楽天銀行のSwiftコードは?海外送金での使い方を解説

【徹底解説】楽天銀行のSwiftコードは?海外送金の受け取り・送金方法、手数料、知っておくべき全知識

はじめに

グローバル化が進む現代において、海外との金銭のやり取りは様々な場面で必要不可欠となっています。海外の家族への送金、海外からの商品購入、海外からの報酬の受け取り、あるいは留学や海外移住に伴う資金の移動など、その目的は多岐にわたります。しかし、いざ海外送金をしようとすると、「Swiftコードとは何だろう?」「どうやって送金・受け取りをすればいいのだろう?」「手数料はいくらかかるのだろう?」といった疑問や不安に直面する方も少なくありません。

特に、普段インターネットバンキングを中心に利用している楽天銀行で海外送金を行う場合、その手続きや必要な情報について詳しく知りたいというニーズは高いでしょう。海外送金は国内送金とは異なり、複数の金融機関を経由したり、国境を越えるための特別なルールや情報が必要となるため、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

その海外送金において、受取銀行を特定するために最も重要な情報の一つが「Swiftコード」です。このSwiftコードがないと、送金指示が正しく伝わらず、資金が目的の銀行口座に届かない可能性が高いです。

本記事では、楽天銀行での海外送金(送金・受け取り)に焦点を当て、その鍵となる「Swiftコード」について、その意味や必要性から、楽天銀行のSwiftコード、そして具体的な送金・受け取り方法、かかる手数料、さらには知っておくべき注意点まで、約5000語にわたって徹底的に解説します。この記事を読めば、楽天銀行を利用した海外送金に関する疑問や不安が解消され、安全かつスムーズに手続きを進められるようになることを目指します。

さあ、楽天銀行での海外送金をマスターするための旅を始めましょう。

第1章:Swiftコードとは?海外送金になぜ不可欠なのか

海外送金を行う上で、最も頻繁に目にする専門用語の一つが「Swiftコード」です。このコードは、海外の金融機関との間で資金をやり取りする際に、受取銀行を正確に特定するために不可欠なものです。ここでは、Swiftコードとは具体的にどのようなもので、なぜ海外送金においてそれほどまでに重要なのかを詳しく見ていきましょう。

1.1 Swift (Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication) とは

Swiftは「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の頭文字を取ったもので、「国際銀行間金融電文通信協会」と訳されます。これは、世界の金融機関の間で、安全かつ迅速な金融取引に関する情報のやり取りを可能にするために設立された協同組合です。

Swiftは1973年に設立され、ベルギーに本部を置いています。設立の目的は、当時時間とコストがかかっていた国際的な金融取引における情報伝達を効率化し、標準化することでした。それまで、金融機関間の国際的なコミュニケーションはテレックスなどの古い技術に依存しており、非効率でエラーも発生しやすい状況でした。

Swiftネットワークの登場により、金融機関は標準化されたメッセージ形式を用いて、安全かつ効率的に送金指示や確認などの情報をやり取りできるようになりました。このネットワークは、世界中の金融機関を結ぶ強固なインフラとして機能しており、国際送金を含む様々なクロスボーダー取引を支えています。

現在、Swiftには世界中の200以上の国・地域から11,000以上の金融機関が加盟しており、日々数百万件の金融取引メッセージがこのネットワークを通じてやり取りされています。この圧倒的な加盟数と利用件数が示すように、Swiftは今日のグローバルな金融システムにおいて、文字通り基盤となる存在と言えます。国際的な送金や決済の多くは、このSwiftネットワークを経由して行われています。

1.2 Swiftコード(BICコード)の詳細

Swiftコードは、正式には「BICコード(Bank Identifier Code)」とも呼ばれます。これは、Swiftが管理・発行する、世界中の金融機関を一意に識別するためのコードだからです。BICコードという名称を聞くこともありますが、一般的には「Swiftコード」と呼ばれることの方が多いでしょう。

Swiftコードは、通常、8桁または11桁のアルファベットと数字で構成されています。このコードには、その金融機関に関する重要な情報が詰め込まれています。

コードの構成要素は以下の通りです。

  • 最初の4桁:銀行コード (Bank Code)
    • アルファベットのみで構成され、その金融機関固有の識別子です。例えば、日本の銀行では、みずほ銀行は「MHCB」、三菱UFJ銀行は「BOTK」、三井住友銀行は「SMBC」といったように、各銀行に割り当てられています。楽天銀行の銀行コードは「RAKT」です。
  • 次の2桁:国コード (Country Code)
    • ISO 3166-1 alpha-2 標準に基づく、その金融機関が所在する国を示す2桁のアルファベットです。例えば、日本は「JP」、アメリカは「US」、イギリスは「GB」、ドイツは「DE」となります。楽天銀行が所在する日本は「JP」です。
  • 次の2桁:場所コード (Location Code)
    • 英数字で構成され、その金融機関の本店または支店が所在する都市や地域を示すコードです。これは、通常、銀行の所在地を表すために用いられます。
  • 最後の3桁:支店コード (Branch Code) – 11桁の場合のみ
    • 英数字で構成され、特定の支店を識別するためのコードです。この3桁は省略されることがあり、その場合は8桁のSwiftコードとなります。8桁のSwiftコードは、通常、その銀行の本店(メインオフィス)を表します。特定の支店を指定したい場合は、11桁のコードが必要になりますが、多くの場合、本店を示す8桁のコードでも問題なく送金できます。これは、送金指示に含まれる口座番号によって、銀行内でどの口座宛か特定できるためです。楽天銀行の場合も、通常は本店を示す8桁のコードが用いられます。

例えば、架空のSwiftコード「AAAAJPBB」や「AAAAJPBBCCC」があった場合、真ん中の「JP」が日本を示しており、この銀行が日本国内に本店または支店を置いていることが分かります。

Swiftコードは、世界の金融機関リストである「BIC Directory」に登録されており、このディレクトリはSwiftによって管理され、常に最新の状態に保たれています。金融機関は、海外送金などの際にこのディレクトリを参照して、相手銀行のSwiftコードを確認します。

1.3 なぜ海外送金にSwiftコードが必要なのか

海外送金は、国内送金のように単に銀行名と口座番号があれば完了するわけではありません。国境を越えて異なる国・地域の金融システム間で資金を移動させるためには、いくつかの重要な情報が必要です。Swiftコードは、その中でも特に「送金先の受取銀行を世界的に一意に特定する」という極めて重要な役割を担っています。

海外送金は、通常、送金銀行から始まり、複数の「中継銀行(コルレス銀行)」を経由して、最終的に受取銀行に着金するという経路をたどります。この過程で、資金がどの銀行に向かっているのかを正確に伝える必要があります。その際に使われる「住所」のようなものが、Swiftコードなのです。

Swiftコードがないと、送金銀行は資金をどこに送れば良いのか分かりません。同じ銀行名であっても、国が違えば全く別の銀行ですし、同じ国にあっても異なる銀行である可能性もあります。Swiftコードは、世界中に多数存在する金融機関の中から、目的とする受取銀行をピンポイントで特定するための国際標準の識別子として機能します。

送金指示メッセージには、送金額、通貨、受取人名、受取人口座番号など様々な情報が含まれますが、受取銀行のSwiftコードはそのメッセージのルーティングにおいて中心的な役割を果たします。Swiftネットワークを通じて送られるメッセージは、このSwiftコードを基に、正しい受取銀行へと転送されていきます。

つまり、海外送金においてSwiftコードは、資金を正確かつ迅速に受取銀行に届けるための「銀行の国際的な住所」であり、送金プロセスにおいて不可欠な情報と言えるのです。Swiftコードが間違っていると、送金が遅延したり、資金が迷子になったり、最悪の場合は送金が失敗して組み戻しになる可能性も高まります。

1.4 IBAN (International Bank Account Number) との関係

海外送金に関して、Swiftコードと並んでよく耳にするのが「IBAN(International Bank Account Number)」です。これも、海外送金に必要な情報の一つですが、Swiftコードとは役割が異なります。

IBANは「国際銀行勘定番号」と訳され、欧州を中心に多くの国で導入されている、受取人の口座を一意に識別するための国際標準規格の番号です。IBANは、Swiftコードのように銀行そのものを特定するのではなく、特定の銀行内に存在する「特定の口座」を識別するために使用されます。

IBANは、以下の要素で構成されています(国によって桁数は異なりますが、最大34桁です)。

  • 国コード (2桁アルファベット): ISO 3166-1 alpha-2 標準に基づく、口座がある国のコード。
  • チェックデジット (2桁数字): 番号の正確性を検証するための数字。入力ミスを防ぐ役割があります。
  • 国内銀行口座番号 (最大30桁英数字): その国の国内ルールに基づいた銀行コードと口座番号。

IBANが導入されている国(主に欧州経済領域(EEA)加盟国や中東の一部など)へ送金する際は、Swiftコードに加えてIBANの指定が必須となる場合がほとんどです。これは、IBANが受取人の口座情報を国際的に標準化しているため、送金プロセスをより効率的かつ正確に進めることができるからです。IBANには銀行コードも含まれていますが、それでも送金ルートを確立するためにはSwiftコード(BICコード)が必要です。

一方、日本やアメリカ、カナダなど、IBANシステムを採用していない国へ送金する場合は、IBANの代わりに、銀行コード(Swiftコードの一部または別途指定されるコード)と受取人の口座番号の指定が必要となります。日本の銀行(楽天銀行を含む)からIBANが必要な国へ送金する場合、あるいはIBANが必要な国から日本の銀行へ送金する場合も、それぞれの必要に応じてSwiftコードやIBAN、口座番号などの情報を正しく指定する必要があります。

まとめると、Swiftコードは「受取銀行」を特定するためのコードであり、IBANは「受取人の特定の口座」を特定するためのコードです。これらは相補的な役割を果たし、送金先国によって両方が必要になったり、Swiftコードと国内の口座番号が必要になったりします。

第2章:楽天銀行のSwiftコード

それでは、具体的に楽天銀行のSwiftコードはどのようなもので、どこで確認できるのでしょうか。楽天銀行で海外送金を受け取る際、または楽天銀行から海外へ送金する際に必要となる、楽天銀行自身のSwiftコードについて説明します。

2.1 楽天銀行の正式なSwiftコード

楽天銀行の正式なSwiftコードは以下の通りです。

RAKTJPJT

この8桁のコードが、楽天銀行を世界中の金融機関の中から一意に識別するためのコードです。

このコードを構成要素ごとに見てみましょう。

  • RAKT: 楽天銀行の銀行コードです。
  • JP: 楽天銀行が所在する国、日本を示す国コードです。
  • JT: 楽天銀行の本店が所在する場所を示す場所コードです。

この「RAKTJPJT」は8桁のコードであり、支店コード(最後の3桁)が付加されていません。これは、このコードが楽天銀行の本店を表しているためです。通常、海外送金を受け取る際に指定するSwiftコードとしては、この8桁の「RAKTJPJT」で問題ありません。送金指示には、このSwiftコードに加えて受取人(あなた)の楽天銀行の口座番号が含まれるため、楽天銀行内でどの口座に資金を入金すれば良いかは正確に特定できます。

楽天銀行の英文名称は「RAKUTEN BANK, LTD.」です。海外からの送金を受け取る際には、この英文名称も併せて送金元に伝える必要がある場合があります。

2.2 Swiftコードはどこで確認できるか

楽天銀行のSwiftコード「RAKTJPJT」は、以下の場所で確認することができます。

  • 楽天銀行公式サイト:
    楽天銀行の公式サイトには、海外送金に関するページが設けられています。このページ内で、海外からの送金を受け取る際に必要な情報として、楽天銀行のSwiftコードが明記されています。通常、「海外からの送金を受け取るには」といったセクションやFAQの中に記載されています。最新かつ正確な情報を得るためには、公式サイトを確認するのが最も確実な方法です。
  • 楽天銀行口座の取引画面(インターネットバンキング):
    楽天銀行のインターネットバンキングにログインし、口座情報やお知らせなどのページを確認すると、Swiftコードを含む海外からの送金受け取りに関する情報が記載されていることがあります。また、海外送金の取引画面内で送金・受け取りに関する説明の一部としてSwiftコードが確認できる場合もあります。
  • 楽天銀行からの案内メールや書類:
    楽天銀行で口座開設した際や、海外送金サービスに関する案内を受け取った際に、必要な情報としてSwiftコードが記載されている場合があります。
  • 楽天銀行カスタマーセンターへの問い合わせ:
    上記の方法で確認できない場合や、不明な点がある場合は、楽天銀行のカスタマーセンターに問い合わせて確認することも可能です。ただし、営業時間や混雑状況によっては時間がかかる場合があります。

最も手軽で推奨される方法は、楽天銀行の公式サイトまたはインターネットバンキングで確認することです。これらの情報源は常に最新の状態に保たれている可能性が高いため、安心して情報を取得できます。

重要なのは、海外からの送金を受け取る際には、送金元に正確なSwiftコード「RAKTJPJT」を伝えることです。もし間違ったコードを伝えてしまうと、送金が正常に行われないリスクがあります。

第3章:楽天銀行で海外送金を受け取る方法(Swiftコードの使い方)

海外にいる家族や友人、あるいは取引先から楽天銀行の口座に送金してもらう場合、あなたが送金を受け取る側となります。この場合、送金元に対して、あなたの楽天銀行口座に正しく送金するための情報を伝える必要があります。その情報の中に、楽天銀行のSwiftコード「RAKTJPJT」が含まれます。

ここでは、楽天銀行で海外送金を受け取る際に必要な情報と、その使い方、そして注意点について詳しく解説します。

3.1 海外からの送金受け取りに必要な情報

海外からあなたの楽天銀行口座へ送金してもらう際に、送金元(送金人および送金人が利用する金融機関)が必要とする情報は以下の通りです。これらの情報を正確に送金元に伝えることが、スムーズな着金のために最も重要です。

  1. 受取人名 (Account Holder Name):
    • 楽天銀行口座の名義と完全に一致するように伝えてください。原則として、アルファベット(ローマ字)で伝えます。例えば、「山田 太郎」さんの口座であれば「TARO YAMADA」となります。ミドルネームがある場合はそれも含めます。口座開設時に登録した名義と一字一句違わないように注意が必要です。名前が一致しないと、マネーロンダリング対策などの観点から、入金が保留されたり、送金元に返金されたりする可能性があります。
  2. 受取人口座番号 (Account Number):
    • あなたの楽天銀行の口座番号です。これは、あなたが楽天銀行から付与されている固有の番号です。通常、インターネットバンキングでログインすれば確認できます。
  3. 受取銀行のSwiftコード (Swift Code / BIC Code):
    • これが本記事の主題である、楽天銀行のSwiftコード「RAKTJPJT」です。これを送金元に伝えてください。
  4. 受取銀行の銀行名 (Bank Name):
    • 楽天銀行の正式な英文名称「RAKUTEN BANK, LTD.」を伝えてください。
  5. 受取銀行の支店名 (Branch Name) および住所 (Branch Address):
    • 通常、海外からの送金においては、特定の支店ではなく銀行全体(本店)宛てに送金されることが多いため、本店情報が必要になります。楽天銀行の場合、Swiftコード「RAKTJPJT」は本店を指しているため、本店情報を提供します。楽天銀行の本店所在地は「TOKYO, JAPAN」となります。正確な住所情報は、楽天銀行の公式サイトで確認できますが、一般的には「TOKYO, JAPAN」の記載で問題なく処理されます。より詳細な住所を求められた場合は、「Otemachi Financial City South Tower, 1-9-7 Otemachi, Chiyoda-ku, Tokyo 100-0004, Japan」となりますが、多くのケースでは「RAKUTEN BANK, LTD., RAKTJPJT, TOKYO, JAPAN」といった形式で十分です。
  6. 銀行コード (Bank Code – 国内用):
    • 日本の国内送金で使用する銀行コード「0036」は、海外送金では通常必要ありませんが、送金システムによっては求められる場合があります。その際は「0036」を伝えてください。
  7. その他:
    • 送金元がIBANシステムを採用している国(主に欧州)からの送金の場合、送金銀行によってはIBAN形式での表示を求められることがあります。日本の銀行口座にはIBANが割り当てられていませんが、送金銀行のシステム上で日本の口座番号などをIBAN形式に変換して入力する場合や、IBANが必須入力項目となっている場合があります。この点については、送金元の指示に従う必要があります。楽天銀行の公式サイトなどで、海外からの送金受け取りに関するFAQを確認すると、IBANに関する記載がある場合があります。

これらの情報をまとめて、送金元に分かりやすく伝えることが重要です。可能であれば、楽天銀行が提供している「海外からの送金受け取りに必要な情報」といった形式のテンプレートがあれば、それを利用すると間違いを防ぐことができます。

3.2 必要な情報の入手先

前述の海外送金受け取りに必要な情報は、以下の場所で入手できます。

  • 楽天銀行公式サイト:
    「海外からの送金受け取り」や「よくある質問(FAQ)」のページで、必要な情報(Swiftコード、銀行名、住所など)を確認できます。これが最も信頼できる情報源です。
  • 楽天銀行のインターネットバンキング:
    ログイン後、「口座情報」や「各種設定」などのメニューの中に、海外送金受け取りに関する情報が記載されていることがあります。
  • 楽天銀行カスタマーセンター:
    公式サイトやインターネットバンキングで見つけられない場合や、特定の状況(例:非居住者口座での受け取りなど)に関する詳細を確認したい場合は、カスタマーセンターに問い合わせてください。

これらの情報源から、受取人名(ご自身の口座名義)、口座番号、楽天銀行のSwiftコード(RAKTJPJT)、銀行名(RAKUTEN BANK, LTD.)、本店所在地(TOKYO, JAPAN など)を正確に取得してください。

3.3 海外送金を受け取る際の手順

海外から楽天銀行口座への送金を受け取る際、あなたが楽天銀行側で行う特別な手続きは、原則としてありません

主な手順は以下の通りです。

  1. 送金元に必要情報を正確に伝える:
    前述の「受取人名、口座番号、Swiftコード、銀行名、住所など」を、送金元に連絡します。メールやメッセージなどで、コピペできるようにテキスト形式で伝えるのが誤りを防ぐ上で有効です。
  2. 送金が実行されるのを待つ:
    送金元が、あなたが伝えた情報を使って、送金元の金融機関から海外送金の手続きを行います。
  3. 着金を確認する:
    送金が正常に行われ、楽天銀行に着金すると、楽天銀行から着金通知のメールが届く場合があります。また、インターネットバンキングにログインして、取引履歴や入出金明細を確認することで、着金したかどうかを確認できます。通常、着金時には、送金金額から後述の中継銀行手数料などが差し引かれた金額が入金されます。

非常にシンプルですね。あなたが正確な情報さえ送金元に伝えれば、あとは待っているだけで資金が楽天銀行口座に入金される仕組みです。

3.4 海外送金受け取りに関する注意点

海外からの送金を受け取る際には、いくつかの注意点があります。これらを事前に理解しておくことで、トラブルを防ぎ、スムーズに資金を受け取ることができます。

  • 中継銀行手数料について:
    海外送金は、送金銀行から受取銀行へ直接資金が移動するのではなく、間に一つまたは複数の中継銀行(コルレス銀行)を経由するのが一般的です。この中継銀行も、送金を処理するために手数料を徴収します。この手数料は、送金金額から差し引かれる形で発生することが多く、「中継銀行手数料(コルレス手数料)」と呼ばれます。そのため、送金元が送金した金額よりも、実際にあなたの楽天銀行口座に着金する金額が少なくなる可能性があります。送金元が「送金手数料は負担する(OUR)」という指示を出していても、中継銀行手数料は別途差し引かれる場合があるため、注意が必要です。着金予定額と実際の着金額が異なる場合は、この中継銀行手数料が差し引かれた可能性があります。
  • 着金までの日数:
    海外送金は、国内送金のように即時着金することは稀です。送金先の国、送金銀行、経由する中継銀行の数、送金を実行した曜日や時間帯、さらに送金先国や日本国内の祝休日などの要因によって、着金までにかかる日数は大きく変動します。通常、数営業日から1週間程度かかることが多いですが、さらに時間がかかる可能性もあります。特に週末や祝日を挟む場合は、その分日数が多くかかります。急ぎで資金を受け取りたい場合は、送金元に早めに手続きをしてもらう必要があります。
  • 受取可能な通貨:
    楽天銀行が受け取れる外貨の種類には制限があります。一般的に米ドル、ユーロ、英ポンドなどの主要通貨は受け取り可能ですが、それ以外の通貨で送金された場合、楽天銀行で取り扱っていない通貨であれば、送金元に返金されるか、米ドルなどに強制的に両替されて入金される可能性があります。楽天銀行の公式サイトで、受け取り可能な通貨について事前に確認しておくことをお勧めします。
  • 非居住者の口座での受け取りについて:
    あなたが非居住者である場合、楽天銀行口座での海外送金の受け取りに関して制限や特別な手続きが必要となる可能性があります。日本の金融機関は、非居住者の顧客に対して、国内居住者とは異なるルールを適用することがあります。非居住者の方は、事前に楽天銀行に問い合わせるなどして、ご自身の口座で海外送金を受け取れるかどうか、また必要な手続きについて確認しておく必要があります。
  • マネーロンダリング対策等からの確認:
    国際的な金融取引においては、マネーロンダリングやテロ資金供与対策(AML/CFT)の観点から、厳格な審査が行われます。海外からの送金に関しても、送金目的や送金元の情報について、楽天銀行から追加で確認を求められる場合があります。確認に時間を要する場合、着金が遅れることがあります。速やかに求められた情報を提供することが重要です。
  • 情報入力ミス:
    送金元が入力情報を間違えた場合(Swiftコード、口座番号、受取人名など)、送金が正常に処理されず、遅延したり、組戻し(送金元の口座に資金が返金されること)になったりするリスクがあります。情報入力ミスによる組み戻しには、手数料がかかる場合もあります。送金元には、あなたが伝えた情報を正確に入力してもらうよう、重ねて依頼することが大切です。

これらの注意点を理解し、送金元との連携を密にすることで、海外からの送金をスムーズに受け取ることができます。

第4章:楽天銀行から海外へ送金する方法(Swiftコードの使い方)

次に、あなたが楽天銀行の口座から海外の銀行口座へ送金する場合について説明します。この場合も、送金先の銀行を特定するためにSwiftコードが必要になります。

楽天銀行からの海外送金は、主にインターネットバンキングを通じて行うことができます。ここでは、送金手続きの詳細、必要な情報、手数料、限度額などについて詳しく見ていきましょう。

4.1 楽天銀行からの海外送金の概要

楽天銀行は、インターネットバンキングを通じて海外送金サービスを提供しています。これにより、支店窓口に行く必要なく、自宅や外出先からパソコンやスマートフォンを使って海外へ送金することができます。

楽天銀行からの海外送金で利用できる主な機能や特徴は以下の通りです。

  • オンライン完結:
    送金手続きは、楽天銀行のインターネットバンキング上で行います。事前の登録や本人確認が必要となる場合があります。
  • 送金可能な国・通貨:
    楽天銀行が送金可能な国や通貨には制限があります。送金したい国や通貨に対応しているかどうかは、事前に楽天銀行の公式サイトで確認が必要です。主要な国・通貨には対応しているのが一般的です。
  • 送金目的の指定:
    海外送金では、マネーロンダリング対策等の観点から、送金目的の申告が義務付けられています。送金目的はプルダウンメニューから選択したり、詳細を記述したりします。

楽天銀行から海外へ送金する際には、送金先の銀行情報、特にSwiftコードを正確に入手しておくことが最も重要です。

4.2 送金手続きの詳細ステップ

楽天銀行から海外へ送金する際の具体的な手続きの流れは、以下のようになります(インターネットバンキングの操作画面に沿って説明します)。

  1. 楽天銀行のインターネットバンキングにログイン:
    まずは、ユーザーIDとパスワードを使って楽天銀行のインターネットバンキングにログインします。
  2. 海外送金メニューへのアクセス:
    ログイン後、メニューの中から「海外送金」や「振込・支払」の中にある海外送金関連の項目を選択します。初めて利用する場合は、海外送金サービスの利用登録が必要になることがあります。この利用登録の際に、本人確認書類の提出などが求められる場合があります。
  3. 送金先の登録(初回の場合):
    初めて同じ相手に送金する場合は、送金先情報を登録する必要があります。送金先情報には、受取人の氏名、住所、電話番号などに加えて、受取銀行の情報(銀行名、Swiftコード、支店名、住所)および受取人の口座情報(口座番号またはIBAN)を入力します。一度登録しておけば、次回以降は登録済みの送金先を選択するだけで、情報の再入力の手間が省けます。
  4. 送金情報の入力:
    登録済みの送金先を選択するか、新規の送金先情報を入力します。ここで正確に入力すべき情報は以下の通りです。

    • 受取人情報: 氏名(フルネーム、アルファベット表記)、住所、電話番号など。送金先の銀行や国によっては、生年月日などの追加情報が必要な場合もあります。
    • 受取銀行情報: 銀行名(正式英文名称)、Swiftコード(BICコード)、支店名(もし11桁のSwiftコードを使用する場合や、特定の支店を指定する場合)、支店住所。Swiftコードは8桁または11桁で入力します。通常は8桁で問題ありませんが、受取銀行から11桁を指定されている場合はそれに従います。
    • 受取人口座情報: 口座番号(Account Number)またはIBAN。IBANが必要な国への送金の場合は、必ずIBANを正確に入力します。口座番号とIBANは混同しないように注意が必要です。
    • 送金金額と通貨: 送金したい金額と通貨を指定します。円建てで送金して受取銀行で両替してもらうか、外貨建てで送金するかを選択します(楽天銀行が対応している通貨に限ります)。通常は外貨建てで送金するのが一般的です。
    • 送金目的: 事前に定義されたリストの中から、送金目的を選択します(例:生活費、学費、商品購入代金など)。適切な目的を選択してください。
    • 手数料負担方法: 送金手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料などの負担方法を選択します。「OUR(送金人負担)」、「BEN(受取人負担)」、「SHA(送金人と受取人で費用を分担)」のいずれかを選択します。通常、全額送金したい場合はOURを選択しますが、それでも中継銀行手数料は差し引かれる可能性があることに注意が必要です。多くの場合はSHAが選択されますが、これは手数料の種類によって負担者が異なる方式です。手数料については後述で詳しく説明します。
  5. 入力情報の確認:
    入力したすべての情報が表示されるので、間違いがないか徹底的に確認します。特に、Swiftコード、口座番号/IBAN、受取人名、金額、通貨は、一文字でも間違えると資金が正しく届かない、あるいは遅延・組戻しになるリスクが高いため、細心の注意を払って確認してください。
  6. 手数料の確認:
    送金金額に対してかかる手数料(送金手数料、為替手数料など)が表示されます。総額でいくらの費用がかかるのか、また、実際に受取人にいくらの金額が届く見込みなのか(手数料負担方法による)を確認します。
  7. 最終確認と送金実行:
    すべての情報と手数料を確認し、同意したら、パスワード入力などを行って送金を実行します。これで送金手続きは完了です。楽天銀行から送金受付完了のメールが届く場合があります。

楽天銀行のインターネットバンキングの画面の指示に従って進めれば、比較的スムーズに手続きを進めることができます。ただし、海外送金に必要な情報収集は、送金人が責任を持って行う必要があります。

4.3 送金に必要な情報(受取人側から入手すべきもの)

楽天銀行から海外へ送金する際に、最も重要なのは、送金先の受取人および受取銀行から正確な情報を入手することです。以下の情報は、送金前に必ず受取人に確認し、入手してください。

  • 受取人の氏名 (Full Name):
    • 口座名義と完全に一致する、アルファベット表記のフルネーム。
  • 受取人の住所 (Address):
    • 受取人の現住所。
  • 受取銀行の銀行名 (Bank Name):
    • 正式な銀行名(通常は英文)。
  • 受取銀行のSwiftコード (Swift Code / BIC Code):
    • 受取銀行の正式なSwiftコード。8桁または11桁。受取人に確認してください。
  • 受取銀行の支店名 (Branch Name) および住所 (Branch Address):
    • 通常は本店情報で十分ですが、受取銀行から特定の支店情報や住所を指定された場合はその通りに入力します。
  • 受取人の口座番号 (Account Number) またはIBAN (International Bank Account Number):
    • 受取人が利用している口座の番号。IBANシステム採用国への送金の場合は、必ずIBANを入手します。間違った番号を指定すると、資金が別の口座に入金されたり、組戻しになったりします。
  • その他:
    • 国によっては、さらに追加の情報(例:ABA Routing Number, Sort Code, BSB Number など特定の国内銀行コード、あるいは受取人のID番号など)が必要な場合があります。これは送金先の国や銀行によって異なるため、必ず受取人に必要な情報を全て確認してもらってください。

これらの情報は、受取人が自身の利用している銀行に問い合わせるか、インターネットバンキングの口座情報ページなどで確認することができます。送金手続きを始める前に、これらの情報を全て正確に揃えておくことが、トラブルなく送金するための鍵となります。可能であれば、受取人から銀行発行の「海外送金受け取り情報」のような書類を入手するか、メールなどでテキスト形式で正確な情報を送ってもらうと、入力ミスを防ぐことができます。

4.4 楽天銀行からの海外送金に関する手数料

海外送金には、送金金額に加えて様々な手数料がかかります。これらの手数料の種類と、楽天銀行での体系について理解しておくことは、送金コストを把握する上で非常に重要です。

海外送金にかかる主な手数料は以下の通りです。

  1. 送金手数料 (Remittance Fee / Wire Transfer Fee):
    • これは、あなたが楽天銀行に支払う、海外送金サービスを利用するための手数料です。送金金額や通貨に関わらず、1回の送金手続きごとにかかる固定料金や、送金金額に対する割合で計算される場合があります。楽天銀行の具体的な送金手数料は、公式サイトで確認してください。他の銀行と比較して手数料が安いことが楽天銀行のメリットの一つとされる場合があります。
  2. リフティングチャージ (Lifting Charge):
    • 円貨をそのまま外貨建てで送金する場合や、外貨預金から外貨建てで送金する場合など、為替両替が発生しない送金にかかる手数料です。これは、銀行が円貨を外貨に両替せずに(つまり為替手数料を取らずに)送金処理を行うことに対する手数料として課されるものです。楽天銀行でも、外貨建て送金を行う際にこのリフティングチャージが発生する場合があります。金額は銀行によって異なります。
  3. 中継銀行手数料 (Correspondent Bank Fee / Intermediary Bank Fee):
    • 送金銀行から受取銀行へ資金が届くまでに経由する、一つまたは複数の銀行(中継銀行)が徴収する手数料です。送金ルートによって経由する中継銀行の数や種類が異なるため、この手数料の金額は事前に確定できないことがほとんどです。送金金額から差し引かれる形で発生することが多く、これが送金額と着金額に差が出る主な原因となります。中継銀行手数料は、送金銀行(楽天銀行)がコントロールできるものではありません。
  4. 受取銀行手数料 (Receiving Bank Fee):
    • 送金を受け取る側の銀行が、着金処理を行うために徴収する手数料です。この手数料も、受取銀行の規定によって異なり、送金金額から差し引かれるか、受取人が受取銀行に別途支払うかのどちらかになります。
  5. 為替手数料 (Exchange Rate Margin / Spread):
    • 円貨を外貨に両替して送金する場合(または外貨を円貨に両替して受け取る場合)にかかる実質的な手数料です。これは、銀行が顧客に適用する為替レート(TTSやTTB)と、市場の実勢レート(TTM)との間に設けられた差額(スプレッド)として徴収されます。例えば、1ドル150円の市場レートの時に、銀行が顧客に150.50円で外貨を売る場合、0.50円が為替手数料となります。送金金額が大きくなるほど、この為替手数料の総額も大きくなります。楽天銀行も、送金時の為替レートにこの為替手数料を含めています。

手数料負担方法の選択肢:

送金手続きの際に選択できる手数料負担方法には、主に以下の3種類があります。

  • OUR (オウア): 送金に関わる全ての手数料(送金手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料)を送金人が負担する方法です。受取人は送金された金額を満額受け取れるはずですが、実際には中継銀行手数料が送金金額から差し引かれることが多いです。受取人に確実に満額届けたい場合に選択されることが多いですが、送金人側の負担が最も大きくなります。
  • BEN (ベン): 送金に関わる全ての手数料(送金手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料)を受取人が負担する方法です。送金人は楽天銀行への送金手数料のみを支払うか、それも受取人負担とするかを選択しますが、いずれにしても中継銀行手数料と受取銀行手数料は送金金額から差し引かれるため、受取人が受け取る金額は送金額よりかなり少なくなります。
  • SHA (シェア): 送金手数料は送金人が負担し、中継銀行手数料および受取銀行手数料は受取人が負担する方法です。これが最も一般的な選択肢です。この場合、楽天銀行への送金手数料はあなたが支払い、中継銀行と受取銀行が徴収する手数料は送金金額から差し引かれるため、受取人が受け取る金額は送金額よりも少なくなります。

楽天銀行の具体的な送金手数料やリフティングチャージの金額、為替レートに上乗せされる手数料(スプレッド)については、楽天銀行の公式サイトで最新情報を確認してください。これらの手数料は変更される可能性があります。

4.5 送金限度額について

楽天銀行から海外へ送金できる金額には、上限(限度額)が設定されています。この限度額は、マネーロンダリング対策や安全な取引の観点から設けられています。

  • 1回あたりの送金限度額: 1回の送金手続きで送金できる上限金額です。
  • 1日あたりの累計送金限度額: 1日の間に複数回送金した場合の合計金額の上限です。
  • 1ヶ月あたりの累計送金限度額: 1ヶ月間の累計送金金額の上限です。

これらの限度額は、顧客の利用状況や本人確認の状況などによって異なる場合があります。また、楽天銀行が定める限度額とは別に、送金先の国や受取銀行側で受け取り可能な金額に制限が設けられている可能性もあります。

楽天銀行の具体的な送金限度額については、楽天銀行の公式サイトで確認してください。高額の送金を予定している場合は、事前に限度額を確認し、必要であれば限度額の変更手続きについて問い合わせる必要があります。ただし、限度額の変更には制限がある場合や、追加の本人確認が必要となる場合があります。

4.6 送金にかかる日数

楽天銀行から海外へ送金した場合、受取人の口座に着金するまでにはある程度の日数がかかります。国内送金のように即時着金するわけではありません。

  • 目安となる日数:
    一般的に、主要な国・通貨への送金であれば、数営業日(2~5営業日程度)で着金することが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、状況によって大きく異なります。
  • 日数を左右する要因:
    送金にかかる日数は、様々な要因によって変動します。

    • 送金先の国・地域: 金融システムやインフラの違いにより、日数が異なります。発展途上国などでは時間がかかる傾向があります。
    • 送金先の通貨: 主要通貨であれば比較的早いですが、マイナーな通貨だと時間がかかることがあります。
    • 経由する中継銀行の数: 中継銀行が多いほど、各銀行での処理時間が必要となるため、日数がかかります。
    • 送金を実行した曜日・時間帯: 週末や祝日(日本、送金先国、中継銀行の国)にかかる場合は、その日数分だけ処理が遅れます。各国の営業時間や休日を考慮する必要があります。
    • 送金金額: 高額な送金の場合、マネーロンダリング対策などの観点から審査に時間がかかり、遅延することがあります。
    • 情報入力の正確性: 送金情報(Swiftコード、口座番号、受取人名など)に間違いがあった場合、確認や修正に時間がかかり、大幅に遅延したり、組戻しになったりします。
    • 受取銀行側の処理時間: 受取銀行が着金処理を行うまでの時間も日数を左右します。

もし送金から目安の日数以上経過しても着金しない場合は、まず楽天銀行のインターネットバンキングの取引履歴で送金状況を確認し、必要であれば楽天銀行のカスタマーセンターに問い合わせて、送金状況の調査を依頼することができます。ただし、調査には時間がかかる場合があり、また中継銀行や受取銀行側の都合による遅延の場合、楽天銀行側で直接的な解決が難しい場合もあります。

スムーズな着金のためには、送金先の情報(特にSwiftコードと口座番号/IBAN)を正確に入力すること、そして手続きはできるだけ早めに、各国の営業日を考慮して行うことが推奨されます。

第5章:楽天銀行の海外送金に関するその他の情報と注意点

楽天銀行で海外送金を利用する上で、上記以外にも知っておくと役立つ情報や、注意しておくべき点があります。

5.1 楽天銀行の海外送金のメリット・デメリット

楽天銀行の海外送金サービスを利用するメリットとデメリットを理解しておくことは、他の送金方法と比較検討する上で参考になります。

メリット:

  • オンライン完結: インターネットバンキングを通じて、24時間いつでも(システムメンテナンス時間を除く)手続きができるため、時間や場所を選ばずに送金できます。銀行の窓口に行く手間が省けます。
  • 比較的低い手数料: 一般的に、メガバンクなどの伝統的な銀行と比較して、楽天銀行の海外送金手数料は低めに設定されている傾向があります。特にインターネット専業銀行ならではのメリットと言えるでしょう。ただし、為替レートに含まれる手数料(スプレッド)や中継銀行手数料、受取銀行手数料も含めたトータルコストで比較することが重要です。
  • 簡単な手続き(慣れれば): 一度利用すれば、送金先の登録などもできるため、次回以降はスムーズに手続きを進めることができます。

デメリット:

  • 対応国・通貨に制限がある可能性: 全ての国や通貨に対応しているわけではない場合があります。送金したい国や通貨が対応しているか、事前に確認が必要です。
  • 特定のサービスがない場合: 一部の資金移動業者が提供しているような、より安価な送金方法や、特定の国への特化した送金サービスなどは提供していない場合があります。
  • トラブル時の対応: オンライン完結のため、対面での相談はできません。問い合わせは電話やメールなどが中心となります。複雑なケースでは、状況把握や解決に時間がかかる可能性もあります。
  • 初めての利用は戸惑う可能性: 海外送金特有の情報入力(Swiftコード、IBANなど)や手続きフローに慣れていない場合、最初は戸惑うかもしれません。

5.2 海外送金サービスの種類(比較)

海外送金の方法は、銀行の海外送金だけではありません。近年では、資金移動業者と呼ばれる新しいタイプの送金サービスが登場しており、これらと比較検討することも重要です。

  • 銀行の海外送金(楽天銀行含む):
    • 特徴: Swiftネットワークを利用し、伝統的な銀行間での送金を行います。信頼性が高く、多くの国・通貨に対応していますが、手数料が比較的高めになる傾向があります(特に中継銀行手数料や為替手数料)。
    • メリット: 信頼性、広範なネットワーク。
    • デメリット: 手数料が高い傾向、手続きに時間がかかる場合がある。
  • 資金移動業者 (例: Wise (旧 TransferWise), Revolut, Western Union, MoneyGramなど):
    • 特徴: 独自の送金ネットワークや仕組みを利用して送金を行います。銀行よりも手数料が安く、為替レートも有利な場合が多く、送金スピードが速いことが特徴です。オンラインまたは専用アプリで手続きが完結するものが多いです。
    • メリット: 手数料が安い、為替レートが有利、送金スピードが速い、利便性が高い。
    • デメリット: 利用できる国・通貨に制限がある場合がある、送金上限額が設定されている場合がある、銀行送金ほどではないが一定の信頼性確認が必要。

楽天銀行を選ぶべきケースとしては、以下のような場合が考えられます。

  • 既に楽天銀行の口座を持っており、他の銀行やサービスを新たに利用したくない場合。
  • 少額の送金で、手数料の差がそれほど気にならない場合。
  • 資金移動業者が対応していない国や通貨へ送金する場合。
  • 伝統的な銀行のシステムを通じた送金の方が安心できると感じる場合。

一方で、頻繁に海外送金を行う、送金額が大きい、手数料を極力抑えたい、送金スピードを重視するといった場合は、資金移動業者を含めた比較検討が有効です。

5.3 海外送金における本人確認(KYC)の重要性

海外送金は、国内送金と比較して、より厳格な本人確認(Know Your Customer – KYC)や取引内容の確認が求められます。これは、国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防ぐための国際的な規制(AML/CFT規制)に基づいています。

  • 法令遵守 (AML/CFT):
    日本の金融機関は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)」などに基づき、顧客の本人確認や取引目的の確認、疑わしい取引の届出などが義務付けられています。海外送金は、これらの規制の対象となる典型的な取引です。
  • 本人確認手続き:
    楽天銀行で初めて海外送金サービスを利用する際には、追加の本人確認書類の提出などが求められる場合があります。また、一定金額以上の送金を行う場合や、通常とは異なる取引と判断された場合には、改めて本人確認や送金目的の詳細な説明を求められることがあります。
  • 追加確認が必要となる場合:
    送金金額が高額である、送金先がリスクの高い国・地域である、送金目的が不明確であるなど、楽天銀行が取引の安全性を確認する必要があると判断した場合、送金手続き後に追加で本人確認書類や送金目的を証明する書類(例:請求書、契約書など)の提出を求められることがあります。これらの確認に時間がかかると、送金が遅延します。迅速に対応することが重要です。

これらの本人確認や確認は、犯罪防止のために必要な手続きであり、利用者の安全を守るためのものでもありますので、理解と協力が必要です。

5.4 知っておくべき税金について

海外送金を行った場合、その取引自体に直接税金がかかるわけではありませんが、送金の目的によっては税金が発生する可能性があります。

  • 贈与税:
    個人から個人へ、年間110万円を超える金額を「贈与」として海外送金した場合、受け取った側に日本の贈与税がかかる可能性があります(受贈者が日本国内に住所があるなど、日本の贈与税の課税対象となる場合)。また、贈与者が日本居住者である場合は、国外にいる受贈者への贈与であっても日本の贈与税がかかる場合があります。親子間や夫婦間であっても、海外への資金移動が贈与と見なされるケースがあり得ますので注意が必要です。
  • その他の税金:
    商品やサービスの対価として海外送金を行う場合、消費税や所得税、法人税などが関連してくる可能性があります。例えば、海外からのサービスの提供を受けて対価を支払う場合、日本の消費税の課税対象となる場合があります。

税金に関する扱いは複雑であり、個々の状況によって異なります。特に高額の海外送金を行う場合や、贈与の可能性がある場合は、事前に税務署や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。楽天銀行は税務に関する専門的なアドバイスを提供することはできません。

5.5 トラブルシューティング

海外送金では、残念ながらトラブルが発生する可能性もゼロではありません。よくあるトラブルとその対応について知っておきましょう。

  • 送金情報に誤りがあった場合:
    送金手続きを完了した後で、Swiftコード、口座番号、受取人名などの情報に間違いがあったことに気づいた場合、速やかに楽天銀行のカスタマーセンターに連絡してください。送金がまだ処理段階であれば、修正やキャンセルが可能な場合があります。しかし、すでに送金ネットワークに乗ってしまった後では、修正が困難になったり、組み戻し手続きが必要になったりします。組み戻しには手数料がかかり、また資金が戻ってくるまでに時間がかかります。
  • 送金が遅れている場合:
    楽天銀行の定める目安の日数以上経過しても受取人に着金しない場合、まずインターネットバンキングの取引履歴でステータスを確認します。ステータスが進んでいない場合や不明な場合は、楽天銀行のカスタマーセンターに問い合わせて、送金状況の調査を依頼します。遅延の原因(中継銀行での保留、受取銀行での確認待ちなど)が判明する場合があり、それに応じた対応が必要になります。
  • 送金が組戻しになった場合:
    送金が正常に行われず、送金元の口座に資金が戻ってきた場合(組戻し)、何らかの問題が発生したことを意味します。原因としては、情報入力ミス、受取人口座の凍結、送金先国・銀行の規制、マネーロンダリング対策による保留後の返金などが考えられます。組戻しの場合、送金手数料や中継銀行手数料などが差し引かれて返金されることが多く、手数料は戻ってきません。組戻しの理由については、楽天銀行から連絡があるか、問い合わせて確認する必要があります。原因が判明したら、正確な情報で再度送金手続きを行う必要があります。
  • 問い合わせ先:
    海外送金に関する不明点やトラブルが発生した場合は、楽天銀行のカスタマーセンターに問い合わせてください。電話やメールでの問い合わせ窓口が用意されています。海外送金に関する問い合わせであることを伝え、必要な情報(送金日時、送金額、送金先、受付番号など)を準備しておくと、スムーズに対応してもらえます。

5.6 情報の正確性に関する注意喚起

本記事で説明した楽天銀行の海外送金に関する情報(特に手数料、限度額、手続きの詳細など)は、記事執筆時点での情報に基づいています。しかし、金融サービスの内容や手数料、規約などは、銀行の都合や法規制の変更などにより、予告なく変更される可能性があります。

したがって、楽天銀行で海外送金を行う際には、必ず以下の点に注意してください。

  • 楽天銀行公式サイトで最新情報を確認:
    海外送金の手続きを行う前に、必ず楽天銀行の公式サイトで、送金手数料、リフティングチャージ、為替レート、送金限度額、送金手続きに関する最新の情報、対応国・通貨などを確認してください。
  • 規約・約款を確認:
    海外送金サービスに関する楽天銀行の規約や約款をよく読み、同意した上で利用してください。
  • 送金前に受取人・受取銀行に必要情報を再確認:
    送金先のSwiftコード、銀行名、口座番号/IBAN、受取人名などの情報は、送金前に必ず受取人に再度確認してもらい、正確な情報を入手してください。古い情報や間違った情報に基づくと、トラブルの原因となります。

金融取引、特に海外送金は、金額の多寡に関わらず、ご自身の責任において行うものです。本記事の情報は参考として活用し、最終的な判断と手続きは、ご自身で公式サイト等を確認の上、慎重に行ってください。

まとめ

本記事では、楽天銀行のSwiftコードを中心に、海外送金の受け取り方、送り方、かかる手数料、そして知っておくべき重要な注意点について、徹底的に解説しました。

まず、Swiftコード(BICコード)は、世界中の金融機関を一意に識別するための国際標準コードであり、海外送金において受取銀行を正確に特定するために不可欠な「銀行の国際的な住所」であることを説明しました。

そして、楽天銀行の正式なSwiftコードは「RAKTJPJT」であり、このコードは楽天銀行の公式サイトやインターネットバンキングで確認できることを述べました。

楽天銀行で海外送金を受け取る際には、このSwiftコード「RAKTJPJT」に加えて、あなたの正確な口座名義、口座番号、楽天銀行の英文名称、本店所在地などの情報を送金元に伝える必要があることを解説しました。受け取り自体にあなたの側での特別な手続きは原則不要ですが、中継銀行手数料が差し引かれる可能性があることや、着金までの日数には幅があることなどの注意点も説明しました。

一方、楽天銀行から海外へ送金する際には、送金先の銀行のSwiftコードや口座番号/IBAN、受取人情報などを正確に入力して、インターネットバンキングを通じて手続きを行う流れを詳しく解説しました。海外送金には、送金手数料、リフティングチャージ、為替手数料に加えて、中継銀行手数料や受取銀行手数料など様々な費用がかかること、そして手数料負担方法を選択する必要があることについても説明しました。また、送金限度額や送金にかかる日数の目安、そしてそれらを左右する要因についても触れました。

最後に、楽天銀行の海外送金のメリット・デメリット、資金移動業者との比較、本人確認の重要性、税金に関する注意、そしてトラブル時の対応や、情報の正確性を常に公式サイトで確認することの重要性を強調しました。

海外送金は、必要な情報を正確に把握し、手続きを慎重に進めれば、決して難しいものではありません。本記事が、楽天銀行を利用した海外送金を行う際の羅針盤となり、皆様の海外送金が安全かつスムーズに行われる一助となれば幸いです。

グローバルな資金移動が、あなたの生活やビジネスをより豊かにすることを願っています。

免責事項

本記事は、楽天銀行の海外送金に関する一般的な情報提供を目的として執筆されたものです。楽天銀行のサービス内容、手数料、規約、手続きの詳細などは、記事執筆時点から変更される可能性があります。

本記事の内容に基づいて海外送金を行ったことによるいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いかねます。

楽天銀行の海外送金サービスを利用する際は、必ず楽天銀行の公式サイトで最新の正確な情報、規約、約款をご確認ください。また、海外送金に関する個別の状況(送金目的、金額、送金先国など)については、ご自身の判断と責任において行ってください。税金に関するご質問は、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。

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