Anbernic RG35XX H 徹底レビュー!特徴・遊び方・評判まとめ

Anbernic RG35XX H 徹底レビュー!特徴・遊び方・評判まとめ

はじめに:レトロゲーム愛好家注目のニューカマー、RG35XX Hとは?

近年、携帯型のレトロゲーム機が静かなブームを巻き起こしています。かつてゲームセンターや家庭用ゲーム機で熱狂した名作の数々を、手のひらサイズのデバイスで手軽に楽しめる。そんな夢のような体験を叶えてくれるのが、中国のAnbernic社をはじめとするメーカーがリリースする数々のハンドヘルド機です。その中でも、特に高いコストパフォーマンスと充実した機能で注目を集めているのが、「RG35XX」シリーズ。そして2023年末に登場した最新モデルが、今回ご紹介する「Anbernic RG35XX H」です。

RG35XX Hは、先に発売され大ヒットとなった垂直型モデル「RG35XX」の基本性能を受け継ぎつつ、ユーザーからの要望が多かった「水平型デザイン」と「Wi-Fi・Bluetooth機能」を追加した派生モデルです。まるで往年の携帯ゲーム機を思わせる横長のデザインは、多くのレトロゲーマーにとって非常に馴染み深く、期待を抱かせるものでした。

本記事では、このAnbernic RG35XX Hを徹底的に掘り下げ、その特徴、基本的な遊び方、そして実際に購入・使用しているユーザーからの評判を詳細にまとめてご紹介します。RG35XX Hの購入を検討されている方、あるいはレトロゲームハンドヘルド機に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

Anbernic RG35XX Hの基本スペックを徹底解説

まずは、Anbernic RG35XX Hがどのようなハードウェアで構成されているのかを見ていきましょう。その心臓部から、ディスプレイ、バッテリー、外部接続まで、詳細なスペックがデバイスの可能性を決定づけます。

主要なハードウェア仕様

  • CPU: Allwinner H700 クアッドコア ARM Cortex-A53 (1.5GHz)
    • このチップは、RG35XX無印モデルのActions ATM7039Sから刷新されており、より高い処理能力を持っています。これにより、より多くの、そしてより要求されるエミュレータの動作が可能になりました。
  • GPU: Mali-G31 MP2
    • Allwinner H700に統合されたGPUです。PS1世代までのゲームの描画には十分な性能を発揮しますが、それ以上の世代(N64, Dreamcast, PSP)ではタイトルによって負荷が高くなる場合があります。
  • RAM: 1GB LPDDR4
    • システムの動作や複数のエミュレータを扱うには十分な容量です。このクラスのデバイスとしては標準的な搭載量と言えるでしょう。
  • ディスプレイ: 3.5インチ IPS液晶 (640×480ピクセル)
    • レトロゲーム、特にPS1やそれ以前のゲームの多くは4:3のアスペクト比で作られています。640×480という解像度は、この4:3比率のゲームをドットバイドット、あるいはそれに近い形で綺麗に表示するのに最適です。IPS液晶なので視野角が広く、発色も良好です。
  • ストレージ: MicroSDカードスロット x 2
    • 最大512GBまでのMicroSDカードに対応しています。特徴的なのは2つのスロットがある点。通常、一方にOSとシステムファイル、もう一方にゲームROMを入れるという使い方が推奨されており、これによりOSのアップデートやカスタムファームウェアの導入が容易になり、ROM管理もシンプルになります。
  • バッテリー: 3300mAh リチウムポリマーバッテリー
    • 公称で約8時間の連続駆動が可能とされています(使用するエミュレータや画面輝度などによって変動します)。一般的なゲームセッションには十分な容量ですが、高負荷なゲームを長時間プレイする場合は注意が必要です。充電はUSB Type-Cポートから行います。
  • OS: Linuxベースの独自OS (Stock OS) / カスタムファームウェア (Garlic OS, MinUIなど)
    • 購入時にはメーカー提供のStock OSがインストールされていますが、多くのユーザーは操作性や機能が向上するカスタムファームウェア(CFW)を導入して利用しています。特にGarlic OS 2.0はRG35XXシリーズで高い人気を誇ります。
  • ワイヤレス: Wi-Fi (2.4Ghz) & Bluetooth 4.2
    • RG35XX無印にはなかった待望の機能です。Wi-Fiによるネットワーク対戦(Netplay)や、Bluetoothによる外部コントローラー・ヘッドホンの接続が可能になりました。

外観とデザイン:水平型への進化

RG35XX Hの最も分かりやすい変更点は、そのデザインです。無印がゲームボーイのような垂直型だったのに対し、RG35XX HはゲームボーイアドバンスやPSPのような水平型(横長)デザインを採用しています。

  • 形状: 横長の長方形で、両サイドにグリップしやすいよう緩やかなカーブがつけられています。これにより、長時間プレイでも手が疲れにくいよう配慮されています。
  • ボタン配置: 左側にアナログスティックと方向キー、右側にABXYボタンとアナログスティックが配置されています。中央にはSELECT/STARTボタンがあります。上部にはLRボタン、下部にはR2L2ボタン(トリガーボタン)があります。アナログスティックが2つ搭載されているのは、PSPや一部のPS1ゲーム、N64ゲームなどで役立ちます。
  • カラーバリエーション: 一般的に、クリアパープル、ホワイト、ブラックの3色展開が多いです。レトロゲーム機らしいクリアカラーは特に人気があります。
  • サイズと重量: 約145mm x 69mm x 16mm、重さは約180g程度。非常にコンパクトかつ軽量で、ポケットに入れて持ち運びやすいサイズ感です。

接続端子類

  • HDMI出力: Mini HDMI端子を備えており、テレビやモニターに接続して大画面でプレイできます。複数人で楽しむ際などに便利です。
  • USB-Cポート: 本体下部に2つあります。一つは充電用、もう一つはデータ転送やOTG(USBデバイス接続)用として機能します。
  • MicroSDカードスロット: 本体下部に2つあります。前述の通り、OS用とROM用で使い分けるのが一般的です。
  • イヤホンジャック: 標準的な3.5mmステレオミニジャックを備えており、お気に入りのヘッドホンやイヤホンを使用してゲームサウンドを楽しめます。

これらのスペックから、RG35XX Hが単なるRG35XXの横型版ではなく、チップ性能向上とワイヤレス機能追加により、機能面でもしっかりと進化していることが分かります。特に水平型デザインとデュアルアナログスティック、そしてワイヤレス機能の追加は、対応エミュレータの幅を広げ、遊び方の選択肢を大きく増やしました。

Anbernic RG35XX Hの最大の特徴を深掘り

RG35XX Hを単なるレトロゲーム機として片付けるのはもったいない!ここでは、その特筆すべき最大の特徴をいくつかピックアップし、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 待望の水平型デザインと優れた操作性

RG35XXシリーズの最初のモデルは、ゲームボーイに似た垂直型のデザインでした。これもレトロゲーム機らしくて魅力的でしたが、「長時間プレイすると手が疲れる」「アナログスティックがない」といった声も少なくありませんでした。RG35XX Hは、そのフィードバックに応える形で、水平型デザインを採用しました。

  • 持ちやすさ: 横長になったことで、両手でしっかりと握りやすくなり、安定したホールド感が得られます。本体の厚みも適切で、手のひらに自然とフィットします。
  • アナログスティック x 2: 左右に1つずつ配置されたアナログスティックは、特にPSPやPS1、N64など、3Dゲームやツインスティック操作を要求されるゲームで真価を発揮します。これにより、操作可能なゲームタイトルの幅が格段に広がりました。
  • ボタンの配置: 方向キー、ABXYボタン、アナログスティック、L/Rボタン、L2/R2トリガーボタンが適切に配置されており、ほとんどのレトロゲームに必要な操作系を網羅しています。ボタンのクリック感や方向キーの感触も良好で、安価なデバイスにありがちなチャチな感じはありません(ただし個体差はありえます)。

この水平型デザインと充実した操作系は、RG35XX Hを単なる「過去のゲームを動かすデバイス」から、「快適に幅広い世代のゲームを楽しむためのデバイス」へと進化させています。

2. Allwinner H700チップによる性能向上

RG35XX無印が搭載していたActions ATM7039Sチップは、PS1までのエミュレーションには十分でしたが、N64やDreamcast、PSPといった、より新しい世代のゲームを動かすには力不足でした。RG35XX Hに搭載されたAllwinner H700チップは、CPU・GPUともに性能が向上しており、この壁を部分的に突破することを可能にしました。

  • 対応エミュレータの拡大: PS1はほぼ全てのタイトルが快適に動作します。N64やDreamcast、PSPに関しても、タイトルによっては設定の調整やフレームスキップなどを組み合わせることで、実用的な速度で動作するものが出てきました。もちろん、全てのタイトルが完璧に動くわけではありませんが、RG35XX無印では不可能だったゲームがプレイできるようになったのは大きな進歩です。
  • より安定した動作: SNESやGenesis、GBAといった16bit/32bit世代のエミュレーションは、Allwinner H700によってさらに安定し、高負荷な場面でも処理落ちすることなく快適にプレイできます。
  • カスタムファームウェアとの相性: より高性能なチップになったことで、Garlic OS 2.0などのカスタムファームウェアが提供する様々な最適化や機能強化の恩恵を最大限に受けやすくなりました。

Allwinner H700は、Retroid Pocket 2Sなどに搭載されているT610のような高性能チップには及びませんが、RG35XXシリーズの価格帯としては非常にバランスの取れた選択であり、対応世代を一つ上のレベルに引き上げることに成功しています。

3. デュアルMicroSDカードスロットの利便性

地味ながらも非常に重要な特徴が、2つ搭載されたMicroSDカードスロットです。

  • OSとROMの分離: 多くの場合、スロット1にOSやシステムファイル、スロット2にゲームROMのコレクションを入れます。これにより、OSを別のカスタムファームウェアに入れ替えたい場合や、SDカードをより大容量のものに交換したい場合に、ROMの入ったカードはそのままにして、OSカードだけを抜き差しすればよいので非常に簡単です。ROMの再転送という面倒な作業が不要になります。
  • システムトラブルからの復旧: OSが入ったMicroSDカードが破損したり、システムが不安定になったりした場合でも、ROMカードは無事な可能性が高く、新しいOSカードを用意すればすぐにゲームを再開できます。
  • 容量拡張の柔軟性: 例えば、OS用に小容量(16GBや32GB)の高速なMicroSDカードを用意し、ROM用には大量のゲームを入れるために大容量(128GBや256GB、最大512GB)のMicroSDカードを使用するといった使い分けが可能です。

多くの安価なレトロゲーム機はSDカードスロットが1つしかなく、OSとROMを同じカードに入れる必要があります。この場合、OSの入れ替えやSDカード交換のたびに、数GB、場合によっては数十GBのROMデータを再転送する必要があり、非常に手間がかかります。デュアルスロットは、このような煩わしさから解放してくれる、まさにユーザーフレンドリーな設計と言えます。

4. Wi-FiとBluetoothによる拡張性

RG35XX無印にはなかったワイヤレス機能が、RG35XX Hで追加されました。これはプレイ体験を大きく向上させる要素です。

  • ネットワーク対戦 (Netplay): 対応エミュレータとゲームであれば、Wi-Fi経由で他のRG35XX Hユーザーや、同じNetplayプロトコル(例:RetroArchのNetplay)に対応した他のデバイスユーザーとオンラインで対戦・協力プレイが可能です。友人や世界のプレイヤーと一緒にレトロゲームのマルチプレイを楽しめます。
  • 外部コントローラー接続: Bluetooth経由で、DualShock 4やXbox Wireless Controllerなどの一般的なBluetoothコントローラーを接続できます。HDMI出力で大画面に映しながら、離れた場所から本格的なコントローラーでプレイするという、据え置き機ライクな楽しみ方が可能になります。
  • Bluetoothオーディオ: Bluetooth対応のワイヤレスイヤホンやヘッドホンを使用できます。これにより、有線イヤホンのケーブルを気にすることなく、より快適にゲームサウンドに没頭できます。
  • OTAアップデート: Wi-Fi経由でのOver-The-Air (OTA) アップデートにも対応する可能性があります(ファームウェアによる)。これにより、本体をPCに接続することなく、システムアップデートを簡単に行えるようになります。

これらのワイヤレス機能は、レトロゲーム機としての基本性能だけでなく、現代的な利便性をもたらし、RG35XX Hの活用シーンを広げてくれます。

5. 豊富な対応エミュレータとゲームライブラリ

Anbernic製品の大きな魅力の一つは、非常に多くのレトロゲーム機のエミュレーションに対応している点です。RG35XX Hは、その高性能化とOSの進化により、さらに対応範囲を広げています。

  • 完璧に近い動作: ファミリーコンピュータ(FC/NES)、スーパーファミコン(SFC/SNES)、メガドライブ(MD/Genesis)、PCエンジン(PCE)、ネオジオ(Neo Geo)、ゲームボーイ(GB)、ゲームボーイカラー(GBC)、ゲームボーイアドバンス(GBA)、ワンダースワン(WS/WSC)などの16bit/32bit世代や、それ以前のハードは、ほぼ全てのタイトルが快適に動作します。これらの世代のゲームを主に遊びたい方には、RG35XX Hの性能は十二分です。
  • 非常に良好な動作: PlayStation 1 (PS1/PSX) のエミュレーションも非常に成熟しており、RG35XX Hの性能であれば、ほとんどのPS1タイトルがフレームレートの低下を感じることなく、快適にプレイできます。
  • 動作可能なタイトルがある世代: Nintendo 64 (N64)、Dreamcast (DC)、PlayStation Portable (PSP)、一部のアーケードゲーム (MAME/FBA) などは、タイトルによって動作の安定性やフレームレートが異なります。比較的軽量なタイトルであれば問題なく動作するものもありますが、グラフィック負荷の高いタイトルや複雑な処理を行うタイトルでは、処理落ちしたり、設定調整が必要になったり、プレイが困難な場合もあります。これは、この価格帯のデバイスとしては限界がある部分です。

購入時に付属するMicroSDカードには、膨大な数のゲームROMがプリインストールされていることが一般的です。ただし、これらのROMの合法性については注意が必要です。後述の免責事項でも触れますが、ゲームROMはご自身が正規に所有しているゲームソフトから吸い出したもののみを利用するのが法的な原則です。

RG35XX Hの遊び方・使い方ガイド

Anbernic RG35XX Hを手に入れたら、次は実際にゲームをプレイするための準備と操作方法を覚えましょう。

1. 本体起動と基本操作

  • 電源オン/オフ: 本体側面にある電源ボタンを長押しすることで起動/終了します。短押しでスリープモードに入ります。
  • OS: 購入時に付属しているMicroSDカードには、Anbernic公式のStock OSがインストールされています。起動すると、ゲーム機のリストや設定メニューが表示されます。
  • メニュー操作: 方向キーで項目を選択し、Aボタンで決定、Bボタンでキャンセルや前の画面に戻るのが基本操作です。STARTボタンやSELECTボタンは、ゲーム中やメニュー画面で特殊な機能(メニュー呼び出し、セーブ/ロード、設定変更など)に割り当てられていることが多いです。
  • ゲームの起動: メニュー画面から遊びたいゲーム機(エミュレータ)を選択し、さらにゲームリストからタイトルを選んでAボタンを押すとゲームが開始されます。

多くのユーザーは、標準のStock OSよりも高機能で使いやすい「Garlic OS 2.0」などのカスタムファームウェア(CFW)を導入します。CFWを導入すると、メニュー構成や機能、パフォーマンスなどが向上し、より快適にRG35XX Hを使いこなせるようになります。CFWの導入方法は後述します。

2. ゲームROMの導入方法

ご自身で所有しているゲームソフトから吸い出したROMイメージをRG35XX Hでプレイするには、以下の手順でMicroSDカードに導入します。

  1. MicroSDカードの準備: RG35XX Hに付属しているROM入りのMicroSDカード(通常はスロット2に入れる方)をPCに接続します。高品質なMicroSDカード(SanDisk、Samsungなどの有名メーカー製)を別途購入し、それにROMを入れ替えることを強く推奨します。付属カードは品質が低い場合が多く、データ破損の原因となることがあります。
  2. フォルダ構造の確認: MicroSDカードを開くと、ゲーム機の種類ごとにフォルダ分けされています(例:FCSFCMDGBAPSなど)。各フォルダの名前はOSやCFWによって異なる場合がありますが、おおむね直感的に分かりやすい名前になっています。
  3. ROMファイルの転送: ご自身が吸い出したROMファイルを、対応するゲーム機のフォルダにコピー&ペーストで転送します。ゲームによっては複数のファイルで構成されている場合(例:PS1の.bin/.cueファイルなど)もありますので、それらはまとめて同じフォルダに入れます。
  4. MicroSDカードの安全な取り外し: ROMの転送が終わったら、必ずPCからMicroSDカードを「安全に取り外す」操作を行ってから物理的に抜き取ります。これにより、データの破損を防ぎます。
  5. 本体への挿入: MicroSDカードをRG35XX H本体の指定されたスロット(通常はスロット2)に挿入し、本体を起動します。
  6. ゲームリストの更新: OSによっては、新しいROMを認識させるためにゲームリストの更新操作が必要な場合があります(メニューから「Refresh ROMs」のような項目を選ぶ)。

これで、導入したゲームがメニューに表示され、プレイできるようになります。ROMファイルの形式は、多くのエミュレータで一般的な.nes.smc.gen.gba.iso.cueなどに対応しています。圧縮形式(.zip、.7zなど)に対応しているエミュレータもありますが、非圧縮のままで入れた方が安定する場合が多いです。

3. エミュレータの設定とセーブ機能

ゲームを起動すると、通常は自動的に対応するエミュレータが立ち上がります。プレイ中にエミュレータの設定を変更したり、セーブ/ロードを行ったりするには、特定のボタン操作でエミュレータメニューを呼び出す必要があります。

  • エミュレータメニューの呼び出し: 標準的な操作は、SELECTボタンとSTARTボタンを同時に押すことです。ただし、これはOSやCFW、さらには個々のエミュレータコアの設定によって異なる場合があります。カスタムファームウェア(特にGarlic OS 2.0)では、特定のボタン(例:MENUボタンなど)にこの機能を割り当てていることが多いです。
  • エミュレータ設定: メニューを呼び出すと、画面サイズ(アスペクト比)の変更、フィルター(ブラウン管風、ドット強調など)の適用、フレームスキップの設定、サウンド設定など、様々なオプションを調整できます。N64やDreamcast、PSPなどの高負荷なエミュレータでは、パフォーマンス向上のためにこれらの設定を調整することが重要になります。
  • セーブ機能:
    • ステートセーブ (Save State): エミュレータの機能で、ゲームの進行状況を好きな時に丸ごと記録(セーブ)し、好きな時にその状態から再開(ロード)できます。ゲーム本体にセーブ機能がない古いゲームや、難易度の高い場面を何度もやり直したい場合に非常に便利です。複数のセーブスロットを持つエミュレータが多いです。
    • 通常セーブ (In-game Save): ゲームソフト自体が持っているセーブ機能です。ゲーム内のセーブポイントやパスワード機能などを利用してデータを保存します。エミュレータは、ゲームソフトがセーブしたデータをファイルとしてMicroSDカードに保存します。

エミュレータメニューの操作や設定項目はエミュレータの種類によって異なりますが、基本的な概念(ステートセーブ、アスペクト比、フィルターなど)は共通しています。

4. HDMI出力の使用方法

RG35XX HはMini HDMI端子を備えており、テレビやモニターに接続して大画面でレトロゲームを楽しむことができます。

  1. ケーブルの準備: Mini HDMI – HDMIケーブルまたはMini HDMI変換アダプターとHDMIケーブルを用意します。
  2. 接続: RG35XX H本体上部のMini HDMI端子と、テレビやモニターのHDMI入力端子をケーブルで接続します。
  3. 本体起動: 接続した状態でRG35XX Hの電源をオンにします。
  4. 表示設定: 通常、自動的にテレビ側に画面が表示されますが、本体の画面が消えてテレビ側のみに表示される場合や、本体側で出力設定が必要な場合があります。OSやCFWの設定メニューを確認してください。
  5. 外部コントローラーの利用: HDMI出力でプレイする場合、本体を操作するよりも、Bluetoothで外部コントローラーを接続してプレイする方が快適です。

自宅のテレビで家族や友人と一緒に懐かしのゲームをプレイするのに最適な機能です。

5. Wi-Fi/Bluetooth機能の活用

ワイヤレス機能を活用することで、RG35XX Hの可能性はさらに広がります。

  • Wi-Fi接続: 設定メニューからWi-Fi設定を選び、自宅のWi-Fiネットワークに接続します。接続が成功すると、Netplayや、対応するCFWでのオンラインアップデートなどが可能になります。
  • Netplay: 対応エミュレータ(主にRetroArchコア)でNetplay機能を有効にし、ホストとして部屋を作成したり、既存の部屋に参加したりすることで、オンラインでのマルチプレイが楽しめます。ネットワーク環境によっては遅延が発生する場合がある点に注意が必要です。
  • Bluetoothペアリング: 設定メニューからBluetooth設定を選び、ペアリングモードにした外部コントローラーやオーディオデバイスを検索して接続します。一度ペアリングすれば、次回からは簡単に再接続できます。
  • 外部コントローラーでのプレイ: Bluetoothコントローラーを接続すると、本体のボタン操作と同様にゲームをプレイできます。これにより、HDMI出力時だけでなく、本体をテーブルなどに置いてプレイする際にも便利な姿勢でゲームを楽しめます。

これらの機能は、カスタムファームウェア(特にGarlic OS 2.0の新しいバージョン)でより安定して利用できる傾向があります。

6. カスタムファームウェア (CFW) の導入

RG35XX Hの性能を最大限に引き出し、より快適に利用するためには、カスタムファームウェアの導入が強く推奨されます。最も人気があるのは、RG35XXシリーズのために開発された「Garlic OS 2.0」です。

  • Garlic OS 2.0のメリット:
    • パフォーマンス向上: Stock OSよりもエミュレーションのパフォーマンスが最適化されている場合が多く、よりスムーズな動作が期待できます。
    • 洗練されたUI: ユーザーインターフェースがシンプルかつ直感的で、ゲームの起動や設定変更が容易になります。
    • 豊富な機能: ステートセーブのスロット数の増加、画面フィルターの選択肢拡大、本体設定の詳細化、Wi-Fi/Bluetooth機能のより安定したサポートなど、多くの機能が追加・強化されています。
    • 活発なコミュニティ: 開発が継続されており、不具合の修正や新機能の追加が行われます。情報も豊富に見つかります。
  • 導入手順の概要:
    1. 高品質MicroSDカードの用意: 純正付属のものではなく、別途購入したMicroSDカード(OS用、推奨容量32GB~64GB)を用意します。
    2. Garlic OS 2.0イメージファイルのダウンロード: 公式GitHubリポジトリなどから最新版のイメージファイルをダウンロードします。
    3. イメージファイルの書き込み: Win32 Disk ImagerやBalena EtcherといったPC用ツールを使用して、ダウンロードしたイメージファイルをMicroSDカードに書き込みます。この作業を行うと、MicroSDカード内の既存データは全て消去されます。
    4. ファイルのコピー: 書き込み後、PCからMicroSDカードを見ると、複数のドライブ(パーティション)として認識されることがあります。そのうち、ROMsフォルダなどを格納するパーティションに、ゲームROMやBIOSファイルなどをコピーします。
    5. RG35XX Hへの挿入と起動: 書き込み・ファイルコピーが完了したMicroSDカードをRG35XX H本体のOSスロット(通常はスロット1)に挿入し、電源を入れます。初回起動時にシステムファイルのセットアップが行われる場合があります。

CFWの導入は、PCの操作に慣れている方であればそれほど難しくありませんが、失敗すると本体が起動しなくなるリスクもゼロではありません。手順をよく確認し、自己責任で行う必要があります。詳しい導入方法については、多くのWebサイトやYouTubeチャンネルで解説されていますので、そちらを参考にしてください。

対応ゲーム機・エミュレータの詳細レビュー

RG35XX Hが対応している主要なゲーム機について、それぞれの動作状況やプレイの快適さを具体的に見ていきましょう。

1. PS1 (PlayStation)

動作状況: 非常に快適。ほぼ全てのタイトルがフルスピードで動作します。
解説: Anbernic機の得意とする世代であり、RG35XX Hの性能で完全にカバーできています。3Dゲームも2Dゲームも滑らかに動作し、オリジナルのPS1でプレイしているのと遜色ない体験が得られます。デュアルアナログスティックがあるため、DualShockコントローラー対応のゲームも快適に操作できます。PS1のゲームをメインで遊びたい方にとって、RG35XX Hは非常に有力な選択肢です。

2. PSP (PlayStation Portable)

動作状況: タイトルによる。比較的軽量な2Dゲームや初期の3Dゲームは動作するものもあるが、高負荷な3Dゲームは厳しい。
解説: PSPエミュレーションは要求される性能が高く、Allwinner H700でも全てのタイトルを快適に動かすことはできません。多くの有名な3Dゲーム(例:モンスターハンターシリーズ、ゴッド・オブ・ウォーシリーズなど)は、フレームレートが大きく低下したり、音飛びが発生したりして、実用的なプレイは難しいでしょう。しかし、シンプルな2DアクションやRPG、初期のPSPタイトルなど、比較的負荷の低いゲームであれば、設定を調整することでそこそこ遊べるものもあります。あくまで「おまけ」機能として考えるのが妥当です。カスタムファームウェアによる最適化で動作が改善される場合もあります。

3. N64 (Nintendo 64)

動作状況: タイトルによる。動作可能なゲームは存在するが、不安定なものが多い。
解説: N64エミュレーションもPSPと同様に要求性能が高く、安定した動作は難しい世代です。2D要素が強いゲームや比較的初期のタイトルは動作する場合もありますが、多くの有名な3Dゲーム(例:スーパーマリオ64、ゼルダの伝説 時のオカリナなど)は、フレームレートが不安定だったり、グラフィックに乱れが生じたりすることが多いです。アナログスティックがあるのは嬉しいですが、N64をメインで遊びたい場合は、Retroid Pocket 3+やRP2Sなど、より高性能なチップを搭載した機種を検討した方が良いでしょう。

4. Dreamcast (DC)

動作状況: タイトルによる。動作するゲームは少ない。
解説: Dreamcastエミュレーションはさらに要求性能が高く、RG35XX Hではごく一部の軽量なタイトルしかまともに動作しないのが現状です。こちらもN64やPSPと同様、「動けばラッキー」程度に考えておくべきです。

5. Arcade (MAME/FBA/Neo Geo)

動作状況: 世代とROMセットによる。古いタイトルは快適、新しいタイトルは厳しい。ネオジオは良好。
解説: アーケードゲームのエミュレーションは、どのゲーム基板をエミュレートするかによって負荷が大きく変わります。特にMAMEは対応ゲームが非常に多岐にわたるため、RG35XX Hの性能では、90年代前半までの比較的古いタイトルであれば快適に動作するものが多いですが、90年代後半以降の複雑な3Dゲームや高解像度のゲームは動作が厳しくなります。FinalBurn Neo (FBN) は比較的効率が良く、CPS1, CPS2, CPS3などのカプコン製ゲーム基板やネオジオゲームは非常に快適に動作します。特にネオジオは、RG35XX Hで存分に楽しめます。

6. SFC (スーパーファミコン) / SNES (Super Nintendo Entertainment System)

動作状況: ほぼ完璧に動作。
解説: この世代はRG35XX Hにとって最も得意とする世代の一つです。特殊チップを搭載したゲームも含め、ほぼ全てのSFC/SNESタイトルがフルスピードで、処理落ちすることなく快適にプレイできます。RPG、アクション、シミュレーションなど、ジャンルを問わず楽しめます。

7. FC (ファミリーコンピュータ) / NES (Nintendo Entertainment System)

動作状況: 完璧に動作。
解説: 8bit世代であるファミコン/NESは、RG35XX Hには全く負荷がかかりません。数千タイトルに及ぶファミコンゲームを、安心して全て楽しむことができます。

8. MD (メガドライブ) / Genesis

動作状況: ほぼ完璧に動作。
解説: セガの16bit機であるメガドライブ/Genesisも、SFCと同様に完璧に近い動作です。高速アクションゲームも処理落ちなく楽しめます。

9. GBA (ゲームボーイアドバンス) / GBC (ゲームボーイカラー) / GB (ゲームボーイ)

動作状況: 完璧に動作。
解説: 携帯ゲーム機のエミュレーションも得意分野です。GBAの高解像度モードや、GBC、GBのカラーパレット設定など、エミュレータならではの機能も活用できます。液晶ディスプレイもこれらのゲームの表示に最適です。

10. その他のゲーム機

PCエンジン、ネオジオポケット、WS/WSC、Atari各種、Game Gearなど、他にも様々なレトロゲーム機のエミュレーションに対応しています。これらの多くも、RG35XX Hの性能で十分に快適に動作します。

快適にプレイするための推奨設定例

より快適にゲームをプレイするために、エミュレータ設定でいくつか調整できる点があります。

  • アスペクト比: 多くのレトロゲームは4:3のアスペクト比で作られています。RG35XX Hの画面も4:3(640×480)なので、特に設定不要な場合が多いですが、ワイド画面のゲーム(PSPなど)や、オリジナルとは異なる比率でプレイしたい場合は、設定で変更できます。オリジナルの比率でプレイするのが最も正しい体験ですが、画面全体を使いたい場合はフルスクリーン表示にすることも可能です。
  • 画面フィルター: ドット感を強調する「シャープ」、ブラウン管テレビのような表示を再現する「CRTフィルター」、画面を滑らかにする「バイリニアフィルター」など、様々なフィルターを適用できます。好みに合わせて選びましょう。
  • フレームスキップ: N64やPSPなど、処理が重いゲームでフレームスキップを設定することで、動作速度を向上させられる場合があります。ただし、滑らかさが損なわれるため、ゲームによっては違和感が出ます。
  • Core Options: 各エミュレータコアには固有の設定オプションがあります。例えば、PS1の解像度を内部的に高く設定したり、PSPのCPUクロックを変更したりといった調整が可能です。ただし、これを変更すると動作が不安定になったり、逆に重くなったりすることもあります。

これらの設定は、カスタムファームウェア(Garlic OS 2.0など)の方がStock OSよりも詳細かつ簡単に設定できることが多いです。

Anbernic RG35XX Hの評判・ユーザーレビューまとめ

実際にAnbernic RG35XX Hを購入し、使用しているユーザーからの評判は概ね良好です。多くのユーザーが、そのコストパフォーマンスと水平型デザイン、そして追加されたワイヤレス機能を高く評価しています。

良い評判(メリットとして挙げられる点)

  • コストパフォーマンスの高さ: 1万円台半ばで購入できる価格ながら、PS1世代までを快適にエミュレートでき、さらにWi-Fi/Bluetoothまで搭載している点は、他の競合機種と比較しても非常に優れています。「この値段でこれだけ遊べるのか!」という驚きの声が多いです。
  • 水平型デザインの持ちやすさ: 無印の垂直型から水平型になったことで、長時間のプレイでも手が疲れにくくなったと好評です。特に左右のアナログスティックの追加により、操作性が格段に向上したという声が多いです。
  • 対応エミュレータの幅広さ: SFC、MD、GBA、PS1といった主要なレトロゲーム機のタイトルが快適に動作する点が評価されています。過去の名作を手軽に遊びたいというニーズにしっかりと応えています。
  • Wi-Fi/Bluetooth搭載による利便性: Netplayによるオンライン対戦や、Bluetoothコントローラー・イヤホンの使用が可能になったことで、遊び方の選択肢が増え、より現代的なデバイスとして活用できるようになった点が喜ばれています。
  • カスタムファームウェアによる拡張性: Garlic OS 2.0などのCFWを導入することで、本体の性能を最大限に引き出し、操作性や機能が大幅に向上する点が、ガジェット好きのユーザーから高く評価されています。CFWの導入自体を楽しんでいるユーザーも多いようです。
  • 液晶ディスプレイの品質: 640×480という解像度とIPS液晶により、レトロゲームを鮮明かつ色鮮やかに表示できる点も好評です。視野角が広く、どの角度から見ても画面が見やすいです。

悪い評判(デメリット・改善点として挙げられる点)

  • 一部高性能エミュレータの動作不安定さ: N64、Dreamcast、PSPの高負荷なタイトルは、やはり安定した動作が難しく、期待していたタイトルがスムーズに動かなかったという声が見られます。この点に関しては、価格帯を考慮すれば致し方ない部分ではありますが、過度な期待は禁物です。
  • 同梱MicroSDカードの品質問題: Anbernic製品全体に言えることですが、本体に付属しているMicroSDカードは品質が低いものが多く、データ破損や動作不安定の原因となることがあります。別途、信頼できるメーカー製の高品質なMicroSDカードを購入して入れ替えることが、多くのユーザーによって強く推奨されています。
  • 初期OSの使い勝手: 購入時にインストールされているStock OSは、機能や操作性においてカスタムファームウェア(特にGarlic OS)に見劣りするという意見が多いです。CFWを導入しないと、RG35XX Hの真価を発揮できないと感じるユーザーが少なくありません。CFW導入にはある程度のPCスキルが必要となるため、その点がハードルになると感じるユーザーもいます。
  • バッテリー持ち: 公称8時間となっていますが、プレイするゲームやエミュレータによってはバッテリーの消費が早く、特に高負荷なエミュレータを使用する場合は短時間でバッテリーがなくなるという声もあります。
  • スピーカーの音質: 本体サイズ相応のスピーカーであり、音質にこだわる場合はイヤホンやヘッドホンの使用が推奨されています。

総合すると、RG35XX Hは「価格以上の価値を提供する、非常に優れたレトロゲーム機」として広く認識されています。ただし、完璧なデバイスではなく、特に最新世代のエミュレーションには限界がある点、そして快適な利用にはカスタムファームウェアの導入が推奨される点などは、購入前に理解しておく必要があります。

Anbernic RG35XX Hと競合機種の比較

RG35XX Hの立ち位置をより明確にするために、他のAnbernic製レトロゲーム機や競合他社の類似機種と比較してみましょう。

Anbernic RG35XX (無印) との比較

  • デザイン: RG35XXは垂直型、RG35XX Hは水平型。この違いが最も大きいです。持ちやすさや操作ボタン(アナログスティックの有無)に直結します。
  • チップ: RG35XX無印はActions ATM7039S、RG35XX HはAllwinner H700。H700の方が高性能で、対応できるエミュレータの幅が広がっています(特にPSP/N64/DCの一部動作)。
  • 機能: RG35XX無印にはWi-Fi/Bluetoothがありませんが、RG35XX Hには搭載されています。これにより、Netplayや外部コントローラー接続が可能になっています。
  • 価格: RG35XX Hの方が、チップ性能向上とワイヤレス機能追加により、若干高価です。

結論: RG35XX Hは、RG35XX無印の強化版・水平型モデルと言えます。水平型デザインが好きで、より多くのゲーム世代をカバーしたい、Wi-Fi/Bluetooth機能を利用したいという方にはRG35XX Hがおすすめです。単純にPS1までを安価に楽しみたい、垂直型デザインが好きという方にはRG35XX無印も良い選択肢です。

他の水平型レトロゲーム機との比較 (例: Retroid Pocket 2S, Retroid Pocket 3+)

Retroid Pocketシリーズは、Anbernicと同様に人気のレトロゲームハンドヘルド機メーカーです。

  • 性能: Retroid Pocket 2SやRetroid Pocket 3+は、RG35XX Hよりも高性能なチップ(例: Unisoc T610/T618)を搭載しており、N64やDreamcast、PSPといった世代のエミュレーションがRG35XX Hよりも格段に安定しています。Androidベースのモデルも多く、より多機能です。
  • 価格: Retroid Pocketシリーズは、RG35XX Hよりも価格帯が一段上になります。RG35XX Hが1万円台半ばであるのに対し、RP2SやRP3+は2万円台後半から3万円台が中心です。
  • ターゲット層: RG35XX Hは、主にPS1までの世代を快適に、コスパ良く楽しみたいユーザー向けです。Retroid Pocketシリーズは、さらに上の世代(N64, DC, PSP, 一部のGC/PS2)まで視野に入れている、より高性能を求めるユーザー向けと言えます。

結論: RG35XX Hは、高性能機には及ばないものの、その価格帯で実現できるエミュレーション性能としては非常に優れています。N64以上の世代を本格的に遊びたい場合はRetroid Pocketなどの上位機種を検討すべきですが、PS1までがメインであればRG35XX Hは素晴らしいコストパフォーマンスを発揮します。

Anbernic RG35XX Hはこんな人におすすめ!

ここまでのレビューを踏まえ、Anbernic RG35XX Hはどのような人におすすめできるかまとめます。

  • レトロゲームを気軽に楽しみたい人: 複雑な設定なしに、電源を入れてすぐに懐かしのゲームをプレイしたい方に最適です(ただしCFW導入は推奨)。手軽なサイズ感と操作性で、いつでもどこでもレトロゲームの世界に浸れます。
  • 水平型デザインを好む人: 垂直型よりも横長の水平型デザインの方が手に馴染む、持ちやすいと感じる方には、RG35XX Hの優れたデザインは大きな魅力です。
  • PS1やPSP(一部)までのタイトルを遊びたい人: SFC、MD、GBA、そしてPS1といった主要なレトロゲーム機世代を快適にエミュレートできる性能を持っています。PSPやN64もタイトルによっては動作するので、試してみたいという方にも良いでしょう。
  • カスタムファームウェアで遊びたい人: Garlic OS 2.0などのカスタムファームウェアを導入することで、本体の可能性を最大限に引き出したい、設定をカスタマイズして自分好みの環境を作りたいという方にとって、RG35XX Hは非常に弄りがいのあるデバイスです。
  • コストパフォーマンスを重視する人: 1万円台半ばという価格ながら、これだけの性能と機能を備えている点は驚異的です。「あまり予算はかけたくないけど、それなりに高性能で遊べる機種が欲しい」というニーズに完璧に応えてくれます。
  • オンライン対戦や外部コントローラーを使ってみたい人: Wi-Fi/Bluetooth機能があるため、レトロゲームのNetplayや、据え置き機のようにテレビに繋いで本格コントローラーでプレイするといった楽しみ方も可能です。

逆に、最新世代(PS2、GC、Switchなど)のエミュレーションを期待している方、PCの知識がなくCFW導入に抵抗がある方、最高レベルのビルドクオリティやバッテリー持ちを求める方には、RG35XX Hは向かないかもしれません。

まとめ:レトロゲームハンドヘルド機の新たなスタンダード?

Anbernic RG35XX Hは、大ヒットしたRG35XX無印のコンセプトを継承しつつ、ユーザーの要望を的確に捉えた進化モデルです。水平型デザインの採用、より高性能なAllwinner H700チップ、そして待望のWi-Fi/Bluetooth機能の追加は、RG35XX Hを単なる派生機ではなく、一つ上のレベルに引き上げています。

特に、1万円台半ばという価格帯で、PS1までのゲームをほぼ完璧に動作させ、さらにPSPやN64の一部タイトルに挑戦できる性能、水平型による快適な操作性、そしてオンライン機能や外部コントローラー接続といった現代的な利便性を備えている点は、非常に画期的と言えます。カスタムファームウェアの導入を前提とすれば、その価値はさらに高まります。

もちろん、全てのレトロゲームを完璧にエミュレートできるわけではありませんし、同梱品の品質に不安があるといったデメリットも存在します。しかし、それらを差し引いても、RG35XX Hが提供するレトロゲーム体験は、その価格帯において最高の部類に入ると断言できます。

「手軽に、快適に、そしてお得にレトロゲームを楽しみたい」。そう考えている多くのゲーマーにとって、Anbernic RG35XX Hは現状、最も有力な選択肢の一つと言えるでしょう。多くのユーザーレビューが物語る通り、満足度の高い一台となるはずです。レトロゲームの世界への入り口として、あるいは既存のコレクションをより手軽に楽しむための相棒として、RG35XX Hは強力に推薦できるデバイスです。

免責事項

本記事で解説しているレトロゲームのエミュレーションおよびゲームROMの利用に関しては、以下の点にご注意ください。

  • ゲームROMのダウンロードや配布は、著作権法に違反する可能性があります。ゲームROMは、ご自身が正規に購入・所有しているゲームソフトから、個人的に楽しむ目的で吸い出したもののみを利用することが法的に認められています。
  • 本体にプリインストールされているゲームROMの合法性については保証されません。基本的にはご自身で用意した合法的なROMを使用することを推奨します。
  • カスタムファームウェアの導入や本体の分解・改造は、メーカーの保証対象外となる可能性があり、最悪の場合、本体が破損するリスクがあります。行う際は自己責任で十分注意して行ってください。

本記事は、Anbernic RG35XX Hという製品の機能や使い方に関する情報提供を目的としており、違法行為を推奨するものではありません。レトロゲームを楽しむ際は、常に法律やマナーを守りましょう。

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