初心者でも簡単!BUFFALO製NAS「LS210D」の初期設定方法を徹底解説

はい、承知いたしました。初心者の方でもBUFFALO製NAS「LS210D」の初期設定が完了できるよう、約5000語で詳細な説明を含む記事を作成します。


初心者でも簡単!BUFFALO製NAS「LS210D」の初期設定方法を徹底解説

はじめに

「パソコンやスマートフォンの写真・動画データが容量を圧迫している…」
「家族みんなで撮った写真を簡単に共有したい…」
「大切なデータが消えてしまうのが怖いから、バックアップを取っておきたい…」

こんな悩みを抱えていませんか?その解決策として注目されているのが「NAS(ナス)」です。

NASとは「Network Attached Storage」の略で、簡単に言えば「ネットワークに接続できるハードディスク」のこと。自宅のWi-Fiルーターに繋いでおけば、パソコン、スマートフォン、タブレットなど、様々なデバイスからデータを保存したり、閲覧したりできる便利なデータ保管庫です。

しかし、「NASって何だか設定が難しそう…」「専門知識がないと使えないのでは?」と不安に思う方も多いかもしれません。

ご安心ください。この記事でご紹介するBUFFALO製の「LinkStation LS210Dシリーズ」は、まさにそんなNAS初心者の方のために作られた、非常に使いやすく、コストパフォーマンスに優れたモデルです。

この記事では、LS210Dを箱から出して設置するところから、パソコンやスマートフォンで使えるようにするまでの初期設定の全手順を、一つひとつ丁寧に、どこよりも詳しく解説していきます。専門用語はできるだけ避け、図解をイメージできるような説明を心がけました。

この記事を最後まで読みながら一緒に作業を進めていただければ、読み終わる頃には、あなただけの「家庭内クラウドストレージ」が完成しているはずです。さあ、データ管理の新しい一歩を、一緒に踏み出しましょう!


第1章:開封から設置まで ~すべての始まりはここから~

まずは購入したLS210Dを箱から出し、正しく設置するところから始めます。焦らず、一つずつ確認していきましょう。

1-1. パッケージ内容の確認

最初に、箱の中にすべての付属品が揃っているか確認します。万が一、不足品があった場合は購入店やメーカーサポートに連絡しましょう。

【LS210Dシリーズ パッケージ内容リスト】

  • LS210D 本体: これがNASの心臓部です。中にハードディスクが入っています。
  • ACアダプター: NASに電力を供給するための電源ケーブルです。
  • LANケーブル (2m): NAS本体とご自宅のルーターを接続するためのケーブルです。
  • ユーティリティーCD-ROM: 設定用ソフトウェアなどが入っていますが、現在ではBUFFALOの公式サイトから最新版をダウンロードするのが一般的です。CDドライブがないパソコンも増えているため、今回はダウンロードする方法で解説します。
  • かんたん設定ガイド: 基本的な接続方法が記載された紙のマニュアルです。
  • 保証書: 大切に保管しておきましょう。

これらのものがすべて揃っていることを確認してください。特にACアダプターとLANケーブルは、この後の設置作業ですぐに使いますので、手元に準備しておきましょう。

1-2. 設置場所の選び方

NASは基本的に24時間365日、電源を入れたまま稼働させる機器です。そのため、設置場所は非常に重要です。適切な場所を選ぶことで、NASの性能を最大限に引き出し、寿命を延ばすことにも繋がります。

【推奨される設置場所】

  • 安定した平らな場所: 動作中に振動が加わると、内部のハードディスクにダメージを与える可能性があります。ぐらぐらしない、しっかりとした棚の上などが理想です。
  • 風通しの良い場所: NASは精密機器の塊であり、熱に弱いです。熱がこもらないよう、周りに十分なスペースを確保できる、風通しの良い場所を選びましょう。棚の中に押し込む場合は、背面に排熱スペースがあるか確認してください。
  • ホコリの少ない場所: ホコリは冷却ファンの故障やショートの原因になります。定期的に掃除ができる場所が望ましいです。
  • Wi-Fiルーターの近く: NASはLANケーブルでルーターと有線接続するのが基本です。ルーターから離れすぎていると、長いLANケーブルが必要になったり、配線がごちゃごちゃしたりする原因になります。

【避けるべき場所】

  • 直射日光が当たる場所や高温多湿な場所: 窓際や加湿器の近くなどは、故障のリスクを高めるため絶対に避けてください。
  • テレビやスピーカーなど、振動や磁気を発する機器の近く: 振動や磁気はハードディスクの大敵です。
  • 水回り: 言うまでもありませんが、水濡れは感電や故障の直接的な原因となります。

最適な場所を見つけたら、いよいよ物理的な接続に進みます。

1-3. 物理的な接続 ~命を吹き込む3ステップ~

難しいことはありません。ケーブルを2本繋いで、電源を入れるだけです。

Step 1: LANケーブルを接続する

  1. 付属のLANケーブルの一方を、LS210D本体の背面にある「LAN」と書かれたポートに「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。
  2. もう一方を、ご自宅のインターネットルーター(Wi-Fiルーター)の背面にある空いているLANポート(通常、複数あります)に同じく「カチッ」と音がするまで差し込みます。

これで、LS210Dがご家庭のネットワークに参加する準備ができました。

Step 2: ACアダプターを接続する

  1. 付属のACアダプターのプラグを、LS210D本体の背面にある「DC IN」と書かれた丸い差込口に接続します。
  2. ACアダプターの電源プラグを、壁のコンセントに差し込みます。

Step 3: 電源を入れる

  1. LS210D本体の背面にある「POWER」スイッチを「ON」の位置にスライドさせます。
  2. 本体前面のPOWER/STATUSランプ(LEDランプ)が青色に点滅し始めます。これはNASが起動中であることを示しています。
  3. 起動には数分かかります。起動が完了すると、ランプの点滅が止まり、青色の点灯に変わります。

もし、ランプがオレンジ色や赤色に点滅・点灯した場合は、何らかのエラーが発生している可能性があります。その際は、LANケーブルがしっかり刺さっているか、ルーターの電源が入っているかなどを確認し、一度電源をオフにしてから再度試してみてください。それでも改善しない場合は、取扱説明書のエラーコード一覧を確認するか、メーカーサポートに問い合わせましょう。

青色の点灯状態になれば、物理的な設置は無事完了です。お疲れ様でした。
ここからは、あなたのパソコンを使ってLS210Dに知性、つまり「設定」を加えていく作業に入ります。


第2章:初期設定の準備 ~パソコンとの初めての対話~

物理的な設置が終わったら、次はパソコンを使ってLS210Dをネットワーク上から見つけ、設定画面を開く準備をします。この作業には、BUFFALOが提供している「NAS Navigator2」という便利なソフトウェアを使います。

2-1. NAS Navigator2の入手とインストール

「NAS Navigator2」は、同じネットワーク内にあるBUFFALO製NASを自動的に見つけ出し、IPアドレスの確認や設定画面へのアクセスを簡単にしてくれる、必須のツールです。

昔は付属のCD-ROMからインストールしていましたが、ソフトウェアは日々更新されているため、公式サイトから最新版をダウンロードするのが最も確実で安全です。

【ダウンロード手順】

  1. お使いのパソコンでWebブラウザ(Google Chrome, Microsoft Edge, Safariなど)を開きます。
  2. 検索エンジンで「BUFFALO ダウンロード」と検索するか、以下のURLに直接アクセスします。
  3. 検索窓に「LS210D」と入力し、検索ボタンをクリックします。
  4. お使いのパソコンのOS(WindowsかMacか)を選択する画面が表示されるので、ご自身の環境に合ったものを選択してください。
  5. ソフトウェアの一覧が表示されます。その中から「NAS Navigator2」を見つけてクリックします。
  6. 使用許諾契約が表示されるので、内容を確認して同意し、ダウンロードボタンをクリックします。ファイル(Windowsなら.exe形式、Macなら.dmg形式)がパソコンに保存されます。

【インストール手順 (Windowsの場合)】

  1. ダウンロードした「nasnavi-XXX.exe」(XXXはバージョン番号)というファイルをダブルクリックして実行します。
  2. 「ユーザーアカウント制御」の画面が表示されたら、「はい」をクリックします。
  3. インストーラーが起動します。「NAS Navigator2のインストールを開始します」と表示されたら、「次へ」をクリックします。
  4. 使用許諾契約を再度確認し、「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
  5. インストール先のフォルダを確認し(通常は変更不要です)、「次へ」をクリックします。
  6. 「インストール」ボタンをクリックすると、インストールが開始されます。
  7. 「インストールが完了しました」と表示されたら、「完了」をクリックします。デスクトップに「NAS Navigator2」のショートカットアイコンが作成されていれば成功です。

【インストール手順 (Macの場合)】

  1. ダウンロードした「nasnavi-XXX.dmg」というファイルをダブルクリックします。
  2. ディスクイメージがマウントされ、ウィンドウが開きます。
  3. 中にある「NAS Navigator2」のアイコンを、「Applications」フォルダのエイリアス(ショートカット)にドラッグ&ドロップします。
  4. 「アプリケーション」フォルダを開き、「NAS Navigator2」をダブルクリックして起動します。初回起動時にはセキュリティの確認が表示される場合がありますので、「開く」をクリックしてください。

これで、あなたのパソコンとLS210Dが対話するための準備が整いました。

2-2. NAS Navigator2を起動してLS210Dを見つける

それでは、実際にNAS Navigator2を使って、ネットワーク上にいるLS210Dを見つけてみましょう。

  1. インストールした「NAS Navigator2」を起動します。(Windowsならデスクトップのアイコン、Macならアプリケーションフォルダから)
  2. 起動すると、自動的にあなたのPCと同じネットワークに接続されているBUFFALO製NASの検索が始まります。
  3. 数秒待つと、ウィンドウ内に「LS210D-XXXXX」(XXXXXは個別の識別子)というアイコンが表示されるはずです。

このアイコンが表示されたということは、PCとNASがネットワーク上で正常に認識し合えている証拠です。

もし、LS210Dが見つからない場合は…

慌てずに以下の点を確認してみてください。

  • PCとNASは同じネットワークに接続されていますか?
    • PCがWi-Fi、NASが有線で同じルーターに接続されていれば問題ありません。しかし、例えばPCがスマートフォンのテザリングに接続されているなど、別のネットワークにいると見つけることはできません。
  • LANケーブルはしっかり接続されていますか?
    • 第1章で接続したLANケーブルが、NAS側とルーター側の両方でしっかり刺さっているか、もう一度確認してみてください。
  • セキュリティソフトやファイアウォールが邪魔をしていませんか?
    • お使いのセキュリティソフトが、NAS Navigator2の通信をブロックしている可能性があります。一時的にセキュリティソフトを無効にして再度検索を試みるか、セキュリティソフトの設定でNAS Navigator2の通信を許可してみてください。

無事にLS210Dのアイコンが表示されたら、そのアイコンをダブルクリック、または右クリックしてメニューから「Web設定を開く」を選択してください。
すると、お使いのWebブラウザが自動的に起動し、いよいよLS210Dの心臓部である「Web設定画面」が表示されます。次の章から、本格的な設定作業に入っていきます。


第3章:Web設定画面での初期セットアップ ~NASに魂を吹き込む~

ここからが、本記事の核心部分です。Webブラウザに表示された設定画面を使って、LS210Dをあなた好みにカスタマイズしていきます。初めて見る画面に戸惑うかもしれませんが、一つひとつの項目を丁寧に解説しますので、安心してついてきてください。

3-1. Web設定画面へのログインと管理者パスワードの設定

NAS Navigator2から設定画面を開くと、最初に管理者パスワードの設定を求められます。これは、NASの重要な設定を誰でも勝手に変更できないようにするための、非常に大切な「鍵」です。

  1. 画面に「管理者パスワードが初期設定のままです。セキュリティーのため、パスワードを変更してください。」といったメッセージが表示されます。
  2. 新しいパスワードパスワードの確認の欄に、あなたが決めたパスワードを2回入力します。
    • パスワードのルール: 通常、英字(大文字・小文字)、数字、記号を組み合わせた、ある程度の長さ(8文字以上推奨)が求められます。第三者に推測されにくい、かつ自分が忘れないものを設定しましょう。
    • 重要: このパスワードはNASのすべての設定を管理する最も重要なパスワードです。絶対に忘れないように、メモを取るなどして厳重に管理してください。
  3. 入力が終わったら、「適用」や「OK」といったボタンをクリックします。
  4. 次に、ログイン画面が表示されます。
    • ユーザー名: admin と入力します。(これは初期設定の管理者ユーザー名です)
    • パスワード: 先ほど自分で設定した新しいパスワードを入力します。
  5. 「ログイン」ボタンをクリックします。

これで、設定画面のトップページ(ダッシュボード)が表示されます。ここには、NASの現在の状態(使用容量、システム情報など)が一目でわかるようになっています。

3-2. 初期設定ウィザードの実行(または手動での基本設定)

モデルやファームウェアのバージョンによっては、初回ログイン時に設定を順序通りに進められる「初期設定ウィザード」が起動することがあります。もしウィザードが起動した場合は、その画面の指示に従って進めるのが最も簡単です。

ここでは、ウィザードがない場合や、各項目を個別に設定する場合を想定して、重要な基本設定を解説します。設定画面の左側や上部にあるメニューから、各項目を選択して設定していきます。

1. NAS名の設定(ホスト名)

NAS名とは、ネットワーク上で表示されるこのNASの「名前」です。初期設定では「LS210D-XXXXX」のような型番になっていますが、もっと分かりやすい名前に変更することをおすすめします。

  • 設定場所: [管理] -> [名称/時刻/言語] あたりにあります。(メニュー構成はバージョンで多少異なります)
  • 設定内容:
    • ホスト名: ここに好きな名前を入力します。例えば「MyNAS」「FamilyStorage」「DataBank」など、愛着の湧く名前が良いでしょう。(半角英数字が推奨です)
  • 設定理由: PCからアクセスする際に、\\192.168.1.10 のようなIPアドレスではなく、\\MyNAS のように名前でアクセスできるようになり、非常に便利です。

2. 日付と時刻の設定

NASが作成するファイルのタイムスタンプ(作成日時や更新日時)を正確に保つために、日付と時刻を正しく設定します。手動で合わせることもできますが、インターネット上の時刻サーバー(NTPサーバー)と自動的に同期させる設定が断然おすすめです。

  • 設定場所: [管理] -> [名称/時刻/言語]
  • 設定内容:
    • タイムゾーン: 「(GMT+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo」を選択します。
    • NTP機能: 「使用する」にチェックを入れます。
    • NTPサーバーアドレス: 初期設定のままでも構いませんが、ntp.nict.jp (日本の標準時を管理している情報通信研究機構のサーバー)などを指定するとより正確です。
  • 設定理由: 正確な時刻が設定されていないと、ファイルの整理やバックアップの際に「いつのデータか」が分からなくなり、混乱の原因になります。

3. IPアドレスの設定

IPアドレスは、ネットワーク上におけるNASの「住所」です。通常、ルーターが自動的に空いている住所を割り振ってくれる「DHCP」という仕組みが有効になっています。初心者の方は、この設定は変更せずに「DHCPサーバーからIPアドレスを自動取得する」のままにしておくのが最も簡単でトラブルが少ないです。

  • 設定場所: [ネットワーク] -> [IPアドレス]
  • 設定内容: 「DHCPサーバーからIPアドレスを自動取得する」が選択されていることを確認するだけです。変更は不要です。
  • 補足(上級者向け): IPアドレスを固定すると、NASの住所が常に同じになるためアクセスが安定するメリットがありますが、設定を間違えるとネットワークに接続できなくなるリスクもあります。慣れてきてから挑戦するのが良いでしょう。

これらの基本設定が終わったら、「適用」や「保存」ボタンを押して設定を反映させます。これで、NASの基本的な性格付けは完了です。

3-3. 共有フォルダーの作成 ~データの保管場所を作る~

NASの最も基本的な機能は、データを保存するための「共有フォルダー」を提供することです。CDケースに例えるなら、NAS本体がCDラックで、共有フォルダーが個々のCDケースに当たります。写真用、動画用、仕事用など、目的別にフォルダーを分けておくと、後々のデータ整理が格段に楽になります。

LS210Dには、最初から「share」という名前の共有フォルダーが用意されていますが、ここでは自分で新しいフォルダーを作成する方法を学びましょう。

【共有フォルダー作成手順】

  1. 設定画面のメニューから [ファイル共有] -> [共有フォルダー] を選択します。
  2. 現在ある共有フォルダーの一覧(最初は「share」のみ)が表示されます。画面内にある「作成」ボタンをクリックします。
  3. 共有フォルダーの新規作成画面が表示されます。以下の項目を入力・設定します。
    • 共有フォルダー名: フォルダーの名前を決めます。日本語も使えますが、トラブルを避けるために半角英数字(例: photo, music, document)で作成するのが無難です。
    • 共有フォルダーの説明: どんなデータを保存するフォルダーか、メモ書きを残せます(例: 家族の写真と思い出の動画)。
    • ごみ箱機能: 「使用する」に設定することを強く推奨します。これを有効にしておくと、間違ってファイルを削除してしまっても、一時的にフォルダー内の「trashbox」というごみ箱フォルダーに移動されるため、元に戻すことができます。
    • 公開プロトコル: ここで、どのような方法でのアクセスを許可するかを設定します。よく分からなければ、初期設定のままでも大丈夫ですが、「SMB」にチェックが入っていることを確認してください。SMBは、WindowsやMacの標準的なファイル共有方式です。
    • アクセス制限: ここで、このフォルダーに誰がアクセスできるかを設定します。最初は「アクセス制限しない」で作成し、次のステップでユーザーを作成してから、ユーザーごとにアクセス権を設定するのがスムーズです。
  4. すべての設定が終わったら、「OK」や「保存」ボタンをクリックします。
  5. これで、新しい共有フォルダーが作成されました。一覧画面に今作ったフォルダーが追加されていることを確認してください。

同じ手順で、「動画用」「音楽用」「仕事用」など、あなたの使い方に合わせた共有フォルダーをいくつか作成しておくと良いでしょう。

3-4. ユーザーの作成 ~NASを使う人を登録する~

家族でNASを使う場合、全員が同じ場所(共有フォルダー)を自由に読み書きできるのも便利ですが、「お父さんの仕事のファイルは子供には見られたくない」「夫婦それぞれのプライベートなデータを分けて保管したい」といったニーズもあるはずです。

そんな時に便利なのが「ユーザー作成」機能です。ユーザーごとにIDとパスワードを設定し、どの共有フォルダーにアクセスできるかを細かく設定できます。

【ユーザー作成手順】

  1. 設定画面のメニューから [ユーザー/グループ] -> [ローカルユーザー] を選択します。(「ユーザー」という項目だけのこともあります)
  2. 「ユーザーの作成」ボタンをクリックします。
  3. 新規ユーザー作成画面で、以下の情報を入力します。
    • ユーザー名: ログイン時に使用するIDです。半角英数字で作成します(例: papa, hanako, guest)。
    • パスワード: そのユーザーがログインする際に使うパスワードです。
    • ユーザーの説明: 誰のアカウントか分かるようにメモを残せます(例: お父さん用、花子さん用)。
    • 所属グループ: そのままで大丈夫です。
  4. 入力が終わったら「OK」や「保存」をクリックします。
  5. 同じ手順で、家族の人数分など、必要なユーザーを作成します。

【ユーザーにアクセス権を設定する】

ユーザーを作成しただけでは、まだどのフォルダーにもアクセスできません。先ほど作成した共有フォルダーと、今作成したユーザーを紐付ける「アクセス権設定」という作業が必要です。

  1. 再び [ファイル共有] -> [共有フォルダー] の画面に戻ります。
  2. アクセス権を設定したい共有フォルダー(例: document)を選択し、「編集」ボタンをクリックします。
  3. 共有フォルダーの編集画面を下にスクロールしていくと、「アクセス制限」や「SMBアクセス制限機能」といった項目があります。ここで「使用する」を選択します。
  4. すると、先ほど作成したユーザーの一覧が表示されます。
  5. 各ユーザーに対して、このフォルダーへのアクセス権を「書込可能」「読取専用」「アクセス不可」から選択します。
    • 書込可能: ファイルの読み込み、書き込み、削除がすべてできます。
    • 読取専用: ファイルを見ることはできますが、変更や削除はできません。
    • アクセス不可: このフォルダー自体が見えなくなります。
  6. 例えば、「document」フォルダーは「papa」だけが「書込可能」で、他のユーザーは「アクセス不可」に設定する、といったことが可能です。
  7. 設定が終わったら、「OK」や「保存」をクリックして変更を適用します。

この作業を各共有フォルダーで行うことで、セキュアでプライバシーが守られたデータ管理環境を構築できます。

お疲れ様でした!これでNAS側の設定はほぼ完了です。次の章からは、いよいよ設定したNASにパソコンやスマートフォンからアクセスしていきます。


第4章:PCからNASへアクセスしてみよう ~自分のPCに新しいドライブを増やす~

設定したばかりのNASは、まだ見えない場所に置かれたただの箱です。これを、あたかも自分のパソコンに内蔵されているハードディスクのように、いつでも簡単にアクセスできるようにしてみましょう。

4-1. Windowsからのアクセス方法

Windowsパソコンからのアクセスには、主に2つの便利な方法があります。

方法1: エクスプローラーのアドレスバーから直接アクセスする

一番手軽な方法です。

  1. タスクバーの黄色いフォルダーアイコンをクリックするか、[Windowsキー] + [E] を押して「エクスプローラー」を開きます。
  2. 上部にあるアドレスバー(「PC」や「クイックアクセス」と表示されている場所)をクリックします。
  3. そこに、\\(NAS名) または \\(NASのIPアドレス) と入力してEnterキーを押します。
    • 例: \\MyNAS または \\192.168.1.10
    • NAS名やIPアドレスは、NAS Navigator2で確認できます。
  4. ユーザー認証の画面が表示されたら、第3章で作成したユーザー名パスワードを入力します。「資格情報を記憶する」にチェックを入れておくと、次回からの入力を省略できて便利です。
  5. 認証に成功すると、作成した共有フォルダー(photo, documentなど)の一覧が表示されます。これでファイルのコピーや移動ができるようになります。

方法2: ネットワークドライブとして割り当てる (超おすすめ!)

毎回アドレスを入力するのは少し面倒です。この「ネットワークドライブの割り当て」を行えば、エクスプローラーの「PC」を開いたときに、CドライブやDドライブと同じようにNASの共有フォルダーがドライブとして表示されるようになり、アクセスが格段に楽になります。

  1. エクスプローラーを開き、左側のメニューから「PC」を右クリックします。
  2. 表示されたメニューから「ネットワークドライブの割り当て」を選択します。
  3. 「ネットワークドライブの割り当て」ウィンドウが開きます。
    • ドライブ: 好きなアルファベットを選択します。Z, Y, Xなど、既存のドライブと被らないものが良いでしょう。
    • フォルダー: 「参照」ボタンをクリックします。ネットワークの一覧が表示されるので、あなたのNAS名(例: MyNAS)をクリックして展開し、割り当てたい共有フォルダー(例: photo)を選択して「OK」をクリックします。
    • すると、フォルダー欄に \\MyNAS\photo のようにパスが自動で入力されます。
    • 「サインイン時に再接続する」にチェックが入っていることを確認します。 これが重要です。ここにチェックを入れておくと、パソコンを再起動しても自動的に接続された状態になります。
    • 「別の資格情報を使用して接続する」にチェックを入れます。 これにより、NAS専用のユーザー名とパスワードで接続できます。
  4. 「完了」ボタンをクリックします。
  5. ユーザー認証画面が表示されるので、NAS用に作成したユーザー名とパスワードを入力し、「資格情報を記憶する」にチェックを入れて「OK」をクリックします。
  6. 成功すると、選択した共有フォルダーの中身が新しいウィンドウで開かれます。エクスプローラーの「PC」を確認してみてください。新しいドライブ(例: photo (Z:))が追加されているはずです!

この作業を共有フォルダーごとに行えば、まるでパソコンの容量が何テラバイトも増えたかのように、快適にデータ管理ができます。

4-2. Macからのアクセス方法

Macからも、もちろん簡単にアクセスできます。

方法1: Finderからサーバーへ接続する

  1. デスクトップ画面上部のメニューバーで「移動」をクリックし、表示されたメニューから「サーバへ接続」を選択します。(ショートカットキー: [Command] + [K]
  2. 「サーバへ接続」ウィンドウが開きます。「サーバアドレス」の欄に、smb://(NAS名) または smb://(NASのIPアドレス) と入力します。
    • 例: smb://MyNAS または smb://192.168.1.10
    • smb:// という接頭辞を忘れないようにしてください。
  3. 「接続」ボタンをクリックします。
  4. ユーザー認証画面が表示されます。「登録ユーザー」を選択し、第3章で作成したユーザー名パスワードを入力します。「このパスワードをキーチェーンに保存」にチェックを入れておくと、次回からの入力を省略できます。
  5. 「接続」をクリックすると、マウントするボリューム(共有フォルダー)を選択する画面が表示されます。アクセスしたい共有フォルダーを選択して「OK」をクリックします。
  6. デスクトップ、またはFinderのサイドバーの「場所」に、接続したNASの共有フォルダーが表示されます。

方法2: サイドバーに常に表示させておく

FinderのサイドバーにNAS本体を常時表示させておくと、ワンクリックでアクセスできて便利です。

  1. Finderを開き、メニューバーの「Finder」から「環境設定」を選択します。
  2. 「サイドバー」タブをクリックします。
  3. 「場所」の項目にある「接続しているサーバ」と「Bonjourコンピュータ」にチェックを入れます。
  4. 設定ウィンドウを閉じると、Finderのサイドバーの「場所」欄に、あなたのNAS(MyNASなど)が表示されるようになります。これをクリックするだけで、ユーザー認証を経て共有フォルダー一覧にアクセスできます。

第5章:スマホ・タブレットからアクセスしよう ~家の外からデータを取り出す~

NASの真価は、家のPCからだけでなく、外出先のスマートフォンやタブレットからもデータにアクセスできる点にあります。これを実現するのが、BUFFALOの「WebAccess」機能です。

5-1. WebAccess機能とは?

WebAccessは、インターネットを経由して自宅のLS210Dに安全に接続するための仕組みです。これを使えば、例えば以下のようなことが可能になります。

  • 外出先で、急に必要になったファイルをスマホで確認する。
  • 旅行先で撮った写真を、その場で自宅のNASにアップロードしてスマホの容量を空ける。
  • 実家の両親に、NASに保存した孫の最新動画を見せてあげる。

まるで自分だけのDropboxやGoogle Driveを持っているような感覚で利用できます。

5-2. WebAccess機能の有効化

この便利な機能を使うために、NASの設定画面でWebAccessを有効にする必要があります。

  1. PCでNASのWeb設定画面にログインします。
  2. メニューから [ファイル共有] -> [WebAccess] を選択します。
  3. WebAccessの設定画面が表示されます。「WebAccessサービス」の項目で、「使用する」を選択します。
  4. 次に、「BuffaloNAS.com登録機能」で「使用する」を選択します。
  5. BuffaloNAS.comネーム を設定します。これは、インターネット上のあなたのNASの「住所」となる、世界で一つだけの名前です。
    • 好きな半角英数字とハイフンを組み合わせて、ユニークな名前を入力してください。(例: suzuki-family-nas
    • この名前は後でスマホアプリの設定で使いますので、メモしておきましょう。
  6. 通常、ご家庭のルーターが「UPnP」という機能に対応していれば、必要なネットワーク設定(ポートフォワーディング)は自動で行われます。
  7. すべての設定が終わったら、「適用」ボタンをクリックします。
  8. 設定画面に「WebAccessの接続確認」のようなステータスが表示されます。「設定に成功しました」となれば準備完了です。もしエラーが出る場合は、ルーターのUPnP機能が有効になっているか、ルーターの管理画面で確認する必要があります。

5-3. 専用アプリ「WebAccess」のインストールと設定

最後に、お使いのスマートフォンやタブレットに専用アプリをインストールします。

  1. iPhone/iPadユーザーはApp Storeから、AndroidユーザーはGoogle Playストアから、「WebAccess」と検索してBUFFALOの公式アプリをインストールします。
  2. インストールした「WebAccess」アプリを起動します。
  3. 「NASの追加」や「+」ボタンをタップします。
  4. BuffaloNAS.comネーム の入力欄に、先ほどNASの設定画面で決めたあなたのNASの名前(例: suzuki-family-nas)を入力します。
  5. 次に、NASにログインするためのユーザー名パスワードを入力します。これは、PCからのアクセスで使ったものと同じです。
  6. 「ログイン」や「保存」をタップします。

無事に接続できると、アプリの画面にNAS内の共有フォルダーが表示されます。これで、いつでもどこでも、あなたの大切なデータにアクセスできるようになりました!
写真のアップロード、動画のストリーミング再生、ファイルのダウンロードなど、様々な機能を試してみてください。


第6章:知っておくと便利な機能 (応用編)

初期設定は完了しましたが、LS210Dには他にも便利な機能がたくさん搭載されています。ここでは、初心者が次に試したくなるであろう代表的な機能を3つ、簡単にご紹介します。

6-1. メディアサーバー (DLNA) 機能

NASに保存した写真、音楽、動画を、同じネットワーク内にあるテレビやPlayStation、DLNA対応のオーディオ機器などで直接再生できる機能です。

  • 設定方法: NASの設定画面で [ファイル共有] -> [DLNAサーバー] を選択し、「DLNAサーバー機能」を「使用する」に設定するだけです。公開するフォルダー(動画や音楽が入っているフォルダー)を指定すれば、対応機器のメニューにあなたのNASが表示されるようになります。

これで、PCを起動しなくても、リビングの大きなテレビでNASに保存した旅行の動画を家族みんなで楽しむ、といったことができるようになります。

6-2. Time Machine対応 (Macユーザー向け)

Macに標準搭載されている、非常に優秀なバックアップ機能「Time Machine」。LS210Dは、このTime Machineのバックアップ先として利用できます。

  • 設定方法: NASの設定画面で [ファイル共有] -> [共有フォルダー] に進み、Time Machine専用の共有フォルダーを作成(または既存のフォルダーを編集)します。そのフォルダーの編集画面で、公開プロトコルの「AFP」を「使用する」に設定し、さらに「Time Machineのバックアップ先として使用する」にチェックを入れます。
  • あとはMacのシステム環境設定から「Time Machine」を開き、バックアップディスクとしてあなたのNASを選択すれば、自動でMac全体のバックアップが開始されます。

万が一Macが故障しても、このバックアップから簡単に復元できるため、Macユーザーには必須の設定と言えるでしょう。

6-3. ファームウェアのアップデート

ファームウェアとは、NASを動かしている基本ソフトウェアのことです。BUFFALOは、セキュリティを強化したり、新しい機能を追加したり、不具合を修正したりするために、定期的にファームウェアのアップデートを提供しています。

  • 設定方法: NASの設定画面の [管理] -> [ファームウェア更新] などから設定できます。「自動アップデート」を有効にしておけば、新しいファームウェアが公開された際に自動で更新してくれるので非常に便利です。
  • 手動で更新する場合は、設定画面のトップページに「新しいファームウェアがあります」といった通知が表示されるので、その指示に従ってアップデートを実行してください。

NASを安全で快適に使い続けるために、ファームウェアは常に最新の状態に保つことを心がけましょう。


おわりに

お疲れ様でした!この記事に沿って作業を進めてくださったあなたは、今やBUFFALO LS210Dを自在に操る、立派なNASユーザーです。

開封と設置から始まり、パソコンでの初期設定、共有フォルダーとユーザーの作成、そしてPCやスマホからのアクセスまで、すべてのステップをクリアしました。最初は難しそうに感じたかもしれませんが、一つひとつの作業は意外と簡単だったのではないでしょうか。

今回設定したLS210Dは、あなたのデジタルライフをより豊かで、より安全なものにしてくれる強力なパートナーです。増え続けるデータを一元管理し、家族と共有し、万が一の事態から守る。この小さな箱が、これからのあなたとあなたの大切な人々の「思い出の保管庫」として、末永く活躍してくれることを願っています。

今日マスターした基本設定を土台に、今後はバックアップの設定や、今回紹介した応用機能など、さらに便利な使い方にもぜひ挑戦してみてください。NASの世界は奥深く、知れば知るほどその魅力に引き込まれていくはずです。

あなたのデータ管理の第一歩が、素晴らしいものとなりますように。

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