PS5のDNSエラーで困ったら?完全解決ガイド

はい、承知いたしました。PlayStation 5のDNSエラーに焦点を当て、原因から高度な解決策までを網羅した、約5000語の詳細な解説記事を作成します。


PS5のDNSエラーで困ったら?完全解決ガイド

はじめに

最新世代のゲーム機であるPlayStation 5 (PS5) は、その高性能なグラフィックスと高速なロード時間で、世界中のゲーマーに素晴らしい体験を提供しています。しかし、どんなに優れた機器でも、ネットワークに接続してこそ真価を発揮します。特にオンラインでのマルチプレイ、ゲームのダウンロードやアップデート、PlayStation Storeでのコンテンツ購入など、PS5の多くの機能は安定したインターネット接続に依存しています。

そんなPS5のネットワーク接続において、ユーザーを悩ませることが多い問題の一つが「DNSエラー」です。突然オンラインに繋がらなくなったり、特定のサービスにアクセスできなくなったりといった形で現れるこのエラーは、ゲームを楽しみにしていたユーザーにとって非常に厄介です。

「DNSエラーが発生しました」といったメッセージが表示されたとき、何をどうすれば良いのか分からず途方に暮れてしまう方も少なくないでしょう。この記事は、そんなPS5のDNSエラーに直面したあなたが、問題を根本から理解し、自力で解決できるようになるための完全なガイドです。

この記事では、まずDNSとは何か、なぜPS5でDNSエラーが発生するのかを分かりやすく解説します。次に、エラーが発生した際にまず確認すべき初期診断の手順を示し、誰でも簡単に試せる基本的な解決策から、IPアドレスやDNSサーバーを手動で設定するといったより高度な解決策まで、考えられるすべての対処法を網羅的に紹介します。さらに、エラーの再発を防ぐための予防策や、それでも解決しない場合の対応についても言及します。

約5000語のボリュームで、一つ一つの手順や概念を丁寧に説明していきますので、初心者の方でも安心して読み進められます。さあ、PS5のDNSエラーを乗り越え、快適なゲームライフを取り戻しましょう。

DNSエラーとは何か? PS5における重要性

PS5のDNSエラーについて深く掘り下げる前に、まずは「DNS」そのものについて理解する必要があります。DNSエラーは、このDNSの仕組みがうまく機能していない場合に発生する問題だからです。

DNS (Domain Name System) とは?

DNSは「Domain Name System」の略称で、インターネットにおいて非常に重要な役割を担っています。インターネットに接続されたすべての機器、例えばウェブサイトのサーバーやあなたのPS5、スマートフォンなどには、それぞれ固有のIPアドレスという数字の羅列が割り当てられています。これは、インターネット上の住所のようなものです。

しかし、人間にとって数字だけの羅列であるIPアドレス(例: 172.217.160.142)を覚えて利用するのは非常に困難です。そこで登場するのがドメイン名(例: www.google.com)です。ドメイン名は、人間にとって分かりやすい文字列でウェブサイトなどを識別するために使われます。

DNSの役割は、このドメイン名とIPアドレスを結びつける(名前解決を行う)ことです。あなたがウェブブラウザで「www.google.com」と入力すると、あなたのコンピューターはまずDNSサーバーに「www.google.com のIPアドレスは何ですか?」と問い合わせます。DNSサーバーは、対応するIPアドレス(例: 172.217.160.142)を教えてくれます。あなたのコンピューターはそのIPアドレスを使って、Googleのサーバーにアクセスし、ウェブページを表示するのです。

これは、電話をかける際に電話帳で名前から電話番号を調べるのと似ています。DNSサーバーはインターネットの「電話帳」のようなものです。

PS5がDNSを利用する場面

PS5もインターネットに接続して様々な機能を利用するため、このDNSの仕組みを頻繁に利用します。具体的には以下のような場面です。

  • PlayStation Network (PSN) への接続: PSNにサインインする際、PS5はまずPSNのサーバーのドメイン名(例: account.sony.com)をDNSサーバーに問い合わせてIPアドレスを取得します。これができないと、サインインができません。
  • PlayStation Storeへのアクセス: ストアのコンテンツ情報を取得するために、ストアのサーバーのドメイン名を名前解決する必要があります。
  • ゲームのアップデート/ダウンロード: ゲームのサーバーや配布サーバーのドメイン名を解決する必要があります。
  • オンラインマルチプレイ: ゲームのサーバーや他のプレイヤーのコンソールとの通信に必要な情報を取得するために、DNSが利用される場合があります。
  • ウェブブラウザ機能: PS5のウェブブラウザでURLを入力してサイトを閲覧する際、他のデバイスと同様にDNSが必要です。

DNSエラーが発生するとどうなるか

PS5がこれらの処理を行う際に、DNSサーバーから正しいIPアドレスを取得できなかったり、DNSサーバー自体にアクセスできなかったりすると、「DNSエラー」として認識され、様々な不具合が発生します。

一般的なDNSエラーの症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • PlayStation Networkにサインインできない: 最もよくある症状です。
  • PlayStation Storeにアクセスできない: ストアの画面が表示されない、エラーになるなど。
  • ゲームのオンライン機能が利用できない: マルチプレイができない、ランキングが見られないなど。
  • ゲームのアップデートやダウンロードが始まらない、非常に遅い: サーバーにうまくアクセスできていない可能性がある。
  • PS5のウェブブラウザで特定のサイトが見られない: 名前解決ができていない。
  • 特定のアプリケーション(YouTube, Netflixなど)でエラーが出る: サーバーにアクセスできない。
  • ネットワーク接続テストで「DNSサーバー」の項目に失敗と表示される: これが直接的な原因を示しています。
  • 特定のDNSエラーコードが表示される: 例えば、NW-31247-7, NW-31201-7, NW-31253-4などのコードが表示されることがあります。これらのコードはネットワーク関連のエラーを示しており、その原因の一つがDNSの問題である場合があります。

これらの症状が現れた場合、PS5のDNS機能が正常に動作していない可能性が高いです。

PS5のDNSエラーの主な原因

DNSエラーは一つの原因だけで発生するわけではありません。様々な要因が複合的に絡み合って発生することもあります。主な原因を理解することで、適切な解決策を見つけやすくなります。

1. ネットワーク機器の問題

あなたの家庭内のネットワーク環境で最も可能性の高い原因の一つです。

  • ルーター、モデムの一時的な不調: 長時間稼働していたり、一時的に大きな負荷がかかったりすることで、ルーターやモデムが不安定になり、DNSの名前解決機能が一時的に停止したり遅延したりすることがあります。これはコンピューターがフリーズするのと似ています。再起動することで解決することが多いです。
  • ルーター、モデムのファームウェアの問題: 機器の内部ソフトウェア(ファームウェア)が古い、または不具合がある場合、正常な動作が妨げられることがあります。
  • ネットワークケーブルの断線や接触不良: 有線接続(LANケーブル)を使用している場合、ケーブル自体が物理的に損傷している、またはPS5やルーターのポートにしっかりと挿さっていないと、安定した通信ができず、DNSの問い合わせも失敗する可能性があります。
  • Wi-Fi信号の不安定さや干渉: 無線接続(Wi-Fi)を使用している場合、ルーターからの距離が遠すぎる、壁や障害物が多い、他の無線機器(電子レンジ、コードレス電話、Bluetooth機器など)からの電波干渉を受けているといった理由で通信が不安定になり、DNSの問い合わせが失敗しやすくなります。また、同じWi-Fiチャンネルを使っている近隣のネットワークが多い場合も干渉の原因となります。

2. DNSサーバー側の問題

利用しているDNSサーバー自体に問題がある場合です。

  • ISPのDNSサーバーのダウンや不調: 通常、家庭用インターネット回線では、契約しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)が提供するDNSサーバーが自動的に設定されます。このISPのDNSサーバーがメンテナンス中だったり、一時的にダウンしたり、過負荷状態になったりしている場合、名前解決ができずにDNSエラーが発生します。
  • 設定している公開DNSサーバー(Google DNS, Cloudflare DNSなど)の問題: ISPのDNSサーバー以外に、Google Public DNS (8.8.8.8, 8.8.4.4) や Cloudflare DNS (1.1.1.1, 1.0.0.1) といった第三者のDNSサーバーを手動で設定している場合、それらのサーバー自体に一時的な問題が発生している可能性もゼロではありません。非常に稀ですが、考慮すべき点です。

3. PS5本体側の問題

PS5本体の設定や状態に起因する問題です。

  • 本体の一時的な不調: PS5も電子機器ですので、一時的な軽微な不具合が発生することがあります。これは本体の再起動で解消されることが多いです。
  • ネットワーク設定の誤り: PS5のネットワーク設定で、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーなどの情報を手動で設定している場合に、入力ミスがあったり、他の機器とIPアドレスが競合したりしていると、正常に通信できずDNSエラーが発生します。特にIPアドレスの競合は、DHCPサーバー(ルーターなど)が割り当てるIPアドレスの範囲内で、手動設定したIPアドレスが他の機器に割り当てられてしまう場合に起こります。
  • システムソフトウェアの不具合: PS5のシステムソフトウェア自体にネットワーク関連のバグや不具合が含まれている場合、DNS機能に影響を与える可能性があります。システムソフトウェアを最新版にアップデートすることで解消されることがあります。
  • 本体ストレージの軽微な破損: 非常に稀ですが、本体ストレージ内のシステム関連ファイルに軽微な破損がある場合、予期しない問題が発生することがあります。これはデータベースの再構築で改善されることがあります。

4. ISP(インターネットサービスプロバイダ)側の問題

家庭内ネットワーク機器やPS5本体とは別に、大元のインターネット回線自体に問題がある場合です。

  • ISP全体のネットワーク障害: あなたが契約しているISPのネットワーク全体で、大規模な通信障害が発生している場合、インターネットに接続できなくなり、それに伴ってDNSの名前解決もできなくなります。
  • 特定の地域での障害: あなたの住んでいる地域にあるISPの設備に問題が発生している場合も同様です。

5. PSN側の問題

PSNサービス自体に問題がある場合、それがDNSエラーとして表示されることがあります。

  • PlayStation Networkのメンテナンスや障害: PSNのサーバーがメンテナンス中だったり、予期せぬ障害が発生したりしている場合、PS5がPSNサーバーにアクセスしようとしても応答が得られず、結果としてDNSエラーやその他のネットワークエラーが表示されることがあります。これはPS5やあなたのネットワーク環境に問題があるわけではありません。

6. その他の要因

  • ファイアウォールの設定: ルーターやセキュリティソフトウェアのファイアウォール設定が厳格すぎると、DNSの問い合わせ(通常はUDPポート53を使用)やPSNとの通信に必要なポートがブロックされてしまい、エラーが発生する可能性があります。
  • VPNやプロキシの設定: VPNやプロキシサーバーを経由するようにPS5やルーターで設定している場合、そのVPN/プロキシサーバー自体に問題があったり、設定が間違っていたりすると、DNSエラーを含む様々なネットワーク問題を引き起こす可能性があります。

これらの原因を一つずつ可能性として考慮しながら、次のセクションで示すトラブルシューティングの手順を進めていくことが重要です。

エラー発生時にまず確認すること(初期診断)

DNSエラーが発生した場合、すぐに複雑な設定変更をするのではなく、まずは原因の切り分けを行うための初期診断を行うことが非常に重要です。以下の項目を順に確認していきましょう。

1. PlayStation Network (PSN) の状態確認

PSN全体でメンテナンスや障害が発生している場合、あなたのPS5やネットワーク環境に問題がなくてもPSNのサービスが利用できなくなることがあります。これがDNSエラーとして表示されることもあります。

  • 確認方法: PlayStation公式サイトの「ネットワーク稼働状況」ページにアクセスします。(https://status.playstation.com/
    • このページで、PSNの各サービス(アカウント管理、PlayStation Store、オンラインマルチプレイヤーなど)が正常に稼働しているかを確認できます。
    • もし何らかのサービスに障害やメンテナンス情報が表示されている場合は、PS5本体やご自宅のネットワークに問題があるのではなく、PSN側の問題である可能性が高いです。この場合は、ソニー側での復旧を待つしかありません。復旧見込み時間が表示されていることもあります。
  • ポイント: この確認は、PS5でエラーが出ているネットワーク接続を使っては意味がありません。スマートフォンやPCなど、別のインターネット接続(携帯回線や別のWi-Fiなど)を使って確認してください。

2. ISPの障害情報確認

契約しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)の回線自体に障害が発生している可能性も確認します。

  • 確認方法: 契約しているISPの公式サイトや公式SNSアカウント(Twitterなど)で、障害情報やメンテナンス情報が告知されていないか確認します。
  • ポイント: ISPの障害情報は、特定の地域やマンション全体に影響する場合があります。ここでも、PS5でエラーが出ている回線以外の方法(スマホの携帯回線など)で情報を確認してください。

3. 他のデバイスでのインターネット接続確認

PS5だけでなく、同じネットワークに接続している他の機器(PC、スマートフォン、タブレットなど)で正常にインターネットに接続できるかを確認します。

  • 確認方法: 同じルーターに接続しているPCでウェブサイトが見られるか、スマートフォンでWi-Fi接続時にアプリストアにアクセスできるかなどを試します。
  • 結果の判断:
    • 他の機器もインターネットに繋がらない: ルーター、モデム、またはISP側の回線に問題がある可能性が高いです。
    • 他の機器はインターネットに繋がる: PS5本体、またはPS5とルーター間の接続に問題がある可能性が高いです。

4. ルーター、モデムの状態ランプ確認

ルーターやモデムには、電源、インターネット接続、Wi-Fi、LAN接続などの状態を示すランプが付いています。これらのランプの状態を確認することで、機器が正常に動作しているか、インターネット回線が正常にきているかなどをある程度判断できます。

  • 確認方法: ご利用のルーターやモデムの取扱説明書を参照し、各ランプが正常な状態(点灯、点滅など)になっているかを確認します。特にインターネット回線の接続を示すランプ(WANランプなど)や、ルーター全体の状態を示すランプに異常(消灯、赤点灯など)がないか確認します。
  • ポイント: 機種によってランプの意味は異なります。必ず取扱説明書で確認してください。

5. ネットワークケーブルの接続確認(有線接続の場合)

有線接続(LANケーブル)を使用している場合は、ケーブルの状態と接続を確認します。

  • 確認方法:
    • PS5本体のLANポートにケーブルがしっかりと奥まで挿さっているか確認します。
    • ルーター(またはモデム)側のLANポートにもケーブルがしっかりと奥まで挿さっているか確認します。
    • 可能であれば、ケーブル自体に目に見える損傷(断線、被覆の破れなど)がないか確認します。
    • 可能であれば、別の正常なLANケーブルに交換して接続してみます。LANケーブルにもカテゴリー(Cat5e, Cat6, Cat7など)がありますが、カテゴリー5e以上のケーブルであればPS5の使用には十分です。
  • ポイント: LANポートの奥までケーブルが挿さると、「カチッ」という音がすることが多いです。また、PS5本体やルーターのLANポート付近に、接続を示す小さなランプ(リンクランプ)があれば、それが点灯しているか確認します。点灯していれば物理的な接続はできている可能性が高いです。

6. PS5本体のネットワーク接続テスト

PS5には現在のネットワーク接続の状態を診断する機能があります。DNSエラーの原因を特定するのに役立ちます。

  • 確認方法:
    1. PS5のホーム画面から歯車アイコン(設定)を選択します。
    2. 「ネットワーク」を選択します。
    3. 「設定」を選択します。
    4. 「接続状況を表示」を選択します。
    5. 「ネットワーク接続を診断」を選択します。
  • 結果の判断:
    • テスト結果で「インターネット接続」「PlayStation Networkへのサインイン」「IPアドレスの取得」「インターネット接続速度(ダウンロード/アップロード)」「NATタイプ」など、様々な項目が表示されます。
    • 特に「DNSサーバー」の項目が「失敗」となっている場合は、DNS関連の問題が直接的な原因である可能性が極めて高いです。
    • 「IPアドレスの取得」が失敗している場合は、IPアドレスが正常に割り当てられていないため、DNSの問題以前の段階で通信ができていない可能性があります(DHCPサーバーの問題、IPアドレス競合など)。
    • 「インターネット接続」自体が失敗している場合も、大元からネットワークに繋がっていません。
    • これらのテスト結果から、問題が発生している段階を特定し、次の解決策に進む手がかりとします。

これらの初期診断を行うことで、問題がPS5本体にあるのか、自宅のネットワーク機器にあるのか、それともISPやPSN側にあるのか、大まかな原因を絞り込むことができます。原因がある程度特定できたら、それに応じた解決策を試していきます。

基本的な解決策(簡単かつ効果的な手順)

初期診断で特に大きな異常が見られない場合や、原因が特定しきれない場合は、まず以下の基本的な解決策から順に試してみましょう。これらの手順は簡単で、多くのネットワーク問題(DNSエラーを含む)を解消するのに効果的です。

1. PS5本体の再起動

軽微なシステム上の不具合や一時的なネットワーク設定のキャッシュ問題などが原因の場合、本体を再起動するだけで解決することがよくあります。

  • 手順:
    1. PS5の電源ボタンを長押しするか、コントロールセンターから「電源」を選び、「PS5の電源を切る」を選択して、PS5を完全にシャットダウンします。レストモードではなく、必ず完全に電源を切ってください。
    2. 電源ランプが完全に消灯したことを確認します。
    3. しばらく(10秒〜30秒程度)待ちます。
    4. PS5の電源を入れ直します。
  • ポイント: 本体が完全に放電されるのを待つイメージです。これにより、メモリ上の一時的なデータやキャッシュがクリアされ、システムがリフレッシュされます。

2. ルーター、モデムの再起動

家庭内ネットワークの要であるルーターやモデムの一時的な不調は、様々なネットワーク問題の一般的な原因です。これらの機器を再起動することで、多くの問題が解消されます。

  • 手順:
    1. ルーターとモデム(モデムが別にある場合)の電源をオフにします。
    2. 電源コンセントから、ルーターとモデムの電源アダプターを抜きます。 これが重要です。単に電源ボタンを切るだけでなく、物理的に電源供給を断ちます。
    3. そのまま1分以上待ちます。 機器内部のコンデンサなどが完全に放電され、設定がリセットされるのを待ちます。
    4. まずモデムの電源アダプターをコンセントに挿し、電源を入れます(モデムに電源ボタンがある場合)。モデムのランプが安定するまで(インターネット接続ランプなどが正常な状態になるまで)、数分待ちます。
    5. 次にルーターの電源アダプターをコンセントに挿し、電源を入れます。ルーターのランプが安定するまで、数分待ちます。
    6. ネットワークが完全に立ち上がったことを確認してから、PS5の電源を入れ直します。
  • ポイント: モデムとルーターを両方使用している場合は、必ずモデム→ルーターの順に電源を入れてください。また、機器が完全に立ち上がるまで焦らず待つことが重要です。これにより、ISPからのIPアドレス取得などが正しく行われます。

3. ネットワークケーブルの抜き差し(有線接続の場合)

有線接続でDNSエラーが発生する場合、ケーブルの接触不良が原因である可能性があります。

  • 手順:
    1. PS5本体のLANポートからLANケーブルを抜きます。
    2. ルーター(またはモデム)側のLANポートからLANケーブルを抜きます。
    3. しばらく待ち、それぞれのポートとケーブルのコネクタ部分に異常がないか目視で確認します。
    4. ケーブルをそれぞれのポートに奥までしっかりと挿し直します。「カチッ」と音がするまで挿し込んでください。
  • ポイント: この操作は、物理的な接続を確実にし、一時的な接触不良を解消する効果があります。

4. Wi-Fi接続の見直し(無線接続の場合)

無線接続が不安定な場合、DNSの問い合わせがタイムアウトしたり失敗したりしやすくなります。Wi-Fi環境を改善することで安定性が増し、エラーが解消されることがあります。

  • 手順:
    • ルーターとの距離を近づける: PS5をルーターの近くに移動させ、間に壁や障害物(特に金属やコンクリートなど)が少ないように配置します。
    • 干渉源から離す: 電子レンジ、コードレス電話の親機、Bluetooth機器、一部の照明器具など、2.4GHz帯の電波を使用する機器はWi-Fiの電波と干渉する可能性があります。これらの機器からPS5やルーターを離して設置します。
    • 利用する周波数帯の切り替え: 多くのルーターは2.4GHzと5GHzの2種類の周波数帯を使用できます。
      • 2.4GHz帯: 障害物に強く、遠くまで電波が届きますが、干渉を受けやすく通信速度が遅い傾向があります。
      • 5GHz帯: 通信速度が速く、干渉を受けにくいですが、障害物に弱く遠くまで電波が届きにくい傾向があります。
      • 両方の周波数帯が利用できる場合、PS5の設定で一方を試してエラーが解消するか確認してみます。一般的には5GHz帯の方が安定しやすいですが、ルーターとの距離や障害物の状況によっては2.4GHz帯の方が安定することもあります。
      • PS5の設定画面でWi-Fi設定を行う際に、利用可能なネットワークとして表示されるSSID(ネットワーク名)に「-G」や「-A」、「2G」「5G」などが付いている場合、それが周波数帯を示していることが多いです(ルーターの設定によります)。
    • ルーターのチャンネル設定の最適化: ルーターの設定画面で、利用しているWi-Fiチャンネルを変更してみることも有効です。周囲に同じチャンネルを使っているWi-Fiが多いと干渉して不安定になります。多くのルーターには「自動チャンネル設定」機能がありますが、手動で空いているチャンネルを選択することで改善する場合があります。ただし、チャンネル設定は少し専門的な知識が必要になるため、自信がない場合はルーターの取扱説明書を確認するか、自動設定のままにしておくのが無難です。
  • ポイント: 無線接続は環境要因に左右されやすいため、可能な限り干渉を避け、電波状況の良い場所で利用することが重要です。

5. ネットワーク設定の自動取得

手動でネットワーク設定(IPアドレスやDNSサーバーなど)を変更したことがある場合、その設定が誤っているとエラーの原因になります。一度すべての設定を「自動取得」に戻してみることで、ルーターのDHCP機能やISPから提供される情報に基づいて正しい設定が適用されるか確認できます。

  • 手順:
    1. PS5のホーム画面から「設定」(歯車アイコン)を選択します。
    2. 「ネットワーク」を選択します。
    3. 「設定」を選択します。
    4. 「接続状況を表示」ではなく、「ネットワーク設定」を選択します。
    5. 「設定する」を選択します。
    6. 現在接続している方法(「LANケーブルを使う」または「Wi-Fiを使う」)を選択します。
    7. 設定方法の選択画面で、以下の項目をすべて「自動」に設定します。
      • IPアドレス設定 → 自動
      • DHCPホスト名 → 指定しない
      • DNS設定 → 自動
      • プロキシサーバー → 使わない
      • MTU設定 → 自動
    8. 設定を保存し、ネットワーク接続テストを再度実行します。
  • ポイント: これにより、ルーターのDHCPサーバーがIPアドレスを自動で割り当て、ISPのDNSサーバー情報が自動で取得されるため、手動設定の誤りによる問題を排除できます。多くの家庭環境では、この自動設定で問題なくインターネットに接続できるはずです。

これらの基本的な解決策は、特別な知識がなくても試せるものがほとんどです。多くのDNSエラーは、これらの手順で解決することが期待できます。しかし、これらを試しても改善しない場合は、より詳細な原因を探るため、次の高度な解決策を検討する必要があります。

高度な解決策(より技術的な手順)

基本的な解決策を試してもDNSエラーが解消されない場合、ネットワーク設定をより詳細に調整したり、本体の deeper な部分を確認したりする必要があります。これらの手順は少し技術的な内容を含みますが、手順通りに行えば自分でも実行可能です。

1. 手動でのDNS設定

自動取得されるISPのDNSサーバーに問題がある場合、別の信頼性の高い公開DNSサーバーを手動で設定することで、DNSエラーが解消されることがあります。パブリックDNSサーバーはISPに依存しないため、ISP側のDNSサーバー障害の影響を受けません。

  • なぜ別のDNSサーバーを使うのか?

    • ISPのDNSサーバーが不安定/遅い: ISPが提供するDNSサーバーの性能が低い、または一時的に不安定な場合、名前解決に時間がかかったり失敗したりします。
    • ISPのDNSサーバーの障害: 上述のように、ISP側のDNSサーバーがダウンしている場合に有効です。
    • プライバシーやセキュリティ: 一部のパブリックDNSサービスは、プライバシー保護や悪意のあるサイトのブロック機能を提供しています。
    • 速度向上: 高性能なパブリックDNSサーバーは、名前解決をより高速に行える場合があります。
  • 代表的なパブリックDNSサーバー:

    • Google Public DNS: プライマリ: 8.8.8.8 / セカンダリ: 8.8.4.4
    • Cloudflare DNS: プライマリ: 1.1.1.1 / セカンダリ: 1.0.0.1
    • OpenDNS: プライマリ: 208.67.222.222 / セカンダリ: 208.67.220.220
  • PS5での手動DNS設定手順:

    1. PS5のホーム画面から「設定」(歯車アイコン)を選択します。
    2. 「ネットワーク」を選択します。
    3. 「設定」を選択します。
    4. 「ネットワーク設定」を選択します。
    5. 「設定する」を選択します。
    6. 現在接続している方法(「LANケーブルを使う」または「Wi-Fiを使う」)を選択します。
    7. 設定方法の選択画面で、「詳細設定」を選択します。
    8. 「IPアドレス設定」は通常「自動」のままで構いませんが、後述する固定IPを設定する場合は「手動」を選びます。ここでは「自動」を前提とします。
    9. 「DNS設定」の項目を「手動」に変更します。
    10. 「プライマリーDNS」 に使用したいパブリックDNSのプライマリアドレスを入力します(例: 8.8.8.8 または 1.1.1.1)。
    11. 「セカンダリーDNS」 に使用したいパブリックDNSのセカンダリアドレスを入力します(例: 8.8.4.4 または 1.0.0.1)。
    12. その他の設定(DHCPホスト名、プロキシサーバー、MTU設定)は、特に指示がない限り「指定しない」「使わない」「自動」のままで構いません。
    13. 設定を保存し、「OK」を選択します。
    14. 設定完了後、「ネットワーク接続を診断」を再度実行し、DNSサーバーの項目が正常に解決されるか確認します。
  • 注意点:

    • パブリックDNSサーバーは非常に安定していますが、ごく稀に特定の地域からのアクセスに問題が発生したり、一部の地域限定コンテンツへのアクセスに影響を与えたりする可能性もゼロではありません。通常は問題ありませんが、もしDNSを手動設定してから別の問題が発生した場合は、自動設定に戻して様子を見てください。
    • IPアドレス設定を「自動」にしたままDNSだけ手動にするのが最も一般的で簡単な方法です。

2. IPアドレスの手動設定(固定IPアドレス)

ルーターのDHCP機能がPS5にIPアドレスをうまく割り当てられなかったり、ネットワーク内の他の機器とIPアドレスが競合したりする場合、PS5に固定のIPアドレスを割り当てることで問題を回避できることがあります。

  • なぜ固定IPにするのか?

    • IPアドレス競合の回避: 複数の機器が同じIPアドレスを使おうとして通信が不安定になる問題を確実に回避できます。
    • ルーターでの設定が容易に: ポート開放など、ルーター側でPS5に対して特定のネットワーク設定を行う際に、PS5のIPアドレスが変わらないため設定が楽になります。
  • 固定IP設定の手順:

    1. 現在のネットワーク情報を確認する: PS5または同じネットワークに接続しているPCやスマートフォンで、現在のIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーのアドレスを確認します。これらの情報はルーターの設定画面にログインしたり、PCのコマンドプロンプト(Windowsで ipconfig /all コマンド、Macで ifconfig コマンドなど)で確認したりできます。
      • 確認すべき情報:
        • IPアドレス (例: 192.168.1.10)
        • サブネットマスク (例: 255.255.255.0)
        • デフォルトゲートウェイ (例: 192.168.1.1 – これは通常ルーターのアドレスです)
        • DNSサーバー (例: 192.168.1.1 や ISPのDNSアドレス)
    2. ルーターのDHCP割り当て範囲を確認する: ルーターの設定画面にログインし、DHCPサーバー機能がIPアドレスを割り当てる範囲(例: 192.168.1.100 ~ 192.168.1.150)を確認します。
    3. PS5に割り当てる固定IPアドレスを決める: 確認したDHCP割り当て範囲外で、かつ他の機器に割り当てられていないIPアドレスをPS5用に決めます。例えば、DHCP範囲が192.168.1.100-150なら、192.168.1.50 のように、範囲外の番号を選びます。デフォルトゲートウェイと同じセグメント(ここでは192.168.1.x)内である必要があります。
    4. PS5の「ネットワーク設定をする」画面へ進みます(手動DNS設定の手順1〜6と同様)。
    5. 「IPアドレス設定」を「手動」に変更します。
    6. 以下の項目に、事前に確認・決定した情報を入力します。
      • IPアドレス: 手順3で決めた固定IPアドレスを入力します(例: 192.168.1.50)。
      • サブネットマスク: 手順1で確認したサブネットマスクを入力します(例: 255.255.255.0)。
      • デフォルトゲートウェイ: 手順1で確認したデフォルトゲートウェイアドレス(通常はルーターのアドレス)を入力します(例: 192.168.1.1)。
      • プライマリーDNS: 手順1で確認したDNSサーバーアドレス、または前述のパブリックDNSサーバーアドレスを入力します(例: 192.168.1.1 または 8.8.8.8)。
      • セカンダリーDNS: 手順1で確認したセカンダリDNSサーバーアドレス、またはパブリックDNSサーバーアドレスを入力します(例: 8.8.4.4 または 1.0.0.1)。
    7. その他の設定(DHCPホスト名、プロキシサーバー、MTU設定)は、特に指示がない限り「指定しない」「使わない」「自動」のままで構いません。
    8. 設定を保存し、「OK」を選択します。
    9. 設定完了後、「ネットワーク接続を診断」を再度実行し、接続が正常に行われるか確認します。
  • 注意点:

    • 固定IPアドレス設定は、ネットワークの知識が多少必要です。設定を間違えると、PS5がネットワークに一切接続できなくなる可能性があります。
    • 設定する固定IPアドレスが、ネットワーク内の他の機器に既に割り当てられていたり、ルーターのDHCP割り当て範囲内に含まれていたりしないように十分に注意してください。もし他の機器と競合すると、両方の機器で通信障害が発生します。
    • ルーターのDHCP設定で、PS5に割り当てた固定IPアドレスを配布対象から除外する設定があれば、行うとより安全です。
    • 固定IPを設定する場合、DNSサーバーも手動で設定する必要があります。自動のままだと、PS5の固定IPアドレスとDHCPで提供されるDNS情報がうまく連携しない可能性があります。

3. MTU値の変更

MTU(Maximum Transmission Unit)とは、一度に送受信できるデータの最大サイズのことです。この値がネットワーク経路上の機器(ルーター、ISPの機器など)で許容される最大値と一致していない場合、データの断片化(フラグメンテーション)が発生したり、最悪の場合はデータが破棄されたりして、通信が不安定になることがあります。特にオンラインゲームでは、安定した通信のために適切なMTU値が重要になる場合があります。

  • なぜMTU値を調整するのか?

    • ネットワーク経路上の特定の機器(ルーターやファイアウォールなど)がデフォルトのMTU値(一般的に1500)をサポートしていない場合、通信が不安定になる可能性があります。
    • ISPや回線の種類(PPPoE接続など)によっては、MTU値が1492以下に制限されている場合があります。
  • PS5でのMTU設定手順:

    1. PS5の「ネットワーク設定をする」画面へ進みます(手動DNS設定の手順1〜6と同様)。
    2. 設定方法の選択画面で、「詳細設定」を選択します。
    3. 「MTU設定」の項目を「手動」に変更します。
    4. 表示されたMTU値(デフォルトは1500)を変更します。
      • 推奨される開始値: 一般的に、PPPoE接続の場合は 1492 が推奨されることが多いです。それ以外の場合は 14721452 など、少しずつ値を小さくして試してみるのが一般的です。インターネット上の情報や、利用しているISP/ルーターの推奨値を確認するのも良いでしょう。
      • 最適なMTU値の探し方(PCが必要): PCを使ってPingコマンドで最適なMTU値を調べる方法があります。
        • Windowsの場合: コマンドプロンプトを開き ping -f -l [MTU値-28] [対象IPアドレス] を実行します(例: ping -f -l 1472 google.com)。[MTU値-28]の部分を少しずつ増減させて、フラグメント化が必要ない最大の値を特定します。MTU値から28を引くのは、IP/ICMPヘッダーのサイズを考慮するためです。
        • Macの場合: ターミナルを開き ping -D -s [MTU値-28] [対象IPアドレス] を実行します。
        • この方法で特定した値に28を足したものが、およその最適なMTU値となります。ただし、これはPCから対象IPアドレスまでの経路におけるMTUであり、PS5からPSNサーバーなど、実際のゲームで利用する経路での最適な値とは厳密には異なる可能性があります。あくまで参考値としてください。
    5. 変更したMTU値を入力し、設定を保存します。
    6. 設定完了後、「ネットワーク接続を診断」を再度実行し、接続が正常に行われるか確認します。PSNへのサインインや、実際にオンラインゲームをプレイしてみて安定性を確認します。
  • 注意点:

    • MTU設定は、通常は「自動」のままで問題ありません。自動設定でエラーが出る場合にのみ、手動設定を検討します。
    • MTU値を適切でない値に設定すると、通信速度が低下したり、ウェブサイトが完全に表示されなかったり、ネットワーク接続自体ができなくなったりする可能性があります。
    • 最適なMTU値は、利用している回線やルーターの仕様、接続先のサーバーなどによって異なります。手動で設定する場合は、少しずつ値を変更して試行錯誤が必要になる場合があります。インターネット上の情報を参考に、ご自身の環境に合った値を探してください。基本的には1500または1492あたりから試すのが一般的です。

4. ポート開放(NATタイプ関連)

DNSエラーと直接的な関連性は薄いですが、ネットワーク接続全般の安定化、特にオンラインマルチプレイ時の問題解消に繋がる可能性があるため、触れておきます。PS5のNATタイプが「タイプ3」(Strict)になっている場合、通信が制限されやすく、ネットワーク上の様々な問題の原因となることがあります。NATタイプを「タイプ1」(Open)または「タイプ2」(Moderate)にすることで改善する場合があります。

  • NATタイプとは?
    • NAT (Network Address Translation) は、一つのグローバルIPアドレスを複数のプライベートIPアドレスを持つ機器(あなたの家庭内の複数のデバイス)で共有するための技術です。
    • NATタイプは、このNAT機能によって、外部からの通信がどの程度許可されるかを示す指標です。
      • タイプ1 (Open): モデム直下など、NAT機能がない(またはDMZ設定などにより実質的に無効になっている)状態。外部からの通信が最も制限されにくい。セキュリティリスクは高まる可能性があります。
      • タイプ2 (Moderate): ルーター経由でインターネットに接続しているが、必要なポートが適切に開放されている状態。一般的な家庭環境で推奨されるNATタイプです。
      • タイプ3 (Strict): ルーター経由でインターネットに接続しており、ポートがほとんど開放されていない状態。通信が制限されやすく、オンラインゲームで他のプレイヤーとの接続に問題が発生したり、一部のネットワーク機能が利用できなかったりすることがあります。
  • NATタイプを改善するには(ポート開放/UPnP):
    NATタイプをタイプ2やタイプ1に改善するためには、PSNやゲームが使用する特定のポートをルーターで開放するか、UPnP (Universal Plug and Play) 機能を有効にする必要があります。

    • 必要なポート番号:
      • TCP: 80, 443, 3478, 3479, 3480
      • UDP: 3478, 3479
        ※ゲームによってはこれ以外のポートも使用する場合があります。
    • ポート開放の手順:
      1. ルーターの設定画面にログインします(通常、ウェブブラウザでルーターのデフォルトゲートウェイアドレスを入力します。ルーターの取扱説明書を参照してください)。
      2. 設定画面で「ポートフォワーディング」「NAT設定」「仮想サーバー」などの項目を探します。
      3. PS5に割り当てた固定IPアドレス(またはDHCP予約したIPアドレス)に対して、上記のTCP/UDPポートを開放する設定を追加します。
      4. 設定を保存し、ルーターを再起動します。
    • UPnPを有効にする手順:
      1. ルーターの設定画面にログインします。
      2. 設定画面で「UPnP設定」などの項目を探します。
      3. UPnP機能を「有効」または「ON」にします。
      4. 設定を保存し、ルーターを再起動します。
  • 注意点:
    • ポート開放やUPnP設定は、ルーターの機種によって設定画面や項目名が大きく異なります。必ずお使いのルーターの取扱説明書を参照してください。
    • UPnPは、対応する機器が必要なポートを自動で開放・閉鎖してくれる便利な機能ですが、セキュリティ上のリスクを指摘されることもあります(悪意のあるソフトウェアが勝手にポートを開放する可能性があるなど)。このリスクを理解した上で利用してください。
    • DMZ (DeMilitarized Zone) 設定をPS5のIPアドレスに対して行うことでもNATタイプをOpenにできますが、これはPS5を外部ネットワークから完全に無防備な状態にするため、セキュリティリスクが最も高くなります。特別な理由がない限り推奨されません。
    • これらの設定はDNSエラーに直接的に影響しない場合もありますが、ネットワーク接続の安定性を高めることで、結果的にDNS関連の問題が解消される可能性はあります。

5. PS5のシステムソフトウェアのアップデート

PS5のシステムソフトウェアにネットワーク関連の不具合が含まれている場合、それを修正するアップデートが提供されている可能性があります。常に最新のシステムソフトウェアを使用することは、様々な問題の解決に繋がります。

  • 確認とアップデートの手順:
    1. PS5がインターネットに接続されている状態で、ホーム画面から「設定」→「システム」→「システムソフトウェア」→「システムソフトウェアアップデートと設定」を選択します。
    2. 「システムソフトウェアをアップデート」を選択します。
    3. 「インターネットを使ってアップデート」を選択します。
    4. 利用可能なアップデートがあれば、画面の指示に従ってダウンロード・インストールします。
  • 注意点:
    • DNSエラーでインターネットに接続できない場合、この方法でアップデートできない可能性があります。その場合は、別の方法(USBストレージを使ったアップデート)を検討する必要があります。USBストレージを使ったアップデートは、PlayStation公式サイトで手順が公開されています。
    • アップデート中は絶対にPS5の電源を切らないでください。

6. PS5のデータベース再構築

PS5本体のストレージ内のデータ構造に軽微な問題が発生している場合、データベースを再構築することで解決することがあります。これはシステムソフトウェアの再インストールほど大掛かりではなく、ユーザーデータ(ゲームデータ、セーブデータなど)が削除されることはありません。

  • 手順:
    1. PS5の電源を完全に切ります。(レストモードではなく、電源オフ)
    2. 電源ランプが消灯したことを確認します。
    3. 電源ボタンを7秒間以上押し続けます。 ピッという音が2回鳴ったら指を離します(最初のピッという音は電源オン、2回目のピッという音でセーフモード起動の合図)。
    4. PS5がセーフモードで起動します。コントローラーをUSBケーブルでPS5に接続し、PSボタンを押します。
    5. セーフモードメニューが表示されます。上下キーでメニュー項目を選択し、「5. データベースを再構築する」 を選択します。
    6. 「OK」を選択すると再構築が開始されます。再構築には時間がかかる場合があります。
    7. 完了後、PS5が自動的に再起動します。
  • ポイント: この操作でインストールされているゲームのアイコンの並び順などが変わることがありますが、ゲームデータやセーブデータ自体が消えることはありません。ファイルシステム上の整理が行われるイメージです。ネットワーク関連の軽微な不具合解消にも効果がある場合があります。

7. PS5の初期化(最終手段)

上記のすべての方法を試してもDNSエラーが解消されない場合、PS5本体のシステムソフトウェア自体に深刻な問題が発生している可能性があります。この場合の最終手段として、PS5を初期化することが考えられます。

  • 警告: PS5を初期化すると、本体ストレージに保存されているすべてのデータ(インストールされたゲーム、セーブデータ、スクリーンショット、ビデオクリップ、設定情報など)が完全に削除されます。 この操作を行う前に、必ず重要なセーブデータなどをバックアップしてください。
  • セーブデータのバックアップ方法:
    • PlayStation Plusのクラウドストレージ: PlayStation Plusに加入している場合、セーブデータをオンラインストレージに自動または手動でアップロードできます。これが最も推奨される方法です。
    • USBストレージ: USBメモリや外付けHDDをPS5に接続し、セーブデータをコピーすることができます。
  • 初期化の手順: 初期化にはいくつか種類がありますが、システムソフトウェアに起因する問題を解消するためには、セーフモードからの初期化が推奨されます。

    1. 上記「データベース再構築」の手順1〜4と同様に、PS5をセーフモードで起動します。
    2. セーフモードメニューが表示されます。
    3. 「6. PS5を初期化する」 を選択します。これはシステム設定などを工場出荷時の状態に戻しますが、システムソフトウェア自体は保持されます。
    4. もし「PS5を初期化する」で改善しない場合、さらに強力な 「7. システムソフトウェアを再インストールする」 を選択します。これは本体ストレージをフォーマットし、システムソフトウェアを最初からインストールし直す操作です。このオプションを選択した場合、システムソフトウェアを事前にUSBストレージにダウンロードしておく必要があります。手順はPlayStation公式サイトで確認してください。
    5. 選択した初期化を実行します。初期化には時間がかかります。
    6. 完了後、PS5は初期設定画面から始まります。ネットワーク設定などを再度行い、DNSエラーが解消されたか確認します。
  • ポイント: 初期化はデータ消失のリスクを伴う最終手段です。他のすべての基本的な・高度な解決策を試しても改善しない場合にのみ実行を検討してください。実行する場合は、必ず事前にセーブデータのバックアップを確実に行ってください。

その他の考慮事項

これまでの手順で多くのDNSエラーは解決するはずですが、それでも問題が続く場合、以下のような点も考慮に入れる必要があります。

  • 有線接続と無線接続の切り替え: 現在Wi-Fiで接続しているならLANケーブルを使った有線接続を試してみましょう。有線接続は無線接続よりも安定性が高く、電波干渉の影響を受けないため、ネットワークの問題が解決することが多いです。逆に、普段有線接続で問題が出ている場合、一時的に無線接続で繋がるか確認してみるのも、問題の切り分けに役立ちます。
  • ルーターの買い替え: 古いルーターや、お使いの回線速度に対してスペックが不足しているルーターを使用している場合、ルーター自体がボトルネックとなり様々なネットワーク問題を引き起こす可能性があります。最新の通信規格(Wi-Fi 6など)に対応した高性能なルーターに買い替えることで、ネットワーク環境全体が安定し、DNSエラーを含む多くの問題が解消されることがあります。特に、購入してから5年以上経過しているルーターや、多数の機器を同時に接続している場合は検討の余地があります。
  • 回線業者の見直し: ISP側の回線自体に慢性的な問題がある場合、他のISPに乗り換えることも根本的な解決策となり得ます。ただし、これは引っ越しと同程度の大掛かりな作業となるため、最後の手段として検討してください。乗り換えを検討する場合は、引っ越し先の回線環境(集合住宅か戸建てか、利用できる回線の種類など)を事前に十分に調査することが重要です。
  • 集合住宅での注意点: マンションやアパートなどの集合住宅では、他の住戸からのWi-Fi電波が干渉し合い、無線接続が非常に不安定になることがあります。この場合、前述のWi-Fiチャンネル変更や5GHz帯の利用、または有線接続への切り替えが特に有効な対策となります。また、建物全体のインターネット設備に問題がある可能性もゼロではありません。

予防策

一度DNSエラーが解消されても、再発しないように日頃からネットワーク環境を整えておくことが重要です。以下の予防策を実践しましょう。

  • ネットワーク機器の定期的な再起動: ルーターやモデムは長時間稼働していると不安定になることがあります。月に一度など、定期的に電源を切って再起動する習慣をつけることで、軽微な不調をリフレッシュできます。
  • ルーターのファームウェアを常に最新の状態に保つ: ルーターのメーカーは、セキュリティの向上や不具合の修正のためにファームウェアのアップデートを配布しています。ルーターの設定画面から定期的にファームウェアのバージョンを確認し、最新の状態にアップデートしておきましょう。
  • PS5のシステムソフトウェアを常に最新の状態に保つ: PS5本体のシステムソフトウェアも、ネットワーク機能の安定性向上などを含むアップデートが定期的に提供されます。自動アップデート設定を有効にしておくか、利用可能なアップデートがないかこまめに確認しましょう。
  • 安定したネットワーク環境を整える: 可能であれば有線接続を利用する。ルーターの設置場所を工夫し、障害物や干渉源を避ける。古いルーターを使っている場合は買い替えを検討するなど、物理的なネットワーク環境を最適化することが、長期的な安定に繋がります。
  • PSNやISPの障害情報を定期的にチェックする習慣をつける: 特にオンラインゲームを頻繁にプレイする方は、PSNやISPの公式サイト、公式SNSなどで障害情報が告知されていないか、事前にチェックする習慣をつけておくと、エラー発生時に慌てずに済みます。

それでも解決しない場合

ここまでに紹介したすべての基本的な・高度な解決策を試しても、残念ながらDNSエラーが解消されない場合、ご自身の手に負えない原因である可能性が高くなります。その場合は、以下のサポートを利用することを検討しましょう。

  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)サポートへの問い合わせ: これまでに試したトラブルシューティングの手順や、表示されている正確なエラーコード(例: NW-xxxxx-x)、PS5のモデル番号などを控えて、PlayStationの公式サポートに問い合わせてみましょう。本体のハードウェア自体に問題が発生している可能性もゼロではありません。修理が必要になる場合もあります。
    • 問い合わせ方法: PlayStation公式サイトのサポートページを参照してください。チャットサポートやメールフォーム、電話窓口などが用意されています。
  • ISP(インターネットサービスプロバイダ)への問い合わせ: 他の機器でも同様のネットワーク問題が発生している場合や、ルーター・モデムの再起動や初期化でも改善しない場合は、ISP側の回線や設備に問題がある可能性が高いです。ISPのサポート窓口に連絡し、状況を説明して調査を依頼してみましょう。
  • 専門家への相談: ご自宅のネットワーク環境が複雑である(複数のルーターを使用している、中継器やメッシュWi-Fiを使っているなど)場合や、ご自身での設定変更に不安がある場合は、ネットワーク設定の専門家や、家電量販店のサポートサービスなどに相談することも選択肢の一つです。ただし、これには費用がかかることが一般的です。

まとめ

PS5のDNSエラーは、PlayStation Networkへの接続やオンライン機能の利用を妨げる厄介な問題です。しかし、この記事で詳細に解説したように、その原因は多岐にわたるものの、一つずつ原因を探り、適切な手順で対処していくことで、多くの場合は自力で解決することが可能です。

まずは、DNSとは何か、PS5でどのような役割を果たしているのかを理解し、エラー発生時には焦らず、PSNやISPの障害情報確認、他の機器での接続確認、PS5本体のネットワーク接続テストといった初期診断から始めましょう。

次に、PS5やルーター/モデムの再起動、ネットワークケーブルの抜き差し、Wi-Fi環境の見直し、ネットワーク設定の自動取得といった基本的な解決策を試します。これらの手順は簡単ですが、一時的な不調や軽微な設定ミスに起因する多くの問題を解消できます。

それでも改善しない場合は、手動でのDNSサーバー設定、固定IPアドレス設定、MTU値の調整といった高度な解決策を検討します。これらの設定変更は少し技術的な知識が必要ですが、この記事で紹介した具体的な手順に従えば実行可能です。ただし、設定ミスはかえって問題を悪化させる可能性もあるため、慎重に行ってください。また、システムソフトウェアのアップデートやデータベースの再構築も、本体側の不具合解消に有効な手段です。最終手段として、初期化も存在しますが、これはデータ消失のリスクを伴うため、十分な準備と覚悟が必要です。

万が一、これらの手順をすべて試しても解決しない場合は、ソニーサポートやISPに問い合わせるなど、専門家の助けを借りることも必要になります。

PS5のDNSエラーに立ち向かうことは、ご自身のホームネットワーク環境について理解を深める良い機会にもなります。この記事が、PS5のDNSエラーに悩むすべてのユーザーにとって、問題解決への確かな一歩を踏み出すための頼りになるガイドとなることを願っています。快適なオンラインゲームライフを取り戻し、PS5を存分に楽しみましょう!


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