「cache set caches is not defined」とは？エラーを理解し解決する

はい、承知いたしました。「cache set caches is not defined」というエラーメッセージについて、エラーの発生原因、理解、そして解決策を詳細に記述した約5000語の記事を作成します。

「cache set caches is not defined」とは？エラーを理解し解決する

はじめに

JavaScript開発において、「ReferenceError: caches is not defined」あるいは同様の「cache set caches is not defined」といったエラーメッセージに遭遇することは、特にモダンなウェブ開発、Service Worker、PWA (Progressive Web Apps) の文脈でよく起こり得ます。このエラーは、コードが caches という名前のオブジェクトや変数を使用しようとした際に、その名前が現在の実行スコープ内で定義されていない、またはアクセス可能な状態になっていないことを示しています。

このエラーメッセージは短いですが、その背後にはJavaScriptのスコープ、実行環境、そしてWebにおけるキャッシュ管理の仕組みという、いくつかの重要な概念が関わっています。本記事では、このエラーメッセージを徹底的に理解し、具体的な解決策を見つけるために、以下の点を詳細に掘り下げていきます。

エラーメッセージの正確な意味: 「is not defined」がJavaScriptにおいて何を意味するのかを明確にします。
caches オブジェクトとは何か: Web APIとしての caches (CacheStorage インターフェース) の役割と目的を解説します。
エラーが発生する主な原因: どのような状況で caches が「未定義」となるのか、典型的なシナリオを分析します。
エラーの特定とデバッグ方法: 問題箇所を突き止め、原因を特定するための実践的な手法を紹介します。
具体的な解決策: 開発環境（ブラウザのService Worker、メインスレッド、Node.jsなど）に応じた具体的な修正方法を提示します。
予防策とベストプラクティス: 同様のエラーを将来的に避けるための開発手法や注意点について解説します。

この記事を通じて、「cache set caches is not defined」というエラーに自信を持って対処できるようになることを目指します。

1. エラーメッセージ「is not defined」の理解

まずは、エラーメッセージの核となる部分、「is not defined」について正確に理解しましょう。

1.1. JavaScriptにおける「定義」とは？

JavaScriptにおいて、変数や関数、オブジェクトなどが「定義されている (defined)」とは、その名前（識別子）が、コードの実行時にJavaScriptエンジンによって認識され、メモリ上の何らかの値や機能と関連付けられている状態を指します。

変数の場合、これは通常 var, let, const といったキーワードを使って変数を宣言し、必要に応じて初期値を代入するプロセスを含みます。

“`javascript
// 変数の宣言と定義（初期値の代入）
let myVariable = 10; // myVariable は定義され、値 10 を持つ

// 関数の宣言と定義
function myFunction() {
console.log(“Hello”);
} // myFunction は定義され、実行可能なコードブロックと関連付けられる

// オブジェクトの定義
const myObject = { name: “Value” }; // myObject は定義され、プロパティを持つオブジェクトと関連付けられる
“`

「定義されていない (not defined)」状態は、これら宣言や関連付けが行われる前に、その識別子を使用しようとした場合に発生します。

1.2. ReferenceError

JavaScriptエンジンが定義されていない識別子に遭遇すると、ReferenceError というタイプのエラーがスローされます。エラーメッセージ caches is not defined は、まさにこの ReferenceError の一種です。これは「caches という名前を参照しようとしたが、その名前は現在のスコープで見つからなかった」という意味になります。

これに対し、undefined という値と is not defined というエラー状態は混同されがちですが、明確に異なります。

undefined (値): 変数が宣言されたものの、まだ値が代入されていない状態を示すプリミティブな値です。また、オブジェクトの存在しないプロパティにアクセスしようとした際にも返されます。これはエラーではありません。
“`javascript
let declaredButNotAssigned;
console.log(declaredButNotAssigned); // 出力: undefined (ReferenceErrorは発生しない)

const obj = {};
console.log(obj.nonExistentProperty); // 出力: undefined (ReferenceErrorは発生しない)
* **`is not defined` (エラー状態)**: 変数自体が現在のスコープに**存在しない**、つまり宣言すらされていない状態でその識別子を使用しようとした場合に発生するエラーです。javascript
// myUndefinedVariable はどこでも宣言されていない
console.log(myUndefinedVariable); // ReferenceError: myUndefinedVariable is not defined
“`

したがって、「caches is not defined」というエラーは、「caches という名前の変数やオブジェクトが、コードが実行されている現在のスコープ内では全く存在が認識されていない」という深刻な状態を示しています。

1.3. スコープの重要性

JavaScriptにおいて、変数の「定義」は「スコープ」と密接に関わっています。スコープとは、変数がどこからアクセスできるかを決定するプログラムの領域です。主要なスコープには以下のものがあります。

グローバルスコープ: プログラム全体からアクセス可能なスコープ。ブラウザ環境では window オブジェクト、Node.jsでは global オブジェクト（あるいはグローバルな名前空間）に紐づく変数や関数がグローバルスコープに属します。
関数スコープ: 関数内で宣言された変数がアクセス可能なスコープ。var で宣言された変数に適用されます。
ブロックスコープ: {} ブロック（if文、for文、関数など）内で let や const で宣言された変数がアクセス可能なスコープ。

あるスコープで定義された変数は、そのスコープ内およびそれより内側のスコープからは参照可能ですが、そのスコープの外側からは通常参照できません。「is not defined」エラーは、あるスコープで定義された（あるいは特定の環境でのみ利用可能な）識別子を、それが定義されていない別のスコープから参照しようとした場合に発生しやすいです。

「cache set caches is not defined」エラーの場合、これは特に Web APIとしての caches オブジェクトが、それが本来定義されているべき特定の環境（Service Workerなど）以外で参照された という状況でよく発生します。

2. `caches` オブジェクト (Web API CacheStorage) とは何か

エラーメッセージの中心である caches が何を指しているのかを理解することは、エラー解決の鍵となります。多くの場合、「cache set caches is not defined」で言及される caches は、Web 標準の一部である CacheStorage インターフェース のグローバルなインスタンスを指しています。

2.1. CacheStorage API の目的

CacheStorage API は、Service Worker と連携して、ブラウザの HTTP キャッシュとは独立した、プログラムから制御可能なキャッシュを管理するための仕組みです。その主な目的は以下の通りです。

オフラインサポート: アプリケーションがネットワーク接続がない状態でも、キャッシュされたリソース（HTML、CSS、JavaScript、画像など）を提供できるようにする。
パフォーマンス向上: ネットワークからのリソース取得を待つことなく、キャッシュから即座にリソースを提供することで、ページのロード時間を短縮する。
リソースのプリキャッシュ: Service Worker がインストールされる際に、オフラインで利用可能にしたい重要なリソースを事前にダウンロードしてキャッシュする。
キャッシュ戦略の実装: 「Cache First」「Network First」「Stale While Revalidate」などの複雑なキャッシュ戦略を、Service Worker の fetch イベントハンドラ内で実現する。

CacheStorage API は、ブラウザの通常のHTTPキャッシュよりも細かい制御を可能にします。特定のURLに対するレスポンスをキャッシュしたり、キャッシュされたレスポンスを条件に基づいて更新したり、不要になったキャッシュエントリを削除したりといった操作を、JavaScriptコードから直接行えます。

2.2. CacheStorage API のインターフェース

caches というグローバルな名前でアクセスされるオブジェクトは、実際には CacheStorage インターフェースのインスタンスです。CacheStorage インターフェースは以下の主要なメソッドを提供します。

caches.open(cacheName): 指定された名前の新しい Cache オブジェクトを作成するか、既存の Cache オブジェクトを取得します。これは Promise を返します。Cache オブジェクトは個々のキャッシュストアを表します。
caches.match(requestOrUrl, options): 指定された Request または URL に一致する最初に見つかったキャッシュエントリを探します。これは Promise を返します。複数の Cache オブジェクトをまとめて検索します。
caches.has(cacheName): 指定された名前の Cache オブジェクトが存在するかどうかを確認します。これは Promise を返します。
caches.delete(cacheName): 指定された名前の Cache オブジェクトとその中のすべてのエントリを削除します。これは Promise を返します。
caches.keys(): CacheStorage 内にあるすべての Cache オブジェクトの名前の配列を取得します。これは Promise を返します。

これらのメソッドはすべて非同期であり、Promise を返します。キャッシュ操作は時間がかかる可能性があるため、ノンブロッキングで行われるよう設計されています。

2.3. `caches` オブジェクトの利用可能な環境

ここが「caches is not defined」エラーが発生する上で最も重要なポイントです。Web API としての caches オブジェクトは、特定のブラウザ環境のグローバルスコープでのみ利用可能です。

主に以下の環境で self.caches または window.caches としてアクセスできます。

Service Worker: Service Worker スクリプトのグローバルスコープ (self) では、self.caches として CacheStorage インスタンスが利用可能です。Service Worker はバックグラウンドで動作し、ネットワークリクエストを傍受してキャッシュからリソースを提供したり、バックグラウンド同期を実行したりする役割を担います。caches API は Service Worker の中核機能の一つです。
Shared Worker: Shared Worker スクリプトのグローバルスコープ (self) でも利用可能です。Shared Worker は複数のブラウザタブやウィンドウ間で共有される Worker です。
Window コンテキスト (メインスレッド): 通常のウェブページが実行されるメインスレッドのグローバルスコープ (window) でも、window.caches として CacheStorage インスタンスが存在する場合があります。ただし、メインスレッドから直接 caches API を使ってService Workerのキャッシュを操作することは、一般的ではなく、非推奨とされることが多いです。メインスレッドからのキャッシュ操作は、Service Worker にメッセージを送信して Service Worker 側で実行してもらうのが推奨されるパターンです。また、一部の古いブラウザや特定の条件下では window.caches が undefined となる可能性もあります。

2.4. `caches` オブジェクトが利用できない環境

以下の環境では、Web API としての caches オブジェクトは基本的に定義されていません。

通常の <script> タグで読み込まれたスクリプト: ウェブページの <script> タグや、メインスレッドから実行される通常のJavaScriptファイルの中で、Service Worker ではないコンテキストで直接 caches を使用しようとすると、ReferenceError となる可能性が高いです。window.caches が利用可能な場合もありますが、Service Worker を介さないキャッシュ操作はユースケースが限られます。
Node.js 環境: サーバーサイドで動作する Node.js には、ブラウザの Web API である CacheStorage は組み込まれていません。Node.js で caches という名前を使用する場合、それは別途インストールしたライブラリや自分で定義した変数などを指します。もしブラウザの caches API と同じ目的で Node.js でキャッシュを使いたい場合は、メモリキャッシュ、ファイルシステムキャッシュ、Redisなどの外部キャッシュストアといった代替手段を講じる必要があります。
Dedicated Worker (ただしメインスレッドからの操作): Dedicated Worker 内のグローバルスコープ (self) では self.caches が利用可能です。しかし、メインスレッドから Dedicated Worker のスコープにある caches に直接アクセスすることはできません。Dedicated Worker 内で caches を操作し、結果をメインスレッドに postMessage で返送する必要があります。

この「利用可能な環境」と「利用できない環境」の区別が、「caches is not defined」エラーの原因を特定する上で最も重要です。

3. エラーが発生する主な原因の分析

前述の caches オブジェクトが利用可能な環境を踏まえると、「caches is not defined」エラーが発生する典型的な原因は以下のいずれかであることが多いです。

3.1. Service Worker 以外のコンテキストで `caches` を使用している

最も一般的な原因です。開発者が Service Worker のキャッシュ機能を利用したいと考え、Service Worker スクリプトとして登録されていない通常のJavaScriptファイルや、ウェブページのメインスレッドで実行されるスクリプトの中で、caches.open(...) や caches.match(...) といったコードを直接書いてしまうケースです。

javascript // 例えば、index.html から読み込まれる app.js ファイル内で... // このコードは Service Worker スコープではないため、caches が未定義となる可能性が高い document.getElementById('cacheButton').addEventListener('click', () => { // ここで 'caches' を使おうとするとエラーになりやすい caches.open('my-cache').then(cache => { console.log('キャッシュが開けました'); // この行には到達しない }).catch(error => { console.error('キャッシュエラー:', error); // ReferenceError が表示される }); });

この場合、コードが実行されているグローバルスコープ (window) に caches オブジェクトが定義されていないため、ReferenceError が発生します。仮に window.caches が存在したとしても、それは Service Worker に紐づくキャッシュストアとは別のインスタンスであるか、または Service Worker が完全に有効化されていない段階では正しく機能しない可能性があります。

解決の方向性: caches API は原則として Service Worker の中で使用するものです。メインスレッドからキャッシュを操作したい場合は、Service Worker にメッセージを送信し、Service Worker 側でキャッシュ操作を実行してもらうように設計を変更します。

3.2. Node.js 環境で `caches` を使用している

ブラウザ向けのJavaScriptコードを、Node.js 環境で実行しようとした場合に発生します。Node.js はブラウザの Web API (DOM, BOM, Fetch APIの一部は実装されているが、CacheStorageは含まれない) を持っていません。

“`javascript
// 例えば、サーバーサイドで実行される Node.js ファイル内で…
// Node.js には Web API の caches オブジェクトは存在しない
function serverSideCacheOperation() {
// ここで ‘caches’ を使おうとするとエラーになる
caches.open(‘server-cache’).then(…);
}

serverSideCacheOperation(); // ReferenceError: caches is not defined
“`

このエラーが発生した場合、それはブラウザのキャッシュ API を Node.js で使用しようとしていることを意味します。

解決の方向性: Node.js でキャッシュ機能が必要な場合は、Node.js 向けの適切なキャッシュライブラリやデータベース（メモリキャッシュ、ファイルシステムベースのキャッシュ、Redis, Memcachedなど）を使用する必要があります。ブラウザの caches API とは全く異なるアプローチが必要です。

3.3. Service Worker 内だが、Service Worker のライフサイクル初期段階で `caches` にアクセスしようとしている

Service Worker スクリプト内であっても、Service Worker のライフサイクル（インストール、アクティベートなど）が完了する前に caches オブジェクトにアクセスしようとすると、一時的に caches が未定義または正しく初期化されていない状態である可能性があります。特に、Service Worker スクリプトのトップレベルで caches を直接使用したり、インストールイベントのリスナー内で非同期処理を待たずにすぐに caches を使用したりする場合に起こり得ます。

“`javascript
// Service Worker スクリプト (sw.js) 内で…
// スクリプトのトップレベルで直接 caches を使うのは避けるべき
// ReferenceError: caches is not defined となる可能性あり
// console.log(caches); // ここでエラーになるかも

self.addEventListener(‘install’, (event) => {
// install イベントハンドラ内であれば self.caches は利用可能だが、
// 非同期処理 (event.waitUntil) の外で直接アクセスするとタイミングによっては問題になる可能性も
// 常に event.waitUntil() の中で Promise チェーンとして扱うのが安全
event.waitUntil(
// self.caches を使うのが正しい方法
self.caches.open(‘my-precious-cache’)
.then((cache) => {
// キャッシュ操作
})
);
});

// fetch イベントハンドラ内では確実に self.caches が利用可能
self.addEventListener(‘fetch’, (event) => {
event.respondWith(
// self.caches はここで安全に使用できる
self.caches.match(event.request)
.then((response) => {
// レスポンス処理
})
);
});
“`

解決の方向性: Service Worker 内では、caches は self.caches としてアクセスします。Service Worker のライフサイクルイベント（install, activate, fetch など）のリスナー内で、非同期処理 (event.waitUntil や event.respondWith) のコンテキストで self.caches を使用するようにします。特に install イベントでは、event.waitUntil を使ってキャッシュの初期化処理が完了するのを待つことが重要です。

3.4. タイプミス

単純なタイプミスも原因として考えられます。例えば、caches と書くべきところを cache と書いてしまったり、スペルを間違えたりした場合です。

javascript // caches ではなく cache と書いてしまっている // ReferenceError: cache is not defined cache.open('my-cache').then(...);

解決の方向性: コード中の caches という識別子にタイプミスがないか、スペルをよく確認します。

3.5. 変数スコープの問題 (Shadowing など)

これはあまり一般的ではありませんが、コード内で caches というローカル変数を宣言し、その変数が Service Worker のグローバルな caches オブジェクトを「隠蔽 (shadowing)」してしまい、別のスコープからアクセスしようとした際にローカル変数が未定義である、という状況も考えられます。

“`javascript
// あまり起こりうる状況ではないが、例として
function someFunction() {
let caches; // ローカル変数として caches を宣言 (まだ undefined)

// このスコープ内では、上のローカル変数 caches がグローバルな self.caches を隠蔽する
console.log(caches); // undefined

// もしここでローカル変数 caches を使おうとすると、
// 上の宣言がないと ReferenceError だが、宣言がある場合は undefined を参照することになる
// let myCache = caches.open(‘test’); // これは ReferenceError ではなく TypeError になる (undefined.open はエラー)

// もし別の場所でローカル変数 caches が宣言されておらず使われた場合は ReferenceError となる
}

// この関数が Service Worker スコープで実行された場合でも、
// 関数内の caches はローカル変数を参照してしまう
`` これはis not definedよりはTypeError(undefined.openなど) を引き起こしやすいですが、全く別の意図でcachesという名前のローカル変数を定義し、その初期化前に参照しようとした場合にReferenceError` となる可能性はゼロではありません。

解決の方向性: 変数のスコープを確認し、グローバルな self.caches を使用したい場合は、ローカル変数で同じ名前を使用していないか確認します。Service Worker 内では常に self.caches というように self をつけて参照するのが明示的で安全です。

3.6. ブラウザや環境が CacheStorage API をサポートしていない

非常に稀ですが、使用しているブラウザや実行環境が CacheStorage API 自体をサポートしていない場合も考えられます。古いブラウザや、モバイルアプリのウェブビューなど、特定の環境ではサポートが限定的かもしれません。

解決の方向性: コードを実行する前に、'caches' in self や 'caches' in window のようにプロパティの存在チェックを行います。サポートされていない場合は、フォールバック処理を提供するか、この機能が利用できない旨をユーザーに通知します。

4. エラーの特定とデバッグ方法

エラーが発生した際に、原因を特定するためのデバッグ手法は非常に重要です。

4.1. ブラウザの開発者ツール (Developer Tools) の活用

ほとんどの場合、「cache set caches is not defined」エラーはブラウザのコンソールに表示されます。

コンソールメッセージの確認: エラーメッセージ自体 (ReferenceError: caches is not defined) に加えて、どのファイルの何行目でエラーが発生したかという情報が必ず表示されます。この情報を元に、エラーが発生している正確なコード箇所を特定します。
Sources タブの活用: エラーメッセージのファイル名と行番号をクリックすると、開発者ツールの「Sources」タブが開いて問題のコード箇所が表示されます。
ブレークポイントの設定: エラーが発生するコードの少し手前にブレークポイントを設定します。コードの実行がブレークポイントで一時停止したら、その時点でのスコープ内の変数やグローバルオブジェクト (window, self) の状態を調べることができます。
- コンソールで typeof caches と入力してみる。もし 'undefined' と表示されれば、識別子 caches は宣言されているが値が割り当てられていない状態です (これは ReferenceError の原因ではないことが多い)。
- コンソールで caches と入力してみる。もし ReferenceError が表示されれば、識別子 caches 自体が現在のスコープに存在しないことを意味します。
- Service Worker の場合は、コンソールで self と入力し、self オブジェクトのプロパティ一覧を確認します。その中に caches というプロパティが存在するかどうか、存在する場合その値が CacheStorage インスタンスであるかを確認します。
- メインスレッドの場合は、コンソールで window と入力し、window オブジェクトのプロパティ一覧を確認します。window.caches が存在するか確認します。
実行コンテキストの確認: 開発者ツールのコンソールでは、通常「Top」などのプルダウンメニューで、どのJavaScript実行コンテキスト（メインスレッド、Service Worker、iframeなど）のコンソールを表示しているかを選択できます。Service Worker のエラーを見ている場合は、Service Worker のコンテキストが選択されているか確認します。

4.2. ログ出力による確認

エラーが発生しそうなコードの周囲に console.log() を仕込んで、コードの実行パスや変数の状態を確認します。

“`javascript
console.log(‘caches にアクセスする直前’);
console.log(‘現在のグローバルオブジェクト:’, typeof self === ‘object’ ? self : window);
console.log(‘self.caches の状態:’, typeof self === ‘object’ ? self.caches : ‘Not in worker context’);
console.log(‘window.caches の状態:’, typeof window === ‘object’ ? window.caches : ‘Not in window context’);

// ここでエラーが発生するコード
// caches.open(‘my-cache’).then(…)
“`

これらのログ出力によって、エラー発生前に caches がどのような状態になっているか（全く存在しないのか、undefined なのか、あるいは他の値が入っているのか）を確認できます。

4.3. Service Worker の登録状態の確認

Service Worker のコンテキストで caches エラーが発生しているにも関わらず、Service Worker 自体が正しく登録され、アクティベートされていない可能性も考慮します。

ブラウザの開発者ツールの「Application」タブを開きます。
サイドメニューから「Service Workers」を選択します。
現在登録されている Service Worker の状態 (Status) を確認します。「activated and is running」となっていれば正常に動作しています。もし「installing」や「redundant」などになっている場合は、Service Worker のライフサイクルに問題がある可能性があります。エラーが Service Worker のインストール段階で発生しているかもしれません。
エラーメッセージがメインスレッドで表示されている場合でも、Service Worker の登録コード (navigator.serviceWorker.register('sw.js')) が正しく実行されているか確認します。登録処理が失敗していると、Service Worker は起動せず、結果的にメインスレッドから Service Worker への通信や、Service Worker がキャッシュを操作する前提のコードが期待通りに動かなくなる可能性があります。

4.4. Node.js 環境でのデバッグ

Node.js 環境で同様のエラーが発生した場合は、ブラウザの開発者ツールは直接使えません。

エラーメッセージの確認: Node.js の標準エラー出力 (stderr) に表示されるエラーメッセージ (ReferenceError: caches is not defined) と、ファイル名、行番号を確認します。
コードの確認: エラー箇所周辺のコードを確認し、caches という名前がどのように使われているか、どこで定義されているべきものかを特定します。
ログ出力: Node.js の console.log() を使って、疑わしい変数が初期化される前にログを出力し、その時点での状態を確認します。
デバッガー: Node.js には組み込みのデバッガーや、VS CodeなどのIDEを使ったデバッグ機能があります。これらを利用してコードの実行をステップ実行し、変数の中身を確認します。

5. 具体的な解決策

エラーが発生している環境と原因に応じて、具体的な解決策を適用します。

5.1. Service Worker スコープでの `caches` 利用

Service Worker スクリプト (sw.js など) の中で caches を使用する場合は、常に self.caches と明示的に self をつけてアクセスすることを推奨します。

“`javascript
// Service Worker スクリプト (sw.js)

// インストールイベントでのプリキャッシュ
self.addEventListener(‘install’, (event) => {
event.waitUntil(
// self.caches を使う
self.caches.open(‘my-app-cache-v1’)
.then((cache) => {
console.log(‘Cache opened:’, ‘my-app-cache-v1’);
return cache.addAll([
‘/’,
‘/index.html’,
‘/styles.css’,
‘/script.js’,
‘/images/logo.png’
]);
})
.then(() => self.skipWaiting()) // 新しいService Workerをすぐにアクティベート
);
});

// アクティベートイベントでの古いキャッシュ削除
self.addEventListener(‘activate’, (event) => {
event.waitUntil(
// self.caches を使う
self.caches.keys()
.then((cacheNames) => {
return Promise.all(
cacheNames.map((cacheName) => {
if (cacheName !== ‘my-app-cache-v1’) {
console.log(‘Deleting old cache:’, cacheName);
return self.caches.delete(cacheName);
}
})
);
})
.then(() => self.clients.claim()) // Service Workerの制御を即座に取得
);
});

// fetch イベントでのキャッシュ戦略
self.addEventListener(‘fetch’, (event) => {
event.respondWith(
// self.caches を使う
self.caches.match(event.request)
.then((response) => {
// キャッシュにヒットした場合
if (response) {
console.log(‘Cache hit for:’, event.request.url);
return response;
}

    // キャッシュにない場合はネットワークから取得
    console.log('Network request for:', event.request.url);
    return fetch(event.request).then((networkResponse) => {
      // 取得したレスポンスをキャッシュに格納（任意）
      // レスポンスは一度しか消費できないため、キャッシュ用とブラウザ用で複製する
      const responseToCache = networkResponse.clone();

      // 特定のリクエスト（例: GETリクエスト）のみキャッシュする
      if (networkResponse.ok && event.request.method === 'GET') {
         // self.caches を使う
         self.caches.open('my-app-cache-v1').then((cache) => {
           cache.put(event.request, responseToCache);
         });
      }

      return networkResponse;
    });
  })
  .catch((error) => {
    console.error('Fetch failed:', error);
    // オフラインフォールバックページなどを返す
    // self.caches を使う
    return self.caches.match('/offline.html'); // 例: オフラインページをキャッシュしている場合
  })

);
});
“`

Service Worker 内で caches を使用する場合は、上記の例のように self.caches を使い、各イベントハンドラ内で Promise ベースの非同期処理として実行することが基本です。これにより、caches オブジェクトが利用可能なタイミングでアクセスでき、ライフサイクルイベントの待ち合わせも正しく行われます。

5.2. メインスレッドからキャッシュを操作したい場合

前述のように、メインスレッド (window コンテキスト) から直接 caches.open() などを呼び出すのは一般的ではなく、エラーの原因となりやすいです。メインスレッドから Service Worker が管理するキャッシュにアクセスしたい場合は、Service Worker とメインスレッド間のメッセージングを使用します。

メインスレッドから Service Worker へメッセージを送信: navigator.serviceWorker.controller.postMessage() を使って、Service Worker に実行したい操作（例: 「このURLをキャッシュして」「このキャッシュエントリを削除して」など）を記述したメッセージを送信します。
Service Worker でメッセージを受信: Service Worker スクリプト内で self.addEventListener('message', ...) を設定し、メインスレッドからのメッセージを待ち受けます。
Service Worker でキャッシュ操作を実行: 受信したメッセージの内容に応じて、Service Worker 内で self.caches を使った実際のキャッシュ操作（open, put, delete など）を実行します。
Service Worker からメインスレッドへ応答を送信 (任意): キャッシュ操作の結果などをメインスレッドに知らせる必要がある場合は、Service Worker からメインスレッドへ event.source.postMessage() を使って応答を送信します。

メインスレッド側のコード例:

“`javascript
// index.html から読み込まれる app.js ファイル内で

// Service Worker が登録されているか確認
if (‘serviceWorker’ in navigator && navigator.serviceWorker.controller) {
// Service Worker にメッセージを送信して特定のURLをキャッシュさせる例
document.getElementById(‘cachePageButton’).addEventListener(‘click’, () => {
navigator.serviceWorker.controller.postMessage({
action: ‘cache-page’,
url: window.location.href
});
console.log(‘Service Worker にキャッシュリクエストを送信しました。’);
});

// Service Worker からの応答メッセージを待ち受ける (任意)
navigator.serviceWorker.addEventListener(‘message’, (event) => {
console.log(‘Service Worker からメッセージを受信:’, event.data);
if (event.data && event.data.action === ‘cache-page-result’) {
alert(キャッシュ操作結果: ${event.data.success ? '成功' : '失敗'});
}
});

} else {
console.warn(‘Service Worker が利用できないか、まだアクティベートされていません。’);
// Service Worker が利用できない場合のフォールバック処理
}
“`

Service Worker 側のコード例:

“`javascript
// Service Worker スクリプト (sw.js)

self.addEventListener(‘message’, (event) => {
console.log(‘メインスレッドからメッセージを受信:’, event.data);

// 受信したメッセージに応じて処理を分岐
if (event.data && event.data.action === ‘cache-page’ && event.data.url) {
const urlToCache = event.data.url;
const cacheName = ‘user-initiated-cache’; // ユーザー操作によるキャッシュ用

// self.caches を使ってキャッシュ操作
self.caches.open(cacheName)
  .then((cache) => {
    return cache.add(urlToCache); // add() は Request/Response のペアを取得してキャッシュ
  })
  .then(() => {
    console.log(`${urlToCache} がキャッシュされました。`);
    // メインスレッドに応答を返す
    if (event.source) { // event.source はメッセージを送信したクライアント (ウィンドウ)
      event.source.postMessage({
        action: 'cache-page-result',
        success: true,
        url: urlToCache
      });
    }
  })
  .catch((error) => {
    console.error(`Caching ${urlToCache} failed:`, error);
     // メインスレッドに応答を返す
    if (event.source) {
       event.source.postMessage({
        action: 'cache-page-result',
        success: false,
        url: urlToCache,
        error: error.message
      });
    }
  });

}
// 他のメッセージアクションに対する処理もここに追加
});

// インストール、アクティベート、fetch イベントハンドラは上記5.1の例を参照
“`

このパターンにより、caches API はそれが本来定義されている Service Worker スコープ内で安全に使用され、メインスレッドからの直接アクセスによる ReferenceError を回避できます。

また、メインスレッドで Service Worker がまだ登録・アクティベートされていない可能性を考慮し、if ('serviceWorker' in navigator && navigator.serviceWorker.controller) のようなチェックを入れることで、エラー発生を防ぎ、Service Worker が利用できない場合のフォールバック処理を提供できます。

5.3. Node.js 環境の場合

Node.js で「caches is not defined」エラーが出ている場合は、Web API の caches は使用できません。原因は以下のいずれかです。

ブラウザ向けのコードを誤って実行している: Node.js で実行すべきではない、ブラウザのService Workerなどに依存したコードを実行しようとしていないか確認します。もしそうであれば、そのコードはNode.jsからは削除するか、実行しないようにロジックを修正する必要があります。
Node.js 用のライブラリやカスタム変数 caches が未定義: Node.js 環境で caches という名前を使っている箇所が、ブラウザ API ではなく、何らかのライブラリ（例: node-cache など）や自作のキャッシュ変数などを指している場合は、それが正しく require() / import され、初期化されているかを確認します。

“`javascript
// Node.js 環境の例

// 1. ブラウザ向けのコードを誤って実行している場合
// if (‘serviceWorker’ in navigator) { … } といったブラウザ判定を入れずに、
// ブラウザAPIに依存するコードが実行されないようにする。
// あるいは、Node.js とブラウザで共通化したいコードがある場合は、
// 実行環境を判定するユーティリティ関数などを使用する。

// 2. Node.js 用のキャッシュライブラリを使用する場合
// ライブラリをインストールする
// npm install node-cache
// または
// yarn add node-cache

// コード内でライブラリを require または import し、インスタンスを生成する
const NodeCache = require(“node-cache”);
const caches = new NodeCache({ stdTTL: 100, checkperiod: 120 }); // caches 変数を定義・初期化

// これで Node.js 環境内で ‘caches’ という名前が定義された
caches.set( “myKey”, “myValue”, function( err, success ){
if( !err && success ){
console.log(“Cache set successfully in Node.js”); // Node.js でのキャッシュ操作
}
});

// カスタム変数として使う場合
let appDataCache = {}; // caches ではないが、自分で caches のような変数を作る
appDataCache[‘key1’] = ‘value1’;
“`

Node.js では、使用するライブラリやフレームワークのドキュメントに従って、キャッシュオブジェクトを正しくインポート、要求、またはインスタンス化することが重要です。

5.4. その他の原因に対する解決策

タイプミス: エラーメッセージに表示されたファイルと行番号を基に、コード中の caches という単語のスペルを注意深く確認します。IDEの構文ハイライトやリンターもタイプミスの検出に役立ちます。
スコープの問題: Service Worker スクリプト内で caches を使用する場合は、self.caches と明示的に書くことで、意図せずローカル変数などでシャドウされるのを防ぎます。
タイミングの問題: Service Worker のライフサイクルを理解し、install や activate イベントの中で非同期操作を行う際は event.waitUntil() を適切に使用します。fetch イベント内では event.respondWith() を使用し、Promise チェーンを正しく構築します。メインスレッドからのメッセージングを使用する場合も、メッセージハンドラ内で非同期のキャッシュ操作が完了するのを待つようにコードを書きます (async/await または .then())。
ブラウザサポート: if ('caches' in self) または if ('caches' in window) のような機能検出を行い、CacheStorage API がサポートされている環境でのみ関連コードを実行するようにします。

6. 予防策とベストプラクティス

「cache set caches is not defined」のようなエラーを未然に防ぎ、より堅牢なコードを書くためのベストプラクティスをいくつか紹介します。

6.1. 実行環境を意識したコーディング

JavaScriptはブラウザ、Node.js、Workerなど、様々な環境で実行されます。それぞれの環境で利用可能なAPIやグローバルオブジェクトが異なることを常に意識し、コードを書く際にはどの環境で実行されるかを明確にします。

ブラウザのメインスレッド用コードと Service Worker 用コードは、物理的に別のファイルに分けるのが一般的です。
共通化したい処理がある場合は、環境に依存しない純粋なJavaScript関数として記述するか、または実行環境を判定するロジック (typeof window === 'object', typeof self === 'object' && self instanceof ServiceWorkerGlobalScope) を含めるようにします。

6.2. Service Worker のライフサイクルとイベントを正しく理解する

Service Worker は独自のライフサイクル（登録、インストール、アクティベート、待機、終了）を持っています。caches API はこのライフサイクルの中で特定のタイミングで利用可能になります。install、activate、fetch、message などのイベントに適切なリスナーを設定し、それぞれのイベントハンドラの中で self.caches を使用し、非同期処理を正しく管理します (event.waitUntil, event.respondWith, Promise チェーン, async/await)。

6.3. 非同期処理 (Promise, async/await) を適切に扱う

caches API のメソッドはすべて Promise を返します。非同期操作の結果を利用したり、複数の非同期操作の完了を待ったりする場合は、.then(), .catch(), .finally() といった Promise メソッドや、async/await 構文を正しく使用する必要があります。非同期処理の完了を待たずに結果を使おうとすると、予期しない undefined や null にアクセスして TypeError などが発生する可能性が高まります。

6.4. リンター (ESLint など) の導入

ESLint などのリンティングツールは、コードの構文エラーや潜在的な問題を開発早期に検出するのに役立ちます。設定によっては、未定義の変数使用などを警告として表示させることができます。これにより、コード実行前に ReferenceError の可能性に気づくことができます。

6.5. 開発者ツールを積極的に活用する

デバッグの手法として前述しましたが、普段の開発からブラウザの開発者ツール（特にコンソールとアプリケーションタブのService Workersセクション）を積極的に確認する習慣をつけましょう。エラーメッセージだけでなく、Service Worker の登録状態やライフサイクルイベントのログを確認することで、問題の早期発見と原因特定につながります。

6.6. 機能検出 (Feature Detection)

特定の Web API (CacheStorage を含む) が利用可能かどうかは、実行環境に依存します。コードが実行される前に、その API が存在するかどうかを if ('caches' in self) や if ('serviceWorker' in navigator) のようにチェックする「機能検出」を行います。これにより、サポートされていない環境で未定義のAPIを呼び出そうとしてエラーになるのを防ぎます。

javascript if ('caches' in self) { // CacheStorage API が利用可能 self.caches.open(...); } else { // CacheStorage API は利用不可 console.warn('CacheStorage API is not supported in this environment.'); // フォールバック処理など }

結論

「cache set caches is not defined」というエラーメッセージは、主にJavaScriptの実行スコープ内で caches という名前が定義されていないことを示す ReferenceError です。Web開発の文脈では、この caches は通常 Web API の CacheStorage インターフェースのインスタンスを指しており、このAPIは主に Service Worker 環境の self.caches として利用されます。

このエラーが発生する最も一般的な原因は、Service Worker 以外のコンテキスト（ウェブページのメインスレッドの通常のスクリプト、または Node.js 環境）で caches API を直接使用しようとすることです。また、Service Worker 内であっても、ライフサイクル初期のタイミングの問題や、単純なタイプミス、スコープの問題も原因となり得ます。

エラーを解決するためには、まずエラーメッセージが示すファイルと行番号を確認し、ブラウザの開発者ツールやログ出力を活用して、エラーが発生した時点での caches の状態とコードの実行環境（Service Worker か、メインスレッドか、Node.js か）を正確に特定することが重要です。

Service Worker スコープの場合: self.caches を使用し、非同期イベントハンドラ (install, activate, fetch) の中で Promise ベースの処理として実行します。
メインスレッドからキャッシュを操作したい場合: caches を直接使用するのではなく、postMessage を介して Service Worker に処理を依頼します。
Node.js 環境の場合: Web API の caches は利用できません。Node.js 向けの適切なキャッシュ管理方法を採用し、caches という名前が使用されている場合はそれが Node.js 環境で正しく定義・初期化されているカスタム変数やライブラリであることを確認します。

これらの対策に加え、実行環境を意識したコーディング、Service Worker のライフサイクルの理解、非同期処理の適切な扱い、リンターや開発者ツールの活用、そして機能検出といったベストプラクティスを実践することで、「cache set caches is not defined」エラーのような、環境依存の ReferenceError を効果的に回避し、より堅牢で保守しやすいコードを記述できるようになります。

CacheStorage API はオフライン対応やパフォーマンス向上に非常に強力なツールですが、その実行コンテキストの特性を理解することが、エラーなく活用するための第一歩となります。この記事が、その理解を深め、エラー解決の一助となれば幸いです。