ネットが遅いと感じたら。Speedtestで回線速度を1分でチェックする方法


ネットが遅いと感じたら。Speedtestで回線速度を1分でチェックする方法【完全ガイド】

「Webページの表示に時間がかかる…」
「動画が途中でカクカク止まってしまう…」
「オンラインゲームでキャラクターが瞬間移動する…」

私たちの生活に欠かせないインターネット。しかし、ふとした瞬間に「なんだかネットが遅いな」と感じることはありませんか?そのイライラの原因、実はあなたの利用しているインターネット回線の「速度」にあるかもしれません。

しかし、「遅い」という感覚は主観的なもの。本当に回線に問題があるのか、それともパソコンやスマートフォンの調子が悪いだけなのか、判断するのは難しいですよね。

そこで登場するのが、回線速度測定ツール「Speedtest」です。

この記事では、世界で最も広く利用されているSpeedtestを使って、誰でも簡単に、わずか1分でご自宅のインターネット回線の「健康診断」を行う方法を、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説します。

測定結果の正しい見方から、結果が悪かった場合の具体的な原因究明と対策まで、この記事を読めば「ネットが遅い」問題の解決に向けた第一歩を確実に踏み出せるようになります。快適なインターネットライフを取り戻すために、まずは現状を客観的な「数字」で把握することから始めましょう。

第1章:Speedtestとは?なぜ世界中で信頼されているのか

まず、「Speedtestとは一体何なのか?」という基本からご説明します。

Speedtest(スピードテスト)は、アメリカのOokla(ウークラ)社が提供する、インターネット回線の速度を測定するためのツールです。Webサイトにアクセスするか、専用のアプリをインストールするだけで、誰でも無料で手軽に利用できます。

数ある速度測定ツールの中で、なぜSpeedtestが「世界標準」とまで言われるほど信頼されているのでしょうか。その理由は主に3つあります。

  1. 圧倒的なサーバー数とグローバルな展開:
    Speedtestは世界中に12,000以上の測定用サーバーを設置しています。これにより、あなたがどこに住んでいても、物理的に近いサーバーと通信して測定することが可能です。サーバーが遠いと、それだけで結果に遅延が生じて正確な速度が測れなくなってしまいます。常に最適なサーバーを自動で選択し、精度の高い測定を実現しているのが最大の強みです。

  2. 膨大な利用実績とデータの蓄積:
    1日に1,000万回以上、これまでの累計測定回数は400億回を超えるという圧倒的な利用実績があります。多くの人が使うことで、世界中の回線速度に関する膨大なデータが蓄積され、ツールの精度向上や、国別・都市別の回線速度ランキングといった興味深いデータの提供にも繋がっています。

  3. シンプルで直感的な操作性:
    専門知識は一切不要です。サイトにアクセスして中央にある「GO」ボタンを押すだけ。わずか1分足らずで、あなたの回線のパフォーマンスを示す重要な3つの指標(Ping、ダウンロード速度、アップロード速度)がグラフィカルに表示されます。この手軽さが、多くの人に支持される理由の一つです。

つまりSpeedtestは、「手軽さ」と「測定精度の高さ」を両立した、最も信頼できる回線速度測定ツールと言えるのです。

第2章:【実践編】わずか1分!Speedtestで回線速度を測る全手順

それでは、実際にSpeedtestを使って回線速度を測定してみましょう。正確な数値を出すためには、事前の「環境準備」が非常に重要です。焦らず、以下のステップに従って進めてください。

ステップ1:測定環境を万全に整える

料理で言うところの「下ごしらえ」です。これを怠ると、回線本来の性能が発揮されず、不正確な結果が出てしまう可能性があります。

【最重要】可能であれば「有線LAN接続」で測定する
最も正確な数値を測定したい場合、パソコンとルーターをLANケーブルで直接つなぐ「有線LAN接続」を強く推奨します。
Wi-Fi(無線LAN)は、壁や家具などの障害物、電子レンジなどの家電製品から出る電波、近隣のWi-Fi電波など、様々な要因で電波が不安定になりがちです。そのため、Wi-Fi経由で測定すると、回線本来の速度ではなく、Wi-Fi環境の悪さが原因で低い数値が出てしまうことがあるのです。

Wi-Fiでしか測定できない場合の注意点
やむを得ずWi-Fiで測定する場合は、以下の点を心がけてください。

  • Wi-Fiルーターのすぐ近くで測定する: 距離が離れるほど、障害物が増えるほど電波は弱くなります。
  • 電子レンジやコードレス電話から離れる: これらはWi-Fiと同じ2.4GHz帯の電波を使うため、電波干渉の原因になります。
  • 他のデバイスのWi-Fi接続を一時的にオフにする: 家族のスマートフォンやタブレット、ゲーム機などが同じWi-Fiに接続していると、回線を分け合ってしまい、正しい速度が測定できません。

測定するデバイス以外の通信をすべて停止する
測定中は、測定に使うパソコンやスマートフォン以外の通信を極力なくしましょう。

  • 動画ストリーミング(YouTube, Netflixなど)の再生を停止する
  • 大容量ファイルのダウンロードやアップロードを中断する
  • オンラインゲームを終了する
  • クラウドストレージ(Dropbox, Google Driveなど)の同期を一時停止する
  • Windows UpdateなどのOSの自動更新が動いていないか確認する

パソコンやスマートフォンを再起動する
測定前にデバイスを一度再起動することをおすすめします。これにより、バックグラウンドで不要に動作しているアプリケーションが終了し、メモリが解放され、デバイスが最高のパフォーマンスを発揮できる状態になります。

ステップ2:Speedtestの公式サイトにアクセスする

準備が整ったら、Webブラウザ(Google Chrome, Microsoft Edge, Safariなど)を開き、Speedtestの公式サイトにアクセスします。

Speedtest by Ookla 公式サイト:
https://www.speedtest.net/

アクセスすると、あなたのIPアドレスから推測されたプロバイダー名や測定サーバーの場所、そして中央に大きな「GO」という円形のボタンが表示されます。

ステップ3:「GO」ボタンをクリックして測定開始!

画面中央の「GO」ボタンをクリックしてください。これだけで測定が自動的に始まります。
スピードメーターのようなゲージが動き出し、リアルタイムで速度が表示されていくのが分かります。

測定は以下の順番で自動的に行われます。

  1. PING(ピン)測定: サーバーとの応答速度を計測します。
  2. DOWNLOAD(ダウンロード)測定: インターネットからデータを受け取る速度を計測します。
  3. UPLOAD(アップロード)測定: インターネットへデータを送り出す速度を計測します。

すべてが完了するまで、およそ30秒から1分程度です。測定中は他の操作をせず、じっと待ちましょう。

ステップ4:【最重要】測定結果の見方を徹底解説する

測定が完了すると、3つの重要な数値が表示されます。これらの数値がそれぞれ何を意味しているのかを正しく理解することが、問題解決への鍵となります。

① PING(ピン)とJitter(ジッター):応答速度の速さと安定性
  • PING(ピング / ピン / レイテンシとも呼ばれる)

    • 意味: こちらからデータを送ってから、相手(サーバー)から「受け取ったよ」という返事が返ってくるまでの時間のことです。「応答速度」や「遅延時間」とも言えます。
    • 例え: データの「キャッチボール」にかかる時間です。この時間が短いほど、ボールを投げてから返ってくるまでが速い、つまり通信の反応が速いということになります。
    • 単位: ms(ミリ秒)。1msは1000分の1秒です。
    • 評価: 数値が小さいほど優秀です。
  • Jitter(ジッター)

    • 意味: PING値の「ゆらぎ」や「ばらつき」のことです。通信が安定しているかどうかを示します。
    • 例え: キャッチボールで、毎回ほぼ同じタイミングでボールが返ってくるならJitterは小さい(安定している)。返ってくるタイミングがバラバラだとJitterは大きい(不安定)ということです。
    • 単位: ms(ミリ秒)。
    • 評価: 数値が小さいほど優秀で、通信が安定していることを示します。

【PINGとJitterが重要な用途】
反応の速さが求められるリアルタイム性の高い通信で特に重要になります。

  • オンラインゲーム(特にFPS/格闘ゲーム): Pingが高いと「ラグ」が発生し、敵が瞬間移動したり、自分の操作が遅れて反映されたりします。
  • ビデオ通話・Web会議 (Zoom, Teamsなど): PingやJitterが大きいと、映像や音声が途切れたり、遅れたりする原因になります。
  • Webサイトの閲覧: Pingが小さいと、リンクをクリックしたときの反応が速く、サクサクとページが表示されます。

【PING値の目安】
* 0~15ms: 非常に速い。プロゲーマーレベル。あらゆる用途で快適。
* 16~30ms: 速い。オンラインゲームも快適にプレイできる。
* 31~50ms: 普通。Web閲覧や動画視聴では問題ないが、対戦ゲームでは少し不利になることも。
* 51~100ms: やや遅い。動画視聴などは可能だが、ゲームやビデオ通話で遅延を感じることがある。
* 101ms以上: 遅い。Webページの表示にも時間がかかり、ストレスを感じるレベル。

② DOWNLOAD(ダウンロード):データを受け取る速さ
  • 意味: インターネット上にあるデータを、あなたのパソコンやスマートフォンに受信する速さです。Webサイトの閲覧、動画視聴、アプリのダウンロードなど、インターネット利用のほとんどの場面で使われるため、体感速度に最も大きく影響します。
  • 例え: インターネットという巨大な水源から、あなたの家まで水を引く「水道管の太さ」です。管が太いほど、一度にたくさんの水(データ)を流せます。
  • 単位: Mbps(メガビーピーエス)。数値が大きいほど、たくさんのデータを短時間で受け取れます。※1000Mbps = 1Gbps (ギガビーピーエス)
  • 評価: 数値が大きいほど優秀です。

【ダウンロード速度の目安(用途別)】
* 1~5Mbps: テキストメールの送受信、LINEなどのメッセージアプリが利用できるレベル。
* 5~10Mbps: Webサイトの閲覧、SNS(Twitter, Instagram)の閲覧が普通にできる。
* 10~30Mbps: YouTubeなどの動画を標準画質(SD)~高画質(HD)で快適に視聴できる。
* 30~50Mbps: 4Kなどの超高画質動画の視聴、オンラインゲームのプレイ(ゲームデータのダウンロードは除く)が快適になる。
* 50~100Mbps: 大容量のゲームやソフトウェアのダウンロードも、比較的短時間で完了する。家族複数人が同時に動画を見ても快適。
* 100Mbps以上: 非常に快適。ほぼすべての用途でストレスを感じることはない。高画質なライブ配信の視聴もスムーズ。

③ UPLOAD(アップロード):データを送り出す速さ
  • 意味: あなたのパソコンやスマートフォンから、インターネット上のサーバーへデータを送信する速さです。メールの送信、SNSへの写真や動画の投稿、ファイルのクラウドへの保存、ライブ配信などで重要になります。
  • 例え: あなたの家から、公共の下水道へ水を流す「排水管の太さ」です。管が太いほど、一度にたくさんの水(データ)を送り出せます。
  • 単位: Mbps(メガビーピーエス)。
  • 評価: 数値が大きいほど優秀です。一般的に、ダウンロード速度よりも低い数値が出ることが多いです。

【アップロード速度の目安(用途別)】
* 1Mbps以下: テキストメールの送信や、小さな画像のSNS投稿がやっとできるレベル。
* 1~5Mbps: SNSへの写真投稿や、短い動画のアップロードが問題なくできる。
* 5~10Mbps: 高画質な写真を複数枚アップロードしたり、ビデオ通話で自分の映像をきれいに送ったりできる。
* 10~30Mbps: YouTubeなどに動画を投稿する作業がスムーズになる。クラウドへのデータバックアップも比較的速い。
* 30Mbps以上: 高画質なライブ配信(ゲーム実況など)や、大容量の動画ファイルを頻繁にアップロードする人に推奨されるレベル。

これら3つの数値を総合的に見ることで、あなたのインターネット回線の得意・不得意や、遅延の原因となっている箇所を推測することができます。

第3章:【応用編】スマホアプリ版Speedtestも活用しよう

Speedtestは、パソコンのブラウザだけでなく、スマートフォン用のアプリも提供されています。スマホでのインターネット利用が多い方は、ぜひインストールしておきましょう。

  • iOS (iPhone/iPad)版: App Storeで「Speedtest」と検索
  • Android版: Google Playストアで「Speedtest」と検索

アプリ版の基本的な使い方はWebサイト版と全く同じで、アプリを起動して「GO」をタップするだけです。

スマホアプリ版のメリット

  1. Wi-Fi環境のチェックが手軽にできる:
    「リビングは速いけど、寝室だと遅い…」といったように、家の中の場所によってWi-Fiの電波強度は変わります。スマホアプリを使えば、家の中を移動しながら各部屋のWi-Fi速度を簡単に測定し、電波の死角を見つけることができます。

  2. モバイルデータ通信(4G/5G)の速度も測れる:
    Wi-Fiをオフにすれば、契約しているキャリア(docomo, au, SoftBank, 楽天モバイルなど)のモバイル回線の速度を測定できます。外出先で「なんだか繋がりにくいな」と感じたときに、その場所の電波状況を数値で確認するのに役立ちます。

  3. 測定履歴が自動で保存される:
    過去の測定結果が自動的に記録されるため、「昨日の夜と比べて今日の昼はどれくらい速いか」といった比較が簡単にできます。

第4章:測定結果から分析!あなたの回線は大丈夫?

測定結果が出たら、それをどう評価すればよいのでしょうか。ここでは、具体的なシナリオを交えながら解説します。

時間帯を変えて複数回測定しよう

インターネット回線は、道路と同じで利用者が多い時間帯は混雑します。特に、平日の夜(20時~24時頃)や休日は利用者が集中し、速度が低下する傾向にあります。

一度だけの測定で「遅い!」と判断するのではなく、利用者が少ないであろう平日の午前中と、自分がよく利用する平日の夜など、時間帯を変えて複数回測定してみましょう。

  • 常に速度が遅い場合: 回線そのものや、自宅の機器(ルーターなど)に根本的な問題を抱えている可能性があります。
  • 特定の時間帯だけ極端に遅くなる場合: あなたが契約しているプロバイダーの設備が混雑している可能性が高いです。

総合的な評価の仕方(シナリオ別)

シナリオ PING Download Upload 考えられる状況と評価
A: バランス型 15ms 250Mbps 180Mbps 非常に優秀な回線。Web閲覧、動画、ゲーム、何でも快適。理想的な状態です。
B: DL特化型 30ms 400Mbps 15Mbps ダウンロードは非常に速いが、アップロードが遅め。動画視聴やダウンロードは快適だが、大容量ファイルのアップロードやライブ配信には時間がかかる。一般的な光回線によく見られるパターン。
C: 高遅延型 80ms 100Mbps 50Mbps ダウンロード・アップロード速度は十分だが、Pingが高いため応答速度が遅い。動画視聴は問題ないが、オンラインゲームやWeb会議では遅延を感じる可能性が高い。
D: 夜間混雑型 50ms 15Mbps 10Mbps (※夜間に測定した結果)全体的に速度が遅く、特にダウンロードの落ち込みが激しい。プロバイダーや地域の回線網が混雑している可能性が非常に高い。
E: Wi-Fi不調型 25ms 20Mbps 15Mbps (※有線だと速いが、Wi-Fiだとこの数値)契約プランに対して速度が著しく低い。ルーターの設置場所が悪い、ルーターの性能が低い、電波干渉を受けているなど、Wi-Fi環境に問題がある可能性大。

あなたの測定結果はどのシナリオに近いでしょうか?このように、3つの数値を総合的に見ることで、問題の切り分けがしやすくなります。

第5章:【原因究明&対策編】Speedtestの結果が悪かった場合の完全ロードマップ

測定結果が思わしくなかった場合、がっかりする必要はありません。それは改善への第一歩です。ここからは、自分でできる対策を簡単なものから順に、ステップバイステップで解説します。

ステップ1:まず試すべき「宅内環境」の見直し

インターネット回線の問題は、意外と自宅内のちょっとしたことが原因であるケースが非常に多いです。業者に連絡する前に、まずは以下の項目を必ずチェックしましょう。

対策1:ルーターとONU(モデム)の「再起動」

これは最も簡単で、最も効果が高い可能性がある対策です。
ルーターやONU(光回線終端装置。壁の光コンセントと繋がっている機器)は、24時間365日稼働している精密機器です。長時間稼働することで、内部に熱がこもったり、プログラムが不安定になったりして、パフォーマンスが低下することがあります。

  1. ルーター、ONUの順に電源コンセントを抜く。
  2. そのまま5分ほど放置して、完全に放電させる。
  3. ONU、ルーターの順に電源コンセントを差し込む。
  4. 各機器のランプが正常に点灯するまで数分待つ。
  5. 再度、Speedtestで速度を測定する。

これだけで劇的に速度が改善することがよくあります。「ネットが遅い」と思ったら、まずこれを試す癖をつけましょう。

対策2:接続方法を見直す(Wi-Fi → 有線LAN)

前述の通り、Wi-Fiは不安定要素の塊です。もしWi-Fi接続で速度が遅い場合は、一度有線LANケーブルで接続して測定してみてください。
それで速度が改善するなら、原因はWi-Fi環境にあります。その場合は、次の「対策3」に進みます。
また、使っているLANケーブルが古すぎる(「CAT5」など)と、それ自体が速度のボトルネックになることがあります。「CAT5e」以上、できれば「CAT6」や「CAT6A」規格のケーブルを使うのが理想です。

対策3:Wi-Fiルーターの設定・環境を見直す

原因がWi-Fiにあると分かったら、以下の点を確認しましょう。

  • ルーターの設置場所を変える:
    • NGな場所: 床の上、部屋の隅、棚の中、水槽や金属製のラックの近く、家電製品の裏。
    • OKな場所: 家の中心付近、床から1~2mの高さ、周りに障害物がない開けた場所。
  • 周波数帯を変更する(2.4GHz ⇔ 5GHz):
    多くのWi-Fiルーターは「2.4GHz」と「5GHz」という2種類の電波を出しています。

    • 2.4GHz: 障害物(壁や床)に強いが、速度は遅めで、家電製品との電波干渉を受けやすい。
    • 5GHz: 高速通信が可能だが、障害物に弱く、電波が届く範囲が狭い。
      ルーターの近くで使うデバイスは「5GHz」に、離れた部屋で使うデバイスは「2.4GHz」に接続するなど、使い分けてみましょう。
  • Wi-Fiルーターの買い替えを検討する:
    5年以上同じルーターを使っている場合、ルーター自体の性能が現在の高速な光回線に追いついていない可能性があります。最新の通信規格「Wi-Fi 6(ax)」や「Wi-Fi 6E」に対応したルーターに買い替えるだけで、宅内の通信速度は劇的に向上します。
対策4:利用デバイス(PC・スマホ)を見直す
  • OSやブラウザ、ドライバを最新にする: ソフトウェアが古いと、セキュリティ上の問題だけでなく、パフォーマンスが低下することもあります。
  • セキュリティソフトを一時的に無効にする: 特定のセキュリティソフトが通信を監視することで、速度が低下する場合があります。一時的に無効にして速度を測り、もし改善するならソフトの設定を見直しましょう。

ステップ2:「回線事業者・プロバイダー」側の問題を探る

宅内環境を見直しても改善しない場合は、問題が家の外、つまり契約している回線事業者やプロバイダー側にある可能性が高まります。

対策1:契約プランを確認する

意外な落とし穴ですが、そもそも契約しているプランの最大速度が低いというケースもあります。(例:「最大100Mbps」のプランなど)
契約書類や会員ページで、自分が契約しているプランの理論上の最大速度を確認してみましょう。

対策2:通信障害・メンテナンス情報を確認する

契約している回線事業者やプロバイダーの公式サイトにアクセスし、「障害情報」「メンテナンス情報」のページを確認します。お住まいの地域で通信障害が発生している場合、復旧を待つしかありません。

対策3:プロバイダーの混雑(IPoE接続への変更を検討)

特に夜間に速度が低下する場合、プロバイダーの設備が混雑している可能性が高いです。これは、従来の「PPPoE」という接続方式の限界が原因であることが多いです。
もしお使いの回線とプロバイダーが、新しい接続方式である「IPoE (IPv4 over IPv6)」に対応しているなら、それに変更することで夜間の速度低下が劇的に改善される可能性があります。
利用中のプロバイダーがIPoEに対応しているか確認し、対応しているならプラン変更や申し込みを検討しましょう。

ステップ3:最終手段としての「乗り換え」

これらすべての対策を試しても満足のいく速度が出ない場合、根本的な解決策として「プロバイダーの乗り換え」や「回線事業者自体の乗り換え」を検討するフェーズになります。

  • プロバイダーの乗り換え: 今使っている光回線(フレッツ光など)はそのままに、接続業者であるプロバイダーだけを変更します。IPoEに標準対応しているなど、設備が充実したプロバイダーを選ぶのがポイントです。
  • 回線事業者の乗り換え: フレッツ光網を利用しない独自の回線(Nuro光、auひかりなど)に乗り換える方法です。お住まいのエリアで利用可能であれば、混雑が少なく高速通信が期待できます。

乗り換えは手間と時間がかかりますが、最も効果的な解決策となる可能性があります。

まとめ:快適なネットライフは「現状把握」から

今回は、インターネットが遅いと感じたときに、まず何をすべきか、その第一歩である「Speedtest」を使った回線速度の測定方法から、結果の分析、そして具体的な対策までを網羅的に解説しました。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  1. ネットが遅いと感じたら、まずはSpeedtestで客観的な数値を測定する。
  2. 正確な測定のためには、有線LAN接続など「測定環境」を整えることが何より重要。
  3. 測定結果は「Ping」「ダウンロード」「アップロード」の3つの数字を総合的に見て判断する。
  4. 結果が悪かった場合は、「宅内環境」→「回線・プロバイダー」の順に原因を切り分け、対策を講じる。
  5. ルーターの再起動は、最も手軽で効果的なトラブルシューティング。
  6. 時間帯による速度変化を把握するため、定期的に速度をチェックする習慣をつける。

「ネットが遅い」という漠然とした不満を、「Pingが50msで、夜間のダウンロード速度が10Mbpsまで落ち込んでいる」という具体的な「事実」に変えること。それが、あらゆる問題解決のスタートラインです。

この記事が、あなたの快適なインターネットライフを取り戻すための一助となれば幸いです。さあ、今すぐSpeedtestにアクセスして、あなたの回線の健康診断を始めてみましょう。

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