Either A or B とは?意味と正しい使い方を徹底解説
英語学習者の皆さん、こんにちは。今回は、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる重要な表現 “Either A or B” について、その意味、文法規則、様々な応用例、そしてよくある間違いまで、約5000語という大ボリュームで徹底的に解説していきます。
この表現は「AかBか、どちらか一方」という意味を持ち、選択肢を示す際に非常に便利ですが、その使い方にはいくつかの注意点があります。特に、主語になった場合の動詞の形(数の一致)や、AとBに続く要素の形(並列構造)は、多くの学習者がつまずきやすいポイントです。
この記事では、これらの文法的な疑問点を一つずつ丁寧に解消し、さらに”Either”が単独で使われる場合や、”Neither A nor B”、”Both A and B”といった類似表現との違いも明確にします。この記事を最後までお読みいただければ、”Either A or B”を自信を持って使いこなし、より自然で正確な英語表現が可能になるでしょう。
さあ、一緒に”Either A or B”の世界を探求していきましょう。
目次
- はじめに:”Either A or B”の基本概念
- “Either A or B”の基本的な意味と構造
- 「AかBかどちらか一方」の選択
- 基本的な形:Either + A + or + B
- 文法規則の徹底解説
- 主語になった場合の動詞の数の一致(Subject-Verb Agreement)
- 最も重要なルール:動詞は「B(orに近い方)」に一致する
- 具体例:単数名詞+単数名詞、単数名詞+複数名詞、複数名詞+単数名詞、複数名詞+複数名詞
- 人称代名詞の場合
- なぜ「B」に一致するのか(考え方)
- 並列構造(Parallel Structure)の重要性
- AとBは同じ文法的形式である必要がある
- 名詞と名詞
- 動詞と動詞(原形、-ing形、過去形など)
- 形容詞と形容詞
- 副詞と副詞
- 前置詞句と前置詞句
- 不定詞と不定詞
- 動名詞と動名詞
- 節と節(やや高度)
- 並列構造が崩れた場合の誤り例と修正
- 時制と相(Tense and Aspect)の一致
- 主語になった場合の動詞の数の一致(Subject-Verb Agreement)
- “Either A or B”が文中で取る役割
- 主語として
- 目的語として
- 補語として
- 修飾語(副詞的)として
- AとBに入れることができる様々な要素
- 単語レベル:名詞、代名詞、形容詞、副詞
- 句レベル:名詞句、動詞句、形容詞句、副詞句、前置詞句
- 節レベル:名詞節、副詞節(まれだが可能)
- “Either”のその他の使い方
- 単独で使われる “either” (「~もまた(否定文で)」)
- “too” や “also” との違い
- 例:「I don’t like it either.」
- 限定詞や代名詞として使われる “either” (「どちらか一方の~」「どちらか一方」)
- 例:「You can take either road.」「Either of us can go.」
- “Either A or B” の “Either” が省略される場合との違い(”A or B”)
- 強調のニュアンス
- 選択肢の数(”A or B” は3つ以上の場合もある)
- 単独で使われる “either” (「~もまた(否定文で)」)
- 類似表現との比較
- “Neither A nor B” (AでもBでもない)
- 意味、構造、動詞の一致(Bに一致するが、概念的には単数扱いが多い)
- “Either A or B” と “Neither A nor B” の対称性
- “Both A and B” (AもBも両方)
- 意味、構造、動詞の一致(常に複数)
- “A and B” (AとB)
- 意味、構造、動詞の一致(常に複数)
- “A or B” (AかBか)
- “Either A or B” とのニュアンスの違い
- “Neither A nor B” (AでもBでもない)
- 実践!よくある間違いと修正方法
- 間違い1:主語の動詞の一致をAに合わせてしまう
- 間違い2:並列構造が崩れている
- 間違い3:”either” と “or” の間に不要な単語を入れる
- 間違い4:”Neither” と “or” を組み合わせてしまう
- 間違い5:単独の “either” と混同する
- 発展的な使い方・ニュアンス
- 「どちらでも構わない」「どちらにしても」のニュアンス
- 強調としての “either”
- まとめ:「Either A or B」マスターへの道
1. はじめに:”Either A or B”の基本概念
英語には、複数の選択肢の中から一つを選ぶ状況を表す様々な方法があります。”Either A or B”はその中でも非常に一般的で、特に二つの選択肢に絞って話す際によく用いられます。直訳すると「AまたはBのどちらか」となり、文字通り「AかBか、どちらか一方を選んでください」という意味合いが基本となります。
この表現は、文中で主語、目的語、補語など、様々な役割を果たすことができます。しかし、その使い方、特に主語になった場合の動詞の形や、”Either”と”or”の間に来る要素(AとB)の形には、英語特有のルールが存在します。これらのルールを正確に理解しないと、不自然な英語になってしまったり、相手に誤解を与えてしまったりする可能性があります。
これから、”Either A or B”の核となる意味から始め、文法的なルールを丁寧に解説し、豊富な例文を通して実践的な使い方を学んでいきます。この記事を最後まで読めば、きっとこの表現に対する理解が深まり、自信を持って使いこなせるようになるでしょう。
2. “Either A or B”の基本的な意味と構造
“Either A or B”の最も核となる意味は 「AかBか、どちらか一方」 という選択です。これは、通常、二つの選択肢のうち、一つだけが現実となる、あるいは一つだけを選ぶ必要がある、という状況を示唆します。
例えば、「You can have either tea or coffee.」と言えば、「お茶かコーヒーのどちらかを選んでください(両方はダメ)」という意味になります。
基本的な構造:
この表現は、常に “Either” と “or” がセットになって使われ、その間に選択肢となる “A” と “B” が挟まれる形を取ります。
Either [A] or [B]
ここでいう [A] と [B] には、単語、句(単語の集まり)、さらには節(主語と動詞を含むまとまり)など、様々な要素を入れることができます。ただし、後述するように、[A] と [B] は同じ文法的な「種類」である必要があるという重要なルールがあります。
例:
- 名詞: You can choose either the red one or the blue one. (赤いのか青いのかどちらかを選べます。)
- 動詞句: He will either call you or send you an email. (彼はあなたに電話するか、あるいはメールを送るか、どちらかをするでしょう。)
- 形容詞: The weather is either too hot or too cold. (天気は暑すぎるか、寒すぎるか、どちらかだ。)
- 前置詞句: The key is either on the table or in the drawer. (鍵はテーブルの上か引き出しの中かどちらかです。)
このように、”Either A or B”は二つの要素を”or”で繋ぎ、「どちらか一方」であることを明確にする働きをします。”Either”を付けることで、単に”A or B”と言うよりも、「二つのうちどちらか一方」という選択のニュアンスが強まります。
3. 文法規則の徹底解説
“Either A or B”を使う上で、特に注意が必要なのは以下の二つの文法規則です。これらは、正確な英語を話したり書いたりするために不可欠なルールです。
主語になった場合の動詞の数の一致(Subject-Verb Agreement)
“Either A or B”が文の主語として使われる場合、それに続く動詞の形(特に現在形における三人称単数-s)は、“or” に最も近い主語(つまり B)の数(単数か複数か)と人称に一致させる必要があります。
これは、見た目にはAとBの両方が選択肢として並んでいますが、文法的にはBが動詞の数の一致を決定するという、少し特殊なルールです。
最も重要なルール:動詞は「B(orに近い方)」に一致する
このルールを様々なパターンで見ていきましょう。
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パターン1:Aが単数、Bが単数
- Either my brother or my sister is coming to the party.
- (私の兄(弟)か妹のどちらか一人がパーティーに来ます。)
- B (my sister) が単数なので、動詞は単数形の “is” になります。
- Either my brother or my sister is coming to the party.
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パターン2:Aが単数、Bが複数
- Either a pen or some pencils are needed for the exam.
- (ペン1本か鉛筆数本のどちらかが試験に必要です。)
- B (some pencils) が複数なので、動詞は複数形の “are” になります。
- Either a pen or some pencils are needed for the exam.
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パターン3:Aが複数、Bが単数
- Either the students or the teacher is responsible for the mistake.
- (生徒たちか先生のどちらか一人がその間違いの責任者です。)
- B (the teacher) が単数なので、動詞は単数形の “is” になります。
- Either the students or the teacher is responsible for the mistake.
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パターン4:Aが複数、Bが複数
- Either the parents or the children are at home.
- (両親か子供たちのどちらかが家にいます。)
- B (the children) が複数なので、動詞は複数形の “are” になります。
- Either the parents or the children are at home.
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人称代名詞の場合
“or” の近くに代名詞が来る場合も同じルールが適用されます。動詞は代名詞の人称と数に一致します。- Either she or I am going to present the report.
- (彼女か私のどちらか一人がレポートを発表します。)
- B (I) が一人称単数なので、動詞は “am” になります。
- Either you or he is responsible.
- (あなたか彼のどちらか一人が責任があります。)
- B (he) が三人称単数なので、動詞は “is” になります。
- Either he or you are needed for the task.
- (彼かあなたのどちらか一人がその仕事に必要です。)
- B (you) が二人称なので、動詞は “are” になります。
- Either she or I am going to present the report.
なぜ「B」に一致するのか(考え方)
このルールは、”or” が「または」という意味を持ち、主語として機能するのは最終的に「or の後ろにある要素」であると解釈されるため、あるいは単に「近いものに一致させる」という英語の慣習によるものと言われています。ネイティブスピーカーでも、特にパターン3のような「複数 + 単数」の場合に間違いやすいことがあるほどですが、正式な文法としては「Bに一致させる」が正しいとされています。
もしこのルールが分かりにくい場合は、「or の直後の単語だけを見て、それに動詞の形を合わせる」とシンプルに覚えてしまうのも一つの方法です。
並列構造(Parallel Structure)の重要性
“Either A or B” を含む文章では、[A] と [B] は同じ文法的な形式(品詞、句の種類、節の種類など)である必要があります。 これを「並列構造(Parallel Structure)」と呼びます。並列構造は、文章のバランスを整え、読み手や聞き手にとって理解しやすく、自然な響きにするために非常に重要です。
並列構造が守られていないと、文章がぎこちなく聞こえたり、意味が不明瞭になったりすることがあります。
様々な要素をAとBに入れる場合の並列構造の例を見ていきましょう。
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名詞と名詞 (Noun and Noun)
- 正しい例: You can choose either apples or bananas. (リンゴかバナナかどちらかを選べます。) – Both are nouns.
- 間違った例: You can choose either apples or to eat bananas. (誤り:apples は名詞、to eat bananas は不定詞句)
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動詞と動詞 (Verb and Verb)
“Either…or” が動詞句に作用する場合、AとBに来る動詞の形は揃える必要があります。- 正しい例 (原形): He will either call or text you. (彼はあなたに電話するか、メッセージを送るかどちらかをするでしょう。) – Both are base form verbs after “will”.
- 正しい例 (-ing形): She is either singing or playing the piano. (彼女は歌っているか、ピアノを弾いているかどちらかだ。) – Both are -ing form verbs after “is”.
- 正しい例 (過去形): I either walked or cycled to work yesterday. (昨日、私は歩いて行くか、自転車で行くかどちらかだった。) – Both are simple past tense verbs.
- 間違った例: He will either call or sending you an email. (誤り:call は原形、sending は -ing形)
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形容詞と形容詞 (Adjective and Adjective)
- 正しい例: The movie was either boring or confusing. (その映画は退屈か、混乱する内容かどちらかだった。) – Both are adjectives.
- 間違った例: The movie was either boring or caused confusion. (誤り:boring は形容詞、caused confusion は動詞句)
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副詞と副詞 (Adverb and Adverb)
- 正しい例: You should do it either carefully or quickly. (それを慎重にやるか、素早くやるかどちらかだ。) – Both are adverbs.
- 間違った例: You should do it either carefully or with speed. (誤り:carefully は副詞、with speed は前置詞句)
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前置詞句と前置詞句 (Prepositional Phrase and Prepositional Phrase)
- 正しい例: The meeting will be held either in the conference room or at the main office. (会議は会議室か本店かどちらかで開かれます。) – Both are prepositional phrases.
- 間違った例: The meeting will be held either in the conference room or main office. (誤り:in the conference room は前置詞句、main office は名詞)
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不定詞と不定詞 (Infinitive and Infinitive)
- 正しい例: She wants either to travel or to start a new hobby. (彼女は旅行するか、新しい趣味を始めるかどちらかをしたい。) – Both are “to + base verb” infinitives.
- 不定詞の場合は、二つ目の “to” は省略されることも多いですが、並列構造としては “to + base verb” が基本です。
- 正しい例: She wants either to travel or start a new hobby. (これはよく使われる形です。)
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動名詞と動名詞 (Gerund and Gerund)
- 正しい例: His favorite activities are either reading or gardening. (彼の好きな活動は、読書するか、ガーデニングをするかどちらかだ。) – Both are gerunds.
- 間違った例: His favorite activities are either reading or to garden. (誤り:reading は動名詞、to garden は不定詞)
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節と節 (Clause and Clause) – やや高度
“Either A or B” は、文や節を繋ぐ場合にも使われることがありますが、これは比較的フォーマルな文脈で、AとBが完全な節である必要があります。- 正しい例: Either he will come or he will send someone in his place. (彼が来るか、彼の代わりに誰かを送るかどちらかだ。) – Both are independent clauses.
- 間違った例: Either he will come or send someone. (誤り:send someone は完全な節ではない)
並列構造が崩れた場合の誤り例と修正
並列構造の誤りは非常に一般的です。例を通して確認し、正しく修正する方法を学びましょう。
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間違い例: My plan is either to study English or find a job.
- (誤り:to study English は不定詞句、find a job は動詞句)
- 修正: My plan is either to study English or to find a job. (不定詞句で揃える)
- 修正: My plan is either studying English or finding a job. (動名詞句で揃える – 文脈による)
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間違い例: They discussed either raising the price or to improve quality.
- (誤り:raising the price は動名詞句、to improve quality は不定詞句)
- 修正: They discussed either raising the price or improving quality. (動名詞句で揃える)
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間違い例: She is good at either writing reports or mathematics.
- (誤り:writing reports は動名詞句、mathematics は名詞)
- 修正: She is good at either writing reports or doing mathematics. (両方を動名詞句にする)
- 修正: She is good at either report writing or mathematics. (両方を名詞/名詞句にする – 意味合いが少し変わる可能性あり)
このように、並列構造を保つためには、”Either”の直後と”or”の直後に来る要素が、文法的に同じカテゴリーに属しているかを確認する必要があります。これは、英語の文章をよりクリアでプロフェッショナルに見せるための非常に重要なスキルです。
時制と相(Tense and Aspect)の一致
AとBが動詞である場合、原則として時制(過去、現在、未来など)や相(進行形、完了形など)も一致させることが多いです。これは並列構造の一種とも言えます。
- 正しい例: He either ate the apple or threw it away. (彼はリンゴを食べたか、捨てるかどちらかだ。) – Both are simple past.
- 正しい例: They either have finished the work or have gone home. (彼らは仕事を終えたか、家に帰ったかどちらかだ。) – Both are present perfect.
- 間違った例: He either ate the apple or is throwing it away. (誤り:ate は過去、is throwing は現在進行形 – 時間軸が合わない)
ただし、文脈によっては時制や相が異なることが許容される場合もあります。例えば、「彼は今家にいるか、あるいは昨日到着したかのどちらかだ」のような文脈では時制は異なります。しかし、これは稀なケースであり、AとBが直接的に比較・選択される場合は、時制・相を一致させるのが一般的です。
4. “Either A or B”が文中で取る役割
“Either A or B”というまとまりは、文中で様々な文法的役割を果たすことができます。
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主語として (As Subject)
これは前述の主語-動詞の一致のセクションで詳しく説明しました。- Example: Either the manager or his assistant has the key. (マネージャーか彼のアシスタントのどちらか一人が鍵を持っています。)
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目的語として (As Object)
動詞や前置詞の目的語として使われることがあります。- Example: You can call either me or John. (私かジョンかどちらかに電話して構いません。) – Direct object of “call”.
- Example: I want to talk to either the designer or the engineer. (デザイナーかエンジニアかどちらかと話したいです。) – Object of the infinitive “to talk to”.
- Example: The package is for either you or him. (その荷物はあなたか彼かどちらか宛てです。) – Object of the preposition “for”.
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補語として (As Complement)
主語補語や目的語補語として使われることがあります。- Example: The problem is either the software or the hardware. (問題はソフトウェアかハードウェアかどちらかです。) – Subject complement.
- Example: You should make the decision either today or tomorrow. (あなたは今日か明日かどちらかで決断を下すべきです。) – Adverbial complement indicating time. (この場合は副詞的な働きが強い)
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修飾語(副詞的)として (As Adverbial Modifier)
時間、場所、方法などを表す副詞的な働きをすることがあります。特に、動詞句全体を修飾する形で使われます。- Example: He works either at home or in the office. (彼は家かオフィスかどちらかで働きます。) – Modifies “works”, indicating place.
- Example: We can meet either in the morning or in the afternoon. (午前か午後かどちらかに会えます。) – Modifies “meet”, indicating time.
- Example: Please pay either by cash or by credit card. (現金かクレジットカードかどちらかで支払ってください。) – Modifies “pay”, indicating manner.
このように、”Either A or B”は文中の様々な位置に置かれ、主語や目的語、あるいは副詞的な情報を加える役割を果たします。どの役割を果たすかによって、文の構造全体が変わってきますが、”Either A or B”自体の内部構造(AとBの並列)は変わりません。
5. AとBに入れることができる様々な要素
セクション3.2で並列構造の観点からAとBにどのような要素が入るかを見ましたが、ここでは具体的な要素の種類を改めてリストアップし、より多くの例を示します。
“Either A or B”のAとBには、非常に幅広い種類の文法要素を入れることができます。重要なのは、AとBが同じカテゴリーであることです。
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単語レベル
- 名詞:
- You can take either the bus or the train.
- Either coffee or tea is available.
- 代名詞: (これは目的語として使うことが多いです)
- Send the report to either him or her.
- The gift is from either us or them.
- 形容詞:
- The choice is either simple or complex.
- His reaction was either angry or frustrated.
- 副詞:
- He speaks either loudly or too quickly.
- She will arrive either today or tomorrow. (時間を示す副詞/副詞句)
- 名詞:
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句レベル
- 名詞句:
- Either the old book on the shelf or the new magazine on the table is what I’m looking for. (主語)
- I bought either a red car or a blue truck. (目的語)
- 動詞句: (多くの場合、助動詞などの後に来ます)
- We should either finish the project today or postpone it until next week.
- They might either go to the cinema or stay at home and watch a movie.
- 形容詞句:
- The situation is either highly dangerous or completely harmless.
- He seems either very happy about the news or completely indifferent.
- 副詞句:
- You can find it either in the cupboard or under the sink. (場所)
- She does her work either with great care or with surprising speed. (方法)
- 前置詞句: (副詞句の一種とも見なせますが、特定の構造として重要です)
- The meeting is either before lunch or after dinner. (時間)
- We are traveling either by car or by plane. (手段)
- 名詞句:
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節レベル
- 節: (独立した節や従属節の一部)
- Either what you say is true or what he says is false. (名詞節が主語になっている例)
- Either we will invest in the new technology or we will focus on improving existing products. (独立節が並列されている例 – 文や複雑な構文で使われます)
- 節: (独立した節や従属節の一部)
このように、”Either A or B”は非常に柔軟な構造を持っており、様々な種類の要素を組み合わせて複雑な選択肢を表現することができます。重要なのは、繰り返しになりますが、AとBの間に並列構造を保つことです。
6. “Either”のその他の使い方
“Either”という単語は、”Either A or B”というフレーズの一部として使われるだけでなく、単独で、あるいは別の構造で使われることがあります。これらの用法は”Either A or B”とは意味や文法が異なるため、混同しないように注意が必要です。
単独で使われる “either” (「~もまた(否定文で)」)
“Either”が文末に単独で使われる場合、否定文において 「~もまた」「~も同様に」 という意味になります。これは、肯定文で使われる “too” や “also” の否定版のようなものです。
- 肯定文の例:
- I like coffee. You like coffee, too. / You also like coffee.
- 否定文の例:
- I don’t like coffee. You don’t like coffee, either.
この用法では、”Either”は通常、否定の動詞(don’t, isn’t, cannotなど)を伴う否定文の最後に置かれます。
例:
- A: I can’t swim. (私は泳げません。)
B: I can’t swim, either. (私も泳げません。) - She doesn’t speak Japanese. Her husband doesn’t speak Japanese, either. (彼女は日本語を話せません。彼女の夫もまた話せません。)
- We haven’t been there. They haven’t been there, either. (私たちはそこに行ったことがありません。彼らもまた行ったことがありません。)
“too” や “also” との違い:
“too” や “also” は肯定文で「~もまた」という意味を表しますが、否定文で同じ意味を表す場合は “either” を使います。
- 肯定文: I like it, too. / I also like it.
- 否定文: I don’t like it, either. (❌ I don’t like it, too. / ❌ I also don’t like it.)
否定文で “too” を使ってしまう間違いは非常に多いので注意が必要です。
限定詞や代名詞として使われる “either” (「どちらか一方の~」「どちらか一方」)
“Either”は、名詞の前に置いて限定詞(Detarminer)として 「どちらか一方の~」 という意味で使われたり、単独で代名詞(Pronoun)として 「どちらか一方」 という意味で使われたりもします。この場合、通常は二つのものや選択肢があることを前提としています。
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限定詞としての “either” + 単数名詞:
- You can take either road. (あなたはどちらかの道を進めます。) – 二つの道のうちのどちらか。
- Either answer is acceptable. (どちらかの答えは受け入れ可能です。) – 二つの答えのうちのどちらか。
- I don’t know either person. (私はどちらの人も知りません。) – 二人の人のうちのどちらも知らない。 (※ 否定文で使われると「どちらも~ない」という意味になることがあります。これは少し特別な用法です。)
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代名詞としての “either” (単独、または “either of the/these/those + 複数名詞”):
- There are two options. Either is fine. (二つの選択肢があります。どちらでも大丈夫です。) – 二つの選択肢のうちのどちらか一つを指す。
- You can choose one. Either of these two colors is beautiful. (一つ選べます。これら二つの色のどちらも美しいです。) – “either of + 複数名詞” の形。動詞は単数形になることが多いです。
- Either of us can go. (私たちのどちらか一方が行けます。) – “either of + 代名詞(複数形)” の形。動詞は単数形が多い。
この用法も、”Either A or B”とは構造が異なるので、意味を混同しないように注意しましょう。
“Either A or B” の “Either” が省略される場合との違い(”A or B”)
“Either A or B”から”Either”を取り除いて単純に “A or B” と言うことも非常に一般的です。この二つの表現には、いくつかの微妙な違いがあります。
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強調のニュアンス:
- “Either A or B” は、「AかBか、まさしくそのどちらか一方」という選択肢に絞るニュアンスや、選択を強調するニュアンスが強くなります。
- “A or B” は、よりシンプルで一般的な「AかBか」という選択肢を示す表現です。”Either” がない分、強調は弱まります。
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選択肢の数:
- “Either A or B” は、原則として 二つの選択肢 の場合にのみ使われます。
- “A or B” は、二つの選択肢だけでなく、三つ以上の選択肢 の場合にも使うことができます。
- 例: You can have coffee, tea, or juice. (コーヒーか、お茶か、ジュースか。)
したがって、選択肢が厳密に二つであり、そのどちらか一方であることを明確に強調したい場合は “Either A or B” を使うのが効果的です。単純に複数の選択肢の一つを選ぶことを示したい場合は、”A or B” で十分であり、より一般的です。
7. 類似表現との比較
“Either A or B”と似たような構造を持つ表現に、”Neither A nor B” や “Both A and B” があります。これらも選択肢や複数の要素の関係を示す表現ですが、それぞれ意味と文法が異なります。正確に使い分けることが重要です。また、単純な “A and B” や “A or B” との違いも見ていきましょう。
“Neither A nor B” (AでもBでもない)
“Neither A nor B” は、”Either A or B” と対になる否定の表現です。意味は 「Aでもなく、Bでもない」「AもBも両方とも~ない」 となります。
- 構造: Neither [A] nor [B]
- 並列構造: “Either A or B” と同様に、[A] と [B] は同じ文法的な形式である必要があります。
- 例: He likes neither coffee nor tea. (彼はコーヒーも紅茶も好きではありません。) – Both are nouns.
- 例: They will neither call nor send an email. (彼らは電話もメールもどちらもしないでしょう。) – Both are base form verbs after “will”.
- 主語になった場合の動詞の一致:
“Neither A nor B” が主語になる場合も、動詞は “nor” に最も近い主語(つまり B) に数と人称を一致させます。- 例: Neither my brother nor my sister is coming. (兄も妹もどちらも来ません。) – B (my sister) が単数なので “is”。
- 例: Neither the students nor the teacher is responsible. (生徒たちも先生もどちらも責任者ではありません。) – B (the teacher) が単数なので “is”。
- 例: Neither the teacher nor the students are responsible. (先生も生徒たちもどちらも責任者ではありません。) – B (the students) が複数なので “are”。
- 例: Neither she nor I am responsible. (彼女も私もどちらも責任者ではありません。) – B (I) が一人称単数なので “am”。
ただし、”Neither A nor B” は「AもBも両方ともない」という否定の意味合いが強いため、文法的にはBに一致させるとしても、概念的には単数扱いされることが非常に多いです。特にAとBが両方とも単数の場合は、ほとんどの場合、動詞は単数形になります。Bが複数の場合のみ、複数形を使うのが一般的ですが、それでも単数形が使われるのを耳にすることもあります(これはややインフォーマルな傾向です)。正式な場面ではBに一致させましょう。
- “Either A or B” と “Neither A nor B” の対称性:
これらの表現は非常に似た構造をしており、意味が肯定と否定で対になっています。- You can have either tea or coffee. (お茶かコーヒーどちらか。)
- You can have neither tea nor coffee. (お茶もコーヒーもどちらもダメ。)
“Both A and B” (AもBも両方)
“Both A and B” は、「AもBも両方とも」 という意味で、二つの要素を肯定的に結びつけます。
- 構造: Both [A] and [B]
- 並列構造: “Either A or B” と同様に、[A] と [B] は同じ文法的な形式である必要があります。
- 例: He likes both coffee and tea. (彼はコーヒーも紅茶も好きです。) – Both are nouns.
- 例: They will both call and send an email. (彼らは電話もメールも両方するでしょう。) – Both are base form verbs after “will”.
- 主語になった場合の動詞の一致:
“Both A and B” が主語になる場合、それは常に二つ以上の要素(AとB)を指すため、動詞は常に複数形になります。これは “Either A or B” や “Neither A nor B” とは異なる明確なルールです。- 例: Both my brother and my sister are coming. (兄も妹も二人とも来ます。) – Subjects are plural, so verb is “are”.
- 例: Both the teacher and the students are in the classroom. (先生も生徒たちも両方とも教室にいます。) – Subjects are plural, so verb is “are”.
“A and B” (AとB)
単純な接続詞 “and” を使った “A and B” は、最も基本的で一般的な「AとB」という表現です。”Both A and B” と似ていますが、少しニュアンスが異なります。
- 構造: [A] and [B]
- 並列構造: “Both A and B” や “Either A or B” と同様に、[A] と [B] は同じ文法的な形式である必要があります。
- 例: He likes coffee and tea. (彼はコーヒーと紅茶が好きです。) – Both are nouns.
- 例: They will call and send an email. (彼らは電話してメールを送るでしょう。) – Both are base form verbs after “will”.
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主語になった場合の動詞の一致:
“A and B” が主語になる場合、それは基本的に二つ以上のものをまとめて指すため、動詞は常に複数形になります。”Both A and B” と同じです。- 例: My brother and my sister are coming. (兄と妹が来ます。) – Subjects are plural, so verb is “are”.
- 例: The teacher and the students are in the classroom. (先生と生徒たちが教室にいます。) – Subjects are plural, so verb is “are”.
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“Both A and B” と “A and B” の違い:
“Both A and B” は、「AとBの両方」という「両方であること」を特に強調したい場合に用いられます。一方、単なる “A and B” は、単にAとBを並列して挙げる際に使われる、よりニュートラルな表現です。
“A or B” (AかBか)
セクション6.3で述べたように、これは “Either A or B” の “Either” が省略された形です。
- 構造: [A] or [B]
- 並列構造: “Either A or B” と同様に、[A] と [B] は同じ文法的な形式である必要があります。
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主語になった場合の動詞の一致:
“A or B” が主語になる場合も、”Either A or B” と同じく、動詞は “or” に最も近い主語(つまり B) に数と人称を一致させます。- 例: My brother or my sister is coming. (兄か妹どちらか一人が来ます。) – B (my sister) が単数なので “is”。
- 例: The students or the teacher is responsible. (生徒たちか先生どちらか一人が責任者です。) – B (the teacher) が単数なので “is”。
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“Either A or B” と “A or B” の違い:
前述の通り、”Either A or B” は二つの選択肢に絞り、「そのどちらか一方」を強調するニュアンスがあります。”A or B” はより一般的で、強調のニュアンスは薄く、三つ以上の選択肢の場合にも使われます。
これらの類似表現との違いを理解することで、文脈に応じて最も適切で自然な表現を選ぶことができるようになります。
8. 実践!よくある間違いと修正方法
ここでは、英語学習者が “Either A or B” を使う際によく犯す間違いを具体的な例とともに見ていき、正しい形を学びます。
間違い1:主語の動詞の一致をAに合わせてしまう
これは最もよくある間違いの一つです。ルールは「orに近いBに一致させる」です。
- 間違い例: Either the students or the teacher are responsible. (生徒たちか先生かどちらか一人が責任者です。)
- (誤り:主語は Either the students or the teacher。Bは the teacher (単数) なのに、動詞が are (複数) になっている。)
- 正しい形: Either the students or the teacher is responsible.
- 間違い例: Either she or I is going to the party. (彼女か私のどちらか一人がパーティーに行きます。)
- (誤り:主語は Either she or I。Bは I (一人称単数) なのに、動詞が is (三人称単数) になっている。)
- 正しい形: Either she or I am going to the party.
間違い2:並列構造が崩れている
AとBが同じ文法的な形式になっていない間違いです。
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間違い例: He decided either to quit his job or finding a new one. (彼は仕事を辞めるか、新しい仕事を見つけるかどちらかを決めた。)
- (誤り:to quit his job は不定詞句、finding a new one は動名詞句)
- 正しい形: He decided either to quit his job or to find a new one. (両方を不定詞句にする)
- 正しい形: He decided either quitting his job or finding a new one. (両方を動名詞句にする – 文脈によるが、この場合はto不定詞の方が自然なことが多い)
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間違い例: The recipe requires either fresh herbs or using dried ones. (そのレシピは生ハーブを使うか、乾燥したものを使うかどちらかが必要だ。)
- (誤り:fresh herbs は名詞句、using dried ones は動名詞句)
- 正しい形: The recipe requires either fresh herbs or dried ones. (両方を名詞句にする)
- 正しい形: The recipe requires either using fresh herbs or using dried ones. (両方を動名詞句にする)
間違い3:”either” と “or” の間に不要な単語を入れる
“Either”と”or”はセットで使われますが、その間に “and” や “but” などの他の接続詞を入れてはいけません。
- 間違い例: You can choose either coffee and tea.
- (誤り:either と and を組み合わせて使っている)
- 正しい形: You can choose either coffee or tea. (「どちらか」なら “either…or”)
- 正しい形: You can choose both coffee and tea. (「両方」なら “both…and”)
間違い4:”Neither” と “or” を組み合わせてしまう
“Neither” とセットで使われる接続詞は常に “nor” です。”or” ではありません。
- 間違い例: He likes neither coffee or tea.
- (誤り:neither と or を組み合わせて使っている)
- 正しい形: He likes neither coffee nor tea.
間違い5:単独の “either” と混同する
否定文の文末に使う “either” と、”Either A or B” を混同してしまう間違いです。
- 間違い例: I don’t want coffee, either tea.
- (誤り:Either A or B の構造を使おうとして間違っている)
- 正しい形: I don’t want either coffee or tea. (コーヒーも紅茶もどちらも欲しくない -> この場合は “Neither A nor B” の方が自然かも)
- より自然な表現: I want neither coffee nor tea.
- もし文脈が「私はコーヒーが欲しくない、あなたも?」なら: A: I don’t want coffee. B: I don’t want it, either.
これらのよくある間違いを意識することで、より正確に “Either A or B” を使いこなせるようになります。例文を繰り返し音読し、正しいパターンを耳と口で覚える練習が有効です。
9. 発展的な使い方・ニュアンス
“Either A or B” は基本的な選択を表すだけでなく、文脈によってはいくつかの発展的なニュアンスを持つことがあります。
「どちらでも構わない」「どちらにしても」のニュアンス
文脈によっては、”Either A or B” が「AでもBでもどちらでも良い」「AであろうとBであろうと、結果は同じ」という「どちらでも構わない」「どちらにしても」といった許容や無関心のニュアンスを含むことがあります。これは特に、その選択肢のどちらが選ばれても話し手にとって違いがない場合に使われます。
- Example: You can pay either by cash or by card. It makes no difference to us.
- (現金かカードどちらでも構いません。私たちには関係ありません。)
- Example: Either you apologize or you’ll be fired. The outcome is up to you.
- (謝るか、クビになるかどちらかだ。結果は君次第だ。) – この場合は「どちらでも構わない」ではなく、「どちらにしても(結果は二者択一で決まる)」というニュアンス。
- Example: Either he’s lying or he’s genuinely mistaken. In any case, I don’t believe him.
- (彼は嘘をついているか、心から間違っているかどちらかだ。いずれにしても、彼の言うことは信じない。) – 「どちらの可能性であっても、結果(信じないこと)は同じ」というニュアンス。
強調としての “either”
“Either A or B” 全体ではなく、文中で “either” が特定の要素を強調する副詞として使われることがあります。これは主に否定的な文脈で、意外性や強調を伴います。
- Example: If you don’t like this, you won’t like that either.
- (もしこれが嫌いなら、あれもまた好きではないだろう。) – 単独の “either” の用法に近いですが、「~もまた(当然のように)」という強調が入る場合があります。
- Example: He is not rich, nor is he famous either.
- (彼は裕福ではないし、有名でもまたない。) – “nor” と組み合わせて否定を強調。
この強調の用法は、文脈によって判断する必要があります。
10. まとめ:「Either A or B」マスターへの道
この記事では、”Either A or B” という英語表現について、その基本的な意味から始まり、複雑な文法規則、多様な応用例、そしてよくある間違いまで、幅広く深く掘り下げて解説しました。
キーポイントの再確認:
- 基本の意味: 「AかBか、どちらか一方」。二つの選択肢を示す際に使われます。
- 構造: Either [A] or [B]。[A]と[B]は常に同じ文法的な形式(並列構造)である必要があります。
- 主語の場合の動詞: 動詞は “or” に近い方(B) の数と人称に一致させます。これは最も間違いやすいポイントなので、繰り返し練習が必要です。
- 並列構造: [A]と[B]は名詞、動詞、形容詞、句など、同じ種類である必要があります。文章のクリアさを保つ上で非常に重要です。
- その他の Either: 単独で否定文の最後に「~もまた」という意味で使われたり、限定詞や代名詞として「どちらか一方の~」「どちらか一方」という意味で使われたりします。これらは “Either A or B” とは別の用法です。
- 類似表現:
- Neither A nor B: 「AでもBでもない」。動詞はBに一致(概念的に単数が多い)。
- Both A and B: 「AもBも両方」。動詞は常に複数形。
- A or B: より一般的。「Either」がない分強調は弱く、三つ以上の選択肢にも使える。動詞はBに一致。
- A and B: 「AとB」。動詞は常に複数形。
“Either A or B” を使いこなすことは、英語で明確かつ自然な選択を表現するために不可欠です。特に主語の動詞の一致と並列構造は、意識して練習することで着実に身につけることができます。
この記事で学んだ知識を、実際の英会話やライティングで積極的に活用してみてください。最初は間違えることもあるかもしれませんが、間違いから学ぶことが上達への一番の近道です。豊富な例文を参考に、ご自身の状況に合わせて文章を作ってみましょう。
この記事が、皆さんの “Either A or B” マスターへの確かな一歩となることを願っています。頑張ってください!