はい、承知いたしました。IntelliJ IDEAのインストール方法と使い方について、詳細な説明を含む記事を作成します。約5000語を目指し、内容を直接表示します。
IntelliJ IDEA インストール方法・使い方の詳細ガイド
ソフトウェア開発の世界では、効率的かつ快適な開発環境は生産性に直結します。数ある統合開発環境(IDE)の中でも、特にJavaやKotlin、ScalaといったJVM言語、そしてフロントエンドやバックエンド開発においても非常に高い人気を誇るのがJetBrains社の IntelliJ IDEA です。その「賢さ」と豊富な機能は、一度使い始めると手放せなくなる開発者が後を絶ちません。
本記事では、IntelliJ IDEAをこれから使い始める方、またはより深く理解したい方を対象に、そのインストール方法から基本的な使い方、さらに開発効率を飛躍的に向上させるための便利な機能まで、詳細かつ網羅的に解説します。約5000語を費やし、あなたのIntelliJ IDEAマスターへの道のりをサポートします。
1. IntelliJ IDEAとは何か?なぜ選ばれるのか?
1.1 IntelliJ IDEAの概要
IntelliJ IDEAは、JetBrains社が開発する統合開発環境(IDE)です。特にJava、Kotlin、ScalaなどのJVM(Java Virtual Machine)言語開発に強みを持っていますが、プラグインによりPHP、Python、Ruby、JavaScriptなどの様々な言語やフレームワークにも対応します。
IDEは、コードエディタ、コンパイラ/インタープリタ連携、デバッガ、ビルドツール連携、バージョン管理システム連携など、ソフトウェア開発に必要な一連のツールを統合した環境です。IntelliJ IDEAは、これらの基本機能に加え、以下のような高度な機能を提供することで開発者の生産性を高めます。
- スマートなコード補完 (Smart Code Completion): コードの文脈を理解し、より関連性の高い候補を提示します。
- 強力なコード解析 (Code Inspection): コード中の潜在的なバグ、非効率なコード、コーディング規約からの逸脱などを検出し、修正候補を提示します。
- 高度なリファクタリング (Refactoring): コードの構造を安全に変更(変数名の変更、メソッドの抽出など)できます。
- 優れたナビゲーション (Navigation): コード、ファイル、シンボル間を素早く移動できます。
- 統合されたツール連携: Maven, Gradle, Git, Dockerなどの人気ツールとの連携がスムーズです。
1.2 IntelliJ IDEAが選ばれる理由
IntelliJ IDEAが多くの開発者に選ばれる理由は多岐にわたります。
- 生産性の高さ: スマートな機能が開発者の思考を妨げず、コーディング、デバッグ、テスト、リファクタリングといった日常業務を効率化します。
- 「賢さ」: コード解析や補完機能は非常に高度で、開発者がエラーを早期に発見したり、より良いコードを書いたりするのを助けます。
- 洗練されたUI/UX: 直感的でカスタマイズ可能なユーザーインターフェースは、長時間の作業でもストレスを感じにくい設計です。
- 広範な言語とフレームワークのサポート: JVM言語だけでなく、多くのモダンな技術スタックに対応します。
- 活発なコミュニティと豊富なプラグイン: 困ったときの情報が見つけやすく、必要な機能を追加することでさらに自分好みの環境を構築できます。
これらの理由から、特にプロフェッショナルな開発現場でIntelliJ IDEAが採用されるケースが多く見られます。
1.3 エディションの選択: Community Edition vs. Ultimate Edition
IntelliJ IDEAには、主に以下の2つのエディションがあります。
- IntelliJ IDEA Community Edition (CE):
- 無料かつオープンソースです。
- Java、Kotlin、Groovy、ScalaなどのJVM言語開発の基本的な機能(コード編集、デバッグ、ビルド、テストなど)を提供します。
- Android開発の公式IDEであるAndroid Studioは、このCommunity Editionをベースにしています。
- 主な対応技術: Java SE, Kotlin, Groovy, Scala, Maven, Gradle, JUnit, TestNG, Git, SVN, etc.
- IntelliJ IDEA Ultimate Edition (UE):
- 有料(サブスクリプション形式)です。
- Community Editionの全機能に加え、さらに高度な機能や広範な技術スタックをサポートします。
- Web開発(JavaScript, TypeScript, HTML, CSS)、フレームワーク(Spring, Jakarta EE, Micronaut, Quarkus, etc.)、データベースツール、プロファイラ、Docker/Kubernetes連携、リモート開発など、エンタープライズ開発やフルスタック開発に必要な機能が網羅されています。
- 主な対応技術: Community Editionの全て + Spring, Jakarta EE, Micronaut, Quarkus, Ktor, Web開発 (JS, TS, HTML, CSS, Angular, React, Vue.js), データベースツール, SQL, Docker, Kubernetes, プロファイラ, リモート開発, etc.
どちらを選ぶべきか?
- 学習目的や個人でのJava/Kotlin/Scala開発: Community Editionで十分な場合が多いです。特に基本的なJVM言語の学習や、個人での小規模プロジェクトであれば、CEから始めるのが良いでしょう。
- 商用開発、Web開発、エンタープライズ開発、フルスタック開発: Ultimate Editionが強く推奨されます。Springフレームワークやデータベースツール、高度なJavaScript/TypeScriptサポートなど、開発効率を大幅に向上させる機能はUEにのみ含まれています。無料トライアルがあるので、まずは試してみるのがおすすめです。
本記事では、主にCommunity Editionをベースに解説しますが、Ultimate Editionの機能についても言及します。
2. IntelliJ IDEAのインストール方法
IntelliJ IDEAのインストールは、OSごとに若干手順が異なります。ここでは、主要な3つのOS(Windows, macOS, Linux)について解説します。
2.1 事前準備: JDKのインストール
多くのJava開発プロジェクトでは、Java Development Kit(JDK)が必要です。IntelliJ IDEA自体はJDKなしでも起動できますが、Javaプロジェクトを開発するにはJDKが必須となります。IntelliJ IDEAのバージョンによっては、インストール時にOpenJDKを一緒にダウンロード・セットアップするオプションが提供されることもありますが、事前にインストールしておくことを推奨します。
- 推奨されるJDK: 最新のLTS(長期サポート)バージョン(例: Java 11, Java 17, Java 21)または開発に使う特定のバージョン。
- 入手先: Oracle JDK (商用利用にはライセンスが必要な場合があります) や OpenJDK ディストリビューション (Adoptium, Azul Zulu, Amazon Correttoなど) があります。
JDKのインストール方法については、ここでは詳細を割愛しますが、ご使用のOSとJDKのバージョンに合わせて、環境変数 JAVA_HOME
の設定なども行ってください。
2.2 Windowsへのインストール
- インストーラーのダウンロード:
- JetBrains公式サイトのIntelliJ IDEAダウンロードページにアクセスします。
- ご希望のエディション(Community または Ultimate)と、お使いのWindowsのビット数(通常は64-bit)に合わせてインストーラー (.exeファイル) をダウンロードします。
- インストーラーの実行:
- ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリックして実行します。
- ユーザーアカウント制御(UAC)のダイアログが表示されたら、「はい」をクリックして続行を許可します。
- セットアップウィザード:
- 「Welcome to IntelliJ IDEA Setup」画面が表示されたら、「Next」をクリックします。
- Installation Location: インストール先のフォルダを選択します。デフォルトで問題なければそのまま「Next」をクリックします。十分なディスク容量があることを確認してください。
- Installation Options: ここが重要な設定項目です。
Create Desktop Shortcut
: デスクトップにショートカットを作成するか選択します(32-bit / 64-bit)。通常は64-bitを選びます。Update PATH variable (restart needed)
: コマンドプロンプトなどからidea
コマンドでIntelliJ IDEAを起動できるようになります。チェックを入れるとPCの再起動が必要です。便利なのでチェックを推奨します。Update Context Menu
: エクスプローラーのフォルダの右クリックメニューに「Open Folder as Project」を追加します。チェックを入れておくと便利です。Create Associations
: .java, .kt, .gradle, .groovyなどのファイル拡張子をIntelliJ IDEAに関連付けます。これらのファイルをダブルクリックしたときにIntelliJ IDEAで開くようになります。開発に使うファイル形式にチェックを入れると良いでしょう。Download and install shared indexes
: コード補完などを高速化するための共有インデックスをダウンロードします。通常はチェックを入れておきます。Add 'Open Folder as Project' context menu
: ファイルエクスプローラーでフォルダを右クリックしてプロジェクトとして開くオプションを追加します。(上記と重複する表記の場合があります。最新版インストーラーの指示に従ってください)
- 必要なオプションにチェックを入れたら「Next」をクリックします。
- Choose Start Menu Folder: スタートメニューに作成されるフォルダ名を指定します。デフォルトで問題なければ「Install」をクリックします。
- インストール開始:
- ファイルのコピーが開始されます。完了するまで待ちます。
- インストール完了:
- 「Completing IntelliJ IDEA Setup」画面が表示されたら完了です。
Run IntelliJ IDEA
にチェックを入れて「Finish」をクリックすると、IntelliJ IDEAが起動します。PCの再起動が必要なオプションを選択した場合は、再起動後に起動してください。
2.3 macOSへのインストール
- インストーラーのダウンロード:
- JetBrains公式サイトのIntelliJ IDEAダウンロードページにアクセスします。
- ご希望のエディション(Community または Ultimate)と、お使いのMacのチップ(Intel または Apple Silicon)に合わせてインストーラー (.dmgファイル) をダウンロードします。
- ディスクイメージを開く:
- ダウンロードした .dmg ファイルをダブルクリックします。
- Finderウィンドウが開かれ、IntelliJ IDEAのアプリケーションアイコンが表示されます。
- アプリケーションフォルダへの移動:
- 開かれたFinderウィンドウ内で、IntelliJ IDEAのアプリケーションアイコンを「Applications」フォルダのショートカットにドラッグ&ドロップします。これでインストールは完了です。
- ディスクイメージの取り出し:
- FinderのサイドバーにあるIntelliJ IDEAのディスクイメージを選択し、「取り出し」ボタンをクリックするか、ゴミ箱アイコンにドラッグしてアンマウントします。
- IntelliJ IDEAの起動:
- Launchpadを開くか、Finderで「Applications」フォルダを開き、「IntelliJ IDEA」アイコンをダブルクリックします。
- 初回起動時には、インターネットからダウンロードされたアプリケーションであることの確認ダイアログが表示されることがあります。「開く」をクリックして許可します。
- macOSのセキュリティ設定によっては、「システム設定」>「セキュリティとプライバシー」で開発元不明のアプリケーションの実行を許可する必要がある場合があります。
2.4 Linuxへのインストール
Linuxにはいくつかのインストール方法があります。最も簡単で推奨されるのはJetBrains Toolbox Appを使う方法です。
2.4.1 JetBrains Toolbox Appを使用する方法 (推奨)
JetBrains Toolbox Appは、JetBrains製品のインストール、アップデート、管理を一元的に行うためのツールです。
- Toolbox Appのダウンロード:
- JetBrains公式サイトのToolbox Appダウンロードページにアクセスし、お使いのLinuxディストリビューションに合った .tar.gz ファイルをダウンロードします。
- Toolbox Appのインストール:
- ダウンロードした .tar.gz ファイルを展開します。
bash
tar -xzf jetbrains-toolbox-*.tar.gz - 展開されたフォルダの中に
jetbrains-toolbox
という実行可能ファイルがあります。これを実行します。
bash
./jetbrains-toolbox-.../jetbrains-toolbox - Toolbox Appが起動します。アプリケーションリストにToolbox Appを追加するか尋ねられる場合がありますので、許可します。
- ダウンロードした .tar.gz ファイルを展開します。
- IntelliJ IDEAのインストール:
- Toolbox Appのウィンドウが開いたら、利用可能なJetBrains製品のリストが表示されます。
- IntelliJ IDEAの項目を見つけ、「Install」ボタンをクリックします。エディション(Community または Ultimate)を選択できます。
- Toolbox Appが自動的にIntelliJ IDEAをダウンロードし、インストールしてくれます。インストール先の管理もToolbox Appが行います。
- IntelliJ IDEAの起動:
- Toolbox AppのリストからIntelliJ IDEAを選んで「Open」をクリックするか、アプリケーションメニューからIntelliJ IDEAを起動します。
2.4.2 Snapパッケージを使用する方法 (Ubuntuなど)
Snapdがインストールされているディストリビューション(Ubuntuなど)では、Snapストアから簡単にインストールできます。
- Community Edition:
bash
sudo snap install intellijidea-community --classic - Ultimate Edition:
bash
sudo snap install intellijidea-ultimate --classic - インストール後、アプリケーションメニューから起動できます。
2.4.3 手動インストール (.tar.gzから)
Toolbox AppやSnapを使わない場合、手動でインストールすることも可能です。
- IntelliJ IDEAのダウンロード:
- JetBrains公式サイトからお使いのLinuxディストリビューションに合った .tar.gz ファイルをダウンロードします。
- ファイルの展開:
- ダウンロードした .tar.gz ファイルを、任意のディレクトリ(例:
/opt
やユーザーのホームディレクトリ下の~/opt
など)に展開します。
bash
sudo tar -xzf ideaIC-*.tar.gz -C /opt/ # Community Editionの場合
sudo tar -xzf ideaIU-*.tar.gz -C /opt/ # Ultimate Editionの場合
- ダウンロードした .tar.gz ファイルを、任意のディレクトリ(例:
- IntelliJ IDEAの起動:
- 展開したディレクトリ内の
bin
フォルダに移動し、idea.sh
スクリプトを実行します。
bash
cd /opt/idea-IC-*/bin # または idea-IU-*
./idea.sh - 初回起動時にデスクトップエントリ(アプリケーションメニューへの登録)を作成するか尋ねられるので、作成すると便利です。
- 展開したディレクトリ内の
3. 初回起動と基本設定
インストールが完了し、IntelliJ IDEAを初めて起動したときに、いくつかの初期設定を行います。
- Settings Import:
- 以前のバージョンや別のIntelliJベースのIDE(Android Studioなど)の設定をインポートするか尋ねられます。初めての場合は「Do not import settings」を選択し、「OK」をクリックします。
- JetBrains Account Login (Ultimate Edition):
- Ultimate Editionの場合は、ライセンス認証のためにJetBrainsアカウントにログインする必要があります。Community Editionの場合はこのステップはスキップされます。
- Terms of Service:
- 利用規約が表示されます。内容を確認し、同意する場合はチェックを入れて「Accept」をクリックします。
- Data Sharing:
- JetBrainsに利用統計情報やエラーレポートを送信するか選択します。任意なので、どちらを選んでも構いません。
- UI Theme:
- IntelliJ IDEAの見た目(テーマ)を選択します。
- Darcula: ダークテーマ(デフォルト)。
- Light: ライトテーマ。
- macOSの場合はmacOS Light/Dark、Windowsの場合はWindows Light/Darkなど、OSに合わせたテーマも選択できます。
- 「Next」をクリックします。
- IntelliJ IDEAの見た目(テーマ)を選択します。
- Keymap:
- 使用するキーボードショートカットのマップを選択します。
- IntelliJ (macOS): macOS標準のキーバインドに近いIntelliJ独自のマップ。
- macOS 系統: macOS標準のキーバインドに合わせたマップ。
- Windows / Linux 系統: Windows/Linux標準のキーバインドに合わせたマップ。
- Eclipse: Eclipseからの移行者向け。
- NetBeans: NetBeansからの移行者向け。
- VS Code: VS Codeからの移行者向け。
- 使い慣れたIDEやOSに合わせて選択すると良いでしょう。後で変更可能です。
- 「Next」をクリックします。
- 使用するキーボードショートカットのマップを選択します。
- Plugins:
- 推奨されるプラグインや、特定の技術スタック(例えばScala、Android、Dockerなど)に対応するためのプラグインのインストールを促されます。
- 必要なものがあれば「Install」をクリックします。後からいつでもプラグインを追加・削除できます。
- 「Next」をクリックします。(またはスキップ)
- Featured Plugins (Ultimate Edition):
- Ultimate Editionでは、さらに特定のフレームワーク(Spring, Java EEなど)やデータベース、プロファイリングなどの機能を提供するプラグインのインストールを勧められます。
- 開発に必要なものがあればインストールします。
- 「Start Using IntelliJ IDEA」をクリックすると、ウェルカム画面が表示されます。
4. プロジェクトの作成と基本画面
IntelliJ IDEAを起動すると表示されるウェルカム画面から、新しいプロジェクトを作成したり、既存のプロジェクトを開いたりできます。
4.1 新規プロジェクトの作成
- ウェルカム画面で「New Project」をクリックします。
- New Project ウィザード:
- 左側のリストからプロジェクトの種類を選択します。
- New Project: 空のプロジェクトや、基本的なJava/Kotlin/Groovy/Scalaプロジェクトを作成します。
- Maven / Gradle: MavenまたはGradleプロジェクトを作成します。既存のMaven/Gradleプロジェクトをインポートする場合もここから始められます。
- Spring Initializr (UE): Spring Bootプロジェクトを素早く作成できます。
- その他、様々なフレームワークや技術スタックに対応したテンプレートがあります。
- ここでは例として最も基本的な「New Project」を選択します。
- Name: プロジェクトの名前を入力します。
- Location: プロジェクトの保存場所を選択します。
- Language: 使用するプログラミング言語を選択します(Java, Kotlin, Groovy, Scala)。
- Build system: ビルドシステムを選択します(IntelliJ, Maven, Gradle)。小規模なプロジェクトや学習目的ならIntelliJを選べますが、一般的にはMavenかGradleを使用することが多いです。
- JDK: プロジェクトで使用するJDKを選択します。ドロップダウンリストから既に認識されているJDKを選ぶか、「Add SDK」から新しいJDKのパスを指定して追加します。JDKがインストールされていない場合は、「Download JDK」からダウンロードして設定することも可能です。
- Add Sample Code: サンプルコード(例:
Main
クラス)を自動生成するか選択します。学習の際はチェックを入れておくと便利です。 - その他のオプション(JUnit/TestNGテストの追加など)を選択します。
- 左側のリストからプロジェクトの種類を選択します。
- 「Create」ボタンをクリックします。
IntelliJ IDEAがプロジェクトを作成し、プロジェクトウィンドウが表示されます。
4.2 プロジェクトウィンドウの構成
プロジェクトウィンドウは、IntelliJ IDEAでの開発作業の中心となる画面です。主に以下の領域で構成されます。
- プロジェクトビュー (Project View):
- ウィンドウの左側に表示され、プロジェクトのファイルやディレクトリ構造をツリー形式で表示します。
- ソースコード(通常
src
フォルダ内)、リソースファイル、ライブラリ、ビルドスクリプトなどがここに表示されます。 - 複数の表示モード(Project, Packages, Project Files, etc.)があり、上部のドロップダウンリストで切り替えられます。
- エディタ (Editor):
- ウィンドウの中央に大きく表示され、コードを記述・編集する領域です。
- 開いているファイルごとにタブが表示されます。
- 強力なコード補完、シンタックスハイライト、エラー/警告表示、コード整形など、様々な編集支援機能が提供されます。
- ツールウィンドウ (Tool Windows):
- ウィンドウの上下左右に配置できる補助的なウィンドウ群です。必要に応じて開閉できます。
- Run: プログラムの実行結果やコンソール出力が表示されます。
- Debug: デバッグ時に、変数、ブレークポイント、コールスタックなどが表示されます。
- Terminal: IDE内でコマンドライン操作が行えます。
- Version Control: Gitなどのバージョン管理システムの操作(コミット、プッシュ、プルなど)を行います。
- Maven / Gradle: ビルドツールのタスク実行や依存関係の管理を行います。
- その他、Database (UE), Docker (UE), Profiler (UE) など、多くのツールウィンドウがあります。
- 画面端のアイコン(例: 左下の四角いアイコン)や、メニューバーの「View」>「Tool Windows」から開くことができます。
- ナビゲーションバー (Navigation Bar):
- エディタの上、メインツールバーの下に表示され、現在のファイルの階層構造を表示します。クリックすることでディレクトリやファイルを素早く移動できます。
- ステータスバー (Status Bar):
- ウィンドウの一番下に表示され、現在のIDEの状態、実行中のタスク、コードインスペクションの状態、改行コード、エンコーディングなどの情報が表示されます。
これらのウィンドウの配置や表示/非表示は、自由にカスタマイズできます。
5. 基本的な使い方: コード編集、実行、デバッグ
IntelliJ IDEAを使った開発ワークフローの基本的なステップを見ていきましょう。
5.1 コードの編集
- ファイルの開き方:
- プロジェクトビューでファイル名をクリックすると、エディタで開かれます。
- 「Navigate」メニューやショートカット(例: 「Go to Class」Ctrl+N / Cmd+N)を使って素早く目的のファイルを開くこともできます。
- コード補完:
- コードを入力している最中に、IntelliJ IDEAが候補リストを表示します。TabキーやEnterキーで選択して確定します。
- 基本補完 (Basic Completion): Ctrl+Space / Cmd+Space
- スマート補完 (Smart Completion): Ctrl+Shift+Space / Cmd+Shift+Space – 文脈から最も関連性の高い候補を提示します。
- Postfix Completion: ドット(
.
)の後に特定のキーワードを入力することでコードを変換します(例:変数.sout
でSystem.out.println(変数);
に変換)。
- コード解析とクイックフィックス (Quick-Fix):
- IntelliJ IDEAはコードをリアルタイムで解析し、エラー(赤色の波線)、警告(黄色の波線)、提案などを表示します。
- 波線の上にマウスカーソルを合わせると問題の詳細が表示されます。
- 波線のある行にカーソルを置き、Alt+Enter (Windows/Linux) または Option+Enter (macOS) を押すと、その問題に対する修正候補(クイックフィックス)が表示されます。例えば、未定義のクラスにAlt+Enterを押すと、インポート文の追加やクラスの新規作成を提案してくれます。この機能はIntelliJ IDEAの非常に強力な武器の一つです。
- コードフォーマット:
- コードのインデント、スペース、改行などをコーディング規約に従って自動的に整形します。
- Reformat Code: Ctrl+Alt+L (Windows/Linux) / Cmd+Alt+L (macOS) – 現在のファイルまたは選択範囲を整形します。
- 設定で保存時に自動整形することも可能です。
- コメントアウト:
- 行コメント: Ctrl+/ / Cmd+/
- ブロックコメント: Ctrl+Shift+/ / Cmd+Shift+/
5.2 コードの実行 (Run)
作成したプログラムを実行するには、Run Configurationを作成・使用します。
- Run Configurationの作成:
- 実行したい
main
メソッドがあるクラスを開きます。 main
メソッドの定義の隣にある緑色の再生ボタンアイコンをクリックします。- 「Run ‘クラス名.main()’」を選択します。
- IntelliJ IDEAが自動的にRun Configurationを作成し、プログラムを実行します。
- または、画面右上のドロップダウンリストから「Add Configuration…」を選択し、手動でRun Configurationを作成します。Java Application, Maven, Gradleなど、様々な種類があります。
- 実行したい
- プログラムの実行:
- 画面右上のRun Configurationのドロップダウンリストの横にある緑色の再生ボタンをクリックします。
- 実行結果は下部の「Run」ツールウィンドウに表示されます。標準出力やエラー出力、終了コードなどが確認できます。
5.3 コードのデバッグ (Debug)
デバッグは、プログラムの実行を一時停止させ、変数の値を確認したり、一行ずつ実行したりすることで、バグの原因を特定・修正する作業です。
- ブレークポイントの設定:
- プログラムを一時停止させたい行のエディタの左側のガター(行番号が表示されている領域)をクリックします。赤い丸が表示され、ブレークポイントが設定されたことを示します。
- デバッグ実行:
- 画面右上のRun Configurationのドロップダウンリストの横にある緑色の虫アイコンをクリックします。
- プログラムが実行され、設定したブレークポイントに到達すると一時停止します。
- デバッガーツールウィンドウ:
- プログラムが一時停止すると、下部に「Debug」ツールウィンドウが表示されます。
- Frames: 現在のコールスタック(どのメソッドから呼び出されて現在の位置にいるか)が表示されます。
- Variables: 現在のスコープでアクセス可能な変数のリストとその値が表示されます。変数の値を変更することも可能です。
- Watches: 特定の式や変数の値を監視リストに追加して確認できます。
- Console: プログラムの標準出力/エラー出力が表示されます。また、一時停止中にコードスニペットを実行できる「Evaluate Expression」機能もここから利用できます。
- ステップ実行:
- デバッガーが一時停止している状態で、以下のボタンを使ってプログラムの実行を進めます。
- Step Over: 現在の行を実行し、次の行に進みます。メソッド呼び出しがあっても、そのメソッドの中には入りません。
- Step Into: 現在の行でメソッド呼び出しがある場合、そのメソッドの定義の先頭行に移動します。
- Step Out: 現在実行中のメソッドから抜け出し、呼び出し元に戻ります。
- Run to Cursor: カーソルがある行までプログラムを実行します。
- Resume Program: 次のブレークポイントまでプログラムを再開します。
- デバッガーが一時停止している状態で、以下のボタンを使ってプログラムの実行を進めます。
- ブレークポイントの管理:
- ブレークポイントを再度クリックすると解除できます。
- Debugツールウィンドウの「Breakpoints」タブで、設定したブレークポイントの一覧を確認・管理(有効/無効の切り替え、条件設定など)できます。
6. 主な機能の詳細
IntelliJ IDEAには、上記以外にも開発を強力にサポートする機能が多数あります。いくつか代表的なものを見ていきましょう。
6.1 バージョン管理システム連携 (VCS)
IntelliJ IDEAはGit、SVN、Mercurialなどの主要なバージョン管理システムと深く統合されています。特にGitとの連携は非常に強力です。
- VCSの有効化:
- 「VCS」メニュー > 「Enable Version Control Integration…」から、プロジェクトで使用するVCS(例: Git)を選択します。
- クローン/チェックアウト:
- ウェルカム画面や「File」メニュー > 「New」>「Project from Version Control…」から、リモートリポジトリのURLを指定してプロジェクトをクローンできます。
- 変更の確認:
- コードを変更すると、エディタのガター(行番号の横)に変更箇所が表示されます(緑:追加、青:変更、赤:削除)。
- 下部の「Version Control」ツールウィンドウ(または「Commit」ツールウィンドウ)で、変更されたファイルの一覧と、変更内容の差分(Diff)を確認できます。
- コミット:
- 「Version Control」ツールウィンドウ(または「Commit」ツールウィンドウ)で、コミットしたいファイルを選択し、コミットメッセージを入力して「Commit」ボタンをクリックします。
- コミット前にコード解析(コミットチェック)を実行し、警告などを確認することも可能です。
- プッシュ/プル/フェッチ:
- 画面右上のVCSツールバーアイコンや、「Git」メニューから、プッシュ、プル、フェッチなどの操作を実行できます。
- ブランチ操作:
- 画面右下のステータスバーに現在のブランチ名が表示されます。クリックすると、ブランチの切り替え、新規ブランチの作成、マージ、リベースなどの操作が直感的に行えます。
- 「Git」ツールウィンドウの「Log」タブで、コミット履歴やブランチの状況をグラフィカルに確認できます。
6.2 ビルドツール連携 (Maven, Gradle)
IntelliJ IDEAはMavenとGradleとの連携が非常に優れています。
- プロジェクトのインポート:
pom.xml
(Maven) またはbuild.gradle
(Gradle) ファイルを含むプロジェクトを開くと、IntelliJ IDEAは自動的にビルドツールプロジェクトとして認識し、インポートを促します。- ウェルカム画面や「File」メニュー > 「Open」からも、これらのファイルを選択してプロジェクトとして開くことができます。
- Maven / Gradle ツールウィンドウ:
- 画面右側に「Maven」または「Gradle」ツールウィンドウが表示されます。
- プロジェクトの構造、依存関係、ライフサイクルフェーズ(Maven)またはタスク(Gradle)がツリー表示されます。
- ここから
clean
,install
,build
,test
などのゴール/タスクをダブルクリックで実行できます。 - 依存関係の管理(追加、削除、競合解決)もIDE内で視覚的に行えます。
- 依存関係の自動解決:
pom.xml
やbuild.gradle
ファイルを編集して依存関係を追加すると、IntelliJ IDEAは自動的に変更を検知し、必要なライブラリをダウンロード(同期)します。手動で同期を実行することも可能です。
- Navigation:
- コード内のクラス名から、それがどのJARファイルに含まれているかを素早く確認したり、依存関係ツリーをたどったりできます。
6.3 リファクタリング (Refactoring)
リファクタリングは、コードの外部的な振る舞いを変更せずに、内部構造を改善する作業です。IntelliJ IDEAの強力なリファクタリング機能を使うことで、安全かつ効率的にコードを整理できます。
- Rename (名称変更):
- 変数、メソッド、クラス、ファイル、パッケージなど、要素を選択して Shift+F6 を押すと、その要素が参照されている全ての箇所を同時に変更できます。安全性が高く、大規模な変更でも安心です。
- Extract Method (メソッドの抽出):
- 複数の行を選択し、Ctrl+Alt+M / Cmd+Alt+M を押すと、そのコードブロックを新しいメソッドとして抽出し、元の場所から呼び出すように変更できます。コードの重複をなくし、可読性を向上させるのに役立ちます。
- Introduce Variable/Constant (変数/定数の導入):
- 式を選択し、Ctrl+Alt+V / Cmd+Alt+V (変数) または Ctrl+Alt+C / Cmd+Alt+C (定数) を押すと、その式を変数や定数に置き換えることができます。
- Change Signature (シグネチャの変更):
- メソッド名、引数、戻り値の型などを変更し、そのメソッドを呼び出している全ての箇所を自動的に修正します。
- Move (移動):
- クラスやメソッドなどを別のパッケージやファイルに移動し、参照を自動的に更新します。
これらのリファクタリング機能は、「Refactor」メニューや、要素を右クリックしたときのコンテキストメニューから実行できます。
6.4 ライブテンプレート (Live Templates)
よく使うコードパターンを短い省略形から素早く入力できる機能です。
- 例えば、Javaで
psvm
と入力してTabキーを押すとpublic static void main(String[] args) { ... }
が展開されます。 sout
->System.out.println();
fori
->for (int i = 0; i < ; i++) { ... }
- 「Settings/Preferences」>「Editor」>「Live Templates」で、既存のテンプレートを確認したり、新しいテンプレートを作成したりできます。
6.5 検索と置換 (Search and Replace)
- Find (検索): Ctrl+F / Cmd+F – 現在のファイル内でテキストを検索します。
- Replace (置換): Ctrl+R / Cmd+R – 現在のファイル内でテキストを検索して置換します。
- Find in Files (ファイル内検索): Ctrl+Shift+F / Cmd+Shift+F – プロジェクト全体または指定したスコープでテキストを検索します。正規表現やファイルマスクを使った高度な検索も可能です。
- Replace in Files (ファイル内置換): Ctrl+Shift+R / Cmd+Shift+R – プロジェクト全体でテキストを検索して置換します。
- Search Everywhere (どこでも検索): Shift Shift (Shiftキーを2回連続で押す) – クラス、ファイル、シンボル、アクション(コマンド)、設定項目など、IDE内のあらゆるものを素早く検索できます。これは非常に便利な機能で、使いこなすと生産性が大幅に向上します。
6.6 プラグインの管理
IntelliJ IDEAの機能を拡張するために、様々なプラグインをインストールできます。
- 「Settings/Preferences」>「Plugins」を開きます。
- 「Marketplace」タブで、利用可能なプラグインを検索し、インストールできます。
- 「Installed」タブで、現在インストールされているプラグインを確認・有効/無効の切り替え・アンインストールができます。
- 人気のプラグインとしては、Lombokサポート、フレームワーク固有のヘルパー、新しいテーマ、言語サポート(例: Python, Ruby, PHP, Goなど、Community Editionではプラグインでサポートされることが多い)、Docker/Kubernetes連携などがあります。
7. 開発効率を上げるためのヒントとテクニック
IntelliJ IDEAの真価は、その豊富なショートカットと「賢い」機能の組み合わせにあります。いくつかのヒントを紹介します。
- ショートカットを覚える:
- マウス操作を減らし、キーボードだけで多くの操作を完結させることが生産性向上の鍵です。主要なショートカット(コード補完、クイックフィックス、検索、実行/デバッグなど)から少しずつ覚えましょう。
- 「Help」メニュー > 「Keyboard Shortcuts PDF」からチートシートをダウンロードできます。
- プラグイン「Key Promoter X」をインストールすると、マウスで実行した操作に対応するショートカットを通知してくれるため、自然とショートカットを覚えるのに役立ちます。
- Alt+Enter を使いこなす:
- これはIntelliJ IDEAで最も重要なショートカットの一つです。エラーや警告、提案が表示されている場所で押すと、修正候補が表示されます。表示されていない場所でも、コードの改善提案(例: 変数の型の明示、Stream APIへの変換など)が表示されることがあります。
- Search Everywhere (Shift Shift) を活用する:
- 何かを探したり、特定のコマンドを実行したい場合に、メニューを探すよりShift Shiftで検索した方が圧倒的に早いです。
- Navigate (Ctrl+N / Cmd+N など) ショートカットを使う:
- Go to Class (Ctrl+N / Cmd+N): クラス名を曖昧一致で検索し、素早く開けます。
- Go to File (Ctrl+Shift+N / Cmd+Shift+N): ファイル名を検索し、開けます。
- Go to Symbol (Ctrl+Alt+Shift+N / Cmd+Option+O): メソッド名や変数名などのシンボルを検索し、その定義箇所に移動できます。
- Recent Files (Ctrl+E / Cmd+E) を使う:
- 最近開いたファイルの一覧を表示し、素早く切り替えられます。
- Context Information (Alt+Q / Ctrl+Q) を使う:
- 現在の要素(クラス、メソッド、変数など)に関するドキュメント(JavaDocなど)を表示します。
- Parameter Info (Ctrl+P / Cmd+P) を使う:
- メソッド呼び出し内で、利用可能な引数のリストと型情報を表示します。
- Multiple Cursors (Alt+Shift+クリック または Ctrl+Shift+Alt+クリック):
- 複数の位置にカーソルを置いて、同時に編集できます。同じようなコードを複数の場所で変更したい場合に便利です。
- Scratch Files and Scratch Buffers:
- 「File」>「New」>「Scratch File」または「Scratch Buffer」で、プロジェクトに属さない一時的なファイルを作成できます。ちょっとしたコードのテストやメモに便利です。Scratch Fileは保存され、IDEを閉じても残ります。Scratch Bufferはメモリ上に存在し、IDEを閉じると消えます。
8. よくある問題とトラブルシューティング
IntelliJ IDEAの使用中に遭遇する可能性がある一般的な問題とその解決策について解説します。
- JDKが見つからない、または間違ったJDKが使われている:
- 問題: プロジェクトのビルドや実行ができない、またはコンパイルエラーが出る。
- 解決策:
- 「File」>「Project Structure」>「Project」で、プロジェクトのSDK(JDK)が正しく設定されているか確認します。ドロップダウンリストから適切なJDKを選択するか、「Add SDK」でインストール済みのJDKのパスを追加します。
- Maven/Gradleプロジェクトの場合、「Settings/Preferences」>「Build, Execution, Deployment」>「Build Tools」>「Maven」/「Gradle」で、Runner用のJDKが正しく設定されているかも確認します。
- 環境変数
JAVA_HOME
が正しく設定されているかも確認します。
- Maven/Gradleプロジェクトが同期できない:
- 問題:
pom.xml
やbuild.gradle
の変更が反映されない、依存関係が解決できない。 - 解決策:
- Maven/Gradleツールウィンドウを開き、リロードボタン(円形矢印アイコン)をクリックして手動で同期を試みます。
- 「Settings/Preferences」>「Build, Execution, Deployment」>「Build Tools」>「Maven」/「Gradle」の設定を確認します。ローカルリポジトリのパスなどが正しいか確認します。
- IDEを再起動してみます。
- Mavenの場合、ローカルリポジトリ (
~/.m2/repository
など) をクリーンアップしてみるのも有効な場合があります(ただし注意深く行うこと)。Gradleの場合、~/.gradle/caches
をクリーンアップすることも考慮できます。
- 問題:
- IDEの動作が重い、メモリ不足エラーが出る:
- 問題: IDEの応答が遅い、フリーズする、OutOfMemoryErrorが発生する。
- 解決策:
- 「Help」メニュー > 「Change Memory Settings」から、IntelliJ IDEAに割り当てるメモリ(Heap Size)を増やします。プロジェクトの規模にもよりますが、4GB以上を推奨します。設定変更後、IDEの再起動が必要です。
- 不要なプラグインを無効化またはアンインストールします。
- プロジェクトをインデックスし直してみます(「File」>「Invalidate Caches / Restart…」)。これは多くの問題に有効な手段ですが、完了まで時間がかかる場合があります。
- 使用していないツールウィンドウを閉じます。
- 不要なプロジェクトを閉じます。
- システムリソース(CPU, メモリ)の使用率を監視し、他にリソースを大量消費しているプロセスがないか確認します。
- 特定のショートカットや機能が効かない:
- 問題: 想定されるショートカットを押しても何も起こらない。
- 解決策:
- 「Settings/Preferences」>「Keymap」で、使用しているKeymapを確認し、目的のアクションに割り当てられているショートカットが正しいか確認します。競合しているショートカットがないかも確認できます。
- インストールしたプラグインがショートカットを上書きしている可能性があります。最近インストールしたプラグインを無効化して試してみます。
- IDEの再起動が問題を解決することがあります。
- エディタのシンタックスハイライトや補完がおかしい:
- 問題: コードの色分けがされない、補完候補が適切でない。
- 解決策:
- 「File」>「Invalidate Caches / Restart…」を実行してキャッシュをクリアし、IDEを再起動します。これはインデックスの問題やキャッシュの破損が原因の場合に有効です。
これらの基本的なトラブルシューティング手順で解決しない場合は、IntelliJ IDEAの公式ドキュメントやJetBrainsのサポートフォーラムを参照することをお勧めします。
9. さらなるステップ
IntelliJ IDEAの基本的なインストールと使い方をマスターしたら、次はさらにその機能を深く掘り下げてみましょう。
- 公式ドキュメントを読む: JetBrainsの公式ドキュメントは非常に詳細で網羅的です。特定の機能について詳しく知りたい場合は、まず公式ドキュメントを参照するのが最も確実です。
- ショートカットをさらに学ぶ: 毎日使う操作のショートカットを覚えるだけで、開発スピードは劇的に向上します。
- プラグインを探求する: 自分の開発スタイルや使用する技術に合わせて、便利なプラグインを探してみましょう。
- カスタムライブテンプレートを作成する: 自分がよく書くコードパターンをテンプレート化することで、コーディング時間を短縮できます。
- 設定をカスタマイズする: エディタの外観、フォント、コードスタイル、インスペクション設定など、自分にとって最も快適な環境を構築します。
- Ultimate Editionの機能を試す (UEユーザー): データベースツール、HTTPクライアント、プロファイラ、フレームワーク固有の強力なサポートなど、UEならではの機能を活用してみましょう。
- リモート開発を試す (UEユーザー): リモートサーバー上のプロジェクトをローカルのIntelliJ IDEAから操作するリモート開発機能は、開発環境の構築やパフォーマンスの問題を解決する強力な手段となり得ます。
10. まとめ
本記事では、IntelliJ IDEAのインストール方法から、プロジェクト作成、基本画面の構成、コード編集、実行、デバッグといった基本的な使い方、そしてバージョン管理、ビルドツール連携、リファクタリング、ライブテンプレート、プラグインなどの主要機能まで、詳細に解説しました。さらに、開発効率を向上させるためのヒントや、よくある問題のトラブルシューティングについても触れました。
IntelliJ IDEAは非常に多機能で「賢い」IDEです。最初は機能の多さに圧倒されるかもしれませんが、一つずつその強力なツール群を理解し、日々の開発に取り入れていくことで、間違いなくあなたの開発体験はより快適で生産的なものになるでしょう。
この記事が、あなたがIntelliJ IDEAを使い始める、またはより深く活用するための助けとなれば幸いです。さあ、IntelliJ IDEAの世界へ飛び込み、その強力なパワーを体験してください! Happy Coding!