デルタルーン チャプター2 aルート徹底解説【攻略・ネタバレ】
はじめに
『DELTARUNE(デルタルーン)』は、『UNDERTALE(アンダーテイル)』の作者であるトビー・フォックス氏が手掛ける、もう一つの世界を描いた作品です。チャプター1の衝撃的なエンディングを経て、多くのファンが待ち望んだチャプター2は、前作を遥かに凌駕するボリュームと新たなキャラクター、そして予想だにしない展開で私たちを驚かせました。
この記事では、『デルタルーン』チャプター2のいわゆる「aルート」、すなわち平和主義ルート(誰も倒さずにクリアするルート)に焦点を当て、ゲームの進行、パズル、戦闘、ストーリー、隠し要素、そして衝撃的なエンディングまでを徹底的に解説します。これからチャプター2をプレイする方、既にプレイしたけれど内容を深く理解したい方、そして平和主義ルートで進めたい方のための完全ガイドとなります。
【注意】
この記事は『デルタルーン チャプター2』の重大なネタバレを含みます。未プレイの方はご注意ください。また、ゲーム内の固有名詞(キャラクター名、技名など)は日本語表記に統一しています。
チャプター2開始までの流れ
チャプター1のラスト、クリスの家の地下で衝撃的な出来事が起こり、プレイヤーは不安と期待を抱えながらセーブデータを引き継いでチャプター2へと進みます。
チャプター2は、静かな朝から始まります。クリスはいつものように学校へ向かいますが、少し様子が異なります。アズゴアの花屋に立ち寄ると、そこにはチャプター1では登場しなかったクラスメイト、ノエルがいます。彼女は明るく優しい少女ですが、どこか物憂げな様子も窺えます。
学校に着くと、スージィとのやり取りを経て、クリスとスージィは宿題のために図書館へ行くことになります。図書館の地下にある電算室に、謎の暗闇が出現しており、ここからチャプター2のダークワールド「サイバースペース」への冒険が始まります。
ダークワールド:サイバースペースへ
図書館の電算室から突入するダークワールドは、その名の通りコンピューターやインターネットをモチーフにしたサイバースペースです。ギラギラと光るネオン、摩天楼のようなビル群、奇妙な機械生命体のようなダークナーたちがこの世界を彩ります。
サイバースペースに足を踏み入れたクリスとスージィは、すぐにラルセイと再会します。ラルセイはチャプター1での服装を一新し、より活動的な姿になっています。三人は再びパーティを組み、この新たなダークワールドの探索を開始します。
サイバースペースの統治者は、予測不能な言動を繰り返す謎めいた存在、クィーンです。彼女は「ネット」を通して世界のすべてを支配しようと目論んでおり、この世界のライトナーであるノエルと、同じくライトナーであるバーディーを従えています。
クリス、スージィ、ラルセイは、クィーンの野望を阻止し、元の世界に戻るためにサイバースペースを進んでいくことになります。平和主義ルートを目指す場合、この世界のダークナーたちとは戦わず、「こうどう」を選んで彼らを「みのがす」ことが基本的な方針となります。
サイバースペース攻略:各エリア徹底解説(平和主義ルート中心)
サイバースペースは、いくつかのエリアに分かれています。それぞれのエリアには独自のギミックや敵がおり、平和主義ルートでは彼らとの共存を目指します。
1. シティ (City)
サイバースペースに降り立った最初のエリアは、巨大な都市です。ネオンが輝き、車が行き交うSF的な街並みです。
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最初の遭遇戦:
- 最初に遭遇する敵は、マンドラ、トポタ、ポッポポの3体です。
- 平和的な対処法:
- マンドラ:こうどう「うたう」を一度使うと、眠ってSPARE可能になります。
- トポタ:こうどう「話す」を選ぶと、特に何も起こりませんが、ラルセイの「まもる」などでターンを凌ぎ、他の敵をSPAREした後にトポタだけになったらSPAREできます。他の敵と同時にSPARE条件を満たすことも多いです。
- ポッポポ:こうどう「笑う」を選ぶと、喜んでSPARE可能になります。
- 全員をSPAREすると、戦闘終了です。
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街の探索:
- 街には様々なNPCがいます。話しかけることで世界観を知ることができます。
- ショップ(スパイシーショップなど)があり、回復アイテムや装備品を購入できます。平和主義ルートでは、戦闘をしないため装備品より回復アイテムやTP回復アイテムが重要になります。
- 隠し通路やアイテムがいくつかあります。
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スパムトンとの初遭遇:
- ある場所で、奇妙なセールスマンのようなダークナー、スパムトンと遭遇します。彼は独特の言葉遣いと怪しいオーラを放っています。彼は後の隠しボスに関わってきます。彼のショップでは、特定のアイテムを購入したり売却したりできます。
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バーディーとの遭遇:
- 街中で、クラスメイトのバーディーと遭遇します。彼はノエルと共にクィーンに協力しているようです。クリスやスージィとは敵対的な態度をとりますが、平和主義ルートでは彼との関係性が後の展開に大きく影響します。ここでは簡単なイベントバトルが発生しますが、すぐに終了します。
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交通整理パズル:
- 特定の場所で、車を誘導する交通整理のミニゲームがあります。道を空けて車を通すのが目的です。それほど難しくありません。
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クィーンの城:
- 街の奥には、クィーンの巨大な城があります。最初のシティエリアは、この城の入り口までの道のりとなります。
2. マンション (Mansion)
クィーンの城内部は「マンション」と呼ばれています。非常に広く、様々なギミックや敵が待ち受けています。
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内部構造とギミック:
- mansionはいくつかのフロアや区画に分かれています。
- バッテリーパズル: 各所にあるドアを開けるためには、バッテリーが必要です。マップのどこかに落ちているバッテリーを探してきて、適切な場所に設置する必要があります。
- 電気柵: 特定の通路には電気柵があり、触れるとダメージを受けます。オフにするスイッチを探すか、通り抜けるタイミングを見計らう必要があります。
- ケーキパズル: クィーンのお仕置き部屋のような場所で、強制的にケーキを食べさせられるイベントがあります。一定時間内に指示されたボタンを押すことでダメージを回避できます。
- その他: 移動床、一方通行の道など、様々なギミックがあります。
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マンションの敵(平和的な対処法):
- スイーパー: こうどう「話しかける」→「ほめる」でSPARE可能。
- ウィローシプ: こうどう「水やり」を何度か行うとSPARE可能。
- ティンニィ: こうどう「拍手する」→「熱狂する」でSPARE可能。
- ヴルカン: こうどう「応援する」でSPARE可能。ラルセイの「まもる」も有効です。
- ミケ: こうどう「構える」→「なでる」でSPARE可能。
- アディソン: こうどう「ポーズを決める」を選ぶと、それぞれポーズを変えてSPARE可能になります。(ブルーアディソン、イエローアディソン、オレンジアディソンでこうどうの種類が微妙に異なりますが、ポーズ関係のこうどうでSPARE可能になります。)
- 他にも様々な敵がいますが、基本的に「こうどう」を選び、敵の機嫌を良くしたり、特定の状態にしたりすることでSPAREできます。敵の攻撃パターンを見極め、ラルセイの「まもる」やアイテムを使いながらTPを溜め、こうどうを成功させましょう。
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ノエルとバーディーとのイベント:
- マンションの進行中、ノエルやバーディーと度々遭遇します。
- ノエル: クィーンに監禁されていたり、バーディーと共にいる場面に遭遇します。プレイヤーの行動(特にスノーグレイブートに繋がる行動をとるか否か)によって、ノエルに関するイベントの内容が大きく変化します。平和主義ルートでは、ノエルを傷つけるような選択肢は選ばず、彼女を心配したり、励ましたりする方向で進みます。
- バーディー: クィーンの命令でクリスたちの前に立ちふさがります。平和主義ルートでは、彼との衝突は回避されます。特定のイベントでは、彼が熱中しているゲーム(マウサーという敵を倒すゲーム)を手伝うなど、友好関係を築く選択肢を選びます。
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ジェビル関連(鍵の切れ端):
- チャプター1の隠しボス、ジェビルに関連する要素もチャプター2に引き継がれています。マンションの特定の場所で、ジェビル戦で使用した「悪魔のナイフ」または「ジェビルの鎌」を装備していると反応がある宝箱があります。この宝箱を開けるには、サイバースペースのどこかに隠された「鍵の切れ端」を全て集め、特定の場所で修復する必要があります。修復された鍵を使うと、特別な会話を聞くことができます。これは必須イベントではありませんが、興味深い要素です。
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隠しボス:スパムトンNEOへの道:
- 平和主義ルートにおける最難関であり、最も重要な隠し要素の一つが、隠しボススパムトンNEOです。彼と戦うためには、以下の手順が必要です。
- マンション内の特定の場所にある「壊れたディスク」を入手する。
- シティエリアに戻り、スパムトンのショップ(ゴミ箱の中)を訪れる。
- 壊れたディスクをスパムトンに渡すと、彼はそれを修復するために別の場所へ移動します。
- マンションの特定の場所(エレベーターの先)に行き、修復された「ディスク」を特定のPCに差し込む。
- すると、スパムトンNEOが出現し、戦闘になります。
- このスパムトンNEO戦は、平和主義ルートでのみ発生する(スノーグレイブートでは別の展開になる)ため、平和主義ルートを象徴する隠しボスと言えます。後ほど攻略法を詳述します。
- 平和主義ルートにおける最難関であり、最も重要な隠し要素の一つが、隠しボススパムトンNEOです。彼と戦うためには、以下の手順が必要です。
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スージィ、ラルセイとの協力アクション:
- マンション内では、クリス、スージィ、ラルセイの3人パーティで行動します。パズルや障害物を乗り越える際に、3人の協力が必要な場面があります。
- また、キャラクター同士の会話イベントも豊富で、彼らの関係性の変化や心情が描かれます。平和主義ルートでは、キャラクター間のギスギスした関係が徐々に解消されていく様子が描かれます。
3. イースト (East)
マンションを抜けると、最終ボスエリアへと続く道「イースト」に出ます。
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道のり:
- このエリアは比較的短いですが、強力な敵が出現したり、最後のパズルがあったりします。
- ここでも、登場する敵を「こうどう」でSPAREしていきます。
- ビシビシ: こうどう「熱を冷ます」を選ぶとSPARE可能。
- マウサー: 特定のこうどう(例:「話す」)を選ぶと、「マウサーゲーム」というミニゲームになります。ミニゲームをクリアするとSPARE可能。バーディーとのイベントでこのゲームをプレイしている場面を見ていると、より理解が深まります。
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ジェットコースターパズル:
- ゴール直前にある巨大なジェットコースターのギミックです。コースを繋ぎ合わせてゴールまで辿り着くパズルになっています。難易度はそれほど高くありませんが、コース選択を間違えるとダメージを受けます。
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最終セーブポイント:
- ジェットコースターパズルをクリアすると、クィーンの待つ場所の手前に最終セーブポイントがあります。ここでしっかりと準備を整えましょう。
ボス戦攻略(平和主義ルート)
チャプター2の主要なボスはクィーンですが、隠しボスであるスパムトンNEOも存在します。平和主義ルートでの攻略法を解説します。
1. クィーン戦
最終ボス、クィーンとの連戦です。
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第1形態(カーレース):
- 最初は、クィーンが巨大なロボットに乗り込み、クリスたちとカーレース形式のバトルになります。
- これは純粋な弾幕回避ゲームです。クィーンやその他の障害物から放たれる弾幕を避けながら、コースを進んでいきます。
- 特に攻撃手段はありません。ひたすら避け続けて、ゴールを目指します。難易度はそこまで高くありません。
- ゴールに辿り着くと、第2形態へ移行します。
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第2形態:
- カーロボットから降りたクィーン本体とのバトルです。クィーンは様々な攻撃パターンを持ち、手ごわい相手です。
- クィーンの行動パターン:
- キーボードの矢印キーのような弾幕を飛ばしてくる。
- 巨大な「GIGAIMPACT」(ギガインパクト)というビームを放つ。
- 手下(マンドラなど)を呼び出す。
- パーティメンバーをバッテリーに変えて捕獲する。
- 特定の場所を充電エリアにし、そこにいるとTPが回復する。
- 平和的な攻略法:
- クィーンを攻撃する必要はありません。ひたすら「こうどう」と「みのがす」を目指します。
- ラルセイの「まもる」: クィーンの強力な攻撃(特にギガインパクト)は、「まもる」で大幅にダメージを軽減できます。TPが溜まったら積極的に使いましょう。
- こうどう: クィーンには様々な「こうどう」コマンドがありますが、最終的には「話す」→「説得する」系のコマンドでSPAREに近づいていきます。他のこうどう(例:「煽る」)を選ぶと、逆にクィーンを怒らせてしまうこともあります。
- バッテリー攻撃: クィーンがパーティメンバーをバッテリーに変えて捕獲したら、残ったメンバーで「こうどう」から助け出す必要があります。スージィの場合は攻撃で、ラルセイの場合は魔法でバッテリーを破壊します。
- 充電エリア: クィーンが作る充電エリアに入ると、TPが素早く回復します。TPを溜めてラルセイの「まもる」を使うために、積極的に利用しましょう。
- SPARE条件: クィーンのHPを0にする必要はありません。「こうどう」を続け、彼女の気分を和らげると、最終的にSPAREの選択肢が出現します。ひたすら耐え忍び、説得を試みましょう。
- SPAREを選択すると、戦闘が終了し、イベントへと移行します。
2. バーディー戦
平和主義ルートでは、バーディーとの本格的な戦闘は発生しません。マンションでのイベントにおいて、彼とのゲームを手伝ったり、彼のことを心配したりする選択肢を選ぶことで、戦闘を回避できます。
スノーグレイブートでは、バーディーとの戦闘が強制的に発生し、彼の運命が大きく変わります。平和主義ルートは、バーディーを生かしたまま、彼との関係性を保つルートと言えます。
3. 隠しボス:スパムトンNEO戦
平和主義ルートにおける最大の山場の一つです。非常に強力なボスですが、倒す(SPAREする)ことによって得られる報酬は大きいです。
- 挑戦方法: 前述の通り、「壊れたディスク」を修復し、マンションのエレベーター先のPCに差し込むことで挑戦できます。
- 攻撃パターンと避け方:
- スパムトンNEOは、画面全体を使った派手で複雑な弾幕攻撃を繰り出してきます。
- 電話攻撃: 電話型の弾幕を飛ばしてくる。
- 顔面レーザー: 巨大な自身の顔からレーザーを発射する。
- ネオショット: 強力なショットを連射する。
- スパムトン(小): 小さなスパムトンが飛来し、特定のパターンで弾を放つ。
- 広告: 広告バナーのような弾幕。
- その他、多様な攻撃があります。避けるのが非常に難しく、パターンを覚えることが重要です。
- 平和的な攻略法(SPAREルート):
- スパムトンNEOには、通常の「こうどう」コマンドの他に、「ひっぱる」「ぶら下がる」「とばす」という特殊なこうどうコマンドがあります。これらを使い、彼の「ワイヤー」に干渉することでSPAREに近づけます。
- ワイヤー: スパムトンNEOは天井からワイヤーのようなものでぶら下がっています。このワイヤーを、特殊なこうどうで操作します。
- ひっぱる: ワイヤーを手繰り寄せ、スパムトンNEOを画面中央に引き寄せます。
- ぶら下がる: クリスがワイヤーにぶら下がります。弾幕回避の操作が変化します。
- とばす: ワイヤーを離し、スパムトンNEOを突き放します。
- これらの特殊こうどうを、敵の攻撃パターンに合わせて使い分ける必要があります。特に「ひっぱる」は、スパムトンNEOにダメージを与える(HPを削る)効果がありますが、平和主義ルートではHPを0にする必要はありません。SPAREのためには、特殊こうどうを繰り返してゲージのようなものを溜める必要があります。
- ラルセイの「ぼうぎょ」: スパムトンNEOの攻撃は非常に痛いです。ラルセイの「ぼうぎょ」は必須級のスキルです。TPを最優先で溜めましょう。
- TPの管理: ラルセイの「ぼうぎょ」や回復魔法(「ヒールプルースト」)を使うためにはTPが必要です。敵の攻撃を際どく避ける(グレイズする)ことでTPが溜まります。
- アイテム: 回復アイテムはもちろん、TP回復アイテム(特に「サイダー」)も有効です。
- SPARE条件: 特殊こうどうを適切に使い、スパムトンNEOのワイヤーの状態を変化させると、最終的に「みのがす」コマンドが実行可能になります。ワイヤーを引っ張り続けるとSPAREに繋がりやすいようです。難易度は非常に高いですが、粘り強く挑戦しましょう。
- 勝利時の報酬:
- スパムトンNEOをSPAREすると、強力な防具である「パペットスモック」と、武器である「パペットグラブ」を入手できます。これらの装備は、通常ルートでは入手できない隠しアイテムです。
ストーリー解説(平和主義ルート)
平和主義ルートでは、キャラクターたちの内面や関係性が丁寧に描かれます。
- クリス: 相変わらず多くを語りませんが、プレイヤーの行動を通して彼の選択が描かれます。エンディングでの衝撃的な行動は、プレイヤー自身の選択とは別に、クリス自身の意思や抱えている問題を示唆しています。
- スージィ: チャプター1を経て、ラルセイやクリスに対する態度が軟化し、協力的になります。特にラルセイとの関係が深まり、彼の優しさに触れることで、自身の荒っぽい言動について考えるようになります。
- ラルセイ: 依然として優しく、クリスたちをサポートする存在です。彼の目的や正体については謎が多いままですが、このチャプターでは彼の内面や、ダークナーとライトナーの関係に対する考えがより詳しく描かれます。
- クィーン: 突飛な行動が多いですが、根は孤独で寂しがり屋な存在として描かれます。彼女の「ネット」による支配は、承認欲求や繋がりを求める歪んだ形として表現されています。平和主義ルートでは、戦闘後に彼女と話し合い、彼女の本心や、なぜノエルやバーディーを側に置きたかったのかが明らかになります。
- ノエル: チャプター2の中心人物の一人です。優しく内向的な性格ですが、心の内に様々な感情を抱えています。特にバーディーとの関係や、過去のトラウマ(アズリエルの留学、姉の失踪など)が描かれます。平和主義ルートでは、彼女がクィーンやバーディーとの関係に苦悩しながらも、自身の意思で前に進もうとする姿が描かれます。
- バーディー: 傲慢で自信過剰な性格ですが、根は不器用で友達が欲しいと思っている少年です。ノエルを気に掛けており、彼女に認められたいという気持ちが強いようです。クィーンに利用されそうになりますが、平和主義ルートではクリスたちの行動によって救われます。
- スパムトン: 奇妙で哀愁漂うセールスマン。かつては成功していたものの、今は落ちぶれてしまった彼の物語が、隠しボスルートで深く掘り下げられます。彼のセリフの端々から、彼の過去や、この世界の裏側に隠された秘密が垣間見えます。
平和主義ルートのストーリーは、対立する者同士が理解し合い、傷ついた心が癒やされていく過程を描いています。クィーンは自身の孤独を認め、ノエルとバーディーは互いをより深く理解し合います。クリスたちも、冒険を通して絆を深めていきます。
平和主義ルートの結末とエンディング
クィーンを平和的に解決した後、サイバースペースは安定を取り戻し、ノエルとバーディーは元の世界に戻ります。クリス、スージィ、ラルセイも、ダークナーとしての姿からライトナーの姿に戻り、図書館の電算室へ戻ってきます。
図書館では、ノエルとバーディーが眠っています。彼らを起こし、何事もなかったかのように学校へと戻ります。
学校を出た後、クリスはスージィと別れ、一人で家に帰ります。
クリスの家でのイベント:
- 家に着くと、母親のトリエルが出迎えてくれます。
- ノエルが家にアイスクリームを持ってきてくれており、トリエルとノエルが話しています。
- ノエルが帰った後、クリスは自室へ行きます。
- そして、チャプター1のエンディングと同様、プレイヤーはクリスの行動を操作できなくなります。
- クリスは胸の中から「ソウル」を取り出し、鳥かごに入れます。
- 不気味な効果音と共に、クリスは棚から包丁を取り出します。
- 包丁を持ったクリスが、不気味な笑顔を浮かべながら窓の外を見つめるシーンでチャプター2は終了します。
このエンディングは、チャプター1の終わりと同じく、プレイヤーに衝撃を与えます。平和主義ルートで進めたにも関わらず、クリスが「ソウル」(=プレイヤーの意思)を排除し、危険な行動をとることは、プレイヤーの選択とは別の、クリス自身の抱える闇や、今後の物語における彼の役割を示唆しています。チャプター3への強烈な伏線となっています。
スノーグレイブートとの違い(比較)
チャプター2には、平和主義ルートとは別に、特定の敵を全員「ころす」ことで進行が大きく変化する、いわゆる「スノーグレイブート」が存在します。ここでは、平和主義ルートとの主な違いを比較します。
- 敵との遭遇: スノーグレイブートでは、多くの敵との戦闘が避けられず、「こうどう」でSPAREすることはほぼありません。特定の敵は凍らされて破壊されます。
- ノエルの変化: スノーグレイブートでは、ノエルがクリスの指示に従い、強力な魔法「スノーグレイブ」を使って敵を凍らせていくことになります。彼女の精神状態は悪化し、性格も歪んでいきます。平和主義ルートでは描かれない、ノエルの暗い側面が描かれます。
- バーディーの運命: スノーグレイブートでは、バーディーとの戦闘が強制的に発生し、ノエルのスノーグレイブによって彼は凍らされてしまいます。平和主義ルートでは生存し、イベントで関係性が変化するのとは対照的です。
- クィーン戦: スノーグレイブートでは、クィーン戦の展開も変化するようです(詳細なルート分岐は複雑ですが)。
- 隠しボス スパムトンNEO: スノーグレイブートでは、スパムトンNEOとの戦闘は発生しません。代わりに、彼のショップで特別なアイテム(強力な武器)が販売されるなど、別の形で関わってきます。
- エンディング: スノーグレイブートのエンディングは、平和主義ルートとは全く異なります。クリスの行動はさらに異常になり、世界観がより暗いものとなります。
平和主義ルートは、チャプター1の平和主義ルートの延長線上にある、「皆を救う」ことを目指すルートです。一方、スノーグレイブートは、プレイヤーの意図的な悪意によって、キャラクターの運命や世界の雰囲気が大きく歪められる、恐ろしい可能性を示しています。
チャプター2で注目すべき点
- 隠し要素とイースターエッグ:
- チャプター2には、スパムトンNEO戦以外にも多くの隠し要素があります。
- 各地に隠された「エッグ」を見つけると、トリエルに渡すことができます。
- 特定の場所やイベントには、UNDERTALEを思わせるネタや、後のチャプターに繋がる伏線が隠されています。
- 特定のキャラクター(ジェビルやガーソンなど)に関する過去の情報や、彼らの現在の様子を知ることができます。
- クリスの操作不能になるシーン:
- チャプター1とチャプター2のエンディングで共通して描かれる、クリスがプレイヤーの操作から離れて行動するシーンは、作品のテーマの根幹に関わる重要な要素です。プレイヤーの意思(ソウル)と、キャラクター自身の意思の分離を描いていると考えられます。これは、プレイヤーがゲーム内のキャラクターを操作することの倫理的な問いかけであり、デルタルーンがUNDERTALEからどのように進化していくかを示唆しています。
- アイテム:
- チャプター2で入手できるアイテムには、ゲームクリアに役立つものだけでなく、ストーリーや世界観に関わるユニークなものが多数あります。特にスパムトンNEOをSPAREして入手できる装備品は、その性能だけでなく、アイテム説明文にも興味深い情報が隠されています。
まとめ
『デルタルーン』チャプター2の平和主義ルートは、前作の良い部分を引き継ぎつつ、新たなキャラクター、魅力的な世界観、そして予想外の展開によって、プレイヤーを大いに楽しませてくれました。
このルートでは、戦闘を避けて「こうどう」と「みのがす」を駆使する独自のゲームプレイが特徴です。単に敵を倒さないだけでなく、それぞれのキャラクターの心情や関係性に寄り添うことで、より深く物語を味わうことができます。クィーンやスパムトンといった個性的なボス、ノエルやバーディーといった新たな主要人物たちの掘り下げは、物語世界を豊かにしています。
しかし、平和主義ルートでクリアしても、チャプター2のエンディングは明るいだけではありません。クリス自身の謎めいた行動は、今後の物語に大きな不安と期待を抱かせます。プレイヤーの選択が世界の結末に影響を与えるUNDERTALEとは異なり、デルタルーンではプレイヤーの知らない「クリスの意思」が存在することが示唆されており、これが今後の物語でどのように描かれるのかが最大の注目点となります。
チャプター2は、デルタルーンという物語が単なるUNDERTALEの続編ではないこと、そして、私たちが思っている以上に奥深く、そしてもしかしたら恐ろしい物語が展開されていく可能性を示しました。
この記事が、『デルタルーン』チャプター2をより深く理解し、平和主義ルートを攻略する助けとなれば幸いです。今後のチャプターで、クリスの謎、ラルセイの正体、そしてこの世界の秘密がどのように明かされていくのか、期待して待ちましょう。