あなたのWindows 11でSteamゲームが起動しない?今すぐ試せる原因特定と解決策を徹底解説!
Steamで新しいゲームをインストールしたのに起動しない、昨日まで遊べていたゲームが突然起動しなくなった… Windows 11ユーザーの皆さん、そんな経験はありませんか? 大好きなゲームを始めようと意気込んだのに、エラーメッセージが表示されたり、何も起こらずにデスクトップに戻されたりすると、本当にがっかりしますよね。
Steamゲームが起動しない原因は多岐にわたります。ゲームファイル自体の問題、Steamクライアントの問題、Windows 11システムの設定、グラフィックドライバーの不具合、セキュリティソフトウェアの干渉、さらにはハードウェアのスペック不足や故障まで、考えられる要因は様々です。そのため、問題を解決するには、一つずつ可能性のある原因を潰していく地道な作業が必要になります。
この記事では、Windows 11環境でSteamゲームが起動しない場合に、あなたが今すぐ試せる解決策を、原因の切り分け方から具体的な手順まで、徹底的に詳しく解説します。約5000語のボリュームで、考えられるあらゆる角度からのアプローチを網羅することを目指しました。この記事を読みながら、あなたのPCで発生している問題を特定し、解決への糸口を見つけていきましょう。
焦る必要はありません。まずは落ち着いて、紹介する方法を上から順に、あなたのPC環境に合わせて試してみてください。多くの場合は、これから紹介する基本的な手順で問題が解決するはずです。
1. 問題の切り分け:何が原因か?
闇雲に設定を変更する前に、まずは問題の状況を把握することが重要です。いくつかの質問に答えることで、問題の根本原因を特定する手がかりが得られます。
- 特定のゲームだけが起動しないのか、それとも全てのSteamゲームが起動しないのか?
- 特定のゲームだけなら、そのゲーム固有の問題(ファイル破損、設定ミス、そのゲームのバグなど)の可能性が高いです。
- 全てのSteamゲームが起動しないなら、Steamクライアント自体、Windows 11システム、グラフィックドライバーなど、システム全体に関わる問題の可能性が高いです。
- 最近までゲームは正常に起動していたか、それとも初めて起動しようとしているか?
- 最近まで起動していたのに突然起動しなくなった場合は、最近PCに加えた変更(Windows Update、ドライバー更新、新しいソフトウェアのインストール、ハードウェアの増設など)が原因である可能性が高いです。
- 初めて起動しようとしている場合は、PCのスペック不足、ゲームのインストール失敗、必須ランタイム(DirectX, Visual C++など)の不足や破損などが考えられます。
- 何かエラーメッセージは表示されるか?表示される場合、どのようなメッセージか?
- エラーメッセージには、問題の原因に関するヒントが含まれていることが多いです。表示されるエラーコードやメッセージ内容を正確にメモしておきましょう。インターネットでそのエラーメッセージを検索すると、解決策が見つかることがあります。
- PCのOSは最新の状態か?グラフィックドライバーは最新の状態か?
- 古いOSやドライバーは、ゲームの動作に悪影響を与えることがあります。
- PCのスペックは、ゲームの必要動作環境を満たしているか?
- 特にグラフィックボード、CPU、メモリ、ストレージの空き容量を確認しましょう。必要動作環境を下回っている場合は、ゲームを快適にプレイすることは難しい可能性がありますが、それでも最低動作環境を満たしているか確認することは重要です。
- 最近、PCに新しいソフトウェアやセキュリティソフトをインストールしたか?
- 新しくインストールしたソフトウェアが、ゲームやSteamと競合している可能性があります。
これらの問いかけによって、問題の方向性が見えてきたはずです。それでは、具体的な解決策を一つずつ試していきましょう。
2. 基本的なトラブルシューティング(まずはここから!)
まずは、最もシンプルで効果的な方法から試していきます。これらの手順は、一時的な不具合や軽微なエラーを解消するのに役立ちます。
2.1 PCの再起動
多くのPCの問題は、再起動によって解決します。これは、メモリの一時的なエラーがリセットされたり、バックグラウンドで実行されている不要なプロセスが終了したりするためです。
手順:
- スタートボタンをクリックします。
- 電源アイコンをクリックします。
- 「再起動」を選択します。
- PCが完全にシャットダウンし、再起動するまで待ちます。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
PCを使い続けていると、様々なプログラムがメモリ上に残り、システムの応答が悪くなったり、一時的な不具合が発生したりすることがあります。再起動は、これらの状態をリフレッシュし、システムをクリーンな状態に戻す最も簡単な方法です。
2.2 Steamクライアントの再起動
Steamクライアント自体に一時的な不具合が発生している場合、Steamを再起動することで解決することがあります。
手順:
- 画面右下のタスクトレイにあるSteamアイコンを探します。
- Steamアイコンを右クリックします。
- 表示されるメニューから「Steamを終了」を選択します。
- Steamが完全に終了するまで待ちます(少し時間がかかることがあります)。タスクマネージャーを開き、
steam.exe
などの関連プロセスが実行されていないことを確認するとより確実です。 - デスクトップにあるSteamアイコンをダブルクリックするか、スタートメニューからSteamを起動します。
- ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Steamクライアントもまた一つのアプリケーションです。長時間起動していたり、特定の操作を行ったりすることで、内部的な状態が不安定になることがあります。再起動によってクライアントの状態がリセットされ、問題が解消される可能性があります。
2.3 Steamクライアントを管理者として実行する
権限不足によってゲームやSteamが正しく動作しない場合があります。Steamクライアントを管理者権限で実行することで、この問題を回避できることがあります。
手順:
- Steamクライアントが起動している場合は、完全に終了させます(前述の「Steamクライアントの再起動」の手順3~4を参照)。
- デスクトップにあるSteamアイコンを右クリックします。
- 表示されるメニューから「管理者として実行」を選択します。
- ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら、「はい」をクリックして許可します。
- Steamが起動後、ゲームが起動するか確認してください。
注意点:
毎回管理者として実行するのはセキュリティ上のリスクをわずかに高める可能性があります。この方法で問題が解決した場合、恒久的な解決策として毎回管理者権限で実行するように設定することも可能ですが、まずは問題の原因特定の一環として一時的に試すことをお勧めします。恒久的に設定するには、Steamの実行ファイル(通常 C:\Program Files (x86)\Steam\Steam.exe
)を右クリックし、「プロパティ」→「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れて「適用」→「OK」をクリックします。
なぜ効果があるのか?
一部のゲームやその関連ファイルは、システムの特定の領域にアクセスしたり、特定の操作を実行したりするために管理者権限を必要とすることがあります。Windows 11のセキュリティ機能(UACなど)によってこれらの操作がブロックされると、ゲームが正常に起動しない可能性があります。管理者権限で実行することで、必要なアクセス権が付与され、問題が解消されることがあります。
2.4 ゲームファイルの整合性を確認する
Steamには、インストールされているゲームファイルが破損したり、欠落したりしていないかを確認し、必要であれば自動的に修復する機能があります。ゲーム固有の問題である可能性が高い場合に、最初に試すべき重要な手順です。
手順:
- Steamクライアントを起動します。
- 「ライブラリ」タブを開きます。
- 起動しないゲームをライブラリリストから探します。
- そのゲーム名を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 開いたウィンドウの左側メニューで「インストール済みのファイル」を選択します。
- 「ゲームファイルの整合性を確認」ボタンをクリックします。
- Steamがゲームファイルの確認を開始します。これにはゲームの容量やPCのストレージ速度に応じて数分から数十分かかることがあります。プログレスバーが表示されるので、完了まで待ちます。
- 確認が完了すると、問題が見つかったファイルがあれば、Steamが自動的に再ダウンロードして置き換えます。全てファイルが正常だった場合は、「○個のファイルが正常に検証されました」といったメッセージが表示されます。
- ウィンドウを閉じ、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
ゲームのインストール中にデータが破損したり、ダウンロードが不完全だったり、PC使用中にファイルが誤って削除・変更されたりすることがあります。ゲームファイルの整合性確認は、これらの問題を検出し、ゲームを正常な状態に戻すための非常に効果的な手段です。特に、突然ゲームが起動しなくなった場合に、ゲームファイル自体が破損した可能性を最初に疑うべきです。
2.5 インターネット接続の確認
Steamは、ゲームの購入、ダウンロード、アップデートだけでなく、ゲームの起動時にもオンライン認証を要求することがあります。インターネット接続が不安定だったり、全く接続されていなかったりすると、ゲームが起動しない原因になります。
手順:
- PCがインターネットに接続されているか確認します。タスクバーのネットワークアイコン(Wi-Fiまたはイーサネット)を見て、接続状態を確認します。
- ウェブブラウザを開き、いくつかのウェブサイト(例: Google, Steamストアページ)にアクセスできるか試します。
- 可能であれば、ルーターやモデムを再起動してみてください。
- PCのネットワークアダプター(有線LANまたは無線LANアダプター)を無効化し、再度有効化してみるのも効果的な場合があります。
- 「設定」アプリを開き、「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「ネットワークの詳細設定」→「ネットワークアダプターのオプションを変更する」を選択します。
- 使用しているアダプターを右クリックし、「無効にする」を選択します。
- 数秒待ってから、再度右クリックして「有効にする」を選択します。
- ファイアウォールやセキュリティソフトがSteamやゲームの通信をブロックしていないか確認します(これについては後述します)。
なぜ効果があるのか?
Steamクライアントや多くのゲームは、起動時にライセンス認証やアップデートチェックのためにSteamサーバーと通信する必要があります。安定したインターネット接続がないと、この通信が失敗し、ゲームの起動がブロックされることがあります。
2.6 ゲーム固有のキャッシュや設定ファイルのクリア
一部のゲームでは、起動に関する問題がゲームの設定ファイルやキャッシュファイルに起因することがあります。これらのファイルを削除することで、ゲームが初期設定で起動し、問題が解決する場合があります。ただし、この方法はゲームによって手順が異なり、セーブデータに関わるファイルを誤って削除しないよう注意が必要です。
手順:
- 注意: この手順はゲームによって異なります。必ず事前に、そのゲームの公式サポート情報やコミュニティで、設定ファイルやキャッシュファイルの場所と、削除しても安全かを確認してください。
- Steamクライアントを起動します。
- 「ライブラリ」タブを開き、起動しないゲームを右クリックし、「管理」→「ローカルファイルを閲覧」を選択します。
- ゲームのインストールフォルダが開きます。
- このフォルダ内や、PCのドキュメントフォルダ、AppDataフォルダ(隠しフォルダになっていることが多いです)内に、設定ファイルやキャッシュファイルが格納されていることがあります。
- AppDataフォルダにアクセスするには、エクスプローラーのアドレスバーに
%APPDATA%
または%LOCALAPPDATA%
または%PROGRAMDATA%
と入力してEnterキーを押します。
- AppDataフォルダにアクセスするには、エクスプローラーのアドレスバーに
- 特定された設定ファイルやキャッシュファイルを削除、または安全な場所にバックアップとして移動させます。
- Steamからゲームを起動し、問題が解決したか確認してください。ゲームによっては、初回起動時に初期設定が再生成されます。
注意点:
不慣れな場合は、この手順はスキップするか、慎重に行ってください。誤ってセーブデータや重要なゲームファイルを削除してしまうと、ゲームの進行状況が失われる可能性があります。
なぜ効果があるのか?
ゲームの設定ファイルが破損していたり、過去のセッションで作成されたキャッシュファイルが不正な状態になっていたりすると、ゲームの起動プロセスに不具合が生じることがあります。これらのファイルをリセットすることで、クリーンな状態でゲームを起動させることができます。
3. Windows 11システム関連のトラブルシューティング
基本的な確認で解決しない場合は、Windows 11システム自体や、ゲームの動作に必要なシステムコンポーネントに問題がある可能性があります。
3.1 Windows 11のアップデート確認と適用
Windows 11のOS自体に不具合があり、それがゲームの動作に影響している可能性があります。また、最新のゲームは最新のOS環境に合わせて開発されていることが多いです。Windows Updateを実行し、OSを最新の状態にすることで、問題が解決することがあります。
手順:
- 「設定」アプリを開きます(Windowsキー + I を押す)。
- 左側のメニューから「Windows Update」を選択します。
- 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。
- 利用可能なアップデートがあれば、ダウンロードとインストールが開始されます。
- インストールが完了したら、PCの再起動が求められる場合があります。画面の指示に従って再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
- 重要なアップデート(機能更新プログラムなど)を適用した後は、オプションの更新プログラムやドライバーの更新も確認すると良いでしょう。
なぜ効果があるのか?
Microsoftは定期的にWindowsの不具合を修正し、パフォーマンスを改善するためのアップデートをリリースしています。過去のバージョンに存在したバグが、ゲームの動作に影響を与えていた可能性があり、最新バージョンにすることでそれが解消されることがあります。また、新しいゲームは最新のOS機能やAPIを利用することが多いため、OSが古いと正常に動作しないことがあります。
3.2 グラフィックドライバーのアップデート/クリーンインストール
グラフィックドライバーは、ゲームの動作において最も重要なソフトウェアの一つです。ドライバーが古い、破損している、あるいはWindows 11との互換性に問題がある場合、ゲームが全く起動しない、クラッシュする、画面がおかしくなるなど、様々な問題を引き起こします。ゲームが起動しない問題の原因として、グラフィックドライバーは最も可能性の高いものの一つです。
最新のドライバーにアップデートするか、既存のドライバーを完全に削除してからクリーンインストールする手順を試しましょう。
手順(NVIDIA GeForceの場合 – GeForce Experience使用):
- GeForce Experienceを起動します。インストールされていない場合は、NVIDIAのウェブサイトからダウンロードしてインストールしてください。
- 「ドライバー」タブを開きます。
- 利用可能な新しいドライバーがあれば、「ダウンロード」ボタンが表示されます。クリックしてダウンロードします。
- ダウンロード完了後、「エクスプレスインストール」または「カスタムインストール」を選択できます。問題解決のためには「カスタムインストール」を選択し、「クリーンインストールの実行」にチェックを入れることを強く推奨します。
- 画面の指示に従ってインストールを進めます。インストールの途中で画面が一時的に暗くなることがありますが、正常な動作です。
- インストールが完了したら、PCの再起動が求められる場合があります。再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
手順(NVIDIA GeForceの場合 – 手動ダウンロード):
- NVIDIAの公式ウェブサイト(https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx?lang=jp)にアクセスします。
- お使いのGPUの種類(GeForce, TITANなど)、製品シリーズ、製品、オペレーティングシステム(Windows 11 64-bit)、ダウンロードの種類(Game Ready Driverが推奨)、言語を選択し、「検索」をクリックします。
- 最新のドライバーが表示されるので、「ダウンロード」をクリックします。
- ダウンロードしたファイルを実行します。
- ライセンス契約に同意し、インストールオプションで「カスタム(詳細設定)」を選択します。
- 次の画面で、インストールしたいコンポーネントを選択します(通常はすべて選択で問題ありません)。必ず「クリーンインストールの実行」にチェックを入れます。
- 「次へ」をクリックし、インストールを開始します。インストールの途中で画面が一時的に暗くなることがありますが、正常な動作です。
- インストールが完了したら、PCの再起動が求められる場合があります。再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
手順(AMD Radeonの場合 – AMD Software: Adrenalin Edition使用):
- AMD Software: Adrenalin Editionを起動します。インストールされていない場合は、AMDのウェブサイトからダウンロードしてインストールしてください。
- 通常、起動時に新しいドライバーが利用可能か通知されます。通知がない場合や手動で確認したい場合は、「設定」(歯車アイコン)をクリックし、「システム」→「ソフトウェア」タブを開きます。
- 「新しいアップデートをチェック」ボタンをクリックします。
- 利用可能な新しいドライバーがあれば、表示されます。「ダウンロード」ボタンをクリックします。
- ダウンロード完了後、インストールを開始します。インストールオプションで「ファクトリーリセット」(Factory Reset)または「クリーンインストール」を選択します。これにより、古いドライバー設定が削除されます。
- 画面の指示に従ってインストールを進めます。インストールの途中で画面が一時的に暗くなることがありますが、正常な動作です。
- インストールが完了したら、PCの再起動が求められる場合があります。再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
手順(AMD Radeonの場合 – 手動ダウンロード):
- AMDの公式ウェブサイト(https://www.amd.com/ja/support)にアクセスします。
- お使いのGPU製品を選択するか、自動検出ツールをダウンロードして使用します。
- Windows 11 64-bit用の最新のドライバーをダウンロードします。
- ダウンロードしたファイルを実行します。
- ライセンス契約に同意し、インストールオプションで「ファクトリーリセット」(Factory Reset)または「クリーンインストール」を選択します。
- 画面の指示に従ってインストールを進めます。インストールの途中で画面が一時的に暗くなることがありますが、正常な動作です。
- インストールが完了したら、PCの再起動が求められる場合があります。再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
手順(Intel Arc/内蔵グラフィックスの場合 – Intel Driver & Support Assistant使用):
- Intel Driver & Support Assistantをインストールします。Intelのウェブサイトからダウンロードしてください。
- ツールを実行すると、利用可能なドライバーやソフトウェアの更新を自動的にスキャンしてくれます。
- グラフィックドライバーの新しいバージョンが見つかったら、指示に従ってダウンロードし、インストールします。
- インストール完了後、PCの再起動が求められる場合があります。再起動してください。
- PC起動後、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
クリーンインストールの重要性:
単にドライバーを「アップデート」するだけでは、古い設定ファイルや不具合の原因となるデータが残ってしまうことがあります。クリーンインストールは、既存のドライバー関連ファイルを全て削除してから新しいドライバーをインストールするため、古いドライバーに起因する問題を解消するのに非常に効果的です。
3.3 サウンドドライバーのアップデート
意外に思われるかもしれませんが、サウンドドライバーの不具合がゲームの起動に影響を与えることがあります。これは、一部のゲームがオーディオハードウェアの初期化に失敗すると起動を中止するように設計されているためです。
手順:
- スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の項目を展開します。
- お使いのサウンドデバイス(例: Realtek Audio, NVIDIA High Definition Audioなど)を右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択します。Windowsが自動的に最適なドライバーを探してインストールします。
- Windows Updateで見つからない場合は、PCメーカーのウェブサイト(ノートPCやBTO PCの場合)またはマザーボードメーカー/サウンドカードメーカーのウェブサイトから、お使いのモデルに対応した最新のサウンドドライバーを手動でダウンロードしてインストールしてみてください。
- インストール完了後、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
ゲームは起動時にシステム内の様々なハードウェアやソフトウェアコンポーネントを初期化します。サウンドシステムはその一つであり、サウンドドライバーに問題があると初期化に失敗し、ゲームの起動プロセスが中断されてしまうことがあります。
3.4 DirectXの診断と再インストール/アップデート
DirectXは、Windows上でゲームなどのマルチメディアアプリケーションを動作させるために不可欠な技術です。DirectXが破損していたり、必要なバージョンがインストールされていなかったりすると、ゲームは起動できません。Windows 11には最新のDirectX(通常はDirectX 12)が搭載されていますが、下位互換性の問題や、過去のDirectXバージョン(DirectX 9, 10, 11など)に依存するゲームのために追加のランタイムが必要な場合があります。
手順(dxdiagによる診断):
- Windows検索バーに「dxdiag」と入力し、Enterキーを押します。
- DirectX 診断ツールが起動します。初回起動時には、ドライバーの署名確認を行うか尋ねられる場合があります。「はい」をクリックします。
- ツールがシステムの情報を収集するまで待ちます。
- 「システム」タブで、お使いのDirectXバージョンを確認できます。
- 「DirectXファイル」タブを開き、リストに「問題は見つかりませんでした。」と表示されているか確認します。問題がある場合は、具体的なファイル名が表示されることがあります。
- 「ディスプレイ」タブを開き、「DirectX機能」の項目がすべて「有効」になっているか確認します。また、画面下部の「メモ」の欄にエラーが表示されていないか確認します。
- ここで問題が報告されている場合は、DirectXランタイムに問題がある可能性があります。
手順(DirectXエンドユーザーランタイムのインストール):
多くの古いゲームはDirectX 9やDirectX 10のコンポーネントに依存しています。Windows 11にはこれらが含まれていない場合や、バージョンが不完全な場合があります。Microsoftが提供するDirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラーを実行することで、これらの不足しているコンポーネントをインストールまたは更新できます。
- Microsoftの公式ウェブサイトからDirectXエンドユーザーランタイムWebインストーラーをダウンロードします。「DirectX エンドユーザー ランタイム Web インストーラー」で検索してください。(https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=35)
- ダウンロードしたファイル(
dxwebsetup.exe
)を実行します。 - ライセンス契約に同意し、インストールを進めます。「Bingバーのインストール」のような不要なオプションのチェックは外してください。
- インストーラーが、不足しているDirectXコンポーネントを検出してダウンロード・インストールします。
- インストール完了後、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
DirectXはゲームとグラフィックハードウェアの間の橋渡しをする役割を果たします。DirectXのコンポーネントが破損したり、ゲームが必要とする特定のバージョンのコンポーネントが不足していたりすると、ゲームは正常にグラフィックやサウンドを処理できず、起動に失敗します。ランタイムを再インストールすることで、これらの不足や破損を修復できます。
3.5 Visual C++ 再頒布可能パッケージの確認と修復/再インストール
多くのゲームやアプリケーションは、Microsoft Visual C++で開発されており、その実行には特定のバージョンのVisual C++ 再頒布可能パッケージが必要です。これらのパッケージがインストールされていない、破損している、あるいはゲームが必要とする特定のバージョンが不足していると、ゲームが起動しない原因となります。特に、MSVCR*.dll
や VCRUNTIME*.dll
といったDLLファイルが見つからないというエラーが表示される場合は、この問題の可能性が高いです。
Visual C++ 再頒布可能パッケージは、様々なバージョン(2005, 2008, 2010, 2012, 2013, 2015, 2017, 2019, 2022など)があり、ゲームによって要求されるバージョンが異なります。通常、ゲームのインストール時に自動的にインストールされますが、失敗したり、後から破損したりすることがあります。
手順(インストール済みのパッケージの確認と修復):
- 「設定」アプリを開きます(Windowsキー + I を押す)。
- 左側メニューから「アプリ」を選択し、「インストールされているアプリ」をクリックします。
- アプリの一覧の中から「Microsoft Visual C++ …… Redistributable」という名前の項目を探します。複数のバージョンがある場合があります。
- 疑わしい、または最新でないと思われるバージョンの項目をクリックし、「変更」を選択します。
- 表示されるダイアログで「修復」を選択します。
- 画面の指示に従って修復プロセスを完了します。
- インストールされている全てのVisual C++ 再頒布可能パッケージに対して、この修復を試みることをお勧めします。
手順(最新パッケージのダウンロードとインストール):
ゲームが必要とする特定のバージョンがインストールされていない場合は、手動でダウンロードしてインストールします。一般的には、最も新しいVisual C++ 再頒布可能パッケージをインストールすれば、下位互換性によって古いバージョンに依存するゲームも動作することが多いですが、ゲームによっては特定の古いバージョンが必須の場合があります。
- Microsoftの公式ウェブサイトから最新のVisual C++ 再頒布可能パッケージをダウンロードします。「Visual C++ 再頒布可能パッケージ」で検索してください。(例: 最新のバージョンは「Visual Studio 2015, 2017, 2019, および 2022 用 Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ」として提供されています。)
- お使いのWindows 11が64ビット版であることを確認し、
vc_redist.x64.exe
をダウンロードします。(通常、32ビット版Windows 11は存在しませんが、一部のゲームは32ビット版のVC++ランタイムを必要とすることがあります。その場合はvc_redist.x86.exe
もダウンロード・インストールしてください。) - ダウンロードしたファイルを実行します。既にインストールされている場合は、修復または変更のオプションが表示されます。未インストールの場合は新規インストールが実行されます。
- 画面の指示に従ってインストールを完了します。
- インストール完了後、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Visual C++ 再頒布可能パッケージには、C++言語で書かれたプログラム(多くのゲームが含まれます)を実行するために必要な共有ライブラリファイルが含まれています。これらのファイルが不足または破損していると、ゲームは実行開始時に必要な関数やリソースをロードできず、起動に失敗します。
3.6 .NET Frameworkの確認と修復/アップデート
一部のゲームやSteamクライアント自体は、Microsoft .NET Frameworkに依存しています。.NET Frameworkは、Windowsアプリケーションの実行環境を提供するソフトウェアフレームワークです。必要なバージョンの.NET Frameworkがインストールされていない、または破損している場合、ゲームやSteamクライアントが正常に動作しないことがあります。
Windows 11には最新の.NET Frameworkが組み込まれていますが、古いゲームは古いバージョルの.NET Framework(例: 3.5, 4.xなど)を必要とすることがあります。
手順(.NET Frameworkの有効化/確認):
- Windows検索バーに「Windows の機能の有効化または無効化」と入力し、Enterキーを押します。
- 「Windows の機能」ウィンドウが開きます。
- リストの中に「.NET Framework 3.5 (.NET 2.0 および 3.0 を含む)」や「.NET Framework 4.8 Advanced Services」などの項目があるか確認します。
- 必要なバージョン(特に古いゲームの場合3.5)にチェックが入っているか確認します。チェックが入っていない場合は、チェックを入れて「OK」をクリックします。Windowsが不足しているファイルをダウンロードしてインストールします。
- インストールが完了したら、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
手順(.NET Framework修復ツール):
Microsoftは、.NET Frameworkのインストールや更新に関する問題を診断・修復するためのツールを提供しています。
- Microsoftの公式ウェブサイトから「Microsoft .NET Framework 修復ツール」をダウンロードします。「.NET Framework 修復ツール」で検索してください。
- ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってツールを実行します。
- ツールが問題を検出して修復を試みます。
- 修復完了後、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
.NET Frameworkは、特定の種類のアプリケーションを実行するための基盤を提供します。ゲームがこのフレームワークに依存している場合、必要なバージョンの.NET Frameworkが利用できないと、ゲームの実行に必要なコンポーネントがロードできず、起動に失敗します。
3.7 Windowsの互換性トラブルシューターを実行
特定の古いゲームの場合、Windows 11との互換性の問題が原因で起動しないことがあります。Windowsには、互換性の問題に対処するためのトラブルシューター機能が組み込まれています。
手順:
- Steamクライアントを起動します。
- 「ライブラリ」タブを開き、起動しないゲームを右クリックし、「管理」→「ローカルファイルを閲覧」を選択します。
- ゲームのインストールフォルダが開きます。
- ゲームの実行ファイル(
.exe
で終わるファイル。通常、ゲーム名や略称がついたファイルです)を探します。どのファイルか分からない場合は、一番サイズの大きいファイルや、ゲーム名が付いたファイルを探してみてください。 - その実行ファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 開いたウィンドウの「互換性」タブをクリックします。
- 「互換性トラブルシューターを実行」ボタンをクリックします。
- Windowsが問題の検出を試み、推奨される互換性設定を提案します。「推奨設定を使用する」を選択し、その設定でゲームをテストします。
- ゲームが正常に起動すれば、「はい、このゲームに対してこの設定を保存します」を選択します。起動しない場合や問題が解決しない場合は、別の設定を試すか、トラブルシューターを閉じてください。
- 手動で互換性設定を変更することも可能です。「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れ、「Windows 8」や「Windows 7」などを選択して試すことができます。また、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れてみることも有効です。
- 設定変更後、「適用」→「OK」をクリックし、Steamからゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Windows 11は最新の技術に基づいていますが、古いゲームは過去のWindowsバージョン(Windows 7, 8など)を想定して開発されています。互換性トラブルシューターは、ゲームが想定している古いOS環境をエミュレートしたり、管理者権限で実行したりするなど、互換性の問題を緩和するための設定を適用することで、ゲームの起動を可能にする可能性があります。
4. Steamクライアント関連のトラブルシューティング
問題がSteamクライアント自体にある場合、以下の手順が有効です。
4.1 Steamクライアントのキャッシュクリア
Steamクライアントが使用するダウンロードキャッシュやブラウザキャッシュが破損したり、古くなっていたりすると、問題が発生することがあります。
手順(ダウンロードキャッシュのクリア):
- Steamクライアントを開きます。
- 左上の「Steam」メニューをクリックし、「設定」(または「Preferences」)を選択します。
- 開いたウィンドウの左側メニューで「ダウンロード」を選択します。
- 下部にある「ダウンロードキャッシュをクリア」ボタンをクリックします。
- 確認ダイアログが表示されるので、「OK」をクリックします。
- Steamが自動的に再起動し、ログインを求められます。ログイン後、ゲームが起動するか確認してください。
手順(ブラウザキャッシュとCookieの削除):
- Steamクライアントを開きます。
- 左上の「Steam」メニューをクリックし、「設定」(または「Preferences」)を選択します。
- 開いたウィンドウの左側メニューで「インターフェイス」を選択します。
- 「ウェブブラウザのキャッシュを削除」ボタンをクリックします。
- 「ウェブブラウザのCookieをすべて削除」ボタンをクリックします。
- 確認ダイアログが表示されたら「OK」をクリックします。
- 設定ウィンドウを閉じ、Steamクライアントを再起動(Steamメニューから終了し、再度起動)し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Steamクライアントは、ゲームのダウンロードやSteamストアの表示などにキャッシュを利用しています。これらのキャッシュデータが破損していると、クライアントの動作が不安定になり、ゲームの起動プロセスにも影響を与えることがあります。キャッシュをクリアすることで、これらの問題を解消し、クリーンな状態でSteamを動作させることができます。
4.2 Steamライブラリフォルダーの修復
ゲームがインストールされているSteamライブラリフォルダー自体に問題が発生している可能性があります。
手順:
- Steamクライアントを開きます。
- 左上の「Steam」メニューをクリックし、「設定」(または「Preferences」)を選択します。
- 開いたウィンドウの左側メニューで「ストレージ」を選択します。
- Steamライブラリフォルダーの一覧が表示されます。問題があると思われるライブラリフォルダーの横にある「…」(三点リーダー)ボタンをクリックします。
- 表示されるメニューから「フォルダーを修復」を選択します。
- Steamが選択したライブラリフォルダー内のファイルやアクセス権限をチェックし、必要に応じて修復を行います。
- 修復完了後、設定ウィンドウを閉じ、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Steamライブラリフォルダーには、ゲームの全てのファイルが保存されています。このフォルダーへのアクセス権限が不足していたり、内部的な構造に問題が生じたりすると、Steamがゲームファイルを正しく読み込めず、起動に失敗することがあります。フォルダーを修復することで、これらの問題を解消します。
4.3 Steamクライアントのベータ版/非ベータ版の切り替え
Steamには、新機能を先行して試せるベータ版プログラムがあります。ごく稀に、ベータ版クライアントに特有のバグがあり、それが原因でゲームが起動しないことがあります。ベータ版を使用している場合は非ベータ版に、非ベータ版を使用している場合は(一時的に)ベータ版に切り替えてみることで、問題が解決するか確認できます。
手順:
- Steamクライアントを開きます。
- 左上の「Steam」メニューをクリックし、「設定」(または「Preferences」)を選択します。
- 開いたウィンドウの左側メニューで「インターフェイス」を選択します。
- 「クライアントへの参加」の項目にあるドロップダウンメニューをクリックします。
- 現在「Steam Beta Update」になっている場合は「None – Opt out of all beta programs」を選択します。現在「None」になっている場合は「Steam Beta Update」を選択します。
- 「OK」をクリックします。Steamがクライアントを再起動し、必要なファイルをダウンロード・インストールします。
- Steam起動後、ゲームが起動するか確認してください。問題が解決しない場合は、元の設定に戻しておきましょう。
なぜ効果があるのか?
ベータ版クライアントは最新の機能を含みますが、安定性に欠ける場合があります。非ベータ版はより広範なテストを経てリリースされており、安定性が高い傾向があります。逆に、非ベータ版で問題が発生している場合、ベータ版でその問題が既に修正されているという可能性もゼロではありません。
4.4 Steamクライアントの再インストール(ゲームは保持)
Steamクライアント自体が深刻な破損を起こしている場合、再インストールが有効です。ただし、ゲームデータを全てダウンロードし直すのは大変なので、インストール済みのゲームデータを保持したままSteamクライアントを再インストールする手順を試しましょう。
手順:
- Steamクライアントが起動している場合は、完全に終了させます。
- Steamがインストールされているフォルダを開きます。デフォルトでは
C:\Program Files (x86)\Steam
です。 - 重要な注意: このフォルダ内にある
steamapps
フォルダとuserdata
フォルダは、ゲームデータやセーブデータ、設定などが含まれているため、削除しないでください。これらのフォルダを除く全てのファイルとフォルダを削除します。もし心配な場合は、steamapps
とuserdata
フォルダをSteamフォルダの外(例: デスクトップなど)に一時的に移動させておくと安全です。- 削除すべきファイル・フォルダの例:
Steam.exe
,steamui.dll
,SteamApps
,userdata
,logs
,config
,bin
など。steamapps
とuserdata
以外を削除します。
- 削除すべきファイル・フォルダの例:
- Steamのアンインストーラーを実行します。「設定」アプリ→「アプリ」→「インストールされているアプリ」から「Steam」を探し、「アンインストール」を選択します。アンインストールウィザードが表示されたら、画面の指示に従って進めます。この際、「ゲームのアンインストールも行いますか?」といった質問があったら、ゲームデータを残すために「いいえ」を選択します(アンインストーラーによってはこのオプションがない場合もあります。その場合は先に手動で
steamapps
とuserdata
フォルダを移動させておくのが安全です)。 - アンインストール完了後、PCを再起動します。
- Steamの公式ウェブサイト(https://store.steampowered.com/about/)から最新のSteamインストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行します。この際、元のSteamクライアントがインストールされていた場所と同じ場所(デフォルトなら
C:\Program Files (x86)\Steam
)にインストールすることを選択してください。 - インストールウィザードがSteamクライアントを再インストールします。
- インストール完了後、Steamクライアントを起動します。以前の
steamapps
およびuserdata
フォルダが同じ場所に存在する場合、Steamは自動的にインストール済みのゲームを認識するはずです。 - ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
Steamクライアント自体のプログラムファイルが破損している場合、Steamの機能(ゲームの起動を含む)が正しく動作しなくなることがあります。ゲームデータを保持したままSteamクライアントのコアファイルを再インストールすることで、クライアント側の問題を解決し、ゲームを起動できるようになる可能性があります。
5. セキュリティソフトウェア(アンチウイルス、ファイアウォール)の干渉対策
アンチウイルスソフトやファイアウォールが、ゲームやSteamクライアントの特定の動作(ファイルの読み書き、ネットワーク通信など)を不正なものと誤検知し、ブロックすることがあります。これがゲーム起動失敗の原因となることがあります。
5.1 セキュリティソフトウェアの一時的な無効化
セキュリティソフトウェアが原因であるかを特定するために、一時的に無効化してみるのが最も簡単な方法です。
手順:
- 画面右下のタスクトレイにあるセキュリティソフトウェアのアイコンを右クリックします。
- 表示されるメニューから、「保護を一時停止」「ファイアウォールを無効にする」「リアルタイムスキャンを停止」などのオプションを選択します。無効化の具体的な手順は、使用しているセキュリティソフトによって異なります。詳細については、セキュリティソフトのマニュアルを参照してください。
- セキュリティソフトウェアを一時的に無効化した状態で、Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
- 重要な注意: 問題の原因特定のための一時的な処置です。問題が解決した場合でも、テスト完了後は必ずセキュリティソフトウェアを再度有効化してください。無効化したままインターネットに接続したPCを使用するのは非常に危険です。
なぜ効果があるのか?
セキュリティソフトウェアが過剰に反応し、ゲームの起動に必要なプロセスやファイルアクセス、ネットワーク通信をブロックしている可能性を排除できます。一時的に無効化してゲームが起動した場合、そのセキュリティソフトウェアが問題の原因であることが特定できます。
5.2 Steamクライアントとゲームをセキュリティソフトウェアの例外設定に追加する
セキュリティソフトウェアが問題の原因であることが特定された場合、恒久的な解決策として、Steamクライアントと起動しないゲームの実行ファイル、またはゲームフォルダ全体をセキュリティソフトウェアの例外設定に追加します。これにより、セキュリティスキャンやファイアウォールによる監視・ブロックから除外されます。
手順(Windows Defenderの場合):
- 「設定」アプリを開きます(Windowsキー + I を押す)。
- 左側メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択し、「Windowsセキュリティ」をクリックします。
- 「Windowsセキュリティを開く」ボタンをクリックします。
- 「ウイルスと脅威の防止」を選択します。
- 「ウイルスと脅威の防止の設定」の下にある「設定の管理」をクリックします。
- 下にスクロールし、「除外」の項目にある「除外の追加または削除」をクリックします。
- 「除外の追加」ボタンをクリックします。「ファイル」「フォルダー」「ファイルの種類の除外」「プロセスの除外」から選択できます。
- 「フォルダー」を選択し、Steamクライアントのインストールフォルダ全体(例:
C:\Program Files (x86)\Steam
)と、起動しないゲームがインストールされているフォルダ全体を追加するのが最も簡単で効果的です。 - よりピンポイントで設定したい場合は、「ファイル」を選択し、Steamクライアントの実行ファイル(
Steam.exe
)と、ゲームの実行ファイルを追加します。 - 「プロセスの除外」として、
Steam.exe
やゲームの実行ファイル名を追加することも有効です。これは、実行中のプロセスに対するスキャンから除外する設定です。
- 「フォルダー」を選択し、Steamクライアントのインストールフォルダ全体(例:
- 追加したいフォルダやファイルを選択し、「フォルダーの選択」または「開く」をクリックします。
- 追加した項目がリストに表示されていることを確認します。
- 設定ウィンドウを閉じ、セキュリティソフトウェアを有効化した状態で、ゲームが起動するか確認してください。
手順(サードパーティ製セキュリティソフトウェアの場合):
使用しているセキュリティソフトウェアによって手順は大きく異なります。一般的には、セキュリティソフトのメイン画面を開き、「設定」「プロテクション」「ファイアウォール」などの項目から、「除外設定」「例外リスト」「信頼済みプログラム」といった項目を探します。そこに、Steamクライアントのインストールフォルダ、またはゲームのインストールフォルダをフルパスで追加します。プロセス名(Steam.exe
やゲームの実行ファイル名)で除外設定ができる場合もあります。詳細については、お使いのセキュリティソフトウェアのマニュアルまたはサポート情報を参照してください。
なぜ効果があるのか?
セキュリティソフトウェアによる過剰な検知やブロックを回避し、ゲームとSteamがシステムリソースやネットワークに自由にアクセスできるようにします。これにより、セキュリティソフトウェアが原因で発生していた起動問題を解決できます。
6. その他の可能性のある原因と対策
上記以外にも、様々な要因がゲームの起動に影響を与える可能性があります。
6.1 バックグラウンドプロセスの終了
PC上で多数のアプリケーションが同時に実行されていると、システムのパフォーマンスが低下したり、特定のアプリケーション(ゲーム)と競合したりすることがあります。特に、ゲーム起動時に不要なバックグラウンドプロセスを終了させることで、問題が解決することがあります。
手順:
- タスクバーを右クリックし、「タスクマネージャー」を選択します(または Ctrl + Shift + Esc キーを押す)。
- 「プロセス」タブを開きます。
- 「アプリ」セクションや「バックグラウンドプロセス」セクションを確認し、現在使用していない、またはゲームに不要なアプリケーションを終了させます。終了させたいプロセスを右クリックし、「タスクの終了」を選択します。
- 特に、ゲームのオーバーレイ機能を持つアプリケーション(Discord、GeForce Experienceなど – これについては後述します)や、パフォーマンス監視ツール、ストリーミングソフトウェアなどは、ゲームと競合しやすいので注意が必要です。
- ただし、Windowsのシステムプロセスやセキュリティソフトウェアのプロセスなど、PCの動作に不可欠なプロセスは絶対に終了させないでください。不明なプロセスは検索して確認するようにしましょう。
- 不要なプロセスを終了させた状態で、Steamからゲームを起動し、問題が解決したか確認してください。
なぜ効果があるのか?
バックグラウンドで実行されている他のアプリケーションが、ゲームが必要とするシステムリソース(CPU、メモリ、GPU)を過剰に消費していたり、ゲームの動作を妨げるフックやオーバーレイ機能を挿入していたりする可能性があります。これらのプロセスを終了させることで、ゲームがより多くのリソースを利用できるようになり、干渉を避けることができます。
6.2 オーバーレイソフトウェアの無効化
Steamにはゲーム内オーバーレイ機能がありますが、それ以外にもDiscord、NVIDIA GeForce Experience (ShadowPlay)、AMD Radeon Software (ReLive)、Xbox Game Bar、Origin In-Gameなど、多くのアプリケーションがゲーム上に独自のオーバーレイ機能を提供しています。これらのオーバーレイ機能が、特定のゲームと競合し、起動を妨げたり、不安定にさせたりすることがあります。
手順:
- Steamオーバーレイを無効にする:
- Steamクライアントを開き、「Steam」メニュー→「設定」→「ゲーム中」を選択します。
- 「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効にする」のチェックを外します。
- 特定のゲームのみ無効にしたい場合は、ライブラリでそのゲームを右クリックし、「プロパティ」→「一般」を選択し、「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効にする」のチェックを外します。
- その他のオーバーレイソフトウェアを無効にする:
- Discord: 設定から「オーバーレイ」を探し、無効にします。
- GeForce Experience: 設定から「ゲーム内オーバーレイ」を探し、無効にします。
- Radeon Software: 設定から「全般」または「基本設定」を探し、「ゲーム内オーバーレイ」または「In-Game Overlay」を探し、無効にします。
- Xbox Game Bar: Windows設定で「ゲーム」→「Xbox Game Bar」を開き、機能を無効にします。
- その他のアプリケーション: 各アプリケーションの設定画面を確認し、ゲーム内オーバーレイに関連する機能を無効にします。
- オーバーレイ機能を無効にした状態で、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
オーバーレイ機能は、ゲームの描画プロセスに割り込んで情報を表示するために、システムレベルで深い処理を行います。この処理がゲーム自体の描画処理と競合したり、特定のゲームやグラフィックドライバーとの間で互換性の問題を引き起こしたりすることがあります。オーバーレイを無効にすることで、これらの競合を回避できます。
6.3 周辺機器の取り外し
稀に、特定のUSBデバイスやその他の周辺機器(ゲームコントローラー、特殊なキーボード/マウス、VRヘッドセット、ウェブカメラなど)がゲームやSteamと競合し、起動を妨げることがあります。
手順:
- ゲームの起動に必須ではない全ての周辺機器をPCから取り外します(キーボード、マウス、ディスプレイは除く)。
- PCを再起動します。
- Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
- ゲームが起動した場合、取り外した周辺機器を一つずつ接続し直し、どのデバイスが問題の原因かを特定します。
- 問題のデバイスを特定したら、そのデバイスのドライバーを更新するか、そのデバイスを使用せずにゲームをプレイできるか検討します。
なぜ効果があるのか?
一部のゲームやその関連ソフトウェアは、起動時に接続されている全てのデバイスを列挙したり初期化したりする際に、特定のデバイスとの間で互換性の問題や競合が発生することがあります。デバイスを一つずつ排除することで、問題を引き起こしている原因を特定できます。
6.4 電力設定(電源オプション)の確認
Windows 11の電源オプションが「省電力」などに設定されている場合、CPUやGPUのパフォーマンスが制限され、ゲームの起動に必要な処理能力が不足することがあります。特にノートPCでACアダプターを接続せずにバッテリー駆動している場合に発生しやすい問題です。
手順:
- Windows検索バーに「電源プランの編集」と入力し、Enterキーを押します。
- 「電源オプション」ウィンドウが開きます。
- 現在選択されている電源プランを確認します。「バランス」または「高パフォーマンス」(デスクトップPCの場合「Ultimate Performance」が表示されることもあります)が選択されていることを確認します。
- もし「省電力」などが選択されている場合は、「バランス」または「高パフォーマンス」に変更します。
- ノートPCの場合、ACアダプターを接続しているか確認します。多くのノートPCは、バッテリー駆動時には自動的に省電力モードになります。ACアダプターを接続し、電源オプションが最適な設定になっていることを確認してください。
- 設定ウィンドウを閉じ、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
ゲームは起動時および実行中に多くのシステムリソースを必要とします。電源設定がパフォーマンスを制限している場合、ゲームが要求する処理能力を得られず、起動プロセスが完了しないことがあります。高性能な電源プランを選択することで、PCが最大限のパフォーマンスを発揮できるようになり、ゲームが正常に起動する可能性が高まります。
6.5 仮想メモリ(ページファイル)の設定確認
仮想メモリ(ページファイル)は、物理メモリ(RAM)が不足した場合に、ストレージの一部を一時的にメモリとして使用する機能です。仮想メモリの設定が不適切だったり、容量が不足していたりすると、特にメモリを大量に消費するゲームにおいて問題が発生し、起動できないことがあります。
手順:
- Windows検索バーに「システムのプロパティ」と入力し、Enterキーを押します。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます。「詳細設定」タブを選択します。
- 「パフォーマンス」セクションの「設定」ボタンをクリックします。
- 「パフォーマンスオプション」ウィンドウが開きます。「詳細設定」タブを選択します。
- 「仮想メモリ」セクションの「変更」ボタンをクリックします。
- 「仮想メモリ」ウィンドウが開きます。
- 通常は「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」にチェックが入っていて問題ありません。もし手動設定になっていて容量が小さすぎる場合や、ページファイルが無効になっている場合は、チェックを入れて自動管理に戻すか、ゲームの必要動作環境を参考に適切なサイズを手動で設定します(通常、推奨サイズまたはシステム管理サイズが適切です)。
- 設定変更後、「設定」→「OK」をクリックし、PCの再起動が求められたら再起動します。
- PC起動後、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
メモリ不足はゲームの起動や実行に致命的な影響を与えます。仮想メモリは物理メモリを補完する役割を果たすため、この設定が適切でないと、実質的な利用可能メモリが不足し、ゲームが必要とするメモリを確保できず、起動に失敗することがあります。
6.6 ユーザーアカウント制御 (UAC) の設定
ユーザーアカウント制御(UAC)は、システムへの変更をユーザーに通知し、許可を求めるWindowsのセキュリティ機能です。UACの設定レベルが高すぎたり、逆に低すぎたりすることで、ゲームやSteamの動作に影響を与える可能性があります。
手順:
- Windows検索バーに「UAC」または「ユーザーアカウント制御設定の変更」と入力し、Enterキーを押します。
- 「ユーザーアカウント制御設定」ウィンドウが開きます。
- スライダーで設定レベルを確認します。通常は「既定」レベル(上から2番目)が推奨されます。
- 設定レベルを一時的に「通知しない」に下げてみて、ゲームが起動するか試すこともできます。ただし、これはセキュリティリスクを高めるため、問題解決のテスト目的のみで行い、テスト後は必ず元の「既定」レベルに戻してください。
- 設定変更後、「OK」をクリックし、PCを再起動し、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
UACがゲームの実行に必要なシステムファイルへのアクセスや、特定の権限が必要な操作をブロックしている可能性があります。設定レベルを変更することで、これらのブロックを解除し、ゲームの起動を可能にする場合があります。ただし、セキュリティの観点から、「通知しない」レベルは非推奨です。問題解決後は「既定」レベルに戻しましょう。
6.7 HDD/SSDの空き容量確認
ゲームのインストールだけでなく、ゲームの実行中にも一時ファイルの作成やアップデートのダウンロードのために十分なストレージ空き容量が必要です。インストール先のドライブの空き容量が不足していると、ゲームが正常に起動または動作しないことがあります。
手順:
- エクスプローラーを開き、「PC」を選択します。
- ゲームがインストールされているドライブ(通常はCドライブや、別途ゲーム用に設定したドライブ)の空き容量を確認します。
- ゲームの必要動作環境を確認し、推奨される空き容量が確保されているか確認します。
- 空き容量が不足している場合は、不要なファイルやプログラムを削除して容量を確保します。
- ディスククリーンアップツールの使用。
- 不要なプログラムのアンインストール。「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」。
- 一時ファイルの削除。「設定」→「システム」→「ストレージ」→「一時ファイル」。
- 空き容量を確保した後、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
ゲームは起動時やロード中に大量のデータをストレージから読み込んだり、一時ファイルを書き込んだりします。ストレージの空き容量が不足していると、これらの操作が正常に行えず、ゲームの起動プロセスが中断されることがあります。
6.8 マルチモニター設定
マルチモニター環境や、PCに複数のディスプレイ(モニター、テレビ、VRヘッドセットなど)が接続されている場合、特定のゲームが起動時にどのディスプレイで表示されるか判断できなかったり、ディスプレイ設定との間で互換性の問題が発生したりすることがあります。
手順:
- 可能であれば、ゲームを起動する際は、PCに接続されているディスプレイをメインで使用する1台のみに減らしてみてください。
- Windows設定で「システム」→「ディスプレイ」を開き、ゲームを起動したいディスプレイが「メインディスプレイとして設定する」になっているか確認します。
- ディスプレイの解像度やリフレッシュレートを、ゲームがサポートしている一般的な設定(例: 1920×1080, 60Hz)に変更して試すことも有効な場合があります。
- ディスプレイケーブル(HDMI, DisplayPortなど)を抜き差ししてみることも、接続状態をリフレッシュするのに役立ちます。
- 設定変更後、ゲームが起動するか確認してください。
なぜ効果があるのか?
一部のゲームは、起動時にディスプレイの初期化に問題が発生することがあります。複数のディスプレイが存在する場合、ゲームが必要とする特定のディスプレイ設定(解像度、リフレッシュレート、表示位置など)がシステム全体の構成と合わず、起動プロセスが失敗することがあります。単一のディスプレイに絞ったり、基本的な設定に戻したりすることで、これらの互換性の問題を回避できることがあります。
7. 特定のゲームに特化した対策
上記の方法を試しても特定のゲームだけが起動しない場合、そのゲーム固有の問題である可能性が高まります。
7.1 ゲームの必要動作環境の最終確認
改めて、そのゲームのSteamストアページなどで公開されている必要動作環境(最低動作環境と推奨動作環境)を、あなたのPCのスペックと比較して最終確認してください。特に、グラフィックボード、CPU、メモリ、ストレージの項目は重要です。
- グラフィックボードのモデル名、搭載メモリ量。
- CPUのモデル名、コア数/スレッド数、動作周波数。
- 搭載されている物理メモリ(RAM)の容量。
- ゲームをインストールしたドライブの空き容量。
必要動作環境を下回っている場合、そもそもそのPCではゲームを快適にプレイすることは難しい可能性があります。ただし、最低動作環境を満たしているにも関わらず起動しない場合は、他の要因が考えられます。
7.2 ゲーム固有の起動オプション
Steamでは、ゲームの起動時に特定のコマンドライン引数を渡す「起動オプション」を設定できます。これにより、ウィンドウモードで起動したり、特定の解像度を指定したり、開発者向けのデバッグオプションを有効にしたりすることができます。ごく稀に、デフォルトの起動設定が原因で問題が発生している場合、特定の起動オプションを指定することで起動できることがあります。
手順:
- Steamクライアントを開き、「ライブラリ」タブを開きます。
- 起動しないゲームを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 開いたウィンドウの「一般」タブにある「起動オプション」のテキストフィールドを探します。
- ここに、ゲームが必要とする、または問題解決に役立つ可能性のある起動オプションを入力します。一般的な例をいくつか紹介しますが、ほとんどのゲームでは何も入力する必要はありません。 特定のゲームに関する情報は、そのゲームのコミュニティハブなどで探す必要があります。
-windowed
または-w
: ウィンドウモードで起動する。-fullscreen
または-fs
: フルスクリーンモードで起動する。-noborder
: ボーダーレスウィンドウモードで起動する(ゲームが対応している場合)。-res X Y
(XとYは解像度) : 指定した解像度で起動する(例:-res 1920 1080
)。-autoconfig
: ゲームのグラフィック設定をデフォルトに戻す。-safe
: セーフモードで起動する(ゲームが対応している場合)。
- 入力後、ウィンドウを閉じ、ゲームを起動して結果を確認します。効果がなければ、入力した起動オプションを削除して元の状態に戻しておきましょう。
なぜ効果があるのか?
ゲームの初期設定(フルスクリーン、解像度など)がPC環境と合わない場合に、起動オプションで強制的に互換性のある設定で起動させることで、問題を回避できることがあります。また、特定の不具合を回避するための開発者向けオプションが用意されている場合もあります。
7.3 ゲームの公式フォーラムやコミュニティハブを確認する
同じゲームをプレイしている他のユーザーも、あなたと同じ問題に直面している可能性があります。Steamのコミュニティハブや、ゲーム開発元が運営する公式フォーラムを確認することで、既知の問題とその解決策が見つかることがあります。
手順:
- Steamクライアントを開き、「ライブラリ」から起動しないゲームを選択します。
- ゲームのストアページまたはライブラリの詳細画面にある「コミュニティハブ」ボタンをクリックします。
- コミュニティハブの「掲示板」や「ディスカッション」タブを開きます。
- 検索機能を使って、エラーメッセージ、問題の症状(「起動しない」「クラッシュする」など)、使用しているOS(Windows 11)などのキーワードで投稿を検索します。
- 他のユーザーが報告している同じ問題や、投稿されている解決策(ワークアラウンド)が見つかるかもしれません。
- ゲーム開発元の公式ウェブサイトやフォーラムも確認してみましょう。
なぜ効果があるのか?
特定のゲームバージョンや特定のPC環境(OSバージョン、ハードウェア構成など)でのみ発生する問題は、そのゲームのコミュニティで情報が共有されていることが多いです。開発者や他のユーザーが解決策や回避策を提供している可能性があります。
7.4 ゲーム開発元のサポートに問い合わせる
上記の方法を全て試しても問題が解決しない場合、問題がゲーム自体の深い部分にあるか、あなたのPC環境とゲームの特定の機能との間で深刻な互換性の問題が発生している可能性があります。このような場合は、ゲーム開発元のサポートチームに直接問い合わせるのが最も良い方法です。
手順:
- ゲームの公式ウェブサイトやSteamストアページから、サポート情報や問い合わせフォームを探します。
- 問い合わせ時には、以下の情報をできるだけ詳しく正確に伝えてください。
- 使用しているOS(Windows 11、具体的なバージョン)。
- PCの主要なハードウェア構成(CPU, GPUモデル, メモリ容量, ストレージの種類と空き容量)。
- 問題が発生しているゲームの名前と、Steamでの購入状況。
- 問題の具体的な症状(エラーメッセージの内容、何も表示されない、ロード画面でフリーズするなど)。
- これまでに試したトラブルシューティング手順(グラフィックドライバー更新、ゲームファイル整合性確認、セキュリティソフト設定変更など)。
- 問題発生のタイミング(インストール後初めて、突然など)。
- 必要であれば、システム情報ファイル(例: dxdiagレポート、システム情報ツール出力)やゲームのログファイルなどを添付します。dxdiagレポートの作成方法は、前述のDirectXの項を参照してください。
- 開発元のサポートチームからの返信を待ち、指示に従います。
なぜ効果があるのか?
ゲーム開発者は、彼らのゲームに関する技術的な問題を最もよく理解しています。彼らは特定のバグや既知の互換性問題に対する解決策を持っている可能性があり、あなたのPC環境に特化した詳細なトラブルシューティングの手順を提供してくれることがあります。
8. それでも解決しない場合
ここまで紹介した多くの方法を試しても、まだゲームが起動しないという状況かもしれません。その場合、さらにシステムレベルの深い問題や、ハードウェアの問題が関わっている可能性があります。
8.1 システムの復元ポイントの使用
Windowsの「システムの復元」機能は、PCを以前の正常に動作していた時点の状態に戻すことができます。もし最近までゲームが起動していたのに突然問題が発生した場合、問題発生前に作成された復元ポイントがあれば、システムをその時点に戻すことで問題を解決できる可能性があります。
手順:
- Windows検索バーに「復元ポイントの作成」と入力し、Enterキーを押します。
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます。「システムの保護」タブを選択します。
- 「システムの復元」ボタンをクリックします。
- 「システムの復元」ウィザードが開きます。「次へ」をクリックします。
- 利用可能な復元ポイントの一覧が表示されます。「その他の復元ポイントを表示する」にチェックを入れると、より多くの復元ポイントが表示される場合があります。
- 問題が発生する前の日付の復元ポイントを選択します。どの復元ポイントが適切か分からない場合は、直近でゲームが正常に起動していた日付に近いものを選びます。
- 「影響を受けるプログラムの検出」ボタンをクリックすると、この復元ポイントを選択した場合に削除または復元されるプログラムの一覧を確認できます。
- 選択した復元ポイントで問題がないことを確認したら、「次へ」をクリックします。
- 「完了」をクリックすると、システムの復元プロセスが開始されます。復元中はPCが再起動され、しばらく時間がかかります。復元プロセスを途中で中断しないでください。
- システムの復元完了後、PC起動後、ゲームが起動するか確認してください。
注意点:
システムの復元は、システムファイル、インストール済みのプログラム、レジストリ設定などを復元ポイント作成時の状態に戻します。復元ポイント作成後にインストールしたプログラムは削除される可能性がありますが、ドキュメント、画像、個人ファイルなどは通常影響を受けません。また、システムの復元は万能ではなく、問題が解決しない場合もあります。
なぜ効果があるのか?
システムの復元は、Windowsの設定やシステムファイルの破損、あるいは最近インストールしたソフトウェアによる悪影響など、ソフトウェア的な問題を過去の正常な状態に戻すことで解決できる場合があります。
8.2 Windows 11のクリーンブート
クリーンブートとは、必要最低限のドライバーとスタートアッププログラムのみでWindowsを起動する状態です。これにより、バックグラウンドで実行されているサードパーティ製のサービスやプログラムがゲームの起動と競合しているかを確認できます。
手順:
- Windows検索バーに「msconfig」と入力し、Enterキーを押します。「システム構成」ウィンドウが開きます。
- 「サービス」タブを開きます。「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れます。このチェックは非常に重要です。 Microsoftのサービスを無効にすると、Windowsが正常に動作しなくなる可能性があります。
- チェックを入れた後、表示されているリストの「すべて無効」ボタンをクリックします。これにより、Microsoft以外のサービスが全て無効になります。
- 「スタートアップ」タブを開きます。「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
- タスクマネージャーの「スタートアップ」タブで、一覧表示されているスタートアップ項目を一つずつ右クリックし、「無効にする」を選択します。Windowsのシステム関連の項目(例: Realtek HD Audio Managerなどオーディオ関連は残しても良い場合があるが、原因特定のためには全て無効にするのが望ましい)以外の、Steamやゲームに関係ないサードパーティ製の項目を全て無効にします。
- タスクマネージャーを閉じ、「システム構成」ウィンドウに戻ります。「OK」をクリックします。
- PCの再起動を求められるので、「再起動」をクリックします。
- クリーンブート状態でWindowsが起動します。Steamを起動し、ゲームが起動するか確認してください。
クリーンブートでゲームが起動した場合:
これは、無効にしたサービスまたはスタートアッププログラムの中に問題の原因があることを示します。原因となっているプログラムを特定するには、無効にした項目を半分ずつ、または一つずつ有効に戻して再起動するという作業を繰り返し、問題が再発するかを確認します。これは根気のいる作業ですが、原因を特定できます。
クリーンブートでゲームが起動しない場合:
これは、問題の原因がサードパーティ製のサービスやスタートアッププログラムではない可能性が高いことを示します。Windowsシステム自体、ハードウェア、またはゲーム自体に問題がある可能性が高まります。
クリーンブートを終了する場合:
原因特定が終わったら、必ず元の設定に戻してください。「システム構成」ウィンドウを開き、「全般」タブで「通常のスタートアップ」を選択して「OK」をクリックし、PCを再起動します。
なぜ効果があるのか?
クリーンブートは、ゲームの起動を妨げる可能性のあるサードパーティ製のソフトウェアによる干渉を排除します。これにより、問題がこれらのソフトウェアにあるのか、それともWindowsシステムやハードウェア自体にあるのかを切り分けることができます。
8.3 新規Windowsユーザーアカウントの作成
ユーザープロファイルの設定やファイルに問題がある場合、特定のユーザーアカウントでのみゲームが起動しないことがあります。新しいユーザーアカウントを作成し、そのアカウントでログインしてゲームを起動できるか確認することで、ユーザープロファイルの問題であるかを切り分けられます。
手順:
- 「設定」アプリを開き、「アカウント」を選択します。
- 「家族とその他のユーザー」を選択します。
- 「その他のユーザーを追加」の項目で「アカウントを追加」をクリックします。
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックし、次に「Microsoft アカウントを持たないユーザーを追加する」を選択します。
- 新しいユーザーの名前(例: TestUser)とパスワードを入力し、画面の指示に従ってアカウントを作成します。
- 作成した新しいアカウントを右クリックし、「アカウントの種類の変更」を選択します。「標準ユーザー」のままで問題ありません。
- 現在のユーザーアカウントからサインアウトし、作成した新しいユーザーアカウントでサインインします。
- 新しいユーザーアカウント環境でSteamクライアントをインストールし(または既存のSteamフォルダをコピーし)、ゲームを起動できるか確認します。
なぜ効果があるのか?
Windowsのユーザーアカウントごとに、レジストリ設定、AppDataフォルダ内のファイル、アクセス権限などが管理されています。特定のユーザープロファイルが破損していたり、そこに保存されている設定ファイルが問題を引き起こしていたりする場合、新しいクリーンなユーザープロファイルでゲームが起動することで、その原因を特定できます。
8.4 Steamサポートへの問い合わせ
上記の手順を全て試しても問題が解決しない場合、問題はユーザー側で対処できる範囲を超えている可能性があります。Steamクライアント自体、アカウント、あるいはゲーム固有の深い技術的な問題かもしれません。このような場合は、Steamサポートに問い合わせるのが最後の手段です。
手順:
- Steamサポートページ(https://help.steampowered.com/ja/)にアクセスします。
- サインインします。
- 「ゲーム」セクションから、問題が発生しているゲームを選択します。
- 問題の種類として「ゲームが起動できない」を選択します。
- Steamが提供する基本的なトラブルシューティングのリストが表示されます。既に試した内容と重複するかもしれませんが、改めて確認します。
- リストの下部に「それでも問題が解決しない場合は、サポートに連絡してください」といったオプションが表示されるはずです。それをクリックします。
- 問い合わせフォームに、問題の詳細な状況を記述します。これまでに試したトラブルシューティング手順、PCのスペック(CPU, GPU, RAM, OSなど)、表示されるエラーメッセージの内容、問題が発生したタイミングなどを、できるだけ詳しく正確に記載します。
- 必要であれば、問題を示すスクリーンショットや、PCのシステム情報ファイル(dxdiagレポートなど)を添付します。
- 問い合わせを送信し、Steamサポートからの返信を待ちます。返信には時間がかかる場合があります。
なぜ効果があるのか?
Steamサポートは、Steamプラットフォームやゲームに関する専門知識を持っています。彼らは、あなたが遭遇している問題について、より深い診断を行ったり、データベース上の既知の問題と照合したり、開発元と連携したりすることで、個人では特定できない原因を突き止め、解決策を提示してくれる可能性があります。
9. まとめ
Windows 11でSteamゲームが起動しない問題は、非常に多くの原因が考えられます。この記事では、PCの再起動からシステムレベルのトラブルシューティング、セキュリティソフトウェアの設定、Steamクライアント固有の問題、そしてゲーム開発元への問い合わせまで、あなたが今すぐ試せる可能性のあるあらゆる方法を詳細に解説しました。
重要なのは、焦らず、一つずつ、根気強くこれらの方法を試していくことです。試すたびにゲームが起動するか確認し、どの手順で問題が解決したかを把握しておくと、今後同様の問題が発生した際に役立ちます。
多くの場合は、グラフィックドライバーの更新、ゲームファイルの整合性確認、またはセキュリティソフトウェアの設定変更といった基本的な手順で問題が解決します。システムファイルやランタイムの問題、他のソフトウェアとの競合などもよくある原因です。
もし、あなたがこのガイドの最後までたどり着いてもまだ問題が解決しない場合は、ハードウェアの故障や、ゲーム自体に深刻なバグがある可能性も考えられます。その際は、ゲーム開発元やPCメーカーのサポートに相談することを検討してください。
この記事が、あなたのSteamゲーム起動問題解決の一助となれば幸いです。無事にお気に入りのゲームが起動し、Windows 11環境でのゲームライフを楽しめるようになることを心より願っています!頑張ってください!