はい、承知いたしました。UbuntuにVisual Studio Code (VS Code) を簡単かつ最新版でインストールするための詳細な手順を含む記事を約5000語で執筆します。記事の内容を直接ここに表示します。
【最新版】UbuntuへVisual Studio Codeを簡単インストールする手順 詳細ガイド
はじめに:開発環境の標準、Visual Studio Codeとは?
現代のソフトウェア開発において、統合開発環境(IDE)や高機能なコードエディタは必要不可欠です。数あるツールの中でも、Microsoftが開発したVisual Studio Code(以下、VS Code)は、その軽量さ、高機能性、そして豊富な拡張機能エコシステムにより、世界中の開発者から絶大な支持を得ています。
VS Codeは、Windows、macOS、そしてLinuxと、主要なオペレーティングシステムすべてに対応しています。特にLinuxユーザーにとって、Ubuntuはその人気から多くの開発者が利用するプラットフォームであり、VS Codeを快適に利用できる環境を整えることは、開発効率を大幅に向上させる鍵となります。
この記事では、Ubuntu環境に最新版のVS Codeを「簡単」にインストールするための、最も推奨される方法を中心に、その手順を詳細かつ網羅的に解説します。単にコマンドを羅列するだけでなく、それぞれのステップの「なぜ」を丁寧に説明し、初心者の方でも安心して取り組めるように配慮します。また、複数のインストール方法の比較、インストール後の基本的な設定、そしてよくあるトラブルシューティングについても詳しく解説します。
さあ、あなたのUbuntu環境に最高の開発ツールを導入し、快適なコーディングライフを始めましょう!
なぜUbuntuにVS Codeをインストールするのか?
Ubuntuは、その安定性、高いカスタマイズ性、そして広範なコミュニティサポートにより、多くの開発者に選ばれています。特にサーバーサイド開発、組み込み開発、科学技術計算など、Linuxネイティブの環境が求められる分野で強力な力を発揮します。
一方、VS Codeは、多様なプログラミング言語(Python, Node.js, Java, C++, C#, Go, Rustなど)に対応し、強力なデバッグ機能、Git統合、組み込みターミナル、インテリセンス(コード補完)、シンタックスハイライトなど、開発に必要なあらゆる機能を備えています。さらに、マーケットプレイスからインストールできる無数の拡張機能により、特定の言語やフレームワークに特化した強力なIDEにカスタマイズすることが可能です。
UbuntuとVS Codeを組み合わせることで、以下のようなメリットが得られます。
- 強力な開発環境の構築: Linuxの柔軟性とVS Codeの高機能性が融合し、あらゆる種類のプロジェクトに対応できる開発環境を構築できます。
- ネイティブな実行環境: Web開発のバックエンド、システムプログラミングなど、Linux環境で実行することを前提としたアプリケーションを開発する際に、開発環境と実行環境が一致するため、デバッグやテストが容易になります。
- 効率的なワークフロー: VS Codeの統合ターミナル、Git統合、豊富な拡張機能により、コード記述からテスト、デバッグ、バージョン管理までをシームレスに行えます。
- 最新技術への対応: VS Codeは非常にアクティブに開発されており、常に最新のプログラミング言語仕様やフレームワークに対応しています。
これらの理由から、UbuntuユーザーにとってVS Codeは最適な開発ツールの一つと言えるでしょう。
記事の対象読者と前提条件
- 対象読者: UbuntuをPCにインストールしており、これからVS Codeを使って開発を始めたいと考えている方。コマンドライン(ターミナル)の基本的な操作に慣れていない方でも理解できるように説明します。
- 前提条件:
- Ubuntuデスクトップ環境がインストールされたPC。
- インターネットに接続できる環境。
- 基本的なPC操作ができること。
- 管理者権限(
sudo
コマンドを使えること)があること。
VS Codeの主なインストール方法
UbuntuにVS Codeをインストールする方法はいくつか存在します。それぞれにメリット・デメリットがありますが、「簡単」かつ「最新版」を維持しやすい方法として、主に以下の3つが推奨されます。
- Microsoft公式リポジトリを使用する方法 (apt):
- VS Codeの開発元であるMicrosoftが提供するソフトウェアリポジトリをUbuntuのパッケージ管理システムである
apt
に追加してインストールする方法です。 - メリット: 公式提供であり信頼性が高い。
sudo apt upgrade
コマンドでOSや他のソフトウェアと一緒にVS Codeも常に最新版に簡単にアップデートできる。最も一般的で推奨される方法。 - デメリット: 初回のみリポジトリの追加やGPGキーの設定といった少しだけ手間のかかる作業が必要。
- VS Codeの開発元であるMicrosoftが提供するソフトウェアリポジトリをUbuntuのパッケージ管理システムである
- Snapストアを使用する方法:
- Canonical(Ubuntuの開発元)が推進する新しいパッケージングシステムであるSnapを使用する方法です。
- メリット: インストールコマンドが非常にシンプルで簡単。Snapストアから直接インストールできる。アップデートも自動で行われる場合が多い。
- デメリット: Snapパッケージ特有のサンドボックス化(隔離)により、システム上の特定のファイルやデバイスへのアクセスに制限がある場合がある(
--classic
オプションで緩和可能だが、セキュリティ上の注意が必要)。apt
でインストールされた他のソフトウェアとの連携でまれに問題が発生する可能性もゼロではない。パッケージサイズが大きい傾向がある。
- 直接.debパッケージをダウンロードしてインストールする方法:
- VS Codeの公式サイトから、UbuntuなどのDebianベースのシステム向けパッケージ(.debファイル)をダウンロードし、手動でインストールする方法です。
- メリット: オフライン環境でのインストールにも対応できる(事前にファイルをダウンロードしておけば)。特定のバージョンをインストールしたい場合に便利。
- デメリット: アップデートを自動で行えないため、新しいバージョンが出たら手動でダウンロード・インストールし直す必要がある。依存関係の問題が発生する可能性がある(最近の
apt
コマンドである程度解消されている)。
この記事では、最も推奨される「Microsoft公式リポジトリを使用する方法 (apt)」を最初に、そして最も詳しく解説します。その後、「Snapストアを使用する方法」と「直接.debパッケージをダウンロードしてインストールする方法」についても、それぞれの手順と特徴を解説します。
どの方法を選ぶかは個人の好みや環境によりますが、特別な理由がなければ「Microsoft公式リポジトリを使用する方法 (apt)」をお勧めします。この方法でインストールしておけば、今後のアップデートが非常に楽になるからです。
方法1:Microsoft公式リポジトリを使用してaptでインストールする(推奨)
この方法は、Ubuntuのパッケージ管理システムであるapt
にVS Codeの公式ソフトウェアリポジトリを追加することで、aptコマンドを通じてVS Codeをインストールおよび管理するものです。一度設定してしまえば、OSのアップデートなどと同じ感覚でVS Codeも最新の状態に保つことができます。これが最も推奨される方法です。
手順は以下の通りです。ターミナルを開いて作業を行います。ターミナルは、アプリケーションメニューから「端末」または「Terminal」と検索して起動できます。
ステップ1:MicrosoftのGPGキーを追加する
ソフトウェアリポジトリを追加する前に、そのリポジトリからダウンロードするパッケージの署名を確認するためのGPG(GNU Privacy Guard)キーを追加する必要があります。これは、ダウンロードしたパッケージが正規のものであり、改ざんされていないことを保証するためのセキュリティ対策です。
以下のコマンドを順番に実行します。
まず、wget
コマンドでMicrosoftのGPGキーをダウンロードし、gpg
コマンドを使ってそれを復号化し、dearmor
を使ってバイナリ形式に変換し、/etc/apt/keyrings/
ディレクトリに保存します。
“`bash
依存関係として必要になる場合があるため、もしインストールされていなければwgetとgnupgをインストールします
sudo apt update
sudo apt install -y wget apt-transport-https gnupg
MicrosoftのGPGキーをダウンロードし、安全な場所に保存します
/etc/apt/keyrings/ディレクトリは、新しいバージョンのUbuntuで推奨されるキー保存場所です
wget -O- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | sudo gpg –dearmor | sudo tee /etc/apt/keyrings/microsoft.gpg > /dev/null
“`
解説:
sudo apt update
: システムのパッケージリストを最新の状態に更新します。これは、次にインストールするパッケージ(wget
,apt-transport-https
,gnupg
)が最新のものであることを確認するために重要です。sudo apt install -y wget apt-transport-https gnupg
:wget
(Webからファイルをダウンロードするコマンド)、apt-transport-https
(HTTPS経由でaptリポジトリにアクセスするために必要)、gnupg
(GPGキーを扱うために必要)をインストールします。-y
オプションは、インストール中に確認のプロンプトが表示されても自動的に「はい」と答えるようにします。wget -O- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
: 指定されたURLからMicrosoftのGPGキーファイルをダウンロードします。-O-
オプションは、ダウンロードした内容をファイルに保存するのではなく、標準出力(画面)に表示することを意味します。|
: これはパイプと呼ばれるもので、前のコマンドの標準出力を次のコマンドの標準入力に渡します。sudo gpg --dearmor
:gpg
コマンドを使って、標準入力から受け取ったアスキー形式のGPGキーを、aptが認識できるバイナリ形式に変換します。sudo
が必要なのは、後の出力先がシステムファイルだからです。| sudo tee /etc/apt/keyrings/microsoft.gpg > /dev/null
: 再びパイプを使用します。tee
コマンドは、標準入力から受け取った内容をファイルに書き込みながら、同時に標準出力にも表示します。ここではsudo
を使って/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
というシステムファイルに書き込みます。> /dev/null
は、tee
コマンドが標準出力に表示する内容を捨ててしまい、ターミナルがすっきりするようにします。これにより、GPGキーが/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
として保存されます。
このコマンドがエラーなく実行されれば、Microsoftのリポジトリキーがシステムに安全に登録されたことになります。
ステップ2:MicrosoftのVS Codeリポジトリをaptに追加する
次に、aptがVS Codeパッケージを見つけられるように、Microsoftが提供するVS Codeのリポジトリ情報をシステムに追加します。リポジトリ情報は通常、/etc/apt/sources.list.d/
ディレクトリ内のファイルに記述します。
以下のコマンドを実行します。
“`bash
VS Codeのリポジトリ情報を記述したファイルを/etc/apt/sources.list.d/に作成します
UbuntuのバージョンによってリポジトリURLのコードネーム部分が異なる場合がありますが、
現在のVS Codeリポジトリは”stable”という固定名で運用されています
echo “deb [arch=$(dpkg –print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main” | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/vscode.list > /dev/null
“`
解説:
echo "..."
: 指定された文字列を標準出力に表示します。deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main
: これがaptリポジトリの記述形式です。deb
: Debian形式のバイナリパッケージのリポジトリであることを示します。[arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg]
: オプションです。arch=$(dpkg --print-architecture)
: システムのアーキテクチャ(amd64, arm64など)を自動的に取得し、そのアーキテクチャ用のパッケージを探すように指定します。これにより、コマンドを異なるアーキテクチャのシステムでも使い回せます。$(...)
はコマンド置換で、中のコマンドの実行結果がここに挿入されます。signed-by=/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
: このリポジトリからダウンロードするパッケージは、/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
に保存されたキーで署名されている必要がある、とaptに伝えます。これにより、ステップ1で追加したキーと連携し、パッケージの正当性を検証します。
https://packages.microsoft.com/repos/code
: リポジトリのベースURLです。stable
: リポジトリの「ディストリビューション名」です。VS Codeリポジトリではバージョンに関わらず常にstable
が使われます。main
: リポジトリの「コンポーネント名」です。通常、パッケージのカテゴリ分けに使用されます。
| sudo tee /etc/apt/sources.list.d/vscode.list > /dev/null
:tee
コマンドを使って、echo
コマンドの出力を/etc/apt/sources.list.d/vscode.list
というファイルに書き込みます。このファイル名は何でも良いですが、内容が分かりやすいようにvscode.list
とすることが多いです。このディレクトリ内の.list
ファイルは、aptがリポジトリ情報の読み込み時に参照します。再び> /dev/null
で標準出力は捨てています。
このコマンドにより、aptは次回以降、このファイルに記述されたURLからVS Codeパッケージの情報を取得できるようになります。
ステップ3:aptパッケージリストを更新する
新しいリポジトリ情報をシステムに追加したり、既存のリポジトリ情報を変更したりした場合は、必ずaptのパッケージリストを更新する必要があります。これは、aptが「どのパッケージが利用可能で、どのバージョンが存在し、どこからダウンロードできるか」という情報を最新の状態に保つために行います。
以下のコマンドを実行します。
“`bash
aptのパッケージリストを更新します
sudo apt update
“`
解説:
sudo apt update
:/etc/apt/sources.list
および/etc/apt/sources.list.d/
ディレクトリ内の.list
ファイルに記述されたすべてのリポジトリにアクセスし、利用可能なパッケージのリスト(インデックスファイル)をダウンロードします。このステップを実行しないと、システムは追加したばかりのVS Codeリポジトリの存在を知ることができず、VS Codeをインストールできません。
このコマンドを実行すると、新しく追加したMicrosoftリポジトリを含む、設定されている全てのリポジトリから情報がダウンロードされる様子がターミナルに表示されます。以下のような行が含まれていれば成功です。
...
Get:X https://packages.microsoft.com/repos/code stable InRelease [XXXX B]
...
Reading package lists... Done
...
Get:X ...
の部分でMicrosoftリポジトリから情報がダウンロードされていることを確認してください。
ステップ4:Visual Studio Codeをインストールする
パッケージリストが更新され、aptがVS Codeパッケージの存在を認識できるようになったら、いよいよインストールです。
以下のコマンドを実行します。
“`bash
Visual Studio Codeをインストールします
sudo apt install code
“`
解説:
sudo apt install code
:apt
コマンドを使ってcode
という名前のパッケージをインストールします。VS Codeのパッケージ名はcode
です。aptは、ステップ3で更新したパッケージリストを参照し、最適なバージョンのcode
パッケージを見つけ、必要な依存関係(他のライブラリなど、VS Codeが動作するために必要なソフトウェア)があればそれらも一緒にダウンロードしてインストールします。
コマンドを実行すると、インストールされるパッケージとその容量の概要が表示され、続行するかどうかの確認([Y/n]
)を求められます。通常はY
またはEnterキーを押してインストールを続行します。-y
オプションを付けて実行すれば、確認なしでインストールが進みます。
インストールが完了するまでしばらく待ちます。インターネット接続の速度やPCの性能によって時間は異なりますが、通常は数分以内に完了します。
ステップ5:インストールを確認する
インストールが成功したことを確認します。VS Codeが正しくインストールされていれば、アプリケーションメニューから起動できるはずです。また、ターミナルからコマンドを実行してバージョンを確認することもできます。
アプリケーションメニューを開き、「code」または「Visual Studio Code」と検索してみてください。アイコンが表示されればインストール成功です。クリックして起動できます。
ターミナルから確認する場合は、以下のコマンドを実行します。
“`bash
インストールされたVS Codeのバージョンを確認します
code –version
“`
解説:
code --version
: VS Code本体の実行ファイルはcode
という名前です。このコマンドに--version
オプションを付けて実行すると、インストールされているVS Codeのバージョン情報が表示されます。
例えば、以下のような出力が得られます(バージョン番号はインストールした時期によって異なります)。
1.85.1
a5cc84e416f75340b7b05a8e2a615f48035a8509
x64
このようにバージョン情報が表示されれば、VS Codeのインストールは成功です。
aptでのインストールのまとめ
Microsoft公式リポジトリを使用したaptでのインストールは、以下の4つのステップで行います。
- MicrosoftのGPGキーを追加 (
wget
,gpg
,tee
) - VS Codeリポジトリ情報を追加 (
echo
,tee
) - aptパッケージリストを更新 (
sudo apt update
) - VS Codeをインストール (
sudo apt install code
)
この方法の最大の利点は、今後のアップデートが非常に容易になることです。
方法2:Snapストアを使用してインストールする
Snapは、Ubuntuを含む多くのLinuxディストリビューションで利用可能なパッケージングシステムです。Snapパッケージは、アプリケーションとそのすべての依存関係を一つのファイルにまとめて提供します。これにより、依存関係の競合などの問題を回避しやすく、システムから隔離された(サンドボックス化された)環境でアプリケーションを実行できます。VS Codeも公式にSnapパッケージとして提供されています。
SnapでVS Codeをインストールする手順は非常にシンプルです。
ステップ1:Snapdがインストールされているか確認する
ほとんどの現代のUbuntuバージョン(Ubuntu 16.04以降)には、Snapパッケージを管理するためのsnapd
サービスがプリインストールされています。念のため、以下のコマンドで確認できます。
“`bash
snapdサービスのステータスを確認します
systemctl status snapd.service
“`
または、Snapコマンドが利用可能か確認します。
“`bash
snapdのバージョンを確認します
snap –version
“`
もしsnapd
がインストールされていない、または起動していない場合は、以下のコマンドでインストール・起動できます。
“`bash
snapdをインストール・起動します
sudo apt update
sudo apt install snapd
sudo systemctl enable –now snapd.service
“`
ステップ2:SnapストアからVS Codeをインストールする
SnapストアからVS Codeをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
“`bash
SnapストアからVS Codeをインストールします
sudo snap install code –classic
“`
解説:
sudo snap install code
: Snapパッケージマネージャー(snap
コマンド)を使って、code
という名前のパッケージ(VS Code)をインストールします。Snapストアから最新版のcode
パッケージがダウンロードされ、システムにインストールされます。--classic
: このオプションはSnapパッケージ特有のものです。通常、Snapパッケージはセキュリティ上の理由からシステムから隔離されたサンドボックス内で実行されます。これにより、アプリケーションがシステムの他の部分に予期せぬ影響を与えることを防ぎます。しかし、VS Codeのような開発ツールは、ファイルシステム上の様々な場所にアクセスしたり、他の開発ツール(コンパイラ、リンカ、バージョン管理システムなど)と連携したりする必要があります。--classic
オプションを付けることで、この隔離を緩和し、より広範なシステムリソースへのアクセスを許可します。ただし、これによりSnapのセキュリティ上の利点の一部が失われるため、信頼できるソフトウェアにのみ使用すべきです。Microsoft公式のVS Code Snapパッケージは信頼できるため、通常はこのオプションを付けてインストールします。--classic
を付けずにインストールすると、特定の拡張機能が動作しない、ファイルが開けないなどの問題が発生する可能性があります。
このコマンドを実行すると、Snapパッケージのダウンロードとインストールが開始されます。パッケージサイズは比較的大きい(数百MB)場合があるため、完了までしばらく時間がかかります。進捗状況がターミナルに表示されます。
Download snap "code" (xxxx) from channel "stable" (xxx MB)
xxxx/xxxx, xxxMB
...
code xxx installed
インストールが完了すると、code xxx installed
のようなメッセージが表示されます。
ステップ3:インストールを確認する
インストールが成功したことを確認します。アプリケーションメニューから「code」または「Visual Studio Code」と検索して起動できます。
Snapでインストールされたパッケージは、通常/snap/bin/
ディレクトリに実行ファイルが配置されますが、これがPATHに追加されるため、ターミナルからcode
コマンドで起動することも可能です。
ターミナルから確認する場合は、以下のコマンドを実行します。
“`bash
SnapでインストールされたVS Codeのバージョンを確認します
code –version
“`
または、Snapパッケージのリストを確認します。
“`bash
インストールされているSnapパッケージのリストを表示します
snap list
“`
出力の中にcode
という項目があれば、Snapでのインストールは成功です。
Name Version Rev Tracking Publisher Notes
code 1.85.1 xxx stable vscode* classic
...
Snapでのインストールのまとめ
Snapストアを使用したVS Codeのインストールは、以下の1つの主要なステップで行います。
- SnapストアからVS Codeをインストール (
sudo snap install code --classic
)
この方法の最大の利点は、コマンドが非常にシンプルであることです。ただし、Snap特有の特性(サンドボックス、--classic
オプション)を理解しておく必要があります。アップデートはSnapdによって自動的にバックグラウンドで行われることが多いため、基本的には手動でのアップデート作業は不要です。
方法3:.debパッケージをダウンロードしてインストールする
この方法は、VS Codeの公式サイトから直接Linux向けパッケージファイル(.deb
形式)をダウンロードし、手動でインストールするものです。特別なリポジトリ設定は不要ですが、アップデートのたびに手動で同じ手順を繰り返す必要があります。
ステップ1:VS Codeの公式サイトから.debパッケージをダウンロードする
Webブラウザを開き、Visual Studio Codeの公式サイトのダウンロードページにアクセスします。
公式サイト:https://code.visualstudio.com/
ダウンロードページ:https://code.visualstudio.com/download
ダウンロードページを開くと、各OS向けのダウンロードリンクが表示されています。Linuxの項目にある「.deb (Debian, Ubuntu)」というリンクをクリックして、最新版のVS Codeの.deb
ファイルをダウンロードします。
ファイルは通常、Downloads
ディレクトリに保存されます。ファイル名は例えば code_1.85.1-1702439615_amd64.deb
のようになります(バージョン番号やビルド番号はダウンロード時期によって異なります)。
ステップ2:ダウンロードした.debパッケージをインストールする
ダウンロードした.deb
ファイルを使ってVS Codeをインストールします。.deb
パッケージはDebianパッケージングシステム(dpkg)の形式ですが、最近のUbuntuではapt
コマンドを使って.deb
ファイルをローカルからインストールするのが推奨されています。これは、apt
が自動的に依存関係を解決・インストールしてくれるためです。
ターミナルを開き、ダウンロードしたファイルがあるディレクトリ(通常はDownloads
)に移動します。
“`bash
ダウンロードディレクトリに移動します
cd ~/Downloads/
“`
次に、以下のコマンドでダウンロードした.deb
ファイルをインストールします。ファイル名はダウンロードしたものの正確な名前に置き換えてください。
“`bash
ダウンロードした.debファイルをインストールします (ファイル名は適宜変更)
sudo apt install ./code_*.deb
“`
解説:
cd ~/Downloads/
: ホームディレクトリ(~
)の下にあるDownloads
ディレクトリに移動します。sudo apt install ./code_*.deb
:apt
コマンドを使って、カレントディレクトリ(./
)にあるcode_
で始まり.deb
で終わるファイル名にマッチするパッケージをインストールします。*.deb
というワイルドカードを使うことで、正確なファイル名を入力する手間を省けます。apt install
は.deb
ファイルを指定された場合、それをローカルリポジトリとして扱います。- 補足: 古い情報や他のサイトでは
sudo dpkg -i ./code_*.deb
というコマンドが紹介されていることもあります。dpkg -i
も.deb
ファイルをインストールするコマンドですが、依存関係が満たされていない場合にエラーで停止してしまいます。その後、sudo apt --fix-broken install
を実行して依存関係を解決する必要があり、手間がかかります。一方、sudo apt install ./ファイル名.deb
は、依存関係を自動的に解決して必要なパッケージをインストールしてくれるため、こちらの方が簡単で推奨されます。
- 補足: 古い情報や他のサイトでは
コマンドを実行すると、インストールされるパッケージとその容量の概要が表示され、確認([Y/n]
)を求められます。Y
またはEnterキーで続行します。
インストールが完了するまでしばらく待ちます。
ステップ3:インストールを確認する
インストールが成功したことを確認します。アプリケーションメニューから「code」または「Visual Studio Code」と検索して起動できます。
ターミナルから確認する場合は、以下のコマンドを実行します。
“`bash
インストールされたVS Codeのバージョンを確認します
code –version
“`
バージョン情報が表示されればインストール成功です。
.debパッケージでのインストールのまとめ
.debパッケージを使用したVS Codeのインストールは、以下の3つのステップで行います。
- 公式サイトから.debファイルをダウンロード (Webブラウザまたは
wget
) - ダウンロードした.debファイルをインストール (
sudo apt install ./ファイル名.deb
) - インストールを確認 (
code --version
)
この方法の主な利点は、インターネットに繋がっていない環境でも(事前にファイルをダウンロードしておけば)インストールできることや、特定のバージョンをピンポイントでインストールできることです。しかし、アップデートの手間がかかるため、常に最新版を使いたい場合には「Microsoft公式リポジトリ + apt」の方法が便利です。
VS Codeの起動と初期設定
いずれかの方法でVS Codeのインストールが完了したら、さっそく起動してみましょう。
アプリケーションメニューを開き、「Visual Studio Code」と入力して検索すると、アイコンが表示されます。クリックして起動します。
または、ターミナルから以下のコマンドでも起動できます。
“`bash
VS Codeを起動します
code
“`
ターミナルからcode
コマンドで起動した場合、そのターミナルはVS Codeのプロセスに紐づけられます。ターミナルを閉じるとVS Codeも終了します。バックグラウンドで起動したい場合は、code &
のように末尾に&
を付けます。
初回起動時の設定
VS Codeを初めて起動すると、ウェルカムページが表示されます。ここから基本的な設定や学習リソースにアクセスできます。
- テーマの選択: 好みのカラーテーマを選択できます(Dark、Light、High Contrastなど)。後から設定で変更可能です。
- 設定の同期: 複数のデバイス間でVS Codeの設定、インストールした拡張機能、キーバインドなどを同期する機能です。MicrosoftアカウントまたはGitHubアカウントが必要です。非常に便利な機能なので、複数のPCで開発する場合は設定をお勧めします。
- 主要な拡張機能のインストール: ウェルカムページや左側のアクティビティバーにある拡張機能アイコン(四角いアイコン)から、必要なプログラミング言語やフレームワークの拡張機能をインストールできます。例えば、Python開発なら「Python」、Web開発なら「Live Server」といった拡張機能です。
- Gitのセットアップ: Gitがシステムにインストールされていれば、VS Codeは自動的に認識します。ウェルカムページからGitリポジトリのクローンや新しいリポジトリの作成などが可能です。
- 学習リソース: VS Codeの使い方に関するチュートリアルやドキュメントへのリンクがあります。
おすすめの初期設定・拡張機能
- 設定の同期: ぜひ設定しましょう。
- 日本語化: デフォルトでは英語インターフェースです。日本語化したい場合は、拡張機能ビューで「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」を検索してインストールし、VS Codeを再起動します。
- テーマとフォント: 見やすいテーマやプログラミングに適した等幅フォント(例: Fira Code, Ricty)を設定すると快適さが向上します。設定は
File > Preferences > Settings
(またはCtrl+,
) から行えます。 - 主要言語の拡張機能: 開発する言語に対応した拡張機能は必須です。コード補完、デバッグ、リンティング、フォーマットなど、様々な機能が追加されます。例えば:
- Python: Microsoft公式の「Python」拡張機能
- JavaScript/TypeScript/Node.js: VS Code自体が強力な機能を内蔵していますが、「ESLint」「Prettier」「Debugger for Chrome」なども人気です。
- C++/C#: Microsoft公式の「C/C++」や「C#」拡張機能
- Go: 「Go」拡張機能
- Rust: 「rust-analyzer」拡張機能
- Web開発全般: 「HTML CSS Support」「Live Server」など。
- Git拡張機能: VS CodeはGit統合が強力ですが、「GitLens」のような拡張機能を追加すると、より詳細な情報(誰がいつその行を変更したかなど)が表示されるようになります。
これらの設定や拡張機能の導入により、VS Codeはさらに強力で使いやすい開発環境へと進化します。
VS Codeのアップデート方法
ソフトウェアは常に進化しており、セキュリティ修正や新機能、バグ修正のために定期的にアップデートすることが推奨されます。VS Codeも例外ではありません。インストール方法によってアップデートの手順が異なります。
方法1 (apt) でインストールした場合のアップデート
この方法でインストールした場合、VS Codeは通常のシステムパッケージとして扱われます。したがって、他のシステムパッケージと同じようにapt
コマンドで簡単にアップデートできます。
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
“`bash
パッケージリストを更新します
sudo apt update
インストールされているすべてのパッケージをアップデートします (VS Codeも含まれます)
sudo apt upgrade
“`
または、VS Codeパッケージだけをピンポイントでアップデートすることも可能ですが、通常はapt upgrade
でまとめてアップデートする方が楽です。
“`bash
VS Codeパッケージのみをアップデートします
sudo apt update
sudo apt install –only-upgrade code
“`
apt upgrade
を実行すれば、VS Codeに新しいバージョンがあれば自動的に検出され、インストールが提案されます。確認プロンプトでY
を入力すればアップデートが実行されます。
これが、Microsoft公式リポジトリ+aptの方法を推奨する大きな理由の一つです。システムのメンテナンスと同時にVS Codeも最新に保てます。
方法2 (Snap) でインストールした場合のアップデート
Snapパッケージは、デフォルトで自動的にバックグラウンドでアップデートが実行されるように設定されています。通常、ユーザーが手動でアップデートする必要はありません。Snapdサービスが定期的に新しいバージョンを確認し、利用可能であればダウンロードしてインストールします。
手動でアップデートをチェック・実行したい場合は、以下のコマンドを実行します。
“`bash
インストールされているSnapパッケージのアップデートを確認・実行します
sudo snap refresh
“`
このコマンドは、インストールされている全てのSnapパッケージについてアップデートを確認し、利用可能なものがあればダウンロードして適用します。
Snapのアップデートは、新しいバージョンがダウンロードされた後、次にアプリケーションを起動したときに切り替わる方式の場合があります。したがって、アップデート後に一度VS Codeを終了して再度起動すると、新しいバージョンが反映されていることが確認できます。
方法3 (.deb) でインストールした場合のアップデート
.debファイルをダウンロードしてインストールした場合、システムにはVS Codeパッケージはインストールされますが、それは静的なファイルセットとして扱われます。新しいバージョンがリリースされても、システムが自動的にそれを検知してアップデートを促すことはありません。
最新版にアップデートするには、手動で以下の手順を実行する必要があります。
- VS Codeの公式サイトのダウンロードページにアクセスする。
- 最新版の
.deb
ファイルを再度ダウンロードする。 - ダウンロードした新しい
.deb
ファイルを、インストール時と同様にsudo apt install ./新しいファイル名.deb
コマンドでインストールする。
apt install ./新しいファイル名.deb
コマンドは、既にVS Codeがインストールされている場合、古いバージョンを新しいバージョンに「アップグレード」する形でインストールを実行します。依存関係も適切に処理されます。
この方法でのアップデートは手間がかかるため、常に最新版を利用したい場合はあまりお勧めできません。
VS Codeのアンインストール方法
VS Codeが不要になった場合、または再インストールしたい場合は、以下の手順でアンインストールできます。インストール方法によって手順が異なります。
方法1 (apt) でインストールした場合のアンインストール
aptでインストールしたVS Codeをアンインストールするには、以下のコマンドを実行します。
“`bash
VS Codeパッケージをアンインストールします (設定ファイルは残る)
sudo apt remove code
VS Codeパッケージと設定ファイルを完全に削除します
sudo apt purge code
“`
解説:
sudo apt remove code
:code
パッケージをシステムから削除します。ただし、VS Codeの設定ファイルやユーザーデータ(拡張機能など)はホームディレクトリ内の隠しディレクトリ(通常~/.config/Code/
や~/.vscode/
)に残されます。これは、後で同じソフトウェアを再インストールしたときに設定を引き継げるようにするためです。sudo apt purge code
:code
パッケージを削除すると同時に、関連する設定ファイルやユーザーデータもシステムから完全に削除します。クリーンな状態で削除したい場合や、完全に初期状態に戻したい場合にこちらを使います。
どちらのコマンドを選んでも、VS Code本体はシステムから削除されます。
また、aptでインストールした場合、リポジトリ情報やGPGキーもシステムに残ります。これらも削除したい場合は、以下のファイルを削除します(注意: Microsoftの他のソフトウェア(例: Skype for Linux, PowerShell)もインストールしている場合、同じリポジトリやキーを使っている可能性があるため、その場合は削除しない方が良いです)。
“`bash
VS Codeリポジトリ情報ファイルを削除します
sudo rm /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
Microsoft GPGキーファイルを削除します (Microsoftの他のソフトを入れていない場合のみ)
sudo rm /etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
“`
その後、aptのパッケージリストを更新します。
bash
sudo apt update
これで、VS Codeに関連するシステム側の設定もクリーンアップされます。
方法2 (Snap) でインストールした場合のアンインストール
SnapでインストールしたVS Codeをアンインストールするには、以下のコマンドを実行します。
“`bash
SnapでインストールしたVS Codeパッケージをアンインストールします
sudo snap remove code
“`
解説:
sudo snap remove code
: Snapパッケージマネージャーを使って、code
という名前のパッケージを削除します。Snapパッケージは自己完結型のため、このコマンド一つでアプリケーション本体と関連ファイルがまとめて削除されます。ただし、ユーザーの設定ファイルやデータ(例:~/snap/code/current/.config/Code/
以下)は残る場合があります。
SnapでインストールされたVS Codeの設定やデータは、ホームディレクトリの隠しディレクトリ ~/snap/code/
以下に保存されることが多いです。これを完全に削除したい場合は、Snapパッケージを削除した後に手動でこのディレクトリも削除します(注意: 念のためバックアップを取るか、中に重要なデータがないか確認してから削除してください)。
“`bash
Snap版VS Codeのユーザーデータを削除します (任意)
ディレクトリ名は正確なパスを確認してください
rm -rf ~/snap/code/
“`
方法3 (.deb) でインストールした場合のアンインストール
.debファイルを直接インストールした場合も、基本的にはaptでインストールしたパッケージとしてシステムに登録されています。したがって、アンインストールはaptコマンドで行います。
“`bash
.debからインストールしたVS Codeをアンインストールします (設定ファイルは残る)
sudo apt remove code
.debからインストールしたVS Codeと設定ファイルを完全に削除します
sudo apt purge code
“`
apt remove/purgeコマンドの解説は、方法1の場合と同じです。.deb
でインストールした場合も、ユーザー設定ファイル(~/.config/Code/
, ~/.vscode/
)はホームディレクトリに残ります。これらを完全に削除したい場合はapt purge
を使うか、手動で削除します。
トラブルシューティング:よくある問題とその解決策
インストール中に問題が発生した場合の一般的なトラブルシューティングです。
エラー:E: Unable to locate package code
原因: apt update
を実行していないか、リポジトリ情報が正しく追加されていない。または、リポジトリのURLや設定が間違っている可能性があります。
解決策:
- Microsoft公式リポジトリの方法を選んだ場合、ステップ1とステップ2のコマンドがエラーなく実行されたか確認してください。特に、
/etc/apt/sources.list.d/vscode.list
ファイルが作成されているか、/etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
ファイルが存在するかを確認します。 - リポジトリ情報ファイルの内容が正しいか確認します。
bash
cat /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
出力がdeb [arch=...] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main
のようになっているか確認します。arch
の部分はシステムによって異なります。 - 最重要: 必ず
sudo apt update
コマンドをエラーなく実行してください。このコマンドを実行しないと、システムは新しく追加したリポジトリからパッケージ情報を取得できません。sudo apt update
の実行時に、Microsoftリポジトリからのダウンロードを示す行(Get:X https://packages.microsoft.com/repos/code stable InRelease [...]
)が表示されるか確認してください。
エラー:GPGキーに関する警告やエラー (NO_PUBKEY
, BADSIG
, 403 Forbiddenなど)
原因: GPGキーが正しく追加されていない、または破損している。または、キーのダウンロード元にアクセスできない。
解決策:
- ステップ1のGPGキーを追加するコマンド(
wget ... | sudo gpg --dearmor | sudo tee ...
)を再度実行してみてください。コマンドがエラーなく完了するか確認します。 - キーファイルが正しい場所に正しい権限で作成されているか確認します。
bash
ls -l /etc/apt/keyrings/microsoft.gpg
-rw-r--r--
のような権限で、root root
などのユーザー・グループになっているか確認します。ファイルが存在しない場合は、コマンドが失敗しています。 wget
コマンドでキーをダウンロードするURL(https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
)にブラウザからアクセスできるか確認し、インターネット接続に問題がないか確認します。- 古いUbuntuバージョンを使用している場合や、GPGキーの管理方法が異なる場合は、
/etc/apt/trusted.gpg.d/
にキーを追加する必要があるかもしれません。その場合はステップ1のコマンドを以下のように変更します(非推奨:/etc/apt/keyrings/
の方が新しいバージョンでは推奨されています)。
bash
wget -O- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > microsoft.gpg
sudo mv microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
注意:/etc/apt/trusted.gpg.d/
にキーを置くと、そのキーが署名した全てのリポジトリが信頼されることになります。/etc/apt/keyrings/
に置き、リポジトリ設定ファイル(.list
)でsigned-by=
オプションを指定する方がセキュリティ上はより良い方法です。 - それでも解決しない場合は、一時的なネットワークの問題やMicrosoft側のサーバーの問題の可能性もあります。しばらく時間をおいて再度試してみてください。
エラー:dpkg: error processing archive ... (--install): dependency problems ...
原因: .debパッケージからインストールしようとした際に、VS Codeが依存している他のパッケージがシステムにインストールされていない。
解決策:
.deb
ファイルをインストールする際に、sudo dpkg -i ./ファイル名.deb
ではなく、sudo apt install ./ファイル名.deb
を使用してください。apt install
は依存関係を自動的に解決して不足しているパッケージをインストールしようとします。- もし
dpkg -i
でエラーになった後であれば、以下のコマンドを実行して依存関係の問題を解決できます。
bash
sudo apt --fix-broken install
このコマンドは、システム上の壊れた依存関係を探し、不足しているパッケージをインストールしたり、問題を解決するための操作を行います。
Snapインストール時の--classic
に関する警告
原因: --classic
オプションを使用すると、Snapのサンドボックス化の一部が無効になるため、セキュリティ上の注意が必要であることをシステムが警告している。
解決策: これは警告であり、エラーではありません。Microsoft公式のVS Code Snapパッケージは信頼できるため、通常はこの警告は無視して問題ありません。VS Codeのような開発ツールはシステムリソースへの広範なアクセスが必要なため、--classic
オプションは意図された挙動です。ただし、他のSnapパッケージで--classic
を使う場合は、そのソフトウェアの信頼性を十分に確認する必要があります。
VS Codeが起動しない、または動作がおかしい
原因: インストールが不完全、環境設定の問題、互換性の問題、または拡張機能の問題。
解決策:
- 一度VS Codeを終了し、再度起動してみる。
- ターミナルから
code
コマンドで起動し、何かエラーメッセージが出力されるか確認する。 - VS Codeのバージョンが古い場合は、最新版にアップデートする。
- インストール方法に問題があった可能性があれば、一度完全にアンインストールし、推奨される「Microsoft公式リポジトリ+apt」の方法で再インストールしてみる。
- 最近インストールした拡張機能が問題の原因かもしれない場合は、VS Codeを拡張機能を無効にしたセーフモードで起動してみる。
bash
code --disable-extensions
これで正常に起動・動作する場合は、拡張機能のいずれかが問題です。セーフモードで起動後、拡張機能ビューで最近追加したものを一つずつ無効化して原因を特定します。 -
VS Codeのユーザーデータディレクトリをリセットしてみる(注意: これにより設定、拡張機能、ワークスペース情報などが全て失われます。自己責任で行ってください)。
“`bash
# 設定ディレクトリの名前はインストール方法や時期によって異なる場合があります
# apt/debインストールの場合:
# rm -rf ~/.config/Code/
# rm -rf ~/.vscode/Snapインストールの場合:
rm -rf ~/snap/code/current/.config/Code/
rm -rf ~/snap/code/current/.vscode/
“`
リセット後、VS Codeを再起動すると初期状態に戻ります。
まとめ:あなたに最適なインストール方法は?
ここまで、UbuntuにVS Codeをインストールするための主要な3つの方法を詳細に解説しました。
- Microsoft公式リポジトリ + apt: 最も推奨される方法です。初期設定としてリポジトリとキーの追加が必要ですが、一度設定すれば
sudo apt upgrade
コマンドでOSや他のソフトウェアと一緒にVS Codeも簡単に最新版に保つことができます。セキュリティと利便性のバランスが最も優れています。 - Snapストア: インストールコマンドが最もシンプルです。
sudo snap install code --classic
の一行で完了します。アップデートも自動で行われることが多いです。ただし、Snapのサンドボックス化による制約や、--classic
オプションの意味を理解しておく必要があります。シンプルさを最優先する場合に適しています。 - .debパッケージのダウンロード: 特定のバージョンをインストールしたい場合や、オフライン環境でのインストールが必要な場合に便利です。しかし、アップデートのたびに手動でダウンロード・インストールが必要になるため、継続的な利用には手間がかかります。
特別な理由がなければ、Microsoft公式リポジトリを使用してaptでインストールする方法を選ぶことを強くお勧めします。この方法でインストールしておけば、将来的なアップデートの手間が大幅に省け、常に最新のセキュリティ修正や機能を利用できるようになります。
開発を始めよう!
VS Codeのインストールが完了し、基本的な設定が終わったら、さあ開発を始めましょう!
- フォルダを開く:
File > Open Folder...
から、プロジェクトのコードが保存されているフォルダを開きます。VS Codeはそのフォルダの内容を読み込み、ファイルツリーを表示します。 - ファイルを作成/開く: ファイルツリーから既存のファイルを開くか、新しいファイルを作成します。VS Codeはファイル拡張子に基づいて、適切なシンタックスハイライトや言語機能(インストールした拡張機能による)を提供します。
- コードを書く: コード補完(IntelliSense)、スニペット、リンティング(コードの問題点指摘)などの支援を受けながらコードを記述します。
- ターミナルを使う:
View > Terminal
から統合ターミナルを開き、コンパイル、スクリプト実行、GitコマンドなどをVS Code内で行えます。 - デバッグ: デバッグビュー(左側のアクティビティバーにある虫アイコン)から、ブレークポイントを設定し、コードをステップ実行して問題を特定・修正できます。多くの言語でデバッグ機能が利用可能です(対応する拡張機能が必要です)。
- Git連携: ソース管理ビュー(左側のアクティビティバーにある三つ又のアイコン)から、Gitリポジトリのステータス確認、変更のステージング、コミット、プッシュ/プルなどの操作をVS CodeのGUIで行えます。
これらの基本的な機能だけでも、VS Codeは非常に強力な開発ツールとして機能します。さらに、VS Codeマーケットプレイスには、様々な言語、フレームワーク、開発ワークフローをサポートする数万もの拡張機能があります。あなたの開発スタイルに合わせて、ぜひ色々な拡張機能を試してみてください。
おわりに
この記事では、UbuntuにVisual Studio Codeをインストールする最も簡単で推奨される方法を中心に、他の方法も比較しながら詳細に解説しました。各ステップのコマンドだけでなく、その背後にある理由や概念(リポジトリ、GPGキー、apt、Snapなど)についても可能な限り丁寧に説明しました。
VS Codeは、その柔軟性と拡張性により、あなたの開発作業を劇的に効率化してくれる強力なツールです。この記事が、あなたがUbuntu環境でVS Codeをスムーズに導入し、快適な開発環境を構築するための一助となれば幸いです。
もしインストール中に不明な点や問題が発生した場合は、この記事のトラブルシューティングセクションを参照するか、VS Codeの公式ドキュメントやUbuntuのコミュニティフォーラムなどで情報を検索してみてください。多くのVS Codeユーザーがいますので、解決策が見つかる可能性が高いです。
さあ、VS CodeとUbuntuの素晴らしい組み合わせで、あなたの開発プロジェクトを成功させましょう!