Windows スクリーンショットの全て:初心者から上級者まで使いこなす簡単・便利な撮影方法とショートカットキー徹底解説
はじめに:なぜスクリーンショットが必要なのか?
パソコンを使っていると、「この画面の状態をそのまま保存したい」「相手に今見ているものを伝えたい」と思う場面は数多くあります。システムのエラーメッセージをサポート担当者に伝えたいとき、ウェブサイト上の情報を記録しておきたいとき、プレゼンテーション資料に特定のアプリケーションの操作画面を挿入したいとき、友人や同僚と情報を共有したいときなど、スクリーンショットは非常に便利なツールです。
Windowsには、このスクリーンショットを撮影するための様々な方法が用意されています。キーボードの特定のキーを押すだけの簡単な方法から、必要な部分だけを正確に切り取ったり、タイマーを設定したりできる高機能なツールまで、目的に合わせて使い分けることができます。
しかし、Windowsのスクリーンショット機能は多岐にわたるため、「結局、どの方法が一番簡単なの?」「必要な部分だけを撮るにはどうすればいいの?」「撮った画像はどこに保存されるの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。特にショートカットキーを覚えれば、より素早く、効率的にスクリーンショットを撮影できるようになります。
この記事では、Windowsでスクリーンショットを撮るための主要な方法を、初心者の方でも理解できるように丁寧に解説します。基本的なキー操作から、Windowsに標準搭載されている高機能なツール「切り取り & スケッチ」の使い方、さらには知っておくと便利な応用テクニックや設定、よくあるトラブルとその対処法まで、Windowsのスクリーンショットに関するあらゆる情報を網羅することを目指します。約5000語というボリュームで、それぞれの方法の具体的な手順、メリット・デメリット、そしてどのようなシーンで役立つかをご紹介します。
この記事を最後まで読めば、あなたのWindowsでのスクリーンショット撮影スキルは格段に向上し、日々のパソコン作業がよりスムーズで効率的になることでしょう。さあ、Windowsのスクリーンショットの世界へ一緒に踏み込みましょう。
1. 最も手軽な方法:PrtScn(プリントスクリーン)キーを使う
Windowsでスクリーンショットを撮る方法として、最も古くからあり、かつ最も手軽なのが「PrtScn」キー(またはPrint Screen、PrtSc、PrntScrnなどと表記される)を使う方法です。
PrtScnキーの場所と役割
多くのキーボードでは、PrtScnキーはファンクションキー(F1~F12)の右側、InsertキーやDeleteキー、Scroll Lockキーなどと同じ並びに配置されています。ノートパソコンの場合は、Fnキーと組み合わせる必要がある場合もあります(例: Fn + PrtScn)。
このPrtScnキーを単独で押すと、その時点で画面に表示されている内容全体が、画像データとしてパソコンの「クリップボード」に一時的にコピーされます。クリップボードは、コピー&ペースト(Ctrl+C → Ctrl+V)を行う際にデータが一時的に保持される場所のことです。PrtScnキーは、画面全体の画像をクリップボードにコピーする機能を持っているのです。
撮影手順(クリップボードへのコピー)
- スクリーンショットを撮りたい画面を表示します。
- キーボードの「PrtScn」キーを一度押します。
- ノートパソコンの場合は、「Fn」キーを押しながら「PrtScn」キーを押す必要があるかもしれません。キーボードの刻印を確認してみてください。
- 押しても何も変化がないように見えますが、画面全体の画像はクリップボードにコピーされています。
これで撮影自体は完了です。しかし、この状態では画像はクリップボードに一時的に保存されているだけで、ファイルとしては存在しません。画像を確認したり、保存したりするには、別の操作が必要です。
画像を確認・保存する方法(ペイントなどのソフトを利用)
クリップボードにコピーされた画像は、画像編集ソフトや文書作成ソフトなど、画像を貼り付けられるアプリケーションに「貼り付け(ペースト)」することで表示・編集・保存できます。最も簡単なのは、Windowsに標準搭載されている「ペイント」アプリを使う方法です。
- ペイントアプリを起動します。
- Windowsの検索バーに「ペイント」と入力して検索し、起動します。
- または、スタートメニューの「Windows アクセサリ」の中にある「ペイント」を選択します。
- ペイントアプリが起動したら、キャンバス上で右クリックし、「貼り付け」を選択するか、キーボードショートカット「Ctrl + V」を押します。
- クリップボードにコピーされていた画面全体の画像がペイントに表示されます。
- 必要に応じて、ペイントのツールを使って画像を編集(トリミング、文字の書き込みなど)します。
- 編集が完了したら、メニューの「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択し、画像の形式(PNG, JPEGなど)と保存場所、ファイル名を指定して保存します。
PrtScnキーのメリット・デメリット
メリット:
- 手軽さ: キーボードのキーを一つ押すだけで画面全体をキャプチャできる最も簡単な方法です。
- アプリケーションを選ばない: ほぼ全てのWindowsアプリケーション上で利用できます。
- クリップボード経由: 撮った画像を直接メールやチャットに貼り付けたり、WordやPowerPointなどの文書に挿入したりするのに便利です。ファイルとして保存する手間を省ける場合があります。
デメリット:
- 自動保存されない: 撮った画像はクリップボードに一時保存されるだけなので、保存するには必ずペイントなどのアプリケーションに貼り付けて別途保存操作を行う必要があります。
- 画面全体しか撮れない: 特定のウィンドウや画面の一部だけを撮りたい場合には不向きです(後述のAlt+PrtScnを除く)。
- 複数の画像を連続で撮るのが手間: 撮るたびにペイントに貼り付けて保存、という作業が必要になるため、複数のスクリーンショットを短時間で撮りたい場合には非効率です。
応用:Alt + PrtScnでアクティブウィンドウのみを撮る
PrtScnキーの応用として、「Alt」キーを押しながら「PrtScn」キーを押すという方法があります。
このショートカットキーを使うと、現在最も手前で操作しているウィンドウ(アクティブウィンドウ)だけを撮影し、クリップボードにコピーできます。デスクトップ全体ではなく、特定のアプリケーションウィンドウの内容だけを撮りたい場合に非常に便利です。
手順:
- スクリーンショットを撮りたいウィンドウをアクティブな状態にします(ウィンドウをクリックするなどして手前に表示させます)。
- キーボードの「Alt」キーを押しながら「PrtScn」キーを押します。
- ノートパソコンの場合は、「Alt」キーと「Fn」キーを同時に押しながら「PrtScn」キーを押す必要があるかもしれません。
- アクティブウィンドウの画像がクリップボードにコピーされます。
- ペイントなどのアプリケーションを開き、「Ctrl + V」で貼り付けて確認・保存します。
Alt + PrtScnのメリット・デメリット:
メリット:
- 特定のウィンドウのみ: 余計な部分(タスクバーや他のウィンドウ)を含めずに、必要なウィンドウだけをきれいに撮影できます。
- 手軽さ: PrtScn単独の場合と同様、キー操作だけで手軽に利用できます。
デメリット:
- 自動保存されない: PrtScn単独の場合と同様、クリップボードへのコピーのみです。
- ウィンドウ外の要素は撮れない: 例えば、デスクトップ上のアイコンやガジェット、タスクバーなどは撮影範囲に含まれません。
PrtScnキーを使った方法は、とにかく素早く「今見ている画面を一時的に保存したい」という場合に便利な方法です。ペイントなどのツールに貼り付けてから編集・保存する手間はありますが、簡単な操作で画面をキャプチャできる基本中の基本と言えるでしょう。
2. 自動保存で手間なし:Windowsキー + PrtScnキーを使う
PrtScnキーを単独で使う方法は、クリップボードへのコピーで終わってしまうため、ファイルとして保存するには一手間かかります。しかし、Windowsには、撮影と同時に画像ファイルとして自動的に保存してくれる便利なショートカットキーが用意されています。それが「Windows」キーと「PrtScn」キーを組み合わせる方法です。
Windowsキー + PrtScnキーの役割と動作
キーボードの左下あたりにある「Windows」ロゴが描かれたキーを押しながら、「PrtScn」キーを押します。
このショートカットキーを使うと、以下の二つの動作が同時に行われます。
- 画面全体の画像がクリップボードにコピーされます。 (PrtScnキー単独の場合と同じ)
- 画面全体の画像がPNG形式のファイルとして自動的に保存されます。
撮影と同時にファイル保存まで完了するため、特に複数のスクリーンショットを連続して撮りたい場合や、後でまとめて画像を確認・整理したい場合に非常に効率的です。
撮影手順と保存場所
- スクリーンショットを撮りたい画面を表示します。
- キーボードの「Windows」キーを押しながら「PrtScn」キーを押します。
- このとき、画面が一瞬暗くなる(または点滅する)視覚的なフィードバックがあります。これは撮影が成功し、ファイルが保存されたことを示しています。
- ノートパソコンによっては、「Windows」キーと「Fn」キーを同時に押しながら「PrtScn」キーを押す必要がある場合があります。
- これで撮影と保存は完了です。
撮った画像は、特定のフォルダに自動的に保存されます。
自動保存される場所:
通常、自動保存されたスクリーンショットは以下のフォルダに保存されます。
C:\Users\[ユーザー名]\Pictures\Screenshots
C:\
はWindowsがインストールされているドライブ(多くの場合Cドライブ)です。[ユーザー名]
は、現在ログインしているWindowsのアカウント名です。Pictures
は「ピクチャ」フォルダです。Screenshots
は「スクリーンショット」フォルダです。
エクスプローラーを開き、「PC」→「ピクチャ」→「スクリーンショット」と辿っていくことで、保存された画像ファイルを確認できます。
ファイル名について:
自動保存される画像ファイルは、連番で自動的に名前が付けられます。
例: スクリーンショット (1).png
, スクリーンショット (2).png
, スクリーンショット (3).png
, …
この連番は、そのフォルダに保存されているスクリーンショットの総数に応じて増えていきます。既に「スクリーンショット (5).png」まで存在していれば、次に保存されるファイルは「スクリーンショット (6).png」となります。ファイル名が自動で生成されるため、ファイル名をいちいち考える必要がないのも手軽な点です。
Windowsキー + PrtScnキーのメリット・デメリット
メリット:
- 自動保存: 撮影と同時に画像ファイルが保存されるため、保存の手間が省けます。これがこの方法の最大の利点です。
- 視覚的なフィードバック: 画面が一瞬暗くなるため、撮影が成功したかどうかを確認しやすいです。
- クリップボードへのコピーもされる: ファイル保存と同時にクリップボードにもコピーされるため、後でペイントなどに貼り付けて編集したい場合にも対応できます。
デメリット:
- 画面全体しか撮れない: PrtScn単独の場合と同様、画面全体しか撮影できません。特定のウィンドウや画面の一部だけを撮りたい場合には不向きです。
- 保存場所が固定: デフォルトの保存場所は「ピクチャ」フォルダ内の「スクリーンショット」フォルダに固定されています。保存場所を変更することは可能ですが、設定が必要です(後述の応用テクニックで解説)。
- ファイル名が連番: 自動で名前が付くのは便利ですが、後から見て内容が分かりにくい場合があります。必要に応じてファイル名の変更が必要になります。
Windowsキー + Alt + PrtScnキー (ゲームバーの機能)
「Windows」キー + 「Alt」キー + 「PrtScn」キーというショートカットキーも存在します。これは、主にゲームプレイ中の操作などを記録するために設計された「Xbox Game Bar」のキャプチャ機能の一部です。
このショートカットキーを使うと、アクティブウィンドウのスクリーンショットが撮られ、Game Barの設定で指定されたフォルダ(デフォルトでは「ビデオ」フォルダ内の「キャプチャ」フォルダ)にPNG形式で自動保存されます。
これはAlt + PrtScnキー(アクティブウィンドウをクリップボードにコピー)とWindows + PrtScnキー(画面全体をファイルに保存)を組み合わせたような機能ですが、対象がアクティブウィンドウに限定され、保存場所も異なります。
手順:
- スクリーンショットを撮りたいウィンドウをアクティブな状態にします。
- キーボードの「Windows」キーと「Alt」キーを同時に押しながら「PrtScn」キーを押します。
- 通常、撮影成功の通知が画面右側に表示されます。
- 画像は自動的に以下のフォルダに保存されます。
C:\Users\[ユーザー名]\Videos\Captures
- これはXbox Game Barのデフォルトの保存場所です。Game Barの設定で変更できます。
Windows + Alt + PrtScnキーのメリット・デメリット:
メリット:
- アクティブウィンドウを自動保存: 特定のウィンドウだけをファイルとして手軽に保存できます。
- Game Barとの連携: ゲームプレイ中の記録など、Game Barをよく使う場合に便利です。
デメリット:
- Game Barが有効である必要がある: この機能はXbox Game Barに依存するため、Game Barが無効になっていると使えません。
- 保存場所が異なる: 通常のスクリーンショット(Win + PrtScn)とは別の場所に保存されるため、管理が煩雑になる可能性があります。
- クリップボードにはコピーされない?: 環境によるかもしれませんが、基本的にはファイル保存のみでクリップボードにはコピーされないと考えた方が良いでしょう(要確認)。
Windowsキー + PrtScnキーは、画面全体を頻繁にファイルとして保存したい場合に非常に便利な方法です。特に、複数の画面を連続して記録しておきたいといったシーンで活躍します。自動保存される場所を把握しておけば、後からまとめて確認するのも簡単です。
3. より高度な撮影方法:Snipping Tool / 切り取り & スケッチ
PrtScnキーを使った基本的な方法は手軽ですが、「画面の一部だけを切り取りたい」「撮る前にタイマーを設定したい」といった細かいニーズには対応できません。このような場合に役立つのが、Windowsに標準搭載されているキャプチャツールです。Windows 10までは「Snipping Tool」が主流でしたが、Windows 10の後半から「切り取り & スケッチ」が登場し、Windows 11ではこちらが推奨されるツールとなっています。両方のツールについて解説します。
Snipping Tool (Windows 10まで推奨)
Snipping Toolは、Windows Vista以降に搭載されているキャプチャツールです。画面全体だけでなく、様々な形の領域を選択して撮影できるのが特徴です。
Snipping Toolの起動方法:
- Windowsの検索バーに「Snipping Tool」と入力して検索し、起動します。
- または、スタートメニューの「Windows アクセサリ」の中にある「Snipping Tool」を選択します。
Snipping Toolのインターフェースと機能:
Snipping Toolを起動すると、小さなウィンドウが表示されます。主なボタンや機能は以下の通りです。
- 新規作成: 新しいスクリーンショット撮影を開始します。
- モード: 撮影方法を選択できます。
- 自由形式の領域切り取り: マウスで自由な形を描いてその領域を切り取ります。
- 四角形の領域切り取り: マウスでドラッグして四角形の領域を指定し、その領域を切り取ります。最もよく使われるモードです。
- ウィンドウの切り取り: アクティブなウィンドウや、マウスカーソルを合わせた特定のウィンドウをクリックすることで、そのウィンドウ全体を切り取ります。Alt + PrtScnに近い機能です。
- 全画面領域の切り取り: PrtScnキー単独の場合と同様に、画面全体を切り取ります。
- 遅延: 撮影までの時間を設定できます(なし、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒)。ドロップダウンメニューなど、特定の操作で表示される要素を撮りたい場合に便利です。
- キャンセル: 現在の撮影操作をキャンセルします。
- オプション: ツールに関する各種設定を変更できます。
Snipping Toolを使った撮影手順(例:四角形の領域切り取り):
- Snipping Toolを起動します。
- 「モード」のドロップダウンリストから「四角形の領域切り取り」を選択します。
- 「遅延」が必要なければ「なし」のまま、「新規作成」ボタンをクリックします。
- 画面全体が白っぽく(または半透明に)なります。マウスカーソルが十字型に変わります。
- 撮影したい領域の左上隅をマウスでクリックしたまま、右下隅までドラッグします。
- マウスボタンを離すと、ドラッグした四角形の領域が切り取られ、Snipping Toolの編集ウィンドウに表示されます。
Snipping Toolの編集ウィンドウ:
撮影された画像は、Snipping Toolの編集ウィンドウに表示されます。ここでは簡単な編集や操作が可能です。
- ペンツール: 画像の上に自由に書き込みができます。ペンの色や太さも変更可能です。
- 蛍光ペンツール: 画像の特定の部分をハイライトできます。
- 消しゴムツール: 書き込んだ内容を消せます。
- コピーボタン: 編集ウィンドウの画像をクリップボードにコピーします。
- フロッピーディスクアイコン(保存): 画像をファイルとして保存します。保存形式はPNG、GIF、JPEG、MHTファイルから選択できます。
- メール送信ボタン: 撮影した画像を添付ファイルとしてメールソフトを起動します。
Snipping Toolのメリット・デメリット:
メリット:
- 多様な撮影モード: 画面全体だけでなく、四角形、自由な形、ウィンドウ単位で切り取りが可能です。
- 簡単な編集機能: 書き込みやハイライトなど、最低限の編集がツール内で完結します。
- 遅延機能: 特定の操作で表示される要素を撮るのに役立ちます。
デメリット:
- 起動の手間: ツールを起動する必要があり、ショートカットキーで即座に起動するわけではありません(タスクバーにピン留めしておくと便利)。
- 「切り取り & スケッチ」への移行: Windows 10の更新によって、Snipping Toolは将来的に廃止されることが示唆されています(実際にはWindows 11でも利用可能ですが、切り取り & スケッチが推奨されています)。新しい機能の追加などは期待できません。
- 機能がやや限定的: 高度な編集や、ページ全体のスクロールキャプチャなどはできません。
切り取り & スケッチ (Snip & Sketch) (Windows 10/11で推奨)
「切り取り & スケッチ」は、Snipping Toolの後継として開発されたモダンなキャプチャツールです。より洗練されたインターフェースと、強化された編集機能が特徴です。Windows 10およびWindows 11に標準搭載されています。
切り取り & スケッチの起動方法:
「切り取り & スケッチ」を起動する方法はいくつかあります。
- Windowsキー + Shift + S (最も推奨): このショートカットキーを押すと、画面上部に小さなツールバーが表示され、即座に撮影モードに入れます。ツールを事前に起動する必要がないため、非常に便利です。
- 検索バーから起動: Windowsの検索バーに「切り取り & スケッチ」または「Snip & Sketch」と入力して検索し、起動します。
- アクションセンターから起動: アクションセンター(Windowsキー + A で表示)の下部にある「画面領域切り取り」ボタンをクリックします。
- Print Screenキーに割り当てる: Windowsの設定で、PrtScnキーを押したときに「切り取り & スケッチ」が起動するように変更できます(設定 → アクセシビリティ → キーボード → プリントスクリーン ショートカット)。
「Windowsキー + Shift + S」を使った撮影手順:
このショートカットキーは、切り取り & スケッチの最も手軽な起動方法であり、同時に撮影モードへの移行も行います。
- スクリーンショットを撮りたい画面を表示します。
- キーボードの「Windows」キーと「Shift」キーを同時に押しながら「S」キーを押します。
- 画面全体が白っぽく(または半透明に)なり、画面上部に小さなツールバーが表示されます。
- ツールバーには以下のアイコンが表示されます。左から順に:
- 四角形の領域切り取り: マウスでドラッグして四角形の領域を指定します。
- 自由形式の領域切り取り: マウスで自由な形を描いてその領域を指定します。
- ウィンドウの切り取り: アクティブなウィンドウや、マウスカーソルを合わせた特定のウィンドウをクリックして指定します。
- 全画面表示の切り取り: 画面全体を撮影します。
- いずれかのモードを選択し、マウス操作で撮影範囲を指定します。
- 撮影範囲を確定すると、画像がクリップボードにコピーされます。同時に、画面右下に「切り取り & スケッチ」の通知が表示されます。
- 通知をクリックするか、「切り取り & スケッチ」アプリを別途起動して「新規作成」から「開く」を選択すると、撮影した画像が編集ウィンドウに表示されます。
切り取り & スケッチの編集ウィンドウ:
撮影した画像は、編集ウィンドウで詳細な編集が可能です。
- インクツール: ボールペン、鉛筆、蛍光ペンの3種類のペンツールがあり、色や太さも詳細にカスタマイズできます。タッチ操作やスタイラスペンにも対応しています。
- 消しゴム: 書き込んだ内容を消します。
- 定規/分度器: 画像上に定規や分度器を表示させ、正確な線を引いたり角度を測ったりするのに使えます。
- トリミング: 画像の不要な部分を切り取ります。
- ズーム: 画像を拡大・縮小して詳細を確認できます。
- ゴミ箱アイコン: 画像を破棄します。
- コピーアイコン: 編集ウィンドウの画像をクリップボードにコピーします。
- フロッピーディスクアイコン(保存): 画像をファイルとして保存します。保存形式はPNG、JPG、GIFから選択できます。
- 共有アイコン: メールや他のアプリケーションを使って画像を共有します。
遅延撮影について:
Snipping Toolにあった遅延機能は、「Windowsキー + Shift + S」のツールバーには直接表示されません。遅延撮影を行いたい場合は、一度「切り取り & スケッチ」アプリを起動し、アプリ内の「新規作成」ボタンの横にあるドロップダウンメニューから「3秒後に切り取り」または「10秒後に切り取り」を選択する必要があります。
切り取り & スケッチのメリット・デメリット:
メリット:
- 「Windowsキー + Shift + S」ショートカット: ツールを起動する手間なく、即座に撮影モードに入れるのが最大のメリットです。画面の一部を撮りたい場合に非常に効率的です。
- モダンで使いやすいインターフェース: Snipping Toolよりも洗練されており、タッチ操作にも配慮されています。
- 豊富な編集機能: ペンツールの種類やカスタマイズ性が高く、定規や分度器など便利なツールも利用できます。
- クリップボードと連携: 撮影と同時にクリップボードにコピーされるため、即座に他のアプリに貼り付けられます。
デメリット:
- 遅延撮影がショートカットから直接できない: 遅延撮影をしたい場合は、事前にアプリを起動する必要があります。
- Snipping Toolからの移行: Snipping Toolに慣れていた場合、最初は操作方法に戸惑うかもしれません。
Snipping Toolと切り取り & スケッチの使い分け:
特別な理由がない限り、Windows 10/11をお使いであれば「切り取り & スケッチ」の使用をおすすめします。 特に「Windowsキー + Shift + S」のショートカットキーを覚えれば、画面の一部を撮る作業が劇的に効率化されます。
Snipping Toolは互換性のために残されていますが、新しい機能は追加されません。一方、「切り取り & スケッチ」は積極的に開発されており、より多くの機能が追加される可能性があります。
遅延撮影を頻繁に使う、あるいは古いWindowsバージョンを使っている場合はSnipping Toolを使うという選択肢もありますが、基本的には「切り取り & スケッチ」に慣れておくのが良いでしょう。
4. その他の便利な撮影方法と機能
Windowsには、上記以外にも特定の用途に特化したスクリーンショット機能や、関連する便利な機能が搭載されています。
Xbox Game Bar を使う方法 (Windowsキー + G)
Xbox Game Barは、主にゲームプレイ中の録画やスクリーンショット撮影、パフォーマンス監視などのために提供されている機能です。しかし、ゲーム以外のアプリケーションでも利用できます。
起動方法:
キーボードの「Windows」キーと「G」キーを同時に押します。
すると、画面上にGame Barのインターフェース(ウィジェットの集合体)が表示されます。
スクリーンショット機能の使い方:
Game Barのウィジェットの中に「キャプチャ」というウィジェットがあります(カメラのアイコンが表示されていることが多いです)。
- Game Barを起動します (Windowsキー + G)。
- 「キャプチャ」ウィジェット内のカメラアイコンをクリックします。
- これでスクリーンショットが撮影されます。
または、Game Barを起動せずに以下のショートカットキーで直接撮影することも可能です。
- Windowsキー + Alt + PrtScn: アクティブウィンドウのスクリーンショットを撮り、ビデオ > キャプチャ フォルダに自動保存します。 (前述の「2. 自動保存で手間なし」の項でも触れました)
保存場所:
Game Barで撮影したスクリーンショットは、デフォルトでは以下のフォルダに自動保存されます。
C:\Users\[ユーザー名]\Videos\Captures
これもGame Barの設定で変更可能です。
Xbox Game Bar スクリーンショットのメリット・デメリット:
メリット:
- 手軽さ: Game Barを起動してアイコンをクリックするか、ショートカットキーで簡単に撮影できます。
- 動画録画も可能: Game Barはスクリーンショットだけでなく、画面の動画録画(Windowsキー + Alt + R)も手軽に行えます。
- バックグラウンド録画機能: ゲームプレイ中の「直前の30秒」などを後から保存するといった、スクリーンショットとは異なるキャプチャ機能も備えています。
デメリット:
- Game Barの起動が必要な場合がある: アイコンをクリックして撮影するにはGame Barを起動する必要があります。
- 保存場所が異なる: 通常のスクリーンショット(ピクチャ > スクリーンショット)とは別の場所に保存されるため、管理が煩雑になる可能性があります。
- 対象が限定される場合がある: ショートカットキー(Win + Alt + PrtScn)はアクティブウィンドウのみが対象です。
- Game Barのオーバーレイが写り込む可能性: Game Barを開いた状態で撮影すると、そのウィジェットが写り込んでしまうことがあります。
主にゲーム関連の情報を記録したい場合や、Game Barを日常的に利用している場合に便利な方法です。
Microsoft EdgeのWebキャプチャ機能
Webページ全体のスクリーンショットを撮りたい場合、Windowsの標準機能では通常、表示されている範囲しか撮影できません。しかし、Microsoft Edgeブラウザには、表示範囲だけでなく、Webページ全体をスクロールしてキャプチャする機能が搭載されています。
起動方法:
EdgeでWebページを開いている状態で、以下のいずれかの操作を行います。
- Webページ上の何もない場所で右クリックし、「Web キャプチャ」を選択します。
- キーボードショートカット「Ctrl + Shift + S」を押します。
撮影手順:
「Web キャプチャ」を起動すると、画面上部にツールバーが表示されます。
- ツールバーから「範囲をキャプチャ」または「ページ全体をキャプチャ」を選択します。
- 「範囲をキャプチャ」を選んだ場合は、マウスでドラッグしてキャプチャしたい領域を指定します。
- 「ページ全体をキャプチャ」を選んだ場合は、自動的にページ全体がキャプチャされます。
- キャプチャが完了すると、キャプチャした画像が「Web キャプチャ」の編集画面に表示されます。
編集機能:
編集画面では、ペンツール(色や太さの変更可)を使って画像に書き込みをしたり、消しゴムで書き込みを消したりできます。
保存・共有:
編集が完了したら、画面右上の以下のボタンで操作を選択できます。
- 共有アイコン: 画像を他のアプリに共有します。
- コピーアイコン: 画像をクリップボードにコピーします。
- 保存アイコン: 画像をファイルとして保存します。デフォルトの保存場所は「ダウンロード」フォルダですが、保存時に場所を指定できます。
Microsoft Edge Webキャプチャのメリット・デメリット:
メリット:
- Webページ全体をキャプチャできる: これは他の標準的なスクリーンショット機能にはない大きな利点です。縦長のWebページの内容を全て1枚の画像として保存できます。
- ブラウザ内で完結: 他のアプリケーションを起動する必要なく、Webページを閲覧しながら手軽に利用できます。
- 簡単な編集機能: ブラウザ内で書き込みや共有が可能です。
デメリット:
- Edgeブラウザ限定: Edge以外のブラウザ(Chrome, Firefoxなど)では利用できません。
- Webページしか撮れない: PCのデスクトップ画面や他のアプリケーションの画面はキャプチャできません。
Webページの内容をまとめて記録しておきたい場合や、Webサイトの長いコンテンツを共有したい場合に非常に便利な機能です。
PowerPointなどのOfficeソフトを使った方法
Microsoft PowerPointやWordなどのOfficeソフトには、現在開いている他のウィンドウのスクリーンショットを挿入する機能が搭載されています。
挿入手順(例:PowerPoint):
- PowerPointなどのOfficeソフトを開き、スクリーンショットを挿入したいスライドや文書を表示します。
- メニューの「挿入」タブを選択します。
- 「画像」グループにある「スクリーンショット」をクリックします。
- 現在開いているウィンドウの一覧が「使用できるウィンドウ」として表示されます。挿入したいウィンドウのサムネイルをクリックします。
- 選択したウィンドウ全体の画像が、現在のスライドや文書に挿入されます。
「画面の領域」を指定して挿入:
「挿入」→「スクリーンショット」メニューの一番下にある「画面の領域」を選択すると、Snipping Toolの四角形モードのように、デスクトップ画面全体が白っぽくなり、マウスでドラッグして切り取りたい領域を指定できます。指定した領域の画像が、Officeファイルに直接挿入されます。
Officeソフトのスクリーンショット機能のメリット・デメリット:
メリット:
- Officeファイル作成中に便利: プレゼンテーション資料やマニュアル作成など、Officeファイルに画面画像を挿入したい場合に、他のツールを使わずにその場で挿入できます。
- 編集機能との連携: 挿入された画像はOfficeの画像編集機能(トリミング、明るさ調整、図形効果など)を使ってすぐに編集できます。
- 「画面の領域」機能で必要な部分だけを切り取れる: Snipping Toolや切り取り & スケッチの基本的な切り取り機能と同じように使えます。
デメリット:
- Officeソフトが起動している必要がある: この機能を使うためには、PowerPointやWordなどが起動している必要があります。
- 撮影対象が限定される: 「使用できるウィンドウ」として表示されるのは、最小化されていない開いているウィンドウのみです。デスクトップ全体や、Officeソフト自体の画面は直接キャプチャできません(「画面の領域」を使えばデスクトップや他のウィンドウも指定可能ですが、PowerPointやWordのウィンドウ自体は操作中は非アクティブになるため一覧に表示されないか、表示されても正確にキャプチャできない場合があります)。
- クリップボードへのコピーやファイル保存は別途必要: 挿入された画像をクリップボードにコピーしたり、画像ファイルとして保存したりするには、Officeソフトの機能や別の方法を使う必要があります。
主にOffice文書作成中に、他のアプリケーションの操作画面などを手軽に挿入したい場合に重宝する機能です。
5. スクリーンショット撮影時の応用テクニックとヒント
Windowsの標準機能を使ったスクリーンショット撮影方法をいくつかご紹介しましたが、さらに便利に使いこなすための応用テクニックや設定、知っておくと役立つヒントがあります。
保存形式とファイル名について
Windowsの標準機能で自動保存されるスクリーンショットは、通常PNG形式で保存されます。
- PNG (Portable Network Graphics):
- 特徴: 可逆圧縮(画質を劣化させずにファイルサイズを小さくできる)、透過(透明な背景)をサポート、色数が豊富。
- 用途: 細かい文字や図形が多く含まれる画面、透過が必要な画像、画質を重視する場合に適しています。ファイルサイズはJPEGより大きくなる傾向があります。
- JPEG (Joint Photographic Experts Group):
- 特徴: 非可逆圧縮(圧縮率を上げるほど画質が劣化するが、ファイルサイズを大幅に小さくできる)。
- 用途: 写真画像のように色の変化が多い、ファイルサイズを小さくしてメール添付やWeb公開したい場合に適しています。文字や図形のエッジがぼやけやすい特性があります。
Snipping Toolや切り取り & スケッチで「名前を付けて保存」する際には、PNG、JPG、GIFなどの形式を選択できます。保存する目的に応じて適切な形式を選びましょう。特にウェブサイトのキャプチャやアプリケーション画面など、文字やウィンドウの境界がはっきりしている画像はPNG形式がおすすめです。
ファイル名について:
Windowsキー + PrtScnで自動保存されるファイル名は「スクリーンショット (連番).png」となります。後から見返したときに内容が分かりやすいように、必要に応じてファイル名を変更することをおすすめします。例えば、「エラーメッセージ_〇〇ソフト.png」「ウェブサイト_トップページ_20231027.png」のように、内容と撮影日時を盛り込むと管理しやすくなります。
保存場所の変更 (Windowsキー + PrtScnの場合)
Windowsキー + PrtScnで自動保存される場所は、デフォルトでは「ピクチャ」→「スクリーンショット」フォルダですが、この保存場所を変更することが可能です。OneDriveのフォルダなど、別の場所を指定したい場合に便利です。
保存場所を変更する手順:
- エクスプローラーを開き、現在のスクリーンショット保存場所である「ピクチャ」フォルダ内の「スクリーンショット」フォルダを開きます。
- 通常は
C:\Users\[ユーザー名]\Pictures\Screenshots
です。
- 通常は
- 「スクリーンショット」フォルダを右クリックし、メニューから「プロパティ」を選択します。
- プロパティウィンドウが表示されたら、「場所」タブを選択します。
- 現在の保存場所のパスが表示されています。「移動」ボタンをクリックします。
- 新しい保存場所にしたいフォルダを選択または作成し、「フォルダーの選択」をクリックします。
- プロパティウィンドウに戻り、新しいパスが「場所」の欄に表示されていることを確認します。「適用」をクリックします。
- 「場所を移動しますか?」という確認メッセージが表示される場合があります。元の場所から新しい場所へ既存のファイルを移動するかどうか尋ねています。必要に応じて「はい」または「いいえ」を選択します。
- 「OK」をクリックしてプロパティウィンドウを閉じます。
これで、以降Windowsキー + PrtScnで撮影したスクリーンショットは、新しく指定したフォルダに自動保存されるようになります。
遅延撮影の活用
Snipping Toolや切り取り & スケッチの遅延機能は、特定の操作をしないと表示されない画面要素(ドロップダウンリスト、ツールチップ、右クリックメニューなど)をスクリーンショットに含めたい場合に非常に有効です。
遅延撮影の利用例(切り取り & スケッチの場合):
- キャプチャしたい画面要素(例: アプリケーションのメニューを開いた状態)を表示する準備をします。
- 「切り取り & スケッチ」アプリを起動します(Win + Shift + S ではなく、アプリ本体を起動)。
- アプリの左上にある「新規」ボタンの横のドロップダウンメニューをクリックし、「3秒後に切り取り」または「10秒後に切り取り」を選択します。
- 画面全体が一旦消え、指定した秒数後にキャプチャモードに入ります。
- この待ち時間の間に、キャプチャしたい画面要素(例: ドロップダウンリスト)が表示される操作(例: メニューをクリック)を行います。
- 遅延時間が終了するとキャプチャモード(画面が白っぽくなる状態)に入るので、通常通りマウスで撮影範囲を指定します(自由形式、四角形など)。
- 指定した領域に含まれる、表示させたかった要素も一緒に撮影できます。
この機能を使えば、通常のスクリーンショットではタイミングよく撮るのが難しい動的な画面要素も確実にキャプチャできます。
複数モニターでの撮影
複数のディスプレイを接続している環境でスクリーンショットを撮る場合、ショートカットキーによって挙動が異なります。
- PrtScn (単独) または Windowsキー + PrtScn:
- 接続されている全てのディスプレイを合わせた領域全体のスクリーンショットが撮られます。
- 画像は、全てのディスプレイを一つの巨大な画面と見なしたサイズになります。
- PrtScn単独の場合はクリップボードにコピー、Windowsキー + PrtScnの場合はクリップボードへのコピーと同時にファイル保存(全てのディスプレイを合わせた画像が1枚のファイルとして保存されます)。
- Alt + PrtScn または Windowsキー + Alt + PrtScn (Game Bar):
- アクティブになっているウィンドウが表示されているディスプレイのみが対象となります。
- Alt + PrtScnは、そのディスプレイ上のアクティブウィンドウのみをクリップボードにコピーします。
- Windowsキー + Alt + PrtScnは、そのディスプレイ上のアクティブウィンドウのみをGame Barの保存場所にファイルとして保存します。
- Windowsキー + Shift + S (切り取り & スケッチ):
- ショートカットを押すと、全てのディスプレイを合わせた領域全体がキャプチャモード(画面が白っぽくなる状態)になります。
- その上で、マウスで指定した範囲のみを切り取ります。この際、特定のディスプレイ上の領域のみを指定することも、複数のディスプレイにまたがる領域を指定することも可能です。
- 「ウィンドウの切り取り」モードを選択した場合は、カーソルを合わせたウィンドウが表示されているディスプレイ上のそのウィンドウのみが対象となります。
複数モニター環境で特定のモニター全体を撮りたい場合は、そのモニター上でアクティブなウィンドウを表示した状態でAlt + PrtScnを使うか、Windowsキー + Shift + Sでそのモニター全体を範囲指定するのが良いでしょう。全てのモニターの内容をまとめて記録したい場合は、PrtScn単独またはWindowsキー + PrtScnが最も手軽です。
編集機能の活用
標準機能で撮ったスクリーンショットに、後から簡単な編集を加えたい場合があります。
- 切り取り & スケッチ: 撮影後の編集ウィンドウで、ペン、蛍光ペン、消しゴム、トリミングなどの編集が可能です。特に、注目してほしい箇所に丸をつけたり、テキストをハイライトしたりするのに便利です。
- ペイント: PrtScnやAlt + PrtScnでクリップボードにコピーした画像をペイントに貼り付ければ、より自由な編集が可能です。テキストボックスの挿入、図形の描画、塗りつぶし、サイズ変更、回転など、基本的な画像編集ツールが揃っています。
- フォトアプリ: Windowsの標準フォトアプリでも、画像の回転、切り抜き、フィルター適用、簡単な調整などが可能です。撮影した画像ファイルをダブルクリックして開けば、すぐに編集を始められます。
目的に応じて、これらの標準搭載されている編集ツールを使い分けることで、スクリーンショットをより分かりやすく、効果的なものにすることができます。
クリップボード履歴の活用 (Windowsキー + V)
Windows 10の大型アップデート以降、「クリップボードの履歴」機能が追加されました。通常、クリップボードには最後にコピーしたものしか保持されませんが、この機能を有効にすると、複数の項目(テキストや画像など)を履歴として保持できるようになります。
有効化の方法:
- キーボードの「Windows」キーと「V」キーを同時に押します。
- 初めてこのショートカットを使う場合、「クリップボードの履歴をオンにしますか?」というメッセージが表示されます。
- 「有効にする」ボタンをクリックします。
使い方:
- クリップボードの履歴が有効になったら、複数の項目(スクリーンショットを含む)を連続してコピー(例: PrtScnキーやWin + Shift + Sなど)していきます。
- 貼り付けたい場所で、再び「Windows」キーと「V」キーを同時に押します。
- すると、これまでにコピーした項目の履歴リストが表示されます。
- 貼り付けたい項目をクリックすると、その項目が現在のカーソル位置に貼り付けられます。
メリット:
- 複数のスクリーンショットを連続で撮れる: 例えば、3つの異なる画面のスクリーンショットを撮りたい場合、Win + Shift + Sで最初の画面の一部を撮りクリップボードにコピー、次に別の画面でWin + Shift + Sで別の部分を撮りクリップボードにコピー、さらに別の画面で… というように連続でキャプチャできます。
- 後から好きな順番で貼り付けられる: 必要なスクリーンショットを全てクリップボード履歴にストックしておき、後からWord文書などにまとめて貼り付ける、といった作業が効率化されます。
スクリーンショットだけでなく、テキストやその他のコピー項目にも利用できるため、非常に便利な機能です。
よくあるトラブルとその対処法
スクリーンショット撮影時によく遭遇する問題と、その解決策を紹介します。
- PrtScnキーを押しても何も起こらない、または貼り付けても何も表示されない:
- 原因: キーボードの故障、Fnキーとの同時押し忘れ(ノートPCの場合)、クリップボードがクリアされている、貼り付け先のアプリが画像貼り付けに対応していない。
- 対処法:
- 別のキーボードで試すか、ノートPCならFnキーとPrtScnキーを一緒に押してみてください。
- 念のため、PrtScnキーを押した後、すぐにペイントを開いてCtrl + Vで貼り付けてみてください。
- PCを再起動してみる。
- キーボードドライバを更新してみる。
- ハードウェアの問題の可能性も考慮する。
- Windowsキー + PrtScnを押しても画面が暗くならず、ファイルも保存されない:
- 原因: Windowsキーが正常に機能していない、PrtScnキーが正常に機能していない、ショートカットが競合している、保存先のフォルダに書き込み権限がない、ストレージの空き容量がない。
- 対処法:
- Windowsキー単独でスタートメニューが開くか確認する。
- PrtScnキー単独でクリップボードにコピーできるか確認する(ペイントで貼り付け)。
- 保存先の「スクリーンショット」フォルダのプロパティを確認し、書き込み権限があるか確認する。
- ストレージの空き容量を確認する。
- PCを再起動する。
- ゲームバーなどが有効になっているか確認する(関連機能のため)。
- 撮影した画像が暗い、または明るすぎる:
- 原因: HDR設定が有効になっているディスプレイの場合、Windowsの標準キャプチャ機能がHDRの色空間を正しく扱えず、SDRでキャプチャされる際に色が変化してしまうことがあります。サードパーティ製ツールによっては、HDRに対応しているものもあります。
- 対処法:
- もしHDRディスプレイを使用している場合は、一時的にHDR設定を無効にして撮影してみる。
- フォトアプリや画像編集ソフトで、明るさやコントラストを調整する。
- HDR対応を謳っているサードパーティ製キャプチャツールを検討する。
- 特定のウィンドウ(例: 全画面表示の動画プレイヤー)がうまく撮れない、または真っ黒になる:
- 原因: DRM(著作権保護)などの技術により、画面キャプチャが制限されている場合があります。ハードウェアアクセラレーションが影響している可能性もあります。
- 対処法:
- 動画プレイヤーなどの設定で、ハードウェアアクセラレーションを無効にしてみる(ただしパフォーマンスに影響する可能性があります)。
- 別のキャプチャ方法(例: Game Bar)を試してみる。
- スマートフォンのカメラなどで物理的に画面を撮影する(最終手段)。
- 自動保存されたスクリーンショットが見つからない:
- 原因: デフォルトの保存場所を勘違いしている、保存場所が変更されている、ファイルが非表示になっている、ファイル検索がうまくいっていない。
- 対処法:
- エクスプローラーで
C:\Users\[ユーザー名]\Pictures\Screenshots
を正確に開いてみる。 - 過去に保存場所を変更した覚えがないか確認する。もし変更した場合は、変更先のフォルダを確認する。
- エクスプローラーの検索ボックスで「スクリーンショット *.png」などと検索してみる。
- 隠しファイルが表示される設定になっているか確認する(エクスプローラーの表示タブ)。
- 「最近使ったファイル」などからファイル履歴を辿ってみる。
- エクスプローラーで
これらの対処法を試しても解決しない場合は、Windowsのシステムファイルチェッカーを実行したり、Windowsのトラブルシューティングツールを使用したり、それでもだめならWindowsの修復インストールやクリーンインストールを検討する必要があるかもしれません。ただし、ほとんどのスクリーンショットに関するトラブルは、上記の方法で解決できることが多いです。
6. さらに高機能なサードパーティ製ツール
Windows標準のスクリーンショット機能は、日常的なニーズの多くを満たすことができます。しかし、さらに高度な機能(例えば、スクロールキャプチャ、複雑な編集機能、自動アップロード、GIFアニメーション作成など)が必要な場合は、サードパーティ製のスクリーンショットツールを検討する価値があります。
ここでは、いくつか代表的な無料または有料のサードパーティ製ツールを紹介します。
- ShareX (無料):
- 特徴: 超高機能でカスタマイズ性が非常に高い無料ツールです。画面キャプチャ、画面録画、GIF作成、OCR、画像編集、自動ファイルアップロード(様々なクラウドサービスに対応)、URL短縮、QRコード生成など、多くの機能を搭載しています。スクロールキャプチャにも対応しています。
- こんな人におすすめ: 高度な機能を無料で利用したい、複数の作業を自動化したい、ブログやSNSで積極的にスクリーンショットを活用したい人。
- 注意点: 機能が多すぎて最初は使い方に戸惑うかもしれません。インターフェースはやや複雑です。
- Greenshot (無料):
- 特徴: シンプルながらも必要十分な機能を備えた無料ツールです。領域、ウィンドウ、全画面のキャプチャに加え、簡単な画像編集機能(矢印、図形描画、テキスト追加、モザイク処理など)や、様々な形式での保存、外部エディタとの連携などが可能です。
- こんな人におすすめ: 標準機能より少し高機能で、かつシンプルで使いやすいツールを求める人。特にモザイク処理は情報漏洩防止に役立ちます。
- 注意点: ShareXほどの多機能性はありませんが、多くのユーザーにとって十分な機能を持っています。
- Snagit (有料):
- 特徴: プロフェッショナル向けの有料キャプチャソフトです。高画質の画像・動画キャプチャ、スクロールキャプチャ、高度な編集機能(テキスト認識、ステップ描画、エフェクトなど)、テンプレート機能、各種出力・共有オプションなど、非常に多機能です。動画編集機能も充実しています。
- こんな人におすすめ: マニュアル作成者、テクニカルライター、デザイナー、ソフトウェア開発者など、頻繁に高品質なスクリーンショットや操作説明動画を作成する必要がある人。
- 注意点: 有料であり、価格はそれなりに高価です。無料試用版が利用可能です。
これらのサードパーティ製ツールは、Windows標準機能では実現できない高度な機能を提供しています。しかし、その一方で、ツールのインストールが必要であったり、学習コストがかかったり、有料の場合はコストが発生したりといったデメリットもあります。まずは標準機能をしっかり使いこなし、それでも物足りないと感じた場合に、これらの高機能ツールを検討するのが良いでしょう。
7. まとめ:あなたの目的に合ったスクリーンショット方法を見つけよう
この記事では、Windowsでスクリーンショットを撮るための様々な方法を詳しく解説しました。それぞれの方法には特徴があり、どのような場面で役立つかが異なります。最後に、これらの方法を簡単に振り返り、あなたの目的に合った方法を見つけるためのヒントを提供します。
-
PrtScn (Print Screen) キー:
- 特徴: 画面全体をクリップボードにコピー。最も基本的な方法。
- 用途: 今見ている画面を一時的に記録したい、すぐにペイントなどに貼り付けて編集したい。
- 応用: Alt + PrtScnでアクティブウィンドウのみをコピー。
- 手軽さ: ★★★★★ (キーを押すだけ)
- 機能性: ★★☆☆☆ (画面全体/アクティブウィンドウのみ、クリップボード)
-
Windowsキー + PrtScn キー:
- 特徴: 画面全体をクリップボードにコピー & 「ピクチャ」→「スクリーンショット」フォルダにファイルとして自動保存。
- 用途: 画面全体の画像をファイルとして手軽に保存したい、複数の画面を連続して記録したい。
- 応用: 保存場所の変更、Win + Alt + PrtScn (Game Bar経由でアクティブウィンドウを別フォルダに保存)。
- 手軽さ: ★★★★★ (キーを押すだけで保存まで完了)
- 機能性: ★★★☆☆ (画面全体のみ、自動保存)
-
Snipping Tool / 切り取り & スケッチ (Snip & Sketch):
- 特徴: 画面の一部(四角形、自由形式、ウィンドウ)または全体を切り取れる高機能ツール。簡単な編集機能付き。
- 用途: 画面の特定の部分だけを正確に切り取りたい、簡単な書き込みを加えたい、遅延撮影をしたい。
- おすすめ: 切り取り & スケッチ (特に Win + Shift + S ショートカット) がWindows 10/11では最も汎用的で効率的です。
- 手軽さ: ★★★★☆ (ショートカットキーで即座に起動)
- 機能性: ★★★★☆ (範囲指定、編集、遅延撮影)
-
Xbox Game Bar (Windowsキー + G または Windowsキー + Alt + PrtScn):
- 特徴: ゲーム関連機能だが、アクティブウィンドウのキャプチャと自動保存が可能。動画録画もできる。
- 用途: ゲーム中の特定の瞬間を記録したい、アクティブウィンドウだけを手軽にファイル保存したい(Game Barユーザー向け)。
- 手軽さ: ★★★☆☆ (Game Bar起動またはショートカット)
- 機能性: ★★★☆☆ (アクティブウィンドウのみ、自動保存、動画録画連携)
-
Microsoft Edge Webキャプチャ (Ctrl + Shift + S など):
- 特徴: Edgeブラウザ内で、Webページの一部または全体をキャプチャ。簡単な編集機能付き。
- 用途: Webページの内容をまとめて記録・共有したい、長いWebページ全体を1枚の画像にしたい。
- 手軽さ: ★★★★☆ (Edge内ショートカット)
- 機能性: ★★★☆☆ (Webページ限定だが、ページ全体のキャプチャが可能)
-
PowerPointなどのOfficeソフトの機能:
- 特徴: 開いているウィンドウのスクリーンショットをOfficeファイルに直接挿入。「画面の領域」指定も可能。
- 用途: Office文書作成中に他のアプリケーションの画面を挿入したい。
- 手軽さ: ★★★☆☆ (Office起動中)
- 機能性: ★★☆☆☆ (Office連携、限定的な対象)
これらの方法を理解し、目的に合わせて使い分けることが、Windowsでのスクリーンショット撮影をマスターする鍵となります。
- とにかく素早く画面全体を記録したい → PrtScn (クリップボード) または Windowsキー + PrtScn (ファイル保存)
- 画面の特定の部分だけを切り取りたい → Windowsキー + Shift + S (切り取り & スケッチ)
- 特定のウィンドウだけを撮りたい → Alt + PrtScn (クリップボード) または Windowsキー + Alt + PrtScn (Game Bar経由でのファイル保存)
- 操作メニューなどを開いた状態で撮りたい → 切り取り & スケッチ または Snipping Tool の遅延機能
- 長いWebページ全体を撮りたい → Microsoft Edge の Webキャプチャ
- Office文書に画面を挿入したい → Officeの「スクリーンショット」機能
また、Windowsキー + V で使えるクリップボード履歴機能は、どの方法でキャプチャするにしても非常に便利なので、ぜひ有効にして活用してみてください。
最初は戸惑うかもしれませんが、いくつかのショートカットキーとツールの使い方を覚えれば、あなたのパソコン作業は間違いなく効率化されるはずです。エラー発生時の状況を正確に伝えたり、情報を分かりやすく共有したりと、スクリーンショットを使いこなすことで得られるメリットは計り知れません。
この記事が、あなたのWindowsでのスクリーンショットライフをより快適で生産的なものにする一助となれば幸いです。ぜひ色々な方法を試して、あなたにとって最適なキャプチャ方法を見つけてください。