【初心者向け】Synology Assistantの使い方|ダウンロードから初期設定まで徹底解説
「SynologyのNASを買ったはいいけれど、何から手をつけていいか分からない…」
「初期設定が難しそうで、なかなか箱から出せずにいる…」
初めてNAS(ナス:Network Attached Storage)を導入する際、このような不安を感じる方は少なくありません。しかし、ご安心ください。Synologyには、そんな初心者の方を力強くサポートしてくれる「Synology Assistant」という無料の公式ツールがあります。
この記事では、Synology NASのセットアップに欠かせない「Synology Assistant」について、その役割からダウンロード、インストール、そして最も重要な初期設定の進め方まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはSynology Assistantを完全にマスターし、自信を持ってNASのセットアップを完了できるはずです。さあ、一緒に快適なNASライフへの第一歩を踏み出しましょう!
1. Synology Assistantとは? なぜ必要なのか?
まずはじめに、「Synology Assistantとは何か?」そして「なぜそれが必要なのか?」という根本的な疑問にお答えします。
Synology Assistantの役割
Synology Assistantは、一言で言えば「あなたのパソコンとSynology NASを繋ぐための”架け橋”となるソフトウェア」です。
通常、購入したばかりのNASは、まだOS(オペレーティングシステム)がインストールされておらず、IPアドレスなどのネットワーク設定もされていません。そのため、電源を入れてLANケーブルを繋いだだけでは、パソコンからその存在を見つけることすらできません。
そこで登場するのがSynology Assistantです。このツールをパソコンにインストールして実行すると、同じネットワーク内にあるSynology NASを自動的に探し出してくれます。そして、見つけ出したNASに対して、以下のような様々な操作を行うことができます。
- NASの検索: ネットワーク上にあるSynologyデバイスを自動で検出します。
- DSMのインストール: NASの頭脳となるOS「DiskStation Manager (DSM)」をインストールし、初期設定を開始します。
- ネットワーク設定: IPアドレスを固定したり、サーバー名を変更したりできます。
- 状態の監視: NASの現在のステータス(正常、未インストールなど)を確認できます。
- Wake on LAN (WOL): ネットワーク経由で、電源がオフになっているNASを遠隔で起動させることができます。
- メモリテストの実行: NASに搭載されているメモリが正常かどうかを診断できます。
- ネットワークプリンターの設定: NASに接続したUSBプリンターを共有設定できます。
「find.synology.com」があるのに、なぜAssistantが必要?
Synologyの公式ガイドを見ると、「Webブラウザで find.synology.com
にアクセスすれば設定できます」という案内を目にすることがあります。これは事実であり、多くの場合、この方法で問題なくNASを検出して初期設定を進めることが可能です。
では、なぜわざわざSynology Assistantをインストールする必要があるのでしょうか?その理由は、「find.synology.com」では対応できない状況や、より高度な設定・トラブルシューティングに絶大な効果を発揮するからです。
Synology Assistantが特に役立つシナリオ:
-
find.synology.com
でNASが見つからない場合:
ルーターのセキュリティ設定やネットワーク環境によっては、Webブラウザベースの検索機能がうまく働かないことがあります。Synology Assistantは、より強力な検索方法を用いるため、このような状況でもNASを検出できる可能性が格段に高まります。初心者の方が最初につまずきやすい「NASが見つからない」という問題を解決してくれる、まさに”お守り”のような存在です。 -
IPアドレスを固定したい場合:
NASのIPアドレスが起動するたびに変わってしまうと(DHCP)、特定のフォルダーへのショートカットがリンク切れを起こすなど、何かと不便です。Synology Assistantを使えば、DSMをインストールする前や、DSMにログインできない状況でも、簡単にIPアドレスを固定できます。 -
Wake on LAN (WOL)機能を使いたい場合:
使わないときはNASの電源をオフにしておき、必要なときだけパソコンから起動させるWOL機能は、省エネや静音化に非常に有効です。このWOLの設定と実行は、Synology Assistantの得意技の一つです。 -
NASの動作がおかしいと感じた時:
「なんだかNASの反応が遅い」「突然再起動することがある」といった不調の原因がメモリにあるかもしれません。そんな時、Synology Assistantを使えば、NASのメモリテストを実行して、ハードウェアに問題がないか診断できます。
結論として、「find.synology.com」は手軽な入り口、「Synology Assistant」はより確実で高機能なプロ仕様のツールと考えることができます。特に初心者の方にとっては、万が一のトラブルに備え、最初にインストールしておくことを強く推奨します。
2. Synology Assistantのダウンロードとインストール手順
それでは、早速Synology Assistantをあなたのパソコンにインストールしてみましょう。ここでは、WindowsとmacOSのそれぞれの手順を画像付きで解説します(※画像は説明のためのイメージです)。
Step 1: Synology公式サイトからファイルをダウンロードする
- まず、お使いのWebブラウザでSynologyの公式サイトにアクセスします。
- ページ上部のメニューから「サポート」をクリックし、表示されたメニューから「ダウンロードセンター」を選択します。
- ダウンロードセンターのページが開いたら、あなたのNASの情報を選択していきます。
- 製品タイプの選択: 「NAS」を選択します。
- お使いのSynology製品を選択してください: あなたが購入したNASのモデル名(例: DS224+, DS223jなど)を選択します。モデル名はNAS本体の箱や、本体の底面に記載されています。
- 製品を選択すると、そのモデルに関連するダウンロード項目が表示されます。「OSバージョン」は最新のままで問題ありません。
- タブの中から「デスクトップユーティリティ」をクリックします。
- ユーティリティの一覧が表示されるので、その中から「Synology Assistant」を見つけます。
- あなたのパソコンのOS(Windows (exe) / macOS (dmg) / Ubuntu (deb))に合ったバージョンの「ダウンロード」ボタンをクリックします。
これで、インストール用のファイルがパソコンにダウンロードされます。
Step 2: インストールする (Windows版)
- ダウンロードしたファイル(
SynologyAssistant-x.x-xxxx.exe
のような名前)をダブルクリックして実行します。 - 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」というユーザーアカウント制御の画面が表示されたら、「はい」をクリックします。
- セットアップウィザードが開始されます。「次へ」をクリックします。
- 「使用許諾契約」が表示されます。内容を確認し、「同意する」をクリックします。
- インストールが開始されます。しばらく待つと完了画面が表示されるので、「完了」をクリックします。
- 【重要】ファイアウォールの警告:
インストール後、初めてSynology Assistantを起動すると、「Windowsセキュリティの重要な警告」や「Windows Defender ファイアウォールがこのアプリの機能の一部をブロックしました」といったポップアップが表示されることがあります。これは、Synology Assistantがネットワーク通信を行うため、Windowsが安全性を確認しているものです。
ここで「プライベートネットワーク(ホーム/社内ネットワークなど)」に必ずチェックが入っていることを確認し、「アクセスを許可する」をクリックしてください。これを許可しないと、NASを正しく検索できなくなります。
Step 3: インストールする (macOS版)
- ダウンロードしたファイル(
SynologyAssistant-x.x-xxxx.dmg
のような名前)をダブルクリックして開きます。 - ウィンドウが表示され、中に「Synology Assistant」のアイコンと「Applications」フォルダのエイリアスが見えます。
- 「Synology Assistant」のアイコンを、「Applications」フォルダのエイリアスにドラッグ&ドロップします。これでインストールは完了です。
- 【重要】初回起動時のセキュリティ警告:
macOSのセキュリティ機能により、初めてSynology Assistantを起動しようとすると、「“Synology Assistant”は、開発元が未確認のため開けません。」という警告が表示されることがあります。
その場合は、以下の手順で許可してください。- 「キャンセル」をクリックして警告を閉じます。
- アップルメニューから「システム設定」(古いmacOSの場合は「システム環境設定」)を開きます。
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
- 下にスクロールすると、「“Synology Assistant”は開発元を確認できないため、使用がブロックされました。」というメッセージと、「このまま開く」ボタンがあるので、これをクリックします。
- Macのパスワードを求められたら入力します。再度表示されるダイアログで「開く」をクリックすれば、Synology Assistantが起動します。この操作は初回のみ必要です。
これで、Synology Assistantを使う準備が整いました。
3. Synology Assistantを使ったNASの初期設定(DSMインストール)
いよいよ、この記事の核心部分であるNASの初期設定です。ここからの手順を一つずつ丁寧に行えば、誰でも簡単に設定を完了できます。
準備するものと前提条件
- Synology NAS本体: HDDまたはSSDが正しく取り付けられていること。
- 電源ケーブル: NASに接続し、コンセントに差し込んであること。
- LANケーブル: NASのLANポートと、お使いのルーターの空きポートに接続されていること。
- パソコン: Synology Assistantがインストール済みで、NASと同じルーターに(できれば有線LANで)接続されていること。
【ポイント】 パソコンとNASは、必ず同じルーターに接続してください。異なるネットワークにあると、お互いを認識できません。
Step 1: Synology AssistantでNASを検索する
- NAS本体の電源ボタンを押して、電源を入れます。起動には数分かかります。STATUSランプがオレンジ色に点滅し、ピーという音が鳴れば準備OKの合図です。
- パソコンで、先ほどインストールした「Synology Assistant」を起動します。
- 起動すると、自動的にネットワーク内のSynologyデバイスの検索が始まります。
- 検索が完了すると、リストにあなたのNASが表示されます。
リストに表示される情報の見方は以下の通りです。
- サーバー名: 初期状態では
DiskStation
やRackStation
などになっています。 - IPアドレス: ルーターから自動的に割り当てられたIPアドレスです。
- モデル: あなたのNASのモデル名(例: DS224+)。
- MACアドレス: ネットワーク機器固有の識別番号です。
- ステータス: ここが最も重要です。 初期状態では「未インストール」または「設定が失われました」と表示されているはずです。これが、これからセットアップを行うべきNASである印です。
もし、ここにNASが表示されない場合は、後の「トラブルシューティング」の章をご確認ください。
Step 2: DSM (DiskStation Manager) のセットアップを開始する
- リストに表示された、ステータスが「未インストール」のNASをダブルクリックするか、右クリックして「接続」を選択します。
- 自動的にWebブラウザが起動し、Synology NASのセットアップウィザード画面が表示されます。ここからの操作は、Webブラウザ上で行います。
(※もしブラウザが起動しない場合は、表示されているIPアドレスを直接ブラウザのアドレスバーに入力してもOKです。例:http://192.168.1.15:5000
)
Step 3: DSMのインストールと初期設定(ブラウザでの操作)
ここからは、NASのOSである「DSM」をインストールし、基本的な設定を行っていきます。
-
ようこそ画面
「DiskStationへようこそ」という画面が表示されます。「セットアップ」ボタンをクリックします。 -
DiskStation Manager (DSM) のインストール
「今すぐインストール」ボタンをクリックします。Synologyは、インターネット経由で最新版のDSMを自動的にダウンロードし、インストールしてくれます。これが最も簡単で推奨される方法です。
【超重要警告】
「ハードドライブ[1]上のデータはすべて削除されます」という警告が表示されます。これは、NASに取り付けたHDD/SSDが完全に初期化されることを意味します。もし中にデータが入っている場合は、すべて消えてしまいます。 新品のHDD/SSDを使用している場合は問題ありませんので、「理解しました」にチェックを入れて「続行」をクリックします。インストールが始まると、フォーマットとDSMのインストールが行われます。進行状況がパーセンテージで表示され、完了まで10分ほどかかります。この間、NASは自動的に再起動します。
-
デバイス名と管理者アカウントの作成
再起動後、設定画面が表示されます。- デバイス名 (サーバー名): ネットワーク上であなたのNASを識別するための名前です。初期設定の
DiskStation
のままでも良いですが、「MyNAS」や「Family-Storage」など、分かりやすい名前に変更することをおすすめします。 - ユーザー名: NASを管理するための管理者アカウントのユーザー名です。セキュリティ上、
admin
という名前は避けてください。admin
は攻撃者に推測されやすいため、あなただけの独自のユーザー名(例:nas-master
など)を設定しましょう。 - パスワード: 管理者アカウントのパスワードです。これも非常に重要です。大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた、推測されにくい強力なパスワードを設定してください。忘れないように、安全な場所にメモしておきましょう。
設定したら「次へ」をクリックします。
- デバイス名 (サーバー名): ネットワーク上であなたのNASを識別するための名前です。初期設定の
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アップデートとメンテナンス
DSMのアップデート方法を選択します。- 最新のDSMバージョンとすべてのアップデートを自動的にインストール(推奨)
- 重要なDSMアップデートのみ自動的にインストールする
- アップデートがある場合に通知を受け、手動でインストールする
特に理由がなければ、セキュリティを常に最新の状態に保つため、「最新のDSMバージョンとすべてのアップデートを自動的にインストール(推奨)」を選択するのが最も安全で簡単です。「次へ」をクリックします。
-
Synologyアカウントの作成(スキップ可能)
Synologyアカウントを作成またはサインインするよう求められます。Synologyアカウントがあると、後述するQuickConnect機能や、テクニカルサポート、製品保証の管理などがスムーズになります。- メリット: 外部からのアクセスを簡単にする「QuickConnect」が使えるようになる。
- 持っていなければここで作成できますし、後からでも設定可能です。急いでいる場合は、画面下部にある「この手順をスキップする」をクリックしても問題ありません。
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QuickConnectの設定
Synologyアカウントでサインインした場合、または後から設定する場合、QuickConnect IDの作成を求められます。- QuickConnectとは?
通常、外出先など外部のネットワークから自宅のNASにアクセスするには、ルーターのポートフォワーディング設定など、専門的な知識が必要になります。QuickConnectは、そうした複雑な設定を一切不要にし、http://QuickConnect.to/あなたのID
というような簡単なアドレスで、どこからでもNASにアクセスできるようにしてくれる、Synologyの非常に便利な無料サービスです。 - 希望するQuickConnect ID(英数字)を入力し、「次へ」をクリックします。このIDは世界で一つだけなので、他の人が使っているものは登録できません。
- QuickConnectとは?
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推奨パッケージのインストール(スキップ可能)
Synologyがおすすめする便利なアプリケーション(パッケージ)をインストールするかどうか尋ねられます。- Synology Drive Server: Google DriveやDropboxのように、ファイル同期ができる。
- Synology Photos: Googleフォトのように、写真や動画を管理・閲覧できる。
- Hyper Backup: NASのデータを別の場所(USBドライブやクラウド)にバックアップできる。
これらは非常に便利なアプリですが、後から「パッケージセンター」でいつでも自由に追加・削除できます。まずはNASの基本設定を完了させたい場合は、「スキップ」をクリックして構いません。
-
セットアップ完了!
「完了しました」という画面が表示されます。「移動」をクリックすると、ついにDSMのデスクトップ画面が表示されます!
お疲れ様でした!これで、あなたのSynology NASは使用可能な状態になりました。ブラウザのDSM画面は、今後NASを管理する上での「操縦席」となります。
4. 知っていると超便利!Synology Assistantの応用機能
初期設定が終わった後も、Synology Assistantは様々な場面で役立ちます。ここでは、覚えておくと便利な応用機能をいくつかご紹介します。
機能1: IPアドレスを固定する(ネットワーク設定)
NASのIPアドレスが毎回変わると不便な場合、固定IPアドレスに変更しましょう。
1. Synology Assistantを起動し、設定したいNASを選択します。
2. NASを右クリックし、メニューから「ネットワーク設定」を選択します。
3. 管理者アカウントのパスワードを入力して「OK」をクリックします。
4. ネットワーク設定のウィンドウが開きます。
* 「固定のIPアドレスを使用する」にチェックを入れます。
* IPアドレス: 固定したいIPアドレスを入力します(例: 192.168.1.100
)。他の機器と重複しない番号にしましょう。
* サブネットマスク: 通常は 255.255.255.0
のままでOKです。
* ゲートウェイ: ルーターのIPアドレスを入力します(例: 192.168.1.1
)。
* DNSサーバー: ゲートウェイと同じIPアドレスか、8.8.8.8
(GoogleのDNS)などを入力します。
5. 「OK」をクリックすれば設定完了です。今後は常にこのIPアドレスでNASにアクセスできます。
機能2: NASを遠隔で起動する (Wake on LAN – WOL)
省エネのために普段はNASの電源をオフにしておき、必要な時だけ起動したい場合にWOLが役立ちます。
【事前準備】DSM側での設定
まず、DSMにログインし、「コントロールパネル」→「ハードウェアと電源」→「全般」タブを開き、「WOL on LAN 1 を有効にする」にチェックを入れて「適用」します。
【Synology Assistantでの設定と実行】
1. Synology Assistantを起動し、WOLを設定したいNASを選択します。このとき、NASの電源はオンの状態である必要があります。
2. NASを右クリックし、「WOL」→「セットアップ」を選択します。パスワードを求められたら入力します。これで、NASのMACアドレスがAssistantに登録されます。
3. NASの電源をシャットダウンします。
4. Synology Assistantのリストで、電源がオフになったNASのステータスが「オフライン」になっていることを確認します。
5. そのNASを右クリックし、「WOL」→「起動」を選択します。
6. 数秒から数分でNASが起動し、ステータスが「準備完了」に変わります。
機能3: メモリの健全性をチェックする(メモリテスト)
メモリを増設した後や、NASの動作が不安定な場合に、ハードウェア的な問題がないか診断できます。
1. Synology Assistantを起動します。
2. 画面右上の歯車アイコン(環境設定)をクリックし、「メモリテストを有効にする」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。
3. メイン画面に戻ると、上部に「メモリテスト」というボタンが追加されています。
4. テストしたいNASを選択し、「メモリテスト」ボタンをクリックします。
5. パスワードを入力すると、NASが再起動し、メモリテストが開始されます。テストには数時間かかる場合があり、その間NASは利用できません。テストが完了すると、NASは自動的に再起動します。問題がなければ、通常通り起動します。
5. トラブルシューティング:困ったときはここをチェック!
最後に、初心者がつまずきがちな問題とその解決策をまとめます。
Q1: Synology AssistantでNASが見つからない!
最も多いトラブルです。以下の項目を上から順に確認してください。
-
物理的な接続の確認:
- NASの電源は入っていますか? 電源ランプは点灯していますか?
- NASのSTATUSランプはオレンジ色に点滅していますか?(正常な起動中または未インストール状態のサイン)
- LANケーブルは、NASとルーターの両方に「カチッ」と音がするまでしっかり差し込まれていますか?
- ルーターのLANポートのランプは点滅していますか?(通信している証拠)
- パソコンとNASは、絶対に同じルーターに接続されていますか?
-
ソフトウェア的な確認:
- ファイアウォールの確認: パソコンのWindows Defender ファイアウォールや、市販のセキュリティソフトがSynology Assistantの通信をブロックしている可能性があります。一時的にファイアウォールを無効にして検索してみるか、セキュリティソフトの設定でSynology Assistantを「許可」するルールを追加してください。
- ルーターの設定確認: ルーターに「APアイソレーション」「プライバシーセパレーター」「ネットワーク分離」といった機能がある場合、それが有効になっていると同一LAN内のデバイス同士の通信が遮断され、NASが見つからなくなります。ルーターの設定画面を確認し、この機能が有効であれば無効にしてください。
- 再起動: シンプルですが効果的な方法です。「パソコン → ルーター → NAS」の順番で電源を一度切り、今度は「ルーター → NAS → パソコン」の順番で電源を入れてみてください。
Q2: ステータスが「接続に失敗しました」と表示される
これは、何らかの理由でNASのネットワーク設定が不整合を起こしている可能性があります。
* IPアドレスの競合: NASに割り当てられたIPアドレスが、ネットワーク内の他の機器(別のPCやスマートフォンなど)と重複している可能性があります。ルーターとNASを再起動して、IPアドレスを再取得させてみてください。
* 直接接続を試す: 最後の手段として、ルーターを介さず、NASとパソコンを直接LANケーブルで接続してみてください。この状態でSynology Assistantを起動すると、見つかる場合があります。見つかったら、上記で解説した「ネットワーク設定」から、お使いのネットワーク環境に合った固定IPアドレスを設定し、その後で再度ルーターに接続し直してみてください。
Q3: DSMのインストールに失敗する
- HDD/SSDの互換性: 使用しているHDDやSSDが、お使いのNASモデルと互換性があるか、Synology公式サイトの「互換性リスト」で確認してください。非互換のドライブでは、正常に動作しない場合があります。
- HDD/SSDの物理的な問題: ドライブ自体に初期不良や故障がある可能性も考えられます。可能であれば、別のドライブで試してみてください。
- インターネット接続: DSMのインストールはインターネットからファイルをダウンロードして行います。ご自宅のインターネット接続が安定しているか確認してください。
6. まとめ
Synology Assistantは、単なる初期設定ツールではありません。それは、あなたのNASライフをより快適で、より安定したものにするための、信頼できるパートナーです。
- 初心者にとっては、つまずきやすい初期設定を確実に行うための”命綱”
- 中級者以上にとっては、WOLや固定IP設定など、NASをより深く使いこなすための”便利な道具箱”
- そして、すべてのユーザーにとっては、NASが見つからない、動作が不安定といったトラブルを解決するための”頼れる診断ツール”
となります。
find.synology.com
の手軽さも魅力ですが、このSynology Assistantをパソコンに一つ入れておくだけで、得られる安心感は計り知れません。
この記事で解説した手順を参考に、ぜひSynology Assistantを使いこなし、あなただけのデータ保管庫、メディアサーバー、バックアップ先として、Synology NASの持つ無限の可能性を存分に引き出してください。
あなたの快適なデジタルライフが、ここから始まります。