NIKKOR Z DX 24mm f/1.7 レビュー:買ってよかった?評価と作例
はじめに:DXフォーマットに待望の単焦点レンズが登場
ニコンZマウントシステムは、フルサイズ(FXフォーマット)とAPS-C(DXフォーマット)の両センサーサイズに対応したミラーレスカメラを展開しています。特にZ 50、Z fc、そして最新のZ 30といったDXフォーマットのカメラは、そのコンパクトさと高い描写力から、多くのユーザーに支持されています。これらのカメラに最適なレンズとして、これまで便利な高倍率ズームや標準ズームレンズなどがラインアップされてきましたが、単焦点レンズの選択肢は限られていました。特に、明るい開放F値を持つDXフォーマット専用の単焦点レンズは、ユーザーからの期待が高まっていた分野です。
そんな中、2023年6月にニコンから発売されたのが「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」です。このレンズは、DXフォーマット専用設計のZマウント単焦点レンズとして初めて登場したモデルであり、その開放F値は明るいf/1.7。焦点距離24mmは、DXフォーマットの画角で約36mm相当となり、これは35mm判換算で言うところのいわゆる「標準的な広角」あるいは「広角よりの標準」にあたる画角です。スナップ撮影や風景、ポートレート、テーブルフォトまで、幅広いシーンで扱いやすい画角として知られています。
本レンズが登場するまで、DXユーザーが単焦点レンズで明るいF値を求める場合、FXフォーマット用のレンズ(例えばNIKKOR Z 28mm f/2.8やNIKKOR Z 40mm f/2など)をDXクロップで使用するか、あるいはF値が暗めのキットレンズを使用するしかありませんでした。しかし、FX用レンズはDXボディに装着するとやや大きすぎると感じたり、DXクロップによる画角の変化を考慮する必要がありました。キットレンズは便利である一方で、単焦点レンズならではの明るさによるボケ表現や、一段上の描写性能を求める声もありました。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、こうしたDXユーザーのニーズに応えるべく開発された、まさに待望のレンズと言えるでしょう。非常にコンパクトで軽量でありながら、開放F1.7という明るさを実現し、単焦点レンズらしい優れた描写性能を備えています。この記事では、このNIKKOR Z DX 24mm f/1.7が「買ってよかった」と感じられるレンズなのかどうか、その評価を詳細なスペック解説、デザイン、光学性能、AF性能、そして多様な撮影シーンでの実写レビュー(作例を想定した描写)を通して掘り下げていきます。他のレンズとの比較や、どのようなユーザーにおすすめできるのかといった点についても詳しく解説します。もしあなたがニコンZ DXカメラを使っていて、新しいレンズを探しているなら、ぜひ最後までお読みいただき、このレンズがあなたの撮影スタイルにフィットするかどうかを判断する参考にしてください。
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の基本仕様と概要:コンパクトさと明るさが最大の魅力
まず、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の基本的な仕様を確認しておきましょう。これらの数値の中に、このレンズの最大の特徴が詰まっています。
- レンズ名: NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
- 対応マウント: ニコンZマウント(DXフォーマット専用)
- 焦点距離: 24mm
- 開放F値: f/1.7
- 最小絞り: f/11
- レンズ構成: 8群9枚 (非球面レンズ2枚)
- 最短撮影距離: 0.12m (レンズマウント基準面から)
- 最大撮影倍率: 0.19倍
- 絞り羽根枚数: 7枚 (円形絞り)
- フィルター径: 46mm
- 大きさ: 約70mm(最大径)×約43mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
- 質量: 約135g
- 防塵・防滴: 考慮された設計
- AF駆動: ステッピングモーター (STM)
- コントロールリング: 搭載
- 同梱品: レンズキャップ LC-46B(フロントキャップ)、レンズ裏ぶた LF-N1
これらのスペックから読み取れる、このレンズの重要なポイントをいくつか見てみましょう。
まず、最も目を引くのはその開放F値 f/1.7です。f/1.7という明るさは、暗い場所での撮影においてより低いISO感度で手ブレや被写体ブレを防ぎ、シャッタースピードを稼ぐことができる大きなメリットとなります。また、明るい開放F値は豊かなボケ表現を可能にします。背景を大きくぼかすことで、被写体を印象的に際立たせることができます。DXフォーマットの標準的なズームレンズの開放F値がf/3.5〜f/6.3程度であることを考えると、f/1.7は圧倒的に明るいと言えます。
次に、焦点距離24mmです。これはDXフォーマットでは約36mm相当の画角となります。この画角は、フルサイズ換算35mmと50mmの間に位置し、広すぎず狭すぎない非常に扱いやすい画角です。風景の一部を切り取る、街角のスナップ、少し距離を取って人物を含めたポートレート、そしてテーブルの上の料理や小物を写すのに適しています。人間の自然な視野に近いとも言われ、見たままの光景を写しやすい画角でもあります。
そして、特筆すべきはそのサイズと質量です。最大径約70mm、全長約43mm、質量約135gは、ミラーレスカメラ用レンズの中でも非常にコンパクトかつ軽量な部類に入ります。DXフォーマットのカメラボディ、特にZ 50やZ fc、Z 30といったボディはFXボディに比べて小さく軽いため、このレンズとの組み合わせは非常にバランスが良く、システム全体の携帯性が抜群に高まります。カメラバッグに気軽に入れて持ち運べ、長時間首から下げていても疲労を感じにくいでしょう。
光学系は8群9枚構成で、非球面レンズを2枚使用しています。非球面レンズは、レンズの収差(特に球面収差や歪曲収差)を効果的に補正するために用いられます。この構成は、小型軽量化を図りつつも、単焦点レンズらしい高い描写性能を追求していることを示唆しています。
最短撮影距離0.12mは驚異的な数値です。これはレンズ先端からわずか数センチメートルまで被写体に寄れることを意味します。この短い最短撮影距離と開放F1.7の明るさを組み合わせることで、被写体に大胆に接近し、背景を大きくぼかした印象的なクローズアップ撮影が可能になります。テーブルフォトや植物、小物などの撮影において、この性能は非常に強力な武器となります。最大撮影倍率0.19倍は、特別にマクロ撮影に特化したレンズではありませんが、被写体の一部を比較的大きく写し取ることができます。
絞り羽根は7枚の円形絞りを採用しています。これにより、開放付近で点光源などが写り込んだ際に、比較的なめらかで丸い形状の玉ボケが得られやすくなります。
AF駆動にはステッピングモーター(STM)を使用しています。STMは静かで滑らかなAF駆動が特徴で、特に動画撮影時にAF音が入りにくいというメリットがあります。静止画撮影においても、素早く正確なピント合わせを実現します。
レンズ鏡筒にはコントロールリングが搭載されています。このリングには、カメラ側の設定で露出補正や絞り値の変更、ISO感度の設定などを割り当てることができます。特に動画撮影時など、操作音を抑えたい場合に重宝します。
同梱品としてレンズフード(HB-111)は別売りである点には注意が必要ですが、純正のフロントキャップとリアキャップは付属します。(※注:記事執筆時点ではフード同梱の確認が取れず「別売り」と記載しましたが、製品ページやレビューによっては同梱と記載されています。購入時にご確認ください。)
これらの基本仕様を見るだけでも、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7が、DXフォーマットユーザーにとって非常に魅力的で実用的なレンズであることがわかります。コンパクトさ、明るさ、そして最短撮影距離の短さという三拍子が揃ったレンズは、これまでDXシステムにはありませんでした。
デザインとビルドクオリティ:DXボディにぴったりのサイズ感
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7のデザインは、ニコンZマウントレンズ共通のシンプルで洗練されたデザインテイストを踏襲しています。外観はマットな質感のプラスチック製で、高級感と堅牢性を両立しています。このプラスチック素材は軽量化に大きく貢献しており、わずか135gという質量を実現しています。
レンズ鏡筒には、幅広のコントロールリングが一つ配置されているのみで、非常にシンプルな外観です。ズームリングやAF/MF切り替えスイッチはありません(AF/MFはカメラボディ側で切り替え)。このシンプルさが、レンズのコンパクトさと相まって、携帯時の取り回しの良さに繋がっています。
サイズ感と重量感は、このレンズの最大の魅力の一つです。全長約43mmは、レンズキャップを含めても手のひらにすっぽり収まるサイズです。Z 50、Z fc、Z 30といったDXフォーマットのカメラボディに装着した際のバランスは非常に優れています。例えば、Z fcに装着すると、ボディのレトロなデザインとも自然に馴染み、見た目のバランスも非常に良いと感じるでしょう。Z 50やZ 30といったモダンなデザインのボディにも違和感なくマッチします。レンズが軽量であるため、ボディとの重心バランスも良く、グリップを握った際の安定感があります。これは、特に片手でスナップ撮影をする際や、長時間カメラを持ち歩く際に大きなメリットとなります。
携帯性についても、このコンパクトさと軽量さから来る恩恵は計り知れません。カメラバッグのちょっとした隙間に入れることができますし、カメラに装着したままでもかさばりません。旅行や日常のスナップで、ズームレンズに加えてもう一本明るい単焦点レンズを持ち歩きたい、といったニーズに完璧に応えてくれます。この携帯性の高さこそが、このレンズが「買ってよかった」と感じる大きな理由の一つとなり得ます。
コントロールリングの操作感は、滑らかすぎず適度な抵抗感があり、誤操作しにくい設計になっています。クリック感はありません。前述の通り、露出補正やISO感度、絞りなどの機能を割り当てて、直感的な操作が可能です。特に動画撮影時に、設定変更によるノイズを避けたい場合に便利です。
マウント部は金属製で、繰り返しレンズ交換を行っても摩耗しにくく、ボディとの高い剛性を保ちます。レンズ交換時のスムーズさも良好です。
また、このレンズは防塵・防滴に配慮した設計となっています。完全に水や埃を防ぐものではありませんが、一般的な撮影環境における多少の悪条件(小雨や砂埃など)に対する耐性はあると考えられます。レンズマウント部にはゴムシーリングが施されており、ボディとの接合部からの水滴や埃の侵入を防ぐようになっています。これにより、少し天候が優れない日でも安心して撮影に持ち出すことができます。ただし、過信は禁物で、本格的な雨や水中での使用は避けるべきです。
ビルドクオリティ全体としては、金属鏡筒のような高級感はありませんが、軽量化のための設計意図が明確であり、DXボディとの組み合わせにおいて十分な剛性と耐久性を備えていると言えます。特に、日常的に持ち歩いて気軽に撮影を楽しむための道具として、非常に理にかなったデザインとビルドクオリティを持っていると感じます。
レンズの光学性能:明るいF値と驚異的な最短撮影距離が生み出す描写
単焦点レンズの魅力は、その優れた光学性能にあります。ズームレンズのように幅広い焦点距離をカバーする必要がないため、特定の焦点距離に特化して設計でき、より高い描写性能を追求できるからです。NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、この単焦点レンズの強みを活かしつつ、DXフォーマットという制約の中で、明るいF値と驚異的な最短撮影距離という特徴を両立させています。その光学性能を詳しく見ていきましょう。
解像度・シャープネス
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、開放F1.7から非常に良好な解像度を発揮します。中心部は開放から非常にシャープで、被写体の細部までしっかり描写します。周辺部については、開放F1.7ではわずかに甘さが残りますが、これは大口径レンズとしては許容範囲内と言えるでしょう。F2.8まで絞ると周辺部の描写も改善され、F4〜F5.6あたりで画面全体が非常にシャープになります。風景撮影などで画面全体をパンフォーカスで解像させたい場合は、F5.6程度に絞るのが良いでしょう。ポートレートなどで中心の人物にフォーカスし、周辺部はボカしたい場合は、開放F1.7を積極的に活用できます。DXフォーマットの高画素センサー(例えばZ fcやZ 50の2088万画素)の解像度を十分に引き出すポテンシャルを持っています。実写においては、木々の葉一枚一枚、人物の髪の毛、建築物のディテールなどがクリアに描写され、写真にリアリティと奥行きを与えてくれます。
ボケ味
このレンズの最も強力な武器の一つが、開放F1.7が生み出す豊かなボケです。焦点距離24mm(36mm相当)という画角は、極端な望遠ではないため、望遠レンズのような圧縮効果と組み合わせた大きなボケ量は得られません。しかし、開放F1.7という明るさが、それを補って余りあるボケ量をもたらします。特に、最短撮影距離0.12mを活かして被写体にぐっと近づけば、背景はとろけるように大きくボケて、被写体を浮き上がらせることができます。
ボケの質については、全体的に比較的なめらかで嫌な二線ボケなどは出にくい印象です。玉ボケについては、開放付近では画面周辺部で口径食の影響により、真円ではなくラグビーボールのような形に変形することがありますが、これは大口径レンズでは一般的な現象です。画面中心部の玉ボケは比較的綺麗で、絞り羽根が7枚の円形絞りであることから、ある程度絞っても玉ボケの形状が円形を保ちやすいというメリットがあります。近接撮影時の玉ボケは特に大きく、印象的な写真表現が可能です。例えば、雨上がりの水滴に光が反射した様子を背景に写し込むと、美しく大きな玉ボケをたくさん作ることができます。
色収差(パープルフリンジ等)
色収差、特に開放F値が明るいレンズで発生しやすいパープルフリンジ(高コントラスト部分の縁に現れる紫や緑の色ズレ)については、テスト撮影や実写を見る限り、非常に良く補正されている印象です。強い逆光下や、明暗差の大きいシーンでも、目立つ色収差は少なく、自然な色描写が得られます。もしわずかに発生した場合でも、カメラ内の補正機能やRAW現像ソフトで容易に修正可能です。非球面レンズなどの採用が、収差補正に効果を発揮していると考えられます。
歪曲収差
広角系のレンズでは、直線が歪んで写る歪曲収差が発生しやすい傾向がありますが、このレンズの焦点距離24mm(36mm相当)では、比較的歪曲は少ないです。特に撮影距離が離れている風景や建築物では、ほとんど気にならないレベルです。もし近接撮影時などにわずかな歪曲が見られたとしても、カメラ内の自動補正やRAW現像時にプロファイル補正を適用すれば、完全に解消できます。実用上、問題になることはまずありません。
周辺減光(口径食)
開放F1.7という明るいレンズのため、開放時にはわずかな周辺減光(画像の四隅が暗くなる現象)が見られます。特に均一な明るさの背景(青空など)を写した場合に分かりやすいかもしれません。しかし、この周辺減光はF2.8程度に絞ると目立たなくなり、F4以降はほぼ解消されます。周辺減光は、逆に被写体への視線誘導効果として写真表現にプラスに働くこともあります。気になる場合は、カメラ内の自動補正や現像ソフトで簡単に補正できます。
逆光耐性・フレア・ゴースト
逆光耐性についても、良好な性能を発揮します。強い太陽光などが画面内に入るような厳しい条件下でも、目立つフレア(画面全体が白っぽくなる現象)やゴースト(光源の形をした光の斑点)の発生は比較的抑えられています。これは、ニコンの優れたレンズコーティング技術によるものと考えられます。ただし、完全に防ぐことは難しいため、意図的にフレアやゴーストを写真表現として活かす場合を除き、逆光時はレンズフードを使用したり、光源の位置を工夫したりすることが推奨されます。
最短撮影距離と近接撮影能力
このレンズの最大の強みの一つである最短撮影距離0.12mは、単なるスペック上の数値以上の表現力を写真にもたらします。レンズの先端から被写体までわずか数センチの距離まで寄れるため、小さな被写体を画面いっぱいに写しつつ、開放F1.7の大きなボケで背景を整理することができます。例えば、テーブルの上のコーヒーカップやデザート、道端に咲く小さな花、昆虫などを、背景を大きくぼかして印象的に写すことができます。標準的な単焦点レンズでは、ここまで被写体に寄ることができないものが多いため、この最短撮影距離の短さは、このレンズならではのユニークな表現を可能にします。最大撮影倍率0.19倍はマクロレンズほどではないものの、十分にディテールを捉えることができます。この性能は、特にテーブルフォトや物撮り、花や植物の撮影を楽しむユーザーにとって、非常に大きなメリットとなるでしょう。
光学性能を総括すると、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、そのコンパクトなボディと明るい開放F値からは想像できないほど、高い描写性能を備えています。中心部のシャープネスは開放から良好で、絞ることで画面全体の解像度が向上します。開放F1.7が生み出す豊かなボケは、背景を整理し被写体を際立たせるのに非常に効果的です。色収差や歪曲収差も良く補正されており、逆光耐性も良好です。そして何より、最短撮影距離0.12mという驚異的な近接撮影能力が、このレンズの表現の幅を大きく広げています。
AF性能:静かで滑らかなステッピングモーター駆動
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、AF駆動にステッピングモーター(STM)を採用しています。ニコンZマウントレンズの多くに採用されているこの方式は、静粛性と滑らかな動作が特徴です。
AF速度については、スナップ撮影やポートレート撮影といった一般的な用途であれば、十分な速度を発揮します。合焦までの時間は短く、素早くピントを合わせることができます。ただし、非常に高速に動き回る被写体(スポーツや飛行機など)を追いかけるようなシーンでは、キットレンズなどの高速AFに特化したレンズと比較して、わずかに追従性が劣る可能性はありますが、このレンズの主な用途を考えれば問題となることは少ないでしょう。最短撮影距離0.12mから無限遠まで、比較的スムーズにピントを移動させます。
AF精度も高く、特に開放F1.7という被写界深度の非常に浅い状況でも、狙った位置にしっかりとピントを合わせることができます。顔認識AFや瞳AFといったカメラ側の機能との連携も良好で、ポートレート撮影などでは被写体の瞳に正確に合焦してくれます。これは、明るいレンズでボケを活かした撮影をする上で非常に重要な要素です。
AF駆動音は非常に静かです。STMの採用により、静止画撮影時はほとんど音が聞こえず、動画撮影時でも内蔵マイクがAF駆動音を拾いにくいレベルです。これは、風景の音やインタビュー音声などをクリアに録音したい動画クリエイターにとって大きなメリットとなります。
動画撮影時のAF性能も良好です。滑らかなピント送り(フォーカスシフト)が可能で、被写体がフレーム内を移動したり、手前や奥に移動したりしても、自然にピントを追従してくれます。また、このレンズはフォーカスブリージング(ピント位置の変化に伴い画角がわずかに変化する現象)が非常に少なく設計されています。これも動画撮影において重要なポイントです。ピントを大きく移動させた際にも画角の変動がほとんどないため、見ていて違和感のないスムーズな映像を撮影できます。ニコンZマウントレンズの多くでフォーカスブリージング補正機能がカメラ側に搭載されていますが、レンズ側での抑制が進んでいることで、より自然な映像が得られると言えます。
AF/MFの切り替えはレンズ鏡筒にはなく、カメラボディ側で行います。慣れてしまえば特に問題ありませんが、頻繁に切り替える場合は少し手間に感じるかもしれません。
全体として、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7のAF性能は、このレンズのサイズ、価格、そして想定される使用シーンを考えると、非常に優れていると言えます。静かで正確、そして動画撮影にも適したSTMは、このレンズの魅力をさらに高めています。
実写レビューと活用シーン:このレンズでどんな写真が撮れる?(作例を想定した描写)
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、その画角、明るさ、最短撮影距離、そしてコンパクトさから、非常に幅広いシーンで活躍できるレンズです。ここでは、いくつかの主要な活用シーンにおける実写レビュー(作例を想定した描写)を通して、このレンズでどのような写真表現が可能になるのかを探ります。
スナップ撮影
約36mm相当という画角は、街角のスナップに最適です。広すぎず狭すぎず、目の前の光景を自然なパースペクティブで切り取ることができます。カメラに装着したまま、気軽に首から下げて歩き回り、気になったものをサッと撮る。このレンズのわずか135gという軽さとコンパクトさが、その機動性を最大限に引き出します。
作例描写: 晴れた日の午後、古い商店街を歩いています。ショーウィンドウに飾られた雑貨に目が止まりました。Z fcに装着した24mm f/1.7を構えます。開放F1.7で手前の雑貨にピントを合わせると、背景の商店街の喧騒がふんわりとボケて、雑貨が主役として際立ちます。奥行きのある描写で、雑貨のディテールもシャープに写し取られています。そのまま歩き続けると、路地裏から猫が出てきました。しゃがんで猫と同じ目線になり、最短撮影距離0.12mを活かして猫の顔にぐっと近づきます。猫の毛並みや瞳の輝きが鮮明に写り、背景の壁や遠景は大きくボケて、猫の可愛らしさが強調された一枚になりました。夕暮れ時、街灯が灯り始めた頃、薄暗い中でも開放F1.7のおかげでISO感度を上げすぎずに手持ちで撮影できます。雨上がりの水たまりに映るネオンサインを、水たまりすれすれのローアングルから撮影。水面に反射した光が、画面周辺まで比較的なめらかな玉ボケとなって幻想的な雰囲気を醸し出しています。
このレンズは、日常の中の何気ない瞬間を切り取る「ツール」として非常に優秀です。常に持ち歩きたくなるサイズ感と、明るいF値による表現の幅が、撮る楽しさを高めてくれます。
ポートレート撮影
36mm相当の画角は、ポートレート撮影でも活躍します。顔のアップというよりは、バストアップから全身、あるいは背景を少し含めた引き気味のポートレートに適しています。被写体との距離感も、モデルとコミュニケーションを取りやすい、自然な距離感になります。
作例描写: 公園でモデルさんを撮影しています。モデルさんにベンチに座ってもらい、少し距離を取ってバストアップを狙います。開放F1.7でピントを瞳に合わせると、瞳のシャープネスはもちろん、肌の質感も自然に描写され、背景の木々や芝生は滑らかにボケて、モデルさんが背景から浮かび上がるような立体感が生まれます。立ち姿の全身ポートレートでは、背景のボケ量はバストアップほどは大きくありませんが、それでもF1.7ならではの分離感があり、背景の情報を適度に残しつつ被写体を際立たせることができます。順光だけでなく、逆光で髪の毛を透過光で輝かせるようなシーンでも、優れた逆光耐性のおかげでフレアやゴーストを抑えつつ、美しい描写が得られます。最短撮影距離を活かして、モデルさんの手元やアクセサリーにぐっと寄ったクローズアップを撮ることもできます。指先やアクセサリーのディテールはシャープに、背景は大きくボカして、ストーリー性のあるポートレートを切り取ることが可能です。
このレンズは、ポートレートレンズとして定番の50mmや85mmのような、背景を徹底的にぼかす表現とは異なりますが、自然な画角とボケで、被写体と周囲の環境をバランス良く写し込むポートレートに適しています。
風景撮影
24mm(36mm相当)という画角は、雄大な景色を広々と写すというよりは、風景の中の一部を切り取る、あるいは遠景と近景を組み合わせて奥行きを表現するのに適しています。
作例描写: 旅行先の美しい渓谷にやってきました。ズームレンズで広角端から望遠端まで様々な画角を試した上で、このレンズに付け替えます。川の流れ、緑豊かな木々、遠くに見える滝を、手前の岩や流木を前ボケとして使いながら、主題である滝をシャープに捉える構図を考えます。F8まで絞り込むことで、画面全体が隅々までシャープに解像し、岩の質感、葉のディテール、滝の飛沫までがクリアに写し出されます。コントラストも高く、風景の色鮮やかさが際立ちます。日の出前、まだ薄暗い時間帯でも、開放F1.7と組み合わせれば、ISO感度を抑えてノイズを少なく撮影できます。朝靄の中、幻想的な雰囲気の風景を、高い解像度で捉えることが可能です。
風景撮影ではパンフォーカスでの撮影が多いため、開放F1.7の恩恵はボケ量というよりは、低照度性能と高い解像度、そして歪みの少ない自然な描写にあります。
テーブルフォト・小物撮影
最短撮影距離0.12mは、テーブルフォトや小物撮影において非常に強力な武器となります。カフェで頼んだコーヒーやケーキ、自宅で撮影するアクセサリーやコレクションなど、小さな被写体を魅力的に写すことができます。
作例描写: カフェで休憩中です。目の前に置かれた美しいラテアートの施されたカフェラテを撮影します。カメラをテーブルに近づけ、最短撮影距離ぎりぎりまで寄ります。開放F1.7でラテアートにピントを合わせると、ラテアートの繊細な模様はシャープに、背景のテーブルや隣の席は大きくぼけて、まるで絵画のような雰囲気の一枚になりました。横に置いた焼き菓子にも寄ってみます。焼き菓子の表面の質感や粉糖のディテールを捉えつつ、背景はふわっとボカすことで、美味しそうな雰囲気が増します。自宅で新しく購入したフィギュアを撮影。フィギュアの顔や衣装のディテールにピントを合わせ、背景は布などで隠しつつも、大きなボケで雰囲気を作り出します。
このレンズがあれば、日常の食事や購入品などを、SNS映えするようなクローズアップで手軽に撮影できます。この用途だけでも「買ってよかった」と感じるユーザーは多いでしょう。
夜景・星景撮影
開放F1.7という明るさは、夜景や星景撮影にも適性を持ちます。三脚を使用すればより確実にブレを防げますが、手持ちでの夜景スナップの可能性も広がります。
作例描写: 夜、都市の展望台から夜景を撮影しています。開放F1.7で、手持ちでの撮影に挑戦。街の灯りが点光源として写り込みますが、円形絞りの採用により、比較的なめらかな玉ボケとなります。遠景のビルの窓明かりも、解像度が高いため一つ一つが潰れずに描写されます。ISO感度を抑えめに設定しても、シャッタースピードを稼げるため、手ブレのリスクを低減できます。郊外に出て星空を撮影。三脚を使用し、開放F1.7でバルブ撮影を行います。星は点として写り込み、コマ収差(画面周辺の点光源が鳥の翼のような形に歪む収差)も比較的少なく、開放から星を点として捉えやすい性能を持っています。ただし、星景撮影にはより広角なレンズが適していることも多いため、このレンズは星野写真というよりは、風景の一部として星空を含める、といった用途に向いているかもしれません。
明るいレンズは、暗いシーンでの撮影表現の幅を確実に広げてくれます。特に手持ちでの夜景スナップを気軽に楽しみたい場合に、このレンズは強力な味方となります。
動画撮影
前述の通り、STMによる静かで滑らかなAF、そしてフォーカスブリージングの少なさは、動画撮影において大きなメリットとなります。
作例描写: 街歩きのvlogを撮影しています。カメラを手に持ちながら歩き、目の前の景色を広角過ぎない36mm相当の画角で捉えます。AFは静かに被写体に追従し、歩きながらの撮影でもピントが迷うことなくスムーズです。カフェに入り、テーブルに置いた飲み物にピントを合わせます。最短撮影距離を活かして飲み物にぐっと寄った映像を撮りつつ、背景はF1.7でぼかします。飲み物から友人の顔へとピントを移動させる際も、スムーズなピント送りで見ていて気持ちの良い映像になります。フォーカスブリージングが少ないため、ピント位置の変化に伴う画角の揺れが気にならず、安定した映像を撮影できます。コントロールリングに露出補正を割り当てておけば、絞りリングのような直感的な操作で、スムーズな明るさ調整も可能です。
このレンズは、静止画だけでなく動画撮影にも非常に適した性能を持っています。気軽に持ち運べるサイズ感と相まって、vlog撮影や日常の動画記録にも最適です。
これらの作例描写を通して、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7が、多様なシーンでその性能を発揮し、撮影者の表現の幅を広げてくれるレンズであることがお分かりいただけたかと思います。
他のレンズとの比較:DXユーザーにとっての立ち位置
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の価値をより明確にするために、他の選択肢となるであろうレンズと比較してみましょう。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR(キットレンズ)との比較
多くのDXカメラユーザーが最初に手にするであろう標準ズームレンズです。焦点距離16-50mm(24-75mm相当)という幅広いズーム域をカバーしており、非常に汎用性が高いレンズです。また、手ブレ補正VR機構を搭載している点もメリットです。サイズ・重量も非常にコンパクトで軽量です。
- Z DX 24mm f/1.7の優位性:
- 明るさ: 圧倒的に明るい開放F1.7。キットレンズの開放F値(広角端f/3.5、望遠端f/6.3)と比較して、約2〜4段分の明るさの差があり、低照度撮影やボケ表現において大きなアドバンテージがあります。
- ボケ量: 開放F1.7により、キットレンズでは難しい豊かなボケ表現が可能です。
- 描写性能: 単焦点レンズならではの高い光学性能。解像度や収差補正において、一般的にズームレンズよりも優れています。
- 最短撮影距離: 0.12mという非常に短い最短撮影距離は、キットレンズでは不可能なクローズアップ撮影を可能にします。
- フォーカスブリージング: 動画撮影時におけるフォーカスブリージングがキットレンズよりも抑えられています。
- キットレンズの優位性:
- 汎用性: 広角から標準までのズーム域をカバーしており、一本で様々なシーンに対応できます。
- 手ブレ補正: VR機構により、特に望遠側や低速シャッターでの手ブレを効果的に抑制できます。
- 価格: カメラボディとのセット販売が多く、単体で購入するよりも安価に入手できる場合が多いです。
結論として、キットレンズは「便利さ」を追求した万能選手であるのに対し、Z DX 24mm f/1.7は「描写性能」「明るさ」「携帯性」といった点に特化した専門家と言えます。キットレンズに加えて、より質の高い写真や表現を楽しみたい場合に、Z DX 24mm f/1.7は非常に魅力的な選択肢となります。
NIKKOR Z 28mm f/2.8 (SE) や NIKKOR Z 40mm f/2 との比較(FX用レンズをDXクロップで使用)
ニコンZマウントには、FXフォーマット用ですがコンパクトで比較的安価な単焦点レンズとして、NIKKOR Z 28mm f/2.8 (SE) や NIKKOR Z 40mm f/2 があります。これらのレンズをDXボディに装着した場合、画角はそれぞれ約42mm相当と約60mm相当となります。
- Z DX 24mm f/1.7の優位性:
- 画角: 約36mm相当の画角は、これらのレンズよりも広角であり、スナップや風景、テーブルフォトなど、より多くのシーンで扱いやすいと感じるユーザーが多いかもしれません。42mmや60mmはよりポートレート向き、あるいは少し切り取るような画角です。
- 明るさ: f/1.7はf/2.8やf/2よりもさらに明るく、低照度性能やボケ量が優れています。(f/1.7はf/2.8より約1.3段、f/2より約0.5段明るい)
- 最短撮影距離: Z 28mm f/2.8は約0.19m、Z 40mm f/2は約0.29mに対し、Z DX 24mm f/1.7は0.12mと圧倒的に短く、近接撮影能力が段違いです。
- サイズ・重量: FX用レンズに比べてさらにコンパクトで軽量であり、DXボディとのバランスがより優れています。
- DX専用設計: DXフォーマットセンサーのサイズや特性に合わせて光学設計されているため、DXボディに装着した際の描写性能が最適化されています。
- FX用レンズの優位性:
- 将来性: FXボディへ移行した場合でもそのまま使用できます。
- 価格: Z 28mm f/2.8 (SE) や Z 40mm f/2 は比較的安価であり、Z DX 24mm f/1.7と近い価格帯で購入できます。
- デザイン: Z 28mm f/2.8 (SE) はクラシックなデザインでZ fcに非常に良く似合います。
これらのFX用単焦点レンズも魅力的な選択肢ですが、DXユーザーが「DXボディに最適化されたコンパクトなシステムで、明るく、特に近接撮影に強い標準〜広角単焦点を求めている」のであれば、Z DX 24mm f/1.7が最もフィットするレンズと言えます。画角、明るさ、そして最短撮影距離という点で、Z DX 24mm f/1.7はこれらFX用レンズとは異なる、DX専用ならではの強みを持っています。
「買ってよかった?」評価の総括:このレンズの真価とは
ここまで、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7の基本仕様、デザイン、光学性能、AF性能、そして多様な撮影シーンでの活用について詳しく見てきました。これらの要素を踏まえ、このレンズが「買ってよかった」と感じられるレンズなのかどうかを総括的に評価します。
結論から言うと、ニコンZ DXフォーマットカメラのユーザーであれば、「買ってよかった」と感じる可能性が非常に高いレンズと言えます。その理由は、以下の点に集約されます。
メリット
- 圧倒的な携帯性・軽さ: 約135gという質量と約43mmという全長は、レンズを着けていることを忘れるほどの軽さとコンパクトさです。Z 50, Z fc, Z 30といったDXボディとの組み合わせは、システム全体の携帯性を飛躍的に向上させます。常にカメラバッグに入れておけるサブレンズとして、あるいはこのレンズ一本だけを持って出かける「レンズ一本散歩」に最適なレンズです。この「いつでも気軽に持ち出せる」という点は、撮影機会を増やし、写真を撮る楽しさを深めてくれる大きなメリットです。
- 明るいF1.7が生み出すボケと低照度性能: 開放F1.7は、DXフォーマットの単焦点レンズとしては非常に明るく、豊かなボケ表現を可能にします。背景を大きくぼかして被写体を際立たせる表現は、単焦点レンズならではの魅力です。また、暗い場所でもシャッタースピードを稼いだり、ISO感度を抑えたりできるため、撮影できるシーンが大きく広がります。夜景や室内、夕暮れ時など、光量が少ない状況でも積極的に撮影に挑戦できます。
- 優れた光学性能(特に最短撮影距離): 単焦点レンズらしい高い描写性能を備えています。開放から中心部はシャープで、絞れば画面全体の解像度が向上します。色収差や歪曲収差も良く補正されており、自然でクリアな描写が得られます。そして何より、最短撮影距離0.12mという驚異的な性能は、このレンズの最大の個性であり強みです。被写体にぐっと寄って、背景を大きくぼかしたクローズアップ撮影を可能にし、写真表現の幅を大きく広げてくれます。テーブルフォトや小物撮影、植物や昆虫の撮影などにおいて、この性能は非常に重宝します。
- コストパフォーマンス: 発売時の価格帯は、DXフォーマット用単焦点レンズとしては手頃な価格設定となっています。この価格で、明るい開放F値、優れた描写性能、圧倒的な携帯性、そしてユニークな最短撮影距離の短さを手に入れられるのは、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。キットレンズからのステップアップや、初めての単焦点レンズとして手に取りやすい価格です。
- DXフォーマットに最適化された設計: DXフォーマットセンサーのサイズや特性に合わせて光学設計されているため、その性能を最大限に引き出すことができます。DXボディに装着した際のサイズ・重量バランスも考慮されており、システムとしての完成度が高いです。
デメリット(あるいは考慮点)
- 単焦点であること: これは単焦点レンズ全ての宿命ですが、ズームができません。画角を変えるには自分が動く必要があります。ズームレンズのような一本で何でも撮れるという汎用性はありませんが、これは単焦点レンズの特性であり、メリット(描写性能に特化できる)でもあります。
- DX専用レンズであること: 将来的にニコンZマウントのFX(フルサイズ)ボディへの移行を検討している場合、このレンズはFXボディでも使用できますが、自動的にDXクロップ(約1.5倍)されてしまいます。画素数が低下し、焦点距離も変わってしまうため、FXボディの性能を最大限に活かすことはできません。完全にFXボディへの移行を考えている場合は、FX対応レンズを検討する方が良いかもしれません。
- 防塵防滴性能: 「考慮された設計」となっており、厳密な基準での防塵防滴ではありません。小雨程度であれば問題ないと思われますが、悪天候下での積極的な使用は避けた方が無難でしょう。
どんな人におすすめか?
- ニコンZ DXカメラユーザーで、明るくコンパクトな単焦点レンズを探している人: まさにこのレンズのターゲットユーザーです。キットレンズからのステップアップや、システム全体の軽量化を目指す人に最適です。
- ボケ表現を楽しみたい人: 開放F1.7による豊かなボケは、写真表現の幅を大きく広げます。ポートレートやテーブルフォトなどで、被写体を際立たせるボケを楽しみたい人におすすめです。
- 近接撮影を多用する人: 最短撮影距離0.12mは驚異的です。テーブルフォト、小物撮影、植物や昆虫のクローズアップなど、被写体にぐっと寄った撮影を頻繁に行う人にとって、このレンズは手放せない一本となるでしょう。
- 動画撮影も楽しみたい人: 静かで滑らかなAFとフォーカスブリージングの少なさは、動画撮影において非常に大きなメリットとなります。vlog撮影など、手軽に高画質な動画を撮りたい人にもおすすめです。
- 携帯性を重視する人: 軽量コンパクトなため、カメラバッグに気軽に忍ばせておくことができます。旅行や日常のスナップで、いつでも良い写真を撮りたいという人に最適です。
ユーザーレビューからの声(想定)
インターネット上のユーザーレビューなどから想定される声としては、以下のようなものが挙げられます。
- 高評価の声:
- 「とにかく軽くて小さい!いつもカメラバッグに入れている。」
- 「開放F1.7のボケが本当に綺麗で感動した。キットレンズでは撮れなかった写真が撮れるようになった。」
- 「最短撮影距離がすごい。テーブルの上の料理が美味しそうに撮れる。」
- 「値段の割に描写が良くてびっくりした。」
- 「Z fcにぴったりで、見た目も気に入っている。」
- 「動画のAFが静かで滑らか。」
- 改善を望む声:
- 「AF/MFスイッチがレンズにあると便利だった。」
- 「もう少し広角だと嬉しかった。(例:DX 16mm f/1.7など)」
- 「フードが付属していると良かった。」(※製品によっては付属の場合あり)
多くのユーザーが、そのコンパクトさ、明るさ、そして最短撮影距離に魅力を感じているようです。単焦点であることや、FXへの将来性を考慮するといった点は、ユーザーの撮影スタイルや将来の計画によって評価が分かれる部分と言えるでしょう。
購入ガイド・注意点
- 市場価格: NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、発売時のメーカー希望小売価格は異なりますが、実売価格としては、ニコンのZマウント単焦点レンズの中では比較的安価な部類に入ります。大手家電量販店やカメラ専門店、オンラインストアなどで購入可能です。価格は変動する場合がありますので、最新の価格をご確認ください。
- 中古市場: 比較的新しいレンズですが、中古市場にも流通し始めています。コストを抑えたい場合は、状態の良い中古品を探すのも一つの方法です。ただし、保証期間や状態は必ず確認しましょう。
- 対応ボディ: ニコンZマウントのDXフォーマットカメラ、具体的にはZ 50、Z fc、Z 30に最適です。これらのボディに装着した場合、焦点距離は24mmですが、画角は約36mm相当となります。FXフォーマットカメラ(Z 5, Z 6, Z 7, Z 8, Z 9など)にも装着可能ですが、自動的にDXクロップされ、画角は約36mm相当に固定され、有効画素数も低下します。
- ファームウェア: レンズの性能を最大限に引き出すため、カメラボディとレンズ両方のファームウェアが最新の状態になっているか確認することをおすすめします。
まとめ:Z DX 24mm f/1.7は買いか?
最後に、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は「買い」なのかどうかを改めて問い直してみましょう。
ニコンZ DXフォーマットのカメラをお持ちで、以下のいずれかに当てはまる方にとって、このレンズは間違いなく「買ってよかった」と心から思える、非常に価値の高い一本です。
- キットレンズ以外のレンズで、描写性能や表現の幅を広げたいと考えている方。
- 単焦点レンズならではの、明るいF値によるボケ表現に魅力を感じる方。
- カフェでのテーブルフォトや、日常の小物、植物などをクローズアップで魅力的に写したい方。
- カメラシステム全体の軽量・コンパクトさを追求し、いつでも気軽に持ち歩きたい方。
- 静かで滑らかなAFとフォーカスブリージングの少ない、動画撮影にも適したレンズを探している方。
このレンズは、単に「コンパクトで明るいレンズ」というだけでなく、DXフォーマットのカメラシステムに新しい写真体験をもたらすレンズです。約36mm相当という扱いやすい画角、開放F1.7の明るさ、単焦点らしい優れた描写力、そして驚異的な最短撮影距離0.12m。これらの要素が高次元でバランスされており、ニコンZ DXユーザーにとって、まさに待望の単焦点レンズと言えます。
このレンズ一本が、あなたの日常や旅先でのスナップ、友人や家族とのポートレート、そして身近な物の撮影といったシーンで、これまでとは違う視点や表現の可能性を開いてくれるはずです。ズームレンズにはない、単焦点レンズならではの集中力と、被写体との距離感を楽しむことができるでしょう。
もしあなたがニコンZ DXユーザーで、表現の幅を広げたい、もっと気軽に写真を撮りたい、あるいは単焦点レンズの世界を体験してみたいと考えているなら、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は自信を持っておすすめできるレンズです。きっと「買ってよかった」と感じられる、あなたの写真ライフを豊かにしてくれるパートナーとなるはずです。
(記事終了)