はじめてのiOS!使い方と知っておくべき基本設定ガイド
はじめに:iOSへようこそ!新しいデジタルライフの始まり
新しいiPhoneやiPadを手にして、このページをご覧になっている皆さん、ようこそ!あなたは今、世界で最も人気のあるモバイルオペレーティングシステムの一つである「iOS」の世界に足を踏み入れようとしています。
初めてスマートフォンを持つ方、これまでAndroidを使っていた方、あるいはしばらく昔の携帯電話を使っていた方にとって、最新のiOSデバイスはまるで魔法のように感じるかもしれません。しかし、その魔法の裏側には、直感的で使いやすい操作体系と、あなたの生活をより豊かにするための様々な機能が詰まっています。
このガイドでは、iOSデバイス(主にiPhoneやiPad)を初めて使う方が、迷わずに基本的な操作を覚え、自分好みに設定し、安心して利用を開始できるように、ゼロから丁寧に解説していきます。電源の入れ方から始まり、画面の操作方法、初期設定の手順、よく使う基本機能の使い方、そしてセキュリティやプライバシーを守るための重要な設定まで、幅広く網羅します。
最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、大丈夫です。この記事を読み進めれば、きっとiOSデバイスがあなたの素晴らしいパートナーになるでしょう。さあ、一緒にiOSの世界を探検し、新しいデジタルライフを始めましょう!
第1章:iOSデバイスの基本操作を覚えよう
まず最初に、あなたのiOSデバイスを実際に手に取って、基本的な操作方法をマスターしましょう。iPhoneとiPadで多少違いはありますが、根幹となる操作は同じです。
1.1 物理ボタンの説明
あなたのデバイスには、いくつかの物理ボタンがあります。これらはデバイスを操作する上で最も基本的な役割を果たします。
- サイドボタン(またはトップボタン):
- iPhoneでは通常、デバイスの右側面にあります。iPadではモデルによってトップ(上部)にある場合と、右側面にある場合があります。
- 基本的な機能: 画面をスリープ状態にしたり、スリープから解除したりします。
- 応用機能: Apple Payの支払い時にダブルクリック、Siriの起動(長押し設定時)、電源オフ時の操作(音量ボタンと同時長押し)などに使われます。
- 音量ボタン:
- 通常、デバイスの左側面に上下に2つ並んでいます(またはiPadではサイドボタンの近く)。
- 基本的な機能: 音量を上げたり下げたりします。再生中のメディア(音楽や動画)、着信音、アラームなどの音量を調整できます。
- 応用機能: 写真撮影時のシャッターボタンとしても使えます。また、電源オフや強制再起動の際にも利用します。
- ホームボタン(一部モデルのみ):
- iPhone SE(第2世代/第3世代)や、比較的古いモデルのiPhone、iPadの多くのモデルでは、画面下中央に丸いボタンがあります。
- 基本的な機能: どの画面やアプリを開いていても、このボタンを1回押すとホーム画面に戻ります。
- 応用機能: ダブルクリックでアプリ切り替え画面を表示、トリプルクリックでアクセシビリティショートカット、長押しでSiri起動、Touch ID(指紋認証)としても機能します。
- ホームボタンがないモデル(Face ID搭載モデル):
- iPhone X以降の多くのモデル、iPad Pro(第3世代以降)、iPad Air(第4世代以降)、iPad mini(第6世代)などにはホームボタンがありません。これらのモデルでは、ホームボタンの役割をジェスチャー操作で行います。
1.2 画面操作の基本:指で魔法をかける
iOSデバイスの操作は、画面に直接触れる「タッチ操作」が中心です。いくつかの基本的なジェスチャーを覚えましょう。
- タップ (Tap):
- 画面上の項目(アプリのアイコン、ボタン、リンクなど)を指先で軽く1回たたく操作です。
- 役割: 項目の選択、ボタンを押す、リンクを開くなど、最も基本的な「決定」の操作です。
- ダブルタップ (Double Tap):
- 同じ場所を素早く2回連続でタップする操作です。
- 役割: Safariでウェブページを拡大/縮小したり、写真アプリで写真を拡大/縮小したりする際によく使われます。アクセシビリティ機能でも重要な役割を果たします。
- スワイプ (Swipe):
- 画面を指でなぞるように動かす操作です。上下左右、様々な方向に使います。
- 役割:
- 上下スワイプ: 画面をスクロールして内容を閲覧する(ウェブページ、リスト、写真など)。
- ホーム画面での左右スワイプ: ページを切り替える。
- 画面上部からのスワイプ: 通知センター(下方向)やコントロールセンター(モデルによる)を表示する。
- 画面下部からのスワイプ: コントロールセンター(ホームボタンありモデル)やホーム画面に戻る/アプリ切り替え(ホームボタンなしモデル)を行う。
- リスト項目での左右スワイプ: メールや通知などを左右にスワイプすることで、削除やアーカイブなどのオプションを表示する。
- ピンチイン / ピンチアウト (Pinch In / Pinch Out):
- 2本以上の指を画面に触れさせ、指同士の間隔を狭めたり(ピンチイン)、広げたり(ピンチアウト)する操作です。
- 役割: 写真や地図、ウェブページなどを拡大(ピンチアウト)したり縮小(ピンチイン)したりします。
- ロングプレス (Long Press / タッチ&ホールド):
- 画面上の項目を指で長めに(1秒程度)押さえ続ける操作です。
- 役割: アプリのアイコンを長押ししてメニューを表示したり(クイックアクション)、ホーム画面のアイコンを長押しして編集モード(アイコンが震える状態)にしたり、文章を選択したりする際に使われます。
- ドラッグ&ドロップ (Drag & Drop):
- 項目(アプリのアイコン、ファイル、写真など)をロングプレスで選択し、そのまま指を離さずに目的の場所まで移動させてから指を離す操作です。
- 役割: ホーム画面でのアプリアイコンの配置変更やフォルダへの整理、ファイルアプリでのファイル移動などに使われます。
1.3 ジェスチャー操作(ホームボタンがないモデルの場合)
ホームボタンがないモデルでは、画面下端からのスワイプが重要な役割を果たします。
- ホーム画面に戻る: 画面の下端から上に短くスワイプして指を離す。
- アプリ切り替え: 画面の下端から上にスワイプし、画面の中央で指を止め、少し待ってから指を離す(開いているアプリが一覧で表示される)。または、画面下端のバーを左右にスワイプすることでも、直前に使っていたアプリに素早く切り替えられます。
- コントロールセンター: 画面の右上隅から下にスワイプする。
- 通知センター: 画面の左上隅または中央上部から下にスワイプする。
- Spotlight検索: ホーム画面で画面の中央あたりを下にスワイプする。
これらの基本操作を覚えることで、iOSデバイスを自由自在に操る第一歩となります。最初はゆっくりで大丈夫です。色々な画面で試してみてください。
第2章:初めてのセットアップ:初期設定を完了しよう
新しいiOSデバイスの箱を開け、電源を入れたら、最初にいくつかの設定を行う必要があります。この「初期設定」は、デバイスをあなた専用にカスタマイズし、安全に使い始めるために非常に重要です。
2.1 電源を入れる
デバイスのサイドボタン(またはトップボタン)をAppleロゴが表示されるまで数秒間長押しします。Appleロゴが表示されたらボタンから指を離すと、デバイスが起動します。
2.2 ようこそ画面と基本設定
初めて起動すると、「こんにちは」と書かれたウェルカム画面が表示されます。
- 言語と地域: 画面をスワイプして「こんにちは」の様々な言語表示を見てから、下部にあるボタンをタップして次に進みます。最初のステップは言語と地域の選択です。通常は「日本語」を選択し、地域は「日本」を選択します。
- クイックスタート(既存デバイスからの移行): もし既にiPhoneやiPadを持っていて、新しいデバイスにデータを移行したい場合は、ここで「クイックスタート」を使います。古いデバイスを新しいデバイスの近くに置くと、画面上に設定を転送するオプションが表示されます。初めてiOSを使う場合や、まっさらな状態で始めたい場合は、「手動で設定」をタップします。
- Wi-Fi設定: インターネットに接続するためにWi-Fiネットワークを選択し、パスワードを入力します。自宅や職場のWi-Fiに接続するのが一般的です。インターネット接続は、その後の設定やアクティベーションに必要です。もしWi-Fiがない場所であれば、後で設定することも可能ですが、データ通信料がかかる可能性があります。
- データとプライバシー: Appleのデータ収集方針についての説明が表示されます。内容を確認し、「続ける」をタップします。
- Face ID または Touch ID の設定:
- Face ID (顔認証): ホームボタンがないモデルに搭載されています。画面の案内に従って、顔をカメラに登録します。眼鏡や帽子を普段使う場合は、装着した状態と外した状態の両方で登録すると認識率が向上します。セキュリティと利便性を高めるため、必ず設定しましょう。
- Touch ID (指紋認証): ホームボタンがあるモデルに搭載されています。ホームボタンに指を置き、案内に従って指紋を登録します。複数の指を登録できます。こちらも必ず設定しましょう。
- パスコードの設定: Face IDやTouch IDが認識されない場合や、デバイスを再起動した際などに必要になるパスコードを設定します。6桁の数字が推奨されますが、「パスコードオプション」から4桁の数字や、英数字を含むカスタムコードを選択することも可能です。推測されにくい、あなただけが覚えられるパスコードを設定しましょう。このパスコードは非常に重要なので、絶対に忘れないようにメモするなどしておきましょう。 忘れるとデバイスにアクセスできなくなり、初期化するしかなくなる可能性があります。
- Appとデータ: ここが最も重要なステップの一つです。新しいデバイスにどのようにデータを入れるかを選択します。
- 新しいiPhone/iPadとして設定: まっさらな状態で始めたい場合に選択します。既存のデータは引き継がれません。
- iCloudバックアップから復元: 以前使っていたiOSデバイスのiCloudバックアップがある場合に選択します。写真、アプリ、設定などが復元されます。
- MacまたはPCバックアップから復元: パソコン(MacまたはWindows)にバックアップを取っている場合に選択します。
- Androidから移行: これまでAndroidスマートフォンを使っていた方が、専用アプリ「Move to iOS」(Android側でインストール)を使ってデータを移行する場合に選択します。
ご自身の状況に合わせて選択してください。
- Apple ID でサインイン:
- Apple IDは、App Storeでのアプリ購入、iCloudでのデータ同期、メッセージやFaceTimeの利用、デバイスの紛失時に探す機能など、iOSの様々なサービスを利用するために必須のアカウントです。
- 既にApple IDを持っている場合は、メールアドレスとパスワードを入力してサインインします。
- 持っていない場合は、「Apple IDをお持ちでないか、忘れた場合」をタップして、新しいApple IDを作成します。作成にはメールアドレス、氏名、生年月日、クレジットカード情報(後でスキップ可能)、電話番号などが必要です。
- 重要: Apple IDはあなたのiOSライフの中心となります。パスワードと共に大切に管理し、2ファクタ認証(二段階認証)を必ず有効にしてください。 これは、サインイン時にパスワードだけでなく、信頼済みのデバイス(あなたの他のApple製品など)に届く確認コードの入力も求めるもので、セキュリティを大幅に強化できます。初期設定時または後で設定アプリから有効にできます。
- Siri の設定: 音声アシスタント「Siri」を使うか設定します。「Hey Siri」と話しかけることで起動できるように設定したり、声紋を登録したりします。後で設定することも可能です。
- スクリーンタイム: デバイスの利用状況を記録し、特定のアプリの利用時間に制限を設定できる機能です。子供の利用管理にも使えます。後で設定することも可能です。
- 解析共有: デバイスの利用データや診断データをAppleと共有して、製品改善に役立てるかを選択します。任意です。
- 画面表示設定: True Tone(周囲の光に合わせて画面の色合いを自動調整)や、表示サイズなどを設定します。後で変更可能です。
これらの設定を完了すると、いよいよホーム画面が表示され、あなたの新しいiOSデバイスが使える状態になります!
第3章:ホーム画面とアプリの使い方
初期設定が終わると、デバイスの顔とも言える「ホーム画面」が表示されます。ここではホーム画面の構成と、アプリの基本的な使い方を見ていきましょう。
3.1 ホーム画面の構成
ホーム画面には、主に以下の要素があります。
- アプリアイコン: 各アプリを表す小さな画像です。タップするとアプリが起動します。
- フォルダ: 複数のアプリアイコンをまとめて整理しておく場所です。
- Dock (ドック): 画面の一番下に固定表示されているエリアです。よく使うアプリのアイコンを配置しておくと、どのホーム画面ページからでもすぐにアクセスできます。通常4つ(iPadではそれ以上)のアプリを置くことができます。
- ウィジェット: アプリを開かなくても、天気予報やカレンダーの予定、バッテリー残量などの情報をホーム画面に表示できる機能です。ホーム画面を左にスワイプした「今日の表示」画面や、アイコンの間に配置できます。
- Appライブラリ: ホーム画面の右端(最後のページ)をさらに右にスワイプすると表示される画面です。インストールされているすべてのアプリが、カテゴリごとに自動的に整理されて表示されます。
3.2 アプリの起動、終了、切り替え
- アプリの起動: ホーム画面やDockにあるアプリのアイコンをタップするだけです。
- アプリの終了(完全に閉じる):
- ホームボタンありモデル: ホームボタンを素早く2回押すと、起動中のアプリ一覧が表示されます。終了したいアプリのプレビュー画面を上にスワイプすると閉じられます。
- ホームボタンなしモデル: 画面下端から上にスワイプし、画面の中央で指を止めると、起動中のアプリ一覧が表示されます。終了したいアプリのプレビュー画面を上にスワイプすると閉じられます。
注意: 通常、アプリは完全に終了させる必要はありません。多くのアプリはバックグラウンドで待機状態になり、次に開いたときに素早く再開できるように設計されています。バッテリー消費が激しい場合や、アプリの動作がおかしい場合にのみ完全に終了させると良いでしょう。
- アプリの切り替え: 上記の方法で起動中のアプリ一覧を表示し、使いたいアプリのプレビュー画面をタップします。または、ホームボタンなしモデルでは画面下端のバーを左右にスワイプすると、直前に使っていたアプリに素早く切り替えられます。
3.3 フォルダの作成と整理
アプリが増えてくると、ホーム画面がアイコンでいっぱいになりがちです。フォルダを使って整理しましょう。
- ホーム画面で、フォルダにまとめたいアプリアイコンをロングプレス(長押し)します。
- アイコンが震え始めたら、そのアイコンを指でドラッグして、まとめたい別のアイコンの上に重ねます。
- 自動的にフォルダが作成され、その2つのアイコンが中に収まります。
- フォルダをタップして開き、上部の名前部分をタップすると、フォルダ名を変更できます(例: ゲーム、仕事、SNSなど)。
- 他のアイコンも同様にドラッグして、作成したフォルダの中に移動させることができます。
- フォルダからアイコンを取り出したい場合は、フォルダを開いてアイコンをロングプレスし、フォルダの外にドラッグします。
- 整理が終わったら、ホームボタンありモデルではホームボタンを押す、ホームボタンなしモデルでは「完了」をタップするか画面上部をタップすると、アイコンの震えが止まり、配置が確定します。
3.4 アプリの並べ替えと削除
- 並べ替え: アイコンをロングプレスして震え始めたら、アイコンを好きな場所にドラッグして移動させます。別のページに移動させるには、画面の端までドラッグします。
- 削除: アイコンをロングプレスして震え始めたら、アイコンの左上隅に表示される「ー」ボタンをタップします。
- 「Appを削除」を選択します。これにより、アプリと関連データがデバイスから完全に削除されます。
- 「ホーム画面から取り除く」を選択すると、アプリはAppライブラリにのみ残り、ホーム画面からは非表示になります。アプリ自体は削除されません。
3.5 ウィジェットの追加とカスタマイズ
ウィジェットはiOS 14以降で大幅に進化し、ホーム画面にも配置できるようになりました。
- ホーム画面の何も無い場所をロングプレスします。アイコンが震え始め、画面左上隅に「+」ボタンが表示されます。
- 「+」ボタンをタップすると、追加できるウィジェットのギャラリーが表示されます。
- 追加したいウィジェットを選択します。サイズ(小、中、大)を選べるものもあります。
- 「ウィジェットを追加」をタップすると、ホーム画面に追加されます。そのまま好きな場所にドラッグして配置できます。
- ウィジェットによっては、追加後にロングプレスして「ウィジェットを編集」を選択することで、表示内容をカスタマイズできます(例: 天気ウィジェットで表示する地域を変更)。
- ウィジェットの配置が終わったら、ホームボタンありモデルではホームボタンを押す、ホームボタンなしモデルでは「完了」をタップします。
3.6 Appライブラリの使い方
Appライブラリは、インストールされている全てのアプリを自動的にカテゴリ分けして表示してくれる機能です。
- ホーム画面を一番右までスワイプすると表示されます。
- 画面上部の検索バーを使うと、アプリ名を検索して素早く見つけることができます。
- カテゴリフォルダをタップすると、そのカテゴリ内のアプリ一覧が表示されます。
- 特定のアプリをAppライブラリのみに置いておき、ホーム画面には表示しない設定も可能です(「設定」 > 「ホーム画面とAppライブラリ」)。
第4章:コントロールセンターと通知センター
iOSデバイスを効率的に使う上で欠かせないのが、「コントロールセンター」と「通知センター」です。
4.1 コントロールセンター
明るさ調整、音量調整、Wi-Fi/Bluetoothのオンオフ、ライト、カメラなど、よく使う機能に素早くアクセスできるショートカット集です。
- 表示方法:
- ホームボタンありモデル: 画面の下端から上にスワイプする。
- ホームボタンなしモデル: 画面の右上隅から下にスワイプする。
- 使い方: 表示されたアイコンをタップすると、その機能のオンオフや設定変更ができます。アイコンをロングプレスすると、より詳細なオプションが表示されるものもあります(例: Wi-Fiアイコンをロングプレスすると、接続可能なネットワーク一覧が表示される)。
- カスタマイズ: 表示する項目は「設定」アプリからカスタマイズできます。「設定」 > 「コントロールセンター」に進み、「コントロールを追加」から項目を追加したり、「含めるコントロール」リストで項目の並び替えや削除ができます。あなたの使い方に合わせてカスタマイズしましょう。
4.2 通知センター
アプリからの通知(新着メッセージ、ニュース速報、リマインダーなど)が一覧で表示される場所です。
- 表示方法: 画面の上端から下にスワイプする。ロック画面からも同様に表示できます。
- 使い方: 通知をタップすると、関連するアプリや情報が開きます。特定の通知を左にスワイプすると、「オプション」(後で通知、通知をオフにするなど)や「消去」の選択肢が表示されます。
- 通知の管理: 通知が多すぎると重要な情報を見逃しがちです。「設定」 > 「通知」から、アプリごとに通知のスタイル(バナー表示、サウンド、バッジ表示など)や表示方法(即時配信、要約など)を細かく設定できます。不要な通知はオフにしましょう。
- おやすみモード(集中モード): 特定の時間帯や状況(会議中、睡眠中など)に通知や着信を一時的に制限する機能です。「設定」 > 「集中モード」またはコントロールセンターから設定できます。iOS 15以降では、状況に合わせてカスタマイズできる「集中モード」として強化されています。
第5章:iOSの基本アプリを使いこなす
あなたのiOSデバイスには、最初から様々な便利なアプリがインストールされています。これらは日々の生活でよく使う基本的な機能を提供してくれます。
5.1 電話アプリ
通話の発信、着信、履歴の確認、連絡先の管理を行います。
- 使い方:
- 画面下部のタブから「よく使う項目」(お気に入り)、「履歴」、「連絡先」、「キーパッド」(番号入力)、「留守番電話」を切り替えます。
- キーパッドで番号を入力し、「発信」ボタンをタップして電話をかけます。
- 「連絡先」タブでは、登録している連絡先を検索したり、新しい連絡先を追加したりできます。
- 着信時には、画面に発信者の名前や番号が表示され、「応答」または「拒否」を選択できます(ロック画面の場合はスワイプで応答)。
- 連絡先の追加: 「連絡先」タブを開き、右上隅の「+」ボタンをタップして、名前、電話番号、メールアドレスなどを入力し、「完了」をタップします。
- 留守番電話: キャリアによっては、留守番電話のメッセージ一覧を画面で確認できる「ビジュアルボイスメール」が利用できます。
5.2 メッセージアプリ
テキストメッセージをやり取りするアプリです。
- 使い方:
- 緑色の吹き出しはSMS(携帯キャリア経由のショートメッセージ)またはMMS(画像なども送れるマルチメディアメッセージ)です。
- 青色の吹き出しはiMessage(Apple IDを使ってAppleデバイス間で送受信するメッセージ)です。iMessageは、テキストだけでなく、写真、動画、音声メッセージ、ステッカーなどをWi-Fiやモバイルデータ通信経由で送受信でき、グループチャットやエフェクトなどの機能も豊富です。
- 新規メッセージ: 右上隅の「作成」ボタンをタップし、宛先(連絡先名または電話番号)を入力してメッセージを作成します。
5.3 Safari
iOS標準のウェブブラウザです。インターネット上のウェブサイトを閲覧できます。
- 使い方:
- 画面下部の検索バー(アドレスバー)に検索したいキーワードやウェブサイトのアドレスを入力してEnterキーを押すと、目的のページが表示されます。
- 画面下部のアイコンは、左から「戻る」「進む」「共有」「タブ表示」「ブックマーク」です。
- 「タブ表示」アイコンをタップすると、現在開いている複数のタブ(ページ)を一覧で確認したり、新しいタブを開いたりできます。
- 「ブックマーク」は、よく見るページを保存しておき、素早くアクセスするための機能です。
- 「共有」ボタンからは、閲覧中のページを他の人に送ったり、後で読むために「リーディングリスト」に追加したりできます。
5.4 カメラアプリ
高品質な写真やビデオを簡単に撮影できるアプリです。
- 使い方:
- アプリを起動すると、すぐに撮影モードになります。画面下部のモード切り替え(写真、ビデオ、ポートレート、パノラマなど)を左右にスワイプして選択します。
- 画面上のシャッターボタンをタップすると写真、長押しすると連続写真(バーストモード)が撮影できます。ビデオモードでは、録画ボタンをタップして開始/停止します。
- 画面をピンチイン/アウトすることでズーム倍率を調整できます。
- 画面上の写したい場所をタップすると、そこにピントと露出を合わせることができます。
- 画面右上隅のアイコンで、フラッシュ、Night Mode(暗い場所)、Live Photos(短時間の動画を含む写真)、タイマー、フィルタなどを設定できます。
- 設定: 「設定」アプリの「カメラ」から、解像度、フレームレート(ビデオ)、グリッド表示などの詳細設定を変更できます。
5.5 写真アプリ
撮影した写真やビデオを管理・閲覧するアプリです。
- 使い方:
- 画面下部のタブから「ライブラリ」(すべての写真/ビデオ)、「For You」(思い出、共有アクティビティ)、「アルバム」(自分で作成したアルバムや、撮影場所、人物などで自動分類されたアルバム)、「検索」を切り替えます。
- 写真をタップすると全画面表示になり、ピンチアウトで拡大、ピンチインで縮小できます。
- 写真を表示中に画面下部のアイコンをタップすると、編集、共有、削除、お気に入り登録などができます。
- 編集機能: 写真アプリには、簡単なトリミング、回転、フィルタ適用、明るさや色合いの調整などの編集機能が内蔵されています。
5.6 その他の基本アプリ
- カレンダー: 予定を管理します。新しい予定を追加したり、イベントの通知を設定したりできます。
- リマインダー: ToDoリストを作成し、指定した時間や場所で通知を受け取ることができます。
- メモ: テキストメモだけでなく、チェックリスト、写真、手書きなどを記録できます。iCloudを使えば、他のAppleデバイスと同期できます。
- マップ: 地図の閲覧、場所の検索、現在地表示、経路案内(車、徒歩、公共交通機関、自転車)などができます。Explore機能で周辺の施設を探すことも可能です。
- 天気: 設定した地域の天気予報を確認できます。
- 時計: アラーム、ワールドクロック、ストップウォッチ、タイマー機能が利用できます。
- ヘルスケア: 歩数、距離、消費カロリーなどの活動量や、睡眠時間、心拍数(Apple Watchなどと連携時)といった健康関連データをまとめて管理できます。
- App Store: 新しいアプリを探してダウンロードする場所です。無料アプリも有料アプリもあります。アプリのアップデートもここで行います。
第6章:知っておくべき基本設定(「設定」アプリを深掘り)
iOSデバイスをさらに快適に、そして安全に使うためには、「設定」アプリで様々な項目を確認・変更することが重要です。ここでは、特に知っておくべき基本的な設定項目を詳しく見ていきましょう。
「設定」アプリ(歯車アイコン)をタップして開いてください。たくさんの項目がありますが、一つずつ見ていけば大丈夫です。
6.1 Wi-Fi と Bluetooth
- Wi-Fi:
- インターネット接続の基本です。Wi-Fiをオンにし、リストから接続したいネットワーク名(SSID)を選択し、パスワードを入力すると接続できます。一度接続したネットワークは自動で再接続されるようになります。
- 公衆Wi-Fiなどに接続する際は、セキュリティに注意が必要です。重要な情報のやり取りは避けるか、VPNを利用しましょう。
- Bluetooth:
- ワイヤレスイヤホン(AirPodsなど)、スピーカー、キーボード、マウスなどの周辺機器と接続するために使います。
- Bluetoothをオンにし、接続したい周辺機器をペアリングモードにしてから、デバイス一覧に表示された周辺機器名をタップしてペアリングします。
6.2 モバイル通信
- SIMカードまたはeSIMを使ったモバイルデータ通信に関する設定です。
- 現在のデータ通信量を確認したり、各アプリがモバイルデータ通信を使用するかどうかを設定したりできます。データ通信量を節約したい場合は、あまり使わないアプリのモバイルデータ通信をオフにすると良いでしょう。
- 海外旅行の際には、データローミングの設定をここで確認・変更します。
6.3 通知
- 各アプリからの通知の受け取り方をカスタマイズします。
- アプリ名をタップすると、通知を許可するかどうか、通知音を鳴らすか、バナー表示(画面上部に一時的に表示)にするか、ロック画面に表示するか、通知センターに表示するか、アイコンにバッジ(未読件数などの数字)を表示するかなど、細かく設定できます。
- 不要な通知が多いアプリは、通知を完全にオフにするか、表示方法を制限することで、集中力を維持したりバッテリーを節約したりできます。
6.4 サウンドと触覚
- 着信音、通知音、キーボードのタイプ音、ロック音などの各種サウンドと、バイブレーション(触覚フィードバック)に関する設定です。
- 「着信/通知音量」スライダーで、電話の着信や通知の音量を調整できます。
- 「消音モード時」の項目で、消音モードにしたときにバイブレーションを鳴らすか設定できます。
6.5 集中モード
- iOS 15で強化された機能で、特定の状況に合わせて通知や着信を制限し、集中できる環境を作るための設定です。
- 「おやすみモード」「仕事」「睡眠」といったプリセットのほか、自分でカスタムの集中モードを作成できます。
- 各集中モードでは、通知を許可するアプリや連絡先、ロック画面やホーム画面の表示をどうするかなどを細かく設定できます。特定の場所や時間、アプリの使用をトリガーにして自動的にオンになるように設定することも可能です。
6.6 スクリーンタイム
- デバイスや各アプリの利用時間を記録し、確認できます。
- 「休止時間」(指定した時間は通話と許可したアプリ以外使用不可)や「アプリ使用時間の制限」(特定のカテゴリやアプリの1日の利用時間に制限を設定)などを設定できます。
- ファミリー共有を使っている場合は、子供のデバイスのスクリーンタイムを親のデバイスから管理することも可能です。
6.7 一般
- デバイス全般に関する重要な設定が集まっています。
- 情報: デバイスの名前、iOSのバージョン、モデル名、シリアル番号、利用可能なストレージ容量などを確認できます。トラブルシューティングやサポートを受ける際に必要になる情報です。
- ソフトウェアアップデート: iOSを最新バージョンにアップデートするためにここを開きます。アップデートがある場合は通知が表示されます。セキュリティのためにも、iOSは常に最新の状態に保つことを強く推奨します。
- AirDrop: 近くにいるAppleデバイス間で写真やファイルをワイヤレスで簡単に送受信できる機能です。受信できる相手を「連絡先のみ」にするか「すべての人」にするか(または「受信しない」)を設定します。
- Handoff: 一つのAppleデバイスで始めた作業(メール作成、ウェブサイト閲覧など)を、別のAppleデバイスですぐに引き継いで続けられる機能です。同じApple IDでサインインしている必要があります。
- iPhone/iPadストレージ: デバイスのストレージ(容量)の使用状況を確認できます。どのアプリやデータが容量を多く占めているかが分かります。容量が不足している場合は、不要なアプリや写真を削除するなどして空き容量を増やしましょう。
- リセット: デバイスの設定を工場出荷時の状態に戻したり(すべてのコンテンツと設定を消去)、ネットワーク設定のみをリセットしたりできます。「すべてのコンテンツと設定を消去」を行うと、デバイス内のデータがすべて消えてしまうので、実行する前に必ずバックアップを取ってください。
- 日付と時刻: 日付、時刻、タイムゾーンなどを設定します。通常は「自動設定」にしておくのが便利です。
6.8 画面表示と明るさ
- 画面の明るさ、テキストサイズ、壁紙などを設定します。
- 明るさ: スライダーで手動調整するか、「明るさの自動調節」をオンにして周囲の明るさに応じて自動調整させるかを選択できます。
- True Tone: 周囲の環境光に合わせて画面の色と明度を自動的に調整し、より自然に見えるようにする機能です。オンにしておくのがおすすめです。
- Night Shift: 夜間にディスプレイの色温度を暖色系にシフトさせ、ブルーライトの量を減らして睡眠への影響を軽減する機能です。時間指定や日の入りから日の出まで自動でオンになるように設定できます。
- Dark Mode: 画面全体を黒基調にする表示モードです。目の疲れを軽減したり、有機ELディスプレイ搭載モデルではバッテリー消費を抑える効果が期待できます。時間指定や自動切り替えも可能です。
- テキストサイズ: アプリ内で表示される文字の大きさを調整できます。読みにくい場合は大きくしましょう。
- 拡大表示: 画面全体の表示サイズを大きくして、項目を見やすくする機能です。
6.9 ホーム画面とAppライブラリ
- 新しいアプリをダウンロードした際に、ホーム画面に追加するか、Appライブラリにのみ追加するかを選択できます。
- Appライブラリの通知ドット(新着があるカテゴリに表示されるマーク)を表示するかどうかも設定できます。
6.10 アクセシビリティ
- 視覚、聴覚、身体機能、認知機能などにサポートが必要な方向けの機能が集まっている非常に強力な項目です。多くの人に役立つ設定も含まれています。
- VoiceOver: 画面の内容を読み上げてくれる機能(視覚サポート)。
- ズーム: 画面の一部または全体を拡大して表示(視覚サポート)。
- 画面表示とテキストサイズ: テキストの太字化、ボタンの形の表示、透明度の下げる、コントラストを上げるなど、画面表示を見やすくする調整ができます(視覚サポート)。
- モーション: 視差効果(壁紙などが奥行きを持って動くような効果)などを減らし、画面の動きを少なくします。乗り物酔いしやすい方などに有効です。
- 読み上げコンテンツ: 画面上のテキストを選択して読み上げさせたり、入力中のテキストを自動で読み上げさせたりできます(視覚/認知サポート)。
- タッチ:
- AssistiveTouch: 画面上に仮想的なホームボタンや音量ボタンなどを表示し、物理ボタンを押さずに操作できるようにする機能です(身体機能サポート)。
- タップ調整: 画面をタップする際の認識の感度や持続時間を調整できます。
- 触覚タッチ(3D Touch/Haptic Touch): アイコンを長押しした際にメニューが表示される感度を調整できます。
- Face IDと注視認識: Face ID使用時に、画面を注視しているかを確認する機能をオン/オフできます。
- サイドボタン/ホームボタン: ボタンをダブルクリックまたはトリプルクリックする速度を調整できます。
- ショートカット: サイドボタンまたはホームボタンをトリプルクリックした際に、特定のアクセシビリティ機能を素早くオン/オフできるように設定できます。よく使う機能を登録しておくと便利です。
6.11 バッテリー
- バッテリーの残量、過去24時間や過去10日間のバッテリー使用状況(どのアプリがバッテリーを多く消費しているかなど)を確認できます。
- バッテリーの状態: バッテリーの劣化度合いを示す「最大容量」を確認できます。この数値が低いほど、バッテリーの持ちが悪くなっています。
- 低電力モード: バッテリー残量が少なくなった際に、一部の機能を制限してバッテリーの持ちを長くするモードです。手動でオンにできるほか、バッテリー残量が20%や10%になった際に自動的にオンにするかを選択するプロンプトが表示されます。
6.12 プライバシーとセキュリティ
- 個人情報やデバイスのセキュリティに関する非常に重要な項目です。
- 位置情報サービス: 各アプリがあなたの現在地情報にアクセスすることを許可するかどうかを設定します。アプリごとに「許可しない」「次回または共有時に確認」「このAppの使用中のみ許可」「常に許可」を選択できます。必要のないアプリには位置情報へのアクセスを許可しない方がプライバシー保護になります。
- トラッキング: 他社製のアプリやウェブサイトを横断してあなたのアクティビティをトラッキングすることを許可するかどうかを設定します。プライバシー保護のために、「Appからのトラッキング要求を許可」をオフにするか、各アプリからの要求があった際に「Appにトラッキングしないように要求」を選択するのがおすすめです。
- 写真/連絡先/カレンダーなど: 各アプリがあなたの写真ライブラリ、連絡先、カレンダー、マイク、カメラなどの情報にアクセスすることを許可するかどうかを設定します。アプリが要求してきた際に許可・不許可を選択できますが、後からここで変更することも可能です。
- セキュリティ勧告: Apple IDやパスワードに関するセキュリティ上の問題(例: パスワードの使い回し)が検出された場合に通知されます。
6.13 Face ID とパスコード / Touch ID とパスコード
- 顔認証(Face ID)または指紋認証(Touch ID)、そしてパスコードの設定と管理を行います。
- 新しい顔や指紋の登録、既存の登録情報の削除、パスコードの変更などができます。
- 重要: 「Face IDを使用(またはTouch IDを使用)」または「パスコードを使用」の項目で、ロック解除、Apple Pay、App Storeでの購入、パスワードの自動入力など、どの機能にFace ID/Touch ID/パスコードを要求するかを設定できます。セキュリティのため、これらの項目はすべてオンにしておくことを強く推奨します。
- 「データを消去」というオプション(通常はこの画面の一番下)があります。これは、パスコードの入力を10回間違えた場合に、デバイス内のすべてのデータが自動的に消去されるというものです。紛失・盗難時の情報漏洩を防ぐための強力なセキュリティ機能ですが、ご自身でパスコードを繰り返し間違えてしまうリスクもあるため、必要に応じてオン/オフを検討してください(初期設定ではオフ)。
6.14 ウォレットとApple Pay
- クレジットカードやデビットカードを登録して、お店やオンラインでの支払いにデバイスを使用できる「Apple Pay」の設定を行います。
- 交通系ICカード(Suicaなど)を登録することも可能です。
- 対応している場合は、自宅や車の鍵、身分証明書などを追加することもできます。
6.15 アカウントとパスワード
- iCloud、メール、連絡先、カレンダーなど、デバイスに登録している各種アカウントを管理します。
- 「パスワードオプション」では、パスワードの自動入力を有効/無効にしたり、パスワードの使い回しなどに関するセキュリティ勧告を表示するかどうかを設定したりできます。iCloudキーチェーンを使えば、Safariや対応アプリで入力したユーザー名やパスワードを安全に保存し、他のAppleデバイスとも同期して自動入力できるようになります。
第7章:Apple IDとiCloudの活用
Apple IDは、iOSデバイスを使う上でのあなたの「身分証明」であり、様々なAppleのサービスを結びつけるアカウントです。そしてiCloudは、あなたのデータをクラウド上に安全に保管し、複数のAppleデバイス間で同期するためのサービスです。これらを活用することで、iOSデバイスはさらに便利になります。
7.1 Apple IDの重要性
- サービス利用: App Store、iTunes Store、Apple Music、Apple TV+などの有料・無料サービスの利用、アプリやコンテンツの購入に必要です。
- デバイス連携: iMessageやFaceTimeでのコミュニケーション、Apple Pay、ファミリー共有、Handoff、AirDropなど、Appleデバイス間での連携機能に必須です。
- データ同期とバックアップ: iCloudを通じて、写真、連絡先、カレンダー、メモ、Safariのブックマーク、設定などのデータを複数のAppleデバイス間で自動的に同期したり、デバイスのバックアップを作成したりできます。
- デバイスのセキュリティ: 「探す」(旧: iPhoneを探す)機能を使って、紛失したり盗難に遭ったりしたデバイスの位置を特定したり、遠隔操作でロックしたり、データを消去したりできます。
7.2 iCloudとは
iCloudは、Appleが提供するクラウドサービスです。Apple IDを使ってサインインすることで利用できます。
- iCloud写真: 撮影した写真やビデオを自動的にiCloudにアップロードし、すべてのAppleデバイスで閲覧・編集できるようにします。デバイス本体のストレージ容量を節約するために、オリジナルを高画質版に置き換える設定も可能です。
- iCloud Drive: 書類やファイルをクラウド上に保存し、どのデバイスからでもアクセスできるようにします。ファイルアプリから利用できます。
- iCloudバックアップ: デバイスをWi-Fiに接続し、電源に繋いでロックしておくと、自動的にiCloudにバックアップを作成します。これにより、デバイスを紛失したり故障したりした場合でも、新しいデバイスにデータを復元できます。これは非常に重要な機能なので、必ずオンにしておきましょう。
- その他の同期: 連絡先、カレンダー、リマインダー、メモ、ブックマーク、メール、ホーム画面の配置、Apple Watchのバックアップなど、様々なデータをiCloud経由で同期できます。一つのデバイスで追加・変更した内容が、自動的に他のデバイスにも反映されます。
- 無料ストレージ: Apple IDを作成すると、iCloudストレージが無料で5GB提供されます。写真やバックアップの量が多い場合は、追加容量を購入する「iCloud+」へのアップグレードを検討する必要があります。
7.3 「探す」(旧: iPhoneを探す)機能
この機能は、あなたのデバイスが紛失したり盗難に遭ったりした場合に非常に役立ちます。「設定」 > [あなたの名前] > 「探す」から設定できます。
- 「[デバイス名]を探す」をオンにする: これをオンにしておくと、デバイスの現在地をマップ上で確認できるようになります。インターネットに接続されていなくても、近くにある他のAppleデバイスが発信するBluetooth信号を拾って位置情報を送信する「探す」ネットワークにも対応しています。
- 「オフラインを探す」をオンにする: デバイスがインターネットに接続されていない状態でも、「探す」ネットワークを通じて位置を特定できるようになります。
- 「最後の位置情報を送信」をオンにする: バッテリー残量が非常に少なくなったときに、自動的に最後の位置情報をAppleに送信します。
- 利用方法: 紛失した場合は、別のAppleデバイスの「探す」アプリを使うか、ウェブブラウザでicloud.com/findにアクセスし、Apple IDでサインインしてデバイスの位置を確認します。必要に応じて、音を鳴らしたり、紛失モードにしてメッセージを表示させたり、遠隔でデータを消去したりといった操作が可能です。この機能は、デバイスを売却または譲渡する前に必ずオフ(Apple IDからサインアウト)してください。
7.4 ファミリー共有
最大6人の家族で、Apple IDに紐づく購入履歴(アプリ、音楽、映画など)や、Apple Music、Apple TV+、iCloud+などのサブスクリプションを共有できる機能です。
- メリット: アプリなどを家族それぞれが購入し直す必要がなくなったり、iCloud+のストレージを家族全員で共有できたりします。
- 子供のアカウント: 子供向けに独自のApple IDを作成し、親のデバイスから購入承認を管理したり、スクリーンタイムを管理したりできます。
第8章:iOSのアップデート
Appleは定期的にiOSのアップデートをリリースします。これらのアップデートは、新機能の追加、既存機能の改善、そして最も重要なセキュリティの強化のために非常に重要です。
8.1 アップデートの重要性
- セキュリティ: ソフトウェアの脆弱性(セキュリティ上の弱点)を修正し、マルウェアや不正アクセスからデバイスを保護するために、アップデートは不可欠です。
- 新機能と改善: iOSの新しいバージョンでは、より便利な機能が追加されたり、操作性が改善されたりします。
- 不具合の修正: 特定の条件下で発生する不具合(バグ)が修正されることもあります。
8.2 アップデート方法
iOSのアップデートは、主に以下の2つの方法で行います。
- OTA (Over-The-Air) アップデート: デバイス単体でWi-Fi経由で行う方法です。これが最も一般的で手軽な方法です。
- 「設定」 > 「一般」 > 「ソフトウェアアップデート」と進みます。
- 新しいアップデートが利用可能な場合は、ここに表示されます。「ダウンロードとインストール」をタップするとダウンロードが始まり、完了後にインストールに進めます。
- 「自動アップデート」をオンにしておくことを推奨します。 これにより、新しいアップデートが利用可能になった際に夜間に自動的にダウンロード・インストールが行われます(電源接続とWi-Fi接続が必要)。
- コンピュータ経由でのアップデート: Mac(macOS Catalina以降はFinder、それ以前はiTunes)またはWindows PC(iTunes)にデバイスを接続してアップデートする方法です。デバイスの容量が不足している場合や、OTAアップデートで問題が発生する場合などに利用します。
8.3 アップデート時の注意点
- バックアップ: 万が一の事態に備えて、アップデートを行う前に必ずデバイスのバックアップを取っておきましょう。 iCloudバックアップまたはコンピュータへのバックアップが利用できます。
- 充電: アップデートには時間がかかり、バッテリーを消費します。アップデート中は電源に接続しておくことを推奨します。
- Wi-Fi接続: OTAアップデートは大量のデータをダウンロードするため、安定したWi-Fi環境で行いましょう。モバイルデータ通信で行うと、データ通信量を大量に消費する可能性があります。
- 時間: アップデートのダウンロードとインストールには時間がかかることがあります。時間に余裕のある時に行いましょう。インストール中はデバイスを使用できません。
第9章:トラブルシューティングと困ったときは
iOSデバイスを使っていて、予期せぬ問題に遭遇することもあるかもしれません。ここでは、一般的なトラブルとその対処法、そして困った時の情報源について説明します。
9.1 一般的なトラブル
- アプリがフリーズする/落ちる: アプリの動作がおかしい場合は、まずそのアプリを完全に終了させてから再度起動してみましょう(第3章参照)。それでも改善しない場合は、デバイスを再起動してみます。
- 動作が重い: バックグラウンドで多くのアプリが動いていたり、ストレージ容量が不足していたりすると、動作が重くなることがあります。不要なアプリを終了させたり、ストレージ容量を空けたりしてみましょう。デバイスを再起動するのも有効です。
- Wi-Fiに繋がらない/不安定: 「設定」 > 「Wi-Fi」で、接続したいネットワーク名が正しく表示されているか、パスワードが間違っていないか確認します。ルーターの再起動も試してみましょう。それでもダメなら、「設定」 > 「一般」 > 「転送または[デバイス]をリセット」 > 「リセット」 > 「ネットワーク設定をリセット」を試す(ただし、保存されているWi-Fiパスワードなどがすべて削除されます)。
- モバイルデータ通信ができない: 「設定」 > 「モバイル通信」で「モバイルデータ通信」がオンになっているか確認します。機内モードのオン/オフを切り替えてみるのも有効です。SIMカードに問題がある可能性も考えられます。
9.2 再起動の方法
多くの問題は、デバイスを再起動することで解決することがあります。
- 通常の再起動:
- ホームボタンありモデル: サイドボタン(またはトップボタン)を「スライドで電源オフ」が表示されるまで長押しします。スライダーをドラッグして電源を切ります。電源が完全に切れたら、再びサイドボタンをAppleロゴが表示されるまで長押しして起動します。
- ホームボタンなしモデル: サイドボタンと音量ダウンボタン(または音量アップボタン)のどちらか一方を同時に、「スライドで電源オフ」が表示されるまで長押しします。スライダーをドラッグして電源を切ります。電源が完全に切れたら、再びサイドボタンをAppleロゴが表示されるまで長押しして起動します。
9.3 強制再起動の方法
通常の再起動ができない場合(画面が全く反応しない、完全にフリーズしているなど)は、強制再起動を試みます。これはデータを消去することなくデバイスを再起動する操作です。モデルによって手順が異なります。
- iPhone 8以降、iPhone SE (第2/第3世代):
- 音量アップボタンを素早く押してすぐに放す。
- 音量ダウンボタンを素早く押してすぐに放す。
- サイドボタンをAppleロゴが表示されるまで長押しする。Appleロゴが表示されたら放します。
- iPhone 7/iPhone 7 Plus:
- サイドボタンと音量ダウンボタンを同時にAppleロゴが表示されるまで長押しする。Appleロゴが表示されたら放します。
- iPhone 6s以前、iPhone SE (第1世代):
- ホームボタンとトップボタン(またはサイドボタン)を同時にAppleロゴが表示されるまで長押しする。Appleロゴが表示されたら放します。
- ホームボタンなしのiPadモデル:
- 音量アップボタンを素早く押してすぐに放す。
- 音量ダウンボタンを素早く押してすぐに放す。
- トップボタンをAppleロゴが表示されるまで長押しする。Appleロゴが表示されたら放します。
- ホームボタンありのiPadモデル:
- トップボタンとホームボタンを同時にAppleロゴが表示されるまで長押しする。Appleロゴが表示されたら放します。
9.4 Appleサポートへの連絡方法
上記の方法で解決しない場合や、ハードウェアに関する問題の可能性がある場合は、Appleサポートに相談できます。
- Appleサポートアプリ: App Storeから「Appleサポート」アプリをダウンロードすると、製品に関する情報や、チャット/電話/メールでのサポート、修理サービスの予約などが利用できます。
- Apple公式サイト: apple.com/jp/support から、製品別のサポート情報やトラブルシューティングの記事を検索したり、修理サービスを申し込んだりできます。
- Apple Storeまたは正規サービスプロバイダ: 対面でのサポートや修理を希望する場合は、お近くのApple StoreやApple正規サービスプロバイダに予約して持ち込みます。
9.5 役立つ情報源
- Apple公式サイトのサポート記事: apple.com/jp/support には、iOSの機能やトラブルシューティングに関する公式の記事が豊富にあります。特定の機能の使い方やエラーメッセージについて調べたい場合に役立ちます。
- オンラインコミュニティ: Appleのサポートコミュニティや、様々な技術系ウェブサイト、フォーラムなどでは、他のユーザーや専門家が情報交換をしています。同じような問題に遭遇した人の解決策が見つかるかもしれません。
- YouTubeなどの動画サイト: 実際の操作画面を見ながら使い方を学ぶことができる動画がたくさん公開されています。
第10章:さらにiOSを使いこなすために
基本的な操作や設定に慣れてきたら、iOSデバイスをさらに便利に活用するためのステップに進みましょう。
10.1 App Storeで便利なアプリを探す
App Storeには、あなたの生活を豊かにする何百万ものアプリがあります。仕事効率化、エンターテイメント、健康管理、教育など、様々なジャンルのアプリを検索してインストールしてみましょう。レビューや評価を参考にしながら、信頼できる開発元のアプリを選ぶことが大切です。
10.2 Apple Pencil(iPadの場合)
iPadを使っている場合は、Apple Pencilが非常に強力なツールになります。手書きメモ、イラスト作成、書類への署名、画面注釈など、iPadの可能性を大きく広げてくれます。
10.3 AirPodsなどのApple製品との連携
AirPods(ワイヤレスイヤホン)やApple Watch、Macなど、他のApple製品を持っている場合、iOSデバイスとの連携は非常にスムーズです。例えば、AirPodsはApple IDを通じて自動的に同期され、iPhoneで聞いていた音楽をすぐにiPadで聞き始めることができます。Apple Watchで受けた通知をiPhoneで確認したり、iPhoneからApple Watchを探したりもできます。
10.4 ショートカットアプリ
「ショートカット」アプリを使うと、複数の操作を組み合わせてオリジナルの自動処理(ショートカット)を作成できます。「Hey Siri、家に帰る」と言うだけで、自宅までの経路案内を開始し、家族に到着予定時刻をメッセージで送信し、特定のプレイリストを再生するといった一連の動作を自動で行う、といったことが可能になります。少し高度な機能ですが、使いこなすとデバイスの操作が劇的に効率化されます。
10.5 iCloud+などの有料サービス
無料のiCloudストレージ(5GB)では足りない場合、追加容量を購入できる「iCloud+」があります。iCloud+に加入すると、追加のストレージだけでなく、プライベートリレー(インターネットの匿名性を高める)、メールを非公開(一時的なメールアドレスを作成して本物のアドレスを隠す)、HomeKitセキュアビデオ(対応カメラの録画を安全に保存)といったプライバシー機能も利用できるようになります。
まとめ:iOSの世界を楽しもう!
このガイドでは、はじめてiOSデバイスを手にしたあなたが、基本的な使い方から重要な設定までを理解し、安心して利用を開始するためのステップを詳しく解説しました。
最初はたくさんの機能や設定に戸惑うこともあるかもしれませんが、一つずつ試していくうちに、きっとその直感的な操作性とスムーズな動作に慣れていくはずです。
iOSデバイスは、単なる電話や情報端末以上のものです。あなたの創造性を刺激し、コミュニケーションを円滑にし、日々の生活をサポートする、強力なパーソナルアシスタントになり得ます。
この記事を参考に、あなたの新しいiOSデバイスとの生活を存分に楽しんでください。そして、困ったことがあれば、いつでもこのガイドやAppleの公式サポート情報を参照してください。
iOSの世界へ、改めてようこそ!あなたのデジタルライフが、より豊かで快適なものになることを願っています。