macOS Mojave (10.14) 再インストール方法とダウンロードリンクの詳細解説
macOS Mojave(バージョン 10.14)は、2018年にリリースされたmacOSのバージョンです。ダークモードの導入、Mac App Storeのリニューアル、News、株価、ボイスメモ、ホームアプリの追加など、多くの新機能が盛り込まれました。現在ではCatalina、Big Sur、Monterey、Ventura、Sonomaといったより新しいバージョンがリリースされていますが、特定の古いアプリケーションやハードウェアとの互換性の問題から、あるいは単にその安定性やUIデザインが好きだという理由で、macOS Mojaveを使い続けたい、あるいは再インストールしたいと考えるユーザーは少なくありません。
この記事では、macOS Mojaveを再インストールするための詳細な手順と、公式なダウンロードリンクの見つけ方について、約5000語のボリュームで徹底的に解説します。システムの不調、パフォーマンスの低下、あるいは完全にクリーンな状態からやり直したい場合に、この記事がお役に立てるでしょう。
注意点:
- 古いmacOSバージョン(Mojaveを含む)は、セキュリティアップデートの提供が終了している場合があります。可能な限り最新のOSを使用することが推奨されますが、この記事はMojaveの再インストールを必要とするユーザー向けに書かれています。
- 再インストールプロセスは、データの損失につながる可能性があります。必ず作業を開始する前に、重要なデータのバックアップを作成してください。
- macOS Mojaveは、特定のMacモデルでのみ実行可能です。お使いのMacがMojaveに対応しているか事前に確認してください。
目次
-
macOS Mojaveを再インストールする必要がある状況
- システムのパフォーマンス低下や不安定化
- 深刻なシステムエラーや問題の解決
- マルウェアやウイルスの疑い
- Macを売却・譲渡する前のデータ消去
- 完全にクリーンな環境での再出発
- 特定のソフトウェアやハードウェアとの互換性維持
-
再インストール前の重要な準備
- Macの互換性確認
- 重要なデータのバックアップ
- Time Machineを使ったバックアップ
- クローンバックアップ
- 手動でのファイルコピーやクラウドストレージ
- Apple IDとパスワードの準備
- 安定したインターネット接続の確保
- 十分な電源(ACアダプタの接続)
- ストレージ空き容量の確認(特にクリーンインストールの場合)
- インストールメディアの準備(ダウンロードまたはUSBインストーラ)
-
macOS Mojave インストーラの入手方法
- 公式なダウンロードリンクを探す
- Appleサポートページの利用
- Mac App Storeからのダウンロード(過去に取得した場合)
- 注意点:非公式な配布元からのダウンロードは避ける
- インストーラのダウンロード手順
- 公式なダウンロードリンクを探す
-
macOS Mojaveの再インストール方法
-
方法1:macOSリカバリを使った再インストール(最も一般的)
- macOSリカバリとは? (リカバリモードの種類を理解する: Cmd+R, Option+Cmd+R, Shift+Option+Cmd+R)
- MacをmacOSリカバリで起動する
- macOSユーティリティウィンドウ
- クリーンインストールの場合:ディスクユーティリティでの消去
- ディスクユーティリティを開く
- 対象のディスク(物理ディスク)を選択する
- ディスクの消去(フォーマット、方式、名前)
- 消去の実行
- ディスクユーティリティを終了する
- 既存のシステムに上書きインストールの場合: (ディスク消去は不要)
- 「macOSを再インストール」を選択する
- インストール先のボリュームを選択する
- インストールプロセスの開始
- インストール完了までの待機
-
方法2:起動可能なUSBインストーラを使った再インストール
- 起動可能なUSBインストーラを作成する必要性
- 起動可能なUSBインストーラの作成手順
- 必要なもの(USBドライブ、Mojaveインストーラ、別のMac)
- USBドライブの準備(フォーマット)
- ターミナルを使ったインストーラの作成コマンド (createinstallmedia)
- コマンドの実行と待機
- USBインストーラを使った再インストール手順
- Macを起動可能なUSBから起動する
- macOSユーティリティウィンドウ
- クリーンインストールまたは上書きインストールの手順(方法1と同様)
-
-
再インストール後の初期設定とデータの復元
- 初期設定アシスタントの実行
- Wi-Fiネットワークへの接続
- 言語と地域の選択
- データ転送アシスタント(バックアップからの復元)
- Time Machineバックアップからの復元
- 別のMac、Windows PC、または起動ディスクからの転送
- 後で手動でファイルをコピーする場合
- Apple IDでのサインイン
- 利用規約への同意
- コンピュータアカウントの作成
- 位置情報サービス、Siri、解析などの設定
- Macの起動
-
再インストール後の追加作業
- macOSのアップデート確認 (Mojave内のマイナーアップデート)
- App Storeからのアプリケーションの再インストール
- 手動でインストールしたアプリケーションの再インストール
- 周辺機器のドライバインストール
- システムの最適化と設定
-
トラブルシューティング:再インストールで問題が発生した場合
- インストーラのダウンロードに失敗する
- 「このディスクにはインストールできません」エラー
- インストール中にエラーが発生する、フリーズする
- 起動可能なUSBが認識されない
- インストール後の起動問題
- Appleサポートへの問い合わせ
-
まとめ
1. macOS Mojaveを再インストールする必要がある状況
macOS Mojaveの再インストールを検討するのは、一般的に以下のような状況です。
システムのパフォーマンス低下や不安定化
長期間使用しているMacでは、様々なアプリのインストール/アンインストール、設定変更、一時ファイルの蓄積などにより、システムが徐々に遅くなったり、予期しないフリーズやクラッシュが発生したりすることがあります。原因特定が難しい場合、システムをクリーンな状態に戻すことでパフォーマンスが改善されることがあります。
深刻なシステムエラーや問題の解決
特定のシステムファイルが破損したり、ソフトウェアの競合が発生したりすることで、起動しない、特定の機能が使えない、頻繁にエラーメッセージが表示されるなどの深刻な問題が起きることがあります。これらの問題は、システムの上書きインストールやクリーンインストールによって解決できる可能性があります。
マルウェアやウイルスの疑い
Macもマルウェアやウイルスに感染する可能性はゼロではありません。不審な動作、ポップアップ広告の多発、意図しない設定変更などが見られる場合、セキュリティソフトでのスキャンに加えて、システムを完全にクリーンアップする目的で再インストールが有効な手段となります。特にクリーンインストールは、ドライブ全体を消去するため、感染源を徹底的に排除できます。
Macを売却・譲渡する前のデータ消去
Macを他人へ譲ったり売却したりする場合、個人情報の漏洩を防ぐために内蔵ストレージのデータを完全に消去する必要があります。macOSのインストーラ(特にリカバリモードのディスクユーティリティ)は、この目的のためにドライブを安全かつ完全に消去する機能を提供しています。OSを再インストールすることで、購入者はすぐに新しいMacとして使用を開始できます。
完全にクリーンな環境での再出発
新しいアプリを試す前や、開発環境を構築する前など、全く何もインストールされていない初期状態からMacを使い始めたい場合に、クリーンインストールが選ばれます。これにより、過去の設定やファイルの影響を受けずに、まっさらな状態から環境を構築できます。
特定のソフトウェアやハードウェアとの互換性維持
Mojaveがリリースされた当時は32ビットアプリケーションがまだ動作していましたが、macOS Catalina(10.15)以降では完全に廃止されました。古いプロフェッショナル向けソフトウェアや、開発が終了した特定のアプリケーション、あるいは古い周辺機器のドライバなどがMojaveでしか正常に動作しない場合があります。このような互換性の問題を回避するために、意図的にMojaveを使い続けたり、再インストールしたりすることがあります。
2. 再インストール前の重要な準備
再インストールはシステムの根幹に関わる作業です。予期せぬトラブルに備え、事前の準備を怠らないことが極めて重要です。
Macの互換性確認
まず、お使いのMacモデルがmacOS Mojaveに対応しているか確認してください。macOS Mojaveは、以下のモデルに対応しています(大まかなリスト):
- MacBook (Early 2015以降)
- MacBook Air (Mid 2012以降)
- MacBook Pro (Mid 2012以降)
- Mac mini (Late 2012以降)
- iMac (Late 2012以降)
- iMac Pro (2017)
- Mac Pro (Late 2013以降、およびMetal対応グラフィックカードを搭載したMid 2010またはMid 2012モデル)
具体的なモデル年は、「」メニュー > 「このMacについて」で確認できます。より詳細で正確な情報は、Appleの公式サイトで「macOS Mojave 技術仕様」や「macOS Mojave にアップグレードする方法」といったサポート記事を参照してください。お使いのMacがMojaveより古いOSまでしか対応していない場合、Mojaveはインストールできません。逆に、Mojaveよりも新しいOSで出荷されたMacの場合、Mojaveをインストールできないことがあります(一般的に、Macは出荷時に搭載されていたOSバージョン、またはそれ以降のバージョンしかインストールできません)。
重要なデータのバックアップ
これは最も重要なステップです。 特にクリーンインストール(ディスクを消去してからインストール)を行う場合、内蔵ストレージのデータはすべて失われます。上書きインストールの場合でも、万が一のトラブルに備えてバックアップは必須です。
Time Machineを使ったバックアップ
macOSに標準搭載されているTime Machineは、外付けストレージにMac全体のバックアップを簡単に作成できる非常に便利なツールです。
- 十分な空き容量のある外付けHDDまたはSSDを用意します(Macの内蔵ストレージ容量の2倍以上が推奨されます)。
- 外付けストレージをMacに接続します。
- 初めて接続する場合、「このディスクをTime Machineで使用しますか?」と表示されることがあります。表示されたら「バックアップディスクとして使用」を選択します。表示されない場合は、「」メニュー > 「システム設定」(または「システム環境設定」)> 「一般」> 「Time Machine」を開きます。
- 「バックアップディスクを追加」または「バックアップディスクを選択」をクリックし、接続した外付けストレージを選択します。
- 必要に応じて、バックアップから除外したい項目を設定します(通常はすべてバックアップで問題ありません)。
- 「今すぐバックアップを作成」または「バックアップを今すぐ作成」を選択し、バックアップを開始します。
- バックアップが完了するまで待ちます。数時間かかる場合があります。
Time Machineバックアップがあれば、再インストール後にシステム設定、アプリケーション、ファイルなど、ほとんどすべてを元の状態に戻すことができます。
クローンバックアップ
Carbon Copy ClonerやSuperDuper!のようなサードパーティ製ツールを使って、Macの起動ディスクを別の外付けストレージに丸ごとクローン(複製)することも有効なバックアップ方法です。クローンは起動可能なバックアップになるため、内蔵ディスクに問題が発生した場合でも、外付けのクローンからMacを起動して作業を続けることができます。
手動でのファイルコピーやクラウドストレージ
特定の重要なファイルやフォルダだけをバックアップしたい場合は、外付けストレージやUSBメモリに手動でコピーしたり、iCloud Drive、Dropbox、Google Driveなどのクラウドストレージサービスにアップロードしたりすることもできます。
Apple IDとパスワードの準備
macOSのインストール後、初期設定でApple IDでのサインインが求められます。Apple IDに関連付けられたiCloud、App Store、その他のAppleサービスを利用するために必要です。Apple IDとそのパスワードを事前に確認しておきましょう。二段階認証を設定している場合は、認証コードを受け取れるデバイスも手元に準備しておいてください。
安定したインターネット接続の確保
macOS Mojaveのインストーラ自体をダウンロードする場合や、macOSリカバリからインストールを行う場合、安定した高速なインターネット接続が必須です。Wi-Fiでも可能ですが、可能であれば有線(Ethernet)接続の方が安定性が高く、ダウンロード中のエラーを防ぐことができます。
十分な電源(ACアダプタの接続)
インストールプロセスは数十分から数時間かかることがあります。途中でMacの電源が切れると、システムが破損して起動できなくなるリスクがあります。必ずACアダプタを接続し、電源が供給されている状態で行ってください。
ストレージ空き容量の確認(特にクリーンインストールの場合)
クリーンインストールの場合、システムがインストールされるボリュームを消去するため、既存のデータ容量はあまり関係ありません。しかし、ダウンロードしたインストーラを保存したり、USBインストーラを作成したり、再インストール後にデータを復元したりするためには、ある程度の空き容量が必要です。上書きインストールの場合、システムファイルのために少なくとも20-30GB程度の空き容量が必要になることがあります。
インストールメディアの準備(ダウンロードまたはUSBインストーラ)
macOS Mojaveのインストーラをどこから入手し、どのように起動してインストールを開始するかを事前に決めておきます。
* macOSリカバリを利用: Macの内蔵リカバリパーティションから起動します。インターネット経由でインストーラをダウンロードしてインストールを行います。最も簡単な方法ですが、インターネット接続が必須です。
* 起動可能なUSBインストーラを利用: 事前に別のMacを使って、ダウンロードしたインストーラとUSBドライブから起動可能なインストールメディアを作成しておきます。インターネット接続がない環境や、複数のMacにインストールする場合に便利です。この方法を選択する場合は、「3. macOS Mojave インストーラの入手方法」と「4. 方法2:起動可能なUSBインストーラを使った再インストール」を事前に確認し、USBインストーラを作成しておく必要があります。
3. macOS Mojave インストーラの入手方法
macOS Mojaveは古いOSバージョンであるため、最新のmacOSのようにMac App Storeで簡単に検索してダウンロードすることはできません。Appleは古いバージョンのmacOSインストーラを、特定のサポートページ経由で配布しています。
公式なダウンロードリンクを探す
最も確実で安全な方法は、Appleの公式サポートウェブサイトからリンクを見つけることです。非公式なウェブサイトやファイル共有サイトからのダウンロードは、マルウェアが混入している危険性が非常に高いため、絶対に避けてください。
- ウェブブラウザを開き、Appleの公式サイト(apple.com)にアクセスします。
- サイト下部にある「サポート」リンクをクリックします。
- 検索バーを使って「macOS Mojave をダウンロード」や「古いバージョンの macOS を入手する」といったキーワードで検索します。
- 検索結果から、macOS Mojaveの入手方法について説明されている公式のサポート記事を見つけます。記事のタイトルは「macOS の入手方法」や「macOS をダウンロードする方法」といったものであることが多いです。
- 該当記事を開くと、ダウンロード可能な古いmacOSバージョン(High Sierra, Mojave, Catalinaなど)のリストが掲載されています。Mojaveの項目を探し、ダウンロードリンクをクリックします。
- リンクをクリックすると、Mac App StoreのMojaveページにリダイレクトされるはずです。しかし、古いOSの場合、Mac App Storeアプリが起動するだけで、直接ダウンロードページが開かないことがあります。
Mac App Storeからのダウンロード(過去に取得した場合):
もし過去に同じApple IDでmacOS Mojaveをダウンロードしたことがある場合、Mac App Storeアプリの「購入済み」タブ(最近のmacOSバージョンではユーザーのアカウントページ内の「購入したApp」のような項目)にMojaveが表示され、そこから再ダウンロードできる可能性があります。Mac App Storeアプリを開き、サイドバー下部にある自分のアカウント名をクリックし、「購入したApp」リストを確認してみてください。ただし、これも常に表示されるわけではありません。
最も一般的な公式ダウンロード方法:
Appleのサポートページにある、Mojaveに関する特定のダウンロードリンクをクリックする方法が、現在Mojaveのインストーラを入手する最も一般的な公式手順です。通常、このリンクをクリックすると、インストーラを含む.dmg
ファイルが直接ダウンロードされるか、Mac App Storeの該当ページにリダイレクトされます。Mac App Storeにリダイレクトされた場合、そこからダウンロードボタンをクリックします。ダウンロードされるファイルは「InstallOS.dmg」のような名前であることが多いです。
インストーラのダウンロード手順
- 前述の手順で、AppleサポートページからmacOS Mojaveのダウンロードリンクを見つけ、クリックします。
- Mac App Storeが開くか、
.dmg
ファイルが直接ダウンロードされます。 .dmg
ファイルがダウンロードされた場合、それをダブルクリックして開き、ディスクイメージをマウントします。その中に含まれている「InstallOS.pkg」や「Install macOS Mojave.app」といったファイルを実行します。- 通常は
.pkg
ファイルが起動し、実際のインストーラアプリケーション (Install macOS Mojave.app
) を「アプリケーション」フォルダにインストールするためのウィザードが表示されます。ウィザードに従って「アプリケーション」フォルダへのインストールを実行します。 - インストールが完了すると、「アプリケーション」フォルダに「macOS Mojave インストール.app」というアプリケーションが作成されます。これが実際のmacOSインストーラです。
- このインストーラアプリは、実行するとすぐにアップグレードまたはインストールプロセスを開始しようとします。今回は再インストールに使うため、まだ実行しないでください。 このアプリケーションは、起動可能なUSBインストーラを作成する際に使用するか、macOSリカバリから「macOSを再インストール」を選択した際にシステムが自動的に使用します。
これでmacOS Mojaveのインストーラアプリケーションが手元に準備できました。このファイルは容量が約5〜6GBあります。
4. macOS Mojaveの再インストール方法
macOS Mojaveの再インストールには主に2つの方法があります。「macOSリカバリ」を使う方法と、「起動可能なUSBインストーラ」を使う方法です。どちらの方法を選ぶかは、お使いのMacの状況や、インターネット接続の有無、クリーンインストールを行うかどうかによって判断します。
方法1:macOSリカバリを使った再インストール(最も一般的)
macOSリカバリは、Macの内蔵ストレージにある特別な起動モードです。ディスクユーティリティを使ってディスクの問題を修復したり、Time Machineバックアップから復元したり、そしてmacOSを再インストールしたりすることができます。インターネット接続があれば、MacはAppleのサーバーからmacOSのインストーラをダウンロードして再インストールを実行できます。
macOSリカバリとは? (リカバリモードの種類を理解する)
Macを起動する際に特定のキーボードショートカットを押し続けることで、異なる種類のリカバリモードに入ることができます。Mojaveの場合、通常は以下のいずれかを使用します。
- Command (⌘) + R: 現在Macにインストールされている最新のmacOSバージョンを再インストールします。MojaveがインストールされているMacでこのキーを押すと、Mojaveの再インストールが行われます。
- Option (⌥) + Command (⌘) + R: Macと互換性のある最新のmacOSバージョンにアップグレードします。Mojaveよりも新しいOSに対応しているMacでこのキーを押すと、Mojaveではなく、より新しいバージョンのmacOSがインストールされる可能性があります。
- Shift (⇧) + Option (⌥) + Command (⌘) + R: Macに付属していたmacOSバージョン、またはそれに最も近いまだ提供されているバージョンをインストールします。Mojaveより古いOSで出荷されたMacでMojaveを再インストールしたい場合に試す価値がありますが、これもインターネット接続が必須です。
今回の目的はmacOS Mojaveの再インストールなので、通常は Command (⌘) + R を使用します。 これにより、現在インストールされている(または直前にインストールされていた)Mojaveがターゲットとなります。もしCmd+Rでリカバリに入れない場合や、Cmd+Rで入ったリカバリからMojaveをインストールできない場合は、他の組み合わせも試してみてください。
MacをmacOSリカバリで起動する
- Macを完全にシャットダウンします。(「」メニュー > 「システム終了」)
- Macの電源を入れ直します。
- 起動音が鳴った直後(またはAppleロゴが表示される前)に、インストールしたいmacOSバージョンの種類に応じたリカバリキー(Command (⌘) + R)を押し続けます。
- Appleロゴが表示され、その下に進行状況バーが表示されたら、キーを離します。
- しばらくすると、言語選択画面が表示される場合があります。使用したい言語を選択し、矢印をクリックします。
- 「macOSユーティリティ」(または「OS Xユーティリティ」)というタイトルのウィンドウが表示されれば、リカバリモードでの起動は成功です。
macOSユーティリティウィンドウ
macOSユーティリティウィンドウには、いくつかのオプションが表示されます。
- Time Machineバックアップから復元
- macOSを再インストール
- Disk Utility (ディスクユーティリティ)
- Safariでオンラインヘルプを表示
クリーンインストールの場合:ディスクユーティリティでの消去
警告:この手順を行うと、Macの内蔵ストレージにあるすべてのデータが消去されます。必ず事前にバックアップを完了させてください。
クリーンインストールは、現在のシステムやデータを完全に削除し、まっさらな状態にmacOSをインストールする方法です。システムの不調を根本から解決したい場合や、Macを譲渡・売却する場合に推奨されます。
- macOSユーティリティウィンドウで「Disk Utility (ディスクユーティリティ)」を選択し、「続ける」をクリックします。
- ディスクユーティリティのウィンドウが開きます。
- 左側のサイドバーで、物理的なドライブ全体を選択します。通常、最上位に表示される項目で、Apple SSD [モデル名]やAPPLE HDD [モデル名]といった名前です。(論理ボリュームではなく、その上の階層の物理ディスクを選択することが重要です。左上の表示を「すべてのデバイスを表示」に切り替えると物理ディスクが表示されます。)
- ウィンドウ上部のツールバーにある「消去」ボタンをクリックします。
- 消去の設定画面が表示されます。
- 名前: インストール後のボリュームの名前を指定します。デフォルトの「Macintosh HD」が一般的です。
- フォーマット: 「APFS」を選択します。macOS High Sierra以降(Mojaveを含む)では、起動ディスクにAPFSフォーマットが推奨されます。
- 方式: 「GUIDパーティションマップ」を選択します。Macintoshコンピュータでの起動に必要な方式です。
- 設定を確認したら、「消去」ボタンをクリックします。
- 確認ダイアログが表示されたら、再度「消去」をクリックします。
- ディスクの消去が実行されます。これには時間がかかる場合があります。進行状況バーが表示されます。
- 消去が完了したら、「完了」をクリックし、ディスクユーティリティウィンドウを閉じます。(「」メニュー > 「ディスクユーティリティを終了」またはウィンドウ左上の閉じるボタン)
これで、Macの内蔵ストレージが完全に消去され、macOSをインストールする準備ができました。
既存のシステムに上書きインストールの場合:
既存のシステムやファイル、アプリケーションを残したまま、macOSのシステムファイルだけを新しいコピーで置き換えたい場合は、ディスクの消去は行いません。この方法は、システムファイルの破損が疑われるが、データは消したくない場合に有効です。ただし、問題の原因がシステムファイル以外にある場合は解決しないことがあります。
ディスクユーティリティを開かずに(またはディスクユーティリティを開いたとしても何も変更せずに終了して)、次のステップに進みます。
「macOSを再インストール」を選択する
- macOSユーティリティウィンドウに戻ります。
- 「macOSを再インストール」を選択し、「続ける」をクリックします。
- macOS Mojaveのインストーラアプリケーションが起動します。
- 「macOS Mojave をインストール」というウィンドウが表示されます。最初に「Mac を設定する」や「続ける」といったボタンをクリックします。
- macOSソフトウェア使用許諾契約が表示されます。内容を確認し、「同意する」をクリックします。確認のダイアログが表示されたら、もう一度「同意する」をクリックします。
- インストール先のボリュームを選択する画面が表示されます。
- クリーンインストールした場合: ディスクユーティリティで「Macintosh HD」などの名前で新しく作成したボリュームを選択します。
- 上書きインストールの場合: 現在Mojaveがインストールされているボリューム(通常は「Macintosh HD」)を選択します。
- 選択したボリュームが正しいことを確認し、「インストール」をクリックします。
インストールプロセスの開始
- インストールプロセスが開始されます。最初にインストールに必要なファイルをダウンロードするため、インターネット接続が必要です。
- ダウンロードとインストールにはかなりの時間がかかります。Macの種類、インターネットの速度、ストレージの種類(SSDかHDDか)によって異なりますが、数十分から数時間かかることを想定してください。
- 進行状況バーが表示され、残り時間が表示されますが、これはあくまで目安です。
- インストール中にMacが数回再起動することがあります。これは正常な動作です。インストールの進行中は、Macを操作したり、電源を切ったりしないでください。
- 進行状況バーが進まなく見えたり、画面が真っ黒になったりすることがありますが、電源ランプがついている限り、インストールは進行している可能性が高いです。辛抱強く待ちましょう。
インストール完了までの待機
インストーラが「macOS Mojave をインストール中」と表示している間は、基本的には待つだけです。進捗バーが表示され、残り時間が示されます。残り時間が「1分未満」と表示された後も、完了までにさらに時間がかかることがあります。画面が真っ暗になったり、Appleロゴと進捗バーだけの画面になったりしますが、電源が切れていなければインストールは続いています。
インストールが完了すると、Macは自動的に再起動し、「ようこそ」画面や初期設定アシスタントが表示されます。これでmacOS Mojaveの再インストールは完了です。
方法2:起動可能なUSBインストーラを使った再インストール
インターネット接続が不安定な環境や、複数のMacにMojaveをインストールしたい場合、あるいはリカバリパーティションが破損している場合などには、事前に作成した起動可能なUSBインストーラを使うのが便利です。この方法を実行するには、正常に動作する別のMacと、Mojaveのインストーラアプリケーション、そしてUSBドライブが必要です。
起動可能なUSBインストーラを作成する必要性
macOSリカバリは便利ですが、インターネットからインストーラをダウンロードする過程で問題が発生したり、ダウンロードに時間がかかったりする場合があります。また、リカバリパーティション自体に問題がある場合もあります。起動可能なUSBインストーラがあれば、インターネット接続に依存せず、USBドライブから直接Macを起動してインストールを開始できます。
起動可能なUSBインストーラの作成手順
この手順は、MojaveをインストールしたいMacとは別の、正常に動作しているMacで行います。
必要なもの
- macOS Mojave インストーラアプリケーション: 「3. macOS Mojave インストーラの入手方法」の手順でダウンロードし、「アプリケーション」フォルダに保存しておきます。アプリケーション名は「macOS Mojave インストール.app」です。
- USBフラッシュドライブまたは外付けHDD/SSD: 容量が16GB以上必要です。このドライブの内容はすべて消去されますので、空の、あるいは消去しても問題ないドライブを用意してください。
- 正常に動作しているMac: ターミナルコマンドを実行できるMacです。Mojaveのインストーラアプリを実行できるOSバージョンである必要があります。
USBドライブの準備(フォーマット)
USBドライブをMacのディスクユーティリティでフォーマットします。
- USBドライブをMacに接続します。
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」フォルダにある「ディスクユーティリティ」を起動します。
- 左上の表示メニューから「すべてのデバイスを表示」を選択します。
- 左側のサイドバーで、接続したUSBドライブの物理的なデバイス全体を選択します(ボリューム名ではなく、SanDisk Ultra MediaやGeneric External Mediaのような名前の項目です)。
- ツールバーの「消去」ボタンをクリックします。
- 設定画面が表示されます。
- 名前: インストールメディアであることが分かりやすい名前にします(例:
MojaveInstaller
)。この名前は後のターミナルコマンドで必要になります。 - フォーマット: 「Mac OS 拡張 (ジャーナリング)」を選択します。起動可能なインストーラを作成する際の推奨フォーマットです。(Mojaveのインストール先はAPFSですが、インストーラメディアの作成にはMac OS 拡張を使うことが多いです。)
- 方式: 「GUIDパーティションマップ」を選択します。
- 名前: インストールメディアであることが分かりやすい名前にします(例:
- 「消去」ボタンをクリックします。確認ダイアログが表示されたら、再度「消去」をクリックします。
- 消去が完了したら、「完了」をクリックし、ディスクユーティリティを閉じます。
ターミナルを使ったインストーラの作成コマンド (createinstallmedia)
macOSインストーラアプリケーションには、createinstallmedia
というコマンドラインツールが含まれています。これを使って起動可能なインストーラメディアを作成します。
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」フォルダにある「ターミナル」を起動します。
-
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。このコマンドは、ダウンロードしたMojaveインストーラを、指定したボリューム(ここでは
MyVolume
という名前のUSBドライブ)にコピーして、起動可能なインストーラにするものです。bash
sudo /Applications/Install\ macOS\ Mojave.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/MyVolume --nointeraction重要:
*sudo
は管理者権限でコマンドを実行するために必要です。
*/Applications/Install\ macOS\ Mojave.app
は、Mojaveインストーラアプリが「アプリケーション」フォルダにある場合の標準的なパスです。もし別の場所に置いた場合は、そのパスを正確に指定してください。\
はスペースをエスケープするために必要です。
*/Volumes/MyVolume
は、USBドライブの名前です。ステップ6でUSBドライブに付けた名前に合わせて、/Volumes/
の後ろの部分を正確に修正してください。 例: USBドライブの名前を「MojaveInstaller」にした場合は、/Volumes/MojaveInstaller
とします。
*--nointeraction
オプションは、確認メッセージ(通常はy/nで応答が必要)を自動で「Yes」にするためのものです。付けなくても構いませんが、その場合はコマンド実行後に確認メッセージが表示されたらy
を入力してEnterを押す必要があります。 -
コマンドを入力したら、Enterキーを押します。
sudo
コマンドのため、管理者のパスワードの入力が求められます。パスワードを入力しても画面上には何も表示されませんが、そのままEnterキーを押してください。- パスワードが正しければ、コマンドの実行が開始されます。USBドライブの内容が消去され、インストーラファイルがコピーされます。
- ターミナルには進捗状況が表示されます。
Erasing Disk: 0%... 10%... 20%...
のように消去の進捗が表示されます。Copying installer files to disk...
のようにファイルコピーの進捗が表示されます。Copy complete.
と表示された後、起動可能にするための作業が続きます。Done.
と表示されれば完了です。
コマンドの実行と待機
createinstallmedia
コマンドの実行には、USBドライブの速度やMacの性能によって時間がかかります。15分〜30分、あるいはそれ以上かかることもあります。ターミナルに「Done.」と表示されるまで、ターミナルウィンドウを閉じたり、USBドライブを取り外したりしないでください。
「Done.」と表示されたら、起動可能なmacOS MojaveインストーラUSBドライブが完成です。ターミナルを終了し、USBドライブを取り外します。
USBインストーラを使った再インストール手順
作成した起動可能なUSBインストーラを使って、MojaveをインストールしたいMacで再インストールを実行します。
- MojaveをインストールしたいMacを完全にシャットダウンします。
- 作成した起動可能なUSBインストーラをMacのUSBポートに接続します。
- Macの電源を入れ直します。
- 起動音が鳴った直後(またはAppleロゴが表示される前)に、キーボードの Option (⌥) キーを押し続けます。
- 起動ディスクの選択画面が表示されるまでOptionキーを押し続けます。
- 画面に利用可能な起動ディスクのアイコンが表示されます。内蔵ディスクやリカバリパーティションに加えて、作成したUSBインストーラのアイコン(通常は「Install macOS Mojave」という名前)が表示されているはずです。
- 矢印キーかマウス/トラックパッドで、「Install macOS Mojave」と表示されたUSBドライブを選択します。
- 選択したディスクの下に矢印が表示されたら、Enterキーを押すか、矢印をクリックします。
- MacがUSBインストーラから起動を開始します。
- しばらくすると、言語選択画面が表示される場合があります。使用したい言語を選択し、矢印をクリックします。
- 「macOSユーティリティ」というタイトルのウィンドウが表示されれば成功です。このウィンドウは、リカバリモードで起動した場合とほぼ同じです。
クリーンインストールまたは上書きインストールの手順(方法1と同様)
USBインストーラから起動した場合のmacOSユーティリティウィンドウは、方法1で説明したリカバリモードの場合とほぼ同じです。
- クリーンインストールの場合: 「Disk Utility (ディスクユーティリティ)」を選択し、内蔵ストレージを「APFS」フォーマット、「GUIDパーティションマップ」方式で消去します(「4. 方法1:ディスクユーティリティでの消去」の手順を参照)。消去後、ディスクユーティリティを終了します。
- 上書きインストールの場合: ディスクの消去は行いません。
ディスクの準備(クリーンインストールの場合のみ)が完了したら、macOSユーティリティウィンドウに戻ります。
- 「macOSを再インストール」を選択し、「続ける」をクリックします。
- インストール先のボリュームを選択する画面が表示されます。クリーンインストールした場合は新しく作成したボリューム(例: Macintosh HD)、上書きインストールなら現在のボリューム(例: Macintosh HD)を選択します。
- 「インストール」をクリックします。
- インストールプロセスが開始されます。USBインストーラからファイルをコピーするため、インターネットからのダウンロードは基本的に不要ですが、インストール完了前の最終確認などでわずかに通信が発生する可能性はあります。
- Macが数回再起動しながらインストールが進みます。
- インストールが完了すると、Macが再起動し、初期設定アシスタントが表示されます。
5. 再インストール後の初期設定とデータの復元
macOS Mojaveのインストールが完了し、Macが再起動すると、新しいMacを初めて起動したときと同じように初期設定アシスタントが起動します。
初期設定アシスタントの実行
「ようこそ」画面が表示されたら、以下の手順でMacの初期設定を行います。
- 国または地域を選択: お住まいの国または地域を選択し、「続ける」をクリックします。
- 入力方法を選択: 使用するキーボードの入力方法(日本語 – テンキーなし、など)を選択し、「続ける」をクリックします。
- Wi-Fiネットワークを選択: 利用可能なWi-Fiネットワークを選択し、パスワードを入力して接続します。インターネット接続は、データの復元やApple IDでのサインイン、Siriなどの設定に必要です。有線LANで接続している場合はこのステップはスキップされることがあります。
- 情報: プライバシーに関する説明が表示されます。内容を確認し、「続ける」をクリックします。
-
データ転送アシスタント: これが重要なステップです。バックアップからデータや設定を復元するかどうかを選択します。
- Time Machineバックアップから: Time Machineバックアップがある外付けディスクを接続し、このオプションを選択します。バックアップを選択する画面が表示されるので、復元したい時点のバックアップを選択します。システム、アプリケーション、ユーザーデータなど、ほとんどすべてを復元できます。
- 別のMac、Windows PC、または起動ディスクから: 他のコンピュータからデータを移行する場合に選択します。
- 今すぐ情報を転送しない: クリーンインストールとして、後から手動でファイルをコピーしたり、アプリケーションを再インストールしたりする場合に選択します。
ここでは通常、Time Machineバックアップからの復元を選択するのが最も簡単です。バックアップからの復元を選択した場合、復元が完了するまで待ちます。これには時間と、Macの再起動が必要になる場合があります。
-
Apple IDでサインイン: Apple IDのメールアドレスとパスワードを入力してサインインします。iCloud、App Store、FaceTime、メッセージなどのサービスにサインインされます。二段階認証を設定している場合は、信頼済みのデバイスに送信されたコードを入力します。Apple IDを使わない場合は、「スキップ」することも可能ですが、多くの機能が制限されます。
- 利用規約: 利用規約が表示されます。内容を確認し、「同意する」をクリックします。確認ダイアログが表示されたら、もう一度「同意する」をクリックします。
- コンピュータアカウントの作成: 新しいユーザーアカウントの名前、アカウント名(ログイン時に表示される名前)、パスワードを設定します。クリーンインストールの場合に必要です。Time Machineから復元した場合は、元のユーザーアカウントが復元されるためこのステップはスキップされることがあります。
- 位置情報サービス: 位置情報サービスを有効にするか選択します。
- 時間帯を設定: 現在地に基づいて時間帯が自動的に設定されます。
- 解析: AppleやAppデベロッパーと解析データを共有するか選択します。
- スクリーンタイム: スクリーンタイムを設定するか選択します。
- Siriを有効にする: Siriを有効にするか選択します。
- “Hey Siri” を設定: 「Hey Siri」呼び出しを設定するか選択します(対応機種のみ)。
- Touch IDを設定: Touch ID搭載モデルの場合、指紋認証を設定するか選択します(後で設定することも可能)。
- Apple Payを設定: Apple Payを設定するか選択します(後で設定することも可能)。
- ダークモード: macOS Mojaveの目玉機能であるダークモードを有効にするか選択します。後でシステム環境設定から変更できます。
- Macの起動: これらの設定が完了すると、Macのデスクトップ画面が表示され、Macが使用可能になります。
6. 再インストール後の追加作業
macOS Mojaveが起動し、初期設定やデータ復元が完了しても、完全に元の環境に戻すためにはいくつかの追加作業が必要になる場合があります。
macOSのアップデート確認 (Mojave内のマイナーアップデート)
macOS Mojave (10.14) を再インストールしても、通常はリリース時の最初のバージョン(10.14)がインストールされます。セキュリティの観点からも、Mojave内でリリースされた最新のマイナーアップデート(例: 10.14.6)を適用することを強く推奨します。
- 「」メニュー > 「システム環境設定」を開きます。
- 「ソフトウェアアップデート」をクリックします。
- Mojaveの新しいアップデートが利用可能であれば表示されます。「今すぐアップデート」ボタンをクリックしてダウンロードとインストールを行います。
- アップデートには時間がかかり、Macの再起動が必要になる場合があります。
App Storeからのアプリケーションの再インストール
Mac App Storeから購入またはダウンロードしたアプリケーションは、必要に応じて再インストールが必要です。
- 「App Store」アプリケーションを開きます。
- サイドバーの下部にある自分のアカウント名をクリックします。
- 「購入済み」(またはそれに類する名前のセクション)に、過去にダウンロードしたAppのリストが表示されます。
- リストから再インストールしたいAppを探し、雲のアイコン(ダウンロードボタン)をクリックして再ダウンロード・インストールします。
手動でインストールしたアプリケーションの再インストール
Mac App Store以外から入手したアプリケーション(ウェブサイトからダウンロードした.dmg
ファイルやインストーラを使ってインストールしたもの)は、元のインストーラを使って手動で再インストールする必要があります。
- クリーンインストールでデータ復元をしなかった場合は、必要なアプリケーションのインストーラを再びダウンロードしたり、バックアップから取り出したりして再インストールします。
- Time Machineなどでシステム全体を復元した場合は、ほとんどのアプリケーションは自動的に復元されているはずですが、一部の設定やライセンスのアクティベーションが必要な場合があります。
周辺機器のドライバインストール
プリンター、スキャナー、オーディオインターフェース、グラフィックタブレットなどの周辺機器は、macOS Mojaveに対応した最新のドライバソフトウェアをメーカーのウェブサイトからダウンロードしてインストールする必要がある場合があります。
システムの最適化と設定
- ログイン項目: Macの起動時に自動的に起動するアプリケーション(ログイン項目)を確認し、不要なものを無効にして起動速度を改善します。(システム環境設定 > ユーザーとグループ > ログイン項目)
- ストレージの管理: 大容量のファイルを整理したり、不要なファイルを削除したりして、ストレージ容量を最適化します。(メニュー > このMacについて > ストレージ > 管理…)
- Spotlightの設定: Spotlightのインデックス作成設定を確認し、検索範囲を調整します。(システム環境設定 > Spotlight)
- 環境設定の再設定: システム環境設定や各アプリケーションの環境設定を、必要に応じて再度設定します。
7. トラブルシューティング:再インストールで問題が発生した場合
macOSの再インストールプロセスは通常スムーズに進みますが、まれに問題が発生することがあります。ここでは、一般的な問題とその解決策をいくつか紹介します。
インストーラのダウンロードに失敗する
- インターネット接続を確認: Wi-Fi接続が不安定でないか、ルーターに問題がないか確認してください。可能であれば有線(Ethernet)接続を試してください。
- Appleのサーバー状況を確認: ごくまれに、Appleのサーバー側でメンテナンスや問題が発生している可能性があります。Appleのシステム状況ページを確認してください。
- ストレージの空き容量を確認: インストーラファイルをダウンロードするための十分な空き容量があるか確認してください。通常、インストーラ自体は5-6GB程度ですが、ダウンロードプロセス中に一時ファイルが作成されることもあります。
- ファイアウォールやセキュリティソフト: ファイアウォール設定やセキュリティソフトウェアがダウンロードを妨げている可能性がないか確認してください。
- 再試行: しばらく待ってから、もう一度ダウンロードを試してみてください。
「このディスクにはインストールできません」エラー
- フォーマットや方式を確認: インストール先のボリュームが正しいフォーマット(Mojaveの場合はAPFS)と方式(GUIDパーティションマップ)でフォーマットされているか、ディスクユーティリティで確認してください。クリーンインストールの場合、消去の際に正しく設定されているか再確認が必要です。
- 互換性のあるMacか確認: お使いのMacがmacOS Mojaveに対応しているモデルであるか、再度確認してください。対応していないMacにはインストールできません。
- 新しいOSで出荷されたMacか確認: Macは通常、出荷時に搭載されていたOSよりも古いバージョンを公式にはインストールできません。Mojaveより新しいOSで出荷されたMacの場合、Mojaveをインストールしようとするとこのエラーが表示されることがあります。
- ディスクの健全性を確認: ディスクユーティリティのFirst Aid機能を使って、インストール先のディスクにエラーがないかチェックしてください。エラーが見つかった場合は修復を試みます。深刻な物理的損傷がある場合は、ディスクを交換する必要があるかもしれません。
インストール中にエラーが発生する、フリーズする
- インターネット接続を確認: macOSリカバリからのインストールの場合、インストール中に必要なファイルをダウンロードするため、安定したインターネット接続が必要です。
- 電力供給を確認: インストール中は必ずMacがACアダプタに接続され、安定した電源が供給されている状態にしてください。
- Macの過熱: 長時間のインストールはMacが過熱する原因となることがあります。風通しの良い涼しい場所で行い、Macの通気孔が塞がれていないか確認してください。
- PRAM/NVRAMのリセット: 一部のハードウェア設定の問題は、PRAMまたはNVRAMのリセットで解決することがあります。Macをシャットダウンし、電源を入れた直後に Option + Command + P + R キーを20秒程度押し続けて離します。(Intelチップ搭載Macの場合)
- SMCのリセット: 電源管理に関する問題はSMCのリセットで解決することがあります。Macの種類(ノートブックかデスクトップか、T2チップ搭載か)によって手順が異なりますので、Appleサポートページを参照してください。
- 別のインストール方法を試す: macOSリカバリからのインストールに失敗する場合は、起動可能なUSBインストーラを作成してそちらからのインストールを試してみてください。
起動可能なUSBが認識されない
- USBポートを確認: 別のUSBポートに接続してみてください。
- USBドライブを確認: USBドライブ自体が破損していないか、別のMacで認識されるか確認してください。
- USBドライブのフォーマットと方式を確認: USBインストーラを作成する際に、Mac OS 拡張 (ジャーナリング) フォーマットと GUIDパーティションマップ方式で正しくフォーマットされているか確認してください。
createinstallmedia
コマンドの実行を確認: USBインストーラの作成が「Done.」で終了したか、コマンドが正しく実行されたか確認してください。コマンドのパスやボリューム名が間違っていないか再確認してください。- 起動時のキーを確認: Mac起動時に Option キーを正しく押し続けているか確認してください。
インストール後の起動問題
- セーフモードで起動: Shiftキーを押しながらMacを起動し、セーフモードで起動できるか試してください。セーフモードで起動できれば、インストール後にインストールしたアプリケーションやログイン項目が問題の原因である可能性があります。
- ディスクユーティリティで修復: macOSリカバリ(またはUSBインストーラ)から起動し、ディスクユーティリティで起動ディスクのFirst Aidを実行してエラーをチェック・修復します。
- 再インストールをやり直す: クリーンインストールで問題が解決しなかった場合は、再度クリーンインストールを試みたり、別のインストール方法(USBインストーラを使うなど)を試したりしてください。
Appleサポートへの問い合わせ
これらのトラブルシューティングの手順を試しても問題が解決しない場合は、Macのハードウェア的な問題やより複雑なソフトウェアの問題が考えられます。Appleの公式サポートに問い合わせて、専門家のアドバイスを受けることを検討してください。
8. まとめ
この記事では、macOS Mojave(10.14)を再インストールするための詳細な手順、公式インストーラの入手方法、そして再インストール前後の重要な作業について解説しました。システムの不調、エラー、パフォーマンス問題の解決、またはMacの譲渡・売却前のデータ消去など、Mojaveの再インストールは様々な状況で有効な手段となり得ます。
再インストールは比較的簡単な手順で実行できますが、データのバックアップは最も重要なステップです。 作業を開始する前に、必ずTime Machineやその他の方法で大切なデータを保護してください。
macOSリカバリ(Command+Rでの起動)を使った再インストールは、最も手軽で一般的な方法です。インターネット接続があれば、内蔵リカバリパーティションからインストーラをダウンロードしてインストールできます。クリーンインストールを行いたい場合は、macOSユーティリティ内のディスクユーティリティを使って内蔵ストレージを消去することを忘れないでください。
インターネット環境がない場合や、より信頼性の高い方法を好む場合は、事前に別のMacで起動可能なUSBインストーラを作成し、それを利用してインストールすることも可能です。この場合、createinstallmedia
コマンドを使ってターミナルでインストーラメディアを作成する手順が必要です。
インストール完了後、初期設定アシスタントでデータの復元や基本設定を行い、必要に応じてアプリケーションの再インストールやシステムの最適化を行います。
もしインストール中に問題が発生した場合は、記事で紹介したトラブルシューティングの手順を参考にしてください。多くの問題はディスクのフォーマットやインターネット接続、あるいは単純な再試行で解決することがあります。解決しない場合は、Appleサポートへの問い合わせを検討しましょう。
macOS Mojaveはすでに古いOSとなりましたが、特定の環境で必要とされる場合があるでしょう。この記事が、Mojave環境を維持したい、あるいは再構築したいと考えているMacユーザーの皆様の助けになれば幸いです。常に公式の配布元からインストーラを入手し、安全に作業を進めてください。