可能性、そしてGレンズらしい妥協のない光学性能を高いレベルで両立している点にあります。
静止画撮影においても、ズーム全域で画面の隅々までシャープな描写、優れた逆光耐性、そして広角ながら寄れる近接性能は、広角ズームレンズに求められる基本的な性能を十二分に満たしています。旅先や日常でのスナップ、風景、建築、広角を活かしたテーブルフォトなど、幅広いシーンで高品質な写真撮影を楽しめます。
動画撮影においては、Power Zoomがもたらす表現力は特筆ものです。手動では難しい一定速度のズームワークや、ジンバルとの相性の良さ、ブリージング抑制、静音AFといった動画向け機能の充実は、Vloggerから本格的な映像制作まで、様々なニーズに応えます。
確かに開放F値はF4であり、SEL1635GMのようなF2.8の明るさや最高のボケ味は得られません。また、手動ズームに慣れた人にとってはPower Zoomの操作感に戸惑うこともあるかもしれません。しかし、それらのデメリットを補って余りあるほど、SELP1635Gは軽量性、機動力、そして動画性能において突出した強みを持っています。
SELP1635Gは、ソニーのレンズ開発における方向性、すなわち「写真と動画の垣根を越えたクリエイターをサポートする」という強い意志を感じさせる製品です。このレンズは、あなたの撮影スタイルを変え、新たな表現の可能性を広げてくれることでしょう。
10. まとめ:購入を検討されているあなたへ
SELP1635Gは、以下のような方にとって、きっと最高のパートナーになってくれるはずです。
- 動画撮影、特にVlogやジンバルを使用した撮影を頻繁に行う方
- 旅行や登山など、レンズの軽量・コンパクトさを最優先したい方
- 一台のレンズで静止画・動画の両方を高レベルでこなしたい方
- 高性能なボディ内手ブレ補正を搭載したカメラをお使いの方
- 最新の技術、特にPower Zoomによる滑らかなズーム表現に魅力を感じる方
価格は決して安くはありませんが、その性能と多用途性を考えれば、十分に見合う価値があると言えます。ぜひ一度、量販店などで実際に手に取ってみて、その軽さや操作感を体験してみてください。そして、可能であれば試し撮りをして、SELP1635Gが写し出す世界を確認してみてください。
このレンズが、あなたのクリエイティブな旅の新たな一歩を力強くサポートしてくれることを願っています。
著者より: 本記事はSONY FE PZ 16-35mm F4 G (SELP1635G) について、製品情報、技術解説、および想定される実写での描写特性を詳細に記述したものです。作例部分はダミー画像で構成されており、実際の作例写真とは異なります。購入をご検討される際は、実際の製品レビューや作例写真を参考に、ご自身の撮影スタイルや機材との相性を十分にご確認ください。
(注:約5000語の要件を満たすため、各項目を詳細に、技術的な背景や具体的な使用シーンの説明を厚めに記述しました。作例部分はダミー画像と注釈で代替しています。実際の作例写真挿入は別途必要です。)