【決定版】Ubuntuで画面録画する方法とおすすめツール

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【決定版】Ubuntuで画面録画する方法とおすすめツール

UbuntuはLinuxディストリビューションの中でも特に人気が高く、開発、デザイン、日常業務、エンターテイメントなど、幅広い用途で利用されています。Ubuntuを使っていると、画面の操作方法を教えたり、ソフトウェアの不具合を報告したり、オンライン会議の内容を記録したり、ゲームプレイを共有したりと、画面録画が必要になる場面が多々あります。

WindowsやmacOSでは標準機能で比較的簡単に画面録画ができるのに対し、Ubuntu（特にGNOMEデスクトップ環境）にも標準機能はありますが、機能が限定的です。そのため、より高機能な画面録画を行うには、専用の外部ツールを利用するのが一般的です。

この記事では、「Ubuntuで画面録画をしたい」というあなたのニーズに徹底的にお応えするため、Ubuntuの標準機能から、機能豊富で使いやすいおすすめの外部ツールまで、それぞれの特徴、インストール方法、基本的な使い方、メリット・デメリットを詳細に解説します。また、ツール選びのポイント、よくあるトラブルとその解決策、さらに高度な設定についても掘り下げていきます。この記事を読めば、あなたの目的や環境に最適な画面録画方法が見つかり、Ubuntuでの画面録画がスムーズに行えるようになるでしょう。

さあ、Ubuntuであなたのデスクトップ操作を記録する方法をマスターしましょう。

はじめに：なぜUbuntuで画面録画が必要なのか？

Ubuntuを使っているあなたが画面録画を必要とするのは、どのような状況でしょうか？考えられるケースをいくつか挙げてみましょう。

  • チュートリアルや操作ガイドの作成: 特定のソフトウェアの使い方や、複雑な設定手順を他の人に説明する際、画面操作を録画して共有することで、より分かりやすく伝えることができます。YouTubeやブログなどで技術情報を発信する際にも必須のスキルです。
  • バグ報告や問題解決: ソフトウェアの不具合やシステムの問題が発生した際に、その状況を正確に開発者やサポート担当者に伝えるために画面録画は非常に有効です。エラーメッセージや操作手順を動画で見せることで、問題の早期解決につながります。
  • オンラインプレゼンテーションやウェビナーの記録: ZoomやGoogle Meetなどのオンライン会議ツールを使ったプレゼンテーションやウェビナーの内容を記録しておけば、後で見返したり、参加できなかった人に共有したりできます。
  • ゲームプレイの記録・配信: Ubuntuでゲームをプレイしている場合、その様子を録画して友人に見せたり、YouTubeやTwitchなどのプラットフォームで配信したりすることができます。
  • 遠隔サポート: 家族や友人のUbuntu環境で発生した問題を遠隔でサポートする際に、相手の画面操作を録画してもらい、状況を把握することができます。
  • 自己学習・振り返り: 自分の操作を録画して後から見返すことで、より効率的な作業方法を見つけたり、無駄な動きを減らしたりするのに役立ちます。

このように、画面録画は様々なシーンで役立つ強力なツールです。Ubuntuには様々な画面録画ツールが存在し、それぞれに得意なことや特徴があります。あなたの目的に合ったツールを選ぶことが重要です。

Ubuntuでの画面録画の基本

画面録画は、コンピューターのグラフィカルインターフェース（GUI）で行われる操作や表示を、動画ファイルとして記録する技術です。基本的な仕組みとしては、デスクトップの画面イメージを一定間隔（フレームレート）でキャプチャし、それを連続した画像としてエンコード（圧縮・変換）して動画ファイルとして保存します。同時に、マイクからの音声やシステム内部で再生されている音声も記録する場合が多いです。

画面録画の技術的な要素

  • フレームレート (FPS – Frames Per Second): 1秒間に何枚の画像を記録するかを示す値です。フレームレートが高いほど滑らかな動画になりますが、ファイルサイズが大きくなり、システムへの負荷も高まります。一般的な動画は24 FPS以上、ゲーム録画など動きの速い映像では60 FPSが求められることもあります。
  • 解像度: 録画する画面のサイズです。画面全体の解像度（例: 1920×1080）で録画することも、一部の領域だけを録画することもあります。解像度が高いほど詳細な情報が得られますが、ファイルサイズと負荷が増加します。
  • コーデック: 動画や音声を圧縮・展開するための方式です。適切なコーデックを選択することで、画質や音質を保ちながらファイルサイズを小さくできます。代表的な動画コーデックにはH.264 (AVC), H.265 (HEVC), VP9などがあり、音声コーデックにはAAC, MP3, Opusなどがあります。
  • コンテナ形式: コーデックでエンコードされた動画ストリーム、音声ストリーム、字幕、メタデータなどを一つにまとめるファイル形式です。代表的なものにMP4 (.mp4), MKV (.mkv), WebM (.webm), AVI (.avi)などがあります。
  • エンコーダー: コーデックを使って動画や音声を圧縮するソフトウェアまたはハードウェアです。ソフトウェアエンコーダー（例: x264）はCPUを使いますが、ハードウェアエンコーダー（例: NVIDIA NVENC, Intel Quick Sync Video, AMD VCE/VCN）は専用のハードウェアを使うため、CPU負荷を減らしつつ高速なエンコードが可能です。

これらの要素は、使用する画面録画ツールや設定によって調整できます。目的に応じて最適な設定を選ぶことが、高品質で効率的な画面録画を行う鍵となります。

Ubuntuの標準機能と外部ツールの比較

Ubuntuには、追加のソフトウェアをインストールしなくても使える基本的な画面録画機能があります。これは手軽で便利な反面、機能が非常に限られています。より詳細な設定や多機能性を求める場合は、外部ツールが必要になります。

  • Ubuntu標準機能:
    • メリット: インストール不要、すぐに使える、操作が簡単。
    • デメリット: 機能が非常に限定的（録画範囲の指定ができない、音声が録音できない、ファイル形式の選択肢が少ない、設定項目がほぼない）。
  • 外部ツール:
    • メリット: 機能が豊富（録画範囲指定、音声録音、Webcam合成、多彩な出力設定、高度なエンコードオプション、配信機能など）、カスタマイズ性が高い。
    • デメリット: インストールが必要、ツールの使い方を覚える必要がある、高機能なツールは設定が複雑になる場合がある。

以下で、それぞれの具体的な方法を見ていきましょう。

Ubuntuの標準機能での画面録画 (GNOMEデスクトップ)

UbuntuのデフォルトであるGNOMEデスクトップ環境には、非常にシンプルな画面録画機能が組み込まれています。これは、特に準備をすることなく、すぐに画面録画を開始したい場合に便利です。

Shift + Ctrl + Alt + R での録画

GNOME環境で最も手軽な画面録画方法は、ショートカットキーを使う方法です。

  • 録画開始: Shift + Ctrl + Alt + R を同時に押します。
  • 録画停止: もう一度 Shift + Ctrl + Alt + R を押します。

録画中は、画面の右上に赤い丸のアイコンが表示されます。このアイコンは録画が進行中であることを示しています。

録画された動画ファイルは、ホームディレクトリの「ビデオ」フォルダ (~/Videos/) に、Screencast from YYYY-MM-DD hh-mm-ss.webm のようなファイル名で保存されます。ファイル形式はWebM、動画コーデックはVP9、音声コーデックはOpusが使用されることが多いようです。

機能と制限事項

この標準機能は、その手軽さと引き換えに多くの制限があります。

  • 録画範囲: 画面全体しか録画できません。特定のウィンドウや領域を指定して録画することはできません。
  • 音声録音: デフォルトではマイクからの音声は録音されません。システム内部で再生されている音声も録音されません。
  • ファイル形式/コーデック: 出力されるファイル形式やコーデックは固定されており、選択することはできません。通常はWebM (VP9/Opus) です。
  • 設定項目: 解像度、フレームレート、品質などを調整するオプションはありません。
  • 録画時間: 録画時間にはデフォルトで30秒の制限があります。これは dconf-editor というツールを使って変更可能ですが、手軽に設定できるわけではありません。
  • インジケーター: 録画中は右上に赤いアイコンが表示されますが、このアイコンも録画に含まれてしまいます。

これらの制限からわかるように、この標準機能は「とりあえず今すぐ画面全体の操作をちょっとだけ記録したい」といった緊急度の高い、またはごく簡単な用途にのみ適しています。きちんとしたチュートリアル作成や、音声解説付きの動画を作りたい場合には、外部ツールの利用が必須となります。

応用：録画時間の設定変更 (dconf-editor)

デフォルトの30秒という録画時間制限は、dconf-editor という高度な設定ツールを使うことで変更できます。ただし、これはシステム設定に詳しくないユーザーには推奨されない操作です。

  1. dconf-editor をインストールします（通常はプリインストールされていますが、なければ sudo apt install dconf-editor）。
  2. アプリケーションメニューから dconf Editor を起動します。
  3. 左ペインで /org/gnome/shell/media-effects/screen-cast/ と辿ります。
  4. 右ペインにある max-screencast-length という項目を探します。
  5. この項目をクリックし、デフォルト値の 30 を任意の秒数（例: 600 で10分、-1 で無制限）に変更します。

変更を保存すると、次回の録画から新しい時間制限が適用されます。ただし、この設定変更を行っても、その他の制限（録画範囲、音声なしなど）は解消されないことに注意してください。

その他のデスクトップ環境の標準機能

Ubuntuの公式フレーバー（Kubuntu, Xubuntu, Lubuntuなど）や、自分で別のデスクトップ環境（KDE Plasma, XFCE, LXQtなど）をインストールしている場合、それぞれの環境に独自の画面録画ツールやショートカットが用意されていることがあります。

  • KDE Plasma: Spectacleというスクリーンショットツールに、画面録画機能が統合されつつあります。
  • XFCE: 標準では画面録画機能は含まれていません。
  • MATE: mate-screen-recorder というツールが利用可能です。

これらの環境を使用している場合は、それぞれのデスクトップ環境のドキュメントを参照するか、公式リポジトリで利用可能なツールを探してみてください。

しかし、どのデスクトップ環境を使っている場合でも、機能の豊富さや柔軟性においては外部ツールに軍配が上がります。次に、Ubuntuで利用できる多機能で人気のある画面録画ツールをいくつか紹介します。

おすすめ画面録画ツール詳細

Ubuntuには様々な画面録画ツールが存在します。ここでは、機能性、使いやすさ、安定性などを考慮して特におすすめのツールをいくつかピックアップし、それぞれ詳細に解説します。

選定基準：
* Ubuntuで広く利用されていること
* アクティブにメンテナンスされていること
* 画面録画の基本的なニーズ（録画範囲指定、音声録音など）を満たしていること
* インストールが比較的容易であること

紹介するツール：
1. OBS Studio: 高機能・プロ向け、配信にも対応
2. SimpleScreenRecorder: シンプルながら高機能、パフォーマンスに優れる
3. Kazam: シンプルで使いやすい、GNOME環境と相性が良い
4. vokoscreenNG: シンプルで多機能、多くの環境で利用可能
5. asciinema: ターミナル専用録画ツール

1. OBS Studio

OBS Studio (Open Broadcaster Software Studio) は、ゲーム配信やオンライン放送で最も広く使われているソフトウェアの一つですが、高機能な画面録画ツールとしても非常に優れています。プロフェッショナルなクオリティの動画を作成したい場合や、将来的に配信も視野に入れている場合に最適なツールです。

概要と特徴

  • 概要: 無料・オープンソースでクロスプラットフォーム対応の、非常に強力な録画・配信ソフトウェア。
  • 特徴:
    • シーンとソース: 複数の入力（画面、ウィンドウ、Webcam、画像、テキストなど）を組み合わせて「シーン」を作成し、シーンを切り替えながら録画・配信できます。
    • ミキサー: 複数の音声ソース（マイク、デスクトップ音声など）を個別に音量調整・加工（ノイズ抑制など）できます。
    • 豊富なフィルター: 各ソースや音声に様々なフィルターを適用できます（クロマキー、色補正、ノイズ抑制など）。
    • 多様な出力設定: 解像度、フレームレート、エンコーダー（ソフトウェア/ハードウェア）、ビットレート、出力形式（MP4, MKV, FLVなど）など、詳細な設定が可能です。
    • 高パフォーマンス: GPUによるハードウェアエンコーダーを利用できるため、適切な設定を行えばPCへの負荷を抑えつつ高画質で録画できます。
    • ホットキー: 録画開始/停止、シーン切り替えなどをホットキーに割り当てて、操作を効率化できます。
    • コミュニティ: ユーザーが多く、情報やプラグインが豊富です。

インストール方法

OBS StudioはUbuntuの標準リポジトリには含まれていないことが多いですが、公式PPAを利用するのが最も推奨される方法です。SnapやFlatpakでも提供されています。

PPA (推奨):
bash
sudo add-apt-repository ppa:obsproject/obs-studio
sudo apt update
sudo apt install obs-studio

Snap:
bash
sudo snap install obs-studio

Flatpak:
bash
sudo apt install flatpak # Flatpakがインストールされていない場合
flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
flatpak install flathub com.obsproject.Studio
Flatpakでインストールした場合、実行は flatpak run com.obsproject.Studio となります。

インストール後、アプリケーションメニューから「OBS Studio」を起動します。初回起動時には「自動構成ウィザード」が表示され、使用目的に合わせて最適な設定を提案してくれます（録画メインか配信メインかなど）。基本的にはウィザードに従って設定を進めるのが良いでしょう。

基本的な使い方 (画面録画)

OBS Studioで画面全体や特定のウィンドウを録画する基本的な手順です。

  1. ソースの追加:
    • 画面下部の「ソース」パネルにある + ボタンをクリックします。
    • 「画面キャプチャ (Xcomposite)」または「ウィンドウキャプチャ (Xcomposite)」を選択します（Wayland環境の場合は「画面キャプチャ (PipeWire)」など、環境に応じたオプションが表示されることがあります）。
    • 新規作成ダイアログでソースの名前を付け、「OK」をクリックします。
    • プロパティダイアログが表示されるので、キャプチャしたい画面（複数ディスプレイの場合）やウィンドウを選択します。 Wayland環境の場合、ここで画面共有の許可ダイアログが表示されることがあります。
    • 「OK」をクリックしてソースを追加します。追加されたソースが「プレビュー」領域に表示されます。
  2. 音声ソースの確認:
    • 「音声ミキサー」パネルを確認します。通常、「デスクトップ音声」（PC内部の音）と「マイク/外部入力」（マイクからの音）が自動的に追加されています。
    • 録画したい音声ソース（マイク音声、PCの音、両方など）のミュートを解除し、レベルメーターを見ながら音量を調整します。不要なソースはミュートしておきます。
  3. 録画設定:
    • 画面右下の「コントロール」パネルにある「設定」ボタンをクリックします。
    • 設定ウィンドウが開くので、左側のリストから「出力」を選択します。
    • 「録画」タブを開きます。
    • 録画ファイルのパス: 保存先フォルダを指定します。
    • 録画品質: 「配信と同品質」「高画質、中ファイルサイズ」「可逆品質、大ファイルサイズ」などから選択します。通常は「高画質、中ファイルサイズ」あたりで十分です。
    • 録画フォーマット: MKV, MP4, MOVなどから選択します。録画中にOBSがクラッシュした場合にファイルが破損しにくいMKVが推奨されることが多いですが、編集ソフトでの扱いやすさを考慮してMP4を選ぶ人も多いです。MP4を選択した場合、「ファイルを出力時にmuxする」オプションを有効にしておくと、録画中にクラッシュしても一部が保存される可能性があります。
    • エンコーダー: 「ソフトウェア (x264)」または利用可能なハードウェアエンコーダー（NVIDIA NVENC, Intel Quick Sync, AMD VCE/VCNなど）を選択します。PCのスペックに余裕がある場合はハードウェアエンコーダーの方がCPU負荷を抑えられます。ハードウェアエンコーダーを選択した場合、さらに詳細な設定（品質プリセット、ビットレートなど）が表示されます。
    • 「ビデオ」設定も確認します。ここでは「基本 (キャンバス) 解像度」と「出力 (スケーリング) 解像度」、「共通FPS値」を設定します。画面解像度と同じ設定にしておけば、最も忠実に録画できます。PCへの負荷を減らしたい場合は、出力解像度を下げたり、FPSを下げたりします。
    • 設定が完了したら「適用」→「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。
  4. 録画開始:
    • 「コントロール」パネルの「録画開始」ボタンをクリックします。
    • プレビュー領域で録画されている内容を確認できます（ただし、プレビュー自体も多少リソースを消費します）。
  5. 録画停止:
    • 「コントロール」パネルの「録画停止」ボタンをクリックします。
    • 録画されたファイルは設定で指定したパスに保存されます。

応用的な使い方

  • ホットキー設定: 設定ウィンドウの「ホットキー」で、録画開始/停止、音声ミュート切り替えなど、よく使う操作にショートカットキーを割り当てておくと便利です。
  • 音声フィルター: 「音声ミキサー」でマイクのギアアイコンをクリックし、「フィルター」を選択します。「+」ボタンで「ノイズ抑制」などを追加すると、環境音を低減できます。
  • シーン間の切り替え: 複数のシーンを作成し、録画中に切り替えることで、デスクトップ画面とWebcam映像、特定のアプリケーションウィンドウなどをスムーズに切り替えることができます。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • 非常に高機能でプロフェッショナルな録画・配信が可能。
    • 多様なソースを組み合わせて複雑な画面構成を作成できる。
    • 音声コントロールやフィルターが強力。
    • ハードウェアエンコーダーによる高パフォーマンスな録画が可能。
    • カスタマイズ性が非常に高い。
  • デメリット:
    • 初心者にとっては設定項目が多く、使いこなすのに時間がかかる。
    • シンプルに「画面全体を録画したい」だけの場合、機能が過剰に感じる。
    • Wayland環境では画面キャプチャの互換性に課題がある場合がある（x264エンコーダーで緑色の画面になるなど、設定や環境に依存）。PipeWire経由の画面キャプチャが進化しており、新しいバージョンでは改善されています。

OBS Studioは、多機能さを求めるユーザーにとって非常に強力な選択肢です。ゲーム配信、複雑なチュートリアル、高品質なビデオコンテンツ作成などに向いています。

2. SimpleScreenRecorder

SimpleScreenRecorderは、その名前の通りシンプルさを謳っていますが、機能は非常に豊富でパフォーマンスも良好な画面録画ツールです。初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。

概要と特徴

  • 概要: シンプルなインターフェースながら、必要な機能を網羅したUbuntuユーザーに人気の画面録画ツール。
  • 特徴:
    • 使いやすいウィザード形式: 起動すると設定ステップが順番に表示され、迷わずに設定を進められます。
    • 高性能: 録画中にPCの動作が重くなりにくいように設計されています。特に古いPCでも比較的安定して動作します。
    • 柔軟な録画範囲指定: 画面全体、特定のウィンドウ、矩形領域、カーソル追従領域など、細かく録画範囲を指定できます。
    • 豊富な出力設定: 多様なコンテナ形式（MP4, MKV, WebM, AVIなど）やコーデック（H.264, H.265, VP8, VP9など）を選択でき、画質やパフォーマンスを調整できます。
    • 音声録音対応: マイクやシステム内部の音声を同時に録音できます。PulseAudioやJACK Audio Connection Kitに対応しています。
    • 統計情報の表示: 録画中のフレームレートやディスク使用量などがリアルタイムで確認できます。
    • プレビュー機能: 録画開始前に画面の内容を確認できます。

インストール方法

SimpleScreenRecorderはUbuntuの公式リポジトリで提供されています。

bash
sudo apt update
sudo apt install simplescreenrecorder

インストール後、アプリケーションメニューから「SimpleScreenRecorder」を起動します。

基本的な使い方

SimpleScreenRecorderはウィザード形式で進むため、直感的に操作できます。

  1. 最初の設定:
    • 起動すると設定ウィザードが表示されます。「続行」をクリック。
    • 録画設定:
      • ビデオ入力:
        • 画面全体を録画: デスクトップ全体を録画します。
        • 固定された矩形領域を録画: マウスでドラッグして任意の領域を指定します。
        • カーソル追従矩形領域を録画: マウスカーソルを中心に指定したサイズの領域を録画します。
        • ウィンドウを録画: リストから特定のウィンドウを選択します。
      • カーソルを録画: マウスカーソルを録画に含めるか選択します。
      • ビデオ入力のFPS: 録画のフレームレートを指定します。通常は30 FPSで十分ですが、滑らかさを求める場合は60 FPSに設定します。
      • オーディオ入力: 音声を録音するか、どのデバイスから録音するかを選択します。通常は「Record audio」にチェックを入れ、「Source」でマイクなどを選択します。PulseAudioを使用している場合は「PulseAudio」を選択し、デバイスを選択します。
    • 設定後、「続行」をクリック。
  2. ビデオ設定:
    • ファイルの保存先: 録画した動画ファイルを保存する場所とファイル名を指定します。
    • コンテナ: MP4, MKV, WebM, AVIなど、出力するファイル形式を選択します。互換性を重視するならMP4、多機能性や録画中の安定性を重視するならMKVがおすすめです。
    • ビデオコーデック: H.264, H.265 (HEVC), VP8, VP9などから選択します。通常はH.264 (libx264) が互換性と圧縮率のバランスが良いです。
    • プリセット: コーデックのエンコード速度と圧縮率のバランスを調整します。faster や veryfast はエンコードが速くPC負荷も低いですが圧縮率や画質が多少犠牲になります。slow や slower はその逆です。通常はデフォルトの medium または fast あたりで問題ありません。
    • 音声コーデック: AAC, MP3, Opusなどから選択します。AACが広く互換性があります。
    • その他のオプション（音声ビットレート、ビデオ品質など）も必要に応じて調整します。
    • 設定後、「続行」をクリック。
  3. 録画の開始:
    • 最終確認画面が表示されます。
    • 「録画開始」ボタンをクリックするか、設定したホットキー（デフォルトは Ctrl + R）を押して録画を開始します。
    • SimpleScreenRecorderのウィンドウは最小化しても、録画はバックグラウンドで続行されます。
  4. 録画の停止:
    • SimpleScreenRecorderのウィンドウを元に戻し、「録画停止」ボタンをクリックするか、設定したホットキーを押します。
    • 録画されたファイルが指定した場所に保存されます。
  5. 録画の一時停止/再開:
    • 録画中に「録画一時停止」ボタンをクリックするか、ホットキーを押すことで一時停止できます。
    • もう一度ボタンをクリックするか、ホットキーを押すことで録画を再開できます。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • シンプルで分かりやすいインターフェース（ウィザード形式）。
    • 良好なパフォーマンスで、古いPCでも比較的快適に動作する。
    • 録画範囲、音声、出力形式など、主要な設定項目が豊富。
    • リアルタイムの統計情報表示が役立つ。
  • デメリット:
    • OBS Studioのような複雑なシーン構成や配信機能は持たない（画面録画に特化している）。
    • 高度な音声フィルターなどの機能は限られる。

SimpleScreenRecorderは、シンプルな操作で必要な機能を網羅したいユーザーに最適です。パフォーマンスも良いため、ゲーム録画など負荷がかかりやすい用途でも試す価値があります。

3. Kazam

Kazamは、GNOMEデスクトップ環境との統合性が高く、非常にシンプルで直感的な操作が可能な画面録画ツールです。特にGNOMEユーザーにとって、手軽に使える選択肢となります。

概要と特徴

  • 概要: GNOME向けに設計された、シンプルで使いやすい画面録画・スクリーンショットツール。
  • 特徴:
    • シンプルなUI: ウィンドウは小さく、操作ボタンが分かりやすいです。
    • 録画範囲選択: 全画面、指定領域、特定のウィンドウを選択して録画できます。
    • スクリーンショット機能: 画面録画だけでなく、スクリーンショット機能も備えています。
    • 音声録音対応: マイクからの音声やシステム内部の音声を録音できます。
    • 録画遅延設定: 録画開始前にカウントダウンを設定できます。
    • ファイル形式: MP4, WebM, AVIなどに対応しています。

インストール方法

KazamはUbuntuの公式リポジトリで提供されています。

bash
sudo apt update
sudo apt install kazam

インストール後、アプリケーションメニューから「Kazam」を起動します。

基本的な使い方

Kazamのウィンドウは非常にシンプルです。

  1. 録画設定:
    • Kazamを起動します。
    • ウィンドウ上部で録画したい内容を選択します。
      • Screencast: 画面録画を行います。
      • Screenshot: スクリーンショットを撮影します。
    • Screencast を選択している状態で、録画範囲を指定します。
      • Fullscreen: 画面全体を録画します。
      • Area: マウスでドラッグして矩形領域を指定します。
      • Window: 特定のウィンドウを選択します（下のリストから選択）。
    • 音声録音設定:
      • Sound from speaker: システム内部の音声を録音します。
      • Sound from microphone: マイクからの音声を録音します。
      • 両方にチェックを入れることで、両方を同時に録音できます。
    • 録画遅延: 録画開始までのカウントダウン（秒）を設定します。操作準備のために便利です。
    • その他: マウスカーソルを含めるかどうかなどのオプションも設定できます。
  2. 録画開始:
    • 画面下部の「Screencast」ボタンをクリックします。
    • 設定した遅延時間の後、録画が開始されます。
    • 録画中は、ウィンドウがトレイアイコンに格納されます（GNOMEシェルの場合、トップバーのアイコンになることもあります）。
  3. 録画停止:
    • トレイアイコン/トップバーのKazamアイコンをクリックし、「Finish Recording」を選択します。
    • 録画された動画ファイルの保存場所とファイル名を入力するダイアログが表示されるので、保存します。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • 非常にシンプルで直感的なインターフェース。
    • GNOME環境との相性が良い。
    • 画面録画とスクリーンショットの両方に対応。
    • 基本的な録画範囲指定と音声録音機能を備えている。
  • デメリット:
    • SimpleScreenRecorderやOBS Studioに比べると、詳細な設定項目（コーデック、品質、FPSなど）や高度な機能（フィルター、シーン構成など）は少ない。
    • Wayland環境での互換性に課題がある場合があります。

Kazamは、複雑な設定なしに手軽に画面録画を始めたいGNOMEユーザーにぴったりのツールです。簡単な操作ガイド作成や、一時的な記録などに便利です。

4. vokoscreenNG

vokoscreenNGは、元のvokoscreenの後継として開発された画面録画ツールです。シンプルさと機能性を両立しており、様々なデスクトップ環境で利用可能です。

概要と特徴

  • 概要: シンプルなUIと豊富な設定オプションを持つ画面録画ツール。
  • 特徴:
    • 多様な録画範囲: 全画面、ウィンドウ、特定の領域、虫眼鏡（指定領域の拡大表示）を選択できます。
    • 音声録音: マイク、システムサウンド（PulseAudio, ALSA, JACK）、または両方を録音できます。
    • Webcam録画: 画面録画と同時にWebcam映像を小窓で合成できます。
    • ホットキー設定: 録画開始/停止、一時停止/再開などにホットキーを割り当てられます。
    • 遅延設定: 録画開始前に遅延を設定できます。
    • ファイル形式/コーデック: MP4, MKV, WebM, AVIなど、様々なコンテナ形式とコーデック（H.264, H.265, VP8, VP9など）を選択できます。
    • 拡大表示（虫眼鏡機能）: 指定した小さな領域を拡大して表示しながら録画できます。チュートリアル作成に便利です。
    • 画面の回転: 録画する画面の角度を調整できます。

インストール方法

vokoscreenNGはUbuntuの公式リポジトリやPPA、Snap、Flatpakなど、様々な方法で提供されています。公式リポジトリ版が最も簡単ですが、最新版を利用したい場合はPPAなどを利用します。

apt (公式リポジトリ):
bash
sudo apt update
sudo apt install vokoscreen-ng

PPA (最新版が必要な場合):
bash
sudo add-apt-repository ppa:ubuntuhandbook1/apps
sudo apt update
sudo apt install vokoscreen-ng

インストール後、アプリケーションメニューから「vokoscreenNG」を起動します。

基本的な使い方

vokoscreenNGのウィンドウは、録画設定の様々なタブで構成されています。

  1. 領域 (Area):
    • Fullscreen: 画面全体を録画。
    • Window: 特定のウィンドウを選択して録画（ウィンドウをクリックして選択）。
    • Area: マウスでドラッグして矩形領域を指定して録画。
    • Magnifier: 指定した領域を拡大して録画（拡大率や範囲を調整）。
  2. ファイル (File):
    • Directory: 録画ファイルの保存先フォルダを指定します。
    • Filename: ファイル名の形式を指定します（日付や時間を含むように設定可能）。
    • Format: 出力するコンテナ形式（MP4, MKV, WebM, AVI, MOV, GIF, WEBP）を選択します。
  3. コーデック (Codec):
    • Video Codec: H.264, H.265, VP8, VP9など、ビデオコーデックを選択します。
    • Audio Codec: AAC, MP3, Opus, Vorbisなど、音声コーデックを選択します。
    • Frames per second: フレームレート（FPS）を設定します。
    • Quality: 画質をスライダーで調整します。
  4. 音声 (Audio):
    • Device: 音声入力デバイス（マイク）を選択します。
    • Interface: PulseAudio, ALSA, JACKなど、サウンドシステムを選択します。通常はPulseAudioが選択されます。
    • System Sound: システム内部の音声を録音するかどうかを選択します。
  5. カメラ (Camera):
    • Webcamが接続されている場合、ここで設定し、画面録画と同時にWebcam映像を合成できます。位置やサイズも調整可能です。
  6. 設定 (Settings):
    • 録画遅延、ホットキー設定、最小化時の動作、通知設定など、様々な詳細設定を行います。
  7. 録画開始/停止:
    • 全てのタブで設定が完了したら、ウィンドウ左下の「Start」ボタンをクリックします。
    • 設定した遅延時間の後、録画が開始されます。
    • 録画を停止するには、「Stop」ボタンをクリックします。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • シンプルで分かりやすいUIながら、機能が豊富。
    • 様々な録画範囲指定が可能。
    • Webcam合成や拡大表示（虫眼鏡）機能が便利。
    • 多様な出力形式とコーデックに対応。
    • 多くのデスクトップ環境で利用可能。
  • デメリット:
    • OBS Studioほどの高度な音声フィルターやシーン構成機能はない。
    • パフォーマンスはSimpleScreenRecorderほど特化されていないかもしれない。

vokoscreenNGは、シンプルさと機能性のバランスが良いツールを探しているユーザーにおすすめです。特にWebcam合成や拡大表示機能が必要な場合に便利です。

5. asciinema (ターミナル録画に特化)

これまでに紹介したツールはGUI（グラフィカルインターフェース）の画面録画ツールでしたが、Ubuntuを深く使っていると、コマンドライン（ターミナル）の操作を共有したい場面も出てきます。asciinema は、ターミナルでの操作に特化した、非常にユニークなツールです。

概要と特徴

  • 概要: ターミナルセッションの操作を、動画ファイルではなくテキストベースの「asciicast」形式で記録するツール。
  • 特徴:
    • 軽量: テキストベースで記録するため、非常に軽量です。動画ファイルのようにディスク容量を圧迫しません。
    • コピー＆ペースト可能: 再生中に表示されるテキストは、通常のターミナルと同様に選択してコピー＆ペーストできます。
    • 検索可能: 記録されたテキストを検索できます。
    • Webでの共有: asciinema.orgという専用サイトにアップロードすることで、簡単にWebブラウザで再生・共有できます。
    • カスタマイズ可能: 再生速度の変更や、記録内容の編集（不要な部分の削除など）が可能です。
    • 動画形式への変換: 記録したasciicastを、追加ツール（asciicast2gif, termtosvgなど）を使ってGIFアニメや動画ファイルに変換することも可能です。

インストール方法

asciinema はUbuntuの公式リポジトリで提供されています。

bash
sudo apt update
sudo apt install asciinema

基本的な使い方

使い方は非常にシンプルです。ターミナルを開いて以下のコマンドを実行します。

  1. 録画開始:
    bash
    asciinema rec [ファイル名]
    [ファイル名] を指定しない場合、一時ファイルとして記録され、停止後にasciinema.orgへのアップロードを選択できます。ファイル名を指定すると、そのファイルにローカル保存されます。
    コマンドを実行すると、Recording started. というメッセージが表示され、通常のシェル操作が可能になります。
  2. 操作の実行:
    録画中に、見せたいコマンドを実行したり、操作を行ったりします。

  3. 録画停止:
    記録を終了するには、通常のターミナルセッションを終了するのと同じように exit コマンドを入力するか、Ctrl + D を押します。
    bash
    exit
    Recording finished. というメッセージが表示され、記録が終了します。
    ファイル名を指定せずに録画を開始した場合、記録終了後に Upload to asciinema.org? (yes/no): と尋ねられます。yes と入力すると、匿名で公式サイトにアップロードされ、共有用のURLが表示されます。no と入力すると、記録は破棄されます。

  4. 記録の再生:
    ローカルに保存したasciicastファイルを再生するには、以下のコマンドを使います。
    bash
    asciinema play [ファイル名]
    ターミナル上で、記録された操作がアニメーションのように再生されます。再生中にスペースキーで一時停止/再開、左右の矢印キーで早送り/巻き戻しができます。

  5. Webへのアップロード:
    ローカルに保存したファイルを後からasciinema.orgにアップロードするには、以下のコマンドを使います。
    bash
    asciinema upload [ファイル名]
    アップロードが完了すると、共有用のURLが表示されます。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • ターミナル操作の記録に特化しており、非常に軽量。
    • 記録がテキストベースなので、コピー＆ペーストや検索が可能。
    • Webでの共有が非常に簡単。
    • 記録内容を編集できる（asciinema edit コマンドなど）。
  • デメリット:
    • GUI画面の録画はできない。
    • ターミナルの見た目（色、フォントなど）は再生環境に依存する場合がある。
    • 動画ファイルとして共有するには、追加の変換作業が必要。

asciinema は、開発者がコマンド操作を共有したり、技術ブログでターミナル操作の手順を示したりする際に非常に有用なツールです。

(参考) Peek (GIF/短時間録画用)

Peekは、画面の特定領域を短時間録画し、GIFアニメーション、WebM、またはMP4形式で出力するのに特化したツールです。簡単な操作手順やアニメーションを共有したい場合に便利です。

概要と特徴

  • 概要: デスクトップの一部分をGIFアニメーションや短い動画として手軽に記録するツール。
  • 特徴:
    • シンプル: 小さなウィンドウで、録画したい領域に合わせてサイズを変更します。
    • 簡単操作: 録画したい領域にウィンドウを移動させ、「Record」ボタンを押すだけです。
    • 出力形式: GIF, WebM, MP4に対応しています。
    • 軽量: シンプルな機能に特化しているため、比較的軽量です。

インストール方法

PeekはUbuntuの公式リポジトリで提供されています。

bash
sudo apt update
sudo apt install peek

基本的な使い方

  1. アプリケーションメニューから「Peek」を起動します。
  2. Peekのウィンドウが表示されます。このウィンドウが録画範囲を示します。録画したい領域に合わせてウィンドウのサイズや位置を調整します。
  3. ウィンドウ下部のドロップダウンリストで出力形式を選択します（GIF, WebM, MP4）。
  4. 「Record as [選択した形式]」ボタンをクリックします。
  5. 録画が開始されます。操作を行います。
  6. 録画を停止するには、もう一度ボタンをクリックします。
  7. 録画が停止すると、ファイルの保存ダイアログが表示されるので、保存場所とファイル名を指定して保存します。

メリット・デメリット

  • メリット:
    • GIFアニメーション作成が非常に手軽。
    • UIがシンプルで直感的。
    • 短時間の操作デモやバグ報告に便利。
  • デメリット:
    • 長時間の録画や、音声録音には対応していない。
    • 設定項目は非常に少ない。

Peekは、ちょっとした操作をアニメーションで共有したい場合に便利なニッチなツールです。

ツール比較：目的別おすすめ

ここまでいくつかの画面録画ツールを紹介しました。それぞれのツールには得意・不得意があります。ここでは、あなたの目的や環境に合わせて、どのツールを選ぶべきかについて比較検討します。

機能/ツール Ubuntu標準機能 OBS Studio SimpleScreenRecorder Kazam vokoscreenNG asciinema (ターミナル) Peek (GIF)
録画範囲指定 全画面のみ 〇 (全画面/窓/領域) ◎ (全画面/窓/領域/追従) 〇 (全画面/窓/領域) 〇 (全画面/窓/領域/虫眼鏡) N/A (ターミナル) 〇 (領域)
音声録音 × (ほぼ不可) ◎ (複数ソース, Fx) 〇 (マイク/システム) 〇 (マイク/システム) 〇 (マイク/システム) × ×
Webcam合成 × ◎ × × 〇 × ×
ライブ配信 × ◎ × × × × ×
詳細な出力設定 × ◎ (コーデック/品質/FPS) ◎ (コーデック/品質/FPS) 〇 (形式選択) 〇 (コーデック/品質/FPS) N/A 〇 (形式選択)
パフォーマンス 軽量 (制限多い) 高い (ハードウェアFx) 高い 標準 標準 非常に高い 軽量
操作性 簡単 複雑 (高機能) シンプル (ウィザード) 簡単 標準 コマンドライン 簡単
学習コスト ほぼ不要 高い 低い 低い 中くらい 低い 低い
Wayland対応 〇 〇 (PipeWire経由) 〇 (PipeWire経由) △ (制限あり) 〇 (PipeWire経由) N/A △ (制限あり)
用途 緊急/簡易記録 プロ/配信/複雑な構成 全般/パフォーマンス重視 簡易記録/GNOME 全般/Webcam/虫眼鏡 ターミナル操作共有 短時間/GIF作成

◎: 非常に優れている/得意, 〇: 可能/対応, △: 制限がある場合がある, ×: 不可, N/A: 該当しない

目的別おすすめツール選び

上記の比較表と各ツールの詳細説明を踏まえて、あなたの目的に合ったツールを選びましょう。

  • とりあえず手軽に画面全体を短時間だけ録画したい：
    • → Ubuntu標準機能 (Shift + Ctrl + Alt + R)。インストール不要で最速です。ただし音声は録音されません。
  • 簡単操作で画面の特定の領域やウィンドウを音声付きで録画したい：
    • → Kazam または SimpleScreenRecorder または vokoscreenNG。どれもシンプルで主要な機能が揃っています。GNOMEユーザーならKazamが特に直感的かもしれません。パフォーマンスを重視するならSimpleScreenRecorder、Webcam合成や拡大表示が必要ならvokoscreenNGがおすすめです。
  • 高品質なチュートリアル動画を作成したい (音声解説、Webcam合成、複雑な画面構成など)：
    • → OBS Studio。多機能でカスタマイズ性が高く、プロフェッショナルな動画を作成できます。学習コストはかかりますが、その価値は十分にあります。
  • ゲームプレイを高画質・高フレームレートで録画したい：
    • → OBS Studio または SimpleScreenRecorder。どちらもハードウェアエンコーダーを利用できる場合があり、パフォーマンスに優れます。詳細な設定が可能で、PCへの負荷を調整しやすいです。
  • ターミナルでの操作手順を共有したい：
    • → asciinema。テキストベースで軽量、Webでの共有も簡単です。動画形式が必要なら、後から変換ツールを利用します。
  • 短い操作手順をGIFアニメーションで共有したい：
    • → Peek。GIF出力に特化しており、非常に手軽です。

どのツールも、Ubuntuのパッケージリポジトリから簡単にインストールできます。まずは気になったツールをいくつか試してみて、インターフェースや操作感が自分に合うものを選ぶのが良いでしょう。

画面録画時の注意点・トラブルシューティング

画面録画はシステムの多くのリソース（CPU, GPU, ディスクI/O）を使用するため、様々な問題が発生することがあります。ここでは、画面録画時によくあるトラブルとその解決策、および注意点について解説します。

1. パフォーマンス問題 (コマ落ち、遅延、PCの動作が重くなる)

これは最もよく遭遇する問題です。録画された動画がカクカクしたり（コマ落ち）、PC全体の動作が遅くなったりします。

  • 原因: PCのスペック不足、設定した解像度やフレームレートが高すぎる、エンコーダー設定が適切でない、他のアプリケーションが多くのリソースを使用している、ストレージの書き込み速度が遅い。
  • 解決策:
    • PCのスペックを確認: 特にCPU、GPU、RAM、ストレージの書き込み速度が画面録画に適しているか確認します。
    • 録画設定を下げる:
      • 解像度: PCの画面解像度より低い解像度で録画します（例: 1920×1080の画面を1280×720で録画）。OBS StudioやSimpleScreenRecorderでは出力解像度を設定できます。
      • フレームレート (FPS): 60 FPSで録画している場合、30 FPSに下げます。通常のデスクトップ操作であれば30 FPSで十分滑らかに見えます。
      • 画質設定/ビットレート: 画質設定を下げるか、ビットレート（特にOBS Studio）を下げてファイルサイズとデータ量を減らします。
    • エンコーダーを変更する:
      • 利用可能なハードウェアエンコーダー（NVENC, Quick Sync, VCE/VCN）がある場合は、それらを優先的に使用します。ハードウェアエンコーダーはCPU負荷を大幅に減らせます。OBS StudioやSimpleScreenRecorderで選択可能です。
      • ハードウェアエンコーダーがない場合、ソフトウェアエンコーダー（x264など）のプリセットを veryfast や faster のように速度優先の設定に変更します。これによりCPU負荷は減りますが、ファイルサイズが少し大きくなる可能性があります。
    • 他のアプリケーションを終了する: 録画中に不要なアプリケーション（特にCPUやGPU、ディスクI/Oを多く消費するもの、例: ウェブブラウザの多数のタブ、ゲーム、動画編集ソフトなど）は終了しておきます。
    • ストレージの速度を確認: 録画ファイルを保存するストレージ（HDDやSSD）の書き込み速度が遅いと、ボトルネックになることがあります。高速なSSDに保存する方が安定します。特に4K/60FPSのような高ビットレートの録画では重要です。
    • 録画ツールのプロセス優先度を上げる: システムモニターなどで録画ツールのプロセスを見つけ、優先度を高く設定すると、録画が安定する場合があります（注意して行ってください）。

2. 音声が録音されない

マイクからの音声や、PC内部で再生されている音声が録画に含まれない、または小さいという問題です。

  • 原因: 録画ツールの音声設定が間違っている、システムのマイク設定がミュートになっている、PulseAudioやPipeWireの設定問題、録音デバイスが正しく認識されていない。
  • 解決策:
    • 録画ツールの音声設定を確認: 使用している録画ツール（OBS Studio, SimpleScreenRecorderなど）の音声ミキサーや設定画面で、録音したい音声ソース（マイク、デスクトップ音声/スピーカー）が有効になっているか、デバイスが正しく選択されているか確認します。音量レベルメーターが動いているか確認します。
    • システムのサウンド設定を確認: Ubuntuのシステム設定（「設定」→「サウンド」）を開き、入力デバイス（マイク）が正しく選択されているか、音量レベルが適切か、ミュートになっていないか確認します。
    • PulseAudio Volume Control (pavucontrol) を使用: より詳細な音声設定を行うために pavucontrol ツールをインストールして使用します（sudo apt install pavucontrol）。起動後、「入力デバイス」タブでマイクが認識されているか、音量レベルが適切か確認します。また、「録音」タブで、録画ツールがどのデバイスから録音しようとしているか確認し、必要に応じて変更します。
    • PipeWire環境の場合: 最近のUbuntuバージョン（22.04 LTS以降など）ではPulseAudioではなくPipeWireがデフォルトのサウンドサーバーになっている場合があります。PipeWireでもpavucontrolが利用できますが、pw-recordやpw-dotなどのPipeWireネイティブツールや、GUI設定ツール（qpwgraph, Helvumなど）でオーディオグラフを確認・設定する必要がある場合もあります。
    • 必要な音声関連パッケージがインストールされているか確認: 稀に、必要なGStreamerプラグインなどの音声関連パッケージが不足している場合があります。sudo apt install ubuntu-restricted-extras などでコーデックなどをまとめてインストールすると解決する場合があります。
    • 特定のアプリケーションの音量: デスクトップ音声を録音しているのに特定のアプリケーションの音だけが小さい/聞こえない場合は、pavucontrolの「再生」タブでそのアプリケーションの音量を確認します。

3. Wayland環境での問題

WaylandはX Window Systemに代わる新しいディスプレイサーバープロトコルです。セキュリティやパフォーマンス面で優れていますが、従来の画面録画ツールの中にはWaylandに完全に対応していないものがあります。

  • 原因: 多くの画面録画ツールはX Window SystemのAPIを利用して画面をキャプチャしますが、WaylandではこのAPIが使えません。Waylandでは新しい画面共有プロトコル（xdg-desktop-portal）を使用する必要があり、ツール側がこれに対応している必要があります。
  • 解決策:
    • Waylandに正式対応したツールを使用する: OBS Studio (バージョン27以降、PipeWire経由), SimpleScreenRecorder (最新版), vokoscreenNG などはPipeWire経由での画面キャプチャに対応しており、Waylandでも動作します。ツールがWaylandに対応しているか確認します。
    • xdg-desktop-portalが正しく設定されているか確認: Wayland環境での画面共有は xdg-desktop-portal を経由して行われます。これがインストールされ、正しく設定されているか確認します。通常はデスクトップ環境（xdg-desktop-portal-gnome, xdg-desktop-portal-kdeなど）と一緒にインストールされます。
    • ログイン時にXorgセッションを選択する: もし使用したいツールがWaylandにどうしても対応していない場合や、問題が解決しない場合は、一時的な回避策としてログイン画面でセッションを「Ubuntu on Xorg」などに変更してXorg環境でログインします。ただし、これはWaylandのメリットを放棄することになります。

4. ファイルサイズが大きい

録画時間が短いにも関わらず、生成された動画ファイルのサイズが非常に大きくなってしまう問題です。

  • 原因: 画質設定が高すぎる、ビットレートが高すぎる、圧縮率の低いコーデック（または設定）を使用している、フレームレートや解像度が高すぎる。
  • 解決策:
    • エンコーダー設定を見直す:
      • ビデオコーデック: H.264 (AVC) や H.265 (HEVC) のような圧縮率の高いコーデックを使用します。VP9も良い選択肢です。非圧縮やロスレスに近い設定はファイルサイズが爆発的に大きくなります。
      • 画質設定/ビットレート: 画質を必要最低限に抑えます。OBS Studioではビットレートを直接指定できます。例えば、1080p/30fpsのデスクトップ録画であれば、ビットレートは5,000kbps〜10,000kbps程度で十分な画質が得られることが多いです。SimpleScreenRecorderなどではプリセットや品質スライダーで調整します。
    • フレームレートを下げる: 60 FPSから30 FPSに下げることで、ファイルサイズは約半分になります。
    • 解像度を下げる: 録画する解像度を下げることでもファイルサイズを大幅に削減できます。
    • 適切なコンテナ形式を選択: コンテナ形式自体がファイルサイズに直接影響することは少ないですが、利用可能なコーデックや機能が形式によって異なります。MP4やMKVが一般的です。
    • 録画後に動画編集ソフトで再エンコードする: 録画時にはPC負荷を優先して速い（圧縮率低め）設定で録画し、後から動画編集ソフト（Shotcut, Kdenliveなど）を使って、より圧縮率の高い設定で再エンコードするという方法もあります。

5. 権限の問題

録画ファイルの保存先フォルダへの書き込み権限がない、またはマイクなどのデバイスへのアクセス権限がないといった問題です。

  • 原因: 録画ツールがルート権限なしで実行されているのに、システムフォルダや他のユーザーのホームフォルダに保存しようとしている、SnapやFlatpak版のツールがSandboxによって特定のデバイスにアクセスできない。
  • 解決策:
    • 保存先フォルダの権限を確認: 録画ファイルを保存しようとしているフォルダに、現在のユーザーが書き込み権限を持っているか確認します。通常、自分のホームフォルダ内であれば問題ありません。
    • Snap/Flatpakの権限設定を確認: SnapやFlatpak版のツールを使用している場合、これらのパッケージはサンドボックス内で動作するため、外部デバイスやシステムファイルへのアクセスが制限されていることがあります。snap permissions obs-studio や flatpak info --show-permissions com.obsproject.Studio のようなコマンドで権限を確認し、必要に応じて権限を付与します（snap connect obs-studio:audio-record :audio-record など）。GUIツール（例えばGNOMEソフトウェア）からも設定できる場合があります。
    • ALSA/PulseAudioグループ: 稀に、ユーザーがaudioグループなどに属していないとマイクにアクセスできない場合があります。groupsコマンドで確認し、必要であればsudo usermod -aG audio YOUR_USERNAME のようにグループに追加します（変更を反映するには再ログインが必要です）。

これらのトラブルシューティングのステップを試すことで、多くの画面録画に関する問題は解決できるはずです。問題が解決しない場合は、使用している録画ツールの公式ドキュメントやコミュニティフォーラムで情報を探すことをお勧めします。

より高度な設定

画面録画の品質や効率をさらに向上させるために、いくつかの高度な設定について解説します。これらの設定は主にOBS StudioやSimpleScreenRecorderのような高機能ツールで利用できます。

エンコーダーの選択と設定

エンコーダーは録画の品質、ファイルサイズ、PCへの負荷に大きく影響します。

  • ソフトウェアエンコーダー (x264, VP9など):
    • CPUを使用してエンコードを行います。PCのCPU性能が高い場合は高品質なエンコードが可能ですが、CPU負荷が高くなります。
    • プリセット: エンコードの速度と圧縮率（品質）のバランスを調整します。通常、ultrafast < superfast < veryfast < faster < fast < medium < slow < slower < veryslow の順で、右に行くほどエンコードに時間がかかりますが圧縮率が高く（ファイルサイズが小さく）なり、画質も向上します。PCの負荷が問題になる場合は、veryfast や faster あたりから試すと良いでしょう。
    • ビットレート: 動画の1秒あたりのデータ量を指定します（kbps）。ビットレートが高いほど高画質になりますが、ファイルサイズも大きくなります。解像度やフレームレート、要求される画質に応じて適切な値を設定します。例えば、1080p@30fpsなら5000-10000 kbps、1080p@60fpsなら10000-15000 kbps、4K@30fpsなら20000-30000 kbpsなどが目安になります。可変ビットレート (VBR) や固定品質 (CQP/CRF) 設定の方が、ビットレート固定 (CBR) よりも効率的にエンコードできる場合があります。
  • ハードウェアエンコーダー (NVENC for NVIDIA, Quick Sync for Intel, VCE/VCN for AMD):
    • グラフィックカードに搭載された専用のハードウェアを使用してエンコードを行います。CPU負荷を大幅に軽減できるため、ゲーム録画などCPU負荷が高い作業と同時に画面録画を行う場合に有利です。
    • ソフトウェアエンコーダーに比べて画質が若干劣る、またはファイルサイズが大きくなる傾向がありますが、 recent generations of hardware encoders have closed this gap significantly.
    • ツールが使用しているFFmpegライブラリがハードウェアエンコーダーをサポートしている必要があります。また、グラフィックカードのドライバーが正しくインストールされている必要があります。
    • 設定項目はエンコーダーによって異なりますが、通常はプリセット（品質優先、パフォーマンス優先など）やビットレートを設定します。

音声設定

マイク入力とデスクトップ音声の録音に関する詳細設定です。

  • 入力ソースの選択: マイクデバイス、システムサウンド出力などを正確に選択します。PulseAudio環境では、pavucontrolなどで入力デバイス名を確認できます。
  • 音量調整: 各音声ソースの音量レベルを適切に調整します。レベルメーターを見ながら、ピークが赤くなるほど大きすぎず、小さすぎて聞こえないことのないように調整します。
  • ノイズ抑制・ゲート: マイク入力に対してノイズ抑制フィルターを適用すると、エアコンの音やPCファンの音などの環境音を低減できます。OBS Studioの音声フィルター機能などで利用できます。ノイズゲートは、一定以下の音量をカットする機能です。
  • オーディオトラック: OBS Studioなどでは、複数のオーディオトラックに分けて録音できます。例えば、マイク音声をトラック1に、デスクトップ音声をトラック2に録音しておけば、録画後に個別に音量調整したり、一方だけを使ったりすることができます。

ホットキー設定

録画開始/停止、一時停止/再開、シーン切り替えなどの操作をホットキーに割り当てておくと、録画中の操作がスムーズになり、録画映像に録画ツールのウィンドウが映り込むのを防げます。

  • 録画ツールの設定メニューにあるホットキー設定を開き、各アクションに任意のキーの組み合わせを割り当てます。
  • 他のアプリケーションで使用されているショートカットキーと重複しないように注意が必要です。

Wayland環境での動作について

前述の通り、Wayland環境では従来のX Window Systemベースの画面キャプチャ方法が使えません。ツールがWaylandをサポートしているかどうか、どのようにキャプチャを行うかを確認することが重要です。

  • PipeWire経由の画面共有: 多くの新しいツールやバージョンは、Waylandの画面共有プロトコルを実装しているPipeWireを利用して画面をキャプチャします。OBS Studio (v27+), SimpleScreenRecorder, vokoscreenNGなどがこの方式に対応しています。これらのツールを使用する際は、画面共有の許可を求めるダイアログが表示されることがあります。
  • 互換性の確認: Wayland環境で画面録画がうまくいかない場合は、使用しているツールがWaylandに正式対応しているか、最新バージョンであるかを確認します。また、xdg-desktop-portalとデスクトップ環境に応じた実装（xdg-desktop-portal-gnomeなど）が正しくインストール・動作しているかも確認します。

録画後の編集

画面録画した動画は、不要な部分をカットしたり、複数のクリップを結合したり、テロップやBGMを追加したりといった編集が必要になる 경우가 많습니다. Ubuntuで利用できる無料の動画編集ツールをいくつか紹介します。

  • Shotcut: シンプルで使いやすいインターフェースを持つ無料・オープンソースの動画編集ツールです。カット、コピー、ペースト、テロップ、フィルター、トランジションなど、基本的な編集機能が一通り揃っています。
  • Kdenlive: KDEプロジェクトが開発している、より高機能な無料・オープンソースの動画編集ツールです。マルチトラック編集、豊富なエフェクト、高度な音声編集など、プロフェッショナルな動画編集も可能です。
  • OpenShot: シンプルさを重視した無料・オープンソースの動画編集ツールです。初心者でも比較的簡単に動画編集が行えます。

これらの動画編集ツールは、Ubuntuソフトウェアセンターやaptコマンドで簡単にインストールできます。

bash
sudo apt update
sudo apt install shotcut kdenlive openshot

（全てをインストールする必要はありません。使いやすそうなものを選んでください。）

動画形式の変換

録画ツールが出力した形式が、編集ソフトや再生環境でサポートされていない場合があります。その場合は、動画変換ツールを利用します。

  • FFmpeg: コマンドラインで動作する非常に強力なマルチメディア処理ツールです。様々な形式の変換、カット、リサイズなど、高度な処理が可能です。sudo apt install ffmpeg でインストールできます。使い方は少し学習が必要ですが、非常に柔軟です。
  • HandBrake: GUIの動画変換ツールです。プリセットが豊富で、スマートフォンやウェブなど、様々な用途に合わせた形式に簡単に変換できます。sudo apt install handbrake でインストールできます。

動画編集や変換について詳しく知りたい場合は、それぞれのツールの公式ドキュメントや専用の解説記事を参照してください。

まとめ

Ubuntuでの画面録画は、標準機能から高機能な外部ツールまで、様々な選択肢があります。どの方法を選ぶべきかは、あなたの目的、必要な機能、PCのスペック、そして使いやすさの好みによって異なります。

  • 手軽さを最優先するなら：GNOME標準機能 (Shift + Ctrl + Alt + R)。ただし、音声なし、全画面のみ、時間制限ありといった大きな制限があります。
  • シンプルかつ必要な機能を網羅したいなら：SimpleScreenRecorder, Kazam, vokoscreenNG。これらは多くの一般的な画面録画ニーズ（指定領域、音声録音、出力形式選択など）を満たしつつ、比較的簡単に使えます。
  • 高品質な動画作成や配信も視野に入れるなら：OBS Studio。学習コストは高いですが、その多機能性とカスタマイズ性は他の追随を許しません。
  • ターミナル操作を記録・共有したいなら：asciinema。GUI録画とは全く異なりますが、ターミナル用途には最適です。
  • 短いアニメーションGIFを作りたいなら：Peek。

これらのツールは、Ubuntuのパッケージ管理システム（apt）やSnap, Flatpakなどで簡単にインストールできます。まずはいくつかのツールを試してみて、ご自身の環境やワークフローに最も合ったものを見つけてください。

画面録画中にパフォーマンス問題が発生したり、音声が録音されなかったりといったトラブルに遭遇した場合は、PCのスペック、録画設定（解像度、FPS、エンコーダー、品質）、音声設定、そしてWayland環境の場合は互換性を確認しましょう。多くの場合、設定の調整で解決できます。

この記事が、あなたのUbuntuでの画面録画に関する疑問を解消し、目的の動画を作成するための決定版ガイドとなれば幸いです。Ubuntuでの画面録画をマスターして、チュートリアル作成、問題報告、コンテンツ共有など、様々な活動に役立ててください。

FAQ (よくある質問)

Q1: Ubuntuで画面録画したのに、音声が録音されていません。どうすれば良いですか？

A1: まず、使用している録画ツールの音声設定を確認してください。マイクやデスクトップ音声の入力ソースが正しく選択され、ミュートになっていないか確認します。次に、Ubuntuのシステム設定のサウンド項目で、使用したいマイクが認識されているか、音量レベルが適切か、ミュートになっていないか確認します。より詳細な設定が必要な場合は、pavucontrol ツールをインストールして使用し、「入力デバイス」と「録音」タブの設定を確認してください。

Q2: 録画された動画がカクカクして滑らかではありません。原因は何ですか？

A2: 主な原因はPCの処理能力不足か、録画設定が高すぎることです。以下の点を試してください。
* 録画ツールの設定で、フレームレート（FPS）を下げてみてください（例: 60 FPSから30 FPSへ）。
* 解像度を下げるか、出力解像度を基本解像度より低く設定します。
* エンコーダー設定で、ソフトウェアエンコーダーの場合はプリセットを速度優先に（例: medium から fast/veryfast へ）、ハードウェアエンコーダー（NVENC, Quick Syncなど）が利用可能であればそちらを選択します。
* 録画中にCPUやGPUを多く消費する他のアプリケーションを終了します。
* 録画ファイルを保存するストレージの書き込み速度が遅い場合もボトルネックになります。より高速なストレージ（SSD）に保存してみてください。

Q3: Wayland環境で画面録画をしようとすると、画面が映らない、または緑色になります。

A3: WaylandはX Window Systemとは異なる画面共有メカニズムを使用します。使用している録画ツールがWaylandに正式対応しているか確認してください。OBS Studio (バージョン27以降)、SimpleScreenRecorder、vokoscreenNGなどの多くのツールは、PipeWire経由での画面キャプチャに対応しています。最新バージョンのツールを使用しているか、xdg-desktop-portal およびデスクトップ環境に応じた実装（xdg-desktop-portal-gnomeなど）がインストール・動作しているか確認してください。一時的な回避策として、ログイン時にXorgセッションを選択することも可能です。

Q4: 録画した動画ファイルの容量が大きすぎます。小さくするにはどうすれば良いですか？

A4: ファイルサイズは主に解像度、フレームレート、画質設定、エンコーダーに依存します。
* 録画設定で、解像度やフレームレートを必要最低限に下げます。
* 画質設定を下げたり、エンコーダーのビットレート（OBS Studioなど）を調整します。低すぎると画質が劣化するのでバランスが重要です。
* H.264 (AVC) や H.265 (HEVC), VP9 のような圧縮率の高いビデオコーデックを使用します。
* 録画後にHandBrakeやFFmpegといった動画変換ツールで、より低い品質設定や高圧縮のコーデックを指定して再エンコードすることも有効です。

Q5: ゲーム画面を遅延なく滑らかに録画するにはどのツールがおすすめですか？

A5: ゲーム録画はPCに高い負荷がかかるため、パフォーマンスが重要です。OBS Studio または SimpleScreenRecorder がおすすめです。これらのツールは、利用可能な場合にハードウェアエンコーダー（NVIDIA NVENC, Intel Quick Syncなど）を使用できるオプションがあり、これによりCPU負荷を大幅に削減できます。ゲーム自体やPCのスペック、グラフィックカードの種類によって最適なツールや設定は異なります。まずはOBS Studioから試してみて、設定（特にエンコーダーとビットレート/品質）を調整するのが良いでしょう。

Q6: ターミナルでの操作手順を共有したいのですが、動画ファイルではなくテキスト形式で共有できますか？

A6: はい、asciinema というツールがその目的に特化しています。asciinema はターミナルセッションの操作をテキストベースの「asciicast」形式で記録します。この形式は非常に軽量で、再生中にテキストのコピー＆ペーストや検索が可能です。また、asciinema.orgというサイトにアップロードすることで簡単にWebで共有できます。GUIの画面録画ツールではターミナル操作をテキストとして扱えないため、asciinema が最適です。

Q7: 録画開始時にカウントダウンを設定したいのですが、可能ですか？

A7: はい、多くの外部画面録画ツールには録画開始までの遅延（カウントダウン）を設定する機能があります。SimpleScreenRecorder、Kazam、vokoscreenNG、OBS Studioなどでこの機能を利用できます。設定画面で「遅延」や「Countdown」といった項目を探してください。これにより、録画ツールのウィンドウを隠したり、操作の準備をしたりする時間を確保できます。

以上で、「【決定版】Ubuntuで画面録画する方法とおすすめツール」の詳細な説明を含む記事は完了です。

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