GitLab CE導入ガイド:初心者でも簡単セットアップ

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GitLab CE導入ガイド:初心者でも簡単セットアップ

近年、ソフトウェア開発の現場では、バージョン管理システムが不可欠なツールとなっています。中でも、GitLabは、ソースコード管理だけでなく、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デプロイメント)やプロジェクト管理など、開発に必要な機能を統合的に提供するプラットフォームとして、広く利用されています。

本ガイドでは、GitLabの中でも無償で利用できるGitLab CE(Community Edition)の導入方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。GitLabを導入することで、チーム開発の効率化、品質向上、開発生産性の向上を期待できます。

1. GitLabとは?

GitLabは、Gitリポジトリ管理機能を中心に、開発ライフサイクル全体をサポートする包括的なプラットフォームです。単なるバージョン管理システムとしてだけでなく、以下のような機能を備えています。

  • Gitリポジトリ管理: ソースコード、ドキュメント、設定ファイルなど、あらゆる種類のファイルをバージョン管理できます。
  • CI/CD: コードの変更を自動的にテスト、ビルド、デプロイできます。
  • イシュー管理: バグ追跡、タスク管理、機能要望などを管理できます。
  • コードレビュー: コードの品質向上を目的としたレビュープロセスを支援します。
  • Wiki: プロジェクトに関するドキュメントや情報を共有できます。
  • プロジェクト管理: アジャイル開発、カンバン、スクラムなど、様々なプロジェクト管理手法をサポートします。

これらの機能を統合的に利用することで、開発チームは効率的に連携し、高品質なソフトウェアを迅速に開発できます。

2. GitLab CEとGitLab EEの違い

GitLabには、CE(Community Edition)とEE(Enterprise Edition)の2つのエディションがあります。

  • GitLab CE: 無償で利用できるオープンソース版です。基本的なGitリポジトリ管理、CI/CD、イシュー管理などの機能が利用できます。小規模なチームや個人開発者にとって十分な機能を提供します。
  • GitLab EE: 有償版です。CEの機能に加えて、より高度な機能やエンタープライズ向けの機能が提供されます。例えば、高度なセキュリティ機能、コンプライアンス機能、プレミアムサポートなどが含まれます。大規模な組織や複雑な要件を持つプロジェクトに適しています。

本ガイドでは、無償で利用できるGitLab CEの導入方法に焦点を当てて解説します。

3. GitLab CE導入前の準備

GitLab CEを導入する前に、以下の準備が必要です。

  • ハードウェア要件: GitLab CEは、ある程度のハードウェアリソースを必要とします。公式ドキュメントに記載されている推奨スペックを確認し、サーバーのハードウェアが要件を満たしていることを確認してください。最低限、CPU 2コア、メモリ4GB以上を推奨します。
  • オペレーティングシステム: GitLab CEは、Linuxベースのオペレーティングシステム上で動作します。Ubuntu、Debian、CentOSなどがサポートされています。本ガイドでは、最もポピュラーなUbuntuを例に解説します。
  • ドメイン名: GitLabにアクセスするためのドメイン名が必要です。もしドメイン名を持っていない場合は、無料のDNSサービスを利用することもできます。
  • SSL証明書: GitLabへのアクセスをHTTPSで行うために、SSL証明書が必要です。Let’s Encryptなどの無料のSSL証明書を利用することもできます。
  • メールサーバー: GitLabから通知メールを送信するために、メールサーバーが必要です。既存のメールサーバーを利用するか、Postfixなどのメールサーバーを別途構築する必要があります。
  • Gitの知識: GitLabを利用するには、Gitの基本的な知識が必要です。Gitの基本的なコマンド(add、commit、push、pullなど)を理解していることを推奨します。
  • ターミナルの知識: GitLab CEのインストールや設定は、ターミナルで行う必要があります。基本的なターミナルの操作(コマンドの実行、ファイルの編集など)を理解していることを推奨します。

4. GitLab CEのインストール(Ubuntu)

本セクションでは、UbuntuにGitLab CEをインストールする手順を解説します。

4.1. 必要なパッケージのインストール

まず、GitLab CEのインストールに必要なパッケージをインストールします。

bash
sudo apt update
sudo apt install -y curl openssh-server ca-certificates tzdata postfix

  • sudo apt update: パッケージリストを最新の状態に更新します。
  • sudo apt install -y curl openssh-server ca-certificates tzdata postfix: 必要なパッケージをインストールします。
    • curl: Webサイトからファイルをダウンロードするために使用します。
    • openssh-server: SSH経由でサーバーにアクセスするために使用します。
    • ca-certificates: SSL証明書を検証するために使用します。
    • tzdata: タイムゾーン情報を管理するために使用します。
    • postfix: メールサーバーとして使用します(後で設定します)。

4.2. GitLabリポジトリの追加

次に、GitLabのリポジトリを追加します。

bash
curl -sS https://packages.gitlab.com/install/repositories/gitlab/gitlab-ce/script.deb.sh | sudo bash

このコマンドは、GitLabの公式リポジトリを追加するためのスクリプトをダウンロードして実行します。

4.3. GitLab CEのインストール

リポジトリを追加したら、GitLab CEをインストールします。

bash
sudo apt install gitlab-ce

このコマンドは、GitLab CEのパッケージをダウンロードしてインストールします。インストールには時間がかかる場合があります。

4.4. GitLabの設定

GitLab CEのインストールが完了したら、設定を行います。

bash
sudo gitlab-ctl reconfigure

このコマンドは、GitLabの設定ファイルを生成し、GitLabのサービスを起動します。設定には時間がかかる場合があります。

4.5. GitLabへのアクセス

GitLabの設定が完了したら、ブラウザからGitLabにアクセスします。

http://your_server_ip

your_server_ipは、GitLabをインストールしたサーバーのIPアドレスに置き換えてください。

初回アクセス時には、rootユーザーのパスワードを設定する必要があります。パスワードを設定したら、rootユーザーでログインできます。

5. GitLab CEの初期設定

GitLab CEにログインしたら、初期設定を行います。

5.1. 管理者設定

  • ユーザー設定: 管理者ユーザーのメールアドレス、パスワードなどを設定します。
  • 一般設定: GitLabの名前、説明、ロゴなどを設定します。
  • メール設定: メールサーバーの設定を行います。Postfixを設定していない場合は、SMTPサーバーの設定を行う必要があります。
  • セキュリティ設定: パスワードポリシー、アカウントロックアウトポリシーなどを設定します。

5.2. プロジェクトの作成

GitLabでコードを管理するには、プロジェクトを作成する必要があります。

  • プロジェクト名: プロジェクトの名前を設定します。
  • 説明: プロジェクトの説明を設定します。
  • 公開設定: プロジェクトの公開範囲を設定します。
    • Private: プロジェクトは、プロジェクトメンバーのみがアクセスできます。
    • Internal: プロジェクトは、ログインしているユーザーのみがアクセスできます。
    • Public: プロジェクトは、誰でもアクセスできます。

5.3. ユーザーの追加

チームメンバーをGitLabに追加します。

  • ユーザー名: ユーザーの名前を設定します。
  • メールアドレス: ユーザーのメールアドレスを設定します。
  • パスワード: ユーザーのパスワードを設定します。
  • アクセス権: ユーザーのアクセス権を設定します。
    • Guest: プロジェクトの閲覧のみが可能です。
    • Reporter: イシューの作成、コメントなどが可能です。
    • Developer: コードのプッシュ、マージリクエストの作成などが可能です。
    • Maintainer: プロジェクトの設定変更などが可能です。
    • Owner: プロジェクトの所有者です。

6. GitLab CEの基本的な使い方

GitLab CEの基本的な使い方を解説します。

6.1. リポジトリへのアクセス

ローカル環境からGitLabのリポジトリにアクセスするには、Gitクライアントを使用します。

bash
git clone <repository_url>

<repository_url>は、GitLabのリポジトリのURLに置き換えてください。

6.2. コードの変更とコミット

ローカル環境でコードを変更したら、変更をコミットします。

bash
git add .
git commit -m "コミットメッセージ"

  • git add .: 変更されたファイルをステージングエリアに追加します。
  • git commit -m "コミットメッセージ": 変更をコミットします。"コミットメッセージ"は、変更内容を説明するメッセージに置き換えてください。

6.3. コードのプッシュ

ローカル環境でコミットした変更をGitLabのリポジトリにプッシュします。

bash
git push origin <branch_name>

<branch_name>は、プッシュするブランチの名前に置き換えてください。

6.4. コードのプル

GitLabのリポジトリの変更をローカル環境に取り込むには、プルを行います。

bash
git pull origin <branch_name>

<branch_name>は、プルするブランチの名前に置き換えてください。

6.5. マージリクエストの作成

コードレビューを行うために、マージリクエストを作成します。

  1. GitLabのWebインターフェースで、マージリクエストを作成したいブランチに移動します。
  2. “Create merge request”ボタンをクリックします。
  3. マージリクエストのタイトル、説明などを入力します。
  4. “Submit merge request”ボタンをクリックします。

6.6. イシューの作成

バグやタスクを管理するために、イシューを作成します。

  1. GitLabのWebインターフェースで、プロジェクトのイシューページに移動します。
  2. “New issue”ボタンをクリックします。
  3. イシューのタイトル、説明などを入力します。
  4. “Submit issue”ボタンをクリックします。

7. GitLab CEのCI/CD設定

GitLab CEのCI/CD機能を利用することで、コードの変更を自動的にテスト、ビルド、デプロイできます。

7.1. .gitlab-ci.ymlファイルの作成

CI/CDの設定は、.gitlab-ci.ymlファイルで行います。.gitlab-ci.ymlファイルは、リポジトリのルートディレクトリに配置する必要があります。

.gitlab-ci.ymlファイルの基本的な構造は以下の通りです。

“`yaml
stages:
– build
– test
– deploy

build:
stage: build
script:
– echo “Building the application”
– # ビルドコマンド

test:
stage: test
script:
– echo “Running tests”
– # テストコマンド

deploy:
stage: deploy
script:
– echo “Deploying the application”
– # デプロイコマンド
“`

  • stages: CI/CDのステージを定義します。上記の例では、build、test、deployの3つのステージを定義しています。
  • build, test, deploy: 各ステージで実行するジョブを定義します。
    • stage: ジョブが実行されるステージを指定します。
    • script: ジョブで実行するコマンドを指定します。

7.2. CI/CDパイプラインの実行

.gitlab-ci.ymlファイルをリポジトリにコミットすると、自動的にCI/CDパイプラインが実行されます。パイプラインの実行状況は、GitLabのWebインターフェースで確認できます。

7.3. CI/CDのカスタマイズ

.gitlab-ci.ymlファイルを編集することで、CI/CDパイプラインをカスタマイズできます。例えば、環境変数の設定、キャッシュの設定、アーティファクトの保存などが可能です。

8. GitLab CEのトラブルシューティング

GitLab CEの導入や運用で問題が発生した場合のトラブルシューティング方法を解説します。

  • ログファイルの確認: GitLabのログファイルには、エラーメッセージや警告メッセージが出力されます。ログファイルを確認することで、問題の原因を特定できる場合があります。
  • 公式ドキュメントの参照: GitLabの公式ドキュメントには、様々な問題に対する解決策が記載されています。
  • コミュニティへの質問: GitLabのコミュニティフォーラムやStack Overflowなどで質問することで、他のユーザーからアドバイスを得られる場合があります。

9. まとめ

本ガイドでは、GitLab CEの導入方法、初期設定、基本的な使い方、CI/CD設定、トラブルシューティングについて解説しました。GitLab CEを導入することで、チーム開発の効率化、品質向上、開発生産性の向上を期待できます。ぜひ、GitLab CEを導入して、より良いソフトウェア開発ライフサイクルを実現してください。

10. さらなる学習


上記はGitLab CEの導入から基本的な使い方までを網羅した詳細なガイドです。もちろん、これらは基本的な内容であり、GitLabにはさらに多くの機能が搭載されています。具体的なプロジェクトに合わせて、GitLabの機能を最大限に活用していくことが重要です。

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