はい、承知いたしました。Windowsエラー「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」を解決するための詳細な手順を含む、約5000語の記事を作成します。
Windowsエラー「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」徹底解説:原因特定から完全解決までの詳細ガイド
Windowsを使用している際に、突然画面が青くなり(ブルースクリーン、BSoD)、見慣れないエラーメッセージが表示されてPCが再起動を余儀なくされるという経験をしたことはありませんか? 数あるBSoDの中でも、「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」(エラーコード:STOP 0x0000000A)は比較的よく遭遇するエラーの一つです。このエラーは、システムの根幹に関わる問題を示唆していることが多く、ユーザーにとっては不安なものです。しかし、適切な手順を踏めば、多くの場合は自分で解決することが可能です。
本記事では、「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーが発生する原因を深く掘り下げ、その原因を特定し、段階的に解決していくための具体的な手順を、初心者の方にも分かりやすいように詳細に解説します。約5000語というボリュームで、考えられるあらゆる角度からのトラブルシューティング方法を網羅的にご紹介します。
注意点: 本記事で紹介する手順の中には、システム設定の変更やハードウェアの診断など、PCの動作に影響を与えるものが含まれます。作業は必ずご自身の責任において行ってください。重要なデータは事前にバックアップすることを強く推奨します。また、PCの状態によっては、ここで紹介するすべての手順を実行できない場合や、エラーが解決しない場合もあります。その際は、専門家やPCメーカーのサポートに相談することも検討してください。
1. 「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」とは何か?
まず、このエラーが何を意味するのかを理解することから始めましょう。「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」は、Windowsの STOP コード(システムが致命的なエラーを検出した際に表示されるコード)の一つであり、通常は STOP 0x0000000A
と表示されます。
このエラー名の鍵となるのは「IRQL」です。IRQLは「Interrupt Request Level」の略で、Windowsカーネル(OSの核となる部分)が実行されている際に、割り込み要求(ハードウェアからの信号など)をどのように処理するかを制御するための優先度レベルです。IRQLは0(最も低いレベル)から31(最も高いレベル)までの値をとります。
通常、プログラムやドライバは、特定のIRQLレベルで動作するように設計されています。例えば、ユーザーアプリケーションは通常、IRQLが低いレベルで動作し、ハードウェアドライバはIRQLが高いレベルで動作することが多いです。
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーは、簡単に言えば「あるプロセスやドライバが、現在そのプロセスが実行されているIRQLレベルよりも高いIRQLレベルにあるメモリ領域に、不正にアクセスしようとした」ときに発生します。これは、システムのメモリ管理において深刻な矛盾が発生していることを意味します。
このような矛盾が発生する主な原因は、以下に挙げるような、メモリやシステムリソースへのアクセスを適切に制御できていないドライバや、ハードウェア、ソフトウェアの不具合、あるいはシステムファイルの破損などです。
2. エラーの一般的な原因
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーは、その性質上、様々な要因によって引き起こされる可能性があります。しかし、最も一般的な原因は以下の通りです。
- 不正なドライバまたは互換性のないドライバ: これが最も頻繁に見られる原因です。特に、新しくインストールしたドライバ、古いドライバ、Windowsのバージョンと互換性のないドライバなどが、メモリへの不正なアクセスを引き起こすことがあります。グラフィックドライバ、ネットワークアダプタドライバ、オーディオドライバ、チップセットドライバなどが原因となることが多いです。
- ハードウェアの問題:
- RAM(メモリ)の不具合: RAMモジュール自体が故障しているか、あるいはスロットとの接続不良などが原因で、メモリ上のデータにアクセスする際にエラーが発生する可能性があります。
- グラフィックカードの不具合: グラフィックカードのドライバだけでなく、ハードウェア自体の問題(過熱、故障など)も原因となり得ます。
- その他のハードウェア: サウンドカード、ネットワークカード、拡張カード、USBデバイスなどが、ドライバまたはハードウェア自体の問題でエラーを引き起こすことがあります。
- ソフトウェアの競合:
- セキュリティソフトウェア: ウイルス対策ソフトやファイアウォールソフトなどが、システムカーネルに近い部分で動作するため、他のドライバやシステムプロセスと競合し、エラーを引き起こすことがあります。
- 仮想化ソフトウェア: 仮想マシン関連のソフトウェアもシステムの低レベルで動作するため、競合の原因となり得ます。
- その他のシステムユーティリティ: システムの最適化ツールやハードウェア監視ツールなども、まれに問題を引き起こすことがあります。
- Windowsのシステムファイル破損: Windowsの重要なシステムファイルが、何らかの理由(ウイルス感染、不適切なシャットダウンなど)で破損している場合、正常なシステム動作が妨げられ、エラーが発生することがあります。
- オーバークロック設定: CPU、メモリ、グラフィックカードなどをメーカーが推奨する設定以上に高速に動作させるオーバークロックは、システムを不安定にし、メモリ関連のエラーを引き起こしやすくなります。
- ウイルスまたはマルウェア感染: マルウェアがシステムファイルやドライバを改ざんしたり、システムの正常な動作を妨害したりすることで、エラーが発生することがあります。
- 物理的な接続不良: RAMモジュールや拡張カードなどがマザーボードにしっかり装着されていない場合も、ハードウェアが正しく認識されなかったり、データ転送にエラーが発生したりして、BSoDの原因となることがあります。
これらの原因は単独で発生することもあれば、複数組み合わさってエラーを引き起こすこともあります。そのため、トラブルシューティングは原因を一つずつ切り分けていくプロセスとなります。
3. エラー発生時の基本的な対処法
エラーが発生してBSoDが表示されたら、まずは落ち着いて以下の点を確認しましょう。
- エラーメッセージの確認: BSoD画面に表示されるエラーコード (
STOP 0x0000000A
) や、エラーを引き起こしている可能性のあるファイル名(例:xxxx.sys
)をメモするか、写真を撮っておきましょう。ファイル名が分かれば、そのファイルがどのデバイスのドライバなのかを特定する手がかりになります。 - 直前の操作を思い出す: エラーが発生する直前に、新しいハードウェアやソフトウェアをインストールしたか、ドライバを更新したか、Windows Updateを適用したかなどを思い出してください。これがエラーの原因である可能性が非常に高いです。
- PCを再起動する: 一時的な問題であれば、再起動するだけで解決することがあります。
再起動してもエラーが繰り返し発生する場合や、Windowsが正常に起動しない場合は、より詳細なトラブルシューティングが必要になります。
4. 詳細な解決手順(段階的アプローチ)
ここからは、原因を特定し、エラーを解決するための具体的な手順を段階的に解説します。最初からすべての手順を試す必要はありません。より可能性の高い原因から順に試していくのが効率的です。
ステップ0: 準備と安全対策
トラブルシューティングを開始する前に、いくつかの準備をしておくことが重要です。
0-1. 重要なデータのバックアップ(可能であれば)
エラーが頻繁に発生したり、Windowsが不安定だったりする場合でも、もし可能であれば、USBメモリや外付けHDDなどに重要なデータをバックアップしておきましょう。Windowsが起動しない場合は、別のPCを使用してデータをサルベージする方法や、LinuxのLive USBなどを使用してデータにアクセスする方法もありますが、通常はWindowsが起動できるうちにバックアップするのが最も簡単です。
0-2. システム復元ポイントの作成
エラーが発生する前にシステム復元ポイントを作成しておくと、トラブルシューティングの過程でシステムに予期せぬ問題が発生した場合に、元の状態に戻すことができます。
- スタートボタンを右クリックし、「システム」を選択します。
- 左側のメニューまたは関連設定から「システムの保護」をクリックします。
- システムの保護タブで、保護設定が「有効」になっているドライブ(通常はOSがインストールされているドライブ)が選択されていることを確認します。
- 「作成」ボタンをクリックします。
- 復元ポイントの名前(例:「トラブルシューティング前」など)を入力し、「作成」をクリックします。
0-3. セーフモードでの起動方法の確認
多くのトラブルシューティング手順は、最小限のドライバとサービスのみで起動する「セーフモード」で行う必要があります。セーフモードでエラーが発生しない場合、通常モードで読み込まれる何か(ドライバ、サービス、スタートアッププログラムなど)が原因であることを示唆します。
Windowsが正常に起動しない場合でも、セーフモードで起動するための一般的な方法は以下の通りです。
- PCの電源をオンにし、Windowsのロゴが表示されたらすぐに電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンします。
- この操作を2~3回繰り返すと、Windowsは自動的に「自動修復」を開始します。
- 自動修復画面が表示されたら、「詳細オプション」をクリックします。
- 「オプションの選択」画面で、「トラブルシューティング」を選択します。
- 「トラブルシューティング」画面で、「詳細オプション」を選択します。
- 「詳細オプション」画面で、「スタートアップ設定」を選択します。
- 「スタートアップ設定」画面で、「再起動」ボタンをクリックします。
- 再起動後、「スタートアップ設定」の一覧が表示されます。「セーフモードを有効にする」には
4
キーまたはF4
キーを、「ネットワークを有効にしたセーフモードを有効にする」には5
キーまたはF5
キーを押します。
Windowsがまだ正常に起動できる場合は、以下の手順でもセーフモードに入れます。
- Windowsキー +
R
キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開きます。 msconfig
と入力し、「OK」をクリックします。- 「システム構成」ウィンドウが表示されます。「ブート」タブを選択します。
- 「ブートオプション」の下にある「セーフブート」にチェックを入れます。
- 「適用」→「OK」をクリックします。
- 再起動を求められるので、「再起動」をクリックします。
- 注意: この方法でセーフモードに入った場合、トラブルシューティング完了後は必ず
msconfig
を再度開き、「セーフブート」のチェックを外して再起動してください。これを忘れると、次回以降もセーフモードでしか起動できなくなります。
- 注意: この方法でセーフモードに入った場合、トラブルシューティング完了後は必ず
ステップ1: 最近の変更を元に戻す
エラーが特定の操作の直後に発生し始めた場合は、それが最も可能性の高い原因です。
1-1. 最近インストールしたソフトウェアのアンインストール
エラーが発生する直前にインストールしたアプリケーションがある場合は、それをアンインストールしてみます。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「アプリと機能」を選択します。
- 表示を「インストール日付」でソートし、最近インストールしたアプリケーションを見つけます。
- アンインストールしたいアプリをクリックし、「アンインストール」をクリックします。
- アンインストール後、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
1-2. 最近インストールしたハードウェアの取り外し
新しいハードウェア(グラフィックカード、サウンドカード、拡張ボード、USBデバイスなど)を増設した直後にエラーが発生する場合は、そのハードウェアを取り外してみます。
- PCの電源を完全にオフにし、電源ケーブルを抜きます。
- 増設したハードウェアを取り外します。
- PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
- もしそのハードウェアが原因だった場合、そのハードウェアの製造元から最新のドライバをダウンロードして再インストールしてみるか、ハードウェア自体の初期不良を疑う必要があります。
1-3. 最近のWindowsアップデートのアンインストール
Windows Updateを適用した後にエラーが発生し始めた場合、そのアップデートがシステムとの互換性の問題を引き起こしている可能性があります。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンをクリックし、「設定」(歯車アイコン)を開きます。
- 「更新とセキュリティ」(または「Windows Update」)を選択します。
- 「更新の履歴を表示する」をクリックします。
- 「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。
- 最近インストールされた更新プログラムの一覧が表示されます。日付を確認し、エラーが発生し始めた頃の更新プログラムを選択して「アンインストール」をクリックします。
- アンインストール後、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
ステップ2: ドライバの更新またはロールバック
不正なドライバは「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーの最も一般的な原因の一つです。ドライバを適切に管理することは非常に重要です。
2-1. デバイスマネージャーからのドライバ更新
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- デバイスカテゴリを展開し、黄色い三角の警告マークがついているデバイスがないか確認します。警告マークは、そのデバイスに問題がある可能性を示唆しています。
- 特に、ディスプレイアダプター、ネットワークアダプター、サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー、IDE ATA/ATAPI コントローラー(ストレージコントローラー)、ユニバーサル シリアル バス コントローラーなどのカテゴリを確認してください。
- 問題が疑われるデバイス、あるいは最近ドライバを更新したデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択します。Windowsがインターネット上またはPC内の最新のドライバを検索してインストールしようとします。
2-2. 製造元ウェブサイトからのドライバダウンロード
Windowsの自動更新で最新のドライバが見つからない場合や、より確実に最新版を入手したい場合は、デバイスの製造元(例: NVIDIA, AMD, Intel, Realtek, マザーボードメーカーなど)の公式ウェブサイトから直接ダウンロードしてインストールするのが最も推奨される方法です。
- PCの正確なモデル名(ノートPCの場合)またはマザーボードのモデル名、グラフィックカードのモデル名などを確認します。
- 別のインターネット接続が可能なPCまたはスマートフォンなどを使用して、製造元の公式ウェブサイトにアクセスします。
- 「サポート」または「ダウンロード」セクションを探します。
- お使いの製品モデル名を入力し、オペレーティングシステム(例: Windows 10 64-bit)を選択します。
- 最新のドライバ(特に、グラフィックドライバ、チップセットドライバ、ネットワークドライバ、オーディオドライバなど)をダウンロードします。
- ダウンロードしたドライバファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールします。インストール中に「クリーンインストール」または「カスタムインストール」を選択できる場合は、古いドライバ設定が引き起こす問題を避けるために、クリーンインストールを選択するのが良いでしょう(特にグラフィックドライバ)。
- インストール後、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
2-3. ドライバのロールバック
最近ドライバを更新してからエラーが発生し始めた場合、その更新されたドライバに問題がある可能性があります。以前のバージョンに戻す「ロールバック」を試みます。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
- ドライバをロールバックしたいデバイスを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「ドライバー」タブを選択します。
- 「ドライバーを元に戻す」(または「ロールバック」)ボタンが有効になっていればクリックします。無効になっている場合は、ロールバック可能な以前のバージョンが存在しないか、クリーンインストールなど別の方法でインストールされたドライバである可能性があります。
- ロールバックする理由を選択し、「はい」をクリックします。
- ロールバックが完了したら、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
2-4. ドライバのクリーンインストール (DDUの使用)
特にグラフィックドライバは、以前のバージョンのファイルが残っていると問題を引き起こすことがあります。Display Driver Uninstaller (DDU)のようなツールを使用して、既存のドライバを完全に削除してから最新版をインストールする「クリーンインストール」が効果的な場合があります。
- DDUの公式サイトからツールをダウンロードします。
- Windowsを「セーフモード」で起動します(非常に重要です)。
- DDUを実行し、アンインストールしたいドライバ(例: NVIDIA, AMD, Intel – ディスプレイ)を選択します。
- 「クリーンして再起動」オプションを選択して実行します。DDUが自動的にドライバを完全に削除し、PCを再起動します。
- PCが通常モードで起動したら、事前に製造元ウェブサイトからダウンロードしておいた最新のドライバをインストールします。
- インストール後、再度PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
ステップ3: セーフモードでの確認
セーフモードでPCを起動し、エラーが発生するかどうかを確認します。
- ステップ0-3で説明した手順に従って、PCをセーフモードで起動します。
- セーフモードでしばらくPCを操作してみます。通常モードでエラーが発生する状況(特定のアプリケーション起動時など)を再現してみるのも良いでしょう。
- セーフモードでエラーが発生しない場合: 通常モードで読み込まれるドライバ、サービス、またはスタートアッププログラムが原因である可能性が非常に高いです。これは、クリーンブート(ステップ10で後述)や、最近インストールしたソフトウェア/ハードウェアの特定(ステップ1で既述)によって原因を絞り込む手助けとなります。
- セーフモードでもエラーが発生する場合: OSのシステムファイル、Windowsの基本機能に関わるドライバ、あるいはハードウェア自体の問題である可能性が高くなります。以降のシステムファイルチェックやハードウェア診断に進んでください。
ステップ4: システムファイルチェッカー (SFC) の実行
Windowsのシステムファイルが破損している場合、OSの安定性に影響し、「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」のようなエラーを引き起こすことがあります。システムファイルチェッカー(SFC)は、破損または欠落したシステムファイルをスキャンし、修復するツールです。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。ユーザーアカウント制御(UAC)のプロンプトが表示されたら「はい」をクリックします。
- 開いたウィンドウに、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
cmd
sfc /scannowsfc
はSystem File Checker、/scannow
はスキャンと修復を行うオプションです。
- システムスキャンが開始されます。このプロセスには時間がかかる場合があります(通常は数十分)。完了するまでウィンドウを閉じないでください。
- スキャン結果が表示されます。
- 「Windows リソース保護は、整合性違反を検出しませんでした。」と表示された場合、システムファイルに問題は見つかりませんでした。
- 「Windows リソース保護は、破損したファイルを検出しましたが、それらを修復できませんでした。」と表示された場合、問題が見つかりましたが自動修復できませんでした。
- 「Windows リソース保護は、破損したファイルを検出し、それらを正常に修復しました。」と表示された場合、問題が見つかり修復されました。
- PCを再起動して、エラーが解決したか確認します。
ステップ5: DISMツールの実行
SFCで問題が解決しない場合や、SFCが正常に実行できない場合は、Deployment Image Servicing and Management (DISM) ツールを使用して、Windowsイメージ自体を修復する必要があるかもしれません。DISMツールは、SFCが必要とする修復元のファイル(コンポーネントストア)の破損を修復するために使用されることがあります。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。
- 開いたウィンドウに、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
cmd
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthDISM
はツール名、/Online
は現在のオンラインシステムに対して操作を行う、/Cleanup-Image
はイメージのクリーンアップ操作、/RestoreHealth
は破損したコンポーネントストアを修復するオプションです。
- このプロセスも時間がかかる場合があります。インターネット接続が必要です(Windows Updateから修復ファイルがダウンロードされることがあります)。完了するまで待ちます。
- DISMコマンドが正常に完了したら、再度
sfc /scannow
コマンドを実行して、システムファイルが修復されたか確認します。 - PCを再起動して、エラーが解決したか確認します。
ステップ6: Windowsメモリ診断ツールの実行
メモリ(RAM)の不具合は、不正なメモリアクセスを引き起こし、「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーの直接的な原因となることがあります。Windows標準のメモリ診断ツールを使用して、RAMに問題がないかチェックします。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンをクリックし、「Windows 管理ツール」>「Windows メモリ診断」を選択します。または、Windows検索バーに「メモリ診断」と入力して起動します。
- 「コンピューターのメモリの問題を確認します」ウィンドウが表示されます。
- 「今すぐ再起動して、問題の有無を確認する(推奨)」を選択します。
- PCが再起動され、Windowsメモリ診断ツールが自動的に実行されます。テスト中はPCを使用できません。テストには数分から数十分かかります。
- テストが完了すると、PCは自動的に再起動し、Windowsが起動します。
- テスト結果は、Windowsの通知として表示されるか、またはイベントビューアーで確認できます。
- イベントビューアーでの確認方法: スタートボタンを右クリックし、「イベントビューアー」を選択します。「Windows ログ」>「System」を開き、右側の「現在のログをフィルター」を選択します。「イベント ソース」ドロップダウンで「MemoryDiagnostics-Results」を選択し、「OK」をクリックします。表示されたイベントの詳細を確認します。
- メモリにエラーが見つかった場合は、RAMモジュールに問題がある可能性が高いです。複数枚のRAMが搭載されている場合は、1枚ずつテストするか、後述のサードパーティ製ツールでのテスト(ステップ9-1)を検討してください。
ステップ7: ハードドライブのエラーチェック
ハードドライブ(HDD/SSD)の物理的なエラーやファイルシステムの論理的な破損も、データの読み書きエラーを通じてシステム不安定化やBSoDを引き起こす可能性があります。chkdsk(チェックディスク)コマンドを使用して、ハードドライブに問題がないかチェックします。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- スタートボタンを右クリックし、「Windows PowerShell (管理者)」または「コマンドプロンプト (管理者)」を選択します。
- 開いたウィンドウに、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
C:
はOSがインストールされているドライブレターです。必要に応じて適切なドライブレターに置き換えてください。
cmd
chkdsk C: /f /rchkdsk
はCheck Disk、C:
は対象ドライブ、/f
はファイルシステムの論理的なエラーを修復する、/r
は不良セクタを特定し読み取り可能な情報を回復しようとするオプションです。
- OSドライブに対して
/f
または/r
オプションを使用してchkdskを実行する場合、次回起動時にチェックを行うようスケジュールされます。「Y」を入力してEnterキーを押し、PCを再起動します。 - PCの起動時に自動的にチェックディスクが実行されます。このプロセスには非常に時間がかかる場合があります(数時間かかることもあります)。完了するまでPCの電源を切らないでください。
- チェックディスクが完了すると、PCは通常通り起動します。エラーが解決したか確認します。
ステップ8: ウイルス/マルウェアスキャンの実行
ウイルスやマルウェアがシステムファイルやドライバを改ざんしたり、システムの正常な動作を妨害したりすることで、IRQL_NOT_LESS_OR_EQUALエラーが発生することがあります。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- Windowsに標準搭載されているWindows Defenderまたは、信頼できるサードパーティ製セキュリティソフトウェアを使用して、PCのフルスキャンを実行します。
- 可能であれば、セキュリティソフトウェアの「オフラインスキャン」機能を使用します。これは、Windowsが起動する前に実行されるため、より深くシステムをスキャンし、通常のWindows環境では活動を停止しないマルウェアも検出できます。Windows Defenderのオフラインスキャンは、「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows セキュリティ」>「ウイルスと脅威の防止」>「スキャンのオプション」>「Microsoft Defender オフライン スキャン」から実行できます。
- 検出された脅威は指示に従って駆除または隔離します。
- スキャン完了後、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
ステップ9: ハードウェアのテスト(より詳細)
Windows標準ツールで検出できないハードウェアの問題や、より詳細な診断が必要な場合は、サードパーティ製の診断ツールを使用します。
9-1. RAM(メモリ)の詳細テスト
Windowsメモリ診断ツールで問題が見つからなかった場合でも、より徹底的なテストが必要な場合があります。MemTest86+ は、起動可能なUSBメモリなどから実行する、非常に信頼性の高いメモリ診断ツールです。
- 別の正常に動作するPCを使用して、MemTest86+ のウェブサイトから最新版をダウンロードします。
- ダウンロードしたイメージをUSBメモリに書き込み、起動可能なUSBメモリを作成します(作成ツールはサイトで提供されています)。
- エラーが発生するPCに作成したUSBメモリを挿入し、そのUSBメモリからPCを起動するようにBIOS/UEFI設定を変更します。
- MemTest86+ が起動し、自動的にメモリテストを開始します。テストは長時間かかることがあり、エラーが見つかるまで何度も繰り返されることがあります。通常、数回のパス(全テスト項目の実行)でエラーがなければ、そのメモリに問題はない可能性が高いです。
- もしエラーが検出された場合、RAMモジュールに問題があります。複数枚のRAMが搭載されている場合は、1枚ずつスロットを変えながらテストして、問題のあるモジュールやスロットを特定します。問題のあるRAMモジュールは交換が必要です。
9-2. ハードドライブ/SSDの診断
chkdsk
が問題を検出しない場合でも、ハードドライブ/SSD自体に物理的な問題や寿命が近づいている可能性があります。
- ハードドライブまたはSSDの製造元(例: Seagate, Western Digital, Samsung, Crucialなど)は、通常、自社製品向けの診断ツールを提供しています。製造元のウェブサイトからツールをダウンロードし、指示に従ってテストを実行します。
- CrystalDiskInfoのようなS.M.A.R.T. (Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology) 情報を表示するツールを使用して、ドライブの健康状態を確認します。異常を示す警告や危険なステータスが表示されている場合は、ドライブの交換を検討してください。
9-3. グラフィックカードのテスト
グラフィックドライバだけでなく、グラフィックカードのハードウェア自体が原因である可能性もあります。
- FurMarkなどのストレステストツールを使用して、グラフィックカードに高い負荷をかけてみます。テスト中にエラーが発生したり、画面表示がおかしくなったり、PCがクラッシュしたりする場合は、グラフィックカードまたはそのドライバに問題がある可能性が高いです。
- グラフィックカードが搭載されている場合、可能であれば一時的に取り外して、マザーボード上のオンボードグラフィックでPCを起動してみます。オンボードグラフィックでエラーが発生しない場合は、グラフィックカードまたはそのドライバが原因である可能性が非常に高いです。
9-4. その他のハードウェア接続確認
PCケースを開ける必要がありますが、メモリ、拡張カード(グラフィックカード、サウンドカードなど)、ストレージデバイスのケーブルなどが、マザーボードの適切なスロットにしっかり装着されているか、ケーブルが抜けていないかなどを物理的に確認してみます。電源ケーブルやデータケーブルを一度抜き差ししてみることも効果がある場合があります。ただし、静電気によるPCパーツの損傷に注意し、作業前には必ずPCの電源を完全にオフにし、電源ケーブルを抜き、体の静電気を放出させてから(金属部分に触れるなど)行ってください。
ステップ10: クリーンブートの実行
サードパーティ製のサービスやスタートアッププログラムが、Windowsの正常な動作と競合してエラーを引き起こしている可能性があります。クリーンブートは、Microsoft以外のサービスやスタートアッププログラムを無効にしてWindowsを起動し、問題の原因となっているプログラムを特定するための方法です。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- Windowsキー +
R
キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開きます。 msconfig
と入力し、「OK」をクリックします。- 「システム構成」ウィンドウが表示されます。「サービス」タブを選択します。
- 「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れます(重要! Microsoftのサービスを無効にするとWindowsが正常に起動しなくなる可能性があります)。
- 残ったサービスの中で、エラーの原因として疑われるもの(例: セキュリティソフト、仮想化ソフト、最近インストールしたアプリに関連するものなど)以外のチェックをすべて外します。または、最初は「すべて無効」にしてみます。
- 「スタートアップ」タブを選択し、「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
- タスクマネージャーの「スタートアップ」タブで、エラーの原因として疑われるもの以外のスタートアップ項目をすべて右クリックして「無効」にします。
- システム構成ウィンドウに戻り、「適用」→「OK」をクリックします。
- 再起動を求められるので、「再起動」をクリックします。
クリーンブートでエラーが発生しなくなった場合、無効にしたサービスまたはスタートアッププログラムの中に原因があります。原因を特定するには、無効にしたサービスやスタートアッププログラムをグループに分けて一つずつ有効に戻し、その都度PCを再起動してエラーが発生するか確認するという作業を繰り返します。このプロセスは時間がかかりますが、特定の競合を引き起こしているプログラムを特定できます。
原因となるプログラムが特定できたら、そのプログラムをアンインストールするか、設定を見直すか、別の代替プログラムを探すなどの対応を行います。問題が解決したら、msconfig
で元のサービスとスタートアップ設定に戻すか、少なくとも「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れた状態で必要なサービスだけを有効にします。
ステップ11: オーバークロックの無効化
CPU、メモリ、グラフィックカードなどをオーバークロックしている場合、それがシステムの不安定性、特にメモリ関連のエラーを引き起こしている可能性があります。
- PCを再起動し、起動時に
Del
キー、F2
キー、F10
キーなどの指定されたキーを押してBIOS/UEFI設定画面に入ります。 - オーバークロック設定に関する項目(例: Extreme Tweaker, OC Tweaker, Advanced Frequency Settingsなど)を探します。
- オーバークロック設定を無効にするか、初期設定(Default, Auto, Optimized Defaultsなど)に戻します。メモリのXMPプロファイル(Intel)またはDOCPプロファイル(AMD)を有効にしている場合も、一度無効にしてみてください。
- 設定を保存してBIOS/UEFIを終了し、PCを再起動します。
- エラーが解決したか確認します。オーバークロックが原因だった場合、安定性を確保するためにオーバークロックを諦めるか、より慎重な設定を行う必要があります。
ステップ12: BIOS/UEFIのアップデート
マザーボードのBIOS/UEFIファームウェアに不具合があったり、新しいハードウェアとの互換性の問題があったりすると、システム全体の安定性に影響し、BSoDを引き起こすことがあります。
注意: BIOS/UEFIのアップデートはリスクが伴う作業です。アップデート中に予期せぬ電源断などが発生すると、マザーボードが起動不能になる可能性があります。手順をよく確認し、慎重に行ってください。不安な場合は、このステップはスキップするか、PCメーカーや専門家に依頼してください。
- PCの正確なマザーボードモデル名を確認します(PCケースを開けてマザーボードに記載されている型番を確認するか、CPU-Zなどのソフトウェアで確認できます)。ノートPCの場合は、正確な製品モデル名を確認します。
- マザーボードまたはPC製造元の公式ウェブサイトにアクセスします。
- 「サポート」または「ダウンロード」セクションを探し、お使いの製品モデルを選択します。
- 最新のBIOS/UEFIファイルをダウンロードします。ダウンロードページには、アップデート方法に関する具体的な手順(USBメモリを使用する方法、専用ツールを使用する方法など)が記載されています。
- 製造元の指示に従って、BIOS/UEFIをアップデートします。
- アップデート後、PCを再起動してエラーが解決したか確認します。
ステップ13: システムの復元
上記の手順で問題が解決しない場合、エラーが発生し始める前の時点にシステムの状態を戻す「システムの復元」が有効な場合があります。
- セーフモードまたは通常モードでWindowsを起動します。
- Windows検索バーに「復元ポイントの作成」と入力し、表示された「復元ポイントの作成」を開きます。
- 「システムの保護」タブが表示されるので、「システムの復元」ボタンをクリックします。
- 「システムの復元」ウィザードが起動します。「次へ」をクリックします。
- 利用可能な復元ポイントの一覧が表示されます。「その他の復元ポイントを表示する」にチェックを入れると、より多くの復元ポイントが表示されることがあります。
- エラーが発生し始める前の日付の復元ポイントを選択します。どの復元ポイントを使用するか迷う場合は、最も古い、かつエラー発生よりも前の日付のものを選択するのが安全です。
- 「影響を受けるプログラムの検出」をクリックすると、その復元ポイントに戻すことで削除または復元されるプログラムの一覧を確認できます。
- 使用する復元ポイントを選択したら、「次へ」をクリックします。
- 選択した復元ポイントとドライブを確認し、「完了」をクリックします。
- システムの復元が開始されます。この間PCは使用できません。完了するとPCは自動的に再起動します。
注意: システムの復元は、システムファイル、インストールされたアプリケーション、Windows設定などを選択した復元ポイントの状態に戻しますが、ドキュメントや写真などの個人ファイルは通常変更されません。ただし、念のため重要なデータは事前にバックアップしておくことをお勧めします。システムの復元は取り消すことも可能ですが、複雑になる場合もあります。
ステップ14: Windowsの再インストール
これまでのすべての手順を試してもエラーが解決しない場合、Windows自体に深刻な問題が発生しているか、あるいはハードウェアの問題が非常に特定しづらいものである可能性が高いです。最終手段として、Windowsをクリーンインストールするか、個人ファイルを保持したまま再インストール(リフレッシュ)することを検討します。
注意: クリーンインストールを行うと、OSドライブ上のすべてのデータ(Windows、アプリケーション、設定、個人ファイルなど)が削除されます。必ず事前に重要なデータのバックアップを行ってください。
14-1. 個人ファイルを保持したままWindowsを再インストール(リフレッシュ)
これは比較的影響が少なく、多くのシステムファイルの問題を解決できます。
- Windowsの設定を開き、「更新とセキュリティ」(または「Windows Update」)を選択します。
- 左側のメニューから「回復」を選択します。
- 「PCをリセットする」の下にある「開始する」をクリックします。
- オプションが表示されます。「個人用ファイルを保持する」を選択します。
- 「クラウドダウンロード」または「ローカル再インストール」を選択します。通常はクラウドダウンロードが推奨されますが、インターネット接続が不安定な場合はローカル再インストールの方が良いかもしれません。
- 設定を確認し、「次へ」をクリックします。
- 最終確認画面が表示されるので、「リセット」をクリックします。
- PCが再起動し、リセットプロセスが開始されます。これには時間がかかります。
14-2. Windowsのクリーンインストール
これは最も根本的な解決策ですが、すべてのデータが消去されます。Windowsのインストールメディア(USBメモリなど)が必要です。
- 別の正常に動作するPCで、Microsoftの公式ウェブサイトから「Media Creation Tool」をダウンロードします。
- Media Creation Toolを使用して、Windows 10/11のインストール用USBメモリを作成します。
- エラーが発生するPCに作成したUSBメモリを挿入し、そのUSBメモリからPCを起動するようにBIOS/UEFI設定を変更します。
- Windowsセットアップが起動したら、画面の指示に従います。
- 「インストールの種類」を選択する画面で、「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)」を選択します。
- Windowsをインストールするドライブを選択します。通常はドライブ0のパーティション1(システムパーティション)やパーティション2(OSパーティション)などですが、OSがインストールされていたパーティションを削除し、未割り当て領域にしてから再作成または選択するのがクリーンインストールとして最も効果的です。 この操作を行うと、そのパーティション上のデータはすべて消去されます。
- 選択したドライブ/パーティションにWindowsがインストールされます。
- インストールが完了すると、PCは再起動し、初期設定プロセス(地域設定、アカウント設定など)が開始されます。
- Windowsのインストールが完了したら、必要なドライバ(特にチップセット、グラフィック、ネットワークドライバ)を製造元のウェブサイトからダウンロードしてインストールし、必要なアプリケーションを再インストールします。
5. どうしても解決しない場合
上記の手順をすべて試しても「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーが解決しない場合、ハードウェアの物理的な故障である可能性が非常に高いです。特にマザーボード、CPU、または複数のコンポーネントにまたがる複雑な問題である可能性があります。
- 専門家への相談: 自力での解決が困難な場合は、信頼できるPC修理業者や専門家へ相談することをお勧めします。
- PCメーカーのサポートへの連絡: PCがまだ保証期間内である場合や、メーカー製PCの場合は、メーカーのサポート窓口に連絡し、症状を伝えて指示を仰いでください。修理または交換が必要になる場合があります。
6. 予防策
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」のようなBSoDを将来的に発生させないための予防策も重要です。
- ドライバを最新の状態に保つ: デバイスの製造元公式ウェブサイトから定期的に最新のドライバをダウンロードし、適用します。ただし、信頼性の低いサードパーティ製ドライバ更新ツールは使用しないようにしましょう。
- Windows Updateを適用する: Windows Updateはセキュリティ上の修正だけでなく、システム全体の安定性を向上させるためのアップデートも含まれています。定期的に適用するように設定しておきましょう。
- 信頼できるセキュリティソフトウェアを使用する: ウイルスやマルウェア感染を防ぐことは、システムファイルの破損や不安定化を防ぐ上で重要です。
- ハードウェアの温度を監視する: CPUやグラフィックカードなどが過熱すると、不安定になったり故障したりしてBSoDの原因となることがあります。フリーウェアの監視ツールなどを使用して、温度をチェックしましょう。必要に応じて、PC内部の清掃(ホコリ除去)や冷却ソリューションの見直しを行います。
- システム復元ポイントを定期的に作成する: 重要な変更を行う前や、システムが安定しているときに手動で作成しておくと、問題発生時に役立ちます。
- 重要なデータのバックアップを習慣化する: 何らかのトラブルでシステムが起動不能になった場合でも、データが失われることを防ぐことができます。
7. まとめ
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーは、Windowsシステムにおけるメモリ管理の不整合を示す深刻なエラーですが、その原因は不正なドライバ、ハードウェアの不具合、ソフトウェアの競合、システムファイルの破損など多岐にわたります。
本記事で紹介した段階的なトラブルシューティング手順(最近の変更の特定、ドライバの更新/ロールバック、セーフモードでの確認、システムファイルチェック、ハードウェア診断、クリーンブートなど)を一つずつ試すことで、原因を特定し、多くの場合は自力で問題を解決することが可能です。
トラブルシューティングの過程では根気が必要ですが、原因を特定し、適切な対処を行うことがPCの安定性を回復させる鍵となります。もし自力での解決が難しい場合は、専門家やメーカーサポートに相談することをためらわないでください。また、日頃からのメンテナンスやバックアップを習慣化することで、万が一のトラブルに備えることができます。
この詳細なガイドが、「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL」エラーに直面した皆さんの問題解決の一助となれば幸いです。