はい、承知いたしました。「これでわかる!xとyの計算ステップ」と題して、xとyを含む計算(主に一次方程式と連立一次方程式)の詳細な解き方ステップを説明する約5000語の記事を作成します。記事の内容を直接ここに表示します。
これでわかる!xとyの計算ステップ
数学の世界に足を踏み入れると、数字だけでなく「x」や「y」といったアルファベットが登場し始めます。これらの文字は「変数」と呼ばれ、様々な値をとりうる「未知の数」や「変わる数」を表すために使われます。初めてこれらに出会ったとき、「一体何のためにこんなものを使うのだろう?」「どうやって計算するのだろう?」と戸惑った経験がある方も多いのではないでしょうか。
しかし、xやyを使う計算、特に方程式や連立方程式は、数学だけでなく物理学、経済学、プログラミング、さらには私たちの日常生活の様々な場面で問題を解決するための強力なツールとなります。例えば、「いくつか持っているお菓子のうち3つを食べたら残り2つになった。最初いくつ持っていたか?」という簡単な問題も、xを使って「x – 3 = 2」という方程式として表現できます。そして、この方程式を解くことで、最初のお菓子の数を簡単に知ることができます。
多くの人がこの「xとyの世界」でつまずきを感じるポイントは、おそらく「どうすればxやyの値がわかるのか?」、つまり「方程式や連立方程式を解くための具体的な手順(ステップ)」が曖昧なままであることでしょう。
この記事では、そんな皆さんのために、「xとy」を含む計算、特に数学の基礎となる一次方程式と連立一次方程式の解き方を、最も基本的なレベルから始めて、つまずきやすいポイントや応用的な形まで、一つ一つ超詳細に、まるで隣に座って教えているかのように丁寧に解説していきます。約5000語というボリュームを使って、各ステップの意味するところ、なぜそうするのか、どんなルールに従うのかを、具体的な例題をふんだんに交えながらじっくりと紐解いていきます。
この記事を最後まで読めば、きっと「xとyの計算って、こういうことだったのか!」と膝を打つことでしょう。さあ、一緒に「xとy」の計算ステップをマスターしていきましょう!
1. xとyとは何か? 変数の概念を理解する
まず、「x」や「y」といった文字が数学でどのように使われるのかを理解しましょう。これらは「変数(へんすう)」と呼ばれます。変数は、固定された値ではなく、様々な値に変わりうる数を表す記号です。
なぜ変数を使うのでしょうか?
- 未知の数を表すため: 「ある数に5を足したら8になりました。その数は何でしょう?」この「ある数」のように、まだ値が分かっていない数を一時的に置いておく場所として変数を使います。「ある数」をxとすれば、「x + 5 = 8」という式で問題を表現できます。
- 様々な数に当てはまる関係を表すため: 「1個100円のリンゴをいくつか買うときの代金」を考えます。買う個数が変われば代金も変わります。このとき、買う個数をx個、代金をy円とすると、「y = 100x」という関係式で表せます。xに1を代入すればy=100、xに3を代入すればy=300のように、xの値を変えることで対応するyの値(代金)を計算できます。このように、変数を使えば、特定の数だけでなく、複数の数に共通する一般的な関係を表現できます。
- 公式を表すため: 例えば、長方形の面積の公式は「縦 × 横」です。縦の長さをx、横の長さをy、面積をSとすれば、「S = xy」と表せます。これは、どんな長方形にも当てはまる面積の計算方法を示しています。
この記事で主に扱うのは、未知の数を表すために変数を使うケース、特に「方程式」を解くという場面です。
2. 方程式を解くとは? 等式の性質
「方程式を解く」とは、その方程式に含まれる変数が、特定の値(または複数の値)のときに等式が成り立つ、その特定の値を求めることです。例えば、「x + 5 = 8」という方程式なら、xに3を代入したときだけ「3 + 5 = 8」となって等式が成り立ちます。ですから、この方程式の解は x = 3 です。
方程式を解くために最も重要になるのは、「等式の性質」です。等式とは、「=」(イコール)記号で結ばれた二つの式が等しい関係にあることを示します。この等式は、まるで天秤のようなものです。左辺と右辺がつり合っている状態を保つためには、以下の4つの性質があります。
等式の性質
- 等式の両辺に同じ数を足しても、等式は成り立つ。
A = B ならば、 A + C = B + C
(例:5 = 5 の両辺に 2 を足すと 5 + 2 = 5 + 2 → 7 = 7 となり成り立つ) - 等式の両辺から同じ数を引いても、等式は成り立つ。
A = B ならば、 A – C = B – C
(例:5 = 5 の両辺から 2 を引くと 5 – 2 = 5 – 2 → 3 = 3 となり成り立つ) - 等式の両辺に同じ数を掛けても、等式は成り立つ。
A = B ならば、 A × C = B × C
(例:5 = 5 の両辺に 2 を掛けると 5 × 2 = 5 × 2 → 10 = 10 となり成り立つ) - 等式の両辺を0でない同じ数で割っても、等式は成り立つ。
A = B ならば、 A ÷ C = B ÷ C (ただし、C ≠ 0)
(例:10 = 10 の両辺を 2 で割ると 10 ÷ 2 = 10 ÷ 2 → 5 = 5 となり成り立つ)
方程式を解くという作業は、この等式の性質を使って、最終的に「x = (具体的な数)」または「y = (具体的な数)」という形に変形することを目指す作業なのです。
3. 一次方程式の解き方
ここからは、最も基本的な方程式である「一次方程式」の解き方を具体的に見ていきます。一次方程式とは、含まれる変数の次数が1である方程式です(例えば、x²のように2乗や3乗がない方程式)。一般的には、「ax + b = 0」のような形に整理できる方程式です。
基本的な一次方程式の解き方ステップ
最も簡単な例から始めましょう。
例題1-1: 次の方程式を解きなさい。
x + 3 = 7
考え方: 私たちの目標は「x = (数)」の形にすることです。そのためには、xの項(この場合はx)だけを左辺に残し、数だけの項(この場合は+3と7)を右辺に集めたいです。左辺にある+3が邪魔ですね。
ステップ1:xの項と数の項を分ける
左辺の「+3」をなくすためには、等式の性質2を使います。両辺から3を引きます。
(x + 3) – 3 = 7 – 3
左辺は (x + 3) – 3 = x となります。
右辺は 7 – 3 = 4 となります。
よって、方程式は次のようになります。
x = 4
ステップ2:解を求める
この時点で、「x = 4」という形になりました。これが方程式の解です。
検算: 求めた解が正しいか確認しましょう。元の式 x + 3 = 7 に x = 4 を代入します。
4 + 3 = 7
7 = 7
左辺と右辺が等しくなったので、x = 4 はこの方程式の正しい解です。
ポイント:移項(いこう)
上記のステップ1では、両辺から同じ数を引くという等式の性質を使いました。しかし、実際にはもっと効率的な考え方があります。それが「移項」です。
方程式の一方の辺にある項を、もう一方の辺に移すことを「移項」といいます。移項する際には、項の符号を逆にします。
例題1-1の x + 3 = 7 を移項で解いてみましょう。
ステップ1:移項する
左辺の「+3」を右辺に移項します。移項すると符号が逆になるので、「+3」は「-3」になります。
x = 7 – 3
ステップ2:計算する
右辺を計算します。
x = 4
結果は同じになりましたね。移項は、等式の性質(両辺に同じ数を足したり引いたりすること)を省略した便利なテクニックです。なぜ符号が逆になるかというと、例えば x + 3 = 7 の両辺から3を引くと x + 3 – 3 = 7 – 3 となりますが、これは左辺の+3が消えて、右辺に-3が現れたように見えるからです。
では、別の例題を移項を使って解いてみましょう。
例題1-2: 次の方程式を解きなさい。
x – 5 = 2
考え方: x – 5 の「-5」を右辺に移項して、xだけの形にしたいです。
ステップ1:移項する
左辺の「-5」を右辺に移項します。符号を逆にして「+5」になります。
x = 2 + 5
ステップ2:計算する
右辺を計算します。
x = 7
検算: x – 5 = 2 に x = 7 を代入すると 7 – 5 = 2 → 2 = 2 となり成り立ちます。
例題1-3: 次の方程式を解きなさい。
3x = 12
考え方: 3x というのは「3 × x」という意味です。私たちの目標は x = (数) の形にする、つまり xに掛けられている3をなくしたいです。等式の性質4を使います。両辺を3で割ります。
ステップ1:xに掛けられている数で両辺を割る
両辺を3で割ります。
3x ÷ 3 = 12 ÷ 3
左辺は 3x ÷ 3 = x となります。
右辺は 12 ÷ 3 = 4 となります。
よって、方程式は次のようになります。
x = 4
検算: 3x = 12 に x = 4 を代入すると 3 × 4 = 12 → 12 = 12 となり成り立ちます。
例題1-4: 次の方程式を解きなさい。
x / 2 = 5 (x / 2 は 2分のx、つまり x ÷ 2 を意味します)
考え方: x / 2 の「/ 2」をなくして xだけの形にしたいです。等式の性質3を使います。両辺に2を掛けます。
ステップ1:xが割られている数(分母の数)を両辺に掛ける
両辺に2を掛けます。
(x / 2) × 2 = 5 × 2
左辺は (x / 2) × 2 = x となります。
右辺は 5 × 2 = 10 となります。
よって、方程式は次のようになります。
x = 10
検算: x / 2 = 5 に x = 10 を代入すると 10 / 2 = 5 → 5 = 5 となり成り立ちます。
4. 少し複雑な一次方程式の解き方
ここまでは、一つの移項や一つの乗除算で解ける簡単な一次方程式でした。ここからは、複数のステップが必要な一次方程式の解き方を見ていきましょう。基本的な考え方は、「xの項を一方の辺に、数の項をもう一方の辺に集めて整理し、最後にxに掛けられている数で割る」という流れです。
基本的な解き方の流れ
- 必要なら、括弧を外したり、分母や小数を払ったりして、係数を整数にする。
- 移項を使って、xの項を一方の辺(通常は左辺)に、数の項をもう一方の辺(通常は右辺)に集める。
- それぞれの辺で同類項(同じ種類の項、例えばxの項同士、数の項同士)をまとめて、方程式を「ax = b」の形にする。
- 両辺をxに掛けられている数a(aが0でない場合)で割って、「x = b/a」の形にする。
- (必要なら)検算をする。
では、具体的な例題でこの流れを確認しましょう。
例題2-1: 次の方程式を解きなさい。
2x + 3 = 9
考え方: まず、数の項である「+3」を右辺に移項します。その後、xに掛けられている「2」で両辺を割ります。
ステップ1:数の項を移項する
左辺の「+3」を右辺に移項します。符号を逆にして「-3」になります。
2x = 9 – 3
ステップ2:右辺を計算して整理する
2x = 6
ステップ3:xに掛けられている数で両辺を割る
xに掛けられている数は2です。両辺を2で割ります。
2x ÷ 2 = 6 ÷ 2
x = 3
検算: 2x + 3 = 9 に x = 3 を代入すると 2 × 3 + 3 = 6 + 3 = 9 → 9 = 9 となり成り立ちます。
例題2-2: 次の方程式を解きなさい。
5x – 7 = 3x + 1
考え方: この方程式には、両辺にxの項と数の項があります。左辺にxの項を、右辺に数の項を集めます。
ステップ1:xの項を左辺に、数の項を右辺に移項する
右辺の「3x」を左辺に移項します。符号を逆にして「-3x」になります。
左辺の「-7」を右辺に移項します。符号を逆にして「+7」になります。
5x – 3x = 1 + 7
ステップ2:両辺で同類項をまとめて整理する
左辺:5x – 3x = (5 – 3)x = 2x
右辺:1 + 7 = 8
よって、方程式は次のようになります。
2x = 8
ステップ3:xに掛けられている数で両辺を割る
xに掛けられている数は2です。両辺を2で割ります。
2x ÷ 2 = 8 ÷ 2
x = 4
検算: 5x – 7 = 3x + 1 に x = 4 を代入します。
左辺:5 × 4 – 7 = 20 – 7 = 13
右辺:3 × 4 + 1 = 12 + 1 = 13
左辺と右辺が等しくなったので、x = 4 は正しい解です。
括弧を含む方程式
方程式に括弧が含まれている場合は、最初に分配法則を使って括弧を外します。
分配法則: a(b + c) = ab + ac 、 a(b – c) = ab – ac
例題2-3: 次の方程式を解きなさい。
2(x + 3) = 10
考え方: まず、左辺の括弧を外します。2を括弧の中のxと+3の両方に掛けます。
ステップ1:分配法則を使って括弧を外す
2 × x + 2 × 3 = 10
2x + 6 = 10
ステップ2:数の項を移項する
左辺の「+6」を右辺に移項します。符号を逆にして「-6」になります。
2x = 10 – 6
ステップ3:右辺を計算して整理する
2x = 4
ステップ4:xに掛けられている数で両辺を割る
両辺を2で割ります。
x = 2
検算: 2(x + 3) = 10 に x = 2 を代入します。
左辺:2 × (2 + 3) = 2 × 5 = 10
右辺:10
左辺と右辺が等しくなったので、x = 2 は正しい解です。
分数を含む方程式
方程式に分数が含まれている場合は、分母の最小公倍数を両辺に掛けて、分母を払ってから解くのが一般的です。こうすることで、整数係数の方程式になり、計算がしやすくなります。
例題2-4: 次の方程式を解きなさい。
x / 2 + x / 3 = 5
考え方: 分母は2と3です。2と3の最小公倍数は6です。両辺に6を掛けて分母を払います。
ステップ1:両辺に分母の最小公倍数を掛ける
この方程式の項は x/2, x/3, 5 の3つです。等式の両辺、つまり左辺全体と右辺全体にそれぞれ6を掛けます。
6 × (x / 2 + x / 3) = 6 × 5
ステップ2:分配法則を使って括弧を外し、分母を払う
左辺の6を、括弧の中の x/2 と x/3 の両方に掛けます。
(6 × x / 2) + (6 × x / 3) = 30
3x + 2x = 30
ステップ3:左辺で同類項をまとめて整理する
5x = 30
ステップ4:xに掛けられている数で両辺を割る
両辺を5で割ります。
x = 6
検算: x / 2 + x / 3 = 5 に x = 6 を代入します。
左辺:6 / 2 + 6 / 3 = 3 + 2 = 5
右辺:5
左辺と右辺が等しくなったので、x = 6 は正しい解です。
注意点: 両辺に数を掛けるときは、方程式のすべての項(等号の左右それぞれにある、足し算や引き算で区切られた一つ一つのかたまり)に掛け忘れないように注意しましょう。例題2-4では、右辺の5にも6を掛けました。
小数を係数に持つ方程式
方程式に小数が含まれている場合は、10倍、100倍、1000倍などを両辺に掛けて、係数を整数にしてから解くのが一般的です。
例題2-5: 次の方程式を解きなさい。
0.5x – 1.2 = 0.3
考え方: 含まれている小数は0.5, 1.2, 0.3です。これらはすべて小数第一位までです。両辺を10倍すれば整数になります。
ステップ1:両辺に10の累乗(10, 100, 1000…)を掛けて係数を整数にする
両辺を10倍します。方程式のすべての項に10を掛けます。
10 × 0.5x – 10 × 1.2 = 10 × 0.3
5x – 12 = 3
ステップ2:数の項を移項する
左辺の「-12」を右辺に移項します。符号を逆にして「+12」になります。
5x = 3 + 12
ステップ3:右辺を計算して整理する
5x = 15
ステップ4:xに掛けられている数で両辺を割る
両辺を5で割ります。
x = 3
検算: 0.5x – 1.2 = 0.3 に x = 3 を代入します。
左辺:0.5 × 3 – 1.2 = 1.5 – 1.2 = 0.3
右辺:0.3
左辺と右辺が等しくなったので、x = 3 は正しい解です。
以上が一次方程式の基本的な解き方です。どのような形の方程式でも、最終的には「ax = b」の形に整理することを目指し、等式の性質や移項、分配法則といったルールを正確に適用していくことが重要です。
5. 連立一次方程式の解き方
次に、「x」と「y」のように、二つ以上の未知数を含む方程式が複数組み合わされたものを「連立方程式」といいます。ここでは、最も一般的な「連立一次方程式」(未知数が二つで、それぞれ一次の方程式が二つ組み合わされたもの)の解き方を見ていきます。
連立一次方程式の解は、含まれるすべての変数(xとy)の値の組で、すべての等式を同時に満たすものです。
例えば、次の連立方程式を考えます。
{ x + y = 5 …①
{ x – y = 1 …②
この連立方程式の解は x = 3, y = 2 です。なぜなら、この値の組は
①の式に代入すると 3 + 2 = 5 となり成り立ち、
②の式に代入すると 3 – 2 = 1 となり成り立つからです。
連立一次方程式を解く代表的な方法には、「代入法(だいにゅうほう)」と「加減法(かげんほう)」の二つがあります。どちらの方法を使っても最終的な解は同じになりますが、方程式の形によってどちらかの方法がより簡単に解ける場合があります。
5.1. 代入法
代入法は、一つの式を「y = …」または「x = …」の形に変形し、それをもう一方の式に代入して、一つの変数だけを含む方程式(つまり一次方程式)にして解く方法です。
代入法の解き方ステップ
- いずれか一方の方程式を、一つの変数について解いた形(「y = (xの式)」または「x = (yの式)」)に変形する。 係数が1の変数がある式を選ぶと変形しやすい。
- ステップ1で変形した式を、もう一方の方程式の対応する変数に「代入」する。
- 代入してできた、一つの変数だけを含む一次方程式を解いて、まず一方の変数の値を求める。
- 求めた変数の値を、ステップ1で変形した式(または元の式でも良い)に代入して、もう一方の変数の値を求める。
- (必要なら)求めた解の組を元の二つの方程式の両方に代入して検算する。
具体的な例題で見てみましょう。
例題3-1: 次の連立方程式を代入法で解きなさい。
{ y = 2x + 1 …①
{ 3x + y = 7 …②
考え方: ①の式がすでに「y = (xの式)」の形になっているので、このyを②の式のyに代入します。
ステップ1:一方の式を「y = …」または「x = …」の形に変形する
この例題では、①の式が既に y = 2x + 1 の形になっています。変形する必要はありません。
ステップ2:変形した式をもう一方の式に代入する
①の y = 2x + 1 を、②の式の y に代入します。
②の式: 3x + y = 7
代入すると: 3x + (2x + 1) = 7
ステップ3:できた一次方程式を解いて、一方の変数の値を求める
代入してできた方程式は、xだけを含む一次方程式になりました。
3x + 2x + 1 = 7
同類項をまとめます。
5x + 1 = 7
数の項を右辺に移項します。
5x = 7 – 1
5x = 6
両辺を5で割ります。
x = 6 / 5
まず、xの値が求められました。
ステップ4:求めた値をもう一方の変数を求めるために代入する
求めた x = 6/5 を、①の式 y = 2x + 1 に代入してyの値を求めます。(元の②の式 3x + y = 7 に代入しても良いですが、y = … の形になっている式の方が計算が楽です)
y = 2 × (6 / 5) + 1
y = 12 / 5 + 1
y = 12 / 5 + 5 / 5 (※1を5/5に直して計算します)
y = 17 / 5
これで、もう一方の変数yの値も求められました。
解は x = 6/5, y = 17/5 の組です。
検算: x = 6/5, y = 17/5 を元の二つの方程式に代入して確認します。
①の式: y = 2x + 1
左辺:17/5
右辺:2 × (6/5) + 1 = 12/5 + 5/5 = 17/5
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
②の式: 3x + y = 7
左辺:3 × (6/5) + 17/5 = 18/5 + 17/5 = 35/5 = 7
右辺:7
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
両方の式で成り立ったので、解は正しいです。
例題3-2: 次の連立方程式を代入法で解きなさい。
{ 2x + y = 4 …①
{ 3x + 2y = 7 …②
考え方: この場合、①の式のyの係数が1なので、①の式を「y = (xの式)」の形に変形するのが簡単です。
ステップ1:一方の式を「y = …」または「x = …」の形に変形する
①の式 2x + y = 4 をyについて解きます。2xを右辺に移項します。
y = 4 – 2x …③
ステップ2:変形した式をもう一方の式に代入する
③の y = 4 – 2x を、②の式の y に代入します。
②の式: 3x + 2y = 7
代入すると: 3x + 2 (4 – 2x) = 7
ステップ3:できた一次方程式を解いて、一方の変数の値を求める
代入してできた一次方程式 3x + 2(4 – 2x) = 7 を解きます。まず括弧を外します(分配法則)。
3x + 8 – 4x = 7
同類項をまとめます。
(3x – 4x) + 8 = 7
-x + 8 = 7
数の項「+8」を右辺に移項します。
-x = 7 – 8
-x = -1
両辺を-1で割る(または-1を掛ける)と、xの係数が1になります。
x = 1
まず、xの値が求められました。
ステップ4:求めた値をもう一方の変数を求めるために代入する
求めた x = 1 を、変形した③の式 y = 4 – 2x に代入してyの値を求めます。
y = 4 – 2 × 1
y = 4 – 2
y = 2
これで、yの値も求められました。
解は x = 1, y = 2 の組です。
検算: x = 1, y = 2 を元の二つの方程式に代入して確認します。
①の式: 2x + y = 4
左辺:2 × 1 + 2 = 2 + 2 = 4
右辺:4
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
②の式: 3x + 2y = 7
左辺:3 × 1 + 2 × 2 = 3 + 4 = 7
右辺:7
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
両方の式で成り立ったので、解は正しいです。
代入法は、どちらかの式に係数が1(または-1)の変数がある場合に特に有効です。その変数をについて解いた形に変形しやすいからです。
5.2. 加減法
加減法は、二つの方程式のいずれかの変数の係数の絶対値を揃え、二つの方程式を「足したり引いたり」することで、その変数を消去して、一つの変数だけを含む方程式にして解く方法です。
「加減法」という名前は、「加法」(足し算)と「減法」(引き算)を合わせて付けられています。
加減法の解き方ステップ
- どちらか一方の変数(xまたはy)に着目し、その変数の係数の絶対値が二つの方程式で同じになるように、必要であれば両辺に適切な数を掛ける。
- 係数の符号を見て、二つの方程式を足すか引くか決める。
- 着目した変数の係数の符号が同じなら、二つの式を引く(減法)。
- 着目した変数の係数の符号が異なるなら、二つの式を足す(加法)。
- これにより、着目した変数が消去され、一つの変数だけを含む一次方程式ができる。
- できた一次方程式を解いて、まず一方の変数の値を求める。
- 求めた変数の値を、元の二つの方程式のどちらか都合の良い方に代入して、もう一方の変数の値を求める。
- (必要なら)求めた解の組を元の二つの方程式の両方に代入して検算する。
具体的な例題で見てみましょう。
例題4-1: 次の連立方程式を加減法で解きなさい。
{ x + y = 5 …①
{ x – y = 1 …②
考え方: xの係数はどちらも1、yの係数は①が+1、②が-1です。yに着目すると、係数の絶対値はどちらも1で揃っています。符号が「+」と「-」で異なるので、二つの式を足せばyが消去できます。xに着目しても係数は揃っていますが、符号が同じなので引くことになります。ここではyを消去するために足してみましょう。
ステップ1:一方の変数の係数の絶対値を揃える
xの係数はどちらも1、yの係数の絶対値はどちらも1で、すでに揃っています。このステップは不要です。
ステップ2:係数の符号を見て、二つの方程式を足すか引くか決める
yに着目します。①のyの係数は+1、②のyの係数は-1です。符号が異なるので、①の式と②の式を足します(加法)。
① + ②:
(x + y) + (x – y) = 5 + 1
左辺:x + y + x – y = (x + x) + (y – y) = 2x + 0 = 2x
右辺:5 + 1 = 6
よって、方程式は次のようになります。
2x = 6
ステップ3:できた一次方程式を解いて、一方の変数の値を求める
2x = 6 を解きます。両辺を2で割ります。
x = 3
まず、xの値が求められました。
ステップ4:求めた値をもう一方の変数を求めるために代入する
求めた x = 3 を、元の①の式 x + y = 5 に代入してyの値を求めます。(②の式に代入しても良いです)
3 + y = 5
3を右辺に移項します。
y = 5 – 3
y = 2
これで、yの値も求められました。
解は x = 3, y = 2 の組です。
検算: x = 3, y = 2 を元の二つの方程式に代入して確認します。
①の式: x + y = 5
左辺:3 + 2 = 5
右辺:5
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
②の式: x – y = 1
左辺:3 – 2 = 1
右辺:1
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
両方の式で成り立ったので、解は正しいです。
例題4-2: 次の連立方程式を加減法で解きなさい。
{ 2x + 3y = 8 …①
{ 3x + 2y = 7 …②
考え方: この例題では、xもyも係数の絶対値が揃っていません。どちらかの変数の係数を揃える必要があります。xの係数を揃えるなら、①に3を、②に2を掛けて、xの係数をどちらも6にできます。yの係数を揃えるなら、①に2を、②に3を掛けて、yの係数をどちらも6にできます。ここではxの係数を揃えてみましょう。
ステップ1:一方の変数の係数の絶対値が同じになるように、必要であれば両辺に適切な数を掛ける
xの係数を揃えるために、①の両辺に3を、②の両辺に2を掛けます。
① × 3: (2x + 3y) × 3 = 8 × 3 → 6x + 9y = 24 …③
② × 2: (3x + 2y) × 2 = 7 × 2 → 6x + 4y = 14 …④
これで、新しい連立方程式
{ 6x + 9y = 24 …③
{ 6x + 4y = 14 …④
が得られました。xの係数はどちらも6で揃いました。
ステップ2:係数の符号を見て、二つの方程式を足すか引くか決める
xに着目します。③のxの係数は+6、④のxの係数は+6です。符号が同じなので、二つの式を引きます(減法)。例えば、③から④を引いてみましょう。
③ – ④:
(6x + 9y) – (6x + 4y) = 24 – 14
左辺:6x + 9y – 6x – 4y = (6x – 6x) + (9y – 4y) = 0 + 5y = 5y
右辺:24 – 14 = 10
よって、方程式は次のようになります。
5y = 10
ステップ3:できた一次方程式を解いて、一方の変数の値を求める
5y = 10 を解きます。両辺を5で割ります。
y = 2
まず、yの値が求められました。
ステップ4:求めた値をもう一方の変数を求めるために代入する
求めた y = 2 を、元の①の式 2x + 3y = 8 に代入してxの値を求めます。(元の②の式に代入しても、ステップ1で変形した③や④の式に代入しても良いですが、係数が小さい元の式がおすすめです)
2x + 3 × 2 = 8
2x + 6 = 8
+6を右辺に移項します。
2x = 8 – 6
2x = 2
両辺を2で割ります。
x = 1
これで、xの値も求められました。
解は x = 1, y = 2 の組です。
検算: x = 1, y = 2 を元の二つの方程式に代入して確認します。
①の式: 2x + 3y = 8
左辺:2 × 1 + 3 × 2 = 2 + 6 = 8
右辺:8
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
②の式: 3x + 2y = 7
左辺:3 × 1 + 2 × 2 = 3 + 4 = 7
右辺:7
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
両方の式で成り立ったので、解は正しいです。
5.3. 代入法と加減法の使い分け
連立方程式を解く際、代入法と加減法のどちらを使うべきか迷うことがあります。どちらの方法も正しい解を導けますが、方程式の形によって計算が楽な方が変わります。
-
代入法が便利な場合:
- 最初から「y = (xの式)」や「x = (yの式)」の形になっている式が含まれている場合。(例:y = 2x + 1)
- いずれかの式に、係数が1または-1の変数がある場合。(例:x – 2y = 3 の x や、3x + y = 5 の y)
-
加減法が便利な場合:
- どちらの式も「ax + by = c」のような形になっていて、係数を揃えやすい場合。
- 特に、符号が異なっていて足し算で消去できる場合(例:+3y と -3y)。
どちらを使っても良いのですが、色々な連立方程式に触れてみて、ご自身にとって使いやすい方法や、問題の形を見たときに「こっちの方法が速そうだ」と判断できるようになるのが理想です。慣れないうちは、どちらの方法で解くか決めて、その手順通りに進める練習をしましょう。
5.4. 分数や小数を係数に持つ連立方程式
連立方程式に分数や小数が含まれている場合も、一次方程式の場合と同じように、まず両辺に適切な数を掛けて係数を整数にしてから、代入法または加減法で解くのが一般的です。
例題4-3: 次の連立方程式を解きなさい。
{ 0.2x – 0.3y = 0.1 …①
{ x + 2y = 8 …②
考え方: ①の式には小数が含まれています。係数を整数にするために、①の両辺に10を掛けます。②の式は既に整数係数なのでそのままにしておきます。
ステップ1:分数や小数を整数係数に直す
①の両辺に10を掛けます。
10 × (0.2x – 0.3y) = 10 × 0.1
2x – 3y = 1 …③
これで新しい連立方程式は
{ 2x – 3y = 1 …③
{ x + 2y = 8 …②
となりました。
ステップ2:整数係数になった連立方程式を解く
③と②を解きます。加減法で解くのが簡単そうです。xの係数を揃えるために、②の両辺に2を掛けます。
② × 2: (x + 2y) × 2 = 8 × 2 → 2x + 4y = 16 …④
新しい連立方程式
{ 2x – 3y = 1 …③
{ 2x + 4y = 16 …④
ができました。xの係数はどちらも+2で揃っています。符号が同じなので、③から④を引きます。
③ – ④:
(2x – 3y) – (2x + 4y) = 1 – 16
左辺:2x – 3y – 2x – 4y = (2x – 2x) + (-3y – 4y) = 0 – 7y = -7y
右辺:1 – 16 = -15
よって、方程式は次のようになります。
-7y = -15
両辺を-7で割ります。
y = -15 / -7
y = 15 / 7
まず、yの値が求められました。
ステップ3:求めた値を元の式(または変形した式)に代入して、もう一方の変数の値を求める
求めた y = 15/7 を、②の式 x + 2y = 8 に代入してxの値を求めます。(③の式に代入しても良いですが、係数が小さい②の方が計算が楽です)
x + 2 × (15 / 7) = 8
x + 30 / 7 = 8
xを求めるために、30/7 を右辺に移項します。
x = 8 – 30 / 7
x = 56 / 7 – 30 / 7 (※8を7分の56に直して計算します)
x = 26 / 7
これで、xの値も求められました。
解は x = 26/7, y = 15/7 の組です。
検算: x = 26/7, y = 15/7 を元の①と②の式に代入して確認します。検算は少し大変ですが、計算ミスを防ぐために重要です。
①の式: 0.2x – 0.3y = 0.1
左辺:0.2 × (26/7) – 0.3 × (15/7)
分数に直して計算します。 0.2 = 1/5, 0.3 = 3/10, 0.1 = 1/10
左辺:(1/5) × (26/7) – (3/10) × (15/7)
= 26/35 – 45/70
分母を70に揃えます。
= (26 × 2) / (35 × 2) – 45/70
= 52/70 – 45/70 = (52 – 45) / 70 = 7/70 = 1/10
右辺:0.1 = 1/10
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
②の式: x + 2y = 8
左辺:26/7 + 2 × (15/7)
= 26/7 + 30/7 = (26 + 30) / 7 = 56 / 7 = 8
右辺:8
左辺 = 右辺 となり成り立ちます。
両方の式で成り立ったので、解は正しいです。
6. 文章問題の解き方
方程式や連立方程式を解く能力は、数学の問題を解くだけでなく、現実世界の様々な問題を解決するためにも役立ちます。文章で書かれた問題を、方程式や連立方程式に「翻訳」して解く方法を学びましょう。
文章問題の解き方ステップ
- 問題をよく読み、何を求められているのかを確認する。
- 求めたい未知の数量を、xやyなどの変数を使って表す。 (何をx, 何をyとするかを明確に決める)
- 問題文中の数量の関係に着目し、等しい関係にあるものを見つけて、方程式または連立方程式を立てる。 (必要なら図や表を書いて情報を整理する)
- 立てた方程式または連立方程式を、これまで学んだ方法で解く。
- 求められた解が、問題の答えとして適切か確認する。 (文章問題の場合、解が問題の条件を満たしているか、例えば人数が小数になったりしないかなどを確認する)
- 最後に、求められている答えを日本語で記述する。
簡単な例題で見てみましょう。
例題5-1: 鉛筆を何本か持っています。友達から5本もらったので、全部で12本になりました。最初に鉛筆を何本持っていましたか?
ステップ1:何を求められているか確認する
最初に持っていた鉛筆の数を求めたいです。
ステップ2:求めたい未知の数量を変数で表す
最初に持っていた鉛筆の数を x 本とします。
ステップ3:問題文中の関係から方程式を立てる
「最初に持っていた鉛筆の本数」 + 「もらった鉛筆の本数」 = 「全部の鉛筆の本数」
x + 5 = 12
ステップ4:立てた方程式を解く
x + 5 = 12
+5を右辺に移項します。
x = 12 – 5
x = 7
ステップ5:解が問題の答えとして適切か確認する
x = 7 は、最初に持っていた鉛筆の本数なので、正の整数である必要があります。7本というのは適切です。
ステップ6:求められている答えを日本語で記述する
答え:最初に持っていた鉛筆は7本です。
連立方程式を使う文章問題の例です。
例題5-2: ある動物園の入園料は、大人1人と子供1人では合計1200円です。大人2人と子供3人では合計3100円です。大人1人の入園料と子供1人の入園料はそれぞれいくらですか?
ステップ1:何を求められているか確認する
大人1人の入園料と、子供1人の入園料をそれぞれ求めたいです。
ステップ2:求めたい未知の数量を変数で表す
大人1人の入園料を x 円、子供1人の入園料を y 円とします。
ステップ3:問題文中の関係から連立方程式を立てる
問題文には二つの状況が書かれています。それぞれの状況から方程式を立てます。
状況1: 大人1人と子供1人では合計1200円
(大人1人分の入園料) + (子供1人分の入園料) = 1200円
x + y = 1200 …①
状況2: 大人2人と子供3人では合計3100円
(大人2人分の入園料) + (子供3人分の入園料) = 3100円
2x + 3y = 3100 …②
これで連立方程式が立てられました。
{ x + y = 1200 …①
{ 2x + 3y = 3100 …②
ステップ4:立てた連立方程式を解く
この連立方程式を解きます。①の式はxとyの係数が1なので、代入法でも加減法でも解きやすいですが、ここでは加減法を使ってみましょう。xの係数を揃えるために、①の両辺に2を掛けます。
① × 2: (x + y) × 2 = 1200 × 2 → 2x + 2y = 2400 …③
新しい連立方程式
{ 2x + 2y = 2400 …③
{ 2x + 3y = 3100 …②
ができました。xの係数がどちらも+2で揃っています。符号が同じなので、②から③を引きます。
② – ③:
(2x + 3y) – (2x + 2y) = 3100 – 2400
左辺:2x + 3y – 2x – 2y = (2x – 2x) + (3y – 2y) = 0 + y = y
右辺:3100 – 2400 = 700
y = 700
まず、yの値(子供1人の入園料)が求められました。
求めた y = 700 を元の①の式 x + y = 1200 に代入してxの値を求めます。
x + 700 = 1200
+700を右辺に移項します。
x = 1200 – 700
x = 500
これで、xの値(大人1人の入園料)も求められました。
解は x = 500, y = 700 の組です。
ステップ5:解が問題の答えとして適切か確認する
大人1人の入園料500円、子供1人の入園料700円は、どちらも正の数で、入園料としてあり得る値です。
ステップ6:求められている答えを日本語で記述する
答え:大人1人の入園料は500円、子供1人の入園料は700円です。
7. よくある間違いと注意点
xとyの計算、特に方程式や連立方程式を解く際には、いくつかの間違いを犯しやすいポイントがあります。これらに注意することで、計算ミスを減らし、正確に解を求められるようになります。
- 移項するときの符号のミス: 最もよくある間違いの一つです。項を等号の反対側に移すときは、必ず符号を逆にすることを忘れないでください。「+」は「-」に、「-」は「+」になります。
(例: 2x + 3 = 7 → 2x = 7 – 3。ここで 7 + 3 としてしまうミス) - 分配法則の適用ミス: 括弧を外すときに、括弧の中のすべての項に掛ける数を掛け忘れるミス。
(例: 2(x + 3) = 10 → 2x + 3 = 10 としてしまうミス。正しくは 2x + 6 = 10)
(例: -(x – 2) = 5 → -x – 2 = 5 としてしまうミス。正しくは -x + 2 = 5。括弧の前のマイナスは -1 が掛けられていると考えましょう) - 分母を払うときの掛け忘れ: 分数を含む方程式で、分母の最小公倍数を掛けるときに、一部の項に掛け忘れるミス。特に、定数項(xやyが付いていない数だけの項)に掛け忘れることが多いです。
(例: x/2 + x/3 = 5 の両辺に6を掛けるとき、左辺だけに掛けて 3x + 2x = 5 としてしまうミス。正しくは 3x + 2x = 30) - 加減法での引き算の符号ミス: 加減法で二つの方程式を引くときに、引かれる側の式の各項の符号を逆にするのを忘れるミス。
(例: (2x + 3y) – (2x + y) を計算するとき、2x + 3y – 2x + y = 4y としてしまうミス。正しくは 2x + 3y – 2x – y = 2y) - 求めた解の代入先: 連立方程式で一方の変数の値を求めた後、もう一方の変数を求めるときに、元の式や変形した式に代入します。このとき、計算が楽な式を選ぶとミスを減らせます。
- 検算の省略: 面倒に感じるかもしれませんが、求めた解を元の式に代入して等式が成り立つか確認することは、計算ミスを発見する最も確実な方法です。特に複雑な問題や、テストのときには必ず行うようにしましょう。
- 文章問題での単位や解釈ミス: 求められた数値が文章問題の答えとして適切か(例えば人数がマイナスになったり、金額が小数点以下になったりしないかなど)を確認し、最後に問題で聞かれている形式(例えば「りんごの数」なのか「りんごの代金」なのか)で答えるようにしましょう。
これらの点に注意しながら、丁寧に計算を進めることが、正確にxとyの値を求めるための鍵となります。
8. まとめと今後の学習に向けて
この記事では、xとyを含む計算の基本として、一次方程式と連立一次方程式の解き方を超詳細に解説しました。
一次方程式の解き方:
「ax + b = c」のような形を目指し、移項や等式の性質(両辺に同じ数を足す・引く・掛ける・割る)を使って、「x = (数)」の形に変形します。括弧、分数、小数を含む場合も、最初に整理してから解く手順を学びました。
連立一次方程式の解き方:
二つの未知数を含む二つの方程式の組を解く方法として、「代入法」と「加減法」を学びました。
* 代入法: 一方の式を「y = …」などの形に変形し、もう一方の式に代入して一つの変数の方程式にする方法。
* 加減法: いずれかの変数の係数を揃え、二つの式を足したり引いたりして一方の変数を消去し、一つの変数の方程式にする方法。
文章問題を解くためには、問題文から未知数を設定し、数量の関係から方程式を立てる練習が必要であることも確認しました。
xとyの計算は、中学校以降の数学の基礎となります。これらがしっかりと理解できていないと、二次方程式、関数、図形、さらには高校数学と、その後の数学学習で必ずつまずいてしまいます。逆に、ここで学んだ計算ステップをマスターすれば、これらの発展的な分野もスムーズに学習を進めることができるでしょう。
計算力を高める唯一の方法は、「練習」です。この記事で解説したステップを参考に、たくさんの問題を解いてみてください。最初は時間がかかったり、間違えたりするかもしれませんが、繰り返し練習するうちに、必ず速く正確に解けるようになります。
もし途中で分からなくなったり、間違えてしまったりしても落ち込む必要はありません。数学はエラーから学ぶ学問です。なぜ間違えたのか、どのステップでつまずいたのかを振り返り、この記事の該当する部分に戻って確認してみてください。
この記事が、「xとyの計算は難しい」と感じていた皆さんの「分かった!」という自信に繋がれば幸いです。基礎をしっかりと固めて、数学の世界をさらに深く探求していきましょう!
応援しています!